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特許7182540カードシャッフルシステム及びカードの印を検出する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-24
(45)【発行日】2022-12-02
(54)【発明の名称】カードシャッフルシステム及びカードの印を検出する方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 1/12 20060101AFI20221125BHJP
   A63F 1/14 20060101ALI20221125BHJP
   A63F 1/06 20060101ALI20221125BHJP
【FI】
A63F1/12
A63F1/14
A63F1/06 Z
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2019522231
(86)(22)【出願日】2017-10-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-01-09
(86)【国際出願番号】 US2017058434
(87)【国際公開番号】W WO2018081360
(87)【国際公開日】2018-05-03
【審査請求日】2020-10-21
(31)【優先権主張番号】15/336,779
(32)【優先日】2016-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518390952
【氏名又は名称】シャーク トラップ ゲーミング アンド セキュリティ システムズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】SHARK TRAP GAMING & SECURITY SYSTEMS, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100081455
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100170966
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 正紀
(72)【発明者】
【氏名】リオーダン、マイケル、アーネスト
(72)【発明者】
【氏名】デグレゴリオ、ルイス、ウィルソン
(72)【発明者】
【氏名】デグレゴリオ、ディーノ、ルイス
(72)【発明者】
【氏名】フォルテ、スティーブン、ルイス
【審査官】木村 隆一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/014936(WO,A2)
【文献】米国特許第05707287(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0346733(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0113783(US,A1)
【文献】米国特許第06726205(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0347471(US,A1)
【文献】特表2016-516451(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 1/00-1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数のカードの組からカードを再配置する機構と、
その中に組み入れられたまたはそこに取り付けられた1つまたは複数のカメラと、
前記1つまたは複数のカメラの焦点近くの領域を照射する1つまたは複数のイルミネータと、
前記1つまたは複数のカメラから遠隔地にデータを送信するよう構成されたトランスミッタであって、前記データが前記1つまたは複数のカードの組からの少なくとも使用されているカードの裏面の画像を含むトランスミッタと、
前記使用されているカードの裏面の画像を互いに比較してカードのマーキングの異常を判定するように構成され、前記判定が(a)前記異常の測定の程度および(b)対応するカード値を利用することにより、印と不良とを区別する1つまたは複数のローカルプロセッサおよび/またはリモートプロセッサと、
をそれぞれが含む複数のカードシャッフラー装置を備える、カードシャッフルシステム。
【請求項2】
各カードシャッフラー装置の前記トランスミッタによって送信される前記データを少なくとも受信するよう構成されたサーバをさらに備える、請求項1に記載のカードシャッフルシステム。
【請求項3】
前記複数のカードシャッフラー装置それぞれがプロセッサをさらに含む、請求項1に記載のカードシャッフルシステム。
【請求項4】
前記複数のカードシャッフラー装置が互いに通信する、請求項1に記載のカードシャッフルシステム。
【請求項5】
前記1つまたは複数のカメラが前記使用されているカード裏面、カード側部およびカード表面の画像を捕捉できるように位置付けられた1つまたは複数のミラーをさらに備える、請求項1に記載のカードシャッフルシステム。
【請求項6】
前記1つまたは複数のカメラで捕捉されたカードデータに関連するデータを維持するよう構成された電子記憶装置をさらに備える、請求項1に記載のカードシャッフルシステム。
【請求項7】
カードの画像を補正して隠れたカードの印を明らかにする写真編集ソフトウェアをさらに備える、請求項1に記載のカードシャッフルシステム。
【請求項8】
前記複数のカードシャッフラー装置が、2つ以上のカジノの設備に配置される、請求項1に記載のカードシャッフルシステム。
【請求項9】
1つまたは複数のカードの組からカードを再配置する機構と、
少なくとも1つのカメラプロセッサと、
画像プロセッサと、
1つまたは複数のイルミネータと、
前記カメラプロセッサおよび前記画像プロセッサからデータを送信するよう構成されたトランスミッタであって、前記データが少なくとも使用されているカードの裏面の画像を含むトランスミッタと、
前記トランスミッタによって送信された前記データを受信し、前記使用されているカードの裏面の画像を互いに比較してカードのマーキングの異常を判定するよう構成され、前記判定が(a)前記異常の測定の程度および(b)対応するカード値を利用することにより、印と不良とを区別するリモートサーバと、
をそれぞれが含む複数のカードシャッフラー装置を備える、カードシャッフルシステム。
【請求項10】
前記少なくとも1つのカメラが前記使用されているカード裏面、カード側部およびカード表面の画像を捕捉できるように位置付けられた1つまたは複数のミラーをさらに備える、請求項9に記載のカードシャッフルシステム。
【請求項11】
前記少なくとも1つのカメラで捕捉されたカードデータに関連するデータを維持するよう構成された電子記憶装置をさらに備える、請求項9に記載のカードシャッフルシステム。
【請求項12】
カードの画像を補正して隠れたカードの印を明らかにする写真編集ソフトウェアをさらに備える、請求項9に記載のカードシャッフルシステム。
【請求項13】
前記複数のカードシャッフラー装置が、2つ以上のカジノの設備に配置される、請求項9に記載のカードシャッフルシステム。
【請求項14】
1つまたは複数の場所で1つまたは複数のランダム選択カードシャッフラーを使用し前記1つまたは複数のランダム選択カードシャッフラーが使用されているカードの画像を捕捉するため少なくとも1つのカメラを有するカードをシャッフルするステップと、
前記1つまたは複数のランダム選択カードシャッフラーによってカードが再配置されると、前記使用されているカード裏面、側部および表面のうちの少なくとも1つの画像を捕捉するステップと、
前記使用されているカード裏面、側部および表面のうちの少なくとも1つの画像を含むカードデータを収集するステップと、
前記収集されたカードデータを互いに比較して、カードのマーキングの異常を判定するステップと、を含み、
前記判定は、(a)前記異常の測定の程度および(b)対応するカード値を利用することにより、印と不良とを区別するカードの印を検出する方法。
【請求項15】
前記1つまたは複数のランダム選択カードシャッフラーのそれぞれのカメラプロセッサを使用して最初に異常を検出し、画像プロセッサを使用して次に印を検出することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
リモートサーバを使用して、前記収集されたカードデータを保存することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
カードの画像を補正して、隠れたカードの印を明らかにする写真編集ソフトウェア使用することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
(i)1つまたは複数のカードの組からカードを再配置する機構と、
(ii)その中に組み入れられたまたはそこに取り付けられた1つまたは複数のカメラと、
(iii)前記1つまたは複数のカメラの焦点近くの領域を照射する1つまたは複数のイルミネータと、
前記1つまたは複数のカメラから遠隔地にデータを送信するよう構成され、前記データが前記1つまたは複数のカードの組からの少なくとも使用されているカードの裏面の画像を含むトランスミッタと、
前記使用されているカードの裏面の画像を互いに比較してカードのマーキングの異常を判定するように構成され、前記判定が(a)前記異常の測定の程度および(b)対応するカード値を利用することにより、印と不良とを区別する複数のソフトウェアモジュールと、
をそれぞれが備える複数のカードシャッフラー装置、を備えるカードシャッフルシステム。
【請求項19】
各カードシャッフラー装置の前記トランスミッタによって送信される前記データを受信するよう構成されたサーバをさらに備える、請求項18に記載のカードシャッフルシステム。
【請求項20】
前記サーバが、前記1つまたは複数のソフトウェアモジュールを作動させる、請求項19に記載のカードシャッフルシステム。
【請求項21】
前記複数のカードシャッフラー装置がそれぞれ、関連するプロセッサをさらに含む、請求項18に記載のカードシャッフルシステム。
【請求項22】
前記1つまたは複数のカメラが使用されているカード裏面、カード側部およびカード表面の画像を捕捉できるように位置付けられた1つまたは複数のミラーをさらに備える、請求項18に記載のカードシャッフルシステム。
【請求項23】
1つまたは複数の場所で1つまたは複数のランダム選択カードシャッフラーを使用し前記1つまたは複数のランダム選択カードシャッフラーが使用されているカードの画像を捕捉するため少なくとも1つのカメラを有するカードをシャッフルするステップと、
前記1つまたは複数のランダム選択カードシャッフラーによってカードが再配置されると、前記使用されているカード裏面、側部および表面のうちの少なくとも1つの画像を捕捉するステップと、
前記使用されているカード裏面、側部および表面のうちの少なくとも1つの画像を含むカードデータを収集するステップと、
1つまたは複数のソフトウェアモジュールを使用して、前記収集されたカードデータを互いに比較してカードのマーキングの異常を判定するステップであって、前記判定が(a)前記異常の測定の程度および(b)対応するカード値を利用することにより、印と不良とを区別するカードの印を検出する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、様々な種類の印を付けられたカードを検出してカジノのゲームの完全性を維持する手段を組み込むカードシャッフルシステム及びカードの印を検出する方法に関する。
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2014年7月18日に出願されたPCT出願番号PCT/US2014/047227号の継続出願である2016年1月19日に出願された米国特許出願第15/001,039号の継続出願の一部である2016年10月27日に出願された米国特許出願第15/336,779号およびPCT出願番号PCT/US2014/047227が優先権を主張する2013年7月18日に出願された米国特許出願第61/847,710号の優先権の利益を主張するものであり、そのすべてがあらゆる目的のため参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
ギャンブルをする限り、不正は存在する。技術の進歩により、不正の新しい方法が現れ、有利になる。こうした方法の一つは、不正者がカードの裏面からカードの識別(すなわち、ランクおよびスート)を行えるようにプレイングカードに印を付けるものである。ランクおよびスートを知ることにより、不正者に、カジノ(例えば、ブラックジャック)または競合するプレーヤー(例えば、ポーカー)に勝る非常に大きな有利さをもたらしている。プレイングカードに印をつけることは、特殊なレンズを通して見ることができる目に見えない化学物質の使用、電子手段を介してのみ見ることができる化学物質の使用、物理的境界および異常、汚れなどを含む多くの形態をとりうる。
【0004】
様々な種類の印を付けられたカードを検出する手段を組み込む自動プレイングカードシャッフラーおよびその他のカード取扱装置を開発して不正者がカジノおよび競合するプレーヤーに付け入ることを防ぐのは有用であり利点がある。
【発明の概要】
【0005】
したがって、本発明の一実施形態は、印を付けられたカードを検出する手段を組み込む自動プレイングカードシャッフラーを含む。自動プレイングカードシャッフラーは、およそ25年間の歴史があり、カジノ産業では今や至る所にある。自動プレイングカードシャッフラーは、ゲームのスピードを上げ、信頼を生み、ランダムにカードをシャッフルし、カードカウンターと争う。自動プレイングカードシャッフラーは、究極的にはカードの順序をランダム化する様々な技術を用いてカードを搬送する。
【0006】
本発明の一実施形態では、1つまたは複数の光スペクトルエミッタあるいは可変光スペクトルイルミネータが、目に見えない印を見えるようにする1つまたは複数のスペクトルフィルタを通してカードの裏面に反射される周波数/波長の光を伝送する。カメラ(またはその他の画像撮像装置)は、ここで目に見える印の画像を捕捉する。
【0007】
一実施形態では、カメラおよびソフトウェアが協働して画像を捕捉し、汚れ、切り傷、こすれ傷および端画定部など、カードの裏の印の画像を分析する。ソフトウェアはまた、画像を介してカードを分析し、印を付けられたカードの検出に反応して画像が捕捉されるよう構成されてもよい。
【0008】
一実施形態では、自動プレイングカードシャッフラーは、印を付けられたカードを検出するだけでなく、カードのマーキングに関連する図柄を検出するよう構成される。例えば、自動プレイングカードシャッフラーは、一組のカードの複数のエースのマーキングが偶然の行為でなく故意の行為を示すことを認識しうる。
【0009】
一実施形態では、自動カードシャッフラーは、カジノ職員に印を付けられたカードの発見をリアルタイムで警告できるようにカジノ運営システムおよび/またはセキュリティシステムに通信可能に結合される。
【0010】
1つまたは複数の印を付けられたカードの発見により、(i)印を付けられたカード(複数可)の画像の記録、(ii)カジノ職員への警告の伝送、(iii)カードのマーキングの図柄を判定するよう構成されるソフトウェアの起動、および/または(iv)カードのマーキングを担当する人物(複数可)の素性を捜索する分析の継続を含む、1つまたは複数の対応が促されうる。
【0011】
実施形態によっては、カード仕分け、検証および/または取消装置は、印を付けられたカードを検出する手段を組み込む。カード取消装置は、回収されたカードの組のプレイングカードのランク、スートおよび数を検証するために使用される。この装置はまた、プレイングカードを永久に摩損させてそれを客に売れるようにすることができる。例えば、カード取消装置は、プレイングカードに穴を開けることができる。カード仕分け検証装置は、完全な組であることを保証し、スートおよびランクでカードを仕分けする。
【0012】
本発明のその他の変形、実施形態および特徴は、以下の詳細な説明、図面および特許請求の範囲から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A】~
図1B】従来技術による、テーブル内およびテーブル上の自動プレイングカードシャッフラーを示す。
【0014】
図2】従来技術による従来のデッキ検証装置を示す。
【0015】
図3】本発明の実施形態による印を付けられたカードを検出する手段を組み込む自動プレイングカードシャッフラーのブロック図を示す。
【0016】
図4】本発明の実施形態による印を付けられたカードを検出する手段を組み込む自動プレイングカードシャッフラーの別のブロック図を示す。
【0017】
図5】本発明の実施形態による一連の自動プレイングカードシャッフラーならびにカジノ運営システムおよび/またはセキュリティシステムを備えるシステムを示す。
【0018】
図6】本発明の実施形態による一連の自動プレイングカードシャッフラーを備えるシステムを使用する一つの方法を詳しく記述するフローチャートを示す。
【0019】
図7】本発明の実施形態によるカードマーク検出システムを組み込む例示的な自動シャッフラーのブロック図を示す。
【0020】
図8】本発明の実施形態による一対のエッジセンサ/検出器間を通るプレイングカードの俯瞰図を示す。
【0021】
図9A】~
図9D】本発明の一実施形態による1つまたは複数のミラーおよびカメラを含むカード撮像システムの様々な図を示す。
【0022】
図10】本発明の一実施形態によるシャッフラーのブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施形態による原理の理解を進めるため、ここで図面に示される実施形態を参照し、特定の言語を使用してそれを説明する。しかしながら、本発明の範囲がそれにより制限されるよう意図されることはないことが理解されよう。同業者および本開示の所有者に通常起こる、本明細書に記載の本発明の特徴のいずれの変更およびさらなる修正、ならびに本明細書に記載の本発明の原理のいずれの用途の追加も本発明の特許請求の範囲内にあると見なされる。
【0024】
同業者なら理解するように、本発明の態様は、システム、方法またはコンピュータプログラム製品として実現されうる。したがって、本発明の態様は、完全なハードウェア実施形態、完全なソフトウェア実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、またはソフトウェアとハードウェアを組み合わせた実施形態の形態を取ってもよい。さらに、本発明の態様は、コンピュータ上で実施されるコンピュータ可読プログラムコードを有する1つまたは複数のコンピュータ可読媒体(複数可)で実現されるコンピュータプログラム製品の形態を取ってもよい。
【0025】
1つまたは複数のコンピュータ可読媒体(複数可)の任意の組み合わせを使用してもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子、磁気、光学、電磁、赤外線、あるいは半導体システム、装置、もしくは機器、または前述の任意の適切な組み合わせであってもよいが、それに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより詳細の例(完全に網羅してしているわけではない一覧)として、以下の、1つまたは複数の配線を有する電気接続、携帯型コンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバ、携帯型コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、および光学記憶装置、磁気記憶装置、もしくは任意の適切な前述の組み合わせが挙げられる。本書類の文脈では、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、または機器で使用する、またはそれと共に使用するプログラムを含むまたは保存することができる任意の有形媒体であってもよい。
【0026】
コンピュータ可読信号媒体には、例えば、ベースバンドでまたは搬送波の一部として、コンピュータ上で実施されるコンピュータ可読プログラムコードを備える伝播されたデータ信号が含まれうる。こうした伝播された信号は、電磁、光学またはその任意の適切な組み合わせを含む任意の様々な形態を取ってもよいが、それに限定されない。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではない、命令実行システム、装置、または機器で使用するもしくはそれと共に使用するため、プログラムを通信する、伝播する、または搬送することができる任意のコンピュータ可読媒体であってもよい。
【0027】
コンピュータ可読媒体上で実施されるプログラムコードは、無線、有線、光ファイバケーブル、RFなど、または前述の任意の適切な組み合わせを含む任意の適切な媒体を用いて伝送されうるが、それに限定されない。
【0028】
本発明の態様のための動作を実行するコンピュータプログラムコードは、Java、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、あるいはプログラミング言語「C」、AJAX、PHP、HTML、XHTML、Ruby、CSSまたは類似のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれてもよい。プログラミングコードは、アプリケーションで、オペレーティングシステムで、システムファームウェアの一部として、またはその任意の適切な組み合わせで構成されてもよい。プログラミングコードは、すべてユーザのコンピュータ上で、一部ユーザのコンピュータ上で、スタンドアロンソフトウェアのパッケージとして、一部ユーザのコンピュータ上でおよび一部リモートコンピュータ上でまたはすべてリモートコンピュータもしくはときにクラウドコンピューティングとして知られるクライアント/サーバ関係でのサーバ上で実行されうる。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを介して、ユーザのコンピュータに接続されてもよく、または外部コンピュータ(例えば、インターネットサービスプロバイダを用いるインターネットを介して)に接続されてもよい。
【0029】
本発明の態様は、本発明の実施形態による方法、装置(システム)およびコンピュータプログラム製品のフローチャート図および/またはブロック図を参照して以下で説明する。フローチャート図および/またはブロック図の各ブロックならびにフローチャート図および/またはブロック図内のブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実施可能であることが理解されよう。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたはその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサを介して実行する命令が、フローチャートおよび/またはブロック図のブロック(複数可)に明示された機能/行為を実施する手段を作成するように、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または機械を製造するためのその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供されうる。
【0030】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ可読媒体に保存された命令が、フローチャートおよび/またはブロック図のブロック(複数可)に明示された機能/行為を実施する命令を含む製品を作成するように、コンピュータ、その他のプログラム可能なデータ処理装置、またはその他の機器に指示して特定の方法で機能を果たすことができるコンピュータ可読媒体に保存されうる。
【0031】
コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータまたはその他のプログラム可能装置上で実行する命令が、フローチャートおよび/またはブロック図のブロック(複数可)に明示された機能/行為を実施するための手順を提供するように、コンピュータ、その他のプログラム可能なデータ処理装置、またはその他の機器にロードされて、コンピュータ実施される手順を生成するためコンピュータ、その他のプログラム可能装置またはその他の機器上で一連の動作工程を実施させることができる。「端末」は本明細書で使用される場合、例えば、パーソナルコンピュータもしくはラップトップコンピュータなどの汎用コンピュータ、サーバと相互作用するよう構成されるクライアントコンピュータ、サーバなどの専用コンピュータ、またはスマートフォン、ソフトフォン、タブレットコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタントもしくは上述の説明によるプログラム可能命令を実行するよう適合された任意の他の機械のうちのいずれか1つと理解されたい。
【0032】
図1Aおよび1Bは、従来型自動プレイングカードシャッフラー100(テーブル内)、110(テーブル上)を示し、図2は、従来型デッキ検証装置120を示す。本発明の実施形態で使用されうる自動プレイングカードシャッフラーおよび装置の種類があるが、同業者なら、いずれの自動プレイングカードシャッフラー(例えば、シングルデッキ、マルチデッキ、バッチ、ランダムポジション、ランダム選択など)、カード検証装置およびカード取消装置も、本発明の実施形態に適切であると理解するであろう。カードシャッフル装置は、ローラー、エレベータ、ビン、イジェクタ、カルーセルなどを使用してシャッフルされていないカードの群を無作為にシャッフルされたカードの群に移動し、無作為に整理することができる。出願人が所有し参照により本明細書に組み入れられる同時係属の米国特許出願第15/145,592号は、本発明の実施形態を使用しうる種類のシャッフラーを開示する。
【0033】
図3は、印を付けられたカードを検出する手段を組み込む自動プレイングカードシャッフラー205のブロック図200を示す。この例では、印を付けられたカードを検出する手段は、1つまたは複数のカメラ210(またはその他の画像撮像装置)、1つまたは複数の光スペクトルエミッタまたは可変光スペクトルイルミネータ/エミッタ215、1つまたは複数の分光フィルタ220、1つまたは複数のエッジセンサ225、1つまたは複数のレシーバ230および/または1つまたは複数のデータトランスミッタ235を備える。印を付けられたカードの識別を含む所定のデータを保存する一時メモリ240もある。一実施形態では、自動プレイングカードシャッフラー205は、1つまたは複数の印を付けられたカードが検出されたとディーラーまたは他のカジノ職員に警告する表示装置を含む。カードのマーキングを担当しうるプレーヤーに警戒されないように、表示装置は、プレーヤーには見えないことが理想的である。後述するように、無線システムもカジノ運営システムおよび/またはセキュリティシステムに印を付けられたプレイングカードの発見に対して警告することができる。本明細書で説明された様々な構成要素の位置は、自動プレイングカードシャッフラー、デッキ検証装置および/またはカード取消装置の種類に応じる。
【0034】
プレイングカードは自動プレイングカードシャッフラー205内を個別に移動するので、1つまたは複数のカメラ210が、プレイングカードの前面および裏面を捕捉するよう位置付けられる。一実施形態では、1つのカメラ210は、分光フィルタ220に隣接して位置付けられ、1つまたは複数の光スペクトルエミッタ215が動作中に、カード裏面の画像を捕捉するよう構成される。この方法では、カメラ210は、分光フィルタ220および光スペクトルエミッタ215によって見えるようにされるすべての目に見えないマーキングを捕捉する。一実施形態では、1つまたは複数のスペクトルエミッタ/可変光スペクトルイルミネータ215は、赤外線エミッタ、UVエミッタおよび/または白熱エミッタを含んでもよい。所望の光の波長を伝送することができるその他のエミッタ/可変光スペクトルイルミネータまたは装置を同様に使用してもよい。目に見えない(肉眼には)印を検出する性能を高めるため、分光フィルタ220は、所定の光の波長の透過を防ぐと同時に、その他の波長はカメラ210を透過できるよう構成される。分光フィルタ220は多くの形態を取ることができ、様々なスペクトルエミッタ/可変光スペクトルエミッタ/イルミネータ215と協働するよう選択される。分光フィルタ220は、スペクトルエミッタ/可変光スペクトルイルミネータ215に助けられて能力を高めて、偏光かつ微かな反射率を検出する。
【0035】
図7は、一群のカード242に対する画像撮像装置210、イルミネータ215および分光フィルタ220の例示的な配置、そのカード244を移動し無作為に整理する機構ならびにシャッフルされたカードビン246を示す。カードの移動248は、画像撮像装置210、イルミネータ215および分光フィルタ220によってその行為が示される。
【0036】
限られた内部空間を備える自動プレイングカードシャッフラーまたは他のカード取扱装置に好適な別の実施形態(図4に示す)では、異なる撮像方法が使用されうる。図4は、自動プレイングカードシャッフラー305のブロック図300を示す。この実施形態では、コンタクトイメージセンサ310および光エミッタ315は、所定の波長での吸収および/または過剰な反射率に基づいてマーキングが表れるように75ナノメートルの工程で近赤外線(IR)から紫外線(UV)の波長(すなわち、350ナノメートルの波長から1100ナノメートルの波長)を発することができる。一実施形態では、プレイングカードは、上述の光の波長に反応する一連のシリコン検出器またはゲルマニウム検出器から成るコンタクトイメージセンサ310の下または上を通過する。検出器は必要な用途に応じて、多少焦点を変更できるが、一実施形態では、コンタクトイメージセンサ310で使用される検出器が200インチ毎ピクセルに設定される。実際には、検出器がプレイングカードとほとんど接触するように、コンタクトイメージセンサ310の非常に近くを、カードは搬送される。プレイングカードは、10個の異なる照明の350ナノメートルから1100ナノメートルの波長を備える光エミッタ315を介して、順に高速パルスによって照射される。この工程は、およそ千分の一秒である。その後、プレイングカードは、その工程を繰り返す次の走査位置に進む。
【0037】
一実施形態では、プレイングカードは、すべてのプレイングカードに35万走査点を与える1平方インチ当たり200×200ピクセルの解像度を提供する速度で搬送される。それが、それぞれ10走査位置で起こるので、合計350万解析点をもたらすことになる。同業者なら、その速度、解像度および走査位置の数が所望により変更しうることを理解するであろう。
【0038】
目に見えないマーキングを検出する努力に加えて、1つまたは複数のカメラ210はソフトウェアと協働して、汚れ、切り傷およびこすれ傷ならびに端画定部(例えば、刻み目)などのその他のカードのマーキングを検出する。そのソフトウェアは、通常存在しない異常なマーキングのカード画像(またはプレイングカードの実際の繰り出し)を分析するよう構成される。一実施形態では、そのソフトウェアは、差異について保存されたカードのデータを捕捉されたカードのデータと比較することによって捕捉したプレイングカードのデータを評価することができる。例えば、理想的なHoyle(登録商標)プレイングカードの画像は、1つまたは複数のHoyle(登録商標)のカードの組から捕捉されたプレイングカードのデータと比較するため、メモリに保存され、使用される。こうした実施形態では、シャッフラーまたはその他のランダム化装置は、使用されているプレイングカードのブランドを識別する入力手段を含んでもよく、または装置が、使用されているプレイングカードのブランドを自動的に識別してもよい。代替で、ソフトウェアは、すべてのプレイングカードの群の中から1つまたは複数のプレイングカードに傷を付けることによって捕捉されたカードのデータを評価してもよい。この実施形態では、使用されているカードの画像は、保存されたプレイングカードの画像ではなく互いに比較されてもよい。代替で、ソフトウェアは、捕捉された任意の非対称または非図柄マーキングを識別することによって捕捉されたプレイングカードのデータを評価してもよい。実施形態に関わらず、ソフトウェアは、イルミネータ/エミッタおよびセンサ/リーダーの配置によって捕捉されたプレイングカードのデータを評価して、異常を検出している。カメラをカードの表面(すなわち、ランクおよびスート)を捕捉するよう位置付けることにより、ソフトウェアは、マーキングならびにプレイングカードのスートおよびランクの記録を保持することができる。例えば、ソフトウェアは、「ハートのエース、端に沿った刻み目」または「ハートのエース、汚れ」といった記録を生成してもよい。
【0039】
一実施形態では、プレイングカードが一対のエッジセンサ225-1/エッジ検出器225-2を通り過ぎる際に、一対のエッジセンサ225-1/エッジ検出器225-2が、プレイングカードの長い両端に沿って位置付けられている。エッジセンサ225-1/エッジ検出器225-2は、カードの曲げ、うねりまたはくねりを検出するよう構成される。一端に沿う単一のエッジセンサも同様に用をなしうる。図8は、一対のエッジセンサ225-1/エッジ検出器225-2の間を通るプレイングカード226の俯瞰図を示す。すなわち、エッジセンサ225-1/エッジ検出器225-2は、プレイングカードが平らであるか(そうあるべきであるように)または一部の異常な曲げまたはうねりがあるかを検出する。この例では、上述と同じ照明順序を用いながら、検出器の解像度は高いが、パルスはずっと低い。プレイングカードが、エッジセンサ225-1/エッジ検出器225-2を通過する間、上下に緩やかに波打つと、異なるピクセルのきっかけとなる。集められた情報は、ゆがみおよび/またはねじれの量に変換され、プレイングカードのランクおよびスートと関連付けられて意図的な操作を示す図柄を判定しうる。
【0040】
一実施形態では、カメラ210、エッジセンサ225-1、225-2および/またはコンタクトイメージセンサ310(ならびにプレイングカードを読み取るよう構成された任意の他のカード取扱装置)の出力は、著作権のあるソフトウェアによって分析されて、異常なマーキングが存在するかを判定される。存在する場合、出力は、メモリ240に保存されて以下に記述されるようにカジノ職員に送信されうる。
【0041】
図5は、遠隔サーバ410上で稼働するカジノ運営システムおよび/またはセキュリティシステムと無線通信する一連のシャッフラー405-1から405-Nを備えるシステム400を示す。こうしたシステム400は、カジノに印を付けられたカードに関連するリアルタイムのデータを提供し、それによりカジノ内のカジノゲームの完全性を維持する。一実施形態では、シャッフラー405-1から405-Nは、互いに通信する。
【0042】
図6は、システム400内で自動プレイングカードシャッフラーを使用する一つの方法を詳しく記述するフローチャート500を示す。505で、自動プレイングカードシャッフラーは、カードをシャッフルする。510で、自動プレイングカードシャッフラーが異常なカードの印を検出するかを判定する。検出しない場合、フローチャート500は、505に戻る。515で、印を付けられたカードの検出に応答して、自動プレイングカードシャッフラーは、自動プレイングカードシャッフラーと関連付けられたメモリに関連するデータを保存する。一実施形態では、データは、印の種類、ならびにプレイングカードのランクおよびスートを含む。520で、自動プレイングカードシャッフラーは、ディーラーに印を付けられたカードに対して警告を表示する。ディスプレイは、プレーヤーには簡単に見ることができないのが理想的である。ディスプレイはまた、自動プレイングカードシャッフラーから離れていてもよく(例えば、ディーラーの近くのテーブルの下)、有線または無線通信リンク経由で制御されてもよい。525で、著作権のあるソフトウェアによって図柄が検出されたかを判定する。例えば、印の付いた複数のカードが絵札および/またはエースである場合、印が故意に付けられた可能性が高い。その場合、535で、無線メッセージがカジノ運営システムおよび/またはセキュリティシステムを介してカジノ職員に送られる。無線メッセージは、テーブルの位置、マーキングの種類および発見した時間などの情報を含みうる。530で、自動プレイングカードシャッフラーが印を付けられたカードを最初に発見したことにより引き起こされる、所定の時間が過ぎたかを判定する。その場合、535で、無線メッセージ(または有線メッセージ)がカジノ運営システムおよび/またはセキュリティシステムを介してカジノ職員に送られる。別の実施形態では、特定のカジノ職員が、自動プレイングカードシャッフラーからのeメール、SMSおよび/またはインスタントメッセージによってまたはカジノ運営システムおよび/またはセキュリティシステムによって引き起こされたeメール、SMSおよび/またはインスタントメッセージによって直接、カードのマーキングに対して警告されてもよい。実施形態によっては、カジノ職員は、印を付けられたカードのあらゆる検出に対して検出後すぐに警告される。自動プレイングカードシャッフラー内に組み込まれたオプションのレシーバ230により、自動プレイングカードシャッフラーの定期的なポーリングが可能になる。究極的には、劇場またはカジノが、システム400および印を付けられたカードの検出をどう管理するかを決定する。
【0043】
システム400は、2つ以上の実際のデッキ(すなわち、複数組のデッキ)、2つ以上のシャッフラーおよび/または2つ以上のカジノからの集合データを利用して、単一ゲームでのゲーム保護を決定するので有利である。システムは、1つのカジノであろうと、2つ以上のネットワーク化されたカジノであろうとも、疑わしいデッキを場から取り除いて検査を行う必要なく、すべてのゲームを同時に自動的に守る。
【0044】
一実施形態では、スマートカメラが、シャッフラー内で(またはそれに取り付けられて)使用される。スマートカメラは、プロセッサを含むスタンドアロン視覚システムとして動作し、多くの場合、画像デジタル化回路、画像メモリ、プログラムおよびデータメモリ、通信インターフェース(例えば、イーサネット)、組み込み照明装置(例えば、LED)および/またはリアルタイムオペレーティングシステムを含む。一実施形態では、各シャッフラーは、少なくとも2つのコンピュータ視覚関連プロセッサ、すなわち、スマートカメラプロセッサおよび画像プロセッサ(別々のチップ)を含む。第3のプロセッサ(サーバ)と組み合わされた2つのプロセッサはそれぞれ、検査を実施し、対応する分析を実施する役割を持つ。スマートカメラのほかにも、ラインスキャンカメラ、エリアスキャンカメラなど。
【0045】
一実施形態では、システム200、400は、(a)存在、(b)印および(c)対応戦略をまず検出するよう構成される。言い換えると、第1の検査は異常を検出し、第2の検査は印を検出し、第3の検査は、詳細、戦略および組み合わせをもたらす。一実施形態では、カメラプロセッサは第1の検査を実施し、画像プロセッサは第2の検査を実施し、サーバプロセッサは第3の検査を実施する。
【0046】
一実施形態では、図9A~9Dに示すように、シャッフラーは、カードの下に位置付けられたカメラおよび/またはセンサおよび/またはエミッタを組み込んで、カードの裏面、側部および表面を同時に見る。これは、カメラまたはイメージセンサの一部を割り当ててミラーに反射させてカード裏面を見る、カメラまたはイメージセンサの一部を割り当ててカード側部を見る、かつイメージセンサの一部を割り当ててカード表面を見ることにより達成される。したがって、シャッフラーは、カード表面を含む各カードの全体を撮像する(悪徳ディーラーの判別に役立つ)。カードとして捕捉される画像は、通常のカードをシャッフルする速度で移動する。カードの下にカメラ、センサおよび/またはエミッタを位置付けることにより、シャッフラーを目立たなくすることができる。本明細書で説明するミラー系システムと動作する2つのカメラはそれぞれ、対角線の角に位置付けられて、カード全体を見ることができる。したがって、本システムが両側からデッキ全体を分析するとき、シャッフル前でも(すなわち、シャッフル前のビンを)後でも(すなわち、シャッフル後のビンを)、システムは、52枚のカードを同時に分析している。一実施形態では、カードは空中で通常のシャッフルの速度で撮像される。
【0047】
センサをシャッフル前のビン、シャッフラー、カードシュー、シャッフル後のビンおよびディスカードラックに組み込んで隠して、本発明は、シャッフル前、シャッフル中、シャッフル後、ディーリング中およびディーリング後のカードを監視かつ分析することにより、すべて単一のラウンド/ディール(シャッフルからシャッフルまで)中に起こる、多重の確認と保護につながる。
【0048】
図9A~9Dは、カードがシャッフラー内に移動し、その中を移動し、かつ/またはそこから出ていくときの画像を捕捉するカメラおよびミラーシステムを組み込む例示的なシャッフラーを図示する。図9Aは、テーブル605に取り付けられたシャッフラー600を示す。カード610が、シャッフラー600からシャッフル後のビンに、またはテーブル605上に直接出ると、カメラ615は、ミラー620を介してカードの裏面の画像を捕捉する。カメラ615はまた、同時にカード表面の画像を直接捕捉することができる。図9Bは、ラインスキャナセンサアレイ625、レンズ630、プリズム635および通過するカード640を示す。プリズム635により、ラインスキャナセンサアレイ625およびレンズ630をカード640の下に位置付けることが可能になる。図9Cおよび9Dは、出願人のシングルデッキランダム選択シャッフラー(同時係属米国特許出願第15/145,592号)内に配置されたカメラ650およびミラー655を示す。図9Dは、収集データを受信するプロセッサ/ソフトウェアモジュール660を示す。ここでも、カメラ650は通過するカードの下にあり、かつミラー655は通過するカードの上にあって、少なくともカードの裏面の画像を捕捉する。カメラを通過するカードの下に位置付けることで、カジノのテーブル上に据え付けられたとき、シャッフラーを目立たなくすることができる。目立たないことで、シャッフラーは、カジノのテーブル上のゲーム行為を妨げない。
【0049】
検出工程の間、本システムは、測定の程度を使用して印と不良を区別する。ある測定を1~10で評価する場合に、10が最も強い異常を示す場合、カードの製造による非対称を含む単なる1または2の異常が、たった1または2の中間の異常が、結論を出す前により多くのデータが必要となりうる不正を暗示する可能性がある。言い換えると、一部の検査は、繰り返されたときに相違がありうるが、異常の程度が高いほど、測定/読み取りが重要になる。一部のマーキングの物質は、数時間以内に酸化しうる。すぐに印を検出することで(すなわち、その後のシャッフルの間に)、こうした懸念が取り除かれる。例えば、印を付けられた組が内部から導入された場合(すなわち、一組全体が、導入の時に印を付けられている)、本システムでは不正行為を検出するのにただ1度のシャッフルで済む。印を検出するだけでなく、本システムは印を付けられたカードの組み合わせを検出し、不正行為の存在を明確に証明する。
【0050】
異常の程度を使用して、本システムは不良を検出し、(a)異常の測定の程度および(b)対応するカード値を評価することにより、それをその他の異常/印と区別することができる。不良のデータベースを使用して不良を比較し、検出された不良の信頼度を判定する。
【0051】
履歴データを使用することで、信頼できる結論を導くことができる。例えば、所定の時間の間に1千万枚の裏面が赤いthe United States Playing Card CompanyのBeeカードを走査した後、所定の日付と時間にブラックジャックのテーブルで18枚の異常が検出され、異常はそれぞれ、10およびエースに印が付けられていると確認された場合、不正行為が起きているまたは起きたことは、明らかである。こうしたデータは、意図的なマーキングを証明する。
【0052】
本システムは、特定のゲームに関する分析が所定の閾値に達したとの最初の警報または一般的な警告を送るようプログラムされてもよく、それによりカジノ職員は、疑わしいゲームをより観察できるようになる。行為が小さい場合、まだ不正行為が行われていることを示しうるが、不正者はテーブルにまだいる。実際に、警報が繰り返し経営側に送られ、リアルタイムで更新を行うので、よりよく観察し、状況を管理することができる。日々の要約レポートがカジノ職員に送られて、可能な不正行為の情報を提供し続けることができる。全体として、システムは、人的誤差を取り除き、カメラ/センサおよび評価ソフトウェアに依存して自動的にカード異常を検出する。
【0053】
一実施形態では、シャッフラーシステムは、比較の目的で(実際のカードであろうとデータベースの画像であろうと)、おそらく正当であろうが、1つまたは複数の恣意的なカードを使用しない。代わりに、シャッフラーシステムは、過去と現在の測定から成る統計的意味のある見本、多くのカードに勝ることができる見本を使用して、比較のための正常範囲を定義する。データベースは、以前識別され保存されたマーキングに対する比較によって将来のマーキングを識別することができるように、カードのマーキング記録を維持する。
【0054】
一実施形態では、カードの画像は、はっきりとカードの印を識別するよう構成される写真編集ソフトウェアを通過する。一実施例では、Adobe Photoshop(登録商標)を操作して、肉眼では見えないようになされたカードの印を明らかにする、または補正する。こうした印は、通常、不正者がかける眼鏡、サングラスおよび/またはコンタクトレンズの形態のフィルタを介して見られる。写真編集ソフトウェアの黒、露出、閾値、色相および/または彩度のレベルを操作して、陰影付けおよび塗りつぶしならびにその他を含む所定のマーキングシステムが明らかになる。
【0055】
一実施形態では、図10のブロック図に示すように、本発明の実施形態によるシャッフラー700は、50mm C-マウントレンズを備えるラインスキャンカメラ(例えば、2048ラインスキャンカメラ)705、カメラ705の近くでシャッフラー700を通過するカードを照らすための複数の高強度LED710ならびにコンピュータ/プロセッサ715(例えば、カナダのMatroxの4Sight Gpm)およびプリズムミラー720を組み込んでもよい。カード725は、カードが通過するとカメラ705が少なくともカードの黒画像を捕捉するシャッフラー700の画像撮像領域を通過することを示す。1台のラインスキャンカメラ705が開示されているが、実施形態によっては、複数のカメラが使用されてもよい。実施形態によっては、コンピュータ/プロセッサ715は、シャッフラー700から分離されてもよい。例えば、コンピュータ/プロセッサ715をゲーミングテーブルの下側に取り付けて、シャッフラー700を小型のままにすることができてもよい。ここまで説明された構成要素は例示であり、シャッフラー700の構成を何ら制限するものではないことを理解されたい。
【0056】
カードシャッフラーを介して様々なカードのマーキングおよび異常を検出することは、一実施形態では、固有のソフトウェアルーチン/アプリケーション/モジュール(「ソフトウェアモジュール」)を使用する。ソフトウェアモジュールは、特定のマーキングまたは異常を検出するよう構成される。例えば、一実施形態では、ソフトウェアモジュールは、カードの模様の一部の除去を伴うマーキングシステムである切り抜きを検出するよう構成される。化学的と物理的、2つの一般的な方法がある。溶解剤は、インクに浸透し、蒸発させ、かつ結晶化させることができ、それによりインクが拭き取られうるが、最も一般的な方法は、模様を単に切断、研磨、およびスクラッチすることを伴い、例えば、一部の不正者には、指に接着された隠れたサンドペーパー片を使うことが知られている。この例では、ソフトウェアモジュールは、標準図柄認識を用いてピクセル毎の比較を行う。
【0057】
別の実施形態では、別のソフトウェアモジュールが、カードの製造の公差を伴う分類を検出するよう構成される。プレイングカードは、所定の印刷および切断/打ち抜き公差内で製造され、それにより裏面の図柄位置、色および色調に相違が存在しうる。紙、板、および環境の変化の結果としても相違が存在しうる。公差は、カードを2つ以上のデッキから分類し、1つの印の付いたデッキを作るよう組み合わすことができるデッキに相違を作る。この例では、ソフトウェアモジュールは、各カードの長端に沿って所定の一片にわたるグレースケールピクセル値を数える。その値は、0~155の範囲である。値0は、黒(光がない)を表し、値255は、白を表し、その間のすべては、濃淡のレベルを表す。クラシックBeeカードおよびそのダイヤの裏面一面を想定する(図柄は、端からはみ出る。境界はない)。ある種類のデッキの一例として、低い数字のカードは、両側に2分の1のダイヤが描かれているが、高い数字のカードは、一方の側に4分の1のダイヤが描かれ、他方の側に4分の3のダイヤが描かれている(オフセット)と仮定する。ソフトウェアモジュールは、印刷された色(例えば、赤または青)を黒(値0)に変え、所定の領域の所定のピクセルの数を平均する。4分の3のダイヤがある側は、平均して4分の1のダイヤの側より低くなる(0が多い)。2分の1のダイヤの側は、平均して中間になる。したがって、ソフトウェアモジュールは、4分の3のダイヤ、2分の1のダイヤ、および4分の1のダイヤを表す3つの測定値を受け取る。ソフトウェアモジュールは、4分の3のダイヤまたは4分の1のダイヤのカードの端を検出した場合、それを「オフセット」と読み取り、印を付けられたカード、不合格と出力する。ソフトウェアモジュールは、2分の1のダイヤのカードの端を検出した場合、それを均等に切断された/穴をあけられたまたは印刷されたと読み取り、印を付けられていないカード、合格と出力する。
【0058】
出願人のランダム選択シャッフラー(同時係属米国特許出願第15/145,592号)は、本明細書に開示された印を付けられたカード検出シャッフラー技術にとって最適である。というのも、その方法は各カードをシャッフルの工程の間に自然に分離し、各カードのその全体を撮像することを可能にするからである。逆に、ランダムポジションシャッフラーおよびほとんどの他のシャッフラーでは、いくつかの構成要素および設計要素が、カメラおよびセンサの視界をふさぐ傾向がある。例えば、カードをデッキの上部から落とすローラーは、カードの一部をふさぐ可能性がある。各カードが、プラットホーム上またはビン、シェルフ、もしくはスロットに直接移動したとき、これもその工程が、カメラ/センサをふさぐ可能性がある。
【0059】
本発明者は、スマートカメラが印を付けられたカードの90%まで検出できると判定している。その他の10%は、大きさ、曲がり角、半径などを測定することによって捕捉することができる(こうした検査は、印を付けられたカードの全体のカテゴリを検出するために使用することができる)。実施形態によっては、超音波解析、化学的解析を実施する光検査などを使用してもよい。
【0060】
一実施形態では、自動プレイングカードシャッフラーは、配布された、同じ順序のカードを追跡することができ、印を付けられたカードを検出する手段と共に、カジノがどのプレーヤー(複数可)がカードにマーキングすることを担当しているかを密かに判定し、それに応じて罰することを可能にする。密かに不正者を検出することにより、カジノ職員は、どのプレーヤー(複数可)が不正行為の一部であるかを判定することができる。
【0061】
システムはまた、カジノが、いつデッキをスワップアウトするかを判断できるように、シャッフルされたプレイングカードと関連する通常の摩損を識別することができる。これにより、カジノを守ることができる。
【0062】
自動プレイングカードシャッフラー、デッキ検証装置およびカード仕分け装置のほかに、出願人は、所定の構成要素(例えば、エミッタおよびスペクトルフィルタ)を眼鏡をかけるとユーザが所定のカードのマーキングを検出することができる一対の眼鏡に組み込むことを思いついている。出願人は、Mobile Device for Detecting Marked Cards and Method of Using the Sameと題する、2013年6月3日に出願された米国特許出願第61/830,565号を参照により本明細書に組み入れる。
【0063】
本発明は、いくつかの実施形態を参照して詳細を説明してきたが、追加の変形および変更は、以下の特許請求の範囲に説明され定義される、本発明の範囲および精神の範囲内にある。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図10