(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-24
(45)【発行日】2022-12-02
(54)【発明の名称】高被写界深度ホログラム用ホログラフィック画像装置
(51)【国際特許分類】
G03H 1/22 20060101AFI20221125BHJP
【FI】
G03H1/22
(21)【出願番号】P 2019535341
(86)(22)【出願日】2017-12-14
(86)【国際出願番号】 US2017066456
(87)【国際公開番号】W WO2018125599
(87)【国際公開日】2018-07-05
【審査請求日】2020-11-11
(32)【優先日】2016-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ホルスティン ダニエル
【審査官】中村 説志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0085211(US,A1)
【文献】国際公開第2009/121380(WO,A1)
【文献】特表2011-513786(JP,A)
【文献】特開2000-347556(JP,A)
【文献】国際公開第2006/028151(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0063817(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2001/0013960(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0273983(US,A1)
【文献】特開2004-350071(JP,A)
【文献】特開2015-015617(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03H 1/00- 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホログラム画像装置であって、
複数のホログラフィックパネルであって、当該複数のホログラフィックパネルの各々は複合ホログラム画像の一部に対応する干渉パターンで符号化された透過性パネルを有する、複数のホログラフィックパネルと、
光を放射し、1又は2以上の入射角から前記複数のホログラフィックパネルの各ホログラフィックパネルを照射するよう構成された1又は2以上の光源であって、それぞれのホログラフィックパネルの干渉パターンは、前記複合ホログラム画像を生成するように前記複数のホログラフィックパネルに前記放射された光を回折させる、1又は2以上の光源と、
を備え、
前記複数のホログラフィックパネルのホログラフィックパネルは、隣接するホログラフィックパネルの一方によって生成されるホログラム画像が隣接するホログラフィックパネルの他方の被写界深度内に生成され、
前記隣接するホログラフィックパネルの一方によって生成される被写界深度が重なり合う領域のホログラム画像は、前記隣接するホログラフィックパネルの他方によって生成される被写界深度が重なり合う領域のホログラム画像とは、前記複合ホログラム画像の少なくとも異なる一部を含み、前記複合ホログラム画像を生成するように、前記ホログラフィックパネルのそれぞれの被写界深度が重なり合うように互いに隣接して配置される、
ホログラム画像装置。
【請求項2】
前記複合ホログラム画像の被写界深度は、前記複数のホログラフィックパネルの少なくとも幾つかのホログラフィックパネルに対応する、請求項1に記載のホログラム画像装置。
【請求項3】
前記複数のホログラフィックパネルの少なくとも1つのホログラフィックパネルは、多チャンネルホログラムとして構成される、請求項1に記載のホログラム画像装置。
【請求項4】
前記複数のホログラフィックパネルのうちの少なくとも1つのホログラフィックパネルの前記透過性パネルが、可視光に対して透過性であるガラスパネルを含む、請求項1に記載のホログラム画像装置。
【請求項5】
前記複数のホログラフィックパネルのうちの少なくとも1つのホログラフィックパネルの前記透過性パネルが、90%~80%の光透過性を有するように着色される、請求項1に記載のホログラム画像装置。
【請求項6】
前記複数のホログラフィックパネルのうちの少なくとも1つのホログラフィックパネルの前記透過性パネルが、80%~70%の光透過性を有するように着色される、請求項1に記載のホログラム画像装置。
【請求項7】
前記複数のホログラフィックパネルのうちの少なくとも1つのホログラフィックパネルの前記透過性パネルが、70%~60%の光透過性を有するように着色される、請求項1に記載のホログラム画像装置。
【請求項8】
前記複数のホログラフィックパネルに動作可能に結合された1又は2以上のアクチュエータを備え、前記1又は2以上のアクチュエータが、前記複数のホログラフィックパネルの配列及び/又は向きを変更するようコントローラにより制御されるように構成される、請求項1に記載のホログラム画像装置。
【請求項9】
前記1又は2以上の光源に動作可能に結合された1又は2以上のアクチュエータを更に備え、前記1又は2以上のアクチュエータは、前記1又は2以上の入射角を変更するようコントローラによって制御されるように構成される、請求項1に記載のホログラム画像装置。
【請求項10】
複合ホログラムを形成する方法であって、
隣接するホログラフィックパネル間にギャップが存在するように前記ホログラフィックパネルを互いに隣接して配置するステップであって、前記ギャップは、隣接するホログラフィックパネルの一方によって生成されるホログラムが隣接するホログラフィックパネルの他方の被写界深度内に生成され、
前記隣接するホログラフィックパネルの一方によって生成される被写界深度が重なり合う領域のホログラム画像は、前記隣接するホログラフィックパネルの他方によって生成される被写界深度が重なり合う領域のホログラム画像とは、前記複合ホログラム画像の少なくとも異なる一部を含み、複合ホログラムが生成されるように、前記隣接するホログラフィックパネルのそれぞれの被写界深度が互いに重なり合うようなものであり、前記ホログラフィックパネルの各々は前記複合ホログラムの一部に対応する干渉パターンで符号化される、ステップと、
1又は2以上の光源を用いて1又は2以上の入射角から前記ホログラフィックパネルを照射して、前記複合ホログラムを生成するステップと、
を含む方法。
【請求項11】
前記ホログラフィックパネルの数を増大させて、前記複合ホログラムの総被写界深度を増大させるステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
コントローラに動作可能に結合された1又は2以上のアクチュエータに前記ホログラフィックパネルのうちの少なくとも1つを結合させて、前記隣接するホログラフィックパネル間の前記ギャップを変更するステップを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記ホログラフィックパネルのうちの少なくとも1つのホログラフィックパネルの傾斜角及び/又は前記隣接するホログラフィックパネル間のシフト距離を変更するステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
コントローラに動作可能に結合された1又は2以上のアクチュエータに1又は2以上の光源を結合させて、前記1又は2以上の入射角を変更するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
ホログラム画像装置のために用いられる複数のホログラフィックパネルであって、
前記複数のホログラフィックパネルの各々は複合ホログラム画像の一部のみで符号化された透過性パネルを備え、前記透過性パネルが可視光に対して透過性であり、
前記複数のホログラフィックパネルのホログラフィックパネルは、隣接するホログラフィックパネルの一方によって生成されるホログラム画像が隣接するホログラフィックパネルの他方の被写界深度内に生成され、
前記隣接するホログラフィックパネルの一方によって生成される被写界深度が重なり合う領域のホログラム画像は、前記隣接するホログラフィックパネルの他方によって生成される被写界深度が重なり合う領域のホログラム画像とは、前記複合ホログラム画像の少なくとも異なる一部を含み、前記複合ホログラム画像を生成するように、前記ホログラフィックパネルのそれぞれの被写界深度が重なり合うように互いに隣接して配置され、
前記複合ホログラム画像の被写界深度は、前記複合ホログラム画像を生成するために用いた重なり合うホログラフィックパネルの数に基づいて調整可能である、
複数のホログラフィックパネル。
【請求項16】
前記透過性パネルが、可視光に対して透過性であるガラスパネルを含む、請求項15に記載の複数のホログラフィックパネル。
【請求項17】
前記透過性パネルが、90%~80%の光透過性を有するように着色される、請求項15に記載の複数のホログラフィックパネル。
【請求項18】
前記透過性パネルが、80%~70%又は70%~60%の光透過性を有するように着色される、請求項15に記載の複数のホログラフィックパネル。
【請求項19】
前記透過性パネルが、単一のチャンネルホログラム又は多チャンネルホログラムで符号化される、請求項15に記載の複数のホログラフィックパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2016年12月27日に出願された「高被写界深度ホログラム」という名称の米国特許仮出願第62/439,390号に対する優先権及びその利点を主張するものであり、この特許仮出願は、全体が引用により本明細書に組み入れられる。
【0002】
本開示は、画像表示、より詳細には、ホログラム画像を表示する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
本節は、以下に記載及び/又は特許請求される本発明の技法の様々な態様に関係する可能性がある、当技術分野の様々な態様を読者に紹介することを目的とている。ここでの検討内容は、本開示の様々な態様の理解を深めるため、読者に背景情報を提供する一助となると思われる。従って、これらの記載は、従来技術として認められず、この観点から読む必要があることを理解されたい。
【0004】
ホログラムは、干渉パターンとしてシーンから発せられる光照射野を符号化するホログラフィック媒質(例えば、ホログラフィックパネル又はプリント)を照射することによって生成される。ホログラフィック媒質が光源を用いて適切に照射された場合、干渉パターンは、視差及び遠近などの視覚的奥行きキューを示す3次元(3D)ホログラム画像に光を回折する。更に、ホログラムは、複数の3Dホログラム画像(例えば、多チャンネルホログラム)を含むことができ、各画像は、観測者のそれぞれの位置に対応するか、又は光源の入射角に対応する。最近になって、ホログラム媒体を使用して専用メガネ又は他の中間光学系に頼ることなく見ることができる3D録画を生成することに関心が高まっている。しかしながら、現行のホログラム技術は、レーザのコヒーレンス長及びホログラフィックパネルの品質などの様々な要因に起因して、被写界深度(DOF)が制限される場合があり、これは、ホログラフィックパネルのホログラフィック素子の解像度の限界をもたらす。
【発明の概要】
【0005】
最初に請求項に記載された本発明の範囲内にある特定の実施形態について以下で検討する。これらの実施形態は、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。実際に、本発明の開示内容は、以下で記載される実施形態と同様又は異なることができる様々な形態を含むことができる。
【0006】
本発明の開示の1つの態様によれば、ホログラム画像装置は、複数のホログラフィックパネルを含み、各ホログラフィックパネルが、複合ホログラム画像の一部で符号化された透過性パネルを含む。ホログラム画像装置はまた、1又は2以上の入射角から複数のホログラフィックパネルのうちの各ホログラフィックパネルを照射して、複合ホログラム画像を生成するよう構成された1又は2以上の光源を含む。
【0007】
本発明の開示の別の態様によれば、複合ホログラムを形成する方法は、隣接するホログラフィックパネル間にギャップが存在するようにホログラフィックパネルを互いに隣接して配置するステップを含み、ギャップは、隣接するホログラフィックパネルのそれぞれの被写界深度が互いに重なり合うようにする。本方法はまた、1又は2以上の光源を用いて1又は2以上の入射角からホログラフィックパネルを照射して、複合ホログラムを生成するステップを含む。
【0008】
本発明の開示の別の態様によれば、ホログラフィックパネルは、複合ホログラム画像の一部のみで符号化された透過性パネルを備え、透過性パネルが可視光に対して透過性である。
【0009】
本開示のこれら及び他の特徴、態様、並びに利点は、図面全体を通じて同様の参照符号が同様の要素を示す添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むと更に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】1つの実施形態による、ホログラフィック画像装置の概略斜視図である。
【
図2】1つの実施形態による、複合ホログラム画像を形成するための複数のホログラフィックパネルを含むホログラフィック画像装置の概略斜視図である。
【
図3A】本開示の実施形態による、複数のホログラフィックパネルの構成の1つの実施例の図である。
【
図3B】本開示の実施形態による、複数のホログラフィックパネルの構成の実施例の図である。
【
図3C】本開示の実施形態による、複数のホログラフィックパネルの構成の実施例の図である。
【
図4】1つの実施形態による、
図2のホログラフィック画像装置によって生成された複合ホログラム画像の概略斜視図である。
【
図5】1つの実施形態による、
図2のホログラフィック画像装置のブロック図である。
【
図6】1つの実施形態による、
図2のホログラフィック画像装置を使用して複合ホログラムを形成する方法の1つの実施例を例示するフローチャートである。
【
図7】1つの実施形態による、
図2のホログラフィック画像装置を操作する実施例を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の1又は2以上の特定の実施形態について以下に説明する。これらの実施形態の簡潔な説明を行うために、本明細書では、実際の実施構成の全ての特徴については説明しないことにする。何れかの技術又は設計プロジェクトと同様に、このような何らかの実際の実施構成の開発において、システム及びビジネスに関連した制約への準拠など、実施構成毎に異なる可能性のある開発者の特定の目標を達成するために、多数の実施時固有の決定を行う必要がある点は理解されたい。更に、このような開発の取り組みは、複雑で時間を要する可能性があるが、本開示の利点を有する当業者にとっては、設計、製作、及び製造の日常的な業務である点を理解されたい。
【0012】
本発明の種々の実施形態の要素を導入する際に、冠詞「a」、「an」、「the」、及び「said」は、要素の1つ又はそれ以上が存在することを意味するものとする。用語「備える」、「含む」、及び「有する」は、包括的なものであり、記載した要素以外の付加的な要素が存在し得ることを意味する。
【0013】
上述のように、ホログラフィック媒質(例えば、ホログラフィックパネル又はプリント)を使用して3D録画を生成することに関心が高まっているが、現行のホログラム技術は、被写界深度(DOF)が制限される場合があり、これは、ホログラフィックパネルのホログラフィック素子の解像度の限界をもたらす。このため、ホログラフィックパネル上に生成された何らかの3D画像は、3D画像がホログラフィックパネルの表面の平面に接近するときに最も鮮明となり、すなわち、最も焦点が合っており、表面の平面から遠くに離れる画像ほど、不鮮明で焦点外れとなる。3D画像全体をくっきりとして焦点が合うのを確実にする1つの手法は、コンテンツを限定的な被写界深度内で結合することとすることができる。しかしながら、この手法は、奥行きがあり、臨場感のあるシーンを生成するために必要とされる深度効果を達成するものではないことが現在認識されている。
【0014】
このことを念頭に置いて、本発明の実施形態は、高DOF及び焦点が合った3Dホログラフィック画像を生成する装置及び方法に関する。以下でより詳細に論じるように、本発明の実施形態によれば、複合ホログラム画像は、複合ホログラム画像の一部で各々が符号化された複数の実質的に透過性のホログラフィックパネルを使用して形成される。複数のホログラフィックパネルは、互いに隣接して設置され、隣接したホログラフィックパネル間にギャップが存在し、接したホログラフィックパネルのそれぞれのDOFが互いに重なるようになる。複数のホログラフィックパネルのホログラム画像は、合わせて複合ホログラム画像を形成する。各ホログラフィックパネルのホログラムをそれぞれのDOF内に保持し、ホログラフィックパネルを互いに隣接して積み重ねることによって、複合ホログラム画像のDOFは、ホログラフィック素子の解像度を変えることなく調節可能である。例えば、複合ホログラム画像のDOFは、ホログラフィックパネルの数と共に増大することができる。このため、全体的な奥行き効果は、単一のホログラフィックパネルから可能であるものをはるかに超えることができ、焦点が合った、奥行きがあり臨場感のあるシーンを示すホログラム画像を得ることができる。
【0015】
図を参照すると、
図1は、ホログラフィック画像装置10の1つの実施形態の斜視図である。例示の実施形態において、ホログラフィック画像装置10は、焦点が合ったDOF16を有するホログラム3Dコンテンツ14で符号化されたホログラフィックパネル又はプリント12を含む。一部の実施形態において、ホログラフィックパネル12は、(不透過性材料ではなく)ガラスなどの(例えば、可視光に対して透過性)実質的に透過性の材料を含むことができる。一部の実施形態において、ホログラフィックパネル12は、(例えば、約90%~約80%、約80%~約70%、約70%~約60%、約60%~約50%、約50%~約40%、約40%~約30%、約30%~約20%など、約90%~約60%の光透過性を有する)着色材料を含むことができる。ホログラフィック画像装置10はまた、ホログラフィックパネル12を1又は2以上の入射角(例えば、ホログラフィックパネル12の面法線に対する角度)から照射するように構成された1又は2以上の光源18を含む。1又は2以上の光源18は、専用光源とすることができ、又は空間(例えば、陳列室、ステージ)内の共通の照明システムなど、ホログラフィックパネル12が配置されている周囲における一体型光源とすることができる。
【0016】
ホログラフィックパネル12が1又は2以上の光源18によって照射される場合、生成されたホログラム画像(例えば、ホログラム3Dコンテンツ14)は、DOF16内で焦点が合っている(例えば、鮮明でくっきり)。ホログラフィックパネル12は、1チャンネルホログラムとすることができ、又は多チャンネルホログラムとすることができ、ホログラフィックパネル12が1又は2以上の光源18の異なる入射角から照射された場合に、又は観測者(色判断関係)がホログラフィックパネル12を異なる視野角から見た場合に、画像の異なるフレームが示されるようになる。一部の実施形態において、DOF16は、ホログラフィックパネル12の表面20から約400ミリメートル(mm)(例えば、距離22は、約200mmである)及び/又は約ホログラフィックパネル12より約200mm上方及び下方(例えば、距離24は約200mmである)とすることができる。上述したように、ホログラフィックパネル12のDOFは、ホログラフィック素子解像度によって制限され、改善が困難である可能性がある。本発明の実施形態によれば、ホログラムのDOFは、ホログラフィック素子解像度を変えることなく改善することができる。特に、焦点が合った高被写界深度の3D画像は、以下で論じるように複合ホログラム画像を形成するために複数のホログラフィックパネルを使用して達成できることが現在認識されている。
【0017】
図2は、DOFを拡張するためにホログラフィックパネル又はプリント30のスタック(例えば、複数のホログラフィックパネル)を含むホログラフィック画像装置10の実施形態の斜視図である。例示の実施形態において、ホログラフィック画像装置10は、1又は2以上の光源18、及び隣接したホログラフィックパネル12間のギャップ32を有して互いに隣接して積み重ねられ又は配置された複数のホログラフィックパネル12を含む。ギャップ32は、面法線又は面外方向で1つのホログラフィックパネル12の中央部から隣接したホログラフィックパネル12の中央部までの距離を表すと考えることができる。後で論じるように、ギャップ32は一定値とすることができ、又は隣接したホログラフィックパネル12の異なるペアに対して変わる(例えば、増大又は減少する)ことができる。
【0018】
例示の実施形態では3つのホログラフィックパネル12のみが示されているが、ホログラフィックパネル30のスタックは、任意の適切な数のホログラフィックパネル12を含むことができる。例示の実施形態において、ホログラフィックパネル30のスタックは、ホログラフィックパネル12の面法線又は面外方向34、36及び38が同じ方向でほぼ整列され、ホログラフィックパネル12の縁部40、42及び44もまた互いに対してほぼ整列されるように配置される。しかしながら、他の実施形態において、ホログラフィックパネル12は、他の相対構成で配置することができる。例えば、
図3A、
図3B及び
図3Cは各々、ホログラフィックパネル30のスタックの構成の上面図を示し、各ホログラフィックパネル12の配向は、ギャップ32、傾斜角、及び/又はシフト又はシフト距離の観点から特徴付けることができる。図示するように、ホログラフィックパネル30のスタックは、長手方向及び横方向での基準ホログラフィックパネル56の平面内の面法線50及び直交軸線52及び54を基準として説明することができる。これらの方向は、基準ホログラフィックパネル56の平行な縁部によって定められる点に留意されたい。より具体的には、1又は2以上のギャップ32(例えば、方向及び距離)は、基準ホログラフィックパネル56の面法線50に対して記述される。1又は2以上の傾斜角は、基準ホログラフィックパネル56の面法線50(例えば、それぞれのホログラフィックパネルの面法線と基準ホログラフィックパネル56の面法線50の関係)に対して記述される。1又は2以上のシフト(例えば、方向及び距離)は、基準ホログラフィックパネル56に対して、及び直交軸線52に対して記述される。
【0019】
このことを念頭において、
図3Aは、互いに対して傾斜し及び/又はシフトした1又は2以上のホログラフィックパネル12を有するホログラフィックパネル30のスタックを示す。図示する実施形態において、ホログラフィックパネル30のスタックは、基準ホログラフィックパネル56及び第1及び第2のオフセットホログラフィックパネル60及び62を含む。第1のオフセットホログラフィックパネル60は、傾斜角64(例えば、第1のオフセットホログラフィックパネル60の面法線と面法線50の間の角度)で基準ホログラフィックパネル56に対して傾斜し、移動66(例えば、方向及び距離)で基準ホログラフィックパネル56に対して移動している。第2のオフセットホログラフィックパネル62は、傾斜角68(例えば、第2のオフセットホログラフィックパネル62の面法線と面法線50との間の角度)で基準ホログラフィックパネル56に対して傾斜し、移動70で基準ホログラフィックパネル56に対して移動している。傾斜角(例えば、傾斜角64及び68)は、直交軸線52又は直交軸線54に沿って、又はその両方に沿うことができる点に留意されたい。シフト角度64及び68は、同じ値又は異なる値を有することができ、シフト66及び70は、同じ距離又は異なる距離とすることができる。
【0020】
図3Bは、可変ギャップで配置されたホログラフィックパネル12を有するホログラフィックパネル30のスタックを示す。上述したように、ギャップ32は、面法線50又は面外方向に隣接したホログラフィックパネル12の中央部からの距離として記載される。本明細書で、ホログラフィックパネル12の中央部は、点33によって示されている。例示の実施形態において、ホログラフィックパネル30のスタックは、基準ホログラフィックパネル56及び第1及び第2のオフセットホログラフィックパネル72及び74を含む。ホログラフィックパネルは、第1のギャップ78が基準ホログラフィックパネル56とホログラフィックパネル72との間に、第2のギャップ80がホログラフィックパネル72及び74の間にあるように構成されている。第1及び第2のギャップ78及び80は、同じ値又は異なる値を有することができる。
【0021】
図3Cは、ギャップなし又は実質的にギャップなしで配置されたホログラフィックパネル12を有する(例えば、ホログラフィックパネル30は、直交軸線52及び54で整列されている)ホログラフィックパネル30のスタックを示す。例示の実施形態において、ホログラフィックパネル30のスタックは、基準ホログラフィックパネル56及びホログラフィックパネル82及び84を含む。ホログラフィックパネル30は、これらのホログラフィックパネル(例えば、56、82及び84)の中央部33が直交軸線52で整列されるように実質的に並んで配置されている。基準ホログラフィックパネル56とホログラフィックパネル82と間にシフト86が、及びホログラフィックパネル82及び84間にシフト88が存在することができる。シフト86及び88は、同じ値又は異なる値を有することができる。ホログラフィックパネル30のスタックは、
図3A、
図3B及び
図3C又はその組み合わせで論じたように任意の適切な構成で配置することができることに留意されたい。ホログラフィックパネル30の異なる構成は、より大きな組み合わされたDOFを達成することができ、焦点が合った奥行きがあり臨場感があるシーンを示す。
【0022】
図2を再度参照すると、1又は2以上の光源18は、1又は2以上のそれぞれのホログラフィックパネル12を1又は2以上の入射角から照射するように構成されている。ホログラフィックパネル12の各々は、ガラス又は高い透過性を有する同様の材料で作製することができる。一部の実施形態において、ホログラフィックパネル30のスタックの1又は2以上のホログラフィックパネル12は、同じか又は異なる透過性(例えば、約90%~約80%、約80%~約70%、約70%~約60%、約60%~約50%、約50%~約40%、約40%~約30%、又は約30%~約20%の光透過性)で着色することができる。一部の実施形態において、ホログラフィックパネル30のスタックのホログラフィックパネル12の1又は2以上は、不透過性及び/又は100%着色することができる。一部の実施形態において、観測者に対するホログラフィックパネル30のスタック内の第1のホログラフィックパネル12は、観測者が第1のホログラフィックパネル12の後方で後続のホログラフィックパネル12を見ることができるように、実質的に透過性とすることができる。一部の実施形態において、観測者に対するホログラフィックパネル30のスタック内の最終ホログラフィックパネル12は、不透過性とすることができる。一部の実施形態において、着色の度合いは、観測者に対してホログラフィックパネル30のスタック内の最終ホログラフィックパネル12に向って増加することができる。各ギャップ32の距離は、効果の所望の深度によって決定されることに留意されたい。このようにして、各ホログラフィックパネル12のコンテンツ14(
図1を参照されたい)は、それぞれのDOF内に留まり、ホログラフィックパネル30のスタックの複合ホログラム画像が、
図4に関して検討するように鮮明である(例えば、焦点が合っている)ようになる。
【0023】
図4は、
図2のホログラフィック画像装置10によって生成された複合ホログラム画像90の概略斜視図である。例示の実施形態において、ホログラフィックパネル30のスタックの各ホログラフィックパネル12は、同じか又は互いと異なるとすることができるホログラム3Dコンテンツ14で符号化することができる。コンテンツ14の各々は、対応するDOF16を有し、DOF16は、各ホログラフィックパネル12について異なるか又は同じとすることができる。隣接したホログラフィックパネル12間のギャップ32が制御され、ホログラフィックパネル12の第1の画像92は、重なり領域96を有して隣接したホログラフィックパネル12の第2の画像94と重なるようになっている。本発明の実施形態によれば、第1及び第2の画像92及び94の両方は焦点が合っている(例えば、第1の画像92のDOFは、第2の画像94のDOFと重なる)。
【0024】
各ホログラフィックパネル12のコンテンツ14を適切な(例えば、DOF内の)深度境界内に保つことによって、及び互いに隣接したホログラフィックパネル12をスタックすることによって、複合ホログラム画像90は、焦点が合って生成され、高DOFを有する。特に、複合ホログラム画像90の全体的な奥行き効果は、ホログラフィック素子解像度を変えることなく調節可能とすることができ、単一のホログラフィックパネル12から可能な奥行き効果をはるかに超えることができる。例えば、複合ホログラム画像のDOFの全体的な奥行き効果は、ホログラフィックパネル12の数と共に増大することができる。例示の実施形態において、複合ホログラム画像90(例えば、第1及び第2の画像92及び94の組み合わせ)は、単独で第1の画像92のDOF又は第2の画像94のDOFを超える、第1の画像92のDOF及び第2の画像94のDOFに跨る全体奥行き効果を有する。このため、各ホログラフィックパネル12、従って、全体としての複合ホログラム画像90のコンテンツ14は、全体の複合ホログラム画像90の深度98(例えば、結合被写界深度)を通して焦点が合って鮮明なままであろう。
【0025】
ホログラフィックパネル12が実質的に透過性か又は少なくとも部分的に透過性であるので、ホログラフィックパネル12の存在は複合ホログラム画像90の連続性を阻止又は妨害しないことは理解されるであろう。非制限的な実施例として、シーンを記録して、ホログラフィックパネル30のスタック上へ符号化し、ホログラフィックパネル12の各々がシーンの一部を収容するようにすることができる。ホログラフィックパネル30のスタックは、隣接したホログラフィックパネル12が適切なギャップ32で配置された状態で配置され、ホログラフィックパネル30のスタックが1又は2以上の光源18によって照射されたときに、各ホログラフィックパネル12が、複合ホログラム画像90の一部を形成する画像を生成し、複数の画像が焦点が合った、深みのある、臨場感があるシーンを示すようにする。
【0026】
図5は、
図2のホログラフィック画像装置10を形成する特定の構成要素のブロック図である。例示の実施形態において、ホログラフィック画像装置10は、画像システム102に動作可能に結合された制御装置100を含む。画像システム102は、上述したようにホログラフィックパネル12及び1又は2以上の光源18を含む。画像システム102はまた、特定の実施形態において、1又は2以上の光源18に結合された1又は2以上のアクチュエータ104を含むことができ、1又は2以上のアクチュエータ104は、コントローラ100から1又は2以上の命令(例えば、1又は2以上の制御信号)を受信すると、1又は2以上の光源18の構成又は配向を制御するように構成されている。例えば、1又は2以上のアクチュエータ104は、ホログラフィックパネル12上で1又は2以上の光源18を移動させ及び/又は1又は2以上の光源18の1又は2以上の入射角を制御することができる。画像システム102はまた、一部の実施形態において、ホログラフィックパネル12に結合された1又は2以上のアクチュエータ106を含むことができる。一部の実施形態において、1又は2以上のアクチュエータ106は、コントローラ100から1又は2以上の命令(例えば、1又は2以上の制御信号)を受信すると、ホログラフィックパネル12の構成又は配向を制御するように構成されている。例えば、1又は2以上のアクチュエータ106は、ホログラフィックパネル12を移動し、1又は2以上のギャップ(例えば、ギャップ32、78及び80)の値を変え、1又は2以上の傾斜角(例えば、傾斜角64及び68)の値を変え、及び/又は
図2及び
図3に関して論じたように、1又は2以上のシフト(例えば、シフト86及び88)の値を変えることができる。1又は2以上のアクチュエータ104及び106は、適切なアクチュエータ(例えば、流体アクチュエータ、空圧アクチュエータ、電気アクチュエータ、サーマルアクチュエータ又は磁気アクチュエータ、か、又は機械的アクチュエータ)のうちの何れか1つ又は組み合わせとすることができる。
【0027】
画像システム102の様々な動作パラメータの制御を提供するために、コントローラ100は、プロセッサ108、及びプロセッサ108に通信上結合されたメモリ110(例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体/メモリ回路)を含むことができる。コントローラ100はまた、ユーザが入力を画像システム102の制御操作に供給することを可能にするために、プロセッサ108及び/又はメモリ110に通信上結合されたユーザインターフェース112を含むことができる。例えば、入力としては、これらに限定されないが、1又は2以上の光源18のオン/オフスイッチ、位置及び/又は入射角と、位置、1又は2以上のギャップ(例えば、ギャップ32、78及び80)、1又は2以上の傾斜角(例えば、傾斜角64及び68)及び1又は2以上のシフト(例えば、シフト86及び88)などのホログラフィックパネル12の構成とを含むことができる。
【0028】
プロセッサ108は、1又は2以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、1又は2以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、1又は2以上の汎用プロセッサ又はその任意の組み合わせを含むことができる。更に、プロセッサという用語は、プロセッサとして当技術分野で称される集積回路のみに限定されず、広義に、コンピュータ、プロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラマブルロジックコントローラ、特定用途向け集積回路及び他のプログラム可能な回路を指す。メモリ110は、ランダムアクセスメモリ(RAM)など、揮発性メモリ及び/又は読取り専用メモリ(ROM)など不揮発性メモリ、光学ドライブ、ハードディスクドライブ又はソリッドステートドライブを含むことができる。メモリ110は、1又は2以上の組の命令(例えば、プロセッサ実行可能命令)及び/又は画像システム102の動作に関係する動作を実行するように実行されたアルゴリズムを記憶することができる。例えば、メモリ110は、1又は2以上の光源18をオン又はオフする命令、及び/又は上述した方法で1又は2以上のアクチュエータ104及び106を制御する命令(例えば、1又は2以上の光源18及びホログラフィックパネル12の位置、配向及び/又は構成の変更)を記憶することができる。例えば、メモリ110は、符号化されたホログラム3Dコンテンツ14の情報及びホログラフィックパネル12の各々の焦点が合ったDOF16など、ホログラフィックパネル12に関する情報を記憶することができる。例えば、メモリ110は、隣接したホログラフィックパネル12の符号化されたコンテンツ14が重なって焦点が合っているように、各個のホログラフィックパネル12のDOF16に基づいてホログラフィックパネル12の構成(例えば、ギャップ、傾斜角及び/又は移動)を判定するアルゴリズムを記憶することができる。このようにして、コントローラ100は、ホログラフィックパネル12の照射及び移動に関連した特定の操作方法を実行する特定のプログラムされたアルゴリズム構造を含む画像システムコントローラと考えることができる。
【0029】
図6は、ホログラフィック画像装置10を使用して複合ホログラムを形成する方法の実施例を例示するフローチャートである。方法120は、(ブロックで表すように)特定のシーケンスで実行される行為を使用して説明されているが、本開示は、記載される行為は、例示するシーケンスと異なるシーケンスで実行することができ、特定の記載した行為は、他の実施形態において省略するか又は実行しないことができることを企図している点を理解されたい。方法120は、複数のホログラフィックパネルを提供するステップ(ブロック122)を含むことができる。例えば、複数のホログラフィックパネルを提供するステップは、ホログラフィックパネル12の各々がシーンの一部を収容するようにシーンをホログラフィックパネル30のスタック上で記録及び/又は符号化するステップを含むことができる。上述したように、ホログラフィックパネル12は、(不透過性材料ではなく)ガラスなどの実質的に透過性の材料を含むことができる。一部の実施形態において、ホログラフィックパネル12の少なくとも一部は、(例えば、約90%~約80%、約80%~約70%、約70%~約60%、約60%~約50%、約50%~約40%、約40%~約30%、約30%~約20%の光透過性を有する)着色材料を含むことができる。着色の度合いは、ホログラフィックパネル12の符号化されたコンテンツの内容に少なくとも部分的に依存することができる。例えば、着色の度合いは、ホログラフィックパネル30のスタック内の第1のホログラフィックパネル又は最終ホログラフィックパネル(例えば、シーンの縁部又は終了部分を含むホログラフィックパネル)に向って増加することができる。更に、ホログラフィックパネル12の各々は、1チャンネルホログラム又は多チャンネルホログラムとすることができる。
【0030】
方法120は、複数のホログラフィックパネルを互いに隣接して配置するステップ(ブロック124)ことを含むことができる。より具体的には、複数のホログラフィックパネル12は、ホログラフィックパネル12の各々がそれぞれのDOFに収まるようにスタック又は配列することができ、ホログラフィックパネルのスタックの複合ホログラム画像が鮮明である(例えば、焦点が合っている)ようにする。例えば、隣接したホログラフィックパネル12間の配向及び/又は距離(例えば、ギャップ、傾斜角、移動)は、所望の深度効果によって決定付けられる。例えば、隣接したホログラフィックパネル12間の距離(例えば、ギャップ32、シフト86及び88)は、隣接したホログラフィックパネルのホログラム画像が重なり、隣接したホログラム画像の両方とも焦点が合っているように制御することができる。非制限的な一例として、ホログラフィックパネルのスタックは、
図2~
図4に関して論じた方法又はその組み合わせで配置することができる。一部の実施形態において、ブロック124は、複数のホログラフィックパネルをアクチュエータに結合するステップ(ブロック126)を含むことができる。例えば、複数のホログラフィックパネル12は、1又は2以上のアクチュエータ106に結合して、コントローラ100から制御信号を受信すると、複数のホログラフィックパネル12の位置及び/又は配向を変更可能にするすることができる。
【0031】
方法120は、複数のホログラフィックパネルを照射するために光源を配置するステップ(ブロック128)を含むことができる。例えば、ブロック128は、1又は2以上の光源18をホログラフィックパネル30のスタックに近接して配置して、好適な入射角からホログラフィックパネル30のスタックを照射するステップを含むことができる。1又は2以上の光源18は、1又は2以上のホログラフィックパネル12を照射するのに好適な位置及び向きで配置することができる。一部の実施形態において、ブロック128は、任意選択的に、光源をアクチュエータに結合するステップ(ブロック130)を含むことができる。例えば、1又は2以上の光源18は、1又は2以上のアクチュエータに結合されて、1又は2以上の光源18の位置又は向きを変更し、コントローラ100から制御信号を受信したときに光入射角を変えることを可能にすることができる。一部の実施形態において、他チャンネルホログラフィックパネル12が異なる入射角から照射されたときに、ホログラム画像の異なるフレームを示すことができる。
【0032】
方法120は、複数のホログラフィックパネルを照射して、複合ホログラム画像を形成するステップ(ブロック132)を含むことができる。例えば、1又は2以上の光源18は、手動で、又はコントローラ100から制御信号を受信したときにターンオンされて、ホログラフィックパネル30のスタックを照射して複合ホログラム画像90を形成する。
【0033】
図7は、コントローラ100を用いてホログラフィック画像装置10を動作させる方法140の1つの実施例を例示したフローチャートである。方法140は、特定のシーケンスで実行される行為を使用して説明されているが、本開示は、記載される行為は、例示するシーケンスと異なるシーケンスで実行することができ、特定の記載した行為は、他の実施形態において省略するか又は実行しないことができることを企図している点を理解されたい。方法140は、コントローラ100を画像システム102に結合するステップ(ブロック142)を含むことができる。例えば、コントローラ100は、1又は2以上の抗原18、ホログラフィックパネル12、及び1又は2以上のアクチュエータ104及び106など、画像システム102の種々の構成要素に動作可能に/通信可能に結合される。
【0034】
図示のように、方法140は、ユーザからの入力を受信するステップ(ブロック144)を含むことができる。例えば、コントローラ100は、該コントローラ100のプロセッサ108及び/又はメモリ110に結合されたユーザインターフェース112を介してユーザからの入力を受信することができる。入力は、1又は2以上の光源18及び/又はホログラフィックパネル12の動作パラメータを調整する命令を含むことができる。入力としては、これらに限定されないが、1又は2以上の光源18のオン/オフスイッチ、位置及び/又は入射角と、位置、1又は2以上のギャップ(例えば、ギャップ32、78及び80)、1又は2以上の傾斜角(例えば、傾斜角64及び68)及び1又は2以上のシフト(例えば、シフト86及び88)などのホログラフィックパネル12の構成とを含むことができる。
【0035】
実際に、ホログラフィック画像の制御を更に提供するために、方法140は、ホログラフィックパネル12の特定の構成を制御するステップ(ステップ146)を含むことができる。例えば、コントローラ100は、1又は2以上のアクチュエータ106に命令を送り、パネル12の配列及び/又は向きに関連するパラメータを変更して、ホログラフィックパネル12の隣接するホログラム画像の焦点が合うようにすることができる。これらのパラメータは、限定ではないが、1又は2以上のギャップ(例えば、ギャップ32、78及び80)、1又は2以上の傾斜角(例えば、傾斜角64及び68)及び1又は2以上の離隔距離(例えば、シフト86及び88)、又はこれらの組み合わせを含むことができる。
【0036】
方法140はまた、1又は2以上の光源18の動作を制御するステップ(ブロック148)を含むことができる。例えば、コントローラ100は、1又は2以上のアクチュエータ106に命令を送り、1又は2以上の光源18の種々の動作パラメータを変更することができる。例えば、動作パラメータは、限定ではないが、それぞれの1又は2以上のホログラフィックパネル12に対する1又は2以上の光源18のオン/オフ状態、位置、及び/又は入射角を含むことができる。
【0037】
本発明の開示の特定の特徴のみを本明細書で例示し説明してきたが、多くの修正及び変更は、当業者には想起されるであろう。従って、添付の請求項は、本発明の真の精神の範囲内にあるこのような変更形態及び変更全てを保護するものであることを理解されたい。