IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トパドゥール ファーマ アーゲーの特許一覧

特許7182568新規二重作用モード可溶性グアニル酸シクラーゼ活性化因子およびホスホジエステラーゼ阻害剤ならびにその使用
<>
  • 特許-新規二重作用モード可溶性グアニル酸シクラーゼ活性化因子およびホスホジエステラーゼ阻害剤ならびにその使用 図1
  • 特許-新規二重作用モード可溶性グアニル酸シクラーゼ活性化因子およびホスホジエステラーゼ阻害剤ならびにその使用 図2
  • 特許-新規二重作用モード可溶性グアニル酸シクラーゼ活性化因子およびホスホジエステラーゼ阻害剤ならびにその使用 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-24
(45)【発行日】2022-12-02
(54)【発明の名称】新規二重作用モード可溶性グアニル酸シクラーゼ活性化因子およびホスホジエステラーゼ阻害剤ならびにその使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/04 20060101AFI20221125BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20221125BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20221125BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20221125BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20221125BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20221125BHJP
   A61P 15/10 20060101ALI20221125BHJP
   A61P 15/08 20060101ALI20221125BHJP
   A61P 17/14 20060101ALI20221125BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20221125BHJP
   A61P 9/14 20060101ALI20221125BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20221125BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20221125BHJP
   A61P 9/04 20060101ALI20221125BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20221125BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20221125BHJP
   A61P 11/08 20060101ALI20221125BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20221125BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20221125BHJP
   A61P 11/02 20060101ALI20221125BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20221125BHJP
   A61P 27/06 20060101ALI20221125BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20221125BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20221125BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20221125BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20221125BHJP
【FI】
C07D487/04 140
C07D487/04 CSP
A61K31/519
A61P43/00 111
A61P17/02
A61P3/10
A61P9/00
A61P15/10
A61P15/08
A61P17/14
A61P17/00
A61P9/14
A61P9/12
A61P11/00
A61P9/04
A61P13/12
A61P29/00
A61P11/08
A61P11/06
A61P37/08
A61P11/02
A61P25/00
A61P27/06
A61P1/00
A61P1/16
A61P25/28
A61P9/10
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2019564095
(86)(22)【出願日】2018-05-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-16
(86)【国際出願番号】 EP2018063339
(87)【国際公開番号】W WO2018215433
(87)【国際公開日】2018-11-29
【審査請求日】2021-05-18
(31)【優先権主張番号】17172193.9
(32)【優先日】2017-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】518170479
【氏名又は名称】トパドゥール ファーマ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ネフ, レト
(72)【発明者】
【氏名】テノール, ヘルマン
【審査官】前田 憲彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-523344(JP,A)
【文献】特表2002-523450(JP,A)
【文献】特表2009-532463(JP,A)
【文献】特表2009-515911(JP,A)
【文献】Journal of Medicinal Chemistry,2008年,51(9),P.2807-2815
【文献】有機合成化学協会誌,2003年,61(1),P.45-57
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 487/00
A61K 31/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:

の化合物またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物もしくは水和物であって、式中、
は、少なくとも1つのONOまたはONO部分を含み;
は、Fで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
は、H;OHで任意に置換されてもよいC-Cアルキル;CHOCN;またはCR=N-OR あり;
は、F、C -Cアルコキシ、または クロアルキルで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
、C -Cアルコキシで任意に置換されてもよいC-Cアルキルあり;
はSNR13 あり;
は、H、CHまたはCであり;
は、H;またはHで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
13およびR14、それらが結合している窒素原子と一緒に複素環を形成し、前記複素環は、ピペリジンおよびピペラジンから選択され;前記複素環は、少なくとも1つの15 で置換され;
15、OH、ONO、またはONO 任意に置換されてもよいC-Cアルキルである
化合物。
【請求項2】
は、C-Cアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
は、Hである、請求項1または請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
は、CHOである、請求項1または請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
は、CH=N-OR であり、R は、Hである、請求項1または請求項2に記載の化合物。
【請求項6】
、C -Cアルキルである、請求項1~のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
は、C-Cアルコキシで任意に置換されてもよいC-Cアルキルである、請求項1~のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
15、OH、ONO、またはONO 任意に置換されてもよいC-Cアルキルである、請求項1~のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
前記式Iの化合物は、式Iの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物または水和物であり、R は、少なくとも1つのONOまたはONO部分を含み;

、R、R、およびRは、請求項で定義の通りであり、
XはCR21またはNであり;
20、OH、ONO、またはONO 任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
21は、H、またはOH、ONO、もしくはONO 任意に置換されてもよいC-Cアルキルである、請求項1~のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
は、C-Cアルキルであり;
は、H;OHで任意に置換されてもよいC-Cアルキル;CHOCN;またはCR=N-OR あり
、HまたはCHであり;
は、H;またはHで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
、C -Cアルキルであり;
は、C-Cアルコキシで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
20、OH、ONO、またはONO 任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
21は、H、またはOH、ONO、もしくはONO 任意に置換されてもよいC-Cアルキルである、請求項に記載の化合物。
【請求項11】
は、C-Cアルキルであり;
は、H;OHで任意に置換されてもよいC-Cアルキル;CHO;またはCR=N-OR あり
は、HまたはCHであり;
は、H;またはHで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
、C -Cアルキルであり;
、C -Cアルキルであり;
20は、OH、ONOおよびONOから選択される1つ、2つまたは3つの置換基で置換されたC-Cアルキルであり;
21は、H、またはOH、ONOおよびONOから選択される1つまたは2つの置換基で置換されたC-Cアルキルである、請求項に記載の化合物。
【請求項12】
前記式Iの化合物は、式I**の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物または水和物であり、R 22、R23またはR24 の少なくとも1つは、相互に独立に、少なくとも1つのONOまたはONO部分を含み;
**
、R、R、およびRは、請求項11で定義の通りであり;
22は、H、またはOH、ONO、もしくはONO 任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
23およびR24は、それぞれ独立に、OH、ONO、またはONO 任意に置換されてもよいC-Cアルキルである、請求項1~のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項13】
22は、C-Cアルキルであり;
23およびR24は、それぞれ独立に、OH、ONO、またはONOで置換されたC-Cアルキルである、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
前記化合物が下記から選択される、請求項1に記載の化合物:
(E)-2-(4-((3-(5-エチル-6-((ヒドロキシイミノ)メチル)-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)エチルニトレート(1a);
2-(1-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート(1b);
(E)-2-(1-((3-(5-エチル-6-((ヒドロキシイミノ)メチル)-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート(1c);
3-(1-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)プロピルニトレート(1d);
(E)-3-(1-((3-(5-エチル-6-((ヒドロキシイミノ)メチル)-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)プロピルニトレート(1e);
2-(4-((3-(5-エチル-6-ホルミル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)エチルニトレート(1f);
2-(1-((3-(5-エチル-6-ホルミル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート(1g);
3-(1-((3-(5-エチル-6-ホルミル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)プロピルニトレート(1h);
2-(4-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)エチルニトレート(1i);
(R)-1-(1-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エタン-1,2-ジイルジニトレート(1k);
(S)-1-(1-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エタン-1,2-ジイルジニトレート(1l);
((2R,6S)-4-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)-1-メチルピペラジン-2,6-ジイル)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジニトレート(1m);
(1-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4,4-ジイル)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジニトレート(1n);
((2S,6S)-4-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)-1-メチルピペラジン-2,6-ジイル)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジニトレート(1o);
3-(1-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)-3-ヒドロキシペンタン-1,5-ジイルジニトレート(1p);
2-(1-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)-2-ヒドロキシプロパン-1,3-ジイルジニトレート(1q);
(E)-2-(1-((4-エトキシ-3-(6-((ヒドロキシイミノ)メチル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート(2a);
3-(1-((4-エトキシ-3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)プロピルニトレート(2b);
2-(1-((4-エトキシ-3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート(2c);
2-(4-((4-エトキシ-3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)エチルニトレート(2d);
2-(1-((4-エトキシ-3-(6-ホルミル-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート(2e);
(E)-3-(4-((4-エトキシ-3-(6-((ヒドロキシイミノ)メチル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)プロピルニトレート(2f);
(E)-2-(4-((4-エトキシ-3-(6-((ヒドロキシイミノ)メチル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)エチルニトレート(2g);
2-(1-((3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート(3a);
2-(4-((3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)エチルニトレート(3b);
(E)-2-(1-((3-(6-((ヒドロキシイミノ)メチル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート(3c);
3-(4-((3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)プロピルニトレート(3d);
(E)-2-(4-((3-(6-(ヒドロキシイミノ)メチル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)エチルニトレート(3e);
(E)-3-(4-((3-(6-((ヒドロキシイミノ)メチル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)プロピルニトレート(3f);
(R)-1-(1-((3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エタン-1,2-ジイルジニトレート(3g);
(S)-1-(1-((3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エタン-1,2-ジイルジニトレート(3h);
(1-((3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4,4-ジイル)ビス(メチレン)ジニトレート(3i);
(1-((3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)メチルニトレート(3k);
(R)-2-ヒドロキシ-2-(1-((3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート(3l);
2-ヒドロキシ-1-(1-((3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート異性体a(3m);
2-ヒドロキシ-1-(1-((3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート異性体b(3n);
(R,E)-1-(1-((3-(6-((ヒドロキシイミノ)メチル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エタン-1,2-ジイルジニトレート(3o);
(S)-1-(1-((3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エタン-1,2-ジイルジニトレート(3p);および
(S)-2-ヒドロキシ-2-(1-((3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート(3q)。
【請求項15】
前記化合物が、
2-(4-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)エチルニトレート(1i)
である、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
前記化合物が、
(1-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4,4-ジイル)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジニトレート(1n)
である、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか1項に記載の式Iの化合物またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物もしくは水和物の内の少なくとも1つ、および薬学的に許容可能な賦形剤、補助剤または担体を含む、医薬組成物。
【請求項18】
請求項1~16のいずれか1項に記載の式Iの化合物を含む、ヒトまたは非ヒト哺乳動物のPDE5の阻害によって軽減される疾患を治療または予防するための医薬であって、前記疾患は、創傷治癒、慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、レイノー病、男性勃起不全、持続勃起症、女性性機能不全、脱毛症、皮膚老化、血管老化、肺動脈高血圧症;リベド血管炎、閉塞性血栓血管炎、慢性裂肛、皮膚線維症、安定狭心症、不安定狭心症、異型(プリンツメタル)狭心症高血圧症、肺高血圧症、慢性閉塞性肺疾患、うっ血性心不全、腎不全、アテローム性動脈硬化症、血管開存性低下の状態、末梢血管疾患、血管障害、全身性硬化症(SSc)、強皮症、モルフェア、炎症性疾患、脳卒中、気管支炎、慢性喘息、アレルギー性喘息、アレルギー性鼻炎、糖尿病性ニューロパチー、特発性肺線維症(IPF)、ペーロニー病、緑内障過敏性腸症候群、肝線維症、アルツハイマー病および慢性心不全から選択される、医薬
【請求項19】
請求項1~16のいずれか1項に記載の式Iの化合物を含む、ヒトまたは非ヒト哺乳動物の疾患を治療または予防するための医薬であって、前記疾患は、肺動脈高血圧症(PAH)、慢性血栓塞栓性肺高血圧症、男性勃起不全、持続勃起症、女性性機能不全、リベド血管炎、閉塞性血栓血管炎、慢性裂肛、皮膚線維症、創傷治癒、慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、糖尿病性ニューロパチーおよび褥瘡から選択される、医薬
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬学的に有用な化合物、特に、酵素可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)の活性化因子であり、同時に、環状グアノシン3’,5’-一リン酸ホスホジエステラーゼ(cGMP PDE)、特に5型環状グアノシン3’,5’-一リン酸ホスホジエステラーゼ(cGMP PDE5)を阻害する化合物に関する。本発明の化合物は、男性勃起不全(MED)、持続勃起症、女性性機能不全、アルツハイマー病、肺動脈高血圧症(PAH)、慢性血栓塞栓性肺高血圧症、リベド血管炎、閉塞性血栓血管炎、慢性裂肛、皮膚線維症、緑内障、内皮機能障害(ED)、良性前立腺肥大症(BPH)および下部尿路症状(LUTS)、持続勃起症、脱毛症、嚢胞性線維症、末梢血管疾患、レイノー病などの血管障害、全身性硬化症(SSc)、強皮症、糖尿病、特に肺動脈高血圧症(PAH)、慢性血栓塞栓性肺高血圧症、男性勃起不全、持続勃起症、女性性機能不全、創傷治癒、特に慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、糖尿病性ニューロパチーおよび褥瘡を含む様々な治療分野に有用である。
【背景技術】
【0002】
ホスホジエステラーゼ(PDE)は、環状アデノシン一リン酸(cAMP)および環状グアノシン一リン酸(cGMP)の加水分解、すなわち分解を触媒し、それによりセカンドメッセンジャーの細胞内のレベルを調節する酵素である。PDEの阻害は、内因性cAMP/cGMPの細胞内濃度の上昇に繋がる。したがって、PDEの阻害が種々の生理学的機序を様々な細胞および器官のレベルで媒介し得る。
【0003】
5型ホスホジエステラーゼ(PDE5)は、環状グアニル酸一リン酸(cGMP)を特異的に5’GMPに加水分解する。このPDE5の選択的な阻害が1つの重要な方法として検証されてきており、また、PDE5活性の阻害の促進に向けた戦略が、特に神経および心血管状態の治療手段として用いられてきた。さらに、PDE5阻害剤の導入により男性勃起不全(MED)の治療に革命がもたらされた(Dobhal T,Kaur S,Prakash Sharma O,Hari Kumar SL,Critical Review in Pharmaceutical Sciences(2012)1(3):13-27;Palit V,Eardley I,Nature Reviews Urology(2010)7(11):603-609)。PDE5阻害剤は数種類のものが市販されており、特にMEDまたは肺高血圧症(PH)、特に肺動脈高血圧症(PAH)に対して特徴付けられている(Papapetropoulos A,Hobbs AJ,Topouzis S,British Journal of Pharmacology(2015)172:1397-1414;Monica FZ,Murad F,Bian K,OA Biochemistry(2014)Mar 11;2(1):3;Beedimani RS,Kalmath B,Int J Pharm Bio Sci(2014)5(2):530-539;Wronski S,Cent European J Urol(2014)67:314-318;およびそこに引用されている参考文献)。PDE5阻害剤のうち最も有名なものの例がシルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィルおよびミロデナフィルであり、これらは特に、例えば国際公開第99/24433号、同第01/60825号、欧州特許第995,751号および国際公開第2011/075655号に記載されている。
【0004】
既知のPDE5阻害剤が成功を収めている一方で、さらなるPDE5阻害剤、特により効果的な薬物およびcGMPのバランスの崩れによる疾患の治療または予防に使用するためのその医薬組成物が依然必要とされている。さらに、全般的には、cGMPのバランスの崩れによる疾患の治療または予防への使用に有益な化合物およびその医薬組成物が依然必要とされている。
【0005】
内皮機能障害は、血管拡張薬メディエーターおよび血管収縮薬メディエーターのアンバランスをもたらし、後者側にシフトする。1つの重要な機序である内皮NO生成は、機能不全のままであり、隣接する平滑筋細胞中の、関連する可溶性グアニリルシクラーゼ(sGC)の活性化は、低下したままである。cGMP合成を改善し、その分解を抑制して、血管平滑筋中のcGMPを増やすことにより、乱れたcGMPレベルを増大させる戦略が、記載されてきた。例は、国際公開第2010/081647号または米国出願公開第2002/0182162号の、sGC刺激剤または活性化因子とPDE5阻害剤の組み合わせである。しかし、同時に、sGCを刺激し、PDE5を阻害する化合物は、記載されなかった。
【発明の概要】
【0006】
我々は、驚くべきことに、本発明の化合物は、そのPDE5阻害に加えて、加算的作用を上回って、すなわち、相乗作用的に、NOを放出すると考えられる、二重薬理NO放出PDE5阻害剤であることを見出した。我々は、さらに驚くべきことに、本発明の化合物は、血液循環に達すると、血漿タンパク質に強く結合されることを見出した。このように強力に結合された化合物は、それらの生物活性を示すことができず、それらを特に局所適用および局所作用傾向にする。cGMPの相乗的増大は、極めて強力な血管拡張、血管新生および内皮機能障害の抑制を生ずる(図1参照)。したがって、本発明の二重薬理NO-放出PDE5阻害剤は、内皮機能障害の状態におけるようなNO産生が減少した障害の治療に特に有益であることが期待される。さらに、本発明の二重薬理NO放出PDE5阻害剤は、糖尿病患者の治療に極めて有益であるとさらに考えられる。
【0007】
さらに、本発明者らは驚くべきことに、本発明の化合物が、細胞内のcGMPを増大に対し、シルデナフィルまたはミロデナフィルなどの既知のPDE5阻害剤よりも顕著に高い有効性さえも示すことを見出した。加えて、我々は、本発明の数種類の化合物が、極めて高い血漿タンパク質との結合性を有し、そのことが、これらの化合物を、特に、局所適用および局所作用傾向にしていることを発見した。結果として、本発明の新規ピロロピリミドン化合物は、cGMPのバランスの崩れによる疾患の治療および予防に有用である。
【0008】
本発明の化合物が示す、可溶性グアニル酸シクラーゼの刺激と組み合わせた、強力で選択的なPDE5阻害により、cGMPレベルが上昇し、それにより有益な血管拡張作用、抗血管攣縮作用、抗血小板作用、ナトリウム利尿作用が生じ得る。さらに、二重薬理NO放出PDE5阻害剤は、可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化させる一酸化窒素の放出、ならびに、加算的効果にとどまらないPDE5阻害を可能とする。したがって、本発明の化合物は、cGMPのバランスの崩れが起こる、および/またはPDE5阻害が有益であると考えられる様々な治療分野に有用である。いくつかの好ましい治療分野には、肺動脈高血圧症(PAH)、慢性血栓塞栓性肺高血圧症、男性勃起不全、持続勃起症、女性性機能不全、創傷治癒、特に慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、レイノー病、男性勃起不全、アルツハイマー病、リベド血管炎、閉塞性血栓血管炎、慢性裂肛、皮膚線維症、糖尿病、脱毛、皮膚老化、血管老化、肺動脈高血圧症および慢性心不全がある。本発明の化合物は、図2に示すように、局所薬物適用に特に好適する。
【0009】
従って、第1の態様では、本発明は、式I:

の化合物またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物もしくは水和物を提供し、式中、
、R、R、R、またはRのうちの少なくとも1つは、相互に独立に、ONOまたはONO部分のうちの少なくとも1つを含み、好ましくは前記R、R、R、R、またはRは、ONOまたはONO部分から選択される少なくとも2つの部分を一緒に含み;
は、F、C-Cシクロアルキル、C-Cアルコキシ、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
は、H;OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキル;C(O)OH、C(O)OC-Cアルキル、CHO、CN、C(O)N(R)OR、CR=N-OR、CR=N-NR1011、CR=NR12、CR=N-ONO、C-Cアルコキシ;C-Cアルキレン-Yであり、式中、Yは、ONO、ONO、C(O)OH、C(O)OC-Cアルキル、CHO、CN、OH、OC(O)H、OC(O)-C-Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC-Cアルキレン-C(O)OH、OC-Cアルキレン-C(O)OC-Cアルキル、OC-Cアルキレン-C(O)N(R)OR、S(O0-2)C-Cアルキル、CR=N-OR、CR=N-NR1011、CR=NR12またはCR=N-ONOであり;
は、F、OH、ONO、ONO、C-Cアルコキシ、C-Cシクロアルキルで任意に置換されてもよいC-Cアルキル;C-Cシクロアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニルであり;
は、C-Cシクロアルキル、C-Cアルコキシ、F、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキル;C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cシクロアルキルであり;
はH、SONR1314、NHSONR1314であり;
は、HまたはC-Cアルキルであり;
は、H、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ;フェニル、ベンジルまたは複素環で置換されたC-Cアルキルであり、前記フェニル、ベンジルまたは前記複素環は独立に、C-Cアルキル、Fで任意に置換されてもよく;
は、H、CHまたはCであり;
は、H;OH、ONO、ONO、CN、COOH、COOC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)-C-Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC-Cアルキレン-C(O)OH、OC-Cアルキレン-C(O)OC-Cアルキル、OC-Cアルキレン-C(O)N(R)OR、S(O0-2)C-Cアルキルで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
10およびR11は、それぞれ独立に、H;OH、ONO、ONO、CN、COOH、COOC-C、C-Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)-C-Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC-Cアルキレン-C(O)OH、OC-Cアルキレン-C(O)OC-Cアルキル、OC-Cアルキレン-C(O)N(R)OR、S(O0-2)C-Cアルキルで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであるか;またはそれらが結合している窒素原子と一緒に複素環を形成し、好ましくは前記複素環は、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジンおよびホモピペラジンから選択され;前記複素環はC-Cアルキルで任意に置換されてもよく;
12は、OH、ONO、ONO、CN、COOH、COOC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)-C-Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC-Cアルキレン-C(O)OH、OC-Cアルキレン-C(O)OC-Cアルキル、OC-Cアルキレン-C(O)N(R)OR、S(O0-2)C-Cアルキルで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
13およびR14は、それぞれ独立に、Hであるか、またはF、OH、ONO、ONO、COOH、C-Cアルコキシ、C-Cシクロアルキルで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであるか;またはそれらが結合している窒素原子と一緒に複素環を形成し、好ましくは前記複素環は、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジンおよびホモピペラジン、2,5-ジアザビシクロ[2,2,1]ヘプタンおよび3,7-ジアザビシクロ[3,3,0]オクタンから選択され;前記複素環は、R15で任意に置換されてもよく;
15は、ハロゲン、OH、ONO、ONO、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルコキシ、COOR16、NR1718、C=NR19で、またはC-Cアルキルで任意に置換されてもよいテトラゾール部分で任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;またはFで任意に置換されてもよいヘテロアリール環であり、前記ヘテロアリール環の少なくとも1つのヘテロ原子は窒素であり、
16は、Hであるか、またはF、OH、ONO、ONO、NR1718で、またはヘテロアリール環で任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり、前記ヘテロアリール環の少なくとも1つのヘテロ原子は窒素であり、好ましくは前記ヘテロアリール環は、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピロール、およびイミダゾールから選択され、窒素原子は、C-Cアルキルに直接結合され;
17およびR18は、それぞれ独立にHまたはONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
19は、F、OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキル;C-Cシクロアルキルである。
【0010】
さらなる態様では、本発明は、本発明の式Iの化合物またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物もしくは水和物のうちの少なくとも1つと、薬学的に許容可能な賦形剤、補助剤または担体とを含む、医薬組成物を提供する。
【0011】
別の態様では、本発明は、薬物として使用するための式Iの化合物、または医薬組成物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物もしくは水和物を提供する。
【0012】
別の態様では、本発明は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物、好ましくはヒトのPDE5の阻害によって軽減される疾患を治療または予防する方法に使用する式Iの化合物、または医薬組成物、または薬学的に許容可能な塩、溶媒和物もしくは水和物を提供し、好ましくは、前記疾患は、創傷治癒、慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、レイノー病、男性勃起不全、持続勃起症、女性性機能不全、脱毛症、皮膚老化、血管老化、肺動脈高血圧症;リベド血管炎、閉塞性血栓血管炎、慢性裂肛、皮膚線維症、安定狭心症、不安定狭心症および異型(プリンツメタル)狭心症;高血圧症、肺高血圧症、慢性閉塞性肺疾患、うっ血性心不全、腎不全、アテローム性動脈硬化症、血管開存性低下の状態、末梢血管疾患、血管障害、全身性硬化症(SSc)、強皮症、モルフェア、炎症性疾患、脳卒中、気管支炎、慢性喘息、アレルギー性喘息、アレルギー性鼻炎、糖尿病性ニューロパチー、特発性肺線維症(IPF)、ペーロニー病、緑内障または過敏性腸症候群などの腸運動障害を特徴とする疾患、肝線維症、アルツハイマー病および慢性心不全から選択される。
【0013】
別の態様では、本発明は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物、好ましくはヒトの疾患を治療または予防する方法に使用する式Iの化合物あるいはその医薬組成物または薬学的に許容可能な塩、溶媒和物もしくは水和物を提供し、前記疾患は、創傷治癒、慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、レイノー病、男性勃起不全、持続勃起症、女性性機能不全、脱毛症、皮膚老化、血管老化、肺動脈高血圧症;リベド血管炎、閉塞性血栓血管炎、慢性裂肛、皮膚線維症、安定狭心症、不安定狭心症および異型(プリンツメタル)狭心症;高血圧症、肺高血圧症、慢性閉塞性肺疾患、うっ血性心不全、腎不全、アテローム性動脈硬化症、血管開存性低下の状態、末梢血管疾患、血管障害、全身性硬化症(SSc)、強皮症、モルフェア、炎症性疾患、脳卒中、気管支炎、慢性喘息、アレルギー性喘息、アレルギー性鼻炎、糖尿病性ニューロパチー、特発性肺線維症(IPF)、ペーロニー病、緑内障または過敏性腸症候群などの腸運動障害を特徴とする疾患、肝線維症、アルツハイマー病および慢性心不全から選択され、好ましくは、前記疾患は、肺動脈高血圧症(PAH)、慢性血栓塞栓性肺高血圧症、男性勃起不全、持続勃起症および女性性機能不全、リベド血管炎、閉塞性血栓血管炎、慢性裂肛、皮膚線維症、創傷治癒、慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、糖尿病性ニューロパチーおよび褥瘡から選択される。
【0014】
本発明のさらなる態様および実施形態は、この記述が続けられるに伴い明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】1つの分子からの可溶性グアニル酸シクラーゼのPDE5阻害および活性化
図2】cGMPバランスの崩れがある疾患におけるcGMPのバランスの崩れを解決する二重薬理NO放出PDE5阻害剤
図3】本発明の化合物または参照PDE5阻害剤シルデナフィルおよびミロデナフィルの存在下でインキュベートしたヒト肺動脈平滑筋細胞(hPASMC)中の環状グアノシン3’-5’-一リン酸(cGMP)の濃度依存性測定
【発明を実施するための形態】
【0016】
別途定義されない限り、本明細書で使用される技術用語および科学用語はいずれも、本発明が属する技術分野の当業者が一般に理解するものと同じ意味を有する。
【0017】
我々は、驚くべきことに、本発明の化合物は、そのPDE5阻害に加えて、細胞内のcGMP上昇による加算的刺激以上にNOの放出をもたらすと考えられる、二重薬理NO放出PDE5阻害剤であることを見出した。さらに、本発明の化合物は、細胞内のcGMPの刺激に対し、シルデナフィルまたはミロデナフィルなどの既知の単一薬理PDE5阻害剤よりも顕著に高い有効性さえも示す。さらに、本発明の化合物は、血液循環に達すると、血漿タンパク質に強く結合され、それらの化合物を特に局在適用および局在作用傾向にする。
【0018】
従って、第1の態様では、本発明は、式I:

の化合物またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物もしくは水和物を提供し、式中、
、R、R、R、またはRのうちの少なくとも1つは、相互に独立に、ONOまたはONO部分のうちの少なくとも1つを含み、好ましくは前記R、R、R、R、またはRは、ONOまたはONO部分から選択される少なくとも2つの部分を一緒に含み;
は、F、C-Cシクロアルキル、C-Cアルコキシ、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
は、H;OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキル;C(O)OH、C(O)OC-Cアルキル、CHO、CN、C(O)N(R)OR、CR=N-OR、CR=N-NR1011、CR=NR12、CR=N-ONO、C-Cアルコキシ;C-Cアルキレン-Yであり、式中、Yは、ONO、ONO、C(O)OH、C(O)OC-Cアルキル、CHO、CN、OH、OC(O)H、OC(O)-C-Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC-Cアルキレン-C(O)OH、OC-Cアルキレン-C(O)OC-Cアルキル、OC-Cアルキレン-C(O)N(R)OR、S(O0-2)C-Cアルキル、CR=N-OR、CR=N-NR1011、CR=NR12またはCR=N-ONOであり;
は、F、OH、ONO、ONO、C-Cアルコキシ、C-Cシクロアルキルで任意に置換されてもよいC-Cアルキル;C-Cシクロアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニルであり;
は、C-Cシクロアルキル、C-Cアルコキシ、F、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキル;C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cシクロアルキルであり;
はH、SONR1314、NHSONR1314であり;
は、HまたはC-Cアルキルであり;
は、H、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ;フェニル、ベンジルまたは複素環で置換されたC-Cアルキルであり、前記フェニル、ベンジルまたは前記複素環は独立に、C-Cアルキル、Fで任意に置換されてもよく;
は、H、CHまたはCであり;
は、H;OH、ONO、ONO、CN、COOH、COOC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)-C-Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC-Cアルキレン-C(O)OH、OC-Cアルキレン-C(O)OC-Cアルキル、OC-Cアルキレン-C(O)N(R)OR、S(O0-2)C-Cアルキルで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
10およびR11は、それぞれ独立に、H;OH、ONO、ONO、CN、COOH、COOC-C、C-Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)-C-Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC-Cアルキレン-C(O)OH、OC-Cアルキレン-C(O)OC-Cアルキル、OC-Cアルキレン-C(O)N(R)OR、S(O0-2)C-Cアルキルで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであるか;またはそれらが結合している窒素原子と一緒に複素環を形成し、好ましくは前記複素環は、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジンおよびホモピペラジンから選択され;前記複素環はC-Cアルキルで任意に置換されてもよく;
12は、OH、ONO、ONO、CN、COOH、COOC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)-C-Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC-Cアルキレン-C(O)OH、OC-Cアルキレン-C(O)OC-Cアルキル、OC-Cアルキレン-C(O)N(R)OR、S(O0-2)C-Cアルキルで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
13およびR14は、それぞれ独立に、Hであるか、またはF、OH、ONO、ONO、COOH、C-Cアルコキシ、C-Cシクロアルキルで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであるか;またはそれらが結合している窒素原子と一緒に複素環を形成し、好ましくは前記複素環は、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジンおよびホモピペラジン、2,5-ジアザビシクロ[2,2,1]ヘプタンおよび3,7-ジアザビシクロ[3,3,0]オクタンから選択され;前記複素環は、R15で任意に置換されてもよく;
15は、ハロゲン、OH、ONO、ONO、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルコキシ、COOR16、NR1718、C=NR19で、またはC-Cアルキルで任意に置換されてもよいテトラゾール部分で任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;またはFで任意に置換されてもよいヘテロアリール環であり、前記ヘテロアリール環の少なくとも1つのヘテロ原子は窒素であり;
16は、Hであるか、またはF、OH、ONO、ONO、NR1718で、またはヘテロアリール環で任意に置換されてもよいC-Cアルキル、前記ヘテロアリール環の少なくとも1つのヘテロ原子は窒素であり、好ましくは前記ヘテロアリール環は、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピロール、およびイミダゾールから選択され、窒素原子は、C-Cアルキルに直接結合され;
17およびR18は、それぞれ独立にHまたはONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
19は、F、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキル;C-Cシクロアルキルである。
【0019】
従って、さらなる態様では、本発明は、式I:

の化合物を提供し、式中、
、R、R、R、またはRのうちの少なくとも1つは、相互に独立に、ONOまたはONO部分のうちの少なくとも1つを含み、好ましくは前記R、R、R、R、またはRは、ONOまたはONO部分から選択される少なくとも2つの部分を一緒に含み;
は、F、C-Cシクロアルキル、C-Cアルコキシ、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
は、H;OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキル;C(O)OH、C(O)OC-Cアルキル、CHO、CN、C(O)N(R)OR、CR=N-OR、CR=N-NR1011、CR=NR12、CR=N-ONO、C-Cアルコキシ;C-Cアルキレン-Yであり、式中、Yは、ONO、ONO、C(O)OH、C(O)OC-Cアルキル、CHO、CN、OH、OC(O)H、OC(O)-C-Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC-Cアルキレン-C(O)OH、OC-Cアルキレン-C(O)OC-Cアルキル、OC-Cアルキレン-C(O)N(R)OR、S(O0-2)C-Cアルキル、CR=N-OR、CR=N-NR1011、CR=NR12またはCR=N-ONOであり;
は、F、OH、ONO、ONO、C-Cアルコキシ、C-Cシクロアルキルで任意に置換されてもよいC-Cアルキル;C-Cシクロアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニルであり;
は、C-Cシクロアルキル、C-Cアルコキシ、F、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキル;C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cシクロアルキルであり;
はH、SONR1314、NHSONR1314であり;
は、HまたはC-Cアルキルであり;
は、H、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ;フェニル、ベンジルまたは複素環で置換されたC-Cアルキルであり、前記フェニル、ベンジルまたは前記複素環は独立に、C-Cアルキル、Fで任意に置換されてもよく;
は、H、CHまたはCであり;
は、H;OH、ONO、ONO、CN、COOH、COOC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)-C-Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC-Cアルキレン-C(O)OH、OC-Cアルキレン-C(O)OC-Cアルキル、OC-Cアルキレン-C(O)N(R)OR、S(O0-2)C-Cアルキルで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
10およびR11は、それぞれ独立に、H;OH、ONO、ONO、CN、COOH、COOC-C、C-Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)-C-Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC-Cアルキレン-C(O)OH、OC-Cアルキレン-C(O)OC-Cアルキル、OC-Cアルキレン-C(O)N(R)OR、S(O0-2)C-Cアルキルで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであるか;またはそれらが結合している窒素原子と一緒に複素環を形成し、好ましくは前記複素環は、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジンおよびホモピペラジンから選択され;前記複素環はC-Cアルキルで任意に置換されてもよく;
12は、OH、ONO、ONO、CN、COOH、COOC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)-C-Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC-Cアルキレン-C(O)OH、OC-Cアルキレン-C(O)OC-Cアルキル、OC-Cアルキレン-C(O)N(R)OR、S(O0-2)C-Cアルキルで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
13およびR14は、それぞれ独立に、Hであるか、またはF、OH、ONO、ONO、COOH、C-Cアルコキシ、C-Cシクロアルキルで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであるか;またはそれらが結合している窒素原子と一緒に複素環を形成し、好ましくは前記複素環は、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジンおよびホモピペラジン、2,5-ジアザビシクロ[2,2,1]ヘプタンおよび3,7-ジアザビシクロ[3,3,0]オクタンから選択され;前記複素環は、R15で任意に置換されてもよく;
15は、ハロゲン、OH、ONO、ONO、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルコキシ、COOR16、NR1718、C=NR19で、またはC-Cアルキルで任意に置換されてもよいテトラゾール部分で任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;またはFで任意に置換されてもよいヘテロアリール環であり、前記ヘテロアリール環の少なくとも1つのヘテロ原子は窒素であり、
16は、Hであるか、またはF、OH、ONO、ONO、NR1718で、またはヘテロアリール環で任意に置換されてもよいC-Cアルキル、前記ヘテロアリール環の少なくとも1つのヘテロ原子は窒素であり、好ましくは前記ヘテロアリール環は、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピロール、およびイミダゾールから選択され、窒素原子は、C-Cアルキルに直接結合され;
17およびR18は、それぞれ独立にHまたはONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
19は、F、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキル;C-Cシクロアルキルである。
【0020】
本明細書で使用される場合、用語の「アルキル」は、炭素および水素原子のみからなり、通常および好ましくは、1~6炭素原子(例えば、C1-6アルキル)を有する、不飽和を含まない、通常、単結合により分子の残部に結合した、直鎖または分岐炭化水素鎖ラジカルを意味する。本明細書でそれが現れる場合はいつでも、「1~6」などの数値の範囲は、所与の範囲のそれぞれの整数を意味する。例えば、「1~6炭素原子」は、アルキル基が1炭素原子、2炭素原子、3炭素原子、などの最大6炭素原子までからなり得るが、定義はまた、数値の範囲が特に指定されていない用語の「アルキル」の出現を包含することも意図されている。典型的なアルキル基としては、メチル、エチル、n-プロピル、プロパ-2-イル、n-ブチル、ブタ-2-イル、2-メチル-プロパ-1-イルまたは2-メチル-プロパ-2-イルが挙げられるが、これらに限定されない。アルコキシの例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ,sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、n-ペントキシ、ネオペントキシ、n-へキソキシが挙げられる。
【0021】
本明細書で使用される場合、用語の「アルキレン」は、本明細書で定義のアルキルに由来する直鎖または分岐炭化水素鎖ビラジカルを意味し、前記アルキルの1つの水素が切断されて、前記アルキレンの第2のラジカルを生成する。アルキレンの例には、実例として、-CH-、-CH-CH-、-CH(CH)-、-CH-CH-CH-、-CH(CH)-CH-、または-CH(CHCH)-、が挙げられる。
【0022】
各シクロアルキル部分は、単環または二環式であり得、通常および好ましくは、単環式であり、好ましくは、3~8炭素原子、より好ましくは3~7炭素原子を含む。単環式シクロアルキル部分の例には、シクロプロピル、シクロブチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。
【0023】
各アルケニル部分は、単独で、またはアルケニルオキシまたはアルケニレンなどのより大きな部分の一部として、直鎖または分枝鎖であり、好ましくはC-Cアルケニル、より好ましくはC-Cアルケニルである。各部分は、(E)-または(Z)-配置であり得る。例には、ビニルおよびアリルが挙げられる。アルケニル部分を含む本発明の化合物は、従って、該当する場合は、前記アルケニル部分をその(E)配置で有する前記化合物、前記アルケニル部分をその(Z)配置で有する前記化合物およびこれらの任意の比率での混合物を含み得る。
【0024】
各アルキニル部分は、単独で、またはアルキニルオキシなどのより大きな部分の一部として、直鎖または分枝鎖であり、好ましくはC-Cアルキニル、より好ましくはC-Cアルキニルである。例は、エチニルおよびプロパルギルである。
【0025】
用語の「ONO2」は、本明細書に記載のように、硝酸塩部分*-O-NOを意味し、*は、親構造および分子の残りへの結合を示す。好ましくは前記ONO2は、末端ONO2置換基である。
【0026】
用語の「ONO」は、本明細書に記載のように、亜硝酸塩部分*-O-NOを意味し、*は、親構造および分子の残りへの結合を示す。好ましくは前記ONOは、末端ONO置換基である。
【0027】
用語の「アルコキシ」は、基-O-アルキルを意味し、通常、直鎖、分岐配置およびこれらの組み合わせの1~6炭素原子を含み、酸素を介して親構造に結合しており、C1-6アルコキシまたはO-C1-6アルキルとも称される。例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、シクロプロピルオキシ、およびシクロヘキシルオキシが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に記載のように、アルコキシは、ハロアルコキシ部分に繋がるハロゲン原子などのさらなる置換基を含み得る。
【0028】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素である。
【0029】
各ハロアルキル部分は、単独で、またはハロアルコキシなどのより大きな部分の一部として、1つまたは複数の同じまたは異なるハロゲン原子により置換されたアルキル部分である。例としては、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロジフルオロメチルおよび2,2,2-トリフルオロエチルが挙げられる。
【0030】
用語の「複素環」は、窒素、酸素および硫黄から選択される1~4ヘテロ原子を環員として含む飽和または部分不飽和炭素環を意味する。このような環は、環内に、隣接する酸素原子、隣接する硫黄原子、または隣接する酸素および硫黄原子を含まない。好ましい例は、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、ホモピペラジン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、2,5-ジアザビシクロ[2,2,1]ヘプタンおよび3,7-ジアザビシクロ[3,3,0]オクタンであり、また、さらに好ましい例は、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、2,5-ジアザビシクロ[2,2,1]ヘプタンおよび3,7-ジアザビシクロ[3,3,0]オクタンである。
【0031】
用語の「ヘテロアリール」は、環員として、窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1つのヘテロ原子、好ましくは3つのヘテロ原子まで含む芳香環系を意味する。ヘテロアリール環は、環内に、隣接する酸素原子、隣接する硫黄原子、または隣接する酸素および硫黄原子を含まない。好ましい例には、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、イソオキサゾール、オキサゾール、イソチアゾール、チアゾール、テトラゾール、フラン、およびチオフェニルが挙げられ、またさらに好ましい例には、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピロール、およびイミダゾールが挙げられる。
【0032】
部分が任意に置換されてもよいといわれる場合、好ましくは、任意に1~5置換、より好ましくは、任意に1~3置換、さらに好ましくは、任意に1または2置換が存在する。部分が任意に置換されてもよいといわれる場合で、前記部分の前記任意置換に対し、2つ以上の置換基が存在する場合、前記2つ以上の置換基は、同じまたは異なり得る。
【0033】
本発明の式Iの特定の化合物は、1つまたは2つ以上のキラル中心を含み得、このような化合物は、純粋なエナンチオマーまたは純粋なジアステレオ異性体ならびにその任意の比率の混合物として提供し得る。本発明の化合物はまた、式Iの化合物のすべての互変異性型を含む。式Iの化合物はまた、溶媒和、特に水和され得、これはまた、式Iの化合物に含まれる。溶媒和および水和は、調製過程で起こり得る。
【0034】
結果として、本発明の化合物、および、従って、式Iの化合物は、立体異性体、幾何異性体および互変異性体を含む。さらに、本発明の化合物、および、従って、式Iの化合物は、溶媒和物または水和物、薬学的に許容可能な塩、およびその塩の溶媒和物または水和物を含む。
【0035】
本発明の式Iの化合物は、前記化合物の薬学的に許容可能な塩を含む。特に、本明細書で使用される場合、用語の「薬学的に許容可能な塩」は、本発明の化合物の薬学的に許容可能な有機または無機の塩、特に酸付加塩を意味する。例示的塩には、限定されないが、生理学的に許容可能な鉱酸類の塩、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩およびリン酸塩、またはメタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸およびサリチル酸などの有機酸の塩が挙げられる。薬学的に許容可能な式Iの化合物の塩のさらなる例は、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、または、マグネシウム塩、などのアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩またはメチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、ピペリジン、エチレンジアミン、リシン、コリン水酸化物、メグルミン、モルホリンまたはアルギニン塩などの有機塩基の塩である。式Iの化合物の薬学的に許容可能な塩のさらなる例には、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、硝酸塩、安息香酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、ベンゼンスルホン塩、p-トルエンスルホン酸塩、などが挙げられる。
【0036】
「溶媒和物」は、1つまたは複数の溶媒分子と本発明の化合物との会合または錯体を意味する。溶媒和物を形成する溶媒の例としては、限定されないが、水、イソプロパノール、エタノール、メタノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、酢酸エチル、酢酸、およびエタノールアミンが挙げられる。用語の「水和物」は、溶媒分子が水の場合の錯体を意味する。
【0037】
本発明の好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は、正確に1つのONO部分を含む。本発明の別の好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は、正確に1つのONO部分を含む。本発明の好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は、ONOまたはONO部分から選択される少なくとも2つの部分を含む。本発明の別の好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は、正確に2つのONO部分または2つのONO部分を含む。本発明の別の好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は、正確に1つのONO部分および1つのONO部分を含む。本発明の別の好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は、ONOまたはONO部分から選択される少なくとも3つの部分を含む。本発明の別の好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は、正確に3つのONO部分または3つのONO部分を含む。本発明の別の好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は、ONOまたはONO部分から選択される正確に3つの部分を含む。
【0038】
本発明の好ましい実施形態では、Rは、ONOで置換されたC-Cアルキルである。本発明のさらに好ましい実施形態では、Rは、C-Cアルキルである。さらに好ましい実施形態では、Rは、CHまたはCである。さらに極めて好ましい実施形態では、Rは、CHである。さらに極めて好ましい実施形態では、Rは、Cである。
【0039】
さらに好ましい実施形態では、前記Rは、H;OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキル;C(O)OH、C(O)OC-Cアルキル、CHO、CN、C(O)N(R)OR、CR=N-OR、CR=N-NR1011、CR=NR12、CR=N-ONO、C-Cアルコキシ;C-Cアルキレン-Yであり、式中、Yは、ONO、ONO、C(O)OH、C(O)OC-Cアルキル、CHO、CN、OH、OC(O)H、OC(O)-C-Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC-Cアルキレン-C(O)OH、OC-Cアルキレン-C(O)OC-Cアルキル、OC-Cアルキレン-C(O)N(R)OR、S(O0-2)C-Cアルキル、CR=N-OR、CR=N-NR1011、CR=NR12またはCR=N-ONOである。
【0040】
さらに好ましい実施形態では、Rは、H、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ;フェニル、ベンジルまたはアジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、ホモピペラジン、2,5-ジアザビシクロ[2,2,1]ヘプタンおよび3,7-ジアザビシクロ[3,3,0]オクタンから選択される複素環で置換されたC-Cアルキルであり、前記フェニル、ベンジルまたは前記複素環は独立に、C-Cアルキル、Fで任意に置換されてもよい。さらに好ましい実施形態では、Rは、H、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ;フェニル、ベンジルまたはピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、ホモピペラジンから選択される複素環で置換されたC-Cアルキルであり、前記フェニル、ベンジルまたは前記複素環は独立に、C-Cアルキルで任意に置換されてもよい。
【0041】
さらに好ましい実施形態では、前記Rは、H;OH、CN、COOH、COOC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)-C-Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC-Cアルキレン-C(O)OH、OC-Cアルキレン-C(O)OC-Cアルキル、OC-Cアルキレン-C(O)N(R)OR、S(O0-2)C-Cアルキルで置換されたC-Cアルキルである。さらに好ましい実施形態では、前記Rは、H;OH、CN、COOH、COOC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)-C-Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC-Cアルキレン-C(O)OH、OC-Cアルキレン-C(O)OC-Cアルキル、OC-Cアルキレン-C(O)N(R)ORで置換されたC-Cアルキルである。
【0042】
さらに好ましい実施形態では、前記R10およびR11は、それぞれ独立に、H;OH、CN、COOH、COOC-C、C-Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)-C-Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC-Cアルキレン-C(O)OH、OC-Cアルキレン-C(O)OC-Cアルキル、OC-Cアルキレン-C(O)N(R)OR、S(O0-2)C-Cアルキルで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであるか;またはそれらが結合している窒素原子と一緒に複素環を形成し、好ましくは前記複素環は、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジンおよびホモピペラジンから選択され;前記複素環はC-Cアルキルで任意に置換されてもよい。さらに好ましい実施形態では、前記R10およびR11は、それぞれ独立に、H;OH、CN、COOH、COOC-C、C-Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)-C-Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC-Cアルキレン-C(O)OH、OC-Cアルキレン-C(O)OC-Cアルキル、OC-Cアルキレン-C(O)N(R)OR、S(O0-2)C-Cアルキルで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであるか;またはそれらが結合している窒素原子と一緒に複素環を形成し、好ましくは前記複素環は、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジンおよびホモピペラジンから選択され;前記複素環はC-Cアルキルで任意に置換されてもよい。
【0043】
さらに好ましい実施形態では、前記Rは、H;OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキル;C(O)OH、C(O)OC-Cアルキル、CHO、CN、CR=N-OR、CR=N-NR1011、CR=NR12、CR=N-ONO、C-Cアルコキシ;C-Cアルキレン-Yであり、式中、Yは、ONO、ONO、CHO、CN、OH、OC(O)H、OC-Cアルキレン-C(O)OH、OC-Cアルキレン-C(O)N(R)OR、OC(O)-C-Cアルキル、C(O)-C-Cアルキル、C(O)N(R)OR、CR=N-OR、CR=N-NR1011、CR=NR12またはCR=N-ONOであり、好ましくは前記RおよびRは、相互に独立に、HまたはCHである。
【0044】
さらに好ましい実施形態では、前記Rは、H;OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキル;CHO、CN、CR=N-OR、CR=N-NR1011、C-Cアルコキシ;C-Cアルキレン-Yであり、式中、Yは、ONO、ONO、CHO、CN、OH、OC(O)H、C(O)OC-Cアルキル、CR=N-OR、CR=N-NR1011またはCR=N-ONOである。
【0045】
さらに好ましい実施形態では、前記Rは、H;OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキル;CHO、CN、CR=N-OR、CR=N-NR1011、C-Cアルコキシ;C-Cアルキレン-Yであり、式中、Yは、ONO、ONO、CHO、CN、OH、OC(O)H、C(O)OC-Cアルキル、CR=N-OR、CR=N-NR1011またはCR=N-ONOであり、RおよびRは、相互に独立に、HまたはCHであり;Rは、H;OH、ONO、ONO、CN、COOH、C-Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)-C-Cアルキルで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;R10およびR11は、それぞれ独立に、H;OH、ONO、ONO、CN、COOH、C-Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)-C-Cアルキルで任意に置換されてもよいC-Cアルキルである。
【0046】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記Rは、H、CHO、CN、C-Cアルコキシ;ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルコキシ;CR=N-OR、好ましくは(E)-CR=N-ORであり、前記Rは、HまたはCHであり、好ましくは前記RはHであり、前記Rは、HまたはOHまたはOH、ONO、ONO、CN、COOH、COOC-Cアルキル、OC(O)H、OC(O)-C-Cアルキルで任意に置換されてもよいC-Cアルキルで任意に置換されてもよいC-Cアルキルである。
【0047】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記Rは、H、CHO、CN、C-Cアルコキシ;ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルコキシ;CH=N-OR、好ましくは(E)-CH=N-ORであり、Rは、H;OH、ONO、ONO、CN、COOH、COOC-Cアルキル、OC(O)H、OC(O)-C-Cアルキルで任意に置換されてもよいC-Cアルキルである。
【0048】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記Rは、H、CHO、CN、C-Cアルコキシ;ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルコキシ;CH=N-OR、好ましくは(E)-CH=N-ORであり、Rは、H;OH、ONO、ONO、CNで任意に置換されてもよいC-Cアルキルである。
【0049】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記Rは、H、CHO、C-Cアルコキシ;ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルコキシ;CH=N-OR、好ましくは(E)-CH=N-ORであり、Rは、H;ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルである。
【0050】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記Rは、Hである。
【0051】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記Rは、CHOである。
【0052】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記Rは、C-Cアルコキシである。さらに極めて好ましい実施形態では、前記Rは、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルコキシである。
【0053】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記Rは、メトキシ(CHOH)またはエトキシ(COH)である。
【0054】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記Rは、メトキシである。
【0055】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記Rは、CH=N-OR、好ましくは(E)-CH=N-ORであり、Rは、H;OH、ONO、ONO、CN、COOH、COOC-Cアルキル、OC(O)H、OC(O)-C-Cアルキルで任意に置換されてもよいC-Cアルキルである。
【0056】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記Rは、CH=N-OR、好ましくは(E)-CH=N-ORであり、Rは、H;OH、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルである。
【0057】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記Rは、CH=N-OR、好ましくは(E)-CH=N-ORであり、Rは、H;ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルである。
【0058】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記Rは、CH=N-OR、好ましくは(E)-CH=N-ORであり、Rは、Hである。
【0059】
別の好ましい実施形態では、Rは、OH、ONO、ONO、C-Cアルコキシで任意に置換されてもよいC-Cアルキル;C-Cアルケニルである。別の好ましい実施形態では、Rは、F、OH、ONO、ONO、C-Cアルコキシ、C-Cシクロアルキルで任意に置換されてもよいC-Cアルキルである。さらに好ましい実施形態では、Rは、F、OH、ONO、ONO、C-Cアルコキシ、C-Cシクロアルキル、C-Cアルケニルで任意に置換されてもよいC-Cアルキルである。さらに好ましい実施形態では、Rは、ONO、ONOまたはC-Cシクロアルキルで任意に置換されてもよいC-Cアルキルである。さらに好ましい実施形態では、Rは、ONOまたはC-Cシクロアルキルで任意に置換されてもよいC-Cアルキルである。さらに好ましい実施形態では、Rは、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルである。さらに好ましい実施形態では、RはC-Cアルキルであり、極めて好ましくは、RはC-Cアルキルである。さらに極めて好ましい実施形態では、Rは、n-プロピルである。
【0060】
別の好ましい実施形態では、Rは、C-Cシクロアルキル、C-Cアルコキシ、F、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキル;C-Cアルケニルである。さらに好ましい実施形態では、Rは、ONO、ONO、C-Cアルコキシ、またはC-Cシクロアルキルで任意に置換されてもよいC-Cアルキルである。さらに好ましい実施形態では、Rは、ONO、ONOまたはC-Cアルコキシで任意に置換されてもよいC-Cアルキルである。さらに好ましい実施形態では、Rは、ONOまたはC-Cアルコキシで任意に置換されてもよいC-Cアルキルである。さらに好ましい実施形態では、Rは、ONOで置換されたC-Cアルキルである。さらに好ましい実施形態では、Rは、ONOで置換されたC-Cアルキルである。さらに好ましい実施形態では、Rは、エチルまたはn-プロピルである。さらに極めて好ましい実施形態では、Rは、エチルである。さらに極めて好ましい実施形態では、Rは、n-プロピルである。
【0061】
さらに好ましい実施形態では、前記Rは、C-Cアルキルであり;Rは、F、OH、ONO、ONO、C-Cアルコキシ、C-Cシクロアルキル、C-Cアルケニルで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;Rは、C-Cシクロアルキル、C-Cアルコキシ、F、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキル;C-Cアルケニルである。
【0062】
さらに好ましい実施形態では、前記Rは、CHまたはCであり、好ましくはRは、CHであり;Rは、ONOまたはC-Cシクロアルキルで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり、好ましくはRはn-プロピルであり;Rは、ONOまたはC-Cシクロアルキルで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり、好ましくはRは、エチルまたはn-プロピルである。
【0063】
さらに好ましい実施形態では、前記Rは、SONR1314、NHSONR1314である。さらに好ましい実施形態では、前記R13およびR14は、それらが結合している窒素原子と一緒に、複素環を形成し、前記複素環は、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、ホモピペラジン、2,5-ジアザビシクロ[2,2,1]ヘプタンおよび3,7-ジアザビシクロ[3,3,0]オクタンから選択され、前記複素環は、R15で任意に置換されてもよく;R15は、ハロゲン、OH、ONO、ONO、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルコキシ、COOR16、NR1718、C=NR19で任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;R16は、H、またはF、OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;R17およびR18は、それぞれ独立に、H、またはONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり、好ましくはR17およびR18は、それぞれ独立に、HまたはONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;R19は、F、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり、好ましくはR19はONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルである。
【0064】
さらに好ましい実施形態では、前記Rは、SONR1314、NHSONR1314であり;前記R13およびR14は、それらが結合している窒素原子と一緒に、複素環を形成し、前記複素環は、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、ホモピペラジン、2,5-ジアザビシクロ-[2,2,1]ヘプタンおよび3,7-ジアザビシクロ[3,3,0]オクタンから選択され、前記複素環は、R15で任意に置換されてもよく;前記R15は、ハロゲン、OH、ONO、ONO、C-Cアルコキシ、COOR16、NR1718、C=NR19で任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;R16は、H、またはF、OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;前記R17およびR18は、それぞれ独立に、H、またはONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;前記R19は、F、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルである。
【0065】
さらに好ましい実施形態では、前記Rは、SONR1314であり;R13およびR14は、それぞれ独立にHであるか、またはそれらが結合している窒素原子と一緒に、イミダゾール、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジンおよびホモピペラジンから選択される、R15で任意に置換されてもよい単環を形成し;前記R15は、ハロゲン、OH、ONO、ONO、C-Cアルコキシ、COOR16、NR1718、C=NR19で任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;R16は、H、またはF、OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;前記R17およびR18は、それぞれ独立に、H、またはONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;前記R19は、F、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルである。
【0066】
さらに好ましい実施形態では、前記Rは、SONR1314であり;R13およびR14は、それらが結合している窒素原子と一緒に、イミダゾール、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジンおよびホモピペラジンから選択される、R15で任意に置換されてもよい単環を形成し;前記R15は、ハロゲン、OH、ONO、ONO、C-Cアルコキシ、COOR16、NR1718、C=NR19で任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;R16は、H、またはOH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;前記R17およびR18は、それぞれ独立に、H、またはONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;前記R19は、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルである。
【0067】
さらに好ましい実施形態では、前記Rは、SONR1314であり;R13およびR14は、それらが結合している窒素原子と一緒に、イミダゾール、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジンおよびホモピペラジンから選択される、R15で任意に置換されてもよい単環を形成し;前記R15は、ハロゲン、OH、ONO、C-Cアルコキシ、COOR16、NR1718、C=NR19で任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;R16は、H、またはOH、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;前記R17およびR18は、それぞれ独立に、H、またはONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;前記R19は、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルである。
【0068】
さらに好ましい実施形態では、前記Rは、SONR1314であり;R13およびR14は、それらが結合している窒素原子と一緒に、イミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジンおよびホモピペラジンから選択される、R15で任意に置換されてもよい単環を形成し;前記R15は、OH、ONO、C-Cアルコキシ、COOR16、NR1718、C=NR19で任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;R16は、H、またはOH、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;前記R17およびR18は、それぞれ独立に、H、またはONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;前記R19は、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルである。
【0069】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記Rは、SONR1314であり;R13およびR14は、それらが結合している窒素原子と一緒に、ピペリジンおよびピペラジンから選択される、R15で任意に置換されてもよい単環を形成し;前記R15は、OH、ONOまたはONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルである。
【0070】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記Rは、SONR1314であり;R13およびR14は、それらが結合している窒素原子と一緒に、ピペリジンおよびピペラジンから選択される、R15で任意に置換されてもよい単環を形成し;前記R15は、OH、ONOまたはONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルである。
【0071】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記Rは、SONR1314であり;R13およびR14は、それらが結合している窒素原子と一緒に、ピペリジンおよびピペラジンから選択される、R15で任意に置換されてもよい単環を形成し;前記R15は、OHまたはONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルである。
【0072】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記Rは、SONR1314であり;R13およびR14は、それらが結合している窒素原子と一緒に、ピペリジンおよびピペラジンから選択される、R15で任意に置換されてもよい単環を形成し;前記R15は、ONOで置換れたC-Cアルキルである。
【0073】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記Rは、SONR1314であり;R13およびR14は、それらが結合している窒素原子と一緒に、ピペリジンおよびピペラジンから選択される、R15で任意に置換されてもよい単環を形成し;前記R15は、ONOで置換されたC-Cアルキルである。
【0074】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は、式I

の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物もしくは水和物であり、式中、R、R、R、およびRは、本明細書で定義の通りであり、XはCR21またはNであり;R、R、R、R、R20またはR21のうちの少なくとも1つは、相互に独立に、ONOまたはONO部分のうちの少なくとも1つを含み、好ましくは前記R、R、R、R、R20およびR21は、ONOまたはONO部分から選択される少なくとも2つの部分を一緒に含み;
20は、ハロゲン、OH、ONO、ONO、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルコキシ、COOR25、NR2627、C=NR28で任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
21は、H、またはハロゲン、OH、ONO、ONO、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルコキシ、COOR25、NR2627、C=NR28で任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
25は、H、またはF、OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
26およびR27は、それぞれ独立に、HまたはONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
28は、F、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルである。
【0075】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記R20またはR21は、相互に独立に、少なくとも1つのONOまたはONO部分を含む。さらに極めて好ましい実施形態では、前記R20または前記R21は、正確に1つのONO部分を含む。さらに極めて好ましい実施形態では、前記R20は、正確に1つのONO部分を含む。さらに極めて好ましい実施形態では、前記R21は、正確に1つのONO部分を含む。さらに極めて好ましい実施形態では、前記R20および前記R21は、ONOまたはONO部分から選択される少なくとも2つの部分を一緒に含む。さらに極めて好ましい実施形態では、前記R20および前記R21は、ONOまたはONO部分から選択される正確に2つの部分を一緒に含む。さらに極めて好ましい実施形態では、前記R20および前記R21は、正確に2つの部分、1つのONO部分および1つのONO部分を一緒に含む。さらに極めて好ましい実施形態では、前記R20は、正確に2つのONO部分を含む。さらに極めて好ましい実施形態では、前記R20は、正確に2つのONO部分を含む。さらに極めて好ましい実施形態では、前記R20および前記R21はそれぞれ、ONOまたはONO部分から選択される正確に1つの部分を含む。さらに極めて好ましい実施形態では、前記R20および前記R21はそれぞれ、正確に1つのONO部分を含む。さらに極めて好ましい実施形態では、前記R20および前記R21は、ONOまたはONO部分から選択される少なくとも3つの部分を一緒に含む。さらに極めて好ましい実施形態では、前記R20および前記R21は、正確に3つのONO部分または3つのONO部分を一緒に含む。さらに極めて好ましい実施形態では、前記R20および前記R21は、ONOまたはONO部分から選択される正確に3つの部分を一緒に含む。さらに極めて好ましい実施形態では、前記R20は、正確に3つのONO部分を含む。さらに極めて好ましい実施形態では、前記R21は、Hである。
【0076】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は、式Iの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物または水和物であり、R、R、R、R、またはR20のうちの少なくとも1つは、相互に独立に、ONOまたはONO部分のうちの少なくとも1つを含み、好ましくは、前記R、R、R、R、およびR20は、ONOまたはONO部分から選択される少なくとも2つの部分を一緒に含み;

式中、R、R、R、およびRは、本明細書で定義されている通りであり;Xは、CHまたはNであり;
20は、ハロゲン、OH、ONO、ONO、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルコキシ、COOR25、NR2627、C=NR28で任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
25は、H、またはF、OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
26およびR27は、それぞれ独立に、HまたはONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
28は、F、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルである。
【0077】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は、式I**の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物または水和物であり、R、R、R、R、R22、R23またはR24のうち少なくとも一つは、相互に独立に、ONOまたはONO部分のうちの少なくとも1つを含み、好ましくは前記R、R、R、R、R22、R23およびR24は、ONOまたはONO部分から選択される少なくとも2つの部分を一緒に含み;
II
式中、R、R、R、およびRは、本明細書で定義されている通りであり;
22は、H、またはハロゲン、OH、ONO、ONO、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルコキシ、COOR25、NR2627、C=NR28で任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
23およびR24は、それぞれ独立に、ハロゲン、OH、ONO、ONO、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルコキシ、COOR25、NR2627、C=NR28で任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
25は、H、またはF、OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
26およびR27は、それぞれ独立に、HまたはONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
28は、F、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルである。
【0078】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記R22、R23またはR24は、相互に独立に、少なくとも1つのONOまたはONO部分を含む。さらに極めて好ましい実施形態では、前記R22、R23およびR24は、ONOまたはONO部分から選択される少なくとも2つの部分を一緒に含む。さらに極めて好ましい実施形態では、前記R22、R23およびR24は、ONOまたはONO部分から選択される正確に2つの部分を一緒に含む。さらに極めて好ましい実施形態では、前記R23および前記R24は、正確に2つのONOまたは2つのONO部分を一緒に含む。さらに極めて好ましい実施形態では、前記R23および前記R24は、正確に1つのONO部分および1つのONO部分を一緒に含む。さらに極めて好ましい実施形態では、前記R23および前記R24は、正確に1つのONO部分を含む。さらに極めて好ましい実施形態では、前記R23および前記R24は、正確に1つのONO部分を含む。
【0079】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は、式Iの化合物であり、Rは、C-Cアルキルであり;
は、H;OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキル;CHO、CN、CR=N-OR、CR=N-NR1011、C-Cアルコキシ;C-Cアルキレン-Yであり、式中、Yは、ONO、ONO、CHO、CN、OH、OC(O)H、C(O)OC-Cアルキル、CR=N-OR、CR=N-NR1011またはCR=N-ONOであり、RおよびRは、相互に独立に、HまたはCHであり;Rは、H;OH、ONO、ONO、CN、COOH、C-Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)-C-Cアルキルで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;R10およびR11は、それぞれ独立に、H;OH、ONO、ONO、CN、COOH、C-Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)-C-Cアルキルで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
は、OH、ONO、ONO、C-Cアルコキシで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
は、C-Cアルコキシ、F、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルである。
20は、ハロゲン、OH、ONO、ONO、C-Cアルコキシ、COOR25、NR2627で任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;R25は、H、またはOH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
26およびR27は、それぞれ独立に、H、またはONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルである。
【0080】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は、式Iの化合物であり、Rは、C-Cアルキルであり;
は、H;OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキル;CHO、CN、CR=N-OR、CR=N-NR1011、C-Cアルコキシ;C-Cアルキレン-Yであり、式中、Yは、ONO、ONO、CHO、CN、OH、OC(O)H、C(O)OC-Cアルキル、CR=N-OR、CR=N-NR1011またはCR=N-ONOであり、RおよびRは、相互に独立に、HまたはCHであり;Rは、H;OH、ONO、ONO、CN、COOH、C-Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)-C-Cアルキルで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;R10およびR11は、それぞれ独立に、H;OH、ONO、ONO、CN、COOH、C-Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)-C-Cアルキルで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
は、OH、ONO、ONO、C-Cアルコキシで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
は、C-Cアルコキシ、F、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
20は、ハロゲン、OH、ONO、ONO、C-Cアルコキシ、COOR25、NR2627で任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;R25は、H、またはOH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
21は、H、またはハロゲン、OH、ONO、ONO、C-Cアルコキシ、COOR25、NR2627で任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;R25は、H、またはOH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
26およびR27は、それぞれ独立に、H、またはONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルである。
【0081】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は、式Iの化合物であり、Rは、C-Cアルキルであり;
は、H;OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキル;CHO、CR=N-OR、C-Cアルコキシ;C-Cアルキレン-Yであり、式中、Yは、ONO、ONO、CN、またはCR=N-ORであり、Rは、HまたはCHであり;Rは、H;OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
は、OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
は、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
20は、OH、ONOおよびONOから選択される少なくとも1つの置換基で置換されたC-Cアルキルであり;
21は、H、またはOH、ONOおよびONOから選択される少なくとも1つの置換基で置換されたC-Cアルキルである。
【0082】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は、式Iの化合物であり、Rは、C-Cアルキルであり;
は、H;OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキル;CHO、CR=N-OR、C-Cアルコキシ;C-Cアルキレン-Yであり、式中、Yは、ONO、ONO、CN、またはCR=N-ORであり、Rは、HまたはCHであり;Rは、H;OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
は、OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
は、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
20は、OH、ONOおよびONOから選択される1つ、2つまたは3つの置換基で置換されたC-Cアルキルであり;
21は、H、またはOH、ONOおよびONOから選択される1つまたは2つの置換基で置換されたC-Cアルキルである。
【0083】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は、式Iの化合物であり、Rは、C-Cアルキルであり;
は、H;OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキル;CHO、CR=N-OR、C-Cアルコキシ;C-Cアルキレン-Yであり、式中、Yは、ONO、ONO、CN、またはCR=N-ORであり、Rは、HまたはCHであり;Rは、H;OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
は、OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
は、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
20は、ONOおよびONOから選択される1つまたは2つの置換基で置換され、OHで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
21は、Hである。
【0084】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は、式Iの化合物であり、Rは、C-Cアルキルであり;
は、H;OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキル;CHO、CR=N-OR、C-Cアルコキシ;C-Cアルキレン-Yであり、式中、Yは、ONO、ONO、CN、またはCR=N-ORであり、Rは、HまたはCHであり;Rは、H;OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
は、OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
は、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
20は、ONOおよびONOから選択される1つまたは2つの置換基で置換され、1つのOHで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
21は、Hである。
【0085】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は、式Iの化合物であり、Rは、C-Cアルキルであり;
は、H;OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキル;CHO、CR=N-OR、C-Cアルコキシ;C-Cアルキレン-Yであり、式中、Yは、ONO、ONO、CN、またはCR=N-ORであり、Rは、HまたはCHであり;Rは、H;OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
は、OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
は、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
20は、CHONO、CHONO、CHCHONO、CHCHONO、CH(OH)CHONO、CH(OH)CHONO、CHCHCHONO、CHCHCHONO、CH(ONO)CHOH、CH(ONO)CHOH、CH(ONO)CHONO、CH(ONO)CHONO、CH(ONO)CHONO、C(OH)(CHONO)CHONO、C(OH)(CHONO)CHONO、C(OH)(CHONO)CHONO、C(OH)(CHCHONO)CHCHONO、C(OH)(CHCHONO)CHCHONO、C(OH)(CHCHONO)CHCHONOから選択され、好ましくは、R20は、CHONO、CHCHONO、CH(OH)CHONO、CHCHCHONO、CH(ONO)CHOH、CH(ONO)CHONO、C(OH)(CHONO)CHONO、C(OH)(CHCHONO)CHCHONOから選択され;
21は、Hである。
【0086】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は、式Iの化合物であり、Rは、C-Cアルキルであり;
は、H;OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキル;CHO、CR=N-OR、C-Cアルコキシ;C-Cアルキレン-Yであり、式中、Yは、ONO、ONO、CN、またはCR=N-ORであり、Rは、HまたはCHであり;Rは、H;OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
は、OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
は、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
20は、CHONO、CHONO、CHCHONO、CHCHONOから選択され、好ましくは、R20は、CHONO、CHCHONOから選択され;
21は、CHONO、CHONO、CHCHONO、CHCHONOから選択され、好ましくは、R21は、CHONO、CHCHONOから選択される。
【0087】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は、式Iの化合物であり、Rは、C-Cアルキルであり;
は、H;OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキル;CHO、CR=N-OR、C-Cアルコキシ;C-Cアルキレン-Yであり、式中、Yは、ONO、ONO、CN、またはCR=N-ORであり、Rは、HまたはCHであり;Rは、H;OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
は、OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
は、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
20は、OH、ONO、ONOで置換されたC-Cアルキルである。
【0088】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は、式Iの化合物であり、Rは、C-Cアルキルであり;
は、H;OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキル;CHO、CR=N-OR、C-Cアルコキシ;C-Cアルキレン-Yであり、式中、Yは、ONO、ONO、CN、またはCR=N-ORであり、Rは、HまたはCHであり;Rは、H;OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
は、OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
は、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
20は、ONOで置換されたC-Cアルキルであり、好ましくは、1つ、2つまたは3つのONOで置換されたC-Cアルキルであり、さらに好ましくは、1つまたは2つのONOで置換されたC-Cアルキルである。
【0089】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は、式Iの化合物であり、Rは、メチルまたはエチルであり;
は、H;OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキル;CHO、CR=N-OR、C-Cアルコキシ;C-Cアルキレン-Yであり、式中、Yは、ONO、ONO、CN、またはCR=N-ORであり、Rは、HまたはCHであり;Rは、H;OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
は、OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
は、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
20は、ONOで置換されたC-Cアルキルであり、好ましくは、1つ、2つまたは3つのONOで置換されたC-Cアルキルであり、さらに好ましくは、1つまたは2つのONOで置換されたC-Cアルキルである。
【0090】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は、式Iの化合物であり、Rは、メチルまたはエチルであり;
は、H、CHO、CN、C-Cアルコキシ;ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルコキシ;CH=N-OR、好ましくは(E)-CH=N-ORであり、Rは、H;OH、ONO、ONO、CN、COOH、COOC-Cアルキル、OC(O)H、OC(O)-C-Cアルキルで任意に置換されてもよいC-Cアルキルである。
は、OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
は、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
20は、ONOで置換されたC-Cアルキルであり、好ましくは、1つ、2つまたは3つのONOで置換されたC-Cアルキルであり、さらに好ましくは、1つまたは2つのONOで置換されたC-Cアルキルである。
【0091】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は、式Iの化合物であり、Rは、メチルまたはエチルであり;
は、H、CHO、CN、C-Cアルコキシ;ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルコキシ;CH=N-OR、好ましくは(E)-CH=N-ORであり、Rは、H;OH、ONO、ONOで置換されたC-Cアルキルであり;
は、OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
は、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
20は、ONOで置換されたC-Cアルキルであり、好ましくは、1つ、2つまたは3つのONOで置換されたC-Cアルキルであり、さらに好ましくは、1つまたは2つのONOで置換されたC-Cアルキルである。
【0092】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は、式Iの化合物であり、Rは、メチルまたはエチルであり;
は、H、CHO、C-Cアルコキシ;ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルコキシ;CH=N-OR、好ましくは(E)-CH=N-ORであり、Rは、H;ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
は、OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
は、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
20は、ONOで置換されたC-Cアルキルであり、好ましくは、1つ、2つまたは3つのONOで置換されたC-Cアルキルであり、さらに好ましくは、1つまたは2つのONOで置換されたC-Cアルキルである。
【0093】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は、式I**の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物または水和物であり、前記R、R、R、R、R22、R23またはR24は、相互に独立に、ONOまたはONO部分のうちの少なくとも1つを含み、好ましくは前記R、R、R、R、R22、R23およびR24は、ONOまたはONO部分から選択される少なくとも2つの部分を一緒に含み;
II
式中、R、R、R、およびRは、本明細書で定義されている通りであり;
22は、H、またはハロゲン、OH、ONO、ONO、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルコキシ、COOR25、NR2627、C=NR28で任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
23およびR24は、それぞれ独立に、ハロゲン、OH、ONO、ONO、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルコキシ、COOR25、NR2627、C=NR28で任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
25は、H、またはF、OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
26およびR27は、それぞれ独立に、H、またはONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
28は、F、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルである。
【0094】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は、式I**の化合物であり、Rは、C-Cアルキルであり;
は、H;OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキル;CHO、CN、CR=N-OR、CR=N-NR1011、C-Cアルコキシ;C-Cアルキレン-Yであり、式中、Yは、ONO、ONO、CHO、CN、OH、OC(O)H、C(O)OC-Cアルキル、CR=N-OR、CR=N-NR1011またはCR=N-ONOであり、RおよびRは、相互に独立に、HまたはCHであり;Rは、H;OH、ONO、ONO、CN、COOH、C-Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)-C-Cアルキルで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;R10およびR11は、それぞれ独立に、H;OH、ONO、ONO、CN、COOH、C-Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)-C-Cアルキルで任意に置換されてもよいC-Cアルキルである。
は、OH、ONO、ONO、C-Cアルコキシで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
は、C-Cアルコキシ、F、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
22は、H、またはハロゲン、OH、ONO、ONO、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルコキシ、COOR25、NR2627、C=NR28で任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
23およびR24は、それぞれ独立に、ハロゲン、OH、ONO、ONO、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルコキシ、COOR25、NR2627、C=NR28で任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
25は、H、またはF、OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
26およびR27は、それぞれ独立に、H、またはONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
28は、F、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルである。
【0095】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は、式I**の化合物であり、Rは、C-Cアルキルであり;
は、H;OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキル;CHO、CR=N-OR、C-Cアルコキシ;C-Cアルキレン-Yであり、式中、Yは、ONO、ONO、CN、またはCR=N-ORであり、Rは、HまたはCHであり;Rは、H;OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
は、OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
は、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
22は、H、またはハロゲン、OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
23およびR24は、それぞれ独立に、ハロゲン、OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルである。
【0096】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は、式I**の化合物であり、Rは、C-Cアルキルであり;
は、H;OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキル;CHO、CR=N-OR、C-Cアルコキシ;C-Cアルキレン-Yであり、式中、Yは、ONO、ONO、CN、またはCR=N-ORであり、Rは、HまたはCHであり;Rは、H;OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
は、OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
は、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
22は、C-Cアルキル、好ましくはメチルであり;
23およびR24は、それぞれ独立に、OH、ONO、ONOで置換されたC-Cアルキルであり、好ましくはR23およびR24は、それぞれ独立に、ONO、ONOで置換されたC-Cアルキルである。
【0097】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は、式I**の化合物であり、Rは、C-Cアルキルであり;
は、H;OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキル;CHO、CR=N-OR、C-Cアルコキシ;C-Cアルキレン-Yであり、式中、Yは、ONO、ONO、CN、またはCR=N-ORであり、Rは、H、またはCHであり;Rは、H;OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
は、OH、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
は、ONO、ONOで任意に置換されてもよいC-Cアルキルであり;
22は、C-Cアルキル、好ましくはメチルであり;
23およびR24は、それぞれ独立に、ONO、ONOで置換されたC-Cアルキルであり、好ましくはR23およびR24は、それぞれ独立に、ONOで置換されたC-Cアルキルである。
【0098】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記Rは、C-Cアルキルである。
【0099】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記Rは、CHまたはCであり、好ましくはRは、CHである。
【0100】
さらに好ましい実施形態では、前記Rは、F、OH、ONO、ONO、C-Cアルコキシ、C-Cシクロアルキル、C-Cアルケニルで任意に置換されてもよいC-Cアルキルである。
【0101】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記Rは、ONOまたはC-Cシクロアルキルで任意に置換されてもよいC-Cアルキルである。
【0102】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記Rは、n-プロピルである。
【0103】
さらに好ましい実施形態では、前記Rは、C-Cシクロアルキル、C-Cアルコキシ、F、ONO、ONO、C-Cアルケニルで任意に置換されてもよいC-Cアルキルである。
【0104】
さらに好ましい実施形態では、前記Rは、ONOまたはC-Cシクロアルキルで任意に置換されてもよいC-Cアルキルである。
【0105】
さらに好ましい実施形態では、前記Rは、エチルまたはn-プロピルである。
【0106】
本発明のさらに極めて好ましい実施形態は、式Iの個別の化合物またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物もしくは水和物により表される。
【0107】
したがって、別の極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は、下記から選択される。
(E)-2-(4-((3-(5-エチル-6-((ヒドロキシイミノ)メチル)-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)エチルニトレート
(1a);
2-(1-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート
(1b);
(E)-2-(1-((3-(5-エチル-6-((ヒドロキシイミノ)メチル)-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート
(1c);
3-(1-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)プロピルニトレート
(1d);
(E)-3-(1-((3-(5-エチル-6-((ヒドロキシイミノ)メチル)-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)プロピルニトレート
(1e);
2-(4-((3-(5-エチル-6-ホルミル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)エチルニトレート
(1f);
2-(1-((3-(5-エチル-6-ホルミル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート
(1g);
3-(1-((3-(5-エチル-6-ホルミル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)プロピルニトレート
(1h);
2-(4-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)エチルニトレート
(1i);
(R)-1-(1-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エタン-1,2-ジイルジニトレート
(1k);
(S)-1-(1-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エタン-1,2-ジイルジニトレート
(1l);
((2R,6S)-4-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)-1-メチルピペラジン-2,6-ジイル)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジニトレート
(1m);
(1-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4,4-ジイル)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジニトレート
(1n);
((2S,6S)-4-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)-1-メチルピペラジン-2,6-ジイル)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジニトレート
(1o);
3-(1-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)-3-ヒドロキシペンタン-1,5-ジイルジニトレート
(1p);
2-(1-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)-2-ヒドロキシプロパン-1,3-ジイルジニトレート
(1q);
(E)-2-(1-((4-エトキシ-3-(6-((ヒドロキシイミノ)メチル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート
(2a);
3-(1-((4-エトキシ-3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)プロピルニトレート
(2b);
2-(1-((4-エトキシ-3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート
(2c);
2-(4-((4-エトキシ-3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)エチルニトレート
(2d);
2-(1-((4-エトキシ-3-(6-ホルミル-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート
(2e);
(E)-3-(4-((4-エトキシ-3-(6-((ヒドロキシイミノ)メチル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)プロピルニトレート
(2f);
(E)-2-(4-((4-エトキシ-3-(6-((ヒドロキシイミノ)メチル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)エチルニトレート
(2g);
2-(1-((3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート
(3a);
2-(4-((3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)エチルニトレート
(3b);
(E)-2-(1-((3-(6-((ヒドロキシイミノ)メチル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート
(3c);
3-(4-((3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)プロピルニトレート
(3d);
(E)-2-(4-((3-(6-((ヒドロキシイミノ)メチル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)エチルニトレート
(3e);
(E)-3-(4-((3-(6-((ヒドロキシイミノ)メチル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)プロピルニトレート
(3f);
(R)-1-(1-((3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エタン-1,2-ジイルジニトレート
(3g);
(S)-1-(1-((3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エタン-1,2-ジイルジニトレート
(3h);
(1-((3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4,4-ジイル)ビス(メチレン)ジニトレート
(3i);
(1-((3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)メチルニトレート
(3k);
(R)-2-ヒドロキシ-2-(1-((3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート
(3l);
2-ヒドロキシ-1-(1-((3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート異性体a
(3m);
2-ヒドロキシ-1-(1-((3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート異性体b
(3n);
(R,E)-1-(1-((3-(6-((ヒドロキシイミノ)メチル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エタン-1,2-ジイルジニトレート
(3o);
(S)-1-(1-((3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エタン-1,2-ジイルジニトレート
(3p);
(S)-2-ヒドロキシ-2-(1-((3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート
(3q)。
【0108】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は、下記から選択される。
(E)-2-(4-((3-(5-エチル-6-((ヒドロキシイミノ)メチル)-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)エチルニトレート(1a);
2-(1-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート(1b);
(E)-2-(1-((3-(5-エチル-6-((ヒドロキシイミノ)メチル)-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート(1c);
3-(1-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)プロピルニトレート(1d);
(E)-3-(1-((3-(5-エチル-6-((ヒドロキシイミノ)メチル)-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)プロピルニトレート(1e);
2-(4-((3-(5-エチル-6-ホルミル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)エチルニトレート(1f);
2-(1-((3-(5-エチル-6-ホルミル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート(1g);
3-(1-((3-(5-エチル-6-ホルミル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)プロピルニトレート(1h);
2-(4-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)エチルニトレート(1i);
(R)-1-(1-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エタン-1,2-ジイルジニトレート(1k);
(S)-1-(1-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エタン-1,2-ジイルジニトレート(1l);
((2R,6S)-4-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)-1-メチルピペラジン-2,6-ジイル)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジニトレート(1m);
(1-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4,4-ジイル)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジニトレート(1n);
((2S,6S)-4-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)-1-メチルピペラジン-2,6-ジイル)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジニトレート(1o);
3-(1-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)-3-ヒドロキシペンタン-1,5-ジイルジニトレート(1p);および
2-(1-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)-2-ヒドロキシプロパン-1,3-ジイルジニトレート(1q)。
【0109】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記化合物は、下記から選択される。
さらに好ましい実施形態では、前記化合物は、下記から選択される。
2-(1-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート(1b);
(E)-2-(1-((4-エトキシ-3-(6-((ヒドロキシイミノ)メチル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート(2a);
2-(1-((4-エトキシ-3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート(2c);および
2-(1-((3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート(3a)。
【0110】
本発明の化合物は強力で選択的なcGMP特異的PDEの阻害剤であることが示されている。さらに、本発明の化合物は、そのPDE5阻害に加えて、加算的作用を上回って、NOを放出すると考えられる、二重薬理NO放出PDE5阻害剤であることが見出された。したがって、式Iの化合物は、特にcGMP特異的PDEの阻害が有益であると考えられる様々な状態の治療のための療法に使用することを目的とするものである。強力な血漿タンパク質結合が見つかったことを考えれば、本発明の化合物は特に、局所適用後の局所作用に好適する(図2)。
【0111】
したがって、さらなる態様では、本発明は、本発明の式Iの化合物またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物もしくは水和物のうちの少なくとも1つ、および薬学的に許容可能な賦形剤、補助剤または担体を含む、医薬組成物を提供する。
【0112】
別の態様では、本発明は、正確に1つの本発明の式Iの化合物またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物もしくは水和物、および薬学的に許容可能な賦形剤、補助剤または担体を含む、医薬組成物を提供する。薬学的に許容可能な賦形剤、補助剤または担体は当業者に既知のものである。
【0113】
別の態様では、本発明は、薬物として使用するための式Iの化合物、または医薬組成物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物もしくは水和物を提供する。
【0114】
別の態様では、本発明は、医薬品として使用するための式Iの化合物またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物もしくは水和物を提供する。また別の態様では、本発明は、動物用薬物として使用するための式Iの化合物またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物もしくは水和物を提供する。
【0115】
驚くべきことに、本発明の化合物は、そのPDE5阻害に加えて、加算的作用を上回って、NOを放出すると考えられる、二重薬理NO放出PDE5阻害剤であることが見出された。結果として、本発明の新規ピロロピリミジン化合物は、cGMPのバランスの崩れに関連する疾患の治療および予防に有用である。特に、本発明の化合物は、可溶性グアニリルシクラーゼ(sGC)の強力な活性化因子であり、同時に、環状グアノシン3’-5’-一リン酸特異的ホスホジエステラーゼ5(cGMP特異的PDE5)の選択的な阻害剤であり、このため、そのような阻害が有益な様々な治療分野に有用である。
【0116】
いくつかの好ましい治療分野は、創傷治癒、特に慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、レイノー病、男性勃起不全、女性性機能不全、糖尿病、脱毛症、皮膚老化、血管老化、肺動脈高血圧症およびリベド血管炎、閉塞性血栓血管炎、慢性裂肛、皮膚線維症である。
【0117】
本発明の化合物が示す選択的なPDE5阻害作用の結果、cGMPレベルが上昇し、それにより有益な抗血小板作用、抗血管攣縮作用、血管拡張作用、ナトリウム利尿作用、さらには、内皮由来弛緩因子(EDRF)の一酸化窒素(NO)、ニトロ血管拡張剤、心房性ナトリウム利尿因子(ANF)、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)、C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)ならびにブラジキニン、アセチルコリンおよび5-HTなどの内皮依存性弛緩剤の作用の増強が生じ得ることが予想される。したがって、式Iの化合物は、安定狭心症、不安定狭心症および異型(プリンツメタル)狭心症、高血圧症、肺高血圧症、うっ血性心不全、腎不全、アテローム性動脈硬化症、血管開存性低下の状態(例えば、経皮経管的冠動脈形成術後)、末梢血管疾患、レイノー病などの血管障害、炎症性疾患、脳卒中、気管支炎、慢性喘息、アレルギー性喘息、アレルギー性鼻炎、糖尿病、緑内障ならびに過敏性腸症候群などの腸運動障害を特徴とする疾患、創傷治癒、特に慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、アルツハイマー病、脱毛症、皮膚老化、血管老化、肺動脈高血圧症ならびに慢性心不全を含めた多数の障害の治療に有用である。
【0118】
したがって、別の態様では、本発明は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物、好ましくはヒトのPDE5の阻害によって軽減される疾患を治療または予防する方法に使用するための式Iの化合物、または医薬組成物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物もしくは水和物を提供する。好ましくは、前記疾患は、創傷治癒、慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、レイノー病、男性勃起不全、持続勃起症、女性性機能不全、脱毛症、皮膚老化、血管老化、肺動脈高血圧症;リベド血管炎、閉塞性血栓血管炎、慢性裂肛、皮膚線維症、安定狭心症、不安定狭心症および異型(プリンツメタル)狭心症;高血圧症、肺高血圧症、慢性閉塞性肺疾患、うっ血性心不全、腎不全、アテローム性動脈硬化症、血管開存性低下の状態、末梢血管疾患、血管障害、全身性硬化症(SSc)、強皮症、モルフェア、炎症性疾患、脳卒中、気管支炎、慢性喘息、アレルギー性喘息、アレルギー性鼻炎、糖尿病性ニューロパチー、特発性肺線維症(IPF)、ペーロニー病、緑内障または過敏性腸症候群などの腸運動障害を特徴とする疾患、肝線維症、アルツハイマー病および慢性心不全から選択される。さらに好ましくは、前記疾患は、創傷治癒、慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、糖尿病性ニューロパチー、末梢血管疾患、レイノー病などの血管障害、リベド血管炎、閉塞性血栓血管炎、慢性裂肛、皮膚線維症、全身性硬化症(SSc)、強皮症、肺動脈高血圧症(PAH)、慢性血栓塞栓性肺高血圧症、男性勃起不全、持続勃起症および女性性機能不全から選択され、またさらに好ましくは、前記疾患は、肺動脈高血圧症(PAH)、慢性血栓塞栓性肺高血圧症、男性勃起不全、持続勃起症、および女性性機能不全、リベド血管炎、閉塞性血栓血管炎、慢性裂肛、皮膚線維症、創傷治癒、慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、糖尿病性ニューロパチーおよび褥瘡から選択される。
【0119】
また別の態様では、本発明は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物、好ましくはヒトの疾患を治療または予防する方法に使用するための式Iの本発明の化合物、または本発明の医薬組成物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物もしくは水和物を提供し、前記疾患は、創傷治癒、慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、レイノー病、男性勃起不全、持続勃起症、女性性機能不全、脱毛症、皮膚老化、血管老化、肺動脈高血圧症;リベド血管炎、閉塞性血栓血管炎、慢性裂肛、皮膚線維症、安定狭心症、不安定狭心症および異型(プリンツメタル)狭心症;高血圧症、肺高血圧症、慢性閉塞性肺疾患、うっ血性心不全、腎不全、アテローム性動脈硬化症、血管開存性低下の状態、末梢血管疾患、血管障害、全身性硬化症(SSc)、強皮症、モルフェア、炎症性疾患、脳卒中、気管支炎、慢性喘息、アレルギー性喘息、アレルギー性鼻炎、糖尿病性ニューロパチー、特発性肺線維症(IPF)、ペーロニー病、緑内障または過敏性腸症候群などの腸運動障害を特徴とする疾患、肝線維症、アルツハイマー病および慢性心不全から選択され、好ましくは、前記疾患は、創傷治癒、慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、糖尿病性ニューロパチー、末梢血管疾患、レイノー病などの血管障害、リベド血管炎、閉塞性血栓血管炎、慢性裂肛、皮膚線維症、全身性硬化症(SSc)、強皮症、肺動脈高血圧症(PAH)、慢性血栓塞栓性肺高血圧症、男性勃起不全、持続勃起症および女性性機能不全から選択され、またさらに好ましくは、前記疾患は、肺動脈高血圧症(PAH)、慢性血栓塞栓性肺高血圧症、男性勃起不全、持続勃起症、および女性性機能不全、リベド血管炎、閉塞性血栓血管炎、慢性裂肛、皮膚線維症、創傷治癒、慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、糖尿病性ニューロパチーおよび褥瘡から選択される。
【0120】
また別の態様では、本発明は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物、好ましくはヒトの、可溶性グアニリルシクラーゼ(sGC)の活性化およびPDE5の阻害によって疾患を治療または予防する方法に使用するための、式Iの化合物、または医薬組成物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物もしくは水和物を提供する。また別の態様では、本発明は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物、好ましくはヒトの、可溶性グアニリルシクラーゼ(sGC)の活性化またはPDE5の阻害によって疾患を治療または予防する方法に使用するための、式Iの化合物、または医薬組成物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物もしくは水和物を提供する。また別の態様では、本発明は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物、好ましくはヒトのPDE5の阻害および/または可溶性グアニリルシクラーゼ(sGC)の活性化が望まれる病状を治療する方法に使用する、式Iの化合物、または医薬組成物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物もしくは水和物を提供する。極めて好ましくは、前記疾患は、肺動脈高血圧症(PAH)、慢性血栓塞栓性肺高血圧症、男性勃起不全、持続勃起症および女性性機能不全、リベド血管炎、閉塞性血栓血管炎、慢性裂肛、皮膚線維症、創傷治癒、慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、糖尿病性ニューロパチーおよび褥瘡から選択される。
【0121】
また別の態様では、本発明は、ヒトもしくは非ヒト哺乳動物、好ましくはヒトの、可溶性グアニリルシクラーゼ(sGC)の活性化および/またはPDE5の阻害によって疾患を治療または予防する薬物の製造のための式Iの化合物、または医薬組成物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物もしくは水和物の使用を提供する。また別の態様では、本発明は、ヒトあるいは非ヒト哺乳動物、好ましくはヒトの、可溶性グアニリルシクラーゼ(sGC)の活性化および/またはPDE5の阻害により軽減される疾患を治療あるいは予防する薬物の製造のための式Iの化合物、または医薬組成、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物もしくは水和物の使用を提供する。また別の態様では、本発明は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物、好ましくはヒトの、可溶性グアニリルシクラーゼ(sGC)の活性化および/またはPDE5の阻害が望まれる病状を治療する薬物の製造のための、式Iの化合物、または医薬組成物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物もしくは水和物の使用を提供する。また別の態様では、本発明は、疾患を治療あるいは予防する薬物の製造のための式Iの化合物、または医薬組成物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物もしくは水和物の使用を提供し、前記疾患は、創傷治癒、慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、レイノー病、男性勃起不全、持続勃起症、女性性機能不全、脱毛症、皮膚老化、血管老化、肺動脈高血圧症;リベド血管炎、閉塞性血栓血管炎、慢性裂肛、皮膚線維症、安定狭心症、不安定狭心症および異型(プリンツメタル)狭心症;高血圧症、肺高血圧症、慢性閉塞性肺疾患、うっ血性心不全、腎不全、アテローム性動脈硬化症、血管開存性低下の状態、末梢血管疾患、血管障害、全身性硬化症(SSc)、強皮症、モルフェア、炎症性疾患、脳卒中、気管支炎、慢性喘息、アレルギー性喘息、アレルギー性鼻炎、糖尿病性ニューロパチー、特発性肺線維症(IPF)、ペーロニー病、緑内障または過敏性腸症候群などの腸運動障害を特徴とする疾患、肝線維症、アルツハイマー病および慢性心不全から選択され、さらに好ましくは、前記疾患は、創傷治癒、慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、糖尿病性ニューロパチー、末梢血管疾患、レイノー病などの血管障害、リベド血管炎、閉塞性血栓血管炎、慢性裂肛、皮膚線維症、全身性硬化症(SSc)、強皮症、肺動脈高血圧症(PAH)、慢性血栓塞栓性肺高血圧症、男性勃起不全、持続勃起症および女性性機能不全から選択され、またさらに好ましくは、前記疾患は、肺動脈高血圧症(PAH)、慢性血栓塞栓性肺高血圧症、男性勃起不全、持続勃起症、および女性性機能不全、リベド血管炎、閉塞性血栓血管炎、慢性裂肛、皮膚線維症、創傷治癒、慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、糖尿病性ニューロパチーおよび褥瘡から選択される。
【0122】
また別の態様では、本発明は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物、好ましくはヒトの、可溶性グアニリルシクラーゼ(sGC)の活性化および/またはPDE5の阻害によって疾患を治療または予防する方法を提供し、該方法は、前記ヒトまたは前記非ヒト哺乳動物、好ましくは前記ヒトに有効量の式Iの化合物、または医薬組成物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物もしくは水和物を投与することを含む。また別の態様では、本発明は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物、好ましくはヒトの、可溶性グアニリルシクラーゼ(sGC)の活性化および/またはPDE5の阻害により軽減される疾患を治療または予防する方法を提供し、該方法は、前記ヒトまたは前記非ヒト哺乳動物、好ましくは前記ヒトに有効量の式Iの化合物、または医薬組成物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物もしくは水和物を投与することを含む。また別の態様では、本発明は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物、好ましくはヒトの、可溶性グアニリルシクラーゼ(sGC)の活性化および/またはPDE5の阻害が望ましい病状を治療する方法を提供し、該方法は、前記ヒトまたは前記非ヒト哺乳動物、好ましくは前記ヒトに、有効量の式Iの化合物、または医薬組成物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物もしくは水和物を投与することを含む。また別の態様では、本発明は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物、好ましくはヒトの疾患を治療または予防する方法を提供し、前記ヒトまたは前記非ヒト哺乳動物、好ましくは前記ヒトに有効量の式Iの化合物、または医薬組成物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物もしくは水和物を投与することを含み、前記疾患は、創傷治癒、慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、レイノー病、男性勃起不全、持続勃起症、女性性機能不全、脱毛症、皮膚老化、血管老化、肺動脈高血圧症;リベド血管炎、閉塞性血栓血管炎、慢性裂肛、皮膚線維症、安定狭心症、不安定狭心症および異型(プリンツメタル)狭心症;高血圧症、肺高血圧症、慢性閉塞性肺疾患、うっ血性心不全、腎不全、アテローム性動脈硬化症、血管開存性低下の状態、末梢血管疾患、血管障害、全身性硬化症(SSc)、強皮症、モルフェア、炎症性疾患、脳卒中、気管支炎、慢性喘息、アレルギー性喘息、アレルギー性鼻炎、糖尿病性ニューロパチー、特発性肺線維症(IPF)、ペーロニー病、緑内障または過敏性腸症候群などの腸運動障害を特徴とする疾患、肝線維症、アルツハイマー病および慢性心不全から選択され、さらに好ましくは、前記疾患は、創傷治癒、慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、糖尿病性ニューロパチー、末梢血管疾患、レイノー病などの血管障害、リベド血管炎、閉塞性血栓血管炎、慢性裂肛、皮膚線維症、全身性硬化症(SSc)、強皮症、肺動脈高血圧症(PAH)、慢性血栓塞栓性肺高血圧症、男性勃起不全、持続勃起症および女性性機能不全から選択され、またさらに好ましくは、前記疾患は、肺動脈高血圧症(PAH)、慢性血栓塞栓性肺高血圧症、男性勃起不全、持続勃起症、および女性性機能不全、リベド血管炎、閉塞性血栓血管炎、慢性裂肛、皮膚線維症、創傷治癒、慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、糖尿病性ニューロパチーおよび褥瘡から選択される。
【0123】
本発明の好ましい実施形態では、前記疾患または前記病状は、リベド血管炎、閉塞性血栓血管炎、慢性裂肛、皮膚線維症、創傷治癒、好ましくは慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、レイノー病、男性勃起不全、女性性機能不全、糖尿病、脱毛症、皮膚老化、血管老化、肺動脈高血圧症;安定狭心症、不安定狭心症および異型(プリンツメタル)狭心症;高血圧症、肺高血圧症、慢性閉塞性肺疾患、うっ血性心不全、腎不全、アテローム性動脈硬化症、血管開存性低下の状態、末梢血管疾患、血管障害、全身性硬化症(SSc)、強皮症、モルフェア、炎症性疾患、脳卒中、気管支炎、慢性喘息、アレルギー性喘息、アレルギー性鼻炎、糖尿病性ニューロパチー、特発性肺線維症(IPF)、ペーロニー病、緑内障または過敏性腸症候群などの腸運動障害を特徴とする疾患、肝線維症、アルツハイマー病および慢性心不全から選択され、好ましくは、前記疾患は、リベド血管炎、閉塞性血栓血管炎、慢性裂肛、皮膚線維症、創傷治癒、好ましくは慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、糖尿病性ニューロパチー、末梢血管疾患、レイノー病などの血管障害、全身性硬化症(SSc)、強皮症、肺動脈高血圧症(PAH)、慢性血栓塞栓性肺高血圧症、糖尿病、男性勃起不全から選択され、またさらに好ましくは、前記疾患は、肺動脈高血圧症(PAH)、慢性血栓塞栓性肺高血圧症、男性勃起不全、持続勃起症、および女性性機能不全、リベド血管炎、閉塞性血栓血管炎、慢性裂肛、皮膚線維症、創傷治癒、慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、糖尿病性ニューロパチーおよび褥瘡から選択される。
【0124】
したがって、本発明のさらなる態様として、創傷治癒、好ましくは慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、レイノー病、男性勃起不全、女性性機能不全、糖尿病、脱毛症、皮膚老化、血管老化、肺動脈高血圧症;安定狭心症、不安定狭心症および異型(プリンツメタル)狭心症;高血圧症、肺高血圧症、慢性閉塞性肺疾患、うっ血性心不全、腎不全、アテローム性動脈硬化症、血管開存性低下の状態、末梢血管疾患、血管障害、全身性硬化症(SSc)、強皮症、モルフェア、炎症性疾患、脳卒中、気管支炎、慢性喘息、アレルギー性喘息、アレルギー性鼻炎、糖尿病性ニューロパチー、特発性肺線維症(IPF)、ペーロニー病、緑内障または過敏性腸症候群などの腸運動障害を特徴とする疾患、肝線維症、アルツハイマー病および慢性心不全の治療で使用するための式Iの化合物が提供され、好ましくは、前記疾患は、創傷治癒、好ましくは慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、糖尿病性ニューロパチー、末梢血管疾患、レイノー病などの血管障害、全身性硬化症(SSc)、強皮症、肺動脈高血圧症(PAH)、慢性血栓塞栓性肺高血圧症、糖尿病、男性勃起不全から選択され、またさらに好ましくは、前記疾患は、肺動脈高血圧症(PAH)、慢性血栓塞栓性肺高血圧症、男性勃起不全、持続勃起症、および女性性機能不全、リベド血管炎、閉塞性血栓血管炎、慢性裂肛、皮膚線維症、創傷治癒、慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、糖尿病性ニューロパチーおよび褥瘡から選択される。
【0125】
本発明の別の態様では、創傷治癒、好ましくは慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、レイノー病、男性勃起不全、女性性機能不全、糖尿病、脱毛症、皮膚老化、血管老化、肺動脈高血圧症;安定狭心症、不安定狭心症および異型(プリンツメタル)狭心症;高血圧症、肺高血圧症、慢性閉塞性肺疾患、うっ血性心不全、腎不全、アテローム性動脈硬化症、血管開存性低下の状態、末梢血管疾患、血管障害、全身性硬化症(SSc)、強皮症、モルフェア、炎症性疾患、脳卒中、気管支炎、慢性喘息、アレルギー性喘息、アレルギー性鼻炎、糖尿病性ニューロパチー、特発性肺線維症(IPF)、ペーロニー病、緑内障または過敏性腸症候群などの腸運動障害を特徴とする疾患、肝線維症、アルツハイマー病および慢性心不全の治療用の薬物を製造するための式Iの化合物の使用が提供され、好ましくは、前記疾患は、創傷治癒、好ましくは慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、糖尿病性ニューロパチー、末梢血管疾患、レイノー病などの血管障害、全身性硬化症(SSc)、強皮症、肺動脈高血圧症(PAH)、慢性血栓塞栓性肺高血圧症、糖尿病、男性勃起不全から選択され、またさらに好ましくは、前記疾患は、肺動脈高血圧症(PAH)、慢性血栓塞栓性肺高血圧症、男性勃起不全、持続勃起症、および女性性機能不全、リベド血管炎、閉塞性血栓血管炎、慢性裂肛、皮膚線維症、創傷治癒、慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、糖尿病性ニューロパチーおよび褥瘡から選択される。
【0126】
さらなる態様では、本発明は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物、好ましくはヒトの、創傷治癒、好ましくは慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、レイノー病、男性勃起不全、女性性機能不全、糖尿病、脱毛症、皮膚老化、血管老化、肺動脈高血圧症;安定狭心症、不安定狭心症および異型(プリンツメタル)狭心症;高血圧症、肺高血圧症、慢性閉塞性肺疾患、うっ血性心不全、腎不全、アテローム性動脈硬化症、血管開存性低下の状態、末梢血管疾患、血管障害、全身性硬化症(SSc)、強皮症、モルフェア、炎症性疾患、脳卒中、気管支炎、慢性喘息、アレルギー性喘息、アレルギー性鼻炎、糖尿病性ニューロパチー、特発性肺線維症(IPF)、ペーロニー病、緑内障または過敏性腸症候群などの腸運動障害を特徴とする疾患、肝線維症、アルツハイマー病および慢性心不全を治療する方法を提供し、好ましくは、前記疾患は、創傷治癒、好ましくは慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、糖尿病性ニューロパチー、末梢血管疾患、レイノー病などの血管障害、全身性硬化症(SSc)、強皮症、肺動脈高血圧症(PAH)、慢性血栓塞栓性肺高血圧症、糖尿病、男性勃起不全から選択され、およびまたさらに好ましくは、前記疾患は、肺動脈高血圧症(PAH)、慢性血栓塞栓性肺高血圧症、男性勃起不全、持続勃起症および女性性機能不全、リベド血管炎、閉塞性血栓血管炎、慢性裂肛、皮膚線維症、創傷治癒、慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、糖尿病性ニューロパチーおよび褥瘡から選択され、前記方法は、前記ヒトまたは前記非ヒト哺乳動物、好ましくは前記ヒトに、有効量の式Iの化合物を投与することを含む。
【0127】
本発明の極めて好ましい実施形態では、前記疾患または前記病状は、肺動脈高血圧症(PAH)、慢性血栓塞栓性肺高血圧症、男性勃起不全、持続勃起症および女性性機能不全、リベド血管炎、閉塞性血栓血管炎、慢性裂肛、皮膚線維症、創傷治癒、慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、糖尿病性ニューロパチーおよび褥瘡から選択される。
【0128】
本発明の極めて好ましい実施形態では、前記疾患または前記病状は、創傷治癒、好ましくは慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍および下肢潰瘍、肺動脈高血圧症および男性勃起不全ならびにリベド血管炎、閉塞性血栓血管炎、慢性裂肛、皮膚線維症から選択される。
【0129】
糖尿病などにおける慢性非治癒性皮膚創傷は、血管新生障害、微小循環不全および内皮機能障害を含む複合疾患機序により制御されている。糖尿病性足部潰瘍および慢性創傷は、病的状態の主な発生源であり、糖尿病患者の入院の主要な原因となっている。糖尿病性足部潰瘍および慢性創傷は糖尿病患者(2億7500万人)の15%が罹患し、患者および支払者にとって大きな負担となっている(120億ドル/年)。毎年、全糖尿病患者の3~4%が下肢切断を受ける。それぞれ本発明の一部である、可溶性グアニリルシクラーゼ(sGC)の極めて強力な活性化および/またはPDE5の阻害および一酸化窒素依存性可溶性グアニル酸シクラーゼの活性化を一体化した超強力PDE5阻害剤または化合物は、創傷治癒を加速すると予測できる。
【0130】
本明細書で使用される場合、「治療(treatment)」、「治療する(treat)」、「治療される(treated)」または「治療すること(treating)」という用語は、予防および/または治療を意味する。一実施形態では、「「治療(treatment)」、「治療する(treat)」、「治療される(treated)」または「治療すること(treating)」という用語は、治療的処置を意味する。別の実施形態では、「治療(treatment)」、「治療する(treat)」、「治療される(treated)」または「治療すること(treating)」という用語は、予防的処置を意味する。好ましくは、前記治療の有益な臨床結果または所望の臨床結果としては、限定されないが、症状の軽減、疾患または病状の程度の軽減、疾患または病状の状態の安定化(すなわち、悪化させないこと)、疾患または病状の進行の遅延化または緩徐化、疾患または病状の状態の改善または緩和が挙げられる。
【0131】
本明細書で使用される場合、「有効量」という用語は、所望の生物学的効果を得るのに必要な量または十分な量を意味する。好ましくは、「有効量」という用語は、(i)特定の疾患、病状もしくは障害を治療もしくは予防する、(ii)特定の疾患、病状もしくは障害の1つもしくは複数の症状を軽減、改善もしくは解消する、または(iii)本明細書に記載される特定の疾患、病状もしくは障害の1つもしくは複数の症状の発現を予防する、もしくは遅らせる、本発明の式Iの化合物の量を意味する。本発明の式Iの化合物または前記医薬組成物の有効量は、この選択される結果が得られる量であり得、そのような量は、当業者により常套的に決定され得る。さらに好ましくは、本明細書で使用される場合、「有効量」という用語は、通常好ましくは実施例54で決定される、可溶性グアニリルシクラーゼ(sGC)を活性化させるおよび/またはPDE5の阻害を増大させる効果を得るのに必要な量もしくは十分な量、または通常好ましくは実施例56で決定される、cGMPの形成を増大させる効果を得るのに必要な量もしくは十分な量を意味する。有効量は、投与する特定の組成物および対象のサイズによって異なり得る。当業者であれば、過度の実験を必要とせずに、本発明の特定の組成物の有効量を実験により決定することができる。
【0132】
本明細書で使用される場合、「哺乳動物」という用語は、限定されないが、ヒト、マウス、ラット、モルモット、サル、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタおよびヒツジを包含する。本明細書で使用される場合、「哺乳動物」という用語は、好ましくはヒトを指す。
【0133】
本発明の式Iの化合物および医薬組成物は、本発明の別の態様を構成する任意の適切な経路により、例えば、経口投与、頬側投与,舌下投与,直腸内投与,膣内投与,経鼻投与,局所投与、皮内投与、経皮投与、皮下投与、経皮的投与、経腸投与または非経口的投与により投与し得る。外科的入り口の経由などを用いることが可能な他の経路も当技術分野において既知である。したがって、投与形態および投与経路に応じて、従来のニードルおよびシリンジ、マイクロニードル、貼付剤(例えば、国際公開第98/20734号にあるような)、無針注射システム(例えば、国際公開第1999/027961A1号にあるような)、噴霧装置、などの装置を投与に使用し得る。装置は、本発明の化合物または医薬組成物でプレフィルまたはコーティングし得る。
【0134】
用語の「局所投与」は、その最も広い意味で使用され、通常環境に対し開かれている身体の表面への投与を含む。これは、皮膚のみでなく、鼻腔内および口腔通路ならびに性器も包含する。したがって、局所投与は、皮膚への塗布、鼻腔への塗布、口腔(上咽喉を含む)への塗布、および性器への塗布を含み得る。局所製剤は、種々の形態で利用でき、これらには、クリーム剤、軟膏、溶液剤、ローション、懸濁剤、ペースト剤、エマルジョン、発泡体などが含まれる。水混和性クリーム剤は通常、湿ったまたは浸出病変に用いられ、一方、軟膏は通常、乾燥した、苔癬化または落屑性病変または、さらに閉塞性効果が要求される場所に用いられる。ローションは通常、大きなまたは有毛領域への最小限の塗布が求められる場合に、または、滲出型病変の治療に有用である。用語の「局所投与」は、本明細書では、局所投与ならびに眼への投与を意味するように使用される。
【0135】
本発明の式Iの化合物は、反応スキーム1およびスキーム2に従って作製できる。これらのスキームは式Iの一般的化合物の合成を示し、本発明の一部を構成する。
【0136】
したがって、式Iの化合物を作製する工程は、スルホンアミド中間体IIIの合成を含み、スルホンアミド中間体IIIは、市販の5-クロロスルホニル-2-エトキシ安息香酸SM2およびアミンIIから非プロトン性溶媒および過剰の第三級アミン中で作製される。中間化合物IVは、標準的ペプチド形成条件下で、市販の3-アミノ-1-メチル-4-プロピル-ピロールSM1(国際公開第2001/060825号に記載)およびTBTU/DIPEAなどの縮合剤を用いて、DMFなどの極性溶媒中で得られる。水酸化カリウムまたは類似の塩基を用いた塩基性条件での加熱下の縮合は、ピロロ-ピリミジン化合物Vを生ずる。この中間体は、アセトニトリルなどの溶媒中でインサイツ生成されたアセトニトレートを用いたニトロ化により、式Iの化合物に直接変換される。中間体Vはまた、酸性条件下でパラホルムアルデヒドを用いて複素環の位置6でヒドロキシメチル化して、一般的構造VIを有する化合物を生成できる。MnO/KMnOを用いた選択的酸化により、アルデヒド中間体VIIが生じ、これは、アセトニトレートを用いて記載したニトロ化条件によりニトレートエステルIに変換できる(スキーム1)。
【0137】
ピロロ-ピリミジン複素環の位置5にエチル置換基を有する式Iの化合物は、スキーム2で概要を示すように、ミロデナフィル(国際公開第2001/060825号)から出発して容易に得ることができる。酸加水分解により、中間体スルホン酸Xが得られる。クロロスルホン酸誘導体XIの生成およびアミンIIによる処理により、スルホンアミドXIIが得られる。アセトニトレートを用いたニトロ化により化合物Iを生ずる。ミロデナフィルまたは中間体IXの直接ニトロ化によっても、二重薬理化合物Iが得られる。
【0138】
スキーム1:
【0139】
スキーム2:
【0140】
実施例
好ましい式Iの化合物の合成を以下に例示する。通常、その前に反応スキームが先行して示される。以下の実施例は本発明をさらに例示するものであるが、決して本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0141】
スキーム3
【0142】
実施例1
5-エチル-2-(5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-6-(ヒドロキシメチル)-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(1):
5-エチル-2-(5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン・二塩酸塩(ミロデナフィル・2HCl;国際公開第01/60825号)(2.0g、3.31mmol)の濃HCl溶液(20mL)中撹拌溶液に、パラホルムアルデヒド(1.0g、0.5w/w)を室温で加えた。反応物を50℃で10時間加熱した。反応をTLC(CHCl中の10%MeOHを用いて)およびLCMS分析でモニターした。反応の完了後、反応混合物を室温に冷却し、水(20mL)で希釈し、飽和NaHCO溶液(300mL)を用いてpHを約8に調節した。得られた溶液を、ジクロロメタン中の10%メタノール(6x300mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を無水NaSO上で乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、逆相カラムクロマトグラフィー(C18カラム;Grace System)により、水中25~35%アセトニトリル勾配で溶出することにより精製した。純粋な画分をアセトニトリルが完全に除去されるまで減圧下で濃縮した。得られた水溶液を、ジクロロメタン中の10%メタノール(8x500mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を減圧下で濃縮し、1(1.5g;79%収率)を灰色がかった白色の固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.63(br s,1H),7.90(br s,1H),7.80(br d,J=8.8Hz,1H),7.38(br d,J=8.8Hz,1H),5.19(t,J=5.1Hz,1H),4.57(d,J=5.1Hz,2H),4.47(q,J=7.0Hz,2H),4.33(br s,1H),4.13(t,J=6.4Hz,2H),3.42-3.40(m,2H),2.91-2.88(m,4H),2.61-2.58(m,2H),2.46-2.49(m,4H),2.38-2.35(m,2H),1.79-1.71(m,2H),1.64-1.52(m,2H),1.34(t,J=7.1Hz,3H),0.96(t,J=7.3Hz,3H),0.88(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 562.5[M+H];純度:約97.6%.
【0143】
実施例2
5-エチル-2-(5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒド(2):
5-エチル-2-(5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-6-(ヒドロキシメチル)-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(1)(2.0g、3.56mmol)のCHCl(40mL)中撹拌溶液に、デス・マーチン・ペルヨージナン(2.3g、5.34mmol)をアルゴン雰囲気下、0℃で、何度かに分けて20分かけて加えた。反応混合物を同じ温度で3時間撹拌した。反応の完了後(TLCでモニター)、反応物を10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(20mL)でクエンチし、30分間撹拌した。有機層を分離し、飽和NaHCO溶液(20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させて、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Grace System)でジクロロメタン中4~30%メタノール勾配で溶出することにより精製して、2(900mg、41%収率)を淡黄色固体として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d)δppm 12.15(br s,1H),10.14(s,1H),7.90-7.78(m,2H),7.39(d,J=8.8Hz,1H),4.85(q,J=6.7Hz,2H)4.38(t,J=5.3Hz,1H),4.13(br t,J=6.4Hz,2H),3.42(q,J=6.0Hz,2H),3.03-2.80(m,6H),2.49-2.46(m,2H),2.48-2.44(m,2H),2.38-2.32(m,2H),1.80-1.58(m,4H),1.15(t,J=7.1Hz,3H),0.98-0.93(m,6H);LCMS(ESI):m/z 560.6[M+H];純度:約91%.
【0144】
実施例3
2-(4-((3-(5-エチル-6-ホルミル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)エチルニトレート(1f):
5-エチル-2-(5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒド(2)(500mg、0.90mmol)のアセトニトリル(15mL)中撹拌溶液に、新たに作製したアセチルニトレート(0.4mL;4.5mmol)[(アセチルニトレートは、発煙性HNO(1.1mL、25.5mmol)を無水酢酸(2.5mL、26.5mmol)中に、アルゴン雰囲気下、-15℃で30分間かけてゆっくり滴加することにより別に作製した(注:温度は、0℃を超えて上げてはいけない))]の溶液をアルゴン雰囲気下、-15℃で30分間かけて滴加した。反応物を-15℃~-5℃で4時間維持した。反応の完了後(TLCでモニター)、反応物を0℃で飽和NaHCO溶液(15mL)を用いてクエンチし、EtOAc(3x25mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(25mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物1f(500mg)を褐色の半固体として得て、これを、さらに精製することなく直接次の反応に用いた。LCMS(ESI):m/z 605.5[M+H];純度:約56%.
【0145】
実施例4
(E)-2-(4-((3-(5-エチル-6-((ヒドロキシイミノ)メチル)-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)エチルニトレート(1a):
2-(4-((3-(5-エチル-6-ホルミル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)エチルニトレート(1f)(500mg)のEtOH(60mL)中撹拌溶液に、50%ヒドロキシルアミン水溶液(10mL)を室温で加えた。反応物をアルゴン雰囲気下、50℃で5時間攪拌した。反応の完了後(TLCおよびLCMSでモニター)、反応物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残留物を酢酸エチル(25mL)で希釈し、水(15mL)、ブライン(15mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させて、減圧下で濃縮した。粗生成物を、石油エーテル中50~60%酢酸エチル勾配を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Grace System)に供し、続けて、イソプロパノール(3mL)からの再結晶化により精製し、真空下で乾燥して、1a(130mg;2からの2ステップの全収率:約22%)を灰色がかった白色の固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.77(br s,1H;DOで交換可能),11.59(s,1H;DOで交換可能),8.34(s,1H)7.89(d,J=2.4Hz,1H),7.81(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),7.38(d,J=8.8Hz,1H),4.72(q,J=6.8Hz,2H),4.56(t,J=5.1Hz,2H),4.14(t,J=6.4Hz,2H),2.92-2.89(m,4H),2.76-2 .73(m,2H),2.67-2.64(m,2H),2.57-2.51(m,4H),1.77-1.74(m,2H),1.59-1 .56(m,2H),1.28(t,J=7.1Hz,3H),0.96(t,J=7.3Hz,3H),0.88(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ES):m/z 620.5[M+H];純度:約95%.
【0146】
スキーム4:
【0147】
実施例5
3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシベンゼンスルホン酸(3):
5-エチル-2-(5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン・二塩酸塩(ミロデナフィル・2HCl;国際公開第01/60825号)(5.0g、8.27mmol)の水(105mL)中撹拌溶液に、濃硫酸(80mL)を不活性雰囲気下、室温で1時間かけて滴加した。添加後、反応物を100℃に108時間(4.5日間)加熱した。反応の完了後(TLCおよびLCMSでモニター)、反応混合物を約-10℃に冷却し、25%NaOH水溶液(360mL)で中和した。得られた不均一混合物を水が完全に除去されるまで減圧下で濃縮した。得られた残留物を、ジクロロメタン中の20%メタノール(6x500mL)で処理し、濾過した。合わせた有機濾液を無水NaSO上で乾燥させて、減圧下で濃縮した。粗生成物をトルエン(2x100mL)と共蒸留した後、ジエチルエーテル(100mL)ですりつぶし、濾過し、真空下で乾燥させて、標記化合物3(3.2g、92%収率)を灰色がかった白色固体として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d)δppm 11.50(br s,1H),7.96(d,J=2.2Hz,1H),7.65(dd,J=8.4,2.2Hz,1H),7.29(s,1H),7.08(d,J=8.8Hz,1H),4.37(q,J=7.0Hz,2H),4.06(t,J=6.42Hz,2H),2.64-2.55(m,2H),1.82-1.57(m,4H),1.36(t,J=7.1Hz,3H),0.98(t,J=7.4Hz,3H),0.95(t,J=7.4Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 420.4 [M+H];純度:約95.4%.
【0148】
実施例6
5-エチル-2-(5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(5):
3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシベンゼンスルホン酸(3)(1.6g、3.63mmol)のCHCl(96mL)およびDMF(0.8mL)混合物中撹拌溶液に、塩化オキサリル(1mL、10.89mmol)をアルゴン雰囲気下、0℃で20分かけて滴加した。添加後、反応混合物を同じ温度で6時間撹拌した。反応の完了後(TLCでモニター)、反応物を20℃未満で減圧下で濃縮し、真空をアルゴン雰囲気で再充填して、粗生成物2を淡黄色液体として得て、これを何ら精製することなく次の反応に直接用いた。
【0149】
粗製材料2のCHCl(96mL)中撹拌溶液に、0℃でトリエチルアミン(7.6mL、54.45mmol)を滴加し、続けて、2-(ピペリジン-4-イル)エタン-1-オール(590mg、4.54mmol)のCHCl(15mL)中溶液を不活性雰囲気下、同じ温度で加えた。反応物を室温で24時間攪拌した。反応の完了後(LCMSでモニター)、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残留物をEtOAc(200mL)で希釈し、水(50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させて、減圧下で濃縮して、粗生成物(1g)を半固体として得た。注:反応は1.5g規模で繰り返し、両方の粗製材料を合わせて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーでCHCl中の1~3%メタノール勾配で溶出して精製し、標記化合物5(1.6g、40%収率)を灰色がかった白色の固体として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d)δppm 11.62(br s,1H),7.92(d,J=2.2Hz,1H),7.79(dd,J=8.8,2.2Hz,1H),7.36(d,J=8.8Hz,1H),7.30(s,1H),4.37-4.28(m,3H),4.13(t,J=6.4Hz,2H),3.62-3.59(m,2H),3.39-3.36(m,2H),2.58-2.55(m,2H),2.30-2.17(m,2H),1.83-1.54(m,6H),1.45-1.24(m,6H),1.23-1.16(m,2H),0.97(t,J=7.3Hz,3H),0.96(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 531.5[M+H];純度:約94.2%.
【0150】
スキーム5:
【0151】
実施例7
2-(1-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート(1b):
5-エチル-2-(5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(5)(90mg、0.17mmol)のアセトニトリル(2.7mL)中撹拌溶液に、新たに作製したアセチルニトレート(0.08mL;0.85mmol)[(アセチルニトレートは、発煙性HNO(1.1mL、25.5mmol)を無水酢酸(2.5mL、26.5mmol)中に、アルゴン雰囲気下、-15℃で30分間かけてゆっくり滴加することにより別に作製した(注:温度は、0℃を超えて上げてはいけない))]の溶液をアルゴン雰囲気下、-15℃で30分間かけて滴加した。反応物を-15~0℃で4時間攪拌した。反応の完了後(TLCでモニター)、反応物を0℃で飽和NaHCO溶液(6mL)を用いてクエンチし、EtOAc(3x10mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、逆相カラムクロマトグラフィー(C-18カラム;Grace System)を用いて、水中60~65%アセトニトリル勾配で溶出することにより精製した。純粋な画分を凍結乾燥して、標記化合物1b(19mg、19%収率)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.61(s,1H;DOで交換可能),7.93(d,J=2.2Hz,1H),7.80(dd,J=8.8,2.2Hz,1H),7.36(d,J=8.8Hz,1H),7.30(s,1H),4.51(t,J=6.6Hz,2H),4.37(q,J=7.0Hz,2H),4.13(t,J=6.4Hz,2H),3.64-3.61(m,2H),2.58-2.55(m,2H),2.28-2.24(m,2H),1.82-1.69(m,4H),1.68-1.53(m,4H),1.37-1.35(m,4H),1.28-1.17(m,2H),1.03-0.85(m,6H);LCMS(ES):m/z 576.4[M+H];純度:約99%.
【0152】
スキーム6:
【0153】
実施例8
5-エチル-2-(5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-6-(ヒドロキシメチル)-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(6):
5-エチル-2-(5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(5)(650mg、1.23mmol)の濃HCl溶液(6.5mL)中撹拌溶液に、パラホルムアルデヒド(325mg、0.5w/w)を不活性雰囲気下、室温で加えた。反応物を50℃に12時間加熱した。反応をTLCおよびLCMS分析でモニターした。12時間後、反応混合物を、室温に冷却し、飽和NaHCO溶液(100mL)でpHを7~8に調節した。得られた溶液を、ジクロロメタン中の10%メタノール(3x100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を無水NaSO上で乾燥後、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。注:前に、同じ反応を50mgおよび100mg規模で実施した。全てのバッチを合わせて、逆相クロマトグラフィー(C18カラム;Grace System)を用いて、水中40~50%アセトニトリル勾配で溶出することにより精製し、標記化合物6(380mg;5の回収物を基準に54%収率)を灰色がかった白色の固体として、および未反応物5(200mg;約69%純度)を得た。
H NMR(300MHz,DMSO-d)δppm 11.64(br s,1H;DOで交換可能),7.91(br d,J=1.8Hz,1H),7.80(dd,J=8.8,1.8Hz,1H),7.36(d,J=8.8Hz,1H),5.22(br s,1H;DOで交換可能),4.58-4.56(m,2H),4.48-4.44(m,2H),4.32(br t,J=4.8Hz,1H;DOで交換可能),4.13-4.11(m,2H),3.61-3.57(m,2H),3.39-3.36(m,2H),2.64-2.56(m,2H),2.28-2.22(m,2H),1.80-1.65(m,4H),1.59-1.56(m,2H),1.40-1.27(m,6H),1.21-1.16(m,2H),0.97(t,J=7.3Hz,3H),0.88(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 561.5 [M+H];純度:約98.9%.
【0154】
実施例9
5-エチル-2-(5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒド(7):
5-エチル-2-(5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-6-(ヒドロキシメチル)-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(6)(400mg、0.71mmol)のCHCl(80mL)中撹拌溶液に、活性化MnO(1.08g、12.33mmol)およびKMnO(360mg、2.28mmol)を室温で加えた。24時間の撹拌後、反応混合物をセライトパッドを通して濾過し、CHCl(200mL)で洗浄した。濾液を体積が1/3になるまで濃縮し、活性化MnO(1.08g、12.33mmol)およびKMnO(360mg、2.28mmol)を室温で再度加えて、40時間撹拌した。出発材料の完全消費後(TLCでモニター)、反応混合物をセライトパッドを通して濾過し、CHCl(200mL)で洗浄した。濾液を留去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Grace System)を用いて、ジクロロメタン溶液中30%メタノールの4%で溶出することにより精製して、7(215mg、52%収率)を灰色がかった白色の固体として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d)δppm 12.09(s,1H),10.14(s,1H),7.89(d,J=2.20Hz,1H),7.82(dd,J=8.8,2.2Hz,1H),7.37(d,J=8.8Hz,1H),4.85(q,J=6.6Hz,2H),4.31(t,J=5.1Hz,1H),4.12(t,J=6.4Hz,2H),3.62-3.59(m,2H),3.40-3.35(m,2H),2.97-2.94(m,2H),2.26-2.21(m,2H),1.80-1.61(m,6H),1.34-1.29(m,6H),1.18-1.14(m,2H),1.01-0.85(m,6H);LCMS(ESI):m/z 559.5[M+H];純度:約96%.
【0155】
実施例10
(E)-5-エチル-2-(5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒドオキシム(8)
5-エチル-2-(5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒド(7)(75mg、0.13mmol)のEtOH(9mL)中撹拌溶液に、50%ヒドロキシルアミン水溶液(1.5mL)を室温で加えた。反応物を50℃に加熱し、アルゴン雰囲気下で5時間撹拌した。反応の完了後(TLCでモニター)、反応物を減圧下で濃縮した。得られた残留物を酢酸エチル(20mL)で希釈し、水(5mL)、ブライン(5mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させて、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、イソプロパノール(2mL)から再結晶化することにより精製し、真空下で乾燥して、標記化合物8(41mg、52%収率)を灰色がかった白色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.75(s,1H;DOで交換可能),11.59(s,1H;DOで交換可能),8.34(s,1H),7.93(d,J=2.4Hz,1H),7.80(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),7.37(d,J=8.8Hz,1H),4.73-4.71(m,2H),4.29(t,J=4.9Hz,1H;DOで交換可能),4.13(t,J=6.4Hz,2H),3.62-3.58(m,2H),3.40-3.36(m,2H),2.76-2.73(m,2H),2.27-2.23(m,2H),1.88-1.69(m,4H),1.63-1.49(m,2H),1.42-1.21(m,6H),1.18-1.14(m,2H),0.97(t,J=7.3Hz,3H),0.88(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ES):m/z 574.6 [M+H];純度:約97.6%.
【0156】
スキーム7:
【0157】
実施例11
2-(1-((3-(5-エチル-6-ホルミル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート(1g):
5-エチル-2-(5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒド(7)(215mg、0.42mmol)のアセトニトリル(6.5mL)中撹拌溶液に、新たに作製したアセチルニトレート(0.19mL;2.1mmol)[(アセチルニトレートは、発煙性HNO(2.15mL、51mmol)を無水酢酸(5.0mL、53.0mmol)中に、アルゴン雰囲気下、-15℃で30分間かけてゆっくり滴加することにより別に作製した(注:温度は、0℃まで上げてはいけない))]の溶液をアルゴン雰囲気下、-15℃で30分間かけて滴加した。反応物を-15~0℃で4時間攪拌した。反応の完了後(TLCでモニター)、反応物を飽和NaHCO溶液(10mL)を用いてクエンチし、EtOAc(3x20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物1g(190mg)を褐色の半固体として得て、これを、さらに精製することなく直接次の反応に用いた。LCMS(ESI):m/z 604.5[M+H];純度:約64%.
【0158】
実施例12
(E)-2-(1-((3-(5-エチル-6-((ヒドロキシイミノ)メチル)-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート(1c):
2-(1-((3-(5-エチル-6-ホルミル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート(1g)(190mg)のEtOH(24mL)中撹拌溶液に、50%ヒドロキシルアミン水溶液(4mL)を室温で加えた。反応物を50℃に加熱し、アルゴン雰囲気下で5時間撹拌した。反応の完了後(TLCでモニター)、反応物を減圧下で濃縮した。得られた残留物を水(5mL)で希釈し、EtOAc(3x20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(Grace System)を用いて、石油エーテル中の45~50%EtOAc勾配で溶出することにより精製し、(110mg;約91%LCMS純度)を得て、これを80℃でイソプロパノール(7.5mL)で30分間すりつぶした後、室温で2時間撹拌することによりさらに精製した。固形物を濾過し、減圧下で乾燥して、1c(80mg、39%収率)を灰色がかった白色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.80(br s,1H;DOで交換可能),11.63(br s,1H;;DOで交換可能),8.35(s,1H),7.91(d,J=2.2Hz,1H),7.81(dd,J=8.8,2.2Hz,1H),7.37(d,J=8.8Hz,1H),4.72(q,J=6.8Hz,2H),4.51(t,J=6.4Hz,2H),4.13(t,J=6.1Hz,2H),3.63-3.61(m,2H),2.75-2.72(m,2H),2.26-2.21(m,2H),1.83-1.67(m,4H),1.65-1.50(m,4H),1.43-1.12(m,6H),0.97(t,J=7.3Hz,3H),0.88(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ES):m/z 619.5[M+H];純度:約95.7%.
【0159】
スキーム8:
【0160】
実施例13
5-エチル-2-(5-((4-(3-ヒドロキシプロピル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(15):
上記粗製材料4のCHCl(60mL)中撹拌溶液に、0℃でトリエチルアミン(9.5mL、65.66mmol)を滴加し、続けて、3-(ピペリジン-4-イル)プロパン-1-オール(811mg、5.66mmol)のCHCl(20mL)中溶液を0℃で滴加した。反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応の完了後(LCMSでモニター)、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残留物をEtOAc(30mL)に溶解し、水(30mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させて、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて、石油エーテル中60~70%EtOAc勾配で溶出することにより精製して、15(650mg、27%収率)を白色固体として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d)δppm 11.66(br s,1H),7.91(d,J=2.0Hz,1H)7.78(dd,J=8.8,2.0Hz,1H),7.35(d,J=8.8Hz,1H),7.29(s,1H),4.38-4.31(m,3H),4.12(t,J=6.4Hz,2H),3.62-3.60(m,2H),3.35-3.31(m,2H),2.58-2.56(m,2H),2.25-2.22(m,2H),1.81-1.59(m,6H),1.37-1.33(m,5H),1.23-1.10(m,5H),1.02-0.88(m,6H);LCMS(ESI):m/z 545.5[M+H];純度:約97.1%.
【0161】
スキーム9:
【0162】
実施例14
3-(1-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)プロピルニトレート(1d):
5-エチル-2-(5-((4-(3-ヒドロキシプロピル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(15)(160mg、0.29mmol)のアセトニトリル(5.0mL)中撹拌溶液に、新たに作製したアセチルニトレート(0.13mL;1.47mmol)[(アセチルニトレートは、発煙性HNO(1.1mL、25.5mmol)を無水酢酸(2.5mL、26.5mmol)中に、アルゴン雰囲気下、-15℃で30分間かけてゆっくり滴加することにより別に作製した(注:温度は、0℃まで上げてはいけない))]の溶液をアルゴン雰囲気下、-15℃で30分間かけて滴加した。反応物を-15℃~-5℃で4時間撹拌した。反応の完了後(TLCでモニター)、反応物を0℃で飽和NaHCO溶液(15mL)を用いてクエンチし、EtOAc(3x25mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、逆相カラムクロマトグラフィー(C-18カラム;Grace System)を用いて、水中60~65%アセトニトリル勾配で溶出することにより精製した。純粋な画分を凍結乾燥して、標記化合物1d(45mg、約25%収率)を灰色がかった白色の固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.62(br s,1H;DOで交換可能),7.93(d,J=2.4Hz,1H),7.79(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),7.36(d,J=8.8Hz,1H),7.30(s,1H),4.46(t,J=6.6Hz,2H),4.37(q,J=7.3Hz,2H),4.13(t,J=6.4Hz,2H),3.64-3.62(m,2H),2.58-2.56(m,2H),2.26-2.22(m,2H),1.81-1.56(m,8H),1.36(t,J=7.3Hz,3H),1.29-1.10(m,5H),1.01-0.87(m,6H);LCMS(ESI):m/z 590.5[M+H];純度:約98.9%.
【0163】
スキーム10:
【0164】
実施例15
5-エチル-6-(ヒドロキシメチル)-2-(5-((4-(3-ヒドロキシプロピル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(9):
5-エチル-2-(5-((4-(3-ヒドロキシプロピル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(15)(900mg、1.65mmol)の濃HCl溶液(9mL)中撹拌溶液に、パラホルムアルデヒド(450mg、0.5w/w)を室温で加え、不活性雰囲気下で50℃に加熱した。反応をLCMS分析でモニターした。12時間の撹拌後、反応混合物を、室温に冷却し、飽和NaHCO溶液(150mL)で中和した。得られた溶液を、ジクロロメタン中の10%メタノール(3x100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を無水NaSO上で乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を逆相カラムクロマトグラフィー(C-18カラム;Grace System)を用いて、水中40~50%アセトニトリル勾配で溶出することにより精製し、標記化合物9(240mg;8の回収物を基準に46%収率)を灰色がかった白色の固体として、および420mgの未反応物8を得た。
H NMR(300MHz,DMSO-d)δppm 11.66(s,1H),7.90(d,J=2.5Hz,1H),7.79(dd,J=8.8,2.5Hz,1H),7.36(d,J=8.80Hz,1H),5.26-5.21(m,1H),4.57(d,J=4.4Hz,2H),4.46(q,J=7.0Hz,2H),4.35(br s,1H),4.13-4.11(m,2H),3.63-3.61(m,2H),3.42-3.35(m,2H),2.61-2.55(m,2H),2.26-2.18(m,2H),1.78-1.66(m,4H),1.60-1.54(m,2H),1.39-1.33(m,5H),1.18-1.11(m,5H),0.96(t,J=7.3Hz,3H),0.88(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 575.4[M+H];純度:約97.6%.
【0165】
実施例16
5-エチル-2-(5-((4-(3-ヒドロキシプロピル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒド(10):
5-エチル-6-(ヒドロキシメチル)-2-(5-((4-(3-ヒドロキシプロピル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(9)(240mg、0.42mmol)のCHCl(48mL)中撹拌溶液に、活性化MnO(632mg、7.3mmol)およびKMnO(213mg、1.35mmol)を室温で加え、24時間撹拌した。反応をTLCおよびLCMS分析でモニターした。24時間後、反応混合物をセライトパッドを通して濾過し、CHCl(100mL)で洗浄した。濾液を50mL溶液にまで濃縮し、活性化MnO(632mg、7.3mmol)およびKMnO(213mg、1.35mmol)を室温で再度加えて、24時間撹拌した。同じことを再度繰り返し、出発材料の完全変換のために、追加で24時間撹拌した。その後、反応混合物をセライトパッドを通して濾過し、CHCl(200mL)で洗浄した。濾液を濃縮して、標記化合物10(150mg、57%収率)を灰色がかった白色の固体として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d)δppm 12.10(s,1H),10.14(s,1H),7.89(d,J=2.2Hz,1H),7.82(dd,J=8.8,2.2Hz,1H),7.37(d,J=8.8Hz,1H),4.85(q,J=7.0Hz,2H),4.33(t,J=5.1Hz,1H),4.13-4.11(m,2H),3.63-3.61(m,2H),3.35-3.33(m,2H),2.97-2.94(m,2H),2.26-2.20(m,2H),1.78-1.61(m,6H),1.41-1.27(m,5H)1.19-1.12(m,5H),1.01-0.84(m,6H);LCMS(ESI):m/z 573.5[M+H];純度:約92.1%.
【0166】
実施例17
(E)-5-エチル-2-(5-((4-(3-ヒドロキシプロピル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒドオキシム(11):
5-エチル-2-(5-((4-(3-ヒドロキシプロピル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒド(10)(150mg、0.26mmol)のEtOH(18mL)中撹拌溶液に、50%ヒドロキシルアミン水溶液(3mL)を室温で加えた。反応物をアルゴン雰囲気下で50℃に5時間加熱した。反応の完了後(TLCでモニター)、反応物を減圧下で濃縮した。得られた残留物を酢酸エチル(25mL)で希釈し、水(10mL)、ブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させて、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Grace System)を用いて、ジクロロメタン中30%メタノール溶液の4%で溶出することにより精製して、94%純度の生成物を得て、これをイソプロパノール(2mL)から再結晶化することによりさらに精製して、標記化合物11(65mg、42%収率)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.78(br s,1H;DOで交換可能),11.61(s,1H;DOで交換可能),8.35(s,1H),7.92(d,J=2.4Hz,1H),7.80(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),7.37(d,J=8.8Hz,1H),4.76-4.68(m,2H),4.32(t,J=5.4Hz,1H;DOで交換可能),4.14-4.12(m,2H),3.63-3.61(m,2H),3.36-3.33(m,2H),2.75-2.73(m,2H),2.24-2.21(m,2H),1.81-1.66(m,4H),1.63-1.53(m,2H),1.41-1.33(m,2H),1.28(t,J=7.1Hz,3H),1.22-1.09(m,5H),0.97(t,J=7.3Hz,3H),0.88(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 588.5[M+H];純度:約99.4%.
【0167】
スキーム11:
【0168】
実施例18
3-(1-((3-(5-エチル-6-ホルミル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)プロピルニトレート(1h):
5-エチル-2-(5-((4-(3-ヒドロキシプロピル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒド(10)(150mg、0.26mmol)のアセトニトリル(6.5mL)中撹拌溶液に、新たに作製したアセチルニトレート(0.12mL;1.31mmol)[(アセチルニトレートは、発煙性HNO(1.1mL、25.5mmol)を無水酢酸(2.5mL、26.5mmol)中に、アルゴン雰囲気下、-15℃で30分間かけてゆっくり滴加することにより別に作製した(注:温度は、0℃を超えて上げてはいけない))]の溶液をアルゴン雰囲気下、-15℃で30分間かけて滴加した。反応物を-15℃~-5℃で4時間撹拌した。反応の完了後(TLCでモニター)、反応物を0℃で飽和NaHCO溶液(10mL)を用いてクエンチし、EtOAc(3x20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物1h(100mg)を褐色の半固体として得て、これを、さらに精製することなく直接次の反応に用いた。LCMS(ESI):m/z 618.7[M+H];純度:約59%.
【0169】
実施例19
(E)-3-(1-((3-(5-エチル-6-((ヒドロキシイミノ)メチル)-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)プロピルニトレート(1e):
3-(1-((3-(5-エチル-6-ホルミル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)プロピルニトレート(1h)(100mg)のEtOH(12mL)中撹拌溶液に、50%ヒドロキシルアミン水溶液(2mL)を室温で加え、アルゴン雰囲気下、50℃で5時間撹拌した。反応の完了後(TLCでモニター)、反応物を減圧下で濃縮した。得られた残留物を水(5mL)で希釈し、EtOAc(3x20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(Grace System)を用いて、石油エーテル中の45~50%EtOAc勾配で溶出することにより精製し、110mgの約91%純度の標記化合物を得て、熱イソプロパノール(7.5mL)で再結晶化することによりさらに精製し、標記化合物1e(40mg)を灰色がかった白色の固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.75(br s,1H;DOで交換可能),11.59(s,1H;DOで交換可能),8.34(s,1H),7.93(d,J=2.4Hz,1H),7.81(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),7.37(d,J=8.8Hz,1H),4.72(q,J=6.8Hz,2H),4.46(t,J=6.6Hz,2H),4.13(t,J=6.4Hz,2H)3.64-3.62(m,2H),2.75-2.73(m,2H),2.27-2.23(m,2H),1.81-1.67(m,4H),1.67-1.53(m,4H),1.33-1.08(m,8H),0.97(t,J=7.6Hz,3H),0.88(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 633.5[M+H];純度:約98.7%.
【0170】
スキーム12:
【0171】
実施例20
2-(4-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)エチルニトレート(1i):
5-エチル-2-(5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(ミロデナフィル)(300mg、0.56mmol)のアセトニトリル(12mL)中撹拌溶液に、新たに作製したアセチルニトレート(0.25mL;2.82mmol)[(アセチルニトレートは、発煙性HNO(1.1mL、25.5mmol)を無水酢酸(2.5mL、26.5mmol)中に、アルゴン雰囲気下、-15℃で30分間かけてゆっくり滴加することにより別に作製した(注:温度は、0℃を超えて上げてはいけない))]をアルゴン雰囲気下、-10℃で滴加した。反応物を-10℃~-5℃で維持し、LCMS分析によりモニターした。4時間後、追加の2当量のアセチルニトレート(0.1mL)を-10℃で加え、-10℃~-5℃で2時間撹拌を継続した。その後、反応物を0℃で飽和NaHCO溶液(15mL)を用いてクエンチし、室温で16時間撹拌した。得られた溶液をEtOAc(2x30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Grace System)を用いて、CHCl中30%メタノール:CHClの4%で溶出することにより精製して、180mgの生成物を粘着性固体として得て、これを逆相カラムクロマトグラフィー(C18カラム;Grace System)を用いて、水中45%アセトニトリルで溶出することによりさらに精製して、純粋な標記化合物1i(25mg;95%純度)を淡黄色固体として、およびその混合物(80mg、78%純度)を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.64(br s,1H;DOで交換可能),7.89(d,J=2.4Hz,1H),7.80(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),7.38(d,J=8.8Hz,1H),7.31(s,1H),4.56(t,J=5.1Hz,2H),4.37(q,J=7.3Hz,2H),4.13(t,J=6.4Hz,2H),2.90-2.87(m,4H),2.66-2.63(m,2H),2.58-2.55(m,2H),2.54-2.51(m,4H),1.76-1.72(m,2H),1.67-1.58(m,2H),1.36(t,J=7.3Hz,3H),0.96(t,J=7.4Hz,3H),0.92(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 577.2[M+H];純度:約95.1%.
【0172】
スキーム13:
【0173】
実施例21
5-((4-(2-(ベンゾイルオキシ)エチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-エトキシ安息香酸(12):
2-(ピペリジン-4-イル)エチルベンゾエートのTFA塩(980mg、2.83mmol)としてのCHCl(5mL)中撹拌溶液に、不活性雰囲気下、トリエチルアミン(1.96mL、14.1mmol)を0℃で加えた。これに、5-(クロロスルホニル)-2-エトキシ安息香酸(750mg、2.83mmol)のCHCl(10mL)中溶液を不活性雰囲気下、0℃で滴加した。反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応の完了後(TLCおよびLCMSでモニター)、反応混合物をCHCl(50mL)で希釈し、冷水(10mL)、冷却した10%クエン酸水溶液(2x10mL)、ブライン(10mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮して標記化合物12(710mg、52%収率)を白色固体として得た。H NMR(300MHz,CDCl)δppm 8.49(d,J=2.2Hz,1H),8.08-7.83(m,3H),7.59-7.51(m,1H),7.47-7.38(m,2H),7.14(d,J=8.8Hz,1H),4.49-4.25(m,4H),3.83-3.80(m,2H),2.30-2.26(m,2H),1.84-1.82(m,2H),1.73-1.71(m,2H),1.60(t,J=7.1Hz,3H),1.45-1.33(m,3H);LCMS(ESI):m/z 462.4[M+H];純度:約96.4%.
【0174】
実施例22
2-(1-((3-((2-カルバモイル-1-メチル-4-プロピル-1H-ピロール-3-イル)カルバモイル)-4-エトキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルベンゾエート(13):
5-((4-(2-(ベンゾイルオキシ)エチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-エトキシ安息香酸(12)(250mg、0.54mmol)のDMF(2.5mL)中撹拌溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(210mg、1.62mmol)およびTBTU(347mg、1.08mmol)を室温で加え、30分間撹拌した。これに、3-アミノ-1-メチル-4-プロピル-1H-ピロール-2-カルボキサミド(98mg、0.541mmol)を室温で加え、不活性雰囲気下で15時間撹拌した。反応の完了後(TLCおよびLCMSでモニター)、反応物を冷水(25mL)を用いてクエンチし、EtOAc(2x25mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2x15mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、逆相カラムクロマトグラフィー(C-18カラム;Grace System)を用いて、水中50%アセトニトリルで溶出することにより精製した。画分を濃縮して、固体を得て、これをジエチルエーテル(5mL)ですりつぶし、濾過、乾燥して標記化合物13(85mg;約23%収率)を灰色がかった白色固体として得た。H NMR(400 MHz,CDCl)δppm 9.17(s,1 H),8.64(d,J=2.4 Hz,1 H),8.03-7.96(m,2 H),7.91(dd,J=8.8,2.4 Hz,1 H),7.60-7.52(m,1 H),7.47-7.38(m,2 H),7.15(d,J=8.8 Hz,1 H),6.53(s,1 H),4.43-4.29(m,4 H),3.85-3.83(m,5 H),2.39-2.24(m,4 H),1.84-1.82(m,2 H),1.73-1.71(m,2 H),1.56-1.43(m,5 H),1.43-1.39(m,3 H),0.92(t,J=7.3 Hz,3 H);LCMS(ESI):m/z 625.5[M+H];純度:約93%.
【0175】
実施例23
2-(2-エトキシ-5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)フェニル)-5-メチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(14):
シールドチューブに、2-(1-((3-((2-カルバモイル-1-メチル-4-プロピル-1H-ピロール-3-イル)カルバモイル)-4-エトキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルベンゾエート(13)(85mg、0.14mmol)、エタノール(1.3mL)、続けて、1MのKOH水溶液(1.2mL)を室温で充填した。チューブに蓋をして、反応混合物を100℃で24時間撹拌した。反応の完了後(TLCおよびLCMSでモニター)、反応物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残留物を水(5mL)で希釈し、ジクロロメタン(3x20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、逆相カラムクロマトグラフィー(C-18カラム;Grace System)を用いて、水中40~43%アセトニトリル勾配で溶出することにより精製した。純粋な画分を凍結乾燥して、標記化合物14(34.5mg、50%収率)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.67(br s,1H;DOで交換可能),7.89(d,J=2.4Hz,1H),7.79(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),7.34(d,J=8.80Hz,1H),7.20(s,1H),4.31(br s,1H;DOで交換可能),4.21(q,J=6.9Hz,2H),3.98(s,3H),3.61-3.59(m,2H),3.39-3.37(m,2H),2.57-2.55(m,2H),2.31-2.17(m,2H),1.77-1.56(m,4H),1.43-1.26(m,6H),1.23-1.09(m,2H),0.92(t,J=7.6Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 503.4[M+H];純度:約99.2%.
【0176】
スキーム14:
【0177】
実施例24
2-(1-((4-エトキシ-3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート(2c):
2-(2-エトキシ-5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)フェニル)-5-メチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(14)(150mg、0.30mmol)のアセトニトリル(4.5mL)中撹拌溶液に、新たに作製したアセチルニトレート(0.13mL;1.5mmol)[(アセチルニトレートは、発煙性HNO(1.1mL、25.5mmol)を無水酢酸(2.5mL、26.5mmol)中に、アルゴン雰囲気下、-15℃で30分間かけてゆっくり滴加することにより別に作製した(注:温度は、0℃まで上げてはいけない))]の溶液をアルゴン雰囲気下、-10℃で10分間かけて滴加した。反応物を-10℃~-5℃で4時間撹拌した。反応の完了後(TLCでモニター)、反応物を0℃で飽和NaHCO溶液(10mL)を用いてクエンチし、EtOAc(3x20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、逆相カラムクロマトグラフィー(C-18カラム;Grace System)を用いて、水中55~60%アセトニトリル勾配で溶出することにより精製した。純粋な画分を凍結乾燥して、標記化合物2c(42mg、約26%収率)を淡黄色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.64(br s,1H;DOで交換可能),7.91(d,J=2.4Hz,1H),7.80(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),7.35(d,J=8.8Hz,1H),7.21(s,1H),4.51(t,J=6.6Hz,2H),4.22(q,J=6.9Hz,2H),3.98(s,3H),3.64-3.59(m,2H),2.58-2.56(m,2H),2.30-2.26(m,2H),1.76-1.72(m,2H),1.66-1.58(m,4H),1.40-1.35(m,4H),1.22-1.06(m,2H),0.92(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 548.5[M+H];純度:約97%.
【0178】
スキーム15:
【0179】
実施例25
2-(2-エトキシ-5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)フェニル)-6-(ヒドロキシメチル)-5-メチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(5):
2-(2-エトキシ-5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)フェニル)-5-メチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(14)(450mg、0.9mmol)の濃HCl溶液(4.5mL)中撹拌溶液に、パラホルムアルデヒド(225mg、0.5w/w)を室温で加え、不活性雰囲気下で50℃に加熱した。反応をLCMS分析でモニターした。12時間の撹拌後、反応混合物を、室温に冷却し、飽和NaHCO溶液(100mL)で中和した。得られた溶液を、ジクロロメタン中の10%メタノール(3x100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を逆相カラムクロマトグラフィー(C-18カラム;Grace System)を用いて、水中35~40%アセトニトリル勾配で溶出することにより精製し、標記化合物15(380mg;76%収率)を灰色がかった白色の固体として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d)δppm 11.67(br s,1H),7.91(d,J=2.4Hz,1H),7.79(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),7.35(d,J=8.8Hz,1H),5.17(t,J=5.1Hz,1H),4.56(d,J=5.1Hz,2H),4.32(t,J=5.0Hz,1H),4.21(q,J=6.7Hz,2H),4.05(s,3H),3.63-3.59(m,2H),3.42-3.38(m,2H),2.61-2.58(m,2H),2.26-2.22(m,2H),1.74-1.51(m,4H),1.38-1.26(m,6H),1.21-1.15(m,2H),0.88(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 533.5[M+H];純度:約95%.
【0180】
実施例26
2-(2-エトキシ-5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)フェニル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒド(16):
2-(2-エトキシ-5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)フェニル)-6-(ヒドロキシメチル)-5-メチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(15)(330mg、0.62mmol)のCHCl(80mL)中撹拌溶液に、活性化MnO(58%のMn最小含量)(933mg、10.73mmol)およびKMnO(314mg、2.0mmol)を室温で加え、60時間撹拌した。反応をTLCでモニターした。60時間後、反応混合物をセライトパッドを通して濾過し、CHCl(200mL)で洗浄した。濾液を濃縮して、標記化合物16(220mg)を灰色がかった白色の固体として得て、これをさらに精製することなく次の反応に直接用いた。H NMR(300MHz,DMSO-d)δppm 12.11(br s,1H),10.15(s,1H),7.88(d,J=2.4Hz,1H),7.82(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),7.36(d,J=8.8Hz,1H),4.29-4.25(m,4H),4.21(q,J=7.0Hz,2H),3.63-3.59(m,2H),3.41-3.38(m,2H),2.96-2.93(m,2H),2.28-2.21(m,2H),1.74-1.67(m,4H),1.34-1.26(m,6H),1.24-1.12(m,2H),0.91(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 531.5[M+H];純度:約88.6%.
【0181】
実施例27
(E)-2-(2-エトキシ-5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)フェニル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒドオキシム(17):
2-(2-エトキシ-5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)フェニル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒド(16)(80mg、0.15mmol)のエタノール(9.6mL)中撹拌溶液に、50%ヒドロキシルアミン水溶液(1.6mL)を室温で加えた。反応物をアルゴン雰囲気下で50℃に5時間加熱した。反応の完了後(TLCでモニター)、反応物を減圧下で濃縮した。得られた残留物を水(4mL)で希釈し、酢酸エチル(3x10mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、逆相カラムクロマトグラフィー(C-18カラム;Grace System)を用いて、水中35%アセトニトリル勾配で溶出することにより精製した。純粋な画分を凍結乾燥して、標記化合物17(16.7mg)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.78(br s,1H;DOで交換可能),11.59(s,1H,DOで交換可能),8.34(s,1H),7.92(d,J=2.4Hz,1H),7.80(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),7.35(d,J=8.8Hz,1H),4.28(t,J=5.1Hz,1H;DOで交換可能),4.22(q,J=6.9Hz,2H),4.17(s,3H),3.64-3.59(m,2H),3.42-3.38(m,2H),2.79-2.75(m,2H),2.26-2.20(m,2H),1.74-1.70(m,2H),1.63-1.56(m,2H),1.40-1.29(m,6H),1.14-1.09(m,2H),0.88(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 546.6[M+H];純度:約97.7%.
【0182】
スキーム16:
【0183】
実施例28
2-(1-((4-エトキシ-3-(6-ホルミル-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート(2e):
2-(2-エトキシ-5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)フェニル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒド(2)(140mg、0.26mmol)のアセトニトリル(5.6mL)中撹拌溶液に、新たに作製したアセチルニトレート(0.12mL;1.32mmol)[(アセチルニトレートは、発煙性HNO(1.1mL、25.5mmol)を無水酢酸(2.5mL、26.5mmol)中に、アルゴン雰囲気下、-15℃で30分間かけてゆっくり滴加することにより別に作製した(注:温度は、0℃を超えて上げてはいけない))]の溶液をアルゴン雰囲気下、-10℃で10分間かけて滴加した。反応物を-5℃で4時間撹拌した。反応の完了後(TLCでモニター)、反応物を0℃で飽和NaHCO溶液(10mL)を用いてクエンチし、EtOAc(2x25mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物3(140mg)を褐色の半固体として得て、これを、さらに精製することなく直接次の反応に用いた。LCMS(ESI):m/z 576.6[M+H];純度:約75.5%.
【0184】
実施例29
(E)-2-(1-((4-エトキシ-3-(6-((ヒドロキシイミノ)メチル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート(2a):
2-(1-((4-エトキシ-3-(6-ホルミル-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート(2e)(140mg)のエタノール(17mL)中撹拌溶液に、50%ヒドロキシルアミン水溶液(2.8mL)を室温で加え、アルゴン雰囲気下、50℃で5時間撹拌した。反応の完了後(LCMS分析でモニター)、反応物を減圧下で濃縮した。得られた残留物を水(5mL)で希釈し、EtOAc(2x20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(Grace System)を用いて、石油エーテル中の45~50%EtOAc勾配で溶出することにより精製し、70mgの約93%純度の標記化合物を得て、これを熱イソプロパノール(2.5mL)で再結晶化することによりさらに精製し、標記化合物2a(38mg)を灰色がかった白色の固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.77(br s,1H;DOで交換可能),11.59(s,1H;DOで交換可能),8.34(s,1H),7.92(d,J=2.4Hz,1H),7.81(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),7.36(d,J=8.8Hz,1H),4.51(t,J=6.4Hz,2H),4.22(q,J=6.8Hz,2H),4.17(s,3H),3.64-3.59(m,2H),2.79-2.75(m,2H),2.27-2.22(m,2H),1.78-1.74(m,2H),1.63-1.56(m,4H),1.38-1.33(m,4H),1.22-1.17(m,2H),0.88(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 591.1[M+H];純度:約99.1%.
【0185】
スキーム17:
【0186】
実施例30
2-エトキシ-5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)安息香酸(18):
2-(ピペラジン-1-イル)エタン-1-オール(740mg、5.67mmol)のCHCl(9mL)中撹拌溶液に、不活性雰囲気下、トリエチルアミン(4mL、28.35mmol)を0℃で加えた。これに、5-(クロロスルホニル)-2-エトキシ安息香酸(1.5g、5.67mmol)のCHCl(9mL)中溶液を不活性雰囲気下、0℃で滴加した。反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応の完了後(LCMS分析でモニター)、反応混合物を逆相カラムクロマトグラフィー(C-18カラム;Grace System)(後処理なし)を用いて、水中0~15%アセトニトリルで溶出することにより精製し、標記化合物18(2.0g)を灰色がかった白色の半固体として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d)δppm 7.72-7.63(m,2H),7.24(d,J=8.4Hz,1H),4.16(q,J=6.9Hz,2H),3.44-3.29(m,3H),2.83-2.78(m,4H),2.51-2.47(m,4H),2.36-2.33(m,2H),1.34(t,J=6.9Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 359.0[M+H];純度:約95.9%.
【0187】
実施例31
3-(2-エトキシ-5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)ベンズアミド)-1-メチル-4-プロピル-1H-ピロール-2-カルボキサミド(19):
2-エトキシ-5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)安息香酸(18)(8.0g、22.32mmol)のDMF(40mL)中撹拌溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(19.5mL、111.64mmol)を滴加し、続けて、TBTU(14.5g、45.16mmol)を15℃で加え、20分間撹拌した。これに、3-アミノ-1-メチル-4-プロピル-1H-ピロール-2-カルボキサミド(4.0g、22.32mmol)を不活性雰囲気下、15℃でひとまとめにして加えた。反応物を室温で1.5時間攪拌した。反応の完了後(TLCおよびLCMSでモニター)、反応物を氷水(400mL)を用いてクエンチし、EtOAc(4x200mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(4x100mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、ジクロロメタン(50mL)およびn-ヘキサン(200mL)ですりつぶし、濾過することにより精製した。固形物をジエチルエーテル(50mL)で洗浄し、真空下で乾燥して標記化合物19(7.5g、約59%収率)を薄茶色固体として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d)δppm 9.57(br s,1H),7.83-7.78(m,2H),7.41(d,J=8.4Hz,1H),7.24(br s,1H),6.93(br s,1H),6.72(s,1H),4.37(t,J=5.3Hz,1H),4.29(q,J=6.7Hz,2H),3.75(s,3H),3.43-3.39(m,2H),2.87-2.84(m,4H),2.57-2.54(m,4H),2.37-2.34(m,2H),2.28-2.26(m,2H),1.54-1.38(m,5H),0.88(t,J=7.1Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 522.2[M+H];純度:約91.5%.
【0188】
実施例32
2-(2-エトキシ-5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)フェニル)-5-メチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(20):
シールチューブに、3-(2-エトキシ-5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)ベンズアミド)-1-メチル-4-プロピル-1H-ピロール-2-カルボキサミド(19)(190mg、0.364mmol)、エタノール(3.0mL)、続けて、1MのKOH水溶液(2.7mL)を室温で充填した。チューブに蓋をして、反応混合物を100℃で16時間撹拌した。反応の完了後(TLCおよびLCMS分析でモニター)、反応物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残留物を水(5mL)で希釈し、酢酸エチル(2x25mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Grace System)を用いて、CHCl中30%メタノール:CHClの12%で溶出することにより精製した。純粋な画分を凍結乾燥して、得られた固形物をn-ペンタン(4x10mL)ですりつぶし、標記化合物20(35mg)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.67(br s,1H;DOで交換可能),7.88(d,J=2.0Hz,1H),7.80(dd,J=8.8,2.0Hz,1H),7.36(d,J=8.8Hz,1H),7.21(s,1H),4.33(t,J=5.4Hz,1H;DOで交換可能),4.22(q,J=6.8Hz,2H),3.98(s,3H),3.43-3.41(m,2H),2.90-2.87(m,4H),2.60-2.57(m,2H),2.52-2.48(m,4H),2.39-2.36(m,2H),1.67-1.60(m,2H),1.36(t,J=6.8Hz,3H),0.92(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 504.1 [M+H];純度:約99%.
【0189】
スキーム18
【0190】
実施例33
2-(4-((4-エトキシ-3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)エチルニトレート(2d):
2-(2-エトキシ-5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)フェニル)-5-メチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(20)(100mg、0.20mmol)のアセトニトリル(4mL)中撹拌溶液に、新たに作製したアセチルニトレート(0.12mL;1.4mmol)[(アセチルニトレートは、発煙性HNO(1.1mL、25.5mmol)を無水酢酸(2.5mL、26.5mmol)中に、アルゴン雰囲気下、-15℃で30分間かけてゆっくり滴加することにより別に作製した(注:温度は、0℃まで上げてはいけない))]の溶液をアルゴン雰囲気下、-10℃で10分間かけて滴加した。反応物を-10℃~-5℃で4時間撹拌した。反応の完了後(TLCでモニター)、反応物を0℃で飽和NaHCO溶液(10mL)を用いてクエンチし、EtOAc(3x20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、逆相カラムクロマトグラフィー(C-18カラム、Grace System)を用いて、水中40%アセトニトリルで溶出することにより精製し、38mgの約93%純度の標記化合物を得て、これを熱イソプロパノール(2.5mL)で再結晶化することによりさらに精製し、標記化合物2d(22mg)を淡黄色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.66(s,1H;DOで交換可能),7.88(d,J=2.2Hz,1H),7.80(dd,J=8.8,2.2Hz,1H),7.36(d,J=8.8Hz,1H),7.21(s,1H),4.56(t,J=5.1Hz,2H),4.22(q,J=6.8Hz,2H),3.98(s,3H),2.90-2.87(m,4H),2.64-2.61(m,2H),2.59-2.54(m,2H),2.52-2.49(m,4H),1.68-1.59(m,2H),1.35(t,J=6.8Hz,3H),0.92(t,J=7.34Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 549.1[M+H];純度:約96.7%.
【0191】
スキーム19:
【0192】
実施例34
2-エトキシ-5-((4-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)安息香酸(21):
2-(ピペラジン-1-イル)プロパン-1-オール(1.0g、6.8mmol)のCHCl(11mL)中撹拌溶液に、不活性雰囲気下、トリエチルアミン(4.6mL、34mmol)を0℃で加えた。これに、5-(クロロスルホニル)-2-エトキシ安息香酸(1.8g、6.8mmol)のCHCl(11mL)中溶液を不活性雰囲気下、0℃で滴加した。反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応の完了後(LCMS分析でモニター)、反応混合物を逆相カラムクロマトグラフィー(C-18カラム;Grace System)(後処理なし)を用いて、水中0~15%アセトニトリルで溶出することにより精製し、標記化合物21(2.6g)を灰色がかった白色の半固体として得て、これをさらに精製することなく直接次の反応に用いた。H NMR(300MHz,DMSO-d)δppm 7.74-7.68(m,2H),7.26(d,J=8.80Hz,1H),4.17(q,J=6.9Hz,2H),3.36-3.34(m,3H),2.85-2.80(m,4H),2.42-2.39(m,4H),2.32-2.29(m,2H),1.54-1.49(m,2H),1.34(t,J=6.9Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 373.08[M+H];純度:約87%.
【0193】
実施例35
3-(2-エトキシ-5-((4-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)ベンズアミド)-1-メチル-4-プロピル-1H-ピロール-2-カルボキサミド(22):
2-エトキシ-5-((4-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)安息香酸(21)(2.6g)のDMF(10mL)中撹拌溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(6.1mL、35.0mmol)を滴加し、続けて、TBTU(4.5g、14.0mmol)を15℃で加え、20分間撹拌した。これに、3-アミノ-1-メチル-4-プロピル-1H-ピロール-2-カルボキサミド(1.27g、7.0mmol)のDMF(3mL)中溶液を15℃で加え、不活性雰囲気下、室温で1時間撹拌した。反応の完了後(TLCおよびLCMSでモニター)、反応物を氷冷水(130g)中でクエンチし、EtOAc(4x50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(4x50mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Grace System)を用いて、CHCl中30%メタノール:CHClによる10~15%勾配で溶出することにより精製し、標記化合物22(2.4g;2つのステップで約66%収率)を薄茶色固体として得た。LCMS(ESI):m/z 536.2[M+H];純度:約95%.
【0194】
実施例36
2-(2-エトキシ-5-((4-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)フェニル)-5-メチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(23):
シールチューブに、3-(2-エトキシ-5-((4-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)ベンズアミド)-1-メチル-4-プロピル-1H-ピロール-2-カルボキサミド(22)(170mg、0.32mmol)、エタノール(2.7mL)、続けて、1MのKOH水溶液(2.4mL)を室温で充填した。チューブに蓋をして、反応混合物を100℃で16時間撹拌した。反応の完了後(TLCおよびLCMSでモニター)、反応物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残留物を水(5mL)で希釈し、酢酸エチル(2x25mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Grace System)を用いて、CHCl中30%MeOH:CHClの14%で溶出することにより精製した。純粋な画分を凍結乾燥して、n-ペンタン(4x10mL)ですりつぶし、標記化合物23(32mg)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.67(s,1H;DOで交換可能),7.88(d,J=2.2Hz,1H),7.80(dd,J=8.8,2.2Hz,1H),7.36(d,J=8.8Hz,1H),7.21(s,1H),4.31(br t,J=5.1Hz,1H;DOで交換可能),4.22(q,J=6.9Hz,2H),3.98(s,3H),3.39-3.33(m,2H),2.90-2.87(m,4H),2.59-2.56(m,2H),2.43-2.39(m,4H),2.34-2.29(m,2H),1.67-1.59(m,2H),1.53-1.45(m,2H),1.35(t,J=6.9Hz,3H),0.92(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 518.2[M+H];純度:約99.7%.
【0195】
スキーム20:
【0196】
実施例37
3-(4-((4-エトキシ-3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)プロピルニトレート(2b):
2-(2-エトキシ-5-((4-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)フェニル)-5-メチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(23)(150mg、0.29mmol)のアセトニトリル(6.0mL)中撹拌溶液に、新たに作製したアセチルニトレート(0.13mL;1.5mmol)[(アセチルニトレートは、発煙性HNO(1.1mL、25.5mmol)を無水酢酸(2.5mL、26.5mmol)中に、アルゴン雰囲気下、-15℃で30分間かけてゆっくり滴加することにより別に作製した(注:温度は、0℃まで上げてはいけない))]の溶液をアルゴン雰囲気下、-10℃で10分間かけて滴加した。反応物を-10℃~-5℃で4時間撹拌した。反応をTLCでモニターした。4時間後、反応物を-15℃に冷却し、アセチルニトレート(0.05mL;0.6mmol)を加えた。反応物を-10℃~-5℃でさらに2時間撹拌した。反応の完了後(TLCでモニター)、反応物を0℃で飽和NaHCO溶液(10mL)を用いてクエンチし、EtOAc(3x20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、逆相カラムクロマトグラフィー(C-18カラム;Grace System)を用いて、水中45%アセトニトリルで溶出することにより精製した。得られた固形物をジエチルエーテル(3mL)ですりつぶし、標記化合物2b(43.4mg;約26%収率)を淡黄色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.67(s,1H;DOで交換可能),7.89(d,J=2.4Hz,1H),7.80(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),7.36(d,J=8.8Hz,1H),7.21(s,1H),4.48(t,J=6.6Hz,2H),4.22(q,J=6.8Hz,2H),3.98(s,3H),2.93-2.89(m,4H),2.58-2.55(m,2H),2.45-2.42(m,4H),2.36-2.32(m,2H),1.81-1.77(m,2H),1.67-1.59(m,2H),1.35(t,J=6.8Hz,3H),0.92(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 563.1[M+H];純度:約97.5%.
【0197】
スキーム21:
【0198】
実施例38
2-(2-エトキシ-5-((4-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)フェニル)-6-(ヒドロキシメチル)-5-メチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(24):
2-(2-エトキシ-5-((4-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)フェニル)-5-メチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(23)(1.55g、3.0mmol)の濃HCl溶液(15.5mL)中撹拌溶液に、パラホルムアルデヒド(780mg、0.5w/w)を室温で加え、不活性雰囲気下で50℃に加熱した。反応をLCMS分析でモニターした。12時間の撹拌後、反応混合物を、室温に冷却し、飽和NaHCO溶液(200mL)で中和した。得られた溶液を、ジクロロメタン中の10%メタノール(3x150mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を無水NaSO上で乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を逆相カラムクロマトグラフィー(C-18カラム;Grace System)を用いて、水中45%アセトニトリルで溶出することにより精製し、標記化合物24(1.12g;68%収率)を灰色がかった白色の固体として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d)δppm 11.70(br s,1H),7.87(d,J=2.2Hz,1H),7.80(dd,J=8.8,2.2Hz,1H),7.36(d,J=8.8Hz,1H),5.16(br s,1H),4.56(br d,J=4.4Hz,2H),4.35(t,J=5.0Hz,1H),4.22(q,J=6.8Hz,2H),4.05(s,3H),3.42-3.35(m,2H),2.90-2.86(m,4H),2.62-2.59(m,2H),2.42-2.39(m,4H),2.33-2.29(m,2H),1.64-1.45(m,4H),1.34(t,J=6.8Hz,3H),0.88(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 548.6[M+H];純度:約94%.
【0199】
実施例39
2-(2-エトキシ-5-((4-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)フェニル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒド(25):
2-(2-エトキシ-5-((4-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)フェニル)-6-(ヒドロキシメチル)-5-メチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(24)(920mg、1.68mmol)のCHCl(230mL)中撹拌溶液に、活性化MnO(58%のMn最小含量)(2.53g、29.1mmol)およびKMnO(850mg、5.38mmol)を室温で加え、48時間撹拌した。反応をTLCでモニターした(48時間後、約30%の未反応出発材料が存在する)。反応混合物をセライトパッドを通して濾過し、CHCl(50mL)で洗浄した。追加の量の活性化MnO(1.82g、21.0mmol)をRBフラスコ中で濾液に加え、室温で24時間撹拌した。出発材料の完全消費後、反応混合物をセライトパッドを通して濾過し、CHCl(250mL)で洗浄した。濾液を濃縮して、標記化合物25(750mg、約86%純度)を淡黄色固体として得て、これをさらに精製することなく次の反応に直接用いた。H NMR(300MHz,DMSO-d)δppm 12.15(br s,1H),10.15(s,1H),7.86-7.78(m,2H),7.39(d,J=8.8Hz,1H),4.39-4.34(m,3H + OH),4.22(q,J=6.8Hz,2H),3.38-3.34(m,2H),2.99-2.84(m,6H),2.41-2.38(m,4H),2.31-2.29(m,2H),1.71-1.62(m,2H),1.49-1.42(m,2H),1.34(t,J=6.8Hz,3H),0.91(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 546.5[M+H];純度:約86.0%.
【0200】
実施例40
(E)-2-(2-エトキシ-5-((4-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)フェニル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒドオキシム(26):
2-(2-エトキシ-5-((4-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)フェニル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒド(25)(150mg)のエタノール(18mL)中撹拌溶液に、50%ヒドロキシルアミン水溶液(3mL)を室温で加えた。反応物をアルゴン雰囲気下で50℃に5時間加熱した。反応の完了後(TLCでモニター)、反応物を減圧下で濃縮した。得られた残留物を水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(5x25mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、逆相カラムクロマトグラフィー(C-18カラム;Grace System)を用いて、水中35%アセトニトリルで溶出することにより精製した。純粋な画分を凍結乾燥して、標記化合物26(52.7mg)を灰色がかった白色の固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.82(br s,1H;DOで交換可能),11.60(s,1H),8.34(s,1H),7.88(d,J=2.2Hz,1H),7.81(dd,J=8.8,2.2Hz,1H),7.37(d,J=8.8Hz,1H),4.33(t,J=5.1Hz,1H;DOで交換可能),4.22(q,J=6.8Hz,2H),4.17(s,3H),3.37-3.35(m,2H),2.91-2.88(m,4H),2.76-2.73(m,2H),2.43-2.40(m,4H),2.32-2.28(m,2H),1.61-1.57(m,2H),1.51-1.47(m,2H),1.35(t,J=6.8Hz,3H),0.88(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 559.4[M-H];純度:約95.8%.
【0201】
スキーム22:
【0202】
実施例41
(E)-3-(4-((4-エトキシ-3-(6-((ヒドロキシイミノ)メチル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)プロピルニトレート(2f):
2a(実施例29)および2b(実施例37)と同様に、(E)-2-(2-エトキシ-5-((4-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)フェニル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒドオキシム(26)(150mg、0.29mmol)のアセトニトリル(6.0mL)中撹拌溶液に、新たに作製したアセチルニトレート(0.13mL;1.5mmol)[(アセチルニトレートは、発煙性HNO(1.1mL、25.5mmol)を無水酢酸(2.5mL、26.5mmol)中に、アルゴン雰囲気下、-15℃で30分間かけてゆっくり滴加することにより別に作製する(注:温度は、0℃まで上げてはいけない))]の溶液をアルゴン雰囲気下、-10℃で10分間かけて滴加する。反応物を-10℃~-5℃で4時間撹拌する。反応をTLCでモニターする。4時間後、反応物を-15℃に冷却し、アセチルニトレート(0.05mL;0.6mmol)を加える。反応物を-10℃~-5℃でさらに2時間撹拌する。反応の完了後(TLCでモニター)、反応物を0℃で飽和NaHCO溶液(10mL)を用いてクエンチし、EtOAc(3x20mL)で抽出する。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮する。得られた粗生成物を、逆相カラムクロマトグラフィー(C-18カラム;Grace System)を用いて、水中45%アセトニトリル勾配で溶出することにより精製する。得られた固形物をジエチルエーテル(3mL)ですりつぶし、標記化合物2fを得る。
【0203】
スキーム23:
【0204】
実施例42
5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシ安息香酸(27):
2-(ピペリジン-4-イル)エタン-1-オール(231mg、1.79mmol)CHCl(3mL)中撹拌溶液に、不活性雰囲気下、トリエチルアミン(1.26mL、8.96mmol)を0℃で加えた。これに、5-(クロロスルホニル)-2-プロポキシ安息香酸(500mg、1.79mmol)のCHCl(3mL)中溶液を不活性雰囲気下、0℃で滴加した。反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応の完了後(TLCおよびLCMSでモニター)、反応混合物をCHCl(40mL)で希釈し、冷水(10mL)、冷却した10%クエン酸水溶液(2x10mL)、ブライン(10mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮して標記化合物27(410mg、約57%収率)を白色固体として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d)δppm 13.05(br s,1H),7.90(d,J=2.2Hz,1H),7.81(dd,J=8.8,2.2Hz,1H),7.33(d,J=8.8Hz,1H),4.30(br t,J=4.9Hz,1H),4.10(t,J=6.21Hz,2H),3.60-3.56(m,2H),3.41-3.34(m,2H),2.19-2.15(m,2H),1.82-1.64(m,4H),1.25-1.20(m,3H),1.16-1.08(m,2H),1.00(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 372.4[M+H];純度:約92%.
【0205】
実施例43
3-(5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシベンズアミド)-1-メチル-4-プロピル-1H-ピロール-2-カルボキサミド(28):
5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシ安息香酸(27)(400mg、1.07mmol)のDMF(3mL)中撹拌溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(418mg、3.23mmol)およびTBTU(692mg、2.15mmol)を約15℃で加え、20分間撹拌した。これに、3-アミノ-1-メチル-4-プロピル-1H-ピロール-2-カルボキサミド(196mg、1.07mmol)のDMF(1mL)中溶液を不活性雰囲気下で加えた。反応物を室温で2.5時間攪拌した。反応の完了後(TLCおよびLCMSでモニター)、反応物を冷水(50mL)を用いてクエンチし、EtOAc(2x50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Grace System)を用いて、CHCl中30%MeOH:CHClによる2~8%勾配で溶出することにより精製し、標記化合物28(210mg;約34%収率)を灰色がかった白色の固体として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d)δppm 9.52(br s,1H),7.84-7.77(m,2H),7.40(d,J=8.8Hz,1H),7.22(br s,1H),6.91(br s,1H),6.72(s,1H),4.32(t,J=5.1Hz,1H),4.18(t,J=6.6Hz,2H),3.74(s,3H),3.62-3.58(m,2H),3.41-3.36(m,2H),2.33-2.28(m,2H),2.24-2.18(m,2H),1.87-1.77(m,2H),1.73-1.69(m,2H),1.55-1.43(m,2H),1.28-1.19(m,3H),1.19-1.12(m,2H),0.98(t,J=7.3Hz,3H),0.88(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 535.1[M+H];純度:約94.7%.
【0206】
実施例44
2-(5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(29):
シールチューブに、3-(5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシベンズアミド)-1-メチル-4-プロピル-1H-ピロール-2-カルボキサミド(28)(200mg、0.37mmol)、エタノール(3.2mL)、続けて、1MのKOH水溶液(2.8mL)を室温で充填した。チューブに蓋をして、反応混合物を100℃で16時間撹拌した。反応の完了後(TLCおよびLCMSでモニター)、反応物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残留物を水(20mL)で希釈し、ジクロロメタン(3x50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Grace System)を用いて、CHCl中30%メタノール:CHClによる2~8%勾配で溶出することにより精製した。純粋な画分を濃縮して、標記化合物29(130mg、67%収率)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.63(br s,1H;DOで交換可能),7.90(d,J=2.2Hz,1H),7.79(dd,J=8.8,2.2Hz,1H),7.35(d,J=8.8Hz,1H),7.21(s,1H),4.31(t,J=5.1Hz,1H;DOで交換可能),4.12(t,J=6.4Hz,2H),3.98(s,3H),3.62-3.59(m,2H),3.42-3.36(m,2H),2.60-2.56(m,2H),2.24-2.19(m,2H),1.81-1.59(m,6H),1.33-1.31(m,3H),1.20-1.15(m,2H),1.00-0.92(m,6H);LCMS(ESI):m/z 517.6[M+H];純度:約98.1%.
【0207】
スキーム24:
【0208】
実施例45
2-(1-((3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート(3a):
アセトニトリル(4.5mL)中の2-(5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(29)(150mg、0.29mmol)に、新たに作製したアセチルニトレート(0.12mL;1.45mmol)[(アセチルニトレートは、発煙性HNO(1.1mL、25.5mmol)を無水酢酸(2.5mL、26.5mmol)中に、アルゴン雰囲気下、-15℃で30分間かけてゆっくり滴加することにより別に作製した(注:温度は、0℃まで上げてはいけない))]の溶液をアルゴン雰囲気下、-10℃で10分間かけて滴加した。反応物を-10℃~-5℃で4時間撹拌した。反応の完了後(TLCでモニター)、反応物を0℃で飽和NaHCO溶液(10mL)を用いてクエンチし、EtOAc(3x20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、逆相カラムクロマトグラフィー(C-18カラム;Grace System)を用いて、水中60~70%アセトニトリル勾配で溶出することにより精製した。純粋な画分を凍結乾燥して、標記化合物3a(33mg、約20%収率)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.60(br s,1H;DOで交換可能),7.92(d,J=2.4Hz,1H),7.80(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),7.36(d,J=8.8Hz,1H),7.21(s,1H),4.51(t,J=6.6Hz,2H),4.12(t,J=6.4Hz,2H),3.98(s,3H),3.63-3.61(m,2H),2.59-2.56(m,2H),2.28-2.23(m,2H),1.79-1.71(m,4H),1.67-1.58(m,4H),1.35-1.31(m,1H),1.26-1.18(m,2H),0.97(t,J=7.3Hz,3H),0.92(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 562.1[M+H];純度:約97%.
【0209】
スキーム25:
【0210】
実施例46
5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシ安息香酸(30):
2-(ピペラジン-1-イル)エタン-1-オール(233mg、1.79mmol)のCHCl(3mL)中撹拌溶液に、不活性雰囲気下、トリエチルアミン(1.24mL、8.97mmol)を0℃で加えた。これに、5-(クロロスルホニル)-2-プロポキシ安息香酸(500mg、1.79mmol)のCHCl(3mL)中溶液を不活性雰囲気下、0℃で滴加した。反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応の完了後(LCMSでモニター)、反応混合物を逆相カラムクロマトグラフィー(C-18カラム;Grace System)を用いて、水中30~40%アセトニトリル勾配で溶出することにより精製した。生成物画分を減圧下で濃縮した。得られた粘着性固体をCHCl(0.5mL)およびヘキサン(6mL)ですりつぶし、標記化合物30(510mg)を白色固体として得て、これをさらに精製することなく次の反応に直接用いた。LCMS(ESI):m/z 373.5[M+H];純度:約85%.
【0211】
実施例47
3-(5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシベンズアミド)-1-メチル-4-プロピル-1H-ピロール-2-カルボキサミド(31):
5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシ安息香酸(30)(500mg)のDMF(3mL)中撹拌溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(0.7mL、4.03mmol)およびTBTU(862mg、2.68mmol)を約15℃で加え、30分間撹拌した。これに、3-アミノ-1-メチル-4-プロピル-1H-ピロール-2-カルボキサミド(243.6mg、1.34mmol)のDMF(2mL)中溶液を不活性雰囲気下、約15℃で滴加した。反応物を室温で1時間攪拌した。反応の完了後(TLCおよびLCMSでモニター)、反応物を冷水(50mL)を用いてクエンチし、EtOAc(2x50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Grace System)を用いて、CHCl中30%メタノール:CHClによる10~15%勾配で溶出することにより精製した。生成物画分を減圧下で濃縮して、標記化合物31(260mg、2ステップの全収率:約27%)を淡黄色固体として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d)δppm 9.54(br s,1H),7.82-7.79(m,2H),7.41(d,J=8.4Hz,1H),7.24(br s,1H),6.92(br s,1H),6.72(s,1H),4.37(br t,J=5.3Hz,1H),4.19(t,J=6.6Hz,2H),3.74(s,3H),3.42-3.39(m,2H),2.83-2.78(m,4H),2.53-2.49(m,4H),2.38-2.35(m,2H),2.28-2.25(m,2H),1.83-1.79(m,2H),1.52-1.44(m,2H),0.98(t,J=7.3Hz,3H),0.88(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 536.2[M+H];純度:約90%.
【0212】
実施例48
2-(5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(32):
シールチューブに、3-(5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシベンズアミド)-1-メチル-4-プロピル-1H-ピロール-2-カルボキサミド(31)(260mg、0.48mmol)、エタノール(4.2mL)、続けて、1MのKOH水溶液(3.6mL)を室温で充填した。チューブに蓋をして、反応混合物を100℃で16時間撹拌した。反応の完了後(TLCおよびLCMSでモニター)、反応物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残留物を水(20mL)で希釈し、酢酸エチル(2x20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、逆相カラムクロマトグラフィー(C-18カラム;Grace System)を用いて、水中60~70%アセトニトリル勾配で溶出することにより精製した。純粋な画分を凍結乾燥して、標記化合物32(130mg、51%収率)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.64(br s,1H;DOで交換可能),7.88(d,J=2.0Hz,1H),7.79(dd,J=8.8,2.0Hz,1H),7.37(d,J=8.8Hz,1H),7.21(s,1H),4.33(t,J=5.4Hz,1H;DOで交換可能),4.12(t,J=6.4Hz,2H),3.98(s,3H),3.43-3.41(m,2H),2.89-2.87(m,4H),2.58-2.55(m,2H),2.51-2.48(m,4H),2.37-2.35(m,2H),1.78-1.71(m,2H),1.67-1.59(m,2H),0.96(t,J=7.3Hz,3H),0.92(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 518.2 M+H];純度:約99.4%.
【0213】
スキーム26:
【0214】
実施例49
2-(4-((3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)エチルニトレート(3b):
2-(5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(32)(100mg、0.19mmol)のアセトニトリル(3mL)中撹拌溶液に、新たに作製したアセチルニトレート(0.13mL)[(アセチルニトレートは、発煙性HNO(1.1mL、25.5mmol)を無水酢酸(2.5mL、26.5mmol)中に、アルゴン雰囲気下、-15℃で30分間かけてゆっくり滴加することにより別に作製した(注:温度は、0℃まで上げてはいけない))]の溶液をアルゴン雰囲気下、-15℃で15分間かけて滴加した。反応物を-15℃~-5℃で4時間撹拌した。反応の完了後(TLCでモニター)、反応物を0℃で飽和NaHCO溶液(10mL)を用いてクエンチし、EtOAc(3x20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、逆相カラムクロマトグラフィー(C-18カラム;Grace System)を用いて、水中60~70%アセトニトリル勾配で溶出することにより精製した。純粋な画分を凍結乾燥して、標記化合物3b(40mg、約36%収率)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 11.62(s,1H;DOで交換可能),7.88(d,J=2.4Hz,1H),7.80(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),7.37(d,J=8.8Hz,1H),7.21(s,1H),4.56(t,J=5.1Hz,2H),4.13(t,J=6.4Hz,2H),3.98(s,3H),2.90-2.87(m,4H),2.66(t,J=5.1Hz,2H),2.59-2.55(m,2H),2.53-2.50(m,4H),1.78-1.71(m,2H),1.66-1.59(m,2H),0.96(t,J=7.3Hz,3H),0.92(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 563.1[M+H];純度:約96.5%.
【0215】
スキーム27:
【0216】
実施例50
2-(5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-6-(ヒドロキシメチル)-5-メチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(33):
2-(5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(29)(430mg、0.83mmol)の濃HCl溶液(4.3mL)中撹拌溶液に、パラホルムアルデヒド(215mg、0.5w/w)を室温で加え、50℃に15時間加熱した。反応をLCMS分析でモニターした。反応混合物を、室温に冷却し、飽和NaHCO溶液(100mL)で中和した。得られた溶液を、ジクロロメタン中の10%メタノール(3x100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を逆相カラムクロマトグラフィー(C-18カラム;Grace System)を用いて、水中60~70%アセトニトリル勾配で溶出することにより精製し、標記化合物33(270mg;約56%収率)を白色固体として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d)δppm 10.42(br s,1H),7.87(d,J=2.2Hz,1H),7.80(dd,J=8.8,2.2Hz,1H),7.37(d,J=8.8Hz,1H),5.16(br s,1H),4.56(s,2H),4.35(br s,1H),4.13-4.10(m,2H),4.05(s,3H),3.43-3.39(m,2H),2.91-2.86(m,4H),2.61-2.57(m,2H),2.47-2.43(m,4H),2.37-2.33(m,2H),1.79-1.69(m,2H),1.62-1.52(m,2H),0.97(t,J=7.3Hz,3H),0.88(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 548.6[M+H];純度:約95.3%.
【0217】
実施例51
2-(5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒド(34):
2-(5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-6-(ヒドロキシメチル)-5-メチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(33)(260mg、0.47mmol)のCHCl(78mL)中撹拌溶液に、活性化MnO(58%のMn最小含量)(704mg、8.10mmol)およびKMnO(240mg、1.52mmol)を室温で加え、40時間撹拌した。反応をTLCでモニターした。その後、反応混合物をセライトパッドを通して濾過し、CHCl(100mL)で洗浄した。濾液を濃縮して、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Grace System)を用いて、ジクロロメタン中2~5%メタノール勾配で溶出することにより精製し、標記化合物34(190mg)を白色固体として得て、これをさらに精製することなく次の反応に直接用いた。H NMR(300MHz,DMSO-d)δppm 12.13(br s,1H),10.14(s,1H),7.90-7.77(m,2H),7.39(d,J=8.4Hz,1H),4.38(t,J=5.3Hz,1H),4.32(s,3H),4.12(t,J=6.2Hz,2H),3.44-3.40(m,2H),3.01-2.78(m,6H),2.48-2.45(m,4H),2.38-2.35(m,2H),1.78-1.61(m,4H),0.97-0.84(m,6H);LCMS(ESI):m/z 546.3[M+H];純度:約98.9%.
【0218】
実施例52
(E)-2-(5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒドオキシム(35):
2-(5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒド(34)(190mg、0.34mmol)のエタノール(22.8mL)中撹拌溶液に、50%ヒドロキシルアミン水溶液(3.8mL)を室温で加えた。反応物をアルゴン雰囲気下で50℃に5時間加熱した。反応の完了後(TLCでモニター)、反応物を減圧下で濃縮した。得られた残留物を水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(3x25mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(25mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、逆相カラムクロマトグラフィー(C-18カラム;Grace System)を用いて、水中40~50%アセトニトリル勾配で溶出することにより精製した。純粋な画分を凍結乾燥して、標記化合物35(60mg;2ステップで約22%収率)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.77(br s,1H;DOで交換可能),11.58(br s,1H;DOで交換可能),8.33(s,1H),7.88(d,J=2.0Hz,1H),7.80(dd,J=8.8,2.0Hz,1H),7.37(d,J=8.8Hz,1H),4.34(d,J=5.1Hz,1H;DOで交換可能),4.17(s,3H),4.13-4.04(m,2H),3.44-3.39(m,2H),2.91-2.87(m,4H),2.76-2.72(m,2H),2.51-2.47(m,4H),2.38-2.35(m,2H),1.78-1.70(m,2H),1.63-1.54(m,2H),0.96(t,J=7.3Hz,3H),0.88(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 561.6[M+H];純度:約95.3%.
【0219】
スキーム28:
【0220】
実施例53
(E)-2-(1-((3-(6-((ヒドロキシイミノ)メチル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート(3c):
2a(実施例29)および2b(実施例37)と同様に、(E)-2-(5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒドオキシム(35)(150mg、0.29mmol)のアセトニトリル(6.0mL)中撹拌溶液に、新たに作製したアセチルニトレート(0.13mL;1.5mmol)[(アセチルニトレートは、発煙性HNO(1.1mL、25.5mmol)を無水酢酸(2.5mL、26.5mmol)中に、アルゴン雰囲気下、-15℃で30分間かけてゆっくり滴加することにより別に作製する(注:温度は、0℃まで上げてはいけない))]の溶液をアルゴン雰囲気下、-10℃で10分間かけて滴加する。反応物を-10℃~-5℃で4時間撹拌する。反応をTLCでモニターする。4時間後、反応物を-15℃に冷却し、アセチルニトレート(0.05mL;0.6mmol)を加える。反応物を-10℃~-5℃でさらに2時間撹拌する。反応の完了後(TLCでモニター)、反応物を0℃で飽和NaHCO溶液(10mL)を用いてクエンチし、EtOAc(3x20mL)で抽出する。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮する。得られた粗生成物を、逆相カラムクロマトグラフィー(C-18カラム;Grace System)を用いて、水中45%アセトニトリル勾配で溶出することにより精製する。得られた固形物をジエチルエーテル(3mL)ですりつぶし、標記化合物3cを得る。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.81(s,1H;DOで交換可能),11.63(s,1H;DOで交換可能),8.34(s,1H),7.87(d,J=2.0Hz,1H),7.81(dd,J=8.8,2.0Hz,1H),7.38(d,J=8.8Hz,1H),4.57-4.55(m,2H),4.17(s,3H),4.12(t,J=6.1Hz,2H),2.91-2.88(m,4H),2.76-2.73(m,2H),2.67-2.64(m,2H),2.54-2.51(m,4H),1.78-1.69(m,2H),1.62-1.53(m,2H),0.96(t,J=7.6Hz,3H),0.87(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 606.5[M+H];純度:約96.5%.
【0221】
スキーム29:
【0222】
実施例54
(R)-2-(5-((4-(1,2-ジヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-エチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(37):
3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシベンゼンスルホン酸(3)(500mg、1.13mmol)のCHCl(30mL)およびDMF(0.5mL)中撹拌溶液に、塩化オキサリル(0.5mL、5.67mmol)をアルゴン雰囲気下、0℃で15分かけて滴加した。添加後、反応混合物を同じ温度で6時間撹拌した。反応の完了後(TLCおよびLCMSでモニター)、反応物を20℃未満で減圧下で濃縮し、真空をアルゴン雰囲気で再充填した。得られた残留物をCHCl(2x6mL)と共蒸留し、粗生成物4を淡黄色液体として得た。
上記粗製材料4のエタノール(20mL)中の撹拌溶液に、0℃でトリエチルアミン(2.4mL、17mmol)を滴加し、続けて、(R)-1-(ピペリジン-4-イル)エタン-1,2-ジオール・塩酸塩(配合剤36:国際公開第2005/026145A1号)(186mg、0.56mmol)のエタノール(10mL)中溶液を不活性雰囲気下、同じ温度で加えた。反応物を室温で12時間攪拌した。反応の完了後(LCMSでモニター)、反応混合物を減圧下で濃縮して残留物を得て、これを、逆相カラムクロマトグラフィー(C-18カラム;Grace System)を用いて、水中50~55%アセトニトリル勾配で溶出することにより精製し、標記化合物37(37mg)を灰色がかった白色の固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.61(br s,1H;DOで交換可能),7.92(d,J=2.4Hz,1H),7.79(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),7.36(d,J=9.3Hz,1H),7.30(s,1H),4.27-4.49(m,2H +(2-OH;DOで交換可能)),4.13(t,J=6.1Hz,2H),3.67-3.64(m,2H),3.27-3.12(m,3H),2.59-2.55(m,2H),2.25-2.11(m,2H),1.78-1.72(m,3H),1.69-1.54(m,3H),1.45-1.18(m,6H),0.97(t,J=7.3Hz,3H),0.92(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 547.49[M+H];純度:約98.5%.
【0223】
スキーム30:
【0224】
実施例55
(R)-1-(1-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エタン-1,2-ジイルジニトレート(1k):
(R)-2-(5-((4-(1,2-ジヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-エチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(37)(140mg、0.25mmol)のCHCl(2.1mL)中撹拌溶液に、新たに作製したアセチルニトレート(0.24mL)[(アセチルニトレートは、発煙性HNO(0.04mL、6.0当量)を無水酢酸(0.2mL、1:5のHNO)中に、アルゴン雰囲気下、-10℃でゆっくり滴加することにより別に作製した(注:温度は、0℃を超えて上げてはいけない))]の溶液をアルゴン雰囲気下、-10℃で滴加した。反応混合物を0℃で1時間攪拌した。反応の完了後(TLCでモニター)、反応混合物を飽和NaHCO溶液(15mL)を用いてクエンチし、CHCl(2x25mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(25mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、分取HPLC(XBridge C18カラム;水中35~100%アセトニトリル勾配)により精製した。純粋な画分を凍結乾燥して、標記化合物1k(50mg、31%収率)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.61(s,1H;DOで交換可能),7.94(d,J=2.4Hz,1H),7.80(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),7.37(d,J=8.8Hz,1H),7.31(s,1H),5.33-5.29(m,1H),4.94(dd,J=12.7,2.4Hz,1H),4.71(dd,J=12.7,6.1Hz,1H),4.37(q,J=7.3Hz,2H),4.13(t,J=6.4Hz,2H),3.76-3.64(m,2H),2.59-2.55(m,2H),2.29-2.23(m,2H),1.87-1.70(m,5H),1.66-1.61(m,2H),1.46-1.42(m,2H),1.36(t,J=7.1Hz,3H),0.97(t,J=7.3Hz,3H),0.92(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 637.31[M+H];純度:約99.7%.
【0225】
スキーム31:
【0226】
実施例56
(S)-2-(5-((4-(1,2-ジヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-エチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(39):
3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシベンゼンスルホン酸(3)(250mg、0.56mmol)のCHCl(15mL)およびDMF(0.25mL)中撹拌溶液に、塩化オキサリル(0.29mL、3.39mmol)をアルゴン雰囲気下、0℃で15分かけて滴加した。添加後、反応混合物を同じ温度で6時間撹拌した。反応の完了後(LCMSでモニター)、反応物を20℃未満で減圧下で濃縮し、真空をアルゴン雰囲気で再充填した。得られた残留物をCHCl(2x5mL)と共蒸留し、粗生成物4を淡黄色液体として得た。
【0227】
上記粗製材料4のエタノール(5mL)中撹拌溶液に、0℃でトリエチルアミン(1.17mL、8.49mmol)を滴加し、続けて、(S)-1-(ピペリジン-4-イル)エタン-1,2-ジオール・塩酸塩(配合剤38:国際公開第2005/026145A1号)(154mg、0.84mmol)のエタノール(10mL)中溶液を不活性雰囲気下、同じ温度で加えた。反応物を室温で12時間攪拌した。反応の完了後(LCMSでモニター)、反応混合物を減圧下で濃縮して残留物を得て、これを、逆相カラムクロマトグラフィー(C-18カラム;Grace System)を用いて、水中50%アセトニトリルで溶出することにより精製し、標記化合物39(36mg)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.61(br s,1H;DOで交換可能),7.92(d,J=2.4Hz,1H),7.79(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),7.36(d,J=9.3Hz,1H),7.30(s,1H),4.27-4.49(m,2H +(2-OH;DOで交換可能)),4.13(t,J=6.1Hz,2H),3.67-3.64(m,2H),3.27-3.12(m,3H),2.59-2.55(m,2H),2.25-2.11(m,2H),1.78-1.72(m,3H),1.69-1.54(m,3H),1.45-1.18(m,6H),0.97(t,J=7.3Hz,3H),0.92(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 547.46[M+H];純度:約98.74%.
【0228】
スキーム32:
【0229】
実施例57
(S)-1-(1-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エタン-1,2-ジイルジニトレート(1l):
(S)-2-(5-((4-(1,2-ジヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-エチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(39)(140mg、0.25mmol)のCHCl(2.1mL)中撹拌溶液に、新たに作製したアセチルニトレート(0.24mL)[(アセチルニトレートは、発煙性HNO(0.04mL、6.0当量)を無水酢酸(0.2mL、1:5のHNO)中に、アルゴン雰囲気下、-10℃でゆっくり滴加することにより別に作製した(注:温度は、0℃を超えて上げてはいけない))]の溶液をアルゴン雰囲気下、-10℃で滴加した。反応混合物を0℃で1時間攪拌した。反応の完了後(TLCでモニター)、反応混合物を飽和NaHCO溶液(20mL)を用いてクエンチし、CHCl中の10%メタノール(3x10mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(25mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、分取HPLC(XBridge C18カラム;水中35~100%アセトニトリル勾配)により精製した。該当する純粋画分を凍結乾燥して、標記化合物1l(13.5mg)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.61(s,1H;DOで交換可能),7.94(d,J=2.4Hz,1H),7.80(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),7.37(d,J=8.8Hz,1H),7.31(s,1H),5.33-5.29(m,1H),4.94(dd,J=12.7,2.4Hz,1H),4.71(dd,J=12.7,6.1Hz,1H),4.37(q,J=7.3Hz,2H),4.13(t,J=6.4Hz,2H),3.76-3.64(m,2H),2.59-2.55(m,2H),2.29-2.23(m,2H),1.87-1.70(m,5H),1.66-1.61(m,2H),1.46-1.42(m,2H),1.36(t,J=7.1Hz,3H),0.97(t,J=7.3Hz,3H),0.92(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 637.29[M+H];純度:約98.2%.
【0230】
スキーム32:
【0231】
実施例58
2-(2-エトキシ-5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)フェニル)-6-(ヒドロキシメチル)-5-メチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(40):
2-(2-エトキシ-5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)フェニル)-5-メチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(20)(2.5g、4.96mmol)の濃HCl溶液(25mL)中撹拌溶液に、パラホルムアルデヒド(1.25g、0.5w/w)を室温で加え、不活性雰囲気下で50℃に12時間加熱した。反応の完了後(TLCでモニター)、反応混合物を室温に冷却し、飽和NaHCO溶液(250mL)で中和した。得られた溶液を、ジクロロメタン中の10%メタノール(3x200mL)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18カラム;Grace System)を用いて、水中20~35%アセトニトリル勾配で溶出することにより精製し、標記化合物40(1.5g;約86%収率)を灰色がかった白色の固体として得て、これをさらに精製することなく直接次の反応に用いた。H NMR(300MHz,DMSO-d)δppm 11.73(br s,1H),7.96-7.81(m,2H),7.39(d,J=8.4Hz,1H),5.18(t,J=4.9Hz,1H),4.56(d,J=4.9Hz,2H),4.23(q,J=6.8Hz,2H),4.05(s,3H),3.82-3.682(m,4H),3.22-3.11(m,2H),2.91-2.79(m,4H),2.63-2.58(m,2H),2.48-2.32(m,3H),1.63-1.52(m,2H),1.35(t,J=6.8Hz,3H),0.88(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 534.1[M+H];純度:約86%.
【0232】
実施例59
2-(2-エトキシ-5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)フェニル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒド(41):
2-(2-エトキシ-5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)フェニル)-6-(ヒドロキシメチル)-5-メチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(40)(800mg)のジクロロメタン(320mL)中撹拌溶液に、活性化58%MnO(2.26g、26mmol)およびKMnO(760mg、4.8mmol)を室温で加え、24時間撹拌した。反応をTLCでモニターした。反応混合物をセライトパッドを通して濾過し、ジクロロメタン(250mL)で洗浄した。濾液を濃縮して、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Grace System)を用いて、ジクロロメタン中30%メタノール:ジクロロメタンによる6~8%勾配で抽出して、標記化合物41(180mg)を白色固体として得て、続けて、ジクロロメタン中30%メタノール:ジクロロメタンによる15~20%勾配で溶出することによりさらに精製し、未反応物40(400mg)を灰色がかった白色の固体として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d)δppm 12.14(br s,1H),10.15(s,1H),7.86(d,J=2.1Hz,1H),7.84(dd,J=8.4,2.1Hz,1H),7.38(d,J=8.4Hz,1H),4.36(t,J=5.3Hz,1H),4.32(s,3H),4.22(q,J=6.8Hz,2H),3.44-3.38(m,2H),2.97-2.86(m,6H),2.49-2.43(m,4H),2.38-2.34(m,2H),1.72-1.60(m,2H),1.34(t,J=6.8Hz,3H),0.91(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 532.3[M+H];純度:約96.7%.
【0233】
実施例60
(E)-2-(2-エトキシ-5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)フェニル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒドオキシム(42):
2-(2-エトキシ-5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)フェニル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒド(41)(80mg、0.15mmol)のエタノール(9.6mL)中撹拌溶液に、50%ヒドロキシルアミン水溶液(1.6mL)を室温で加え、50℃に5時間加熱した。反応の完了後(TLCでモニター)、反応物を減圧下で濃縮した。得られた残留物を水(10mL)で希釈し、ジクロロメタン中の10%メタノール(3x20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗生成物を80℃でイソプロパノール(3.0mL)に溶解し、室温まで冷却させた。固体沈殿物を濾過し、乾燥して、標記化合物42(24.5mg、30%収率)を淡黄色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.81(s,1H;DOで交換可能),11.59(s,1H;DOで交換可能),8.34(s,1H),7.89(d,J=2.2Hz,1H),7.81(dd,J=8.8,2.2Hz,1H),7.37(d,J=8.8Hz,1H),4.33(t,J=5.4Hz,1H;DOで交換可能),4.23(q,J=6.8Hz,2H),4.17(s,3H),3.44-3.40(m,2H),2.91-2.87(m,4H),2.76-2.74(m,2H),2.49-2.44(m,4H),2.38-2.34(m,2H),1.62-1.56(m,2H),1.35(t,J=6.8Hz,3H),0.88(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 547.6[M+H];純度:約95.9%.
【0234】
スキーム33:
【0235】
実施例61
2-(4-((4-エトキシ-3-(6-ホルミル-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)エチルニトレート(43):
2-(2-エトキシ-5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)フェニル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒド(41)(230mg、0.43mmol)のアセトニトリル(9.2mL)中撹拌溶液に、新たに作製したアセチルニトレート(0.4mL;4.6mmol)[(アセチルニトレートは、発煙性HNO(1.1mL、25.5mmol)を無水酢酸(2.5mL、26.5mmol)中に、アルゴン雰囲気下、-15℃で30分間かけてゆっくり滴加することにより別に作製した(注:温度は、0℃を超えて上げてはいけない))]の溶液をアルゴン雰囲気下、-10℃で10分間かけて滴加した。反応物を-5℃で4時間撹拌した。反応の完了後(TLCでモニター)、反応物を0℃で飽和NaHCO溶液(20mL)を用いてクエンチし、酢酸エチル(3x20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物43(250mg)を褐色の半固体として得て、これを精製することなく直接次の反応に用いた。LCMS(ESI):m/z 577.6[M+H];純度:約74%.
【0236】
実施例62
(E)-2-(4-((4-エトキシ-3-(6-((ヒドロキシイミノ)メチル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)エチルニトレート(2g):
2-(4-((4-エトキシ-3-(6-ホルミル-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)エチルニトレート(43)(250mg、約74%純度)のエタノール(30mL)中撹拌溶液に、50%ヒドロキシルアミン水溶液(5mL)を室温で加えた。反応物を50℃に5時間加熱した。反応の完了後(LCMS分析でモニター)、反応物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残留物を水(15mL)で希釈し、酢酸エチル(3x25mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Grace System)を用いて、ジクロロメタン中30%メタノール:ジクロロメタンの6%で溶出し、続けて、熱イソプロパノール(3mL)から再結晶化することにより精製して、標記化合物2g(29.3mg)を淡黄色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.80(s,1H;DOで交換可能),11.59(s,1H;DOで交換可能),8.34(s,1H),7.89(d,J=2.4Hz,1H),7.81(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),7.37(d,J=8.8Hz,1H),4.56(t,J=5.1Hz,2H),4.23(q,J=6.8Hz,2H),4.17(s,3H),2.91-2.89(m,4H),2.77-2.74(m,2H),2.67-2.65( m,2H),2.54-2.51(m,4H),1.63-1.54(m,2H),1.35(t,J=6.8Hz,3H),0.88(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 590.4[M-H];純度:約96.6%.
【0237】
スキーム34:
【0238】
実施例63
5-((4-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシ安息香酸(44):
2-(ピペラジン-1-イル)プロパン-1-オール(3.1g、21.52mmol)のジクロロメタン(36mL)中撹拌溶液に、不活性雰囲気下、トリエチルアミン(14.9mL、107.64mmol)を0℃で加えた。これに、5-(クロロスルホニル)-2-プロポキシ安息香酸(6.0g、21.52mmol)のジクロロメタン(36mL)中溶液を不活性雰囲気下、0℃で滴加した。反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応の完了後(LCMSでモニター)、反応混合物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18カラム;Grace System)(後処理なし)を用いて、水中5~20%アセトニトリル勾配で溶出することにより直接精製し、不純物としてトリエチルアミン塩酸塩を有する12gの化合物44を得た。得られた生成物をCHCl(30mL)中に溶解した後、n-ヘキサン(200mL)で希釈した。得られた混合物を室温で2時間撹拌し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、標記化合物2(8.3g)を白色ゴムとして得た。H NMR(400MHz,CDCl)δppm 11.8(br s,1H),8.24(d,J=2.4Hz,1H),7.76(dd,J=8.4,2.4Hz,1H),7.05(d,J=8.4Hz,1H),4.18-4.15(m,2H),3.72-3.70(m,2H),3.06-3.03(m,5H),2.61-2.58(m,6H),1.94-1.89(m,2H),1.70-1.67(m,2H),1.09(t,J=7.2Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 387.5[M+H];純度:約95.4%.
【0239】
実施例64
3-(5-((4-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシベンズアミド)-1-メチル-4-プロピル-1H-ピロール-2-カルボキサミド(45):
5-((4-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシ安息香酸(44)(8.3g)のDMF(49.8mL)中撹拌溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(11.2mL、64.5mmol)を加え、続けて、TBTU(13.8g、43.0mmol)を15~20℃で加え、20分間撹拌した。これに、3-アミノ-1-メチル-4-プロピル-1H-ピロール-2-カルボキサミド(国際公開第2001/060825A1号)(3.89g、21.50mmol)を同じ温度で、30分かけて、何度かに分けて加えた。反応物を不活性雰囲気下、室温で2時間攪拌した。反応の完了後(TLCおよびLCMS分析でモニター)、反応物を氷冷水(500mL)を用いてクエンチし、酢酸エチル(3x100mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(150mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Grace System)を用いて、ジクロロメタン中30%メタノール:ジクロロメタンによる10~15%勾配で溶出することにより精製し、標記化合物45(2.1g)を白色固体として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d)δppm 9.49(s,1H),7.82-7.79(m,2H),7.41(d,J=8.8Hz,1H),7.24(br s,1H),6.92(br s,1H),6.71(s,1H),4.34(br t,J=4.8Hz,1H),4.21-4.16(m,2H),3.74(s,3H),3.38-3.31(m,2H),2.89-2.84(m,4H),2.45-2.39(m,4H),2.33-2.24(m,4H),1.85-1.75(m,2H),1.51-1.42(m,4H),0.98(t ,J=7.2Hz,3H),0.88(t,J=7.2Hz,3H).
【0240】
実施例65
2-(5-((4-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(46):
3-(5-((4-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシベンズアミド)-1-メチル-4-プロピル-1H-ピロール-2-カルボキサミド(45)(2.1g、3.82mmol)のエタノール(33.6mL)中撹拌溶液に、1MのKOH水溶液(29.4mL)を室温で加えた。反応混合物を100℃で16時間加熱した。反応の完了後(TLCでモニター)、反応物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残留物を水(110mL)で希釈し、酢酸エチル(3x50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮して、標記化合物46(1.55g、73%収率)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.64(br s,1H;DOで交換可能),7.88(d,J=2.4Hz,1H),7.79(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),7.37(d,J=8.8Hz,1H),7.21(s,1H),4.32(br t,J=5.1Hz,1H;DOで交換可能),4.13(t,J=6.4Hz,2H),3.98(s,3H),3.41-3.32(m,2H),2.92-2.86(m,4H),2.58-2.55(m,2H),2.44-2.38(m,4H),2.32-2.29(m,2H),1.78-1.70(m,2H),1.68-1.59(m,2H),1.53-1.48(m,2H),0.96(t,J=7.3Hz,3H),0.92(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 532.6[M+H];純度:約97.5%.
【0241】
スキーム35:
【0242】
実施例65
3-(4-((3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)プロピルニトレート(3d):
2-(5-((4-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(46)(200mg、0.37mmol)のアセトニトリル(6.0mL)中撹拌溶液に、新たに作製したアセチルニトレート(0.13mL;1.88mmol)[(アセチルニトレートは、発煙性HNO(1.1mL、25.5mmol)を無水酢酸(2.5mL、26.5mmol)中に、アルゴン雰囲気下、-15℃で30分間かけてゆっくり滴加することにより別に作製した(注:温度は、0℃まで上げてはいけない))]の溶液をアルゴン雰囲気下、-10℃で10分間かけて滴加した。反応物を-15℃~-10℃で4時間撹拌した。反応をTLCおよびLCMS分析でモニターした。反応物を0℃で飽和NaHCO溶液(14mL)を用いてクエンチし、酢酸エチル(3x20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、逆相カラムクロマトグラフィー(C18カラム;Grace System)により、水中35~40%アセトニトリル勾配で溶出することにより精製した。純粋な画分を凍結乾燥して、標記化合物3d(32mg)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.63(s,1H;DOで交換可能),7.89(d,J=2.4Hz,1H),7.80(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),7.37(d,J=8.8Hz,1H),7.21(s,1H),4.48(t,J=6.6Hz,2H),4.13(t,J=6.1Hz,2H),3.98(s,3H),2.95-2.89(m,4H),2.58-2.55(m,2H),2.48-2.42(m,4H),2.38-2.34(m,2H),1.80-1.70(m,4H),1.68-1.58(m,2H),0.97(t,J=7.4Hz,3H),0.92(t,J=7.4Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 577.6[M+H];純度:約95.2%.
【0243】
スキーム36:
【0244】
実施例66
2-(5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-6-(ヒドロキシメチル)-5-メチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(47):
2-(5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(32)(550mg、1.06mmol)の濃HCl溶液(5.5mL)中撹拌溶液に、パラホルムアルデヒド(275mg、0.5w/w)を室温で加え、不活性雰囲気下で50℃に加熱した。反応をLCMS分析でモニターした。16時間後、反応混合物を、室温に冷却し、水(30mL)で希釈し、飽和NaHCO溶液(150mL)で中和した。得られた溶液を、ジクロロメタン中の10%メタノール(3x100mL)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗生成物を逆相カラムクロマトグラフィー(C-18カラム;Grace System)を用いて、水中35~40%アセトニトリル勾配で溶出することにより精製し、標記化合物47(230mg;37%収率)を白色固体として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d)δppm 10.42(br s,1H),7.87(d,J=2.2Hz,1H),7.80(dd,J=8.8,2.2Hz,1H),7.37(d,J=8.8Hz,1H),5.16(br s,1H),4.56(s,2H),4.35(br s,1H),4.13-4.10(m,2H),4.05(s,3H),3.43-3.39(m,2H),2.91-2.86(m,4H),2.61-2.57(m,2H),2.47-2.43(m,4H),2.37-2.33(m,2H),1.79-1.69(m,2H),1.62-1.52(m,2H),0.97(t,J=7.3Hz,3H),0.88(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 548.6[M+H];純度:約95.3%.
【0245】
実施例67
2-(5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒド(48):
2-(5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-6-(ヒドロキシメチル)-5-メチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(47)(700mg、1.28mmol)のアセトニトリル(350mL)中撹拌溶液に、活性化58%MnO(1.89g、21.79mmol)を室温で加え、24時間撹拌した。反応をTLCおよびLCMS分析でモニターした。反応混合物をセライトパッドを通して濾過した。58%活性化MnO(1.89g、21.79mmol)を室温で濾液に加え、さらに24時間撹拌した。反応混合物をセライトパッドを通して濾過し、アセトニトリル(100mL)で洗浄した。得られた濾液を減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Grace System)を用いて、ジクロロメタン中30%メタノール:ジクロロメタンによる4~8%勾配で溶出することにより精製し、標記化合物48(220mg、31%収率)を白色固体として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d)δppm 12.13(br s,1H),10.14(s,1H),7.90-7.77(m,2H),7.39(d,J=8.4Hz,1H),4.38(t,J=5.3Hz,1H),4.32(s,3H),4.12(t,J=6.2Hz,2H),3.44-3.40(m,2H),3.01-2.78(m,6H),2.48-2.45(m,4H),2.38-2.35(m,2H),1.78-1.61(m,4H),0.97-0.84(m,6H);LCMS(ESI):m/z 546.3[M+H];純度:約98.9%.
【0246】
実施例68
(E)-2-(5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒドオキシム(49):
2-(5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒド(48)(80mg、0.15mmol)のエタノール(9.6mL)中撹拌溶液に、50%ヒドロキシルアミン水溶液(1.6mL)を室温で加えた。反応物をアルゴン雰囲気下で50℃に5時間加熱した。反応の完了後(TLCでモニター)、反応物を減圧下で濃縮した。得られた残留物を水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(3x10mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、逆相カラムクロマトグラフィー(C18カラム;Grace System)を用いて、水中35~40%アセトニトリル勾配で溶出することにより精製した。純粋な画分を凍結乾燥して、標記化合物49(13.3mg)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.77(br s,1H;DOで交換可能),11.58(br s,1H;DOで交換可能),8.33(s,1H),7.88(d,J=2.0Hz,1H),7.80(dd,J=8.8,2.0Hz,1H),7.37(d,J=8.8Hz,1H),4.34(d,J=5.1Hz,1H;DOで交換可能),4.17(s,3H),4.13-4.04(m,2H),3.44-3.39(m,2H),2.91-2.87(m,4H),2.76-2.72(m,2H),2.51-2.47(m,4H),2.38-2.35(m,2H),1.78-1.70(m,2H),1.63-1.54(m,2H),0.96(t,J=7.3Hz,3H),0.88(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 561.6[M+H];純度:約95.3%.
【0247】
スキーム37:
【0248】
実施例68
2-(4-((3-(6-ホルミル-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)エチルニトレート(50):
2-(5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒド(48)(220mg、0.40mmol)のアセトニトリル(6.6mL)中撹拌溶液に、新たに作製したアセチルニトレート(0.2mL;2.82mmol)[(アセチルニトレートは、発煙性HNO(1.1mL、25.5mmol)を無水酢酸(2.5mL、26.5mmol)中に、アルゴン雰囲気下、-15℃で30分間かけてゆっくり滴加することにより別に作製した(注:温度は、0℃を超えて上げてはいけない))]の溶液をアルゴン雰囲気下、-15℃で30分間かけて滴加した。反応物を-10℃~-5℃で4時間撹拌した。反応の完了後(TLCでモニター)、反応物を0℃で飽和NaHCO溶液(15mL)を用いてクエンチし、酢酸エチル(3x20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物50(200mg)を黄色固体として得て、これを直接次の反応に用いた。LCMS(ESI):m/z 591.3[M+H];純度:約94.6%.
【0249】
実施例69
(E)-2-(4-((3-(6-((ヒドロキシイミノ)メチル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)エチルニトレート(3e):
2-(4-((3-(6-ホルミル-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)エチルニトレート(50)(200mg、0.34mmol)のエタノール(24mL)中撹拌溶液に、50%ヒドロキシルアミン水溶液(3mL)を室温で加えた。反応物を50℃に5時間加熱した。反応の完了後(TLCでモニター)、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残留物を水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(3x30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Grace System)を用いて、ジクロロメタン中30%メタノール:ジクロロメタンの10%で溶出することにより精製して、標記化合物3e(43.8mg)を灰色がかった白色の固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.81(s,1H;DOで交換可能),11.63(s,1H;DOで交換可能),8.34(s,1H),7.87(d,J=2.0Hz,1H),7.81(dd,J=8.8,2.0Hz,1H),7.38(d,J=8.8Hz,1H),4.57-4.55(m,2H),4.17(s,3H),4.12(t,J=6.1Hz,2H),2.91-2.88(m,4H),2.76-2.73(m,2H),2.67-2.64(m,2H),2.54-2.51(m,4H),1.78-1.69(m,2H),1.62-1.53(m,2H),0.96(t,J=7.6Hz,3H),0.87(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 606.5[M+H+];純度:約96.5%.
【0250】
スキーム38:
【0251】
実施例70
6-(ヒドロキシメチル)-2-(5-((4-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(47):
2-(5-((4-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(46)(1.0g、1.88mmol)の濃HCl溶液(10mL)中撹拌溶液に、パラホルムアルデヒド(500mg、0.5w/w)を室温で加え、50℃に16時間加熱した。反応の完了後(TLCおよびLCMS分析でモニター)、反応混合物を室温に冷却し、氷冷水(50mL)で希釈し、飽和NaHCO溶液(200mL)で中和した。得られた溶液を、ジクロロメタン中の10%メタノール(3x150mL)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗生成物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18カラム;Grace System)を用いて、水中25~35%アセトニトリル勾配で溶出することにより精製し、標記化合物47(560mg;51%収率)を白色固体として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d)δppm 11.69(br s,1H),7.88(s,1H),7.82(d,J=8.8Hz,1H),7.38(d,J=8.8Hz,1H),5.18(br t,J=5.1Hz,1H),4.56(br d,J=5.1Hz,2H),4.36(br s,1H),4.13(t,J=6.2Hz,2H),4.05(s,3H),3.39-3.34(m,2H),2.91-2.86(m,4H),2.63-2.58(m,4H),2.50-2.21(m,4H),1.80-1.68(m,2H),1.64-1.62(m,4H),0.96(t,J=7.3Hz,3H),0.88(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 562.4[M+H];純度:約82.4%.
【0252】
実施例71
2-(5-((4-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒド(48):
6-(ヒドロキシメチル)-2-(5-((4-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(47)(450mg)のジクロロメタン(225mL)中撹拌溶液に、活性化58%MnO(1.18g、13.66mmol)およびKMnO(405mg、2.56mmol)を室温で加え、30時間撹拌した。その後、反応混合物をセライトパッドを通して濾過した。濾液に、活性化58%MnO(1.18g、21.79mmol)およびKMnO(405mg、2.56mmol)を室温で再度加え、24時間撹拌した。反応をTLCおよびLCMS分析でモニターした。反応混合物をセライトパッドを通して濾過し、ジクロロメタン(200mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Grace System)を用いて、ジクロロメタン中30%メタノール:ジクロロメタンによる6~8%勾配で溶出することにより精製し、標記化合物48(220mg、35%収率)を白色固体として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d)δppm 12.13(br s,1H),10.14(s,1H),7.85-7.80(m,2H),7.39(d,J=8.8Hz,1H),4.37(t,J=5.3Hz,1H),4.32(s,3H),4.12(t,J=6.2Hz,2H),3.30-3.24(m,2H),3.01-2.83(m,6H),2.46-2.38(m,4H),2.33-2.28(m,2H),1.78-1.61(m,4H),1.54-1.45(m,2H),0.97-0.88(m,6H);LCMS(ESI):m/z 560.6[M+H];純度:約88.3%.
【0253】
実施例72
(E)-2-(5-((4-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒドオキシム(49):
2-(5-((4-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒド(48)(80mg、0.14mmol)のエタノール(9.6mL)中撹拌溶液に、50%ヒドロキシルアミン水溶液(1.6mL)を室温で加え、50℃に5時間加熱した。反応の完了後(TLCおよびLCMS分析でモニター)、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残留物を水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(2x10mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗生成物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18カラム;Grace System)を用いて、水中30~35%アセトニトリル勾配で溶出することにより精製し、純粋な画分を凍結乾燥して標記化合物49(17.4mg)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.77(br s,1H;DOで交換可能),11.59(s,1H;DOで交換可能),8.34(s,1H),7.88(d,J=2.0Hz,1H),7.80(dd,J=8.8,2.0Hz,1H),7.38(d,J=8.8Hz,1H),4.32(t,J=5.1Hz,1H;DOで交換可能),4.17(s,3H),4.13(t,J=6.4Hz,2H),3.38-3.33(m,2H),2.92-2.88(m,4H),2.76-2.73(m,2H),2.44-2.39(m,4H),2.33-2.29(m,2H),1.77-1.71(m,2H),1.61-1.55(m,2H),1.53-1.46(m,2H),0.96(t,J=7.3Hz,3H),0.88(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 575.2[M+H];純度:約95.8%.
【0254】
スキーム39:
【0255】
実施例73
3-(4-((3-(6-ホルミル-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)プロピルニトレート(50):
2-(5-((4-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒド(48)(140mg、0.25mmol)のアセトニトリル(4.2mL)中撹拌溶液に、新たに作製したアセチルニトレート(0.09mL;1.25mmol)[(アセチルニトレートは、発煙性HNO(1.1mL、25.5mmol)を無水酢酸(2.5mL、26.5mmol)中に、アルゴン雰囲気下、-15℃で30分間かけてゆっくり滴加することにより別に作製した(注:温度は、0℃を超えて上げてはいけない))]の溶液をアルゴン雰囲気下、-15℃で30分間かけて滴加した。反応物を-10℃~-5℃で4時間撹拌した。反応の完了後(TLCでモニター)、反応物を0℃で飽和NaHCO溶液(10mL)を用いてクエンチし、酢酸エチル(3x20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物50(130mg)を淡褐色固体として得て、これをさらに精製することなく直接次の反応に用いた。LCMS(ESI):m/z 605.2[M+H];純度:約75.1%.
【0256】
実施例74
(E)-3-(4-((3-(6-((ヒドロキシイミノ)メチル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)プロピルニトレート(3f):
3-(4-((3-(6-ホルミル-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)プロピルニトレート(50)(130mg)のエタノール(15.6mL)中撹拌溶液に、50%ヒドロキシルアミン水溶液(2.6mL)を室温で加え、50℃に5時間加熱した。反応の完了後(TLCでモニター)、反応物を減圧下で濃縮した。得られた残留物を水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(3x10mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗生成物を分取HPLC(XBrige C18カラム、水中50~100%アセトニトリル勾配)で精製し、純粋な画分を凍結乾燥して標記化合物3f(13.6mg)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.81(br s,1H;DOで交換可能),11.63(s,1H;DOで交換可能),8.30(s,1H),7.88(s,1H),7.83(d,J=8.8Hz,1H),7.39(d,J=8.8Hz,1H),4.48(t,J=6.6Hz,2H),4.18(s,3H),4.10-4.04(m,2H),2.94-2.89(m,4H),2.73-2.68(m,2H),2.47-2.41(m,4H),2.38-2.35(m,2H),1.81-1.72(m,4H),1.61-1.55(m,2H),0.97(t,J=7.4Hz,3H),0.92(t,J=7.4Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 618.1[M+H];純度:約97.2%.
【0257】
スキーム40:
【0258】
実施例75
1-メチル-3-(2-プロポキシベンズアミド)-4-プロピル-1H-ピロール-2-カルボキサミド(51):
2-プロポキシ安息香酸(5.0g、27.75mmol)のDMF(25mL)中撹拌溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(24mL、138.7mmol)およびTBTU(17.9g、55.5mmol)を冷却温度(約15℃)で加えた。反応物を同じ温度で30分間撹拌し、3-アミノ-1-メチル-4-プロピル-1H-ピロール-2-カルボキサミド(国際公開第2001/060825A1号)(5.03g、27.7mmol)を5分間かけて少しずつ分けて加えた。反応物を室温で1.5時間攪拌した。反応の完了後(TLCでモニター)、反応物を冷水(250mL)を用いてクエンチし、酢酸エチル(3x100mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(3x100mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗生成物をメチルtert-ブチルエーテル(90mL)と室温で1時間すりつぶした。固形物を濾過し、n-ヘキサン(30mL)で洗浄し、真空下で乾燥して標記化合物51(7.3g、76%収率)を灰色がかった白色の固体として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d)δppm 9.39(br s,1H),7.60(dd,J=7.5,1.7Hz,1H),7.53-7.42(m,1H),7.28-6.90(m,4H),6.70(s,1H),4.09(t,J=6.6Hz,2H),3.74(s,3H),2.26(t,J=7.7Hz,2H),1.85-1.73(m,2H),1.54-1.42(m,2H),0.97(t,J=7.3Hz,3H),0.87(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 344.3[M+H];純度:約99%.
【0259】
実施例76
5-メチル-2-(2-プロポキシフェニル)-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(52):
1-メチル-3-(2-プロポキシベンズアミド)-4-プロピル-1H-ピロール-2-カルボキサミド(51)(7.3g、21.26mmol)のエタノール(117mL)中撹拌溶液に、1MのKOH水溶液(102mL)を室温で加えた。反応容器に蓋をし、100℃に3時間加熱した。反応の完了後(TLCでモニター)、反応物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残留物を水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(3x100mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗生成物をn-ヘキサン(70mL)と室温で1時間すりつぶし、固形物を濾過し、真空下で乾燥して標記化合物52(5.5g、78%収率)を灰色がかった白色の固体として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d)δppm 11.45(br s,1H),7.75(dd,J=7.7,1.5Hz,1H),7.54-7.38(m,1H),7.20(s,1H),7.15(d,J=8.4Hz,1H),7.06(t,J=7.5Hz,1H),4.05(t,J=6.2Hz,2H),3.97(s,3H),2.59-2.54(m,2H),1.82-1.56(m,4H),0.98(t,J=7.5Hz,3H),0.92(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 326.3[M+H];純度:約98.1%.
【0260】
実施例77
3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシベンゼンスルホニルクロリド(53):
氷浴(0~5℃)中の攪拌および冷却したクロロスルホン酸(6.2mL)に、窒素雰囲気下で、5-メチル-2-(2-プロポキシフェニル)-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(52)(1.5g、4.61mmol)を何度かに分けて加え、反応混合物を同じ温度で1時間撹拌した。反応物を室温まで徐々に温め、さらに1.5時間攪拌を継続した。得られた混合物を、クロロホルム(50mL)および氷(50g)のよく攪拌した混合物に滴下して移し、クロロホルム中5%メタノール(2x100mL)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSO上で乾燥し、不活性雰囲気下、30℃未満で減圧下で濃縮し、粗生成物を淡黄色半固体として得た。粗生成物をクロロホルム(20mL)中に溶解し、続けて、ジエチルエーテル(30mL)およびn-ヘキサン(110mL)で希釈することにより固化した。不活性雰囲気下で固体沈殿物を濾過し、真空下で乾燥して標記化合物53(1.7g、79%収率)を灰色がかった白色の固体として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d)δppm 13.44(br s,1H),7.94(d,J=1.8Hz,1H),7.85-7.81(m,1H),7.53-7.44(m,1H),7.23-7.18(m,1H),4.14-3.94(m,5H),2.63-2.58(m,2H),1.77-1.49(m,4H),0.96-0.87(m,6H);LCMS(ESI):m/z 424.3[M+H];純度:約90.9%.
【0261】
実施例78
(R)-2-(5-((4-(1,2-ジヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(54):
3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシベンゼンスルホニルクロリド(53)(500mg、1.2mmol)および(R)-1-(ピペリジン-4-イル)エタン-1,2-ジオール塩酸塩(国際公開第2005/026145A1号)(262mg、1.44mmol)のジクロロメタン(40mL)中撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下、トリエチルアミン(0.9mL、6.0mmol)を0℃で滴加した。反応混合物を室温で12時間攪拌した。反応の完了後(TLCおよびLCMS分析でモニター)、反応混合物を水(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄した。有機層を無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Grace System)を用いて、ジクロロメタン中30%メタノール:ジクロロメタンの15%で溶出することにより精製して、標記化合物54(380mg、純度約93%)を灰色がかった白色の固体として得た。80mgの材料をジエチルエーテル(3mL)中で1時間すりつぶすことにより、分析的に純粋な化合物を得た。固形物を濾過し、真空下で乾燥して、99%を超える純度の60mgの標記化合物を白色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.64(s,1H;DOで交換可能),7.89(d,J=2.4Hz,1H),7.79(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),7.36(d,J=8.8Hz,1H),7.22(s,1H),4.43(d,J=4.9Hz,1H;;DOで交換可能),4.39(t,J=5.6Hz,1H;DOで交換可能),4.12(t,J=6.1Hz,2H),3.98(s,3H),3.68-3.63(m,2H),3.31-3.23(m,2H),3.22-3.16(m,1H),2.58-2.54(m,2H),2.23-2.10(m,2H),1.80-1.69(m,3H),1.68-1.56(m,3H),1.42-1.25(m,3H),0.96(t,J=7.6Hz,3H),0.92(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 533.5[M+H];純度:約99.3%;SOR:-1.2°(c=0.5%(メタノール中));ee=59.84%(キラルSFCによる).
【0262】
スキーム41:
【0263】
実施例79
(R)-1-(1-((3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エタン-1,2-ジイルジニトレート(3g)および(R)-2-ヒドロキシ-2-(1-((3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート(3l):
(R)-2-(5-((4-(1,2-ジヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(54)(350mg、0.66mmol)の酢酸エチル(16.0mL)およびジクロロメタン(1.8mL)中撹拌溶液に、新たに作製したアセチルニトレート(0.84mL;9.9mmol)[(アセチルニトレートは、発煙性HNO(1.1mL、25.5mmol)を無水酢酸(2.5mL、26.5mmol)中に、アルゴン雰囲気下、-15℃で30分間かけてゆっくり滴加することにより別に作製した(注:温度は、0℃まで上げてはいけない))]の溶液をアルゴン雰囲気下、-10℃で10分間かけて滴加した。反応物を-5℃で3時間撹拌した。反応の完了後(TLCでモニター)、反応混合物を0℃で飽和NaHCO溶液(100mL)を用いてクエンチし、酢酸エチル(3x25mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(40mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗製混合物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18カラム;Grace System)を用いて、水中60~65%アセトニトリル勾配で溶出することにより精製し、標記化合物3g(31.6mg)を淡黄色固体として、およびモノニトレート3l(25.2mg)を淡黄色固体として得た。
3g:H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.60(s,1H;DOで交換可能),7.93(d,J=2.2Hz,1H),7.80(dd,J=8.8,2.2Hz,1H),7.36(d,J=8.8Hz,1H),7.21(s,1H),5.33-5.30(m,1H),4.95-4.92(m,1H),4.73-4.68(m,1H),4.12(t,J=6.1Hz,2H),3.98(s,3H),3.73-3.67(m,2H),2.58-2.55(m,2H),2.31-2.19(m,2H),1.84-1.71(m,5H),1.68-1.59(m,2H),1.49-1.35(m,2H),0.97(t,J=7.3Hz,3H),0.92(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 623.3[M+H];純度:約96.9%.
3l:H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.60(s,1H;DOで交換可能),7.92(d,J=2.4Hz,1H),7.79(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),7.36(d,J=8.8Hz,1H),7.21(s,1H),5.20(d,J=5.4Hz,1H;DOで交換可能),4.52(dd,J=11.0,3.2Hz,1H),4.37(dd,J=11.0,7.1Hz,1H),4.12(t,J=6.4Hz,2H),3.98(s,3H),3.69-3.64(m,2H),3.55-3.50(m,1H),2.58-2.55(m,2H),2.24-2.18(m,2H),1.80-1.72(m,3H),1.66-1.61(m,3H),1.39-1.31(m,3H),0.97(t,J=7.3Hz,3H),0.92(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 578.3[M+H];純度:約95.8%.
【0264】
スキーム42:
【0265】
実施例80
(S)-2-(5-((4-(1,2-ジヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(55):
3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシベンゼンスルホニルクロリド(53)(500mg、1.18mmol)および(S)-1-(ピペリジン-4-イル)エタン-1,2-ジオール塩酸塩(国際公開第2005/026145A1号)(321mg、1.76mmol)のジクロロメタン(40mL)中撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下、トリエチルアミン(0.84mL、5.89mmol)を0℃で滴加した。反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応の完了後(TLCおよびLCMS分析でモニター)、反応混合物を水(30mL)で洗浄した。水層をジクロロメタン(25mL)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、逆相カラムクロマトグラフィー(Grace System)を用いて、水中40~50%アセトニトリル勾配で溶出することにより精製した。純粋な画分を真空下で濃縮し、標記化合物55(44.2mg)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.60(s,1H;DOで交換可能),7.89(d,J=2.4Hz,1H),7.79(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),7.36(d,J=8.8Hz,1H),7.22(s,1H),4.40(d,J=4.9Hz,1H;DOで交換可能),4.36(t,J=5.6Hz,1H;DOで交換可能),4.12(t,J=6.3Hz,2H),3.98(s,3H),3.68-3.63(m,2H),3.31-3.23(m,2H),3.22-3.16(m,1H),2.58-2.54(m,2H),2.22-2.11(m,2H),1.80-1.69(m,3H),1.68-1.56(m,3H),1.42-1.25(m,3H),0.96(t,J=7.6Hz,3H),0.92(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 533.3 [M+H];純度:約99.1%;ee=50.25%(キラルSFCによる).
【0266】
スキーム43:
【0267】
実施例81
(S)-1-(1-((3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エタン-1,2-ジイルジニトレート(3h):
(S)-2-(5-((4-(1,2-ジヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(55)(160mg、0.30mmol)のジクロロメタン(8.0mL)中撹拌溶液に、新たに作製したアセチルニトレート(0.38mL;4.50mmol)[(アセチルニトレートは、発煙性HNO(1.1mL、25.5mmol)を無水酢酸(2.5mL、26.5mmol)中に、アルゴン雰囲気下、-15℃で30分間かけてゆっくり滴加することにより別に作製した(注:温度は、0℃まで上げてはいけない))]の溶液をアルゴン雰囲気下、-10℃で10分間かけて滴加した。反応物を-5℃で30分間撹拌した。反応の完了後(TLCおよびLCMS分析でモニター)、反応混合物を0℃で飽和NaHCO溶液(20mL)を用いてクエンチし、1時間撹拌した。得られた溶液をジクロロメタン(3x20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(40mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、逆相カラムクロマトグラフィー(C18カラム;Grace System)を用いて、水中60~70%アセトニトリル勾配で溶出することにより精製した。純粋な画分を凍結乾燥して、標記化合物3h(40mg、21%収率)を白色固体として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d)δppm 11.64(s,1H;DOで交換可能),7.92(d,J=2.2Hz,1H),7.80(dd,J=8.8,2.2Hz,1H),7.36(d,J=8.8Hz,1H),7.21(s,1H),5.33-5.30(m,1H),4.97-4.92(m,1H),4.73-4.68(m,1H),4.12(t,J=6.2Hz,2H),3.98(s,3H),3.73-3.67(m,2H),2.58-2.55(m,2H),2.30-2.19(m,2H),1.82-1.70(m,5H),1.68-1.59(m,2H),1.49-1.35(m,2H),0.97(t,J=7.3Hz,3H),0.92(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 623.4[M+H];純度:約98.5%.
【0268】
スキーム44:
【0269】
実施例82
1-(tert-ブチル)4,4-ジエチルピペリジン-1,4,4-トリカルボキシレート(56):
1-(tert-ブチル)4-エチルピペリジン-1,4-ジカルボキシレート(5.0g、19.45mmol)のTHF(50mL)中攪拌溶液に、リチウムジイソプロピルアミド(THF中2M溶液;28.66mL、57.32mmol)を不活性雰囲気下、-78℃で30分かけて滴下した。反応物を-78℃で2時間、その後、-40℃で3時間撹拌した。溶液を冷却して-78℃に戻し、THF(40mL)中のエチルクロロホルメート(6.5mL、68.28mmol)の溶液を加えた。得られた溶液を16時間かけて室温まで温めた。反応物を10%塩化アンモニウム水溶液(100mL)でクエンチし、得られた溶液を酢酸エチル(3x100mL)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮して粗製標記化合物56(10.1g)を褐色液体として得て、これを精製することなく直接次の反応に用いた。GC-FID:m/z 329.2[M];純度:約55%.
【0270】
実施例83
tert-ブチル4,4-ビス(ヒドロキシメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(57):
国際公開第2005/026145A1号に記載のものと同様にして、粗製物1-(tert-ブチル)4,4-ジエチルピペリジン-1,4,4-トリカルボキシレート(56)(10.0g)のトルエン:THF(1:1;200mL)中攪拌溶液に、水素化ホウ素リチウム(2.27g、104.4mmol)を不活性雰囲気下、室温で加えた。反応物を60℃に16時間加熱した。反応物を0℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム溶液(200mL)でクエンチした。得られた溶液を飽和NaHCO溶液(100mL)でpHを約12に調節し、層分離させた。水層を酢酸エチル(3x200mL)中に抽出した。合わせた有機層を水(500mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗生成物をペンタン(200mL)と室温で1時間すりつぶして精製した。形成された固形物を濾過し、n-ペンタン(200mL)で洗浄し、真空下で乾燥して、57(2.8g、2ステップで59%)を白色固体として得た。H NMR(300MHz,CDCl)δppm 3.66(s,4H),3.44-3.37(m,4H),2.40(br s,2H),1.47-1.45(m,13H).
【0271】
実施例84
ピペリジン-4,4-ジイルジメタノール塩酸塩(58):
国際公開第2006/043490号に記載のものと同様にして、tert-ブチル4,4-ビス(ヒドロキシメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(57)(1.0g、4.08mmol)のメタノール(4mL)中攪拌溶液に、1,4-ジオキサン中の4MのHCl溶液(4mL)を0℃で加えた。反応物を室温で16時間攪拌した。反応の完了後(H NMR分析でチェック)、反応混合物を減圧下で濃縮した。粗生成物をn-ペンタン(20mL)と室温で1時間すりつぶして精製し、固形物を濾過し、n-ペンタン(10mL)で再度洗浄し、真空下で乾燥して58(0.6g、定量)を白色固体として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d)δppm 8.67(br s,2H),4.39(br s,2H),3.43-3.32(m,4H),3.03-2.97(m,4H),1.54-1.52(m,4H);MS(ESI):m/z 146.3[M+H].
【0272】
スキーム44:
【0273】
実施例85
2-(5-((4,4-ビス(ヒドロキシメチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(59):
ピペリジン-4,4-ジイルジメタノール塩酸塩(58)(206mg、1.41mmol)のジクロロメタン(10mL)中攪拌溶液に、3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシベンゼンスルホニルクロリド(53)(500mg、1.18mmol)のジクロロメタン(10mL)中溶液を0℃で加えた。これに、トリエチルアミン(0.81mL、5.90mmol)をアルゴン雰囲気下、0℃で滴加した。反応物を室温で16時間攪拌した。反応の完了後(TLCおよびLCMS分析でモニター)、反応混合物をジクロロメタン(20mL)で希釈し、水(20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥して、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Grace System)を用いて、ジクロロメタン中10%メタノール:ジクロロメタンによる5~10%勾配で溶出することにより精製し、標記化合物59(335mg、49%収率)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.67(s,1H;DOで交換可能),7.91(d,J=2.4Hz,1H),7.80(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),7.36(d,J=8.8Hz,1H),7.22(s,1H),4.39(t,J=5.4Hz,2H;DOで交換可能),4.12(t,J=6.4Hz,2H),3.98(s,3H),3.16(d,J=5.4Hz,4H),2.93-2.89(m,4H),2.58-2.54(m,2H),1.79-1.70(m,2H),1.68-1.58(m,2H),1.46-1.41(m,4H),0.97(t,J=7.3Hz,3H),0.92(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 533.2[M+H];純度:約92.4%.
【0274】
スキーム45:
【0275】
実施例86
(1-((3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4,4-ジイル)ビス(メチレン)ジニトレート(3i):
2-(5-((4,4-ビス(ヒドロキシメチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(59)(200mg、0.37mmol)のアセトニトリル(6mL)中撹拌溶液に、新たに作製したアセチルニトレート(0.31mL;3.75mmol)[(アセチルニトレートは、発煙性HNO(1.1mL、25.5mmol)を無水酢酸(2.5mL、26.5mmol)中に、アルゴン雰囲気下、-15℃で30分間かけてゆっくり滴加することにより別に作製した(注:温度は、0℃まで上げてはいけない))]の溶液をアルゴン雰囲気下、-15℃で30分間かけて滴加した。反応物を-10℃~-5℃で4時間撹拌した。反応の完了後(TLCでモニター)、反応物を0℃で飽和NaHCO溶液(10mL)を用いてクエンチし、酢酸エチル(3x30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Grace System)を用いて、ジクロロメタン中10%メタノール:ジクロロメタンによる2~8%勾配で溶出することにより精製し、標記化合物3i(53mg;21%収率)を淡黄色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.63(s,1H;DOで交換可能),7.96(d,J=2.0Hz,1H),7.82(dd,J=8.8,2.0Hz,1H),7.36(d,J=8.8Hz,1H),7.22(s,1H),4.43(s,4H),4.13(t,J=6.4Hz,2H),3.98(s,3H),3.10-3.06(m,4H),2.59-2.45(m,2H),1.80-1.71(m,2H),1.69-1.58(m,6H),0.97(t,J=7.3Hz,3H),0.92(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 623.2[M+H];純度:約97.5%.
【0276】
スキーム46:
【0277】
実施例87
2-(5-((4-(ヒドロキシメチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(60):
3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシベンゼン-1-スルホニルクロリド(53)(100mg、0.23mmol)およびピペリジン-4-イルメタノール(32.6mg、0.28mmol)のジクロロメタン(10mL)中撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下、トリエチルアミン(0.164mL、1.18mmol)を0℃で滴加した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応の完了後(TLCでモニター)、反応混合物をジクロロメタン(5mL)で希釈し、水(2x10mL)で洗浄した。有機層を無水NaSO上で乾燥し、留去した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Grace System)を用いて、ジクロロメタン中10%メタノール:ジクロロメタンによる10~15%勾配で溶出することにより精製し、標記化合物60(35.2mg、28%収率)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.66(s,1H;DOで交換可能),7.90(d,J=2.0Hz,1H),7.80(dd,J=8.8,2.0Hz,1H),7.36(d,J=8.8Hz,1H),7.22(s,1H),4.49(t,J=5.1Hz,1H;DOで交換可能),4.12(t,J=6.4Hz,2H),3.98(s,3H),3.67-3.62(m,2H),3.23-3.19(m,2H),2.58-2.54(m,2H),2.27-2.19(m,2H),1.78-1.58(m,6H),1.36-1.23(m,1H),1.21-1.10(m,2H),0.97(t,J=7.3Hz,3H),0.92(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 503.3[M+H];純度:約97.7%.
【0278】
スキーム47:
【0279】
実施例88
(1-((3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)メチルニトレート(3k):
2-(5-((4-(ヒドロキシメチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(60)(200mg、0.39mmol)のアセトニトリル(6mL)中撹拌溶液に、新たに作製したアセチルニトレート(0.23mL;2.78mmol)[(アセチルニトレートは、発煙性HNO(1.1mL、25.5mmol)を無水酢酸(2.5mL、26.5mmol)中に、アルゴン雰囲気下、-15℃で30分間かけてゆっくり滴加することにより別に作製した(注:温度は、0℃まで上げてはいけない))]の溶液をアルゴン雰囲気下、-10℃で30分間かけて滴加した。反応物を-10℃~-5℃で4時間撹拌した。反応の完了後(TLCでモニター)、反応物を0℃で飽和NaHCO溶液(10mL)を用いてクエンチし、酢酸エチル(3x30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、逆相カラムクロマトグラフィー(C18カラム;Grace System)を用いて、水中50~60%アセトニトリル勾配で溶出することにより精製した。純粋な画分を凍結乾燥して、標記化合物3k(19.5mg)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.61(s,1H;DOで交換可能),7.93(d,J=2.4Hz,1H),7.80(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),7.36(d,J=8.8Hz,1H),7.21(s,1H),4.38(d,J=6.4Hz,2H),4.12(t,J=6.1Hz,2H),3.98(s,3H),3.69-3.64(m,2H),2.58-2.54(m,2H),2.32-2.27(m,2H),1.79-1.71(m,5H),1.68-1.59(m,2H),1.37-1.26(m,2H),0.97(t,J=7.3Hz,3H),0.92(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 548.5[M+H];純度:約99.7%.
【0280】
スキーム48:
【0281】
実施例89
(R)-2-(5-((4-(1,3-ジオキソラン-4-イル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-6-(ヒドロキシメチル)-5-メチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(61):
(R)-2-(5-((4-(1,2-ジヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(54)(500mg、0.94mmol)の濃HCl溶液(35%水溶液;5.0mL)中撹拌溶液に、パラホルムアルデヒド(250mg、0.5w/w)を不活性雰囲気下、室温で加えた。反応混合物を50℃に加熱し、6時間撹拌した。反応の完了後(LCMSでモニター)、反応混合物を室温に冷却し、飽和NaHCO水溶液(100mL)でpHを7.0~8.0に調節した。得られた溶液を、ジクロロメタン中の10%メタノール(3x100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を無水NaSO上で乾燥後、減圧下で濃縮した。粗生成物を逆相カラムクロマトグラフィー(C-18カラム;Grace System)を用いて、水中45~50%アセトニトリル勾配で溶出することにより精製し、標記化合物61(230mg;38%収率)を白色固体として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d)δppm 11.72(br s,1H;DOで交換可能),7.91(d,J=2.1Hz,1H),7.81(dd,J=8.8,2.1Hz,1H),7.36(d,J=8.8Hz,1H),4.86(s,1H),4.72(s,1H),4.56(s,2H),4.14-4.09(m,2H),4.05(s,3H),3.87(br s,1H;DOで交換可能),3.86-3.81(m,1H),3.71-3.64(m,3H),3.49-3.45(m,1H),2.63-2.57(m,2H),2.27-2.20(m,2H),1.87-1.83(m,1H),1.77-1.70(m,2H),1.61-1.54(m,3H),1.36-1.22(m,3H),0.96(t,J=6.9Hz,3H),0.88(t,J=6.9Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 575.40 [M+H];純度:約87.7%.
【0282】
実施例90
(R)-2-(5-((4-(1,3-ジオキソラン-4-イル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒド(62):
(R)-2-(5-((4-(1,3-ジオキソラン-4-イル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-6-(ヒドロキシメチル)-5-メチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(61)(230mg、0.40mmol)のCHCN(115mL)中撹拌溶液に、活性化MnO(58%Mn;1.05g、12mmol)を室温で加え、16時間撹拌した。反応の完了後(LCMSでモニター)、反応混合物をセライトパッドを通して濾過し、CHCl(300mL)で洗浄した。濾液を濃縮し、粗生成物を得た。注:同じ反応を170mg規模で繰り返し、両方の粗生成物を合わせて、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(100~200メッシュ)でCHCl中1%のMeOHで溶出することにより精製し、標記化合物62(250mg、約58%収率)を白色固体として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d)δppm 12.13(s,1H),10.15(s,1H),7.90-7.81(m,2H),7.37(d,J=8.8Hz,1H),4.86(s,1H),4.72(s,1H),4.32(s,3H),4.13-4.09(m,2H),3.86-3.82(m,1H),3.71-3.63(m,3H),3.50-3.46(m,1H),2.96-2.92(m,2H),2.28-2.20(m,2H),1.86-1.82(m,1H),1.76-1.62(m,4H),1.41-1.24(m,4H),0.97-0.87(m,6H);LCMS(ESI):m/z 573.42[M+H];純度:約92.6%.
【0283】
実施例91
(R)-2-(5-((4-(1,2-ジヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒド(63):
(R)-2-(5-((4-(1,3-ジオキソラン-4-イル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒド(62)(120mg、0.21mmol)のMeOH:CHCl(1:2、3.0mL)中撹拌溶液に、濃HCl水溶液(35%水溶液;1.0mL)を室温で加え、16時間撹拌した。反応の完了後(TLCでモニター)、反応混合物を飽和NaHCO水溶液(20mL)を用いて中和(pH約7~8)した。得られた溶液をCHCl(2x20mL)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮して粗製物63(110mg)を半固体として得て、これをさらに精製することなく直接次の反応に用いた。LCMS(ESI):m/z 561.47[M+H];純度:約68%.
【0284】
実施例92
(R,E)-2-(5-((4-(1,2-ジヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒドオキシム(64):
(R)-2-(5-((4-(1,2-ジヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒド(63)(110mg、約68%純度)のエタノール(13.2mL)中撹拌溶液に、50%ヒドロキシルアミン水溶液(1.7mL)を不活性雰囲気下、室温で加えた。反応物を50℃に加熱し、5時間撹拌した。反応の完了後(LCMSでモニター)、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残留物を酢酸エチル(30mL)で希釈し、水(10mL)、ブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させて、減圧下で濃縮した。粗生成物を、逆相カラムクロマトグラフィー(C-18カラム;Grace System)を用いて、水中30~35%アセトニトリル勾配で溶出することにより精製した。純粋な画分を凍結乾燥して、標記化合物64(18.5mg、2ステップで15%収率)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.77(br s,1H;DOで交換可能),11.58(br s,1H;DOで交換可能),8.33(s,1H),7.88(d,J=2.0Hz,1H),7.80(dd,J=8.8,2.0Hz,1H),7.34(d,J=8.8Hz,1H),4.43-4.36(m,2H;DOで交換可能),4.17(s,3H),4.13-4.09(m,2H),3.65-3.62(m,2H),3.27-3.18(m,3H),2.75-2.71(m,2H),2.22-2.14(m,2H),1.77-1.69(m,3H),1.61-1.53(m,3H),1.41-1.27(m,3H),0.96(t,J=7.2Hz,3H),0.88(t,J=7.2Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 576.48[M+H];純度:約98.5%.
【0285】
スキーム49:
【0286】
実施例93
(R)-1-(1-((3-(6-ホルミル-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エタン-1,2-ジイルジニトレート(64):
(R)-2-(5-((4-(1,2-ジヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒド(63)(240mg、0.43mmol)のCHCl(3.6mL)中撹拌溶液に、新たに作製したアセチルニトレート(0.36mL)[(アセチルニトレートは、発煙性HNO(0.06mL、6.0当量)を無水酢酸(0.3mL、1:5のHNO)中に、アルゴン雰囲気下、-10℃でゆっくり滴加することにより別に作製した(注:温度は、0℃を超えて上げてはいけない))]の溶液をアルゴン雰囲気下、-10℃で滴加した。反応混合物を-10℃~0℃で1時間攪拌した。反応の完了後(TLCでモニター)、0℃で、飽和NaHCO溶液(約25mL)を用いて、反応混合物のpHを7.0~8.0に調節した。得られた溶液をCHCl(2x30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(25mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮して、モノニトレート(21%)と共に目的のジニトレート(55%)の混合物を含む粗生成物64(250mg)を得て、これをさらに精製することなく直接次の反応に用いた。LCMS(ESI):m/z 651.47[M+H];純度:約55%、およびm/z 606.47[M+H];純度:約21%.
【0287】
実施例94
(R,E)-1-(1-((3-(6-((ヒドロキシイミノ)メチル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エタン-1,2-ジイルジニトレート(3o)および(R,E)-2-ヒドロキシ-2-(1-((3-(6-((ヒドロキシイミノ)メチル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート(3q):
上記粗製混合物64(250mg)のエタノール(30mL)中撹拌溶液に、50%ヒドロキシルアミン水溶液(3.8mL)を室温で加え、アルゴン雰囲気下、50℃で5時間撹拌した。反応の完了後(LCMSでモニター)、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残留物を水(10mL)で希釈し、EtOAc(2x30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(25mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗生成物を分取HPLC(カラム:XBridge C18(19*150)mm;5μ)を用いて、水中35~100%アセトニトリル勾配で溶出することにより精製した。純粋な画分を凍結乾燥して、標記化合物3o(52mg)を白色固体として、および3q(21.6mg)を白色固体として得た。
3o:H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.74(br s,1H;DOで交換可能),11.60(s,1H;DOで交換可能),8.34(s,1H),7.93(d,J=2.4Hz,1H),7.81(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),7.37(d,J=8.8Hz,1H),5.32-5.30(m,1H),4.93(dd,J=12.4,2.4Hz,1H),4.71(dd,J=12.4,6.0Hz,1H),4.17(s,3H),4.14-4.11(m,2H),3.72-3.68(m,2H),2.77-2.72(m,2H),2.31-2.23(m,2H),1.83-1.72(m,5H),1.63-1.56(m,2H),1.51-1.36(m,2H),0.97(t,J=7.3Hz,3H),0.88(t,J=7.6Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 666.28[M+H];純度:約96.54%.
3q:H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.79(br s,1H;DOで交換可能),11.61(s,1H;DOで交換可能),8.34(s,1H),7.91(d,J=2.4Hz,1H),7.81(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),7.37(d,J=8.8Hz,1H),5.22(d,J=5.6Hz,1H;DOで交換可能),4.52(dd,J=11.6,3.2Hz,1H),4.37(dd,J=11.6,7.6Hz,1H),4.17(s,3H),4.14-4.11(m,2H),3.71-3.63(m,2H),3.55-3.51(m,1H),2.77-2.72(m,2H),2.25-2.17(m,2H),1.81-1.70(m,3H),1.63-1.55(m,3H),1.41-1.29(m,3H),0.96(t,J=7.2Hz,3H),0.88(t,J=7.2Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 621.30[M+H];純度:約97.79%.
【0288】
スキーム50:
【0289】
実施例95
(S)-2-(5-((4-(1,3-ジオキソラン-4-イル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-6-(ヒドロキシメチル)-5-メチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(65):
(S)-2-(5-((4-(1,2-ジヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(55)(500mg、0.94mmol)の濃HCl溶液(35%水溶液;5.0mL)中撹拌溶液に、パラホルムアルデヒド(250mg、0.5w/w)を室温で加えた。反応物を50℃に加熱し、7時間撹拌した。反応の完了後(LCMS分析でモニター)、反応混合物を室温に冷却し、水(50mL)で希釈し、飽和NaHCO溶液(200mL)で中和した。得られた溶液を、ジクロロメタン中の10%メタノール(3x100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を無水NaSO上で乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を逆相カラムクロマトグラフィー(C-18カラム;Grace System)を用いて、水中45~60%アセトニトリル勾配で溶出することにより精製し、標記化合物65(250mg;43%収率)を白色固体として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d)δppm 11.72(br s,1H),7.91(d,J=2.1Hz,1H),7.81(dd,J=8.8,2.1Hz,1H),7.36(d,J=8.8Hz,1H),5.16(br s,1H),4.86(s,1H),4.72(s,1H),4.56(s,2H),4.14-4.09(m,2H),4.05(s,3H),3.86-3.81(m,1H),3.71-3.64(m,3H),3.49-3.45(m,1H),2.63-2.57(m,2H),2.27-2.20(m,2H),1.87-1.83(m,1H),1.77-1.70(m,2H),1.61-1.54(m,3H),1.38-1.23(m,3H),0.96(t,J=6.9Hz,3H),0.88(t,J=6.9Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 575.47[M+H];純度:約94.1%.
【0290】
実施例96
(S)-2-(5-((4-(1,3-ジオキソラン-4-イル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒド(66):
(S)-2-(5-((4-(1,3-ジオキソラン-4-イル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-6-(ヒドロキシメチル)-5-メチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(1)(250mg、0.435mmol)のACN(125mL)中撹拌溶液に、活性化MnO(58%Mn;757mg、8.702mmol)を室温で加え、16時間撹拌した。反応の完了後(LCMSでモニター)、反応混合物をセライトパッドを通して濾過し、ACN(50mL)で洗浄した。濾液を濃縮して、標記化合物66(250mg、90%収率)を白色固体として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d)δppm 12.11(s,1H),10.16(s,1H),7.90-7.81(m,2H),7.38(d,J=8.8Hz,1H),4.86(s,1H),4.72(s,1H),4.32(s,3H),4.13-4.09(m,2H),3.86-3.82(m,1H),3.71-3.63(m,3H),3.50-3.46(m,1H),2.96-2.92(m,2H),2.28-2.20(m,2H),1.86-1.82(m,1H),1.76-1.62(m,4H),1.41-1.24(m,4H),0.97-0.87(m,6H);LCMS(ESI):m/z 573.45[M+H];純度:約94.9%.
【0291】
実施例97
(S)-2-(5-((4-(1,2-ジヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒド(67):
(S)-2-(5-((4-(1,3-ジオキソラン-4-イル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒド(66)(250mg、0.43mmol)のMeOH:CHCl(1:1;5mL)中撹拌溶液に、濃HCl溶液(35%水溶液;2.5mL)を室温で加え、24時間撹拌した。反応の完了後(LCMS分析でモニター)、反応混合物を水(10mL)で希釈し、飽和NaHCO溶液(100mL)で中和した。得られた溶液を、ジクロロメタン中の10%メタノール(2x50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮して、標記化合物67(210mg;76%収率)を灰色がかった白色の固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 12.09(br s,1H;DOで交換可能),10.17(br s,1H),7.87(d,J=2.4Hz,1H),7.81(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),7.37(d,J=8.8Hz,1H),4.43-4.36(m,2H;DOで交換可能),4.32(s,3H),4.13-4.09(m,2H),3.68-3.62(m,2H),3.29-3.24(m,2H),3.23-3.17(m,1H),2.97-2.91(m,2H),2.22-2.13(m,2H),1.78-1.62(m,6H),1.43-1.28(m,3H),0.97-0.85(m,6H);LCMS(ESI):m/z 561.47[M+H];純度:約89.5%.
【0292】
実施例98
(S,E)-2-(5-((4-(1,2-ジヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒドオキシム(68):
(S)-2-(5-((4-(1,2-ジヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒド(67)(50mg、0.089mmol)のエタノール(6mL)中撹拌溶液に、50%ヒドロキシルアミン水溶液(0.75mL)を室温で加えた。反応物を50℃に加熱し、5時間撹拌した。反応の完了後(TLCでモニター)、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残留物を水(5mL)で希釈し、酢酸エチル(3x10mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗生成物を逆相カラムクロマトグラフィー(C-18カラム;Grace System)を用いて、水中35~40%アセトニトリル勾配で溶出することにより精製し、標記化合物68(9.4mg;約17%収率)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.77(br s,1H;DOで交換可能),11.58(br s,1H;DOで交換可能),8.33(s,1H),7.86(d,J=2.0Hz,1H),7.78(dd,J=8.8,2.0Hz,1H),7.33(d,J=8.8Hz,1H),4.43-4.36(m,2H;DOで交換可能),4.17(s,3H),4.12-4.07(m,2H),3.65-3.62(m,2H),3.27-3.18(m,3H),2.75-2.71(m,2H),2.22-2.14(m,2H),1.77-1.69(m,3H),1.61-1.53(m,3H),1.41-1.27(m,3H),0.96(t,J=7.2Hz,3H),0.88(t,J=7.2Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 576.64[M+H];純度:約96.07%.
【0293】
スキーム51:
【0294】
実施例99
(S)-1-(1-((3-(6-ホルミル-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エタン-1,2-ジイルジニトレート(68):
(S)-2-(5-((4-(1,2-ジヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒド(67)(200mg、0.35mmol)のCHCl(2.1mL)中撹拌溶液に、新たに作製したアセチルニトレート(0.45mL)[(アセチルニトレートは、発煙性HNO(0.075mL)を無水酢酸(0.375mL)中に、アルゴン雰囲気下、-15℃で30分かけてゆっくり滴加することにより別に作製した(注:温度は、0℃を超えて上げてはいけない))]の溶液をアルゴン雰囲気下、-10℃で滴加した。反応物を-10℃~-5℃で1時間撹拌した。反応の完了後(TLCでモニター)、反応物を0℃で飽和NaHCO溶液(20mL)を用いてクエンチした。得られた溶液を、ジクロロメタン中の10%メタノール(3x30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(40mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物68(200mg)を黄色固体として得て、これをさらに精製することなく直接次の反応に用いた。LCMS(ESI):m/z 651.4[M+H];純度:約71.1%.
【0295】
実施例100
(S,E)-1-(1-((3-(6-((ヒドロキシイミノ)メチル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エタン-1,2-ジイルジニトレート(3p):
(S)-1-(1-((3-(6-ホルミル-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エタン-1,2-ジイルジニトレート(68)(200mg;約71%純度)のエタノール(24mL)中撹拌溶液に、50%ヒドロキシルアミン水溶液(3mL)を室温で加え、50℃で5時間撹拌した。反応の完了後(TLCでモニター)、反応物を減圧下で濃縮した。得られた残留物を水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(3x30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗生成物を分取HPLC(カラム:XBridge C18(19*150mm);5μm)を用いて、水中50~100%アセトニトリル勾配により溶出することにより精製した。純粋な画分を凍結乾燥して、標記化合物3p(22mg)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.71(br s,1H;DOで交換可能),11.50(s,1H;DOで交換可能),8.32(s,1H),7.90(d,J=2.4Hz,1H),7.77(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),7.34(d,J=8.8Hz,1H),5.32-5.30(m,1H),4.93(dd,J=12.4,2.4Hz,1H),4.71(dd,J=12.4,6.0Hz,1H),4.17(s,3H),4.14-4.11(m,2H),3.72-3.68(m,2H),2.76-2.72(m,2H),2.31-2.23(m,2H),1.83-1.72(m,5H),1.61-1.55(m,2H),1.50-1.37(m,2H),0.96(t,J=7.3Hz,3H),0.88(t,J=7.6Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 666.33[M+H];純度:約98.62%.
【0296】
スキーム51:
【0297】
実施例101
ジエチル2,2’-((2S,6R)-4-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)-1-メチルピペラジン-2,6-ジイル)ジアセテート(70):
ジエチル2,2’-((2R,6S)-1-メチルピペラジン-2,6-ジイル)ジアセテートアセテート(69)(J.Med.Chem.2009,52,3689-3702を参照されたい)(617mg、2.26mmol)のエタノール(30mL)中攪拌溶液に、Amberlyst A21塩基性樹脂(3.0g)を室温で加え、2時間撹拌した。混合物を濾過し、エタノール(15mL)で洗浄した。濾液に、トリエチルアミン(2.3mL、17.48mmol)、続いて、3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシベンゼンスルホニルクロリド(4)(500mg、1.13mmol)のジクロロメタン(10mL)中溶液を、雰囲気下、0℃で加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応の完了後(LCMSでモニター)、反応混合物を水中30~65%アセトニトリル勾配で溶出することにより、逆相カラムクロマトグラフィー(後処理なし)(Reveleris(登録商標)C18-40gカラム;Grace System)に直接供し、標記化合物70(90mg)を灰色がかった白色の固体として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d)δppm 11.67(br s,1H),7.90(d,J=2.2Hz,1H),7.79(dd,J=8.8,2.2Hz,1H),7.39(d,J=8.8Hz,1H),7.31(s,1H),4.37(q,J=7.1Hz,2H),4.13(t,J=6.2Hz,2H),4.03(q,J=7.1Hz,4H),3.44-3.37(m,2H),2.77-2.71(m,2H),2.63-2.52(m,4H),2.39-2.28(m,4H),2.08(s,3H),1.78-1.66(m,2H),1.64-1.38(m,2H),1.34(t,J=7.1Hz,3H),1.13(t,J=7.1Hz,6H),0.97(t,J=7.1Hz,3H),0.91(t,J=7.1Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 674.62[M+H];純度:約88.69%.
【0298】
実施例102
2-(5-(((3S,5R)-3,5-ビス(2-ヒドロキシエチル)-4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-エチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(71):
ジエチル2,2’-((2S,6R)-4-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)-1-メチルピペラジン-2,6-ジイル)ジアセテート(70)(90mg、0.13mmol)のTHF(4.5mL)中撹拌溶液に、THF中1M LiAlH溶液(0.3mL、0.4mmol)をアルゴン雰囲気下、0℃で10分かけて滴加した。反応混合物を0℃で2時間攪拌した。反応の完了後(TLCおよびLCMS分析でモニター)、反応物を0℃で飽和塩化アンモニウム溶液(4mL)を用いてクエンチし、酢酸エチル(3x30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(40mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗生成物を逆相カラムクロマトグラフィー(Reveleris(登録商標)C18-12gカラム;Grace System)を用いて、水中30~35%アセトニトリル勾配で溶出することにより精製し、純粋な画分を凍結乾燥して標記化合物71(35mg、収率:33%)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.59(br s,1H;DOで交換可能),7.90(d,J=2.0Hz,1H),7.81(dd,J=8.8,2.0Hz,1H),7.36(d,J=8.8Hz,1H),7.30(s,1H),4.47(br s,2H;DOで交換可能),4.37(d,J=7.1Hz,2H),4.12(t,J=6.4Hz,2H),3.45-3.36(m,6H),2.59-2.53(m,2H),2.51-2.45(m,2H),2.20-2.14(m,2H),1.77(s,3H),1.77-1.66(m,6H),1.42-1.38(m,2H),1.35(t,J=7.1Hz,3H),0.97(t,J=7.1Hz,3H),0.91(t,J=7.1Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 590.37[M+H];純度:約99.59%.
【0299】
スキーム52:
【0300】
実施例103
((2S,6R)-4-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)-1-メチルピペラジン-2,6-ジイル)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジニトレート(1m):
2-(5-(((3S,5R)-3,5-ビス(2-ヒドロキシエチル)-4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-エチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(71)(130mg、0.22mmol)のジクロロメタン(2mL)中撹拌溶液に、新たに作製したアセチルニトレート(0.32mL)[(アセチルニトレートは、発煙性HNO(0.05mL、2.64mmol)を無水酢酸(0.27mL)中に、アルゴン雰囲気下、-15℃で30分間かけてゆっくり滴加することにより別に作製した(注:温度は、0℃まで上げてはいけない))]の溶液をアルゴン雰囲気下、-15℃で30分間かけて滴加した。反応物を-15℃~-0℃で30分間撹拌した。反応の完了後(TLCでモニター)、反応物を0℃で飽和NaHCO水溶液(10mL)を用いてクエンチし、ジクロロメタン(3x20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗生成物を分取HPLC(カラム:KROMOSIL C18(150*25)mm、10u;移動相A:100%水、B:アセトニトリル;流量:25mL/分;溶解性:ACN+水+THF)により精製した。適切な純粋画分を凍結乾燥して、標記化合物1m(10mg)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.68(br s,1H;DOで交換可能),7.93(d,J=2.0Hz,1H),7.84-7.81(m,1H),7.36(d,J=8.8Hz,1H),7.31(s,1H),4.52(t,J=6.6Hz,4H),4.37(q,J=7.1Hz,2H),4.13(t,J=6.4Hz,2H),3.38-3.31(m,2H),2.65-2.59(m,2H),2.58-2.53(m,2H),2.33-2.27(m,2H),2.04(s,3H),1.88-1.70(m,6H),1.66-1.59(m,2H),1.35(t,J=7.1Hz,3H),0.97(t,J=7.1Hz,3H),0.91(t,J=7.1Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 678.43[M-H];純度:約95.48%.
【0301】
同様にして、69の代わりに、ジエチル2,2’-((2S,6S)-1-メチルピペラジン-2,6-ジイル)ジアセテートアセテート(J.Med.Chem.2009,52,3689-3702を参照されたい)を用いて、((2S,6S)-4-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)-1-メチルピペラジン-2,6-ジイル)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジニトレート(1o)を合成した。
【0302】
スキーム53:
【0303】
実施例104
ジエチル2,2’-(1-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4,4-ジイル)ジアセテート(73):
ジエチル 2,2’-(ピペリジン-4,4-ジイル)ジアセテート塩酸塩(72、国際公開第02001096334号を参照されたい)(882mg、3.42mmol)のジクロロメタン(30mL)中攪拌溶液に、Amberlyst A-21塩基性樹脂(3.0g)を室温で加え、2時間撹拌した。混合物を濾過した。濾液に、トリエチルアミン(2.8mL、20.55mmol)、続いて、3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシベンゼンスルホニルクロリド(4)(600mg、1.37mmol)のジクロロメタン(10mL)中溶液を、雰囲気下、0℃で加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応の完了後(LCMSでモニター)、反応混合物をジクロロメタン(10mL)で希釈し、水(2x25mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥して、減圧下で濃縮し、標記化合物73(650mg)を褐色の液体として得て、これをさらに精製することなく次の反応に用いた。LCMS(ESI)m/z 659.80[M+H];純度:約83.75%.
【0304】
実施例105
2-(5-((4,4-ビス(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-エチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(74):
ジエチル2,2’-(1-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4,4-ジイル)ジアセテート(73)(600mg、0.91mmol)のTHF(12mL)中撹拌溶液に、THF中1M LiAlH溶液(1.8mL)をアルゴン雰囲気下、0℃で10分かけて滴加した。反応混合物を0℃で2時間攪拌した。反応の完了後(TLCおよびLCMS分析でモニター)。反応物を0℃で飽和塩化アンモニウム溶液(25mL)を用いてクエンチし、酢酸エチル(3x50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗生成物を逆相カラムクロマトグラフィー(Reveleris(登録商標)C18-40gカラム;Grace System)を用いて、水中60~65%アセトニトリル勾配で溶出することにより精製し、純粋画分を凍結乾燥して、標記化合物74(150mg;28%収率)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.69(br s,1H;DOで交換可能),7.93(d,J=2.0Hz,1H),7.81(dd,J=8.8,2.0Hz,1H),7.37(d,J=8.8Hz,1H),7.31(s,1H),4.37(q,J=7.3Hz,2H),4.30(t,J=4.9Hz,2H;DOで交換可能),4.14-4.11(m,2H),3.41-3.32(m,4H),2.95-2.92(m,4H),2.59-2.55(m,2H),1.78-1.72(m,2H),1.67-1.61(m,2H),1.50-1.43(m,4H),1.37-1.32(m,7H),0.97(t,J=7.3Hz,3H),0.912(t,J=7.1Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 575.56[M+H];純度:約99.92%.
【0305】
スキーム54:
【0306】
実施例106
(1-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4,4-ジイル)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジニトレート(1n):
2-(5-((4,4-ビス(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル)スルホニル)-2-プロポキシフェニル)-5-エチル-7-プロピル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(74)(125mg、0.217mmol)のジクロロメタン(1.8mL)中撹拌溶液に、新たに作製したアセチルニトレート(0.32mL)[(アセチルニトレートは、発煙性HNO(0.05mL、2.64mmol)を無水酢酸(0.27mL)中に、アルゴン雰囲気下、-15℃で30分間かけてゆっくり滴加することにより別に作製した(注:温度は、0℃まで上げてはいけない))]の溶液をアルゴン雰囲気下、-15℃で30分間かけて滴加した。反応物を-15℃~0℃で30分間撹拌した。反応の完了後(TLCでモニター)、反応物を0℃で飽和NaHCO溶液(10mL)を用いてクエンチし、ジクロロメタン(3x20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を分取HPLC(カラム:KROMASIL C18(150*25)mm、10u;移動相A:10mmアンモニウム重炭酸塩(Aq);移動相B:アセトニトリル法 T/%B=0/40、1/40、10/80、10.5/100、12/100、12.5/40、15/40;流量:25mL/分;溶解性:ACN+水+THF)により精製した。純粋な画分を凍結乾燥して、標記化合物1n(57mg、39%収率)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.68(br s,1H),7.94(d,J=2.0Hz,1H),7.82(dd,J=8.8,2.0Hz,1H),7.36(d,J=8.8Hz,1H),7.31(s,1H),4.53(t,J=7.3Hz,4H),4.37(q,J=6.9Hz,2H),4.14-4.11(m,2H),3.02-2.97(m,4H),2.59-2.55(m,2H),1.79-1.71(m,2H),1.69-1.60(m,6H),1.57-1.47(m,4H),1.35(t,J=6.9Hz,3H),0.97(t,J=7.3Hz,3H),0.912(t,J=7.1Hz,3H);LCMS(ESI):m/z 665.31[M+H];純度:約98.81%.
【0307】
スキーム55:
【0308】
スキーム56:
【0309】
スキーム57:
【0310】
実施例107
基本手順:
ピペリジン誘導体(81~83、スキーム55~57)(3.5mmol)のジクロロメタン(30mL)中攪拌溶液に、Amberlyst A-21塩基性樹脂(3.0g)を室温で加え、2時間撹拌した。混合物を濾過した。濾液に、トリエチルアミン(3mL、22mmol)、続いて、3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシベンゼンスルホニルクロリド(4)(600mg、1.37mmol)のジクロロメタン(10mL)中溶液を、雰囲気下、0℃で加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応の完了後(LCMSでモニター)、反応混合物をジクロロメタン(10mL)で希釈し、水(2x25mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥して、減圧下で濃縮した。
【0311】
このようにして得た粗製中間体のジおよびトリオールをジクロロメタン(3mL)に溶解した。この溶液に、新たに作製したアセチルニトレート(0.32mL)[(アセチルニトレートは、発煙性HNO(0.05mL、2.64mmol)を無水酢酸(0.27mL)中に、アルゴン雰囲気下、-15℃で30分間かけてゆっくり滴加することにより別に作製した(注:温度は、0℃まで上げてはいけない))]の溶液をアルゴン雰囲気下、-15℃で30分間かけて滴加した。反応物を-15℃~0℃で30分間撹拌した。反応の完了後(TLCでモニター)、反応物を0℃で飽和NaHCO溶液(10mL)を用いてクエンチし、ジクロロメタン(3x20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を分取HPLC(カラム:KROMASIL C18(150*25)mm、10u;移動相A:10mmアンモニウム重炭酸塩(Aq);移動相B:アセトニトリル法 T/%B=0/40、1/40、10/80、10.5/100、12/100、12.5/40、15/40;流量:25mL/分;溶解性:ACN+水+THF)により精製した。純粋画分を凍結乾燥して、次の化合物を得た:
3-(1-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)-3-ヒドロキシペンタン-1,5-ジイルジニトレート(1p)
および
2-(1-((3-(5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)-2-ヒドロキシプロパン-1,3-ジイルジニトレート(1q)。
【0312】
実施例108
アミン83およびスルホニルクロリド4から得られたジニトレートの脱ニトロ化を、アセトン中のヨウ化ナトリウムを用いて、室温での部分加水分解により行った。次の2つのエナンチオマーがキラルHPLCカラムで分離できる:
2-ヒドロキシ-1-(1-((3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート異性体a(3m)
および
2-ヒドロキシ-1-(1-((3-(5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-4,5-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-4-プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルニトレート異性体b(3n)。
【0313】
実施例109
PDE5アッセイ
目的:ヒト血小板から単離したPDE5酵素を用いてcGMPからの5’GMPの形成を測定することにより定量化されるヒトホスホジエステラーゼ5の活性に対する本発明の化合物の効果を評価すること。5’GMPの形成の測定は、Masaaki I,Nishikawa M,Fujioka M,Miyahara M,Isaka N,Shiku H,Nakano T,Cell Signal(1996),8(8):575-581に記載されている方法に従って実施した。
【0314】
実験プロトコル:40mMトリス/HCl(pH7.8)、3mM MgCl2、1.4mM DTT、0.21%BSA、200mM NH4Cl、1μM cGMPおよび0.1μCi[3H]cGMPを含有する緩衝液に試験化合物、すなわち、本発明の化合物、参照化合物または水(対照)を加えた。その後、酵素の添加により反応を開始し、混合物を22℃で60分間インキュベートした。
【0315】
基準となる対照の測定では、反応混合物に酵素を加えなかった。インキュベーション後、SPAビーズを加えた。22℃で20分間振盪した後、シンチレーションカウンター(Topcount、Packard)で[3H]5’GMPの量を定量化した。
【0316】
表1に示す結果は、対照酵素活性に対する阻害のパーセントで表されている。基準となる参照阻害化合物はジピリダモールであり、この物質を各実験で数種類の濃度で試験して阻害曲線を得、その曲線からIC50値を算出する。
【0317】
表1に示されるように、本発明の化合物は、ヒトcGMP特異的PDE5に対する強力で選択的な阻害剤である。
【0318】
実施例110
ホスホジエステラーゼ5活性アッセイ
試験化合物による組換えヒト(rh)PDE5Aの阻害を、シンチレーション近接アッセイ(SPA)技術に基づいて放射測定分析で測定する。基質[3H]cGMP/cGMPは、rhPDE5Aの活性に依存して、[3H]5’GMP/5’GMPに加水分解される。続いて、ビーズ内のシンチラントを刺激するZn++の存在下で、[3H]5’GMP/5’GMPのSPA珪酸イットリウムビーズへの結合が起こり([3H]cGMP/cGMPでは起こらない)、発光する。これをβ-カウンターにより検出する。このアッセイは、96ウェルフォーマットで実施される。
【0319】
アッセイを、20mMトリスHCl pH7.4、5mM MgCl、0.5μM cGMP/[3H]cGMP(約60000dpm/ウェル)基質中で、rhPDE5A1(GSTタグ付き、SIGMA E9034)を、0.01%のウシ血清アルブミン(BSA)を補充したトリス20mM pH7.4中で20分以内に20%を超えるcGMP加水分解が起こらない量で加えて、試験化合物またはビークル(0.1%DMSO)の存在下で実施する。最終アッセイ体積は、100μlになり、反応は37℃で20分間行う。
【0320】
rhPDE5Aによる[3H]cGMP/cGMPの加水分解は、製造業者の説明書に従って水中で前希釈され、3-イソブチル-1-メチルキサンチン(1mM)を補充した、50μl/ウェル(Perkin Elmer、RPNQ0024)のSPAビーズを添加することにより終了させる。ビーズを少なくとも30分間沈殿させた後、Wallac Microbeta 2(Perkin Elmer)中で測定する。
【0321】
通常、試験化合物を、log間隔で1pM~1μMの間の7種の異なる濃度で添加する。ビークル対照(0.1%DMSO)と比較した阻害パーセント値を計算し、IC50値をGraphPad Prism7.03ソフトウェアを用いて計算する。結果(IC50)は、それぞれ3回繰り返して実施された、少なくとも2つの独立した実験の平均として与えられる。
【0322】
実施例111
ヒト血漿タンパク質結合の測定
試験化合物を含むヒト血漿の200μLの分割量をインサートのドナーウェル(赤色チャンバー)中に加えた。350μLのPBSをインサートのレシーバーウェル(白色チャンバー)に加えた。
【0323】
試料を逆マトリックスとマトリックス平衡化した(25μLの血漿/バッファー試料は、25μLのブランクバッファー/血漿と適合する)。マトリックス適合した試料を、200μLの内部標準含有アセトニトリルで沈殿させた。試料を1000rpmで5分間ボルテックスし、4000rpmで10分間遠心分離した。上清を分離し、水で2倍に希釈して、LC-MS/MSで分析した。T0対照試料をプラズマ作業ストック溶液の調製直後に処理した。これらの試料は、試験化合物の回収パーセンテージを計算するための基準としての役割をする。
【0324】
実施例112
ヒト肺動脈平滑筋細胞(hPASMC)のcGMPの測定
ヒト肺動脈平滑筋細胞(hPASMC)をClonetics(商標)Lonza(Lonza、参照番号CC-2581)から購入し、BulletKit(商標)成長因子サプリメント(Lonza、参照番号CC-3182)を含むClonetics(商標)平滑筋増殖培地(Clonetics(商標)SmGM(商標)-2)で5%CO中、37℃で培養した。48時間毎に培地を交換した。75cmの培養プレートで細胞を増殖した。
【0325】
実験の48時間前、細胞をトリプシン処理(Trypsin kit One ReagentPack(商標)(CC-5034)、Lonza)し、I型コラーゲンでプレコートした96ウェルプレートに1ウェル当たり10000細胞を播種した。実験の24時間前、培地を低血清(0.5%FBS)培地に交換した。実験直前、培地を交換し、hPASMCを本発明の化合物1bおよび1i(濃度1x10-13M(0.1pM)~1x10-6M(1uM))、またはビークル(0.1%DMSO)の存在下で30分間インキュベートした。
【0326】
Amersham cGMP EIA System(GE Healthcare、RPN226)を製造業者の説明書に従って用いて細胞内cGMPの測定を実施した。アッセイの感度は1ウェル当たり2fmol cGMPである。手短に説明すると、Amershamの溶解バッファー1の添加によりインキュベーションを停止し、細胞を10分間攪拌して完全に溶解させた。次いで、トリエチルアミンおよび無水酢酸を用いて試料中のcGMPをアセチル化し、競合ELISA法により測定した。このELISAは、プリコートした96ウェルMTPに固定化したcGMP特異的抗血清上にある限られた結合部位に対して、細胞培養溶解物中のアセチル化cGMPとペルオキシダーゼ標識cGMPコンジュゲートとの間の競合に基づくものである。検量線に基づきcGMPを求めた。結果を3つの独立した3回の繰り返し実験で得た10細胞中のcGMPのfmol数の平均±SEで表した(図3)。驚くべきことに、本発明の化合物1bおよび1iは、参照阻害剤シルデナフィル、ミロデナフィル、または本発明の化合物1bおよび1iに比べて遙かに高い効力のPDE5阻害剤である化合物5(実施例110、表1を参照されたい)に比較して、cGMPレベルの増大に関して、有意に高い効力を示す。
図1
図2
図3