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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-24
(45)【発行日】2022-12-02
(54)【発明の名称】発光素子及びその製造方法、表示装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 33/02 20060101AFI20221125BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20221125BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20221125BHJP
   H05B 33/12 20060101ALI20221125BHJP
   H05B 33/22 20060101ALI20221125BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20221125BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20221125BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20221125BHJP
【FI】
H05B33/02
H05B33/10
H05B33/14 A
H05B33/12 B
H05B33/22 Z
H05B33/22 A
H05B33/22 B
G09F9/30 365
G09F9/30 349Z
G09F9/30 348A
G09F9/30 338
G09F9/00 338
H01L27/32
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019570027
(86)(22)【出願日】2018-11-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-07-08
(86)【国際出願番号】 CN2018113390
(87)【国際公開番号】W WO2019184345
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2021-10-25
(31)【優先権主張番号】201820418243.0
(32)【優先日】2018-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】シュー ジエン
【審査官】辻本 寛司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0380035(US,A1)
【文献】特開2012-114073(JP,A)
【文献】特開2016-126860(JP,A)
【文献】特開2011-060435(JP,A)
【文献】特開2001-290441(JP,A)
【文献】米国特許第09331127(US,B2)
【文献】特開2004-117431(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0183484(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0001099(KR,A)
【文献】特開2016-103395(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 33/02
H05B 33/10
H01L 51/50
H05B 33/12
H05B 33/22
G09F 9/30
G09F 9/00
H01L 27/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素定義層と、
前記画素定義層によって離間された、隣接する第1サブ画素と第2サブ画素を含み、各サブ画素は機能層を有する、複数のサブ画素と、
前記画素定義層に設けられるバリア部材とを備え、
前記バリア部材は、第1部分及び第2部分を含み、前記第1部分の材料は、前記第1サブ画素の機能層の少なくとも一部の材料と同じであり、前記第2部分の材料は、前記第2サブ画素の機能層の少なくとも一部の材料と同じであり、ここで、前記第1部分と前記第2部分とは、前記画素定義層に重なり、
前記機能層は発光層、電子輸送層及び正孔輸送層を含み、前記発光層は、前記電子輸送層と前記正孔輸送層との間に位置し、ここで、
前記第1部分と前記第2部分がいずれも前記電子輸送層と同じ材料の部分を含み、前記第1部分に含まれる前記電子輸送層と同じ材料の部分と、前記第2部分に含まれる前記電子輸送層と同じ材料の部分とが離間され、又は
前記第1部分と前記第2部分がいずれも前記正孔輸送層と同じ材料の部分を含み、前記第1部分に含まれる前記正孔輸送層と同じ材料の部分と、前記第2部分に含まれる前記正孔輸送層と同じ材料の部分とが離間される、発光素子。
【請求項2】
前記第1部分は、前記第1サブ画素の電子輸送層、正孔輸送層及び発光層の材料とそれぞれ同じ部分を含み、前記第2部分は、前記第2サブ画素の電子輸送層、正孔輸送層及び発光層の材料とそれぞれ同じ部分を含む、請求項に記載の発光素子。
【請求項3】
前記バリア部材は絶縁層を含む、請求項1に記載の発光素子。
【請求項4】
前記バリア部材が前記画素定義層上に形成される勾配角θは、1°<θ<60°の範囲である、請求項1~のいずれかに記載の発光素子。
【請求項5】
前記第1部分は、前記第1サブ画素の機能層が前記画素定義層の上に延びる部分であり、
前記第2部分は、前記第2サブ画素の機能層が前記画素定義層の上に延びる部分である、請求項に記載の発光素子。
【請求項6】
前記第2部分が前記第1部分を覆い、
前記第1サブ画素は赤色サブ画素であり、前記第2サブ画素は緑色サブ画素又は青色サブ画素である;又は、前記第1サブ画素は緑色サブ画素であり、前記第2サブ画素は青色サブ画素である、請求項に記載の発光素子。
【請求項7】
前記複数のサブ画素のうち、前記青色サブ画素の機能層と前記青色サブ画素の機能層の延在部分の面積の和>前記赤色サブ画素の機能層と前記赤色サブ画素の機能層の延在部分の面積の和>前記緑色サブ画素の機能層と前記緑色サブ画素の機能層の延在部分の面積の和である、請求項に記載の発光素子。
【請求項8】
第1電極を有する複数の駆動トランジスタと、
前記複数の駆動トランジスタの一側に位置する基板と、
前記複数の駆動トランジスタの前記基板と反対側に位置し、各々が第2電極、第3電極及び機能層を含む複数の有機発光ダイオードであって、前記第2電極と前記第1電極とが電気的に接続され、前記機能層の少なくとも一部が前記第2電極と前記第3電極との間に位置し、前記複数の有機発光ダイオードは、少なくとも画素定義層によって離間された、隣接する第1有機発光ダイオードと第2有機発光ダイオードを含み、前記機能層は、少なくとも発光層を含み、前記発光層の前記複数の駆動トランジスタから離れた一面の面積は、前記第2電極の前記複数の駆動トランジスタから離れた一面の面積より大きい、複数の有機発光ダイオードと、
前記画素定義層の前記駆動トランジスタから離れた一側に位置し、前記基板における投影は前記第2電極の前記基板における投影と離間され、前記機能層と同じ材料の部分を含むバリア部材とを備え、
前記バリア部材は、第1部分及び第2部分を含み、前記第1部分の材料は、前記第1有機発光ダイオードの機能層の少なくとも一部の材料と同じであり、前記第2部分の材料は、前記第2有機発光ダイオードの機能層の少なくとも一部の材料と同じであり、ここで、前記第1部分と前記第2部分とは、前記画素定義層に重なり、
前記機能層は電子輸送層及び正孔輸送層をさらに含み、前記発光層は、前記電子輸送層と前記正孔輸送層との間に位置し、ここで、
前記第1部分と前記第2部分がいずれも前記電子輸送層と同じ材料の部分を含み、前記第1部分に含まれる前記電子輸送層と同じ材料の部分と、前記第2部分に含まれる前記電子輸送層と同じ材料の部分とが離間され、又は
前記第1部分と前記第2部分がいずれも前記正孔輸送層と同じ材料の部分を含み、前記第1部分に含まれる前記正孔輸送層と同じ材料の部分と、前記第2部分に含まれる前記正孔輸送層と同じ材料の部分とが離間される、発光素子。
【請求項9】
前記第1電極はソースであり、
前記駆動トランジスタは、ゲート、ドレイン及び半導体層をさらに含み、
前記半導体層の前記基板における投影は、前記第2電極の前記基板における投影内に位置する、請求項に記載の発光素子。
【請求項10】
前記機能層は、正孔輸送層及び電子輸送層をさらに含み、
前記正孔輸送層の前記複数の駆動トランジスタから離れた一面の面積は、前記第2電極の前記複数の駆動トランジスタから離れた一面の面積より大きく、前記電子輸送層の前記複数の駆動トランジスタから離れた一面の面積は、前記第2電極の前記複数の駆動トランジスタから離れた一面の面積より大きい、請求項に記載の発光素子。
【請求項11】
前記バリア部材が前記画素定義層に形成される勾配角θは、1°<θ<60°の範囲である、請求項に記載の発光素子。
【請求項12】
前記第1部分は、前記第1有機発光ダイオードの機能層が前記画素定義層の上に延びる部分であり、前記第2部分は、前記第2有機発光ダイオードの機能層が前記画素定義層の上に延びる部分である、請求項に記載の発光素子。
【請求項13】
前記第2部分が前記第1部分を覆い、
前記第1有機発光ダイオードは赤色有機発光ダイオードであり、前記第2有機発光ダイオードは緑色有機発光ダイオード又は青色有機発光ダイオードである;又は、前記第1有機発光ダイオードは緑色有機発光ダイオードであり、前記第2有機発光ダイオードは青色有機発光ダイオードである、請求項に記載の発光素子。
【請求項14】
請求項1~13のいずれかに記載の発光素子を備える、表示装置。
【請求項15】
初期ベース構造に画素定義層を形成し、前記画素定義層に前記初期ベース構造を露出する複数の開口を形成するステップと、
前記複数の開口内に複数のサブ画素のための機能層を形成し、そして前記画素定義層上にバリア部材を形成するステップとを有し
ここで、前記複数のサブ画素は、前記画素定義層によって離間された、隣接する第1サブ画素と第2サブ画素を含み、各サブ画素は機能層を有し、
前記バリア部材は、第1部分及び第2部分を含み、前記第1部分の材料は、前記第1サブ画素の機能層の少なくとも一部の材料と同じであり、前記第2部分の材料は、前記第2サブ画素の機能層の少なくとも一部の材料と同じであり、ここで、前記第1部分と前記第2部分とは、前記画素定義層に重なり、
前記機能層は発光層、電子輸送層及び正孔輸送層を含み、前記発光層は、前記電子輸送層と前記正孔輸送層との間に位置し、
前記第1部分と前記第2部分がいずれも前記電子輸送層と同じ材料の部分を含み、前記第1部分に含まれる前記電子輸送層と同じ材料の部分と、前記第2部分に含まれる前記電子輸送層と同じ材料の部分とが離間され、又は
前記第1部分と前記第2部分がいずれも前記正孔輸送層と同じ材料の部分を含み、前記第1部分に含まれる前記正孔輸送層と同じ材料の部分と、前記第2部分に含まれる前記正孔輸送層と同じ材料の部分とが離間される、発光素子の製造方法。
【請求項16】
記複数のサブ画素の機能層を形成する過程中に前記バリア部材が形成される、請求項15に記載の発光素子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願との相互参照)
この出願は、2018年3月27日に中国特許局に出願した、出願番号が201820418243.0である中国特許出願を基礎とする優先権を主張し、その内容の全てが参照によって本出願に組み込まれる。
【0002】
本開示は、表示技術分野に関し、特に発光素子及びその製造方法、表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
関連技術のOLED(Organic Light-Emitting Diode、有機発光ダイオード)素子では、複数色のサブ画素における発光層材料がFMM(Fine metal mask、ファインメタルマスク)工程によって別々に形成される場合、各サブ画素内に、対応する色の有機層を蒸着する必要がある。サブ画素の発光領域の境界は、画素定義層(Pixel Define Layer、PDLと略称する)によって限定され、1つのサブ画素ウェルを形成する。有機層は、該サブ画素ウェル内に充填される。しかしながら、サブ画素が発光する時、光は依然としてPDLの材料内で伝送されることができる。
【0004】
現在、小型製品のPPI(pixels per inch、1インチあたりの画素数)はますます高くなり、サブ画素の間隔はますます小さくなるが、発光輝度はますます高くする必要がある。OLED素子では、各サブ画素から発光される光は、主にサブ画素の表面に垂直な方向に沿って射出される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の発明者は、各サブ画素において、一部の光がサブ画素の表面に対して傾斜する方向に沿って射出されることを発見した。これにより、隣接する異なる色のサブ画素の間に混光現象が発生し、その結果、色域が悪くなり、視覚効果が低下する。
これに鑑み、本開示の実施例は、隣接するサブ画素の間の混光現象を抑制するための発光素子を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施例の一態様によれば、画素定義層と、前記画素定義層によって離間された、隣接する第1サブ画素及び第2サブ画素を含み、機能層をそれぞれ有する複数のサブ画素と、前記画素定義層に設けられるバリア部材とを備える発光素子を提供する。
【0007】
幾つかの実施例において、前記バリア部材は、第1部分及び第2部分を含み、前記第1部分の材料は、前記第1サブ画素の機能層の少なくとも一部の材料と同じであり、前記第2部分の材料は、前記第2サブ画素の機能層の少なくとも一部の材料と同じであり、ここで、前記第1部分と前記第2部分とは、前記画素定義層上に重なる。
【0008】
幾つかの実施例において、前記機能層は発光層を含む。
【0009】
幾つかの実施例において、前記機能層は電子輸送層及び正孔輸送層をさらに含み、前記発光層は、前記電子輸送層と前記正孔輸送層との間に位置し;ここで、前記第1部分と前記第2部分がいずれも前記電子輸送層と同じ材料の部分を含み、前記第1部分に含まれる前記電子輸送層と同じ材料の部分と、前記第2部分に含まれる前記電子輸送層と同じ材料の部分とは離間され;又は、前記第1部分と前記第2部分がいずれも前記正孔輸送層と同じ材料の部分を含み、前記第1部分に含まれる前記正孔輸送層と同じ材料の部分と、前記第2部分に含まれる前記正孔輸送層と同じ材料の部分とは離間される。
【0010】
幾つかの実施例において、前記第1部分は、前記第1サブ画素の電子輸送層、正孔輸送層及び発光層の材料とそれぞれ同じ部分を含み、前記第2部分は、前記第2サブ画素の電子輸送層、正孔輸送層及び発光層の材料とそれぞれ同じ部分を含む。
【0011】
幾つかの実施例において、前記バリア部材は絶縁層を含む。
【0012】
幾つかの実施例において、前記バリア部材が前記画素定義層に形成される勾配角θは、1°<θ<60°の範囲である。
【0013】
幾つかの実施例において、前記第1部分は、前記第1サブ画素の機能層が前記画素定義層の上に延びる部分であり、前記第2部分は、前記第2サブ画素の機能層が前記画素定義層の上に延びる部分である。
【0014】
幾つかの実施例において、前記第2部分が前記第1部分を覆い、前記第1サブ画素は赤色サブ画素であり、前記第2サブ画素は緑色サブ画素又は青色サブ画素である;又は、前記第1サブ画素は緑色サブ画素であり、前記第2サブ画素は青色サブ画素である。
【0015】
幾つかの実施例において、前記複数のサブ画素のうち、前記青色サブ画素の機能層と前記青色サブ画素の機能層の延在部分の面積の和>前記赤色サブ画素の機能層と前記赤色サブ画素の機能層の延在部分の面積の和>前記緑色サブ画素の機能層と前記緑色サブ画素の機能層の延在部部分の面積の和、である。
【0016】
幾つかの実施例において、前記第1サブ画素が赤色サブ画素であり、前記第2サブ画素が緑色サブ画素である場合、前記バリア部材の厚さ範囲は500Å~3500Åであり;前記第1サブ画素が緑色サブ画素であり、前記第2サブ画素が青色サブ画素である場合、前記バリア部材の厚さ範囲は400Å~2700Åであり;又は、前記第1サブ画素が赤色サブ画素であり、前記第2サブ画素が青色サブ画素である場合、前記バリア部材の厚さ範囲は400Å~2700Åである。
【0017】
本開示の実施例の他の一つの態様によれば、各々が第1電極を有する複数の駆動トランジスタと、前記複数の駆動トランジスタの一側に位置する基板と、前記複数の駆動トランジスタの前記基板と反対側に位置し、各々が第2電極、第3電極及び機能層を含む複数の有機発光ダイオードであって、前記第2電極と前記第1電極とが電気的に接続され、前記機能層の少なくとも一部が前記第2電極と第3電極との間に位置し、前記複数の有機発光ダイオードは、少なくとも画素定義層によって離間された、隣接する第1有機発光ダイオードと第2有機発光ダイオードを含み、前記機能層は、少なくとも発光層を含み、前記発光層の面積は前記第2電極の面積より大きい、複数の有機発光ダイオードと、前記画素定義層の前記複数の駆動トランジスタから離れた一側に位置し、前記基板における投影は前記第2電極の前記基板における投影と離間され、前記機能層と同じ材料の部分を含むバリア部材とを備える、発光素子を提供する。
【0018】
幾つかの実施例において、前記第1電極はソースであり、前記駆動トランジスタはゲート、ドレイン及び半導体層をさらに含み、前記半導体層の前記基板における投影は、前記第2電極の前記基板における投影内に位置する。
【0019】
幾つかの実施例において、前記機能層は、正孔輸送層及び電子輸送層をさらに含み、前記正孔輸送層の前記複数の駆動トランジスタから離れた一面の面積は、前記第2電極の前記複数の駆動トランジスタから離れた一面の面積より大きく、前記電子輸送層の前記複数の駆動トランジスタから離れた一面の面積は、前記第2電極の前記複数の駆動トランジスタから離れた一面の面積より大きい。
【0020】
幾つかの実施例において、前記バリア部材が前記画素定義層上に形成される勾配角θは、1°<θ<60°の範囲である。
【0021】
幾つかの実施例において、前記バリア部材は、第1部分及び第2部分を含み、前記第1部分の材料は、前記第1有機発光ダイオードの機能層の少なくとも一部の材料と同じであり、前記第2部分の材料は、前記第2有機発光ダイオードの機能層の少なくとも一部の材料と同じであり、ここで、前記第1部分と前記第2部分とは、前記画素定義層に重なる。
【0022】
幾つかの実施例において、前記第1部分は、前記第1有機発光ダイオードの機能層が前記画素定義層の上に延びる部分であり、前記第2部分は、前記第2有機発光ダイオードの機能層が前記画素定義層の上に延びる部分である。
【0023】
幾つかの実施例において、前記第2部分が前記第1部分を覆い、前記第1有機発光ダイオードは赤色有機発光ダイオードであり、前記第2有機発光ダイオードは緑色有機発光ダイオード又は青色有機発光ダイオードであり;又は、前記第1有機発光ダイオードは緑色有機発光ダイオードであり、前記第2有機発光ダイオードは青色有機発光ダイオードである。
【0024】
幾つかの実施例において、前記第1有機発光ダイオードが赤色有機発光ダイオードであり、前記第2有機発光ダイオードが緑色有機発光ダイオードである場合、前記バリア部材の厚さは500Å~3500Åの範囲であり;前記第1有機発光ダイオードが緑色有機発光ダイオードであり、前記第2有機発光ダイオードが青色有機発光ダイオードである場合、前記バリア部材の厚さは400Å~2700Åの範囲であり;又は、前記第1有機発光ダイオードが赤色有機発光ダイオードであり、前記第2有機発光ダイオードが青色有機発光ダイオードである場合、前記バリア部材の厚さは400Å~2700Åの範囲である。
【0025】
本開示の実施例のもう一つの態様によれば、上述に記載の発光素子を備える表示装置を提供する。
【0026】
本開示の実施例のさらに一つの態様によれば、初期ベース構造に画素定義層を形成し、前記画素定義層に前記初期ベース構造を露出する複数の開口を形成するステップと、前記複数の開口内に複数のサブ画素のための機能層を形成し、そして前記画素定義層上にバリア部材を形成するステップとを有する、発光素子の製造方法を提供する。
【0027】
幾つかの実施例において、前記バリア部材の材料が前記複数のサブ画素の機能層の少なくとも一部の材料と同じであり、前記複数のサブ画素の機能層を形成する過程中に前記バリア部材が形成される。
【0029】
以下、図面を参照しながら、本開示の例示的な実施例を詳細に説明するが、本開示の他の特徴及びその利点がより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
明細書の一部を構成する図面は、本開示の実施例を説明し、明細書と共に本開示の原理を解釈するものである。
本開示は、図面を参照しながら、以下の詳細な説明によれば、より明確に理解されることができる。
図1】本開示の幾つかの実施例に係る発光素子を概略的に示す断面図である。
図2】本開示の他の幾つかの実施例に係る発光素子を概略的に示す断面図である。
図3】本開示の別の幾つかの実施例に係る発光素子を概略的に示す断面図である。
図4】本開示の別の幾つかの実施例に係る発光素子を概略的に示す上面図である。
図5】本開示の幾つかの実施例に係る発光素子の製造方法を示すフローチャートである。
図6】本開示の幾つかの実施例に係る発光素子の製造過程中の図5におけるステップS520の構造を概略的に示す断面図である。 理解すべきなのは、図面に示されている各部の寸法は、実際の比例関係に従って描かれたものではないことである。なお、同一又は類似の参照符号は、同一又は類似の構成要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照しながら、本開示の各例示的な実施例を詳細に説明する。例示的な実施例の説明は、単に例示的なものであり、決して本開示及びその適用又は使用に対するいかなる制限として解釈されない。本開示は、明細書に記載の実施例に限定されなく、多くの異なる形態で実現され得る。これらの実施例は、本開示を徹底的且つ完全的にさせ、そして当業者に本開示の範囲を十分に示すように提供される。注意すべきなのは、特に明記しない限り、これらの実施例に記載の部品及びステップの相対配置、材料の成分、数値表現式及び数値は、限定されるものではなく、単なる例示的なものとして解釈されるべきである。
【0032】
本開示に用いられる用語「第1」、「第2」及び類似の用語は、いかなる順序、数量又は重要性を示すものではなく、異なる構成要素を区別するために使用されるだけである。「備える」又は「含む」などの類する用語とは、その用語の前に現れる要素が、その用語の後に現れる要素を包含することを意味するが、他の要素も包含する可能性も除外されるとは意図しない。「上」、「下」、「左」、「右」などは、相対位置関係を示すためのみに使用され、説明された対象の絶対位置が変化すると、該相対位置関係もそれに応じて変化する。
【0033】
本開示では、特定の素子が第一素子と第二素子との間に位置することが説明される時、当該特定の素子と第一素子又は第二素子との間には、介在素子が存在してもよく、存在しなくてもよい。特定の素子が他の素子に接続されることが説明される時、当該特定の素子は、介在素子を有することなく他の素子に直接接続されてもよいし、他の素子に直接接続されなく介在素子を有してもよい。
【0034】
本開示で使用される全ての用語(技術的又は科学的用語を含む)は、特に明記しない限り、本開示が属する技術分野の当業者によって理解されるものと同じ意味を有する。また、理解すべきなのは、一般辞書などに定義された用語は、関連技術の文脈における意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、明細書で明確に定義しない限り、理想化又は極度の形式化の意味で解釈されるべきではない。
【0035】
関連分野の当業者に知られている技術、方法及び装置については詳細に検討しないが、適宜な場合、前記技術、方法及び装置は、明細書の一部とみなされるべきである。
本開示の発明者は、各サブ画素において、一部の光がサブ画素の表面に対して傾斜する方向に沿って射出されることを発見した。これにより、隣接する異なる色のサブ画素の間に混光現象が発生し、その結果、色域が悪くなり、視覚効果が低下する。
【0036】
これに鑑み、本開示の実施例は、隣接するサブ画素の間の混光現象を抑制するための発光素子を提供する。以下、図面を参照しながら、本開示の幾つかの実施例に係る発光素子を詳細に説明する。図1は本開示の幾つかの実施例に係る発光素子を概略的に示す断面図である。
【0037】
図1に示すように、この発光素子は、画素定義層2、複数のサブ画素及びバリア部材80を備えることができる。各々のサブ画素は機能層を含んでもよい。該複数のサブ画素の機能層は、画素定義層2によって離間された、隣接する第1サブ画素71の機能層及び第2サブ画素72の機能層を含むことができる。該バリア部材80は、画素定義層2に設けられることができる。また、図1には、アノード(第1サブ画素用の第1アノード41及び第2サブ画素用の第2アノード42を含む)、ビア5及びアノードとバックプレーン回路(図1には図示せず)との間のスペーサ絶縁層6をさらに示されている。このビア5は、スペーサ絶縁層6に形成された貫通孔であり、貫通孔内には導電材料層(例えば金属層)を有している。アノードとバックプレーン回路とは、ビア5内の導電材料層を介して導通される。説明すべきなのは、図1では、アノードとビア5内の導電材料層とが一体的に形成された構造を示しているが、本開示の実施例の範囲はこれに限定されず、当該アノードとビア内の導電材料層とが別体に形成された構造であってもよい。例えば、アノードとビア内の導電材料層とは、異なる材料の構造であってもよい。
【0038】
該実施例の発光素子において、画素定義層にはバリア部材が設けられている。このバリア部材は、第1サブ画素及び第2サブ画素がそれぞれ画素定義層の上方に発射されて混光現象を発生させる光線を、可能な限り阻止することができる。こうして、隣接する第1サブ画素と第2サブ画素との間の混光現象を抑制して、表示効果を向上することができる。
【0039】
幾つかの実施例において、図1に示すよう、該バリア部材80が画素定義層上に形成される勾配角θは、1°<θ<60°の範囲であってもよい。例えば、当該勾配角θは10°、20°、30°又は50°等であってもよい。ここで、勾配角は、バリア部材の傾斜面と画素定義層の上表面との間の夾角であってもよい。当該実施例において、上記の適切な範囲の勾配角に設定することにより、隣接するサブ画素の間の混光現象を可能な限り低減することができ、サブ画素が正常に発射された光線に対する阻止を可能な限り回避することができる。説明すべきなのは、当業者が必要に応じて勾配角θを他の角度に設定してもよく、本開示の実施例における勾配角θはこの範囲に限定されない。
【0040】
幾つかの実施例において、該バリア部材80は絶縁層を含んでもよい。例えば、該絶縁層は、二酸化珪素と窒化珪素の少なくとも一種を含んでもよい。該実施例において、画素定義層上にバリア部材として絶縁層を用いる実施例を説明した。しかしながら、本開示の実施例の形態はこれに限定されない。本開示の実施例は、サブ画素の機能層と同じ材料の構造層を用いてバリア部材を形成する実施例をさらに含むことができる。
【0041】
幾つかの実施例において、バリア部材は第1部分及び第2部分を含んでもよい。該第1部分の材料は、第1サブ画素の機能層の少なくとも一部の材料と同じである。該第2部分の材料は、第2サブ画素の機能層の少なくとも一部の材料と同じである。該第1部分と該第2部分とは、画素定義層上に重なる。該実施例において、隣接する2つのサブ画素の少なくとも一部の機能層と同じ材料の構造層をバリア部材として利用し、製造過程中に他の材料層を導入する必要がなく、製造過程中により容易に実施する。
【0042】
幾つかの実施例において、バリア部材の第1部分は、第1サブ画素の機能層が画素定義層の上に延びる部分であってもよいし、該バリア部材の第2部分は、第2サブ画素の機能層が画素定義層の上に延びる部分であってもよい。例えば、各サブ画素の機能層が画素定義層の上に延びてもよく、こうして隣接する第1サブ画素と第2サブ画素とは、それぞれ一部の機能層が画素定義層の上に重なっており、これにより重なり部分を形成する。この重なり部分は、バリア部材として機能することができる。もちろん、本開示の実施例の範囲は、ここで説明された延在状況に限定されなく、例えば、製造過程中に、重なり部分の機能層は、それぞれ対応するサブ画素の機能層と離間されてもよい。
【0043】
幾つかの実施例において、機能層は発光層を含んでもよい。例えば、バリア部材の第1部分は、第1サブ画素の発光層と同じ材料の部分を含んでもよく、バリア部材の第2部分は第2サブ画素の発光層と同じ材料の部分を含んでもよい。
【0044】
他の幾つかの実施形態において、機能層は、電子輸送層(Electron Transport Layer、ETLと略称する)及び正孔輸送層(Hole Transport Layer、HTLと略称する)をさらに含むことができる。発光層は、該電子輸送層と該正孔輸送層との間に位置される。例えば、電子輸送層、正孔輸送層及び発光層は共に有機層であってもよい。説明すべきなのは、機能層は、電子輸送層、正孔輸送層及び発光層のうちの少なくとも1つ以外、他の有機層又は無機層を含んでもよい。例えば、機能層は、電子バリア層又は正孔バリア層などを含んでもよい。従って、本開示の実施例の範囲は、ここに挙げられた機能層の例示に限定されない。
【0045】
幾つかの実施例において、バリア部材の第1部分は、第1サブ画素の電子輸送層、正孔輸送層及び発光層の少なくとも一層と同じ材料の部分を含んでもよい。バリア部材の第2部分は、第2サブ画素の電子輸送層、正孔輸送層及び発光層の少なくとも一層と同じ材料の部分を含んでもよい。例えば、第1サブ画素の電子輸送層、正孔輸送層及び発光層の少なくとも一層を、画素定義層上まで延びさせ、第2サブ画素の電子輸送層、正孔輸送層及び発光層の少なくとも一層も画素定義層上まで延びさせてもよい。2つの延在部分は、画素定義層上に重なっており、これにより重なり部分を形成する。この重なり部分は、バリア部材として機能することができる。もちろん、本開示の実施例の範囲は、ここに説明された延在状況に限定されない。例えば、製造過程中に、重なり部分は、それぞれ対応するサブ画素と離間されてもよい。
【0046】
バリア部材の第1部分と第2部分とがいずれも電子輸送層と同じ材料の部分を含む場合、該第1部分に含まれる電子輸送層と同じ材料の部分と、該第2部分に含まれる電子輸送層と同じ材料の部分とは離間される。例えば、第1部分が第1サブ画素の電子輸送層と同じ材料の部分を含み、且つ第2部分が第2サブ画素の電子輸送層と同じ材料の部分を含む場合、該第1部分に含まれた第1サブ画素の電子輸送層と同じ材料の部分と、該第2部分に含まれた第2サブ画素の電子輸送層と同じ材料の部分とは離間される。該実施例では、画素定義層のバリア部材に近接する表面に垂直な方向において、第1部分に含まれた電子輸送層と同じ材料の部分と第2部分に含まれた電子輸送層と同じ材料の部分とが、異なる構造層によって離間されることができ、これにより異なるサブ画素の間の電子は互いに影響を与えず、サブ画素の発光精度が向上する。
【0047】
バリア部材の第1部分と第2部分とがいずれも正孔輸送層と同じ材料の部分を含む場合、該第1部分に含まれる正孔輸送層と同じ材料の部分と、該第2部分に含まれる正孔輸送層と同じ材料の部分とは離間される。例えば、第1部分が第1サブ画素の正孔輸送層と同じ材料の部分を含み、且つ第2部分が第2サブ画素の正孔輸送層と同じ材料の部分を含む場合、該第1部分に含まれた第1サブ画素の正孔輸送層と同じ材料の部分と、該第2部分に含まれた第2サブ画素の正孔輸送層と同じ材料の部分とは離間される。該実施例では、画素定義層のバリア部材に近接する表面に垂直な方向において、第1部分に含まれた正孔輸送層と同じ材料の部分と第2部分に含まれた正孔輸送層と同じ材料の部分とが、異なる構造層によって離間されることができ、これにより異なるサブ画素の間の正孔は互いに影響を与えず、サブ画素の発光精度が向上される。
【0048】
以下、図2及び図3を参照して、機能層の重なり部分をバリア部材として機能する実施例を詳細に説明する。
【0049】
図2は、本開示の他の幾つかの実施例に係る発光素子を概略的に示す断面図である。図2に示すように、この発光素子は、画素定義層2、複数のサブ画素及びバリア部材80’を含むことができる。各々のサブ画素は機能層を含んでもよい。該複数のサブ画素の機能層は、画素定義層2によって離間された、隣接する第1サブ画素71の機能層及び第2サブ画素72の機能層を含むことができる。該バリア部材80’は、画素定義層2に設けられることができる。
【0050】
例えば、図2に示すように、第1サブ画素71の機能層は、電子輸送層(第1電子輸送層と呼ぶことができる)311、正孔輸送層(第1正孔輸送層と呼ぶことができる)313、及び該電子輸送層311と該正孔輸送層313との間における発光層(第1発光層と呼ぶことができる)312を備えることができる。第2サブ画素72の機能層は、電子輸送層(第2電子輸送層と呼ぶことができる)321、正孔輸送層(第2正孔輸送層と呼ぶことができる)323、及び該電子輸送層321と該正孔輸送層323との間における発光層(第2発光層と呼ぶことができる)322を備えることができる。
【0051】
幾つかの実施例において、図2に示すように、バリア部材80’の第1部分は、第1サブ画素71の発光層312と同じ材料の部分を含んでもよい。幾つかの実施例において、該バリア部材80’の第2部分は、第2サブ画素72の発光層322と同じ材料の部分を含んでもよい。
【0052】
例えば、図2に示すように、第1発光層312及び第2発光層322とは、それぞれ画素定義層2の上に延びてもよい。しかも、2つの発光層の延在部分は、該画素定義層2に重なっており、これにより重なり部分を形成する。この重なり部分はバリア部材80’として機能することができる。このバリア部材80’では、第2発光層322の延在部分が第1発光層312の延在部分を覆う。このバリア部材は、隣接する2つのサブ画素から発射され混光現象を引き起こす光線を阻止する効果を実現することができ、従って、2つのサブ画素の混光現象を抑制することができる。
【0053】
幾つかの実施例において、図2に示すよう、バリア部材80’としての重なり部分の画素定義層に形成される勾配角θは、1°<θ<60°の範囲であってもよい。該実施例において、2つの発光層が重なる時、上層にある発光層が下層にある発光層を覆う際に登り勾配を呈す状態となるため、勾配角が形成される。前文に記載の勾配角の範囲内において、機能層(例えば有機層)及び該機能層におけるカソード層(後述で説明する)は、底角で容易に破断することがなく、よって電気的性能が影響されない。
【0054】
幾つかの実施例において、図2に示すように、バリア部材の第2部分(例えば、第2発光層322の延在部分)が第1部分(例えば、第1発光層312の延在部分)を覆う場合、第1サブ画素71は赤色サブ画素であってもよく、第2サブ画素72は緑色サブ画素又は青色サブ画素であってもよい。他の幾つかの実施例において、バリア部材の第2部分が第1部分を覆う場合、第1サブ画素71は緑色サブ画素であってもよく、第2サブ画素72は青色サブ画素であってもよい。ここで、赤色サブ画素は赤色光を発光できるサブ画素であり、緑色サブ画素は緑色光を発光できるサブ画素であり、青色サブ画素は青色光を発光できるサブ画素である。
【0055】
上記の実施例において、バリア部材としての重なり部分において、緑色サブ画素又は青色サブ画素の発光層と同じ材料の部分が、赤色サブ画素の発光層と同じ材料の部分を覆う。又は、重なり部分において、青色サブ画素の発光層と同じ材料の部分が、緑色サブ画素の発光層と同じ材料の部分を覆う。このようなオーバーラップ被覆方式によれば、製造過程中に、RGB(Rは赤色サブ画素を示し、Gは緑色サブ画素を示し、Bは青色サブ画素を示す)の三者の有機層(例えば発光層)の厚さを徐々に薄くすることができ、これにより、後続の蒸着工程の時間を前より短くさせることができ、前に形成された膜層材料に与える影響が比較的小さい。
【0056】
例えば、赤色サブ画素の発光層を先に形成し、そして青色又は緑色サブ画素の発光層を形成する。青色又は緑色サブ画素の発光層は、赤色サブ画素の発光層より薄いため、青色又は緑色サブ画素の発光層を形成する時に要する蒸着工程の時間は比較的短く、これにより、既に形成された赤色サブ画素の発光層に対する影響が比較的小さい。
また、人間の目は青色サブ画素に対して敏感ではなく、青色発光層が最上層に位置する。こうして、青色蛍光が発生しても、青色発光層の重なり領域における光純度を大きく影響するが、人間の目で見た画像効果に対する影響が比較的小さい。
【0057】
本開示の幾つかの実施例において、図2に示すように、発光素子は、カソード層1をさらに含むことができる。例えば、このカソード層1は、複数のサブ画素の領域全体(アクティブ領域と呼ぶことができる)を覆ってもよい。このカソード層1は、電子輸送層の上に位置される。
【0058】
本開示の幾つかの実施例において、発光素子は、駆動トランジスタ(例えば、TFT(Thin Film Transistor、薄膜トランジスタ))をさらに含むことができる。例えば、図2に示すように、この駆動トランジスタは、半導体層92、ゲート絶縁層93、ゲート94、ソース95及びドレイン96などを備えることができる。該半導体層92は、基板91上に位置される。例えば、基板91と半導体層92との間にバッファ層(不図示)が存在してもよい。ゲート絶縁層93は、ゲート94と半導体層92との間に位置する。ソース95は、ビア5内の導電材料層を介してアノード42(又は41)に接続され、さらに他のビア971内の導電材料層を介して半導体層92に接続されている。ドレイン96は、もう一つのビア972内の導電材料層を介して半導体層92に接続されている。さらに、発光素子は、他の絶縁層(例えば絶縁層981及び982)又は平坦化層などをさらに含むことができる。
【0059】
本開示の実施例において、サブ画素は有機発光ダイオードを含むことができる。以下は、本開示の幾つかの実施例に係る発光素子を、別の角度から詳細に説明することができる。
【0060】
本開示の実施例は発光素子をさらに提供する。例えば、図2に示すように、この発光素子は、複数の駆動トランジスタ、基板91、複数の有機発光ダイオード及びバリア部材80’を備えることができる。
【0061】
各々の駆動トランジスタは、第1電極を含んでもよい。例えば、この第1電極はソース95であってもよい。基板91は、前記複数の駆動トランジスタの一側に位置されている。複数の有機発光ダイオードは、前記複数の駆動トランジスタの該基板91に対向する他側に位置される。各々の有機発光ダイオードは、第2電極(例えば、アノード41又は42)、第3電極(例えば、カソード1)及び機能層を含んでもよい。該第2電極は、該第1電極と電気的に接続される(例えば、アノード41又は42は、ソース95と電気的に接続される)。前記機能層の少なくとも一部は、第2電極と第3電極との間に位置される。前記複数の有機発光ダイオードは、少なくとも画素定義層2によって離間された第1有機発光ダイオード701及び第2有機発光ダイオード702を含む。機能層は少なくとも発光層312又は322を含んでもよい。発光層の駆動トランジスタから離れた一面の面積は、第2電極(例えばアノード41又は42)の駆動トランジスタから離れた一面の面積より大きい。こうして、発光層と他の機能層(例えば電子輸送層又は正孔輸送層)とを完全に接触させることができ、且つ有効発光面積を可能な限り確保することができる。
【0062】
バリア部材80’は、画素定義層2の駆動トランジスタから離れた側に位置する。該バリア部材80’の基板91における投影は、第2電極(例えば、アノード41又は42)の基板91における投影から離間される。該バリア部材80’は、機能層(例えば発光層)と同じ材料の部分を含んでもよい。例えば、該バリア部材80’は、発光層312と322とがそれぞれ画素定義層2上に延びて重なる部分を含んでもよい。
【0063】
幾つかの実施例において、図2に示すように、この駆動トランジスタは、ゲート94、ドレイン96及び半導体層92をさらに備えることができる。該半導体層92は、基板91上に位置される。ゲート94と半導体層92との間は、ゲート絶縁層93によって離間されている。ソース95は、第2電極(例えば、アノード42又は41)に接続されている。該ソース95及びドレイン96とは、それぞれ半導体層92に接続されている。該半導体層92の該基板91における投影は、第2電極(例えば、アノード42又は41)の該基板91における投影内に位置する。
【0064】
幾つかの実施例において、図2に示すように、機能層は、正孔輸送層313(又は323)及び電子輸送層311(又は321)をさらに含むことができる。
【0065】
幾つかの実施例において、バリア部材80’は第1部分及び第2部分を含んでもよい。該第1部分の材料は、第1有機発光ダイオード701の機能層の少なくとも一部の材料と同じである。該第2部分の材料は、第2有機発光ダイオード702の機能層の少なくとも一部の材料と同じである。例えば、図2に示すように、該バリア部材80’の第1部分の材料は、第1有機発光ダイオード701の発光層312の材料と同じであり、該バリア部材80’の第2部分の材料は、第2有機発光ダイオード702の発光層322の材料と同じである。該第1部分と該第2部分とは、画素定義層上に重なる。
【0066】
幾つかの実施例において、第1部分は、第1有機発光ダイオードの機能層が画素定義層の上に延びる部分であってもよく、第2部分は、第2有機発光ダイオードの機能層が画素定義層の上に延びる部分であってもよい。例えば、図2に示すように、第1部分は、第1有機発光ダイオード701の発光層312が画素定義層2の上に延びる部分であってもよく、第2部分は、第2有機発光ダイオード702の発光層322が画素定義層2の上に延びる部分であってもよい。
【0067】
幾つかの実施例において、第2部分が第1部分を覆う場合、第1有機発光ダイオード701は赤色有機発光ダイオードであってもよく、第2有機発光ダイオード702は緑色有機発光ダイオード又は青色有機発光ダイオードであってもよい。他の幾つかの実施例において、第2部分が第1部分を覆う場合、第1有機発光ダイオード701は緑色有機発光ダイオードであってもよく、第2有機発光ダイオード702は青色有機発光ダイオードであってもよい。
【0068】
図3は、本開示の別の幾つかの実施例に係る発光素子を概略的に示す断面図である。図3に示すように、この発光素子は、画素定義層2、複数のサブ画素及びバリア部材80’’を含むことができる。各サブ画素は機能層を含んでもよい。該複数のサブ画素の機能層は、画素定義層2によって離間された、隣接する第1サブ画素71の機能層及び第2サブ画素72の機能層を含むことができる。該バリア部材80’’は、画素定義層2に設けられることができる。ここで、図3に示す発光素子は、図2に示す発光素子と同一又は類似の構造については説明を省略する。
【0069】
幾つかの実施例において、図3に示すように、バリア部材80’’の第1部分は、第1サブ画素71の電子輸送層311、正孔輸送層313及び発光層312とそれぞれ同じ材料の部分を含んでもよい。幾つかの実施例において、図3に示すように、該バリア部材80’’の第2部分は、第2サブ画素72の電子輸送層321、正孔輸送層323及び発光層322とそれぞれ同じ材料の部分を含んでもよい。
【0070】
例えば、図3に示すように、第1サブ画素71の電子輸送層311、正孔輸送層313及び発光層312は、全体的に画素定義層2上に延びてもよい。第2サブ画素72の電子輸送層321、正孔輸送層323及び発光層322も、全体的に画素定義層2上に延びてもよい。第1サブ画素71における上述した各層の延在部分と第2サブ画素72における上述した各層の延在部分とは、該画素定義層2上に重なっており、これにより重なり部分を形成する。この重なり部分はバリア部材80’’として機能することができる。このバリア部材は、隣接する2つのサブ画素から発射され混光現象を引き起こす光線を阻止する効果を実現することができ、従って、2つのサブ画素の混光現象を抑制することができる。
【0071】
このバリア部材80’’では、第2サブ画素72における各層(電子輸送層321、正孔輸送層323及び発光層322を含む)の延在部分は、全体的に第1サブ画素71における各層(電子輸送層311、正孔輸送層313及び発光層312)の延在部分の上に覆っている。例えば、図3に示すように、重なり部分の構造層では、画素定義層の上表面(即ちバリア部材に近接する表面)に垂直な方向において、2つの電子輸送層311と321とは、発光層322及び正孔輸送層313によって離間され、二つの正孔輸送層313と323は、電子輸送層311及び発光層312によって離間され、こうして異なるサブ画素の間のキャリアは互いに影響を与えない。説明すべきなのは、正孔輸送層313の側面と正孔輸送層323とは接触する可能性があるが、接触面積が非常に小さく、接触抵抗が大きくなり、正孔が2つの正孔輸送層の間で伝送するのが非常に難しいため、異なるサブ画素の発光にほとんど影響を与えない。


【0072】
図2に示す発光素子の構造と比べて、図3に示す発光素子において、すべての機能層が隣接するサブ画素の間で重なっているため、重なり部分の厚さ、即ちバリア部材の厚さを増加させ、ひいては混光の阻止効果を向上させることができる。
【0073】
幾つかの実施例において、図3に示すように、バリア部材80’’の重なり部分の画素定義層上に形成される勾配角θは、1°<θ<60°の範囲であってもよい。
幾つかの実施例において、前述と同様に、図3に示すように、バリア部材の第2部分が第1部分を覆う場合、該第1サブ画素71は赤色サブ画素であってもよく、該第2サブ画素72は緑色サブ画素又は青色サブ画素であってもよい。他の幾つかの実施例において、前述と同様に、図3に示すように、バリア部材の第2部分が第1部分を覆う場合、該第1サブ画素71は緑色サブ画素であってもよく、該第2サブ画素72は青色サブ画素であってもよい。このような設計は、人間の目で見た画像効果に対する影響が比較的小さい。
【0074】
説明すべきなのは、図2は、2つのサブ画素の発光層が画素定義層上で重なってバリア部材を形成する実施形態を示し、図3は、2つのサブ画素の電子輸送層、正孔輸送層及び発光層が画素定義層上で重なってバリア部材を形成する実施形態を示すものである。理解するべきなのは、本開示の実施例のバリア部材は、上記の実施例で言及された構造に限定されない。例えば、該バリア部材は、電子輸送層311と正孔輸送層323とを画素定義層上に重なることによって形成される構造を含んでもよい。また、例えば、該バリア部材は、2つの発光層312と322、電子輸送層311及び正孔輸送層323を画素定義層上に重なることによって形成される構造を含んでもよい。さらに例えば、該バリア部材は、2つの発光層312と322、電子輸送層321及び正孔輸送層313を画素定義層上に重なることによって形成される構造を含んでもよい。もちろん、当業者であれば、該バリア部材は機能層を他の方式で重なって形成された構造であってもよいことが理解すべきであり、ここでは一々列挙はしない。
【0075】
幾つかの実施例において、図3に示すように、正孔輸送層313又は323の駆動トランジスタから離れた一面の面積は、有機発光ダイオード701又は702の第2電極(例えばアノード41又は42)の駆動トランジスタから離れた一面の面積より大きい。幾つかの実施例において、電子輸送層311又は321の駆動トランジスタから離れた一面の面積は、有機発光ダイオード701又は702の第2電極(例えばアノード41又は42)の駆動トランジスタから離れた一面の面積より大きい。
【0076】
幾つかの実施例において、第1サブ画素71が赤色サブ画素で、第2サブ画素72が緑色サブ画素である(又は、第1有機発光ダイオード701が赤色有機発光ダイオードで、第2有機発光ダイオード702が緑色有機発光ダイオードである)場合、バリア部材(例えば、図2又は図3に示す重なり部分)の厚さは、500Å~3500Åの範囲であってもよい。例えば、該バリア部材の厚さは、1000Å、2000Å、又は3000Å等であってもよい。
【0077】
他の幾つかの実施例において、第1サブ画素71が緑色サブ画素で、第2サブ画素72が青色サブ画素である(又は、第1有機発光ダイオード701が緑色有機発光ダイオードで、第2有機発光ダイオード702が青色有機発光ダイオードである)場合、バリア部材(例えば、図2又は図3に示す重なり部分)の厚さは、400Å~2700Åの範囲であってもよい。例えば、該バリア部材の厚さは、700Å、1000Å、又は2000Åなどであってもよい。
【0078】
他の幾つかの実施例において、第1サブ画素71が赤色サブ画素で、第2サブ画素72が青色サブ画素である(又は、第1有機発光ダイオード701が赤色有機発光ダイオードで、第2有機発光ダイオード702が青色有機発光ダイオードである)場合、バリア部材(例えば、図2又は図3に示す重なり部分)の厚さは、400Å~2700Åの範囲であってもよい。例えば、該バリア部材の厚さは、700Å、1000Å、又は2000Åなどであってもよい。
【0079】
図4は、本開示の別の幾つかの実施例に係る発光素子を概略的に示す上面図である。
【0080】
図4に示すように、第1領域301は、赤色サブ画素Rの機能層及びその赤色サブ画素Rの機能層の延在部分の領域であり、第2領域302は、緑色サブ画素Gの機能層及びその緑色サブ画素Gの機能層の延在部分の領域で、第3領域303は、青色サブ画素Bの機能層及びその青色サブ画素Bの機能層の延在部分の領域である。これらのサブ画素は、隣接するサブ画素の間には、いずれも重なり領域が存在する。
【0081】
幾つかの実施例において、図4に示すように、複数のサブ画素では、第3領域303の面積>第1領域301の面積>第2領域302の面積である。このような設計は、人間の目で見た画像の効果がより良くさせることができる。
【0082】
幾つかの実施例において、赤緑青の3色のサブ画素で1つの画素を構成してもよいし、1つの赤色サブ画素、1つの青色サブ画素及び2つの緑色サブ画素で1つの画素を構成してもよい。さらに、緑色サブ画素は2つの画素で共有されることができる。
【0083】
幾つかの実施例において、図4に示すように、複数のサブ画素では、同一行のサブ画素はRGBGの順に交互に配列されている。このような配列は、異なる色の隣接するサブ画素の間に、いずれも重なり領域を実質的に含むようにする。
【0084】
幾つかの実施例において、図4に示すように、隣接する2列のサブ画素では、緑色サブ画素Gが一列に配列され、赤色サブ画素Rと青色サブ画素Bとが他の一列に交互に配列されている。このような設計は、緑色サブ画素Gを異なる画素に多重化させることができる。例えば、第1行の緑色サブ画素Gは、1番目の画面を表示する時に第1行のサブ画素とされてもよく、2番目の画面を表示する時、画面の必要に応じて第2行のサブ画素とされてもよい。こうして、表示される画像の角部をより丸くさせ、解像度をより高くすることができる。
【0085】
本開示の実施例において、前述に記載の発光素子を備える表示装置をさらに提供する。例えば、図1図2又は図3に示す発光素子である。例えば、この表示装置は、表示パネル、表示画面、携帯電話、タブレットコンピュータ、ノートブックコンピュータ等が挙げられる。
【0086】
図5は、本開示の幾つかの実施例に係る発光素子の製造方法を示すフローチャートである。
【0087】
ステップS520において、初期ベース構造に画素定義層を形成し、該画素定義層には、該初期ベース構造を露出する複数の開口が形成される。
【0088】
図6は、本開示の幾つかの実施例に係る発光素子の製造過程中の図5におけるステップS520の構造を概略的に示す断面図である。図6に示すように、初期ベース構造100には、画素定義層2が形成されている。例えば、図6に示すように、この初期ベース構造100は、アノード(例えば、第1アノード41及び第2アノード42)、スペーサ絶縁層6及びアノードに接続されたビア5などを含むことができる。もちろん、当業者であれば、初期ベース構造100は、ここでは個々に示されない他の構造層をさらに含み得ることを理解すべきである。
【0089】
図6に示すように、該画素定義層2には、初期ベース構造100を露出する複数の開口201が形成されている。例えば、画素定義層2は、複数の開口201を形成するようにエッチングされてもよい。例えば、各開口201は、1つのアノードを露出させてもよい。例えば、図6に示すように、隣接する2つの開口について、一つの開口は第1アノード41を露出させ、他の一つの開口は第2アノード42を露出させる。
【0090】
図5に戻り、ステップS540において、複数の開口には、複数のサブ画素のための機能層が形成され、さらに画素定義層には、バリア部材が形成される。
【0091】
図1は、本開示の幾つかの実施例に係る発光素子の製造過程中の図5におけるステップS540の構造を概略的に示す断面図である。図1に示すように、複数の開口のうちの1つの開口に第1サブ画素71の機能層を形成し、隣接するもう一つの開口に第2サブ画素72の機能層を形成し、及び画素定義層2にバリア部材80を形成する。
【0092】
幾つかの実施例において、バリア部材の材料とサブ画素の材料とは異なる。例えば、バリア部材は絶縁層を含むことができ、サブ画素は機能層(例えば、有機層)を含むことができる。このような場合、サブ画素の機能層とバリア部材とは、別々に形成されてもよい。例えば、先に複数の開口に複数のサブ画素のための機能層を形成し、そして画素定義層上にバリア部材を形成することができる。また、例えば、先に画素定義層にバリア部材を形成し、そして複数の開口に複数のサブ画素のための機能層を形成することができる。
【0093】
他の幾つかの実施例において、バリア部材の材料は、前記複数のサブ画素の機能層の少なくとも一部の材料と同じであってもよい。このような場合、前記複数のサブ画素の機能層を形成する過程中にバリア部材を形成してもよい。例えば、第1サブ画素及び第2サブ画素の一部の機能層を形成する過程中に、これらの機能層の一部を画素定義層上にも形成させることができる。これらの機能層が画素定義層上に重なることにより、バリア部材を形成する。
【0094】
幾つかの実施例において、サブ画素の機能層は、電子輸送層、正孔輸送層及び発光層を含んでもよい。例えば、第1サブ画素の発光層及び第2サブ画素の発光層を形成する過程中に、蒸着又は印刷工程を用いて第1サブ画素の発光層の一部を画素定義層上に覆わせ;そして、蒸着又は印刷工程を用いて第2サブ画素の発光層の一部を、該第1サブ画素の発光層の該画素定義層に位置する前記部分上に覆わせることができる(図2に示すものを参照してもよい)。こうして、隣接するサブ画素の発光層が画素定義層上に重なることにより、バリア部材を形成する。
【0095】
ここまで、本開示の幾つかの実施例に係る発光素子の製造方法が提供される。この製造方法において、画素定義層にはバリア部材が形成されている。該バリア部材は、第1サブ画素と第2サブ画素とがそれぞれ画素定義層の上方に発射され混光現象を発生させる光線を、可能な限り阻止することができる。よって、隣接する第1サブ画素と第2サブ画素との間の混光現象を抑制して、表示効果を向上することができる。
【0096】
ここまで、本開示の各実施例を詳細に説明した。本開示の概念を不明確にすることを避けるため、当分野で周知される細部を説明していない。当業者であれば、上記の説明に基づき、本明細書で開示された技術案を如何にして実施するかを完全に理解することができるだろう。
【0097】
本開示の幾つかの特定の実施例を例示により詳細に説明したが、当業者であれば、上記の例示が単に説明するためのものであり、本開示の範囲を限定するものではないことを理解すべきである。当業者でれば、本開示の発想及び精神から逸脱しない範囲内に、上記の実施例を変形し、又は一部の技術的特徴を同等に置換えてもよいことを理解すべきである。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲によって限定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6