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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-24
(45)【発行日】2022-12-02
(54)【発明の名称】内視鏡器具を洗浄するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/12 20060101AFI20221125BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20221125BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20221125BHJP
【FI】
A61B1/12 531
A61B1/00 552
G02B23/24 A
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020072250
(22)【出願日】2020-04-14
(65)【公開番号】P2020121160
(43)【公開日】2020-08-13
【審査請求日】2020-05-11
【審判番号】
【審判請求日】2022-05-11
(31)【優先権主張番号】62/037,299
(32)【優先日】2014-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510253996
【氏名又は名称】インテュイティブ サージカル オペレーションズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ブルメンクランズ,スティーヴン ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】バルバグリ,フェデリコ
(72)【発明者】
【氏名】ザオ,タオ
【合議体】
【審判長】樋口 宗彦
【審判官】上田 泰
【審判官】石井 哲
(56)【参考文献】
【文献】特開平6-98854(JP,A)
【文献】特開2012-125461(JP,A)
【文献】特表2007-500021(JP,A)
【文献】特開昭57-185832(JP,A)
【文献】特開2011-244937(JP,A)
【文献】特開2011-194011(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0331730(US,A1)
【文献】特開平7-313445(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00-1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズルと、レンズとを含む、医療器具と、
加圧流体の提供を制御するように構成される弁と、
弁制御機構と、
制御システムとを含み、該制御システムは、
患者解剖学的構造内の前記医療器具の位置に基づいて、障害物が前記レンズの表面にあるか否かを決定し、
前記障害物が前記レンズの前記表面にあるという決定に基づいて、並びに前記患者解剖学的構造内の前記医療器具の前記位置に基づいて、前記弁制御機構に指令して前記弁を制御して、前記加圧流体の流れを、前記ノズルを通じて、前記レンズの前記表面に亘って放出させる、
ように構成される、
システム。
【請求項2】
前記障害物が前記レンズの前記表面にあるか否かを決定することは、
前記医療器具の撮像システムから画像を受信すること、及び
該受信する画像の明瞭性を閾値明瞭性と比較することを含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記障害物が前記レンズの前記表面にあるという決定は、前記受信する画像の前記明瞭性が前記閾値明瞭性を満足しないという決定を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記医療器具が前記患者解剖学的構造の第1の領域に位置付けられるとき、前記閾値明瞭性は、第1の閾値明瞭性であり、前記医療器具が前記患者解剖学的構造の第2の領域に位置付けられるとき、前記閾値明瞭性は、前記第1の閾値明瞭性とは異なる第2の閾値明瞭性である、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の領域は、前記第2の領域よりも少ないコントラストを有する領域を含み、前記第1の閾値明瞭性は、前記第2の閾値明瞭性よりも大きいように設定される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の領域は、前記第2の領域よりも高いコントラストを有する領域を含み、前記第2の閾値明瞭性は、前記第1の閾値明瞭性よりも大きいように設定される、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記制御システムは、
前記医療器具の撮像システムから第1の画像を受信し、
前記医療器具の前記撮像システムから第2の画像を受信し、且つ
前記第1の画像の明瞭性を前記第2の画像の明瞭性と比較する、
ように更に構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記障害物が前記レンズの前記表面にあるという決定は、前記第1の画像の前記明瞭性が前記第2の画像の前記明瞭性を超えるという決定を含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記加圧流体は、気体又は液体のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記加圧流体の前記流れは、気体の流れ及び液体の流れの間で交互する、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記加圧流体は、空気、二酸化炭素、又は生理食塩水のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
ノズルと、レンズとを含む、医療器具と、
標準的な手術室圧力よりも高い圧力にある加圧流体を提供するように構成される圧力増大機構と、
前記ノズルと前記圧力増大機構との間の弁であって、前記加圧流体の提供を制御するように構成される弁と、
弁制御機構と、
制御システムとを含み、該制御システムは、
前記レンズの表面にある障害物を検出し、
該障害物を検出することに基づいて、前記弁制御機構に指令して前記弁を開放させて、前記加圧流体の流れを、前記圧力増大機構から、前記ノズルを通じて、前記レンズの前記表面に亘って放出させる、
ように構成され、
前記加圧流体の前記流れの量は、患者解剖学的構造内の前記医療器具の位置に基づいて決定される、
システム。
【請求項13】
前記医療器具は、光センサを更に含み、前記障害物を検出することは、前記光センサによって、前記障害物を検出することを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記制御システムは、
前記医療器具の撮像システムから画像を受信し、且つ
該画像の閉塞量を決定する
ように更に構成される、
請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記障害物を検出することは、前記閉塞量が閾値閉塞量を超えることを決定することを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記障害物を検出することは、前記患者解剖学的構造内の前記医療器具の前記位置に基づいて、前記障害物が前記レンズの前記表面にあるか否かを決定することを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
前記医療器具は、撮像システムを更に含み、
前記障害物を検出することは、前記患者解剖学的構造内の前記医療器具の前記位置に基づいて、前記障害物が前記レンズの表面にあるか否かを、
前記撮像システムから画像を受信すること、及び
該受信する画像の明瞭性を閾値明瞭性と比較することによって
決定することを含む、
請求項12に記載のシステム。
【請求項18】
前記障害物が前記レンズの前記表面にあることを決定することは、前記受信する画像の前記明瞭性が前記閾値明瞭性を満足しないことを決定することを含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記医療器具が前記患者解剖学的構造の第1の領域に位置付けられるとき、前記閾値明瞭性は、第1の閾値明瞭性であり、前記医療器具が前記患者解剖学的構造の第2の領域に位置付けられるとき、前記閾値明瞭性は、前記第1の閾値明瞭性とは異なる第2の閾値明瞭性である、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記加圧流体は、空気、二酸化炭素、又は生理食塩水のうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
この出願は、2014年8月14日に出願された「SYSTEMS AND METHODS FOR CLEANING AN ENDOSCOPIC INSTRUMENT」という名称の米国仮特許出願第62/037,299号の優先権及び出願日の利益を主張し、その全文を本明細書中に参照として援用する。
【0002】
本開示は、洗浄のためのシステム及び方法に向けられており、より具体的には、患者の内側にある間に内視鏡器具を洗浄するためのシステム及び方法に向けられている。
【背景技術】
【0003】
最小侵襲的な医療技法は、医療処置中に傷付けられる組織の量を減少させ、それにより、患者の回復時間、不快感、有害な副作用を減少させることを意図する。そのような最小侵襲的な技法は、患者の解剖学的構造にある自然開口部を通じて或いは1つ又はそれよりも多くの外科的な切開部を通じて行われることがある。臨床医は、これらの自然開口部又は切開部を通じて医療ツールを挿入し、標的組織場所に達してよい。医療ツールは、治療器具、診断器具、及び手術器具のような、器具を含む。標的組織場所に達するために、最小侵襲的な医療ツールは、肺、結腸、腸、腎臓、心臓、循環系、又は同等の器官のような、解剖学的系統における自然の又は外科的に創られる通路を進む(navigate)ことがある。
【0004】
最小侵襲的な医療処置は、視覚化システムに依存して、標的場所を見出し、様々な手術を行うことがある。具体的には、視覚化システムは、最小侵襲的な医療器具が解剖学的系統における自然の又は外科的に創られる通路を進んで標的組織場所に達するのを助けることがある。例えば、視覚化システムは、肺、結腸、腸、腎臓、心臓、消化器系、又は同等の器官にある自然の通路を通じて最小侵襲的な医療器具を誘導するのを助けることがある。幾つかの最小侵襲的な医療器具は、遠隔操作され或いはその他の方法でコンピュータ支援されることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
医療器具のナビゲーション中又は医療器具によって行われる手術中、視覚化システムのレンズは、患者の組織又は流体によって遮られ或いは曇らされることがある。そのような障害物はナビゲーション又は手術をより困難にすることがある。よって、患者にとって安全な方法において視覚化システムのレンズを洗浄するのが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施態様は、以下に続く請求項によって要約される。
【0007】
1つの実施態様において、医療器具を洗浄する方法は、医療器具を提供すること、医療器具の表面に亘る加圧流体の流れを開始させること、及び所定の持続時間の後に加圧流体の流れを終了させることを含む。加圧流体は、標準的な手術室供給源よりも大きい圧力を有する。
【0008】
他の実施態様において、方法は、圧力増大機構で加圧流体を提供すること、及び医療器具の表面に亘って加圧流体の流れを通すことを含み、加圧流体のパルスは、所定の持続時間に亘って延びる。
【0009】
他の実施態様において、システムは、医療器具と、ノズルと、ノズルに接続される圧力増大機構と、圧力増大機構とノズルとの間の弁と、加圧流体の流れを、所定の持続時間に亘って、圧力増大機構からノズルを通じて医療器具の表面の上に放出するよう、弁を制御するように構成される、弁制御機構とを含む。
【0010】
本開示の特徴は、添付の図面と共に判読されるとき、後続の詳細な記述から最良に理解される。業界の標準的な慣行に従って、様々な構成は原寸通りに描写されていないことを強調する。実際には、様々な構成の寸法は、議論の明確性のために、任意に増大させられ或いは減少させられることがある。加えて、本開示は、様々な実施例において参照番号及び/又は文字を繰り返すことがある。この繰返しは単純性及び明確性の目的のためであり、それ自体は本明細書中で議論する様々な実施態様及び/又は構成の間の関係を決定しない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本明細書中に記載する原理の1つの実施例に従った例示的な遠隔操作医療システムを示す図面である。
【0012】
図2】本明細書中に記載する原理の1つの実施例に従った内視鏡視覚化システムを含む例示的な医療器具システムを示す図面である。
【0013】
図3】本明細書中に記載する原理の1つの実施例に従った内視鏡視覚化システムの正面の正面図である。
【0014】
図4】本明細書中に記載する原理の1つの実施例に従った内視鏡視覚化システムのレンズに加圧流体を提供する例示的なシステムを示す図である。
【0015】
図5A】本明細書中に記載する原理の1つの実施例に従った内視鏡視覚化システムのレンズの表面に流体を提供するノズルの正面図である。
【0016】
図5B】本明細書中に記載する原理の1つの実施例に従った内視鏡視覚化システムのレンズの表面に流体を提供するノズルの断面図である。
【0017】
図6】本明細書中に記載する原理の1つの実施例に従った内視鏡視覚化システムのレンズの表面に流体を提供する丸められたスロットノズルの斜視図である。
【0018】
図7】本明細書中に記載する原理の1つの実施例に従った流体のパルスを内視鏡視覚化システムのレンズに適用させるパルス信号を示すグラフである。
【0019】
図8A】本明細書中に記載する原理の1つの実施例に従ったレンズの表面上の障害物を例示する図である。
図8B】本明細書中に記載する原理の1つの実施例に従ったレンズの表面上の障害物を例示する図である。
【0020】
図9】本明細書中に記載する原理の1つの実施例に従った内視鏡視覚化システムのレンズを洗浄する例示的な方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示の原理の理解を促進させる目的のために、図面に例示される実施態様を今や参照し、実施態様を記載するために特定の言語を用いる。それにも拘わらず、開示の範囲の限定を意図していないことが理解されるであろう。本発明の特徴の以下の詳細な記述において、開示する実施態様の網羅的な理解をもたらすために、数多くの具体的な詳細を示す。しかしながら、この開示の実施態様がこれらの詳細がなくても実施されることがあることは当業者に明らかであろう。他の場合には、本発明の実施態様の特徴を不必要に曖昧にしないよう、周知の方法、手順、コンポーネント(構成部品)、及び回路を詳細に記載しない。
【0022】
記載のデバイス、器具、方法、及び本開示の原理のあらゆる更なる適用に対する、あらゆる変更及び更なる修正は、本開示が関連する当業者の心に普通に思い浮かぶように、完全に想定される。具体的には、1つの実施態様に関して記載する構成、コンポーネント、及び/又はステップは、本開示の他の実施態様に関して記載する構成、コンポーネント、及び/又はステップと組み合わせられてよいことが完全に想定される。加えて、本明細書中で提供される寸法は、具体的な実施例のためにあり、異なる大きさ、寸法、及び/又は比率を利用して、本開示の着想を実施してよいことが想定される。不要な記述の繰返しを避けるために、1つの例示的な実施態様に従って記載する1つ又はそれよりも多くのコンポーネント又は行為を他の例示的な実施態様から適用可能なものとして用い或いは省略し得る。簡潔性のために、これらの実施態様の数多くの繰返しを別個に記載しない。単純性のために、幾つかの場合には、同一又は同等の部品に言及するために、図面を通じて同じ参照番号を用いる。
【0023】
以下の実施態様は、様々な器具及び器具の部分を、それらの三次元空間内の状態に関して記載する。本明細書中で用いられるとき、「位置」という用語は、三次元空間(例えば、デカルトX,Y,Z座標に沿う並進自由度)における物体又は物体の部分の場所を指す。本明細書中で用いられるとき、「向き」という用語は、物体又は物体の部分の回転は位置(3つの回転自由度-例えば、ロール、ピッチ、及びヨー)を指す。本明細書中で用いられるとき、「姿勢」という用語は、少なくとも1つの並進自由度における物体又は物体の部分の位置を指し、少なくとも1つの回転自由度(最大で6つの自由度)におけるその物体又はその物体の部分を指す。本明細書中で用いられるとき、「形状」という用語は、物体に沿って測定される姿勢、位置、又は向きのセットを指す。
【0024】
様々な実施態様によれば、器具給送を誘導するために遠隔操作システムを用いることによって、生検処置のような医療処置が行われることがある。図面の図1を参照すると、例えば、診断処置、治療処置、又は外科処置を含む、医療処置における使用のための、遠隔操作医療システムが、参照番号100によって概ね示されている。記載するように、この開示の遠隔操作医療システムは、外科医の遠隔操作制御の下にある。代替的な実施態様において、遠隔操作医療システムは、処置又は下位処置を行うようプログラムされたコンピュータの部分的な制御の下にあってよい。更に他の代替的な実施態様では、処置又は下位処置を行うようプログラムされたコンピュータの完全制御の下で完全に自動化された医療システムを用いて、処置又は下位処置を行ってよい。図1に示すように、遠隔操作医療システム100は、一般的に、患者Pを位置付ける手術台Oに又はその付近に取り付けられる遠隔操作アセンブリ102を含む。医療器具システム104が、遠隔操作アセンブリ102に動作可能に連結される。操作者入力システム106は、外科医又は他の種類の臨床医Sが、手術部位の又は手術部位を表す画像を見て、医療器具システム104の動作を制御するのを可能にする。操作者入力システム106をマスタコンソール又は外科医コンソールと呼ぶことがある。
【0025】
操作者入力システム106は、外科医コンソールに配置されてよく、外科医コンソールは、通常、手術台Oと同じ室内にある。しかしながら、外科医Sを患者Pと異なる室内に或いは完全に異なる建物内に配置してよいことが理解されるべきである。操作者入力システム106は、一般的に、医療器具システム104を制御する1つ又はそれよりも多くの制御デバイスを含む。より具体的には、外科医の入力命令に応答して、制御システム112は、医療器具システム104のサーボ機械的な動きをもたらす。(複数の)制御デバイスは、ハンドグリップ、ジョイスティック、トラックボール、データグローブ、トリガガン、手動操作コントローラ、音声認識デバイス、タッチスクリーン、身体動作又は存在センサ、及び同等物のような、任意の数の様々な入力デバイスのうちの1つ又はそれよりも多くを含んでよい。幾つかの実施態様において、(複数の)制御デバイスは、遠隔操作アセンブリの医療器具と同じ自由度を備えて、外科医に、テレプレゼンス、即ち、外科医が恰も手術部位に存在するかのように器具を直接的に制御しているという強い感覚を有するよう、(複数の)制御デバイスが器具と一体であるという知覚をもたらす。他の実施態様において、(複数の)制御デバイスは、関連する医療器具よりも多い又は少ない自由度を有しながら、依然として外科医にテレプレゼンスをもたらすことがある。幾つかの実施態様において、(複数の)制御デバイスは、6つの自由度で動く手動入力デバイスであり、それらは器具を作動させるための(例えば、把持ジョーを閉じる、電極に電位を印加する、医療処置を施す、並びに同等のことのための)作動可能なハンドルも含んでよい。
【0026】
遠隔操作アセンブリ102は、医療器具システム104をサポートし、1つ又はそれよりも多くの非サーボ制御リンク(例えば、手動で位置付けられ且つ所定の場所に係止させられてよい、セットアップ構造と概ね呼ぶ、1つ又はそれよりも多くのリンク)及び遠隔操作マニピュレータの運動学的構造を含んでよい。遠隔操作アセンブリ102は、医療器具システム104にある入力を駆動させる複数のモータを含む。これらのモータは、制御システム(例えば、制御システム112)からの命令に応答して動く。モータは、駆動システムを含み、駆動システムは、医療器具システム104に連結されるときに、医療器具を自然に又は外科的に創られる解剖学的な開口部内に前進させることがある。他の電動駆動システムが、医療器具の遠位端を、多数の自由度において動かしてよく、多くの自由度は、3つの線形自由度(例えば、X,Y,Zデカルト軸に沿う線形運動)及び3つの回転自由度(例えば、X,Y,Zデカルト軸についての回転)を含んでよい。加えて、モータを用いて、生検デバイス又は同等物のジョー内で組織を把持する器具の関節作動可能なエンドエフェクタを作動させてよい。
【0027】
遠隔操作医療システム100は、医療器具システム104の遠位端で手術作業空間から画像(イメージ)を取り込む1つ又はそれよりも多くのサブシステムを備える画像キャプチャシステム108も含む。システム操作者は、操作者入力システム106に動作的に連結される或いは操作者入力システム106内に動作的に組み込まれるディスプレイシステム110で視認するために提示される、画像キャプチャシステム108によって取り込まれる画像を見る。ディスプレイシステム110は、画像キャプチャシステム108のサブシステムによって生成されるような手術部位及び(複数の)医療器具システム104の画像又は表現を表示する。ディスプレイシステム110及び操作者入力システム106は、操作者が医療器具システム104及び操作者入力システム106をテレプレゼンスの知覚を伴って制御し得るよう、方向付けられてよい。ディスプレイシステム110は、別個の画像を操作者の各眼に提示し、それにより、操作者が立体画像を視認するのを可能にするよう、別個の左右のディスプレイのような多数のディスプレイを含んでよい。
【0028】
遠隔操作医療システム100は、医療器具システム104を通じて流体を給送し或いは評価するための、流体管理システム109も含む。例えば、流体管理システム109は、器具の遠位端を洗浄するために、器具を通じて空気、二酸化炭素、又は生理食塩水を給送するための、流体給送システムを含んでよい。流体管理システムは、患者内部手術作業空間から流体及び破片を取り除く吸引システムを含んでもよい。
【0029】
代替的に又は追加的に、ディスプレイシステム110は、コンピュータ断層撮影法(CT)、磁気共鳴映像法(MRI)、サーモグラフィ、超音波、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)、熱映像法、インピーダンス映像法、レーザ映像法、ナノチューブX線映像法、及び同等の方法のような、撮像技法を用いて、術前に又は術中に記録され且つ/或いは撮像される、手術部位の画像を提示してよい。提示される術前又は術中の画像は、二次元、三次元、又は四次元(例えば、時間ベース又は速度ベースの情報を含む)画像、及び画像を再現するための関連する画像データセットを含んでよい。
【0030】
遠隔操作医療システム100は、制御システム112も含む。制御システム112は、少なくとも1つのメモリと、少なくとも1つのプロセッサ(図示せず)とを含み、典型的には、医療器具システム104、操作者入力システム106、画像キャプチャシステム108、及びディスプレイシステム110の間の制御をもたらす、複数のプロセッサを含む。制御システム112は、本明細書中に開示する特徴に従って記載する方法の一部又は全部を実施するよう、プログラムされた指令(例えば、指令を格納するコンピュータ可読媒体)も含む。制御システム112は、図1の簡略図中に単一のブロックとして示されているが、制御システムは、2つ又はそれよりも多くのデータ処理回路を含んでよく、処理の1つの部分は、遠隔操作アセンブリ102の上で又は隣接して任意的に行われ、処理の他の部分は、操作者入力システム106で行われる等してよい。多種多様な集中型又は分散型のデータ処理アーキテクチャのうちのいずれかが利用されてよい。同様に、プログラムされる指令は、多数の別個のプログラム又はサブルーチンとして実施されてよく、或いは、それらは、本明細書中に記載する遠隔操作システムの多数の他の特徴内に組み込まれてよい。1つの実施態様において、制御システム112は、Bluetooth(登録商標)、IrDA、HomeRF、IEEE 802.11、DECT、及びWireless Telemetryのような、無線通信プロトコルをサポートする。
【0031】
幾つかの実施態様において、制御システム112は、医療器具システム104から力及び/又はトルクフィードバックを受ける1つ又はそれよりも多くのサーボコントローラを含んでよい。フィードバックに応答して、サーボコントローラは、信号を操作者入力システム106に送信する。(複数の)サーボコントローラは、身体の開口を介して患者の体内の内部手術部位内に延びる(複数の)医療器具システム104を動かすことを遠隔操作アセンブリ102に指令する信号を送信してもよい。任意の適切な従来的な又は特殊化したサーボコントローラを用いてよい。サーボコントローラは、遠隔操作アセンブリ102と別個であってよく或いは一体的であってよい。幾つかの実施態様において、サーボコントローラ及び遠隔操作アセンブリは、患者の身体に隣接して位置付けられる遠隔操作アームカートの部分として提供される。
【0032】
遠隔操作医療システム100は、照明システム、操縦制御システム、洗浄システム、及び/又は吸引システムのような、任意的な操作システム及びサポートシステム(図示せず)を更に含んでよい。代替的な実施態様において、遠隔操作システムは、1つよりも多くの遠隔操作アセンブリ及び/又は1つよりも多くの操作者入力システムを含んでよい。マニピュレータアセンブリの正確な数は、数ある要因の中でも、外科処置及び手術室内の空間制約に依存する。操作者入力システムは並置されてよく、或いは、それらは別個の場所に位置付けられてよい。多数の操作者入力システムは、1人よりも多くの操作者が様々な組み合わせにおいて1つ又はそれよりも多くのマニピュレータアセンブリを制御するのを可能にする。
【0033】
図2は、自然開口部又は外科的に創られる開口部での患者の体内への挿入のための遠隔医療システム100の医療器具システム104として用いられてよい、医療器具システム200を例示している。代替的に、医療器具システム200は、非遠隔操作診査処置のために或いは内視鏡のような従来的な手動操作医療器具を含む処置において用いられてよい。
【0034】
器具システム200は、器具本体204に連結されるカテーテルシステム202を含む。カテーテルシステム202は、近位端217と、遠位端又は先端部分218とを有する、細長いフレキシブルなカテーテル本体216を含む。1つの実施態様において、フレキシブルな本体216は、約3mmの外径を有する。他のフレキシブルな本体の外径は、より大きくてよく或いはより小さくてよい。遠位端218と近位端217との間の本体216の全長は、セグメント224に効果的に分割されてよい。
【0035】
カテーテルシステム202は、任意的に、本体216に沿う1つ若しくはそれよりも多くのセグメント224の及び/又は遠位端218でのカテーテル先端の位置、向き、速さ、速度、姿勢、及び/又は形状を決定する、形状センサ222を含む。形状センサ222は、(例えば、内部通路(図示せず)内に設けられる或いは外部的に取り付けられる)フレキシブルなカテーテル本体216と整列させられる光ファイバを含んでよい。1つの実施態様において、光ファイバは、約200μmの直径を有する。他の実施態様において、直径は、より大きくてよく或いはより小さくてよい。形状センサシステム222の光ファイバは、カテーテルシステム202の形状を決定する光ファイバ曲げセンサを形成する。
【0036】
医療器具システムは、任意的に、位置センサシステム220を含んでよい。位置センサシステム220は、外部的に生成される電磁場に晒されることがある1つ又はそれよりも多くの導電性コイルを含むセンサ220を備える、EMセンサシステムのコンポーネントであってよい。
【0037】
フレキシブルなカテーテル本体216は、補助的な器具226を受け入れるような大きさ及び形状とされる1つ又はそれよりも多くの作業通路を含む。補助的な器具は、例えば、画像キャプチャプローブ、生検器具、レーザアブレーションファイバ、又は他の外科的、診断的、若しくは治療的なツールを含んでよい。補助的なツールは、メス、鈍らブレード、光ファイバ、又は電極のような、単一の作業部材を有する、エンドエフェクタを含んでよい。他のエンドエフェクタは、例えば、鉗子、グラスパ(graspers)、鋏、又はクリップアプライヤ(clip
appliers)を含んでよい。電気的にアクティブ化されるエンドエフェクタの実施例は、電気外科電極、変換器(トランスデューサ)、センサ、及び同等物を含む。様々な実施態様において、補助的なツール226は、表示のために画像キャプチャシステム108によって処理される画像(ビデオ画像を含む)を取り込むためにフレキシブルなカテーテル本体216の遠位端218又はその付近に立体視又は平面視カメラを備える遠位部分を含む、内視鏡のような画像キャプチャプローブであってよい。画像キャプチャプローブは、取り込んだ画像データを送信するためにカメラに連結されるケーブルを含んでよい。代替的に、画像キャプチャ器具は、視覚化システムに繋がる、ファイバスコープのような光ファイバの束であってよい。画像キャプチャ器具は、単スペクトル又は多スペクトルであってよく、例えば、可視スペクトル、赤外スペクトル、又は紫外スペクトルのうちの1つ又はそれよりも多くにおいて画像データを取り込む。
【0038】
補助的な器具226は、器具の遠位端を制御可能に曲げるよう、器具の近位端と遠位端との間に延びる、ケーブル、リンケージ、又は他の作動制御装置を収容してよい。操縦可能な器具は、(2005年10月4日に出願された)(「Articulated Surgical Instrument for Performing Minimally Invasive Surgery with Enhanced Dexterity and Sensitivity」を開示する)米国特許第7,316,681号及び(2008年9月30日に出願された)(「Passive Preload and Capstan Drive for Surgical
Instruments」を開示する)米国特許出願第12/286,644号に詳細に記載されており、それらの全文を本明細書中に参照として援用する。
【0039】
フレキシブルなカテーテル本体216は、例えば、遠位端の破線描写219によって示すように、遠位端218を制御可能に曲げるよう、ハウジング204と遠位端218との間に延びる、ケーブル、リンケージ、又は他の操縦制御装置(図示せず)も収容してよい。操縦可能なカテーテルは、(2011年10月14日に出願された)(「Catheter with Removable Vision Probe」を開示する)米国特許出願第13/274,208に詳細に記載されており、その全文を本明細書中に参照として援用する。器具システム200が遠隔操作アセンブリによって作動させられる実施態様において、ハウジング204は、遠隔操作アセンブリの電動駆動要素に取り外し可能に繋がり且つそこから動力を受け取る、駆動入力部を含んでよい。器具システム200が手動操作される実施態様において、ハウジング204は、把持構成、手動アクチュエータ、又は器具システムの動きを手動で制御するための他のコンポーネントを含んでよい。カテーテルシステムは、操縦可能であってよく、或いは、代替的に、システムは、器具の曲げの操作者制御のための統合的な機構を具備しないで、操縦不能であってよい。その上又は代替的に、1つ又はそれよりも多くの管腔が、フレキシブルな本体216の壁に定められ、1つ又はそれよりも多くの管腔を通じて器具を標的手術場所に配置して用い得る。
【0040】
様々な実施態様において、医療器具システム200は、肺の検査、診断、生検、又は治療における使用のための、気管支鏡又は気管支カテーテルのような、フレキシブルな気管支器具を含んでよい。システム200は、結腸、腸、腎臓、脳、心臓、循環系、及び同等の器官を含む、様々な解剖学的系統のいずれかにおける、自然の又は外科的に創られる接続通路を介した、他の組織のナビゲーション及び治療のためにも適する。様々な実施態様において、医療器具は、フレキシブルなカテーテルよりもむしろ、剛的な構造(例えば、剛的な内視鏡)を含むことがある。
【0041】
図2の実施態様において、器具200は、遠隔操作医療システム100内で遠隔操作される。代替的な実施態様において、遠隔操作アセンブリ102は、直接的な操作者制御に取って代わられてよい。直接的な制御の代替において、様々なハンドル及び操作者インターフェースが、器具の手持ち式操作のために含められてよい。図3は、本明細書中に記載する原理の1つの実施例に従った内視鏡視覚化システムの正面の正面図である。
【0042】
適切に作動するために、器具200又は他のカテーテル器具、気管支鏡、若しくは内視鏡の遠位端は、障害物がないままでなければならない。撮像システムのレンズの上の或いはカテーテル作業通路の開口での患者流体(例えば、粘液又は血液)、組織、又は焼灼煙の蓄積は、そのような器具を用いる処置の安全且つ時間効率的な行為に対する障害を生むことがある。幾つかの洗浄方法は、レンズに向けられたノズルを通じて流体(例えば、気体又は生理食塩水)を注入すること又は患者から器具を除去して汚染のない遠位端を擦り付けることを含む。これらの処置の両方は時間を費やし、それは患者の安全及び有効性の両方に影響を与え得る。注入流体を用いて器具の遠位端を洗浄することは、特定の状況において、例えば、器具が患者管腔(例えば、肺の気道通路)内に挿入され、器具先端の外径が患者管腔の内径を完全に又は実質的に塞ぎ、器具先端の遠位の解剖学的領域を封止するときに、懸念を引き起こすことがある。器具先端を洗浄するために注入される過剰な流体は、解剖学的領域の封止部分を膨張させて、周囲組織を破裂させることがある。例えば、器具が肺内の使用における気管支鏡であるならば、影響を受けた器具によって隔離された肺の領域内へのそのような過剰な流体注入は、肺壁又は胸膜の破裂を引き起こし、ひいては、気胸を引き起こすことがある。本明細書中に記載される方法及びシステムによれば、器具遠位端のより効果的な洗浄方法は、障害となる材料を十分に取り除きながら、患者解剖学的構造内に排出される流体を最小にする。
【0043】
図3は、内視鏡、気管支鏡、フレキシブルなカテーテル器具200、又は剛的な撮像器具のような、細長い医療器具301の正面図300である。本実施例によれば、医療器具301は、通路303を備えるカテーテル302を含み、細長い撮像器具305は、通路303を通じて延びる。撮像器具305は、レンズ306を含む。レンズ306は、その上に障害物308を有することがある。障害物308は、曇った物質又は視覚化システムを通じる視野(vision)を遮る物体を含むことがある。例えば、血液又は粘液のような患者流体又は患者組織が、レンズ306の表面に粘着して、レンズ306の表面を曇らせることがある。レンズ306の上の障害物308は、撮像器具305によって受信される且つ使用者に送られる画像中に見える。ノズル304が、レンズの表面に亘って流体310を吹き付けて、レンズ308から障害物308を除去するよう、構成される。流体は、例えば、生理食塩水、二酸化炭素、又は空気であってよい。ノズル304は、流体310を所望の出力場所/構成に誘導する任意の構造であり得ることに留意のこと。
【0044】
図4は、流体管理システム109のコンポーネントであってよい例示的な流体給送システム400を示す図面である。流体給送システム400は、ノズル304からの高圧流体310の短い噴出(bursts)を医療器具301のレンズ306に提供して、低体積の流体310を患者解剖学的構造内に給送する。本実施例によれば、システム400は、加圧流体供給源402と、遮断弁404と、圧力調整器406と、高速弁408と、トリガ410によって制御される任意的なタイマ412と、医療器具301を通じて延びる流体供給管腔と、ノズル304とを含む。全体として、タイマ412及びトリガ410は、弁制御機構であると考えられてよい。
【0045】
流体供給源402は、標準的な手段を通じて(例えば、室内で圧縮されて)加圧されてよく、外科環境において利用可能な一組の標準的な設備(a standard suite of utilities)における既存の加圧流体給送システムの部分であってよい。流体供給源402は、流体301の流れを制御する遮断弁404を通じてシステム400に接続されてよい。流体310の加圧をモニタリング(監視)し且つ維持するために、圧力調整器406が用いられてよい。
【0046】
幾つかの実施態様において、流体310の圧力は、約50~300psiの間の圧力で排出されるよう調整されてよい。幾つかの実施例において、流体の圧力は、50、60、75、100、又は150psiよりも大きくてよく、或いは300psiよりも大きくてさえよい。流体供給源402の圧力は、手術室壁によって供給される標準的な圧力よりも大きい。手術室内の加圧流体の標準的な圧力供給は、約50psiである。幾つかの実施例では、圧力増大機構(pressure augmenting mechanism)を用いて、より高い加圧流体供給源402を創り出してよい。そのような圧力増大機構は、空気圧縮機(エアコンプレッサ)のような流体圧縮機を含んでよい。幾つかの実施例において、圧力増大機構は、(Haskelによって製造されるModel HAA 31-2.5又は85291のような)圧力増幅機(pressure amplifier)であってよい。幾つかの実施例において、圧力増大機構は、適切な調整器に従って用いられる高圧のボンベ入りガス(瓶入り気体)であってよい。
【0047】
幾つかの実施態様において、高速弁408は、トリガ410及びタイマ412によって制御されるような短い時間期間(例えば、0.5ミリ秒)に亘って開放させられ得る弁408であってよい。弁408が開放させられるとき、加圧流体310は、医療器具301内に延びる流体供給管腔内に流入してノズル304に至るのが可能にされる。1つの実施例において、高速弁408は、ソレノイド弁である。1つの実施例において、高速弁408は、Festoによって製造されるModel MHJ-10シリーズの弁である。そのような弁は、90~130psiの間に亘る圧力を備える加圧流体を取り扱い得る。1つの実施例において、高速弁408は、空圧弁である。
【0048】
弁は、タイマによって決定されてよい所定の時間期間の後に加圧流体の流れを自動的に非アクティブ化するように構成され得る。幾つかの実施態様において、所定の時間間隔は、費やされる流体の総量が閾値レベルより下であるような時間間隔であり得る。閾値レベルは、患者解剖学的構造の過剰膨張の危険性を減少させるよう、設定され得る。閾値レベルは、患者解剖学的構造内の器具の場所を考慮に入れ得る。解剖学的構造のより小さな空洞では、費やされる流体の総量を最小にするのが望ましいことがあり、よって、閾値レベルは、0.4立方センチメートル(ccs)のように、比較的低くてよい。幾つかの僅かにより大きな空洞では、2ccsのような、より大きな閾値レベルが用いられてよい。幾つかの実施態様において、閾値レベルは、(例えば、器具の操作又はX線若しくは撮像データの視認に基づき使用者によって)手動で或いは(例えば、外科ナビゲーション技術又は位置センサによって決定される患者解剖学的構造内の器具の位置に基づき)自動的に、器具の場所に従って調節され得る。
【0049】
高速弁408の開放は、トリガ410によって制御される。トリガ410は、弁408を所定の間隔に亘って開放させて、流体のパルスを医療器具301の流体供給管腔を通じてノズル304に放出する。トリガ410は、ハードウェア、ソフトウェア、又はそれら2つの組み合わせとして実施されてよい。例えば、トリガは、操作者入力システム106内に又は遠隔操作医療システム100内の他の場所に組み込まれ、且つ、例えば、臨床医の手若しくは足の動き、言葉の命令(verbal command)、眼注視命令(eye gaze command)、又はマウスのような使用者制御器具の使用を介して、臨床医又は補助者に操作可能な、スイッチであってよい。例えば、トリガ410は、フットペダルであってよい。代替的に、トリガ410は、操作者入力システム106にあるタッチパッド、指ボタン、マウスボタン、タッチスクリーンボタンを介して、提供されてよい。トリガ410を介して伝達される開放命令は、制御システム112を介して弁408に伝えられてよい。1つの実施例において、臨床医が、スクリーン(例えば、ディスプレイ110、図1)上の画像が障害物の故に曇らされていることに気付くならば、臨床医は、トリガ410を手動で押してよい。
【0050】
トリガ410の操作は、レンズ306上の破片の視覚化に応答して、臨床医又は補助者によって開始させられてよいが、トリガの操作者は、その上或いは代替的に、システムが障害物を検出するのに基づき開始させられてよい。例えば、カテーテル302の遠位端に配置される光センサが、障害物を検出してよい。他の実施例において、制御システム112は、レンズ306を介して受信される画像をモニタリングして、レンズを見えなくする物質を(例えば、フーリエ変換に基づく解析を通じて)検出してよい。この検出に基づき、制御システム112は、トリガの操作を開始してよい。
【0051】
幾つかの実施例では、レンズが汚れているか否かを決定するために、より洗練されたプロセスを用いて医療器具の撮像システムからの画像を解析してよい。例えば、医療器具は、テクスチャ(texture)がより少ない、従って、鮮明さ(sharpness)及びコントラスト(contrast)がより少ない、解剖学的構造の領域内にあることがある。画像の鮮明さ、コントラスト、及び他のパラメータを、画像の明瞭性(clarity)と呼ぶ。レンズが汚れているか否かを自動的に決定する機能は、器具の位置及び画像の観察される明瞭性を考慮に入れ得る。器具が、より少ない鮮明さ及びコントラストが予期される解剖学的構造の領域内にあるならば、明瞭性の閾量は、上昇させられ得る。よって、画像の明瞭性が幾分少ないように見えるとしても、これはレンズが汚れていること及び流体の自動的なパルスがレンズに亘って向けられないことを必ずしも意味しない。しかしながら、より高い鮮明さ及びコントラストが予期される領域では、明瞭性の閾値は、低くされてよい。よって、画像が余り明瞭でないように見えるときには、これがレンズに亘る流体の自動的なパルスを引き起こす可能性が高い。
【0052】
幾つかの実施例では、現時点の画像を最近取得した画像と比較して、レンズが曇らされているか否か及びレンズが洗浄されるべきか否かを決定し得る。例えば、より少ないコントラストを備える領域では、現時点の画像を最近の画像と比較し得る。現時点の画像が最近の画像よりも相当に曇らされており、医療器具の位置が有意に変更されていないならば、レンズが汚れていること及び洗浄させられるべきことが決定され得る。よって、流体のパルスが自動的に引き起こされる。
【0053】
幾つかの実施例では、画像の閉塞(occlusion)を考慮に入れて、パルスが用いられるべきか否か決定してよい。例えば、画像の特定の割合が閉塞されるならば、パルスが引き起こされ得る。1つの実施例では、20%の閉塞が流体のパルスを引き起こすことがある。
【0054】
幾つかの実施例では、流体のパルスが、特定の時間間隔で自動的に引き起こされることがある。例えば、流体のパルスが、1、2、又は5秒毎にレンズの表面に亘って検出されてよい。他の時間間隔も想定される。この実施例において、使用者はレンズの洗浄を心配する必要がない。むしろ、レンズの洗浄は、使用者のために自動的に行われ、平均して、画像は、間隔ベースの流体パルスのないものよりも、より鮮明なままである。
【0055】
高速弁408の閉塞をタイマ412によって制御し得る。タイマ412は、所定の間隔に亘って設定されてよい。高速弁408が開放されるときに、タイマ412は開始させられる。タイマは所定の間隔に亘って設定される。所定の時間期間が経過すると、タイマ412は高速弁408を閉塞させる。例えば、タイマは弁に信号を送信して、弁が閉じることを指令してよい。タイマは、制御システムが弁に信号を送信するよう、制御システム112内に組み込まれてよい。1つの実施例において、所定の時間期間は、約0.5~50ミリ秒の範囲内から選択されてよい。様々な他の実施態様において、システム400のパフォーマンス特性(性能特性)は、専用のタイマを必要とせずに、所望の流体パルス時間間隔をもたらすよう、選択され或いは構成され得る。
【0056】
幾つかの実施例において、システム400は、高速弁408からのあらゆる漏れをカテーテル通路303から離れてノズル304に至る方向に方向付ける、シャント弁409(shunt valve)を含む。よって、高速弁408において幾らかの漏れがあるならば、この追加的な流体は、シャント弁409を通じて進み、患者の解剖学的構造の内部以外の他の場所に方向付けられる。シャント弁409は、トリガ412によって制御されてもよい。具体的には、高速弁408を開放して、カテーテル302の通路303を通じて流体をノズル304に給送するとき、シャント弁409は、漏流を排水線に方向付けることから、通路303からの加圧流体の損失を妨げるOFF又は閉塞状態に切り換えられる。このモードにおいて、シャント弁409への弁命令は、流体給送弁408への命令と反対であるが、他の実施態様では、弁のON及びOFF状態タイミングにオーバーラップがあってよい。幾つかの実施例では、弁が、流体がそのときに流れてならないことを示すOFF位置になければならないときに、高速弁408において漏れがあるか否かを決定するために、流量センサを用い得る。次に、あらゆる漏流を患者の解剖学的構造から離れる方向に方向付けるために、シャント弁を用い得る。
【0057】
幾つかの実施例において、流体のパルスは、気体であってよい。幾つかの場合、流体のパルスは、生理食塩液のような液体であってよい。幾つかの実施例において、流体のパルスは、気体と液体との間で変動してよい(交互に発せられてよい)。これは、例えば、加圧気体供給と加圧液体供給との間で変動する弁を用いて行われてよい。幾つかの実施例において、一連の変動するパルスにおける最終的なパルスは、気体のパルスであってよい。
【0058】
圧力調整器、高速弁、タイマ、又はトリガのようなコンポーネントを含まない従来的な流体給送システムの1つの実施例において、ノズルを通じる約10ccsの流体を、レンズに亘って、患者解剖学的構造内に給送するために、流体は、操作者によって制御されるときに、約0.10秒に亘って10psiで供給されてよい。
【0059】
流体給送システム400を用いる1つの実施例では、より小さな体積の流体を給送するために、流体はより短い持続時間に亘ってより高い圧力で供給されてよい。例えば、タイマ412によって制御される0.001秒の持続時間に亘って100psiの圧力で、排出される流体の量は、約0.316立方センチメートル(cc)である。よって、従来的なシステムと比較すると、システム400は、流体の3.2%のみ(31x減少)を排出することがあるが、10倍(1000%)の圧力で排出することがある。より大きな圧力は、カテーテルの遠位先端及びレンズから障害物を取り除くためのより大きな力をもたらす。排出される流体の量はより低く、よって、カテーテルによって封止される患者の解剖学的構造を過剰膨張させる危険性を減少させる。これは組織穿孔又は患者に対する他の損傷の危険性を減少させる。流体体積の減少は、レンズ障害物の付着を悪化させ得る持続空気又は二酸化炭素の乾燥効果を減少させることもある。予期される流体体積の減少は、解剖学的構造のより小さな領域において有益であるが、本明細書中に記載する原理は、医療器具が患者の解剖学的構造のより大きな空洞内にある状況にも当て嵌まることがある。
【0060】
一般的に、流体(例えば、気体又は液体)が流れている場合、動的な圧力は、DP=(1/2)pvと定められ得る。DPは、動的な圧力であり、pは、流体密度であり、vは、速度である。よって、動的な圧力は、速度の二乗に依存する。レンズから障害物を取り除く能力は、流体噴流が障害物に対して加える抵抗力F(drag force)に依存する。抵抗力は、F=CxAx1/2pvとして表現されてよく、ここで、Cは、障害物の抵抗係数(drag coefficient)であり、Aは、流れに対して法線方向の障害物の断面積である。よって、障害物に対する力は、流体速度の二乗に依存する。これは、より少ないパルスを備えるより長いパルスが、レンズの表面上の障害物に対するより少ない力で、実質的により多くの体積をもたらすことを意味する。よって、圧力を増大させ、パルス幅を減少させることによって、レンズは、より少ない体積の流体を用いながら、より効果的に洗浄され得る。
【0061】
例えば、上述の等式を用いるならば、圧力の12倍の増大は、速度の約3.5倍の増大に対応する。特に、以下の等式を用いるならば、P1=1/2pv は、P2=1/2pv に対して12倍増大させられる。この等式は、12xv =v まで減少し、それは更にv=3.5vまで減少する。よって、レンズの表面に亘って適用される流体についての体積流量率は、12倍の圧力上昇を伴って、約3.5倍増大する。しかしながら、流体を使う時間の実質的な減少は、適用される実質的により小さな体積の流体をもたらす。例えば、パルスの幅を0.1秒から0.001sに変更することは、体積の100倍の降下をもたらす。圧力の増大と組み合わせられると、障害物に対して12Xの力を加える並びに体積の約3.5%のみを有するより高速のパルスを達成し得る。
【0062】
幾つかの実施態様において、流体の高圧パルスは、特定の種類のポンプによってもたらされることがある。例えば、用いられてよい幾つかの種類のポンプは、ボイスコイルモータポンプ、圧電作動ポンプ、サーボモータ制御ポンプ、及びソレノイド作動ポンプを含むが、これらに限定されない。そのようなポンプは高速弁408の代わりに用いられてよく、よって、極めて短い流体パルスを可能にする。幾つかの場合には、タイマを用いる代わりに、ポンプは、トリガに応答して適切な幅を備えるパルスを生むように構成される。
【0063】
図5Aは、レンズ502の表面に流体を提供するノズル508を有する医療器具の他の実施態様の正面図500である。この実施例によれば、ノズル508は、レンズ502の1つの側に隣接して位置付けられる。照明ファイバ504も、レンズ付近に配置されて、カテーテル506が進む通路の内部を照らす。
【0064】
図5Bは、図5Aの医療器具の断面図を提供している。ノズル508は、レンズ502の表面に近接して位置付けられる。ノズル508内の小さな開口512が、レンズ502の表面に近接してレンズ502の表面と平行に流体を噴射するよう位置付けられ且つ方向付けられる。ノズル508は、供給管腔に繋がるポート514に繋がってよい。流体給送システム400は、図5A及び5Bのノズル構成と共に用いられてよい。
【0065】
図6は、医療器具のレンズ502の表面に流体を提供するための丸められた又は湾曲したスロット604の斜視図600である。この実施例によれば、ノズル604は、カテーテルジャケット608内に固定されたカテーテル端部分604とプローブ先端602との間に湾曲したスロット604を含む。湾曲したスロット604を用いるならば、流体は、2つの内側管腔の間の空間を通じて給送されてよい。例えば、流体は、カテーテルを通じて走る光ファイバケーブルと、光ファイバケーブルを囲む管腔との間に給送されてよい。よって、流体は、面602の頂部にある開口604から噴射され、606で中心化され、レンズ502を横断してレンズの反対側に向かい、面602の底部で出る。流体給送システム400は、図6のノズル構成と共に用いられてよい。この医療器具は、米国特許出願[ISRG006000]により詳細に記載されており、その全文を本明細書中に参照として援用する。
【0066】
図7は、流体のパルスを医療器具のレンズに適用させるパルス信号を示すグラフである。本実施例によれば、水平軸704は、時間を表す。垂直軸702は、弁位置を表す。具体的には、弁は、閉塞位置710又は開放位置712にあってよい。弁トリガが始動させられるとき、パルス信号が弁に送信され、弁は開放して、加圧流体を供給管腔内に通す。タイマはパルス信号706を提供するように構成される。パルス幅708(即ち、持続時間)は、加圧流体をレンズに適用するための所望の時間期間に依存して設定されてよい。上述のように、パルス幅は、約0.5ミリ秒~50.0ミリ秒に及んでよい。パルス幅についての他の範囲も想定される。一般的に、パルス幅は、加圧流体の圧力に基づき設定される。前述のように、幾つかの実施態様では、より高い流体圧力が、パルス持続時間における不均衡な減少を許容してよく、それは給送される流体の体積を大いに減少させながら、洗浄効率の増大をもたらす。
【0067】
幾つかの実施例では、開ループ電流波形が、流体のパルスをもたらすために用いられる弁又はポンプに適用されてよい。開ループ波形は、流体のパルスが所望に適用されるよう、システム動力学(system dynamics)を考慮に入れるような形にされてよい。例えば、波形は、パルスが初期的な段(step)を有するが、次に、ゆっくり降下するような、形にされてよい。他の種類のパルス形状を用いて、流体パルスを所望に挙動させてよい。しかしながら、幾つかの場合には、閉ループ波形が用いられてよい。よって、所望の量の流体をレンズの表面に亘って方向付けるよう、弁の開放及びポンプの動きを注意深く制御するために、フィードバック制御システムを用い得る。例えば、ポンプを制御して2立方センチメートル未満の流体のパルスを生成するよう、フィードバック制御ループを用い得る。
【0068】
図8A及び8Bは、レンズの表面上の障害物を例示する図面である。幾つかの場合、レンズの表面は、疎水性被膜で被覆されてよい。図8Aは、そのような場合を例示している。疎水性被膜は、液体物質がレンズ802の表面に付着する程度を減少させる。疎水性レンズ表面802上の液体物質は、図8Aに例示するように、丸いビード804を形成する可能性が高いことがある。これは液体804のビードについてより高い抵抗係数Cdを生み、ビード状の障害物804の中心を、レンズ802の表面から離れるほど速度が大きい流れ806において、より高く置く。具体的には、より大きい表面積は、上述の等式、F=CxAx1/2pv中のAに対応し、より高い抵抗係数は、Cに対応する。よって、液滴上の力は、適用される流体パルスの流れ内への噴射の高さ、断面積、及び抵抗係数の増大の故に、増大される。具体的には、表面802と平行に噴射される加圧流体806は、ビード状の障害物804のより多くを捕らえ、障害物をより効果的に動かし或いは取り除く。加えて、ノズルからの流体の速度プロファイルは、当業者によって理解されるように、速度が、液滴が境界層の故に付着させられる表面により近接する場所で減少させられるような、速度プロファイルである。
【0069】
図8Bは、親水性表面803を例示している。親水性表面を用いるならば、液体障害物808が、表面803に、しっかりと、より緊密に付着する。よって、抵抗係数及び障害物の高さは減少させられる。よって、付着した障害物808に影響を及ぼす加圧流体806の部分は、低い速度にあり、よりしっかりと付着した障害物808に対してより低い力を加え、障害物を取り除く効率はより低い。よって、レンズの表面からの障害物の除去は、レンズの表面に疎水性被膜802を適用することによってより効率的にされる。具体的には、疎水性被膜は、より短い持続時間に亘ってより高い速度でレンズ表面に近接して平行に方向付けられる噴流と共に用いられるときに、抵抗力を増大させながら、付着力を減少させるという、有益な相乗効果を有する。
【0070】
図9は、医療器具システムのレンズを綺麗にする例示的な方法を示すフローチャートである。本実施例によれば、方法900は、加圧流体の圧力を所定のレベル又は範囲に制御するプロセス902を含む。プロセス904は、医療器具のカテーテルを通じて加圧流体の流れをアクティブ化することを含む。プロセス906は、所定の時間期間の後で、加圧流体の流れを非アクティブ化することを含む。プロセス908は、加圧流体をカテーテルの遠位表面に亘って方向付けることを含む。使用者によって或いは上述の検出システムによって決定されるように、カテーテル内の撮像システムのレンズから障害物が除去されるまで、そのプロセスを繰り返してよい。幾つかの代替的な実施態様では、パルスの事前設定数が、障害物が検出される度に給送されてよく、或いは、パルスは、一定の間隔で継続的に給送されてよい。
【0071】
この開示のシステム及び方法は、肺の接続される気管支通路のために用いられてよい。システム及び方法は、腹部、結腸、腸、腎臓、脳、心臓、循環系、又は同等の器官を含む、様々な解剖学的系統のいずれかにおける、自然の又は外科的に創られた接続された通路を介した、他の組織のナビゲーション及び治療にも適することがある。この開示の方法及び実施態様は、非外科用途にも適する。
【0072】
本明細書中に記載するシステム及び方法は、高圧の短いパルスの流体によって綺麗にされる表面が撮像システムのレンズの表面である実施例を用いる。しかしながら、幾つかの場合には、本明細書中に記載する原理は、洗浄から利益を享受し得る器具の他の表面に適用されてよい。例えば、加圧流体のパルスは、光給送ツールの表面、手術ツール(例えば、グラスパ又は血管シーラのジョー、メスのブレード、又は生検ツールのサンプリング構造)の(複数の)組織接触表面を綺麗にするために適用されてよい。
【0073】
本発明の実施態様における1つ又はそれよりも多くの要素をソフトウェアにおいて実施して、制御処理システム600のようなコンピュータシステムのプロセッサを実行してよい。ソフトウェアにおいて実施されるとき、本発明の実施態様の要素は、本質的には、所要のタスクを行うコードセグメントである。送信媒体又は通信リンクを通じて搬送波において具現されるコンピュータデータ信号によってダウンロードされてよいプロセッサ可読記憶媒体又はデバイス内にプログラム又はコードセグメントを格納し得る。プロセッサ可読記憶デバイスは、光媒体、半導体媒体、及び磁気媒体を含む、情報を格納し得る任意の媒体を含んでよい。プロセッサ可読記憶デバイスの実施例は、電子回路、半導体デバイス、半導体メモリデバイス、読出し専用記憶装置(ROM)、フラッシュメモリ、消去可能なプログラム可能読取り専用記憶装置(EPROM)、フロッピーディスケット、CD-ROM、光ディスク、ハードディスク、又は他の格納デバイスを含む。コードセグメントは、インターネット、イントラネット等のような、コンピュータネットワークを介して、ダウンロードされてよい。
【0074】
提示されるプロセス及び表示は、如何なる特定のコンピュータ又は他の装置にも本質的に関係しないでよいことに留意のこと。様々な汎用システムが、本明細書中の教示に従ったプログラムと共に用いられてよく、より特殊な装置を構築して記載する操作を行うことが便利であると分かることがある。様々なこれらのシステムのための所要の構造は、請求項中に要素として現れるであろう。加えて、本発明の実施態様は、如何なる特定のプログラミング言語を参照しても記載されていない。様々なプログラミング言語を用いて本明細書中に記載するような本発明の教示を実施してよいことが理解されるであろう。
【0075】
本発明の特定の実施態様を記載し且つ添付の図面に示したが、そのような実施態様は広義の発明の例示に過ぎず、広義の発明の限定でないこと、並びに、本発明の実施態様は、図示し且つ記載する特定の構造及び構成に限定されないことが理解されるべきである。何故ならば、様々な他の修正が、当業者の心に思い浮かぶことがあるからである。
図1
図2
図3
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図5A
図5B
図6
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図8A
図8B
図9