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特許7182605lynキナーゼ活性化因子及びTRPM8アゴニストを含む組成物及び医薬の製造におけるそれらの使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-24
(45)【発行日】2022-12-02
(54)【発明の名称】lynキナーゼ活性化因子及びTRPM8アゴニストを含む組成物及び医薬の製造におけるそれらの使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/505 20060101AFI20221125BHJP
   A61K 31/045 20060101ALI20221125BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20221125BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20221125BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20221125BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20221125BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20221125BHJP
【FI】
A61K31/505
A61K31/045
A61P3/10
A61P3/04
A61P3/06
A61P3/00
A61P43/00 111
A61P43/00 121
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020504285
(86)(22)【出願日】2018-04-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-30
(86)【国際出願番号】 US2018026707
(87)【国際公開番号】W WO2018191166
(87)【国際公開日】2018-10-18
【審査請求日】2021-04-02
(31)【優先権主張番号】62/483,584
(32)【優先日】2017-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509233574
【氏名又は名称】メリオール・ファーマスーティカルズ・ワン・インコーポレイテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】317019845
【氏名又は名称】ボード オブ スーパーバイザーズ オブ ルイジアナ ステート ユニバーシティ アンド アグリカルチュアル アンド メカニカル カレッジ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100152489
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 美樹
(72)【発明者】
【氏名】リオーム、アンドリュー ジー.
(72)【発明者】
【氏名】コン、ウェイナ
(72)【発明者】
【氏名】グリーンウェイ、フランク
(72)【発明者】
【氏名】コールター、アン
【審査官】伊藤 幸司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0004273(US,A1)
【文献】特表2009-506043(JP,A)
【文献】Molecular and Cellular Endocrinology,2014年,383,pp.137-146
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
lynキナーゼ活性化因子または薬学的に許容されるその塩、及びTRPM8アゴニストを含む組成物であって、
前記lynキナーゼ活性化因子は、式:
【化1】

のものまたは薬学的に許容されるその塩であり、かつ前記TRPM8アゴニストはメントールである、組成物
【請求項2】
満、前糖尿病、II型糖尿病、I型糖尿病、または脂質異常症を治療することを、それを必要としている哺乳類において行うための医薬の製造における、式:
【化2】

を有するlynキナーゼ活性化因子または薬学的に許容されるその塩及びメントールの使用。
【請求項3】
前記lynキナーゼ活性化因子及びメントールは、同じ組成物中に存在する、請求項に記載の使用。
【請求項4】
脂肪細胞のベージュ化を誘導することを、それを必要としている哺乳類において行うための医薬の製造における、式:
【化3】

を有するlynキナーゼ活性化因子または薬学的に許容されるその塩及びメントールの使用。
【請求項5】
前記lynキナーゼ活性化因子及びメントールは、同じ組成物中に存在する、請求項4に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
本開示は、一部には、lynキナーゼ活性化因子及びTRPM8アゴニストを含む組成物、ならびに、lynキナーゼ活性化因子及びTRPM8アゴニストを投与することによって、血中グルコースレベル、体重増加、もしくは脂肪貯蔵レベルを低下させる方法;メタボリックシンドローム、シンドロームX、肥満、前糖尿病、II型糖尿病、I型糖尿病を治療する方法;高コレステロール血症、高血圧、冠動脈心疾患、糖尿病性ニューロパチー、リポジストロフィー、糖尿病性網膜症、勃起不全、腎疾患、脂質異常症、異常リポ蛋白血症、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体関連障害、敗血症、血栓性障害、もしくは膵炎を治療する方法;脂肪細胞のベージュ化(beiging)を誘導する方法;及び/または膵臓ベータ細胞変性を予防する方法に向けられている。
【背景技術】
【0002】
背景
lynキナーゼは、主としてB-リンパ系細胞及び骨髄性細胞で発現している非受容体型タンパク質チロシンキナーゼのsrcファミリーのメンバーである(非特許文献1を参照されたい)。lynキナーゼは、固有のチロシンキナーゼ活性を欠く細胞表面受容体からのシグナル伝達に参加する。lynキナーゼ活性の活性化は、IL-6によって刺激されたCD45+骨髄腫細胞の増殖に必要である(非特許文献2を参照されたい)。lyn及びfynと、糖タンパク質VIのプロリンリッチドメインとの結び付きは、細胞内シグナル伝達を調節する(非特許文献3を参照されたい)。lyn/CD22/SHP-1経路は、自己免疫にも重要である(非特許文献4を参照されたい)。
【0003】
肥満、高脂血症、及び糖尿病は、現在西洋社会においてかなりの割合の罹患率を占める例えばアテローム動脈硬化性心血管疾患を含めた様々な障害において因果的役割を果たすことが示されている。「シンドロームX」または「メタボリックシンドローム」と称される1つのヒト障害は、グルコース代謝の欠陥(例えば、インスリン抵抗性)、血圧の上昇(すなわち、高血圧)、及び血中脂質の不均衡(すなわち、脂質異常症)によって明らかになる(非特許文献5を参照されたい)。
【0004】
長年にわたって、2種類のみの脂肪細胞:脂肪前駆体に由来し、脂肪を蓄え及びホルモンを産生する主な機能を有する白色脂肪細胞;ならびに筋前駆体から生じ、脂肪を燃やして非ふるえ熱産生エネルギーを生み出すミトコンドリアに富んでいる褐色脂肪細胞、があると考えられてきた。褐色脂肪細胞組織の存在は、インスリン感受性及びエネルギー消費の増強と相関する。白色脂肪細胞と比較して、褐色脂肪細胞は、全身のグルコース利用を増強するアディポネクチン及びレジスチンのレベルを分泌する。第三のタイプの脂肪細胞であるベージュ脂肪細胞が発見され、それは、褐色脂肪細胞に類似したエネルギー燃焼細胞に誘導される本質的には白色脂肪細胞である。肥満を治療する1つの方法は、白色脂肪細胞からのベージュ脂肪細胞の創出を誘導することであり得る。褐色及びベージュ脂肪細胞の両方の特徴は、熱産生遺伝子の発現である。しかしながら、褐色脂肪細胞はこれらの遺伝子を基礎レベルで発現しているのに対し、ベージュ脂肪細胞は、アドレナリン作動性ペプチドまたはナトリウム利尿ペプチドなどのアゴニストの存在下でのみそれらを発現すると思われる。
【0005】
lynキナーゼを変調するまたは上昇したグルコースレベルを管理するための現在の市販薬はどれも、血中の脂質、リポタンパク質、インスリン、及びグルコースレベルを調節することにおいて全般的利用性を有しない。ゆえに、これらの利用性のうちの1つまたは複数を有する化合物が明らかに必要とされる。さらに、血清コレステロールを下げ、HDL血清レベルを増加させ、冠動脈心疾患を予防し、及び/またはアテローム性動脈硬化症、肥満、糖尿病、ならびにグルコース代謝及び/または上昇したグルコースレベルによって影響を受ける他の疾患などの既存の疾患を治療することにおいて効果的であるより安全な薬物を開発する明らかな必要性がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】Briggs et al.,Biochemistry,2000,39,489-495
【文献】Ishikawa et al,Blood,2002,99,2172-2178
【文献】Suzuki-Inoue et al.,J.Biol.Chem.,2002,277,21561-21566
【文献】Blasioli et al.,Curr.Dir.Autoimmun.,2002,5,151-160
【文献】Reaven,Annu.Rev.Med.,1993,44,121-131
【発明の概要】
【0007】
概要
本開示は、lynキナーゼ活性化因子または薬学的に許容されるその塩、及び一過性受容体電位型カチオンチャネルサブファミリーMメンバー8(TRPM8)アゴニストを含む組成物を提供する。
【0008】
一部の実施形態において、lynキナーゼ活性化因子は、式:
【0009】
【化1】
【0010】
のものまたは薬学的に許容されるその塩であって、式中:Rはアルキル基であり;Xはハロゲンであり;YはO、S、またはNHであり;ZはOまたはSであり;かつ、nは0~5の整数でありかつmは0または1であって、m+nは5未満であるかまたは5に等しい。
【0011】
一部の実施形態において、lynキナーゼ活性化因子は、式:
【0012】
【化2】
【0013】
のものまたは薬学的に許容されるその塩であって、式中:Rはアルキル基であり;Xはハロゲンであり;かつ、nは0~5の整数でありかつmは0または1であって、m+nは5未満であるかまたは5に等しい。
【0014】
一部の実施形態において、lynキナーゼ活性化因子は、式:
【0015】
【化3】
【0016】
のものまたは薬学的に許容されるその塩であって、式中、Rはアルキル基であり、かつnは0~5の整数である。
一部の実施形態において、lynキナーゼ活性化因子は、式:
【0017】
【化4】
【0018】
のものまたは薬学的に許容されるその塩である。
一部の実施形態において、lynキナーゼ活性化因子は、式:
【0019】
【化5】
【0020】
のものまたは薬学的に許容されるその塩であって、式中、Xはハロゲンであり、かつmは0~1の整数である。
一部の実施形態において、lynキナーゼ活性化因子は、式:
【0021】
【化6】
【0022】
のものまたは薬学的に許容されるその塩である。
一部の実施形態において、lynキナーゼ活性化因子は、式:
【0023】
【化7】
【0024】
のものまたは薬学的に許容されるその塩であって、式中:R、R、R、R、R、R、及びRのそれぞれは、独立して、水素、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールオキシ、ベンジル、シクロアルキル、ハロゲン、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、-CN、-OH、-NO、-CF、-COH、-COアルキル、または-NHであり;Rはアルキルまたは水素であり;XはO、S、NH、またはN-アルキルであり;かつZはOまたはSである。
【0025】
一部の実施形態において、lynキナーゼ活性化因子は、式:
【0026】
【化8】
【0027】
のものまたは薬学的に許容されるその塩であって、式中:RはH、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1C(O)ORa1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、NRc1S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1であって、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールのそれぞれは、任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基によって置換され;RはH、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1C(O)ORa1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、NRc1S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1であって、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールのそれぞれは、任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基によって置換され;RはH、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1C(O)ORa1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、NRc1S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1であって、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールのそれぞれは、任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基によって置換され;RはH、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1C(O)ORa1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、NRc1S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1であって、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールのそれぞれは、任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基によって置換され;RはH、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1C(O)ORa1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、NRc1S(O)
b1、もしくはS(O)NRc1d1であって、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールのそれぞれは、任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、Rc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基によって置換され;またはR、R、R、R、及びRのうちの2つの隣接基は、連結して、それぞれが任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、もしくは3個の置換基によって置換された縮合シクロアルキルもしくは縮合ヘテロシクロアルキル基を形成し得;RはH、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1C(O)ORa1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、NRc1S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1であって、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールのそれぞれは、任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基によって置換され;RはH、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1であり;RはH、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1であり;Ra1、Rb1、Rc1、及びRd1はそれぞれ、独立して、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルから選択され、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルのそれぞれは、任意で、OH、NO、CN、アミノ、ハロ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、及びC1-6ハロアルコキシから独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基で置換され;またはRc1及びRd1は、それらが結合するN原子とともに、それぞれが任意で、OH、NO、CN、アミノ、ハロ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、及びC1-6ハロアルコキシから独立して選択される1、2、もしくは3個の置換基で置換された4、5、6、もしくは7員ヘテロシクロアルキル基もしくはヘテロアリール基を形成し;Ra2、Rb2、Rc2、及びRd2はそれぞれ、独立して、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルから選択され、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、もしくはヘテロシクロアルキルアルキルのそれぞれは、任意で、OH、NO、CN、アミノ、ハロ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、及びC1-6ハロアルコキシから独立して選択される1、2、もしくは3個の置換基で置換され;またはRc2及びRd2は、それらが結合するN原子とともに、それぞれが任意で、OH、NO、CN、アミノ、ハロ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、及びC1-6ハロアルコキシから独立して選択される1、2、もしくは3個の置換基で置換された4、5、6、もしくは7員ヘテロシクロアルキル基もしくはヘテロアリール基を形成し;ZはO、S、もしくはNRであり;RはH、OH、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、CN、もしくはNOであり;ZはO、S、もしくはNR10であり;R10はH、OH、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、CN、もしくはNOであり;LはO、S、もしくはNR11であり;かつR11はH、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1である。
【0028】
一部の実施形態において、lynキナーゼ活性化因子は、式:
【0029】
【化9】
【0030】
のものまたは薬学的に許容されるその塩であって、式中:R、R、及びRはそれぞれ、独立して、H、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、もしくはC1-6ハロアルキルであり;RはH、C1-6アルキル、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、もしくはC(O)ORa1であり;RはH、C1-6アルキル、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、もしくはC(O)ORa1であり;Ra1、Rb1、Rc1、及びRd1はそれぞれ、独立して、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルから選択され、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルのそれぞれは、任意で、OH、NO、CN、アミノ、ハロ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、及びC1-6ハロアルコキシから独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基で置換され;またはRc1及びRd1は、それらが結合するN原子とともに、それぞれが任意で、OH、NO、CN、アミノ、ハロ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、及びC1-6ハロアルコキシから独立して選択される1、2、もしくは3個の置換基で置換された4、5、6、もしくは7員ヘテロシクロアルキル基もしくはヘテロアリール基を形成し;ZはOもしくはSであり;ZはOもしくはSであり;かつLはOもしくはSである。
【0031】
一部の実施形態において、lynキナーゼ活性化因子は、式:
【0032】
【化10】
【0033】
のものまたは薬学的に許容されるその塩であって、式中:R、R、R、及びRはそれぞれ、独立して、H、F、Cl、CH、SCH、OCH、C(CH、CH(CH、またはCである。
【0034】
一部の実施形態において、lynキナーゼ活性化因子は、式:
【0035】
【化11】
【0036】
のものまたは薬学的に許容されるその塩であって、式中:RはH、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1C(O)ORa1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、NRc1S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1であって、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールのそれぞれは、任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基によって置換され;RはH、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1C(O)ORa1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、NRc1S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1であって、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールのそれぞれは、任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基によって置換され;RはH、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1C(O)ORa1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、NRc1S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1であって、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールのそれぞれは、任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基によって置換され;RはH、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1C(O)ORa1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、NRc1S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1であって、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールのそれぞれは、任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基によって置換され;RはH、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1C(O)ORa1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、NRc1S(O)
b1、もしくはS(O)NRc1d1であって、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールのそれぞれは、任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基によって置換され;またはR、R、R、R、及びRのうちの2つの隣接基は、連結して、それぞれが任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、もしくは3個の置換基によって置換された縮合シクロアルキルもしくは縮合ヘテロシクロアルキル基を形成し得;RはH、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1C(O)ORa1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、NRc1S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1であって、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールのそれぞれは、任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基によって置換され;RはH、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1であり;Ra1、Rb1、Rc1、及びRd1はそれぞれ、独立して、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルから選択され、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルのそれぞれは、任意で、OH、NO、CN、アミノ、ハロ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、及びC1-6ハロアルコキシから独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基で置換され;またはRc1及びRd1は、それらが結合するN原子とともに、それぞれが任意で、OH、NO、CN、アミノ、ハロ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、及びC1-6ハロアルコキシから独立して選択される1、2、もしくは3個の置換基で置換された4、5、6、もしくは7員ヘテロシクロアルキル基もしくはヘテロアリール基を形成し;Ra2、Rb2、Rc2、及びRd2はそれぞれ、独立して、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルから選択され、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、もしくはヘテロシクロアルキルアルキルのそれぞれは、任意で、OH、NO、CN、アミノ、ハロ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、及びC1-6ハロアルコキシから独立して選択される1、2、もしくは3個の置換基で置換され;またはRc2及びRd2は、それらが結合するN原子とともに、それぞれが任意で、OH、NO、CN、アミノ、ハロ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、及びC1-6ハロアルコキシから独立して選択される1、2、もしくは3個の置換基で置換された4、5、6、もしくは7員ヘテロシクロアルキル基もしくはヘテロアリール基を形成し;ZはO、S、もしくはNRであり;RはH、OH、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、CN、もしくはNOであり;ZはO、S、もしくはNR10であり;R10はH、OH、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、CN、もしくはNOであり;LはO、S、もしくはNR11であり;R11はH、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1であり;R100はヒドロキシル保護基、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、S(O)NRc1d1、S(O)ORe1、P(O)ORf1ORg1、もしくはSi(Rh1であって、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロ
アルキル、アリール、及びヘテロアリールのそれぞれは、任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基によって置換され;R200はヒドロキシル保護基、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、S(O)NRc1d1、S(O)ORe1、P(O)ORf1ORg1、もしくはSi(Rh1であって、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールのそれぞれは、任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基によって置換され;各Re1は、独立して、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、もしくはヘテロアリールアルキルであり;各Rf1は、独立して、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C2-6アルケニル、(C1-6アルコキシ)-C1-6アルキル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、もしくはヘテロシクロアルキルアルキルであり;各Rg1は、独立して、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクロアルキルであり;かつ各Rh1は、独立して、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、もしくはヘテロアリールアルキルである。
【0037】
一部の実施形態において、TRPM8アゴニストは、メントール、イシリン、WS3、またはWS23である。一部の実施形態において、TRPM8アゴニストはメントールである。
【0038】
本開示は、血中グルコースレベル、体重増加、または脂肪貯蔵レベルを低下させることを、それを必要としている哺乳類において行う方法であって、本明細書において記載される組成物の有効量を哺乳類に投与することを含む、またはlynキナーゼ活性化因子及びTRPM8アゴニストを投与することを含む、方法も提供する。
【0039】
本開示は、メタボリックシンドローム、シンドロームX、肥満、前糖尿病、II型糖尿病、I型糖尿病を治療することを、それを必要としている哺乳類において行う方法であって、本明細書において記載される組成物の有効量を哺乳類に投与することを含む、またはlynキナーゼ活性化因子及びTRPM8アゴニストを投与することを含む、方法も提供する。
【0040】
本開示は、高コレステロール血症、高血圧、冠動脈心疾患、糖尿病性ニューロパチー、リポジストロフィー、糖尿病性網膜症、勃起不全、腎疾患、脂質異常症、異常リポ蛋白血症、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体関連障害、敗血症、血栓性障害、または膵炎を治療することを、それを必要としている哺乳類において行う方法であって、本明細書において記載される組成物の有効量を哺乳類に投与することを含む、またはlynキナーゼ活性化因子及びTRPM8アゴニストを投与することを含む、方法も提供する。
【0041】
本開示は、脂肪細胞のベージュ化を誘導することを、それを必要としている哺乳類において行う方法であって、本明細書において記載される組成物の有効量を哺乳類に投与することを含む、またはlynキナーゼ活性化因子及びTRPM8アゴニストを投与することを含む、方法も提供する。
【0042】
本開示は、膵臓ベータ細胞変性を予防することを、それを必要としている哺乳類において行う方法であって、本明細書において記載される組成物の有効量を哺乳類に投与することを含む、またはlynキナーゼ活性化因子及びTRPM8アゴニストを投与することを含む、方法も提供する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】化合物102による処理があり次第の、空腹時血漿グルコース(FPG)の漸進的低下を示している。
図2】化合物102による処理の1週間後の継続的な体重減少を示している。
図3】化合物102で処理されたヒト脂肪細胞が、4日目の時点で、白色脂肪組織のベージュ化と関連したいくつかの遺伝子の発現の有意な増加を経験したことを示している。
図4】初代培養ヒト脂肪細胞における、7日間の処理期間にわたる、ベージュ脂肪組織GLUT4 rRNA及びUCP1 mRNAの継続的な増加を示している。
図5】初代培養ヒト脂肪細胞における、7日間の処理期間にわたる、GLUT4タンパク質の継続的な発現を示している(40×倍率)。
図6】初代培養ヒト脂肪細胞における、7日間の処理期間にわたる、UCP1タンパク質の継続的な発現を示している(40×倍率)。
図7】化合物102での処理による、UCP1活性化因子であるPPARα及びPGC-1βの誘導を示している。
図8】化合物102での処理による、TRPM8メントール受容体mRNAの誘導された発現を示している。
図9】PI3Ki、PKAi、及びTRPM8Riによる、化合物102によって誘導されたUCP1レベルの低下を示している。
図10図10(パネルa)は、化合物102(100mg/kg qd)で3週間処理されたdb/dbマウスにおいて観察された、UCP-1脂肪組織タンパク質のレベルに関する濃度測定の定量を示している。図10(パネルb)は、対応するウェスタンブロットを示している。
図11】TRPM8阻害剤を用いた、UCP-1の化合物102による誘導の遮断を示している。
図12図12(パネルa及びb)は、メントールそれ自体は、培養初代ヒト脂肪細胞において、「ベージュ化」効果を誘導しないが、むしろ化合物102によるベージュ化の誘導を強化することを示している。
図13】メントールそれ自体は、齧歯類経口耐糖能試験においてインスリン増感または血糖制御をもたらし、一方でメントールは、齧歯類経口耐糖能試験において化合物102のインスリン増感作用を強化することを示している。
【発明を実施するための形態】
【0044】
実施形態の説明
本明細書において使用するとき、「a」または「an」という用語は、文脈上別様にはっきりと示されていない限り、「少なくとも1つ」または「1つまたは複数」を意味する。
【0045】
本明細書において使用するとき、「約」という用語は、数値がおおよそであり、小さな変動が、開示される実施形態の実践に大きな影響を及ぼさないであろうことを意味する。数値限定が用いられる場合、文脈で別様に示されていない限り、「約」は、数値が±10%変動し得るが、開示される実施形態の範囲内にあるままであることを意味する。
【0046】
本明細書において使用するとき、「アルコキシ」という用語は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、t-ブトキシ等を含むがそれらに限定されない、1~20個の炭素原子の直線状または分岐-O-アルキル基を意味する。一部の実施形態において、アルコキシ鎖は、長さが1~10個の炭素原子、長さが1~8個の炭素原子、長さが1~6個の炭素原子、長さが1~4個の炭素原子、長さが2~10個の炭素原子、長さが2~8個の炭素原子、長さが2~6個の炭素原子、または長さが2~4個の炭素原子である。アルコキシ基は、非置換であり得るまたは1個もしくは2個の適切な置換基で置換され得る。
【0047】
本明細書において使用するとき、「アルキル」という用語は、直鎖であるかまたは分岐している飽和炭化水素基を意味する。アルキル基は、1~20、2~20、1~10、2~10、1~8、2~8、1~6、2~6、1~4、2~4、1~3個、または2個もしくは3個の炭素原子を含有し得る。アルキル基の例は、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(例えば、n-プロピル及びイソプロピル)、ブチル(例えば、n-ブチル、t-ブチル、イソブチル)、ペンチル(例えば、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル)、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、4,4-ジメチルペンチル、オクチル、2,2,4-トリメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、2-メチル-1-プロピル、2-メチル-2-プロピル、2-メチル-1-ブチル、3-メチル-1-ブチル、2-メチル-3-ブチル、2-メチル-1-ペンチル、2,2-ジメチル-1-プロピル、3-メチル-1-ペンチル、4-メチル-1-ペンチル、2-メチル-2-ペンチル、3-メチル-2-ペンチル、4-メチル-2-ペンチル、2,2-ジメチル-1-ブチル、3,3-ジメチル-1-ブチル、2-エチル-1-ブチル等を含むが、それらに限定されるわけではない。アルキル基は、非置換であり得るまたは1個もしくは2個の適切な置換基で置換され得る。
【0048】
本明細書において使用するとき、「アルケニル」という用語は、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、ビニル、アリル、ペンテニル、ヘキセニル、ブタジエニル、ペンタジエニル、ヘキサジエニル、2-エチルヘキセニル、2-プロピル-2-ブテニル、4-(2-メチル-3-ブテン)-ペンテニル等を含むがそれらに限定されない、1つまたは複数の二重炭素-炭素結合及び2~20個の炭素原子を有する直線状または分岐アルキル基を意味する。一部の実施形態において、アルケニル鎖は、長さが2~10個の炭素原子、長さが2~8個の炭素原子、長さが2~6個の炭素原子、または長さが2~4個の炭素原子である。アルケニル基の二重結合は、非共役であり得るまたは別の不飽和基に共役され得る。アルケニル基は、非置換であり得るまたは1個もしくは2個の適切な置換基で置換され得る。
【0049】
本明細書において使用するとき、「アルキニル」という用語は、アセチレン、1-プロピレン、2-プロピレン、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、メチルプロピニル、4-メチル-1-ブチニル、4-プロピル-2-ペンチニル、及び4-ブチル-2-ヘキシニル等を含むがそれらに限定されない、1つまたは複数の三重炭素-炭素結合及び2~20個の炭素原子を有する直線状または分岐アルキル基を意味する。一部の実施形態において、アルキニル鎖は、長さが2~10個の炭素原子、長さが2~8個の炭素原子、長さが2~6個の炭素原子、または長さが2~4個の炭素原子である。アルキニル基の三重結合は、非共役であり得るまたは別の不飽和基に共役され得る。アルキニル基は、非置換であり得るまたは1個もしくは2個の適切な置換基で置換され得る。
【0050】
本明細書において使用するとき、「動物」という用語は、ヒト、ならびに野生動物、飼育動物、及び家畜などの非ヒト脊椎動物を含むが、それらに限定されるわけではない。
本明細書において使用するとき、「アリール」という用語は、単環式、二環式、または多環式の(例えば、2、3、または4個の縮合環を有する)芳香族炭化水素を意味する。一部の実施形態において、アリール基は、6~20個の炭素原子または6~10個の炭素原子を有する。アリール基の例は、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、インダニル、インデニル、テトラヒドロナフチル、トリル、フルオレニル、アズレニル、ナフチル、5,6,7,8-テトラヒドロナフチル等を含むが、それらに限定されるわけではない。アリール基は、非置換であり得るまたは1個もしくは2個の適切な置換基で置換され得る。
【0051】
本明細書において使用するとき、「アリールオキシ」という用語は、-O-アリール基を意味し、式中、アリールは本明細書において定義されるとおりである。アリールオキシ基は、非置換であり得るまたは1個もしくは2個の適切な置換基で置換され得る。アリールオキシ基のアリール環は単環式の環であり得、当該環は6個の炭素原子を含み、本明細書において「(C)アリールオキシ」と呼ばれる。
【0052】
本明細書において使用するとき、「ベンジル」という用語は、-CH-フェニルを意味する。
本明細書において使用するとき、「炭素環」という用語は、環の一部としてO、S、またはN原子を任意で含有する、5または6員の飽和または不飽和の環式の環を意味する。炭素環の例は、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンタ-1,3-ジエン、フェニル、及び本明細書において列挙される複素環のいずれかを含むが、それらに限定されるわけではない。
【0053】
本明細書において使用するとき、「カルボニル」基という用語は、式-C(O)-の二価基である。
本明細書において使用するとき、「キャリア」という用語は、それとともに化合物が投与される希釈剤、アジュバント、または賦形剤を意味する。薬学的キャリアは、落花生油、大豆油、鉱油、ごま油など、石油、動物、植物、または合成起源のものを含めた、水及び油などの液体であり得る。薬学的キャリアは、生理食塩水、アカシアガム、ゼラチン、デンプンのり、タルク、ケラチン、コロイド状シリカ、尿素等でもあり得る。加えて、補助剤、安定剤、増粘剤、潤滑剤、及び着色剤が用いられ得る。
【0054】
本明細書において使用するとき、「化合物」という用語は、本明細書において記載される化合物のすべての立体異性体、互変異性体、及び同位体を意味する。
本明細書において使用するとき、「含む(comprising)」(ならびに、「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、及び「含んだ(comprised)」など、含む(comprising)の任意の形態)、「有する(having)」(ならびに、「有する(have)」及び「有する(has)」など、有する(having)の任意の形態)、「含む(including)」(ならびに、「含む(includes)」及び「含む(include)」など、含む(including)の任意の形態)、または「含有する(containing)」(ならびに、「含有する(contains)」及び「含有する(contain)」など、含有する(containing)の任意の形態)という用語は、内包的でありまたは制限がなく、付加的な列挙されていない要素または方法ステップを除外しない。
【0055】
本明細書において使用するとき、「シクロアルキル」という用語は、最高で20個の環形成炭素原子を含有する、環化アルキル、アルケニル、及びアルキニル基を含めた、非芳香族環状炭化水素を意味する。シクロアルキル基は、縮合環系、架橋環系、スピロ環系など、単環式または多環式の環系を含み得る。一部の実施形態において、多環式の環系は、2、3、または4個の縮合環を含む。シクロアルキル基は、3~15、3~10、3~8、3~6、4~6、3~5個、または5個もしくは6個の環形成炭素原子を含有し得る。シクロアルキル基の環形成炭素原子は、任意で、オキソまたはスルフィドによって置換され得る。シクロアルキル基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプタトリエニル、ノルボルニル、ノルピニル(norpinyl)、ノルカルニル(norcarnyl)、アダマンチル等を含むが、それらに限定されるわけではない。シクロアルキルの定義には、シクロアルキル環に縮合した(と共通した結合を有する)1つまたは複数の芳香環を有する部分、例えばペンタン、ペンテン、ヘキサン等のベンゾまたはチエニル誘導体(例えば、2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル、または1H-インデン-2(3H)-オン-1-イル)も含まれる。シクロアルキル基は、非置換であり得るまたは1個もしくは2個の適切な置換基によって置換され得る。
【0056】
本明細書において使用するとき、「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を意味する。それに対応して、「ハロ」及び「Hal」という用語の意味は、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードを包含する。
【0057】
本明細書において使用するとき、「ヘテロアリール」という用語は、最高で20個の環形成原子(例えば、C)を有し、かつ硫黄、酸素、または窒素など、少なくとも1つのヘテロ原子環員(環形成原子)を有する、芳香族複素環を意味する。一部の実施形態において、ヘテロアリール基は、少なくとも1つまたは複数のヘテロ原子環形成原子を有し、そのそれぞれは、独立して、硫黄、酸素、または窒素である。一部の実施形態において、ヘテロアリール基は、3~20個の環形成原子、3~10個の環形成原子、3~6個の環形成原子、または3~5個の環形成原子を有する。一部の実施形態において、ヘテロアリール基は、2~14個の炭素原子、2~7個の炭素原子、2~5個の炭素原子、または5個もしくは6個の炭素原子を含有する。一部の実施形態において、ヘテロアリール基は、1~4個のヘテロ原子、1~3個のヘテロ原子、または1個もしくは2個のヘテロ原子を有する。ヘテロアリール基は、単環式及び多環式の(例えば、2、3、または4個の縮合環を有する)系を含む。ヘテロアリール基の例は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、フリル、キノリル、イソキノリル、チエニル、イミダゾリル、チアゾリル、インドリル(インドール-3-イルなど)、ピリル、オキサゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、インダゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、イソチアゾリル、ベンゾチエニル、プリニル、カルバゾリル、ベンズイミダゾリル、インドリニル、ピラニル、オキサジアゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、チアントレニル、ピラゾリル、インドリジニル、イソインドリル、イソベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、キサンテニル、2H-ピロリル、ピロリル、3H-インドリル、4H-キノリジニル、フタラジニル、ナフチリジニル、キナゾリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、イソチアゾリル、フェノチアジニル、イソオキサゾリル、フラザニル、フェノキサジニル、ピラジル、フィエニル(phienyl)基等を含むが、それらに限定されるわけではない。適切なヘテロアリール基には、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、5-アミノ-1,2,4-トリアゾール、イミダゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、1,2,3-オキサジアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、3-アミノ-1,2,4-オキサジアゾール、1,2,5-オキサジアゾール、1,3,4-オキサジアゾール、ピリジン、及び2-アミノピリジンが含まれる。ヘテロアリール基は、非置換であり得るまたは1個もしくは2個の適切な置換基で置換され得る。
【0058】
本明細書において使用するとき、「複素環」または「複素環式の環」という用語は、そのうちの任意の環が飽和であっても不飽和であってもよく、かつ炭素原子と、N、O、及びSから選定される1~3個のヘテロ原子とからなる、5~7員の単環式もしくは二環式のまたは7~10員の二環式の複素環式環系を意味し、当該N及びSヘテロ原子は任意で酸化され得、当該Nヘテロ原子は任意で四級化され得、上で規定される複素環式の環のいずれかがベンゼン環に縮合している任意の二環基を含む。特に有用なのは、1個の酸素もしくは硫黄、1~3個の窒素原子、または1個もしくは2個の窒素原子と組み合わせた1個の酸素もしくは硫黄を含有する環である。複素環式の環は、任意のヘテロ原子または炭素原子で付着し得、それが安定した構造の創出をもたらす。複素環基の例は、ピペリジニル、ピペラジニル、2-オキソピペラジニル、2-オキソピペリジニル、2-オキソピロリジニル、2-オキソアゼピニル、アゼピニル、ピロリル、4-ピペリドニル(piperidonyl)、ピロリジニル、ピラゾリル、ピラゾリジニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、キヌクリジニル、イソチアゾリジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、チアジアゾイル(thiadiazoyl)、ベンゾピラニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、フリル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、チエニル、ベンゾチエニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、及びオキサジアゾリルを含むが、それらに限定されるわけではない。モルホリノは、モルホリニルと同じである。
【0059】
本明細書において使用するとき、「ヘテロシクロアルキル」という用語は、環化アルキル、アルケニル、及びアルキニル基を含めた、最高で20個の環形成原子を有する非芳香族複素環を意味し、環形成炭素原子のうちの1つまたは複数は、O、N、またはS原子などのヘテロ原子によって置き換えられる。ヘテロシクロアルキル基は、単環式または多環式(例えば、縮合系、架橋系、またはスピロ系)であり得る。一部の実施形態において、ヘテロシクロアルキル基は、1~20個の炭素原子または3~20個の炭素原子を有する。一部の実施形態において、ヘテロシクロアルキル基は、3~14個の環形成原子、3~7個の環形成原子、または5個もしくは6個の環形成原子を含有する。一部の実施形態において、ヘテロシクロアルキル基は、1~4個のヘテロ原子、1~3個のヘテロ原子、または1個もしくは2個のヘテロ原子を有する。一部の実施形態において、ヘテロシクロアルキル基は、0~3個の二重結合を含有する。一部の実施形態において、ヘテロシクロアルキル基は、0~2個の三重結合を含有する。ヘテロシクロアルキル基の例は、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、2,3-ジヒドロベンゾフリル、1,3-ベンゾジオキソール、ベンゾ-1,4-ジオキサン、ピペリジニル、ピロリジニル、イソオキサゾリジニル、オキサゾリジニル、イソチアゾリジニル、ピラゾリジニル、チアゾリジニル、イミダゾリジニル、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリニル、チオモルホリニル、ピラニル、ピロリジン-2-オン-3-イル等を含むが、それらに限定されるわけではない。加えて、ヘテロシクロアルキル基の環形成炭素原子及びヘテロ原子は、任意で、オキソまたはスルフィドによって置換され得る。例えば、環形成S原子は、1個または2個のオキソによって置換され得る(S(O)またはS(O)を形成する)。別の例では、環形成C原子は、オキソによって置換され得る(カルボニルを形成する)。ヘテロシクロアルキルの定義には、ピリジニル、チオフェニル、フタルイミジル、ナフタルイミジル、ならびにインドレン、イソインドレン、イソインドリン-1-オン-3-イル、4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[2,3-c]ピリジン-5-イル、5,6-ジヒドロチエノ[2,3-c]ピリジン-7(4H)-オン-5-イル、及び3,4-ジヒドロイソキノリン-1(2H)-オン-3イル基などの複素環のベンゾ誘導体を含むがそれらに限定されない、非芳香族複素環式の環に縮合した(と共通した結合を有する)1つまたは複数の芳香環を有する部分も含まれる。ヘテロシクロアルキル基の環形成炭素原子及びヘテロ原子は、任意で、オキソまたはスルフィドによって置換され得る。ヘテロシクロアルキル基は、非置換であり得るまたは1個もしくは2個の適切な置換基で置換され得る。
【0060】
本明細書において使用するとき、「ヒドロカルビル基」という用語は、任意で1個または2個の適切な置換基で置換された、(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、及び(C-C)アルキニルから選択される一価基を意味する。一部の実施形態において、ヒドロカルビル基の炭化水素鎖は、長さが1~6個の炭素原子であり、本明細書において「(C-C)ヒドロカルビル」と呼ばれる。
【0061】
本明細書において使用するとき、互換可能に用いられる「個体」または「患者」という用語は、マウス、ラット、他の齧歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、またはヒトなどの霊長類などの哺乳類を含めた、任意の動物を意味する。
【0062】
本明細書において使用するとき、「それを必要としている」という語句は、動物または哺乳類が、特定の方法または治療の必要性を有するとして同定されていることを意味する。一部の実施形態において、同定は、診断の任意の手法によるものであり得る。本明細書において記載される方法及び治療のいずれかにおいて、動物または哺乳類はそれを必要としている状態であり得る。
【0063】
本明細書において使用するとき、「1~5の整数」という語句は、1、2、3、4、または5を意味する。
本明細書において使用するとき、「哺乳類」という用語は、齧歯類(すなわち、マウス、ラット、またはモルモット)、サル、ネコ、イヌ、ウシ、ウマ、ブタ、またはヒトを意味する。一部の実施形態において、哺乳類はヒトである。
【0064】
本明細書において使用するとき、「変調する」という用語は、タンパク質の発現及び/または活性の変化を指す。例示的な実施形態において、「変調する」とは、タンパク質の発現及び/または活性を増加させることまたは減少させることを指す。
【0065】
本明細書において使用するとき、nが整数である「n員の」という用語は、典型的に、部分における環形成原子の数を記載し、環形成原子の数はnである。例えば、ピリジンは6員ヘテロアリール環の例であり、チオフェンは5員ヘテロアリール環の例である。
【0066】
本明細書において使用するとき、「任意で置換される」という語句は、置換が任意であり、したがって、置換されていない及び置換された原子及び部分の両方を含むことを意味する。「置換される」原子または部分とは、指定された原子または部分の通常の原子価を超えず、かつ置換により安定した化合物がもたらされるという条件で、指定された原子または部分上の任意の水素が、表示された置換基からの選択で置き換えられ得ることを示す。例えば、メチル基が任意で置換される場合には、炭素原子上の3個の水素原子が置換基で置き換えられ得る。
【0067】
本明細書において使用するとき、「薬学的に許容される」という語句は、ヒト及び動物の組織と接触した使用に適した、健全な医学的判断の範囲内にあるそうした化合物、材料、組成物、及び/または剤形を意味する。一部の実施形態において、「薬学的に許容される」とは、連邦政府もしくは州政府の規制機関によって認可された、または米国薬局方もしくは動物における及びより特にヒトにおける使用のための他の一般的に認められた薬局方においてリストに挙げられたことを意味する。
【0068】
本明細書において使用するとき、「薬学的に許容される塩(複数可)」という語句は、酸性基または塩基性基の塩を含むが、それらに限定されるわけではない。本来塩基性である化合物は、様々な無機酸及び有機酸と多種多様の塩を形成し得る。そのような塩基性化合物の薬学的に許容される酸付加塩を調製するために用いられ得る酸は、硫酸塩、チオ硫酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、ニトレート塩、サルフェート塩、バイサルフェート塩、バイサルファイト塩、ホスフェート塩、酸性ホスフェート塩、イソニコチネート塩、ボレート塩、アセテート塩、ラクテート塩、サリチレート塩、シトレート塩、酸性シトレート塩、タートレート塩、オレエート塩、タンネート塩、パントテネート塩、バイタートレート塩、アスコルベート塩、スクシネート塩、マレエート塩、ゲンチシネート(gentisinate)塩、フマレート塩、グルコネート塩、グルクロネート塩、サッカラート塩、ホルメート塩、ベンゾエート塩、グルタメート塩、メタンスルホネート塩、エタンスルホネート塩、ベンゼンスルホネート塩、p-トルエンスルホネート塩、バイカーボネート塩、マロネート塩、メシレート塩、エシレート(esylate)塩、ナプシジシレート(napsydisylate)、トシレート塩、ベシレート塩、オルトホスフェート塩、トリフルオロアセテート塩、及びパモエート塩(すなわち、1,1’-メチレン-ビス-(2-ヒドロキシ-3-ナフトエート))を含むがそれらに限定されない非毒性の酸付加塩、すなわち薬理学的に許容されるアニオンを含有する塩を形成するものである。アミノ部分を含む化合物は、上記の酸に加えて、様々なアミノ酸と薬学的に許容される塩を形成し得る。本来酸性である化合物は、様々な薬理学的に許容されるカチオンと塩基性塩を形成し得る。そのような塩の例は、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、ならびに特にカルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、ナトリウム塩、リチウム塩、亜鉛塩、カリウム塩、及び鉄塩を含むが、それらに限定されるわけではない。本発明は、本明細書において記載される化合物の第4級アンモニウム塩も含み、当該化合物は1つまたは複数の第3級アミン部分を有する。
【0069】
本明細書において使用するとき、「フェニル」という用語は、-Cを意味する。フェニル基は、非置換であり得るまたは1、2、もしくは3個の適切な置換基で置換され得る。
【0070】
本明細書において使用するとき、「予防」または「予防すること」という用語は、特定の疾患、病状、または障害を獲得する危険性の低下を意味する。
本明細書において使用するとき、「適切な置換基」または「置換基」という語句は、本明細書において記載される化合物またはそれらを調製するのに有用な中間体の合成的または薬学的利用性を無効にしない基を意味する。適切な置換基の例は、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cアリール、C-Cアルコキシ、C-Cヘテロアリール、C-Cシクロアルキル、C-Cアリールオキシ、-CN、-OH、オキソ、ハロ、ハロアルキル、-NO、-COH、-NH、-NH(C-Cアルキル)、-N(C-Cアルキル)、-NH(Cアリール)、-N(C-Cアリール)、-CHO、-CO(C-Cアルキル)、-CO((C-C)アリール)、-CO((C-C)アルキル)、及び-CO((C-C)アリール)を含むが、それらに限定されるわけではない。当業者であれば、本明細書において記載される化合物の安定性ならびに薬理学的活性及び合成活性に基づき、適切な置換基を容易に選定し得る。
【0071】
本明細書において使用するとき、「治療上有効な量」という語句は、研究者、獣医、医師、または他の臨床医によって、組織、系、動物、個体、またはヒトにおいて求められている生物学的または医学的応答を引き出す、活性化合物または薬学的作用物質の量を意味する。治療効果は、治療されている障害または所望される生物学的効果に依存する。そのため、治療効果は、障害に伴う症状の重症度の減少、及び/または障害の進行の阻害(部分的または完全)、または障害の治療、治癒、予防、もしくは排除の向上であり得る、あるいは障害の副作用または少なくとも1つの有害な作用が改善されるまたは緩和される。治療応答を引き出すために必要とされる量は、対象の年齢、健康状態、サイズ、及び性別に基づいて決定され得る。最適な量は、治療に対する対象の応答のモニタリングに基づいても決定され得る。
【0072】
本明細書において使用するとき、「治療する」、「治療される」、または「治療すること」という用語は、目的が、非所望の生理学的な病状、障害、もしくは疾患を鈍化させる(軽減する)こと、または有益なもしくは所望の臨床結果を獲得することである、療法的な治療手段を意味する。有益なまたは所望の臨床結果には、症状の緩和;病状、障害、または疾患の程度の縮小;病状、障害、または疾患の安定した(すなわち、悪化していない)状態;病状、障害、または疾患の発症の遅延または進行の減速;検出可能または検出不能にかかわらず、病状、障害、もしくは疾患状態の改善、または寛解(部分的または全体的にかかわらず);必ずしも患者によって認められない、少なくとも1つの測定可能な身体的パラメーターの改善;あるいは、病状、障害、または疾患の増強または向上が含まれるが、それらに限定されるわけではない。治療は、過度のレベルの副作用のない、臨床的に有意な応答を引き出すことを含み得る。治療は、治療を受けなかった場合に予想される生存と比較して、生存を引き延ばすことも含み得る。
【0073】
本開示の化合物は、それらの化学構造及び/または化学名によって本明細書において同定される。化合物が化学構造及び化学名の両方によって言及され、かつその化学構造及び化学名が矛盾する場合、化学構造が化合物の同定を決定する。
【0074】
本明細書における様々な場所で、化合物の置換基は群でまたは域で開示され得る。本発明は、そのような群及び域のメンバーのありとあらゆる個々の部分的組み合わせを含むことが具体的に意図される。例えば、「C1-6アルキル」という用語は、線状及びまたは分岐した、メチル、エチル、プロピル、Cアルキル、Cアルキル、及びCアルキルを個々に開示することを具体的に意図される。
【0075】
変数が1回を上回って現れる化合物に関して、各変数は、当該変数を規定するマーカッシュ群から選択される異なる部分であり得る。例えば、構造が、同じ化合物上に同時に存在する2つのR基を有すると記載されている場合、当該2つのR基は、Rに対して規定されるマーカッシュ群から選択される異なる部分を表し得る。別の例において、任意で複数の置換基が、例えば
【0076】
【化12】
【0077】
という形態で指定される場合には、置換基Rは、環上に「s」という回数生じ得、各発生においてRは異なる部分であり得ると理解される。さらに、上の例において、TがCH、NH等である場合など、変数Tが水素を含むと規定される場合、任意のHが置換基で置き換えられ得る。
【0078】
明確性のために別個の実施形態の文脈において記載される本開示のある特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせても提供され得る。逆に、簡潔性のために単一の実施形態の文脈において記載される本開示の様々な特徴は、別個にまたは任意の適切な部分的組み合わせでも提供され得る。
【0079】
本開示は、適用可能な場合、本開示の化合物の立体異性体、ジアステレオマー、及び光学立体異性体、ならびにその混合物の使用を包含すると理解される。加えて、本開示の化合物の立体異性体、ジアステレオマー、及び光学立体異性体、ならびにその混合物は、本開示の範囲内にあると理解される。非限定的な例として、混合物はラセミ化合物であり得る、または混合物は、他と比べて不均等な割合の1つの特定の立体異性体を含み得る。加えて、化合物は、実質的に純粋な立体異性体、ジアステレオマー、及び光学立体異性体(エピマーなど)として提供され得る。
【0080】
本明細書において記載される化合物は、非対称であり得る(例えば、1つまたは複数の立体中心を有する)。エナンチオマー及びジアステレオマーなど、すべての立体異性体は、別様に示されていない限り、本開示の範囲内に含まれることが意図される。非対称に置換された炭素原子を含有する化合物は、光学活性体またはラセミ体で単離され得る。光学活性開始材料からの光学活性体の調製の方法は、ラセミ混合物の分割によってまたは立体選択的合成によってなど、当技術分野において公知である。オレフィンの多くの幾何異性体、C=N二重結合等も、本明細書において記載される化合物に存在し得、すべてのそのような安定異性体が本開示において企図される。化合物のシス及びトランス幾何異性体も本開示の範囲内に含まれ、異性体の混合物としてまたは分離した異性体の形態として単離され得る。立体異性または幾何異性が可能な化合物が、特異的なR/Sまたはシス/トランス立体配置を考慮せずに、その構造または名前で指定される場合、すべてのそのような異性体が企図されることが意図される。
【0081】
化合物のラセミ混合物の分割は、例えば光学活性の塩形成有機酸であるキラル分割酸を用いた分別再結晶を含めた、当技術分野において公知の数々の方法のうちのいずれかによって行われ得る。分別再結晶法のための適切な分割剤には、酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸のD及びL型などの光学活性酸、ならびにβ-カンファースルホン酸などの様々な光学活性カンファースルホン酸が含まれるが、それらに限定されるわけではない。分別結晶法に適した他の分解剤には、α-メチルベンジルアミンの立体異性的に純粋な形態(例えば、S及びR型、またはジアステレオマー的に純粋な形態)、2-フェニルグリシノール、ノルエフェドリン、エフェドリン、N-メチルエフェドリン、シクロヘキシルエチルアミン、1,2-ジアミノシクロヘキサン等が含まれるが、それらに限定されるわけではない。ラセミ混合物の分割は、光学活性分割剤(例えば、ジニトロベンゾイルフェニルグリシン)を詰めたカラムでの溶出によっても行われ得る。適切な溶出溶媒組成物は、当業者によって決定され得る。
【0082】
化合物は互変異性体も含み得る。互変異性体は、プロトンの同時移動とともに、隣接二重結合での一重結合の交換により生じる。互変異性体は、同じ経験式及び全電荷を有する異性体プロトン化状態であるプロトトロピー互変異性体を含む。プロトトロピー互変異性体の例には、ケトン-エノール対、アミド-イミド酸対、ラクタム-ラクチム対、アミド-イミド酸対、エナミン-イミン対、ならびに1H-及び3H-イミダゾール、1H-、2H-、及び4H-1,2,4-トリアゾール、1H-及び2H-イソインドール、ならびに1H-及び2H-ピラゾールを含むがそれらに限定されない複素環系の2箇所またはそれを上回る箇所をプロトンが占有し得る環状形態が含まれるが、それらに限定されるわけではない。互変異性体は、平衡状態にあり得るまたは適当な置換によって1つの形態に立体的に固定され得る。
【0083】
化合物は、水和物及び溶媒和物、ならびに無水形態及び非溶媒和形態も含む。
化合物は、中間体または最終化合物に生じる原子のすべての同位体も含み得る。同位体は、同じ原子番号を有するが異なる質量数を有するそうした原子を含む。例えば、水素の同位体には、トリチウム及びデューテリウムが含まれる。
【0084】
一部の実施形態において、化合物または薬学的に許容されるその塩は、実質的に単離される。部分的分離は、例えば本開示の化合物が豊富な組成物を含み得る。実質的分離は、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩の少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、少なくとも約97重量%、または少なくとも約99重量%を含有する組成物を含み得る。化合物及びそれらの塩を単離するための方法は、当技術分野におけるルーチンである。
【0085】
開示される化合物は適切であるものの、類似した結果を予想して、他の官能基が化合物内に組み入れられ得る。特に、チオアミド及びチオエステルは、非常に類似した特性を有すると予測される。芳香環の間の距離は、化合物の幾何パターンに影響を与え得、この距離は、任意で置換され得るまたはアミノ酸、ジカルボン酸、もしくはジアミンを含み得る様々な長さの脂肪族鎖を組み入れることによって変更し得る。化合物内の単量体間の距離及び単量体の相対的配向は、付加的原子を有する代理でアミド結合を置き換えることによっても変更し得る。ゆえに、カルボニル基をジカルボニルで置き換えることにより、単量体間の距離、及び2つのカルボニル部分の反対の配置を採用しかつ化合物の周期性を変更するジカルボニル単位の傾向が変更される。ピロメリット酸無水物は、単純なアミド連結のさらに別の代替物であり、それは化合物の立体構造及び物理的特性を変更し得る。固相有機化学の近代的方法(E.Atherton and R.C.Sheppard,Solid Phase Peptide Synthesis A Practical Approach IRL Press Oxford 1989)により、現在、5,000ダルトンに達する分子量を有する単分散(homodisperse)化合物の合成が可能である。他の置換パターンが等しく有効である。
【0086】
本明細書において記載される化合物は、プロドラッグと呼ばれる誘導体も含み得、それは、修飾がルーチン操作またはインビボのいずれかで親化合物に切断されるようなやり方で、化合物に存在する官能基を修飾することによって調製され得る。プロドラッグの例には、化合物のヒドロキシル基、アミノ基、スルフヒドリル基、またはカルボキシル基に付された1つまたは複数の分子部分を含有する本明細書において記載される化合物、及び患者に投与された場合、インビボで切断して、それぞれ遊離ヒドロキシル基、アミノ基、スルフヒドリル基、またはカルボキシル基を形成する本明細書において記載される化合物が含まれる。プロドラッグの例は、本明細書において記載される化合物におけるアルコール及びアミン官能基のアセテート、ホルメート、及びベンゾエート誘導体を含むが、それらに限定されるわけではない。プロドラッグの調製及び使用は、T.Higuchi et al.,「Pro-drugs as Novel Delivery Systems」,Vol.14,the A.C.S.Symposium Series、及びBioreversible Carriers in Drug Design,ed.Edward B.Roche,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987において論じられており、その両方とも参照によりそれらの全体として本明細書に組み入れられる。
【0087】
アミン官能基を含有する化合物は、N-オキシドも形成し得る。アミン官能基を含有する化合物への本明細書における言及は、N-オキシドも含む。化合物がいくつかのアミン官能基を含有する場合、1個または1個を上回る数の窒素原子が酸化されてN-オキシドを形成し得る。N-オキシドの例は、窒素含有複素環の第3級アミンまたは窒素原子のN-オキシドを含む。N-オキシドは、過酸化水素または過酸(例えば、ペルオキシカルボン酸)などの酸化剤での対応するアミンの処理によって形成され得る(Advanced Organic Chemistry,Jerry March,4th Edition,Wiley Interscienceを参照されたい)。
【0088】
本開示は、1種または複数種のlynキナーゼ活性化因子または薬学的に許容されるその塩、及びTRPM8アゴニストを含む組成物を提供する。
一部の実施形態において、lynキナーゼ活性化因子は、式:
【0089】
【化13】
【0090】
のものまたは薬学的に許容されるその塩であって、式中:Rはアルキル基であり;Xはハロゲンであり;YはO、S、またはNHであり;ZはOまたはSであり;かつ、nは0~5の整数でありかつmは0または1であって、m+nは5未満であるかまたは5に等しい。
【0091】
一部の実施形態において、アルキル基はメチルであり、かつnは1である。一部の実施形態において、ハロゲンは塩素であり、かつmは1である。一部の実施形態において、YはOである。一部の実施形態において、ZはOである。一部の実施形態において、Rはメチルであり、YはOであり、ZはOであり、nは1であり、かつmは0である。一部の実施形態において、Rはメタ位にある。一部の実施形態において、Xは塩素であり、YはOであり、ZはOであり、nは0であり、かつmは1である。一部の実施形態において、Xはメタ位にある。
【0092】
一部の実施形態において、lynキナーゼ活性化因子は、式:
【0093】
【化14】
【0094】
のものまたは薬学的に許容されるその塩であって、式中:Rはアルキル基であり;Xはハロゲンであり;かつ、nは0~5の整数でありかつmは0または1であって、m+nは5未満であるかまたは5に等しい。
【0095】
一部の実施形態において、アルキル基はメチルであり、かつnは1である。一部の実施形態において、ハロゲンは塩素であり、かつmは1である。一部の実施形態において、Rはメチルであり、nは1であり、かつmは0である。一部の実施形態において、Rはメタ位にある。一部の実施形態において、Xは塩素であり、nは0であり、かつmは1である。一部の実施形態において、Xはメタ位にある。
【0096】
一部の実施形態において、lynキナーゼ活性化因子は、式:
【0097】
【化15】
【0098】
のものまたは薬学的に許容されるその塩であって、式中、Rはアルキル基であり、かつnは0~5の整数である。
一部の実施形態において、Rはメチルであり、nは1である。一部の実施形態において、Rはメタ位にある。
【0099】
一部の実施形態において、lynキナーゼ活性化因子は、式:
【0100】
【化16】
【0101】
のものまたは薬学的に許容されるその塩である。
一部の実施形態において、lynキナーゼ活性化因子は、式:
【0102】
【化17】
【0103】
のものまたは薬学的に許容されるその塩であって、式中、Xはハロゲンであり、かつmは0~1の整数である。一部の実施形態において、Xはクロロであり、かつmは1である。一部の実施形態において、Xはメタ位にある。
【0104】
一部の実施形態において、lynキナーゼ活性化因子は、式:
【0105】
【化18】
【0106】
のものまたは薬学的に許容されるその塩である。
一部の実施形態において、lynキナーゼ活性化因子は、式:
【0107】
【化19】
【0108】
のものまたは薬学的に許容されるその塩である。
一部の実施形態において、lynキナーゼ活性化因子は、式:
【0109】
【化20】
【0110】
のものまたは薬学的に許容されるその塩であって、式中:
、R、R、R、R、R、及びRのそれぞれは、独立して、水素、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールオキシ、ベンジル、シクロアルキル、ハロゲン、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、-CN、-OH、-NO、-CF、-COH、-COアルキル、または-NHであり;
はアルキルまたは水素であり;
XはO、S、NH、またはN-アルキルであり;かつ
ZはOまたはSである。
【0111】
一部の実施形態において、Rはアルキルである。一部の実施形態において、Rはメチルである。一部の実施形態において、Rは水素である。一部の実施形態において、Xは酸素である。一部の実施形態において、Zは酸素である。一部の実施形態において、R~Rの少なくとも1つはアルキルである。一部の実施形態において、R~Rの少なくとも1つはメチルである。一部の実施形態において、R~Rの少なくとも1つはハロゲンである。一部の実施形態において、R~Rの少なくとも1つはクロロである。一部の実施形態において、R~Rの少なくとも1つは、-CN、-OH、-NO、-CF、-COH、-NH、またはアルコキシである。一部の実施形態において、Rはアルキルであり、R及びR~Rのそれぞれは水素であり、かつX及びZはOである。一部の実施形態において、Rはメチルである。一部の実施形態において、Rはハロゲンであり、R及びR~Rのそれぞれは水素であり、かつX及びZはOである。一部の実施形態において、Rはクロロである。一部の実施形態において、Rはアルキルであり、R、R、及びR~Rのそれぞれは水素であり、かつX及びZはOである。一部の実施形態において、Rはメチルである。一部の実施形態において、Rはハロゲンであり、R、R、及びR~Rのそれぞれは水素であり、かつX及びZはOである。一部の実施形態において、Rはクロロである。一部の実施形態において、Rはアルキルであり、R~R及びR~Rのそれぞれは水素であり、かつX及びZはOである。一部の実施形態において、Rはメチルである。一部の実施形態において、Rはハロゲンであり、R~R及びR~Rのそれぞれは水素であり、かつX及びZはOである。一部の実施形態において、Rはクロロである。一部の実施形態において、Rは-CFであり、R~R及びR~Rのそれぞれは水素であり、かつX及びZはOである。一部の実施形態において、Rは-NHであり、R~R及びR~Rのそれぞれは水素であり、かつX及びZはOである。一部の実施形態において、Rは-CFであり、R~R及びR~Rのそれぞれは水素であり、かつX及びZはOである。一部の実施形態において、Rは-NHであり、R~R及びR~Rのそれぞれは水素であり、かつX及びZはOである。
【0112】
一部の実施形態において、lynキナーゼ活性化因子は、式:
【0113】
【化21】
【0114】
のものまたは薬学的に許容されるその塩であって、式中:
はH、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1C(O)ORa1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、NRc1S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1であって、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールのそれぞれは、任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基によって置換され;
はH、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1C(O)ORa1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、NRc1S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1であって、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールのそれぞれは、任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基によって置換され;
はH、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1C(O)ORa1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、NRc1S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1であって、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールのそれぞれは、任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基によって置換され;
はH、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1C(O)ORa1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、NRc1S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1であって、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールのそれぞれは、任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基によって置換され;
はH、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1C(O)ORa1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、NRc1S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1であって、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールのそれぞれは、任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基によって置換され;
またはR、R、R、R、及びRのうちの2つの隣接基は、連結して、それぞれが任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、もしくは3個の置換基によって置換された縮合シクロアルキルもしくは縮合ヘテロシクロアルキル基を形成し得;
はH、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1C(O)ORa1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、NRc1S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1であって、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールのそれぞれは、任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基によって置換され;
はH、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1であり;
はH、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1であり;
a1、Rb1、Rc1、及びRd1はそれぞれ、独立して、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルから選択され、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルのそれぞれは、任意で、OH、NO、CN、アミノ、ハロ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、及びC1-6ハロアルコキシから独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基で置換され;
またはRc1及びRd1は、それらが結合するN原子とともに、それぞれが任意で、OH、NO、CN、アミノ、ハロ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、及びC1-6ハロアルコキシから独立して選択される1、2、もしくは3個の置換基で置換された4、5、6、もしくは7員ヘテロシクロアルキル基もしくはヘテロアリール基を形成し;
a2、Rb2、Rc2、及びRd2はそれぞれ、独立して、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルから選択され、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、もしくはヘテロシクロアルキルアルキルのそれぞれは、任意で、OH、NO、CN、アミノ、ハロ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、及びC1-6ハロアルコキシから独立して選択される1、2、もしくは3個の置換基で置換され;
またはRc2及びRd2は、それらが結合するN原子とともに、それぞれが任意で、OH、NO、CN、アミノ、ハロ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、及びC1-6ハロアルコキシから独立して選択される1、2、もしくは3個の置換基で置換された4、5、6、もしくは7員ヘテロシクロアルキル基もしくはヘテロアリール基を形成し;
はO、S、もしくはNRであり;
はH、OH、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、CN、もしくはNOであり;
はO、S、もしくはNR10であり;
10はH、OH、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、CN、もしくはNOであり;
はO、S、もしくはNR11であり;かつ
11はH、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1である。
【0115】
一部の実施形態において、lynキナーゼ活性化因子は、式:
【0116】
【化22】
【0117】
のものまたは薬学的に許容されるその塩であって、式中:
、R、及びRはそれぞれ、独立して、H、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、もしくはC1-6ハロアルキルであり;
はH、C1-6アルキル、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、もしくはC(O)ORa1であり;
はH、C1-6アルキル、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、もしくはC(O)ORa1であり;
a1、Rb1、Rc1、及びRd1はそれぞれ、独立して、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルから選択され、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルのそれぞれは、任意で、OH、NO、CN、アミノ、ハロ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、及びC1-6ハロアルコキシから独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基で置換され;
またはRc1及びRd1は、それらが結合するN原子とともに、それぞれが任意で、OH、NO、CN、アミノ、ハロ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、及びC1-6ハロアルコキシから独立して選択される1、2、もしくは3個の置換基で置換された4、5、6、もしくは7員ヘテロシクロアルキル基もしくはヘテロアリール基を形成し;
はOもしくはSであり;
はOもしくはSであり;かつ
はOもしくはSである。
【0118】
一部の実施形態において、lynキナーゼ活性化因子は、式:
【0119】
【化23】
【0120】
のものまたは薬学的に許容されるその塩であって、式中:R、R、R、及びRはそれぞれ、独立して、H、F、Cl、CH、SCH、OCH、C(CH、CH(CH、またはCである。
【0121】
一部の実施形態において、lynキナーゼ活性化因子は、式:
【0122】
【化24】
【0123】
のものまたは薬学的に許容されるその塩であって、式中:
はH、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1C(O)ORa1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、NRc1S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1であって、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールのそれぞれは、任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基によって置換され;
はH、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1C(O)ORa1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、NRc1S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1であって、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールのそれぞれは、任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基によって置換され;
はH、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1C(O)ORa1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、NRc1S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1であって、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールのそれぞれは、任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基によって置換され;
はH、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1C(O)ORa1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、NRc1S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1であって、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールのそれぞれは、任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基によって置換され;
はH、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1C(O)ORa1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、NRc1S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1であって、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールのそれぞれは、任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基によって置換され;
またはR、R、R、R、及びRのうちの2つの隣接基は、連結して、それぞれが任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、もしくは3個の置換基によって置換された縮合シクロアルキルもしくは縮合ヘテロシクロアルキル基を形成し得;
はH、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1C(O)ORa1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、NRc1S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1であって、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールのそれぞれは、任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基によって置換され;
はH、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1であり;
a1、Rb1、Rc1、及びRd1はそれぞれ、独立して、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルから選択され、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルのそれぞれは、任意で、OH、NO、CN、アミノ、ハロ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、及びC1-6ハロアルコキシから独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基で置換され;
またはRc1及びRd1は、それらが結合するN原子とともに、それぞれが任意で、OH、NO、CN、アミノ、ハロ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、及びC1-6ハロアルコキシから独立して選択される1、2、もしくは3個の置換基で置換された4、5、6、もしくは7員ヘテロシクロアルキル基もしくはヘテロアリール基を形成し;
a2、Rb2、Rc2、及びRd2はそれぞれ、独立して、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルから選択され、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、もしくはヘテロシクロアルキルアルキルのそれぞれは、任意で、OH、NO、CN、アミノ、ハロ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、及びC1-6ハロアルコキシから独立して選択される1、2、もしくは3個の置換基で置換され;
またはRc2及びRd2は、それらが結合するN原子とともに、それぞれが任意で、OH、NO、CN、アミノ、ハロ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、及びC1-6ハロアルコキシから独立して選択される1、2、もしくは3個の置換基で置換された4、5、6、もしくは7員ヘテロシクロアルキル基もしくはヘテロアリール基を形成し;
はO、S、もしくはNRであり;
はH、OH、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、CN、もしくはNOであり;
はO、S、もしくはNR10であり;
10はH、OH、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、CN、もしくはNOであり;
はO、S、もしくはNR11であり;
11はH、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1であり;
100はヒドロキシル保護基、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、S(O)NRc1d1、S(O)ORe1、P(O)ORf1ORg1、もしくはSi(Rh1であって、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールのそれぞれは、任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基によって置換され;
200はヒドロキシル保護基、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、S(O)NRc1d1、S(O)ORe1、P(O)ORf1ORg1、もしくはSi(Rh1であって、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールのそれぞれは、任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基によって置換され;
各Re1は、独立して、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、もしくはヘテロアリールアルキルであり;
各Rf1は、独立して、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C2-6アルケニル、(C1-6アルコキシ)-C1-6アルキル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、もしくはヘテロシクロアルキルアルキルであり;
各Rg1は、独立して、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクロアルキルであり;かつ
各Rh1は、独立して、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、もしくはヘテロアリールアルキルである。
【0124】
一部の実施形態において、lynキナーゼ活性化因子は、5-(m-トリルオキシ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンとしても知られる、式:
【0125】
【化25】
【0126】
の化合物である。
一部の実施形態において、TRPM8アゴニストは、メントール、イシリン、WS3、またはWS23である。一部の実施形態において、TRPM8アゴニストはメントールである。イシリン(CAS 36945-98-9)は、3-(2-ヒドロキシフェニル)-6-(3-ニトロフェニル)-3,4-ジヒドロピリミジン-2(1H)-オンとしても知られ、式:
【0127】
【化26】
【0128】
を有する。WS3(CAS 39711-79-0)は、N-エチル-2-イソプロピル-5-メチルシクロ-ヘキサンカルボキサミドとしても知られ、式:
【0129】
【化27】
【0130】
を有する。WS23(CAS 51115-67-4)は、N,2,3-トリメチル-2-プロパン-2-イルブタンアミドとしても知られ、式:
【0131】
【化28】
【0132】
を有する。
一部の実施形態において、1種を上回る種類のTRPM8アゴニストが、1種または複数種のlynキナーゼ活性化因子とともに用いられ得る。
【0133】
一部の実施形態において、組成物は、化合物102及びメントールを含む。一部の実施形態において、他の活性成分は組成物中に存在しない。
一部の実施形態において、本明細書において記載される組成物は薬学的組成物であり、薬学的に許容されるキャリア、ビヒクル、希釈剤、または賦形剤を含む。
【0134】
化合物は単なる例示であり、特許請求の範囲をそれらの化合物のみに限定することを意図されるわけではないことが理解されるであろう。
本明細書において記載される化合物は、例えばそのそれぞれが参照によりその全体として本明細書に組み入れられる米国特許第3,922,345号及び第4,080,454号に記載される、当業者に公知の標準的な有機化学技法によって合成され得る。
【0135】
本明細書において記載される化合物の調製は、様々な化学基の保護及び脱保護を伴い得る。保護及び脱保護の必要性、ならびに適当な保護基の選択は、当業者によって容易に決定され得る。保護基の化学は、例えばT.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,3rd Ed.,Wiley&Sons,Inc.,New York(1999)に見い出され得、それは参照によりその全体として本明細書に組み入れられる。適切なヒドロキシル保護基には、tert-ブチルジメチルシリル(TBS)、メトキシメチルエーテル(MOM)、テトラヒドロピラニルエーテル(THP)、t-ブチルエーテル、アリルエーテル、ベンジルエーテル、t-ブチルジメチルシリルエーテル(TBDMS)、t-ブチルジフェニルシリルエーテル(TBDPS)、酢酸エステル等が含まれるが、それらに限定されるわけではない。
【0136】
本明細書において記載される組成物は、患者への投与のための所望の形態を提供する適切な量の薬学的に許容されるビヒクルとともに、治療上有効な量の1種または複数種のlynキナーゼ活性化因子、及びメントールなどの1種または複数種のTRPM8アゴニストを含有する。
【0137】
ビヒクルには、それとともに化合物が投与される希釈剤、アジュバント、賦形剤、またはキャリアが含まれるが、それらに限定されるわけではない。そのような薬学的ビヒクルは、落花生油、大豆油、鉱油、ごま油など、石油、動物、植物、または合成起源のものを含めた、水及び油などの液体であり得る。薬学的ビヒクルは、生理食塩水、アカシアガム、ゼラチン、デンプンのり、タルク、ケラチン、コロイド状シリカ、尿素等であり得る。加えて、補助剤、安定剤、増粘剤、潤滑剤、及び着色剤が用いられ得る。患者に投与される場合、化合物及び薬学的に許容されるビヒクルは、好ましくは無菌である。化合物が静脈内投与される場合、水が適切なビヒクルである。特に注射液に関して、生理食塩溶液ならびに水性デキストロース及びグリセロール溶液も液体ビヒクルとして採用され得る。適切な薬学的ビヒクルには、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、脱脂粉乳、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどの賦形剤も含まれる。本組成物は、所望の場合、少量の湿潤剤もしくは乳化剤、またはpH緩衝剤も含有し得る。
【0138】
本組成物は、溶液、懸濁液、エマルジョン、錠剤、丸薬、ペレット、カプセル、液体を含有するカプセル、粉末、徐放性製剤、坐薬、エマルジョン、エアロゾル、スプレー、懸濁液の形態、または使用に適した他の任意の形態を取り得る。一部の実施形態において、薬学的に許容されるビヒクルはカプセルである(例えば、米国特許第5,698,155号を参照されたい)。適切な薬学的ビヒクルの他の例は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,A.R.Gennaro(Editor)Mack Publishing Co.に記載されている。
【0139】
化合物は、薬学的に許容される希釈剤、充填剤、崩壊剤、結合剤、潤滑剤、界面活性剤、疎水性ビヒクル、水溶性ビヒクル、乳化剤、緩衝剤、保水剤、保湿剤、可溶化剤、防腐剤等とともに、そのような製剤中に含有され得る。薬学的組成物は、適切な固相またはゲル相のキャリアまたは賦形剤も含み得る。そのようなキャリアまたは賦形剤の例は、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖類、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、及びポリエチレングリコールなどのポリマーを含むが、それらに限定されるわけではない。一部の実施形態において、本明細書において記載される化合物は、局所鎮痛剤(例えば、リドカイン)、バリアデバイス(例えば、GelClair)、またはリンス液(例えば、Caphosol)を含むがそれらに限定されない作用物質とともに用いられ得る。
【0140】
適切な組成物には、経口非吸収性組成物が含まれるが、それらに限定されるわけではない。適切な組成物は、生理食塩水、水、シクロデキストリン溶液、及びpH3~9の緩衝液も含むが、それらに限定されるわけではない。
【0141】
本明細書において記載される化合物または薬学的に許容されるその塩は、精製水、プロピレングリコール、PEG400、グリセリン、DMA、エタノール、ベンジルアルコール、クエン酸/クエン酸ナトリウム(pH3)、クエン酸/クエン酸ナトリウム(pH5)、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンHCl(pH7.0)、0.9%生理食塩水、及び1.2%生理食塩水、ならびにその任意の組み合わせを含むがそれらに限定されない、数々の賦形剤と製剤化され得る。一部の実施形態において、賦形剤は、プロピレングリコール、精製水、及びグリセリンから選定される。
【0142】
一部の実施形態において、製剤は、固体に凍結乾燥され得、使用前に例えば水で再構成され得る。
ヒトに投与される場合、化合物は無菌であり得る。化合物が静脈内投与される場合、水が適切なキャリアである。特に注射液に関して、生理食塩溶液ならびに水性デキストロース及びグリセロール溶液も液体キャリアとして採用され得る。適切な薬学的キャリアには、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、脱脂粉乳、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどの賦形剤も含まれる。本組成物は、所望の場合、少量の湿潤剤もしくは乳化剤、またはpH緩衝剤も含有し得る。
【0143】
一部の実施形態において、化合物は、ヒトへの投与に適合した薬学的組成物として、ルーチン手順に従って製剤化される。典型的に、化合物は、無菌の等張水性緩衝液での溶液である。必要な場合、組成物は可溶化剤も含み得る。静脈内投与のための組成物は、注射の部位における痛みを和らげる、リドカインなどの局所麻酔薬を任意で含み得る。一般的に、成分は、活性剤の分量を表示したアンプルまたはサシェ(sachette)などの密閉容器中に、例えば乾燥した凍結乾燥粉末または水不含濃縮物として、別個にまたは単位剤形中に一緒に混合して供給される。化合物が点滴によって投与されるべきである場合、それは、例えば無菌の薬学的等級の水または生理食塩水を含有する点滴ボトルで分注され得る。化合物が注射によって投与される場合、注射用滅菌水または生理食塩水のアンプルは、投与前に成分が混合され得るように提供され得る。
【0144】
薬学的組成物は、単位剤形の状態にあり得る。そのような形態において、組成物は、適当な分量の活性構成成分を含有する単位用量に分けられ得る。単位剤形は、個別の分量の調製物を含有するパッケージであるパッケージされた調製物、例えば小包された錠剤、カプセル、及びバイアルまたはアンプル中の粉末であり得る。単位剤形は、カプセル、カシェー、もしくは錠剤それ自体でもあり得る、またはそれは、適当な数の、これらパッケージ形態のいずれかであり得る。
【0145】
一部の実施形態において、組成物は、活性剤(すなわち、本明細書において開示される表面的に両親媒性のポリマーまたはオリゴマーのうちの1つ)が、溶液の状態、懸濁液の状態、エマルジョンとして、または溶液/懸濁液として存在する液体の形態にあり得る。一部の実施形態において、液体組成物はゲルの形態にある。他の実施形態において、液体組成物は水性である。他の実施形態において、組成物は軟膏の形態にある。
【0146】
適切な防腐剤には、フェニル水銀塩(例えば、酢酸フェニル水銀、ホウ酸フェニル水銀、及び硝酸フェニル水銀)及びチメロサールなどの水銀含有物質;安定化二酸化塩素;塩化ベンザルコニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、及び塩化セチルピリジニウムなどの第4級アンモニウム化合物;イミダゾリジニル尿素;メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、及びブチルパラベンなどのパラベン、ならびにその塩;フェノキシエタノール;クロロフェノキシエタノール;フェノキシプロパノール;クロロブタノール;クロロクレゾール;フェニルエチルアルコール;EDTA二ナトリウム;ならびにソルビン酸及びその塩が含まれるが、それらに限定されるわけではない。
【0147】
要求される場合、化学的安定性を増強するために、任意で、1種または複数種の安定剤が組成物中に含まれ得る。適切な安定剤には、例えばカルシウム錯化剤のエチレンジアミン四酢酸(EDTA)など、キレート剤または錯化剤が含まれるが、それらに限定されるわけではない。例えば、過度のカルシウムイオンを錯化しかつ保管中のゲル形成を防止するために、適当な量のEDTAまたはその塩、例えば二ナトリウム塩が組成物中に含まれ得る。EDTAまたはその塩は、約0.01%~約0.5%の量で適切に含まれ得る。EDTA以外の防腐剤を含有するそうした実施形態において、EDTAまたはその塩、より特にEDTA二ナトリウムは、約0.025重量%~約0.1重量%の量で存在し得る。
【0148】
1種または複数種の抗酸化剤も組成物中に含まれ得る。適切な抗酸化剤には、アスコルビン酸、ピロ亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、アセチルシステイン、ポリクオタニウム-1、塩化ベンザルコニウム、チメロサール、クロロブタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、フェニルエチルアルコール、エデト酸二ナトリウム、ソルビン酸、または当業者に公知の他の作用物質が含まれるが、それらに限定されるわけではない。そのような防腐剤は、典型的に、約0.001重量%~約1.0重量%のレベルで採用される。
【0149】
一部の実施形態において、化合物は、許容される可溶化剤によって少なくとも部分的に可溶化される。ある特定の許容される非イオン性界面活性剤、例えばポリソルベート80は、許容されるグリコール、ポリグリコール、例えばポリエチレングリコール400(PEG-400)、及びグリコールエーテルがし得るように、可溶化剤として有用であり得る。
【0150】
溶液及び溶液/懸濁液組成物のための適切な可溶化剤はシクロデキストリンである。適切なシクロデキストリンには、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、アルキルシクロデキストリン(例えば、メチル-β-シクロデキストリン、ジメチル-β-シクロデキストリン、及びジエチル-β-シクロデキストリン)、ヒドロキシアルキルシクロデキストリン(例えば、ヒドロキシエチル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン)、カルボキシ-アルキルシクロデキストリン(例えば、カルボキシメチル-β-シクロデキストリン)、スルホアルキルエーテルシクロデキストリン(例えば、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン)等が含まれる。シクロデキストリンの適用は、Rajewski et al.,J.Pharm.Sciences,1996,85,1155-1159に概説されている。許容されるシクロデキストリンは、約1~約200mg/ml、約5~約100mg/ml、または約10~約50mg/mlの濃度で組成物中に任意で存在し得る。
【0151】
一部の実施形態において、組成物は懸濁化剤を任意で含有する。例えば、組成物が水性懸濁液または溶液/懸濁液であるそうした実施形態において、組成物は、1種または複数種のポリマーを懸濁化剤として含有し得る。有用なポリマーには、セルロースポリマー、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの水溶性ポリマー、及び架橋されたカルボキシル含有ポリマーなどの非水溶性ポリマーが含まれるが、それらに限定されるわけではない。しかしながら、一部の実施形態において、組成物は、抗微生物性ポリマーもしくはオリゴマー活性剤、賦形剤、またはその両方にかかわらず、実質的な量の固体粒子物質を含有しない、というのも固体粒子物質は、存在する場合、処理された眼の不快感及び/または炎症を引き起こし得るためである。
【0152】
酢酸、ホウ酸、クエン酸、乳酸、リン酸、及び塩酸などの酸;水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、及びトリス-ヒドロキシメチルアミノメタンなどの塩基;ならびにシトレート/デキストロース、重炭酸ナトリウム、及び塩化アンモニウムなどの緩衝剤を含めた、1種または複数種の許容されるpH調整剤及び/または緩衝剤が組成物中に含まれ得る。そのような酸、塩基、及び緩衝剤は、許容される域で組成物のpHを維持するのに要される量で含まれる。
【0153】
組成物の構成成分の可溶性を増強するために、または物理的安定性を付与するために、または他の目的のために、任意で、非イオン性界面活性剤などの1種もしくは複数種の許容される界面活性剤、または共溶媒が組成物中に含まれ得る。適切な非イオン性界面活性剤には、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリド及び植物油、例えばポリオキシエチレン(60)水添ヒマシ油;ならびにポリオキシエチレンアルキルエーテル及びアルキルフェニルエーテル、例えばオクトキシノール10、オクトキシノール40;ポリソルベート20、60、及び80;ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン界面活性剤(例えば、プルロニック(登録商標)F-68、F84、及びP-103);シクロデキストリン;または当業者に公知の他の作用物質が含まれるが、それらに限定されるわけではない。典型的に、そのような共溶媒または界面活性剤は、約0.01重量%~約2重量%のレベルで組成物において採用される。
【0154】
流涙を促進するためのまたは「ドライアイ」医薬としての組成物中には、1種または複数種の潤滑剤も任意で含まれ得る。そのような作用物質には、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン等が含まれるが、それらに限定されるわけではない。流涙が天然に欠損している場合にのみ、通常の程度の涙液の分泌を回復させるために、流涙の促進が本発明において有益であることが理解される。過度の流涙が生じる場合、眼内での組成物の滞留時間を低下させ得る。
【0155】
本明細書において記載される化合物は、ボーラス注射または連続点滴によるなど、注射による非経口投与のために製剤化され得る。化合物は、約15分間~約24時間の期間にわたって、皮下に連続点滴によって投与され得る。注射のための製剤は、アンプルなどでの単位剤形で、または添加された防腐剤とともに複数回用量容器で提示され得る。組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁液、溶液、またはエマルジョンのような形態を取り得、懸濁化剤、安定剤、及び/または分散剤などの製剤化剤(formulatory agent)を含有し得る。一部の実施形態において、注射物質は、皮下にまたは筋肉内に注射される、短時間作用型、デポー、またはインプラントの形態、及びペレット形態にある。一部の実施形態において、非経口剤形は、溶液、懸濁液、エマルジョン、または乾燥粉末の形態である。
【0156】
一部の実施形態において、化合物は、人間への静脈内投与に適合した薬学的組成物として、ルーチン手順に従って製剤化される。典型的に、静脈内投与のための化合物は、無菌の等張水性緩衝液での溶液である。必要な場合、組成物は可溶化剤も含み得る。静脈内投与のための組成物は、注射の部位における痛みを和らげる、リドカインなどの局所麻酔薬を任意で含み得る。一般的に、成分は、活性剤の分量を表示したアンプルまたはサシェなどの密閉容器中に、例えば乾燥した凍結乾燥粉末または水不含濃縮物として、別個にまたは単位剤形中に一緒に混合して供給される。化合物が点滴によって投与されるべきである場合、それは、例えば無菌の薬学的等級の水または生理食塩水を含有する点滴ボトルで分注され得る。化合物が注射によって投与される場合、注射用滅菌水または生理食塩水のアンプルは、投与前に成分が混合され得るように提供され得る。
【0157】
本明細書において記載される化合物は、デポー調製物としても製剤化され得る。そのような長時間作用型製剤は、埋め込みによって(例えば、皮下にまたは筋肉内に)または筋肉内注射によって投与され得る。デポー注射は、約1~約6ヶ月またはそれよりも長い間隔で投与され得る。ゆえに、例えば、化合物は、適切なポリマー材料もしくは疎水性材料(例えば、許容される油中のエマルジョンとして)またはイオン交換樹脂とともに、あるいは難溶性誘導体として、例えば難溶性塩として製剤化され得る。
【0158】
一部の実施形態において、組成物は経口投与され得る。経口送達のための組成物は、例えば錠剤、トローチ、水性もしくは油性懸濁液、顆粒、粉末、エマルジョン、カプセル、シロップ、エリキシル剤の形態にあり得る。経口投与組成物は、1種または複数種の任意の作用物質、例えば、フルクトース、アスパルテーム、またはサッカリンなどの甘味剤;ペパーミント、ウィンターグリーンの油、またはサクランボなどの香味剤;着色剤;及び防腐剤を含有して、薬学的に口当たりのよい調製物を提供し得る。さらには、錠剤またはピル形態にある場合、組成物をコーティングして、消化管における崩壊及び吸収を遅延させ得、それによって長期間にわたる持続作用が提供される。浸透圧活性増進化合物を取り囲む選択透過性膜も、経口投与化合物に適している。これら後者のプラットフォームにおいて、カプセルを取り囲む環境からの流体は、増進化合物によって吸い込まれ、それは膨張して、開口部を通じて作用物質または作用物質組成を置き換える。これらの送達プラットフォームは、即放性製剤のスパイクされるプロファイルとは対照的に、本質的にゼロ次の送達プロファイルを提供し得る。モノステアリン酸グリセロールまたはステアリン酸グリセロールなどの時間遅延材料も用いられ得る。経口組成物は、マンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどの標準的ビヒクルを含み得る。そのようなビヒクルは薬学的等級であり得る。
【0159】
経口投与に関して、本明細書において記載される化合物は、化合物と当技術分野において周知の薬学的に許容されるキャリアとを組み合わせることによって製剤化され得る。そのようなキャリアにより、化合物は、治療される対象となる患者による経口摂取のための錠剤、ピル、糖衣錠、カプセル、エマルジョン、液体、ゲル、シロップ、カシェー、ペレット、粉末、顆粒、スラリー、トローチ、水性または油性懸濁液等として製剤化されることが可能となる。経口使用のための薬学的調製物は、例えば、固形賦形剤を添加し、結果として生じた混合物を任意で粉末状にし、かつ、所望の場合には適切な補助剤を添加した後に、顆粒の混合物を加工して錠剤または糖衣錠コアを獲得することによって獲得され得る。適切な賦形剤には、ラクトース、スクロース、マンニトール、及びソルビトールを含むがそれらに限定されない糖類などの充填剤;トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントガム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル-セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及びポリビニルピロリドン(PVP)などであるがそれらに限定されないセルロース調製物が含まれるが、それらに限定されるわけではない。所望の場合、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸、もしくはアルギン酸ナトリウムなどのその塩などであるがそれらに限定されない、崩壊剤が添加され得る。
【0160】
経口投与組成物は、1種または複数種の任意の作用物質、例えば、フルクトース、アスパルテーム、またはサッカリンなどの甘味剤;ペパーミント、ウィンターグリーンの油、またはサクランボなどの香味剤;着色剤;及び防腐剤を含有して、薬学的に口当たりのよい調製物を提供し得る。さらには、錠剤またはピル形態にある場合、組成物をコーティングして、消化管における崩壊及び吸収を遅延させ得、それによって長期間にわたる持続作用が提供される。浸透圧活性増進化合物を取り囲む選択透過性膜も、経口投与化合物に適している。経口組成物は、マンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどの標準的ビヒクルを含み得る。そのようなビヒクルは、適切には薬学的等級のものである。
【0161】
糖衣錠コアは、適切なコーティングとともに提供され得る。この目的のために、濃縮された糖溶液が用いられ得、それは、アラビアガム、タルク、ポリビニルピロリドン、カーボポールゲル、ポリエチレングリコール、及び/または二酸化チタン、ラッカー液、ならびに適切な有機溶媒もしくは溶媒混合物を任意で含有し得る。識別のためにまたは活性化合物用量の種々の組み合わせを特徴付けするために、染料または色素が錠剤または糖衣錠コーティングに添加され得る。
【0162】
経口で用いられ得る薬学的調製物には、ゼラチンから作られる押し込み型カプセル、ならびにゼラチンとグリセロールまたはソルビトールなどの可塑剤とから作られる密封された軟カプセルが含まれるが、それらに限定されるわけではない。押し込み型カプセルは、ラクトースなどの充填剤、デンプンなどの結合剤、及び/またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、ならびに任意で安定剤と混和した活性成分を含有し得る。軟カプセルにおいて、活性化合物は、脂肪油、流動パラフィン、または液体ポリエチレングリコールなどの適切な液体中に溶解され得るまたは懸濁され得る。加えて、安定剤が添加され得る。
【0163】
口腔投与に関して、組成物は、従来の様式で製剤化された錠剤またはトローチなどの形態を取り得る。
一部の実施形態において、化合物は制御放出システムで送達され得る。1つの実施形態において、ポンプが用いられ得る(Langer,上記;Sefton,CRC Crit.Ref.Biomed.Eng.,1987,14,201;Buchwald et al.,Surgery,1980,88,507;Saudek et al.,N.Engl.J.Med.,1989,321,574を参照されたい)。別の実施形態において、ポリマー材料が用いられ得る(Medical Applications of Controlled Release,Langer and Wise(eds.),CRC Pres.,Boca Raton,Fla.(1974);Controlled Drug Bioavailability,Drug Product Design and Performance,Smolen and Ball(eds.),Wiley,New York(1984);Ranger et al.,J.Macromol.Sci.Rev.Macromol.Chem.,1983,23,61を参照されたく;Levy et al.,Science,1985,228,190;During et al.,Ann.Neurol.,1989,25,351;Howard et al.,J.Neurosurg.,1989,71,105も参照されたい)。さらに別の実施形態において、制御放出システムは、肝臓など、本明細書において記載される化合物の標的に近接して置かれ得、ゆえに全身用量のほんの一部を要する(例えば、Goodson,Medical Applications of Controlled Release,上記,vol.2,pp.115-138(1984)を参照されたい)。Langer,Science,1990,249,1527-1533による概説において論じられる他の制御放出システムが用いられ得る。
【0164】
一部の実施形態において、本明細書において記載される化合物は、小胞で、特にリポソームで送達され得る(Langer,Science,1990,249,1527-1533;Treat et al.,Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer,Lopez-Berestein and Fidler(eds.),Liss,New York,pp.353-365(1989);Lopez-Berestein,同書,pp.317-327を参照されたく;一般的に同書を参照されたい)。
【0165】
吸入による投与に関して、本明細書において記載される化合物は、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、または他の適切な気体など、適切な推進剤の使用とともに、加圧式パックまたは噴霧器からのエアロゾルスプレー提示の形態で送達され得る。加圧式エアロゾルの場合、投薬量単位は、メーターで測定される量を送達するバルブを提供することによって決定され得る。吸入器または通気器における使用のための、ゼラチンなどのカプセル及びカートリッジは、化合物とラクトースまたはデンプンなどの適切な粉末基剤との混合粉末を含有して製剤化され得る。
【0166】
本明細書において記載される化合物は、ココアバターまたは他のグリセリドなどの従来の坐薬基剤を含有するものなど、坐薬または停留浣腸などの直腸組成物にも製剤化され得る。本明細書において記載される化合物は、膣クリーム、坐薬、ペッサリー、膣リング、及び子宮内デバイスなど、膣組成物にも製剤化され得る。
【0167】
経皮投与において、化合物は硬膏に適用され得る、または経皮治療システムによって適用され得、それはその結果として生物に供給される。一部の実施形態において、化合物は、クリーム、溶液、粉末、流体エマルジョン、流体懸濁液、半固体、軟膏、ペースト、ゲル、ゼリー、及び泡の状態で、またはそれのうちのいずれかを含有するパッチの状態で存在する。
【0168】
本明細書において開示される特定の障害または病状の治療において有効であろうlynキナーゼ活性化因子の量は、障害または病状の性質に依存し、標準的臨床技法によって決定され得る。加えて、インビトロまたはインビボアッセイを任意で採用して、最適な投薬量域を同定するのを支援し得る。組成物において採用されるべき正確な用量は、投与の経路及び疾患または障害の重篤度にも依存し、実践者の判断及び各患者の環境に従って決められるべきである。しかしながら、経口投与のための適切な投薬量域は、一般的に、キログラム体重あたり約0.001ミリグラム~200ミリグラムの化合物である。一部の実施形態において、経口用量は、キログラム体重あたり約0.01ミリグラム~約70ミリグラム、キログラム体重あたり約0.1ミリグラム~約50ミリグラム、キログラム体重あたり約0.5ミリグラム~約20ミリグラム、キログラム体重あたり約1ミリグラム~約10ミリグラム、またはキログラム体重あたり約5ミリグラムの化合物である。本明細書において記載される投薬量は、投与される総量を指し;つまり、1種を上回る種類の化合物が投与される場合、投薬量は、投与される化合物の総量に相当する。経口組成物は、10重量%~95重量%の活性成分を含有し得る。
【0169】
静脈内(i.v.)投与のための適切な投薬量域は、キログラム体重あたり約0.01ミリグラム~約100ミリグラム、キログラム体重あたり約0.1ミリグラム~約35ミリグラム、及びキログラム体重あたり約1ミリグラム~約10ミリグラムである。鼻腔内投与のための適切な投薬量域は、一般的に、約0.01pg/kg体重~約1mg/kg体重である。坐薬は、一般的に、キログラム体重あたり約0.01ミリグラム~約50ミリグラムの化合物を含有し、約0.5重量%~約10重量%の域内の活性成分を含む。皮内、筋肉内、腹腔内、皮下、硬膜外、舌下、脳内、膣内、経皮投与、または吸入による投与のための推奨される投薬量は、体重のキログラムあたり約0.001ミリグラム~約200ミリグラムの域内にある。局所投与のための化合物の適切な用量は、化合物が投与される面積に応じて、約0.001ミリグラム~約1ミリグラムの域内にある。有効な用量は、インビトロまたは動物モデル試験システムから導き出された用量応答曲線から推定され得る。そのような動物モデル及びシステムは、当技術分野において周知である。
【0170】
本明細書において開示される特定の障害または病状の治療において有効であろうTRPM8アゴニストの量は、障害または病状の性質に依存し、標準的臨床技法によって決定され得る。加えて、インビトロまたはインビボアッセイを任意で採用して、最適な投薬量域を同定するのを支援し得る。組成物において採用されるべき正確な用量は、投与の経路及び疾患または障害の重篤度にも依存し、実践者の判断及び各患者の環境に従って決められるべきである。しかしながら、TRPM8アゴニストの投与のための適切な投薬量域は、一般的に、約0.01μM~約200μM、約0.1μM~約150μM、約1μM~約100μM、約5μM~約50μM、約10μM~約40μM、約15μM~約35μM、または約20μM~約30μMである。一部の実施形態において、TRPM8アゴニストの投与のための適切な投薬量は、約0.1μM、約1μM、約5μM、約10μM、約15μM、約20μM、約25μM、約30μM、約35μM、約40μM、約45μM、約50μM、約55μM、約60μM、約65μM、約70μM、約75μM、約80μM、約85μM、約90μM、約95μM、約100μM、約105μM、約110μM、約115μM、約120μM、約125μM、約130μM、約135μM、約140μM、約145μM、約150μM、約155μM、約160μM、約165μM、約170μM、約175μM、約180μM、約185μM、約190μM、約195μM、または約200μMである。
【0171】
本開示は、1種または複数種の組成物を充填した1つまたは複数の容器を含む薬学的パックまたはキットも提供する。そのような容器(複数可)には、医薬品または生物学的製剤の製造、使用、または販売を規制する政府機関によって命じられた形態の通知が任意で伴い得、その通知は、ヒト投与のための製造、使用、または販売についての当該機関による認可を反映する。一部の実施形態において、キットは、1種を上回る種類のlynキナーゼ活性化因子を含有する。一部の実施形態において、キットは、1種を上回る種類のTRPM8アゴニストを含有する。一部の実施形態において、キットは、別個の容器中にlynキナーゼ活性化因子及びTRPM8アゴニストを含む。
【0172】
一部の実施形態において、組成物は、少なくとも1種の他の治療剤との併用療法において用いられ得る。化合物及び付加的な治療剤は、相加的にまたは相乗的に作用し得る。一部の実施形態において、本明細書において記載される組成物は、別の治療剤の投与と並行して投与され、それは、当該化合物と同じ組成物の一部または異なる組成物であり得る。一部の実施形態において、本明細書において記載される組成物は、別の治療剤の投与の前または後に投与される。治療することにおいて組成物が有用である障害の多くは慢性障害であるため、一部の実施形態において、併用療法は、本明細書において記載される組成物及び別の治療剤を含む組成物を投与することを交互に行って、例えば特定の薬物に伴う毒性を最小限に抑える。各薬物または治療剤の投与の継続期間は、例えば1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、または1年であり得る。一部の実施形態において、本明細書において記載される組成物が、毒性を含むがそれに限定されない有害な副作用を潜在的にもたらす別の治療剤と並行して投与される場合、当該治療剤は、有害な作用が引き出される閾値を下回る用量で有利に投与され得る。
【0173】
本組成物は、スタチンと一緒にまたは別個に投与され得る。スタチンには、アトルバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、シンバスタチン、及びセリバスタチンが含まれるが、それらに限定されるわけではない。一部の実施形態において、組成物は、lynキナーゼ活性化因子、TRPM8アゴニスト、及びスタチンを含む。
【0174】
本組成物は、PPARアゴニスト、例えばチアゾリジンジオンまたはフィブラートとも一緒にまたは別個に投与され得る。チアゾリジンジオンには、5-((4-(2-(メチル-2-ピリジニルアミノ)エトキシ)フェニル)メチル)-2,4-チアゾリジンジオン、トログリタゾン、ピオグリタゾン、シグリタゾン、WAY-120,744、エングリタゾン、AD5075、ダルグリタゾン、及びロシグリタゾンが含まれるが、それらに限定されるわけではない。フィブラートには、ゲムフィブロジル、フェノフィブラート、クロフィブラート、またはシプロフィブラートが含まれるが、それらに限定されるわけではない。以前に述べられたように、治療上有効な量のフィブラートまたはチアゾリジンジオンは、毒性副作用を有することが多い。したがって、一部の実施形態において、本明細書において記載される組成物がPPARアゴニストと組み合わせて投与される場合、PPARアゴニストの投薬量は、毒性副作用を伴うそれを下回る。一部の実施形態において、組成物は、lynキナーゼ活性化因子、TRPM8アゴニスト、及びPPARアゴニストを含む。
【0175】
本組成物は、胆汁酸結合樹脂とも一緒にまたは別個に投与され得る。胆汁酸結合樹脂には、コレスチラミン及びコレスチポール塩酸塩が含まれるが、それらに限定されるわけではない。一部の実施形態において、組成物は、lynキナーゼ活性化因子、TRPM8アゴニスト、及び胆汁酸結合樹脂を含む。
【0176】
本組成物は、ナイアシンまたはニコチン酸とも一緒にまたは別個に投与され得る。一部の実施形態において、組成物は、lynキナーゼ活性化因子、TRPM8アゴニスト、及びナイアシンまたはニコチン酸を含む。
【0177】
本組成物は、RXRアゴニストとも一緒にまたは別個に投与され得る。RXRアゴニストには、LG100268、LGD1069、9-シスレチノイン酸、2-(1-(3,5,5,8,8-ペンタメチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-ナフチル)-シクロプロピル)-ピリジン-5-カルボン酸、または4-((3,5,5,8,8-ペンタメチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-ナフチル)2-カルボニル)-安息香酸が含まれるが、それらに限定されるわけではない。一部の実施形態において、組成物は、lynキナーゼ活性化因子、TRPM8アゴニスト、及びRXRアゴニストを含む。
【0178】
本組成物は、抗肥満薬とも一緒にまたは別個に投与され得る。抗肥満薬には、β-アドレナリン受容体アゴニスト、好ましくはβ-3受容体アゴニスト、シブトラミン、ブプロピオン、フルオキセチン、及びフェンテルミンが含まれるが、それらに限定されるわけではない。一部の実施形態において、組成物は、lynキナーゼ活性化因子、TRPM8アゴニスト、及び抗肥満薬を含む。
【0179】
本組成物は、ホルモンとも一緒にまたは別個に投与され得る。ホルモンには、甲状腺ホルモン、エストロゲン、及びインスリンが含まれるが、それらに限定されるわけではない。適切なインスリンには、注射用インスリン、経皮用インスリン、吸入インスリン、またはその任意の組み合わせが含まれるが、それらに限定されるわけではない。インスリンの代替物として、インスリン誘導体、分泌促進物質、増感剤、または模倣体が用いられ得る。インスリン分泌促進物質には、フォルスコリン、ジブチリルcAMP、またはイソブチルメチルキサンチン(IBMX)が含まれるが、それらに限定されるわけではない。一部の実施形態において、組成物は、lynキナーゼ活性化因子、TRPM8アゴニスト、及びホルモンを含む。
【0180】
本組成物は、チロホスチンまたはその類似体とも一緒にまたは別個に投与され得る。チロホスチンには、チロホスチン51が含まれるが、それに限定されるわけではない。一部の実施形態において、組成物は、lynキナーゼ活性化因子、TRPM8アゴニスト、及びチロホスチンまたはその類似体を含む。
【0181】
本組成物は、スルホニル尿素に基づく薬物とも一緒にまたは別個に投与され得る。スルホニル尿素に基づく薬物には、グリソキセピド、グリブリド、アセトヘキサミド、クロルプロパミド、グリボルヌリド、トルブタミド、トラザミド、グリピジド、グリクラジド、グリキドン、グリヘキサミド、フェンブタミド(phenbutamide)、及びトルシクラミド(tolcyclamide)が含まれるが、それらに限定されるわけではない。一部の実施形態において、組成物は、lynキナーゼ活性化因子、TRPM8アゴニスト、及びスルホニル尿素に基づく薬物を含む。
【0182】
本組成物は、ビグアニドとも一緒にまたは別個に投与され得る。ビグアニドには、メトホルミン、フェンホルミン、及びブホルミンが含まれるが、それらに限定されるわけではない。一部の実施形態において、組成物は、lynキナーゼ活性化因子、TRPM8アゴニスト、及びビグアニドを含む。
【0183】
本組成物は、α-グルコシダーゼ阻害剤とも一緒にまたは別個に投与され得る。α-グルコシダーゼ阻害剤には、アカルボース及びミグリトールが含まれるが、それらに限定されるわけではない。一部の実施形態において、組成物は、lynキナーゼ活性化因子、TRPM8アゴニスト、及びα-グルコシダーゼ阻害剤を含む。
【0184】
本組成物は、アポA-Iアゴニストとも一緒にまたは別個に投与され得る。一部の実施形態において、アポA-Iアゴニストは、アポA-Iのミラノ型である(アポA-IM)。一部の実施形態において、アポA-IMは、米国特許第5,721,114号の方法によって産生される。一部の実施形態において、アポA-Iアゴニストはペプチドアゴニストである。一部の実施形態において、アポA-Iペプチドアゴニストは、米国特許第6,004,925号または第6,037,323号のペプチドである。本組成物は、アポリポタンパク質E(アポE)とも一緒に投与され得る。一部の実施形態において、アポEは、米国特許第5,834,596号の方法によって産生される。一部の実施形態において、本組成物は、HDL上昇薬;HDL増強剤;あるいはアポリポタンパク質A-I、アポリポタンパク質A-IV、及び/またはアポリポタンパク質遺伝子の調節因子と一緒に投与され得る。一部の実施形態において、組成物は、lynキナーゼ活性化因子、TRPM8アゴニスト、及びアポA-Iアゴニストを含む。
【0185】
本組成物は、公知の心血管薬と一緒にまたは別個に投与され得る。心血管薬には、末梢抗アドレナリン作動薬、中枢作用性抗高血圧薬(例えば、メチルドーパ、メチルドーパHCl)、抗高血圧直接血管拡張剤(例えば、ジアゾキシド、ヒドララジンHCl)、レニン-アンジオテンシン系に影響を及ぼす薬物、末梢血管拡張剤、フェントラミン、抗狭心症薬、強心配糖体、強心性血管拡張剤(例えば、アムリノン、ミルリノン、エノキシモン、フェノキシモン(fenoximone)、イマゾダン、スルマゾール)、抗リズム障害薬、カルシウム流入遮断薬、ラニチン、ボセンタン、及びレズリンが含まれるが、それらに限定されるわけではない。一部の実施形態において、組成物は、lynキナーゼ活性化因子、TRPM8アゴニスト、及び心血管薬を含む。
【0186】
本組成物は、例えばリラグルチド(VICTOZA(登録商標)、SAXENDA(登録商標))、エキセナチド(BYETTA(登録商標)、BYDUREON(登録商標))、リキシセナチド(LYXUMIA(登録商標))、アルビグルチド(TANZEUM(登録商標))、デュラグルチド(TRULICITY(登録商標))、及びセマグルチド(OZEMPIC(登録商標))などのGLP-1アゴニストも含み得、それとも一緒にまたは別個に投与され得る。一部の実施形態において、組成物は、lynキナーゼ活性化因子、TRPM8アゴニスト、及びGLP-1アゴニストを含む。
【0187】
本組成物は、例えばエラフィブラノールなどのPPARα/δデュアルアゴニストも含み得、それとも一緒にまたは別個に投与され得る。一部の実施形態において、組成物は、lynキナーゼ活性化因子、TRPM8アゴニスト、及びPPARα/δデュアルアゴニストを含む。
【0188】
本組成物は、例えばGS-0976などのACC阻害剤も含み得、それとも一緒にまたは別個に投与され得る。一部の実施形態において、組成物は、lynキナーゼ活性化因子、TRPM8アゴニスト、及びACC阻害剤を含む。
【0189】
本組成物は、例えばPEG化FGF21などの増殖因子も含み得、それとも一緒にまたは別個に投与され得る。一部の実施形態において、組成物は、lynキナーゼ活性化因子、TRPM8アゴニスト、及び増殖因子を含む。
【0190】
本組成物は、例えばセニクリビロック(CVC)などのCCR2/5遮断薬も含み得、それとも一緒にまたは別個に投与され得る。一部の実施形態において、組成物は、lynキナーゼ活性化因子、TRPM8アゴニスト、及びCCR2/5遮断薬を含む。
【0191】
本組成物は、以下の:ヘキサデカン酸、リノール酸、フロレチン、ビタミンD3、ドコサン酸、ケセルチン、D-エリトロ-スフィンゴシン、リシノール酸、ドデカン酸、ゴシポール、エラグ酸、ダムナカンタール、ヘプタデカン酸、ガンマ-リノレン酸、エイコサン酸、アラキドン酸、ペンタコサン酸、ヘキサコサン酸、デカリニウム塩化物、テトラデカン酸、ヒスピジン、テトラコサン酸、トリデカン酸、DL-3,4-ジヒドロキシマンデル酸、ペンタデカン酸、ETYA、MNS、パルミトイル-DL-カルニチン、アドレン酸、チアゾリジンジオン、ヘンエイコサン酸、トリコサノン酸、塩化ケレリトリン、アミノインドール、ドコサヘキサエン酸、5-アミノ-2-メチルインドール、塩化コバルト(CoCl)、ピセアタンノール、エイコサペンタエン酸、窒化ナトリウム(NaN)、ラジシコール、サフィンゴール、ミリシトリン、13-HODE、カルシフェジオール、ミード酸、5-ヨードツベルシジン、スフィンゴシン-1-リン酸、ドコサジエン酸、ヘプタデセン酸、ゲルダナマイシン、カルシトリオール、エイコサジエン酸、メリチン、4-ヒドロキシ-タモキシフェン、ヒドロキシエイコサテトラエン酸、ハービマイシンA、ET-18-OCH、15-HETE、5-HETE、エイコサトリエン酸、ブリオスタチン1、イルモホシン、H-9、H-8、K-252c、HA-1004、K-252a、K-252b、HA-1077、9-HODE、MDL-27032、UCN-01、ビスインドリルマレイミドV、カルホスチンC、7-オキソスタウロスポリン、ビスインドリルマレイミドVIII、ラベンダスチンA、ラベンダスチンC、KRIBB3、ビスインドリルマレイミドX、ビスインドリルマレイミドI、NGIC-I、Go6976、ビスインドリルマレイミドIII、ビスインドリルマレイミドII、ビスインドリルマレイミドVI、ビスインドリルマレイミドVII、二塩酸塩、Pp60 c-src、Ro-32-0432、Go7874、フィンゴリモド、エンザスタウリン、PP1、PP2、HA-100二塩酸塩、PD166285、PP1、1-NM-PP1、CGP77675、PD180970、ダサチニブ、PD173952、SU6656、A-419259、サラカチニブ、ボスチニブ、ソトラスタウリン、KX1-004、CID755673、ZM306416、AZM475271、WH-4-023、TC-S7003、ダサチニブ一水和物、TG100572、A-770041、KX2-391、NVP-BHG712、ER27319マレエート、TCS21311、KB SRC4、及びPKC20-28のうちのいずれか1つまたは複数も含み得、それとも一緒に(例えば、同じ組成物内)または別個に投与され得る。
【0192】
本組成物は、照射による治療または1種もしくは複数種の化学療法剤と一緒にまたは別個に投与され得る。照射治療に関して、照射はガンマ線またはX-線であり得る。有用な化学療法剤には、メトトレキサート、タキソール、メルカプトプリン、チオグアニン、ヒドロキシ尿素、シタラビン、シクロホスファミド、イホスファミド、ニトロソ尿素、シスプラチン、カルボプラチン、マイトマイシン、ダカルバジン、プロカルバジン、エトポシド、カンパテシン(campathecin)、ブレオマイシン、ドキソルビシン、イダルビシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、プリカマイシン、ミトキサントロン、アスパラギナーゼ、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、パクリタキセル、及びドセタキセルが含まれるが、それらに限定されるわけではない。一部の実施形態において、本明細書において記載される組成物は、1種もしくは複数種の化学療法剤をさらに含み、及び/または放射線療法と並行して投与される。一部の実施形態において、化学療法または放射線療法は、本組成物の投与の前または後に、本明細書において記載される組成物の投与の少なくとも1時間、5時間、12時間、1日、1週間、1ヶ月、または数ヶ月(例えば、最高で3ヶ月)後に施される。
【0193】
本開示は、血中グルコースレベル、体重増加、または脂肪貯蔵レベルを低下させることを、それを必要としている哺乳類において行う方法であって、本明細書において記載される組成物のいずれか1種もしくは複数種の有効量を哺乳類に投与することを含む、または別個の投与でlynキナーゼ活性化因子及びTRPM8アゴニストを投与することを含む、方法も提供する。lynキナーゼ活性化因子及びTRPM8アゴニストの任意の組み合わせが、本方法において用いられ得る。
【0194】
本開示は、メタボリックシンドローム、シンドロームX、肥満、前糖尿病、II型糖尿病、I型糖尿病を治療することを、それを必要としている哺乳類において行う方法であって、本明細書において記載される組成物のいずれか1種もしくは複数種の有効量を哺乳類に投与することを含む、または別個の投与でlynキナーゼ活性化因子及びTRPM8アゴニストを投与することを含む、方法も提供する。lynキナーゼ活性化因子及びTRPM8アゴニストの任意の組み合わせが、本方法において用いられ得る。
【0195】
本開示は、高コレステロール血症、高血圧、冠動脈心疾患、糖尿病性ニューロパチー、リポジストロフィー、糖尿病性網膜症、勃起不全、腎疾患、脂質異常症、異常リポ蛋白血症、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体関連障害、敗血症、血栓性障害、または膵炎を治療することを、それを必要としている哺乳類において行う方法であって、本明細書において記載される組成物のいずれか1種もしくは複数種の有効量を哺乳類に投与することを含む、または別個の投与でlynキナーゼ活性化因子及びTRPM8アゴニストを投与することを含む、方法も提供する。lynキナーゼ活性化因子及びTRPM8アゴニストの任意の組み合わせが、本方法において用いられ得る。
【0196】
本開示は、脂肪細胞のベージュ化を誘導することを、それを必要としている哺乳類において行う方法であって、本明細書において記載される組成物のいずれか1種もしくは複数種の有効量を哺乳類に投与することを含む、または別個の投与でlynキナーゼ活性化因子及びTRPM8アゴニストを投与することを含む、方法も提供する。lynキナーゼ活性化因子及びTRPM8アゴニストの任意の組み合わせが、本方法において用いられ得る。
【0197】
本開示は、膵臓ベータ細胞変性を予防することを、それを必要としている哺乳類において行う方法であって、本明細書において記載される組成物のいずれか1種もしくは複数種の有効量を哺乳類に投与することを含む、または別個の投与でlynキナーゼ活性化因子及びTRPM8アゴニストを投与することを含む、方法も提供する。lynキナーゼ活性化因子及びTRPM8アゴニストの任意の組み合わせが、本方法において用いられ得る。
【0198】
本組成物は経口投与され得る。組成物は、他の任意の好都合な経路によって、例えば点滴またはボーラス注射によって、上皮内層または皮膚粘膜内層(例えば、口腔粘膜、直腸粘膜、及び腸粘膜等)からの吸収によっても投与され得、別の生物学的活性剤とともに投与され得る。投与は全身的または局所的であり得る。様々な送達システム、例えばリポソーム、微粒子、マイクロカプセル、カプセル等内へのカプセル化が公知であり、組成物を投与するために用いられ得る。一部の実施形態において、1種を上回る種類の組成物が患者に投与される。投与の方法には、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔内、硬膜外、経口、舌下、鼻腔内、脳内、膣内、経皮、直腸内、吸引による、または特に耳、鼻、眼、もしくは皮膚へ局所的が含まれるが、それらに限定されるわけではない。投与の所望の様式は、実践者の裁量に委ねられ、一部には医学的病状の部位に依存する。
【0199】
一部の実施形態において、治療を必要としているエリアに1種または複数種の組成物を局所的に投与することが望ましくあり得る。これは、例えばであり限定としてではなく、手術中の局所注入によって、局所適用、例えば手術後の創傷包帯と併用して、注射によって、カテーテルを用いて、坐薬を用いて、またはインプラントを用いて達成され得、当該インプラントは、シラスティック膜などの膜または繊維を含めた、多孔質、無孔質、またはゼラチン状の材料である。一部の実施形態において、投与は、アテローム性プラーク組織の部位(または跡地)における直接注射によるものであり得る。
【0200】
例えば吸入器または噴霧器の使用、及びエアロゾル化剤との製剤化によって、またはフッ化炭素系界面活性剤もしくは合成肺サーファクタント中での潅流によって、肺内投与も採用され得る。一部の実施形態において、組成物は、トリグリセリドなどの伝統的な結合剤及びビヒクルとともに、坐薬として製剤化され得る。
【0201】
本開示は、血中グルコースレベル、体重増加、または脂肪貯蔵レベルを低下させることを、それを必要としている哺乳類において行うことであって、本明細書において記載される組成物のいずれか1種または複数種の有効量を哺乳類に投与することを含む、低下させることにおける使用のための、本明細書において記載される組成物も提供する。
【0202】
本開示は、メタボリックシンドローム、シンドロームX、肥満、前糖尿病、II型糖尿病、I型糖尿病を治療することを、それを必要としている哺乳類において行うことであって、本明細書において記載される組成物のいずれか1種または複数種の有効量を哺乳類に投与することを含む、治療することにおける使用のための、本明細書において記載される組成物も提供する。
【0203】
本開示は、高コレステロール血症、高血圧、冠動脈心疾患、糖尿病性ニューロパチー、リポジストロフィー、糖尿病性網膜症、勃起不全、腎疾患、脂質異常症、異常リポ蛋白血症、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体関連障害、敗血症、血栓性障害、または膵炎を治療することを、それを必要としている哺乳類において行うことであって、本明細書において記載される組成物のいずれか1種または複数種の有効量を哺乳類に投与することを含む、治療することにおける使用のための、本明細書において記載される組成物も提供する。
【0204】
本開示は、脂肪細胞のベージュ化を誘導することを、それを必要としている哺乳類において行うことであって、本明細書において記載される組成物のいずれか1種または複数種の有効量を哺乳類に投与することを含む、誘導することにおける使用のための、本明細書において記載される組成物も提供する。一部の実施形態において、化合物102などのlynキナーゼ活性化因子をTRPM8アゴニストなしで用いて、脂肪細胞のベージュ化を誘導することを、それを必要としている哺乳類において行い得る。
【0205】
本開示は、膵臓ベータ細胞変性を予防することを、それを必要としている哺乳類において行うことであって、本明細書において記載される組成物のいずれか1種または複数種の有効量を哺乳類に投与することを含む、予防することにおける使用のための、本明細書において記載される組成物も提供する。
【0206】
本開示は、血中グルコースレベル、体重増加、または脂肪貯蔵レベルを低下させることを、それを必要としている哺乳類において行うことであって、本明細書において記載される組成物のいずれか1種または複数種の有効量を哺乳類に投与することを含む、低下させることにおける使用のための、lynキナーゼ活性化因子及びTRPM8アゴニストも提供する。
【0207】
本開示は、メタボリックシンドローム、シンドロームX、肥満、前糖尿病、II型糖尿病、I型糖尿病を治療することを、それを必要としている哺乳類において行うことであって、本明細書において記載される組成物のいずれか1種または複数種の有効量を哺乳類に投与することを含む、治療することにおける使用のための、lynキナーゼ活性化因子及びTRPM8アゴニストも提供する。
【0208】
本開示は、高コレステロール血症、高血圧、冠動脈心疾患、糖尿病性ニューロパチー、リポジストロフィー、糖尿病性網膜症、勃起不全、腎疾患、脂質異常症、異常リポ蛋白血症、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体関連障害、敗血症、血栓性障害、または膵炎を治療することを、それを必要としている哺乳類において行うことであって、本明細書において記載される組成物のいずれか1種または複数種の有効量を哺乳類に投与することを含む、治療することにおける使用のための、lynキナーゼ活性化因子及びTRPM8アゴニストも提供する。
【0209】
本開示は、脂肪細胞のベージュ化を誘導することを、それを必要としている哺乳類において行うことであって、本明細書において記載される組成物のいずれか1種または複数種の有効量を哺乳類に投与することを含む、誘導することにおける使用のための、lynキナーゼ活性化因子及びTRPM8アゴニストも提供する。一部の実施形態において、化合物102などのlynキナーゼ活性化因子をTRPM8アゴニストなしで用いて、脂肪細胞のベージュ化を誘導することを、それを必要としている哺乳類において行い得る。
【0210】
本開示は、膵臓ベータ細胞変性を予防することを、それを必要としている哺乳類において行うことであって、本明細書において記載される組成物のいずれか1種または複数種の有効量を哺乳類に投与することを含む、予防することにおける使用のための、lynキナーゼ活性化因子及びTRPM8アゴニストも提供する。
【0211】
本開示は、血中グルコースレベル、体重増加、または脂肪貯蔵レベルを低下させることを、それを必要としている哺乳類において行うことであって、本明細書において記載される組成物のいずれか1種または複数種の有効量を哺乳類に投与することを含む、低下させることを目的とした医薬の調製における使用のための、本明細書において記載される組成物も提供する。
【0212】
本開示は、メタボリックシンドローム、シンドロームX、肥満、前糖尿病、II型糖尿病、I型糖尿病を治療することを、それを必要としている哺乳類において行うことであって、本明細書において記載される組成物のいずれか1種または複数種の有効量を哺乳類に投与することを含む、治療することを目的とした医薬の調製における使用のための、本明細書において記載される組成物も提供する。
【0213】
本開示は、高コレステロール血症、高血圧、冠動脈心疾患、糖尿病性ニューロパチー、リポジストロフィー、糖尿病性網膜症、勃起不全、腎疾患、脂質異常症、異常リポ蛋白血症、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体関連障害、敗血症、血栓性障害、または膵炎を治療することを、それを必要としている哺乳類において行うことであって、本明細書において記載される組成物のいずれか1種または複数種の有効量を哺乳類に投与することを含む、治療することを目的とした医薬の調製における使用のための、本明細書において記載される組成物も提供する。
【0214】
本開示は、脂肪細胞のベージュ化を誘導することを、それを必要としている哺乳類において行うことであって、本明細書において記載される組成物のいずれか1種または複数種の有効量を哺乳類に投与することを含む、誘導することを目的とした医薬の調製における使用のための、本明細書において記載される組成物も提供する。
【0215】
本開示は、膵臓ベータ細胞変性を予防することを、それを必要としている哺乳類において行うことであって、本明細書において記載される組成物のいずれか1種または複数種の有効量を哺乳類に投与することを含む、予防することを目的とした医薬の調製における使用のための、本明細書において記載される組成物も提供する。
【0216】
以下の代表的な実施形態が提示される。
実施形態1.lynキナーゼ活性化因子または薬学的に許容されるその塩、及びTRPM8アゴニストを含む組成物。
【0217】
実施形態2.前記lynキナーゼ活性化因子は、式:
【0218】
【化29】
【0219】
のものまたは薬学的に許容されるその塩であって、式中:Rはアルキル基であり;Xはハロゲンであり;YはO、S、またはNHであり;ZはOまたはSであり;かつ、nは0~5の整数でありかつmは0または1であって、m+nは5未満であるかまたは5に等しい、実施形態1に記載の組成物。
【0220】
実施形態3.前記アルキル基はメチルであり、かつnは1である、実施形態2に記載の組成物。
実施形態4.前記ハロゲンは塩素であり、かつmは1である、実施形態2または実施形態3に記載の組成物。
【0221】
実施形態5.YはOである、実施形態2~4のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態6.ZはOである、実施形態2~5のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態7.Rはメチルであり、YはOであり、ZはOであり、nは1であり、かつmは0である、実施形態2に記載の組成物。
【0222】
実施形態8.Rはメタ位にある、実施形態7に記載の組成物。
実施形態9.Xは塩素であり、YはOであり、ZはOであり、nは0であり、かつmは1である、実施形態2に記載の組成物。
【0223】
実施形態10.Xはメタ位にある、実施形態9に記載の組成物。
実施形態11.前記lynキナーゼ活性化因子は、式:
【0224】
【化30】
【0225】
のものまたは薬学的に許容されるその塩であって、式中:Rはアルキル基であり;Xはハロゲンであり;かつ、nは0~5の整数でありかつmは0または1であって、m+nは5未満であるかまたは5に等しい、実施形態2に記載の組成物。
【0226】
実施形態12.前記アルキル基はメチルであり、かつnは1である、実施形態11に記載の組成物。
実施形態13.前記ハロゲンは塩素であり、かつmは1である、実施形態11または実施形態12に記載の組成物。
【0227】
実施形態14.Rはメチルであり、nは1であり、かつmは0である、実施形態11に記載の組成物。
実施形態15.Rはメタ位にある、実施形態14に記載の組成物。
【0228】
実施形態16.Xは塩素であり、nは0であり、かつmは1である、実施形態11に記載の組成物。
実施形態17.Xはメタ位にある、実施形態16に記載の組成物。
【0229】
実施形態18.前記lynキナーゼ活性化因子は、式:
【0230】
【化31】
【0231】
のものまたは薬学的に許容されるその塩であって、式中、Rはアルキル基であり、かつnは0~5の整数である、実施形態2に記載の組成物。
実施形態19.Rはメチルであり、nは1である、実施形態18に記載の組成物。
【0232】
実施形態20.Rはメタ位にある、実施形態19に記載の組成物。
実施形態21.前記lynキナーゼ活性化因子は、式:
【0233】
【化32】
【0234】
のものまたは薬学的に許容されるその塩である、実施形態2に記載の組成物。
実施形態22.前記lynキナーゼ活性化因子は、式:
【0235】
【化33】
【0236】
のものまたは薬学的に許容されるその塩であって、式中、Xはハロゲンであり、かつmは0~1の整数である、実施形態2に記載の組成物。
実施形態23.Xはクロロであり、かつmは1である、実施形態22に記載の組成物。
【0237】
実施形態24.Xはメタ位にある、実施形態23に記載の組成物。
実施形態25.前記lynキナーゼ活性化因子は、式:
【0238】
【化34】
【0239】
のものまたは薬学的に許容されるその塩である、実施形態2に記載の組成物。
実施形態26.前記lynキナーゼ活性化因子は、式:
【0240】
【化35】
【0241】
のものまたは薬学的に許容されるその塩である、実施形態2に記載の組成物。
実施形態27.前記lynキナーゼ活性化因子は、式:
【0242】
【化36】
【0243】
のものまたは薬学的に許容されるその塩であって、式中:R、R、R、R、R、R、及びRのそれぞれは、独立して、水素、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールオキシ、ベンジル、シクロアルキル、ハロゲン、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、-CN、-OH、-NO、-CF、-COH、-COアルキル、または-NHであり;Rはアルキルまたは水素であり;XはO、S、NH、またはN-アルキルであり;かつZはOまたはSである、実施形態2に記載の組成物。
【0244】
実施形態28.Rはアルキルである、実施形態27に記載の組成物。
実施形態29.Rはメチルである、実施形態28に記載の組成物。
実施形態30.Rは水素である、実施形態27に記載の組成物。
【0245】
実施形態31.Xは酸素である、実施形態27~30のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態32.Zは酸素である、実施形態27~31のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態33.R~Rの少なくとも1つはアルキルである、実施形態27~32のいずれか1つに記載の組成物。
【0246】
実施形態34.R~Rの少なくとも1つはメチルである、実施形態33に記載の組成物。
実施形態35.R~Rの少なくとも1つはハロゲンである、実施形態27~32のいずれか1つに記載の組成物。
【0247】
実施形態36.R~Rの少なくとも1つはクロロである、実施形態35に記載の組成物。
実施形態37.R~Rの少なくとも1つは、-CN、-OH、-NO、-CF、-COH、-NH、またはアルコキシである、実施形態27~32のいずれか1つに記載の組成物。
【0248】
実施形態38.Rはアルキルであり、R及びR~Rのそれぞれは水素であり、かつX及びZはOである、実施形態27に記載の組成物。
実施形態39.Rはメチルである、実施形態38に記載の組成物。
【0249】
実施形態40.Rはハロゲンであり、R及びR~Rのそれぞれは水素であり、かつX及びZはOである、実施形態27に記載の組成物。
実施形態41.Rはクロロである、実施形態40に記載の組成物。
【0250】
実施形態42.Rはアルキルであり、R、R、及びR~Rのそれぞれは水素であり、かつX及びZはOである、実施形態27に記載の組成物。
実施形態43.Rはメチルである、実施形態42に記載の組成物。
【0251】
実施形態44.Rはハロゲンであり、R、R、及びR~Rのそれぞれは水素であり、かつX及びZはOである、実施形態27に記載の組成物。
実施形態45.Rはクロロである、実施形態44に記載の組成物。
【0252】
実施形態46.Rはアルキルであり、R~R及びR~Rのそれぞれは水素であり、かつX及びZはOである、実施形態27に記載の組成物。
実施形態47.Rはメチルである、実施形態46に記載の組成物。
【0253】
実施形態48.Rはハロゲンであり、R~R及びR~Rのそれぞれは水素であり、かつX及びZはOである、実施形態27に記載の組成物。
実施形態49.Rはクロロである、実施形態48に記載の組成物。
【0254】
実施形態50.Rは-CFであり、R~R及びR~Rのそれぞれは水素であり、かつX及びZはOである、実施形態27に記載の組成物。
実施形態51.Rは-NHであり、R~R及びR~Rのそれぞれは水素であり、かつX及びZはOである、実施形態27に記載の組成物。
【0255】
実施形態52.Rは-CFであり、R~R及びR~Rのそれぞれは水素であり、かつX及びZはOである、実施形態27に記載の組成物。
実施形態53.Rは-NHであり、R~R及びR~Rのそれぞれは水素であり、かつX及びZはOである、実施形態27に記載の組成物。
【0256】
実施形態54.前記lynキナーゼ活性化因子は、式:
【0257】
【化37】
【0258】
のものまたは薬学的に許容されるその塩であって、式中:RはH、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1C(O)ORa1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、NRc1S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1であって、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールのそれぞれは、任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基によって置換され;RはH、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1C(O)ORa1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、NRc1S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1であって、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールのそれぞれは、任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基によって置換され;RはH、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1C(O)ORa1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、NRc1S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1であって、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールのそれぞれは、任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基によって置換され;RはH、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1C(O)ORa1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、NRc1S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1であって、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールのそれぞれは、任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基によって置換され;RはH、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1C(O)ORa1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、NRc1S(O)
b1、もしくはS(O)NRc1d1であって、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールのそれぞれは、任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基によって置換され;またはR、R、R、R、及びRのうちの2つの隣接基は、連結して、それぞれが任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、もしくは3個の置換基によって置換された縮合シクロアルキルもしくは縮合ヘテロシクロアルキル基を形成し得;RはH、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1C(O)ORa1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、NRc1S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1であって、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールのそれぞれは、任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基によって置換され;RはH、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1であり;RはH、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1であり;Ra1、Rb1、Rc1、及びRd1はそれぞれ、独立して、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルから選択され、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルのそれぞれは、任意で、OH、NO、CN、アミノ、ハロ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、及びC1-6ハロアルコキシから独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基で置換され;またはRc1及びRd1は、それらが結合するN原子とともに、それぞれが任意で、OH、NO、CN、アミノ、ハロ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、及びC1-6ハロアルコキシから独立して選択される1、2、もしくは3個の置換基で置換された4、5、6、もしくは7員ヘテロシクロアルキル基もしくはヘテロアリール基を形成し;Ra2、Rb2、Rc2、及びRd2はそれぞれ、独立して、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルから選択され、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、もしくはヘテロシクロアルキルアルキルのそれぞれは、任意で、OH、NO、CN、アミノ、ハロ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、及びC1-6ハロアルコキシから独立して選択される1、2、もしくは3個の置換基で置換され;またはRc2及びRd2は、それらが結合するN原子とともに、それぞれが任意で、OH、NO、CN、アミノ、ハロ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、及びC1-6ハロアルコキシから独立して選択される1、2、もしくは3個の置換基で置換された4、5、6、もしくは7員ヘテロシクロアルキル基もしくはヘテロアリール基を形成し;ZはO、S、もしくはNRであり;RはH、OH、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、CN、もしくはNOであり;ZはO、S、もしくはNR10であり;R10はH、OH、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、CN、もしくはNOであり;LはO、S、もしくはNR11であり;かつR11はH、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1である、実施形態2に記載の組成物。
【0259】
実施形態55.前記lynキナーゼ活性化因子は、式:
【0260】
【化38】
【0261】
のものまたは薬学的に許容されるその塩であって、式中:R、R、及びRはそれぞれ、独立して、H、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、もしくはC1-6ハロアルキルであり;RはH、C1-6アルキル、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、もしくはC(O)ORa1であり;RはH、C1-6アルキル、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、もしくはC(O)ORa1であり;Ra1、Rb1、Rc1、及びRd1はそれぞれ、独立して、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルから選択され、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルのそれぞれは、任意で、OH、NO、CN、アミノ、ハロ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、及びC1-6ハロアルコキシから独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基で置換され;またはRc1及びRd1は、それらが結合するN原子とともに、それぞれが任意で、OH、NO、CN、アミノ、ハロ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、及びC1-6ハロアルコキシから独立して選択される1、2、もしくは3個の置換基で置換された4、5、6、もしくは7員ヘテロシクロアルキル基もしくはヘテロアリール基を形成し;ZはOもしくはSであり;ZはOもしくはSであり;かつLはOもしくはSである、実施形態2に記載の組成物。
【0262】
実施形態56.前記lynキナーゼ活性化因子は、式:
【0263】
【化39】
【0264】
のものまたは薬学的に許容されるその塩であって、式中:R、R、R、及びRはそれぞれ、独立して、H、F、Cl、CH、SCH、OCH、C(CH、CH(CH、またはCである、実施形態2に記載の組成物。
【0265】
実施形態57.前記lynキナーゼ活性化因子は、式:
【0266】
【化40】
【0267】
のものまたは薬学的に許容されるその塩であって、式中:RはH、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1C(O)ORa1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、NRc1S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1であって、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールのそれぞれは、任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基によって置換され;RはH、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1C(O)ORa1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、NRc1S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1であって、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールのそれぞれは、任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基によって置換され;RはH、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1C(O)ORa1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、NRc1S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1であって、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールのそれぞれは、任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基によって置換され;RはH、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1C(O)ORa1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、NRc1S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1であって、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールのそれぞれは、任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基によって置換され;RはH、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1C(O)ORa1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、NRc1S(O)
b1、もしくはS(O)NRc1d1であって、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールのそれぞれは、任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基によって置換され;またはR、R、R、R、及びRのうちの2つの隣接基は、連結して、それぞれが任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、もしくは3個の置換基によって置換された縮合シクロアルキルもしくは縮合ヘテロシクロアルキル基を形成し得;RはH、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1C(O)ORa1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、NRc1S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1であって、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールのそれぞれは、任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基によって置換され;RはH、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1であり;Ra1、Rb1、Rc1、及びRd1はそれぞれ、独立して、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルから選択され、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルのそれぞれは、任意で、OH、NO、CN、アミノ、ハロ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、及びC1-6ハロアルコキシから独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基で置換され;またはRc1及びRd1は、それらが結合するN原子とともに、それぞれが任意で、OH、NO、CN、アミノ、ハロ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、及びC1-6ハロアルコキシから独立して選択される1、2、もしくは3個の置換基で置換された4、5、6、もしくは7員ヘテロシクロアルキル基もしくはヘテロアリール基を形成し;Ra2、Rb2、Rc2、及びRd2はそれぞれ、独立して、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルから選択され、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、もしくはヘテロシクロアルキルアルキルのそれぞれは、任意で、OH、NO、CN、アミノ、ハロ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、及びC1-6ハロアルコキシから独立して選択される1、2、もしくは3個の置換基で置換され;またはRc2及びRd2は、それらが結合するN原子とともに、それぞれが任意で、OH、NO、CN、アミノ、ハロ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、及びC1-6ハロアルコキシから独立して選択される1、2、もしくは3個の置換基で置換された4、5、6、もしくは7員ヘテロシクロアルキル基もしくはヘテロアリール基を形成し;ZはO、S、もしくはNRであり;RはH、OH、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、CN、もしくはNOであり;ZはO、S、もしくはNR10であり;R10はH、OH、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、CN、もしくはNOであり;LはO、S、もしくはNR11であり;R11はH、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、もしくはS(O)NRc1d1であり;R100はヒドロキシル保護基、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、S(O)NRc1d1、S(O)ORe1、P(O)ORf1ORg1、もしくはSi(Rh1であって、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロ
アルキル、アリール、及びヘテロアリールのそれぞれは、任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基によって置換され;R200はヒドロキシル保護基、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、S(O)NRc1d1、S(O)ORe1、P(O)ORf1ORg1、もしくはSi(Rh1であって、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールのそれぞれは、任意で、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2C(O)ORa2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、NRc2S(O)b2、及びS(O)NRc2d2から独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基によって置換され;各Re1は、独立して、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、もしくはヘテロアリールアルキルであり;各Rf1は、独立して、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C2-6アルケニル、(C1-6アルコキシ)-C1-6アルキル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、もしくはヘテロシクロアルキルアルキルであり;各Rg1は、独立して、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクロアルキルであり;かつ各Rh1は、独立して、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、もしくはヘテロアリールアルキルである、実施形態2に記載の組成物。
【0268】
実施形態58.前記TRPM8アゴニストは、メントール、イシリン、WS3、またはWS23である、実施形態1~57のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態59.前記TRPM8アゴニストはメントールである、実施形態1~57のいずれか1つに記載の組成物。
【0269】
実施形態60.化合物102及びメントールを含む組成物。
実施形態61.血中グルコースレベル、体重増加、または脂肪貯蔵レベルを低下させることを、それを必要としている哺乳類において行う方法であって、実施形態1~60のいずれか1つに記載の組成物の有効量を前記哺乳類に投与することを含む、前記方法。
【0270】
実施形態62.メタボリックシンドローム、シンドロームX、肥満、前糖尿病、II型糖尿病、I型糖尿病を治療することを、それを必要としている哺乳類において行う方法であって、実施形態1~60のいずれか1つに記載の組成物の有効量を前記哺乳類に投与することを含む、前記方法。
【0271】
実施形態63.高コレステロール血症、高血圧、冠動脈心疾患、糖尿病性ニューロパチー、リポジストロフィー、糖尿病性網膜症、勃起不全、腎疾患、脂質異常症、異常リポ蛋白血症、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体関連障害、敗血症、血栓性障害、または膵炎を治療することを、それを必要としている哺乳類において行う方法であって、実施形態1~60のいずれか1つに記載の組成物の有効量を前記哺乳類に投与することを含む、前記方法。
【0272】
実施形態64.脂肪細胞のベージュ化を誘導することを、それを必要としている哺乳類において行う方法であって、実施形態1~60のいずれか1つに記載の組成物の有効量を前記哺乳類に投与することを含む、前記方法。
【0273】
実施形態65.膵臓ベータ細胞変性を予防することを、それを必要としている哺乳類において行う方法であって、実施形態1~60のいずれか1つに記載の組成物の有効量を前記哺乳類に投与することを含む、前記方法。
【0274】
実施形態66.血中グルコースレベル、体重増加、または脂肪貯蔵レベルを低下させることを、それを必要としている哺乳類において行う方法であって、lynキナーゼ活性化因子及びTRPM8アゴニストの有効量を前記哺乳類に投与することを含む、前記方法。
【0275】
実施形態67.メタボリックシンドローム、シンドロームX、肥満、前糖尿病、II型糖尿病、I型糖尿病を治療することを、それを必要としている哺乳類において行う方法であって、lynキナーゼ活性化因子及びTRPM8アゴニストの有効量を前記哺乳類に投与することを含む、前記方法。
【0276】
実施形態68.高コレステロール血症、高血圧、冠動脈心疾患、糖尿病性ニューロパチー、リポジストロフィー、糖尿病性網膜症、勃起不全、腎疾患、脂質異常症、異常リポ蛋白血症、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体関連障害、敗血症、血栓性障害、または膵炎を治療することを、それを必要としている哺乳類において行う方法であって、lynキナーゼ活性化因子及びTRPM8アゴニストの有効量を前記哺乳類に投与することを含む、前記方法。
【0277】
実施形態69.脂肪細胞のベージュ化を誘導することを、それを必要としている哺乳類において行う方法であって、lynキナーゼ活性化因子及びTRPM8アゴニストの有効量を前記哺乳類に投与することを含む、前記方法。
【0278】
実施形態70.膵臓ベータ細胞変性を予防することを、それを必要としている哺乳類において行う方法であって、lynキナーゼ活性化因子及びTRPM8アゴニストの有効量を前記哺乳類に投与することを含む、前記方法。
【0279】
実施形態71.血中グルコースレベル、体重増加、または脂肪貯蔵レベルを低下させることを、それを必要としている哺乳類において行うことであって、有効量の前記組成物を前記哺乳類に投与することを含む、前記低下させることにおける使用のための、実施形態1~60のいずれか1つに記載の組成物。
【0280】
実施形態72.メタボリックシンドローム、シンドロームX、肥満、前糖尿病、II型糖尿病、I型糖尿病を治療することを、それを必要としている哺乳類において行うことであって、有効量の前記組成物を前記哺乳類に投与することを含む、前記治療することにおける使用のための、実施形態1~60のいずれか1つに記載の組成物。
【0281】
実施形態73.高コレステロール血症、高血圧、冠動脈心疾患、糖尿病性ニューロパチー、リポジストロフィー、糖尿病性網膜症、勃起不全、腎疾患、脂質異常症、異常リポ蛋白血症、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体関連障害、敗血症、血栓性障害、または膵炎を治療することを、それを必要としている哺乳類において行うことであって、有効量の前記組成物を前記哺乳類に投与することを含む、前記治療することにおける使用のための、実施形態1~60のいずれか1つに記載の組成物。
【0282】
実施形態74.脂肪細胞のベージュ化を誘導することを、それを必要としている哺乳類において行うことであって、有効量の前記組成物を前記哺乳類に投与することを含む、前記誘導することにおける使用のための、実施形態1~60のいずれか1つに記載の組成物。
【0283】
実施形態75.膵臓ベータ細胞変性を予防することを、それを必要としている哺乳類において行うことであって、有効量の前記組成物を前記哺乳類に投与することを含む、前記予防することにおける使用のための、実施形態1~60のいずれか1つに記載の組成物。
【0284】
実施形態76.血中グルコースレベル、体重増加、または脂肪貯蔵レベルを低下させることを、それを必要としている哺乳類において行うことであって、実施形態1~60のいずれか1つに記載の組成物のいずれか1種または複数種の有効量を前記哺乳類に投与することを含む、前記低下させることにおける使用のための、lynキナーゼ活性化因子及びTRPM8アゴニスト。
【0285】
実施形態77.メタボリックシンドローム、シンドロームX、肥満、前糖尿病、II型糖尿病、I型糖尿病を治療することを、それを必要としている哺乳類において行うことであって、実施形態1~60のいずれか1つに記載の組成物のいずれか1種または複数種の有効量を前記哺乳類に投与することを含む、前記治療することにおける使用のための、lynキナーゼ活性化因子及びTRPM8アゴニスト。
【0286】
実施形態78.高コレステロール血症、高血圧、冠動脈心疾患、糖尿病性ニューロパチー、リポジストロフィー、糖尿病性網膜症、勃起不全、腎疾患、脂質異常症、異常リポ蛋白血症、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体関連障害、敗血症、血栓性障害、または膵炎を治療することを、それを必要としている哺乳類において行うことであって、実施形態1~60のいずれか1つに記載の組成物のいずれか1種または複数種の有効量を前記哺乳類に投与することを含む、前記治療することにおける使用のための、lynキナーゼ活性化因子及びTRPM8アゴニスト。
【0287】
実施形態79.脂肪細胞のベージュ化を誘導することを、それを必要としている哺乳類において行うことであって、実施形態1~60のいずれか1つに記載の組成物のいずれか1種または複数種の有効量を前記哺乳類に投与することを含む、前記誘導することにおける使用のための、lynキナーゼ活性化因子及びTRPM8アゴニスト。
【0288】
実施形態80.膵臓ベータ細胞変性を予防することを、それを必要としている哺乳類において行うことであって、実施形態1~60のいずれか1つに記載の組成物のいずれか1種または複数種の有効量を前記哺乳類に投与することを含む、前記予防することにおける使用のための、lynキナーゼ活性化因子及びTRPM8アゴニスト。
【0289】
実施形態81.血中グルコースレベル、体重増加、または脂肪貯蔵レベルを低下させることを、それを必要としている哺乳類において行うことであって、有効量の前記組成物を前記哺乳類に投与することを含む、前記低下させることを目的とした医薬の調製における使用のための、実施形態1~60のいずれか1つに記載の組成物。
【0290】
実施形態82.メタボリックシンドローム、シンドロームX、肥満、前糖尿病、II型糖尿病、I型糖尿病を治療することを、それを必要としている哺乳類において行うことであって、有効量の前記組成物を前記哺乳類に投与することを含む、前記治療することを目的とした医薬の調製における使用のための、実施形態1~60のいずれか1つに記載の組成物。
【0291】
実施形態83.高コレステロール血症、高血圧、冠動脈心疾患、糖尿病性ニューロパチー、リポジストロフィー、糖尿病性網膜症、勃起不全、腎疾患、脂質異常症、異常リポ蛋白血症、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体関連障害、敗血症、血栓性障害、または膵炎を治療することを、それを必要としている哺乳類において行うことであって、有効量の前記組成物を前記哺乳類に投与することを含む、前記治療することを目的とした医薬の調製における使用のための、実施形態1~60のいずれか1つに記載の組成物。
【0292】
実施形態84.脂肪細胞のベージュ化を誘導することを、それを必要としている哺乳類において行うことであって、有効量の前記組成物を前記哺乳類に投与することを含む、前記誘導することを目的とした医薬の調製における使用のための、実施形態1~60のいずれか1つに記載の組成物。
【0293】
実施形態85.膵臓ベータ細胞変性を予防することを、それを必要としている哺乳類において行うことであって、有効量の前記組成物を前記哺乳類に投与することを含む、前記予防することを目的とした医薬の調製における使用のための、実施形態1~60のいずれか1つに記載の組成物。
【0294】
本明細書において開示される主題がより効率的に理解され得るために、実施例が下記で提供される。これらの実施例は単に例示目的のためのものであり、いかなる様式でも、請求される主題を限定するものとして解釈されるべきでないことが理解されるべきである。これらの実施例を通して、分子クローニング反応、及び他の標準的な組換えDNA技法は、別様に付記されている場合を除いて、市販の試薬を用いて、Maniatis et al.,Molecular Cloning-A Laboratory Manual,2nd ed.,Cold Spring Harbor Press(1989)に記載された方法に従って行われた。
【実施例
【0295】
実施例1:空腹時グルコースの漸進的低下
このフェーズ2a臨床試験は、米国(103名の対象)及び韓国(27名の対象)において行われた。対象は18~75歳であり、20~40kg/mのBMIを有し、7~10%の糖化HbA1cを有し、メトホルミン未投与でありまたはメトホルミンをウォッシュアウトされており、かつ過去6ヶ月以内に他の抗糖尿病剤に曝露されていなかった。対象を、3週間の偽薬ランインを有した後、化合物102または偽薬の4種の活性用量(100mgを1日1回(qd)、100mgを1日2回(bid)、200mg qd、または200mg bid)のうちの1つで4週間治療した。図1は、空腹時血漿グルコース(FPG)の漸進的低下を示している。副次的評価項目としての体重を、1日目及び29日目の時点で、ならびに35日目に治療が終わった1週間後の追跡調査受診時に測定した。この調査により、4週間の治療期間にわたる体重減少の統計的に有意な向上が明らかになった。概して、すべての治療群は、それらが有意でない場合でさえ、ある程度の体重減少を29日目に呈した。また、200mg bid群を除くすべての群は、29日目と比較して、治療後1週間(35日目)に継続的な減少を示した(図2を参照されたい)。効果は、米国の対象において及び100qd用量群において最も顕著であった。
【0296】
治療が終了した後少なくとも1週間の間、薬物が身体から離れてからずいぶん時が経った時点で、体重減少が続いたという事実は、化合物102が、エネルギーを燃焼させ得かつ体重減少をもたらし得る「ベージュ」脂肪組織に白色脂肪組織を変換するメカニズムと一致している。組織タイプの変換状態は、薬物の存在よりも長く持続すると予想される。
【0297】
実施例2:化合物102は、ベージュ脂肪細胞遺伝子発現を誘導する
皮下腹部脂肪から単離されたヒト脂肪細胞前駆細胞を、LaCell,LLC,New Orleans,Laから購入した。細胞を、10%熱不活性化FBSを有するDMEM/F12中に播種し、コンフルエントまで成長させた。成熟脂肪細胞への分化を、3%FBS、1μMデキサメタゾン(Sigma D4902)、33μMビオチン(Sigma B4639)、100nMインスリン(Sigma I5500)、20μMパントテネート(Sigma P5155)、5μMロシグリタゾン(AK Scientific F325)、及び500μM IBMX(Sigma I5879)を補充した70%DMEM及び30%DMEMF12から構成される培地中で4日間誘導した。細胞を、実験的処理前に、3%FBS、1μM デキサメタゾン、33μMビオチン、100nMインスリン、及び20μMパントテネートを補充した70%DMEM及び30%DMEMF12から構成される中で7日間維持した。
【0298】
細胞処理のために、10mMの化合物102の溶液をDMSO中で調製し、デキサメタゾンなしの維持培地中で60μMまたは30μMに希釈した。一部の実験において、細胞を20μMメントール(Sigma M2772)で処理した。
【0299】
Trizol及びQiagen RNAeasyキットを用いて、12ウェルプレート中で成長した脂肪細胞培養物からトータルRNAを単離した。Invitrogen製(11745)のSuperScript(登録商標)III Platinum(登録商標)One-Step Quantitative RT-PCR System with Roxを用いて、逆方向PCRプライマーがプライムするcDNA合成による1反応で、逆転写及びPCRを行った。以下のヒト転写産物配列:UCP1(Hs249211)、PPARGC1α(HS527078)、PPARα(Hs103110)、CPT1b(Hs439777)、及びGLUT4/SLC2A4(Hs380691)に対して、あらかじめ設計されたTaqmanプライマー-プローブセットをApplied Biosystemsから購入した。アンプリコンをイントロン-エクソン接合部に及ぶように設計して、ゲノム配列の増幅を回避した。各サンプルRT-PCRアッセイを二つ組で行った。
【0300】
図3に描写されるように、化合物102で処理されたヒト脂肪細胞は、4日目の時点で、白色脂肪組織のベージュ化と関連したいくつかの遺伝子:1)UCP-1、ミトコンドリアの脂肪酸化を誘発し、ベージュ脂肪細胞への白色脂肪細胞の分化と関連している;2)GLUT4、グルコース利用を増加させ、「ベージュ化」の結果として見られ得る;3)カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ-Ib(CPT-1b)、「ベージュ化」の間に誘導され、ミトコンドリアにおける脂肪の酸化に関与する;4)脂肪トリグリセリドリパーゼ(ATGL)、脂肪分解のための律速酵素;及び5)一過性電位型メラスタチン8受容体(TRPM8R)、の発現の有意な増加を経験した。
【0301】
図4に描写されるように、ベージュ脂肪組織のマーカーであるGLUT4 rRNA及びUCP1 mRNAは、初代培養ヒト脂肪細胞において7日間の処理期間にわたって増加し続けた。
【0302】
図5に描写されるように、GLUT4タンパク質の発現は、初代培養ヒト脂肪細胞において7日間の処理期間にわたって存在し続けた。
図6に描写されるように、UCP1タンパク質の発現は、初代培養ヒト脂肪細胞において7日間の処理期間にわたって存在し続けた。
【0303】
図7に描写されるように、化合物102は、UCP1活性化因子であるPPARα及びPGC-1βの発現を誘導した。
図8に描写されるように、化合物102は、TRPM8メントール受容体mRNAの発現を誘導した。
【0304】
化合物102は、IRS1/PI3キナーゼ経路(PI3K)の活性化因子である。PI3Kは、TRPM8受容体の活性に要される膜リン脂質であるPIP2を産生する。以下の阻害剤:1)特異的PI3K阻害剤LY294002(20μM)、2)PKA阻害剤H89(20μM)、及び3)TRPM8R阻害剤PBMC(20nM)を用いて、4日間にわたる、化合物102により誘導されたUCP1発現を下げることに対するそれらの効果を判定した。3種すべての阻害剤は、UCP1 mRNAを、刺激されていない対照のレベルまでまたはそれよりも下まで低下させた(図9を参照されたい)。これらの結果は、PI3K活性、PKA活性、及びTRPM8受容体活性が、化合物102による処理後のUCP1発現に要されることを示す。
【0305】
化合物102(100mg/kg qd)で3週間処理されたdb/dbマウスにおいて、UCP-1脂肪組織タンパク質のレベルの増加が観察された。化合物102の最後の投薬の4時間後に脂肪組織を回収した。4つの別個の実験からの濃度測定の定量を実施して、図10(パネルa)に示される値を獲得した。行われた4つの別個の実験からの代表的なウェスタンブロットが図10(パネルb)に示されている。初代ヒト脂肪細胞において観察されたUCP-1 mRNA及びタンパク質のレベルの増加と一致して、化合物102で処理されたマウスにおけるUCP-1タンパク質のレベルの増加も観察された。
【0306】
図11に描写されるように、TRPM8阻害剤はUCP-1の化合物102による誘導を遮断し、lynキナーゼ活性化はTRPM8の作用を介してUCP-1を誘導することが実証された。
【0307】
脂肪細胞においてUCP-1を誘導し得るメントール及び化合物102の能力も検討した。一緒での30μMメントール(血清Cmax)及び30μM化合物102による処理は、7日間の処理で化合物102単独によって刺激されたレベルよりも、UCP1発現を相乗的に上昇させた(図12、パネルaを参照されたい)。メントール単独は、発現を誘導しなかった。メントールを化合物102に添加した場合、GLUT4発現において同様の増加が観察された(図12、パネルbを参照されたい)。メントールは、化合物102によるUCP1及びGLUT4の誘導を倍増させる。
【0308】
図13に描写されるように、メントールそれ自体は、齧歯類経口耐糖能試験においてインスリン増感または血糖制御をもたらさない。対照的に、メントールは、齧歯類経口耐糖能試験において化合物102のインスリン増感作用を強化する。
【0309】
上述の説明から、本明細書において記載されるものに加えて、記載される主題の様々な改変が当業者に明白であろう。そのような改変も、添付の特許請求の範囲の内に入ることが意図される。本出願において引用される各参考文献(雑誌記事、米国及び米国以外の特許、特許出願公報、国際特許出願公報、遺伝子バンクアクセッション番号等を含むが、それらに限定されるわけではない)は、参照によりその全体として本明細書に組み入れられる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13