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特許7182623速度遮断機の接近時の自動車両の運転補助
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-24
(45)【発行日】2022-12-02
(54)【発明の名称】速度遮断機の接近時の自動車両の運転補助
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20221125BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20221125BHJP
   G01C 21/30 20060101ALI20221125BHJP
【FI】
G08G1/16 C
G08G1/00 J
G01C21/30
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020522967
(86)(22)【出願日】2018-10-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-07
(86)【国際出願番号】 EP2018078988
(87)【国際公開番号】W WO2019081481
(87)【国際公開日】2019-05-02
【審査請求日】2020-06-09
(31)【優先権主張番号】1760031
(32)【優先日】2017-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】508108903
【氏名又は名称】ヴァレオ・シャルター・ウント・ゼンゾーレン・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100217836
【弁理士】
【氏名又は名称】合田 幸平
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンドル、ガーノー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス、ハイツマン
【審査官】貞光 大樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/145015(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/126250(WO,A1)
【文献】特開2005-178531(JP,A)
【文献】特開2013-147114(JP,A)
【文献】特開2015-21858(JP,A)
【文献】特開2019-21027(JP,A)
【文献】特開2017-41070(JP,A)
【文献】特開2015-228212(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0088378(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0050736(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
G01C 21/00 - 21/36
G01C 23/00 - 25/00
B60G 1/00 - 99/00
B60K 31/00 - 31/18
B60T 7/12 - 8/1769
B60T 8/32 - 8/96
B60W 10/00 - 10/30
B60W 30/00 - 60/00
B62D 6/00 - 6/10
F02D 29/00 - 29/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
減速バンプの接近時の自動車両(1)のための運転補助方法であって、
-前記自動車両(1)に搭載されたカメラ(10)によって取り込まれた画像を処理することに基づいて、前記自動車両(1)の前の少なくとも1つの他の移動している車両(4)を検出して追跡する工程(S)と、
-前記自動車両(1)と検出されて辿られる前記少なくとも1つの他の移動している車両(4)との間の推定された距離の時間的な変化の様子を確立する工程(S)と、
-前記時間的な変化の様子における異常領域(A)を検出する工程(S)と、
-前記検出された異常領域に対応する時間とは異なる時間tbumpで推定される前記自動車両(1)と前記少なくとも1つの他の車両(4)との間の距離に基づいて、前記自動車両(1)と減速バンプ(3)との間の距離dbumpを推定する工程(S)と、を備える、方法。
【請求項2】
前記距離dbumpは、関係
bump = D(tbump) - dparcを用いて推定され、
D(tbump)は、前記時間tbumpで推定される前記自動車両(1)と前記少なくとも1つの他の車両(4)との間の距離であり、dparcは、前記tbumpから開始する前記自動車両(1)の走行距離に対応することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記検出及び追跡工程(S1)は、前記自動車両(1)と同じ方向に走行する少なくとも1つの他の車両を検出し追跡することを備え、前記時間tbumpは、前記検出された異常領域の開始に対応する時間の前に選ばれる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記検出及び追跡工程(S1)は、前記自動車両(1)と反対方向に走行する少なくとも1つの他の車両を検出し追跡することを備え、前記時間tbumpは、前記検出された異常領域の終了に対応する時間の後に選ばれる、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記減速バンプ(3)に対応して地勢図に事前に記録された位置及び前記推定された距離dbumpに基づいて、前記自動車両(1)に搭載された高精細地勢図に関して、前記自動車両(1)の位置を修正する工程(S)をさらに備えることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記自動車両(1)の上下移動を推定する工程をさらに備え、事前に規定された閾値より大きくて前記検出された異常領域に対応する時間に付随する上下移動が推定されない場合に限り、前記距離dbumpが推定されることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記自動車両(1)の上下移動は、前記自動車両(1)に搭載の慣性センサに基づいて推定されることを特徴とする、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記自動車両の上下移動は、前記車載のカメラ(10)によって取り込まれた複数の連続した画像部にわたる光学的な流れを分析することに基づいて推定されることを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項9】
減速バンプ(3)の接近時の自動車両(1)のための運転補助システムであって、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法の工程を実施することができる車載の処理モジュール(11)を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に自動車に関し、より正確には減速バンプへの接近時の自動車両のための運転補助方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
交通安全状況の改善する目的のために、現今、多くの運転補助システムが提供されている。
【0003】
考えられる機能性の中で、特に言及されているのは、適応走行制御(ACC)、交通状況及び/又はシグナル(交通信号灯、停止、標識等)により車両のエンジンを自動的に停止させ再始動させること、走行車線に車両の軌道を自動的に維持することの補助、提案されたような車線維持補助システム、車線から離れたことや非意図的に線を横切ったことを運転者に警告すること(車線逸脱警告)、車線変更補助または車線変更制御(LCC)等であり得る。
【0004】
したがって、運転補助システムは、運転者の注意を要する状況について運転者に警告すること、及び/又は、ある目的地に到着するために車両が辿るべき軌道を規定することといった一般的な機能を有する。したがって、車両の操縦やブレーキを制御するためのユニットを制御することを可能にして、この軌道は、自動的に効果的に辿られる。この場合、軌道は、数学的な定義の観点から、すなわち車両が時間をかけて占有しなければならない連続した位置の組であるように、理解されるべきである。したがって、運転補助システムは、とるべき道筋だけでなく応じるべき速度の変化の様子も規定しなければならない。この目的のため、運転補助システムは、車両に搭載されたカメラ、レーダー、ライダー等の1つ以上の検出手段から生じる車両のすぐ周りについての多くの情報(歩行者、自転車乗り、他の自動車といった障害物、道標検出、道路配置等)や、車両の速度、加速度や例えばGPS案内システムによって与えられる位置等の車両に関連する情報を使用する。
【0005】
以下で関心のあることは、車両が辿る道に配置された減速バンプに車両が接近しなければならず、したがってこの減速バンプの存在を十分に予想してそこからの距離を動的に計算し、必要なら、車両が適当な速度で減速バンプ上を走行することを許容する減速処置のきっかけとなる特定の状況である。
【0006】
部分的に自動化されたまたは完全に自動化された車両(自動車技術者の社会(SAE)によって与えられる分類を用いてレベル3以上であると言われている)のため、辿る道路に存在する減速バンプの正確な位置を与えると期待される高精細の地勢図を車両に装備させる用意がある。しかしながら、1つの主要な問題は、この地図上にできるだけ正確に車両自身を配置する車両の能力に関する。具体的には、自身の位置が正確でないとき、車両は、十分に正確に自身と減速バンプとの間の距離を推定する方法を知らない。様々な車載のセンサを用いて道路に配置された静止した目印の検出を用いることによって及び地勢図に存在する目印と検出された目印を関係付けることによって、車載の地勢図に車両の位置を正確に再調整するために、いくつかの方法が開発されている。減速バンプの場合にこれらの方法を適用することを可能にするために、自動車両からこの減速バンプの存在を検出可能であることが必要であろう。道の脇に配置された専用の道標の存在を検出してこの減速バンプの存在の警告することに、1つの可能性が存在する。しかしながら、車両に搭載のカメラに由来する画像を処理することによる検出は、特に夜間に、及び/又は、道標が道路に配置されたトラックや他の車両等の障害物によって隠される場合、達成することに困難を残す。
【0007】
運転補助を有する自動車両は、レベル2であると言われているが、その一部について、高精細の車載の地勢図を有していない。
【0008】
したがって、いかなる場合でも、この減速バンプの存在を知らせる道標が遮られている場合でさえも、車両とこの減速バンプとの間の距離の信頼できる測定を動的に得るように、車両が向かう方への減速バンプの存在を、自動車量に搭載されたカメラによって取り込まれた画像に基づいて推定することを可能にする必要がある。
【発明の概要】
【0009】
本発明の目的は、減速バンプの接近時に、減速バンプの存在を推測してそこからの距離を推定するために、車載のカメラによって取り込まれた画像に基づいて実施された他の車両の検出を利用する、自動車両のための運転補助方法及びシステムを提案することによって、この必要性を満たすことである。
【0010】
この目的のために、本発明の1つの主題は、減速バンプの接近時の自動車両のための運転補助方法であって、方法は、
-前記自動車両に搭載されたカメラによって取り込まれた画像を処理することに基づいて、前記自動車両の前の少なくとも1つの他の移動している車両を検出して追跡する工程と、
-前記自動車両と検出されて辿られる前記少なくとも1つの他の移動している車両との間の推定された距離の時間的な変化の様子を確立する工程と、
-前記時間的な変化の様子における異常領域を検出する工程と、
-前記検出された異常領域に対応する時間から離れた時間tbumpで推定される前記自動車両と前記少なくとも1つの他の車両との間の距離に基づいて、前記自動車両と減速バンプとの間の距離dbumpを推定する工程と、を備える。
【0011】
先に述べられた主要な特徴に加えて、本発明による方法は、以下の特徴の中から1つ以上の追加の特徴を備え得る。
-距離dbumpは、好ましくは関係
bump = D(tbump) - dparc
を用いて推定され、
D(tbump)は、前記時間tbumpで推定される前記自動車両と前記少なくとも1の他の車両との間の距離であり、dparcは、前記時間tbumpから開始する前記自動車両によって覆われる距離に対応する。
‐前記検出及び追跡工程は、前記自動車両と同じ方向に走行する少なくとも1つの他の車両を検出し追跡することを備え得て、前記時間tbumpは、好ましくは検出された異常領域の開始に対応する時間の前に選ばれる。
‐前記検出及び追跡工程は、前記自動車両と反対方向に走行する少なくとも1つの他の車両を検出し追跡することを備え得て、前記時間tbumpは、好ましくは検出された異常領域の終了に対応する時間の後に選ばれる。
‐前記方法は、前記減速バンプに対応して地勢図に事前に記録された道標の位置及び推定された距離dbumpに基づいて、前記自動車両に搭載された高精細地勢図に関して、前記自動車両の位置を修正する工程をさらに備え得る。
‐有利には、前記方法は、前記自動車両の上下移動を推定する工程をさらに備え得て、事前に規定された閾値より大きくて前記検出された異常領域に対応する時間に付随する上下移動が推定されない場合に限り、前記距離dbumpは推定される。
‐前記自動車両の上下移動は、例えば前記自動車両に搭載の慣性センサに基づいて推定される。
‐変形例として、前記自動車両の上下移動は、前記車載のカメラによって取り込まれた複数の連続画像部にわたる光学的な流れを分析することに基づいて推定される。
【0012】
本発明の別の主題は、減速バンプの接近時の自動車両のための運転補助システムであり、上述した方法の工程を実施することができる車載の処置モジュールを備える。
【0013】
本発明は、添付の図に関連して与えられる以下の詳細な説明を読むことでより理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】減速バンプに接近する自動車両の位置の4つの連続した時間に対応した平面図(a)-(d)に基づいて、本発明の原理を概略的に示す図。
図2図1に示された位置での自動車両と検出された別の車両との間の推定された距離の時間的な変化の様子を示す図。
図3】本発明による運転補助システムで実施され得る一連の工程を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下及び図1に関しては、自動車両1が道路2を移動し、道路2に配置された減速バンプ3に接近することが、非制限的な例として想定されている。図示された道路状況において、以下では他の車両と称呼する別の車両4は、自動車両1の前において、本例においては自動車両1と同じ方向に、道路2を移動している。2つの連続した時間tおよびtに対応する図1の図(a)および図(b)では、2つの車両1、4は、減速バンプ3の前に位置している。時間tに対応する続きの図(c)では、他の車両4は、減速バンプ3上を運転中である。最後に、図(d)は、自動車両1がまだこの減速バンプ3の前にいる一方、他の車両4は減速バンプ3を既に通過している時間tに対応している。
【0016】
本発明の原理は、今説明されているように、自動車両1が減速バンプ3の存在を推測して、他の車両41の検出に基づいてそこからの距離DBUMPを動的に推定することが可能であるという事実に基づいている。それらは画像処理により実行される。
【0017】
この目的のため、自動車両1には、既知の測定パラメータを有するカメラ10が設けられており、連続した風景の画像を取り込むことが可能である。カメラ10は、好ましくは運転者が見ることに相当する車両内の最良の位置、例えば車室内のフロントガラスの中心に位置している。また、自動車両1は、特に他の移動している車両4のように自動車両1の前に存在する他の車両を検出するためのシステムをカメラ10とともに形成する処理モジュール11を備えている。したがって、前方カメラ10は、車両1の前方に位置する道路風景の画像を取り込み、システムの画像処理モジュール11にこれらの画像を供給する。
【0018】
図1に示された道路状況について、画像処理モジュール11は、図3においてSと参照される工程において他の移動している車両4を検出し追跡することを可能にするであろう。
【0019】
この点において、単一のカメラによってもたらされる画像処理によって検出されるいかなる他の車両も、一般に、検出された車両の代表的な画像領域を規定する囲い箱の形式でもたらされる。この囲い箱は、特に水平下方境界または下限、および上方水平境界または上限を有する一般的な長方形形状を有している。その後、検出された障害物の3D位置が、一般に対応する囲み箱の下限を用いて推定される。推定は、慣習的にいわゆる平面世界の動きに基づいており、その動きでは、検出された車両は、単一の水平面上だけを移動し、カメラ10の固有の測定パラメータ(焦点距離、ピクセルサイズ)及び付帯的な測定パラメータ(水平面に関する視野角の線)を使用して、自動車両1と関連する囲み箱の下限の垂直位置に基づく検出された車両との間の距離Dを推定する。
【0020】
その後、モジュール11は、慣習的に、検出され追跡された他の車両のそれぞれ(この場合において図1における道路状況に対する他の車両4)に対して、自動車両1と他の車両との間の距離Dの時間的な変化の様子を確立しなければならないであろう(図3におけるステップS)。図1において、D(t)は、図(a)における2つの車両1、4の間の距離を意味し、D(t)は、図(b)における2つの車両1、4の間の距離を意味し、D(t)は、図(c)における2つの車両1、4の間の距離を意味し、D(t)は、図(b)における2つの車両1、4の間の距離を意味する。
【0021】
図1の特別な道路構成における自動車両1と検出された他の車両4との間の距離の時間的な変化の様子Pの一例が、図2に示されている。
【0022】
変化の様子Pは、距離がほぼ一定である部分を含んでいることが観察される。これは、自動車両1と検出された他の車両4とがほぼ同じ速度で同じ方向に走行しているという事実を反映している。また、変化の様子Pは、他の車両4が減速バンプ3上を運転する時間tを通じて、異常領域Aを含んでいる。この異常は、自動車両1と検出された他の車両4との間の距離の推定において用いられる平面世界の動きに関連する。具体的には、他の車両4が減速バンプ3上を走行し始める時間と他の車両4がこの減速バンプ3から去る時間との間に、この他の車両4と自動車両1との間の距離の従来の推定において考慮されない他の車両4の上下変位が起こる。
【0023】
この異常は、推定距離の急激な減少の後の急激な増加を反映している。
【0024】
本発明によると、モジュール11は、時間的な変化の様子での異常領域Aを検出するであろう(図3におけるステップS)。
【0025】
この目的のため、モジュール11は、例えば約10秒の引き窓越しに他の車両4に対して推定された距離を保存して、その後引き窓越しに異常領域Aに対応したごく短い時間内に増減する平均や分散等の統計演算子を計算する。
【0026】
変形例として、異常領域Aは、異常領域に特化した信号の例が保存された学習ベースを用いたサポートベクターマシン(SVM)アルゴリズムを適用することによる機械学習アプローチを用いて検出され得る。
【0027】
1つの好ましい実施の形態では、検出された異常領域が他の車両4に関連する上下移動に実際に対応しており、自動車両1に関連する上下移動には対応していないことが、同時に保証される。この目的のために、有利には、モジュール11が自動車両1の上下移動を推定する工程(図示せず)を実施し、事前に規定された閾値より大きくて検出された異常領域Aに対応する時間に付随する上下移動が推定されない場合に限り、前記距離dbumpが推定されるという条件がある。
【0028】
自動車両1の上下移動は、例えば自動車両1に搭載された慣性センサに基づいて推定され得る。変形例として、自動車両1の上下移動は、車載のカメラ10によって取り込まれる複数の連続した画像部にわたる光学的な流れを分析することに基づいて推定される。後者の場合、種々の分析された光学的な流れが同じ変化を有する場合、上下移動を受けているのは自動車両1であると考えられる。
【0029】
異常領域Aが検出されると、その後自動車両1は最初に減速バンプ3の存在について結論を出し、次に検出された異常領域に対応する時間から離れた時間tbumpで推定される自動車両1と他の車両4との間の距離を用いることにより、自動車両1とこの減速バンプ3との間の距離dbumpを動的に推定することができる。
【0030】
自動車両1と減速バンプ3との間の距離dbumpの推定は、特に次の関係を用いて計算され得る。
bump = D(tbump) - dparc
D(tbump)は、時間tbumpで推定されるような自動車両1と他の車両4との間の距離であり、
parcは、前記tbumpから開始する自動車両1によって覆われる距離に対応している。
【0031】
10秒の引き窓に車両1の状態(特にその長手方向の速度及びその偏揺れ速度)を保存することによって、あるいは自動車両1の走行距離計測データを保存することによって、覆われた距離を計算することが可能とされる。
【0032】
車両1、4が同じ方向に走行している図1における道路状況の場合において、時間tbumpは、好ましくは、検出された異常領域Aの開始に対応する時間(図2参照)の前に選ばれる。
【0033】
しかしながら、本発明は、検出された他の車両が自動車両1に対して反対方向に走行している場合にも適用可能である。この場合、時間tbumpは、好ましくは、検出された異常領域Aの終了に対応する時間の後に選ばれる。
【0034】
したがって、本発明による方法及びシステムは、減速バンプの存在を検出すること及び道路に存在する他の車両の検出のみを用いて自動車両の間の距離を推定することを可能にし、それによりこの減速バンプを警告するよう期待された道標を見ることが不可能な状況に関連する問題を克服することができる。
【0035】
また、自動車両1が部分的に自動化されたまたは完全に自動化された車両である場合、方法は、有利には、前記減速バンプ3に対応する目印及び地図に事前に記録された位置及び推定距離dbumpに基づいて、車両1に搭載されたHD地勢図に関して自動車両1の位置を修正する工程Sを備え得る。
図1(a)】
図1(b)】
図1(c)】
図1(d)】
図2
図3