(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-24
(45)【発行日】2022-12-02
(54)【発明の名称】不均一なキャッチパッドスタックによるPCB光学分離
(51)【国際特許分類】
G01S 7/481 20060101AFI20221125BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20221125BHJP
【FI】
G01S7/481 Z
H05K1/02 J
H05K1/02 C
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021110030
(22)【出願日】2021-07-01
(62)【分割の表示】P 2019558675の分割
【原出願日】2018-05-22
【審査請求日】2021-07-26
(32)【優先日】2017-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】317015065
【氏名又は名称】ウェイモ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】タッツォーリ,アウグスト
(72)【発明者】
【氏名】ガッセンド,ブレイズ
【審査官】藤田 都志行
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-206495(JP,A)
【文献】特開平10-123234(JP,A)
【文献】登録実用新案第3083563(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2012/0229797(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2007-0111897(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/48- 7/51
G01S 17/00-17/95
G01C 3/00- 3/32
H05K 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
第1の側および第2の側を含むプリント回路基板(PCB)と、
前記PCBの前記第2の側に接続され、開口を含むエンクロージャと、
前記PCBの前記第2の側に接続され、前記エンクロージャ内に配置され、前記開口を通って光センサに入射する光を感知するように構成された光センサと、
前記PCBと前記エンクロージャとの間に配置され、前記PCBと前記エンクロージャとの間に光学的に分離する界面を形成するガスケット材料と、を含み、
前記PCBは、
ビアに接続される第1のキャッチパッドを含む第1の複数の金属フィーチャを含む第1の金属層と、
前記ビアに接続される第2のキャッチパッドを含む第2の複数の金属フィーチャを含む第2の金属層と、を含み、前記第2の複数の金属フィーチャの各金属フィーチャは、前記第1の複数の金属フィーチャの対応する1つまたは複数の金属フィーチャと水平に重なり、前記第1の金属層内の前記対応する1つまたは複数の金属フィーチャと水平に重なることにより、前記第2の金属層内の各金属フィーチャは、前記PCBの前記第1の側に入射する光が前記PCBの対応する誘電材料の領域を通って、前記PCBの前記第2の側に接続された前記光センサへと透過するのを遮るように構成される、
装置。
【請求項2】
前記第1の複数の金属フィーチャおよび前記第2の複数の金属フィーチャは、前記PCBの水平領域に沿った全ての点において、少なくとも1つの金属層が、光が前記対応する誘電材料の領域を通って透過するのを遮る金属フィーチャを含むようにルーティングされる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記PCBは、前記第1の金属層と前記第2の金属層との間に延在する前記ビアを含み、前記第1のキャッチパッドは第1のサイズを有し、前記第2のキャッチパッドは前記第1のサイズより大きい第2のサイズを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第2のキャッチパッドが水平に重なる前記対応する1つまたは複数の金属フィーチャは、前記第1のキャッチパッドとは異なり、かつ前記第1のキャッチパッドとは異なる水平位置に位置する第1の金属フィーチャを含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記PCBは第3の複数の金属フィーチャを含む第3の金属層をさらに含み、前記第1の複数の金属フィーチャおよび前記第3の複数の金属フィーチャは、前記第2のキャッチパッドの外側境界との連続した水平の重なりを作製するようにルーティングされる、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記PCBは光検出および測距(LIDAR)システムの一部を形成する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記エンクロージャは、前記LIDARシステムのハウジング内に配置される、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記光センサは単一フォトン光センサを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記第2の複数の金属フィーチャの各金属フィーチャと、前記第1の複数の金属フィーチャの前記対応する1つまたは複数の金属フィーチャとの間の前記水平の重なりは、少なくとも最小限のフォトンの反射数と関連付けられ、前記フォトンの前記PCBの透過の前に、前記フォトンが前記PCBから反射される、または前記PCBの金属フィーチャにより吸収されるようにする、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記第2の複数の金属フィーチャの各金属フィーチャについて、前記第1の金属層内の前記対応する1つまたは複数の金属フィーチャは、前記第2の複数の金属フィーチャの前記各金属フィーチャの外側境界と完全に重なるようにルーティングされる、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
装置であって
第1の側および第2の側を含むプリント回路基板(PCB)と、
前記PCBの前記第2の側に接続され、開口を含むエンクロージャと、
前記PCBの前記第2の側に接続され、前記エンクロージャ内に配置され、前記開口を通って光センサに入射する光を感知するように構成された光センサと、
前記PCBと前記エンクロージャとの間に配置され、前記PCBと前記エンクロージャとの間に光学的に分離する界面を形成するガスケット材料と、を含み、
前記PCBは、
ビアに接続される第1のキャッチパッドを含む第1の複数の金属フィーチャを含む第1の金属層と、
前記ビアに接続される第2のキャッチパッドを含む第2の複数の金属フィーチャを含む第2の金属層と、を含み、前記第2の複数の金属フィーチャの1つまたは複数の金属フィーチャは、前記第1の複数の金属フィーチャの対応する1つまたは複数の金属フィーチャと水平に重なり、前記PCBの水平領域に沿った全ての点において、前記PCBの少なくとも1つの金属層は、前記PCBの前記第1の側に入射するフォトンが前記PCBの対応する誘電材料の領域を通って前記PCBの前記第2の側に透過するのを遮る金属フィーチャを含む、
装置。
【請求項12】
前記第2の複数の金属フィーチャの前記1つまたは複数の金属フィーチャは前記第2のキャッチパッドを含み、前記第2のキャッチパッドが水平に重なる前記対応する1つまたは複数の金属フィーチャは、前記第1のキャッチパッドとは異なり、かつ前記第1のキャッチパッドとは異なる水平位置に位置する第1の金属フィーチャを含む、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記PCBは第3の複数の金属フィーチャを含む第3の金属層をさらに含み、前記第1の複数の金属フィーチャおよび前記第3の複数の金属フィーチャは、前記第2のキャッチパッドの外側境界との連続した水平の重なりを作製するようにルーティングされる、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記PCBは、前記ビアに接続された第3のキャッチパッドを含む第3の複数の金属フィーチャを含む第3の金属層をさらに含み、前記第2の金属層は前記第1の金属層と前記第3の金属層との間に位置付けられ、前記第2のキャッチパッドは、前記第1の複数の金属フィーチャの前記対応する1つまたは複数の金属フィーチャと前記第3の複数の金属フィーチャの対応する1つまたは複数の追加の金属フィーチャとの間に水平に介在する、請求項3または11に記載の装置。
【請求項15】
装置であって、
第1の側および第2の側を含むプリント回路基板(PCB)と、
前記PCBの前記第2の側に接続され、開口を含むエンクロージャと、
前記PCBの前記第2の側に接続され、前記エンクロージャ内に配置され、前記開口を通って光センサに入射する光を感知するように構成された光センサと、
前記PCBと前記エンクロージャとの間に配置されたガスケット材料により、前記PCBと前記エンクロージャとの間に形成された光学的に分離する界面と、を含み、
前記PCBは、
第1のビアキャッチパッドを含む第1の複数の金属フィーチャを含む第1の金属層と、
第2のビアキャッチパッドを含む第2の複数の金属フィーチャを含む第2の金属層と、を含み、前記第2の複数の金属フィーチャの特定の金属フィーチャは、前記第1の金属層内の対応する1つまたは複数の金属フィーチャと水平に重なり、前記第1の金属層内の前記対応する1つまたは複数の金属フィーチャは、前記PCBの前記第1の側に入射する光が前記PCBの対応する誘電材料の領域を介して前記光センサに到達するのを遮られるように、前記特定の金属フィーチャの外側境界に完全に重なるようにルーティングされる、
装置。
【請求項16】
前記特定の金属フィーチャと、前記第1の金属層内の前記対応する1つまたは複数の金属フィーチャとの間の前記水平の重なりは、少なくとも最小限のフォトンの反射数と関連付けられ、前記フォトンの前記PCBの透過の前に、前記フォトンが前記PCBから反射される、または前記PCBの金属フィーチャにより吸収されるようにする、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記第1の複数の金属フィーチャおよび前記第2の複数の金属フィーチャは、前記PCBの水平領域の全ての点において、前記第1の金属層または前記第2の金属層の少なくとも1つが、光が前記PCBを透過するのを遮る金属フィーチャを含むようにルーティングされる、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記PCBは、前記第1の金属層と前記第2の金属層との間に延在するビアを含み、前記第1のビアキャッチパッドは前記ビアに接続され、第1のサイズを有し、前記第2のビアキャッチパッドは前記ビアに接続され、前記第1のサイズより大きい第2のサイズをする、請求項15に記載の装置。
【請求項19】
前記第2のビアキャッチパッドが前記第1の複数の金属フィーチャの少なくとも1つの金属フィーチャと水平に重なり、前記少なくとも1つの金属フィーチャは、前記第1のビアキャッチパッドとは異なり、かつ前記第1のビアキャッチパッドとは異なる水平位置に位置する第1の金属フィーチャを含む、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
光検出および測距(LIDAR)システムであって、
ハウジングと、
開口を含
み、前記ハウジング内に配置されたエンクロージャと、
第1の側および第2の側を含み、前記ハウジング内に配置されたプリント回路基板(PCB)と、
前記PCBの前記第2の側に接続され、前記ハウジング内に配置され、前記開口を通って光センサに入射する光を感知するように構成された光センサと、
前記PCBと前記
エンクロージャとの間に形成された光学的に分離する界面と、を含み、
前記PCBは、
第1のビアキャッチパッドを含む第1の複数の金属フィーチャを含む第1の金属層と、
第2のビアキャッチパッドを含む第2の複数の金属フィーチャを含む第2の金属層と、を含み、前記第2の複数の金属フィーチャの特定の金属フィーチャは、前記第1の複数の金属フィーチャの対応する1つまたは複数の金属フィーチャと水平に重なり、前記第1の複数の金属フィーチャの前記対応する1つまたは複数の金属フィーチャと水平に重なることにより、前記特定の金属フィーチャと前記対応する1つまたは複数の金属フィーチャは、前記PCBの前記第1の側に入射する光が前記PCBの対応する誘電材料の領域を通って前前記光センサへと透過するのを遮るように構成される、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2017年6月5日に出願された米国特許出願第15/613,580号の優先権を主張し、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
背景
[0002] プリント回路基板(PCB)は、非導電性基板上(すなわち、上または下に)および非導電性基板間に配置された導電性トラック、パッド、ビア、および他の金属フィーチャによって、電子部品を機械的に支持し、かつ電気的に接続する。一般に、抵抗器、コンデンサ、能動半導体デバイスなどの構成要素はPCBにはんだ付けされるが、基板に直接埋め込まれてもよい。PCBは、片面(すなわち、1つの金属層のみを含む)、両面(すなわち、2つの金属層を含む)、または多層(すなわち、複数の金属層を含む)であり得る。PCBの異なる金属層中の金属フィーチャは、ビアによって電気的に接続されてよい。
【発明の概要】
【0003】
概要
[0003] 実施形態例では、プリント回路基板(PCB)は、PCBの隣接する金属層中の金属フィーチャと重なり、または金属フィーチャ間に介在する不均一なサイズのビアキャッチパッドを有してよい。不均一なサイズのビアキャッチパッドは、したがって、ビアの周囲のPCBの通常は透過性の誘電領域を通る光の透過に対する障害物を提供してよい。重なりまたは介在は、PCBの2つの側が互いに光学的に分離することを可能にする。したがって、PCBの第1の側に取り付けられた構成要素は、PCBの第2の側に入射する光および他の電磁放射線から分離され得、逆も同様である。
【0004】
[0004] 第1の実施形態では、プリント回路基板(PCB)の少なくとも1層を通って延在するビアを含むPCBが提供される。PCBは、ビアに接続され、PCBの第1の金属層内に位置する第1のキャッチパッドも含む。第1のキャッチパッドは第1のサイズを有する。PCBは、ビアに接続され、PCBの第2の金属層内に位置する第2のキャッチパッドをさらに含む。第2のキャッチパッドは第1のサイズより大きい第2のサイズを有する。加えて、第2のキャッチパッドは、PCBの第1の側に入射する光がビア付近の誘電材料の領域を通ってPCBの第2の側へ透過するのを遮るために第1の金属層中の金属フィーチャの一部と水平に重なる。
【0005】
[0005] 第2の実施形態では、プリント回路基板(PCB)基板を提供することを含む、PCBを製造する方法が提供される。方法は、PCB基板上に第1の金属層を作製することも含む。第1の金属層はビア用の第1のキャッチパッドを含む。第1のキャッチパッドは第1のサイズを有する。方法は、PCB基板上に第2の金属層を作製することを追加で含む。第2の金属層はビア用の第2のキャッチパッドを含む。第2のキャッチパッドは第1のサイズより大きい第2のサイズを有する。第2のキャッチパッドは、PCBの第1の側に入射する光がビア付近のPCB基板の領域を通ってPCBの第2の側へ透過するのを遮るために第1の金属層中の金属フィーチャの一部と水平に重なる。方法は、ビアを作製することをさらに含む。ビアは、第1のキャッチパッドを第2のキャッチパッドに電気的に接続する。
【0006】
[0006] 第3の実施形態では、第1の側および第2の側を含むプリント回路基板(PCB)を含むシステムが提供される。PCBの第2の側に接続され、PCBの第2の側から光センサに入射する光を感知するように構成される光センサも含む。システムは、PCBの少なくとも1層を通って延在するビアを追加で含む。システムは、ビアに接続され、PCBの第1の金属層内に位置する第1のキャッチパッドをさらに含む。第1のキャッチパッドは第1のサイズを有する。システムは、ビアに接続され、PCBの第2の金属層内に位置する第2のキャッチパッドをさらに含む。第2のキャッチパッドは第1のサイズより大きい第2のサイズを有する。第2のキャッチパッドは、PCBの第1の側に入射する光がビア付近の透過性PCB材料の領域を通ってPCBの第2の側へ透過して光センサに当たるのを遮るために第1の金属層中の金属フィーチャの一部と水平に重なる。
【0007】
[0007] 第4の実施形態では、プリント回路基板(PCB)基板を提供することを含むプロセスによって形成されたデバイスが提供される。プロセスは、PCB基板上に第1の金属層を作製することも含む。第1の金属層はビア用の第1のキャッチパッドを含む。第1のキャッチパッドは第1のサイズを有する。プロセスは、PCB基板上に第2の金属層を作製することを追加で含む。第2の金属層はビア用の第2のキャッチパッドを含む。第2のキャッチパッドは第1のサイズより大きい第2のサイズを有する。第2のキャッチパッドは、PCBの第1の側に入射する光がビア付近のPCB基板の領域を通ってPCBの第2の側へ透過するのを遮るために第1の金属層中の金属フィーチャの一部と水平に重なる。プロセスは、ビアを作製することをさらに含む。ビアは、第1のキャッチパッドを第2のキャッチパッドに電気的に接続する。
【0008】
[0008] 第5の実施形態では、集積回路(IC)デバイスの少なくとも1層を通って延在するビアを含むICデバイスが提供される。ICデバイスは、ビアに接続され、ICデバイスの第1の金属層内に位置する第1のキャッチパッドも含む。第1のキャッチパッドは第1のサイズを有する。ICデバイスは、ビアに接続され、ICデバイスの第2の金属層内に位置する第2のキャッチパッドをさらに含む。第2のキャッチパッドは第1のサイズより大きい第2のサイズを有する。加えて、第2のキャッチパッドは、ICデバイスの第1の側に入射する光がビア付近の透過性材料の領域を通ってICデバイスの第2の側へ透過するのを遮るために第1の金属層中の金属フィーチャの一部と水平に重なる。
【0009】
[0009] 第6の実施形態では、集積回路(IC)基板を提供することを含む、ICデバイスを製造する方法が提供される。方法は、IC基板上に第1の金属層を作製することも含む。第1の金属層はビア用の第1のキャッチパッドを含む。第1のキャッチパッドは第1のサイズを有する。方法は、IC基板上に第2の金属層を作製することを追加で含む。第2の金属層はビア用の第2のキャッチパッドを含む。第2のキャッチパッドは第1のサイズより大きい第2のサイズを有する。第2のキャッチパッドは、ICデバイスの第1の側に入射する光がビア付近のIC基板の領域を通ってICデバイスの第2の側へ透過するのを遮るために第1の金属層中の金属フィーチャの一部と水平に重なる。方法は、ビアを作製することをさらに含む。ビアは、第1のキャッチパッドを第2のキャッチパッドに電気的に接続する。
【0010】
[0010] 第7の実施形態では、第1の側および第2の側を有する集積回路(IC)デバイスを含むシステムが提供される。ICデバイスの第2の側に接続され、ICデバイスの第2の側から光センサに入射する光を感知するように構成される光センサも含む。システムは、ICデバイスの少なくとも1層を通って延在するビアを追加で含む。システムは、ビアに接続され、ICデバイスの第1の金属層内に位置する第1のキャッチパッドをさらに含む。第1のキャッチパッドは第1のサイズを有する。システムは、ビアに接続され、ICデバイスの第2の金属層内に位置する第2のキャッチパッドをさらに含む。第2のキャッチパッドは第1のサイズより大きい第2のサイズを有する。第2のキャッチパッドは、ICデバイスの第1の側に入射する光がビア付近の透過性ICデバイス基板材料の領域を通ってICデバイスの第2の側へ透過して光センサに当たるのを遮るために第1の金属層中の金属フィーチャの一部と水平に重なる。
【0011】
[0011] 第8の実施形態では、集積回路(IC)基板を提供することを含むプロセスによって形成されたデバイスが提供される。プロセスは、IC基板上に第1の金属層を作製することも含む。第1の金属層はビア用の第1のキャッチパッドを含む。第1のキャッチパッドは第1のサイズを有する。プロセスは、IC基板上に第2の金属層を作製することを追加で含む。第2の金属層はビア用の第2のキャッチパッドを含む。第2のキャッチパッドは第1のサイズより大きい第2のサイズを有する。第2のキャッチパッドは、ICの第1の側に入射する光がビア付近のIC基板の領域を通ってICの第2の側へ透過するのを遮るために第1の金属層中の金属フィーチャの一部と水平に重なる。プロセスは、ビアを作製することをさらに含む。ビアは、第1のキャッチパッドを第2のキャッチパッドに電気的に接続する。
【0012】
[0012] これらならびに他の実施形態、態様、利点、および代替物は、必要に応じて添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読むことによって、当業者に明らかになるであろう。さらに、この概要、ならびに本明細書で提供される他の説明および図は、実施形態を例としてのみ説明することを意図し、したがって、多くの変形が可能である。例えば、構造要素およびプロセスステップは、特許請求された実施形態の範囲内にとどまりながら、再配置され、組み合わされ、分散され、取り除かれ、または別の方法で変更され得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】[0013]実施形態例によるLIDAR装置例のブロック図を示す。
【
図2】[0014]実施形態例による車両の簡略化されたブロック図を示す。
【
図3】[0015]実施形態例による車両の頂部に位置付けられたLIDAR装置のいくつかの図を示す。
【
図4】[0016]実施形態例による均一なビアパッドを有するプリント回路基板の側面の断面図を示す。
【
図5A】[0017]実施形態例による不均一なビアパッドを有するプリント回路基板の側面の断面図を示す。
【
図5B】[0018]実施形態例による不均一なビアパッドを有する別のプリント回路基板の側面の断面図を示す。
【
図5C】[0019]実施形態例による不均一なビアパッドを有するさらなるプリント回路基板の側面の断面図を示す。
【
図6A】[0020]実施形態例による均一なビアパッドを有するプリント回路基板の上面図を示す。
【
図6B】[0021]実施形態例による不均一なビアパッドを有するプリント回路基板の上面図を示す。
【
図7】[0022]実施形態例によるエンクロージャ内に収容された光センサを示す。
【
図8】[0023]実施形態例によるプリント回路基板を製造するための操作例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
詳細な説明
[0024] 方法、装置、およびシステムの例が本明細書に記載される。単語「例(example)」および「例示的(exemplary)」は、「例(example)、例(instance)、または例証(illustration)として機能すること」を意味するために本明細書で使用されることが理解されるべきである。「例」または「例示的」であると本明細書に記載される任意の実施形態または特徴は、そのような指示がない限り、他の実施形態または特徴に比べて必ずしも好ましいまたは有利であると見なされるわけではない。他の実施形態が利用され得、本明細書に提示された主題の範囲を逸脱することなく、他の変更がなされ得る。
【0015】
[0025] したがって、本明細書に記載される実施形態例は、限定することを意図していない。本明細書に概して記載され、図に示されている本開示の態様は、多種多様な異なる構成で配置され、置き換えられ、組み合わせられ、分離され、設計され得ることが容易に理解されるであろう。
【0016】
[0026] 本開示全体を通して、冠詞「a」または「an」は、実施形態例の要素の導入に使用される。特に指定がない限り、または文脈上明確に他を指示しない限り、「a」または「an」への任意の言及は「少なくとも1つ(at least one)」を指し、「the」への任意の言及は「少なくとも1つ(the at least one)」を指す。少なくとも2つの用語の記載されたリスト内で接続詞「or」を使用する意図は、挙げられた用語のいずれかまたは挙げられた用語の任意の組み合わせを指示することである。
【0017】
[0027] 「第1の」、「第2の」、「第3の」などのような序数の使用は、それらの要素の特定の順序を示すよりもむしろそれぞれの要素を区別するためである。この記載のために、用語「複数の(multiple)」および「複数の(a plurality of)」は「2つ以上」または「1つより多い」を指す。
【0018】
[0028] さらに、文脈上他を示唆しない限り、図の各々に示された特徴は、互いに組み合わせて使用されてよい。したがって、示された特徴のすべてが各実施形態に必要なわけではないという理解のもと、図は、概して1つまたは複数の実施形態全体の構成要素態様と見なされるべきである。図では、典型的には、類似の記号は、文脈上他を指示しない限り類似の構成要素とする。さらに、特に断りのない限り、図は正確な比率で描かれておらず、例証のみを目的として使用される。さらに、図は代表的なものにすぎず、構成要素のすべてが示されているわけではない。例えば、追加の構造部品または拘束部品は示されていない場合がある。
【0019】
[0029] 加えて、本明細書または特許請求の範囲における要素、ブロック、またはステップの任意の列挙は、明確にするためのものである。したがって、そのような列挙は、これらの要素、ブロック、もしくはステップが特定の構成に従うか、または特定の順序で実施されることを要求または暗示すると解釈されるべきではない。
【0020】
I.概説
[0030] 不均一なビア(すなわち、垂直相互接続アクセス)キャッチパッドの実施形態例、ならびにそれに関連する方法およびシステムが本明細書に記載される。不均一なキャッチパッドは、光がプリント回路基板(PCB)を通過し、高感度光センサの不要なトリガを引き起こすのを阻止し得る。キャッチパッドは、例えば、光検出および測距(LIDAR)PCB、または高感度光センサを使用する他の用途に実装されてよい。LIDARシステムは、LIDARの視線にある物体の距離を測定するために、1つまたは複数のトランスミッタ(例えば、レーザーダイオード)を使用して光を放出し、かつ1つまたは複数の対応するレシーバ(例えば、センサ)を使用して光を受け取ってよい。レシーバ回路は、増幅回路と連動して働き、単一フォトンの検出を可能にしてよい非常に高感度な素子(光電子増倍管(PMT)、アバランシェフォトダイオード(APD)、およびシリコン光電子増倍管(SiPM)のような)に基づいてよい。この光に対する高い感度はLIDARの分解能および範囲を改善してよいが、LIDARアセンブリ全体、具体的には、高感度光センサの周囲の領域が、不要な効果(例えば、回路の不要なトリガ、電流消費の増加など)を引き起こし得る意図しないフォトンまたはルーズフォトン(loose photon)に対して適切に遮蔽されるシステムの設計に課題が生じ得る。一実施形態では、光がPCBを通過する代わりに、メタライズ層によってPCBから反射または内部吸収され得るように、(フィルドビアとともに)不均一なビアパッドスタックが採用される。ルーズフォトンがPCBを通過するのを阻止する様式のビアパッドスタックの設計は、感光性PCBとともに安価なはんだマスク(例えば緑色)の使用も可能にする。
【0021】
[0031] ビアキャッチパッドは導電性金属パッドであり、しばしば、ビアの周囲のアニュラリング形状である。場合によっては、ビアキャッチパッドは、ビアと対応する金属層中の少なくとも1つの金属フィーチャとの間の電気的接続を提供してよい。しかしながら、他の場合では、ビアキャッチパッドは、対応する金属層中のどの金属フィーチャにも電気的に接続されないこともある(例えば、スタックドマイクロビア(stacked microvia)のキャッチパッド)。不均一なサイズのビアキャッチパッドは、ビアの周囲のPCBの透過性領域中に延在してビアの周囲の通常は透過性の領域を通る光の透過に対する障害物を提供してよい。場合によっては、不均一なサイズのキャッチパッドは、PCBの隣接する金属層中の金属フィーチャ(例えば、トレース、プレーン、パッド)と重なり、または金属フィーチャ間に介在して、ビアの周囲のPCBの通常は透過性の領域を通る光の透過を遮る可能性をさらに高めてもよい。不均一なサイズのキャッチパッドは、PCBの2つの側が互いに光学的に分離することを可能にする。したがって、PCBの第1の側に取り付けられた構成要素は、PCBの第2の側に入射する光および他の電磁放射線から分離され得、逆も同様である。
【0022】
[0032] 従来、ビアは、ほぼ同じ(すなわち、製造公差のばらつきおよび製造プロセスばらつきを包含する)サイズのキャッチパッドを含む。最小隙間空間またはギャップは、透過性誘電性PCB基板材料で構成され、任意のキャッチパッドと、同じ金属層内の任意の近くの金属フィーチャとの間に設けられてよい。隙間空間は、キャッチパッドを近くの金属フィーチャから物理的に分離および電気的に分離する役割を果たし、不用意な物理的電気的接続およびフラッシュオーバの可能性を低減する。しかしながら、ビアキャッチパッドのサイズはビアの高さに沿って均一なため、これは、PCBの厚さに広がり、そこを通って光がPCBの2つの側の間を透過し得る誘電性PCB基板領域をもたらす。したがって、PCBの第1の側に接続された感光部品は、PCBの第2の側に入射し、ビアの周囲の透過性誘電性PCB基板領域を透過する光または他の電磁放射線によって不用意にトリガされる場合がある。対照的に、不均一なキャッチパッドを有するビアは、誘電領域を通って延在する少なくとも1つのキャッチパッドを含むことによって、ビアの周囲の透過性誘電性PCB基板領域を通る光の透過を遮り、それによりPCBを透過する光の量を低減する可能性を高める。
【0023】
[0033] 不均一なビアキャッチパッドは、2つ以上の金属層を有するPCBとともに使用されてよい。一例では、PCBは、PCBの少なくとも1層を通って延在するビアを含んでよい。すなわち、PCBは、ビアがそこを通って延在する誘電性基板層によって分離された少なくとも2つの金属層を含んでよい。ビアは、各々がビアに接続され、対応する金属層の1つ内に位置する少なくとも2つのキャッチパッドを含んでよい。第1のサイズを有する第1のキャッチパッドはビアに接続されてよく、PCBの第1の金属層内に位置してよい。第2のキャッチパッドはビアに接続されてよく、PCBの第2の金属層内に位置してよい。いくつかの例では、第1のキャッチパッドおよび第2のキャッチパッドは、ビアをそれぞれ第1の金属層および第2の金属層に電気的に接続してよい。第2のキャッチパッドは第1のサイズより大きい第2のサイズを有してよく、したがって、ビアの周囲の誘電性基板材料の領域を通って延在してよい。場合によっては、第2のキャッチパッドは、第2のより大きいサイズのため、第1の金属層中の金属フィーチャの一部と水平に重なってよい。
【0024】
[0034] 第2のサイズが第1のサイズより大きいことの結果として、第2のキャッチパッドは、第1および第2のキャッチパッドが同じサイズの場合、光を透過することになるPCB基板の領域を通って延在してよい。したがって、より大きい第2のキャッチパッドは、PCBの第1の側に入射する光がビア付近の誘電性PCB基板の領域を通ってPCBの第2の側へ透過するのを遮る。第2の金属層中の金属フィーチャは、サイズの増加した第2のキャッチパッドを収容し、第2のキャッチパッドと金属フィーチャとの間の所望の隙間(すなわち、間隔(spacing)または間隔(separation))を維持するようにルーティングされてよい。同様に、いくつかの実施形態では、第1の金属層中の金属フィーチャは、第2のキャッチパッドの全周に沿って、第1の金属層中の金属フィーチャと第2のキャッチパッドとの間の連続した水平の重なりを作製するようにルーティングされてよい。
【0025】
[0035] PCBは、ビアがそこを通って延在する追加の金属層、およびビアに接続され、追加の金属層内に位置する追加のキャッチパッドを含んでよい。異なる金属層中のキャッチパッドの相対的なサイズは、光がPCBの第1の側からPCB第2の側へ移動するために辿らなければならないことになる経路の複雑さ(例えば、経路長、反射数など)を増大または最大化し、したがって透過の可能性および範囲を低減または最小化するように選択されてよい。
【0026】
[0036] 一例では、ビアは2つのサイズのキャッチパッドを含んでよく、それらは、隣接する金属層(すなわち、特定のキャッチパッドを含有する金属層の上下の金属層)中の金属フィーチャとキャッチパッドの重なりおよび介在の範囲を増加させるように金属層に沿って交互に並んでよい。別の例では、ビアアンチパッド(すなわち、ビアキャッチパッドを含んでいない金属層中のビアの周囲の隙間領域)が、重なりおよび介在の範囲を同様に増加させるように最大のビアキャッチパッド間に位置付けられてよい。さらなる例では、キャッチパッドの配置は、PCBの上面に特定の角度で入射する光を遮るように選択されてよい。
【0027】
[0037] PCBの他の領域中の金属フィーチャも、PCBの面積に沿ったあらゆる点で、少なくとも1つの金属層中に、光がPCBの2つの側の間を直接透過するのを遮る少なくとも1つの金属フィーチャが存在することを確実にするように設計およびルーティングされてよい。金属フィーチャは、少なくとも1つの金属フィーチャが別の金属層中の少なくとも1つの他の金属フィーチャと水平に重なることを確実にするようにさらに設計およびルーティングされてよい。したがって、PCBは、光がPCBを直接(すなわち、PCB内の金属フィーチャに反射することなく)透過し得る点がPCBの面積に沿って存在しないように設計されてよい。それにもかかわらず、注目すべきことに、光の一部は間接的なジグザグの経路を辿ることによって透過する場合がある。しかしながら、そのような間接的な透過の可能性は、金属フィーチャ間の重なりの範囲が増加するにつれて低下する。さらに、第1の側から光が反射されない場合でも、光は第2の側に到達する前に金属層によって内部吸収される可能性がある。したがって、本明細書に記載される技術は、PCBを通る光の透過の可能性および量を効果的に低減する。すなわち、単一フォトンがPCBを透過する可能性を低減し、したがって、PCBを透過するPCBに入射する光の割合を低減してよい。
【0028】
[0038] いくつかの実施形態では、光センサがPCBの第2の側に接続されてよい。光センサは、PCBの第2の側から光センサに入射する光を感知するように構成されてよい。すなわち、PCBの第1の側に入射し、PCBを透過し、光センサに入射する光は、望ましくないノイズを構成する場合がある。したがって、第1の金属層中の金属フィーチャの一部と水平に重なることによって、第2のキャッチパッドは、光センサに到達する電磁ノイズのレベルを低減するように働いてよい。
【0029】
[0039] 場合によっては、光センサは、環境をマッピングするためのセンサとして使用され得る光検出および測距(LIDAR)装置の一部を形成してよい。環境のマップは、例えば、環境中で操作を実行するためにロボット装置または車両によって使用されてよい。エンクロージャは、光センサの周りに配置されてよい。エンクロージャは、環境の一部からの光を光センサ上へ向けるように構成される開口を含んでよい。光センサ上へ向けられた光は、環境中の物理的特徴に反射した、LIDAR装置の光源によって放出された光を含んでよく、したがって、例えば光源によって放出された光の飛行時間に基づいた、環境のマッピングを可能にする。
【0030】
[0040] 光センサを他の光学的ノイズからさらに遮蔽するために、光センサを取り囲むガスケットがPCBの第2の側とエンクロージャとの間に配置されてよい。具体的には、ガスケットは、PCBとエンクロージャとの間の界面に入射する光を阻止するように構成されてよい。したがって、不均一なビアキャッチパッド、エンクロージャ、およびガスケットを有するPCBは、集団で働いて光センサに到達する光学的ノイズの量を低減してよく、したがって信号対ノイズ比を増加させる。
【0031】
[0041] 不均一なビアキャッチパッドを有するPCBは、電磁遮蔽を必要とする他の用途に使用されてよい。例えばPCBは、PCBの第2の側に接続される他の電磁センサまたは電磁放射線に敏感な他の構成要素の、PCBの第1の側に入射する放射線からのより効果的な電磁遮蔽を提供するために使用されてよい。不均一なキャッチパッドを有するPCBは、例えば、誘電性PCB基板領域中のギャップのサイズ(すなわちスリットサイズ)より小さく、したがって、ギャップビア見通し内伝搬によって伝搬する(例えば、紫外、可視、赤外)波長を有する電磁放射線からの遮蔽を提供するために使用されてよい。
【0032】
[0042] 不均一なキャッチパッドを有するPCBは、標準的なPCB製造プロセスを使用して製造されてよく、他にもある可能性の中でもとりわけ、フォトリソグラフィ、金属エッチング、金属めっき、ラミネート、はんだレジスト塗布、マーキング印刷、コンピュータ数値制御(CNC)ミリング、およびレーザー穴あけが挙げられる。これらのプロセスは、手動で、自動的に、または手動ステップと自動ステップとの組み合わせによって実行されてよい。同様に、不均一なビアキャッチパッドを有するPCBを設計するプロセスは、手動ステップと自動ステップとの組み合わせによって実行されてよい。例えば、PCB設計ソフトウェアは、PCBがその面積に沿って、光を直接透過する点を含むかどうかを検証するデザインルールチェック(DRC)を含むようにプログラムされてよい。PCB設計ソフトウェアは、デザインルールが満たされていない箇所を識別および指示し、いくつかの実施形態では、デザインルールを満たすような金属フィーチャの可能な再設計を提案するようにさらにプログラムされてよい。
【0033】
[0043] 不均一なビアキャッチパッドは、ビアを取り囲む集積回路デバイスの透過性領域を通る光の透過を遮るために、PCBよりもむしろ集積回路(IC)デバイスに実装されてもよい。不均一なビアキャッチパッド、および本明細書に記載された他の技術のいずれかは、ICを通る光の透過を遮るためにICパッケージングと組み合わせてまたはICパッケージングの代わりに使用されてよい。不透過性ICパッケージングは、ICのパッケージングされた部分を通る光の透過を遮ってよい。しかしながら、例えばICの一部を環境に露出する(例えばIC上のセンサを環境に露出する)ために、ICのいくつかの部分はパッケージングされないままであるかまたは透過性材料でパッケージングされてよい。不均一なキャッチパッドは、ICのパッケージングされていないかまたは別の方法で露出された部分を通る光の透過を遮るために使用されてよい。
【0034】
[0044] 障害物は、ICの第1の側に入射する光がICの第2の側へ透過し、その第2の側のICの感光部分に当たり得る可能性を低減してよい。さらに、障害物は、ICのどちらかの側に入射する電磁放射線がIC内の電子部品に到達し、ラッチアップを引き起こし得る可能性を低減してよい。ICを通る光の低減された透過による他の利益も可能であり得る。
【0035】
II.LIDAR装置の例
[0045] ここで図を参照すると、
図1は、実施形態例によるLIDAR装置100の簡略化されたブロック図である。示されるように、LIDAR装置100は、電源構成102、電子機器104、光源(複数可)106、トランスミッタ108、レシーバ110、回転台114、アクチュエータ(複数可)116、固定台118、回転リンク120、およびハウジング122を含む。他の実施形態では、LIDAR装置100は、より多い、より少ない、または異なる構成要素を含んでよい。加えて、示された構成要素は、任意の数の方法で組み合わされるか、または分割されてよい。
【0036】
[0046] 電源構成102は、LIDAR装置100の様々な構成要素に電力を供給するように構成されてよい。具体的には、電源構成102は、これらの構成要素に電力を供給するように、LIDAR装置100内に配置され、任意の実現可能な方法でLIDAR装置100の様々な構成要素に接続された少なくとも1つの電源を含むか、または別の方法でその形態をとってよい。追加でまたは代わりに、電源構成102は、任意の実現可能な方法で、1つまたは複数の外部電源から(例えば、LIDAR装置100が結合された車両に配置された電源から)電力を受け取り、その受け取った電力をLIDAR装置100の様々な構成要素に供給する電源アダプタなどを含むか、または別の方法でその形態をとってよい。どちらの場合でも、任意のタイプの電源、例えば電池などが使用されてよい。
【0037】
[0047] 電子機器104は、各々がLIDAR装置100の特定のそれぞれの動作を容易にするのに役立つように配置された、1つまたは複数の電子部品および/またはシステムを含んでよい。実際には、これらの電子機器104は、任意の実現可能な方法でLIDAR装置100内に配置されてよい。例えば、電子機器104の少なくともいくつかは、回転リンク120の中央空洞領域内に配置されてよい。それにもかかわらず、電子機器104は、様々なタイプの電子部品および/またはシステムを含んでよい。
【0038】
[0048] 例えば、電子機器104は、コントローラからLIDAR装置100の様々な構成要素への制御信号の転送、および/またはLIDAR装置100の様々な構成要素からコントローラへのデータの転送に使用される様々な配線を含んでよい。一般に、コントローラが受信するデータは、他にもある可能性の中でもとりわけ、レシーバ110による光の検出に基づくセンサデータを含んでよい。さらに、コントローラによって送信された制御信号は、他にもある可能性の中でもとりわけ、トランスミッタ106による光の放出を制御すること、レシーバ110による光の検出を制御すること、および/または回転台114を回転させるためにアクチュエータ(複数可)116を制御することなどによって、LIDAR装置100の様々な構成要素を動作させてよい。
【0039】
[0049] いくつかの実施形態では、電子機器104は、問題のコントローラを含んでもよい。このコントローラは、1つまたは複数のプロセッサ、データストレージ、およびデータストレージに格納され、様々な動作を容易にするために1つまたは複数のプロセッサによって実行可能なプログラム命令を有してよい。追加でまたは代わりに、外部コントローラとLIDAR装置100の様々な構成要素との間の制御信号および/またはデータの転送を容易にするのに役立つように、コントローラは外部コントローラなど(例えば、LIDAR装置100が結合された車両内に配置されたコンピューティングシステム)と通信してよい。
【0040】
[0050] しかしながら、他の配置では、電子機器104は、問題のコントローラを含まない場合がある。むしろ、上述の配線の少なくともいくつかは、外部コントローラへの接続性のために使用されてよい。この配置で、配線は、外部コントローラとLIDAR装置100の様々な構成要素との間の制御信号および/またはデータの転送を容易にするのに役立ってよい。他の配置も可能である。
【0041】
[0051] さらに、1つまたは複数の光源106は、波長範囲内の波長を有する複数の光ビームおよび/またはパルスをそれぞれ放出するように構成され得る。波長範囲は、例えば、電磁スペクトルの紫外、可視、および/または赤外領域とすることができる。いくつかの例では、波長範囲は、レーザーによって提供されるような、狭い波長範囲であり得る。
【0042】
[0052] いくつかの実施形態では、1つまたは複数の光源106は、レーザーダイオード、発光ダイオード(LED)、垂直共振器型面発光レーザー(VCSEL)、有機発光ダイオード(OLED)、ポリマー発光ダイオード(PLED)、発光ポリマー(LEP)、液晶ディスプレイ(LCD)、微小電気機械システム(MEMS)、ならびに/または複数の放出光ビームおよび/もしくはパルスを提供するために、光を選択的に透過、反射、および/もしくは放出するように構成された任意の他のデバイスを含んでよい。
【0043】
[0053] いくつかの実施形態では、トランスミッタ108は、環境中に光を放出するように構成されてよい。具体的には、トランスミッタ108は、光を光源106から環境へ向けるように配置された光学配置を含んでよい。この光学配置は、他にもある光学部品の中でもとりわけ、物理空間および/または光の特定の特性の調整に使用されるレンズ(複数可)を通して光の伝搬を導くために使用される鏡(複数可)の任意の実現可能な組み合わせを含んでよい。例えば、光学配置は、光をコリメートし、それにより互いに略平行な光線を有する光をもたらすように配置された送信レンズを含んでよい。
【0044】
[0054] 述べたように、LIDAR装置100は、レシーバ110を含んでよい。レシーバは、トランスミッタ108から放出された光の1つと同じ波長範囲の波長を有する光を検出するように構成されてよい。このようにして、LIDAR装置100は、LIDAR装置100に由来する反射光パルスを環境中の他の光と区別してよい。
【0045】
[0055] 加えて、レシーバ110は、環境を視野(FOV)で走査するように構成されてよい。例えば、レシーバ110のFOVは、トランスミッタ108から放出された光と同じ角度範囲に実質的に沿った光の検出を可能にしてよい。実装例では、レシーバ110は、レシーバがFOVに特定の分解能を提供できる光学配置を有してよい。一般に、そのような光学配置は、少なくとも1つの光学レンズと光検出器アレイとの間の光路を提供するように配置されてよい。
【0046】
[0056] 一実装例では、レシーバ110は、LIDAR装置100の環境中の1つまたは複数の物体から反射された光をレシーバ110の検出器上に集束するように配置された光学レンズを含んでよい。
【0047】
[0057] さらに、述べたように、レシーバ110は光検出器アレイを有してよく、光検出器アレイは、検出された光(例えば、上述された波長範囲の)を、検出された光を示す電気信号に変換するように構成された1つまたは複数の検出器を含んでよい。実際には、そのような光検出器アレイを、様々な方法の1つで配置することができる。例えば、検出器は1つまたは複数の基板(例えば、プリント回路基板(PCB)、フレキシブルPCBなど)上に配置され得、光学レンズから光路に沿って進んでいる入射光を検出するように配置され得る。一般に、基板上に配置される構成要素は、基板の上または下に配置されてよい。また、そのような光検出器アレイは、任意の実現可能な方法で整列された任意の実現可能な数の検出器を含み得る。例えば、光検出器アレイは、13×16アレイの検出器を含んでよい。この光検出器アレイは例示のみを目的として記載され、限定することを意図していないことが留意される。
【0048】
[0058] 一般に、アレイの検出器は、様々な形態をとってよい。例えば、検出器は、フォトダイオード、アバランシェフォトダイオード、フォトトランジスタ、カメラ、アクティブピクセルセンサ(APS)、電荷結合素子(CCD)、極低温検出器、および/または放出光の波長範囲の波長を有する集束光を受け取るように構成された任意の他の光のセンサの形態をとってよい。他の例も可能である。
【0049】
[0059] さらに、LIDAR装置100は、軸の周りを回転するように構成される回転台114を含んでよい。このように回転するために、1つまたは複数のアクチュエータ116が回転台114を作動させてよい。実際には、これらのアクチュエータ116としては、他にもある可能性の中でもとりわけ、モータ、空気圧式アクチュエータ、油圧ピストン、および/または圧電アクチュエータが挙げられてよい。
【0050】
[0060] 本開示によれば、トランスミッタ108およびレシーバ110は、これらの構成要素の各々が、回転台114の回転に基づいて、環境に対して動くように回転台上に配置されてよい。具体的には、これらの構成要素の各々は、LIDAR装置100が様々な方向から情報を取得してよいように、軸に関して回転することができる。この方法では、LIDAR装置100は、回転台114を作動させることによって異なる方向に調整され得る水平視線方向を有してよい。
【0051】
[0061] この配置で、コントローラは、様々な方法で環境についての情報を取得するために、様々な方法で回転台114を回転させるようにアクチュエータ116に指示することができる。具体的には、回転台114は、様々な範囲およびどちらの方向にも回転できる。例えば、回転台114は、LIDAR装置100が環境の360°水平FOVを提供するように全回転してよい。
【0052】
[0062] さらに、回転台114は、LIDAR装置100に様々なリフレッシュレートで環境を走査させるように、様々な速度で回転できる。例えば、LIDAR装置100は、15Hz(例えば、1秒当たり15回のLIDAR装置100の完全回転)のリフレッシュレートを有するように構成されてよい。この例では、LIDAR装置100が以下にさらに記載されるように車両に結合されると仮定し、したがって走査は、毎秒15回、車両の周囲360°FOVの走査を伴う。他の例も可能である。
【0053】
[0063] さらに、述べたように、LIDAR装置100は、固定台118を含んでよい。実際には、固定台は、任意の形状または形態をとってよく、例えば車両の頂部など、様々な構造物に結合されるように構成されてよい。また、固定台の結合は、任意の実現可能なコネクタ配置(例えば、ボルトおよび/またはねじ)を介して実施されてよい。このようにして、LIDAR装置100を、本明細書に記載されているもののような、様々な目的で使用するために構造物に結合できる。
【0054】
[0064] 本開示によれば、LIDAR装置100は、固定台118を回転台114に直接または間接的に結合する回転接手120を含んでもよい。具体的には、回転接手120は、固定台118に関する軸の周りの、回転台114の回転を提供する任意の形状、形態および材料をとってよい。例えば、回転接手120は、アクチュエータ116からの作動に基づいて回転し、それによりアクチュエータ116から回転台114に機械力を伝達するシャフトなどの形態をとってよい。さらに、述べたように、回転接手は、電子機器104および/またはLIDAR装置100の1つまたは複数の他の構成要素がその中に配置されてよい中央空洞を有してよい。他の配置も可能である。
【0055】
[0065] さらに、述べたように、LIDAR装置100は、ハウジング122を含んでよい。実際には、ハウジング122は、任意の形状、形態および材料をとってよい。例えば、ハウジング122は、他にもある可能性の中でもとりわけ、ドーム形ハウジングであり得る。別の例では、ハウジング122は、少なくとも部分的に不透明な材料で構成されてよく、少なくとも一部の光がハウジング122の内部空間に入るのを阻止するのを可能にし、したがって、以下でさらに議論されるような熱影響を軽減するのに役立ってよい。このハウジングは例示のみを目的として記載され、限定することを意図していないことが留意される。
【0056】
[0066] 本開示によれば、ハウジング122は、ハウジング122が、回転台114の回転に基づいて上述の軸の周りを回転するように構成されるように、回転台114に結合されてよい。この実装で、トランスミッタ108、レシーバ110、および場合によりLIDAR装置100の他の構成要素は、各々がハウジング122内に配置されてよい。この方法では、トランスミッタ108およびレシーバ110は、ハウジング122内に配置されたまま、ハウジング122とともに回転してよい。
【0057】
[0067] さらに、ハウジング122は、そこに形成された開口を有してよく、開口は任意の実現可能な形状およびサイズをとることができる。その際、開口を通して環境中へ光を放出するように、トランスミッタ108をハウジング120内に配置することができる。このようにして、ハウジング120の対応する回転のため、トランスミッタ108は開口とともに回転してよく、それにより様々な方向への光の放出を可能にする。また、開口を通して環境からハウジング120に入る光を検出するように、レシーバ110をハウジング120内に配置することができる。このようにして、ハウジング120の対応する回転のため、レシーバ110は開口とともに回転してよく、それにより、水平FOVに沿った様々な方向から入ってくる光の検出を可能にする。
【0058】
[0068] 実際には、ハウジング122は、様々な理由で上記のように配置されてよい。具体的には、LIDAR装置100の様々な構成要素がハウジング122内に配置されているため、かつハウジング122がそれらの構成要素とともに回転するため、ハウジング122は、とりわけ雨および/または雪などの、様々な環境ハザードからそれらの構成要素を保護するのに役立ってよい。また、ハウジング122内でLIDAR装置100が回転するときハウジング122が静止していることになるならば、その場合、ハウジング122を通した光の伝搬、したがってLIDAR装置100による環境の走査を可能にするために、ハウジング122はおそらく透明であろう。
【0059】
[0069] しかしながら、本開示によれば、ハウジング122はLIDAR装置100とともに回転する開口を有してよく、それは、環境の走査を可能にするためにハウジング122が必ずしも完全に透明である必要はないことを意味する。例えば、ハウジング122は、透明な材料で構成され得る開口を除いて、少なくとも部分的に不透明な材料で構成され得る。結果として、ハウジング122は、LIDAR装置100への熱影響を軽減するのに役立ってよい。例えば、ハウジング122は、太陽光線がハウジング122の内部空間に入るのを阻止してよく、それらの太陽光線によるLIDAR装置100の様々な構成要素の過熱を回避するのに役立ってよい。他の例も可能である。
【0060】
[0070] 上記のようなLIDAR装置100の様々な構成要素を考慮すると、これらの様々な構成要素は様々な方法で配置され得る。本開示によれば、LIDAR装置100は固定台118が地面に最も近いように空間的に配向されると仮定すると、LIDAR装置100は、レシーバ110が固定台118の略上に位置付けられ、トランスミッタ108がレシーバ110の略上に位置付けられるように配置されてよい。しかしながら、この配置は例示のみを目的として記載され、限定することを意図していないことが留意される。
【0061】
III.車両システムの例
[0071]
図2は、実施形態例による車両200の簡略化されたブロック図である。車両200は、LIDAR装置100と同様のLIDAR装置を含んでよい。示されるように、車両200は推進システム202、センサシステム204、制御システム206(コントローラ206とも呼ばれ得る)、周辺機器208、およびコンピュータシステム210を含む。他の実施形態では、車両200はより多い、より少ない、または異なるシステムを含んでよく、各システムはより多い、より少ない、または異なる構成要素を含んでよい。
【0062】
[0072] 加えて、示されたシステムおよび構成要素は、任意の数の方法で組み合わされるか、または分割されてよい。例えば、制御システム206およびコンピュータシステム210は、様々な操作に従って車両200を動作させる単一のシステムに組み合わされてよい。
【0063】
[0073] 推進システム202は、車両200に動力運動を提供するように構成されてよい。示されるように、推進システム202はエンジン/モータ218、エネルギー源220、トランスミッション222、および車輪/タイヤ224を含む。
【0064】
[0074] エンジン/モータ218は内燃機関、電気モータ、蒸気エンジン、およびスターリングエンジンの任意の組み合わせであってよく、または内燃機関、電気モータ、蒸気エンジン、およびスターリングエンジンの任意の組み合わせを含んでよい。他のモータおよびエンジンも可能である。いくつかの実施形態では、推進システム202は複数のタイプのエンジンおよび/またはモータを含んでよい。例えば、ガス電気ハイブリッド車はガソリンエンジンおよび電気モータを含んでよい。他の例が可能である。
【0065】
[0075] エネルギー源220は、エンジン/モータ218に完全にまたは部分的に動力を供給するエネルギーの源であってよい。すなわち、エンジン/モータ918はエネルギー源220を機械エネルギーに変換するように構成されてよい。エネルギー源220の例としては、ガソリン、ディーゼル、プロパン、他の圧縮ガスベースの燃料、エタノール、ソーラーパネル、電池、および他の電力源が挙げられる。エネルギー源(複数可)220は、追加でまたは代わりに、燃料タンク、電池、コンデンサ、および/またはフライホイールの任意の組み合わせを含んでよい。いくつかの実施形態では、エネルギー源220は車両200の他のシステムにもエネルギーを提供してよい。
【0066】
[0076] トランスミッション222は、エンジン/モータ218から車輪/タイヤ224に機械力を伝達するように構成されてよい。この目的のために、トランスミッション222は、ギヤボックス、クラッチ、差動装置、ドライブシャフト、および/または他の要素を含んでよい。トランスミッション222がドライブシャフトを含む実施形態では、ドライブシャフトは車輪/タイヤ224に結合されるように構成される1つまたは複数の車軸を含んでよい。
【0067】
[0077] 車両200の車輪/タイヤ224は、一輪車、二輪車/オートバイ、三輪車、または自動車/トラック四輪形式を含む、様々な形式で構成されてよい。6つ以上の車輪を含むものなど、他の車輪/タイヤ形式も可能である。いずれの場合でも、車輪/タイヤ224は、他の車輪/タイヤ224に関して差動回転するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、車輪/タイヤ224は、トランスミッション222に固定して取り付けられる少なくとも1つの車輪、および駆動面と接触し得る車輪のリムに結合された少なくとも1つのタイヤを含んでよい。車輪/タイヤ224は、金属およびゴムの任意の組み合わせ、または他の材料の組み合わせを含んでよい。推進システム202は、追加でまたは代わりに、示されているもの以外の構成要素を含んでよい。
【0068】
[0078] センサシステム204は、車両200が位置する環境についての情報を感知するように構成されたいくつかのセンサ、ならびにセンサの位置および/または向きを修正するように構成された1つまたは複数のアクチュエータ236を含んでよい。示されるように、センサシステム204のセンサは、全地球測位システム(GPS)226、慣性計測装置(IMU)928、RADARユニット230、レーザー距離計および/またはLIDARユニット232、ならびにカメラ234を含む。センサシステム204は、例えば、車両200の内部システムを監視するセンサ(例えば、O2モニタ、燃料計、エンジンオイル温度など)を含む、追加のセンサも含んでよい。他のセンサも可能である。
【0069】
[0079] GPS 226は、車両200の地理的な位置を推定するように構成された任意のセンサ(例えば、位置センサ)であってよい。この目的のために、GPS 226は、地球に関して車両200の位置を推定するように構成されたトランシーバを含んでよい。GPS 226は他の形態もとってよい。
【0070】
[0080] IMU 228は、慣性加速に基づいて車両200の位置および向きの変化を感知するように構成されたセンサの任意の組み合わせであってよい。いくつかの実施形態では、センサの組み合わせは、例えば加速度計およびジャイロスコープを含んでよい。センサの他の組み合わせも可能である。
【0071】
[0081] RADARユニット230は、無線信号を使用して、車両200が位置する環境中の物体を感知するように構成された任意のセンサであってよい。いくつかの実施形態では、物体を感知することに加えて、RADARユニット230は、追加で、物体の速度および/または進行方向を感知するように構成されてよい。
【0072】
[0082] 同様に、レーザー距離計またはLIDARユニット232は、レーザーを使用して、車両200が位置する環境中の物体を感知するように構成された任意のセンサであってよい。例えば、LIDARユニット232は1つまたは複数のLIDAR装置を含んでよく、そのうちの少なくともいくつかは、本明細書に開示されたLIDAR装置100の形態をとってよい。
【0073】
[0083] カメラ234は、車両200が位置する環境の画像を取り込むように構成された任意のカメラ(例えば、スチルカメラ、ビデオカメラなど)であってよい。この目的のために、カメラは上記の形態のいずれかをとってよい。センサシステム204は、追加でまたは代わりに、示されているもの以外の構成要素を含んでよい。
【0074】
[0084] 制御システム206は、車両200およびその構成要素の動作を制御するように構成されてよい。この目的のために、制御システム206は、ステアリングユニット238、スロットル240、ブレーキユニット242、センサフュージョンアルゴリズム244、コンピュータビジョンシステム246、ナビゲーションまたは経路探索(pathing)システム248、および障害物回避システム250を含んでよい。
【0075】
[0085] ステアリングユニット238は、車両200の進行方向を調整するように構成された機構の任意の組み合わせであってよい。スロットル240は、エンジン/モータ218の動作速度、およびその結果として、車両200の速度を制御するように構成された機構の任意の組み合わせであってよい。ブレーキユニット242は、車両200を減速させるように構成された機構の任意の組み合わせであってよい。例えば、ブレーキユニット242は、摩擦を使用して車輪/タイヤ224の速度を落としてよい。別の例として、ブレーキユニット242は、車輪/タイヤ224の運動エネルギーを電流に変換してよい。ブレーキユニット242は他の形態もとってよい。
【0076】
[0086] センサフュージョンアルゴリズム244は、センサシステム204からのデータを入力として受け入れるように構成されたアルゴリズム(またはアルゴリズムを格納しているコンピュータプログラム製品)であってよい。データは、例えば、センサシステム204のセンサで感知された情報を表すデータを含んでよい。センサフュージョンアルゴリズム244は、例えば、カルマンフィルタ、ベイジアンネットワーク、本明細書の方法の機能のいくつかのためのアルゴリズム、または任意の他のアルゴリズムを含んでよい。センサフュージョンアルゴリズム244は、例えば、車両200が位置する環境中の個々の物体および/もしくは特徴の評価、特定の状況の評価、ならびに/または特定の状況に基づいて考えられる影響の評価等を含む、センサシステム204からのデータに基づく様々な評価を提供するようにさらに構成されてよい。他の評価も可能である。
【0077】
[0087] コンピュータビジョンシステム246は、例えば、交通信号および障害物を含む、車両200が位置する環境中の物体および/または特徴を識別するために、カメラ234によって取り込まれた画像を処理および分析するように構成された任意のシステムであってよい。この目的のために、コンピュータビジョンシステム246は、物体認識アルゴリズム、ストラクチャフロムモーション(Structure from Motion、SFM)アルゴリズム、ビデオ追跡、または他のコンピュータビジョン技術を使用してよい。いくつかの実施形態では、コンピュータビジョンシステム246は、追加で、環境のマッピング、物体の追跡、物体の速度の推定などを行うように構成されてよい。
【0078】
[0088] ナビゲーションおよび経路探索システム248は、車両200の運転経路を決定するように構成された任意のシステムであってよい。ナビゲーションおよび経路探索システム248は、追加で、車両200の動作中に運転経路を動的に更新するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、ナビゲーションおよび経路探索システム248は、車両200の運転経路を決定するために、センサフュージョンアルゴリズム244、GPS 226、LIDARユニット232、および1つまたは複数の所定のマップからデータを組み込むように構成されてよい。
【0079】
[0089] 障害物回避システム250は、車両200が位置する環境中の障害物を識別、評価、および回避または別の方法で迂回するように構成された任意のシステムであってよい。制御システム206は、追加でまたは代わりに、示されているもの以外の構成要素を含んでよい。
【0080】
[0090] 周辺機器208は、車両200が外部センサ、他の車両、外部コンピューティング装置、および/またはユーザーとやり取りできるように構成されてよい。この目的のために、周辺機器208は、例えば、無線通信システム252、タッチスクリーン254、マイクロホン256、および/またはスピーカ258を含んでよい。
【0081】
[0091] 無線通信システム252は、1つまたは複数の他の車両、センサ、または他のエンティティを、直接、または通信ネットワークを介してのいずれかで、無線で接続するように構成された任意のシステムであってよい。この目的のために、無線通信システム252は、他の車両、センサ、サーバ、または他のエンティティと、直接、または通信ネットワークを介してのいずれかで通信するためのアンテナおよびチップセットを含んでよい。チップセットまたは無線通信システム252は、一般に、他にもある可能性の中でもとりわけ、Bluetooth、IEEE 802.11(任意のIEEE 802.11改訂版を含む)に記載された通信プロトコル、携帯電話技術(GSM、CDMA、UMTS、EV-DO、WiMAX、もしくはLTEなど)、Zigbee、狭域通信(DSRC)、および無線自動識別(RFID)通信などの、1つまたは複数のタイプの無線通信(例えば、プロトコル)に従って通信するように構成されてよい。無線通信システム252は他の形態もとってよい。
【0082】
[0092] タッチスクリーン254は、車両200にコマンドを入力するためにユーザーによって使用されてよい。この目的のために、タッチスクリーン254は、ユーザーの指の位置および動きの少なくとも1つを、他にもある可能性の中でもとりわけ、容量感知、抵抗感知、または弾性表面波プロセスを介して感知するように構成されてよい。タッチスクリーン254は、タッチスクリーン表面に平行もしくは平面の方向、タッチスクリーン表面に垂直な方向、または両方の指の動きを感知することが可能であってよく、タッチスクリーン表面に印加された圧力のレベルを感知することも可能であってよい。タッチスクリーン254は、1つまたは複数の半透明または透明な絶縁層、および1つまたは複数の半透明または透明な導電層から形成されてよい。タッチスクリーン254は他の形態もとってよい。
【0083】
[0093] マイクロホン256は、車両200のユーザーから音声(例えば、音声コマンドまたは他の音声入力)を受信するように構成されてよい。同様に、スピーカ258は、車両200のユーザーに音声を出力するように構成されてよい。周辺機器208は、追加でまたは代わりに、示されているもの以外の構成要素を含んでよい。
【0084】
[0094] コンピュータシステム210は、推進システム202、センサシステム204、制御システム206、および周辺機器208の1つまたは複数にデータを送信し、それらからデータを受信し、それらとやり取りし、かつ/またはそれらを制御するように構成されてよい。この目的のために、コンピュータシステム210は、システムバス、ネットワーク、および/または他の接続機構(図示せず)によって、推進システム202、センサシステム204、制御システム206、および周辺機器208の1つまたは複数に通信可能にリンクされてよい。
【0085】
[0095] 一例では、コンピュータシステム210は、燃料効率を改善するためにトランスミッション222の動作を制御するように構成されてよい。別の例として、コンピュータシステム210は、カメラ234に環境の画像を取り込ませるように構成されてよい。さらに別の例として、コンピュータシステム210は、センサフュージョンアルゴリズム244に対応する命令を格納および実行するように構成されてよい。さらに別の例として、コンピュータシステム210は、LIDARユニット232を使用して、車両200の周囲の環境の3D表現を決定するための命令を格納および実行するように構成されてよい。他の例も可能である。したがって、コンピュータシステム210は、LIDARユニット232のコントローラとして機能し得る。
【0086】
[0096] 示されるように、コンピュータシステム210はプロセッサ212およびデータストレージ214を含む。プロセッサ212は、1つもしくは複数の汎用プロセッサおよび/または1つもしくは複数の専用プロセッサを含んでよい。プロセッサ212が2つ以上のプロセッサを含む限り、そのようなプロセッサは別々にまたは組み合わせて機能し得る。データストレージ214は、同様に、光学式、磁気、および/もしくは有機ストレージなどの、1つもしくは複数の揮発性ならびに/または1つもしくは複数の不揮発性ストレージ構成要素を含んでよく、データストレージ214は、全体または一部において、プロセッサ212と統合されてよい。
【0087】
[0097] いくつかの実施形態では、データストレージ214は、様々な車両機能を実行するためにプロセッサ212によって実行可能な命令216(例えば、プログラム論理)を含有してよい。データストレージ214は、推進システム202、センサシステム204、制御システム206、および/または周辺機器208の1つまたは複数にデータを送信し、それらからデータを受信し、それらとやり取りし、かつ/またはそれらを制御するための命令を含む、追加の命令も含有してよい。コンピュータシステム210は、追加でまたは代わりに、示されているもの以外の構成要素を含んでよい。
【0088】
[0098] 示されるように、車両200は電源220をさらに含み、電源220は車両200の構成要素の一部またはすべてに電力を供給するように構成されてよい。この目的のために、電源220は、例えば、リチウムイオン二次電池または鉛酸蓄電池を含んでよい。いくつかの実施形態では、電池の1つまたは複数のバンクが電力を提供するように構成され得る。他の電源材料および構成も可能である。いくつかの実施形態では、電源220およびエネルギー源220は、一部の純電気自動車でのように、1つの構成要素としてともに実装されてよい。
【0089】
[0099] いくつかの実施形態では、車両200は、示されているものに加えて、または示されているものの代わりに、1つまたは複数の要素を含んでよい。例えば、車両200は、1つまたは複数の追加のインタフェースおよび/または電源を含んでよい。他の追加の構成要素も可能である。そのような実施形態では、データストレージ214は、追加の構成要素を制御し、かつ/または追加の構成要素と通信するために、プロセッサ212によって実行可能な命令をさらに含んでよい。
【0090】
[0100] さらに、構成要素およびシステムの各々は車両200に統合されると示されているが、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の構成要素またはシステムは、有線もしくは無線接続を使用して車両200に取り外し可能に取り付けられてよく、または別の方法で(機械的または電気的に)接続されてよい。車両200は他の形態もとってよい。
【0091】
[0101]
図3は、車両300の右側面図、正面図、背面図、および上面図を示す。示されるように、車両300は、車両300の車輪302が位置する底部側と反対の、車両300の上側に位置付けられているLIDAR装置100を含む。LIDAR装置100は車両300の上側に位置付けられているように示され、記載されているが、LIDAR装置100は、本開示の範囲を逸脱することなく、車両の任意の実現可能な部分に位置付けられ得る。
【0092】
[0102] さらに、LIDAR装置100は、例えば、1つまたは複数の光パルスを放出し、車両300の環境中の物体に反射した光パルスを検出しながら、垂直軸の周りを回転することによって、(例えば、15Hzのリフレッシュレートで)車両300の周囲の環境を走査するように構成されてよい。さらに、いくつかの実施形態では、各LIDAR装置が環境の異なる部分を走査できるように、複数のLIDAR装置が車両の異なる部分に位置付けられ得る(例えば、車両の各角に1つずつのLIDAR装置)。
【0093】
IV.光学分離を有するPCBの例
[0103]
図4は、プリント回路基板(PCB)の例400の側面の断面図を示す。PCB 400は、金属層402、404、406、および408、上部はんだマスク418、ならびに下部はんだマスク424を含む。PCB 400は、対応するキャッチパッド403、405、407、および409を有するビア410(すなわち、垂直相互接続アクセス)も含む。光センサ402は、はんだパッド420aおよび420bによってPCB 400に接続されてよい。PCB 400は、光センサ402によって光が感知されるための開口422を定めるエンクロージャ414の中または付近に取り付けられてよい。PCB400は、PCB 400の上部に入射する光412がPCB 400の下部へ直接透過し、エンクロージャ414または別の反射面に反射し、光センサ402に当たるのを可能にし得る透過性PCB基板材料の領域416aおよび416bを含んでよい。
【0094】
[0104] PCB 400の金属層402、404、406、および408は、網目模様で示されるようなPCB基板材料の領域(例えば、FR-4ガラス繊維強化エポキシラミネート)によって互いに分離されてよい。金属層は、例えば、トレース(例えば、信号トレース)、コンタクトパッド(例えば、はんだパッド、ビアキャッチパッド)、およびプレーン(例えば、グランドプレーン、電源プレーン)などの、様々な金属フィーチャを含んでよい。様々な金属フィーチャは、所望の設計に従って動作するPCB 400をもたらす電気的接続を作り上げてよい(例えば、光センサ402への電力供給および光センサ402とプロセッサとの間の電気通信経路の提供)。注目すべきことに、特定の層中の金属フィーチャは、PCB上の構成要素間の所望の相互接続を確立ために必要に応じて、互いにおよび他の層中の他の金属フィーチャと、電気的に接続または切断されてよい。
【0095】
[0105] PCB 400は、金属層402、404、406、および408の少なくとも2つを電気的に接続するビア410も含んでよい。具体的には、ビア410は、キャッチパッド403、405、407、および409に電気的に接続される。キャッチパッド403は、場合によっては、ビア410を金属層402中の少なくとも1つの金属フィーチャに電気的に接続してよい。同様に、キャッチパッド405はビア410を金属層404中の少なくとも1つの金属フィーチャに電気的に接続してよく、キャッチパッド407はビア410を金属層406中の少なくとも1つの金属フィーチャに電気的に接続してよく、キャッチパッド409はビア410を金属層408中の少なくとも1つの金属フィーチャに電気的に接続してよい。
【0096】
[0106] ビア410はスルーホールビアとして示されているが、ビア410は、他の実施形態では、ビアの一方の端部がPCB 400の上面もしくは下面のどちらかに露出した状態でPCB 400の層の一部のみを通って延在するブラインドビア、またはビアのどちらの端部もPCB 400の上面もしくは下面に露出していない状態でPCB 400の層の一部のみを通って延在するベリードビアであってよい。ビア410は、いくつかの実施形態では、高密度相互接続(HDI)PCBで使用されるマイクロビア(例えば、スタックドマイクロビア)であってよい。さらに、いくつかの例では、ビア410は、スタガードビア構造またはスタガードマイクロビア構造の一部であってよい。いくつかの実装では、ビア410は、導電または非導電材料で充填されてよい。
【0097】
[0107] 一般に、キャッチパッド403、405、407、および409は、ビア410に電気的に接続された金属の層であってよく、いくつかの実施形態では、それぞれの金属層402、404、406、および408中の金属フィーチャにビア410を電気的に接続してよい。いくつかの実施形態では、キャッチパッドは、ビア410を取り囲むアニュラリングであってよい。具体的には、アニュラリングは、内周および外周ならびに対応する内径および外径を有してよい。アニュラリングの内周はビア410と接触してよく、アニュラリングの内周と外周との間の領域は、金属または別の導電性かつ不透過性の材料で充填されてよい。他の実施形態では、キャッチパッドは、例えば正方形または長方形などの、異なる形状をとってよい。すなわち、円形孔がビア410と接触する内周を定める一方で、キャッチパッドの外側境界は正方形または長方形であってよい。キャッチパッドは連続的で、ビア410を完全に取り囲んでよいか、または不連続で、ビア410を部分的に取り囲んでよい。
【0098】
[0108]
図4は、PCB 400の下部に接続された光センサ402をさらに示す。具体的には、光センサ402は、PCB 400への電気的接続を提供するために、パッド420aおよび420bならびに他のパッド(図示せず)に、はんだ付けされるかまたは別の方法で接合されてよい。PCB 400および光センサ402は、光がそこを通して光センサ上に向けられ得る開口422を定めるエンクロージャ414付近に位置付けられてよい。一例では、光センサ402は、LIDAR装置(例えば、LIDAR装置100)の一部であってよい。LIDAR装置の光源によって放出された光は、環境中の特徴から反射した後、開口422を透過して、光センサ402によって検出されてよい。開口422を透過し、光センサ402に入射する光は、(例えば、LIDARの光源によって放出された光の飛行時間に基づいた)環境中の特徴についての情報を提供し得ることから、「信号」光と呼ばれてよい。
【0099】
[0109] しかしながら、光センサ402はノイズ光および他の電磁放射線も検出し、したがって不正確な測定値を生成し得る。例えば、PCB 400の上面に入射する光412は、PCB基板材料(すなわち、誘電材料)の領域416aおよび416bを通ってPCB 400の上側からPCB 400の下側へ透過してよい。光412は、エンクロージャ414または別の反射面に実質的に反射し、光センサ402に当たり、したがって誤った読み取りを生成し得る。光センサ402が非常に高感度であり、したがって単一フォトンの検出さえ可能にし得るため、問題の重大さは悪化し得る。光センサ402は、例えば、光電子増倍管(PMT)、アバランシェフォトダイオード(APD)、シリコン光電子増倍管(SiPM)、PINダイオード、相補型金属酸化物半導体(CMOS)センサ、および電荷結合素子(CCD)センサであってよいか、またはそれらを含んでよい。したがって、ごくわずかなノイズ光(例えば数個のフォトン)でも、開口422を通って受け取られる信号光に著しく干渉し得る。
【0100】
[0110]
図5Aは、別のPCBの例500の側面の断面図を示す。
図4に示したPCB 400と同様に、PCB 500は、金属層502、504、506、および508、上部はんだマスク518、ならびに下部はんだマスク522、ビア510、はんだパッド520aおよび520bによってPCB 500に接続された光センサ402を含む。しかしながら、PCB 400のキャッチパッド403、405、407、および409のすべてがおよそ同じサイズを有しているのに対し、PCB 500のキャッチパッド503、505、507、および509は不均一である。
【0101】
[0111] 具体的には、キャッチパッド505および509のサイズは、キャッチパッド503および507のサイズより大きい。したがって、キャッチパッド505および509は、PCB基板の領域516aおよび516bを通って延在し、隣接する金属層中の他の金属フィーチャと水平に重なる。したがって、PCB 400の領域416aおよび416bが光412の直接透過経路を提供するのに対し、PCB 500のキャッチパッド503、505、507、および509を不均一なサイズにすることで、領域516aおよび516bを通る光412の直接透過に対する障害物を提供し、それによりPCB 500の上側に入射するノイズ光がPCB 500の下側へ透過し、光センサ402に到達するであろう可能性を低減する。光の透過の低減された可能性の結果として、最終的にPCB 500の下側へ透過するPCB 500の上側に入射するノイズ光の量または割合も低減される。
【0102】
[0112] 一例では、キャッチパッド503および507は15ミル(すなわち、1000分の15インチ)の外径を有するアニュラリングであってよく、キャッチパッド505および509は35ミルの外径を有するアニュラリングであってよい。したがって、より大きいキャッチパッドの直径は、より小さいキャッチパッドの直径の2倍より大きくてよい。キャッチパッド503、505、507、および509の内径、ならびにビア510の外径は、5ミルであってよい。
【0103】
[0113] さらに、領域516aおよび516bに広がることに加えて、キャッチパッド505は、金属層502および506中の複数の金属フィーチャと水平に重なってよい。同様に、領域516aおよび516bに広がることに加えて、キャッチパッド509は、金属層506中の複数の金属フィーチャと水平に重なってよい。層504および508中の金属フィーチャは、それぞれキャッチパッド505および509の増加したサイズを収容するように再配置されてよい。いくつかの実施形態では、層502および506中の金属フィーチャも、PCB基板領域516aおよび516bの水平範囲に沿ったあらゆる点で、少なくとも1つのキャッチパッド505または509と層502または506中の少なくとも1つの金属フィーチャとの間に重なりが存在することを確実にするように再配置されてよい。
【0104】
[0114] PCB 500を上または下から見ると、この重なりは、すべての点で少なくとも1つの金属層が広がっているPCB基板領域516aおよび516bをもたらしてよい。すなわち、キャッチパッド503、505、507、および509の不均一性は、光がそこを通ってPCB 500を直接通過できるすべての誘電性基板領域(例えば、416aおよび416b)をマスキングまたは遮蔽する効果を有してよい。
【0105】
[0115] 光の一部は、重なっている金属フィーチャ間の間接的なジグザグの経路を辿ることによって依然としてPCB 500を通って前進する場合があるが、キャッチパッド503、505、507、および509を不均一なサイズにすることで、光がPCB 500の上側からPCB 500の下側へ透過するためにとらなければならないことになるより入り組んだ経路(例えば、より長い、より多くの反射を含むなど)を作製することによって、これが起こる可能性を低減する。代わりに、光412は、PCB 500から反射されるか、またはPCB 500の金属層によって内部吸収される可能性が高い。キャッチパッド503、505、507、および509の間のサイズの差は、光412がPCB 500を透過する可能性をさらに低減するために調整されてよい。同様に、不均一なキャッチパッドが隣接する金属層中の金属フィーチャと水平に重なる範囲は、光透過の可能性をさらに低減するために増加されてよい。PCB 500を通る光412の透過の低減された可能性は、したがって、領域516aおよび516bを通ってPCB 500の下部へ最終的に透過するPCB 500の上部に入射する光の量または割合の低減をもたらす。
【0106】
[0116] PCBの第1の側と第2の側との間の光学分離の程度は、ビア510の充填(すなわち、ビア510の空洞の中に材料を堆積させる)またはテンティング(すなわち、ビア510の上部を材料で被覆する)によってさらに改善されてよい。具体的には、ビア510は、ビアの胴部(例えば、中央の空洞またはボア)を通る光の透過を防ぐために、金属または別の光学的に不透過性の材料で充填またはテンティングされてよい。
【0107】
[0117] さらに、いくつかの実施形態では、光学分離の程度は、淡色(例えば緑色)はんだマスクの代わりに、暗色(例えば黒色)はんだマスクを使用することによって改善されてもよい。暗色はんだマスクは、電磁スペクトルの関連部分の放射線を吸収し、したがってPCBを通る光の透過を遮ってよい。注目すべきことに、暗色はんだマスクの最小許容フィーチャサイズは、淡色はんだマスクの最小許容フィーチャサイズより大きい場合がある。したがって、暗色はんだマスクは、最小サイズ(例えばピッチ)要件を満たすPCBのいくつかの用途またはいくつかの領域に適切であり得る。
【0108】
[0118] 注目すべきことに、キャッチパッド505および509と隣接する金属層502および506中の金属フィーチャとの重なりは、「水平」として記載されているが、用語「水平」は、PCB 500の回転に起因する重なりの方向の変化を包含することを意図している。したがって、
図5Aに示すように、水平な重なりは、PCB 500の水平面に関して水平であると見なされてよい。したがって、PCB 500が
図5Aに示した向きから90度回転した場合、キャッチパッド505および509と金属層502および508との重なりは、PCB 500の水平面に関して水平なままである。
【0109】
[0119] したがって、
図5Aは4つの金属層を有するPCBを示すが、不均一なキャッチパッドは、より多いかまたはより少ない金属層を有するPCBで使用されてもよい。具体的には、
図5Bは、2つの金属層502および504のみを含むPCB 524(すなわち、層506および508が除去されたPCB 500)の側面の断面図を示す。したがって、ビア510は、2つのキャッチパッド503および505のみを含む。キャッチパッド505のサイズは、キャッチパッド503のサイズより大きい。キャッチパッド505は、金属層502中の金属フィーチャと重なって、PCB 524の領域516aおよび516bを通る光412の透過に対する障害物を提供する。具体的には、上から見ると、PCB 524の面積に沿ったすべての点で少なくとも1つの金属フィーチャが広がってPCB 524を通る光の透過に対する障害物を提供するように、キャッチパッド505は、層502中の複数の金属フィーチャと重なってよい。
【0110】
[0120] いくつかの実施形態では、キャッチパッド505は、金属層502中の金属フィーチャと重ならずに誘電領域516aおよび516bを通って延在する場合がある。それにもかかわらず、誘電領域516aおよび516bに広がることによって、キャッチパッド505は、PCB 524の面積に沿ったすべての点で少なくとも1つの金属フィーチャが広がり、したがってPCB 524を通る光の透過に対する障害物を提供することを確実にするのに役立つ場合がある。
【0111】
[0121] いくつかの実施形態では、PCBは5つ以上の金属層を有してよい。そのようなPCBは、例えば、互いに積層された層502および504が3回、合計6層を含んでよい。6層PCBは、各々が、第1のサイズ(例えば、キャッチパッド503のサイズ)を有する対応するビアキャッチパッドを含む3つの金属層を含んでよい。6層PCBは、各々が、第1のサイズより大きい第2のサイズ(例えば、キャッチパッド505のサイズ)を有する対応するビアキャッチパッドを含む3つの金属層も含んでよい。他の実施形態では、PCBは、PCBの電気的接続性を定めるために必要に応じて任意の数の層を含んでよい。さらに、異なる層中のビアキャッチパッドの相対的なサイズは、誘電領域516aおよび516bが少なくとも1つのキャッチパッドによって遮られることを条件に、PCBのすべての必要な金属フィーチャを収容するように必要に応じて変更されてよい。
【0112】
[0122] いくつかの実施形態では、不均一なビアキャッチパッドはビアアンチパッドも含んでよい。
図5Cは、金属層506中にビアアンチパッド511を含むPCB 526の側面の断面図を示す。アンチパッドは、ビアと金属層内の他の金属フィーチャとの間の隙間を提供する、金属層内のビアの周囲の空間である。アンチパッドは、ビアを対応する金属層内の金属フィーチャ(すなわち、異なる電気ネットワークの一部であり、ビアと電気的に接続することを意図していない金属フィーチャ)から分離し、したがって不用意な電気的接続およびフラッシュオーバ(例えば、エアギャップを介した電気的接続)の可能性を低減する。アンチパッド511は、破線で示されており、ビア510と金属層506内の金属フィーチャとの間の隙間を提供する、ビア510の周りの空間である。PCB 500中のキャッチパッド507に対して、PCB 526中のアンチパッド511によって提供される追加の空間のため、金属層506中の金属フィーチャはビア510により接近してルーティングされよく、したがってキャッチパッド505および509と金属層506中の金属フィーチャとの重なりの範囲は増加する。
【0113】
[0123] PCBの層内の金属フィーチャのレイアウトは、PCBの金属フィーチャによって提供される光学的遮蔽を改善または最大化するように決定されてよい。例えば、
図5Cに示すように、PCBレイアウトは、ビアアンチパッドが2つの大きなビアキャッチパッド(例えば、キャッチパッド505および509)間の金属層内に位置付けられるように決定されてよい。別の例では、PCBの層内の金属フィーチャは、上から見ると、PCBの面積に沿ったすべての点がPCBの少なくとも1層中の金属フィーチャを含有し、したがってPCBの全面積にわたって光の直接透過を遮ることを確実にする様式でルーティングされてよい。さらに、金属フィーチャは、第1の金属層中の金属フィーチャとPCBの別の金属層中の別の金属フィーチャとの間の少なくとも最小限の重なりの範囲が存在することを確実にし、したがって、フォトンがPCBの2つの側の間を透過するために受けなければならないことになる、少なくとも最小限の反射数を確実にもたらす様式でルーティングされてよい。
【0114】
[0124] そのような設計パラメータは、PCB設計ソフトウェアにデザインルールチェック(DRC)として実装されてよい。DRCは、設計パラメータ(例えば、光の直接透過経路がないこと)に反するPCBの領域またはフィーチャを識別および指示してよく、したがって、設計者が違反を修正するためにルールに反する任意のフィーチャを再ルーティングすることを可能する。いくつかの実施形態では、PCB設計ソフトウェアは、本明細書に記載されたデザインルールを満足するように、金属フィーチャを自動的にルーティングまたは再ルーティングするように構成されてよい。
【0115】
[0125]
図6Aおよび6Bは、それぞれ均一なキャッチパッドおよび不均一なキャッチパッドを有する3層PCBの領域の上面図を示す。具体的には、
図6Aは、均一なビアキャッチパッドを使用した結果生じ得る透過性領域を示す。層1では、PCBは、はんだパッド600および金属トレース602を含む。ビアははんだパッド600の下に位置付けられ、層1~3に広がる。層1~3中のビアキャッチパッドのサイズは、破線620で示される。層2では、PCBは、金属プレーン604、および層2中の対応するビアキャッチパッドに接続する金属トレース606を含む。層3の金属フィーチャは、金属プレーン604と金属トレース606との間にあいた隙間を通して見える。
【0116】
[0126] キャッチパッドがすべて均一な場合、
図6Aに示すように、ビアキャッチパッドと対応する金属層内の隣接する金属フィーチャとの間の間隔は、PCB基板の透過性領域616(すなわち、パッド600の周りの空白で示されるような、層1~3中の金属フィーチャをまったく含有しない領域)をもたらす。したがって、領域616中のPCBの上部に入射する光は領域616を通ってPCBの下部へ透過し得、その周りに位置付けられた任意の感光素子に当たる可能性がある。
【0117】
[0127] 対照的に、
図6Bに破線622で示すように、PCBの層3中のビアキャッチパッドのサイズが増加した場合、ビアキャッチパッドは領域616を通り、層2中の金属プレーン604および金属トレース606の下に延在する。層3中のキャッチパッドはしたがって、以前の透過性領域616を通る光の直接透過を阻止する障害物618を作製する。
図6Bに示すように、層2中のキャッチパッドは、
図6Aと同じサイズのままであるため、プレーン604およびトレース606はキャッチパッドに対してその元の位置付けを保持し、したがって層3中の、今ではより大きいキャッチパッドと重なる。したがって、不均一なビアキャッチパッドは、金属キャッチパッド少なくとも1つが直接透過経路中に延在することによって、ビアの周囲の任意の直接透過経路を遮るように働く。
【0118】
[0128] 不均一なキャッチパッドは、本明細書に開示された他の技術と同様に、ICデバイスに使用されてもよい。例えば、
図5Aは、ICの所望の機能性(例えば、センサからの信号の処理)を実装するように構成された追加の能動電子部品(図示せず、例えばトランジスタ)をその中に含むICデバイスの断面を表してよい。いくつかの実装では、光センサ402は、ICの一部を構成してよく、光がセンサ402に到達してよいように環境に露出されてよい。前述したように、不均一なキャッチパッド503、505、507、および509は、ICの通常は透過性の領域516aおよび516bを通る光の透過を遮ってよく、したがって、ICの上側に入射する光が当たることから光センサ402を遮蔽する。本明細書に記載された様々な構造(例えば、ビア、トレース、キャッチパッド、金属プレーン、能動部品)は、対応するIC製造技術(例えば、フォトリソグラフィ、ドーピング、メタライゼーション、エッチング、化学蒸着、イオン注入、パッシベーション、カプセル化など)および材料(例えば、シリコン、ホウ素、アルミニウム、リン、ヒ素など)を使用して、シリコン基板上に作製されてICを形成してよい。
【0119】
V.光学分離を有するPCBを含むLIDAR装置の例
[0129]
図7は、光センサ402を取り囲むエンクロージャ700とともに組み立てられたPCB 500の側面の断面図を示す。
図7に示されたアセンブリは、LIDAR装置の一部を形成してよく、そのハウジング内に位置付けられてよい。LIDAR装置、または複数のLIDAR装置は、車両がLIDARからの信号に基づいてナビゲートできるように、車両の様々な部位または部分に接続されてよい。LIDAR装置の光センサ402は、増幅回路と連動して働き、単一フォトンの検出さえ可能にする光電子増倍管(PMT)、アバランシェフォトダイオード(APD)、シリコン光電子増倍管(SiPM)、またはPINダイオードのような非常に高感度な素子を含んでよい。したがって、光センサ402の不要なトリガを引き起こし得る迷光子(stray photon)から光センサ402を遮蔽することが有利であってよい。
【0120】
[0130] したがって、エンクロージャ700は、環境からの光がそこを通して光センサ402に選択的に向けられてよい開口722を含む。アセンブリは、光センサ402を任意選択で分離するようにエンクロージャ700とPCB 500の下部との間に位置付けられたガスケット702も含む。具体的には、ガスケット702は、エンクロージャ700とPCB 500との間の界面に入射する光が光センサ402に到達するのを遮る。さらに、PCBは、
図5Aに関して議論されたように、PCB 500の上部に入射する不要な光が、領域516aおよび516bを通ってPCB 500の下部へ透過し、光センサ402をトリガするのを遮る不均一なキャッチパッドを含む。
【0121】
[0131] PCB 500およびエンクロージャ700は、環境からの光が光センサ402上に選択的に向けられるように回転されるかまたは別の方法で再位置付けされてよい。例えば、PCB 500およびエンクロージャ700は、LIDAR装置の環境をマッピングするために、光源を含むLIDAR装置とともに回転されてよい。具体的には、光センサ402は、LIDAR装置の光源によって放出された光の飛行時間に基づいて環境をマッピングするために使用されてよい。開口722は、光センサ402に到達する光を、光源によって放出され、環境中の特徴から光センサ402に反射された光信号を含有する光に選択的に限定するために使用されてよい。不均一なキャッチパッド503、505、507、および509、エンクロージャ700、ならびにガスケット702は、組み合わせで、光センサ402に到達するノイズ光(すなわち、LIDAR装置の光源によって放出されていない光)の量を低減してよく、したがってLIDAR装置の環境のマッピングにおける正確度を改善する。
【0122】
VI.光学分離を有するPCBを製造する方法の例
[0132]
図8は、不均一なキャッチパッドを含むPCBを製造するための操作のフローチャート例800を示す。フローチャート800の操作は、手動で、自動的に(例えば、ロボット装置によって)、または手動プロセスと自動プロセスとの組み合わせを使用して実行されてよい。フローチャート800の操作は、例えば、
図5A、5B、および5Cにそれぞれ示したPCB 500、PCB 524、またはPCB 526の製造に使用されてよい。
【0123】
[0133] ブロック802では、プリント回路基板(PCB)基板が提供されてよい。PCB基板の材料は、他にもある可能性の中でもとりわけ、所望の比誘電率、引っ張り強度、せん断強度、ガラス転移温度、および膨張係数を提供するように選ばれてよい。PCB基板としては、例えば、他にもある可能性の中でもとりわけ、ポリテトラフルオロエチレン、FR-2(フェノール綿紙)、FR-3(綿紙およびエポキシ)、FR-4(ガラス織物およびエポキシ)、FR-5(ガラス織物およびエポキシ)、FR-6(ガラスマットおよびポリエステル)、G-10(ガラス織物およびエポキシ)、CEM-1(綿紙およびエポキシ)、CEM-2(綿紙およびエポキシ)、CEM-3(ガラス不織布およびエポキシ)、CEM-4(ガラス織物およびエポキシ)、CEM-5(ガラス織物およびポリエステル)、またはセラミック(例えば、酸化アルミニウム(Al2O3)または窒化アルミニウム(AlN))が挙げられてよい。さらに、いくつかの例では、PCB基板は、フレキシブルPCB基板(例えば、ポリイミド基板)であってよい。
【0124】
[0134] ブロック804では、PCB基板上に第1の金属層が作製されてよい。第1の金属層はビア用の第1のキャッチパッドを含んでよい。第1のキャッチパッドは第1のサイズを有してよい。第1の金属層は、PCBの所望の電気的接続性を実装するために必要なパッド、トレース、およびプレーンを含む、複数の他の金属フィーチャも含んでよい。
【0125】
[0135] 第1の金属層およびその金属フィーチャを作製することは、金属張りPCB基板から始めることを含む。あるいは、金属の接着剤付きシートまたはフィルムがPCB基板に接合されてよい。フォトレジストが金属層に塗布されてよい。その後、所望のフィーチャを定める金属領域を保護するために、フォトレジストはマスクを通して露光され、続いて現像されてよい(すなわち、UV光に露光してフォトレジストを重合させる)。保護されていない金属領域はエッチングされてよく、保護フォトレジストは除去されて金属フィーチャを現してよい。
【0126】
[0136] ブロック806では、PCB基板上に第2の金属層が作製されてよい。第2の金属層はビア用の第2のキャッチパッドを含んでよい。第2のキャッチパッドは第1のサイズより大きい第2のサイズを有してよく、PCBの第1の側に入射する光がビア付近のPCB基板の領域を通ってPCBの第2の側へ透過するのを遮るために第1の金属層中の金属フィーチャの一部と水平に重なってよい。第1の金属層のように、第2の金属層は、PCBの所望の電気的接続性を実装するために必要な複数の他の金属フィーチャも含んでよい。
【0127】
[0137] ブロック808では、ビアが作製されてよい。ビアは第1のキャッチパッドを第2のキャッチパッドに電気的に接続し、それによりPCBの第1の金属層と第2の金属層との間の電気的接続を提供してよい。ビアは、PCBの第1および第2のキャッチパッドの各々の一部(例えば、中央部分)を通して穴あけすることによって作製されてよい。金属成膜が望ましくないすべての領域を保護するために、フォトレジストが金属層に塗布され、マスクを通して露光され、現像されてよい。したがって、ビアの胴部(すなわち、ボア)は保護されないままであってよく、第1および第2のキャッチパッドを電気的に接続するために金属が胴部に沿って成膜されてよい。その後、ビアの体積は、金属で充填されるかまたは非導電材料で充填されかつその上を金属層でめっきされてよい(例えば、ビアインパッド)。ビアの体積は、ビアを通したPCBの2つの側の間の光の透過を防ぐために、充填またはめっきされてよい。
【0128】
[0138] 場合によっては、ビア全体は1ステップで穴あけおよび充填されてよい(例えば、スルーホールビア)。あるいは、ビアは複数のステップで穴あけおよび充填されてよい。スタックドマイクロビアは、例えば、PCB基板上に金属層を作製するたびにスタックドマイクロビアの部分を作製することによって、連続的に構築されてよい。具体的には、ビアのレーザー穴あけ、金属成膜、および充填の操作が、各金属層について繰り返されてマイクロビアスタックを構築してよい。
【0129】
[0139] 多層PCBは、追加のPCB基板層を提供し、その上に追加の金属層を成膜することによって製造されてよい。追加の金属層は、ビアの周囲のPCB基板の領域を通る光の透過を遮るために必要に応じて、第1のサイズ、第2のサイズ、または別のより大きいかもしくはより小さいサイズのキャッチパッドを含んでよい。加えて、PCB層およびその中のフィーチャを作製するために、本明細書に記載された技術に加えて、または本明細書に記載された技術の代わりに、他の既知のPCB製造技術が使用されてよい。使用される製造プロセスは、他にもある要素の中でもとりわけ、所望のビアのタイプまたはPCB構成要素のサイズに依存してよい。
【0130】
VII.結論
[0140] 本開示は、本出願に記載された特定の実施形態によって限定されるものではなく、実施形態は様々な態様の例証として意図されている。当業者に明らかなように、多くの修正および変形が、その範囲を逸脱することなくなされ得る。本明細書に列挙されたもの加えて、前述の説明から、本開示の範囲内の機能的に均等な方法および装置が当業者には明らかであろう。そのような修正および変形は、添付の特許請求の範囲内にあることを意図している。
【0131】
[0141] 上記の詳細な説明は、添付の図を参照して、開示されたシステム、装置、および方法の様々な特徴および機能を説明する。本明細書および図に記載された実施形態例は、限定することを意図していない。他の実施形態が利用され得、本明細書に提示された主題の趣旨または範囲を逸脱することなく、他の変更がなされ得る。本明細書に概して記載され、図に示されている本開示の態様は、多種多様な異なる構成で配置され、置き換えられ、組み合わせられ、分離され、設計され得、それらすべてが、本明細書で明確に企図されていることが容易に理解されるであろう。
【0132】
[0142] 情報の処理を表すブロックは、本明細書に記載された方法または技術の特定の論理機能を実行するように構成され得る回路網に対応してよい。追加でまたは代わりに、情報の処理を表すブロックは、モジュール、セグメント、またはプログラムコードの一部分(関連データを含む)に対応してよい。プログラムコードは、方法または技術で特定の論理機能またはアクションを実装するためのプロセッサによって実行可能な1つまたは複数の命令を含んでよい。プログラムコードおよび/または関連データは、ディスクまたはハードドライブまたは他の記憶媒体を含む記憶装置などの、任意のタイプのコンピュータ可読媒体に格納されてよい。
【0133】
[0143] コンピュータ可読媒体は、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、およびランダムアクセスメモリ(RAM)のような短期間データを格納するコンピュータ可読媒体などの、非一時的コンピュータ可読媒体も含んでもよい。コンピュータ可読媒体は、例えば、読出し専用メモリ(ROM)、光もしくは磁気ディスク、コンパクトディスク読出し専用メモリ(CD-ROM)のような、二次記憶装置または長期永続記憶装置などの、より長い期間プログラムコードおよび/またはデータを格納する非一時的コンピュータ可読媒体も含んでよい。コンピュータ可読媒体は、任意の他の揮発性または不揮発性記憶システムであってもよい。コンピュータ可読媒体は、例えばコンピュータ可読記憶媒体、または有形の記憶装置と見なされてよい。
【0134】
[0144] さらに、1つまたは複数の情報伝達を表すブロックは、同じ物理装置中のソフトウェアおよび/またはハードウェアモジュール間の情報伝達に対応してよい。しかしながら、他の情報伝達が、異なる物理装置中のソフトウェアモジュールおよび/またはハードウェアモジュール間であってもよい。
【0135】
[0145] 図に示す特定の構成は、限定として見なされるべきではない。他の実施形態は、所与の図に示すよりも多いか、または少ない各要素を含み得ることが理解されるべきである。さらに、示した要素の一部は、組み合わされるか、または除外され得る。さらにまた、実施形態例は、図に示していない要素を含み得る。
【0136】
[0146] 加えて、本明細書または特許請求の範囲における要素、ブロック、またはステップの任意の列挙は、明確にするためのものである。したがって、そのような列挙は、これらの要素、ブロック、もしくはステップが特定の構成に従うか、または特定の順序で実施されることを要求または暗示すると解釈されるべきではない。
【0137】
[0147] さまざまな態様および実施形態を本明細書に開示してきたが、当業者には、他の態様および実施形態が明らかであろう。本明細書に開示されたさまざまな態様および実施形態は、例証を目的とし、限定することを意図しておらず、その真の範囲は以下の特許請求の範囲によって示される。