(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-24
(45)【発行日】2022-12-02
(54)【発明の名称】ディスプレイシステム及びライトガイド
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20221125BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20221125BHJP
G02B 3/00 20060101ALN20221125BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
F21S2/00 433
G02B3/00 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021130436
(22)【出願日】2021-08-10
(62)【分割の表示】P 2018564223の分割
【原出願日】2017-05-30
【審査請求日】2021-08-10
(32)【優先日】2016-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100110803
【氏名又は名称】赤澤 太朗
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】オーデルカーク,アンドリュー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ウォン,ティモシー エル.
(72)【発明者】
【氏名】マクドウェル,エリン エー.
(72)【発明者】
【氏名】ユン,ジシェン
(72)【発明者】
【氏名】ブノワ,ジル ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】エター,ジョー アン
【審査官】井亀 諭
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第205139462(CN,U)
【文献】国際公開第2013/038633(WO,A1)
【文献】特開2004-171947(JP,A)
【文献】特表2016-514283(JP,A)
【文献】特表2010-527100(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/01-27/02
F21S 2/00
G02B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光軸に中心を合わせた1つ以上のレンズを有する投影レンズシステムと、
ライトガイドであって、
光を受けるように適合された光挿入部、
前記光挿入部から
第1の折り返し部を通して光を受けるように配設された光搬送部、及び
前記光搬送部から
第2の折り返し部を通して光を受けるように配設された光取出部であって、前記光取出部の出力表面上の位置とともに変化する前記光軸に対する角度を有する、光出力中心光線方向を提供するように構成されており、かつ、前記光挿入部から前記光軸に沿って分離されて前記光取出部と前記光挿入部との間に空間を形成している、光取出部、を備える、ライトガイドと、
前記光取出部と光学的に連絡している空間光変調器と、を備え、
前記ライトガイドは、前記光取出部が前記光挿入部に対面するように折り返されている、
ディスプレイシステム。
【請求項2】
前記光挿入部は、前記光挿入部内に受けた光を少なくとも部分的にコリメートするように構成された光学要素を備える、請求項
1に記載の
ディスプレイシステム。
【請求項3】
前記光挿入部が受けた前記光は主として第1の方向に沿って伝播
し、
前記光搬送部は第1のセグメントを有し、前記光搬送部が受けた前記光は前記第1のセグメント内で主として第2の方向に沿って伝播
し、
前記光取出部が受けた前記光は主として第3の方向に沿って伝播
し、
前記第1の方向と前記第2の方向との間の第1の夾角は少なくとも140度であり、前記第1の方向と前記第3の方向との間の第2の夾角は40度未満である、
請求項1に記載のディスプレイシステム。
【請求項4】
前記光取出部は互いに反対側にある第1の主表面及び第2の主表面を有し、前記第1の主表面は、前記光取出部から前記第2の主表面を通して前記光挿入部に向けて光を取り出すように配設された、間隔を空けた複数の個別の光取出フィーチャを備える、
請求項
3に記載の
ディスプレイシステム。
【請求項5】
前記投影レンズシステムは、1つ以上のレンズを有しかつ光学的にアクティブな最大横方向寸法を有
し、
前記空間光変調器は、光学的にアクティブな最大横方向寸法を有するイメージャであって、前記イメージャが形成した画像は前記投影レンズシステムによって投影され
、
前記ライトガイドは、前記投影レンズシステムと前記イメージャとの間に配設された
前記光取出部を備え
、前記光取出部は、前記受けた光を取り出し前記イメージャに向けて導くための、間隔を空けた複数の個別の光取出フィーチャを備え、
前記投影レンズシステムの前記光学的にアクティブな最大横方向寸法は、前記イメージャの前記光学的にアクティブな最大横方向寸法の80パーセント以下である、
請求項1に記載のディスプレイシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
光学システムは、ディスプレイパネルと、ディスプレイパネルからの光を受けこの光を見る人の目に導くレンズシステムとを含むことができる。
【発明の概要】
【0002】
本明細書のいくつかの態様では、画像を形成するためのイメージャと、イメージャによって形成された画像を投影するための投影レンズシステムと、を含むディスプレイシステムが提供される。イメージャは、間隔を空けた複数の個別のピクセルを備える。複数のピクセル中の各ピクセルに関して、イメージャは、イメージャにおけるピクセルの位置とともに変化する方向を有する中心光線を有する光錐を放射するように構成されている。該変化は、投影レンズシステムを通して投影された画像の明るさを少なくとも30パーセント高める。
【0003】
本明細書のいくつかの態様では、光軸に中心を合わせた1つ以上のレンズを有する投影レンズシステムと、ライトガイドと、空間光変調器と、を含むディスプレイシステムが提供される。ライトガイドは、光を受けるように適合された光挿入部、光挿入部から光を受けるように配設された光搬送部、及び、光搬送部から光を受けるように配設された光取出部、を含む。光取出部は、光取出部の出力表面上の位置とともに変化する光軸に対する角度を有する、光出力中心光線方向を提供するように構成されている。光取出部は、光挿入部から光軸に沿って分離されて光取出部と光挿入部との間に空間を形成している。空間光変調器は光取出部と光学的に連絡しており、ライトガイドは、光取出部が光挿入部に対面するように折り返されている。
【0004】
本明細書のいくつかの態様では、1つ以上のレンズを有しかつ光学的にアクティブな最大横方向寸法を有する、投影レンズシステムと、光学的にアクティブな最大横方向寸法を有するイメージャと、ライトガイドと、を含むディスプレイシステムが提供される。イメージャによって形成された画像が、投影レンズシステムによって投影される。ライトガイドは、光源から光を受け、投影レンズシステムとイメージャとの間に配設された光取出部を含む。光取出部は、受けた光を取り出しイメージャに向けて導くための、間隔を空けた複数の個別の光取出フィーチャを含む。投影レンズシステムの光学的にアクティブな最大横方向寸法は、イメージャの光学的にアクティブな最大横方向寸法の80パーセント以下である。
【0005】
本明細書のいくつかの態様では、光を受けるように適合された光挿入部と、光挿入部から第1の折り返し部を通して光を受けるように配設された光搬送部と、光搬送部から第2の折り返し部を通して光を受けるように配設された光取出部と、を含むライトガイドが提供される。光取出部は、光挿入部から間隔を空けられて光挿入部に対面している。
【0006】
本明細書のいくつかの態様では、光を受けるように適合された光挿入部と、光挿入部から光を受けるように配設された光搬送部と、光搬送部から光を受けるように配設された光取出部と、を含むライトガイドが提供される。光挿入部が受けた光は、主として第1の方向に沿って伝播する。光搬送部は第1のセグメントを有し、光搬送部が受けた光は第1のセグメント内で主として第2の方向に沿って伝播する。光取出部が受けた光は、主として第3の方向に沿って伝播する。第1の方向と第2の方向との間の第1の夾角は少なくとも140度であり、第1の方向と第3の方向との間の第2の夾角は40度未満である。
【0007】
本明細書のいくつかの態様では、投影レンズシステムとライトガイドとを含むディスプレイシステムが提供される。ライトガイドは、光を受けるように適合された光挿入部と、光挿入部から光を受けるように配設された光取出部と、を含む。光挿入部が受けた光は、主として第1の方向に沿って伝播する。光取出部が受けた光は、主として第2の方向に沿って伝播する。第1の方向と第2の方向との間の夾角は、少なくとも120度である。光取出部は、光取出部から投影レンズシステムに向けて光を取り出すように適合された、複数の光取出フィーチャを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2B】基準発光システムにおいてピクセルから出力される光の断面図である。
【
図2C】発光システムにおいてピクセルから出力される光の断面図である。
【
図11A】光方向転換要素を含むピクセルの断面図である。
【
図11B】光方向転換要素を含むピクセルの断面図である。
【
図16B】それぞれ、ディスプレイシステムの断面図及び斜視図である。
【
図16C】それぞれ、ディスプレイシステムの断面図及び斜視図である。
【
図25】ヘッドマウントディスプレイの概略上面図である。
【
図29】2つの方向の間の夾角を概略的に表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ディスプレイシステムは、ディスプレイパネルと、ディスプレイパネルから光を受けこの光の少なくとも一部にディスプレイシステムの射出瞳を通過させるレンズシステムと、を含むことができる。レンズシステムは、反射偏光子と、反射偏光子の隣に間隔を空けて配された部分反射体と、反射偏光子と部分反射体との間に配設された四分の一波リターダと、を含んでもよい。部分反射体は、ディスプレイパネルから受けた光の少なくとも一部に、反射偏光子及び射出瞳を通過させる。かかるディスプレイシステムは、例えば、仮想現実ディスプレイなどのヘッドマウントディスプレイ内で使用できるコンパクトなシステムにおいて、広い視野を提供できる。2015年9月3日に出願された、本明細書と矛盾しない範囲で参照によって本明細書に組み込まれる、同時係属中の米国仮特許出願第62/214,049号に、有用なディスプレイシステムが記述されている。
【0010】
本明細書によれば、光出力の方向又は光出力のコリメーションの程度の一方又は両方が好適に変更されるようにディスプレイパネルの光出力を変更することによって、ディスプレイパネルが放射する光が射出瞳を通過する割合が、従来のディスプレイシステムと比較して実質的に増加することが見出されている。本明細書の他の箇所で更に記載するように、このことは、ディスプレイパネルと部分反射体との間に光方向転換層を含めることによって(例えば、ディスプレイパネルの表面上に直接、光方向転換層を含めることによって)、又は、ディスプレイパネルを照射するのに使用されるバックライトを修正することによって、達成され得る。
【0011】
図1は、発光システム132とレンズシステム119と射出瞳135とを含む、光学システム100の概略断面図である。発光システム132は、レンズシステム119が効率的に利用することのできる光出力を提供するように適合されている。発光システム132は、光方向転換層及び/又は少なくとも部分的にコリメートされたバックライトを含んでもよい。本明細書の他の箇所で、好適な発光システムについて更に記述する。発光システム132などの発光システムはピクセル式であってもよく、ピクセル式システム又はピクセル式ディスプレイと呼ばれる場合がある。光学システム100は、例えばヘッドマウントディスプレイにおいて利用可能なディスプレイシステムであってもよい。
【0012】
レンズシステム119は、発光システム132と射出瞳135との間に配設された第1の光学積層体110を含み、第2の光学積層体120は、第1の光学積層体110と射出瞳135との間に配設されている。第1の光学積層体110及び/又は第2の光学積層体120は、実質的に平坦であってもよく、又は、1つ以上の軸線周りに湾曲していてもよい。一部の実施形態では、第1の光学積層体110及び第2の光学積層体120の各々は、直交する第1の軸線及び第2の軸線に沿って、発光システム132に向かって凸状である。
図1では、xyz座標系が設定されている。直交する第1の軸線及び第2の軸線はそれぞれ、x軸及びy軸であってもよい。
【0013】
第1の光学積層体110は、互いに反対側にある第1主表面114及び第2主表面116を有する、第1の光学レンズ112を含む。第1の光学積層体110は、第1主表面114上に配設された部分反射体117を含む。部分反射体117は所望の又は所定の複数の波長において少なくとも30%の平均光反射率を有し、これらの所望の又は所定の複数の波長において少なくとも30%の平均光透過率を有してもよく、これらの波長は本明細書の他の箇所で記述する波長範囲のいずれであってもよい。一部の実施形態では、部分反射体117は、所望の又は所定の複数の波長において少なくとも40%の平均光反射率、及び、これらの所望の又は所定の複数の波長において少なくとも40%の平均光透過率を有する。
【0014】
第2の光学積層体は、第1主表面124及び第2主表面126を有する、第2の光学レンズ122を含む。第2の光学積層体120は、第2主表面126上に配設された、反射偏光子127を含み、かつ、その反射偏光子127上に配設された、四分の一波リターダ125を含む。四分の一波リターダ125は、反射偏光子127上に積層されたフィルムであってもよく、又は、反射偏光子127に適用されたコーティングであってもよい。光学システム100は、1つ以上の追加的なリターダを含んでもよい。例えば、第2の四分の一波リターダを第1の光学積層体110内に含めてもよく、第2の主表面116上に配設してもよい。光学システム100内に含まれる、第1の四分の一波リターダ125及び任意の追加的な四分の一波リターダは、少なくとも1つの所定の又は所望の複数の波長のうちの少なくとも1つの波長での、四分の一波リターダであってもよい。第2の光学積層体120は、別法として、第2のレンズ122と、その第2のレンズ122上に配設された反射偏光子127とを含むものとして説明することができ、第1の四分の一波リターダ125は、第2の光学積層体120内に含まれているのではなく、第2の光学積層体120上に配設されている、別個の層又はコーティングと見なすことができる。この場合、第1の四分の一波リターダ125は、第1の光学積層体110と第2の光学積層体120との間に配設されているものとして説明することができる。一部の実施形態では、第1の四分の一波リターダ125は、第2の光学積層体120には取り付けられない場合があり、一部の実施形態では、第1の四分の一波リターダ125は、第1の光学積層体110と第2の光学積層体120との間に配設され、それらの光学積層体から間隔を空けて配設されている。更に他の実施形態では、第1の四分の一波リターダ125は、部分反射体117上に配設することができ、第1の光学積層体110内に含まれているものとして説明することができ、又は、第1の光学積層体110と第2の光学積層体120との間に配設されているものとして説明することもできる。
【0015】
第1のレンズ112及び第2のレンズ122の一方又は両方が、屈折レンズであってもよい。屈折レンズは、通過時に所望の屈折力を提供する光学レンズである。一部の実施形態では、第1のレンズ112及び第2のレンズ122の一方又は両方は、通過時の屈折力が低いか又は実質的にゼロであってもよく、反射時にはレンズの形状に起因する屈折力を提供してもよい。互いの隣に間隔を空けて配された反射偏光子及び部分反射体を含む光学システムは、かかるシステムが
図1Aに図示されているような折り返された光経路を提供したので、折り返し光学システム(folded optical system)と呼ばれる場合がある。かかる折り返された光経路は提供しないが屈折レンズを含む光学システムは、屈折光学システムとして記述される場合がある。
【0016】
光線137及び138は各々、発光システム132を出て射出瞳135を通過する。光線138は、折り返された光軸140を光学システム100に関して画定する光経路を有する中心光線であってもよく、光学システム100は折り返された光軸140に中心を合わせられていてもよい。
【0017】
発光システム132は、例えば、液晶ディスプレイ(liquid crystal display、LCD)パネル、及び有機発光ダイオード(organic light emitting diode、OLED)ディスプレイパネルを含む、任意の好適な種類のディスプレイパネルを含んでもよい。ディスプレイパネルは、例えば、
図1Aに図示するように、実質的に平坦若しくは平面状であってもよく、又は、
図1Bに図示するように、湾曲していてもよく、又は、
図1Cに図示するように、互いに対して鈍角に配設された、複数の平坦な若しくは平面状のパネルを含んでもよい。
図1Bは、少なくとも1つの軸線周りに湾曲していてもよく光学システムのレンズに向かって凹状であってもよいディスプレイパネル130bを含む、発光システム132bの概略断面図である(例えば、ディスプレイパネル130bは、レンズ112及び122に向かって湾曲していてもよい)。ディスプレイパネル130bは、1つの次元で湾曲していてもよく(単純曲面)、又は2つの次元で湾曲していてもよい(複合曲面)。例えば、ディスプレイパネル130bは、直交するx方向及びy方向の一方若しくは双方で、湾曲していてもよい。2つの次元で湾曲しているディスプレイパネルは、2つの異なる曲率半径を有し得る(例えば、x方向での曲率とy方向での曲率とは異なり得る。かかるディスプレイはトロイダル型と呼ばれる場合がある)。
図1Cは、実質的に平面状のパネル130c-1、130c-2、及び130c-3を含む、発光システム132cの概略断面図である。パネル130c-1及びパネル130c-2は、互いに対して鈍角θ1で配設されており、パネル130c-2及びパネル130c-3は、互いに対して鈍角θ2で配設されている。パネル130c-1、パネル130c-2、及びパネル130c-3は、光学システムのレンズに対面するように配設されている(例えば、パネル130c-1、パネル130c-2、及びパネル130c-3は、レンズ112及びレンズ122の方に面していてもよい)。ディスプレイパネル130b及び130cのいずれかを、
図1Aの発光システム132において使用してもよく、本明細書の他の箇所で記述する他の光学システムにおいて使用してもよい。
【0018】
再び
図1Aを参照すると、光線137は(及び、同様に光線138に関して)、順に、発光システム132から放射され、第2主表面116(及び、その上の任意のコーティング又は層)を通過し、第1の光学レンズ112を通過し、部分反射体117を通過し、反射偏光子127上に配設された四分の一波リターダ125を通過し、反射偏光子127で反射し、四分の一波リターダ125を通過して戻され、部分反射体117で反射し、四分の一波リターダ125を通過し、反射偏光子127を通過し、第2のレンズ122を通過し、射出瞳135を通過する。光線137は、四分の一波リターダ125を通過する際に第1の偏光状態へと回転される偏光状態を有して、発光システム132から放射されてもよい。発光システム132は、所望の偏光状態を提供するための偏光調整要素を含んでもよい。所望の偏光状態の光を放射する発光システムは、高コントラストの画像をもたらす。第1の偏光状態は、反射偏光子127に関する遮断状態であってもよい。光線137が、第1の四分の一波リターダ125を通過し、部分反射体117で反射され、四分の一波リターダ125を通過して戻った後では、その偏光状態は、第1の偏光状態に実質的に直交する、第2の偏光状態である。光線137は、したがって、最初に反射偏光子127に入射するときは、反射偏光子127で反射することができ、2回目に反射偏光子127に入射するときは、反射偏光子127を通過することができる。
【0019】
他の光線(図示せず)は、マイナスz方向で部分反射体117に入射するときに、部分反射体117で反射するか、又は、プラスz方向で部分反射体117に入射するときに、部分反射体117を通過する。これらの光線は、光学システム100から出てもよい。
【0020】
一部の実施形態では、発光システム132から放射され射出瞳135を通過する実質上いずれの主光線も、その主光線が第1の光学積層体110又は第2の光学積層体120に最初に入射するときは、又はそのように入射するときは毎回、約30度未満、約25度未満、又は約20度未満の入射角で、第1の光学積層体110及び第2の光学積層体120の各々に入射する。本明細書の光学システムのいずれかにおいて、発光システム132が放射し射出瞳134を通過する実質上いずれの主光線も、その主光線が反射偏光子又は部分反射体に最初に入射するときは、又はそのように入射するときは毎回、約30度未満、約25度未満、又は約20度未満の入射角で、反射偏光子及び部分反射体の各々に入射する。発光システムが放射し射出瞳を通過する全ての主光線の大部分(例えば、約90パーセント以上、又は約95パーセント以上、又は約98パーセント以上)が、ある条件を満たしている場合、実質的にいずれの主光線も、その条件を満たしていると言うことができる。
【0021】
発光システム132が放射した光が反射偏光子127に最初に入射するとき、様々な要因により、光が反射偏光子127を部分的に通過する可能性がある。このことは、射出瞳135での、望まれないゴースト発生又は画像の不鮮明化を引き起こす恐れがある。これらの要因としては、様々な偏光構成要素の成形中の性能低下、及び光学システム100内での望まれない複屈折を挙げることができる。これらの要因の影響が組み合わされることにより、光学システム100のコントラスト比及び効率が低下する恐れがある。コントラスト比に対するこれらの要因の影響は、2015年9月3日に出願され既に参照によって本明細書に組み込まれている同時係属中の米国仮特許出願第62/214,049号により詳細に記述されている。かかる要因は、例えば、レンズ内での望まれない複屈折を低減することが可能な、比較的薄い光学レンズを使用すること、及び、例えば、光学フィルムの熱成形に起因する光学的アーチファクトを低減することが可能な、薄い光学フィルムを使用することによって、最小限に抑えることができる。一部の実施形態では、第1の光学レンズ112及び第2の光学レンズ122は各々、7mm未満、5mm未満、又は3mm未満の厚さを有し、例えば、1mm~5mm、又は1mm~7mmの範囲の厚さを有し得る。一部の実施形態では、反射偏光子127は、75マイクロメートル未満、50マイクロメートル未満、又は30マイクロメートル未満の厚さを有し得る。一部の実施形態では、射出瞳135でのコントラスト比は、光学システム100の視野にわたって、少なくとも40、又は少なくとも50、又は少なくとも60、又は少なくとも80、又は少なくとも100、又は少なくとも150、又は少なくとも200、又は少なくとも300である。
【0022】
フィルムは、フィルムを所望の形状に変形又は延伸させる任意の成形工程によって、複合曲面(2つの直交する軸線周りに湾曲している)の形状とすることができる。好適な成形工程には、温度の上昇が含まれても含まれなくてもよい(熱成形)。好適な成形工程は、熱成形工程及び/又は加圧工程(圧力の適用を介してフィルムを所望の形状に変形又は延伸させること)を含む。成形前に一軸配向されたポリマー製多層光学フィルムを成形することによって製作される、2つの直交する軸線周りに湾曲している凸状の反射偏光子は、本明細書の光学システムにおいて使用するときに特に有利であることが見出されている。例えば、かかるフィルムを利用するとき、他の反射偏光子を使用するのと比べて、コントラスト比が著しく高くなり得ることが見出されている。ただし、非一軸配向の多層ポリマーフィルム反射偏光子、又はワイヤグリッド偏光子などの、他の反射偏光子も使用することができる。一部の実施形態では、一軸配向の多層反射偏光子は、APF(Advanced Polarizing Film、ミネソタ州St.Paulの3M Companyから入手可能)である。一部の実施形態では、光学システムは熱成形APF又は圧力成形APFを含み、光学システムにおける、熱成形APF又は圧力成形に入射する任意の又は実質的に任意の主光線は、低い入射角(例えば約30度未満、約25度未満、又は約20度未満)を有する。
【0023】
一部の実施形態では、湾曲した反射偏光子ではなく実質的に平坦な反射偏光子を含むレンズシステムを利用することもできる。一部の実施形態では、反射偏光子は、1つの軸線周りに湾曲しており、一部の実施形態では、反射偏光子は2つの直交する軸線周りに湾曲している。反射偏光子は、実質的に平坦な、又は1つの軸線周りに若しくは2つの直交する軸線周りに実質的に湾曲している、多層光学フィルムであってもよい。反射偏光子は、実質的に平坦な、又は1つの軸線周りに若しくは2つの直交する軸線周りに実質的に湾曲している、ワイヤグリッド偏光子であってもよい。
【0024】
様々な主表面(例えば、第2の主表面126及び第1の主表面114)の形状を好適に選択することによって、この光学システムは、画像を予め歪ませる必要のない、十分に低い歪みを実現し得ることが見出されている。一部の実施形態では、発光システム132は、歪みのない画像を発するように適合されている。部分反射体117及び反射偏光子127は、射出瞳135を通過した、放射された歪みのない画像の歪みが、射出瞳135での視野の約10%未満、又は約5%未満、又は約3%未満となるように選択された、異なる形状を有し得る。射出瞳での視野は、例えば、80度よりも大きく、90度よりも大きく、又は100度よりも大きくてもよい。
【0025】
図2Aは、レンズシステム219と発光システム232と射出瞳235とを含む、光学システム200の断面図である。レンズシステム219は、第1の光学積層体210と第2の光学積層体220とを含む。ピクセル241、242、及び243から放射される光が、
図2Aに図示されている。ピクセル241からの光247は、射出瞳235の中心を通過する主光線を含む。第1の光学積層体210は、レンズ212と、射出瞳235と対面しているレンズ212の主表面上に配設された部分反射体と、を含む。第2の光学積層体220はレンズ222を含み、発光システム232と対面しているレンズ222の主表面上に配設された反射偏光子を含む。部分反射体と対面している反射偏光子上に配設されているか、又は反射偏光子と対面している部分反射体上に配設されているかのいずれかにより、四分の一波リターダが含まれている。レンズ212及びレンズ222は、直交する軸線(例えばx軸及びy軸)周りで発光システム232に向かって凸状である。他の実施形態では、第1のレンズ及び第2のレンズの一方若しくは双方は、凸状ではない1つ以上の表面を有し得る。一部の実施形態では、一方又は双方のレンズが平凸であり、一部の実施形態では、一方又は双方のレンズが平凹である。一部の実施形態では、一方のレンズが平凸であり、他方のレンズが平凹である。一部の実施形態では、反射偏光子はディスプレイに向かって凸状である表面上に配設されており、四分の一波リターダは平坦面上に配設されている。ディスプレイに向かって凸状である表面は、例えば、レンズの曲面がディスプレイに対面する状態で配設されている、平凸レンズの曲面、又は、レンズの平坦面がディスプレイに向き合う状態で配設されている、平凹レンズの曲面とすることができる。
【0026】
図2B~
図2Cは、いずれも
図2Aの発光システム232のピクセル241に対応する、発光システム232bのピクセル241bから放射される光、及び発光システム232cのピクセル241cが放射する光を、概略的に図示している。従来のディスプレイパネルからの光は通常であれば、光束239bとして放射されることになり、これは例えば、ディスプレイパネルに対する法線に沿って中心光線237bを有するランベルト分布を有し得る。一部の実施形態では、発光システム232cは、中心光線237bの方向を主光線247の方向に向けて曲げる、光方向転換層を含む。これらの事例では、発光システム232bは、光方向転換層を有さないこと以外には発光システム232cと同等であり得る。本明細書の他の箇所で更に記述するように、光方向転換層は、各光方向転換要素がディスプレイパネル中の異なるピクセルの群に対応している、複数の光方向転換要素を含んでもよい。角度αは、
図2Bでは、主光線247と中心光線237bとの間に図示されている。一部の実施形態では、少なくとも1つのピクセルに関して、このピクセルに対応する光方向転換要素は、ピクセルが放射した中心光線247cと主光線247との間の角度αを小さくする。一部の実施形態では、発光システム232cは、中心光線237cの方向が主光線247の方向に向けて曲げられるように光出力を導くことのできる、少なくとも部分的にコリメートされたバックライトを含む。本明細書の他の箇所で更に記述するように、少なくとも部分的にコリメートされたバックライトは、ランベルト出力よりも実質的によりコリメートされた光出力を生成する。これらの事例では、発光システム232bは、中心光線がディスプレイ表面の法線方向に向けられた実質上のランベルト出力を生むバックライトを有すること以外には、発光システム232cと同等であり得る。
【0027】
光方向転換層が受けた光の発散角を小さくする光方向転換層は、光を少なくとも部分的にコリメートすると言うことができる。一部の実施形態では、角度αは、発光システム232cでは、少なくとも1つのピクセルについて、少なくとも5度、又は少なくとも10度だけ、上記のその他の点では同等の発光システム232bよりも小さくなる。一部の実施形態では、角度αは、発光システム232cでは、ピクセルの大部分(半分超)について又は実質的に全てのピクセルについて、少なくとも5度、又は少なくとも10度だけ、上記のその他の点では同等の発光システム232bよりも小さくなる。
【0028】
レンズシステム219に関する受け入れ角度φが、
図2B~
図2Cに図示されている。発光システム232cのピクセル241cから放射される光の、受け入れ角度φ内にある割合は、光方向転換層又は少なくとも部分的にコリメートされたバックライトを含まないこと以外は同等である発光システム232bのピクセル241bから放射される光の割合と比較して、より大きい。このことは、中心光線を主光線方向のより近くに方向転換すること、及び、光出力を少なくとも部分的にコリメートすることの、一方又は両方に起因し得る。複数のピクセルを含む発光システムは、ピクセル式システム又はピクセル式ディスプレイと呼ばれる場合もあり、発光システムとレンズシステムとを含む光学システムは、ディスプレイシステム又は画像化システムと呼ばれる場合がある。光方向転換構成要素(例えば光方向転換層又は少なくとも部分的にコリメートされたバックライト)を含まないこと以外は同等な発光システムは、基準ピクセル式システムと呼ばれる場合があり、基準ピクセル式ディスプレイシステムを含む対応するディスプレイシステムは、その他の点では同等なディスプレイシステム、又は基準ディスプレイシステムと呼ばれる場合がある。一部の実施形態では、複数のピクセル中の各ピクセルに関して、ピクセル式システムは中心光線を有する光錐を放射するように適合されており、この中心光線は、ピクセル式システムにおけるピクセルの位置とともに変化する方向を有し、この結果、このピクセル式のシステムが放射する、光学レンズシステムの受け入れ角度内にある総光量は、基準ピクセル式システムの中心光線の方向がピクセルに対して法線方向であること以外にはピクセル式システムと同等な基準ピクセル式システムの場合よりも、少なくとも30パーセント高い、又は少なくとも50パーセント高い、又は少なくとも100パーセント高い、又は少なくとも200パーセント高い、又は少なくとも300パーセント高い、又は少なくとも400パーセント高い。
【0029】
一部の実施形態では、本明細書の光学システムの射出瞳でのこの光学システムの明るさは、光方向転換構成要素を含まないこと以外は同等な光学システムの場合よりも、少なくとも20パーセント高い、又は少なくとも30パーセント高い、又は少なくとも100パーセント高い、又は少なくとも200パーセント高い、又は少なくとも300パーセント高い、又は少なくとも400パーセント高い。本明細書の他の箇所で更に記述するように、光方向転換構成要素は、光方向転換層、複数の光方向転換要素(例えば、マイクロレンズアレイ若しくは複数のプリズム要素)、又は少なくとも部分的にコリメートされたバックライトであってもよい。
【0030】
図3は、発光システム332と、射出瞳335と、第1の主表面314及び第2の主表面316を含む光学レンズ312を含む一体型光学積層体310と、を含む光学システム300の概略断面図である。発光システム332は、本明細書の他の箇所で記述される発光システムのいずれかであってもよく、例えば、光方向転換層及び/又は部分的にコリメートされたバックライトを含んでもよい。第1の四分の一波リターダ325は、光学レンズ312の第1の主表面314上に配設されており、反射偏光子327は、光学レンズ312の反対側で第1の四分の一波リターダ325上に配設されている。部分反射体317は、光学レンズ312の第2の主表面316上に配設されており、第2の四分の一波リターダ315は、光学レンズ312の反対側で部分反射体317上に配設されている。光学システム300は、発光システム332から出て射出瞳335を通過する中心光線の光経路によって画定され得る、折り返された光軸340に中心を合わせられていてもよい。一部の実施形態では、光学レンズ312は一体の構成要素である。
【0031】
一体型光学積層体310は、最初に、第1の四分の一波リターダ325が反射偏光子327にコーティング又は積層されている反射偏光子327を形成し、次いで、この結果に得られるフィルムを所望の形状に熱成形することによって製作することができる。2015年9月3日に出願され既に参照によって本明細書に組み込まれている同時係属中の米国仮特許出願第62/214,049号に更に記述されているように、熱成形器具は、フィルムが冷却後に所望の形状を得るように、所望の形状とは異なる形状を有してもよい。部分反射体317及び第2の四分の一波リターダ315は、四分の一波リターダを部分反射体フィルム上にコーティングすることによって、部分反射体コーティングを四分の一波リターダフィルム上にコーティングすることによって、部分反射体フィルム及び四分の一波リターダフィルムを1つに積層することによって、又は、最初にフィルムインサート成形工程でレンズ312(これは反射偏光子327及び第1の四分の一波リターダ325を含むフィルム上に形成されてもよい)を形成し、次いで部分反射体317を第2の主表面316上にコーティングし四分の一波リターダ315を部分反射体317上にコーティングすることによって、準備されてもよい。一部の実施形態では、反射偏光子327及び第1の四分の一波リターダ325を含む第1のフィルムが提供され、部分反射体317及び第2の四分の一波リターダ315を含む第2のフィルムが提供され、次いで、フィルムインサート成形工程で第1の熱成形されたフィルムと第2の熱成形されたフィルムとの間にレンズ312を射出成形することによって、一体型光学積層体310が形成される。第1のフィルム及び第2のフィルムは、射出成形ステップの前に熱成形されてもよい。本明細書の他の光学積層体は同様に、コーティングされたフィルム又はラミネートであってもよい光学フィルムを熱成形すること、及び、光学積層体を製作するためのフィルムインサート成形工程を使用することによって、製作されてもよい。第2のフィルムをフィルムインサート成形工程内に含めて、この成形工程で形成されるレンズがこれらのフィルム間に配設されるようにしてもよい。
【0032】
代替の実施形態では、第1の四分の一波リターダ325は、第1の主表面314上ではなく、第2の主表面316上に配設されてもよい。一体型光学積層体は、反射偏光子327を所望の形状に熱成形すること、及びレンズ312を反射偏光子327上に射出成形することによって、形成されてもよい。第1の四分の一波リターダ325を次いで第2の主表面316上にコーティング(例えばスピンコート)してもよく、その後、部分反射体317を第1の四分の一波リターダ325上に蒸気コーティングすることができる。第2の四分の一波リターダは、部分反射体上にコーティングしてもよいし、ディスプレイパネル332上に配設してもよいし、部分反射体317とディスプレイパネル332との間に位置付けてもよい。
【0033】
部分反射体317は所望の又は所定の複数の波長において少なくとも30%の平均光反射率を有し、上記の所望の又は所定の複数の波長において少なくとも30%の平均光透過率を有してもよく、これらの波長は本明細書の他の箇所で記述する波長範囲のいずれであってもよい。光学システム300内に含まれる、第1の四分の一波リターダ325及び任意の追加的な四分の一波リターダは、少なくとも1つの所定の又は所望の複数の波長のうちの少なくとも1つの波長での、四分の一波リターダであってもよい。多層反射偏光子327は、第1の偏光状態(例えば、第1の方向へと直線的に偏光されている)を有する光を実質的に通過させ、直交する第2の偏光状態(例えば、第1の方向と直交する第2の方向へと直線的に偏光されている)を有する光を実質的に反射する。本明細書の他の箇所で更に記述するように、多層反射偏光子327は例えば、ポリマー製多層反射偏光子(例えばAPF)であってもよく、又は、ワイヤグリッド偏光子であってもよい。
【0034】
発光システム332から光線337が放射され、射出瞳335を通過する。光線337は、第2の四分の一波リターダ315及び部分反射体317を通過してレンズ312に入り、これを通過する。他の光線(図示せず)は、第2の四分の一波リターダ315を通過した後で部分反射体317で反射し、光学システム300から失われる。レンズ312を最初に通過した後で、光線は第1の四分の一波リターダ325を通過し、反射偏光子327で反射する。発光システム332は、反射偏光子327に関する通過軸線に沿った偏光を有する光を放射し、これによりこの光が、第2の四分の一波リターダ315及び第1の四分の一波リターダ325の両方を通過した後で反射偏光子327に関する遮断軸線に沿って偏光され、この結果この光が反射偏光子327に最初に入射するときにそこで反射するように、適合されていてもよい。一部の実施形態では、第2の四分の一波リターダ315に入射する光が所望の偏光を有するように、発光システム332と第2の四分の一波リターダ317との間に直線偏光子が含まれる。光線337は、反射偏光子327で反射した後で、第1の四分の一波リターダ325及びレンズ312を通過して戻り、次いで部分反射体317で反射され(図示しない他の光線は部分反射体317を通過する)、レンズ312を通って戻り、その後再び反射偏光子327に入射する。第1の四分の一波リターダ325を通過し、部分反射体317で反射し、第1の四分の一波リターダ325を通過して戻った後で、光線337は、反射偏光子327に関する通過軸線に沿った偏光を有する。光線337はしたがって、反射偏光子327を通過し、その後に射出瞳335を通過する。
【0035】
図4は、光学積層体410と発光システム432と射出瞳435とを含む、光学システム400の断面図である。発光システム432は、本明細書の他の箇所で記述する発光システムのいずれかであってもよい。ピクセル441、442、及び443から放射される光が、
図4に図示されている。ピクセル441からの光は、射出瞳435の中心を通過する主光線447を含む。発光システムは、より大きな割合の光出力が光学積層体410の受け入れ角度内に導かれるように、ディスプレイパネルの光出力を誘導及び/又は部分的にコリメートする、複数の光方向転換要素を含んでもよい。光学積層体410は、レンズ412と、射出瞳435に対面するレンズ412の主表面上に配設された反射偏光子427と、画像表面430と対面しているレンズ412の主表面上に配設された部分反射体417と、を含む。光学積層体410内の、反射偏光子とレンズ412との間に又は部分反射体とレンズ412との間に、四分の一波リターダが含まれている。レンズ412は、直交する軸線(例えばx軸及びy軸)周りで画像表面430に向かって凸状である。
【0036】
図5は、発光システム532とレンズシステム519と射出瞳535とを含む、光学システム500の断面図である。発光システム532は、本明細書の他の箇所で記述する発光システムのいずれかであってもよく、表示パネルと、より大きい割合の光出力がレンズシステム519の受け入れ角度内にあるように、ディスプレイパネルの光出力を誘導及び/又は部分的にコリメートするように適合された、1つ以上の光学構成要素(例えば、光方向転換層及び/又は部分的にコリメートされたバックライト)と、を含んでもよい。
【0037】
レンズシステム519は、第1のレンズ512と、第2のレンズ522を含む光学積層体520と、第3のレンズ562を含む光学積層体560と、を含む。光学積層体520は、射出瞳535と対面している第2のレンズ522の主表面上に配設された部分反射体を含み、画像表面530に対面している第3のレンズ562の主表面上に配設された反射偏光子を含む。光学システム500において部分反射体と対面している反射偏光子上に配設されているか、又は反射偏光子と対面している部分反射体上に配設されているかのいずれかにより、四分の一波リターダが含まれている。反射偏光子及び部分反射体は各々、直交する軸線(例えばx軸及びy軸)に関して画像表面530に向かって凸状である。発光システム532上の3つの位置にある3つの光線束が図示されている。各束中の光線は、射出瞳535と実質的に平行である。
【0038】
図6は、ピクセル式光源630と光方向転換層650とを含む、発光システム632の概略側面図である。例えば、発光システム632を、光学システム100、200、300、400、及び500におけるそれぞれの発光システム132、232、332、432、及び532の、いずれの代わりとしても用いることができる。光方向転換層650は、ピクセル式光源630から分離されていてもよく、又は、ピクセル式光源630に取り付けられて若しくはこれと統合されていてもよい。ピクセル式光源630は、間隔を空けた複数の個別のピクセルを含む。例えば、ピクセル式光源630は、1080×1920ピクセルのアレイを有する高精細度ディスプレイパネルを備えていてもよい。単一のピクセルからの光が、
図6に図示されている。ピクセル641は、中心光線637を含む光錐639を放射する。光錐639は、θ
1の円錐角を有する発散光である。光方向転換層650の各部分又は光方向転換層650の各光方向転換要素は、その部分に又はその光方向転換要素に対応するピクセルが放射する光錐を受け、受けた光を、受けた光錐とは異なる、伝達される光の中心光線の方向及び円錐角の一方又は両方を有する光錐として伝達する。図示した実施形態では、部分656は光錐639を受け、受けた光を中心光線647を有する光錐649として伝達する。光錐649は発散光であってもよく、θ
2の円錐角を有する。中心光線647は、中心光線637とは異なる方向を有する。一部の実施形態では、中心光線647の方向と中心光線639の方向との間の角度αは、例えば、少なくとも5度、又は少なくとも10度であってもよく、80度未満、又は60度未満、又は50度未満であってもよい。円錐角θ
2は、円錐角θ
1よりも、少なくとも2度、又は少なくとも5度、又は少なくとも10度、又は少なくとも15度、小さくてもよい。一部の実施形態では、円錐角θ
1及び円錐角θ
2の一方又は両方は、10度よりも大きく、又は15度よりも大きく、又は20度よりも大きく、又は30度よりも大きくてもよい。一部の実施形態では、間の角度αはほぼ0であってもよく、円錐角θ
2は円錐角θ1よりも実質的に小さくてもよい。一部の実施形態では、円錐角θ
1及び円錐角θ
2は、ほぼ等しくてもよく、間の角度αは、ゼロよりも実質的に大きくてもよい。一部の実施形態では、角度αはゼロよりも実質的に大きくてもよく、円錐角θ
2は円錐角θ
1よりも実質的に小さくてもよい。
【0039】
本明細書の他の箇所で更に記述するように、光方向転換層650は、各光方向転換要素がピクセル式光源630中のピクセルの群に対応している、複数の光方向転換要素を含んでもよい。ピクセルの群は少なくとも1つのピクセルを含み、単一のピクセル又は複数のピクセルを含んでもよい。ある場合には、異なるピクセルの群が1つ以上の共通のピクセルを共有してもよい。他の場合には、2つの異なるピクセルの群は、共通のピクセルを含まない。光方向転換層は、複数の光方向転換要素が個別の要素である場合、又は、光方向転換層がマイクロレンズ又はフレネルレンズなどの急激に変化する構造を含む場合、複数の光方向転換要素を備えていると言うことができる。一部の実施形態では、光方向転換層650は、異なる各部分がピクセル式光源630中の異なるピクセルの群に対応している、複数の部分を含んでもよい。一部の実施形態では、これらの部分は、個別の光方向転換要素又は複数の個別の光方向転換要素であってもよい。他の実施形態では、光方向転換層は、急激に変化する構造を有さない複数の実質的に連続的に変化する部分を含んでもよい。
【0040】
図7は、ピクセル式光源730と光方向転換層750とを含む、発光システム732の概略側面図である。例えば、発光システム732を、光学システム100、200、300、400、及び500におけるそれぞれの発光システム132、232、332、432、及び532の、いずれの代わりとしても用いることができる。ピクセル式光源730は、少なくとも第1のピクセル751及び第2のピクセル752を含む、複数のピクセルを含む。ピクセル741の画像751は、ピクセル741の背後に(ピクセル式光源730からz方向に)配置された、仮想の画像である。同様に、ピクセル742の画像752は、ピクセル742の背後に配置された仮想の画像である。画像751及び752は、実質的に平面状又は実質的に非平面状であり得る、画像表面755上に配設されている。光方向転換層750は複数の部分を含み、異なる各部分がピクセル式光源730中の異なるピクセルの群に対応している。図示した実施形態では、ピクセルの各群は単一のピクセルである。光方向転換層750の部分756はピクセル741に対応しており、光方向転換層750の部分757はピクセル742に対応している。画像751及び752は、部分756及び757から異なる距離に配置されてもよい。一部の実施形態では、光方向転換層750は、複数のレンズ(又は本明細書の他の箇所で記述するような他の光方向転換要素)を含み、部分756及び757は各々、レンズを含む。画像751及び752は、部分756及び757内のそれぞれのレンズから異なる距離に配置されてもよい。ピクセル式光源730は複数のピクセルを含み、第1の画像を放射できる。光方向転換層750は、複数のピクセルの背後に、第1の画像の仮想の第2の画像を形成してもよい。他の実施形態では、光方向転換層は、仮想の画像の代わりに現実の画像を生成してもよい。これは
図8に図示されている。
【0041】
図8は、ピクセル式光源830と光方向転換層850とを含む、発光システム832の概略側面図である。例えば、発光システム832を、光学システム100、200、300、400、及び500におけるそれぞれの発光システム132、232、332、432、及び532の、いずれの代わりとしても用いることができる。ピクセル式光源830は、少なくとも第1のピクセル851及び第2のピクセル852を含む、複数のピクセルを含む。ピクセル841の画像851は、ピクセル841の正面に(ピクセル式光源830からマイナスz方向に)配置された、現実の画像である。同様に、ピクセル842の画像852は、ピクセル842の正面に配置された、現実の画像である。画像851及び852は、実質的に平面状又は実質的に非平面状であり得る、画像表面855上に配設されている。光方向転換層850は複数の部分を含み、異なる各部分がピクセル式光源830中の異なるピクセルの群に対応している。図示した実施形態では、ピクセルの各群は単一のピクセルである。光方向転換層850の部分856はピクセル841に対応しており、光方向転換層850の部分857はピクセル842に対応している。ピクセル式光源830は複数のピクセルを含み、第1の画像を放射できる。光方向転換層850は、複数のピクセルの正面に、第1の画像の現実の第2の画像を形成してもよい。画像851及び852は、部分856及び857から異なる距離に配置されてもよい。一部の実施形態では、光方向転換層850は、複数のレンズ(又は本明細書の他の箇所で記述するような他の光方向転換要素)を含み、部分856及び857は各々、レンズを含む。画像851及び852は、部分856及び857内のそれぞれのレンズから異なる距離に配置されてもよい。
【0042】
光方向転換層の例が
図9に図示されており、この例は、層930上に複数のレンズ954を含む光方向転換層950の断面図である。層930は、例えばディスプレイパネル又はディスプレイパネルの外側層であってもよく、複数のレンズ954は、ディスプレイパネル上に直接形成されてもよい。別法として、層930は、例えばポリマー製基材であってもよく、光方向転換層950がディスプレイパネルに付着又は積層されていてもよい。複数のマイクロレンズであってもよい複数のレンズ954は、ピッチPで周期的に配置構成されていてもよい。ピッチPは、ディスプレイパネル中のピクセル間のピッチと同様であるがより大きいものであってもよい。ピッチPは、ディスプレイパネルの中心近くに位置付けられたレンズが、対応するピクセルとほぼ整列されている光軸を有し、一方で、ディスプレイパネルの中心から離れているレンズが、対応するピクセルから側方にずらされている(例えば
図9のx-y平面と平行であり得るディスプレイパネルの平面内でずらされている)光軸を有するように、選択されてもよい。一部の実施形態では、このずれは、ディスプレイパネルの中心からディスプレイパネルの縁部へと単調に増加する。ずれの単調増加は、線形の増加であっても非線形の増加であってもよい。
【0043】
マイクロレンズアレイに含まれているような光方向転換層は、種々の異なる技法によって製作できる。かかる技法としては、フォトポリマーリフロー、グレースケールリソグラフィ、レーザーアブレーション、パターン形成された疎水性/親水性基材上での硬化性モノマーの浸漬コーティング、硬化性モノマーのインクジェット印刷、ダイヤモンド旋削、イオン線又は湿式エッチング、及び電着が挙げられる。他の好適な工程としては、米国特許第7、583、444号(DeVoeら)に記述されているような、2光子工程が挙げられる。
【0044】
図10は、間隔を空けた複数の個別のピクセル1044と、複数の光方向転換要素1054を含む光方向転換層1050とを含む、発光システム1032の概略側面図である。光方向転換要素1054は、レンズ954に相当し得る。ディスプレイパネル中の全てのピクセルに、又は一部のピクセルだけに、レンズが含まれてもよい。例えば、発光システム1032を含む光学システムの光軸近くの領域内のピクセルは、任意選択的に、光方向転換要素を含まなくてもよい。例えば、発光システム1032を、光学システム100、200、300、400、及び500におけるそれぞれの発光システム132、232、332、432、及び532の、いずれの代わりとしても用いることができる。光方向転換要素1056は、ピクセル1041から光錐1039を受け、受けた光を光錐1049として伝達する。本明細書の他の箇所で更に記述するように、光錐1049は、円錐角及び中心光線方向の一方又は両方が、光錐1039のものから変更されていてもよい。複数のピクセル1044は表面1033に沿って配設されており、この表面は図示した実施形態では、実質的に平面状の表面である。他の実施形態では、表面1033は湾曲していてもよい。例えば、湾曲したディスプレイパネル(例えばLCD又はOLEDパネル)は、複数のピクセルを備えていてもよい。表面1033などの表面は、これに沿ってピクセルが配設され、ピクセル式表面と呼ばれる場合がある。
【0045】
図10における複数のピクセルは、間隔を空けた個別の暗色の線で表されている。他の図では、ピクセルは、暗色の線の間の開いた空間によって表される場合がある。
図10では、暗色の線の間の空間は、隣接するピクセル間の間隙を表している。ピクセル1044は、ピクセルの、1つのピクセルの端から端までの繰り返し方向(例えば
図10のy-方向)に沿った幅であり得るピクセル幅wと、隣接するピクセル間の空間の繰り返し方向に沿った幅であり得る間隙gと、を有する。一部の実施形態では、隣接するピクセルは、ピクセル幅の約10パーセント~約100パーセントだけ間隔を空けられている(例えば、g/wは約0.1~約1の範囲内にある)。一部の実施形態では、隣接するピクセル間の間隙は、光吸収材料1036を含み、これは例えば、ブラッククロムである。OLEDディスプレイには、例えば、当技術分野で知られているように、隣接するピクセル間に、光を吸収する黒色の母材を含めてもよい。隣接するピクセル間に光吸収材料を含むことにより、発光システムと部分反射体を有するレンズシステムとを含む光学システムにおいてコントラストを高めることができるが、その理由は、レンズシステムに入射し反射して発光システムに戻される光を、光吸収材料によって少なくとも部分的に吸収できるからである。他の実施形態では、隣接するピクセル間の間隙は、実質的に光透過性である。これは、少なくとも部分的に透明なディスプレイパネル、例えば少なくとも部分的に透明なOLEDディスプレイパネルの場合に当てはまり得る。この場合コントラストを改善できるが、その理由は、反射して発光システムへと戻される、レンズシステムに入射する光が、反射して戻されレンズシステムを通ることなく(これはコントラストの低下を引き起こし得る)、少なくとも部分的に発光システムを通過できるからである。一部の実施形態では、隣接するピクセル間の間隔は小さくてもよい。例えば、一部の実施形態では、隣接するピクセル間の間隙は、ピクセル幅の10%パーセント未満、又はピクセル幅の5パーセント未満である(例えば、g/wは、0.1未満、又は0.05未満である)。一部の実施形態では、隣接するピクセル間の間隙gは、2マイクロメートル未満、又は1マイクロメートル未満、又は0.5マイクロメートル未満である。
【0046】
図11Aは、発光体1141とレンズ1154aとを含むピクセル1142を図示している。発光体1141は、中心光線1137を有する光錐1139を放射し、レンズ1154aは、光錐1139を受け、受けた光を中心光線1147を有する光錐1149として伝達する。レンズ1154aは、発光体1141から距離dだけ側方にずらされている光軸1140に、中心を合わせられている。ピクセル1142は、例えばピクセル1041と光方向転換要素1056を組み合わせたものに相当してもよい。例えば、複数のピクセル1142を含む発光システムを、光学システム100、200、300、400、及び500におけるそれぞれの発光システム132、232、332、432、及び532の、いずれの代わりとしても用いることができる。本明細書の他の箇所で更に記述するように、側方へのずれの距離dは、ディスプレイパネルの中心からディスプレイパネルの縁部へと単調に増加してもよい。
【0047】
光方向転換要素は、レンズの光軸に関して回転対称な球体若しくは非球体部分を含み得るレンズであってもよいか、又は、1つ以上の曲面を有し得るプリズム要素であってもよい。
図11Bは、レンズ1154aの代わりに使用され得る、レンズ又は光方向転換要素1154bを示している。一部の実施形態では、複数の光方向転換要素1154bは、ピクセル式光源における対応するピクセルピッチに整合するように選択されたピッチで、周期的に配置構成されていてもよい。ピクセル式光源中のピクセルは、実質上の平坦面又は実質上の曲面であってもよい、ピクセル化した表面1133に沿って配置されてもよい。光方向転換要素1154bは、互いに反対側にある第1の側部1131a及び第2の側部1131bと、第1の側部1131a及び第2の側部1131bを接続する曲面1131cと、を含む。光方向転換要素1154bは、曲面1131cとプリズム基部1196とを含むレンズ部分1194を有するものとして記述され得る。基部1196は、例えば、発光体1141bを含む表面1133と平行な平面(
図11Bのx-y平面と平行な平面)において、正方形又は矩形の断面を有してもよい。第1の側部1131a及び第2の側部1131bは例えば、平坦な面であってもよい。基部1196は、例えば、表面1133と平行な平面において、円形の断面を有してもよい。第1の側部1131a及び第2の側部1131bはその場合、円筒形の基部1196の、互いに反対側にある側部である。一部の実施形態では、第1の側部1131aは、表面1133から表面1133に対する法線(マイナスz方向に沿った法線)に沿って、第2の側部1131bよりも遠くまで延びている。プリズム要素は、プリズム構成要素(例えば基部1196)とレンズ構成要素(例えば曲面1131c)とを含むように理解することができ、この場合、レンズ構成要素は少なくとも1つの凸面を有する。
【0048】
発光体1141bは、中心光線1137bを有する第1の光錐を放射する。第1の光錐は、光方向転換要素1154bによって受けられ、中心光線1147bを有する第2の光錐として伝達される。中心光線1137aは第1の円錐軸に沿っていてもよく、中心光線1137bは第2の円錐軸に沿っていてもよい。第1の円錐軸と第2の円錐軸との間の角度αは、例えば、少なくとも5度若しくは少なくとも10度であってもよく、又は、5度~50度若しくは~60度の範囲内にあってもよい。光方向転換要素1154bは、第1の円錐軸に関して非対称であってもよい。曲面1131cは、第1の円錐軸に関して非回転対称、かつ、第1の円錐軸と平行ではなく第2の円錐軸と平行でなくてもよい軸線1193に関して、実質的に回転対称であってもよい。
【0049】
一部の実施形態では、画像化システムは、複数の発光体1141bと複数の光方向転換要素1154bとを含む。発光体1141bは、対応する光方向転換要素1154bとともにピクセルと呼ばれる場合があり、画像化システムはかかるピクセルを複数含んでもよい。一部の実施形態では、複数のピクセル中の第1のピクセルに関して、第1の円錐軸と第2の円錐軸との間の第1の角度は5度よりも大きく、又は10度よりも大きく、複数のピクセル中の別の第2のピクセルに関して、第1の円錐軸と第2の円錐軸との間の第2の角度は5度よりも大きく、又は10度よりも大きく、かつ第1の角度とは異なっている。一部の実施形態では、複数のピクセル中の大部分のピクセルに関して、第1の円錐軸及び第2の円錐軸は平行ではなく、一部の実施形態では、複数のピクセル中の大部分のピクセルに関して、第1の円錐軸と第2の円錐軸との間の角度は、少なくとも5度、又は少なくとも10度、又は5度~50度若しくは~60度の範囲内である。
【0050】
図12は、間隔を空けた複数の個別のピクセルを備え、バックライト1236から光を受けパターン化された光に光方向転換層1250を通過させるように配設された、ディスプレイパネル1230を含む、発光システム1232の概略側面図である。ディスプレイパネル1230は、液晶ディスプレイ(LCD)パネル、又は格子ベースの変調器、又は干渉ベースの変調器、又はエレクトロクロミック変調器、又は電気泳動式の変調器などの、任意の好適な空間光変調器であってもよい。他の実施形態では、有機発光ディスプレイ(OLED)が間隔を空けた複数の個別のピクセルを備え、バックライト1236は省略されてもよい。例えば、発光システム1232を、光学システム100、200、300、400、及び500におけるそれぞれの発光システム132、232、332、432、及び532の、いずれの代わりとしても用いることができる。
【0051】
一部の実施形態では、バックライト1236は、少なくとも部分的にコリメートされたバックライトであってもよい。バックライトは、バックライトから出力される光が実質的にランベルト光出力よりもコリメートされている場合に、少なくとも部分的にコリメートされたバックライトであると言うことができる。一部の実施形態では、少なくとも部分的にコリメートされたバックライトのルーメン出力の少なくとも50パーセントが、60度、又は50度、又は40度、又は30度、又は25度、又は20度の、全幅の円錐内にある。一部の実施形態では、少なくとも部分的にコリメートされたバックライトのルーメン出力の少なくとも60パーセントが、70度、又は60度、又は50度、又は40度、又は30度、又は25度の、全幅の円錐内にある。
【0052】
図13は、ピクセル1341、1342、及び1343を含む発光システム1332の概略側面図である。例えば、発光システム1332を、光学システム100、200、300、400、及び500におけるそれぞれの発光システム132、232、332、432、及び532の、いずれの代わりとしても用いることができる。各ピクセルは、中心光線及び円錐角を有する光錐を放射するように適合されている。ピクセル1341は、図示した実施形態において光軸1340と平行な中心光線1347を有する光錐1349を放射し、この光軸1340は、発光システム1332から光を受けるように配設されたレンズシステムの光軸であってもよい。ピクセル1342は、全幅の円錐角θを有する光錐を放射する。発光システム1332は、ディスプレイパネルが放射する円錐角を小さくするように適合された光方向転換層を有するディスプレイパネルを含んでもよく、このディスプレイパネルは例えば、LCD又はOLEDディスプレイパネルであってもよい。他の実施形態では、従来のバックライトで生成した場合と比較して円錐角が小さくなった出力を生成するために、ディスプレイパネルとともに、少なくとも部分的にコリメートされたバックライトを使用してもよい。例えば、少なくとも部分的にコリメートされたバックライトは、ルーメン出力の少なくとも50パーセントが、50度の全幅の円錐内にあるように、又は部分的にコリメートされたバックライトに関して本明細書の他の箇所で記述するいずれかの範囲内にあるように、光出力を生成し得る。円錐角を更に小さくするために光方向転換層を含めてもよく、又は、光方向転換層を任意選択的に省略してもよい。図示した実施形態では、ピクセル1341、1342、及び1343の各々の光出力方向は、光軸1340と実質的に平行である。他の実施形態では、光方向転換層及び/又は少なくとも部分的にコリメートされたバックライトは、発光システムから放射される光の方向を変えてもよい。これは、
図14~
図15に図示されている。
【0053】
図14は、ピクセル1441、1442、及び1443を含む発光システム1432の概略側面図である。例えば、発光システム1432を、光学システム100、200、300、400、及び500におけるそれぞれの発光システム132、232、332、432、及び532の、いずれの代わりとしても用いることができる。各ピクセルは、円錐角と中心光線とを有する光錐を放射する。ピクセル1441は、発光システム1432の又は発光システム1432から光を受けるように配設されたレンズシステムの光軸1440に対して、角度αを成す方向に沿って放射される中心光線1447を有する、光錐1449を放射する。ピクセル1442は、円錐角θを有する光錐を放射する。ピクセル1441及び1443の各々からの光は光軸1440に向けて曲げられ、ピクセル1442からの光は実質的に光軸1440に沿って放射される。一部の実施形態では、ピクセル1441、1442、及び1443の各々からの光は、少なくとも部分的にコリメートされる。他の実施形態では、ピクセルからの光は、少なくとも部分的にコリメートされることなく方向を変更されてもよい。一部の実施形態では、発光システム1432からの少なくとも部分的にコリメートされた光出力を生成するために、少なくとも部分的にコリメートされたバックライトが使用される。一部の実施形態では、バックライトの第1の部分は、少なくとも部分的にコリメートされた光を第1の方向に放射するように構成されており、バックライトの別の第2の部分は、少なくとも部分的にコリメートされた光を別の第2の方向に放射するように構成されている。例えば、ピクセル1441に対応する位置でのバックライトからの光は、中心光線1447の方向に沿って少なくとも部分的にコリメートされてもよく、ピクセル1442に対応する位置でのバックライトからの光は、光軸1440と平行な方向に沿って少なくとも部分的にコリメートされてもよい。一部の実施形態では、少なくとも部分的にコリメートされたバックライトからの光を、バックライトの放射表面にわたって滑らかに変化する方向に沿って、部分的にコリメートしてもよい。
【0054】
図15は、ピクセル1541、1542、及び1543を含む発光システム1532の概略側面図である。各ピクセルは、円錐角と中心光線とを有する光錐を放射する。ピクセル1541は、発光システム1532の又は発光システム1532から光を受けるように配設されたレンズシステムの光軸1540に対して、角度αを成す方向に沿って放射される中心光線1547を有する、光錐1549を放射する。ピクセル1542は、円錐角θを有する光錐を放射する。ピクセル1541及び1543の各々からの光は光軸1540から離れる方に曲げられ、ピクセル1542からの光は実質的に光軸1540に沿って放射される。一部の実施形態では、ピクセル1541、1542、及び1543の各々からの光は、少なくとも部分的にコリメートされる。他の実施形態では、ピクセルからの光は、少なくとも部分的にコリメートされることなく方向を変更されてもよい。一部の実施形態では、
図14に関連して更に記述するように、発光システム1532からの少なくとも部分的にコリメートされた光出力を生成するために、少なくとも部分的にコリメートされたバックライトが使用される。
【0055】
図16Aは、レンズシステム1619と、液晶ディスプレイパネル1630及びバックライト1636を含む発光システム1632と、を含む、光学システム1600の断面図であり、バックライト1636は、少なくとも部分的にコリメートされたバックライトであり、位置とともに変化する出力方向を提供するように適合されていてもよい。バックライト1636は、コリメート光学要素1660と、ライトガイド1663から少なくとも部分的にコリメートされた光として光が取り出されるような構造とされた表面1667を有する光取出要素1665と、を含むライトガイド1663を含む。バックライト1636は、コリメート光学要素1660に光を注入するように構成されている光源1661と、光取出要素1665に隣接して配設された背面反射体1668と、を更に含む。光源1661は、1つの発光ダイオード(light emitting diode、LED)又は複数のLEDなどの、任意の好適な光源であってもよい。光源1661からの光は、コリメート光学要素1660を通過するときに、コリメート光学要素1660のテーパした幾何形状に起因して、少なくとも部分的にコリメートされてもよい。光取出部1665から背面反射体1668に向かって光が取り出され、この光は次いで背面反射体1668で反射され、少なくとも部分的にコリメートされた光として所望の出力方向に沿ってレンズシステム1619に向かって光取出部1665を通過する。
【0056】
一部の実施形態では、位置とともに変化する出力方向を提供するように適合されている少なくとも部分的にコリメートされたバックライトが、光方向転換層と組み合わされている。かかる実施形態では、バックライトは、レンズシステムが利用することになる所望の方向に向けて部分的に偏向されている出力を提供し、光方向転換層は、この部分的に偏向された光を受け、レンズシステムにとっての所望の方向により厳密に合致する方向に光を伝達する。
【0057】
コリメート要素1660は、ライトガイド1663の光挿入部である。ライトガイド1663は更に、コリメート光学要素1660から第1の折り返し部1671を通して光を受けるように、及び、第2の折り返し部1674を通して光取出要素1665へと光を搬送するように配設された、光搬送部1664。光取出要素1665の構造化表面1667は、所望の出力方向に沿った光出力を生成するように配向された光取出器を含んでもよい。この表面は、例えば構造化されたニッケル製プレス加工器具などの、構造化されたプレス加工器具を使用することによって、好適に構造化され得る。好適なプレス加工器具は、シングルポイントダイヤモンド機械加工によってなど、機械加工によって調製できる。例示的なダイヤモンド旋削システム及び方法は、例えば、PCT出願公開第WO00/48037号(Campbellら)、並びに米国特許第7,350,442号(Ehnesら)及び同第7,328,638号(Gardinerら)に記載されているような高速ツールサーボ(fast tool servo、FTS)を含み、これを利用することができる。少なくとも部分的にコリメートされたバックライトは、所望の出力方向に沿った光出力を生成するように適合された格子を含んでもよい。かかるバックライトは、Fattalらによる「A multi-directional backlight for a wide-angle,grasses-free three dimensional display」、Nature、Vol.495、pp.348~351、2013年3月21日に記述されている。一部の実施形態では、構造化表面1667は、例えば、参照により本明細書と矛盾しない範囲で本明細書に組み込まれている米国第2013/0321913号(Haroldら)に記述されているような、段部同士の間に傾斜部1669を有する、一連の段部1666を含んでもよい。構造化表面1667における段部1666及び傾斜部1669は、例えば機械加工によって形成できる。傾斜部1669により、光取出要素1665からの光の取り出しがもたらされる。かかるバックライトの出力方向の分布は、段部1666間の傾斜部1669の傾斜の分布を調節することによって調節できる。一部の実施形態では、段部は、本明細書の他の箇所で更に記述するような湾曲形状を有する(例えば
図16Cを参照)。
【0058】
光学システム1600は射出瞳1635を有し、反射偏光子、吸収偏光子、吸収偏光子と反射偏光子の組み合わせであってもよいか又は任意選択的に省略してもよい、光学偏光子1670を更に含む。
【0059】
レンズシステム1619は、第1の光学レンズ1610と第2の光学レンズ1620とを含む。第1のレンズ1610は、本明細書の他の箇所で記述するような所望の複数の波長において少なくとも30%の平均光反射率を有する部分反射体が配設されている、主表面1614を含む。第2のレンズ1620は主表面1626を含み、この上に反射偏光子が配設されており、この反射偏光子は、例えば、熱成形又は圧力成形された反射偏光子であってもよく、ポリマー製多層反射偏光子又はワイヤグリッド偏光子であってもよい。反射偏光子上に四分の一波リターダを配設してもよい。
【0060】
例えば光学システム100、200、300、400、500、又は1600のいずれも、ディスプレイシステム又は画像化システムと呼ばれる場合がある。仮想現実ディスプレイなどのヘッドマウントディスプレイにおいて、これらの光学システムのいずれかを使用してもよい。
【0061】
図16B及び
図16Cはそれぞれ、画像を形成するためのイメージャ1630bとイメージャ1630bが形成した画像を投影するための投影レンズシステム1619bとを含むディスプレイシステム1600bの、断面図及び斜視図である。イメージャ1630bは複数のピクセルを含む。複数のピクセル中の各ピクセルに関して、イメージャは、中心光線を有する光錐を放射するように構成されている。中心光線は、光取出要素1665の幾何形状によって、イメージャ1630bにおけるピクセルの位置とともに変化する方向を有する。一部の実施形態では、中心光線方向の変化により、投影レンズシステムを通して投影される画像の明るさが、少なくとも30パーセント、又は少なくとも50パーセント、又は少なくとも100パーセント、又は少なくとも200パーセント増加する。投影レンズを通して投影される画像は、画像全体にわたって合焦されていてもされていなくてもよい、パターン化された光である。例えば、投影レンズを通して投影される画像は、合焦された画像を形成する中央部分と合焦されない場合がある周縁部分とを有してもよい。投影レンズシステム1619bは、
図16Bに示すような屈折レンズシステムであってもよく、又は、互いの隣に間隔を空けて配された第1の部分反射体及び第2の部分反射体を含む、折り返し光学システムであってもよい。例えば、一部の実施形態では、投影レンズシステム1619bはレンズシステム119に相当し、第1の部分反射体は部分反射体117に相当し、第2の部分反射体は反射偏光子127に相当する。一部の実施形態では、投影レンズシステム1619bは受け入れ角度を有し、中心光線方向の変化により、イメージャ1630bが放射する受け入れ角度内にある光が、少なくとも30パーセント、又は少なくとも50パーセント、又は少なくとも100パーセント、又は少なくとも200パーセントだけ増加する。
【0062】
一部の実施形態では、投影レンズシステム1619bの光学的にアクティブな最大横方向寸法D1は、イメージャ1630bの光学的にアクティブな最大横方向寸法D2の約80パーセント未満(又は約60%未満、又は約50%未満、約40%未満)である。ある構成要素の光学的にアクティブな最大横方向寸法とは、ディスプレイシステム1600bの出力を形成する際に光学的に利用されるその構成要素の部分の最大横方向寸法を指し、これは
図16Bのx-y平面における最大寸法である。例えば、ピクセル式ディスプレイパネルは通常、光学的にアクティブなピクセルの矩形エリアを有し、このピクセルの矩形エリアの周囲の境界領域の一部は、光学的にアクティブではない。この場合、光学的にアクティブな最大横方向寸法は、ピクセルの矩形エリアの対角線である。別の例として、レンズは光を受け伝達する円形エリアを有してもよく、この場合、この円形エリアの直径が、光学的にアクティブな最大横方向寸法である。
【0063】
ディスプレイシステム1600bは、光挿入部1660bと、光挿入部1660bと及びイメージャ1630bと光学的に連絡している光取出部1665bと、を有する、ライトガイド1663を含む。ライトガイド1663bは、光取出部1665bが光挿入部1660bに対面するように折り返されている。ライトガイド1663bは、第1の折り返し部1671bからの光挿入部1660bから光を受け、第2の折り返し部1673bを通して光取出部1665bに光を搬送するように構成された、光搬送部1664bを含む。イメージャ1630bは、光取出部1665bと光挿入部1660bとの間に配設された反射空間光変調器(例えば液晶オンシリコン(liquid crystal on silicon、LCoS)パネル)であってもよい。別法として、イメージャは、
図16Aに図示されているように、光挿入部の反対側に光取出部に近接して配設された、透過型空間光変調器であってもよい。
図16Bの実施形態では、光取出部1665bからイメージャ1630bに向けて、少なくとも部分的にコリメートされた光として光が取り出され、イメージャ1630bは画像化された光を反射して、光取出部1665bを通してレンズシステム1619bに向けて戻す。
【0064】
レンズシステム1619bは、(z軸と平行な)光軸1640bを有する。光挿入部1660b及び光取出部1665bは、レンズシステム1619bの光軸1640bに沿って間隔を空けられている。光軸1640bは、光挿入部1660b及び光取出部1665bと交差する。
【0065】
一部の実施形態では、構造化表面1667bは、
図16Aの構造化表面1667、段部1666、及び傾斜部1669に関して記述したように、段部1666b同士の間に傾斜部1669bを有する、一連の段部1666bを含む。段部1666又は1666bは、間隔を空けた個別の光取出フィーチャとして記述される場合がある。これらの段部の代わりに、光取出部から光を取り出すのに好適な、他の間隔を空けた個別の光取出フィーチャを使用できる。一部の実施形態では、光取出フィーチャの形状は、x軸に沿って光を集中させるz軸周りの曲率と、y軸に沿って光を集中させるy軸に沿った取出フィーチャの角度の変化との組み合わせにより、イメージャに向かって光を集中させる。取出フィーチャは、光を取り出すために全内部反射(total internal reflection、TIR)を利用するコーティングされていない材料であってもよく、又は、金属の若しくは誘電体の反射体でコーティングされていてもよい。別法として、抽出表面1667又は1667bの全体が反射偏光子でコーティングされていてもよい。これは、MacNeille偏光子、ワイヤグリッド偏光子、又は、ポリマー製多層光学フィルム反射偏光子、例えばミネソタ州St.Paulの3M Companyから入手可能なAPF若しくはDual Brightness Enhancement Film(DBEF)によって、作成できる。反射偏光子は、取出要素に一致するような形状とすることができる。このことは、例えば、接着剤の薄層を構造化表面1667又は1667bに適用することによって、並びに、反射偏光子フィルム(例えばAPF)を熱及び/又は圧力で表面に適用することによりフィルムを構造化表面に従わせることによって、行うことができる。ライトガイド1663又は1663bの1つ以上の表面は、低屈折率コーティングを有してもよく、このコーティングの屈折率は、ライトガイド内でTIR条件を維持できるものである。一部の実施形態では、低屈折率コーティングは、ライトガイドの屈折率よりも約0.05~0.2低い屈折率を有する(別様に指定されていない限り、屈折率は532nmで測定される屈折率を指す)。低屈折率コーティングは、光学的に厚いものであってよく、例えば、少なくとも0.5マイクロメートル又は少なくとも1マイクロメートルの物理的な厚さを有してもよい。
【0066】
光学システム1600又はディスプレイシステム1600bでの使用に好適な他の好適なライトガイドが、
図26~
図28に図示されている。
【0067】
図26は、光2638を受けるように適合された光挿入部2660と、光挿入部2660から光を受けるように配設された、第1のセグメント2664-1及び第2のセグメント2664-2を有する光搬送部2664と、光搬送部2664から光を受けるように配設された光取出部2665と、を含む、ライトガイド2663の概略断面図である。光挿入部2660が受けた光2638は、主として第1の方向2681に沿って伝播し、光搬送部2683が受けた光は、第1のセグメント2664-1内で主として第2の方向2683に沿って伝播し、光取出部が受けた光は、主として第3の方向2685に沿って伝播する。第1の方向2681と第2の方向2683との間の第1の夾角は、少なくとも140、又は少なくとも150度、又は少なくとも160度、又は約180度であり、第1の方向と第3の方向との間の第2の夾角は、40度未満、又は30度未満、又は20度未満である。図示した実施形態では、第1の夾角は約180度であり、第2の夾角は約0度である。第1の夾角及び第2の夾角は、光挿入部2660の向き及び/又は光取出部2685の向きを、これらの部分の両方のうちの1つがx-y平面から傾けられるように変更することによって、変更できる。2つの方向の間の夾角とは、これら2つの方向に沿った単位ベクトルのドット積の逆コサインの基本値(定義上、ゼロ~180度の範囲内)を指す。例えば、2つの方向の間の夾角の概略的な表現である
図29を参照すると、単位ベクトル2981及び2985のドット積の逆コサインが、単位ベクトル2981に沿った第1の方向と単位ベクトル2985に沿った第2の方向との間の夾角である角度φを与えている。夾角は必ずゼロ~180度の間にあるので、例えば、夾角を140度よりも大きいとして指定することは、夾角を140度~180度として指定することと等価である。
【0068】
光搬送部2664は、光挿入部2660から第1の折り返し部2671を通して光を受けるように、及びこの光を第2の折り返し部2674を通して光取出部2665へと搬送するように、配設されている。第2の折り返し部2674は、第1の下位折り返し部2674-1と第2の下位折り返し部2674-2とを含む。
【0069】
図27は、光2738を受けるように適合された光挿入部2760と、光挿入部2760から光を受けるように配設された光取出部2765とを含む、ライトガイド2763の概略断面図である。光取出部2765は、光挿入部2760から折り返し部2771を通して光を受ける。光挿入部2760が受けた光は、主として第1の方向2781に沿って伝播し、光取出部2765が受けた光は主として第2の方向2765に沿って伝播する。第1の方向2781と第2の方向2785との間の夾角は、少なくとも120度、又は少なくとも140度、又は少なくとも160度である。例えば、この夾角は160~180度の範囲内にあってもよく、又は図示されているように約180度であってもよい。光取出部2765は、例えば、
図16A~
図16Cに図示されているように、光取出部から投影レンズシステムに向けて光を取り出すように適合された、複数の光取出フィーチャを含んでもよい。ゼロ度から5度以内の角度は約ゼロ度と記述される場合があり、180度から5度以内の角度は約180度と記述される場合がある。
【0070】
ライトガイド2663及び2763は各々、光を受けるように適合された光挿入部と、光挿入部から第1の折り返し部を通して光を受けるように配設された光搬送部と、光搬送部から第2の折り返し部を通して光を受けるように配設された光取出部と、を含むライトガイドが提供される。いずれの場合も、光取出部は光挿入部から間隔を空けられて光挿入部に対面している。一部の実施形態では、光取出部及び光挿入部は互いに接触していてもよいか、又は、ほんの小さい間隙によって分離されていてもよい。
図28は、折り返し部2871を通して互いに光学的に接続された光挿入部2860及び光取出部2865を含む、ライトガイド2863の概略断面図である。光取出部2865は、例えば、
図16A~
図16Cに図示されているように、光取出部2865から投影レンズシステムに向けて光を取り出すように適合された、複数の光取出フィーチャを含んでもよい。光挿入部2860内では光は主として第1の方向2881に沿って伝播し、光取出部2865内では光は主として第2の方向2885に沿って伝播する。第1の方向2881と第2の方向2885との間の夾角は、例えば少なくとも140度であってもよい。
【0071】
一部の実施形態では、光方向転換層は、ピクセル式光源に向かって凹状である凹状の表面を含み、この凹状の表面の異なる各部分は、ピクセル式光源における異なるピクセルの群に対応している。凹状の表面のこれらの部分は、ピクセルの群と一対一で対応していてもよい。このことは、光方向転換層1750とピクセル式光源1730とを含む発光システム1732の概略側面図である、
図17に図示されている。例えば、発光システム1732を、光学システム100、200、300、400、及び500におけるそれぞれの発光システム132、232、332、432、及び532の、いずれの代わりとしても用いることができる。図示した実施形態では、光方向転換層1750は、光方向転換層1730に向かって凹状である凹状の表面1758を有する、単一の光学要素を含む。ピクセル式光源1730は、複数のピクセルの群1741a、1741b、1741c、及び1741dを含む、複数のピクセル1744を含む。凹状の表面1758は、複数の部分1756a、1756b、1756c、及び1756dを含む。異なるピクセルの群に対応している異なる各部分。例えば、ピクセルの群1741aからの光は、凹状の表面1758の部分1756aを通過してもよく、凹状の表面1758の他の部分を実質的に通過しなくてもよい。このことは、ピクセルを凹状の表面1758に密に近接させて載置して達成され得る。LCDパネルが複数のピクセルを備える実施形態では、光方向転換層1750を複数のピクセルのより近くに位置付けるために、本明細書の他の箇所で記述するような薄い外側ガラス層を使用してもよい。LCDパネルが複数のピクセルを備える実施形態では、表面1758を複数のピクセル1744のより近くに位置付けるために、光方向転換層1750を本明細書の他の箇所で記述するようなLCDパネルの薄い外側ガラス層から形成してもよい。一部の実施形態では、本明細書の他の箇所で記述するような部分反射体と反射偏光子とを含むレンズシステムなどのレンズシステムを含む光学システムにおいて、ピクセル式光源1732が使用されるとき、凹状の表面1758のピクセルの群に対応する部分以外の任意の部分を通過する、ピクセルの群からの任意の光が、レンズシステムの受け入れ角度外にあり、このため光学システムによって利用されない場合がある。
【0072】
図18は、液晶ディスプレイパネル1830と、バックライト1836と、凹状の光方向転換表面1858を有する光方向転換層1850と、を含む、発光システム1832の概略断面図である。
図18には液晶ディスプレイパネルが図示されているが、光方向転換層1850を、例えばOLEDディスプレイなどの、他の種類のピクセル式ディスプレイとともに使用してもよい。例えば、発光システム1832を、光学システム100、200、300、400、及び500におけるそれぞれの発光システム132、232、332、432、532の、いずれの代わりとしても用いることができる。液晶ディスプレイパネル1830は、第1のガラス層1876と第2のガラス層1878との間に配設された複数のピクセル1844を含む。複数のピクセル1844は、第1のピクセル1841と第2のピクセル1842とを含む。第1の偏光子1872は、光方向転換層1850と液晶ディスプレイパネル1830との間に配設されており、第2の偏光子1873は、液晶ディスプレイパネル1830とバックライト1836との間に配設されている。バックライト1836は、本明細書の他の箇所で記述するような、少なくとも部分的にコリメートされたバックライトであってもよい。発光システム1832は、光軸1840に中心を合わせられている。光方向転換層1850は、図示した実施形態では単一の光方向転換要素である。光方向転換層1850は、液晶パネル1830に向かって凹状である、凹状の光方向転換表面1858を含む。凹状の光方向転換表面1858は、第1のピクセル1841から光を受けるように適合された第1の部分1856を含み、第2のピクセル1842から光を受けるように適合された第2の部分1857を含む。一部の実施形態では、凹状の光方向転換表面1858は複数の異なる部分を含み、異なる各部分は、複数のピクセル1844中の異なるピクセルと又は異なるピクセルの群と、一対一で対応している。
【0073】
図19は、液晶ディスプレイパネル1930と、バックライト1936と、凹状の光方向転換表面1958を有する光方向転換層1950と、を含む、発光システム1932の概略断面図である。液晶ディスプレイパネル1930は、第1のガラス層1976と第2のガラス層1978との間に配設された複数のピクセル1944を含む。光方向転換層1950は、第1のガラス層1976から、例えば、第1のガラス層1976の外面をエッチングして凹状の光方向転換表面1958を形成することによって、形成される。凹状の光方向転換表面1958を形成するために使用できる好適なガラスエッチング方法は当技術分野で知られており、例えば、米国特許公開第2002/0079289号(Doh)に記述されている。好適なガラスエッチング液としては、ヘキサフルオロ珪酸及びフッ化水素が挙げられる。
【0074】
複数のピクセル1944は、第1のピクセル1941と第2のピクセル1942とを含む。第1の偏光子1972は、凹状の光方向転換表面1958上に配設されており、第2の偏光子1973は、液晶ディスプレイパネル1930とバックライト1936との間に配設されている。バックライト1936は、本明細書の他の箇所で記述するような、少なくとも部分的にコリメートされたバックライトであってもよい。発光システム1932は、光軸1940に中心を合わせられている。凹状の光方向転換表面1958は、第1のピクセル1941から光を受けるように適合された第1の部分1956を含み、第2のピクセル1842から光を受けるように適合された第2の部分1957を含む。本明細書の他の箇所で更に記述するように、一部の実施形態では、凹状の光方向転換表面1958は複数の異なる部分を含み、異なる各部分は、複数のピクセル1944中の異なるピクセルと又は異なるピクセルの群と、一対一で対応している。例えば、発光システム1932を、光学システム100、200、300、400、及び500におけるそれぞれの発光システム132、232、332、432、532の、いずれの代わりとしても用いることができる。
【0075】
発光システム1832又は1932の一部の実施形態では、凹状の光方向転換表面の異なる各部分は、複数のピクセル中の異なるピクセルの群に対応しており、ピクセルの群中のピクセルが放射した第1の円錐角を有する第1の発散光を受け、受けた光を第1の円錐角よりも小さい第2の円錐角を有する第2の発散光として伝達する。一部の実施形態では、ピクセルの群中のピクセルからの光は、ピクセルの群に対応していない光方向転換層のどの部分も実質的に通過しないか、又は、発光システムから光を受けるように適合されたレンズシステムの受け入れ角度内にない方向において、ピクセルの群に対応していない光方向転換層の部分を最高でも部分的に通過する。
【0076】
図20は、光方向転換要素2056及び2057を含む複数の光方向転換要素と、第1のガラス層2076と第2のガラス層2078との間の液晶層によって提供される間隔を空けた複数の個別のピクセル2044を有する液晶ディスプレイパネル2030と、を含む、発光システム2032の概略断面図である。第1のガラス層2076は、複数のピクセル2044を画定する開口のより近くに光方向転換要素2056及び2057を位置付けるために、従来のLCDディスプレイに比べて又は第2のガラス層2078に比べて、厚さが小さくなっていてもよい。
図20には液晶ディスプレイパネルが図示されているが、光方向転換要素2056及び2057を、例えばOLEDディスプレイなどの、他の種類のピクセル式ディスプレイとともに使用してもよい。液晶パネル2030は、第1の偏光子2072と第2の偏光子2073との間に配設されており、本明細書の他の箇所で記述するような少なくとも部分的にコリメートされたバックライトであってもよい、バックライト2036によって照射される。各光方向転換要素は、複数のピクセル中のピクセルの群に対応していてもよく、この場合、この群は、単一のピクセル又は複数のピクセルであってもよい。一部の、ほとんどの、又は全てのピクセルについて、光方向転換要素が含まれていてもよい。例えば、発光システム2032の又はレンズシステム及び発光システム2032を含む光学システムの光軸近くに配置されたピクセルを除いて、全てのピクセルについて光方向転換要素が含まれていてもよい。例えば、発光システム2032を、光学システム100、200、300、400、及び500におけるそれぞれの発光システム132、232、332、432、532の、いずれの代わりとしても用いることができる。光方向転換要素の各々はプリズム要素であってもよく、1つ以上の曲面を任意選択的に含んでもよい。代替の実施形態では、一部の又は全てのプリズム要素の代わりに、複数のマイクロレンズを使用してもよい。更に別の実施形態では、個々の光方向転換要素の代わりに、フレネルレンズを備える光方向転換層を使用してもよい。これは
図21に例示されている。
【0077】
図21は、光方向転換層2150と、間隔を空けた複数の個別のピクセル2144を含む液晶ディスプレイパネル2130と、を含む、発光システム2132の断面図である。
図21には液晶ディスプレイパネルが図示されているが、光方向転換層2150を、例えばOLEDディスプレイなどの、他の種類のピクセル式ディスプレイとともに使用してもよい。液晶パネル2130は、第1の偏光子2172と第2の偏光子2173との間に配設されており、本明細書の他の箇所で記述するような少なくとも部分的にコリメートされたバックライトであってもよい、バックライト2136によって照射される。光方向転換層2150は、光方向転換要素2156を含み、フレネルレンズであってもよいか、又はブレーズド回折格子であってもよい。一部の実施形態では、光方向転換要素2156のうちの少なくともいくつかは、同心のリングである。異なる各光方向転換要素2156は、間隔を空けた複数の個別のピクセル2144中の異なるピクセルの群に対応していてもよい。例えば、光方向転換要素が同心リング形状の要素である場合、その光方向転換要素に対応するピクセルの群は、同心リングの下方に配設された複数のピクセルであってもよい。更に別の実施形態では、光方向転換層2150を、他の種類の光方向転換要素で置き換えてもよい。例えば、光方向転換層2150は、ホログラフィック光学要素であってもよい。
【0078】
例えば、発光システム2132を、光学システム100、200、300、400、及び500におけるそれぞれの発光システム132、232、332、432、532の、いずれの代わりとしても用いることができる。
【0079】
図22は、複数のピクセル2244と第1のガラス層2276及び第2のガラス層2278とを含む液晶ディスプレイパネル2230を含む、発光システム2232の概略断面図である。第1のガラス層2276には、レンズ2256及び2257を含む複数のレンズが形成されている。レンズは、第1のガラス層2276をエッチングし、エッチングにより空けられた領域を第1のガラス層2276とは異なる屈折率を有する材料で充填することよって、形成されてもよい。例えば、対応するピクセルが放射する光の発散角を小さくするために、より高い屈折率の材料を使用してもよい。好適な高屈折率材料としては、本明細書と矛盾しない範囲で本明細書に組み込まれている米国特許第8、343、622号(Liuら)に記述されているような、高屈折率ナノ粒子を充填したポリマー材料が挙げられる。複数のレンズ中の異なる各レンズは、複数のピクセル中の異なるピクセルの群に対応していてもよい。ピクセルの各群は単一のピクセルであってもよく、又は複数のピクセルを含んでもよい。例えば、発光システム2232を、光学システム100、200、300、400、及び500におけるそれぞれの発光システム132、232、332、432、532の、いずれの代わりとしても用いることができる。
【0080】
発光システム1732、1832、1932、2032、2132、及び2232のうちのいずれの光方向転換層又は光方向転換要素も、少なくとも1つのピクセル又は大部分のピクセルから出力された光を、光方向転換層若しくは光方向転換要素の光軸に向けて若しくはそれから離れる方へと、又は、レンズシステム及び光方向転換層若しくは要素を組み込んだディスプレイシステムの光軸に向けて若しくはそれから離れる方へと曲げるように、適合されてよい。
【0081】
ディスプレイパネル上に光方向転換層を含めることの代替は、ディスプレイパネルから光を受けるように配設されたレンズ上に光方向転換層を含めることである。
図23は、第1の光学レンズ2310と第2の光学レンズ2320とを含むレンズシステム2319の概略断面図である。第1の光学レンズ2310は、互いに反対側にある第1の主表面2314及び第2の主表面及び2316を含み、第1の主表面2314は内側の主表面であり、第2の主表面2316は外側の主表面である。第2の光学レンズ2320は、互いに反対側にある第1の主表面2324及び第2の主表面2326を含む。レンズシステム2319は、第1のレンズ2310の第1の主表面2314上に配設され得る部分反射体を含む。レンズシステム2319はまた、第1の偏光状態を有する光を実質的に通過させ、直交する第2の偏光状態を有する光を実質的に反射するように構成された、反射偏光子も含む。反射偏光子は部分反射体の隣に間隔を空けて配設されており、第2のレンズ2320上に配設されてもよい。一部の実施形態では、反射偏光子は、第2の主表面2326上に配設されている。一部の実施形態では、反射偏光子上に四分の一波リターダが配設されている。部分反射体は、本明細書の他の箇所で記述するような所望の複数の波長において、少なくとも30%の平均光反射率を有してもよい。
【0082】
第1の光学レンズ2310の第2の主表面2316は、光方向転換要素2356及び2357を含む複数の光方向転換要素2350を含む。各光方向転換要素は、第1の光錐を受け、受けた光を第2の光錐として部分反射体に向けて伝達するように適合されている。例えば、光方向転換要素2356は、第1の光錐2339を受け、受けた光を第2の光錐2349として伝達するように適合されている。本明細書の他の箇所で更に記述するように、各光方向転換要素は、受けた光錐の発散角及び中心光線方向の一方又は両方を変更するように適合されていてもよい。例えば、光学システム100におけるレンズシステム119又は光学システム200におけるレンズシステム219の代わりに、レンズシステム2319を用いてもよい。
【0083】
レンズシステム2319に含まれている反射偏光子は、1つの軸線又は2つの直交する軸線の周りで湾曲していてもよい。一部の実施形態では、反射偏光子は多層ポリマーフィルムであり、一部の実施形態では、反射偏光子は、本明細書の他の箇所で記述するようなAPFなどの、熱成形又は圧力成形された多層反射偏光子である。
【0084】
一部の実施形態では、ピクセル式発光システムとこのピクセル式システムが放射した光を受けるように配設されたレンズシステム2319とを含むディスプレイシステムの、このディスプレイシステムの射出瞳での明るさは、複数の光方向転換要素2350を含まないこと以外は同等なディスプレイシステムの場合よりも、少なくとも30パーセント高い。一部の実施形態では、射出瞳でのディスプレイシステムの明るさは、上記のその他の点では同等のディスプレイシステムの場合よりも、少なくとも100パーセント高い、又は少なくとも200パーセント高い、又は少なくとも300パーセント高い。
【0085】
図24は、複数の発光ピクセル2444を含む発光システム2432を含む、ディスプレイシステム2400の一部の概略断面図である。各発光ピクセルは、所望の複数の波長において少なくとも50%の平均光透過率を有する任意選択的な光透過性の第1の光方向転換要素2456と、所望の複数の波長において少なくとも50%の平均光反射率を有する、第1の光方向転換要素2456に向かって凹状の光反射性の第2の光方向転換要素2457と、第1の光方向転換要素2456と第2の光方向転換要素2457との間に配設された発光材料2441と、を含む。発光材料2441は、例えば、少なくとも部分的に透過性であるOLEDディスプレイパネルであってもよい、ディスプレイパネル2430内に含まれてもよい。ディスプレイパネル2430は、
図24では実質的に平面状のパネルとして示されているが、他の実施形態では、ディスプレイパネルは湾曲していてもよいか(例えば
図1Bを参照)、又は、全てが同一平面内にある訳ではない複数の平面状の部分を含んでもよい(例えば
図1Cを参照)。一部の実施形態では、第2の光方向転換要素2457の中心2442は、発光材料2441内にある。例えば、第2の光方向転換要素2457は、発光材料2441内にある曲がりの中心又は焦点を有する。凹状の反射表面を有してもよい。一部の実施形態では、発光材料2441が放射する光は、第1の光方向転換要素2456及び第2の光方向転換要素2457によって実質的にコリメートされる。一部の実施形態では、任意選択的な第1の光方向転換要素2456が省略され、発光材料2441が放射する光は第2の光方向転換要素2457によって実質的にコリメートされる。例えば、パネル2430中の発光材料は発散する第1の光錐2439を放射してもよく、この光錐は、凹状の第2の光方向転換要素で反射され、実質的にコリメートされた光2449として第1の光方向転換要素を通過する。
【0086】
ディスプレイシステム2400は、例えば、発光システム2432から光を受け、受けた光の少なくとも一部をディスプレイシステム2400の射出瞳に伝達するように配設された、レンズシステム119又は219などのレンズシステムを更に含んでもよい。
【0087】
様々な構成要素(例えば、部分反射体、四分の一波リターダ、透過性光学要素、及び反射性光学要素)の光透過率又は反射率は、所望の又は所定の複数の波長における平均値によって指定されてもよい。所望の又は所定の複数の波長は、例えば、光学システムが動作するように設計される任意の波長範囲であってもよい。所定の又は所望の複数の波長は可視の範囲であってもよく、例えば、400nm~700nmの波長の範囲であってもよい。一部の実施形態では、所望の又は所定の複数の波長は、赤外の範囲であってもよいか、又は、赤外の、可視の、及び紫外の波長のうちの、1つ以上を含んでもよい。一部の実施形態では、所望の又は所定の複数の波長は、1つの狭い波長帯域又は複数の狭い波長帯域であってもよく、部分反射体は、例えば、切欠き反射体であってもよい。一部の実施形態では、所望の又は所定の複数の波長は、100nm以下、又は50nm以下の半値全幅を有する、少なくとも1つの連続的な波長範囲を含む。
【0088】
本明細書のいずれかの光学システムは、ヘッドマウントディスプレイ(例えば、仮想現実ディスプレイ)のようなデバイスにおいて使用されてもよい。
図25は、フレーム2592と、本明細書の光学システムのいずれかを含んでもよい第1の表示部2594a及び第2の表示部2594bとを含む、ヘッドマウントディスプレイ2590の概略上面図である。図示の実施形態では、第1の表示部2594aは、レンズシステム2519aと発光システム2532aとを含み、及び表示部2594bは、レンズシステム2519bと発光システム2532bとを含む。レンズシステム2519a及び2519bの各々は、本明細書の他の箇所で記述するような反射偏光子及び部分反射体を含んでもよい。発光システム2532a及び2532bの各々は、本明細書の他の箇所で記述するように、複数のピクセルと、光方向転換層及び/又は少なくとも部分的にコリメートされたバックライトと、を含んでもよい。一部の実施形態では、レンズシステム2519a及び2519bは、光軸(例えば
図25におけるz軸と平行な軸線)に中心を合わせられており、発光システム2532a及び2532bは、対応する光軸に対して鈍角で配設されている。他の実施形態では、発光システム2532a及び2532bは、対応する光軸に対して直角に配設されており、対応する光軸に中心を合わせられていてもよい。発光システム2532a及び2532bの光方向転換層は、対応するピクセルが出力した光を、これが対応するレンズシステムの受け入れ角度内にあるようにして方向転換してもよい。発光システムがレンズシステムの光軸に対して鈍角に配設されている実施形態では、発光システムの光方向転換要素は、光軸に関して非対称な曲面、例えば曲面1131cを含んでもよい。
【実施例】
【0089】
実施例1
Zemax 15レンズ設計ソフトウェアを使用して、以下の表で記述する要素を有する折り返し光学レンズシステムをモデル化した。
【0090】
【0091】
上の表では、OBは物体を指し、表面は停止表面(ST)から画像表面(IM)への順序で列挙されている。多項式非球面係数は各々、表面7以外はゼロになるように採られており、表面7は、2次係数0.000、4次係数-2.805×10-5、6次係数1.232×10-7、8次係数-1.936×10-10、及び10次係数-3.088×10-13を有していた。
【0092】
レンズをLightToolsにインポートして、中央放射要素及び周縁放射要素を有するディスプレイ面を作成した。各要素を、直径0.1mm、半径0.05mmのNBK7レンズに埋め込んだ。放射要素は、0.004mm平方の放射面積を有するように設計した。放射要素に対するレンズの配置を、瞳において均一性と明るさの最良の組み合わせが得られるように最適化した。マイクロレンズアレイを有するニアアイディスプレイは、レンズアレイを有さない場合の8.1倍の明るさであった(明るさの710パーセントの増加)。
【0093】
実施例2
以下のように、光学システム200と類似の光学システムを光線追跡を使用してモデル化した。光学積層体210は、レンズ212の外面(パネル232と対面している表面)上に四分の一波リターダを、及びレンズ212の内面(射出瞳235と対面している表面)上に部分反射体を、含んでいた。光学積層体220は、レンズ222の外面(レンズ212と対面している表面)上に直線偏光子を含んでおり、直線偏光子上に配設された四分の一波リターダを含んでいた。四分の一波リターダは理想的なリターダとしてモデル化し、部分反射体は50パーセントの透過率及び50パーセントの反射率を有するものとしてモデル化し、直線偏光子は、直線遮断軸線に沿って偏光された光については1パーセント透過率及び99パーセント反射率、並びに直交する直線通過軸線に沿って偏光された光については99パーセント透過率及び1パーセント反射率を有するものとして、モデル化した。これらのレンズは、以下の表中で特定される通りであった。
【0094】
【0095】
レンズ表面に関して使用した2~8次の多項式非球面係数を、以下の表に記載する。
【0096】
【0097】
レンズ表面に関して使用した10次以上の多項式非球面係数を、以下の表に記載する。
【0098】
【0099】
ディスプレイパネル235を、明暗の正方形から成るチェッカー盤パターンを生成するものとしてモデル化し、各正方形の寸法は6mm×6mmであった。ディスプレイパネルの寸法は2.4cm×2.4cmであった。光出力は、ディスプレイパネルの表面に対して法線方向の中心光線を有し、5度の半値半幅(half width at half maximum、HWHM)の円錐角を有するものとしてモデル化した。これは、部分的にコリメートされたバックライトを有する又は光出力を部分的にコリメートする光方向転換層を有するディスプレイパネルを再現するように選択した。比較のために、35度のHWHMの円錐角を有する従来のディスプレイパネルもモデル化した。受信機を射出瞳235のところに位置付けた。暗い正方形で受けた平均出力に対する明るい正方形で受けた平均出力として、コントラスト比を計算した。部分的にコリメートされている場合(5度のHWHM)に関しては、747になるようにコントラスト比を決定し、一方、従来の場合(35度のHWHM)に関しては、100になるようにコントラスト比を計算した。
【0100】
実施例3
光学システム1600(
図16aに描写する)とバックライト1636を異なるバックライトユニットと交換した同様の光学システムとの相対効率を計算した。ランベルト出力を有するバックライトユニットを利用する光学システムの相対効率は、単位元となるように定義した。他の光学システムの相対効率はこの場合、ランベルト出力を有するバックライトユニットを有する光学システムの射出瞳1635での明るさに対する、光学システムの射出瞳1635での明るさの比として定義した。バックライトユニットが1つのBrightness Enhancement Film(ミネソタ州St.Paulの3M Companyから入手可能なBEF)を含むとき、バックライトユニットからの出力は、水平方向(ディスプレイの幅方向)に44度の及び垂直方向(ディスプレイの高さ方向)に80度の半値全幅(Full-Width and Half Maximum、FWHM)を有し、光学システムは、1.4の相対効率を有した(明るさの40パーセントの増加)。バックライトユニットが2つの交差するBEFを含むとき、バックライトユニットからの出力は、水平及び垂直の両方向に44度のFWHMを有し、光学システムは、1.6の相対効率を有した(明るさの60パーセントの増加)。バックライトユニットがディスプレイの法線方向(マイナスz方向)に高いコリメーションを提供するように適合された構造化表面1667を含んでいた場合、バックライトユニットの出力は水平方向に16度、垂直方向に12度のFWHMを有し、光学システムは、2.4の相対効率を有した(明るさの140パーセントの増加)。バックライトユニットがレンズシステム1619に向けて偏向された方向において高い程度のコリメーションを提供するように適合された構造化表面1667を含むとき、バックライトユニットからの出力は、水平方向に12度、垂直方向に11度のFWHMを有しており、光学システムは3の相対効率を有していた(明るさの200パーセントの増加)。結果を以下の表中に要約する。
【0101】
【0102】
以下は、本明細書の例示的な実施形態の列挙である。
【0103】
実施形態1は、
画像を形成するためのイメージャであって、間隔を空けた複数の個別のピクセルを備える、イメージャと、
イメージャによって形成された画像を投影するための投影レンズシステムと、を備え、
複数のピクセル中の各ピクセルに関して、イメージャは中心光線を有する光錐を放射するように構成されており、この中心光線はイメージャにおけるピクセルの位置とともに変化する方向を有し、この変化により、投影レンズシステムを通して投影される画像の明るさが少なくとも30パーセント増加する、ディスプレイシステムである。
【0104】
実施形態2は、投影レンズシステムは折り返し光学システムを備える、実施形態1のディスプレイシステムである。
【0105】
実施形態3は、折り返し光学システムは、
所望の複数の波長において少なくとも30%の平均光反射率を有する第1の部分反射体と、
第1の部分反射体の隣に間隔を空けて配設されている第2の部分反射体と、を備える、実施形態2のディスプレイシステムである。
【0106】
実施形態4は、第2の部分反射体は、第1の偏光状態を有する光を実質的に通過させ、直交する第2の偏光状態を有する光を実質的に反射する、反射偏光子である、実施形態3のディスプレイシステムである。
【0107】
実施形態5は、第2の部分反射体は、所望の複数の波長において少なくとも30%の平均光反射率を有する、実施形態3のディスプレイシステムである。
【0108】
実施形態6は、投影レンズシステムは屈折光学システムを備える、実施形態1のディスプレイシステムである。
【0109】
実施形態7は、投影レンズシステムは受け入れ角度を有し、中心光線方向の変化は、イメージャが放射する受け入れ角度内にある光を少なくとも30パーセント増加させる、実施形態1のディスプレイシステムである。
【0110】
実施形態8は、投影レンズシステムは光軸を有し、中心光線と光軸との間の角度はイメージャにおけるピクセルの位置とともに変化する、実施形態1のディスプレイシステムである。
【0111】
実施形態9は、イメージャは面法線を有し、中心光線と面法線との間の角度はイメージャにおけるピクセルの位置とともに変化する、実施形態1のディスプレイシステムである。
【0112】
実施形態10は、イメージャは実質的に平面状である、実施形態1のディスプレイシステムである。
【0113】
実施形態11は、イメージャは互いに対して斜角に配設された複数の平面状部分を含む、実施形態1のディスプレイシステムである。
【0114】
実施形態12は、イメージャは湾曲している、実施形態1のディスプレイシステムである。
【0115】
実施形態13は、投影レンズシステムの光学的にアクティブな最大横方向寸法は、イメージャの光学的にアクティブな最大寸法の2分の1未満である、実施形態1のディスプレイシステムである。
【0116】
実施形態14は、光挿入部と、光挿入部と及びイメージャと光学的に連絡している光取出部と、を有するライトガイドを更に備える、実施形態1のディスプレイシステムである。
【0117】
実施形態15は、光挿入部及び光取出部はレンズシステムの光軸に沿って間隔を空けられている、実施形態14のディスプレイシステムである。
【0118】
実施形態16は、ライトガイドは、光挿入部から光を受け光取出部へと光を搬送するように構成された光搬送部を更に備える、実施形態15のディスプレイシステムである。
【0119】
実施形態17は、光軸は光挿入部、光搬送部、及び光取出部の各々と交差している、実施形態16のディスプレイシステムである。
【0120】
実施形態18は、ライトガイドは、光取出部が光挿入部に対面するように折り返されている、実施形態14のディスプレイシステムである。
【0121】
実施形態19は、光挿入部が受けた光は主として第1の方向に沿って伝播し、光取出部が受けた光は主として第2の方向に沿って伝播し、第1の方向と第2の方向との間の夾角は40度未満又は140度超である、実施形態14のディスプレイシステムである。
【0122】
実施形態20は、イメージャは、光挿入部の反対側で光取出部に近接して配設された透過型空間光変調器を備える、実施形態14のディスプレイシステムである。
【0123】
実施形態21は、イメージャは、光取出部と光挿入部との間に配設された反射空間光変調器を備える、実施形態14のディスプレイシステムである。
【0124】
実施形態22は、
光軸に中心を合わせた1つ以上のレンズを有する投影レンズシステムと、
ライトガイドであって、
光を受けるように適合された光挿入部、
光挿入部から光を受けるように配設された光搬送部、及び
光搬送部から光を受けるように配設された光取出部であって、光取出部の出力表面上の位置とともに変化する光軸に対する角度を有する、光出力中心光線方向を提供するように構成されており、かつ、光挿入部から光軸に沿って分離されて光取出部と光挿入部との間に空間を形成している、光取出部、を備える、ライトガイドと、
光取出部と光学的に連絡している空間光変調器と、を備え、
ライトガイドは、光取出部が光挿入部に対面するように折り返されている、ディスプレイシステムである。
【0125】
実施形態23は、光軸は光挿入部及び光取出部と交差している、実施形態22のディスプレイシステムである。
【0126】
実施形態24は、光軸は光搬送部と交差している、実施形態23のディスプレイシステムである。
【0127】
実施形態25は、空間光変調器はレンズシステムと光取出部との間に配設されている、実施形態22のディスプレイシステムである。
【0128】
実施形態26は、空間光変調器は透過型液晶パネルである、実施形態25のディスプレイシステムである。
【0129】
実施形態27は、反射体は光取出部と光挿入部との間の空間内に配設されている、実施形態25のディスプレイシステムである。
【0130】
実施形態28は、空間光変調器は光取出部と光挿入部との間の空間内に配設されている、実施形態22のディスプレイシステムである。
【0131】
実施形態29は、空間光変調器は反射型液晶パネルである、実施形態28のディスプレイシステムである。
【0132】
実施形態30は、反射型液晶パネルは液晶オンシリコン(LCoS)パネルである、実施形態29のディスプレイシステムである。
【0133】
実施形態31は、投影レンズシステムは折り返し光学システムを備える、実施形態22のディスプレイシステムである。
【0134】
実施形態32は、投影レンズシステムは、
所望の複数の波長において少なくとも30%の平均光反射率を有する部分反射体と、
第1の偏光状態を有する光を実質的に通過させ、直交する第2の偏光状態を有する光を実質的に反射する、反射偏光子と、を備える、実施形態31のディスプレイシステムである。
【0135】
実施形態33は、投影レンズシステムは屈折光学システムである、実施形態22のディスプレイシステムである。
【0136】
実施形態34は、光学レンズシステムの光学的にアクティブな最大横方向寸法は、空間光変調器の光学的にアクティブな最大横方向寸法の2分の1未満である、実施形態22のディスプレイシステムである。
【0137】
実施形態35は、
1つ以上のレンズを有しかつ光学的にアクティブな最大横方向寸法を有する、投影レンズシステムと、
光学的にアクティブな最大横方向寸法を有するイメージャであって、イメージャが形成した画像は投影レンズシステムによって投影される、イメージャと、
投影レンズシステムとイメージャとの間に配設された光取出部を備える、光源から光を受けるためのライトガイドと、を備え、光取出部は、受けた光を取り出しイメージャに向けて導くための、間隔を空けた複数の個別の光取出フィーチャを備え、
投影レンズシステムの光学的にアクティブな最大横方向寸法は、イメージャの光学的にアクティブな最大横方向寸法の80パーセント以下である、ディスプレイシステムである。
【0138】
実施形態36は、投影レンズシステムの光学的にアクティブな最大横方向寸法は、イメージャの光学的にアクティブな最大横方向寸法の60パーセント以下である、実施形態35のディスプレイシステムである。
【0139】
実施形態37は、投影レンズシステムの光学的にアクティブな最大横方向寸法は、イメージャの光学的にアクティブな最大横方向寸法の50パーセント以下である、実施形態35のディスプレイシステムである。
【0140】
実施形態38は、投影レンズシステムの光学的にアクティブな最大横方向寸法は、イメージャの光学的にアクティブな最大横方向寸法の40パーセント以下である、実施形態35のディスプレイシステムである。
【0141】
実施形態39は、ライトガイドは光取出部と光学的に連絡している光挿入部を更に備える、実施形態35のディスプレイシステムである。
【0142】
実施形態40は、ライトガイドは、光挿入部が光取出部に対面するように折り返されている、実施形態39のディスプレイシステムである。
【0143】
実施形態41は、ライトガイドは、光挿入部から第1の折り返し部を通して光を受けるように、及び第2の折り返し部を通して光取出部へと光を搬送するように配設された、光搬送部を更に備える、実施形態39のディスプレイシステムである。
【0144】
実施形態42は、レンズは光軸を有し、この光軸は光挿入部及び光取出部と交差している、実施形態41のディスプレイシステムである。
【0145】
実施形態43は、光軸は光搬送部と交差している、実施形態42のディスプレイシステムである。
【0146】
実施形態44は、イメージャは光取出部と光挿入部との間に配設されている、実施形態39のディスプレイシステムである。
【0147】
実施形態45は、空間光変調器は反射型液晶パネルである、実施形態44のディスプレイシステムである。
【0148】
実施形態46は、反射型液晶パネルは液晶オンシリコン(LCoS)パネルである、実施形態45のディスプレイシステムである。
【0149】
実施形態47は、光挿入部は、光挿入部に注入された光を少なくとも部分的にコリメートするように構成された光学要素を備える、実施形態38のディスプレイシステムである。
【0150】
実施形態48は、
光を受けるように適合された光挿入部、
光挿入部から第1の折り返し部を通して光を受けるように配設された光搬送部、及び
光搬送部から第2の折り返し部を通して光を受けるように配設された光取出部、を備え、
光取出部は光挿入部から間隔を空けられて光挿入部に対面している、ライトガイドである。
【0151】
実施形態49は、光挿入部は、光挿入部内に受けた光を少なくとも部分的にコリメートするように構成された光学要素を備える、実施形態48のライトガイドである。
【0152】
実施形態50は、光取出部は互いに反対側にある第1の主表面及び第2の主表面を有し、第1の主表面は、光取出部から第2の主表面を通して光挿入部に向けて光を取り出すように配設された、間隔を空けた複数の個別の光取出フィーチャを備える、実施形態48のライトガイドである。
【0153】
実施形態51は、反射偏光子は第1の主表面上に配設されている、実施形態50のライトガイドである。
【0154】
実施形態52は、光取出部から取り出された光を受け、この光を反射して光取出部を通して戻す、光取出部と光挿入部との間に配設され反射体を更に備える、実施形態48のライトガイドである。
【0155】
実施形態53は、実施形態52のライトガイドと、反射体で反射された光を光取出部を通して受けるように配設された透過型空間光変調器と、を備える、ディスプレイシステムである。
【0156】
実施形態54は、実施形態48のライトガイドと、光取出部と光挿入部との間に配設された反射空間光変調器とを備える、ディスプレイシステムである。
【0157】
実施形態55は、
光を受けるように適合された光挿入部であって、光挿入部が受けた光は主として第1の方向に沿って伝播する、光挿入部と、
光挿入部から光を受けるように配設された光搬送部であって、光搬送部は第1のセグメントを有し、光搬送部が受けた光は第1のセグメント内で主として第2の方向に沿って伝播する、光搬送部と、
光搬送部から光を受けるように配設された光取出部であって、光取出部が受けた光は主として第3の方向に沿って伝播する、光取出部と、を備え、
第1の方向と第2の方向との間の第1の夾角は少なくとも140度であり、第1の方向と第3の方向との間の第2の夾角は40度未満である、ライトガイドである。
【0158】
実施形態56は、第1の夾角は少なくとも160度であり、第2の夾角は20度未満である、実施形態55のライトガイドである。
【0159】
実施形態57は、光搬送部は光挿入部から第1の折り返し部を通して光を受け、光取出部は光搬送部から第2の折り返し部を通して光を受ける、実施形態55のライトガイドである。
【0160】
実施形態58は、光取出部は互いに反対側にある第1の主表面及び第2の主表面を有し、第1の主表面は、光取出部から第2の主表面を通して光挿入部に向けて光を取り出すように配設された、間隔を空けた複数の個別の光取出フィーチャを備える、実施形態55のライトガイドである。
【0161】
実施形態59は、実施形態55のライトガイドと、光挿入部の反対側に光取出部に近接して配設された透過型空間光変調器と、を備える、ディスプレイシステムである。
【0162】
実施形態60は、実施形態55のライトガイドと、光取出部と光挿入部との間に配設された反射空間光変調器と、を備える、ディスプレイシステムである。
【0163】
実施形態61は、
投影レンズシステムと、
ライトガイドと、を備え、ライトガイドは、
光を受けるように適合された光挿入部であって、光挿入部が受けた光は主として第1の方向に沿って伝播する、光挿入部と、
光挿入部から光を受けるように配設された光取出部であって、光取出部が受けた光は主として第2の方向に沿って伝播する、光取出部と、を備え、第1の方向と第2の方向との間の夾角は少なくとも120度であり、
光取出部は、光取出部から投影レンズシステムに向けて光を取り出すように適合された複数の光取出フィーチャを含む、ディスプレイシステムである。
【0164】
実施形態62は、夾角は少なくとも140度である、実施形態61のディスプレイシステムである。
【0165】
実施形態63は、夾角は少なくとも160度である、実施形態61のディスプレイシステムである。
【0166】
実施形態64は、夾角は少なくとも180度である、実施形態61のディスプレイシステムである。
【0167】
実施形態65は、光取出部は光挿入部から折り返し部を通して光を受ける、実施形態61のディスプレイシステムである。
【0168】
実施形態66は、光取出部は光挿入部に対面している、実施形態61のディスプレイシステムである。
【0169】
実施形態67は、光取出部と光学的に連絡している空間光変調器を更に備える、実施形態61のディスプレイシステムである。
【0170】
実施形態68は、空間光変調器は投影レンズシステムと空間光変調器との間に配設されている、実施形態61のディスプレイシステムである。
【0171】
実施形態69は、光取出部は空間光変調器と投影レンズシステムとの間に配設されている、実施形態61のディスプレイシステムである。
【0172】
実施形態70は、投影レンズシステムは折り返し光学システムを備える、実施形態61のディスプレイシステムである。
【0173】
実施形態71は、投影レンズシステムは屈折光学システムを備える、実施形態61のディスプレイシステムである。
【0174】
関連する光学システムが、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている以下の米国特許出願に記述されている:本出願と同日に出願されたOPTICAL SYSTEM(第62/347650号)。
【0175】
図中の要素の説明は、特に指示がない限り、他の図中の対応する要素に等しく適用されるものと理解されたい。具体的な実施形態を本明細書において例示し記述したが、様々な代替及び/又は等価な実施により、図示及び記載した具体的な実施形態を、本開示の範囲を逸脱することなく置き換え可能であることが、当業者により理解されるであろう。本出願は、本明細書において論じた具体的な実施形態のいかなる適合例又は変形例であっても包含することを意図する。したがって、本開示は、特許請求の範囲及びその等価物によってのみ限定されるものとする。