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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-25
(45)【発行日】2022-12-05
(54)【発明の名称】物品収納構造
(51)【国際特許分類】
   B62D 33/02 20060101AFI20221128BHJP
   B60R 5/00 20060101ALI20221128BHJP
【FI】
B62D33/02 S
B60R5/00
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022076285
(22)【出願日】2022-05-02
【審査請求日】2022-07-05
(31)【優先権主張番号】P 2022008960
(32)【優先日】2022-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】508049031
【氏名又は名称】米山 佳一
(74)【代理人】
【識別番号】100103207
【弁理士】
【氏名又は名称】尾崎 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】米山 佳一
【審査官】林 政道
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0301721(US,A1)
【文献】特開2002-037136(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0127305(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0231477(US,A1)
【文献】特開2012-116431(JP,A)
【文献】米国特許第06655722(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 33/02
B60R 5/00, 7/08, 9/00,11/00
B60P 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラックの荷台に取り付けられる物品収納構造であって、
内部に物品を収納可能な内部空間を形成する収納部と、
前記荷台に積載した他の物品を繋止可能である繋止部と、
前記収納部と接続する脚部と、を備え、
前記収納部が、前記内部空間と外部空間とを連通する開口を有し、前記脚部を前記荷台に固定することにより前記荷台に取り付け可能であり、
前記繋止部が、前記荷台に固定可能な下端を有し、前記収納部と着脱可能に接続し
前記収納部から前記繋止部が離脱した状態で、前記収納部および前記繋止部のそれぞれを前記荷台に取り付け可能であることを特徴とする物品収納構造。
【請求項2】
トラックの荷台に取り付けられる物品収納構造であって、
内部に物品を収納可能な内部空間を形成する収納部と、
前記荷台に積載した他の物品を繋止可能である繋止部と、
前記収納部と接続する脚部と、を備え、
前記収納部が、前記内部空間と外部空間とを連通する開口を有し、前記脚部を前記荷台に固定することにより前記荷台に取り付け可能であり、
前記繋止部が、前記荷台に固定可能な下端を有し、リンク機構によって前記収納部と接続し、前記リンク機構の伸縮変位により、前記収納部に対して接離移動可能であり、
前記収納部と前記繋止部とが離隔した状態で、前記収納部および前記繋止部のそれぞれを前記荷台に取り付け可能であることを特徴とする物品収納構造。
【請求項3】
前記繋止部が、枠状体であり、前記収納部の上方に延び出す請求項1又は2に記載の物品収納構造。
【請求項4】
前記繋止部が、鉤状部材を有する請求項1又は2に記載の物品収納構造。
【請求項5】
前記繋止部が、環状部材を有する請求項1又は2に記載の物品収納構造。
【請求項6】
前記収納部が、前記開口に扉を有する請求項1又は2に記載の物品収納構造。
【請求項7】
前記扉が、内開きである請求項に記載の物品収納構造。
【請求項8】
前記リンク機構が、レージトングである請求項2に記載の物品収納構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラックの荷台に取り付け可能な物品収納構造に関する。
【背景技術】
【0002】
大小様々な大きさの荷物を同時にトラックの荷台に積載する際に、荷台上に煩雑に置かれることが多い。そのため、特許文献1では、乗員室と荷台とを備えるトラックに用いられるトラック用収納構造であって、前記乗員室の後部に取り付け可能で、内部に収納空間を形成する収納ボックスを備え、該収納ボックスは、前記乗員室の後部に取り付けられたとき、前記乗員室との対向面と異なる面に開閉可能な扉部を有することを特徴とするトラック用収納構造が提案されている。このトラック用収納構造を取り付けたトラックは、大きな荷物を荷台に積載し、小さな荷物を収容空間に収容することができる。
【0003】
特許文献2では、荷物自動車の荷台に取付けられた物入れにおいて、前記荷台の前部壁面に少なくとも90°の範囲で水平かつ前記壁面に平行な軸まわりに回動自在になるように軸着され、その左右および正面に下向きの縁を有する一枚の蓋と、この蓋の裏面に前記壁面に垂直な軸まわりに前記縁の内側に折り畳めるように取付けられた左右の側面板と、前記蓋に水平かつ前記壁面に平行な軸まわりに前記左右の側面板を内包して折り畳めるように軸着された正面板と、この正面板を前記荷台の床に係止する係止具と、前記左右の側面板および前記正面板が前記蓋の中に折り畳まれた状態で前記壁面に括りつける引き止め具とを備えたことを特徴とする物入れが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-116431号公報
【文献】実開平5-37664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
収容空間よりも大きな荷物、特に高さがあって、横倒しのできない荷物をトラックの荷台に積載して移動させる場合、荷台上での移動や転倒を防止するために、荷物を固定する必要があり、一般的にロープやゴム紐等の繋止具によってトラックの鳥居部やあおり部等に繋止する固定が行われる。しかしながら、このような固定方法では、固定が十分ではない場合や、固定可能な位置が限られる場合があり、繋止可能な箇所の増設が望まれる。特許文献1に記載のトラック用収納構造、及び特許文献2に記載の物入れは、荷台に積載した荷物を繋止するための部材を備えておらず、繋止箇所として利用することができない。仮に、荷台上に載置した荷物を、特許文献1に記載のトラック用収納構造の収納ボックス、又は特許文献2に記載の物入れの壁面に繋止した場合には、それぞれ収納空間は又物入れ内への荷物の出し入れが困難になると考えられる。
【0006】
本発明は、上記問題点に着目してなされたものであり、大小様々な大きさの物品をトラックの荷台に積載する際に、小さい物品を内部に収納でき、大きい物品を外部構造に繋止可能であり、大きい物品を繋止した場合であっても内部に収納した小さい物品の出し入れを妨げない物品収納構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明はトラックの荷台に取り付けられる物品収納構造であって、内部に物品を収納可能な内部空間を形成する収納部と、前記荷台に積載した他の物品を繋止可能である繋止部と、前記収納部と接続する脚部と、を備え、前記収納部が、前記内部空間と外部空間とを連通する開口を有し、前記脚部を前記荷台に固定することにより前記荷台に取り付け可能であり、前記繋止部が、前記荷台に固定可能な下端を有し、前記収納部と着脱可能に接続し、前記収納部から前記繋止部が離脱した状態で、前記収納部および前記繋止部のそれぞれを前記荷台に取り付け可能であることを特徴とする。また、本願の他の発明は、トラックの荷台に取り付けられる物品収納構造であって、内部に物品を収納可能な内部空間を形成する収納部と、前記荷台に積載した他の物品を繋止可能である繋止部と、前記収納部と接続する脚部と、を備え、前記収納部が、前記内部空間と外部空間とを連通する開口を有し、前記脚部を前記荷台に固定することにより前記繋止部が、前記荷台に取り付け可能な下端を有し、リンク機構によって前記収納部と接続し、前記リンク機構の伸縮変位により、前記収納部に対して接離移動可能であり、前記収納部と前記繋止部とが離隔した状態で、前記収納部および前記繋止部のそれぞれを前記荷台に取り付け可能であることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、小さい物品は前記内部空間に収納することができ、大きな物品は、前記繋止部に繋止して前記荷台に積載することができる。これにより、前記他の物品を前記荷台上に確実に固定することができる。前記繋止部を備えることにより、前記他の荷物を前記収納部に繋止する必要がないため、前記物品の前記内部空間への出し入れを妨げることがない。前記荷台における前記脚部を固定する位置を変更することにより、積載する物品の大きさに応じて前記荷台における前記繋止部の位置を変更することができる。前記脚部を備えることにより前記収納部と前記荷台とが離隔するため、前記収納部をくぐり抜けるように長尺物を前記荷台上に載置することができる。前記繋止部を前記収納部から取り外しまたは接離移動させ、前記収納部および前記繋止部のそれぞれを前記荷台に取り付けることにより、前記繋止部を前記収納部と離隔して前記荷台上に配置することができる。これにより、前記荷台における前記収納部の位置を変更することなく、前記繋止部の位置を変更することができる。前記リンク機構により前記収納部と前記繋止部とが接続する場合には、前記荷台における前記繋止部の位置の変更を簡便に行うことができる。前記収納部としては、箱状体等が採用できる。箱状体としては、枠体に複数の板材を取り付けたものや複数の板材のみを接続したもの、全体を一体的に成形したもの等が例示できる。前記繋止部は、物品を引っ掛けるための掛止部として使用することも可能である。「繋止」とは、物品を繋ぎ止めて拘束することを意味し、「繋ぎ止めて拘束する」は、紐状体又は帯状体等を用いて縛り付けること、又はばね等の弾性力を利用して挟持すること等を含む。「物品」とは、工具、農具、清掃具、家具、機械器具等を含む。前記脚部の前記荷台への固定としては、特に限定されず、例えばボルト・ナット等の固定部材による固定が挙げられる。
【0009】
本発明は、前記繋止部が、枠状体であり、前記収納部の上方に延び出すことが好ましい。
【0010】
この構成によれば、前記収納部よりも背の高い荷物を前記繋止部に繋止する際の利便性が向上する。
【0011】
本発明は、前記繋止部が、鉤状部材を有することが好ましい。
【0012】
この構成によれば、例えば、先端に輪を有する繋止具を使用する際に、該輪を前記鉤状部材に引っ掛けることができ、前記他の荷物を繋止部に繋止する際の利便性が向上する。「鉤状部材」とは、途中で屈曲又は湾曲した棒状の部材を意味し、屈曲又は湾曲の角度は特に限定されない。
【0013】
本発明は、前記繋止部が、環状部材を有することが好ましい。
【0014】
この構成によれば、例えば、繋止具を前記環状部材に挿通して、結びつけることができ、前記他の荷物を繋止部に繋止する際の利便性が向上する。「環状部材」とは、切れ目のない環状の部材に限らず、切れ目はあるが、端部同士が当接して見かけ上、切れ目の無い状態にあるものも含む。
【0015】
本発明は、前記収納部が、前記開口に扉を有することが好ましい。
【0016】
この構成によれば、前記内部空間に収納した物品の意図しない前記外部空間への飛び出しを防止できる。
【0017】
本発明は、前記扉が、内開きであることが好ましい。
【0018】
この構成によれば、前記内部空間に収納した物品と前記扉との衝突による前記扉の意図しない開放を防止できるため、前記内部空間に収納した物品の前記外部空間への飛び出しをより確実に防止できる。
【0019】
本発明は、前記リンク機構が、レージトングであることが好ましい。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、大小様々な大きさの物品をトラックの荷台に積載することができ、大きい物品を繋止部に繋止した場合であっても、内部空間に収納した小さい物品の出し入れを妨げることがないため、一方の物品を移動させることなく、他方の物品を取り扱うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明第1実施形態の物品収納構造を示す図であり、(a)は正面図、(b)は背面図である。
図2】同、物品収納構造の右側面図である。
図3図1のIII-III断面図である。
図4図2のIV-IV断面図である。
図5】本発明第1実施形態の物品収納構造をトラックの荷台に取り付けた様子を示す図である。
図6】本発明第2実施形態の物品収納構造を示す右側面図である。
図7】同、繋止部を示す正面図である。
図8】同、物品収納構造をトラックの荷台に取り付けた様子を示す図である。
図9】本発明第2実施形態の物品収納構造の変形例を示す右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態の物品収納構造1を図1~5を参照して説明する。物品収納構造1は、トラック2の荷台21(図5参照)に取り付けられるものであり、内部に物品M1(図5参照)を収納可能な内部空間ISを形成する収納部3と、荷台21に積載した物品M2(図5参照)を繋止可能である繋止部4と、収納部3と接続する脚部5と、を備える(図1参照)。物品収納構造1の寸法は、特に限定されず、取り付けるトラック2の荷台21の寸法等に応じて種々の寸法を採用することができる。
【0028】
収納部3は、底板3a、側板3b~3e、上板3f、及びこれら各板3a~3fを取り付けられる枠体3gからなる箱状体である(図1~4参照)。枠体3gは、側板3cの両側端部と接続する部分から上方に延び出る延出部3h、及び枠体3gの辺同士を接続する板状の補強部材3iを有している。延出部3hは、詳細を後述する繋止部4と接続する面積を増加させ、収納部3と繋止部4との接続の強度を増加させるためのものである。補強部材3iは、枠体3gの強度を増加させるためのものである。
【0029】
側板3b及び側板3dの高さ方向の寸法は、枠体3gに対して取り付ける面よりも高さ方向の寸法が短いため、側板3b及び側板3dの上部に内部空間ISと外部空間OSとを連通する開口31が形成されている(図4参照)。開口31を通じて内部空間ISに物品M1を出し入れすることができる。開口31の位置はこれに限定されないが、繋止部4に物品M2を繋止した際に、物品M1の内部空間ISへの出し入れを妨げない位置に形成されることが好ましい。例えば側板3d又は上板3fの寸法を調整して開口31を設けてもよい。側板3b、3d、3e又は上板3fに貫通孔を設けて開口31としてもよい。各板3a~3fの材質は、内部空間ISに物品M1を収納する上で十分な強度を有するものであれば特に限定されないが、比重の小さいものが好ましい。例えば、樹脂材料や木材等が挙げられ、物品収納構造1を軽量化することができる。枠体3gの材質は、各板3a~3fを取り付け、内部空間ISに物品M1を収納するために十分な強度を有するものであれば特に限定されず、例えば、金属材料や樹脂材料、木材等が挙げられる。収納部3の寸法は、トラック2の荷台21の寸法や、物品M1、物品M2の形状、個数、種類等に応じて種々の寸法を採用できるが、物品収納構造1を荷台21に取り付けた際に、収納部3の上端が、乗員室22のリアウインドウ22aの下端よりも下方に位置することが好ましい。これにより、物品収納構造1をトラック2に取り付けた状態においても後方視認性を確保することができる(図5参照)。
【0030】
収納部3は、蝶番32を介して接続された内開きの扉33を開口31に有している(図2~4参照)。扉33により、内部空間ISに収納した物品M1が外部空間OSへ意図せずに飛び出すことを防止できる。扉33が内開きであるため、トラック2の揺れ等で内部空間ISに収納した物品M1が扉33に衝突した場合であっても、扉33の開放を防止することができる。扉33は、外開きであってもよいが、その場合には、意図しない扉33の開放を防止するためのロック機構(図示略)を備えることが好ましい。収納部3は、図4に示すような内部空間ISを仕切るための仕切り部材34を備えていてもよい。
【0031】
繋止部4は、枠部材41、補強部材42、鉤状部材43、及び環状部材44を有し、正面視で略矩形の枠状体であり、収納部3の側板3c及び枠体3gと接続し、収納部3の上方に延び出している(図1~3参照)。枠部材41は、正面視で上下に位置する角棒状の上部材41a、下部材41b、及び左右に位置する角棒状の左部材41c、右部材41dからなり、下部材41b、左部材41c、及び右部材41dが、収納部3の側板3c及び枠体3gと接続している。枠体3gが有する延出部3hにより、枠部材41と枠体3gとが接続する面積を増加させることができ、繋止部4と収納部3との接続の強度が向上する。上部材41a、左部材41c、右部材41dは、荷台21に積載した物品M2の繋止箇所とすることができる(図5参照)。収納部3において、繋止部4が接続する面と、開口31が設けられる面とが異なるため、繋止した物品M2によって妨げられることなく、内部空間ISに収納した物品M1を出し入れすることができる。
【0032】
補強部材42は、上部材41aと下部材41bとを接続する角棒状の部材である。上部材41aと下部材41bとが補強部材42で接続されることにより繋止部4の強度が向上する。補強部材42は、荷台21に積載した物品M2の繋止箇所とすることもできる。
【0033】
鉤状部材43は、上部材41a、左部材41c、及び右部材41dに設けられており、途中で略直角に屈曲した円柱状の部材である。鉤状部材43の先端部は、他の部分よりも外径が大きく、引っ掛けたものが外れづらい形状である。鉤状部材43の屈曲する角度は、略直角に限定されない。鉤状部材43は、屈曲に替わり、湾曲していてもよい。環状部材44は、上部材41aの左端及び右端の上部に設けられ、ロープやゴム紐等の繋止具6を挿通し、結びつけることができる切れ目のない環状の部材である。環状部材44は、切れ目はあるがその端部同士が当接することにより、見かけ上切れ目の無い状態にあるものであってもよい。鉤状部材43及び環状部材44を有することにより、繋止具6による繋止の際の利便性が向上する。鉤状部材43及び環状部材44が設けられる位置及び数は、これらに限定されず、荷台21に積載する物品M2の形状、個数、種類等に応じて適宜変更可能である。例えば下部材41bや補強部材42、収納部3等に複数設けられていてもよい。
【0034】
繋止部4は、物品を引っ掛けるための掛止部として使用することも可能である。繋止部4が鉤状部材43及び環状部材44を有することにより、掛止する際の利便性が向上する。繋止部4の形状は、正面視で略矩形に限定されず、荷台21に積載する物品M2の形状、個数、種類等に応じて適宜変更可能である。繋止部4の材質は、物品M2を繋止するために十分な強度を有するものであれば特に限定されず、例えば、金属材料や樹脂材料、木材等が挙げられる。
【0035】
脚部5は、収納部3の底板3aと接続し、その下端に取付板51を有する。取付板51は、物品収納構造1を荷台21上に載置した際に荷台21と接する部分であり、取付板51と荷台21とを固定部材7で締め付けることにより、物品収納構造1を荷台21に取り付けることができる。積載する物品M2の形状、個数、種類等に応じて、物品収納構造1の荷台21上での位置を変更することができる。脚部5を備えることにより収納部3と荷台21とが離隔しているため、収納部3をくぐり抜けるように荷台21の長手方向に長尺な長尺物LMを荷台21上に載置することができる(図5参照)。
【0036】
物品収納構造1の使用方法について説明する。物品収納構造1を、荷台21上に載置し、固定部材7により脚部5を荷台21に固定し、物品収納構造1を荷台21に取り付ける。収納部3の内部空間ISに物品M1を収納する。荷台21に物品M2を積載し、繋止部4に繋止して固定する。収納部3をくぐり抜けるように長尺物LMを荷台21に積載する。大小さまざまな大きさの物品を荷台21に積載することができる。
【0037】
物品収納構造1は、以下の効果を奏する。収納部3の内部空間ISに物品M1を収納でき、繋止部4に物品M2を繋止することができる。内開きの扉33により、内部空間ISに収納した物品M1が扉33に衝突した場合であっても、扉33の開放を防止することができる。繋止部4が接続する収納部3の面と、開口31が設けられる収納部3の面とが異なるため、繋止した物品M2によって妨げられることなく、内部空間ISに収納した物品M1を出し入れすることができる。鉤状部材43及び環状部材44により、繋止具6による繋止の際の利便性が向上する。脚部5により収納部3と荷台21とが離隔しているため、収納部3をくぐり抜けるように長尺物LMを荷台21上に載置することができる。
【0038】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態の物品収納構造101を図6~8を参照して説明する。第1実施形態と共通するものについては、同一の符号を付して、その図示及び説明を援用し、主に相違点を説明する。物品収納構造101は、繋止部4、に替えて、収納部3に着脱可能に接続する繋止部104を備える(図6図7参照)。そのため、物品収納構造101は、収納部3および脚部5からなる収納部分101aと、繋止部104からなる繋止部分101bとに分離可能である。図6において、収納部分101aから離脱した状態の繋止部分101bを一点鎖線で示す。
【0039】
繋止部104の枠部材141は、下部材41bよりも下方に延出し、その下端が荷台21と接する左部材141c及び右部材141dを有する(図7参照)。左部材141c及び右部材141dの下端には、取付板145が設けられており、取付板145と荷台21とを固定部材7で締め付けることにより、繋止部104を荷台21に固定することができる。これにより、収納部3から離脱した状態の繋止部104を荷台21に設置することができるため、収納部分101aの位置を変更することなく、繋止部分101bの位置を変更することができる。枠部材141の外面に、ゴムやエラストマー等の滑り止め部材146を設けてもよい。滑り止め部材146と接触した状態で物品を繋止部104に繋止することにより、繋止した物品の安定性が向上する。
【0040】
繋止部104と収納部3との着脱可能な接続としては、例えばボルト及びナットからなる固定部材107による固定が挙げられ、本実施形態において、繋止部104は、収納部3の延出部3h及び脚部5と固定部材107によって接続している。繋止部104が脚部5とも接続することにより、接続の強度を増加させることができる。固定部材107による繋止部104と収納部3との接続は一例であり、固定方法、固定位置等はこれに限定されない。
【0041】
図8を参照しながら物品収納構造101の使用方法について説明する。収納部分101aと繋止部分101bとが接続した状態で物品収納構造101を使用する場合には、第1実施形態の場合と同様に、物品収納構造101を、荷台21上に載置し、固定部材7により脚部5を荷台21に固定し、物品収納構造1を荷台21に取り付けて使用する。このとき、繋止部104を固定部材7により荷台21に固定してもよく、これにより、物品収納構造101の荷台21への固定の強度が増加する。
【0042】
収納部分101aと繋止部分101bとに分離した状態で物品収納構造101を使用する場合には、収納部分101a及び繋止部分101bのそれぞれを荷台21上に載置し、固定部材7により荷台21に固定する。これにより、トラック2の鳥居部23の上部と、繋止部104の上部とに長尺物LMを架け渡した状態で繋止して積載することができる。荷台21における繋止部分101bを固定する位置を調整することにより、様々な長さの長尺物LMを安定して繋止することが可能である。なお、荷台21に積載する物品に応じて、収納部分101a又は繋止部分101bのどちらか一方のみを荷台に固定して使用することも可能である。
【0043】
<第2実施形態の変形例>
第2実施形態の変形例である物品収納構造201を、図9を参照して説明する。物品収納構造201は、繋止部104が、リンク機構(本実施形態ではレージトング208)によって収納部3と接続する構成である。繋止部104は、レージトング208の伸縮変位により、収納部3に対して、トラック2の前後方向に接離移動可能である。これにより、荷台21における繋止部104の位置の変更を簡便に行うことができる。レージトング208は、リンク機構による収納部3と繋止部104との接続の一例であり、その他の構造であってもよい。
【0044】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲に記載された本発明の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。例えば、実施形態において、収納部3の各板3a~3fが枠体3gに取り付けられているが、これらが一体的に成形されていてもよい。また、物品収納構造1が、複数の収納部3及び/又は繋止部4を有する構成であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明に係る物品収納構造は、工業、農業、土木業、建築業、運搬業等において利用可能であるため、産業上の利用可能性は大である。
【符号の説明】
【0046】
1、101、201・・・物品収納構造
2・・・トラック
21・・・荷台
22・・・乗員室
22a・・・リアウインドウ
23・・・鳥居部
3・・・収納部
3a・・・底板
3b~3e・・・側板
3f・・・上板
3g・・・枠体
3h・・・延出部
3i・・・補強部材
31・・・開口
32・・・蝶番
33・・・扉
34・・・仕切り部材
4、104・・・繋止部
41、141・・・枠部材
41a・・・上部材
41b・・・下部材
41c、141c・・・左部材
41d、141d・・・右部材
42・・・補強部材
43・・・鉤状部材
44・・・環状部材
5・・・脚部
51・・・取付板
6・・・繋止具
7・・・固定部材
101a・・・収納部分
101b・・・繋止部分
107・・・固定部材
145・・・取付板
146・・・滑り止め部材
208・・・レージトング(リンク機構)
IS・・・内部空間
LM・・・長尺物
M1、M2・・・物品
OS・・・外部空間
【要約】
【課題】 大小様々な大きさの物品をトラックの荷台に積載する際に、小さい物品を内部に収納でき、大きい物品を外部構造に繋止可能であり、大きい物品を繋止した場合であっても内部に収納した小さい物品の出し入れを妨げない物品収納構造を提供する。
【解決手段】 本発明は、トラックの荷台に取り付けられる物品収納構造1であって、内部に物品を収納可能な内部空間ISを形成する収納部3と、荷台に積載した他の物品を繋止可能である繋止部4と、を備え、収納部3が、内部空間ISと外部空間OSとを連通する開口を有し、繋止部4が、収納部3と接続することを特徴とする。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9