(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-25
(45)【発行日】2022-12-05
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/08 20120101AFI20221128BHJP
G06Q 30/02 20120101ALI20221128BHJP
【FI】
G06Q50/08
G06Q30/02 480
(21)【出願番号】P 2022117040
(22)【出願日】2022-07-22
【審査請求日】2022-07-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520074859
【氏名又は名称】株式会社AVILEN
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】吉川 武文
(72)【発明者】
【氏名】満野 翔
(72)【発明者】
【氏名】野口 大輝
【審査官】貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-150055(JP,A)
【文献】特許第6956912(JP,B1)
【文献】国際公開第2020/040253(WO,A1)
【文献】特開2004-013216(JP,A)
【文献】特開2004-362047(JP,A)
【文献】特開2015-102996(JP,A)
【文献】特開2020-008890(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザを特定する情報と、複数の項目についてユーザにより入力よりされた内容とを含む
ユーザのアンケートを取得するアンケート取得部と、
他のユーザのアンケートと当該他のユーザに推薦するためにオペレータにより選択されたハウスメーカまたは工務店との関係性を機械学習した学習済みモデルを用いて、前記アンケート取得部により取得されたアンケートに基づいて、前記ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を選択するレコメンド部と、
前記レコメンド部により選択されたハウスメーカまたは工務店のリストを出力するリスト出力部と、
を備え
、
前記ハウスメーカまたは工務店は複数のクラスに分類されており、
前記学習済みモデルは、第1のクラスと判定された他のユーザのアンケートと当該他のユーザに推薦するためにオペレータにより選択されたハウスメーカまたは工務店との関係性を機械学習した第1学習済みモデルと、第2のクラスと判定された他のユーザのアンケートと当該他のユーザに推薦するためにオペレータにより選択されたハウスメーカまたは工務店との関係性を機械学習した第2学習済みモデルと、を含み
、
前記レコメンド部は、前記アンケート取得部により取得されたアンケートに含まれる項目のうちの少なくとも2つの項目について、ユーザにより入力された内容に応じて点数を付け、各項目の点数に基づいて、点数とクラスとを対応付けるクラス判定ルールを参照して、前記ユーザに対応するクラスを判定し、第1のクラスと判定された場合には、第1学習済みモデルを用いて、当該ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を選択し、第2のクラスと判定された場合には、第2学習済みモデルを用いて、当該ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を選択する、
情報処理システム。
【請求項2】
前記クラスは、価格別のクラスである、
請求項
1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記レコメンド部は、前記アンケート取得部により
取得されたアンケートに含まれる項目のうち、予算、世帯年収、借金、土地の所有の有無、エリア、頭金のうちの少なくとも2つの項目について、ユーザにより入力された内容に応じて点数を付け、各項目の点数に基づいて、
前記クラス判定ルールを参照して、前記ユーザに対応するクラスを判定する、
請求項
1または
2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記リスト出力部は、判定されたクラスの情報を、選択されたハウスメーカまたは工務店のリストとともに出力する、
請求項
1または
2に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記リスト出力部により出力されたクラスの情報に対し、オペレータからの変更指示をリアルタイムで受け付けるクラス変更指示受付部
をさらに備えた請求項
4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記レコメンド部は、前記ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を前記学習済みモデルが選択するにあたり、
LIMEまたはSHAPのアルゴリズムを利用して、前記アンケートに含まれる項目のうちどの項目を重視したのかを説明する情報を生成し、
前記リスト出力部は、選択されたハウスメーカまたは工務店のリストとともに、前記説明する情報を出力する、
請求項1
または2に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記リスト出力部は、前記説明する情報を大分類に分類わけして出力する、
請求項
6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記大分類は、デザイン重視、性能重視、価格重視、アフターサポート重視、対象とするエリアに強い、自然素材・アレルギー対策のうちの少なくとも1つを含む、
請求項
7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記リスト出力部により出力されたリストに対し、オペレータからの変更指示をリアルタイムで受け付けるリスト変更指示受付部
をさらに備えた請求項1
または2に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記アンケート取得部により取得されたアンケートと、前記オペレータからの変更指示に基づいて変更されたハウスメーカまたは工務店のリストとを学習データとして、前記学習済みモデルに追加学習させる追加学習部
をさらに備えた請求項
9に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記アンケート取得部により取得されたアンケートに対し、オペレータからの変更指示をリアルタイムで受け付けるアンケート変更指示受付部
をさらに備えた請求項1
または2に記載の情報処理システム。
【請求項12】
ユーザのアンケートのうち、前記ユーザがこだわるポイントに対応する項目に入力された内容と、ハウスメーカまたは工務店が強みとするポイントの内容との間の類似度が自然言語処理により算出され、前記学習済みモデルは、算出された類似度が加えられた学習データを機械学習したものである、
請求項1
または2に記載の情報処理システム。
【請求項13】
アンケート取得部が、
ユーザを特定する情報と、複数の項目についてユーザにより入力よりされた内容とを含むユーザのアンケートを取得するステップと、
レコメンド部が、他のユーザのアンケートと当該他のユーザに推薦するためにオペレータにより選択されたハウスメーカまたは工務店との関係性を機械学習した学習済みモデルを用いて、前記アンケート取得部により取得されたアンケートに基づいて、前記ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を選択するステップ
であって、前記ハウスメーカまたは工務店は複数のクラスに分類されており、前記学習済みモデルは、第1のクラスと判定された他のユーザのアンケートと当該他のユーザに推薦するためにオペレータにより選択されたハウスメーカまたは工務店との関係性を機械学習した第1学習済みモデルと、第2のクラスと判定された他のユーザのアンケートと当該他のユーザに推薦するためにオペレータにより選択されたハウスメーカまたは工務店との関係性を機械学習した第2学習済みモデルと、を含み、前記レコメンド部は、前記アンケート取得部により取得されたアンケートに含まれる項目のうちの少なくとも2つの項目について、ユーザにより入力された内容に応じて点数を付け、各項目の点数に基づいて、点数とクラスとを対応付けるクラス判定ルールを参照して、前記ユーザに対応するクラスを判定し、第1のクラスと判定された場合には、第1学習済みモデルを用いて、当該ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を選択し、第2のクラスと判定された場合には、第2学習済みモデルを用いて、当該ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を選択する、ステップと、
リスト出力部が、前記レコメンド部により選択されたハウスメーカまたは工務店のリストを出力するステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項14】
コンピュータを、
ユーザを特定する情報と、複数の項目についてユーザにより入力よりされた内容とを含む
ユーザのアンケートを取得するアンケート取得部と、
他のユーザのアンケートと当該他のユーザに推薦するためにオペレータにより選択されたハウスメーカまたは工務店との関係性を機械学習した学習済みモデルを用いて、前記アンケート取得部により取得されたアンケートに基づいて、前記ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を選択するレコメンド部
であって、前記ハウスメーカまたは工務店は複数のクラスに分類されており、前記学習済みモデルは、第1のクラスと判定された他のユーザのアンケートと当該他のユーザに推薦するためにオペレータにより選択されたハウスメーカまたは工務店との関係性を機械学習した第1学習済みモデルと、第2のクラスと判定された他のユーザのアンケートと当該他のユーザに推薦するためにオペレータにより選択されたハウスメーカまたは工務店との関係性を機械学習した第2学習済みモデルと、を含み、前記レコメンド部は、前記アンケート取得部により取得されたアンケートに含まれる項目のうちの少なくとも2つの項目について、ユーザにより入力された内容に応じて点数を付け、各項目の点数に基づいて、点数とクラスとを対応付けるクラス判定ルールを参照して、前記ユーザに対応するクラスを判定し、第1のクラスと判定された場合には、第1学習済みモデルを用いて、当該ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を選択し、第2のクラスと判定された場合には、第2学習済みモデルを用いて、当該ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を選択する、レコメンド部と、
前記レコメンド部により選択されたハウスメーカまたは工務店のリストを出力するリスト出力部と、
として機能させるための情報処理プログラム。
【請求項15】
ユーザを特定する情報と、複数の項目についてユーザにより入力よりされた内容とを含む
ユーザのアンケートを取得するアンケート取得部と、
他のユーザのアンケートと当該他のユーザに推薦するためにオペレータにより選択されたハウスメーカまたは工務店との関係性を機械学習した学習済みモデルを用いて、前記アンケート取得部により取得されたアンケートに基づいて、前記ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を選択するレコメンド部と、
前記レコメンド部により選択されたハウスメーカまたは工務店のリストを出力するリスト出力部と、
を備え、
前記ハウスメーカまたは工務店は複数のクラスに分類されており、
前記クラスは、価格別のクラスであり、
前記学習済みモデルは、第1のクラスと判定されたユーザのアンケートと当該ユーザに推薦するためにオペレータにより選択されたハウスメーカまたは工務店との関係性を機械学習した第1学習済みモデルと、第2のクラスと判定されたユーザのアンケートと当該ユーザに推薦するためにオペレータにより選択されたハウスメーカまたは工務店との関係性を機械学習した第2学習済みモデルと、を含み、
前記レコメンド部は、前記アンケート取得部により
取得されたアンケートに含まれる項目のうち、予算、世帯年収、借金、土地の所有の有無、エリア、頭金のうちの少なくとも2つの項目について、ユーザにより入力された内容に応じて点数を付け、当該点数に基づいて、
点数とクラスとを対応付けるクラス判定ルールを参照して、前記ユーザに対応するクラスを判定し、
第1のクラスと判定された場合には、第1学習済みモデルを用いて、当該ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を選択し、第2のクラスと判定された場合には、第2学習済みモデルを用いて、当該ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を選択し、
前記リスト出力部は、判定されたクラスの情報を、選択されたハウスメーカまたは工務店のリストとともに出力し、
前記リスト出力部により出力されたクラスの情報に対し、オペレータからの変更指示をリアルタイムで受け付けるクラス変更指示受付部をさらに備え、
前記レコメンド部は、前記学習済みモデルが前記ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を選択するにあたり、
LIMEまたはSHAPのアルゴリズムを利用して、前記アンケートに含まれる項目のうちどの項目を重視したのかを説明する情報を生成し、
前記リスト出力部は、前記説明する情報を大分類に分類わけして、選択されたハウスメーカまたは工務店のリストとともに出力し、
前記大分類は、デザイン重視、性能重視、価格重視、アフターサポート重視、対象とするエリアに強い、自然素材・アレルギー対策のうちの少なくとも1つを含み、
前記リスト出力部により出力されたリストに対し、オペレータからの変更指示をリアルタイムで受け付けるリスト変更指示受付部と、
前記アンケート取得部により取得されたアンケートと、前記オペレータからの変更指示に基づいて変更されたハウスメーカまたは工務店のリストとを学習データとして、前記学習済みモデルに追加学習させる追加学習部と、
前記アンケート取得部により取得されたアンケートに対し、オペレータからの変更指示をリアルタイムで受け付けるアンケート変更指示受付部と、をさらに備え、
ユーザのアンケートのうち、前記ユーザがこだわるポイントに対応する項目に入力された内容と、ハウスメーカまたは工務店が強みとするポイントの内容との間の類似度が自然言語処理により算出され、前記学習済みモデルは、算出された類似度が加えられた学習データを機械学習したものである、
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、土地の購入から建物の引渡し、住宅ローンの支払いの完了までの分譲住宅購入の一連のプロセスを定量的に管理するためのシステムにおいて、顧客と分譲住宅売主が所有する分譲用地とのマッチングを、顧客の分譲住宅購入情報と、分譲住宅売主が購入希望する土地情報とを互いに照合して実施する技術が開示されている(請求項2など)。しかしながら、分譲住宅ではなく、建物を自分で建てることを希望しているユーザとハウスメーカまたは工務店とのマッチングを支援するための技術については知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたものである。本発明の目的は、建物を自分で建てることを希望しているユーザとハウスメーカまたは工務店とのマッチングを支援するための技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様に係る情報処理システムは、
ユーザのアンケートを取得するアンケート取得部と、
他のユーザのアンケートと当該他のユーザに推薦するためにオペレータにより選択されたハウスメーカまたは工務店との関係性を機械学習した学習済みモデルを用いて、前記アンケート取得部により取得されたアンケートに基づいて、前記ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を選択するレコメンド部と、
前記レコメンド部により選択されたハウスメーカまたは工務店のリストを出力するリスト出力部と、
を備える。
【0006】
このような態様によれば、ユーザのアンケートを入力として、他のユーザのアンケートと当該他のユーザに推薦するためにオペレータにより選択されたハウスメーカまたは工務店との関係性を機械学習した学習済みモデルを用いて、当該ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店が選択され、選択されたハウスメーカまたは工務店のリストが出力されるため、オペレータは、ユーザのアンケートに含まれる多数の項目の内容を一つ一つ確認しなくても、当該ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を、多数のハウスメーカまたは工務店の候補の中から迅速にリストアップすることができる。また、オペレータは、リストアップされたハウスメーカまたは工務店を参考にすることで、ユーザに対してマッチングする可能性が低いハウスメーカまたは工務店を誤って推薦してしまうことが起こりにくくなる。したがって、建物を自分で建てることを希望しているユーザとハウスメーカまたは工務店とのマッチングを支援できる。
【0007】
本発明の第2の態様に係る情報処理システムは、第1の態様に係る情報処理システムであって、
前記ハウスメーカまたは工務店は複数のクラスに分類されており、
前記レコメンド部は、前記アンケート取得部により取得されたアンケートに基づいて、前記ユーザに対応するクラスを判定し、判定されたクラスに属するハウスメーカまたは工務店の中から、前記ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を選択する。
【0008】
このような態様によれば、レコメンド部が、ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を選択するにあたり、選択候補が適切な範囲に(すなわち、ユーザに対応するクラスに属する候補に)限定されるため、ユーザとはマッチングする可能性が低いハウスメーカまたは工務店を選択してしまうことが起こりにくくなる。
【0009】
本発明の第3の態様に係る情報処理システムは、第2の態様に係る情報処理システムであって、
前記クラスは、価格別のクラスである。
【0010】
本発明の第4の態様に係る情報処理システムは、第2または3の態様に係る情報処理システムであって、
前記レコメンド部は、前記アンケート取得部によりアンケートに含まれる項目のうち、予算、世帯年収、借金、土地の所有の有無、エリア、頭金のうちの少なくとも2つの項目について、ユーザにより入力された内容に応じて点数を付け、各項目の点数に基づいて、前記ユーザに対応するクラスを判定する。
【0011】
本発明の第5の態様に係る情報処理システムは、第2~4のいずれかの態様に係る情報処理システムであって、
前記リスト出力部は、選択されたハウスメーカまたは工務店のリストを、前記ユーザに対して判定されたクラスの情報とともに出力する。
【0012】
本発明の第6の態様に係る情報処理システムは、第5の態様に係る情報処理システムであって、
前記リスト出力部により出力されたクラスの情報に対し、オペレータからの変更指示をリアルタイムで受け付けるクラス変更指示受付部をさらに備える。
【0013】
本発明の第7の態様に係る情報処理システムは、第2~6のいずれかの態様に係る情報処理システムであって、
前記学習済みモデルは、第1のクラスと判定された他のユーザのアンケートと当該他のユーザに推薦するためにオペレータにより選択されたハウスメーカまたは工務店との関係性を機械学習した第1学習済みモデルと、第2のクラスと判定された他のユーザのアンケートと当該他のユーザに推薦するためにオペレータにより選択されたハウスメーカまたは工務店との関係性を機械学習した第2学習済みモデルと、を含み、
前記レコメンド部は、前記アンケート取得部により取得されたアンケートに基づいて、前記ユーザに対応するクラスを判定し、第1のクラスと判定された場合には、第1学習済みモデルを用いて、当該ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を選択し、第2のクラスと判定された場合には、第2学習済みモデルを用いて、当該ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を選択する。
【0014】
本発明の第8の態様に係る情報処理システムは、第1~7のいずれかの態様に係る情報処理システムであって、
前記レコメンド部は、前記ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を前記学習済みモデルが選択するにあたり、前記アンケートに含まれる項目のうちどの項目を重視したのかを説明する情報を生成し、
前記リスト出力部は、選択されたハウスメーカまたは工務店のリストを、前記説明する情報とともに出力する。
【0015】
このような態様によれば、オペレータは、選択されたハウスメーカまたは工務店のリストを確認する際に、当該ハウスメーカまたは工務店が選択された理由(アンケートに含まれる項目のうちどの項目を重視したのか)を確認することが可能となる。
【0016】
本発明の第9の態様に係る情報処理システムは、第8の態様に係る情報処理システムであって、
前記リスト出力部は、前記説明する情報を大分類に分類わけして出力する。
【0017】
このような態様によれば、視認性が向上するため、オペレータは、ハウスメーカまたは工務店が選択された理由(アンケートに含まれる項目のうちどの項目を重視したのか)を迅速に確認することが可能となる。
【0018】
本発明の第10の態様に係る情報処理システムは、第9の態様に係る情報処理システムであって、
前記大分類は、デザイン重視、性能重視、価格重視、アフターサポート重視、対象とするエリアに強い、自然素材・アレルギー対策のうちの少なくとも1つを含む。
【0019】
本発明の第11の態様に係る情報処理システムは、第1~10のいずれかの態様に係る情報処理システムであって、
前記リスト出力部により出力されたリストに対し、オペレータからの変更指示をリアルタイムで受け付けるリスト変更指示受付部をさらに備える。
【0020】
本発明の第12の態様に係る情報処理システムは、第11の態様に係る情報処理システムであって、
前記アンケート取得部により取得されたアンケートと、前記オペレータからの変更指示に基づいて変更されたハウスメーカまたは工務店のリストとを学習データとして、前記学習済みモデルに追加学習させる追加学習部をさらに備える。
【0021】
このような態様によれば、学習済みモデルにおいて追加学習が行われることで、ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店の選択精度を高めることが可能となる。
【0022】
本発明の第13の態様に係る情報処理システムは、第1~12のいずれかの態様に係る情報処理システムであって、
前記アンケート取得部により取得されたアンケートに対し、オペレータからの変更指示をリアルタイムで受け付けるアンケート変更指示受付部をさらに備える。
【0023】
本発明の第14の態様に係る情報処理システムは、第1~13のいずれかの態様に係る情報処理システムであって、
ユーザのアンケートのうち、前記ユーザがこだわるポイントに対応する項目に入力された内容と、ハウスメーカまたは工務店が強みとするポイントの内容との間の類似度が然言語処理により算出され、前記学習済みモデルは、算出された類似度が加えられた学習データを機械学習したものである。
【0024】
本発明の第15の態様に係る情報処理方法は、
アンケート取得部が、ユーザのアンケートを取得するステップと、
レコメンド部が、他のユーザのアンケートと当該他のユーザに推薦するためにオペレータにより選択されたハウスメーカまたは工務店との関係性を機械学習した学習済みモデルを用いて、前記アンケート取得部により取得されたアンケートに基づいて、前記ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を選択するステップと、
リスト出力部が、前記レコメンド部により選択されたハウスメーカまたは工務店のリストを出力するステップと、
を含む。
【0025】
本発明の第16の態様に係る情報処理プログラムは、
コンピュータを、
ユーザのアンケートを取得するアンケート取得部と、
他のユーザのアンケートと当該他のユーザに推薦するためにオペレータにより選択されたハウスメーカまたは工務店との関係性を機械学習した学習済みモデルを用いて、前記アンケート取得部により取得されたアンケートに基づいて、前記ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を選択するレコメンド部と、
前記レコメンド部により選択されたハウスメーカまたは工務店のリストを出力するリスト出力部と、
として機能させる。
【0026】
本発明の第17の態様に係る情報処理システムは、
ユーザのアンケートを取得するアンケート取得部と、
他のユーザのアンケートと当該他のユーザに推薦するためにオペレータにより選択されたハウスメーカまたは工務店との関係性を機械学習した学習済みモデルを用いて、前記アンケート取得部により取得されたアンケートに基づいて、前記ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を選択するレコメンド部と、
前記レコメンド部により選択されたハウスメーカまたは工務店のリストを出力するリスト出力部と、
を備え、
前記ハウスメーカまたは工務店は複数のクラスに分類されており、
前記レコメンド部は、前記アンケート取得部により取得されたアンケートに基づいて、前記ユーザに対応するクラスを判定し、判定されたクラスに属するハウスメーカまたは工務店の中から、前記ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を選択し、
前記クラスは、価格別のクラスであり、
前記レコメンド部は、前記アンケート取得部によりアンケートに含まれる項目のうち、予算、世帯年収、借金、土地の所有の有無、エリア、頭金のうちの少なくとも2つの項目について、ユーザにより入力された内容に応じて点数を付け、当該点数に基づいて、前記ユーザに対応するクラスを判定し、
前記リスト出力部は、選択されたハウスメーカまたは工務店のリストを、前記ユーザに対して判定されたクラスの情報とともに出力し、
前記リスト出力部により出力されたクラスの情報に対し、オペレータからの変更指示をリアルタイムで受け付けるクラス変更指示受付部をさらに備え、
前記学習済みモデルは、第1のクラスと判定されたユーザのアンケートと当該ユーザに推薦するためにオペレータにより選択されたハウスメーカまたは工務店との関係性を機械学習した第1学習済みモデルと、第2のクラスと判定されたユーザのアンケートと当該ユーザに推薦するためにオペレータにより選択されたハウスメーカまたは工務店との関係性を機械学習した第2学習済みモデルと、を含み、
前記レコメンド部は、前記アンケート取得部により取得されたアンケートに基づいて、前記ユーザに対応するクラスを判定し、第1のクラスと判定された場合には、第1学習済みモデルを用いて、当該ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を選択し、第2のクラスと判定された場合には、第2学習済みモデルを用いて、当該ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を選択し、
前記レコメンド部は、前記ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を前記学習済みモデルが選択するにあたり、前記アンケートに含まれる項目のうちどの項目を重視したのかを説明する情報を生成し、
前記リスト出力部は、前記説明する情報を大分類に分類わけして、選択されたハウスメーカまたは工務店のリストとともに出力し、
前記大分類は、デザイン重視、性能重視、価格重視、アフターサポート重視、対象とするエリアに強い、自然素材・アレルギー対策のうちの少なくとも1つを含み、
前記リスト出力部により出力されたリストに対し、オペレータからの変更指示をリアルタイムで受け付けるリスト変更指示受付部と、
前記アンケート取得部により取得されたアンケートと、前記オペレータからの変更指示に基づいて変更されたハウスメーカまたは工務店のリストとを学習データとして、前記学習済みモデルに追加学習させる追加学習部と、
前記アンケート取得部により取得されたアンケートに対し、オペレータからの変更指示をリアルタイムで受け付けるアンケート変更指示受付部と、をさらに備え、
前記学習済みモデルは、ユーザにより入力されたアンケートのうち、前記ユーザがこだわるポイントに対応する項目に入力された内容と、ハウスメーカまたは工務店が強みとするポイントの内容とに対し、自然言語処理により類似度が算出され、算出された類似度が加えられた学習データを機械学習したものである。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、建物を自分で建てることを希望しているユーザとハウスメーカまたは工務店とのマッチングを支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、一実施の形態に係る情報処理システムの概略的な構成を示す図である。
【
図2】
図2は、情報処理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、ユーザのアンケートに基づいて当該ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を選択する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、ユーザのアンケートの一例を説明するための図である。
【
図5】
図5は、ハウスメーカまたは工務店のクラスの分類の一例を説明するための図である。
【
図6】
図6は、ユーザのアンケートに基づいて当該ユーザに対応するクラスを判定する処理の一例を説明するための図である。
【
図7】
図7は、情報処理システムにより表示される画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下の説明および以下の説明で用いる図面では、同一に構成され得る部分について、同一の符号を用いるとともに、重複する説明を省略する。
【0030】
(情報処理システムの構成)
図1は、一実施の形態に係る情報処理システム1の概略的な構成を示す図である。本実施の形態に係る情報処理システム1は、建物を自分で建てることを希望しているユーザとハウスメーカまたは工務店とのマッチングを支援するために、当該ユーザに対して電話やチャットなどのコミュニケーションツールを介して連絡するオペレータにより利用されるシステムである。
【0031】
図1に示すように、情報処理システム1は、端末装置2と、サーバ3とを備えている。端末装置2とサーバ3とは、インターネット等のネットワーク4を介して互いに通信可能に接続されている。ネットワーク4は、有線回線と無線回線のいずれでもよく、回線の種類や形態は問わない。なお、端末装置2およびサーバ3の少なくとも一部は、コンピュータにより実現される。
【0032】
端末装置2は、オペレータが使用するものであり、たとえば、スマートフォンやタブレット端末などのモバイル端末、ノートブックコンピュータ、またはデスクトップコンピュータなどの電子機器である。
【0033】
図1に示すように、端末装置2は、端末通信部21と、端末制御部22と、端末記憶部23と、端末入力部24と、端末表示部25とを有している。各部21~25は、バスを介して互いに通信可能に接続されている。
【0034】
端末通信部21は、端末装置2とネットワーク4との間の通信インターフェースである。端末通信部21は、ネットワーク4を介して端末装置2とサーバ3との間で情報を送受信する。
【0035】
端末制御部22は、端末装置2の各種処理を行う制御手段である。端末制御部22は、端末装置2内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現されてもよいし、ハードウェアで実装されてもよい。
【0036】
端末記憶部23は、たとえばフラッシュメモリやハードディスク等の不揮発性データストレージである。端末記憶部23には、端末制御部22が取り扱う各種データが記憶される。なお、端末記憶部23は、必ずしも端末装置2内に設けられていなくてもよく、端末記憶部23の一部または全部は、ネットワーク4を介して端末装置2と通信可能に接続された別の装置内に設けられていてもよい。
【0037】
端末入力部24は、オペレータが端末装置2に情報を入力するためのインターフェースであり、たとえばモバイル端末におけるタッチパネルやマイクロフォン、ノートブックコンピュータにおけるタッチパッド、キーボードまたはマウスなどである。
【0038】
端末表示部25は、端末装置2からオペレータに対して各種情報を表示するインターフェースであり、たとえば液晶ディスプレイ等の映像表示手段である。具体的には、たとえば、端末表示部25は、ユーザからの操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示してもよい。
【0039】
次に、サーバ3について説明する。
図1に示すように、サーバ3は、サーバ通信部31と、サーバ制御部32と、サーバ記憶部33とを有している。各部31~33は、バスやネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。
【0040】
このうちサーバ通信部31は、サーバ3とネットワーク4との間の通信インターフェースである。サーバ通信部31は、ネットワーク4を介してサーバ3と端末装置2との間で情報を送受信する。
【0041】
サーバ記憶部33は、たとえばフラッシュメモリやハードディスク等の不揮発性データストレージである。サーバ記憶部33には、サーバ制御部32が取り扱う各種データが記憶される。たとえば、サーバ記憶部33は、ハウスメーカ・工務店データベース33aと、クラス判定ルール33bとを含んでいる。
【0042】
ハウスメーカ・工務店データベース33aには、ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店の候補が複数記憶されている。後述するレコメンド部32bは、ハウスメーカ・工務店データベース33aに記憶されているハウスメーカまたは工務店の候補の中から、ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を選択する。
【0043】
図5を参照し、ハウスメーカまたは工務店の候補は複数のクラス(
図5に示す例では、High、Middle、Lowの3クラス)に分類されており、ハウスメーカ・工務店データベース33aでは、各ハウスメーカまたは工務店の候補に対して、それが属するクラスの情報が関連付けられて記憶されていてもよい。ここで「クラス」は、価格別(高価格、中価格、低価格など)のクラスであってもよいし、ブランド別(大手、中堅、小規模など)のクラスであってもよい。
図5に示すように、各ハウスメーカまたは工務店の候補は、それぞれ異なるクラスに属するように分類されていてもよい。一変形例として、各ハウスメーカまたは工務店の候補は、それぞれ1または複数のクラスに属するように分類されていてもよい。たとえば、価格が高いクラスほど、当該クラスに属するハウスメーカまたは工務店の数が多くなるように分類されていてもよい。この場合、後述するレコメンド部32bが、ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を選択するにあたり、価格が低いクラスのユーザほど、選択候補が狭い範囲(少ない数の候補)に限定されるため、価格が低いクラスのユーザに対して、マッチングする可能性が低いハウスメーカまたは工務店(価格が高いクラスに属するハウスメーカまたは工務店)を選択してしまうことが起こりにくくなる。
【0044】
また、ハウスメーカ・工務店データベース33aでは、各ハウスメーカまたは工務店の候補に対して、それが強みとするポイント(ユーザに対するアピールポイント)の情報が関連付けられて記憶されていてもよい。
【0045】
クラス判定ルール33bには、後述するレコメンド部32bがユーザのクラスを判定する際に参照するルール(条件)が記憶されている。具体的には、たとえば、ユーザのアンケートに含まれる項目のうち、「予算」の項目に入力されている値を点数に換算する条件(たとえば値が○○以上○○未満であれば○○点を付与するなど)が記憶されていてもよいし、各項目の点数に基づいて当該ユーザに対応するクラスを判定するための条件(たとえば合計点数が○○以上○○未満であれば○○クラスと判定するなど)が記憶されていてもよい。
【0046】
なお、サーバ記憶部33は、必ずしもサーバ3内に設けられていなくてもよく、サーバ記憶部33の一部または全部は、ネットワーク4を介してサーバ3と通信可能に接続された別の装置内に設けられていてもよい。
【0047】
図1に示すように、サーバ制御部32は、アンケート取得部32aと、レコメンド部32bと、リスト出力部32cと、クラス変更指示受付部32dと、リスト変更指示受付部32eと、追加学習部32fと、アンケート変更指示受付部32gとを有している。これらの各部32a~32gは、サーバ3内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現されてもよいし、ハードウェアで実装されてもよい。
【0048】
アンケート取得部32aは、建物を自分で建てることを希望しているユーザからのアンケートを取得する。アンケートは、ユーザが所定のウェブサイトに設けられたアンケートフォームを介して自ら入力したデータであってもよいし、ユーザが住宅展示場などを訪問した際に所定のアンケート用紙に記入したデータであってもよい。アンケート用紙に記入したデータである場合には、アンケート取得部32aは、OCRにより変換された電子データをOCR機器から取得してもよいし、作業員により手作業で変換された電子データを作業員の端末機器から取得してもよい。アンケート取得部32aにより取得されたユーザのアンケートの情報は、サーバ記憶部33に記憶されてもよい。
【0049】
図4は、アンケート取得部32aにより取得されるアンケートの一例を示す図である。
図4に示すように、ユーザのアンケートは、ユーザを特定する情報(たとえば氏名および電話番号)に加えて、世帯主年齢、世帯年収、子供人数、予算、借金、土地の所有の有無、エリア、頭金、家選びの基準、こだわり条件などの複数の項目について、ユーザにより入力された内容(値)を含んでいてもよい。
【0050】
レコメンド部32bは、他のユーザのアンケートと当該他のユーザに推薦するためにオペレータにより選択されたハウスメーカまたは工務店との関係性を機械学習した学習済みモデル(たとえばニューラルネットワークモデル)を含んでいる。機械学習のアルゴリズムは、たとえばランキング学習であってもよい。レコメンド部32bは、アンケート取得部32aにより新たに取得されたアンケートを入力として、当該学習済みモデルを利用して、ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を選択する。
【0051】
図3は、ユーザのアンケートに基づいて当該ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を選択する処理の一例を示すフローチャートである。
図3に示す例では、レコメンド部32bは、まず、アンケート取得部32aにより取得されたアンケートに基づいて、クラス判定ルール33bを参照して、ユーザに対応するクラスを判定する(ステップS21)。具体的には、たとえば、
図6を参照し、レコメンド部32bは、アンケート取得部32aによりアンケートに含まれる項目のうち、予算、世帯年収、借金、土地の所有の有無、エリア、頭金のうちの少なくとも2つの項目について、ユーザにより入力された内容(値)に応じて点数を付け、各項目の点数(たとえば合計点数)に基づいて、ユーザに対応するクラスを判定してもよい。
【0052】
次いで、レコメンド部32bは、ハウスメーカ・工務店データベース33aを参照し、判定されたクラスに属するハウスメーカまたは工務店の中から、ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を選択する(ステップS22)。一例として、レコメンド部32bが利用する学習済みモデルは、第1のクラス(たとえば、Highクラス)と判定されたユーザのアンケートと当該ユーザに推薦するためにオペレータにより選択されたハウスメーカまたは工務店(Highクラスに属するハウスメーカまたは工務店)との関係性を機械学習した第1学習済みモデルと、第2のクラス(たとえば、MiddleおよびLowクラス)と判定されたユーザのアンケートと当該ユーザに推薦するためにオペレータにより選択されたハウスメーカまたは工務店(MiddleおよびLowクラスに属するハウスメーカまたは工務店)との関係性を機械学習した第2学習済みモデルと、を含んでいてもよい。この場合、レコメンド部32bは、ステップS21において第1のクラス(たとえばHighクラス)と判定された場合には、第1学習済みモデルを用いて、当該ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を選択し、ステップS21において第2のクラス(たとえばMiddleまたはLowクラス)と判定された場合には、第2学習済みモデルを用いて、当該ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を選択してもよい。
【0053】
レコメンド部32bが、ユーザのアンケートに基づいて、当該ユーザに対応するクラスを判定し、判定されたクラスに属するハウスメーカまたは工務店の中から、当該ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を選択することで、選択候補が適切な範囲に(すなわち、ユーザに対応するクラスに属する候補に)限定されるため、当該ユーザとはマッチングする可能性が低いハウスメーカまたは工務店を選択してしまうことが起こりにくくなる。
【0054】
一変形例として、サーバ制御部32は、ユーザのアンケートのうち、ユーザがこだわるポイントに対応する項目(
図4に示す例では「家選びの基準」および「こだわり条件」の項目)に入力された内容と、ハウスメーカまたは工務店が強みとするポイント(アピールポイント)の内容との間の類似度を自然言語処理により算出するようになっており、レコメンド部32bが利用する学習済みモデルは、算出された類似度が加えられた学習データを機械学習したものであってもよい。
【0055】
リスト出力部33cは、レコメンド部32bにより選択されたハウスメーカまたは工務店のリストを出力するための制御信号を端末装置2に送信し、端末表示部25を介してオペレータに出力する(
図7の符号50参照)。
図7に示すように、リスト出力部33cは、アンケート取得部32aにより取得されたアンケートの情報52を、選択されたハウスメーカまたは工務店のリスト50とともに、オペレータに対して出力してもよい。
【0056】
図7に示すように、リスト出力部33cは、レコメンド部32bにより判定されたユーザのクラスの情報51(図示された例では「Middle」)を、選択されたハウスメーカまたは工務店のリスト50とともに、オペレータに対して出力してもよい。
【0057】
クラス変更指示受付部32dは、リスト出力部33cにより出力されたクラスの情報51に対し、オペレータからの変更指示をリアルタイムで受け付ける。たとえば、オペレータが、端末表示部25に表示されたクラスの情報51(
図7に示す例では「Middle」)を、端末入力部24を介して選択して他のクラス(たとえば「High」または「Low」)に変更する操作を行うと、クラス変更指示受付部32dは、オペレータからの当該変更指示を、端末装置2を介してリアルタイムで受け付ける。この場合、レコメンド部32bは、ハウスメーカ・工務店データベース33aを参照し、変更後のクラスに属するハウスメーカまたは工務店の中から、ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を再選択し、リスト出力部33cは、レコメンド部32bにより再選択されたハウスメーカまたは工務店のリストをオペレータに対して出力する(すなわち、端末表示部25に表示されているハウスメーカまたは工務店のリスト50を更新する)。クラス判定ルール33bに基づいて行われた機械的なクラスの判定が、経験豊富なオペレータにとって不自然であると感じられる場合には、オペレータは、クラス変更指示受付部32dを利用してリアルタイムでクラスの判定を修正することができるため、適切に判定されたクラスに属するハウスメーカまたは工務店の中から、ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を選択することが可能となり、ユーザに対してマッチングする可能性が低いハウスメーカまたは工務店を誤って推薦してしまうことが起こりにくくなる。
【0058】
レコメンド部32bは、ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を学習済みモデルが選択するにあたり、ユーザのアンケートに含まれる項目のうちどの項目(特徴量)を重視したのかを説明する情報(以下、選択した理由を説明する情報ともいう)を生成してもよい。選択した理由を説明する情報を生成するためのアルゴリズムとして、レコメンド部32bは、たとえば、LIME(Local Interpretable Model-agnostic Explanations)またはSHAP(SHapley Additive exPlanations)を利用してもよい。なお、LIMEについては、Marco Tulio Ribeiro et al., " Why Should I Trust You?: Explaining the Predictions of Any Classifier", KDD '16: Proceedings of the 22nd ACM SIGKDD International Conference on Knowledge Discovery and Data Mining, August 2016, Pages 1135-1144に記載されている。また、SHAPについては、Scott M. Lundberg, et al., " A Unified Approach to Interpreting Model Predictions", NIPS'17: Proceedings of the 31st International Conference on Neural Information Processing Systems, December 2017, Pages 4768-4777に記載されている。
【0059】
レコメンド部32bにより選択した理由を説明する情報が生成される場合には、リスト出力部32cは、選択されたハウスメーカまたは工務店のリスト50とともに、選択した理由を説明する情報を出力してもよい。これにより、オペレータは、選択されたハウスメーカまたは工務店のリスト50を確認する際に、当該ハウスメーカまたは工務店が選択された理由(アンケートに含まれる項目のうちどの項目を重視したのか)を確認することが可能となる。
【0060】
リスト出力部32cは、選択した理由を説明する情報を大分類に分類わけして出力してもよい。ここで「大分類」は、たとえば、デザイン重視、性能重視、価格重視、アフターサポート重視、対象とするエリアに強い、自然素材・アレルギー対策のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。リスト出力部32cが、選択した理由を説明する情報を大分類に分類わけして出力することで、視認性が向上するため、オペレータは、ハウスメーカまたは工務店が選択された理由(アンケートに含まれる項目のうちどの項目を重視したのか)を迅速に確認することが可能となる。
【0061】
リスト変更指示受付部32eは、リスト出力部32cにより出力されたリスト50に対し、オペレータからの変更指示をリアルタイムで受け付ける。たとえば、オペレータが、端末表示部25に表示されたハウスメーカまたは工務店のリスト50のうち、レコメンドの列の「〇」(または「×」)の表示を選択して「×」(または「〇」)に変更する操作を行うと、リスト変更指示受付部32eは、オペレータからの当該変更指示を、端末装置2を介してリアルタイムで受け付ける。これにより、学習済みモデルを用いて選択されたハウスメーカまたは工務店のリスト50が、経験豊富なオペレータにとって不自然であると感じられる場合には、オペレータは、リスト変更指示受付部32eを利用してリアルタイムでリスト50を修正することができるため、ユーザに対してマッチングする可能性が低いハウスメーカまたは工務店を誤って推薦してしまうことが起こりにくくなる。
【0062】
リスト変更指示受付部32eが、リスト出力部32cにより出力されたリスト50に対するオペレータからの変更指示を受け付けた場合には、追加学習部32fは、アンケート取得部32aにより取得されたユーザのアンケートと、オペレータからの変更指示に基づいて変更されたハウスメーカまたは工務店のリストとを学習データとして、学習済みモデルに追加学習させる。学習済みモデルにおいて追加学習が行われることで、ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店の選択精度を高めることが可能となる。
【0063】
アンケート変更指示受付部32gは、アンケート取得部32aにより取得されたアンケートの情報52に対し、オペレータからの変更指示をリアルタイムで受け付ける。たとえば、オペレータが、端末表示部25に表示されたアンケートの情報52のうち、ある項目の値(たとえば「家選びの基準」の項目の「価格重視」)を、端末入力部24を介して選択して他の値(たとえば「デザイン重視」)に変更する操作を行うと、アンケート変更指示受付部32gは、オペレータからの当該変更指示を、端末装置2を介してリアルタイムで受け付ける。この場合、レコメンド部32bは、変更後のアンケートを入力として、学習済みモデルを利用して、ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を再選択し、リスト出力部33cは、レコメンド部32bにより再選択されたハウスメーカまたは工務店のリストをオペレータに対して出力する(すなわち、端末表示部25に表示されているハウスメーカまたは工務店のリスト50を更新する)。オペレータが電話やチャットなどのコミュニケーションツールを介してユーザから直接話を聞いてみると、ユーザのアンケートの内容に相違があることが判明した場合には、オペレータは、アンケート変更指示受付部32gを利用してリアルタイムでアンケートの内容を修正することができるため、レコメンド部32bは、修正後の適切なアンケートに基づいて、ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を選択することが可能となり、ユーザに対してマッチングする可能性が低いハウスメーカまたは工務店を誤って推薦してしまうことが起こりにくくなる。
【0064】
(動作の一例)
次に、
図2を参照して、情報処理システム1の動作の一例について説明する。
図2は、情報処理システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0065】
図2に示すように、まず、サーバ3のアンケート取得部32aが、建物を自分で建てることを希望しているユーザからのアンケートを取得する(ステップS10)。一例として、アンケート取得部32aは、所定のウェブサイトに設けられたアンケートフォームを介してユーザにより入力されたアンケートの電子データを取得してもよい。別例として、ユーザが所定のアンケート用紙にアンケートを記入した場合には、アンケート取得部32aは、アンケート用紙に記入されたアンケートに対して、OCRにより変換された電子データをOCR機器から取得してもよいし、作業員により手作業で変換された電子データを作業員の端末機器から取得してもよい。
【0066】
次に、レコメンド部32bが、他のユーザのアンケートと当該他のユーザに推薦するためにオペレータにより選択されたハウスメーカまたは工務店との関係性を機械学習した学習済みモデルを利用して、アンケート取得部32aにより取得されたアンケートに基づいて、ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を選択する(ステップS20)。
【0067】
図3は、ステップS20における処理の一例を示すフローチャートである。
図3に示す例では、レコメンド部32bは、まず、アンケート取得部32aにより取得されたアンケートに基づいて、クラス判定ルール33bを参照して、ユーザに対応するクラスを判定する(ステップS21)。たとえば、
図6を参照し、レコメンド部32bは、アンケート取得部32aによりアンケートに含まれる項目のうち、予算、世帯年収、借金、土地の所有の有無、エリア、頭金のうちの少なくとも2つの項目について、ユーザにより入力された内容(値)に応じて点数を付け、各項目の点数(たとえば合計点数)に基づいて、ユーザに対応するクラスを判定してもよい。
【0068】
次いで、レコメンド部32bは、ハウスメーカ・工務店データベース33aを参照し、判定されたクラスに属するハウスメーカまたは工務店の中から、ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を選択する(ステップS22)。たとえば、ステップS21においてユーザに対応するクラスが第1のクラスと判定された場合には、レコメンド部32bは、第1のクラスと判定された他のユーザのアンケートと当該他のユーザに推薦するためにオペレータにより選択されたハウスメーカまたは工務店との関係性を機械学習した第1学習済みモデルを用いて、当該ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を選択してもよい。また、ステップS21においてユーザに対応するクラスが第2のクラスと判定された場合には、レコメンド部32bは、第2のクラスと判定された他のユーザのアンケートと当該他のユーザに推薦するためにオペレータにより選択されたハウスメーカまたは工務店との関係性を機械学習した第2学習済みモデルを用いて、当該ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を選択してもよい。
【0069】
図3に示す例では、レコメンド部32bが、ユーザのアンケートに基づいて、当該ユーザに対応するクラスを判定し、判定されたクラスに属するハウスメーカまたは工務店の中から、当該ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を選択することで、選択候補が適切な範囲に(すなわち、ユーザに対応するクラスに属する候補に)限定されるため、当該ユーザとはマッチングする可能性が低いハウスメーカまたは工務店を選択してしまうことが起こりにくくなる。
【0070】
次に、レコメンド部32bは、ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を学習済みモデルが選択するにあたり、ユーザのアンケートに含まれる項目のうちどの項目(特徴量)を重視したのかを説明する情報(選択した理由を説明する情報)を生成する(ステップS30)。
【0071】
そして、リスト出力部32cが、選択した理由を説明する情報を大分類に分類わけし、
図7に示すように、選択されたハウスメーカまたは工務店のリスト50とともに、オペレータに対して出力する(ステップS40)。これにより、オペレータは、選択されたハウスメーカまたは工務店のリスト50を確認する際に、当該ハウスメーカまたは工務店が選択された理由(アンケートに含まれる項目のうちどの項目を重視したのか)を確認することが可能となる。また、選択した理由を説明する情報は、大分類に分類わけして出力されることで、視認性が向上するため、オペレータが確認に要する時間を短縮することができる。
【0072】
次に、リスト変更指示受付部32eが、リスト出力部32cにより出力されたリスト50に対し、オペレータからの変更指示をリアルタイムで受け付けると(ステップS50)、追加学習部32fが、アンケート取得部32aにより取得されたユーザのアンケートと、オペレータからの変更指示に基づいて変更されたハウスメーカまたは工務店のリストとを学習データとして、学習済みモデルに追加学習させる(ステップS60)。学習済みモデルにおいて追加学習が行われることで、ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店の選択精度を高めることが可能となる。
【0073】
以上のような実施の形態によれば、ユーザのアンケートを入力として、他のユーザのアンケートと当該他のユーザに推薦するためにオペレータにより選択されたハウスメーカまたは工務店との関係性を機械学習した学習済みモデルを用いて、当該ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店が選択され、選択されたハウスメーカまたは工務店のリストが出力されるため、オペレータは、ユーザのアンケートに含まれる多数の項目の内容を一つ一つ確認しなくても、当該ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を、多数のハウスメーカまたは工務店の候補の中から迅速にリストアップすることができる。また、オペレータは、リストアップされたハウスメーカまたは工務店を参考にすることで、ユーザに対してマッチングする可能性が低いハウスメーカまたは工務店を誤って推薦してしまうことが起こりにくくなる。したがって、建物を自分で建てることを希望しているユーザとハウスメーカまたは工務店とのマッチングを支援できる。
【0074】
なお、上述した実施の形態および個々の変形例の記載ならびに図面の開示は、特許請求の範囲に記載された発明を説明するための一例に過ぎず、上述した実施の形態および個々の変形例の記載または図面の開示によって特許請求の範囲に記載された発明が限定されることはない。上述した実施の形態および個々の変形例の構成要素は、発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に組み合わせることが可能である。
【0075】
また、上述した実施の形態に係る情報処理システム1は1つまたは複数のコンピュータによって構成され得るが、1つまたは複数のコンピュータに情報処理システム1を実現させるためのプログラム及び当該プログラムを非一時的(non-transitory)に記録したコンピュータ読取可能な記録媒体も、本件の保護対象である。
【符号の説明】
【0076】
1 情報処理システム
2 端末装置
21 端末通信部
22 端末制御部
23 端末記憶部
24 端末入力部
25 端末表示部
3 サーバ
31 サーバ通信部
32 サーバ制御部
32a アンケート取得部
32b レコメンド部
32c リスト出力部
32d クラス変更指示受付部
32e リスト変更指示受付部
32f 追加学習部
32g アンケート変更指示受付部
33 サーバ記憶部
33a ハウスメーカ・工務店データベース
33b クラス判定ルール
4 ネットワーク
【要約】
【課題】建物を自分で建てることを希望しているユーザとハウスメーカまたは工務店とのマッチングを支援するための技術を提供する。
【解決手段】情報処理システムは、ユーザにより入力されたアンケートを取得するアンケート取得部と、他のユーザにより入力されたアンケートと当該他のユーザに推薦するためにオペレータにより選択されたハウスメーカまたは工務店との関係性を機械学習した学習済みモデルを用いて、前記アンケート取得部により取得されたアンケートに基づいて、前記ユーザに推薦するためのハウスメーカまたは工務店を選択するレコメンド部と、前記レコメンド部により選択されたハウスメーカまたは工務店のリストを出力するリスト出力部と、を備える。
【選択図】
図1