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特許7182830獣医療支援システム、獣医療支援方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-25
(45)【発行日】2022-12-05
(54)【発明の名称】獣医療支援システム、獣医療支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20221128BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022540800
(86)(22)【出願日】2022-02-24
(86)【国際出願番号】 JP2022007733
【審査請求日】2022-06-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515158272
【氏名又は名称】株式会社PECO
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 純
【審査官】青柳 光代
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-073107(JP,A)
【文献】国際公開第2019/188800(WO,A1)
【文献】特開2020-185101(JP,A)
【文献】特開2019-194871(JP,A)
【文献】特開2014-229245(JP,A)
【文献】特開2020-134633(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告情報を外部に出力する移動体であって、動物患者を輸送する前記移動体の乗車時刻を含む予約情報を記憶する予約情報記憶部と、
前記予約情報に基づいて前記移動体の出発時刻を取得する出発時刻取得部と、
現在時刻から前記出発時刻までの時間に前記移動体を公道に走行させる指示及び前記出発時刻を含むメッセージ獣医療機関の従業者が操作する端末に出力する指示出力部と、
を備えることを特徴とする獣医療支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の獣医療支援システムであって、
診療項目ごとに診療に係る標準時間を記憶する標準時間記憶部を備え、
前記出発時刻取得部は、獣医療機関で診療中の前記動物患者について、前記動物患者のカルテ情報から前記診療項目を抽出し、抽出した前記診療項目に対応する前記標準時間を前記標準時間記憶部から読み出し、現在時刻及び前記標準時間に応じて前記出発時刻を推定すること、
を特徴とする獣医療支援システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の獣医療支援システムであって、
処方薬を配達する配達先を記憶する配達先記憶部と、
前記配達先までの前記処方薬の配達にかかる配達時間を推定する配達時間推定部と、
を備え、
前記指示出力部は、前記出発時刻が、現在時刻から前記配達時間後の時刻以後である場合には、前記処方薬を前記配達先に配達する指示を出力すること、
を特徴とする獣医療支援システム。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の獣医療支援システムであって、
検体を回収する回収先を記憶する回収先記憶部と、
前記回収先から前記検体を回収するまでにかかる回収時間を推定する回収時間推定部と、
を備え、
前記指示出力部は、前記出発時刻が、現在時刻から前記回収時間後の時刻以後である場合には、前記回収先から前記検体を回収する指示を出力すること、
を特徴とする獣医療支援システム。
【請求項5】
広告情報を外部に出力する移動体であって、動物患者を輸送する前記移動体の乗車時刻を含む予約情報を記憶するステップと、
前記予約情報に基づいて前記移動体の出発時刻を取得するステップと、
現在時刻から前記出発時刻までの時間に前記移動体を公道に走行させる指示及び前記出発時刻を含むメッセージ獣医療機関の従業者が操作する端末に出力するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする獣医療支援方法。
【請求項6】
広告情報を外部に出力する移動体であって、動物患者を輸送する前記移動体の乗車時刻を含む予約情報を記憶するステップと、
前記予約情報に基づいて前記移動体の出発時刻を取得するステップと、
現在時刻から前記出発時刻までの時間に前記移動体を公道に走行させる指示及び前記出発時刻を含むメッセージ獣医療機関の従業者が操作する端末に出力するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、獣医療支援システム、獣医療支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には動物の緊急搬送を行うシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-342461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
待機時間における輸送手段の有効活用が求められている。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、輸送手段を有効に活用することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、広告情報を外部に出力する移動体であって、動物患者を輸送する前記移動体の出発時刻を取得する出発時刻取得部と、現在時刻から前記出発時刻までの時間に前記移動体を公道に走行させる指示を出力する指示出力部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、輸送手段を有効に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】獣医療支援システムの全体構成例を示す図である。
図2】管理サーバ20のハードウェア構成例を示す図である。
図3】管理サーバ20のソフトウェア構成例を示す図である。
図4】管理サーバ20の動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<発明の概要>
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、たとえば、以下のような構成を備える。
[項目1]
広告情報を外部に出力する移動体であって、動物患者を輸送する前記移動体の出発時刻を取得する出発時刻取得部と、
現在時刻から前記出発時刻までの時間に前記移動体を公道に走行させる指示を出力する指示出力部と、
を備えることを特徴とする獣医療支援システム。
[項目2]
項目1に記載の獣医療支援システムであって、
診療項目ごとに診療に係る標準時間を記憶する標準時間記憶部を備え、
前記出発時刻取得部は、獣医療機関で診療中の前記動物患者について、前記動物患者のカルテ情報から前記診療項目を抽出し、抽出した前記診療項目に対応する前記標準時間を前記標準時間記憶部から読み出し、現在時刻及び前記標準時間に応じて前記出発時刻を推定すること、
を特徴とする獣医療支援システム。
[項目3]
項目1又は2に記載の獣医療支援システムであって、
処方薬を配達する配達先を記憶する配達先記憶部と、
前記配達先までの前記処方薬の配達にかかる配達時間を推定する配達時間推定部と、
を備え、
前記指示出力部は、前記出発時刻が、現在時刻から前記配達時間後の時刻以後である場合には、前記処方薬を前記配達先に配達する指示を出力すること、
を特徴とする獣医療支援システム。
[項目4]
項目1又は2に記載の獣医療支援システムであって、
検体を回収する回収先を記憶する回収先記憶部と、
前記回収先から前記検体を回収するまでにかかる回収時間を推定する回収時間推定部と、
を備え、
前記指示出力部は、前記出発時刻が、現在時刻から前記回収時間後の時刻以後である場合には、前記回収先から前記検体を回収する指示を出力すること、
を特徴とする獣医療支援システム。
[項目5]
広告情報を外部に出力する移動体であって、動物患者を輸送する前記移動体の出発時刻を取得するステップと、
現在時刻から前記出発時刻までの時間に前記移動体を公道に走行させる指示を出力するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする獣医療支援方法。
[項目6]
広告情報を外部に出力する移動体であって、動物患者を輸送する前記移動体の出発時刻を取得するステップと、
現在時刻から前記出発時刻までの時間に前記移動体を公道に走行させる指示を出力するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0011】
<システムの概要>
以下、本発明の一実施形態に係る獣医療支援システムについて説明する。本実施形態の獣医療支援システムは、自宅と獣医療時間との間で動物患者1(及び飼主2)を輸送する移動体3の予約(移動体3を特定の期間中、動物患者1(及び飼主2)のために利用可能に設定することをいう。)を行う。移動体3は例えば自動車である。
【0012】
図1は、獣医療支援システムの全体構成例を示す図である。本実施形態の獣医療支援システムは、管理サーバ20を含んで構成される。管理サーバ20は、ユーザ端末10及び獣医療機関端末30と通信ネットワークを介して通信可能に接続される。通信ネットワークは、たとえばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築される。
【0013】
ユーザ端末10は、飼主2が操作するコンピュータであり、例えばスマートフォンやタブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどである。ユーザ端末10はカメラ機能を備えることができる。飼主2はユーザ端末10を操作して管理サーバ20に対して動物患者1を移動体3により獣医療機関まで輸送する依頼(以下、輸送依頼という。)を送信することができる。また、飼主2は、ユーザ端末10を操作して問診に対する回答を行うことができる。
【0014】
獣医療機関端末30は、獣医療機関の従業者が操作するコンピュータであり、例えば、スマートフォンやタブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどである。獣医療機関の従事者は、例えば、獣医師4、看護師5、スタッフ6などを含む。獣医療機関端末30は管理サーバ20からのメッセージを受信して従事者に対して出力することができる。
【0015】
管理サーバ20は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、あるいはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。管理サーバ20は、ユーザ端末10からの輸送依頼に応じて問診を行い、問診結果を獣医療機関端末30に送信することができる。
【0016】
移動体3は、広告31を外部に出力する。広告31は、例えば、移動体3の外装に貼付される形態であってもよいし、移動体3の外面又は内部に設けたディスプレイに画像を表示する形態であってもよいし、移動体3にスピーカを設け、音声形式での広告をスピーカから出力する形態であっても良い。
【0017】
<管理サーバ>
図2は、管理サーバ20のハードウェア構成例を示す図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。管理サーバ20は、CPU201、メモリ202、記憶装置203、通信インタフェース204、入力装置205、出力装置206を備える。記憶装置203は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース204は、通信ネットワーク3に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置205は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置206は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。なお、後述する管理サーバ装置20の各機能部はCPU201が記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現され、管理サーバ20の各記憶部はメモリ202及び記憶装置203が提供する記憶領域の一部として実現される。
【0018】
図3は、管理サーバ20のソフトウェア構成例を示す図である。管理サーバ20は、飼主情報記憶部231、動物情報記憶部232、医療機関情報記憶部233、従事者情報記憶部234、移動体情報記憶部235、輸送予約情報記憶部236、標準時間記憶部237配達先記憶部238回収先記憶部239受付部211、カルテ情報取得部212、予約部213、出発時刻取得部214、指示出力部215、配達時間推定部216、回収時間推定部217、を備える。
【0019】
<記憶部>
飼主情報記憶部231は、飼主2に関する情報(以下、飼主情報という。)を記憶する。飼主情報には、飼主2を特定する飼主IDに対応付けて、飼主2の氏名、住所、連絡先などを含めることができる。
【0020】
動物情報記憶部232は、動物患者1に関する情報(以下、動物情報という。)を記憶する。動物情報には、動物患者1を特定する動物IDに対応付けて、当該動物患者1の飼主2を示す飼主ID、動物患者1が受診する獣医療機関を示す医療機関ID、ならびに動物患者1の名前、動物種及び品種などを含めることができる。
【0021】
医療機関情報記憶部233は、獣医療機関に関する情報(以下、医療機関情報という。)を記憶する。医療機関情報には、獣医療機関を特定する医療機関IDに対応付けて、獣医療機関の名称や住所を含めることができる。
【0022】
従事者情報記憶部234は、獣医療機関の従事者に関する情報(以下、従事者情報という。)を記憶する。従事者情報記憶部234は、獣医療従事者ごとに、獣医療従者が対応可能な動物種及び作業内容を記憶する。従事者情報記憶部234が記憶する従事者情報には、従事者を特定する従事者IDに対応付けて、従事者の氏名、従事者が所持している資格(獣医師、看護師、麻酔、検査機器の操作などを含む。)、対応可能作業を含めることができる。対応可能作業には、動物患者1の状態の判断、動物患者1に対して行うことが可能な処置の種類、検体の回収、移動体1の運転などを含めることができる。
【0023】
移動体情報記憶部235は、移動体3に関する情報(以下、移動体情報という。)を記憶する。移動体情報には、移動体3を特定する移動体IDに対応付けて、移動体3が待機している場所(待機場所)、移動体3の定員、移動体3が備える機能を含めることができる。移動体3の定員は、例えば、人間の定員としてもよいし、動物種ごとに定員を設定するようにしてもよいし、人間の人数(飼主の数)に対応付けて、動物種毎の動物の数の定員を設定するようにしてもよい。移動体3の機能は、例えば、人工呼吸器や検査装置の有無など、動物患者1の自宅において、又は自宅から獣医療機関までの道中に動物患者1に対して施す必要のある処置に用いる各種の機能の有無を設定することができる。
【0024】
輸送予約情報記憶部236は、移動体3の予約に関する情報(以下、輸送予約情報という。)を記憶する。輸送予約情報には、移動体3を特定する移動体IDに対応付けて、獣医療機関を示す医療機関ID、飼主2を示す飼主ID、来院フラグ、乗車日時、乗務員IDを含めることができる。来院フラグは、自宅から獣医療機関への輸送であるか否かを示す。例えば、来院フラグが「真」である場合には、自宅から獣医療機関への輸送であること、すなわち、飼主IDに対応する飼主情報の住所から、医療機関IDに対応する医療機関情報の住所までの輸送であることを示し、来院フラグが「偽」である場合には、獣医療機関から自宅への輸送であること、すなわち、医療機関IDに対応する医療機関情報の住所から飼主IDに対応する飼主情報の住所までの輸送であることを示す。乗車日時は、出発地点(自宅の住所又は獣医療機関の住所)において移動体3に動物患者1を乗せる予定の日時である。乗務員IDは、移動体3に乗車する予定の獣医療機関の従事者を示す従事者IDである。例えば、移動途中に何らかの処置を行ったり、検体を回収したりする場合には、獣医師4や看護師5が乗務員としてアサインされる必要がある。
【0025】
標準時間記憶部237は、診療項目ごとに診療にかかる標準時間を記憶する。診療項目には、獣医師による診断(動物患者1の状態についての判断)、検査、手術、処置、処方などが含まれる。標準時間記憶部237は、動物種(品種があってもよい。)と診療項目とに対応付けて標準時間を記憶することができる。
【0026】
配達先記憶部238は、処方薬を配達する配達先を記憶する。本実施形態では、配達先を特定する情報として飼主IDを記憶する。配達先記憶部238は、処方対象の動物患者1を示す動物IDと、当該動物患者1の飼主2を示す飼主IDとに対応付けて、処方された薬に関する情報(処方情報)を記憶する。飼主IDに対応する飼主情報に含まれる住所が配達先となる。
【0027】
回収先記憶部239は、検体を回収する回収先を記憶する。検体は、例えば、血液や尿便、皮膚組織などである。本実施形態では、回収先を特定する情報として飼主IDを記憶する.回収先記憶部239は、検体を採取する対象となる動物患者1を示す動物IDと、当該動物患者1の飼主2を示す飼主IDとに対応付けて、回収する検体を特定する情報(検体特定情報)を記憶する。飼主IDに対応する飼主情報に含まれる住所が検体の回収先となる。
【0028】
<機能部>
受付部211は、動物患者の輸送の依頼(以下、輸送依頼という。)を受け付ける。受付部211は、ユーザ端末10から輸送依頼を受信する。輸送依頼には、動物患者1を特定する動物IDと、同行する飼主2の人数とが含まれる。また、複数の動物患者1を同時に輸送する場合には、複数の動物患者1のそれぞれについての動物IDが設定されるものとする。なお、診察予定がない動物が同行する場合にも、当該動物についての動物IDが設定されるものとする。動物ID、飼主2の人数の少なくともいずれかが輸送依頼に含まれていない場合には、受付部211はユーザ端末10に対してこれらを問い合わせるようにすることができる。輸送依頼には、受診希望日時(又は希望する期間)が設定されていてもよい。
【0029】
カルテ情報取得部212は、獣医療機関が作成した動物患者1に対応するカルテ情報を取得する。カルテ情報のデータベースを管理サーバ2が備えるようにしてもよいし、カルテ情報取得部212がカルテ情報を管理する外部サーバにアクセスしてカルテ情報を取得するようにしてもよい。カルテ情報には、動物患者1に対する過去の獣医師6による判断(診断)、動物患者1が罹患している病名などが含まれている。
【0030】
また、カルテ情報には、予約された動物患者1に対して行う診療項目も含まれる。
【0031】
予約部213は、患者動物1を輸送する移動体3を予約する。移動体3の予約とは、移動体3を特定の動物患者1を特定の日時に輸送可能な状態に確保することをいう。予約部213は、輸送予約情報を作成して輸送予約情報記憶部236に登録することができる。予約部213は、すぐに移動体3を使用する場合にも、現在日時を設定した予約をすることができる。
【0032】
出発時刻取得部214は、移動体3の出発時刻を取得する。出発時刻取得部214は、輸送予約情報記憶部238から読み出した輸送予約情報に基づいて移動体3の出発時刻を求めることができる。出発時刻取得部214は、例えば、来院フラグが「偽」である輸送予約情報について、乗車日時を出発時刻として取得することができる。また、出発時刻取得部214は、例えば、来院フラグが「真」である輸送予約情報については、飼主IDに対応する住所を飼主情報記憶部231から読み出し、読み出した住所に移動体3が到着するまでにかかる時間を、例えば、ナビゲーションシステムやマップサービスなどに問い合わせることにより取得し、輸送予約情報の乗車日時から、取得した時間前の時刻を出発時刻として取得することができる。
【0033】
指示出力部215は、現在時刻から出発時刻までの時間に移動体3を公道に走行させる指示を出力することができる。指示出力部215は、例えば、出発時刻を設定したメッセージを医療機関端末30に送信することができる。
【0034】
移動体3は外部に広告を出力するため、移動体3の出発時効までの間に移動体3に公道を走らせることにより、広告媒体として機能させることができる。
【0035】
また、来院している動物患者1について、事前に予約されていない場合にも、動物患者1の診療の終了時刻を予測し、この終了時刻までの間は、移動体3に公道を走らせるように指示することができる。この場合、出発時刻取得部214は、来院している動物患者1に係るカルテ情報から予定されている診療項目を取得し、取得した診療項目と動物患者1に対応する動物情報の動物種(及び品種)とに対応する標準時間を標準時間記憶部237から読み出し、現在時刻から、読み出した標準時間(複数の診療項目がある場合にはその合計)後の時刻を出発時刻として推定することができる。指示出力部215は、推定された出発時刻までの間に、移動体3を公道に走行させるよう指示を医療機関端末30に送信することができる。
【0036】
また、移動体3には、単に公道を走行させるだけでなく、薬を配達させるようにすることもできる。
【0037】
配達時間推定部216は、薬の配達にかかる時間(配達時間)を推定する。配達時間推定部216は、例えば、配達先記憶部238に登録されている飼主IDに対応する飼主情報の住所を取得し、この住所に移動体3が到着するまでにかかる時間と、この住所から獣医療機関まで帰還するまでにかかる時間との合計を配達時間として、例えば、ナビゲーションシステムやマップサービスなどに問い合わせることにより取得することができる。配達時間推定部216は、移動体3が住所に到着してから、薬を手渡す又は投函するために必要な予め設定された標準的な時間を加算するようにしてもよい。
【0038】
指示出力部215は、出発時刻が、現在時刻から配達時間後の時刻以後である場合には、処方薬を配達先に配達する指示を出力することができる。
【0039】
また、移動体3には、単に公道を走行させるだけでなく、検体を回収させるようにすることもできる。
【0040】
回収時間推定部217は、検体の回収にかかる時間(回収時間)を推定する。回収時間推定部217は、例えば、回収先記憶部239に登録されている飼主IDに対応する飼主情報の住所を取得し、この住所に移動体3が到着するまでにかかる時間と、この住所から獣医療機関まで帰還するまでにかかる時間との合計を回収時間として、例えば、ナビゲーションシステムやマップサービスなどに問い合わせることにより取得することができる。また、回収時間推定部217は、この回収時間に、検体の採取にかかる標準的な時間を加算することができる。この場合、例えば、検体採取の処置にかかる標準時間を、標準時間記憶部237から取得することができる。
【0041】
<動作>
図4は、管理サーバ20の動作を説明する図である。
【0042】
受付部211がユーザ端末10から輸送依頼を受信すると(S301)、予約部213は移動体3を予約する(S302)。ここで予約部213は、同乗する獣医療機関の従事者をアサインすることもできる。
出発時刻取得部214は、移動体3の出発時刻を取得する(S303)。回収時間推定部217は、回収先記憶部239に登録されている検体の回収先について回収時間を推定する(S304)。配達時間推定部216は、配達先記憶部238に登録されている配達先について配達時間を推定する(S305)。
【0043】
回収先が存在し、出発時刻が、現在時刻から回収時間後の時刻以後である場合には(S306:YES)、指示出力部215は、回収先への検体の回収を指示するメッセージを医療機関端末30に送信する(S307)。なお、複数の回収先が登録されている場合には、各回収先への回収時間を推定するようにし、出発時刻までに回収の可能な1又は複数の回収先について検体の回収を指示するようにしてもよい。
【0044】
回収先が存在しないか、出発時刻が、現在時刻から回収時間後の時刻より前である場合に(S306:NO)、配送先が存在し、出発時刻が、現在時刻から配送時間後の時刻以後であれば(S308:YES)、指示出力部215は、配送先への薬の配送を指示するメッセージを医療機関端末30に送信する(S309)。なお、複数の配送先が登録されている場合には、各配送先への配送時間を推定するようにし、出発時刻までに配送の可能な1又は複数の配送先について薬の配送を指示するようにしてもよい。
【0045】
回収先が存在しないか、出発時刻が、現在時刻から回収時間後の時刻より前であり(S306:NO)、配送先が存在しないか、出発時刻が、現在時刻から配送時間後の時刻より前である場合に(S308:NO)、出発時刻が、現在時刻から所定時間後の時刻以後であれば(S310)、指示出力部215は、出発時刻までの時間に移動体3を公道に走行させるように指示指示するメッセージを医療機関端末30に送信する(S311)。所定時間は、移動体3が公道を走ることで広告として機能するに足る長さの時間として、任意に設定することができる。
【0046】
以上のようにして、移動体3の出発時刻までの間に検体の回収が可能であれば移動体3を検体の回収に向かわせ、移動体3の出発時刻までの間に薬の配送が可能であれば移動体3を薬の配送に向かわせ、あるいは、移動体3を広告として公道を走らせるようにすることができる。これにより動物患者1の輸送手段である移動体3を、動物患者1の輸送以外の用途にも用いることにより移動体3を有効に活用することができる。
【0047】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0048】
例えば、図4の処理では、検体の回収を優先的に手配するものとしたが、これに限らず、薬の配送を優先的に手配する(ステップS306よりも前にステップS308、S309を実行する)ようにしてもよい。また、薬の配送、検体の回収及び公道の走行をバランスよく行うように、これらを順番に手配するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 動物患者
2 飼主
3 移動体
4 獣医師
5 看護師
6 スタッフ
10 ユーザ端末
20 管理サーバ
30 獣医療機関端末
【要約】
【課題】輸送手段を有効に活用することができるようにする。
【解決手段】広告情報を外部に出力する移動体であって、動物患者を輸送する移動体の出発時刻を取得する出発時刻取得部と、現在時刻から出発時刻までの時間に移動体を公道に走行させる指示を出力する指示出力部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4