(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-25
(45)【発行日】2022-12-05
(54)【発明の名称】電池材料積層装置
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20221128BHJP
H01M 4/04 20060101ALI20221128BHJP
H01M 50/403 20210101ALI20221128BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M4/04 Z
H01M50/403 F
H01M50/403 C
(21)【出願番号】P 2018197279
(22)【出願日】2018-10-19
【審査請求日】2021-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000141886
【氏名又は名称】株式会社京都製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100114764
【氏名又は名称】小林 正樹
(72)【発明者】
【氏名】山下 学
【審査官】前田 寛之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-016946(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0023367(KR,A)
【文献】特開2018-181763(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/00- 4/62
H01M10/00-10/39
H01M50/40-50/497
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池材料
に係るシート状のワークを積層する電池材料積層装置であって、
ワークを所定の方向に搬送する搬送機構と、
該搬送機構により搬送されているワークの表面に接着部材を塗工する塗工機構と、
該搬送機構により搬送されてきたワークを積層することにより積層体を構成する積層機構とを備え、
前記搬送機構により搬送されてきたワークを前記積層機構に積層する際、該ワークの接着部材が塗工された表面を前記積層機構に構成されたワークの積層体の表面に貼り合わせ、
前記積層機構は、ワークが積層される際、前記搬送機構に近接することによりワークの接着部材が塗布された表面を前記積層機構に構成された積層体の表面に押圧しながら貼り合わせたあと、次にワークが積層されるまでの間、前記搬送機構から離間することを繰り返す
ことを特徴とする電池材料積層装置。
【請求項2】
電池材料に係るシート状のワークを積層する電池材料積層装置であって、
ワークを所定の方向に搬送する搬送機構と、
該搬送機構により搬送されているワークの表面に接着部材を塗工する塗工機構と、
該搬送機構により搬送されてきたワークを積層することにより積層体を構成する積層機構とを備え、
前記搬送機構により搬送されてきたワークを前記積層機構に積層する際、該ワークの接着部材が塗工された表面を前記積層機構に構成されたワークの積層体の表面に貼り合わせ、
前記搬送機構は、ワークを前記積層機構に積層する際、前記積層機構に近接することによりワークの接着部材が塗布された表面を前記積層機構に構成された積層体の表面に押圧しながら貼り合わせたあと、次にワークを前記積層機構に積層するまでの間、前記積層機構から離間することを繰り返す
ことを特徴とする電池材料積層装置。
【請求項3】
電池材料に係るシート状のワークを積層する電池材料積層装置であって、
ワークを所定の方向に搬送する搬送機構と、
該搬送機構により搬送されているワークの表面に接着部材を塗工する塗工機構と、
該搬送機構により搬送されてきたワークを積層することにより積層体を構成する積層機構とを備え、
前記搬送機構により搬送されてきたワークを前記積層機構に積層する際、該ワークの接着部材が塗工された表面を前記積層機構に構成されたワークの積層体の表面に貼り合わせ、
前記搬送機構は、ワークを天吊り状態で搬送する搬送コンベア装置と、該搬送コンベア装置により搬送されたきたワークを回転搬送する回転搬送装置とを備える
ことを特徴とする電池材料積層装置。
【請求項4】
前記回転搬送装置によりワークを回転搬送している過程において、前記塗工機構によりワークの表面に接着部材を塗工する請求項
3に記載の電池材料積層装置。
【請求項5】
電池材料に係るシート状のワークを積層する電池材料積層装置であって、
ワークを所定の方向に搬送する搬送機構と、
該搬送機構により搬送されているワークの表面に接着部材を塗工する塗工機構と、
該搬送機構により搬送されてきたワークを積層することにより積層体を構成する積層機構とを備え、
前記搬送機構により搬送されてきたワークを前記積層機構に積層する際、該ワークの接着部材が塗工された表面を前記積層機構に構成されたワークの積層体の表面に貼り合わせ、
前記搬送機構は、所定の走行軌道を有するリニアモータの固定子と、該固定子に設けられた複数のリニアモータの可動子と、各可動子に設けられ、ワークを保持する保持部材と、前記固定子における各可動子の走行を制御する制御部とを備える
ことを特徴とする電池材料積層装置。
【請求項6】
前記積層機構の近傍位置に押圧部材が設けられ、該押圧部材が前記積層機構に構成されたワークの積層体を上方から押圧する請求項1から請求項
5のいずれかに記載の電池材料積層装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、正極、負極、セパレータ、あるいはそれらから構成されるセルなどの電池材料に係るシート状のワークを積層する電池材料積層装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車用電池、住宅用電池、電子機器用電池などの各種電池において、積層型電池が使用されている。この積層型電池は、正極の極板、セパレータ、負極の極板、セパレータの順に交互に積層されて構成される。このような積層型電池は、電池材料が巻回されて構成される巻回型電池に比べて、体積当たりの発電効率が良く、放熱性にも優れていることから広く用いられている。
【0003】
このような積層型電池の製造において、各極板およびセパレータを交互に積層したり、あるいは極板とセパレータをあらかじめ組み合わせたセルを交互に積層する技術が従来から知られている(特許文献1~2参照)。
【0004】
例えば、特許文献1には、各アライメントステージが平面方向に移動および/または回転することにより正極の極板および負極の極板を移動および/または回転させて適正な位置に調整したあと、第1移載アームおよび第2移載アームが当該各極板を保持する極板積層装置が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、積層体が載置される載置面と、電極の移動方向における載置面の一端に立設されて電極を停止させる停止部と、載置面と停止部との間に設けられた積層領域と、を有する積層部と、載置面に対向して配置され、積層部の積層領域に向けて気体を吹き付ける気体吹付部と、積層部に供給される電極が停止部に当接した後に電極に対して気体を吹き付けるよう、気体吹付部を制御する制御部とを備える積層装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2012-174388号公報
【文献】特開2017-081699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、電池を効率的な製造のためにますます電池材料の高速積層が求められている中、電池材料を無理に高速で積層しようとすると、電池材料の端部がずれたり、捲れたり、シワが生じたりして、その結果、電池の発電効率や寿命を低下させたり、歩留りの発生を生じさせるという問題があった。
【0008】
このように電池材料を高速で積層することが難しい背景として、電池材料が非常に薄くて軽い部材からなるため、電池材料を積層するに際して空気抵抗を受けるなどして浮き上がることが挙げられる。また、電池材料を積層したあとにおいても装置の振動等により電池材料の積層体の端部が徐々にずれる虞もあるため、爪部材などで電池材料の積層体を押さえなければならなかった。
【0009】
本発明は、上述の技術的背景に鑑みてなされたものであって、電池材料を高速で積層することができる電池材料積層装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記目的を達成するために、正極、負極、セパレータ、あるいはそれらから構成されるセルなどの電池材料に係るシート状のワークを積層する電池材料積層装置であって、ワークを所定の方向に搬送する搬送機構と、該搬送機構により搬送されているワークの表面に接着部材を塗工する塗工機構と、該搬送機構により搬送されてきたワークを積層することにより積層体を構成する積層機構とを備え、前記搬送機構により搬送されてきたワークを前記積層機構に積層する際、該ワークの接着部材が塗工された表面を前記積層機構に構成されたワークの積層体の表面に貼り合わせることを特徴とする。
【0011】
これによれば、接着部材により電池材料の表面を積層体の表面に貼り合わせるため、電池材料を積層機構に積層するに際して電池材料が浮き上げることを防止することができる。また、電池材料を積層機構に積層したあとにおいても、装置の振動等により電池材料の積層体の端部が徐々にずれることを防止することができる。このため電池材料を高速で積層することができ、ひいては電池を効率的に製造することが可能となる。
【0012】
また、前記積層機構は、ワークが積層される際、前記搬送機構に近接することによりワークの接着部材が塗布された表面を前記積層機構に構成された積層体の表面に押圧しながら貼り合わせたあと、次にワークが積層されるまでの間、前記搬送機構から離間することを繰り返してもよい。これによれば、積層機構が搬送機構に近接することによって、電池材料の表面を積層体の表面に確実に貼り合わせることができる。また、積層機構が搬送機構から離間することによって、次の電池材料を積層体の上方にスムーズに搬送することができる。
【0013】
また、前記搬送機構は、ワークを前記積層機構に積層する際、前記積層機構に近接することによりワークの接着部材が塗布された表面を前記積層機構に構成された積層体の表面に押圧しながら貼り合わせたあと、次にワークを前記積層機構に積層するまでの間、前記積層機構から離間することを繰り返してもよい。これによれば、搬送機構が積層機構に近接することによって、電池材料の表面を積層体の表面に確実に貼り合わせることができる。また、搬送機構が積層機構から離間することによって、次の電池材料を積層体の上方にスムーズに搬送することができる。
【0014】
また、前記搬送機構は、ワークを天吊り状態で搬送する搬送コンベア装置と、該搬送コンベア装置により搬送されたきたワークを回転搬送する回転搬送装置とを備えてもよい。これによれば、簡易な構成にして、ワークを簡単かつ確実に積層することができる。
【0015】
また、前記回転搬送装置によりワークを回転搬送している過程において、前記塗工機構によりワークの表面に接着部材を塗工してもよい。これによれば、電池材料を積層する直前で接着部材を塗工し得るため、電池材料の搬送過程において接着部材が乾くことを防止することができる。
【0016】
また、前記搬送機構は、所定の走行軌道を有するリニアモータの固定子と、該固定子に設けられた複数のリニアモータの可動子と、各可動子に設けられ、ワークを保持する保持部材と、前記固定子における各可動子の走行を制御する制御部とを備えてもよい。これによれば、ワークを所望の箇所で簡単かつ確実に積層することができる。
【0017】
また、前記積層機構の近傍位置に押圧部材が設けられ、該押圧部材が前記積層機構に構成されたワークの積層体を上方から押圧してもよい。これによれば、積層機構にワークが積層された直後に該押圧部材により積層体を上方から押圧することによって、ワークの表面を積層体の表面に確実に貼り合わせることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、接着部材により電池材料の表面を積層体の表面に貼り合わせるため、電池材料を積層機構に積層するに際して電池材料が浮き上げることを防止することができる。また、電池材料を積層機構に積層したあとにおいても、装置の振動等により電池材料の積層体の端部が徐々にずれることを防止することができる。このため電池材料を高速で積層することができ、ひいては電池を効率的に製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態に係る電池材料積層装置の構成を示す側面図である。
【
図2】
図1の電池材料積層装置(搬送コンベア装置除く)の構成を示す平面図である。
【
図3】
図1の電池材料積層装置の積層テーブルの動作を示す側面図である。
【
図4】
図1の電池材料積層装置の電気的構成を示すブロック図である。
【
図5】
図1の電池材料積層装置によるワークの流れを示す側面図である。
【
図6】本発明の他の実施形態に係る電池材料積層装置の構成を示す斜視図である。
【
図7】本発明のさらに他の実施形態に係る電池材料積層装置の積層機構を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明に係る電池材料積層装置(以下、本装置という)の実施形態について
図1~
図5を参照しつつ説明する。
【0021】
なお、本実施形態では、正極、負極、セパレータ、あるいはそれらから構成されるセルの電池材料に係るシート状のワークWを積層する場合について説明する。また、ワークWは非常に薄いものであるが、説明の便宜上、各図面においてワークWに厚みを持たせて図示している。
【0022】
本装置は、
図1に示すように、ワークWを搬送する搬送機構1と、ワークWの表面に接着部材Bを塗工する塗工機構2と、ワークWを積層することにより積層体SWを構成する積層機構3と、各機構を制御する制御部4とを備える。
【0023】
前記搬送機構1は、ワークWを所定の搬送方向(
図1の右方向)に搬送する搬送コンベア装置11と、ワークWを回転搬送する回転搬送装置12とを備える。
【0024】
前記搬送コンベア装置11は、ワークWの搬送方向の下流側に設けられた主動軸11aと、ワークWの搬送方向の上流側に設けられた図示略の従動軸と、主動軸11aと従動軸の間に無端状態に巻架されたコンベアベルト11bとからなり、主動軸が自軸回転することにより下側のコンベアベルト11bが搬送方向に移動する。このコンベアベルト11bは、ワークWの表面(上面)を吸着しながらワークWを天吊状態で搬送方向に搬送する。
【0025】
前記回転搬送装置12は、搬送コンベア装置11の下方に配置されたドラム121を有しており、図示略の駆動モータによりドラム121が搬送方向(
図1の右回り)に軸回転する。このドラム121は、搬送コンベア装置11により搬送されてきたワークWの表面(下面)を周面で空気吸引方式や静電方式等により順次貼着して、ワークWの表面を反転させながら積層機構3の位置まで下方に回転搬送する。
【0026】
前記塗工機構2は、回転搬送装置12のドラム121における搬送方向前方の斜め下の位置に配置された吐出装置21を有する。この吐出装置21は、
図2に示すように、ワークWの搬送方向に直交する幅方向に2個設けられており、回転搬送装置12のドラム121により搬送されてきたワークWの幅方向両端部の表面に対して接着部材Bを吐出することにより塗工する。
【0027】
なお、本実施形態では、接着部材Bとして、例えばホットメルト接着剤が用いられるが、その他の接着剤や両面テープであってもよい。
【0028】
また、接着部材Bは、一枚のワークWの表面に対して連続的に塗工されてもよいし、間欠的に塗工されてもよい。
【0029】
さらに、吐出装置21により接着部材BをワークWの表面に吐出する際、ドラム121によるワークWの回転搬送に同期しながら自動的に接着部材Bを吐出してもよいし、あるいはドラム121に搬送されているワークWを撮像装置やセンサなどにより検知した結果に基づいて接着部材Bを吐出してもよい。
【0030】
前記積層機構3は、回転搬送装置12のドラム121の下方に設けられた積層テーブル31を備え、図示略の駆動モータにより積層テーブル31が回転搬送装置12のドラム121の回転に同期しながら上下方向に移動するものとなされている。また、この積層テーブル31は、回転搬送装置12のドラム121により回転搬送されてきたワークWが順次積層されることによって、複数枚のワークWの端部が揃った状態の積層体SWが構成される。
【0031】
具体的には、この積層テーブル31は、
図3(a)に示すように、回転搬送装置12のドラム121によりワークWが積層テーブル31の近傍位置まで搬送されてきた際、上方向に移動することによりドラム121に近接することによって、ワークWの接着部材Bが塗工された表面を積層テーブル31上に構成された積層体SWの表面に押圧しながら貼り合わせる。また、積層テーブル31は、
図3(b)に示すように、ワークWを積層体SWに積層したあと、次のワークが積層されるまでの間、下方向に移動することによりドラム121から離間する。而して、積層テーブル31は、これらの一連の上下方向の移動動作をワークWが搬送されるごとに繰り返すことによって、上下に重なり合ったワークWの表面同士が接着部材Bにより互いに貼り合わされた積層体SWを構成する。
【0032】
前記制御部4は、
図4に示すように、搬送機構1の搬送コンベア装置11、搬送機構1の回転搬送装置12、塗工機構2の吐出装置21、積層機構3の積層テーブル31の各種動作を各駆動モータを介して制御する。
【0033】
次に本装置によるワークWの積層の流れについて説明する。なお、ワークWが積層される際、複数枚のワークWが連続して順次搬送されるが、説明の便宜上、一枚のワークWに着目して説明することとする。
【0034】
まず、ワークWは、
図5(a)に示すように、搬送機構1の搬送コンベア装置11により天吊状態で搬送方向に搬送される。
【0035】
そして、ワークWは、
図5(b)に示すように、回転搬送装置12のドラム121の上方に到達した際、回転搬送装置12のドラム121の周面に順次貼着されながら受け渡される。
【0036】
そして、ワークWは、
図5(c)に示すように、回転搬送装置12のドラム121によりワークWの表面を反転しながら回転搬送される過程において、塗工機構2の吐出装置21によりワークWの表面に接着部材Bが吐出されることにより塗工される。このようにワークWを積層する直前で接着部材Bを塗工するため、ワークWの搬送過程において接着部材Bが乾くことを防止することができる。
【0037】
そして、ワークWは、
図5(d)に示すように、積層機構3の積層テーブル31の上方に到達した際、積層テーブル31上に構成された積層体SWの表面に貼り合わされる。このとき、上述したように積層テーブル31が上方向に移動することによりドラム121に近接することによって、ワークWの接着部材Bが塗工された表面を積層テーブル31上に構成された積層体SWの表面に押圧しながら貼り合わせるため、ワークWを積層体SWに確実に積層することができる。
【0038】
そして、ワークWは、
図5(e)に示すように、新たな積層体SWの最上層に位置した状態となる。このとき、上述したように積層テーブル31が下方向に移動することによりドラム121から離間するため、回転搬送装置12のドラム121が次のワークWを積層機構3の積層テーブル31上の積層体SWに接触させることなく、該積層体SWの上方にスムーズに回転搬送することができる。
【0039】
而して、電池材料に係るワークWを積層体SWに接着部材Bにより貼り合わせるため、ワークWを積層機構3に積層するに際してワークWが浮き上げることを防止することができる。また、ワークWを積層機構3に積層したあとにおいても装置の振動等により積層体SWの端部が徐々にずれることも防止することができる。このためワークWを高速で積層機構に積層することができ、ひいては電池を効率的に製造することが可能となる。
【0040】
なお、前記搬送機構1は、搬送コンベア装置11と回転搬送装置12からなるものとしたが、その他の搬送装置からなるものであってもよい。
【0041】
また、前記回転搬送装置12は、ドラム121の周面にワークWの表面を貼着させることによりワークWを回転搬送するものとしたが、その他の機構によりワークWを回転搬送させてもよい。
【0042】
また、前記回転搬送装置12は、ワークWの表面を反転させながらワークWを回転搬送するものとしたが、ワークWの水平状態を維持しながら、ワークWを回転搬送させてもよい。
【0043】
また、前記搬送機構1は、リニア装置13を用いてワークWを搬送してもよい。例えば、リニア装置13として、
図6に示すように、曲線状の走行軌道を有するリニアモータの固定子131と、該固定子131に設けられた複数のリニアモータの可動子132と、各可動子132に設けられ、ワークWを保持する保持部材133と、固定子131における各可動子132の走行を制御する制御部4とを備え、各可動子132が固定子131の曲線状の走行軌道を走行することにより保持部材に保持されたワークWを回転搬送することが挙げられる。
【0044】
また、前記塗工機構2は、回転搬送装置12のドラム121における搬送方向前方の斜め下の位置に吐出装置21を設けるものとしたが、ドラム121のその他の近傍位置に吐出装置21を設けてもよいし、あるいは搬送コンベア装置11の近傍位置に吐出装置21を設けて、搬送コンベア装置11によりワークWが搬送されている過程において接着部材Bをワークの表面に吐出することにより塗工してもよい。
【0045】
また、前記積層機構3の積層テーブル31が上下方向に移動するものとしたが、搬送機構1(回転搬送装置12)が上下方向に移動してもよい。例えば、
図1に示す構成の装置の場合、搬送機構1の回転搬送装置12は、ワークWを積層機構3の積層テーブル31に積層する際、積層機構3の積層テーブル31に近接することによりワークWの接着部材Bが塗布された表面を積層機構3の積層テーブル31に構成された積層体SWの表面に押圧しながら貼り合わせたあと、次にワークWを前積層機構3の積層テーブル31に積層するまでの間、積層機構3の積層テーブル31から離間してもよい。
【0046】
また、前記積層機構3は、積層テーブル31が上下方向の移動のみならず、平面方向に移動してもよい。これによれば、仮にワークWがドラム121上において適正位置よりずれた状態で搬送された場合であっても、積層装置3の積層テーブル31が平面方向に移動することによりワークWを積層テーブル31上の適正位置に積層することができる。
【0047】
また、前記積層機構3は、
図7に示すように、積層テーブル31の近傍位置に爪部材などの押圧部材5が設けられてもよい。これによれば、積層機構3にワークWが積層された直後に該押圧部材5により積層体SWを上方から押圧することによって、ワークWの表面を積層体SWの表面に確実に貼り合わせることができる。
【0048】
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、本発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0049】
1…搬送機構
11…搬送コンベア装置
11a…主動軸
11b…コンベアベルト
12…回転搬送装置
121…ドラム
2…塗工機構
21…吐出装置
3…積層機構
4…制御部
5…押圧部材