(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-25
(45)【発行日】2022-12-05
(54)【発明の名称】化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/67 20060101AFI20221128BHJP
A61K 8/49 20060101ALI20221128BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20221128BHJP
【FI】
A61K8/67
A61K8/49
A61Q19/00
(21)【出願番号】P 2017194528
(22)【出願日】2017-10-04
【審査請求日】2020-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】306018365
【氏名又は名称】クラシエホームプロダクツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100150142
【氏名又は名称】相原 礼路
(72)【発明者】
【氏名】中川 泰治
【審査官】田中 雅之
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-203710(JP,A)
【文献】特開2017-070271(JP,A)
【文献】Laboratoires Filorga, France,NCTF-Intensive Supreme Regenerating Serum,Mintel GNPD [online],2017年03月,Internet <URL:https://portal.mintel.com>,ID#4651393, [検索日:2022.3.1]
【文献】ACO Hud Nordic, Sweden,Smoothing Anti-Age Eye Cream,Mintel GNPD [online],2015年04月,Internet <URL:https://portal.mintel.com>,ID#3132563
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/KOSMET(STN)
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アスコルビン酸グルコシドを含有する化粧料に、下記成分(b)および(c)を添加することにより、アスコルビン酸グルコシドを含有する化粧料の経時的な変色を抑制する方法。
(b)葉酸
(c)dl-α-トコフェロール、dl-β-トコフェロール、dl-γ-トコフェロール、dl-δ-トコフェロール、酢酸dl-α-トコフェロール、ニコチン酸-dl-α-トコフェロール、コハク酸dl-α-トコフェロール、及びリノール酸-dl-α-トコフェロー
ルからなる群から選ばれる1種類以上
【請求項2】
前記アスコルビン酸グルコシドが、前記化粧料の総量を基準として0.1~10質量%であり、
前記(b)葉酸が、前記化粧料の総量を基準として0.0001~0.5質量%であり、かつ
前記成分(c)が、前記化粧料の総量を基準として0.0001~1質量%である、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長期間の経時による変色を抑制しうるアスコルビン酸グルコシドを配合した化粧料、およびアスコルビン酸グルコシドを配合した化粧料において、長期間の経時による変色を抑制する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高い美白効果を期待して、アスコルビン酸及びその誘導体を配合した化粧料が開発されてきたが、アスコルビン酸は化学的に不安定であることから、酸化され難く安定なアスコルビン酸グルコシドを化粧料に配合することが提案されている(例えば、特許文献1~2参照)。
【0003】
しかしながらアスコルビン酸グルコシドも経時により変色が生じることから、これに対して特許文献3ではレシチンとキレート剤を併用することにより解決を試みているが、このような試みに拠っても、ある程度の変色抑制はできるものの、長期間の経時ではアスコルビン酸グルコシドが分解してしまい、化粧料の変色を充分に抑制できるとはいえないものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-117534号公報
【文献】特開2014-172859号公報
【文献】特開2002-265344号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はこのような従来の問題点を解決するためになされたもので、長期間の経時においても変色の少ないアスコルビン酸グルコシドを配合した化粧料、およびアスコルビン酸グルコシドを配合した化粧料の変色を抑制する方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、アスコルビン酸グルコシドを配合した化粧料に葉酸を添加することで、従来にない長期間保存した際の変色を抑制したアスコルビン酸グルコシド配合化粧料が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
本願第一の発明は、下記成分(a)~(b)を含有することを特徴とする化粧料である。(a)アスコルビン酸グルコシド
(b)葉酸
【0008】
本願第二の発明は、さらに成分(c)としてトコフェロール及びその誘導体から選ばれる1種類以上を含有することを特徴とする本願第一の発明に記載の化粧料である。
【0009】
本願第三の発明は、アスコルビン酸グルコシドを含有する化粧料に、下記成分(b)を添加することにより、アスコルビン酸グルコシドを含有する化粧料の経時的な変色を抑制する方法である。
(b)葉酸
【0010】
本願第四の発明は、アスコルビン酸グルコシドを含有する化粧料に、下記成分(b)および(c)を添加することにより、アスコルビン酸グルコシドを含有する化粧料の経時的な変色を抑制する方法である。
(b)葉酸
(c)トコフェロール及びその誘導体
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、長期間の経時においても変色の少ないアスコルビン酸グルコシドを配合した化粧料、およびアスコルビン酸グルコシドを配合した化粧料の変色を抑制する方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】
本発明で配合される成分(a)は、アスコルビン酸グルコシドであれば特に限定されないが、α-グリコシル-L-アスコルビン酸が安定性に優れ好ましく、特に好ましくは2-O-α-D-グルコシル-L-アスコルビン酸である。
【0014】
上記成分(a)アスコルビン酸グルコシドの含有量は、特に限定されないが、化粧料の総量を基準として、0.1質量%以上~10質量%以下が好ましく、さらに好ましくは1質量%以上~3質量%以下である。0.1質量%未満では美白効果が充分ではなく、また10質量%を超えるとアスコルビン酸グルコシド自体を化粧料に安定配合することが困難である。
【0015】
本発明で用いられる成分(b)としての葉酸は、ビタミンB9やビタミンM、プテロイルグルタミン酸とも呼ばれる水溶性ビタミンである。
【0016】
上記成分(b)の含有量は、特に限定されないが、化粧料の総量を基準として、0.0001質量%以上~0.5質量%以下が好ましく、さらに好ましくは0.001質量%以上~0.1質量%以下である。 0.0001質量%未満では変色抑制効果が充分ではなく、また0.5質量%を超えると化粧料に安定配合することが困難である。
【0017】
本発明で配合される成分(c)としてのトコフェロール及びその誘導体は、dl-α-トコフェロール、dl-β-トコフェロール、dl-γ-トコフェロール、dl-δ-トコフェロール、酢酸dl-α-トコフェロール、ニコチン酸-dl-α-トコフェロール、コハク酸dl-α-トコフェロール、リノール酸-dl-α-トコフェロール等が挙げられ、天然ビタミンE等も含む。この中でdl-α-トコフェロール、ニコチン酸-dl-α-トコフェロールが好ましい。
【0018】
上記成分(c)トコフェロール及びその誘導体の含有量は、特に限定されないが、化粧料の総量を基準として、0.0001質量%以上~1質量%以下が好ましく、さらに好ましくは0.01質量%以上~0.2質量%以下である。0.0001質量%未満では変色抑制効果が充分ではなく、また1質量%を超えると化粧料に安定配合することが困難である。
【0019】
上記化粧料には、上記の必須成分に加えて、本発明の効果を損なわない範囲内で、化粧料に一般に配合し得る成分を任意に添加することができる。このような成分としては、例えばビタミン類、固体油脂、ロウ類、シリコーン、保湿剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、親油性非イオン界面活性剤、親水性非イオン界面活性剤、防腐剤、消炎剤、美白剤、植物抽出物、賦活剤、血行促進剤、抗脂漏剤、天然の水溶性高分子、半合成水溶性高
分子、合成水溶性高分子、無機の水溶性高分子、粉末成分、金属イオン封鎖剤、水、香料、低級アルコール等が挙げられる。ただしこれら例示に限定されるものでない。
【0020】
ビタミン類としては、ビタミン油、レチノール、酢酸レチノール等のビタミンA類、リボフラビン、酪酸リボフラビン、フラビンアデニンヌクレオチド等のビタミンB2類、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキシンジオクタノエート等のビタミンB6類、L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L-アスコルビン酸-2-硫酸ナトリウム、L-アスコルビン酸リン酸エステル、DL-α-トコフェロール-L-アスコルビン酸リン酸ジエステルジカリウム、エチルアスコルビン酸等のビタミンC類、パントテン酸カルシウム、D-パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテル、アセチルパントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等のビタミンD類、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等のニコチン酸類、ビタミンP、ビオチンなど例示される。
【0021】
液状油としては、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、等の炭化水素油、アボカド油、ツバキ油、月見草油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリド、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン等の液体油脂、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキサン酸ペンタンエリスリトール、トリー2-エチルヘキサン酸グリセリル、セチル2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリル、トリ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリル、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、酢酸グリセリル、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバチン酸ジ-2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、セバチン酸ジイソプロピル、コハク酸2-エチルヘキシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、クエン酸トリエチル、シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール等の合成エステル油などが例示される。
【0022】
固体油脂としては、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油などが例示される。
【0023】
ロウ類としては、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテルなどが例示される。
【0024】
シリコーンとしては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラヒドロテトラメチルシクロテトラシロキサン等の環状ポリシロキサン、3次元網目構造を形成しているシリコ-ン樹脂、シリコーンゴムなどが例示される。
【0025】
保湿剤としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ヘキシレングリコール、キシリトール、ソルビトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、メチルグルセス-20、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl-ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イサイヨバラ抽出物、セイヨウノキギリソウ抽出物、メリロート抽出物などが例示される。
【0026】
カチオン界面活性剤としては、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩、塩化ポリ(N,N’-ジメチル-3,5-メチレンピペリジニウム)、塩化セチルピリジニウム等のアルキルピリジニウム塩のほか、アルキル四級アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモルホリニウム塩、POEアルキルアミン、アルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなどが例示される。
【0027】
両性界面活性剤としては、2-ウンデシル-N-ヒドロキシエチル-N-カルボキシメチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、2-ココイル-2-イミタゾリニウムヒドロキサイド-1-カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等のイミダゾリン系両性界面活性剤、2-ヘプタデシル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等のベタイン系界面活性剤などが例示される。
【0028】
親油性非イオン界面活性剤としては、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ-2-エチルヘキサン酸ジグリセロールソルビタン、テトラ-2-エチルヘキサン酸ジグリセロールソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、ピログルタミン酸オレイン酸グリセリル、ステアリン酸リンゴ酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸類、モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル類のほか、硬化ヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体などが例示される。
【0029】
親水性非イオン界面活性剤としては、POEソルビタンモノオレエート、POE-ソルビタンモノステアレート、POE-ソルビタンテトラオレエート等のPOEソルビタン脂肪酸エステル類、POE-ソルビットモノラウレート、POE-ソルビットモノオレエート、POE-ソルビットペンタオレエート、POE-ソルビットモノステアレート等のPOEソルビット脂肪酸エステル類、POE-グリセリンモノステアレート、POE-グリセリンモノイソステアレート、POE-グリセリントリイソステアレート等のPOEグリセリン脂肪酸エステル類、POEモノオレエート、POEジステアレート、POEジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等のPOE脂肪酸エステル類、POEラウリルエーテル、POEオレイルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテ
ル、POE2-オクチルドデシルエーテル、POEコレスタノールエーテル等のPOEアルキルエーテル類、POEオクチルフェニルエーテル、POEノニルフェニルエーテル、POEジノニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテル類、POE・POPグリコール等のプルロニック型類、テトロニック等のテトラPOE・テトラPOPエチレンジアミン縮合物類、POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油、POE硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE硬化ヒマシ油マレイン酸等のPOEヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体、POEソルビットミツロウ等のPOEミツロウ・ラノリン誘導体、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等のアルカノールアミドのほか、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル、POEアルキルアミン、POE脂肪酸アミド、ショ糖脂肪酸エステル、POEノニルフェニルホルムアルデヒド縮合物、アルキルエトキシジメチルアミンオキシド、トリオレイルリン酸などが例示される。
【0030】
防腐剤としては、メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、プロピルパラベン、フェノキシエタノール、レゾルシン、サリチル酸、デヒドロ酢酸、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、イソプロピルメチルフェノール、アルカンジオール等が例示される。
【0031】
消炎剤としては、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等が例示される。
【0032】
美白剤としては、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、プラセンターエキス、アルブチン、トラネキサム酸、コウジ酸、イオウ、油溶性甘草抽出物、ユキノシタ抽出物等が例示される。
【0033】
植物抽出物としては、オウバク、オウゴン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ローズマリー、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻、茶等の抽出物が例示される。
【0034】
賦活剤としては、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等が例示される。
【0035】
血行促進剤としては、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β-ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、α-ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ-オリザノール等が例示される。
【0036】
抗脂漏剤としては、硫黄、チアントール等が例示される。
【0037】
天然の水溶性高分子としては、アラアビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアーガム、ローカストビーンガム、タマリントガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)等の植物系水溶性高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、ブルラン等の微生物系水溶性高分子、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系水溶性高分子などが例示される。
【0038】
半合成水溶性高分子としては、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデ
ンプン等のデンプン系水溶性高分子、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、結晶セルロース、セルロース末等のセルロース系水溶性高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系水溶性高分子などが例示される。
【0039】
合成水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー(カーボポール)等のビニル系水溶性高分子、ポリエチレングリコール1,000、同6,000、同20,000等のポリオキシエチレン系水溶性高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体等の共重合系水溶性高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系水溶性高分子のほか、ポリエチレンイミン、カチオンポリマーなどが例示される。
【0040】
無機の水溶性高分子としては、ベントナイト、ケイ酸AlMg(ビーガム)、ラポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸などが例示される。
【0041】
粉末成分としては、例えば、無機粉末(例えば、タルク、カオリン、ベントナイト、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛等)、有機粉末(例えば、セルロース粉末等)、無機顔料(例えば、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黒酸化鉄等)、有機顔料(例えば、アルミニウムレーキ等)などが例示される。
【0042】
金属イオン封鎖剤としては、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、HEDTA-3Naなどが例示される。
【0043】
低級アルコールとしては、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t-ブチルアルコール等が挙げられる。
【実施例】
【0044】
以下、試験例と実施例をもって本発明をさらに詳しく説明する。本発明は、以下の試験例や実施例によって何ら限定されるものではない。なお、以下の試験例を含め、本発明の全説明において、配合割合は全て質量%である。
【0045】
実施例に先立ち、各実施例で採用した評価法を説明する。
【0046】
(1)経時変色抑制評価(目視観察)
40℃で10ヶ月保存したときのサンプルの外観変化(変色)を下記基準に従って2段階で評価した。
【0047】
<目視評価基準>
○:目視による外観の変化(変色)が認められない
×:目視による外観の変化(変色)が認められる
【0048】
(2)経時変色抑制評価(色差測定)
40℃で6ヶ月保存したときのサンプルの外観変化(変色)を色差計(コニカミノルタ社製CR-400)のΔb(経時保存後のb値-経時保存前のb値)により、下記基準に従
って4段階で評価した。
【0049】
<色差評価基準>
◎:Δbが1.5未満
○:Δbが1.0以上3.0未満
×:Δbが3.0以上5.0未満
××:Δbが5.0以上
【0050】
実施例1~6、比較例1~2
表1に示す組成の化粧料を常法に準じて調製し、得られた化粧料について下記評価を行い、その結果を表1に併せて示す。
【0051】
【0052】
表1より明らかなように、本発明の成分を用いた実施例1~6の化粧料は比較例1~2の組成物に比べて優れた性能を見出した。
【0053】
以下、本発明化粧料のその他の処方例を実施例7、8、9、10として挙げる(以下、質量%を単に「%」と記す。)。なお、これらの実施例の化粧料についても、上記の長期経時変色抑制評価を実施した。
【0054】
(実施例7 乳液)
成分名 配合量(質量%)
(1)アスコルビン酸グルコシド 1.0
(2)水酸化カリウム 0.2
(3)精製水 3.0
(4)葉酸 0.001
(5)精製水 1.0
(6)ステアリン酸 1.0
(7)モノステアリン酸グリセリル 1.0
(8)セタノール 1.0
(9)コレステロール 0.5
(10)流動パラフィン 1.0
(11)メチルポリシロキサン 1.0
(12)スクワラン 1.0
(13)天然ビタミンE 0.01
(14)ビタミンA油 0.1
(15)水素添加大豆レシチン 0.1
(16)アシルグルタミン酸塩 0.5
(17)キサンタンガム 0.5
(18)グリセリン 2.0
(19)ジプロピレングリコール 3.0
(20)水酸化カリウム 0.002
(21)エデト酸二ナトリウム 0.01
(22)メチルパラベン 0.1
(23)フェノキシエタノール 0.04
(24)精製水 81.914
(25)ローヤルゼリーエキス 0.001
(26)キュウリ果実エキス 0.001
(27)アルテアエキス 0.001
(28)セージエキス 0.001
(29)ウイキョウエキス 0.001
(30)ブドウ葉エキス 0.001
(31)ローズマリー葉エキス 0.001
(32)チャ葉エキス 0.001
(33)ビルベリー果実エキス 0.001
(34)イタドリ根エキス 0.001
(35)サトウキビエキス 0.001
(36)レモン果実エキス 0.001
(37)オレンジ果実エキス 0.001
(38)ダイズ種子エキス 0.001
(39)カミツレ花エキス 0.001
(40)ヤグルマギク花エキス 0.001
(41)アルニカ花エキス 0.001
(42)ローマカミツレ花エキス 0.001
(43)フユボダイジュ花エキス 0.001
(44)トウキンセンカ花エキス 0.001
(45)ローズ水 0.001
(46)ハマメリス葉エキス 0.001
(47)ホップエキス 0.001
-------------------------------
計 100.000
【0055】
(調製方法)
1.成分(6)~(15)を80℃にて、混合、溶解する(a)。
2.成分(16)~(24)を80℃にて、混合、溶解する(b)。
3.(a)に(b)を添加して混合・攪拌・分散した。次いで、攪拌しながら50℃まで冷却し、成分(1)~(3)及び成分(4)~(5)及び成分(25)~(47)を室温で混合しておいたものを加え分散、室温まで冷却し、乳液を得た。
【0056】
(実施例8 クリーム)
成分名 配合量(質量%)
(1)アスコルビン酸グルコシド 2.0
(2)水酸化カリウム 0.4
(3)精製水 5.0
(4)葉酸 0.001
(5)精製水 1.0
(6)ステアリン酸 1.0
(7)モノステアリン酸グリセリル 2.0
(8)ベヘニルアルコール 1.5
(9)コレステロール 0.2
(10)流動パラフィン 2.0
(11)メチルポリシロキサン 1.0
(12)スクワラン 2.0
(13)トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル 2.0
(14)ミリスチン酸オクチルドデシル 2.0
(15)シクロメチコン 2.0
(16)2-エチルヘキサン酸セチル 2.0
(17)ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル
/セチル/ステアリル/ベヘニル) 0.5
(18)ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル
/オクチルドデシル) 0.5
(19)ニコチン酸dl-α-トコフェロール 0.1
(20)水素添加大豆レシチン 0.3
(21)パルミチン酸レチノール 0.001
(22)フィトステロール 0.1
(23)セラミド3 0.0001
(24)アシルグルタミン酸塩 1.0
(25)キサンタンガム 0.1
(26)カルボキシビニルポリマー 0.2
(27)(アクリル酸/アクリル酸アルキル
(C10-30))コポリマー 0.1
(28)グリセリン 2.0
(29)ジプロピレングリコール 3.0
(30)ソルビトール 1.0
(31)マルチトール 1.0
(32)1,3-プロパンジオール 1.0
(33)1,3-ブチレングリコール 2.0
(34)トリプロピレングリコール 1.0
(35)ポリオキシエチレンメチルグルコシド 1.0
(36)PEG4000 1.0
(37)シクロヘキサンジカルボン酸
ビスエトキシジグリコール 0.1
(38)水酸化カリウム 0.25
(39)エデト酸二ナトリウム 0.02
(40)グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
(41)フェノキシエタノール 0.3
(42)メチルパラベン 0.15
(43)精製水 54.3439
(44)ホップエキス 0.1
(45)ローヤルゼリーエキス 0.01
(46)ダイズエキス 0.1
(47)オウゴンエキス 0.01
(48)ユズエキス 0.01
(49)チャエキス 0.1
(50)トウキエキス 0.01
(51)レモンエキス 0.01
(52)ハトムギエキス 0.01
(53)ハス種子発酵液 0.1
(54)ウーロン茶エキス 0.01
(55)シャクヤクエキス 0.01
(56)セージエキス 0.1
(57)ブドウ葉エキス 0.01
(58)ヨクイニンエキス 0.1
(59)甘草抽出末 0.001
(60)グレープフルーツエキス 0.001
(61)シルクエキス 0.01
(62)真珠エキス 0.001
(63)コメヌカエキス 0.001
(64)カミツレエキス 0.01
(65)水溶性コラーゲン 0.01
(66)ヒアルロン酸Na 0.01
(67)SIMULGEL EG 1.0
(68)SEPIPLUS 265 1.0
-------------------------------
計 100.000
【0057】
(調製方法)
1.成分(6)~(23)を80℃にて、混合、溶解する(a)。
2.成分(24)~(43)を70℃にて、混合、溶解する(b)。
3.(a)に(b)を添加して混合・攪拌・分散した。次いで、攪拌しながら50℃まで冷却し、成分(1)~(3)及び成分(4)~(5)及び成分(44)~(66)及び成分(67)~(68)を室温で混合しておいたものを加え分散、室温まで冷却し、クリー
ムを得た。
【0058】
(実施例9 化粧水)
成分名 配合量(質量%)
(1)エタノール 10.0
(2)POE(60)硬化ヒマシ油 0.5
(3)酢酸dl-α-トコフェロール 0.01
(4)アスコルビン酸グルコシド 2.0
(5)1,3-ブチレングリコール 2.0
(6)ジプロピレングリコール 3.0
(7)ポリエチレングリコール1500 1.0
(8)リン酸塩 0.02
(9)フェノキシエタノール 0.2
(10)エデト酸四ナトリウム 0.01
(11)葉酸 0.0001
(12)水酸化カリウム 0.001
(13)精製水 81.2589
-------------------------------
計 100.000
【0059】
(調製方法)
1.成分(1)~(13)を混合、溶解、攪拌し、化粧水を得た。
(実施例10 サンスクリーン)
成分名 配合量(質量%)
(1)エタノール 9.0
(2)メトキシケイ皮酸オクチル 6.0
(3)POE・POP変性ジメチルポリシロキサン 1.5
(4)微粒子酸化チタン 3.0
(5)酸化亜鉛 5.0
(6)メチルシクロポリシロキサン 8.0
(7)ジメチルポリシロキサン 5.0
(8)アスコルビン酸グルコシド 0.1
(9)葉酸 0.01
(10)水酸化カリウム 0.001
(11)精製水 62.389
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計 100.000
【0060】
(調製方法)
1.成分(2)~(7)を80℃にて、混合、溶解する(a)。
2.成分(8)~(11)を室温にて、混合する(b)。
3.(a)に(b)を添加して攪拌し、冷却する(c)。
4.(c)に成分(1)を添加し、攪拌後、サンスクリーンを得た。
【0061】
各製法に基づき、実施例7~10の化粧料を調製し、長期経時変色抑制評価を実施したところ、良好な結果を得た。