(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-25
(45)【発行日】2022-12-05
(54)【発明の名称】表示制御装置、表示制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20221128BHJP
H04N 5/232 20060101ALI20221128BHJP
H04N 5/247 20060101ALI20221128BHJP
【FI】
H04N7/18 D
H04N7/18 U
H04N5/232 941
H04N5/247
(21)【出願番号】P 2017228335
(22)【出願日】2017-11-28
【審査請求日】2020-11-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100124442
【氏名又は名称】黒岩 創吾
(72)【発明者】
【氏名】岩切 良樹
【審査官】佐野 潤一
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-101462(JP,A)
【文献】特開2008-131443(JP,A)
【文献】特開2009-206617(JP,A)
【文献】特開2006-345114(JP,A)
【文献】特開2000-347730(JP,A)
【文献】特開2000-298516(JP,A)
【文献】特開2017-208702(JP,A)
【文献】特開平06-284423(JP,A)
【文献】特開2009-260616(JP,A)
【文献】特開2009-199387(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
H04N 5/222
H04N 17/00
G08B 13/00-31/00
G06T 1/00-19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
視点の指定に応じた仮想視点画像の生成に用いられる複数の画像であって複数の方向からの撮影に基づく複数の画像を取得するための複数の装置に関する情報を取得する取得手段と、
前記複数の装置のうち異常状態にある装置を、前記取得手段により取得される情報に基づいて特定する特定手段と、
前記複数の装置のうち前記特定手段により特定される異常状態にある装置と
前記仮想視点画像の生成を行う生成装置とにデイジーチェーンを介して接続される装置と、前記複数の装置のうち前記異常状態にある装置と
は接続され
ず、前記デイジーチェーンとは異なる別のデイジーチェーンを介して前記生成装置に接続される装置とを識別可能にするための情報を表示部に表示させる表示制御手段とを有することを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記複数の装置それぞれが、前記デイジーチェーンを介して前記異常状態にある装置と接続されているか否かを示す情報を同一画面上に表示させることを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記複数の装置それぞれは、複数のデイジーチェーンのいずれか一つを介して、前
記生成装置と接続され、
前記表示制御手段は、前記複数のデイジーチェーンのうち前記異常状態にある装置と前記生成装置を接続するデイジーチェーンと、前記複数のデイジーチェーンのうち前記異常状態にある装置と前記生成装置を接続するデイジーチェーンとは異なるデイジーチェーンとを識別可能に示す情報と、前記複数の装置の設置位置とを示す情報と、を同一画面上に表示させることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
視点の指定に応じた仮想視点画像の生成に用いられる複数の画像であって複数の方向からの撮影に基づく複数の画像を取得するための複数の装置に関する情報を取得する取得手段と、
前記複数の装置のうち異常状態にある装置を、前記取得手段により取得される情報に基づいて特定する特定手段と、
前
記複数の装置のうち
前記特定手段により特定される異常状態にある装置と
前記仮想視点画像の生成を行う生成装置とにデイジーチェーンを介して接続される装置を示す情報
を表示部に表示させ
、前記複数の装置のうち前記異常状態にある装置と
は接続され
ず、前記デイジーチェーンとは異なる別のデイジーチェーンを介して前記生成装置に接続される装置を示す情報を前記表示部に表示させない制御を行う
表示制御手段とを有することを特徴とする表示制御装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記デイジーチェーンを示す情報と、前記異常状態にある装置の設置位置を示す情報と、当該装置と前記デイジーチェーンを介して接続されている装置の設置位置を示す情報と、を同一画面上に表示させることを特徴とする請求項4に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記複数の装置は、前記複数の方向からの撮影を行う複数の撮像装置、及び、前記複数の撮像装置による撮影に基づく画像の取得と伝送を行う複数の処理装置の、少なくとも何れかを含むことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記複数の装置は、複数の設置エリアを含む領域に設置され、
前記表示制御手段は、前記複数の設置エリアのうち前記異常状態にある装置の設置位置を含む設置エリアと、前記複数の設置エリアのうち前記異常状態にある装置の設置位置を含まない設置エリアとを識別可能にするための情報を同一画面上で表示させることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の表示制御装置。
【請求項8】
前記表示制御手段は、前記複数の装置のうち前記異常状態にある装置とデイジーチェーンを介して接続される装置と、前記複数の装置のうち前記異常状態にある装置とは前記デイジーチェーンを介して接続されていない装置とを識別可能にするための情報と、前記複数の設置エリアのうち前記異常状態にある装置の設置位置を含む設置エリアと、前記複数の設置エリアのうち前記異常状態にある装置の設置位置を含まない設置エリアとを識別可能にするための情報のうち、ユーザによる指示に応じて選択された情報を前記表示部に表示させることを特徴とする請求
項7に記載の表示制御装置。
【請求項9】
前記異常状態にある装置は、所定の動作が行えない状態にある装置、装置の状態に関するパラメータが所定の範囲外となっている装置、装置の状態に関するパラメータが他の複数の装置と異なっている装置、及び他の装置と同期していない装置の少なくとも何れかを含むことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の表示制御装置。
【請求項10】
前記取得手段により取得される情報は、前記複数の装置の接続の状態に関する情報、前記複数の装置の出力の状態に関する情報、前記複数の装置の温度に関する情報、及び前記複数の装置の撮影パラメータに関する情報の少なくとも何れかを含むことを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の表示制御装置。
【請求項11】
前記取得手段により取得される情報は、前記複数の装置の識別情報、前記複数の装置の接続関係に関する情報、前記複数の装置の設置位置に関する情報、及び前記複数の装置に対応する撮影対象エリアに関する情報の少なくとも何れかを含むことを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の表示制御装置。
【請求項12】
前記表示制御手段は、さらに前記装置の状態に関する情報及び警告メッセージの少なくとも何れかを前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載の表示制御装置。
【請求項13】
視点の指定に応じた仮想視点画像の生成に用いられる複数の画像であって複数の方向からの撮影に基づく複数の画像を取得するための複数の装置に関する情報を取得する取得工程と、
前記複数の装置のうち異常状態にある装置を、前記取得工程において取得される情報に基づいて特定する特定工程と、
前記複数の装置のうち前記特定工程において特定される異常状態にある装置と
前記仮想視点画像の生成を行う生成装置とにデイジーチェーンを介して接続される装置と、前記複数の装置のうち前記異常状態にある装置と
は接続され
ず、前記デイジーチェーンとは異なる別のデイジーチェーンを介して前記生成装置に接続される装置とを識別可能にするための情報を表示部に表示させる表示制御工程とを有することを特徴とする表示制御方法。
【請求項14】
前記表示制御工程において、前記複数の装置それぞれが、前記デイジーチェーンを介して前記異常状態にある装置と接続されているか否かを示す情報を同一画面上に表示させることを特徴とする請求項13に記載の表示制御方法。
【請求項15】
前記複数の装置それぞれは、複数のデイジーチェーンのいずれか一つを介して、前
記生成装置と接続され、
前記表示制御工程において、前記複数のデイジーチェーンのうち前記異常状態にある装置と前記生成装置を接続するデイジーチェーンと、前記複数のデイジーチェーンのうち前記異常状態にある装置と前記生成装置を接続するデイジーチェーンとは異なるデイジーチェーンとを識別可能に示す情報と、前記複数の装置の設置位置とを示す情報と、を同一画面上に表示させることを特徴とする請求項13又は14に記載の表示制御方法。
【請求項16】
視点の指定に応じた仮想視点画像の生成に用いられる複数の画像であって複数の方向からの撮影に基づく複数の画像を取得するための複数の装置に関する情報を取得する取得工程と、
前記複数の装置のうち異常状態にある装置を、前記取得工程において取得される情報に基づいて特定する特定工程と、
前
記複数の装置のうち
前記特定工程において特定される前記異常状態にある装置と
前記仮想視点画像の生成を行う生成装置とにデイジーチェーンを介して接続される装置を示す情報
を表示部に表示させ
、前記複数の装置のうち前記異常状態にある装置と
は接続され
ず、前記デイジーチェーンとは異なる別のデイジーチェーンを介して前記生成装置に接続される装置を示す情報は、前記表示部に表示させない
制御を行う表示制御工程とを有することを特徴とす
る表示制御方法。
【請求項17】
前記表示制御工程において、前記デイジーチェーンを示す情報と、前記異常状態にある装置の設置位置を示す情報と、当該装置と前記デイジーチェーンを介して接続されている装置の設置位置を示す情報と、を同一画面上に表示させることを特徴とする請求項16に記載の表示制御方法。
【請求項18】
コンピュータを、請求項1乃至12の何れか1項に記載の表示制御装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想視点画像を生成するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、異なる位置に設置された複数の撮像装置により複数の方向から同期して被写体を撮影し、当該撮影により得られた複数の撮影画像(複数視点画像)を用いて仮想視点画像を生成する技術が提案されている。このように生成される仮想視点画像は、撮像装置の設置位置に限定されない仮想的な視点における見えを表す画像である。
【0003】
特許文献1には、一つ以上の画像に基づいてユーザが好みの視点を選択し、当該画像と選択された視点の情報とから仮想視点画像を生成する技術が開示されている。また、特許文献1では、ユーザに好みの視点を選択させるためのUI(ユーザインターフェース)に関しても開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数の装置から構成される種々のシステムにおいて、その構成要素の何れかが異常状態にある場合に、異常状態にある構成要素の情報を表示することで、ユーザにシステムの状態を知らせることができる。しかしながら、仮想視点画像を生成するシステムにおいては、異常状態にある構成要素の情報を表示するだけでは不十分な場合が考えられる。
【0006】
例えば、システムに含まれる複数の撮像装置の少なくとも一つが、故障したり、正常な撮影ができなかったり、撮影画像を出力できなかったりなどの異常状態にある場合、生成される仮想視点画像の品質の低下などの不具合が生じ得る。このとき、異常状態にある撮像装置と他の撮像装置との位置関係や接続関係などによって、仮想視点画像の生成を継続できるか否かや、調整が必要となる撮像装置の数などが異なることがある。すなわち、異常状態にある装置が特定されるだけでは、その異常による仮想視点画像の品質への影響の大きさや、異常状態からの復旧に要する処理の多さなどをユーザが容易に知ることができない場合がある。一方、異常による影響の大きさなどをユーザが容易に知ることができれば、例えば撮像装置の修理や調整などの適切な対応を素早く行うことができ、仮想視点画像の品質の低下などの不具合を抑制することができる。
【0007】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、仮想視点画像を生成するためのシステムに関する状態をより適切にユーザに知らせるための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明に係る表示制御装置は、例えば以下の構成を有する。すなわち、視点の指定に応じた仮想視点画像の生成に用いられる複数の画像であって複数の方向からの撮影に基づく複数の画像を取得するための複数の装置の状態に関する情報を取得する取得手段と、前記複数の装置のうち異常状態にある装置を、前記取得手段により取得される情報に基づいて特定する特定手段と、前記複数の装置のうち前記特定手段により特定される異常状態にある装置と前記仮想視点画像の生成を行う生成装置とにデイジーチェーンを介して接続される装置と、前記複数の装置のうち前記異常状態にある装置とは接続されず、前記デイジーチェーンとは異なる別のデイジーチェーンを介して前記生成装置に接続される装置とを識別可能にするための情報を表示部に表示させる表示制御手段とを有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、仮想視点画像を生成するためのシステムに関する状態をより適切にユーザに知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図3】撮像装置のハードウェアの構成を示す図である。
【
図4】撮像装置の動作の例を示すフローチャートである。
【
図6】画像生成装置の動作の例を示すフローチャートである。
【
図7】情報表示装置の機能的な構成の例を示す図である。
【
図8】情報表示装置の動作の例を示すフローチャートである。
【
図9】情報表示装置のデータ保持部が保持するデータの例を示す図である。
【
図10】情報表示装置により表示される表示イメージの一例を示す図である。
【
図11】情報表示装置のUI生成部の処理の例を示すフローチャートである。
【
図12】情報表示装置のUI生成部が生成する表示イメージの例を示す図である。
【
図13】情報表示装置のUI生成部による表示調整処理について説明するための図である。
【
図14】情報表示装置のUI生成部によるレイヤー描画処理のイメージ図である。
【
図15】情報表示装置のUI生成部による表示切替処理の例を示すフローチャートである。
【
図16】情報表示装置のUI生成部による表示切替に関する表示イメージ例を示す図である。
【
図17】表示イメージ上における撮像装置の状態を示す情報の例を示す図である。
【
図18】撮像装置の状態をリスト表示した例を示す図である。
【
図19】撮像装置を操作するための操作UIの例を示す図である。
【
図20】情報表示装置による表示処理の例を示すフローチャートである。
【
図21】グループのエラー表示に関する設定リストの例を示す図である。
【
図22】情報表示装置により表示される表示イメージの例を示す図である。
【
図23】情報表示装置による表示処理の例を示すフローチャートである。
【
図24】エラー表示のモードに関する設定リストの例を示す図である。
【
図25】情報表示装置により表示される表示イメージの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、実施形態を説明する。本実施形態では、撮影対象の領域を含み且つ撮像装置の設置場所である競技場を模した画像上に、各撮像装置の設置位置、撮像装置間のネットワーク接続関係、及び各撮像装置と撮影対象エリアとの関係のうち少なくとも1つ以上を表示する例を説明する。
【0012】
図1は、本実施形態における仮想視点画像を生成する画像処理システムの構成の一例を示す図である。本実施形態の画像処理システムは、複数の撮像装置100-1、100-2、・・・100-mを有する撮影システム100と、画像生成装置200と、ユーザ端末300と、情報表示装置400と、分配装置500とを有する。各々の装置は、画像や制御情報を伝送する為の伝送ケーブルを介して他の装置と通信可能に接続される。伝送ケーブルの具体例としては、ETHERNET(登録商標)であるIEEE標準準拠のGBE(ギガビットイーサーネット)や10GBEが挙げられる。ただし、伝送ケーブルは、これらに限定されず、他の種別のケーブルであってもよい。また、各々の装置は無線通信を行ってもよい。
【0013】
撮影システム100は、それぞれ異なる方向から撮影を行うm個の撮像装置(撮像装置100-1、100-2、・・・、100-m)を有し、仮想視点画像の生成に用いられる複数の撮影画像を取得する。以下、撮像装置を区別しない場合、撮像装置100-1、100-2、・・・、100-mに含まれる撮像装置を、撮像装置100-xと記載する。なお、本実施形態で記載されるm及び後述のnは、整数値を表す。
【0014】
相互に隣り合う位置に設置される撮像装置100-x同士(例えば、撮像装置100-1と撮像装置100-2)は、伝送ケーブルを介して相互に接続される。撮像装置100-xは、撮影画像や撮像装置100-Xの状態情報を画像生成装置200および情報表示装置400へ送信する。状態情報については後述する。
図1では、撮像装置100-1は、撮像装置100-2と相互に接続される。また、撮像装置100-2は、撮像装置100-1に加え、撮像装置100-2と隣り合う位置にある不図示のもう1つの撮像装置と相互に接続される。そして、撮像装置100-nは、撮像装置100-nと隣り合う位置にある不図示の撮像装置と相互に接続される。また、撮像装置100-nは、分配装置500と相互に接続される。すなわち、撮像装置100-1から撮像装置100-nまでの複数の撮像装置は、デイジーチェーンにより直列的に接続される。また、撮像装置100-(n+1)から撮像装置100-mまでの複数の撮像装置も、同様にデイジーチェーンにより接続される。
【0015】
このように本実施形態において画像処理システムは、デイジーチェーンで接続される接続グループを2つ有する。なお、画像処理システムに含まれる接続グループの数は2つに限らず、1つでも3つ以上あってもよい。本実施形態における接続グループは、直接又は他の装置を介して相互に接続される複数の装置からなる装置群である。なお、単一の装置からなる接続グループがあってもよい。本実施形態では接続グループがデイジーチェーンで接続される場合を中心に説明するが、接続形態はこれに限らず、例えばスター型で接続されていてもよい。
【0016】
撮像装置100-xは、サッカー場などの競技場や特定の被写体を取り囲むように配置される。
図2は、撮像装置100-xの配置の一例を示す図である。
図2に示す例では、競技場210が複数の撮像装置100-xで撮影されるように、複数の撮像装置100-xが配置される。なお、複数の撮像装置100-xは競技場210の全体でなく一部だけを撮影してもよいし、被写体を完全に取り囲んでいなくてもよい。また、撮影システム100の設置場所は競技場に限らず、劇場やライブステージなどであってもよい。
【0017】
複数の撮像装置100-xは、例えばデジタルカメラであり、不図示の同期装置からの同期信号に基づき、略同一のタイミングで撮影を行う。撮像装置100-xにより撮影された画像は、伝送ケーブルと分配装置500とを介し、画像生成装置200および情報表示装置400に伝送される。撮像装置100-xは、静止画像を撮影するカメラであっても、動画像を撮影するカメラであっても、静止画像および動画像の双方を撮影するカメラであってもよい。本実施形態では、画像という文言を、特に断りがない限り静止画および動画を含むものとして説明する。
【0018】
なお、本実施形態では撮像装置100-xが他の撮像装置100-xと直接接続されて画像の伝送を行う場合を中心に説明するが、これに限らない。例えば、複数の撮像装置100-xの代わりに、複数(例えばm台)の処理装置が、接続グループごとに接続されていてもよい。そして、各撮像装置100-xは自装置に対応する処理装置へ撮影画像を送信し、各処理装置は撮像装置100-xから受信した撮影画像やそれに画像処理を行って取得した画像を、画像生成装置200及び情報表示装置400へ伝送してもよい。すなわちこの場合、複数の処理装置が、仮想視点画像の生成に用いられる複数の画像(複数の撮像装置100-xによる複数の方向からの撮影に基づく画像)を取得し、画像生成装置200や情報表示装置400へ伝送することになる。
【0019】
画像生成装置200は、分配装置500を介して撮像装置100-xと相互に接続される。また、画像生成装置200は、ユーザ端末300や情報表示装置400とも相互に接続される。画像生成装置200は、撮像装置100-xにより撮影された画像を蓄積する。画像生成装置200は、ユーザ端末300からユーザによる操作に基づいて指定される仮想視点の位置や向きを示す仮想視点情報が入力された場合、複数の撮像装置100-xにより撮影された画像を用いて、仮想視点情報に対応する仮想視点画像を生成する。仮想視点情報は、仮想視点画像を生成するための、視点の位置及び視線の方向を示す情報である。言い換えると、仮想視点情報は、仮想視点画像に対応する仮想カメラの位置及び姿勢を示す情報である。
【0020】
画像生成装置200は、生成した仮想視点画像を、ユーザ端末300に伝送する。ここで、仮想視点情報には、指定された視点の位置情報と方向情報とが少なくとも含まれる。位置情報は、例えば、撮影対象である競技場210の中央などの所定位置に対する相対的な位置(所定位置を基準とした場合の、前後方向、左右方向、および上下方向それぞれにおける視点の位置)を示す情報である。なお、位置情報は絶対的な座標を示す情報であってもよい。方向情報は、例えば、その所定位置に対する向きを示す情報(所定の位置を原点とし、前後方向、左右方向、上下方向を軸とする3次元直交座標系における各軸と視線方向とがなす角度)である。また、方向情報は、絶対的な方向を示す情報であってもよい。
【0021】
画像生成装置200は、例えば、サーバ装置であり、データベース機能や、画像処理機能を有する。画像生成装置200が用いるデータベースは、例えば競技の開始前の競技場など、選手などの特定の被写体が存在しない場面の競技場を撮影した画像を背景画像データとして、予め保持する。背景画像データは、撮影画像から特定の被写体を抽出するための前景背景分離に用いられる。
【0022】
ユーザ端末300は、操作用のコントローラを有する。ユーザ端末300は、ユーザによるコントローラの操作に基づいて、例えば、仮想視点の位置の移動、仮想視点の視線方向の変更、および視点の切り替え等の指示を受け付け、その内容に応じた信号を仮想視点情報として画像生成装置200へ伝送する。また、ユーザ端末300は、画像生成装置200から受信した仮想視点画像をユーザ端末300が備える表示画面に表示する。仮想視点画像は、静止画像であっても動画像であってもよい。ここで、ユーザ端末300は、例えば、PCやタブレットであり、コントローラは、例えば、マウス、キーボード、6軸コントローラ、およびタッチパネルの少なくとも1つを有する。
【0023】
情報表示装置400は、分配装置500を介して撮像装置100-xや画像生成装置200と相互に接続される。情報表示装置400は、撮像装置100-xにより撮影された撮影画像や撮像装置100-xの状態情報を取得し、取得した状態情報に応じた画像を後述する表示画面(表示部404)に表示する。また、情報表示装置400は、撮像装置100-xの設置位置や識別情報、撮影範囲に含まれる撮影対象エリア、及び複数の撮像装置間の接続関係に関する情報なども取得し、取得した情報に応じた画像を表示画面に表示する。また、情報表示装置400は、各撮像装置100-xが属するグループの情報を取得し、取得した情報に応じた画像を表示画面に表示してもよい。情報表示装置400は上記の各種の情報を、撮像装置100-xから取得してもよいし、他の装置が保持するデータベースなどから取得してもよいし、ユーザによる情報表示装置400に対する入力操作に基づいて取得してもよい。
【0024】
本実施形態において、ある撮像装置100-xが属するグループとは、その撮像装置100-xとの間で所定の関係にある1又は複数の装置である。所定の関係は例えば、接続関係、設置位置及び撮影対象エリアの少なくとも何れかに関する関係である。ただしこれに限らず、装置の種別や設定情報などに関して所定の関係を有する1又は複数の装置をグループとして扱ってもよい。
【0025】
また、情報表示装置400は、画像生成装置200の状態情報も受信し、表示画面に表示する。情報表示装置400に表示された情報は画像処理システムの監視担当者により閲覧される。監視担当者は、情報表示装置400の表示画面に表示された画像を用いて撮影システム100や画像生成装置200の状態を認識し、例えば情報表示装置400を介して各装置を制御したり、各装置の制御を担当する他の担当者に指示を出したりできる。分配装置500は、撮像装置100-xから受信した撮影画像を、画像生成装置200および情報表示装置400に分配する。
【0026】
次に、撮像装置100-xの構成の一例について説明する。
図3は、撮像装置100-xのハードウェアの構成の一例を示す図である。撮像光学系301(光学レンズ系)は、被写体からの光を撮像素子302に結像する。撮像素子302は、結像された光を電気信号に変換し、その電気信号をA/Dコンバータ303に出力する。A/Dコンバータ303は、入力された電気信号をデジタル信号に変換し、変換したデジタル信号を画像処理回路304に入力する。尚、撮像素子302は、受光面上に結像された像による光信号を、対応する位置の受光画素毎に電気信号に変換する光電変換素子である。
【0027】
システムコントローラ308は、例えば、CPU、ROM、RAMなどを有する。システムコントローラ308は、ROMに記録されたコンピュータプログラムを実行すること等により撮像装置100-xを制御する。例えば、システムコントローラ308は、撮像装置100-xが備える不図示の通信部を制御して、記録媒体307に保存された画像を情報表示装置400などへ送信する。
【0028】
画像処理回路304は、A/Dコンバータ303から入力されたデジタル信号(画像信号)に対して各種の画像処理を行う。画像処理としては、例えば、例えば、ホワイトバランス調整、色補正、およびガンマ補正などが含まれる。画像処理回路304により画像処理された画像信号は記録媒体307に保存されたり、表示装置305により表示されたりする。また、画像処理回路304は、撮影部102から入力された撮影画像のうち、例えば競技場210で競技中に撮影された画像から、選手などの特定の被写体を抽出する処理を実行する。撮像光学系制御回路306は、システムコントローラ308からの制御信号に基づいて、撮像光学系301に含まれるレンズなどを駆動する。
【0029】
なお、図示した撮像装置100-xの構成は例示であり、必ずしもすべての構成を有する必要はなく、他の構成を有していてもよい。例えば、表示装置305は撮像装置100-xに必須の構成ではない。また、図示した構成要素の一部が撮像装置100-xとは別の装置として構成されていてもよい。例えば、
図1を用いた説明において上述したように、撮像装置100-xが自装置に対応する処理装置へ撮影画像を送信し、各処理装置が撮像装置100-xによる撮影に基づく画像を取得して情報表示装置400などへ伝送してもよい。この場合、画像処理回路304や記録媒体307を処理装置が有していてもよい。
【0030】
図4は、本実施形態の撮像装置100-xの動作の一例を説明するフローチャートである。尚、
図4のフローチャートは、例えば、撮像装置100-xで撮影画像が得られる度に実行される。
図4のフローチャートに示す処理は、システムコントローラ308が情報の演算や各ハードウェアの制御を実行することで実現される。なお、
図4のフローチャートの少なくとも一部のステップが専用のハードウェアにより実行されてもよい。専用のハードウェアは、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)である。
【0031】
S501において、撮像装置100-xは撮影画像を取得する。具体的には、レンズのズームやフォーカスを調整して撮影対象からの入射光を結像し、結像された入射光の露出動作を行い電気信号に変換する。そして、変換後の信号に対して、センサの出力の欠損やレンズ光学特性のバラつきの補正などの信号処理を施す。そして、信号処理の結果に基づいて、RAW、JPEG(Joint PhotoGraphic Experts Group)、もしくはBMP(Bitmap Image)などの画像フォーマットの撮影画像に変換する。
【0032】
なお、撮像装置100-xは、レンズの調整のためのパラメータや露出調整のためのパラメータなどを外部の装置(例えば情報表示装置400)から受信し、受信したパラメータに応じて設定を変更して撮影画像を取得してもよい。外部から入力されるパラメータとしては、例えば、ズーム、フォーカス、絞り値(アイリス)、ISO、シャッタースピード、ND(Neutral Density)フィルタ切替などがある。
【0033】
S502において、撮像装置100-xは、取得した撮影画像のうち例えば競技場210で競技中に撮影された画像から、選手などの特定の被写体(前景)を抽出して「前景画像データ」として取得する。また、撮像装置100-xは、例えば競技の開始前に撮影された画像など、特定の被写体が存在しない状態の競技場210を撮影した画像を予め「背景画像データ」として取得する。なお、撮影画像から特定の被写体を除いた残りの画像を背景画像データとして取得してもよい。以下、前景背景分離していない撮影画像を、「前景画像データ」および「背景画像データ」と区別するために「分離前画像データ」と称する。
【0034】
特定の被写体である前景の分離方法として、例えば、前景をオブジェクトとして抽出するオブジェクト抽出を含む画像処理を行う方法を用いることができる。オブジェクト抽出は、撮影画像と背景画像データとの差分を抽出することにより行われる。尚、前景は、競技を行う選手だけでなく、他の特定人物(例えば、控え選手、監督、審判の少なくとも何れか1人)であってもよい。また、前景は、ボールやゴールなど、画像パターンが既知の物体であってもよい。また、前景を抽出するためのその他の方法として、例えば、動体を検出して抽出してもよい。
【0035】
S503において、撮像装置100-Xは、自装置の状態情報を取得する。状態情報には少なくとも以下のいずれかに関する情報が含まれる。
・撮像装置100-xの通信接続状態(他の装置との通信が可能な状態か否かなど)
・撮像装置100-xの撮影状態(撮影中、撮影準備中、撮影停止中など)
・撮像装置100-zの動作状態(ズーム動作中、フォーカス動作中、アイリス設定中、電源OFF/ONなど)
・撮像装置100-xの出力状態(前景画像データや背景画像データを画像生成装置200へ出力中であるか否かなど)
・撮像装置100-xのエラー有無状態(正常動作中、温度エラー発生中、レンズエラー発生中など)
・撮像装置100-xの構成(雲台の有無、マイクの有無、ズームレンズの有無など)
・撮像装置100-xの撮影パラメータ(アイリス、シャッタースピード、ホワイトバランス、露出値、ISO感度、ズーム、フォーカス、NDフィルタ、撮影モードなど)
S504において、撮像装置100-xは、S502で取得した前景画像データ背景画像データを、分配装置500を介して、画像生成装置200および情報表示装置400へ所定のフレームレートで出力する。また、撮像装置100-xは、S503で取得した状態情報を、他の撮像装置100-xや分配装置500を介して、情報表示装置400へ出力する。尚、状態情報を出力するタイミングは、フレームレートに準じたタイミングであってもよいし、自装置が起動したタイミングや自装置の状態が変化したタイミングであってもよい。
【0036】
なお、
図4に示した処理の一部を他の装置が実行してもよい。例えば、S502における前景背景分離は、撮像装置100-xから撮影画像を取得した処理装置により実行されてもよい。そして、S504における各種データの出力も、撮像装置100-xに接続された処理装置により実行されてもよい。
【0037】
次に、画像生成装置200、情報表示装置400及びユーザ端末300の構成の一例について説明する。
図5は、画像生成装置200、情報表示装置400及びユーザ端末300のハードウェアの構成の一例を示す図である。装置7000(ユーザ端末300、画像生成装置200または情報表示装置400を表す)は、コントローラユニット700、操作ユニット709、および表示装置710を含む。
【0038】
コントローラユニット700は、CPU701を有する。CPU701は、ROM702に格納されているブートプログラムによりOS(Operating System)を起動する。CPU701は、このOS上で、HDD(Hard Disk Drive)704に格納されているアプリケーションプログラムを実行する。CPU701は、アプリケーションプログラムの実行によって各種処理を実現する。CPU701の作業領域としてはRAM703が用いられる。HDD704は、アプリケーションプログラムなどを格納する。
【0039】
CPU701は、システムバス708を介して、ROM702、RAM703、操作部I/F705、表示部I/F706、および通信I/F707と相互に接続される。操作部I/F705は、操作ユニット709とのインタフェースである。操作部I/F705は、操作ユニット709を介してユーザにより入力された情報をCPU701に送出する。操作ユニット709は、例えば、マウスおよびキーボードなどを有する。表示部I/F706は、表示装置710に表示すべき画像データを表示装置710に対して出力する。表示装置710は、コンピュータディスプレイを有する。通信I/F707は、例えばETHERNET(登録商標)などの通信を行うためのインタフェースであり、伝送ケーブルに接続される。通信I/F707は、伝送ケーブルを介して、外部装置との間で情報の入出力を行う。なお、通信I/F707は、無線通信を行うための回路やアンテナであってもよい。また、装置7000は、ケーブルやネットワークを介して接続された外部の表示装置に画像を表示させる表示制御を行うことも可能である。この場合、装置7000は、表示データを外部の表示装置に出力することで表示制御を実現する。なお、
図5で示した構成のすべてがユーザ端末300、画像生成装置200または情報表示装置400において必須の構成とは限らない。例えば画像生成装置200において、表示装置710は必須の構成ではない。
【0040】
図6は、本実施形態の画像生成装置200の動作の一例を説明するフローチャートである。
図6の処理は、
図5のCPU701がROM702に記録された各種プログラムを読み出して各部の制御を実行することにより実現される。
図6の処理は、例えば画像生成装置200に仮想視点画像の生成指示が入力されたのち定期的に実行される。なお、
図6のフローチャートの少なくとも一部のステップが専用のハードウェアにより実行されてもよい。専用のハードウェアは、例えば、ASICやFPGAである。
【0041】
S901において、画像生成装置200は、撮像装置100-xから出力された前景画像データおよび背景画像データを、分配装置500を介して取得する。ここで、前景画像データと背景画像データは各々異なるフレームレートで入力されてもよい。前景画像データおよび背景画像データを撮像装置100-xから入力されていない場合、S902を省略して後述のS903に進む。S902において、画像生成装置200は、入力された前景画像データおよび背景画像データをデータベースへ保存する。
【0042】
S903において、画像生成装置200は、仮想視点情報を取得したか否かを判定する。この判定の結果、仮想視点情報が取得されていない場合、S901に戻る。一方、仮想視点情報が入力されている場合、S904において画像生成装置200は、仮想視点情報に対応する前景画像データおよび背景画像データを、データベースから取得する。仮想視点情報の取得の方法としては、例えば、前述したようにユーザ端末300が、ユーザ端末300に接続されたコントローラを介したユーザによる操作に基づいて、仮想視点の位置の変更、視線の方向の変更、および視点の切り替えの指示を受け付ける。そして、ユーザ端末300は、その内容を示す伝送信号を画像生成装置200へ伝送する。画像生成装置200は、このようにしてユーザ端末300から入力された伝送信号を仮想視点情報に変換することで、仮想視点情報を取得する。
【0043】
S905において、画像生成装置200、取得した前景画像データおよび背景画像データを画像処理により合成することで仮想視点画像を生成する。仮想視点画像を生成する方式としては、例えば、モデルベースレンダリング(Model-Based Rendering:MBR)を用いる方式が挙げられる。MBRとは、被写体を複数の方向から撮影した複数の撮影画像に基づいて生成される三次元モデルを用いて仮想視点画像を生成する方式である。具体的にMBRは、視体積交差法、Multi-View-Stereo(MVS)などの三次元形状復元手法により得られた対象シーンの三次元形状(モデル)を利用し、仮想視点からのシーンの見えを画像として生成する技術である。尚、仮想視点画像の生成方法は、MBRを用いる方法に限定されず、例えば、イメージベースレンダリングなどMBR以外のレンダリング手法を用いてもよい。S906において、画像生成装置200は、生成された仮想視点画像をユーザ端末300へ伝送可能な伝送信号に変換して出力する。
【0044】
ユーザ端末300は、ユーザからの仮想視点の位置や方向の指定を受け付け、指定された視点に応じた仮想視点画像を画像生成装置200から受信し、ユーザ端末300に備えられた表示画面に表示する。このようにすることで、ユーザは、自身による操作に応じた視点でコンテンツを視聴できる。前述したように、ユーザ端末300は、例えばPCやタブレットであり、コントローラは、例えばマウス、キーボード、6軸コントローラ、タッチパネルなどである。ユーザは、これらのコントローラを用いて仮想視点を操作し、ユーザ端末300に備えられた表示画面に任意の視点からの仮想視点画像を表示させることができる。
【0045】
次に、情報表示装置400の構成の一例について説明する。
図7は、本実施形態の情報表示装置400の機能的な構成の一例を示す図である。
図8は、本実施形態の情報表示装置400の動作の一例を説明するためのフローチャートである。情報表示装置400は、後述のデータ保持部401に保持されている情報と、状態取得部405が取得した情報に基づいて、撮像装置100-xや画像生成装置200の状態を示す表示を行う表示装置の一例である。情報表示装置400は、データ保持部401、データ入力/読出部402、UI生成部403、表示部404、状態取得部405、制御部406、ユーザ入力部407、及び制御信号出力部408を有する。これらは、内部バス409によって相互に接続され、制御部406による制御の下、相互にデータを送受信することができる。なお、
図7のデータ保持部401は
図5のHDD704により実現され、
図7のデータ入力/読出部402、UI生成部403、及び制御部406は、
図5のCPU701により実現される。また、
図7の状態取得部405、及び制御信号出力部408は
図5の通信I/F707により実現され、
図7の表示部404は、表示部I/F706と表示装置710により実現される。
【0046】
図8に示す処理や情報表示装置400が行う後述の処理は、
図5のCPU701がROM702に記録された各種プログラムを読み出して各部の制御を実行することにより実現される。
図8の処理は、情報表示装置400がUI画像を表示するモードに設定されたタイミングで開始される。ただし
図8の処理の開始タイミングはこれに限定されない。なお、
図8や情報表示装置400が行う後述のフローチャートの少なくとも一部のステップが専用のハードウェアにより実行されてもよい。専用のハードウェアは、例えば、ASICやFPGAである。以下、情報表示装置400の各構成要素について詳細に説明する。
【0047】
データ保持部401は、UI生成部403がUIを表示するために必要なデータを保持する。当該データには少なくとも以下のいずれかが含まれる。
・競技場210のレイアウトデータ
・撮像装置100-xの識別情報
・撮像装置100-xが属する接続グループの情報
・撮像装置100-xの接続先
・撮像装置100-xの設置エリア
・撮像装置100-xの設置座標情報
・撮像装置100-xの撮影対象エリア
・撮像装置100-xの撮影対象エリアの中心座標情報
・撮像装置100-xの設置エリアの領域情報
図9(A)にデータ保持部401が保持するデータの例を示す。
図9(A)に示すデータは、例えば、「撮像装置100-1」が「L1」という接続グループに属し、「撮像装置100-2」と相互に接続され、「R1」という設置エリアの、座標(x1、y1)に設置されることを示している。なお、設置座標情報は、所定の位置(例えば、競技場210の中央)を原点とした場合のXY座標を示す情報である。
【0048】
また、データ保持部401が保持する他のデータの例を
図9(B)に示す。エリア中心座標(
図9(A)に示す撮影対象エリアの中心座標を示す情報)は、所定の位置(例えば、競技場210の中央)を原点とした場合のXY座標で表される。なお、共通の撮影対象エリアに対応する複数の撮像装置100-xは、エリア中心座標が示す位置に光軸が向くように設置される。即ち、同じ撮影対象エリアに対応する複数の撮像装置100-xが撮影する複数の画像の中心は、いずれも同一のエリア中心座標が示す位置となる。なお、これら複数の画像の中心に対応する位置は完全に一致してなくてもよく、所定の範囲内に収まっていればよい。また有効エリア情報とは、仮想視点画像の生成に適した領域を、エリア中心座標からの半径で示す情報である。仮想視点画像の生成に適した領域とは、例えば、共通の撮影対象エリアに対応する複数の撮像装置100-xいずれの撮影範囲にも含まれる領域である。なお、仮想視点画像は、共通の撮影対象エリアを撮影する複数の撮像装置100-xが撮影した複数の画像を用いて生成される。
【0049】
また、データ保持部401が保持する他のデータの例を
図9(C)に示す。撮影システム100が設置される設置場所(例えば競技場)は予め定められた複数の設置エリアに区分され、各設置エリアに1以上の撮像装置100-xが設置される。
図9(C)に示すデータにおいては、各設置エリアが3つ以上の頂点の座標情報で表されており、これらの頂点で囲まれる領域が、設置場所の一部分である設置エリアに対応する。データ保持部401は、これらの情報をユーザによる操作に応じた入力に基づいて取得してもよいし、撮像装置100-xから出力される状態情報に基づいて取得してもよい。なお、データ保持部401は、情報表示装置400内にある必要はなく、外部の記録装置であってもよい。また、撮像装置100-xに関する情報は、各々の撮像装置100-x内に記憶されていてもよい。
【0050】
制御部406は、ユーザ入力部407を介して入力されたユーザ操作に応じた情報に基づき、情報表示装置400の各部に制御指示を出す。例えば、制御部406は、ユーザ入力部407から表示イメージ種別の切替指示を示す操作情報を受信すると、その操作情報を表示イメージ種別を示す情報に変換し、UI生成部403に送信する。表示イメージの具体的な内容については後述する。ユーザ入力部407は、不図示のコントローラを介したユーザ操作を受け付け、操作情報を制御部406に出力する。コントローラは、例えば、キーボード、マウス、およびタッチパネルの少なくとも何れか1つである。制御信号出力部408は、制御部406から入力された制御信号を外部に出力する。出力先は例えば撮像装置100-xである。制御信号は、例えば、撮像装置100-xのズーム、フォーカス、アイリス、ISO、シャッタースピード、NDフィルタ切替などの撮影パラメータを設定するための信号である。
【0051】
図8のS1101において、データ入力/読出部402は、データ保持部401から各種データを読み出し、UI生成部403へ出力する。S1102において、UI生成部403は、データ入力/読出部402から出力されたデータと、状態取得部405から出力された状態情報を元に、画像処理システムや撮像装置100-xの状態を示す情報であるUI画像を生成する。状態情報、及びUI画像例については後述する。そしてUI生成部403は、生成したUI画像を表示イメージとして表示部404に出力する。
【0052】
表示部404は、フレームバッファおよび表示パネルを有する。表示部404は、UI生成部403から出力された表示イメージをフレームバッファに格納する(上書きする)。そしてS1103において、表示部404は、フレームバッファに格納された表示イメージを所定のリフレッシュレートで読み出して表示パネルにて表示する。表示パネルとは、例えば、液晶パネルや有機ELパネルである。S1104において、状態取得部405は、各撮像装置100-xの状態情報や画像生成装置200の状態情報を取得し、UI生成部403へ出力する。S1105において、UI生成部403は、前記状態情報が変化したか否かを判断し、変化している場合にはS1102に戻ってUI画像を更新する。一方、状態情報が変化していない場合には、S1104に戻って状態情報が変化するまで待つ。
【0053】
なお、上記の
図8の説明では、情報表示装置400が撮像装置100-xに関する状態情報を取得し、取得した状態情報に応じた表示を行う例を説明したが、状態情報の取得元は撮像装置100-xに限らない。例えば、
図1を用いた説明において上述したように、撮像装置100-xとは別の処理装置が撮影に基づく画像の伝送を行う場合において、情報表示装置400は当該処理装置から状態情報を取得してもよい。ここで取得される状態情報は、撮像装置100-xの状態を示す情報であってもよいし、処理装置の状態を示す情報であってもよい。また例えば、情報表示装置400は、画像生成装置200など画像処理システム内の他の装置から状態情報を取得し、取得した情報に応じた表示を行ってもよい。
【0054】
(競技場レイアウト表示の説明)
図10は、本実施形態の情報表示装置400により表示される表示イメージの一例を示す図である。
図10では、競技場210を示す情報であるマップ1201上に、以下の情報が表示されている。
・撮像装置100-xが設置される設置エリア(例えば、設置エリア1202)
・撮像装置100-xとその設置位置(例えば、アイコン1203)
・複数の撮像装置100-x間の接続関係及び接続状態(例えば、接続1204)
・撮影対象エリア(例えば、有効エリア1205)
・撮影対象エリアの中心点(例えば、中心点1206)
・撮像装置100-xと撮影対象エリアの対応関係(例えば、点線1207)
また、
図10に示すように、情報表示装置400は、画像生成装置200や情報表示装置400と撮像装置100-xとの接続状態を表示する。なお、
図10の例では、情報表示装置400及び画像生成装置200などの装置は競技場外に存在する放送中継車内に設置されているため、
図10ではこれらの装置をまとめて中継車と表示している。
【0055】
図10のような表示を行うことで、情報表示装置400は、複数の撮像装置を有する撮影システム100に関する情報をユーザに容易に把握させることができる。また、情報表示装置400は、どの撮像装置がどこに配置され、どのように接続されているかを表示させることができる。また、例えば、情報表示装置400は、撮影可能な状態である撮像装置100-xを示すアイコンと、故障中や調整中であり撮影可能な状態でない撮像装置100-xを示すアイコンとを識別可能に表示してもよい。このようにすることで、ユーザに、故障が生じた撮像装置100-xを容易に特定させ、その撮像装置100-xがどこに配置されているかを容易に把握させることができる。また、情報表示装置400は、複数の撮像装置100-xのそれぞれに対応する撮影対象エリアを示す情報を表示するので、撮像装置100-xに故障が生じた場合に、不具合が生じ得る仮想視点の位置をユーザに把握させることができる。また、情報表示装置400は、複数の撮像装置100-xのそれぞれに対応する撮影対象エリアを示す情報を表示する。これにより、撮影システム100が仮想視点画像を生成するために十分な撮影画像を撮影できる配置となっているか否かをユーザに把握させることができる。
【0056】
図11は、情報表示装置400のUI生成部403が、
図10の表示イメージを生成するための処理フローを示す。また
図12は、
図11のフロー内の各処理によって描画される具体的な表示イメージを示す。
図11の処理は、例えば
図8のS1102のタイミングで実行される。なお、処理のタイミングや順序はこれに限定されない。また、
図16の処理及び後述する各表示処理は、
図7のCPU701がROM702に記録された各種プログラムを読み出して各部の制御を実行することにより実現される。なお、
図16や各表示処理のフローチャートの少なくとも一部のステップが専用のハードウェアにより実行されてもよい。専用のハードウェアは、例えば、ASICやFPGAである。
【0057】
S1401において、UI生成部403は、データ入力/読出部402から出力された競技場210のレイアウトデータを描画する(
図12(A))。S1402において、UI生成部403は、競技場210の中で撮像装置100-xを設置するエリアを描画する(
図12(B))。ここでは設置エリアが4つ(R1、R2、R3、及びR4)ある例を示す。これらの設置エリアは
図9(C)に示した座標情報に基づいて描画される。S1403において、UI生成部403は、撮像装置100-xのアイコンをそれぞれの撮像装置100-xが設置される設置エリア内に描画する(
図12(C))。これらのアイコンは
図9(A)に示した情報に基づいて描画される。
【0058】
S1404において、UI生成部403は、複数の撮像装置100-xの間の接続関係を描画する(
図12(D))。ここでは2つの接続グループ(L1、L2)がある場合の例を示す。これらの接続関係を示す情報は
図9(A)に示した接続グループの情報及び接続先の情報に基づいて描画される。S1405において、UI生成部403は、各撮像装置100-xに対応する撮影対象エリアを描画する(
図12(E))。ここでは二つの撮影対象エリアがある場合の例を示す。各撮影対象エリアは、撮影対象エリアの中心点1206と、撮影対象エリアの有効エリア1205により表される。有効エリア1205は仮想視点画像を生成するために適した領域を示す。これらの撮影対象エリアは
図9(B)に示した情報に基づいて描画される。S1406において、UI生成部403は、各撮像装置100-xと撮影対象エリアを関連付ける情報としてこれらを結線する(
図12(F))。なお、後述するように、
図12に示す各画像は、それぞれ別レイヤーの画像として描画される。
【0059】
複数の撮像装置100-xが近傍に描画されると、
図13(A)に示すように、撮像装置のアイコン1203-2とその撮影対象エリアを結線した点線1207-2が、別の撮像装置のアイコン1203-1と重なることがある。S1407においてUI生成部403は、このような重なりの有無を確認する。重なりが発生する場合は、S1408においてUI生成部403は、撮像装置のアイコン1203-1の描画位置を同一の設置エリア内で重なりが発生しない位置へ変更する。即ち、情報表示装置400は、撮像装置100-xを示す情報と撮影対象エリアの中心点とを結ぶ線が、他の線や他の撮像装置100-xを示す情報と重ならないように表示制御を行う。このようにすることで、各撮像装置100-xの撮影対象エリアがユーザにとってわかりやすいように表示することができるようになる。ただし、S1407及びS1408の処理は必須ではない。
【0060】
(レイヤー表示とユーザ操作による表示切替)
なお、UI生成部403は、
図11の処理フローによって表示イメージを描画する際、
図9の情報を元に、複数のレイヤーに分けて画像を描画する。ここでレイヤーとは、UI生成部403が内包する複数の記録領域それぞれに記憶されるデータの集まりである。UI生成部403は複数のレイヤーの画像を重ねあわせることで、
図10の表示イメージを生成する。
【0061】
個々の描画レイヤーには、具体的には以下が描画される。
・競技場210(
図12(A))
・設置エリア(
図12(B))
・撮像装置100-x(
図12(C))
・接続グループ(
図12(D))
・撮影対象エリア(
図12(E))
・撮像装置100-xと撮影対象エリアとを結ぶ線(
図12(F))
上述のとおり、
図10や
図12の例では、設置エリアはR1、R2、R3及びR4の4つである。そのため、S1402では、4つのレイヤーに分けて画像が描画される。同様に、接続グループはL1及びL2の2つであるため、S1403では2つのレイヤーに分けて画像が描画される。
図14は、UI生成部403によるレイヤー描画処理のイメージ図である。最下層のレイヤーとして
図12(A)に示すマップ1201が描画され、より上位層のレイヤーとして各設置エリアの画像が重ねあわされる。そして、最上層のレイヤーとして撮像装置100-xと撮影対象エリアの結線を描画した画像が重ねられる。なお、各レイヤーの重ね合わせの順序は適宜組み替えてもよい。また、必ずしも複数のレイヤーを重ね合わせなければならないわけではない。例えば、
図12(A)の画像に、
図12(B)から
図12(F)で示した内容を上書きすることで、
図10に示すような表示イメージが生成されるようにしても良い。しかしながら、レイヤーごとに描画処理を行うことによって、表示イメージの切替えが容易になるというメリットがある。係る点について、以下で詳述する。
【0062】
図15は、ユーザ入力部407を介して入力された操作情報に基づいて、
図11の処理により描画された表示イメージの表示を切り替える処理のフローを示す。
図15の処理は、例えば
図8のS1102において実行される。S2501において、ユーザ入力部407は、キーボードなどのコントローラを介して操作情報が入力されると、その操作情報を制御部406へ出力する。操作情報を受信した制御部406は、S2502において、その操作情報に基づいて表示もしくは非表示にすべき表示内容を特定し、その内容を表示切替指示として、UI生成部403へ出力する。なお、制御部406は、入力される操作情報と表示もしくは非表示にすべき内容との対応関係を示す情報を予め有している。例えば、キーボードで「A」というキーが押された場合は、L1の接続グループに属するカメラを表示する、などの情報を有している。S2503において、UI生成部403は、入力された表示切替指示に応じて、表示する描画レイヤーを追加もしくは削除したのち、表示部404へ表示すべきレイヤーの画像を出力する。
【0063】
図16は、
図15の処理により生成されるUI画像の一例である。具体的には
図15は、画像処理システム内の複数の撮像装置100-xのうち接続グループL1に属する撮像装置100-xのみの情報を表示するための表示切替を行った結果を示している。これに限らず、例えば、情報表示装置400は
図15の処理により、設置エリアR1に設置された撮像装置100-xのみの情報を表示させることができる。また、情報表示装置400は、
図15の処理により、任意に指定された撮像装置100-xのみの情報を表示させることができる。また、情報表示装置400は、
図15の処理により、同一の撮影対象エリアに対応する撮像装置100-xのみの情報を表示させることができる。
【0064】
なお、上記では表示させるレイヤーをユーザに選択させる例を示したが、これに限らず、情報表示装置400が表示させるレイヤーを自動で選択してもよい。例えば、情報表示装置400は、画像処理システム内の少なくとも一つの装置がエラー状態であることを示す情報を受信した場合、エラー状態となった装置の状態を表示するのに適したレイヤーを自動で選択して表示させるようにしてもよい。また、当該レイヤーの画像の表示に合わせて、警告をポップアップ表示してもよい。このようにすることで、ユーザは、仮想視点画像の品質の低下などの不具合が発生し得ることを把握でき、その対策を行うことができる。
【0065】
このように、情報表示装置400は、各レイヤーを適宜組み合わせたり、削除したりして、撮影システム100の状態の表示を行う。したがって、情報表示装置400は、撮影システム100が多くの撮像装置100-xを有している場合であっても、所望の撮像装置群の状態のみを表示することができ、視認性を向上させることができる。
【0066】
(撮像装置100-Xの状態表示の説明)
図17は、
図10に示した表示イメージ上の撮像装置100-xのアイコンを、撮像装置100-xの状態に応じた画像として表示する例について説明するための図である。情報表示装置400の状態取得部405は、撮像装置100-xの状態情報保持部104から撮像装置100-xの状態情報を取得すると、UI生成部403に出力する。UI生成部403は、その状態情報に基づいて、
図10の表示イメージ上の撮像装置100-xのアイコンの画像を更新する。
図17は、具体的には、ある接続グループに含まれる撮像装置100-xの一部を示している。例えば、撮像装置100-xの状態の表示には以下のものがある。
・撮像装置100-xが情報表示装置400や他の撮像装置100-xと接続されて通信可能な状態(
図17(A)のアイコン2401)
・撮像装置100-xが情報表示装置400や他の撮像装置100-xと通信不可となっている状態(
図17(A)のアイコン2402)
また、情報表示装置400は
図17(A)に示すような接続状態の表示に加えて、撮像装置100-x自体の状態も以下のように表示する。
・撮像装置100-xがエラー状態(
図17(B)のアイコン2403)
・撮像装置100-xがワーニング状態(
図17(B)のアイコン2404)
・撮像装置100-xがバイパス状態(
図17(B)のアイコン2405)
ここで、エラー状態とは、撮像装置100-xに障害が発生しており、撮像装置100-xが正常に撮影を行えない状態や、撮像装置100-xが画像の出力や伝送を正常に行えない状態である。撮影が正常に行えなくなる障害の具体例としては、撮像装置100-xの温度が正常に動作可能な範囲を超えてしまうことや、撮影のためのレンズに歪みや汚れが発生することなどがある。画像の出力や伝送を正常に行えなくなる障害の具体例としては、撮像装置100-xの通信I/F707が故障することや、通信I/F707に接続された伝送ケーブルが断線することや、伝送ケーブルと通信I/F707との接続が外れてしまうことなどがある。
【0067】
また、ワーニング状態とは、撮像装置100-xが正常に動作できているが、仮想視点画像の生成に不具合が生じる蓋然性が高くなっている状態である。例えば、撮像装置100-xの温度が所定の望ましい範囲より高くなっている状態や、撮像装置100-xと不図示の同期装置との間の同期ずれの大きさが所定範囲外となっている状態などである。
【0068】
本実施形態では、エラー状態及びワーニング状態を含む、装置が正常な状態ではなくなった状態を、異常状態と記載する。すなわち、本実施形態における異常状態にある装置には、所定の動作が行えない状態にある装置や、装置の状態に関するパラメータが所定の範囲外となっている装置、及び他の装置と同期していない装置などが含まれる。また、異常状態にある装置には、装置の状態に関するパラメータが他の複数の装置(例えば撮影システム100内の他の撮像装置100-x)と異なっている装置などが含まれてもよい。
【0069】
また、バイパス状態とは、撮像装置100-xにより取得される画像が出力されておらず、その撮像装置100-xが他装置から取得したデータの伝送のみを実行する状態である。
【0070】
また、情報表示装置400は、撮像装置100-xの構成も以下のように表示する。
・撮像装置100-xにズームレンズが装着されている(
図17(C)のアイコン2406)
・撮像装置100-xに集音マイクが装着されている(
図17(C)のアイコン2407)
・撮像装置100-xに雲台が装着されている(
図17(C)のアイコン2408)
また、情報表示装置400は、撮像装置100-xの出力状態も以下のように表示する。
・撮像装置100-xによる撮影に基づく前景画像データや背景画像データが、分配装置500を介して、画像生成装置200および情報表示装置400へ所定のフレームレートで出力中(
図17(D)のアイコン2409)
なお、情報表示装置400は、撮像装置100-xの出力するデータの出力先や出力のフレームレートを示す情報を表示してもよい。また、情報表示装置400は、撮像装置100-xが出力する画像に関する情報(例えばデータサイズ、画像サイズ及びファイル形式など)を表示してもよい。
【0071】
また、情報表示装置400は、撮像装置100-xの機械的な動作状態も以下のように表示する。機械的な動作には、例えば、ズームレンズの動作、雲台の動作やオートフォーカスの動作などが含まれる。
・撮像装置100-xのズームレンズが動作中(
図17(E)のアイコン2410)
上記では撮像装置100-xの状態の表示例を示したが、表示する内容はこれに限定されない。例えば、各撮像装置100-xと同期装置との同期状態を表示してもよい。またこうした状態情報に加え、各撮像装置について設定された内容や、その設定を反映する処理の完了状態などを表示してもよい。
【0072】
なお上記では、撮像装置100-xの状態を、
図17(A)から
図17(E)に示す画像で表示する例を説明したが、メッセージで撮像装置100-xの状態を表示してもよい。また、撮像装置100-xの状態を示す情報のうち表示される項目をユーザが選択可能であってもよい。また、撮像装置100-xの状態の表示可否もユーザが選択可能であってもよい。また、情報表示装置400は、ユーザにより操作されるカーソルの位置に対応する撮像装置100-xを選択し、その撮像装置100-xの状態を示す情報を表示してもよい。また、情報表示装置400は、ユーザによるタッチパネルに対する操作により指定された撮像装置100-xの状態を示す情報を表示してもよい。
【0073】
また、情報表示装置400は、撮像装置100-xの状態を示す情報として撮像装置100-xに設定されている撮影パラメータを表示してもよい。また、情報表示装置400は、撮像装置100-xの状態が、例えば、エラー状態、ワーニング状態、及び通信不可能な状態など、仮想視点画像の生成に不具合が生じ得る状態の場合に、画像、色またはメッセージにより警告を表示してもよい。また、情報表示装置400は、撮像装置100-xに限らず、画像処理システムの状態が仮想視点画像の生成に不具合が生じ得る状態の場合に、「仮想視点画像の生成に不具合が生じる恐れがあります。至急、修理や設定の確認を行ってください。」などのようにメッセージで警告表示を行うと共に不具合を解消することをユーザに促すための表示を行ってもよい。
【0074】
本実施形態によれば、
図17に示す撮像装置100-xの状態を示す情報の表示を行うことにより、情報表示装置400は、複数の撮像装置100-xを有する撮影システム100に関する情報をユーザに把握させることができる。また、情報表示装置400は、どの撮像装置100-xがどのような状態であるかをユーザに容易に把握させることができる。また、例えば、情報表示装置400は、撮影にエラーが生じた撮像装置100-xが識別可能となるように表示することにより、ユーザにエラーが生じた撮像装置100-xを把握させることができる。
【0075】
(グループ概要リスト表示の説明)
図18は、
図10に示した表示イメージと併せて表示される撮像装置100-xの状態のリストの例である。
図18(A)は、撮影対象エリアグループごとの撮像装置100-xの状態をリスト表示した例である。本実施形態では、指定された同一の撮影対象エリアを撮影範囲に含む複数の撮像装置100-xからなる装置群を撮影対象エリアグループと呼ぶ。ただし、これら複数の撮像装置100-xによる撮影に基づく画像の取得と伝送を行う複数の処理装置からなる装置群を撮影対象エリアグループとして扱ってもよい。また、単一の装置からなる撮影対象エリアグループがあってもよい。
図18(A)に示すリスト表示をグループ状態リスト表示と呼ぶ。
【0076】
例えば、撮影対象エリアグループのグループ状態リスト表示の内容には以下のものがある。
・撮影対象エリアグループに含まれる複数の撮像装置100-xがすべて接続状態であるか否か
・撮影対象エリアグループにエラー状態の撮像装置100-xが含まれるか否か
・撮影対象エリアグループにワーニング状態の撮像装置100-xが含まれるか否か
・撮影対象エリアグループにバイパス状態の撮像装置100-xが含まれるか否か
・撮影対象エリアグループに含まれる撮像装置100-xの構成(雲台有り/無し、マイク有/無しなど)
・撮影対象エリアグループに含まれる撮像装置100-xの出力状態(出力中/出力なし)
・撮影対象エリアグループに含まれる撮像装置100-xの機械的な動作状態(動作中/非動作中)
また、
図18(A)に示すグループ状態リスト表示では、上記以外に以下の状態も表示する。
・撮影対象エリアグループに含まれる撮像装置100-xのISO値
・撮影対象エリアグループに含まれる撮像装置100-xのアイリス値
・撮影対象エリアグループに含まれる撮像装置100-xのシャッタースピード値
・撮影対象エリアグループに含まれる撮像装置100-xのNDフィルタ値
図18(A)では、1以上の撮像装置100-xの状態と同一の撮影対象エリアグループに含まれる他の撮像装置100-xの状態とが異なっている場合に、その状態を表す情報としてアスタリスクを表示している。ただし、他の情報により警告表示を行ってもよい。例えば、「撮影対象エリアグループの撮像装置の露光条件が一致していないため、仮想視点画像に不具合が生じる恐れがあります。」などのようにメッセージで警告表示を行ってもよい。また、警告を意味する色や画像を表示することで警告表示を行ってもよい。このように情報表示装置400は、撮影対象エリアグループのグループ状態リスト表示を行う。したがって、複数の撮像装置100-xの状態が互いに異なることで仮想視点画像に違和感が生じる可能性を容易にユーザに認識させ、その対策を取らせることが可能になる。
【0077】
(グループ詳細リスト表示の説明)
図18(B)は、
図18(A)に示した撮影対象エリアグループV2に属する各撮像装置100-xの状態をリスト表示した例である。以下ではこのリスト表示を個別状態リスト表示と呼ぶ。個別状態リスト表示によれば、グループ状態リスト表示と異なり、グループに属する撮像装置100-xそれぞれの状態がわかる。そのため、ユーザは例えば、グループ状態リスト表示で警告表示を見つけた場合に、個別状態リスト表示へ表示切替することで、エラー状態にある撮像装置100-xを具体的に特定できる。
図18(B)の例によれば、撮像装置100-2が温度エラーを起こしていることにより、
図18(A)に示すグループ状態リスト表示でエラー状態に警告表示(アスタリスク)が出ていたことがわかる。
【0078】
リスト表示の表示切替の動作方法としては、具体的には、UI生成部403が、ユーザ入力部407を介して入力された表示切替操作の操作情報に基づいて、グループ状態リスト表示と個別状態リスト表示との間で表示の切り替えを行う。例えば、情報表示装置400は、グループ状態リスト表示をしている際に、撮影対象エリアグループの識別情報である「V2」に対応する位置に対するユーザによるタップ操作や指示操作を受け付けた場合、個別状態リスト表示に切り替える。また、情報表示装置400は、グループ状態リスト表示をしている際に、不図示の「戻る」のメッセージアイコンに対応する位置に対するタップ操作や指示操作を受け付けた場合、グループ状態リスト表示に切り替える。
【0079】
なお、
図18に示すリストに表示される内容は上記に限定されない。例えば各撮像装置100-xと同期装置との同期状態を表示してもよい。またこうした状態情報に加え、各撮像装置について設定された内容や、その設定を反映する処理の完了状態などを表示してもよい。また、グループは撮影対象エリアグループに限定されず、接続グループ毎にリスト表示してもよいし、設置エリアを一つのグループとしてリスト表示してもよい。
【0080】
(操作UIの説明)
図19は、本実施形態の情報表示装置400により表示される撮像装置100-xを操作するための操作UIの一例を示す図である。
図19(A)には、情報表示装置400が表示する、個別の撮像装置100-xを操作するユーザ指示を受け付けるためのUIを示す。情報表示装置400は、ユーザによる操作に応じて、撮像装置100-xの撮影パラメータの設定情報や撮像装置100-xを操作するための情報を撮像装置100-xに送信する。操作UIには、例えば撮像装置100-xのズーム、フォーカス、ISO、アイリス、シャッタースピード、及びNDフィルタの設定を行うための画像が表示される。また、撮像装置100-xが雲台を有する場合、PAN(パン)やTILT(チルト)の設定を行うための画像も表示される。
【0081】
図19(B)には、情報表示装置400が表示する、撮影対象エリアグループに属する撮像装置100-xを一括で操作するためのUIを示す。一括操作用の操作UIには、例えば露出条件を決めるISO、アイリス、シャッタースピード、及びNDフィルタの設定を行うための画像が表示される。このような表示を行うことで、撮影対象エリアグループに属する複数の撮像装置100-xに対する指示を情報表示装置400がユーザから受け付け、指示に応じた設定や操作を複数の撮像装置100-xに反映することができる。そのため、撮像装置100-xごとに設定や操作の指示を受け付ける場合と比べて、ユーザによる操作の手間が削減できる。例えば、撮影中に外光の強さなどの状況が変化した場合に、同一の撮影対象エリアを撮影している撮影対象エリアグループの露出条件を一括で変更することができる。
【0082】
(異常状態を通知するための画像表示)
以降では、撮像装置100-xが異常状態にある場合の情報表示装置400による表示処理について説明する。
図17を用いて上述したように、情報表示装置400は、個別の撮像装置100-xの状態を
図10などに示す表示イメージに表示することができる。これに加えて、本実施形態における情報表示装置400は、接続グループ単位や撮影対象エリアグループ単位での状態を表示イメージに表示することができる。
【0083】
画像処理システム内の撮像装置100-xの一つに異常が生じた場合、異常状態にある撮像装置100-xと他の撮像装置100-xとの位置関係や接続関係などによって、仮想視点画像の生成への影響が異なる場合がある。例えば、単一の撮影対象エリアグループに含まれる撮像装置100-xの一つが故障した場合、そのグループに含まれる正常状態の撮像装置100-xの数が多ければ、仮想視点画像の画質の低下の程度が小さく、仮想視点画像の生成を継続できることがありうる。一方、そのグループに含まれる正常状態の撮像装置100-xの数が少なければ、仮想視点画像の画質の低下の程度が大きく、仮想視点画像の生成を継続できないことがありうる。また例えば、単一の接続グループに含まれる撮像装置100-xの一つが故障した場合に、そのグループに含まれる複数の撮像装置100-xすべてに対して調整や再設定を行わなければならないことがありうる。この場合には、グループに含まれる撮像装置100-xの数に応じて、復帰処理に要する手間や時間が異なる。
【0084】
このように、異常が生じた撮像装置100-xが属するグループの構成によって異常の影響が異なる場合に、本実施形態の情報表示装置400は、異常が生じたグループを示す情報を表示させることで、異常による影響をユーザに知らせることができる。そして、異常による影響をユーザが容易に知ることができれば、例えば撮像装置100-xの修理や調整などの適切な対応を素早く行うことができ、仮想視点画像の品質の低下などの不具合を抑制することができる。
【0085】
図20は、情報表示装置400による表示制御処理のフローを示す。
図20の処理は、
図10に示すような表示イメージが表示された後に実行される。ただし
図20の処理の開始タイミングはこれに限定されない。
図20の処理は、
図5のCPU701がROM702に記録された各種プログラムを読み出して各部の制御を実行することにより実現される。なお、
図20のフローチャートに示す処理の少なくとも一部が専用のハードウェアにより実行されてもよい。専用のハードウェアは、例えば、ASICやFPGAである。
【0086】
S4001において、状態取得部405は、各撮像装置100-xの状態情報保持部104から撮像装置100-xの状態情報を取得する。S4002において、状態取得部405は、画像処理システム内の全ての撮像装置100-xの状態を取得したか否かを判定する。状態情報を取得できていない撮像装置100-xがある場合、S4001に戻り、未取得の状態情報を取得する。一方、すべての撮像装置100-xの状態を取得できた場合、S4003に進む。なお、状態取得部405は、画像処理システム内の一部の撮像装置100-xの状態情報のみを取得してS4003に進んでもよい。
【0087】
S4003において、UI生成部403は、S4001において取得した状態情報に基づいて、画像処理システム内の複数の撮像装置100-xのうちエラー状態にある撮像装置100-xが存在するか否かを判定する。エラー状態にある撮像装置100-xが存在しない場合、情報表示装置400は
図20の処理を終了する。なお、エラー状態にある撮像装置100-xが存在しない場合に、S4001に戻ってもよい。一方、エラー状態にある撮像装置100-xが存在する場合には、取得した状態情報に基づいてエラー状態にある撮像装置100-xを特定し、S4004に進む。
【0088】
S4004において、UI生成部403は、エラー状態にある撮像装置100-xが属するグループを特定する。ここでは特定されるグループとして、相互に接続される接続グループ、同一の撮影対象エリアに対応する撮影対象エリアグループ、及び同一の設置エリア内に設置される設置エリアグループを例に挙げる。ただし、UI生成部403により特定されるグループは、エラー状態にある撮像装置100-xとの間で所定の関係にある1又は複数の装置であればよく、これらの例に限定されない。グループの特定について、
図9の例を用いて説明する。例えば撮像装置100-5がエラー状態であることを示す状態情報を取得した場合、UI生成部403は、データ保持部401が保持しているデータを参照し、撮像装置100-5が属するグループを確認する。これにより、
・接続グループ:L1
・設置エリアグループ:R2
・撮影対象エリアグループ:V1
であることが特定できる。このようにして、撮像装置100-5のエラーがどのグループに影響を及ぼすかを特定することができる。
【0089】
S4005において、UI生成部403は、データ保持部401から、どの種別のグループについてエラー表示するかを決定するための情報を取得する。
図21は、データ保持部401が保持する情報の一例である。データ保持部401は、グループの種別毎にエラー表示のON/OFFの情報を持つ。
図21に示す例においては、接続グループのみがエラー表示ONとなっているため、UI生成部403により描画される表示イメージ上では、接続グループL1がエラーの発生したグループとして表示される。一方、設置エリアグループ、及び撮影対象エリアグループのエラー表示はOFFとなっているため、これらのグループについてはエラーの発生したグループとしての表示はされない。
【0090】
図21に示すようなグループ種別ごとのエラー表示のON/OFFの設定は、ユーザが情報表示装置400を操作することにより予め設定されてもよいし、画像処理システムの構成や動作状態に応じて自動的に設定されてもよい。例えば、画像処理システムが仮想視点画像を生成中でない場合は、設置エリアグループのエラー表示がONに設定される。これにより、どの設置エリアで装置の異常が起きたかを、画像処理システムを監視する監視者が素早く認識し、例えば当該設置エリア内の装置を管理する管理者に即座に連絡することができる。すなわち、エラーが発生した装置の修復に最適な表示となる。なおこの際、情報表示装置400は、監視者が当該設置エリア内の装置を管理する管理者に連絡するための情報を表示させてもよい。例えば、情報表示装置400は、エリアごとに管理者の連絡先(携帯電話の番号や無線通信機の識別情報など)を予め登録しておき、エラーが発生した装置に対応するエリアの管理者の連絡先を表示させてもよい。また、表示部404に表示された管理者の情報に対して監視者が選択操作を行うことで、当該管理者と会話ができるように自動で通信の接続が行われてもよい。
【0091】
また、画像処理システムが仮想視点画像を生成中である場合は、撮影対象エリアグループのエラー表示がONに設定される。これにより、生成される仮想視点画像の画質が低下する虞が高い撮影対象エリアを、仮想視点を操作する操作者に予め通知し、例えばその領域へ仮想カメラを向けないようにさせることができる。すなわち、仮想視点画像の品質を保障するために最適な表示となる。
【0092】
S4006において、UI生成部403は、エラー表示することが決定されたグループ(エラー表示がONに設定されたグループ)のエラー表示を行う画像を生成する。すなわち、情報表示装置400は、エラー状態にある撮像装置100-xが属するグループを示す情報を表示部404に表示させる。グループを示す情報には、例えばグループを構成する装置群の位置を示す情報、装置群の接続関係を示す情報、及びグループに対応する撮影対象エリアを示す情報の少なくとも何れかが含まれる。
【0093】
図22は、グループ種別ごとのエラー表示の例を示す。ここではアイコン4101で表される撮像装置100-5がエラー状態にあるものとする。
図22(A)は、接続グループのエラー表示をONにした場合の表示例を示す。撮像装置100-5は接続グループL1に属しており、接続グループL1に対応する線4102を強調表示することで、接続グループL1のエラー表示をしている。
図22(B)は、設置エリアグループのエラー表示をONにした場合の表示例を示す。撮像装置100-5は設置エリアグループR2に属しており、設置エリアグループR2に対応するエリア4103を強調表示することで、設置エリアグループR2のエラー表示をしている。
図22(C)は、撮影対象エリアグループのエラー表示をONにした場合の表示例を示す。撮像装置100-5は撮影対象エリアグループV1に属しているため、撮影対象エリアグループV1に対応する撮影対象エリア4104を強調表示することで、撮影対象エリアグループV1のエラー表示をしている。なお、
図22(C)では撮影対象エリア4104と撮像装置100-5のアイコン4101を強調表示する例を示しているが、撮影対象エリアグループV1に属する他の撮像装置100-xのアイコンも強調表示してもよい。
【0094】
このように、情報表示装置400は、撮像装置100-xが異常状態にある場合に、その撮像装置100-xが属しているグループを示す情報を、撮影システム100の設置場所(例えば競技場)を示す画像に重畳させて表示することでエラー表示を行う。また、情報表示装置400は、異常状態にある撮像装置100-xに対応する接続グループを示す情報、設置エリアを示す情報、及び撮影対象エリアを示す情報のうち、ユーザによる指示に応じて選択された情報を表示部404に表示させる。これにより、発生した異常の影響範囲をユーザが容易に認識することができ、ユーザは画像処理システムの修復などの対応を素早く行えたり、生成される仮想視点画像の品質を保てるような操作をできたりするなどの効果が得られる。
【0095】
なお、エラー表示は設置場所を示すマップに重畳して表示されるものに限らず、マップとは別に表示されてもよいし、アイコン等ではなく文字で表示されてもよい。また、異常状態にある撮像装置100-xが属するグループを示す情報と併せて、そのグループの状態に関する情報(例えばグループに含まれる撮像装置100-xの温度や接続状態を示す情報)及び警告メッセージの少なくとも何れかが表示されてもよい。警告メッセージとしては例えば、「撮影対象エリアV1を撮影可能なカメラ台数が少なくなったため、仮想視点画像の生成が継続できません。エラーの発生したカメラの復旧処理を行ってください。」というような内容が表示される。また例えば、「接続グループL1のカメラに異常が発生しています。接続グループL1に属するカメラの再起動を行ってください。」というような警告メッセージを表示してもよい。これらの警告メッセージやグループの状態に関する情報を併せて表示させることで、発生した異常の内容をユーザが容易に認識することができる。その結果、例えば直ちに修理を行うべきか否かをユーザが素早く判断することができ、仮想視点画像の生成に係る不具合を抑制することができる。
【0096】
また、上記ではエラーが発生した撮像装置100-xが属するグループの情報を強調表示する場合について説明したが、表示の方法はこれに限らず、エラーが発生した撮像装置100-xが属するグループとそれ以外のグループとを識別可能に表示すればよい。具体的には、エラーが発生した撮像装置100-xに対応する接続グループを示す情報、設置エリアを示す情報、及び撮影対象エリアを示す情報の少なくとも何れかが、エラーが発生した撮像装置100-xに対応しないこれらの情報と区別して表示されればよい。また例えば、情報表示装置400は、エラーが発生した撮像装置100-xが属するグループ以外のグループを示す情報を非表示にしてもよい。このような表示方法によっても、発生したエラーの影響をユーザが容易に認識することができる。以下の説明において、すでに説明した実施形態と同様の部分については詳細な説明を省略する。
【0097】
図23は、情報表示装置400による表示制御処理のフローであり、
図20を用いて説明した処理の変形例を示す。S4001からS4004までの処理は、
図20を用いて上述したものと同様である。S4004においてエラーが発生した撮像装置100-xが属するグループを特定した後、S4201においてUI生成部403は、データ保持部401から、設定されたエラー表示のモードを示すモード情報を取得する。
図24は、モード情報の一例を示す。エラー表示のモードには、例えば以下のモードが含まれる。
・撮像装置表示モード:エラーが発生している撮像装置を表示する
・接続グループ表示モード:エラーが発生している撮像装置が属している接続グループを表示する
・撮影対象エリア表示モード:エラーが発生している撮像装置に対応する撮影対象エリアを表示する
・全表示モード:エラーが発生している撮像装置の情報の表示に加え、正常状態の撮像装置の情報も表示する
エラー表示のモードは、ユーザが情報表示装置400を操作して予め設定していてもよいし、画像処理システムの構成や動作状態に応じて自動的に設定されてもよい。S4201において取得されたモード情報が示すエラー表示モードが全表示モードある場合、S4203においてUI生成部403は、
図22を用いて上述した表示方法と同様に、エラー状態の撮像装置100-xが属しているグループをエラー表示する。
【0098】
一方、S4201において全表示モード以外のエラー表示モードが示される場合、S4202においてUI生成部403は、設定されたモードに応じて一部の表示を消去する。例えば、エラー表示モードが撮像装置表示モードに設定されている場合、エラーが発生していない正常状態の撮像装置100-xの情報を表示イメージから消去する。また、エラー表示モードが接続グループ表示モードに設定されている場合、エラー状態の撮像装置100-xを含まない接続グループの情報を表示イメージから消去する。また、エラー表示モードが撮影対象エリア表示モードに設定されている場合、エラー状態の撮像装置100-xに対応する撮影対象エリアとは異なる撮影対象エリアの情報を表示イメージから消去する。設定されたモードに応じた表示の消去を行った後、S4203においてUI生成部403は、消去されていない情報によるエラー表示を行う。
【0099】
図24は、エラー表示モードごとの表示の例を示す。ここではアイコン5101で表される撮像装置100-5がエラー状態にあるものとする。
図25(A)は、撮像装置表示モードが設定されている場合の表示例を示す。撮像装置100-5以外の撮像装置100-xを表すアイコンは全て消去され、アイコン5101のみが表示されている。
図25(B)は、接続グループ表示モードが設定されている場合の表示例を示す。撮像装置100-5が属する接続グループL1に含まれない撮像装置100-xを示す情報は表示されず(
図22(B)の下半分に表示されていた接続グループL2の情報は消去され)、接続グループL1を表す線5102が表示されている。
図25(C)は、撮影対象エリア表示モードが設定されている場合の表示例を示す。撮像装置100-5は撮影対象エリアグループV1に属しているため、別の撮影対象エリアグループV2(
図22(C)の右半分に表示されていた撮影対象エリア)の情報が消去され、撮影対象エリアグループV1を示すエリア5103のみが表示されている。
【0100】
以上のように、エラーが発生した撮像装置100-xが属しているグループ等の情報以外の情報を非表示にしてエラー表示を行うことで、ユーザにとって必要な情報のみを表示させ、エラーの影響をユーザにより容易に認識させることができる。なお、情報表示装置400は、
図25に例を示した表示方法とは逆に、エラー状態の撮像装置100-xを含むグループの情報を非表示にし、エラー状態の撮像装置100-xを含まないグループの情報を表示してもよい。この表示によれば、発生したエラーの影響を受けない撮像装置100-xや撮影対象エリアをユーザに容易に認識させることができ、例えば仮想視点画像の生成の継続可否などをユーザが適切に判断できるようになる。
【0101】
なお、情報表示装置400は、エラーを検知した際に、表示部404に情報を表示する以外の方法でユーザにエラーを通知してもよい。例えば、情報表示装置400は音声出力部を備え、エラー通知音を出力することでユーザにエラーを通知する機能を持っていてもよい。また例えば、情報表示装置400はランプを発光させるための制御信号を出力することで、エラーの通知を行ってもよい。情報表示装置400がこのような機能を有することで、ユーザが表示部404を見ていない場合においても、ユーザにエラーの発生を認識させることができる。
【0102】
以上説明したように、本実施形態に係る情報表示装置400は、視点の指定に応じた仮想視点画像の生成に用いられる複数の画像であって複数の方向からの撮影に基づく複数の画像を取得するための複数の装置に関する情報を取得する。また情報表示装置400は、当該複数の装置のうち異常状態にある装置を、取得した情報に基づいて特定する。そして情報表示装置400は、当該複数の装置のうち異常状態にある装置との間で所定の関係にある1又は複数の装置を示す情報を表示部404に表示させる。これにより、例えば画像処理システムに含まれる装置の数が多い場合であっても、システムに含まれる装置の異常による影響をユーザが容易に知ることができるようになる。また、情報表示装置400は、接続グループのみの表示や、撮影対象エリアグループのみの表示を行うなど、情報ごとの表示と非表示を切り替えることができる。これにより、画像処理システム内の撮像装置100-xの数やグループの数などが多い場合であっても、不要な情報を非表示にして表示の見やすさを向上することができる。
【0103】
なお、上記の実施形態では、情報表示装置400が撮像装置100-xに関する情報を表示させる例を中心に説明したが、これに限らない。つまり、本実施形態の情報表示装置400は、撮像装置100-xの情報に加えて、又は撮像装置100-の情報に代えて、仮想視点画像の生成のためのシステムに含まれる他の構成要素に関する情報を表示させてもよい。例えば、情報表示装置400は、撮像装置100-xによる撮影に基づく画像を伝送する処理装置、スイッチやルータなどのネットワーク機器、分配装置500、画像生成装置200、及び同期装置などの状態を表示させてもよい。すなわち、情報表示装置400は、仮想視点画像の生成のためのシステムの構成要素の状態を示す画像を表示させることができる。さらに、情報表示装置400は、システムの構成要素が異常状態にある場合に、当該構成要素の異常の影響を受ける別の構成要素を特定する情報など、以上の影響範囲を示す情報を表示させてもよい。
【0104】
また、本実施形態では、情報表示装置400が、撮像装置100-xから出力される状態情報の内容に基づいて、撮像装置100-xにおける状態変化の発生を検出する例を中心に説明したが、この例に限らない。例えば、撮像装置100-xは正常状態において定期的に状態情報を送信し、情報表示装置400は、撮像装置100-xから状態情報を一定期間受信できかった場合に、当該撮像装置100-xがエラー状態にあると判定してもよい。
【0105】
また、本実施形態では、情報表示装置400が、撮像装置100-xなどの画像処理システム内の装置がエラー状態にあると判定した場合に、エラー状態の装置を含むグループを示す情報を表示するなどのエラー表示を行う場合を中心に説明した。ただし情報表示装置400は、エラー状態に限らず、不具合が生じる蓋然性が高いワーニング状態など、画像処理システム内の装置が何らかの異常状態にあると判定した場合に、その装置を含むグループを示す情報を表示するなどのエラー表示を行ってもよい。例えばワーニング状態の装置を含むグループを表示することで、装置のエラーが生じる前に、エラーが生じた場合の影響をユーザに認識させることができ、ユーザは影響の大きさに応じたエラーの予防措置などをとることができる。
【0106】
また、本実施形態では、仮想視点画像を生成するためのシステムの構成要素の状態に関する情報が表示される場合について説明したが、本実施形態の適用対象となるシステムはこれに限定されない。例えば、複数のカメラを構成要素とする監視カメラシステムにおけるカメラの状態を示す情報が表示されてもよい。また、異常状態にあるカメラと同一のエリアを撮影しているカメラのグループや、異常状態にあるカメラと同一のエリアに設置されているカメラのグループを示す情報などが表示されてもよい。
【0107】
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC等)によっても実現可能である。また、そのプログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録して提供してもよい。
【符号の説明】
【0108】
100 撮影システム
200 画像生成装置
300 ユーザ端末
400 情報表示装置
500 分配装置