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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-25
(45)【発行日】2022-12-05
(54)【発明の名称】シート仕分け装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 31/00 20060101AFI20221128BHJP
   B65H 31/22 20060101ALI20221128BHJP
   B65H 31/24 20060101ALI20221128BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20221128BHJP
【FI】
B65H31/00 Z
B65H31/22
B65H31/24
G03G15/00 430
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2017246679
(22)【出願日】2017-12-22
(65)【公開番号】P2019112186
(43)【公開日】2019-07-11
【審査請求日】2020-12-18
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100124442
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 創吾
(72)【発明者】
【氏名】北條 雄太
(72)【発明者】
【氏名】高橋 元気
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 和久
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-054830(JP,A)
【文献】特開2000-086078(JP,A)
【文献】特開平08-198515(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0297024(US,A1)
【文献】特開2006-151668(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 31/00
B65H 7/00
B65H 43/00
G03G 15/00
B41J 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体に対して取り外し可能な所定のトレイを含む3つ以上のトレイと、
画像が形成されたシートを前記3つ以上のトレイのいずれかに排出する排出手段と、
前記排出手段によるシートの排出先を制御する制御手段と、
前記所定のトレイが取り外されたか否かを検知するトレイ検知手段と、を有するシート仕分け装置において、
第1のトレイにはシートをオフセットする機能がなく、第2のトレイにはシートをオフセットする機能があり、第3のトレイにはシートをオフセットする機能がなく、
前記制御手段は、前記トレイ検知手段により前記第1のトレイが前記装置本体から取り外されたことを検知した場合、シートの排出先を前記第1のトレイから前記第3のトレイではなく前記第2のトレイへ変更し、
前記第1のトレイが前記装置本体から取り外される前に前記第2のトレイに排出された第1のシートと、前記第1のトレイが前記装置本体から取り外された後に前記第2のトレイに排出された第2のシートは、前記第2のトレイ上において相対的にずれた位置にオフセットされた状態で積載されていることを特徴とするシート仕分け装置。
【請求項2】
前記第1のシートが排出された第1の仕分け条件と、前記第2のシートが排出された第2の仕分け条件は異なることを特徴とする請求項に記載のシート仕分け装置。
【請求項3】
前記第1の仕分け条件とは、第1のユーザによって画像形成の指示が出されることであり、前記第2の仕分け条件とは、第2のユーザによって画像形成の指示が出されることであることを特徴とする請求項に記載のシート仕分け装置。
【請求項4】
前記第2のトレイは、前記第1のトレイより鉛直方向において1段上に位置するトレイであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のシート仕分け装置。
【請求項5】
シートに画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段により画像が形成されたシートを受け取り、受け取ったシートを仕分ける請求項1乃至のいずれか1項に記載のシート仕分け装置と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取り外し可能な排出トレイを含む複数の排出トレイを有するシート仕分け装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置においては、複数の排出トレイを有するシート仕分け装置を備えたものがある。この装置は、例えばユーザ毎に別々の排出トレイへシートを排出することでシートの仕分けを行う。
【0003】
特許文献1には、複数の排出トレイを装置本体から取り外すことができるシート仕分け装置が記載されている。例えば、複数の排出トレイのうちの第1トレイを取り外すことで、第1トレイの下側に配置されている第2トレイのシート積載空間を広げ、第2トレイに積載されるシートの最大積載枚数を増やすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2000-44105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1には、予め設定された条件に合致するシートは第1トレイに仕分けされるようシートの排出先が設定されている状態において、第1トレイが取り外された場合の制御について記載されていない。例えば、第1ユーザが印刷指示を出して印刷されたシートの排出先が第1トレイに設定されている状態において、第1トレイが取り外された場合に、そのシートをどのトレイに振り分ければよいか記載されていない。
【0006】
本発明の目的は、排出トレイが装置本体から取り外された場合におけるユーザビリティーを向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための本発明のシート仕分け装置は、装置本体に対して取り外し可能な所定のトレイを含む3つ以上のトレイと、画像が形成されたシートを前記3つ以上のトレイのいずれかに排出する排出手段と、前記排出手段によるシートの排出先を制御する制御手段と、前記所定のトレイが取り外されたか否かを検知するトレイ検知手段と、を有するシート仕分け装置において、第1のトレイにはシートをオフセットする機能がなく、第2のトレイにはシートをオフセットする機能があり、第3のトレイにはシートをオフセットする機能がなく、前記制御手段は、前記トレイ検知手段により前記第1のトレイが前記装置本体から取り外されたことを検知した場合、シートの排出先を前記第1のトレイから前記第3のトレイではなく前記第2のトレイへ変更し、前記第1のトレイが前記装置本体から取り外される前に前記第2のトレイに排出された第1のシートと、前記第1のトレイが前記装置本体から取り外された後に前記第2のトレイに排出された第2のシートは、前記第2のトレイ上において相対的にずれた位置にオフセットされた状態で積載されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、排出トレイが装置本体から取り外された場合におけるユーザビリティーを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1における画像形成装置とシート仕分け装置の構成を示す図である
図2】実施例1における画像形成装置の制御部と機能構成を示すブロック図である
図3】実施例1における仕分け装置制御部の詳細図である
図4】実施例1及び実施例2における動作フローチャートである
図5】実施例1における排出先の再割り当て方法を説明する図である
図6】実施例2における画像形成装置とシート仕分け装置の構成を示す図である
図7】実施例2における画像形成装置の制御部と機能構成を示すブロック図である
図8】実施例2における仕分け装置制御部の詳細図である
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施例1]
(画像形成装置の構成図)
図1は本発明の実施例1に係る画像形成装置の概略構造を示す図である。なお、本実施例では画像形成装置としてレーザービームプリンタ100(以下、プリンタ100という)の例を示している。
【0011】
図1に示す通り、プリンタ100には、画像形成部101と、紙等のシートS(記録材)を画像形成部101に給送する給送部102と、画像形成部101によってシートSに形成された画像を定着する定着部103と、排出部104が設けられている。また、画像が形成されたシートSをプリンタ100から受け取り、シートSを仕分けるシート仕分け装置200がプリンタ100の上方に設けられている。
【0012】
画像形成部101は、図1において反時計回りに回転する感光ドラム111と、感光ドラム111の表面を帯電する帯電ローラ112と、帯電された感光ドラム111に光を照射して感光ドラム111に静電潜像を形成する露光装置113と、を有している。さらに、画像形成部101は、静電潜像にトナーを載せて、感光ドラム111にトナー像を形成する現像装置114と、搬送されたシートSにトナー像を転写する転写ローラ115を有している。画像形成部101は、このような画像形成プロセスによってシートSにトナー像を形成する。さらに定着部103は定着ローラ116と、定着ローラ116と定着ニップ部を形成する加圧ローラ117を有しており、シートSに熱と圧力を加えることで、転写されたトナー像をシートSに定着させる。
【0013】
給送部102は、画像形成に供されるシートSが複数枚、積層状態で収納されているカセット105と、給送ローラ106と、搬送ガイド109と、レジストレーションローラ110を有している。排出部104は、切り換え部材120と、定着排出ローラ118と、排出ガイド122と、排出ローラ123と、排出トレイ124と、満載検知フラグ125と、を有している。また、満載検知フラグ125によって排出トレイ124の満載を検知すると、プリンタ100は排出トレイ124に排出されたシートSが取り除かれるまで、排出トレイ124へシートSの排出を行わない。
【0014】
なお、切り替え部材120は、画像形成後のシートSをシート仕分け装置200へ導く実線で表される位置と、排出トレイ124へ導く破線で表される位置に、不図示のアクチュエータによって移動可能な構成となっている。
【0015】
(シート仕分け装置の構成図)
次に、図1を用いて本実施例におけるシート仕分け装置200について説明する。201はプリンタ100から搬送されたシートSを導く搬送ガイドである。搬送ガイド201は複数の分岐部を有し、分岐した先には、それぞれ排出トレイ210、211、212が設けられている。搬送ローラ対202、排出ローラ対601、602、603はシートSを排出トレイ210、211、212のいずれかに排出する。排出トレイ210、211、212はシート仕分け装置200の装置本体220(筐体ともいう)に対して任意に取り外し可能な構成となっている。ここで、切り換え部材402と切り換え部材403は、図1の実線の位置と破線の位置に不図示のアクチュエータによって移動可能な構成となっている。例えば、排出トレイ210にシートSを排出する場合には、切り換え部材402と切り換え部材403をそれぞれ図1の実線にて示された位置に移動させる。また、排出トレイ211にシートSを排出する場合には、切り換え部材402は図1の破線にて示された位置に移動させ、切り換え部材403は図1の実線の位置に移動させる。
【0016】
トレイ検知センサ407、408、409はそれぞれ、排出トレイ210、211、212が装置本体220に対して取り外されたか否かを検知するセンサである。トレイ検知センサ407、408、409は例えばフォトインタラプタであり、排出トレイ210、211、212が装置本体220から取り外され、フォトインタラプタの光が遮られていない透光状態ではOFFの信号を出力する。そして、排出トレイ210、211、212が装置本体220に取り付けられ、フォトインタラプタの光が遮られた遮光状態ではONの信号を出力する。
【0017】
(制御部と機能構成のブロック図)
図2は、本実施例における機能構成を示すブロック図である。プリンタ100は制御部として、コントローラ301と、プリンタ100を制御するプリンタ制御部302と、シート仕分け装置200を制御する仕分け装置制御部303を備えている。コントローラ301は、ホストコンピュータ等の外部機器300と通信を行って印刷データを受信する。また、コントローラ301は、シリアルI/Fによってプリンタ制御部302に対して、印刷データから作成した印刷条件を指定し、印刷指示を行う。プリンタ制御部302は、コントローラ301から受信した印刷条件に従って、各機構を制御する。具体的には給送部102、排出部104からなるシート搬送機構311を制御してシートSの給送や排出を行い、画像形成部101と定着部103を制御してシートSに画像形成と定着を行う。
【0018】
また、コントローラ301は、シリアルI/Fによって仕分け装置制御部303に対して、シートSの仕分け先を指定する。仕分け装置制御部303は、コントローラ301から受信した仕分け先に従って、各機構を制御する。具体的には、搬送ローラ対202、排出ローラ対601、602、603、切り換え部材402、403を含むシート搬送機構312を制御して画像形成されたシートSを搬送する。また、仕分け装置制御部303は、トレイ検知センサ407、408、409の検知結果に基づいて、排出トレイ210、211、212の有無を検知する。
【0019】
(仕分け装置制御部の詳細)
図3は、本実施例における仕分け装置制御部303の詳細図である。仕分け装置制御部303はCPU400を有しており、シリアル通信手段427を介してコントローラ301と通信する。シリアル通信手段427は、CPU400とコントローラ301を複数の信号線で接続する。
【0020】
外部機器300を通じて印刷データ428がコントローラ301に通知されると、コントローラ301はシリアル通信手段427を介して搬入予告423の信号、排出先情報424をCPU400に通知する。また、CPU400からシリアル通信手段427を介して、コントローラ301にトレイ有無状態425の信号が通知される。
【0021】
CPU400の出力端子にはモータドライバ410が接続される。モータドライバ410は搬送モータ401を駆動する。搬送モータ401が回転することにより、搬送ローラ対202、排出ローラ対601、602、603が回転し、シートSを排出トレイ210、211、212へそれぞれ搬送する。
【0022】
CPU400の出力端子には切り換え部材402の位置を切り換えるアクチュエータ(不図示)が接続されている。アクチュエータがONの状態では、切り換え部材402が図1の破線で示される位置に切り換えられ、シートSを排出トレイ211がある方向へ導く。アクチュエータがOFFの状態では、切り換え部材402が図1の実線で示される位置に切り換えられ、シートSを排出トレイ210がある方向へ導く。
【0023】
CPU400の出力端子には切り換え部材403の位置を切り換えるアクチュエータ(不図示)が接続されている。アクチュエータがONの状態では、切り換え部材403が図1の破線で示される位置に切り換えられ、シートSを排出トレイ212がある方向へ導く。アクチュエータがOFFの状態では、切り換え部材403が図1の実線で示される位置に切り換えられ、シートSを排出トレイ210、211がある方向へ導く。
【0024】
トレイ検知センサ407は、プルアップ417を使用し、バッファ418を介し、センサ状態(ONの信号またはOFFの信号)をCPU400に入力する。トレイ検知センサ408、409の詳細はトレイ検知センサ407と同等であるため、説明は省略する。
(シート仕分け装置の動作の説明)
次に、本実施例におけるシート仕分け装置200の動作について図4図5を用いて説明する。ここでは、予め設定された条件に合致するシートは排出トレイ211(所定のトレイ)に仕分けされるようシートSの排出先が設定されている状態において、排出トレイ211が装置本体220から取り外された場合について説明する。
【0025】
図4は本実施例におけるフローチャートである。図4のフローチャートに基づく制御は、図2図3に記載された仕分け装置制御部303がROMやRAM等の記憶部に記憶されているプログラムに基づき実行する。
【0026】
シート仕分け装置200にシートSが搬送される場合、仕分け装置制御部303はコントローラ301から指示を受ける。仕分け装置制御部303は、コントローラ301から指定されたシートSの排出先である排出トレイ(210乃至212のいずれか)が装置本体220に取り付けられているか否かを確認する(S401)。本実施例では排出トレイ211が指定された場合について説明する。
【0027】
排出トレイ211が装置本体220に取り付けられている場合、仕分け装置制御部303はシートSの排出先として排出トレイ211を選択する(S402)。一方、排出トレイ211が装置本体220に対して取り外されている場合、仕分け装置制御部303はシートSの排出先の再割り当て処理を行う(S403)。この再割り当て処理について詳しくは後述する。その後、仕分け装置制御部303は、コントローラ301からシートSの搬送指示を受けると、切り換え部材402と切り換え部材403の位置を切り換えて、選択した排出先にシートSが搬送されるように制御する。その後、仕分け装置制御部303は、S406にてシートSの排出完了を待ち処理を終了する。
【0028】
図5を用いて、S403におけるシートSの排出先の再割り当て処理について説明する。図5(A-1)、(B-1)、(C-1)は排出トレイ210乃至212それぞれにシートSを仕分ける条件と、排出トレイ210乃至212それぞれの状態(使用履歴、残り積載枚数、機能)を示している。図5(A-2)、(B-2)、(C-2)は排出トレイ211が装置本体220から取り外された場合のシートSの排出先の再割り当て結果を示している。図5(A-1)と(A-2)、図5(B-1)と(B-2)、図5(C-1)と(C-2)がそれぞれ対応している。
【0029】
図5(A-1)、(A-2)では、排出トレイの使用履歴に基づいて、シートSの排出先の再割り当てを行う。図5(A-1)において、排出トレイ210にはユーザA、排出トレイ211にはユーザB、排出トレイ212にはユーザCのシートSが排出される設定になっている。つまり、ユーザBが画像形成指示を出し、画像が形成されたシートSは排出トレイ211へと排出される。図5(A-1)においては、ユーザAのみ使用履歴があり、ユーザB,ユーザCは使用履歴が無い。この状況で排出トレイ211が装置本体220から取り外されたとする。そして、ユーザBが画像形成指示を出す場合、仕分け装置制御部303は、排出トレイ211以外の排出トレイ210と排出トレイ212の使用状態に基づいて、ユーザBのシートSの排出先の再割り当てを行う。仕分け装置制御部303は、使用履歴のあるユーザAのシートSと混同しないように、ユーザBのシートSの排出先を排出トレイ212に設定する。つまり、仕分け装置制御部303は、使用履歴のない排出トレイにユーザBのシートSの排出先を設定する。
【0030】
次に、図5(B-1)、(B-2)では、排出トレイの残り積載枚数に基づいて、シートSの排出先の再割り当てを行う。図5(B-1)において、排出トレイ211を取り外す前のシートSの仕分け条件は図5(A-1)と同様である。図5(B-1)では、排出トレイ210に残り120枚、排出トレイ211に残り200枚、排出トレイ212に残り200枚のシートSを積載可能な状況となっている。この時、ユーザCが大量の印刷を行うために、排出トレイ211を装置本体220から取り外したとする。排出トレイ211を取り外すことで、排出トレイ212のシート積載空間が広がり、排出トレイ212に残り500枚のシートSを積載することができるようになる。そして、ユーザCが470枚の大量印刷を指示すると、排出トレイ212の残り積載枚数は図5(B-2)に記載されている通り30枚となる。さらに、ユーザCに続いてユーザBが画像形成指示を出した場合、仕分け装置制御部303は、排出トレイ211以外の排出トレイ210と排出トレイ212のうち残り積載枚数が多い方をユーザBのシートSの排出先として設定する。つまり、仕分け装置制御部303は、残り積載枚数が120枚の排出トレイ210を選択する。
【0031】
なお、排出トレイ211が取り外された後であって、ユーザCが470枚の大量印刷を指示する前の時点においては、排出トレイ212の残り積載枚数が最も多いので、仕分け装置制御部303はユーザBのシートSの排出先を排出トレイ212に設定する。
【0032】
次に、図5(C-1)、(C-2)では、排出トレイのもつ機能に基づいて、シートSの排出先の再割り当てを行う。図5(C-1)において、排出トレイ211を取り外す前のシートSの仕分け条件は図5(A-1)と同様である。図5(C-1)において、排出トレイ210はオフセット機能を有している。オフセット機能とは、排出されるシートSを部単位で主走査方向または副走査方向にずらして積載する機能のことである。つまり、排出される複数のシートSの位置を相対的にずらし、積載されるシートSの区切りを見つけやすくする。図5(C-1)では、全ての排出トレイが使用履歴ありとなっている。この状況で排出トレイ211が装置本体220から取り外されたとする。そして、ユーザBが画像形成指示を出す場合、仕分け装置制御部303は、排出トレイ210と排出トレイ212のいずれにも使用履歴があるので、他のシートSとの混同を避けるために排出トレイ210をユーザBのシートSの排出先として選択する。つまり、仕分け装置制御部303は、オフセット機能をもつ排出トレイにユーザBの排出先を設定する。
【0033】
以上より、本実施例によれば、排出トレイが装置本体から取り外された場合におけるユーザビリティーを向上させることができる。
【0034】
なお、本実施例において、使用履歴、残積載枚数、機能に基づいて、シートSの排出先の再割り当てを行う方法について説明したが、これに限定されない。例えば、平均印刷枚数等その他の情報を元にシートSの排出先の再割り当てを行うことも可能である。また、取り外された排出トレイが再び取り付けられた場合は、予め設定されていたシートSの排出先に戻すことを行う。
【0035】
[実施例2]
実施例1では、各排出トレイの使用履歴、残り積載枚数、機能などに基づいて、シートSの排出先の再割り当てを行う方法について説明した。本実施例では、各排出トレイに積載されているシートSの有無が分かる構成において、シートSの排出先の再割り当てを行う方法について説明する。主な部分の説明は実施例1と同様であり、ここでは実施例1と異なる部分のみを説明する。
【0036】
(シート仕分け装置の構成図)
図6を用いて本実施例におけるシート仕分け装置200について説明する。実施例1と異なるのは、シート検知センサ430、431、432が設けられている点である。シート検知センサ430、431、432はそれぞれ、排出トレイ210、211、212に積載されたシートSの有無を検知するセンサである。シート検知センサ430、431、432は例えばフォトインタラプタであり、排出トレイ210、211、212にシートSが積載されておらず、不図示のフラグによってフォトインタラプタの光が遮られていない透光状態ではOFFの信号を出力する。そして、排出トレイ210、211、212にシートSが積載され、不図示のフラグによってフォトインタラプタの光が遮られた遮光状態ではONの信号を出力する。
【0037】
(制御部と機能構成のブロック図)
図7は、本実施例における機能構成を示すブロック図である。実施例1と異なるのは、シート検知センサ430、431、432が設けられている点である。仕分け装置制御部303は、シート検知センサ430、431、432の検知結果に基づいて、排出トレイ210、211、212に積載されたシートSの有無を検知する。
【0038】
(シート仕分け装置の動作の説明)
図8は、本実施例における仕分け装置制御部303の詳細図である。シート検知センサ430は、プルアップ433を使用し、バッファ434を介し、センサ状態(ONの信号またはOFFの信号)をCPU400に入力する。シート検知センサ431、432の詳細はシート検知センサ430と同等であるため、説明は省略する。
【0039】
(シート仕分け装置の動作の説明)
次に、本実施例におけるシート仕分け装置200の動作について説明する。フローチャートは実施例1と同様であり、シートSの排出先の再割り当て方法が実施例1とは異なる。本実施例では、排出トレイ210乃至212それぞれの状態として、排出トレイ210乃至212それぞれに排出されたシートSの有無に着目する。
【0040】
上述した通り、仕分け装置制御部303は、シート検知センサ430、431、432の検知結果に基づいて、排出トレイ210、211、212にシートSが積載されているか否かを判断することができる。ここで、実施例1の図5に記載されているように、ユーザBのシートSが排出トレイ211へ搬送されるようシートSの排出先が予め設定されている状態で、排出トレイ211が装置本体220から取り外されたとする。仕分け装置制御部303は、排出トレイ210と排出トレイ212のうちシートSが積載されていない方のトレイをユーザBのシートSの排出先として選択する。これにより、ユーザBのシートSが他のユーザのシートSと混同してしまうことがない。また、取り外された排出トレイが再び取り付けられた場合は、予め設定されていたシートSの排出先に戻すことを行う。
【0041】
なお、上記の実施例1及び2では、使用履歴、残り積載枚数、機能、シートの有無などといった情報をそれぞれ単独で用いてシートSの排出先の再割り当てを行う方法について説明したが、これらを組合せて判断しても同様の効果を得られる。
【0042】
例えば、あるユーザが過去に印刷完了後、すぐにシートSを回収することがシート検知センサによってわかっている場合、最上段の排出トレイにシートSがあったとしても、最上段の排出トレイにシートSを排出するといった再割り当ても可能である。
【0043】
また、上記の実施例1及び2においては、排出トレイ210、211、212全てが装置本体220に対して取り外し可能な構成として説明したが、これに限定されない。排出トレイ211のみが取り外し可能であって、排出トレイ210、212は取り外しできない構成であってもよい。つまり、少なくとも1つの排出トレイが装置本体220に対して取り外し可能な構成であればよい。
【0044】
また、上記の実施例1及び2においては、プリンタ制御部302と仕分け装置制御部303を分けて構成していたが、プリンタ制御部302のみの構成としてもよい。その場合は、プリンタ制御部302がシート仕分け装置200を制御すればよい。
【0045】
また、上記の実施例1及び2において、シート仕分け装置200はプリンタ100に対して着脱可能な構成であってもよいし、プリンタ100に対して固定され一体化した構成であってもよい。
【0046】
また、上記の実施例1及び2においては、3つの排出トレイ210、211、212が設けられている構成について説明したが、排出トレイの個数は3つに限定されるものではない。シート仕分け装置200が使用される環境、共同して使用するユーザの人数、あるいは、シート仕分け装置200のスペックに合わせて、排出トレイ数を設定すればよい。
【0047】
また、上記の実施例1及び2においては、レーザービームプリンタの例を示したが、本発明を適用する画像形成装置はこれに限られるものではなく、インクジェットプリンタ等、他の印刷方式のプリンタ、又は、複写機でもよい。
【符号の説明】
【0048】
200 シート仕分け装置
210、211、212 排出トレイ
301 コントローラ
303 仕分け装置制御部
407、408、409 トレイ検知センサ
601、602、603 排出ローラ対
図1
図2
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図8