(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-25
(45)【発行日】2022-12-05
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、及びサーバー装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20221128BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20221128BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20221128BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20221128BHJP
【FI】
A63F13/69 520
A63F13/58
A63F13/69 510
A63F13/79
A63F13/35
(21)【出願番号】P 2017254465
(22)【出願日】2017-12-28
【審査請求日】2020-11-20
(73)【特許権者】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】弁理士法人湘洋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】米 ▲チー▼
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-158813(JP,A)
【文献】猫武将のランクについて,猫つらつら~のぶニャがの野望初心猫からの脱出, [online],1-5頁,2015年01月26日,<URL>http://yoshidog.blog104.fc2.com/blog-entry-93.html,[2021年11月29日検索]
【文献】武将強化,のぶニャがの野望攻略wiki, [online],2017年11月18日,1-6頁,<URL>https://web.archive.org/web/20171118140833/https://nobunyaganoyabo.wiki.fc2.com/wiki/武将強化,[2021年11月29日検索]
【文献】攻略メモ,のぶニャがの野望攻略wiki, [online],2017年11月29日,1-5頁,<URL>https://web.archive.org/web/20171129133928/https://nobunyaganoyabo.wiki.fc2.com/wiki/攻略メモ,[2021年11月29日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F 13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤーに関連付けられた複数の保有オブジェクトの中から選択された、ゲームに使用する複数のゲーム使用オブジェクトを用いて進行するゲームをコンピューターに実行させるゲームプログラムであって、
オブジェクトの階級を含む
固有パラメーターを各々が有する複数のオブジェクトを
、特典の有無を示す特典フラグと関連付けて前記保有オブジェクトとして記憶する記憶部と、
前記プレイヤーからの入力によって前記オブジェクトの抽選を実行し、該抽選により決定される前記オブジェクトを前記保有オブジェクトとして記憶させる抽選実行部と、
前記保有オブジェクトから、1つの合成対象オブジェクトと、1つ又は複数の合成使用オブジェクトとの選択を受け付け、前記合成対象オブジェクト又は前記合成使用オブジェクトの少なくとも一方と関連する前記固有パラメーターを用いて算出される合成パラメーター値を用いて、前記合成対象オブジェクトの前記固有パラメーターを変更する合成実行部として、前記コンピューターを機能させ、
前記抽選実行部は、
前記特典を有し前記ゲーム使用オブジェクトとして使用可能なオブジェクトである特典オブジェクトを抽選により決定
可能であり、
前記合成実行部は、前記合成対象オブジェクト及び前記合成使用オブジェクトの少なくとも1つが前記特典オブジェクトである場
合、前記合成対象オブジェクト及び前記合成使用オブジェクトの各々と同じ固有パラメーターを有し、かつ前記特典のない前記合成対象オブジェクト及び前記合成使用オブジェクトを用いて算出される前記合成パラメーター値とは、前記合成パラメーター値
が異なるよう算出することを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のゲームプログラムであって、
前記記憶部は、前記オブジェクトの種別を識別する種別識別情報と前記プレイヤーとを関連付けて前記保有オブジェクトとして記憶し、
前記合成実行部は、前記合成対象オブジェクト及び前記合成使用オブジェクトの少なくとも1つが、前記特典オブジェクトと共通の前記種別識別情報を有する場
合、前記合成対象オブジェクト及び前記合成使用オブジェクトの各々と同じ固有パラメーターを有し、かつ前記特典オブジェクトと共通の前記種別識別情報を有さない前記合成対象オブジェクト及び前記合成使用オブジェクトを用いて算出される前記合成パラメーター値とは、前記合成パラメーター値
が異なるよう算出することを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項3】
プレイヤーに関連付けられた複数の保有オブジェクトの中から選択された、ゲームに使用する複数のゲーム使用オブジェクトを用いて進行するゲームをコンピューターに実行させるゲームプログラムであって、
固有パラメーターを各々が有する複数のオブジェクトを前記保有オブジェクトとして記憶する記憶部と、
前記プレイヤーからの入力によって前記オブジェクトの抽選を実行し、該抽選により決定される前記オブジェクトを前記保有オブジェクトとして記憶させる抽選実行部と、
前記保有オブジェクトから、1つの合成対象オブジェクトと、1つ又は複数の合成使用オブジェクトとの選択を受け付け、前記合成対象オブジェクト又は前記合成使用オブジェクトの少なくとも一方と関連する前記固有パラメーターを用いて算出される合成パラメーター値を用いて、前記合成対象オブジェクトの前記固有パラメーターを変更する合成実行部として、前記コンピューターを機能させ、
前記抽選実行部は、特典を有し前記ゲーム使用オブジェクトとして使用可能なオブジェクトである特典オブジェクトを抽選により決定し、
前記合成実行部は、前記合成対象オブジェクト及び前記合成使用オブジェクトの少なくとも1つが前記特典オブジェクトである場合に、前記合成パラメーター値を変更
し、
前記記憶部は、前記オブジェクトの種別を識別する種別識別情報と前記プレイヤーとを関連付けて前記保有オブジェクトとして記憶し、
前記合成実行部は、前記合成対象オブジェクト及び前記合成使用オブジェクトの少なくとも1つが前記特典オブジェクトである場合に、該特典オブジェクトと共通の前記種別識別情報を有する前記保有オブジェクトの数を計上し、該保有オブジェクトの数を用いて前記合成パラメーター値を変更することを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項4】
請求項1
から3のいずれか一項に記載のゲームプログラムであって、
前記合成パラメーター値は、合成の成功確率を示す値であって、
前記合成実行部は、前記成功確率を用いて合成が成功であるか否かを決定し、合成が成功である場合に前記合成対象オブジェクトの前記固有パラメーターを変更し、合成に成功しない場合に前記固有パラメーターを変更せず前記合成使用オブジェクトを前記保有オブジェクトから削除することを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項5】
請求項4に記載のゲームプログラムであって、
前記合成実行部は、合成に成功しない場合に、所定期間経過後に前記合成使用オブジェクトを前記保有オブジェクトから削除するか、または所定期間経過後の前記オブジェクトは前記合成対象オブジェクト及び前記合成使用オブジェクトとしての選択の受付を抑止することを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項6】
プレイヤーに関連付けられた複数の保有オブジェクトの中から選択された、ゲームに使用する複数のゲーム使用オブジェクトを用いて進行するゲームをコンピューターに実行させるゲームプログラムであって、
固有パラメーターを各々が有する複数のオブジェクトを前記保有オブジェクトとして記憶する記憶部と、
前記プレイヤーからの入力によって前記オブジェクトの抽選を実行し、該抽選により決定される前記オブジェクトを前記保有オブジェクトとして記憶させる抽選実行部と、
前記保有オブジェクトから、1つの合成対象オブジェクトと、1つ又は複数の合成使用オブジェクトとの選択を受け付け、前記合成対象オブジェクト又は前記合成使用オブジェクトの少なくとも一方と関連する前記固有パラメーターを用いて算出される合成パラメーター値を用いて、前記合成対象オブジェクトの前記固有パラメーターを変更する合成実行部として、前記コンピューターを機能させ、
前記抽選実行部は、特典を有し前記ゲーム使用オブジェクトとして使用可能なオブジェクトである特典オブジェクトを抽選により決定し、
前記合成実行部は、前記合成対象オブジェクト及び前記合成使用オブジェクトの少なくとも1つが前記特典オブジェクトである場合に、前記合成パラメーター値を変更
し、
前記合成パラメーター値は、合成の成功確率を示す値であって、
前記合成実行部は、前記成功確率で前記合成対象オブジェクトの前記固有パラメーターを変更し、合成に成功しない場合に前記合成使用オブジェクト毎に不成功の回数を計上し、前記回数が所定値に達した前記オブジェクトは前記合成対象オブジェクト及び合成使用オブジェクトとしての選択の受付を抑止するか、又は前記保有オブジェクトから削除することを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項7】
請求項1
から6のいずれか一項に記載のゲームプログラムであって、
前記合成実行部は、仮想通貨を用いた合成指示を受け付けると、前記合成対象オブジェクト又は前記合成使用オブジェクトの少なくとも一方と関連する前記固有パラメーターに対し所定の便益係数を用いて前記合成パラメーター値を変更することを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項8】
請求項1
から7のいずれか一項に記載のゲームプログラムであって、
前記合成パラメーター値は、前記合成対象オブジェクトに付与される経験値の増加量であって、
前記合成実行部は、前記合成対象オブジェクトの少なくとも1つが前記特典オブジェクトである場合に、該特典オブジェクトの経験値の増加量を変更することを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項9】
プレイヤーに関連付けられた複数の保有オブジェクトの中から選択された、ゲームに使用する複数のゲーム使用オブジェクトを用いてゲームを進行させるサーバー装置であって、
オブジェクトの階級を含む
固有パラメーターを各々が有する複数のオブジェクトを
、特典の有無を示す特典フラグと関連付けて前記保有オブジェクトとして記憶する記憶部と、
前記プレイヤーからの入力によって前記オブジェクトの抽選を実行し、該抽選により決定される前記オブジェクトを前記保有オブジェクトとして記憶させる抽選実行部と、
前記保有オブジェクトから、1つの合成対象オブジェクトと、1つ又は複数の合成使用オブジェクトとの選択を受け付け、前記合成対象オブジェクト又は前記合成使用オブジェクトの少なくとも一方と関連する前記固有パラメーターを用いて算出される合成パラメーター値を用いて、前記合成対象オブジェクトの前記固有パラメーターを変更する合成実行部と、を備え、
前記抽選実行部は、
前記特典を有し前記ゲーム使用オブジェクトとして使用可能なオブジェクトである特典オブジェクトを抽選により決定
可能であり、
前記合成実行部は、前記合成対象オブジェクト及び前記合成使用オブジェクトの少なくとも1つが前記特典オブジェクトである場
合、前記合成対象オブジェクト及び前記合成使用オブジェクトの各々と同じ固有パラメーターを有し、かつ前記特典のない前記合成対象オブジェクト及び前記合成使用オブジェクトを用いて算出される前記合成パラメーター値とは、前記合成パラメーター値
が異なるよう算出することを特徴とする、サーバー装置。
【請求項10】
プレイヤーに関連付けられた複数の保有オブジェクトの中から選択された、ゲームに使用する複数のゲーム使用オブジェクトを用いてゲームが進行するゲーム進行手順と、
オブジェクトの階級を含む固有パラメーターを各々が有する複数のオブジェクトが、特典の有無を示す特典フラグと関連付けて前記保有オブジェクトとして記憶部に記憶される記憶手順と、
前記プレイヤーからの入力によって前記オブジェクトの抽選を実行し、該抽選により決定される前記オブジェクトが前記保有オブジェクトとして記憶される抽選実行手順と、
前記保有オブジェクトから、1つの合成対象オブジェクトと、1つ又は複数の合成使用オブジェクトとの選択を受け付け、前記合成対象オブジェクト又は前記合成使用オブジェクトの少なくとも一方と関連する前記固有パラメーターを用いて算出される合成パラメーター値を用いて、前記合成対象オブジェクトの前記固有パラメーターが変更される合成実行手順と、を有し、
前記抽選実行手順において、前記特典を有し前記ゲーム使用オブジェクトとして使用可能なオブジェクトである特典オブジェクトが抽選により決定可能であり、
前記合成実行手順において、前記合成対象オブジェクト及び前記合成使用オブジェクトの少なくとも1つが前記特典オブジェクトである場合、前記合成対象オブジェクト及び前記合成使用オブジェクトの各々と同じ固有パラメーターを有し、かつ前記特典のない前記合成対象オブジェクト及び前記合成使用オブジェクトを用いて算出される前記合成パラメーター値とは、前記合成パラメーター値が異なるよう算出されることを特徴とする、ゲーム処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、及びサーバー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピューターにより定義された仮想プレイヤーを含む他のプレイヤーと、通信ネットワークを介して対戦可能なゲームシステムが普及している。このようなネットワークゲームの一態様として、プレイヤーが保持するオブジェクト(例えばカード、又はプレイヤーキャラクター等)の中から複数のオブジェクトを選択して一組のゲーム使用オブジェクトを構成し、当該ゲーム使用オブジェクトを用いて他のプレイヤーと対戦を行う態様がある。
【0003】
特許文献1には、対戦に用いる一組のカードであるデッキカード以外の所持カードに基づいて、デッキカードのパラメーターを調整するプログラムに関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
プレイヤーが構成したゲーム使用オブジェクトを用いて対戦を行うゲームにおいて、抽選等によりプレイヤーに新たなオブジェクトが配布される。配布するオブジェクトの種類が増加すれば、プレイヤーがゲーム使用オブジェクトを構成する際に、用いるオブジェクトの選択肢が増加し、ゲーム性が向上する。
【0006】
しかしながら、配布されたオブジェクトをプレイヤーが選択してゲーム使用オブジェクトを構成する作業は、次第に単調化し、緊張感の低下を招く。これを解消するため、複数のオブジェクトを合成して得たオブジェクトを、ゲーム使用オブジェクトに用いる態様がある。本態様では、所望のオブジェクトを得るために、合成を繰り返す必要があり、興趣性の低下を招く。
【0007】
そこで、本発明は、オブジェクトの合成を用いたゲームの興趣性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係るゲームプログラムは、プレイヤーに関連付けられた複数の保有オブジェクトの中から選択された、ゲームに使用する複数のゲーム使用オブジェクトを用いて進行するゲームをコンピューターに実行させるゲームプログラムであって、オブジェクトの階級を含む固有パラメーターを各々が有する複数のオブジェクトを、特典の有無を示す特典フラグと関連付けて前記保有オブジェクトとして記憶する記憶部と、前記プレイヤーからの入力によって前記オブジェクトの抽選を実行し、該抽選により決定される前記オブジェクトを前記保有オブジェクトとして記憶させる抽選実行部と、前記保有オブジェクトから、1つの合成対象オブジェクトと、1つ又は複数の合成使用オブジェクトとの選択を受け付け、前記合成対象オブジェクト又は前記合成使用オブジェクトの少なくとも一方と関連する前記固有パラメーターを用いて算出される合成パラメーター値を用いて、前記合成対象オブジェクトの前記固有パラメーターを変更する合成実行部として、前記コンピューターを機能させ、前記抽選実行部は、前記特典を有し前記ゲーム使用オブジェクトとして使用可能なオブジェクトである特典オブジェクトを抽選により決定可能であり、前記合成実行部は、前記合成対象オブジェクト及び前記合成使用オブジェクトの少なくとも1つが前記特典オブジェクトである場合、前記合成対象オブジェクト及び前記合成使用オブジェクトの各々と同じ固有パラメーターを有し、かつ前記特典のない前記合成対象オブジェクト及び前記合成使用オブジェクトを用いて算出される前記合成パラメーター値とは、前記合成パラメーター値が異なるよう算出することを特徴とする。
【0009】
上記のゲームプログラムにおいて、前記記憶部は、前記オブジェクトの種別を識別する種別識別情報と前記プレイヤーとを関連付けて前記保有オブジェクトとして記憶し、前記合成実行部は、前記合成対象オブジェクト及び前記合成使用オブジェクトの少なくとも1つが、前記特典オブジェクトと共通の前記種別識別情報を有する場合、前記合成対象オブジェクト及び前記合成使用オブジェクトの各々と同じ固有パラメーターを有し、かつ前記特典オブジェクトと共通の前記種別識別情報を有さない前記合成対象オブジェクト及び前記合成使用オブジェクトを用いて算出される前記合成パラメーター値とは、前記合成パラメーター値が異なるよう算出することを特徴としてもよい。
【0010】
上記のゲームプログラムにおいて、前記記憶部は、前記オブジェクトの種別を識別する種別識別情報と前記プレイヤーとを関連付けて前記保有オブジェクトとして記憶し、前記合成実行部は、前記合成対象オブジェクト及び前記合成使用オブジェクトの少なくとも1つが前記特典オブジェクトである場合に、該特典オブジェクトと共通の前記種別識別情報を有する前記保有オブジェクトの数を計上し、該保有オブジェクトの数を用いて前記合成パラメーター値を変更することを特徴としてもよい。
【0011】
上記のゲームプログラムにおいて、前記合成パラメーター値は、合成の成功確率を示す値であって、前記合成実行部は、前記成功確率を用いて合成が成功であるか否かを決定し、合成が成功である場合に前記合成対象オブジェクトの前記固有パラメーターを変更し、合成に成功しない場合に前記固有パラメーターを変更せず前記合成使用オブジェクトを前記保有オブジェクトから削除することを特徴としてもよい。
【0012】
上記のゲームプログラムにおいて、前記合成実行部は、合成に成功しない場合に、所定期間経過後に前記合成使用オブジェクトを前記保有オブジェクトから削除するか、または所定期間経過後の前記オブジェクトは前記合成対象オブジェクト及び前記合成使用オブジェクトとしての選択の受付を抑止することを特徴としてもよい。
【0013】
上記のゲームプログラムにおいて、前記合成パラメーター値は、合成の成功確率を示す値であって、前記合成実行部は、前記成功確率で前記合成対象オブジェクトの前記固有パラメーターを変更し、合成に成功しない場合に前記合成使用オブジェクト毎に不成功の回数を計上し、前記回数が所定値に達した前記オブジェクトは前記合成対象オブジェクト及び合成使用オブジェクトとしての選択の受付を抑止するか、又は前記保有オブジェクトから削除することを特徴としてもよい。
【0014】
上記のゲームプログラムにおいて、前記合成実行部は、仮想通貨を用いた合成指示を受け付けると、前記合成対象オブジェクト又は前記合成使用オブジェクトの少なくとも一方と関連する前記固有パラメーターに対し所定の便益係数を用いて前記合成パラメーター値を変更することを特徴してもよい。
【0015】
上記のゲームプログラムにおいて、前記合成パラメーター値は、前記合成対象オブジェクトに付与される経験値の増加量であって、前記合成実行部は、前記合成対象オブジェクトの少なくとも1つが前記特典オブジェクトである場合に、該特典オブジェクトの経験値の増加量を変更することを特徴としてもよい。
【0016】
上記の課題を解決する本発明の他の態様は、プレイヤーに関連付けられた複数の保有オブジェクトの中から選択された、ゲームに使用する複数のゲーム使用オブジェクトを用いてゲームを進行させるサーバー装置であって、オブジェクトの階級を含む固有パラメーターを各々が有する複数のオブジェクトを、特典の有無を示す特典フラグと関連付けて前記保有オブジェクトとして記憶する記憶部と、前記プレイヤーからの入力によって前記オブジェクトの抽選を実行し、該抽選により決定される前記オブジェクトを前記保有オブジェクトとして記憶させる抽選実行部と、前記保有オブジェクトから、1つの合成対象オブジェクトと、1つ又は複数の合成使用オブジェクトとの選択を受け付け、前記合成対象オブジェクト又は前記合成使用オブジェクトの少なくとも一方と関連する前記固有パラメーターを用いて算出される合成パラメーター値を用いて、前記合成対象オブジェクトの前記固有パラメーターを変更する合成実行部と、を備え、前記抽選実行部は、前記特典を有し前記ゲーム使用オブジェクトとして使用可能なオブジェクトである特典オブジェクトを抽選により決定可能であり、前記合成実行部は、前記合成対象オブジェクト及び前記合成使用オブジェクトの少なくとも1つが前記特典オブジェクトである場合、前記合成対象オブジェクト及び前記合成使用オブジェクトの各々と同じ固有パラメーターを有し、かつ前記特典のない前記合成対象オブジェクト及び前記合成使用オブジェクトを用いて算出される前記合成パラメーター値とは、前記合成パラメーター値が異なるよう算出することを特徴とする。
上記の課題を解決する本発明の他の態様は、ゲーム処理方法であって、プレイヤーに関連付けられた複数の保有オブジェクトの中から選択された、ゲームに使用する複数のゲーム使用オブジェクトを用いてゲームが進行するゲーム進行手順と、オブジェクトの階級を含む固有パラメーターを各々が有する複数のオブジェクトが、特典の有無を示す特典フラグと関連付けて前記保有オブジェクトとして記憶部に記憶される記憶手順と、前記プレイヤーからの入力によって前記オブジェクトの抽選を実行し、該抽選により決定される前記オブジェクトが前記保有オブジェクトとして記憶される抽選実行手順と、前記保有オブジェクトから、1つの合成対象オブジェクトと、1つ又は複数の合成使用オブジェクトとの選択を受け付け、前記合成対象オブジェクト又は前記合成使用オブジェクトの少なくとも一方と関連する前記固有パラメーターを用いて算出される合成パラメーター値を用いて、前記合成対象オブジェクトの前記固有パラメーターが変更される合成実行手順と、を有し、前記抽選実行手順において、前記特典を有し前記ゲーム使用オブジェクトとして使用可能なオブジェクトである特典オブジェクトが抽選により決定可能であり、前記合成実行手順において、前記合成対象オブジェクト及び前記合成使用オブジェクトの少なくとも1つが前記特典オブジェクトである場合、前記合成対象オブジェクト及び前記合成使用オブジェクトの各々と同じ固有パラメーターを有し、かつ前記特典のない前記合成対象オブジェクト及び前記合成使用オブジェクトを用いて算出される前記合成パラメーター値とは、前記合成パラメーター値が異なるよう算出されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一態様によれば、オブジェクトの合成を用いたゲームの興趣性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】実施形態に係るサーバー装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】保有オブジェクト情報のデータ構造の一例を示す図である。
【
図3】相性情報のデータ構造の一例を示す図である。
【
図4】サーバー装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図5】抽選処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】合成処理の一例を示すフローチャート(その1)である。
【
図7】合成処理の一例を示すフローチャート(その2)である。
【
図8】合成処理の一例を示すフローチャート(その3)である。
【
図9】合成実行画面の一例を示す図(その1)である。
【
図10】合成実行画面の一例を示す図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。理解向上のため、本実施形態によるゲームシステムをカードゲームに用いる例に基づいて説明する。本ゲームシステムでは、プレイヤーは、予め付与されたカードと、抽選により取得したカードとを保有する。また、プレイヤーは、保有するカードの中から複数のゲーム使用カードを選択してカードの組合せ(以下、「デッキ」ともいう)を構成する。プレイヤーは、端末装置に入力指示を行い、デッキ内の複数のゲーム使用カードを用いて他のプレイヤーと対戦を行う。
【0020】
各カードには固有パラメーターが付与され、ゲーム使用カードの有する固有パラメーターに基づいて対戦が行われる。なお、本ゲームシステムにより実行されるゲームは、カードゲームに限定されるものではなく、以下に説明するオブジェクトは予め固有パラメーターが付与されたものであればカードに限定されない。例えばオブジェクトはアバターやキャラクターを示す3DCGオブジェクト等であってもよい。
【0021】
図1は、実施形態に係るサーバー装置100の機能構成の一例を示すブロック図である。サーバー装置100は、例えばサーバーコンピューターやPC(Personal Computer)等であって、通信ネットワークNを介して複数の端末装置200と通信可能に接続している。
【0022】
サーバー装置100は、各端末装置200からの要求に基づいてゲームを実行するためのソフトウェアを構成するプログラムを送信するとともに、ゲームの進行に用いる情報を送信する。各端末装置200は、サーバー装置100から送信されたソフトウェアをダウンロードし、プレイヤーからの入力操作を受け付けてサーバー装置100に送信したり、サーバー装置100から送信された入力画面を表示したりする。端末装置200は、例えばPC又はスマートフォン等である。
【0023】
サーバー装置100は、制御部110と、記憶部120と、通信部130とを備える。制御部110は、端末装置200からの入力操作情報に基づいてゲームを進行させ、ゲームの進行に従った画像や音声を端末装置200に送信する。記憶部120は、ゲームの進行に必要な情報を記憶する。通信部130は、端末装置200との間で情報の送信及び受信を行う。
【0024】
制御部110は、使用オブジェクト選択受付部111と、抽選実行部112と、合成実行部113と、ユーザーインターフェイス制御部114と、を備える。使用オブジェクト選択受付部111は、端末装置200からの入力操作情報に基づき、記憶部120内の保有オブジェクト情報により特定される保有オブジェクトの中から、デッキの構成に用いるゲーム使用オブジェクトの選択を受け付ける。なお、保有オブジェクトとは、プレイヤーに対して予め付与されたオブジェクト及び抽選により付与されたオブジェクトである。
【0025】
抽選実行部112は、端末装置200からの入力操作情報に基づき、抽選を実行する。より具体的には、抽選実行部112は、予め抽選確率が付与されたオブジェクトの中から、該抽選確率に基づいて1つのオブジェクトを選択し、保有オブジェクトとして記憶部120に記憶させる。抽選実行部112が選択するオブジェクトの中には、特典を有し、ゲーム使用オブジェクトとして使用可能な特典オブジェクトが含まれる。
【0026】
合成実行部113は、端末装置200からの入力操作情報に基づき、保有オブジェクトの中から、1つの合成対象オブジェクトと、1つ又は複数の合成使用オブジェクトとの選択を受け付ける。なお、各オブジェクトには、オブジェクトの階級である「ランク」、ゲーム進行前又はゲーム進行中にオブジェクトに付与された「特技」、等の固有パラメーターが関連付けられている。合成実行部113は、合成対象オブジェクト及び合成使用オブジェクトの各々の有する固有パラメーターの値を用いて、合成に用いるパラメーターの値である合成パラメーター値を算出する。
【0027】
なお、合成実行部113の算出する合成パラメーターは、合成方法の種別である合成種別によって算出方法及び種類が異なる。本実施形態において、合成種別には、例えば、合成使用オブジェクトに関連付けられた固有パラメーターである「特技」を合成対象オブジェクトに関連付ける「特技を伝授」、合成使用オブジェクトと合成対象オブジェクトとで共通する「特技」を有する場合において、合成対象オブジェクトの「特技」に付与された「特技レベル」を増加させる「特技を強化」、合成対象オブジェクトに関連付けられた「修練総合値」を増加させる「器量を磨く」、及び合成対象オブジェクトに関連付けられた「経験値」を増加させる「覚醒強化」が含まれる。
【0028】
合成実行部113は、合成種別が「特技の伝授」、「特技の強化」、又は「器量を磨く」である場合に、合成の成功確率を合成パラメーター値として算出する。合成実行部113は、成功確率を用いて合成が成功であるか、又は合成が失敗であるかを決定する。合成が成功である場合、合成実行部113は、合成対象オブジェクトの固有パラメーター値を変更し、合成使用オブジェクトを保有オブジェクトから削除する。合成が失敗である場合、合成実行部113は、合成対象オブジェクトの固有パラメーター値を変更せず、合成使用オブジェクトを保有オブジェクトから削除する。
【0029】
また、合成実行部113は、合成種別が「覚醒強化」である場合、合成使用オブジェクトの固有パラメーター値を用いて、合成対象オブジェクトに付与する経験値を合成パラメーター値として算出する。合成実行部113は、合成パラメーター値を用いて、合成対象オブジェクトの固有パラメーター値である経験値を変更し、合成使用オブジェクトを保有オブジェクトから削除する。
【0030】
また、合成実行部113は、合成対象オブジェクト及び合成使用オブジェクトの少なくとも1つが特典オブジェクトである場合に、合成パラメーター値を変更させる。合成実行部113は、例えば合成対象オブジェクト又は合成使用オブジェクトの有する固有パラメーターにより定まる基準値に対して、所定の特典係数を用いることにより、合成パラメーター値を算出する。
【0031】
ユーザーインターフェイス制御部114は、各端末装置200に表示させる画面の表示データを生成し、通信部130を介して端末装置200に送信する。例えば、ユーザーインターフェイス制御部114は、後述する合成指示受付画面の表示指示を受け付けると、合成種別を選択可能な合成指示受付画面の表示データを生成し、表示指示の入力操作を受け付けた端末装置200に送信する。また、ユーザーインターフェイス制御部114は、端末装置200に送信した画面に対して入力された情報を、通信部130を介して取得する。
【0032】
記憶部120は、保有オブジェクト情報121と、相性情報122とを記憶している。保有オブジェクト情報121は、プレイヤーの有する保有オブジェクトに関する情報である。相性情報122は、複数のオブジェクトの相性を数値化した情報である。
【0033】
図2は、保有オブジェクト情報121のデータ構造の一例を示す図である。保有オブジェクト情報121は、各プレイヤーに対して保有オブジェクトを関連付けた情報である。保有オブジェクト情報121は、プレイヤー1211と、オブジェクト1212と、ゲーム使用フラグ1213と、固有パラメーター1214と、特典フラグ1215と、を含む。
【0034】
プレイヤー1211は、ゲームのプレイヤーを特定する識別情報である。オブジェクト1212は、オブジェクトに関する情報であって、種別識別子1212aと、名称1212bとを含む。種別識別子1212aは、オブジェクトの種別を特定する識別子である。名称1212bは、オブジェクトに予め付与された名称を示す文字列である。名称1212bは、例えばカードに表示された武将の名称である。
【0035】
ゲーム使用フラグ1213は、ゲーム使用オブジェクトであるか否かを示す情報である。例えば、ゲーム使用フラグ1213が「1」である場合、オブジェクトはゲーム使用オブジェクトである。ゲーム使用フラグ1213が「0」である場合、オブジェクトは、プレイヤーの保有オブジェクトではあるが、ゲーム使用オブジェクトではない。
【0036】
固有パラメーター1214は、オブジェクトの固有パラメーターを示す情報である。固有パラメーター1214は、ランク1214aと、特技1214bと、特技レベル1214cと、経験値1214dと、修練総合値1214eと、覚醒レベル1214fと、を含む。
【0037】
ランク1214aは、オブジェクトの階級であるランクを示す情報である。ランク1214aは、例えば高いランクから順に、「A」、「B」、「C」、「D」を示す情報が付与される。本実施形態において、オブジェクトのランクはオブジェクトの取得時に決定しており、ゲーム進行によって変動しない。
【0038】
特技1214bは、オブジェクトに付与された特技を示す情報である。本実施形態において、オブジェクトは特技を有しても有さなくてもよく、1つのオブジェクトが複数の特技を有していてもよい。特技レベル1214cは、特技1214bにより特定される特技のレベルを示す情報である。1つのオブジェクトが複数の特技を有する場合、特技レベル1214cは各々の特技1214bに対し設定される。なお、本実施形態において、オブジェクトはゲーム開始時に特技を有していることもあれば、ゲームの進行によって特技を取得することもある。
【0039】
経験値1214dは、オブジェクトの有する経験値を示す値である。経験値は、「覚醒強化」の合成種別の合成処理によってオブジェクトに付与されるが、詳細は後述する。修練総合値1214eは、ゲーム進行中、オブジェクトが得られる「修練値」の最大値である。オブジェクトは、プレイヤーからの入力操作により修練が行われ、複数種類の「修練値」を取得する。オブジェクトが得られる修練値の合計は、修練総合値1214e以下となる。
【0040】
覚醒レベル1214fは、オブジェクトの覚醒レベルを示す値である。本実施形態において、オブジェクトの取得可能な経験値の上限が固有パラメーター及び覚醒レベルにより定められており、経験値1214dに含まれる経験値が上限に達した場合、合成種別の「覚醒強化」により覚醒が可能となる。覚醒を行うと、覚醒レベル1214fがインクリメントされ、経験値1214dが0になると共に、新たな経験値の上限が設定される。
【0041】
特典フラグ1215は、オブジェクトが特典オブジェクトであるか否かを示す情報である。例えば特典フラグ1215が「0」であるオブジェクトは特典オブジェクトではなく、特典フラグ1215が「1」であるオブジェクトは特典オブジェクトである。本実施形態において、オブジェクトが特典オブジェクトであるか否かは、抽選によりオブジェクトを取得した時点で決定しており、ゲーム進行中に特典オブジェクトであるか否かが変更されることはない。
【0042】
なお、本実施形態において、オブジェクトの種別は、オブジェクトの名称とランクとの組み合わせにより特定される。即ち、オブジェクト1212の種別識別子1212aは、名称1212bとランク1214aとの組合せに対して一意である。
【0043】
例えば、
図2に示す保有オブジェクト情報121において、レコード「x」は、種別識別子1212aが「013」であって、名称1212bが「AAAA」であって、ランク1214aが「D」である。また、レコード「y」は、種別識別子1212aが「095」であって、名称1212bが「AAAA」であって、ランク1214aが「C」である。このように、名称1212bが共通していても、ランク1214aが異なれば、種別識別子1212aは異なる。
【0044】
また、レコード「x」は、プレイヤー1211が「P11123」である。これは、種別識別子1212aが「013」である種別のオブジェクトが、「P11123」により特定されるプレイヤーにより保有されていることを示す。プレイヤーが同じ種別のオブジェクトを複数有する場合には、同じプレイヤー1211に対して、種別識別子1212aの共通する複数のレコードが関連付けられる。
【0045】
図3は、相性情報122のデータ構造の一例を示す図である。相性情報122は、複数のオブジェクト種別識別子の組合せに対して、相性値が関連付けられた情報である。相性値は、プレイヤーに対してオブジェクトを付与する前に予め定められている。
【0046】
図4は、サーバー装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。サーバー装置100は、演算処理装置141と、主記憶装置142と、記録装置143と、通信装置144とを有し、各構成要素はバスにより接続されている。
【0047】
演算処理装置141は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などの演算ユニットである。主記憶装置142は、例えば、RAM(Random Access Memory)などの記憶装置である。記録装置143は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュROM(Read Only Memory)などの記録装置である。通信装置144は、ネットワークケーブルを介して有線通信を行う通信装置、アンテナを介して無線通信を行う通信装置を含む、情報を送受信する装置である。通信装置144は、通信ネットワークNを介して複数の端末装置200と通信可能に接続されている。
【0048】
例えば、演算処理装置141は、記録装置143に記憶されているゲームプログラム(ゲームに使用するデータを含む)を読み込み、主記憶装置142に展開する。なお、端末装置200には、該プログラムの少なくとも一部を読み込み可能なソフトウェア(例えばアプリケーション、又はWebブラウザ)が予めダウンロードされている。演算処理装置141は、プログラムを実行することで、例えば端末装置200からの入力操作の信号に従ってゲーム進行を制御する。
【0049】
また例えば、演算処理装置141は、ゲーム進行に従ったゲーム画像の内容を決定し、その内容を構成する表示データを生成して端末装置200に送信する。また例えば、演算処理装置141は、ゲーム進行に従ってゲーム音声を決定し、該音声の音声信号を生成して端末装置200に送信する。
【0050】
図1に示した制御部110は、例えば演算処理装置141がゲームプログラムを実行することによって実現される。また、記憶部120は、例えば主記憶装置142又は記録装置143によりその機能が実現される。また、通信部130は、例えば通信装置144によりその機能が実現される。
【0051】
なお、サーバー装置100の各構成要素の処理は、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。また、サーバー装置100の各構成要素の処理は、1つのプログラムで実現されてもよいし、複数のプログラムで実現されてもよい。
【0052】
図5は、抽選処理の一例を示すフローチャートである。本処理開始前に、端末装置200においてゲームを開始する入力操作(例えばログイン要求)を受け付け、サーバー装置100がゲーム開始を許可(例えばログイン許可)し、ゲーム画像及びゲーム音声を端末装置200に送信する。端末装置200において、抽選開始指示の入力操作を受け付けると、本フローチャートの処理が開始される。
【0053】
まず、抽選実行部112が、抽選指示を受け付ける(ステップS11)。具体的には、端末装置200から送信された抽選開始指示の入力操作情報をユーザーインターフェイス制御部114が受け付けると、抽選実行部112は抽選指示を受け付けたものとして、処理をステップS12に移行する。
【0054】
次に、抽選実行部112は、抽選を実行する(ステップS12)。本処理開始前に、記憶部120は、本ゲームシステムのプログラムをダウンロードしている端末装置200に付与可能なオブジェクトを、該オブジェクトの抽選可否、及び抽選確率と関連付けて記憶している。抽選実行部112は、記憶しているオブジェクトの中から、抽選確率に基づいて1つのオブジェクトを選択する。ユーザーインターフェイス制御部114は、選択したオブジェクトが抽選により選択されたことを示すゲーム画面の表示データを生成し、端末装置200に送信する。
【0055】
次に、抽選実行部112は、保有オブジェクト情報121に記憶させる(ステップS13)。具体的には、抽選実行部112は、ステップS12で選択したオブジェクトに関する情報を、抽選を行ったプレイヤーの識別情報と関連付けて、保有オブジェクト情報121に新たなレコードを追加する。制御部110は、その後本フローチャートの処理を終了する。
【0056】
なお、抽選で選択されたオブジェクトが特典オブジェクトである場合、抽選実行部112は、特典フラグ1215に対し特典オブジェクトであることを示す情報を関連付ける。
【0057】
図6は、合成処理の一例を示すフローチャート(その1)である。本処理は、端末装置200において、合成指示受付画面の表示指示の入力操作を受け付けると開始される。
【0058】
まず、ユーザーインターフェイス制御部114は、合成指示受付画面を表示させる(ステップS21)。具体的には、ユーザーインターフェイス制御部114は、合成指示を受け付けるための合成指示受付画面の表示データを、端末装置200に送信する。なお、本実施形態において、合成指示受付画面は、「特技を伝授」、「特技を強化」、「器量を磨く」、及び「覚醒強化」の合成種別の中からいずれか1つの合成種別の選択を受け付けることができる。ユーザーインターフェイス制御部114は、合成指示受付画面に表示された複数の合成種別の中から、いずれか1つの合成種別の選択を受け付ける。
【0059】
次に、合成実行部113は、どの合成種別が選択されたかを判定する(ステップS22)。合成実行部113は、ステップS21において、合成指示受付画面に表示された合成種別の中から、端末装置200により選択された1つの合成種別を特定する。
【0060】
<合成種別:「特技を伝授」>
【0061】
ここで、合成種別が「特技を伝授」である合成を行う場合について説明する。先述したように、「特技を伝授」の合成種別は、合成使用オブジェクトの特技を合成対象オブジェクトに移動させる合成を行うことを示す。
【0062】
選択された合成種別が「特技を伝授」である場合(ステップS22において「特技を伝授」の場合)、使用オブジェクト選択受付部111は、合成対象オブジェクトと合成使用オブジェクトとの選択を受け付ける(ステップS23)。具体的には、使用オブジェクト選択受付部111は、合成の対象となるオブジェクトである合成対象オブジェクトと、合成に使用されるオブジェクトである合成使用オブジェクトとの選択を受け付ける合成実行画面の表示データをユーザーインターフェイス制御部114に生成させ、該画面を端末装置200に表示させる。
【0063】
図9は、合成実行画面210の一例を示す図(その1)である。合成実行画面210は、合成の対象となる種別の選択が可能な合成種別選択タブ211を有する。
図9に示す合成実行画面210は、「特技を伝授」の合成種別が選択された場合の画面例である。
【0064】
合成実行画面210は、合成対象オブジェクト表示領域221と、合成使用オブジェクト表示領域231と、保有オブジェクト表示領域241と、合成指示入力領域251と、仮想通貨用合成指示入力領域252と、成功確率表示領域261と、を有する。
【0065】
合成対象オブジェクト表示領域221は、保有オブジェクト表示領域241に表示された保有オブジェクトの中から選択された、合成対象オブジェクトを表示する領域である。例えば、保有オブジェクト表示領域241に表示された保有オブジェクトを合成対象オブジェクト表示領域221にドラッグすることで、合成対象オブジェクトの選択が可能である。
【0066】
合成対象オブジェクト表示領域221には、
図9に示すように、選択された合成対象オブジェクトの保有する特技及び特技レベルが表示されていてもよい。ユーザーインターフェイス制御部114は、保有オブジェクト情報121を参照し、合成対象オブジェクトとして選択された保有オブジェクトの特技1214b及び特技レベル1214cを用いて、合成対象オブジェクト表示領域221の表示データを生成する。
【0067】
合成使用オブジェクト表示領域231は、保有オブジェクト表示領域241に表示された保有オブジェクトの中から選択された、合成使用オブジェクトを表示する領域である。合成対象オブジェクトの選択と同様に、例えば保有オブジェクト表示領域241に表示された保有オブジェクトを、合成使用オブジェクト表示領域231にドラッグすることで、合成使用オブジェクトの選択が可能である。
【0068】
「特技を伝授」の合成種別は、合成使用オブジェクトの有する特技を合成対象オブジェクトに移動させる種別であるため、合成使用オブジェクト表示領域231は、特技選択領域232を含む。特技選択領域232は、合成使用オブジェクトの有する特技の中から、合成対象オブジェクトに移動させる特技の選択を受け付ける領域である。特技選択領域232は、例えば特技の各々のうち1つの選択を受け付けることができるチェックボックスやラジオボタンを含む。
【0069】
保有オブジェクト表示領域241は、プレイヤーが有する保有オブジェクトの一覧を表示する領域である。合成指示入力領域251は、合成指示の入力操作を受け付ける領域である。本実施形態において、合成指示入力領域251への入力操作により合成を行う場合、仮想通貨は不要である。
【0070】
仮想通貨用合成指示入力領域252は、仮想通貨を使用した合成指示の入力操作を受け付ける領域である。本実施形態では、合成に仮想通貨を用いる方が、合成の成功確率が向上する。成功確率については後述する。
【0071】
成功確率表示領域261は、合成の成功確率を示す数値を表示する領域である。仮想通貨を用いる場合と用いない場合とでは、合成の成功確率が異なる。そのため、成功確率表示領域261には、仮想通貨を用いない場合の成功確率と、仮想通貨を用いる場合の成功確率とを表示することが望ましい。
【0072】
保有オブジェクトのうちいずれかが特典オブジェクトである場合、合成実行画面210は特典表示アイコン271を有する。特典表示アイコン271は、保有オブジェクト表示領域241、合成対象オブジェクト表示領域221、及び合成使用オブジェクト表示領域231に表示される保有オブジェクトの中の、特典オブジェクトを判別可能にするための表示アイコンである。
【0073】
なお、本実施形態において、「特技を伝授」、「特技を強化」及び「器量を磨く」の合成種別では、互いに1つの合成対象オブジェクト及び合成使用オブジェクトの選択が可能であるが、合成対象オブジェクト及び合成使用オブジェクトの選択数はこれに限定されない。
【0074】
説明を
図6に戻す。ステップS23において、使用オブジェクト選択受付部111は、合成対象オブジェクト表示領域221に表示された保有オブジェクトを合成対象オブジェクトに選択されたオブジェクトとして取り扱い、合成使用オブジェクト表示領域231に表示された保有オブジェクトを合成使用オブジェクトに選択されたオブジェクトとして取り扱う。
【0075】
次に、使用オブジェクト選択受付部111は、合成使用オブジェクトの特技の中から合成対象の特技の選択を受け付ける(ステップS24)。具体的には、使用オブジェクト選択受付部111は、特技選択領域232において合成対象の特技の選択を受け付ける。
【0076】
次に、合成実行部113は、特技レベルを用いて成功確率を決定する(ステップS25)。具体的には、記憶部120の図示しない領域に、「特技を伝授」の合成種別における成功確率の基準値が設定されている。基準値は、合成対象の特技の特技レベル毎に設定される。合成実行部113は、ステップS24において選択された特技の特技レベルを参照して、成功確率の基準値を特定する。
【0077】
また、合成実行部113は、保有オブジェクト情報121を参照し、合成対象の特技を有する合成使用オブジェクトのランク1214aを特定し、ランクに対して予め設定されたランク係数を特定する。合成実行部113は、相性情報122を参照し、合成対象オブジェクトと、合成使用オブジェクトとの相性値を特定する。合成実行部113は、基準値に対し、ランク係数と、相性値とを用いることにより、合成パラメーター値である成功確率を算出する。即ち、特技レベルが同じオブジェクトであっても、例えば相性値が高ければ、成功確率が向上する。
【0078】
なお、本算出方法はあくまでも一例であり、合成パラメーター値の算出方法はこれに限定されない。例えば、合成実行部113は、基準値をそのまま成功確率として用いてもよいし、合成対象オブジェクトのランク1214a等の固有パラメーターを用いて合成パラメーター値を算出してもよい。
【0079】
次に、合成実行部113は、合成対象オブジェクト及び合成使用オブジェクトの少なくとも一方が、特典フラグを有するか否かを判定する(ステップS26)。具体的には、合成実行部113は、保有オブジェクト情報121を参照し、合成対象オブジェクトを示すレコードと、合成使用オブジェクトを示すレコードの少なくとも一方の特典フラグ1215が、特典のあることを示す情報であるか否かを判定する。
【0080】
合成実行部113が、合成対象オブジェクト及び合成使用オブジェクトの少なくとも一方が特典フラグを有すると判定する場合(ステップS26で「YES」の場合)、合成実行部113は、成功確率に対して特典係数を用いて新たな成功確率を算出する(ステップS27)。合成実行部113は、ステップS25で決定した成功確率に対し、予め定められた特典係数を用いることにより、新たな成功確率を算出する。
【0081】
例えば、ステップS25で決定した成功確率が「40%」であって、特典係数が「1.5」である場合、合成実行部113は成功確率に特典係数を乗算して、新たな成功確率として「60%」を算出する。なお、「特技を伝授」の合成種別において、成功確率は合成パラメーター値といえる。即ち、合成実行部113は、合成対象オブジェクト又は合成使用オブジェクトの少なくとも一方が特典オブジェクトである場合に、合成パラメーター値を変更するといえる。
【0082】
ステップS27において、新たな成功確率を算出した後、又はステップS26において、合成対象オブジェクト及び合成使用オブジェクトのいずれもが特典フラグを有しない場合(ステップS26で「NO」の場合)、合成実行部113は、合成指示を受け付ける(ステップS28)。具体的には、合成実行部113は、合成指示受付画面のうち、合成指示入力領域251又は仮想通貨用合成指示入力領域252への入力操作を受け付けた場合に、合成指示を受け付けたものとして、処理をステップS29に移行させる。
【0083】
なお、先述したように、合成に仮想通貨を用いる場合、合成の成功確率が向上する。そのため、合成実行部113は、仮想通貨用合成指示入力領域252への入力操作を受け付けた場合には、成功確率に対して所定の便益係数を用いることにより、成功確率が向上するように新たな成功確率を算出する。例えば、便益係数が1.5である場合に、合成実行部113は、成功確率に対し便益係数の1.5を乗じることにより、新たな成功確率を算出する。
【0084】
次に、合成実行部113は、成功確率を用いて合成可否を決定する(ステップS29)。合成実行部113は、算出された成功確率で合成が成功するよう、合成可否を決定する。
【0085】
次に、合成実行部113は、合成の可否を判定する(ステップS30)。合成可能である場合(ステップS30で「YES」の場合)、合成実行部113は、合成対象の特技を合成対象オブジェクトに関連付ける(ステップS31)。具体的には、合成実行部113は、保有オブジェクト情報121を参照し、ステップS23において選択された合成対象オブジェクトの特技1214bに対し、ステップS24において選択を受け付けた特技を関連付ける。
【0086】
ステップS31の処理の終了後、又はステップS30において合成不可である場合(ステップS30で「NO」の場合)、合成実行部113は、合成使用オブジェクトを削除する(ステップS32)。具体的には、合成実行部113は、ステップS23で選択された合成使用オブジェクトを、保有オブジェクト情報121から削除する。制御部110は、その後本フローチャートの処理を終了する。
【0087】
<合成種別:「特技を強化」>
【0088】
次に、合成種別が「特技を強化」である合成を行う場合について説明する。先述したように、「特技を強化」の合成種別は、合成対象オブジェクトと合成使用オブジェクトとで共通する特技を有する場合に、合成対象オブジェクトの特技の特技レベルを向上させる合成を行うことを示す。
【0089】
ステップS22において、選択された合成種別が「特技を伝授」である場合(ステップS22で「特技を強化」の場合)、使用オブジェクト選択受付部111は、処理をステップS33に移行する。本処理は、ステップS23において行われる処理と同様であるため、説明を省略する。
【0090】
次に、使用オブジェクト選択受付部111は、合成対象オブジェクトの特技の中から、合成対象の特技の選択を受け付ける(ステップS34)。合成種別が「特技を強化」である場合の合成実行画面210の合成対象オブジェクト表示領域221には、合成対象オブジェクトの有する特技が選択可能に表示される。使用オブジェクト選択受付部111は、合成対象オブジェクト表示領域221への特技の選択を受け付ける。
【0091】
次に、合成実行部113は、特技レベルを用いて成功確率を決定する(ステップS35)。具体的には、合成種別が「特技を伝授」である場合と同様に、記憶部120の図示しない領域に、「特技を強化」の合成種別における成功確率の基準値が設定されている。基準値は、合成対象の特技の特技レベル毎に設定される。合成実行部113は、ステップS34で選択された特技の特技レベルを参照して、成功確率の基準値を特定する。
【0092】
また、合成実行部113は、保有オブジェクト情報121を参照し、合成対象オブジェクトのランク1214aを特定し、ランクに対して予め設定されたランク係数を特定する。合成実行部113は、基準値に対し、ランク係数や、合成対象オブジェクトと合成使用オブジェクトとの相性値を用いることにより、合成パラメーター値である成功確率を算出する。なお、成功確率の算出方法はこれに限られず、例えば基準値をそのまま成功確率としてもよいし、合成使用オブジェクトのランク1214aにより特定されるランク係数を用いてもよい。
【0093】
ステップS36からステップS40において行われる処理は、ステップS26からステップS30において行われる処理と同様であるため、説明を省略する。
【0094】
ステップS40において合成可能である場合(ステップS40で「YES」の場合)、合成実行部113は、合成対象の特技のレベルを増加させる。具体的には、合成実行部113は、保有オブジェクト情報121を参照し、ステップS34において選択された合成対象オブジェクトの特技の特技レベル1214cを特定する。また、合成実行部113は、合成使用オブジェクトのレコードのうち、選択された特技と関連付けられた特技レベル1214cを特定する。合成実行部113は、合成対象オブジェクトの特技レベルに対し、合成使用オブジェクトの特技レベルを加算することにより、合成対象オブジェクトの特技レベルを増加させる。
【0095】
なお、合成対象オブジェクトの特技レベルの増加方法は、これに限定されない。例えば、合成使用オブジェクトの特技レベルに関わらず、固定値(例えば「1」)を、合成対象オブジェクトの特技レベルに加算してもよい。
【0096】
ステップS42において行われる処理は、ステップS32において行われる処理と同様であるため、説明を省略する。その後、制御部110は本フローチャートの処理を終了する。
【0097】
<合成種別:「器量を磨く」>
【0098】
次に、合成種別が「器量を磨く」である合成を行う場合について説明する。先述したように、「器量を磨く」の合成種別は、合成対象オブジェクトの「修練総合値」を増加させる合成を行うことを示す。ステップS22において、選択された合成種別が「器量を磨く」である場合、合成実行部113は処理を
図7に示すフローチャートに移行する。
【0099】
図7は、合成処理の一例を示すフローチャート(その2)である。ステップS51において行われる処理は、
図6におけるステップS23と同様であるため、説明を省略する。
【0100】
次に、合成実行部113は、相性値を用いて成功確率を決定する(ステップS52)。具体的には、合成実行部113は、相性情報122を参照し、合成対象オブジェクトと合成使用オブジェクトとの相性値を特定する。合成実行部113は、相性値をそのまま成功確率としてもよいし、所定の係数を用いることにより成功確率を算出してもよい。また、合成実行部113は、保有オブジェクト情報121を参照し、合成対象オブジェクトや合成使用オブジェクトのランク1214aを特定し、当該ランクにより決定されるランク係数を用いて成功確率を算出してもよい。
【0101】
ステップS53からステップS57において行われる処理は、ステップS26から30において行われる処理と同様であるため、説明を省略する。
【0102】
次に、合成実行部113は、修練総合値の増加量を決定する(ステップS58)。具体的には、合成実行部113は、固有パラメーターの1つである合成使用オブジェクトのランクに対し予め設定された修練総合値の増加量を決定する。なお、修練総合値の増加量の決定方法はこれに限られず、合成対象オブジェクト及び合成使用オブジェクトの固有パラメーターに関わらず一定であってもよいし、例えば合成使用オブジェクトの修練総合値1214eによって決定してもよい。
【0103】
次に、合成実行部113は、合成対象オブジェクトの修練総合値を増加させる(ステップS59)。合成実行部113は、保有オブジェクト情報121を参照し、合成対象オブジェクトの修練総合値1214eを特定する。合成実行部113は、特定した修練総合値1214eに対し、ステップS58において決定した修練総合値の増加量を加算して、保有オブジェクト情報121を更新する。
【0104】
なお、修練総合値の増加方法は加算に限定されるものではない。例えばステップS58において修練総合値の増加係数を決定し、ステップS59において合成対象オブジェクトの修練総合値に増加係数を乗算してもよい。
【0105】
ステップS60の処理は、
図6のステップS32の処理と同様であるため、説明を省略する。その後、制御部110は本フローチャートの処理を終了する。
【0106】
以上説明したように、「特技を伝授」、「特技を強化」、及び「器量を上げる」の合成種別では、合成対象オブジェクト又は合成使用オブジェクトの少なくとも一方のランク等の固有パラメーターを用いて、成功確率を合成パラメーター値として算出する。また、合成対象オブジェクト及び合成使用オブジェクトの少なくとも一方が特典オブジェクトである場合、特典として成功確率が向上するように算出される。
【0107】
なお、合成種別が「特技を伝授」、「特技を強化」、又は「器量を磨く」である場合において、合成対象オブジェクト及び合成使用オブジェクトの少なくとも一方が特典フラグを含む場合に、特典係数を用いて合成パラメーター値を算出している。この点について、合成対象オブジェクト及び1つ又は複数の合成使用オブジェクトの中の、特典オブジェクトの個数を、合成パラメーター値に反映させてもよい。例えば、合成対象オブジェクト及び合成使用オブジェクトの中の特典オブジェクトの個数が多いほど合成パラメーター値が多く算出されるよう、予め定められた個数係数を用いて、合成パラメーター値を算出する。
【0108】
<合成種別:「覚醒強化」>
【0109】
次に、合成種別が「覚醒強化」である合成を行う場合について説明する。先述したように、「覚醒強化」の合成種別は、合成対象オブジェクトに関連付けられた「経験値」を増加させる合成を行うことを示す。ステップS22において、選択された合成種別が「覚醒強化」である場合、合成実行部113は
図8に示すフローチャートに処理を移行する。
【0110】
図8は、合成処理の一例を示すフローチャート(その3)である。ステップS61において行われる処理は、
図6におけるステップS23と同様であるため、説明を省略する。
【0111】
図10は、合成実行画面210の一例を示す図(その2)である。
図10に示す合成実行画面210は、「覚醒強化」の合成種別が選択された場合の画面例である。以下、
図9に示す合成実行画面210と異なる点について説明する。
【0112】
「覚醒強化」の合成種別における合成実行画面210は、成功確率表示領域261に替わって、経験値表示領域281を有する。経験値表示領域281は、合成後に合成対象オブジェクトが取得する合成パラメーター値である経験値を示す。先述したように、本実施形態において、オブジェクトへの付与が可能な経験値の上限が固有パラメーター及び覚醒レベルにより定められており、経験値が上限に達した場合に、覚醒が可能となる。経験値表示領域281には、合成対象オブジェクトの表示時点での覚醒レベルにおける経験値の上限値と、合成使用オブジェクトとの合成により得られる予定の総経験値とが表示される。
【0113】
なお、合成使用オブジェクトとの合成により得られる総経験値は、保有オブジェクト情報121の経験値1214dと、後述する経験値の増加量とを合算して得られる値である。
【0114】
また、本実施形態において、仮想通貨を利用した場合、経験値の増加量が増す。そのため、経験値表示領域281は、合成指示入力領域251と、仮想通貨用合成指示入力領域252とで、総経験値を区別して表示している。
【0115】
また、「覚醒強化」の合成種別における合成実行画面210は、複数の合成使用オブジェクトを選択可能である。保有オブジェクト表示領域241から合成使用オブジェクト表示領域231へと保有オブジェクトのアイコンを移動させる、即ち保有オブジェクトを合成使用オブジェクトとして選択する度に、経験値表示領域281に表示された経験値に、合成使用オブジェクトの経験値増加量が加算され、経験値表示領域281の表示が変更される。
【0116】
また、経験値が上限に達した場合、合成指示入力領域251において覚醒指示の受付が可能となる。覚醒指示が入力された場合、合成対象オブジェクトの覚醒レベルが向上し、保有オブジェクト情報121における合成対象オブジェクトの覚醒レベル1214fがインクリメントされ、経験値1214dが初期値にリセットされる。
【0117】
説明を
図8に戻す。ステップS62において、合成実行部113は、合成対象オブジェクトのランクを用いて、経験値の増加量を決定する(ステップS62)。具体的には、合成実行部113は、保有オブジェクト情報121を参照し、合成使用オブジェクトのランク1214aを特定する。合成実行部113は、ランクにより予め定められた経験値の増加量を、本処理における増加量に決定する。増加量は、「覚醒強化」の合成種別における合成パラメーター値として取り扱われる。
【0118】
なお、先述したように、合成使用オブジェクトが複数である場合、合成実行部113は合成使用オブジェクト毎に決定した経験値の増加量を加算することにより、経験値の総増加量を決定する。
【0119】
ステップS63で行われる処理は、
図6のステップS26において行われる処理と同様であるため、説明を省略する。
【0120】
合成実行部113が、合成対象オブジェクト及び合成使用オブジェクトの少なくとも一方が特典フラグを有すると判定する場合(ステップS63で「YES」の場合)、合成実行部113は、経験値の増加量に対して特典係数を用いて新たな経験値の増加量を算出する(ステップS64)。具体的には、合成実行部113は、合成使用オブジェクトのうち少なくとも1つが特典オブジェクトである場合、特典フラグを有する合成使用オブジェクトの経験値の増加量に対し、予め定められた特典係数を用いて新たな経験値の増加量を算出する。合成実行部113は、合成使用オブジェクトが複数である場合には、合成使用オブジェクトの経験値の増加量を合算して総増加量を算出する。
【0121】
また、合成実行部113は、合成対象オブジェクトが特典オブジェクトである場合、総増加量に対して特典係数を用いることにより新たな経験値の増加量を決定する。
【0122】
ステップS65の処理は、
図6のステップS28の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0123】
次に、合成実行部113は、合成対象オブジェクトの経験値を増加させる(ステップS66)。具体的には、合成実行部113は、保有オブジェクト情報121を参照し、合成対象オブジェクトの経験値1214dに対して新たな経験値の増加量を用いる(例えば加算する)ことにより、合成対象オブジェクトの経験値を増加させる。
【0124】
ステップS67の処理は、
図6のステップS32の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0125】
以上、本実施形態により、プレイヤーは保有するオブジェクトを合成させて新たな固有パラメーターを有するオブジェクトを生成することができる。また、抽選により取得した特典オブジェクトを用いることにより、有利な固有パラメーターを有する保有オブジェクトの生成を行うことが可能となる。従って、プレイヤーに対して抽選を行うことのインセンティブを与え、新たな面白さを提供することができる。
【0126】
なお、本実施形態では、合成対象オブジェクト及び合成使用オブジェクトの少なくとも一方が特典オブジェクトを有する場合に、特典係数を用いて合成パラメーター値を算出している。上述の例では、特典係数は特典オブジェクトによらず固定値であるが、特典係数は特典オブジェクト毎に定められていてもよく、例えば特技や特技レベル等の固有パラメーター毎に定められていてもよい。この場合、例えば所定値以上のレベルの特典オブジェクトは合成パラメーター値が大きくなるよう特典係数を定めるなど、より細かなゲームバランスの調整を行うことができ、興趣性向上に資する。
【0127】
<第1の変形例>
【0128】
次に、第1の変形例について説明する。以下、上述の実施形態と異なる点について説明する。上述の実施形態では、合成対象オブジェクト及び合成使用オブジェクトの少なくとも1つが特典オブジェクトである場合に、合成パラメーター値を変更した。本変形例では、合成使用オブジェクト及び合成対象オブジェクトが特典オブジェクトでない場合であっても、特典オブジェクトと同じ種別識別子を有するオブジェクトであれば、特典オブジェクトの場合と同様に合成パラメーター値を変更する。
【0129】
例えば
図6において、合成種別が「特技を伝授」の合成を行う例を用いて説明する。ステップS26において、合成実行部113は、保有オブジェクト情報121を参照し、合成使用オブジェクト及び合成対象オブジェクトの種別識別子1212aを特定する。合成実行部113は、特定した種別識別子1212aと同じ種別識別子1212aを有する保有オブジェクトのレコードを抽出する。
【0130】
合成実行部113は、抽出した保有オブジェクトのレコードの特典フラグ1215を参照し、特典を有する情報を含む場合に、処理をステップS27に進める。即ち、特典係数を用いて新たな成功確率が算出される。
【0131】
換言すれば、特典オブジェクトと同じ名称及びランクを有する合成対象オブジェクト又は合成使用オブジェクトについては、特典オブジェクトでなくとも、特典オブジェクトと同様に、特典係数を用いて合成パラメーター値が変更される。これにより、特典オブジェクトに対して付与される特典を、他の保有オブジェクトに対しても享受させることができ、より興趣性が向上する。
【0132】
なお、本変形例では、名称及びランクの組合せに対して一意に付与された種別識別子を用いて、特典オブジェクトと同じ特典を付与すべきオブジェクトであるか否かを判定している。この点について、名称及びランクの組合せを用いる例に限定されない。例えば、合成実行部113は、保有オブジェクト情報121を参照して特典オブジェクトの名称1212bを特定し、同じ名称を有する保有オブジェクトが合成対象オブジェクト又は合成使用オブジェクトである場合に、特典オブジェクトと同様に合成パラメーター値を変更するものであってもよい。
【0133】
また、「特技を伝授」以外の合成種別であっても、「特技を伝授」の合成種別と同様に、特典オブジェクトでない合成使用オブジェクト又は合成対象オブジェクトであっても、種別識別子に基づいて合成パラメーター値を変更させることができる。
【0134】
本変形例により、特典オブジェクトと同様の利点を他の保有オブジェクトに適用することができるため、特典オブジェクトを得ることのインセンティブが向上し、ゲームの興趣性を増すことが可能となる。
【0135】
<第2の変形例>
【0136】
次に、第2の変形例について説明する。以下、上述の実施形態及び第1の変形例と異なる点について説明する。本変形例では、合成対象オブジェクト及び合成使用オブジェクトの少なくとも1つが特典オブジェクトである場合に、該特典オブジェクトと同じ種別識別子を有する保有オブジェクトの数を計上し、計上した数に従って合成パラメーター値を変更する。
【0137】
例えば
図6において、合成種別が「特技を伝授」である合成を行う例を用いて説明する。ステップS27において、合成実行部113は、ステップS26で特典オブジェクトであると判定された保有オブジェクトの種別識別子1212aを特定する。合成実行部113は、保有オブジェクト情報121を参照し、当該種別識別子1212aを有するレコードの数を計上する。
【0138】
合成実行部113は、ステップS25で決定した成功確率(合成パラメーター値)に対し、予め定められた特典係数と、保有オブジェクトの数により特定される所定の係数を用いて、新たな成功確率を算出する。この際、特典オブジェクトと同じ種別識別子を有する保有オブジェクトの数が多いほど、合成パラメーター値が有利になるよう算出される。
【0139】
なお、「特技を伝授」以外の合成種別であっても、「特技を伝授」の合成種別と同様に、特典オブジェクトと同じ種別識別子を有する保有オブジェクトの数を用いて合成パラメーター値を変更させることができる。
【0140】
本変形例では、特典オブジェクトと同じ保有オブジェクトの数が多いほど、ゲーム進行に有利な合成パラメーター値が得られる。従って、特典オブジェクト自体の固有パラメーター以外の要素をゲーム進行に用いることができ、プレイヤーの興味を増すことができる。
【0141】
<第3の変形例>
【0142】
次に、第3の変形例について説明する。以下、上述の実施形態及び変形例と異なる点について説明する。本変形例では、成功確率を合成パラメーター値として算出する場合であって、合成に失敗した場合に、オブジェクトを削除せず、該合成使用オブジェクトを一定の間再度合成対象オブジェクト又は合成使用オブジェクトとして用いることができる。
【0143】
例えば
図6において、合成種別が「特技を伝授」である合成を行う例を用いて説明する。ステップS32において、合成実行部113は、合成使用オブジェクトを削除せず、該合成使用オブジェクトを特定する情報に合成を行った日時のタイムスタンプを付して、記憶部120の図示しない領域に格納する。
【0144】
また、合成実行部113は、付与されたタイムスタンプを定期的に参照し、タイムスタンプの日時から所定期間が経過した保有オブジェクトのレコードについて、保有オブジェクト情報121から削除する。又は、合成実行部113は、タイムスタンプの日時から所定期間が経過した保有オブジェクトのレコードに対し、合成対象オブジェクト又は合成使用オブジェクトとしての選択を受け付けないことを示すフラグを付加する。使用オブジェクト選択受付部111は、該フラグが付加された保有オブジェクトについては、合成対象オブジェクト又は合成使用オブジェクトとしての選択の受付を抑止する。
【0145】
即ち、合成に失敗した合成使用オブジェクトであっても、保有オブジェクト情報121から削除されるまでの所定期間、再度合成対象オブジェクト又は合成使用オブジェクトとして用いることができる。なお、「特技を伝授」の合成種別でない合成を行う場合であっても、同様に所定期間の間合成対象オブジェクト又は合成使用オブジェクトとして用いることができる。
【0146】
本変形例によれば、合成使用オブジェクトがすぐに削除される場合に比べ、合成を行う際のリスクを軽減でき、合成のインセンティブが増加し、ゲームの興趣性が向上する。
【0147】
<第4の変形例>
【0148】
次に、第4の変形例について説明する。以下、上述の実施形態及び変形例と異なる点について説明する。本変形例では、成功確率を合成パラメーター値として算出する場合であって、合成に失敗した場合に、オブジェクトを削除せずに合成の不成功の回数を計上し、不成功の回数が所定数未満であるオブジェクトについては、再度合成対象オブジェクト又は合成使用オブジェクトとして用いることができる。
【0149】
例えば
図6において、合成種別が「特技を伝授」である合成を行う例を用いて説明する。ステップS32において、合成実行部113は、合成使用オブジェクトを削除せず、合成回数を示す値をインクリメントすることにより、不成功の回数を計上して記憶部120の図示しない領域に格納する。
【0150】
また、合成実行部113は、不成功の回数が所定数に達した場合、該オブジェクトを保有オブジェクト情報121から削除する。又は、合成実行部113は、不成功の回数が所定数に達した保有オブジェクトのレコードに対し、合成対象オブジェクト又は合成使用オブジェクトとしての選択を受け付けないことを示すフラグを付加する。使用オブジェクト選択受付部111は、該フラグが付加された保有オブジェクトについては、合成対象オブジェクト又は合成使用オブジェクトとしての選択の受付を抑止する。
【0151】
即ち、合成に失敗した合成使用オブジェクトであっても、不成功の回数が所定数に達するまで、再度合成対象オブジェクト又は合成使用オブジェクトとして用いることができる。なお、「特技を伝授」以外の合成種別の合成を行う場合も同様である。本変形例によれば、合成使用オブジェクトが一度の不成功で削除される場合に比べ、合成を行う際のリスクを軽減することができ、合成のインセンティブ増加による興趣性向上に資する。
【0152】
なお、
図1で示したサーバー装置100の構成は、サーバー装置100及びゲームプログラムの構成を理解容易にするために、主な処理内容に基づいて分類したものである。構成要素の分類の仕方や名称によって、本発明が制限されることはない。サーバー装置100及びゲームプログラムの構成は、処理内容に基づいて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。また、各構成要素の処理又は機能の分担は、本発明の目的及び効果を達成できるのであれば、図示したものに限られない。また、
図4で示したサーバー装置100のハードウェア構成は、本発明の目的及び効果を達成できるのであれば、図示したものに限られない。
【0153】
また、
図5、
図6、
図7、及び
図8等で示したフローチャートの処理単位は、サーバー装置100及びゲームプログラムの処理を理解容易にするために、主な処理内容に基づいて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって、本発明が制限されることはない。サーバー装置100及びゲームプログラムの処理は、処理内容に基づいて、さらに多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位がさらに多くの処理を含むように分割することもできる。さらに、本発明の目的及び効果を達成できるのであれば、上記のフローチャートの処理順序も、図示した例に限られるものではない。また、
図9及び
図10に示したゲーム画像は、本発明の目的及び効果を達成できるのであれば、図示した構成態様に限られない。
【0154】
また、本発明は、サーバー装置に限らず、据え置きの家庭用ゲーム機、携帯型ゲーム機、アーケードゲーム機等のゲーム機にも適用することができるし、PC、スマートフォン等の汎用的なコンピューターにも適用することができる。また、本発明は、単独のサーバー装置によってゲームプログラムが実行される場合に限らず、複数のサーバー装置によってゲームプログラムが実行される場合にも適用できる。
【0155】
また、本発明は、ゲームプログラムだけでなく、当該ゲームプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体、当該ゲームプログラムを実行するゲーム装置あるいはコンピューター、ゲーム進行制御方法、などの様々な態様で提供することができる。
【符号の説明】
【0156】
100:サーバー装置、110:制御部、111:使用オブジェクト選択受付部、112:抽選実行部、113:合成実行部、114:ユーザーインターフェイス制御部、120:記憶部、121:保有オブジェクト情報、122:相性情報、130:通信部、141:演算処理装置、142:主記憶装置、143:記録装置、144:通信装置、200:端末装置、210:合成実行画面、211:合成種別選択タブ、221:合成対象オブジェクト表示領域、231:合成使用オブジェクト表示領域、232:特技選択領域、241:保有オブジェクト表示領域、251:合成指示入力領域、252:仮想通貨用合成指示入力領域、261:成功確率表示領域、271:特典表示アイコン、281;経験値表示領域