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特許7182890インホイールモータ駆動装置とサスペンション装置の連結構造
<図1>
  • 特許-インホイールモータ駆動装置とサスペンション装置の連結構造 図1
  • 特許-インホイールモータ駆動装置とサスペンション装置の連結構造 図2
  • 特許-インホイールモータ駆動装置とサスペンション装置の連結構造 図3
  • 特許-インホイールモータ駆動装置とサスペンション装置の連結構造 図4
  • 特許-インホイールモータ駆動装置とサスペンション装置の連結構造 図5
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  • 特許-インホイールモータ駆動装置とサスペンション装置の連結構造 図7
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  • 特許-インホイールモータ駆動装置とサスペンション装置の連結構造 図9
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-25
(45)【発行日】2022-12-05
(54)【発明の名称】インホイールモータ駆動装置とサスペンション装置の連結構造
(51)【国際特許分類】
   B60K 7/00 20060101AFI20221128BHJP
   B60G 3/28 20060101ALI20221128BHJP
   F16C 11/06 20060101ALI20221128BHJP
【FI】
B60K7/00
B60G3/28
F16C11/06 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018065308
(22)【出願日】2018-03-29
(65)【公開番号】P2019172194
(43)【公開日】2019-10-10
【審査請求日】2021-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000102692
【氏名又は名称】NTN株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹内 直哉
(72)【発明者】
【氏名】田村 四郎
(72)【発明者】
【氏名】太向 真也
【審査官】中島 昭浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-165279(JP,A)
【文献】特開2016-068602(JP,A)
【文献】特開平03-075329(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 7/00
B60G 1/00 - 99/00
F16C 11/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インホイールモータ駆動装置の外郭をなすケーシングに固定される部材であり、車輪ホイールの内空領域において前記ケーシングの表面との間に上下方向隙間をあけて配置される連結部を含む、ブラケットと、
車体側メンバに変位可能に連結されるサスペンション部材と、
前記ブラケットの前記連結部を前記サスペンション部材に連結するボールジョイントとを備え、
前記ボールジョイントは、上下方向に延びるスタッド、前記スタッドの端部に設けられるボール、前記ボールを包み込むソケットを有し、
前記ブラケットの前記連結部は、上方開口、下方開口、前記上方開口と前記下方開口を接続する空間であって前記ソケットの外側面を保持する内部空間、前記内部空間と連通、上下方向に貫通して延びるスリット、および前記スリットを縮めて前記ソケットを前記ブラケットに固定する固定手段を有し、
前記上方開口および前記下方開口のいずれか一方から前記スタッドが突出し、残る他方は前記ケーシング表面と対面する、インホイールモータ駆動装置とサスペンション装置の連結構造。
【請求項2】
前記固定手段は、前記スリットを介して対面する1対のブラケット部分に形成されて前記スリットと交差して延びる通孔、軸部が前記通孔に通されて頭部が前記1対のブラケット部分の一方に係止されるボルト、および前記1対のブラケット部分の他方に設けられて前記ボルトの軸部と螺合する雌ねじ部を有する、請求項1に記載のインホイールモータ駆動装置とサスペンション装置の連結構造。
【請求項3】
前記通孔は前記内部空間と前記スリットの接続箇所を貫通して延び、
前記ソケットの外側面には凹部が形成され、
前記ボルトの軸部は前記凹部と係合する、請求項2に記載のインホイールモータ駆動装置とサスペンション装置の連結構造。
【請求項4】
前記連結部は下端部であり、
前記サスペンション部材は、前記インホイールモータ駆動装置の下側に配置されて上下方向に揺動可能なロアアームである、請求項1~3のいずれかに記載のインホイールモータ駆動装置とサスペンション装置の連結構造。
【請求項5】
前記ブラケットはアルミニウムを主成分とする鋳造製である、請求項1~4のいずれかに記載のインホイールモータ駆動装置とサスペンション装置の連結構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輪内部に配置されて該車輪を駆動するインホイールモータ駆動装置と、インホイールモータ駆動装置を車体に連結するサスペンション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インホイールモータとサスペンションの連結構造としては従来、例えば、特開2017-165279号公報(特許文献1)、および中華人民共和国特許出願公開明細書CN106926656A(特許文献2)に記載のものが知られている。特許文献1および特許文献2に記載される連結構造は、インホイールモータに取付固定されて上下方向に延びるキャリアと、インホイールモータよりも下方に配置されるロアアームと、ロアアームをキャリアに連結するボールジョイントとを備える。
【0003】
ボールジョイントは、摺動可能に連結されるボールおよびソケットと、ボールと結合するスタッドを有する。スタッドはロアアームの車幅方向外側端に固定される。ソケットはキャリア下端に固定される。ソケットの固定構造は特許文献2に記載されている。
【0004】
図8は、特許文献2に記載される従来のインホイールモータ7およびロアアーム6の連結状態を示す斜視図である。インホイールモータ7のケーシングにはキャリア2が固定される。図9は、特許文献2に記載される従来のソケットの固定構造を拡大して示す断面図であり、図8中、一点鎖線の丸囲み部分に対応する。図9に示すようにボールジョイントのボールスタッド5は、ボールを上側にし、スタッドを下側にして、当該スタッドがロアアーム6の車幅方向外側端に固定される。
【0005】
ボールジョイントのソケットは、3本のボルト8でキャリア2下端に固定される。3本のボルト8のうち2本は、図8に表される。1本のボルト8は図9に拡大して表される。各ボルト8は頭部を下側にされて軸部が上方に延び、当該軸部がキャリア2に形成される雌ねじに螺合する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2017-165279号公報
【文献】中華人民共和国特許出願公開明細書CN106926656A 段落0015
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記従来のような固定構造にあっては、以下に説明するような問題を生ずる。
つまりボルトの頭部がボールと同じ高さ位置に配置され、ボルトの軸部が頭部よりも上側に延びる。このためボール中心からボルト上端までの上下方向寸法Leのスペースをインホイールモータ7よりも下方に確保する必要がある。インホイールモータ7が配置される車輪ホイールの内空領域は狭小であるところ、上記従来の固定構造によって寸法Leのスペースが占有されてしまうと、残りのスペースにインホイールモータ7を設置しなければならず、必要な寸法のインホイールモータを車輪ホイールの内空領域に配置できない等、インホイールモータの制約が大きくなってしまう。そこで固定構造の省スペース化が望まれる。
【0008】
また上記従来のような固定構造にあっては図8に示すように、車軸を表す軸線Oからボール中心までの距離Lfが大きくなってしまいサスペンション特性が低下してしまう。
【0009】
また上記従来のような固定構造にあっては図9に示すように、タップ加工によりキャリア2にねじ孔を形成してボルト8をねじ込む。このため軽量化を目的としてキャリア2をアルミニウム鋳造物にする場合、キャリア2のねじ山の強度を充分に確保できない虞がある。この理由として、キャリア2に含まれる鋳巣によってねじ山が欠損することと、車両メインテナンスによるボルト8の脱着の繰り返しによるねじ山の経時的な欠損が懸念されるためである。そこで固定構造の強度および耐久性の向上が望まれる。
【0010】
かといってねじ山の欠損をねじ山の数で補う場合、キャリア2のねじ孔の長さが長くなってボール中心からボルト上端までの上下方向寸法Leが益々大きくなってしまう。そうすると上述したようにインホイールモータの直径が益々小さくなって出力が減少し、サスペンション特性が益々低下してしまう。
【0011】
本発明は、上述の実情に鑑み、省スペース化を図り、サスペンション特性、強度、および耐久性を向上することができるインホイールモータとサスペンションの連結構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的のため本発明によるインホイールモータ駆動装置とサスペンション装置の連結構造は、インホイールモータ駆動装置に設けられるブラケットと、車体側メンバに変位可能に連結されるサスペンション部材と、ブラケットをサスペンション部材に連結するボールジョイントとを備える。かかるボールジョイントは、上下方向に延びるスタッド、当該スタッドの端部に設けられるボール、当該ボールを包み込むソケットを有する。インホイールモータ駆動装置に設けられるブラケットは、上方開口、下方開口、これら上方開口と下方開口を接続する空間であってソケットの外側面を保持する内部空間、内部空間と接続するスリット、およびスリットを縮めてソケットをブラケットに固定する固定手段を有する。そして上方開口および下方開口のいずれか一方からスタッドが突出し、残る他方はインホイールモータ駆動装置のケーシング表面と対面する。
【0013】
かかる本発明の連結構造によれば、従来のように上下方向に延びるねじ孔をブラケットに設ける必要が無くなる。したがってブラケットの上下方向寸法を従来よりも小さくして連結構造の省スペース化を図ることができる。また連結箇所の強度および耐久性が向上する。またインホイールモータ駆動装置の直径を大きくして出力を増大させることができる。あるいはボール中心を車軸に近づけてサスペンション特性を向上させることができる。
【0014】
固定手段の構造は特に限定されない。本発明の一局面として固定手段は、ブラケットのスリットを介して対面する1対のブラケット部分に形成されてスリットと交差して延びる通孔、軸部が通孔に通されて頭部が1対のブラケット部分の一方に係止されるボルト、および1対のブラケット部分の他方に設けられてボルトの軸部と螺合する雌ねじ部を有する。かかる局面によれば、スリットを介して水平方向に対面する1対のブラケット部分の一方および他方にボルト頭部と雌ねじ部を設けることから、ブラケットの上下方向寸法を従来よりも小さくすることができる。雌ねじ部は例えばナットであり、当該ナットは1対のブラケット部分の他方に係止される。
【0015】
通孔の配置は特に限定されない。本発明の好ましい局面として、通孔はブラケットの内部空間とスリットの接続箇所を貫通して延び、ソケットの外側面には凹部が形成され、ボルトの軸部はソケットの凹部と係合する。かかる局面によれば、ソケットが内部空間の上方開口および下方開口から抜け出すことを防止できる。
【0016】
サスペンション部材はサスペンション装置からみてバネ下部材(車輪側メンバ)とばね上部材(車体側メンバ)を連結する可動部材であれば特に限定されない。本発明のさらに好ましい局面としてサスペンション部材は、インホイールモータ駆動装置の下側に配置されて上下方向に揺動可能なロアアームである。かかる局面によれば、ボール中心が転舵軸線を規定するサスペンション装置において、サスペンション特性が向上する。他の局面としてサスペンション部材は、インホイールモータ駆動装置の上側に配置されて上下方向に揺動可能なアッパアームである。
【0017】
ブラケットの材質は特に限定されない。本発明の一局面として、ブラケットはアルミニウムを主成分とする鋳造製である。かかる局面によれば、ブラケットの軽量化および低コスト化を図ることができる。他の局面としてブラケットは、アルミニウム以外の金属製であってもよいし、あるいは鍛造製であってもよい。
【発明の効果】
【0018】
このように本発明によれば、従来よりもインホイールモータ駆動装置とサスペンション装置の連結構造が省スペース化され、インホイールモータ駆動装置の外径を大きくすることができ、あるいはボール中心を車軸に近づけてサスペンション特性を向上させることができる。また連結構造の強度および耐久性が向上する。またブラケットの軽量化および低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】インホイールモータ駆動装置を示す展開断面図である。
図2】本発明の一実施形態になるインホイールモータ駆動装置とサスペンション装置の連結構造を示す模式図である。
図3】インホイールモータ駆動装置の懸架ブラケットを示す模式図である。
図4】本発明の一実施形態になるインホイールモータ駆動装置とサスペンション装置の連結構造を示す模式図である。
図5】同実施形態の連結構造を示す縦断面図である。
図6】同実施形態の連結構造を示す横断面図である。
図7】対比例のインホイールモータ駆動装置とサスペンション装置の連結構造を示す模式図である。
図8】従来のインホイールモータおよびロアアームの連結状態を示す斜視図である。
図9図8のソケット固定構造を拡大して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。図1は、インホイールモータ駆動装置を示す展開断面図である。図2は、本発明の一実施形態になるインホイールモータ駆動装置とサスペンション装置の連結構造を示す模式図であり、車軸方向にみてインホイールモータ駆動装置の内部を仮想線で表す。図1に示すように、インホイールモータ駆動装置10は、車輪の中心に設けられる車輪ハブ軸受部11と、車輪を駆動するモータ部21と、モータ部21の回転を減速して車輪ハブ軸受部11に伝達する減速部31とを備える。モータ部21および減速部31は、車輪ハブ軸受部11の軸線Oからオフセットして配置される。軸線Oは車幅方向に延び、車軸に一致する。軸線O方向位置に関し、車輪ハブ軸受部11はインホイールモータ駆動装置10の軸線方向一方(アウトボード側)に配置され、モータ部21はインホイールモータ駆動装置10の軸線方向他方(インボード側)に配置され、減速部31はモータ部21よりも軸線方向一方に配置され、減速部31の軸線方向位置が車輪ハブ軸受部11の軸線方向位置と重なる。
【0021】
車輪は、図2に示す車輪ホイールWの外周にタイヤ(図略)を装着したものである。インホイールモータ駆動装置10は車輪ホイールWの内空領域に配置される。車輪ハブ軸受部11および減速部31は車輪ホイールWの内空領域に収容される。モータ部21は車輪ホイールWの内空領域から軸線方向他方(インボード側)に突出するが、図示しない変形例としてモータ部21は車輪ホイールWの内空領域に収容されてもよい。
【0022】
車輪ハブ軸受部11は、回転内輪・固定外輪とされ、車輪ホイールWと結合する回転輪(ハブ輪)としての内輪12と、内輪12の外径側に同軸に配置される固定輪としての外輪13と、内輪12と外輪13との間の環状空間に配置される複数の転動体14を有する。
【0023】
外輪13は、ボルト等の結合手段によって、減速部31の本体ケーシング39の正面部分39fに取付固定される。正面部分39fは、本体ケーシング39のうち減速部31の軸線O方向一方端を覆うケーシング壁部である。
【0024】
モータ部21は、モータ回転軸22、ロータ23、ステータ24、およびモータケーシング29を有し、この順序でモータ部21の軸線Mから外径側へ順次配置される。モータ部21は、インナロータ、アウタステータ形式のラジアルギャップモータであるが、他の形式の電動モータであってもよい。例えば図示しなかったがモータ部21はアキシャルギャップモータであってもよい。モータケーシング29はステータ24の外周を包囲する。モータケーシング29の軸線M方向一方端は、減速部31の本体ケーシング39の背面部分39bと結合する。モータケーシング29の軸線M方向他方端は、板状のモータケーシングカバー29vで封止される。背面部分39bは、本体ケーシング39のうち減速部31の軸線O方向他方端を覆うケーシング壁部である。
【0025】
本体ケーシング39、モータケーシング29、およびモータケーシングカバー29vは、インホイールモータ駆動装置10の外郭をなすケーシングを構成し、単にケーシングともいう。このケーシングはアルミニウム、あるいはアルミニウム合金製である。
【0026】
モータ回転軸22の両端部は、転がり軸受27,28を介して、本体ケーシング39の背面部分39bと、モータ部21のモータケーシングカバー29vに回転自在にそれぞれ支持される。
【0027】
モータ回転軸22およびロータ23の回転中心になる軸線Mは、車輪ハブ軸受部11の軸線Oと平行に延びる。つまりモータ部21は、車輪ハブ軸受部11の軸線Oから離れるようオフセットして配置される。例えば図2に示すようにモータ部の軸線Mは、軸線Oから車両前後方向にオフセットして、具体的には軸線Oよりも車両前方、に配置される。
【0028】
減速部31は、図1に示すようにモータ部21のモータ回転軸22と同軸に結合する入力軸32と、入力軸32の外周面に同軸に設けられる入力歯車33と、複数の中間歯車34,36と、これら中間歯車34,36の中心と結合する中間軸35と、車輪ハブ軸受部11の内輪12に連結される出力軸38と、出力軸38の外周面に同軸に設けられる出力歯車37と、これら複数の歯車および回転軸を収容する本体ケーシング39を有する。本体ケーシング39は減速部31の外郭をなすことから減速部ケーシングともいう。
【0029】
入力歯車33は外歯のはすば歯車である。入力軸32は中空構造であり、入力軸32の中空孔32hにモータ回転軸22の軸線方向一方端部22eが差し込まれて相対回転不可能にスプライン嵌合(セレーションも含む、以下同じ)する。入力軸32は入力歯車33の両端側で、転がり軸受32a,32bを介して、本体ケーシング39の正面部分39fおよび背面部分39bに回転自在にそれぞれ支持される。
【0030】
減速部31の中間軸35の回転中心になる軸線Nは軸線Oと平行に延びる。中間軸35の両端は、転がり軸受35a,35bを介して、本体ケーシング39の正面部分39fおよび背面部分39bに回転自在に支持される。中間軸35の軸線N方向他方端部には、第1中間歯車34が同軸に設けられる。中間軸35の軸線N方向中央領域には、第2中間歯車36が同軸に設けられる。
【0031】
第1中間歯車34および第2中間歯車36は、外歯のはすば歯車であり、第1中間歯車34の径が第2中間歯車36の径よりも大きい。大径の第1中間歯車34は、第2中間歯車36よりも軸線N方向他方側に配置されて、小径の入力歯車33と噛合する。小径の第2中間歯車36は、第1中間歯車34よりも軸線N方向一方側に配置されて、大径の出力歯車37と噛合する。
【0032】
中間軸35の軸線Nは、図2に示すように、軸線Oおよび軸線Mよりも上方に配置される。また中間軸35の軸線Nは、軸線Oよりも車両前方、軸線Mよりも車両後方に配置される。減速部31は、車両前後方向に間隔を空けて配置されて互いに平行に延びる軸線O,N,Mを有する3軸の平行軸歯車減速機であり、2段階で減速される。なお図示しない変形例として減速部31は、複数の中間軸を有する多段階の平行軸歯車減速機であってもよい。
【0033】
説明を図1に戻すと出力歯車37は外歯のはすば歯車であり、出力軸38の軸線O中央部に同軸に設けられる。出力軸38は軸線Oに沿って延びる。出力軸38の軸線O方向一方端部は、内輪12の中心孔に差し込まれて相対回転不可能に嵌合する。出力軸38の軸線O方向中央部は、内輪12の軸線O方向他方端部によりも外径側で転がり軸受38aを介して、本体ケーシング39の正面部分39fに回転自在に支持される。出力軸38の軸線O方向他方端部は、転がり軸受38bを介して、本体ケーシング39の背面部分39bに回転自在に支持される。
【0034】
図1に示すように減速部31は、小径の駆動歯車と大径の従動歯車の噛合、即ち入力歯車33と第1中間歯車34の噛合、また第2中間歯車36と出力歯車37の噛合、により入力軸32の回転を減速して出力軸38に伝達する。減速部31の入力軸32から出力軸38までの回転要素は、モータ部21の回転を車輪ハブ軸受部11の内輪12に伝達する駆動伝達経路を構成する。
【0035】
本体ケーシング39は、これまで説明した正面部分39fおよび背面部分39bの他、筒状部分を含む。当該筒状部分は、互いに平行に延びる軸線O、N、Mを取り囲むように減速部31の内部部品を覆う。板状の正面部分39fは、減速部31の内部部品を軸線方向一方側から覆い、筒状部分の一方端と結合する。板状の背面部分39bは、減速部31の内部部品を軸線方向他方側から覆い、筒状部分の他方端と結合する。本体ケーシング39の背面部分39bは、モータケーシング29と結合し、減速部31の内部空間およびモータ部21の内部空間を仕切る隔壁でもある。モータケーシング29は本体ケーシング39に支持されて、本体ケーシング39から軸線方向他方側へ突出する。
【0036】
本体ケーシング39は、減速部31の内部空間を区画し、減速部31の全ての回転要素(回転軸および歯車)を内部空間に収容する。図2に示すように本体ケーシング39の下部は、オイル貯留部39tとされる。オイル貯留部39tの高さ位置はモータ部21の下部の高さ位置と重なる。本体ケーシング39の内部空間の下部を占めるオイル貯留部39tには、モータ部21および減速部31を潤滑する潤滑油が貯留する。
【0037】
入力軸32と、中間軸35と、出力軸38は、上述した転がり軸受によって両持ち支持される。これらの転がり軸受32a,35a,38a,32b,35b,38bはラジアル軸受である。
【0038】
インホイールモータ駆動装置10外部からモータ部21に電力が供給されると、モータ部21のロータ23が回転し、モータ回転軸22から減速部31に回転を出力する。減速部31はモータ部21から入力軸32に入力された回転を減速し、出力軸38から車輪ハブ軸受部11へ出力する。車輪ハブ軸受部11の内輪12は、出力軸38と同じ回転数で回転し、内輪12に取付固定される車輪ホイールWを駆動する。
【0039】
図3はインホイールモータ駆動装置をサスペンション装置に取り付ける懸架ブラケットを示す模式図であり、車両前後方向にみた状態を表す。本体ケーシング39の外壁面には懸架ブラケット17が固定される。図2を参照して車両前後方向に関し、懸架ブラケット17は、モータ部21とは反対側、具体的には車両後方、にオフセットして配置される。
【0040】
図3に示すように懸架ブラケット17は上下方向に延びる。懸架ブラケット17の上端部17bは、減速部31よりも車幅方向内方に配置され、車輪ホイールWの内空領域からはみ出す。また上端部17bは、モータ部21よりも車両後方に配置される。また上端部17bは、インホイールモータ駆動装置10の上部に配置されるが、減速部31の上部よりも低い位置とされる。上端部17bは、ボルト18等の固定手段によってストラット41の下端部に固定される。
【0041】
サスペンション装置のばね下荷重を低減するため、懸架ブラケット17はアルミニウム製、あるいは他の軽金属製であることが好ましい。また懸架ブラケット17はアルミニウム鋳物であってもよい。
【0042】
ストラット41は、上下方向に延びるサスペンション部材であり、具体的にはダンパ等の減衰手段およびコイルスプリング等の弾性手段を組み合わせたショックアブソーバである。サスペンション部材からみてばね下に取り付けられるインホイールモータ駆動装置10が上下方向にバウンドおよびリバウンドすると、ストラット41が上下方向に伸縮して、インホイールモータ駆動装置10のバウンドおよびリバウンドを減衰させる。
【0043】
懸架ブラケット17の上下方向中央部17cにはタイロッドアーム19が設けられる。タイロッドアーム19は懸架ブラケット17から車両前後方向に突出する。タイロッドアーム19の先端部は図示しない操舵装置のタイロッドに連結される。
【0044】
懸架ブラケット17の下端部17dは、減速部31よりも下方に配置され、車輪ホイールWの内空領域に収容される。図2を参照して下端部17dは、本体ケーシング39との間に上下方向隙間Gを構成する。また下端部17dの高さ位置は、オイル貯留部39tの高さ位置と重なる。下端部17dはボールジョイント51を介して、ロアアーム42に連結される。ボールジョイント51のボール53の中心と、ストラット41の上端を結ぶ直線は転舵軸線Kを構成する。インホイールモータ駆動装置10は車輪Wとともに転舵軸線K回りに転舵可能である。ボール53の中心はハードポイントともいう。
【0045】
ロアアーム42は、インホイールモータ駆動装置10および懸架ブラケット17よりも下方で車幅方向に延びるサスペンション部材であり、車幅方向内側端43,44および車幅方向外側端45を有する。車幅方向内側端43,44は図示しない車体側メンバに枢軸を介して連結される。車幅方向外側端45は、下端部17dの直下に配置され、ボールジョイント51のスタッド52と結合する。なお図2ではロアアーム42を線図で簡略化して表す。
【0046】
ロアアーム42は、車幅方向内側端43,44を基端とし、車幅方向外側端45を遊端として、上下方向に揺動可能である。これによりサスペンション部材からみてばね下に取り付けられるインホイールモータ駆動装置10が上下方向にバウンドおよびリバウンド可能とされる。
【0047】
ロアアーム42およびストラット41はサスペンション装置を構成する。本実施形態はストラット式サスペンション装置である。なお車体側メンバとは、説明する部材からみて車体側に取り付けられる部材をいう。
【0048】
次に懸架ブラケット17とロアアーム42の連結構造を詳細に説明する。
【0049】
図4は本発明の一実施形態になるインホイールモータ駆動装置とサスペンション装置の連結構造を示す模式図であり、図2のボールジョイント51周辺を拡大したものである。図5は同実施形態の連結構造を示す縦断面図であり、図2のボールジョイント51周辺を拡大したものである。図6は、同実施形態の連結構造を示す横断面図であり、図4および図5に示すA-A平面で同実施形態を切断した切断面を表す。ボールジョイント51は、上下方向に延びるスタッド52、スタッド52の端部に設けられるボール53、ボール53と連結するソケット54を有する。
【0050】
本実施形態のスタッド52は上下方向に延び、上端でボール53と連結する。スタッド52およびボール53は一部材であることからボールスタッドともいう。スタッド52の下端部は、ロアアーム42の車幅方向外側端45に形成されて上下方向に延びる貫通孔に通され、車幅方向外側端45から下側へ突出する。かかる突出部の外周には雄ねじが形成され、ナット55と螺合する。ナット55等の固定手段によってスタッド52は車幅方向外側端45に固定される。ナット55と下端部17dの下面の間にはワッシャ61を介在させるとよい。
【0051】
ソケット54は、ボール53を包み込む球状凹部54qを中心に有する。球状凹部54qはソケット54の下面で開口を伴う。球状凹部54qの開口の内径は、ボール53の外径よりも小さい。このためボール53が球状凹部54qから抜け出すことはない。スタッド52は球状凹部54qの開口から下方へ突出する。ボール53はソケット54内で摺動可能であり、ソケット54からみてスタッド52の姿勢がユニバーサルな方向に無段階に変化する。
【0052】
懸架ブラケット17の下端部17dは、内部空間56を区画する。内部空間56は下端部17dを貫通して上下方向に延びる丸孔である。このため内部空間56は、上方開口56b、下方開口56cを含み、上方開口56bと下方開口56cを接続する空間である。内部空間56はソケット54を収容する。内部空間56を区画する下端部17dの内側面はソケット54の外側面と接触する。かかる接触は緩い嵌合であってもよいし、あるいは圧入であってもよい。図6に示すように内部空間56の内側面およびソケット54の外側面は円形断面である。なお内部空間56の内側面は図4および図5を参照して円筒面である。図示しない変形例として、内部空間56の内側面は円錐面であってもよい。スタッド52は下方開口56cから突出する。上方開口56bはインホイールモータ駆動装置10下部の本体ケーシング39表面と対面する(図2)。
【0053】
下端部17dの上面および内部空間56に収容されたソケット54は、図2に示すように上下方向隙間Gを介してインホイールモータ駆動装置10の下部表面と対面する。下部表面は具体的には本体ケーシング39の表面である。これにより下端部17dと本体ケーシング39の間には上下方向隙間Gのクリアランスが確保される。
【0054】
ソケット54の下部には突起54pが形成される。突起54pは例えば小フランジであり、ソケット54の下面と面一に形成される。突起54pは下端部17dの下面と接触する。これによりソケット54は内部空間56が上方へ抜け出すことを規制される。
【0055】
下端部17dと車幅方向外側端45は上下方向に間隔を空けて配置され、これらの間にはスタッド52が架設される。スタッド52は下端部17dと車幅方向外側端45の間で蛇腹状のラバーブーツ57で包囲される。ラバーブーツ57の一端はソケット54の下面と接続し、ボール53を密封する。ラバーブーツ57の他端は車幅方向外側端45と接続し、スタッド52を密封する。これによりボール53およびスタッド52は外部の異物から保護される。
【0056】
図6に示すように下端部17dには、スリット58が形成される。スリット58は、下端部17dの外側面17fと内部空間56を接続する、水平方向(車両前後方向)に開いた隙間である。下端部17dは、スリット58を介して対面する1対のブラケット部分17g,17jを含む。
【0057】
1対のブラケット部分17g,17jには通孔17hが形成される。通孔17hは一方のブラケット部分17gから他方のブラケット部分17jまで水平方向(車両前後方向)に真っ直ぐ延びる貫通孔であり、スリット58と交差する。通孔17hは、下端部17dの上下方向中央領域に配置される。通孔17hにはボルト59が通される。
【0058】
ボルト59はスリット58と交差して延びる。ボルト59の頭部は一方のブラケット部分17gの外側面に係止される。ボルト59の軸部は他方のブラケット部分17jの外側面から突出する。他方のブラケット部分17jから突出するボルト59の先端部にはナット60が螺合する。
【0059】
通孔17h、ボルト59、およびナット60はソケット54を懸架ブラケット17に固定するための固定手段を構成する。ボルト59およびナット60を締め付けるとスリット58が縮まり、内部空間56を区画する下端部17dの内側面がソケット54の外側面を緊縛する。これによりソケット54は下端部17dに固定される。
【0060】
通孔17hは、スリット58と内部空間56の接続箇所を貫通して延びる。このため通孔17hは、スリット58と内部空間56の双方と接続する。なお図示しない変形例として通孔17hは、スリット58のみと接続する貫通孔であってもよい。
【0061】
ソケット54の外側面には全周に亘って延びる周溝54gが形成される。周溝54gは、半円形状の断面とされ、ボルト59の軸部が周溝54gに係合する。図示しない変形例として周溝54gはソケット54の周方向一部のみに形成される凹部であってもよい。
【0062】
図2を参照して本実施形態によれば、スタッド52がインホイールモータ駆動装置10の軸線O(車軸)から遠くなり、ボール53が軸線Oに近くなるよう、ボールスタッドを上下方向に延びる姿勢で配置する。そしてボール53を包み込むソケット54をインホイールモータ駆動装置10の懸架ブラケット17に固定し、スタッド52をサスペンション装置のロアアーム42に固定する。さらに懸架ブラケット17とソケット54の固定は、スリット58を水平方向に縮めてソケット54を緊縛することにより実現する。これにより懸架ブラケット17とソケット54の固定手段は、ソケット54の上下方向寸法で足り、ボール53から上下方向に突出することがない。したがってボール53の中心を軸線Oに近づけることができる。
【0063】
図2中、本実施形態の軸線Oから本体ケーシング39の下部表面までの寸法Lrと、上下方向隙間Gの隙間幅Lgと、下端部17d上面からボール53の中心までの寸法Ldと、軸線Oからボール53の中心までの距離Lbは以下の式1で表される。
【0064】
[式1]
Lr+Lg+Ld=Lb
【0065】
図7は、対比例のインホイールモータ駆動装置とサスペンション装置の連結構造を示す模式図であり、図2と同様、車軸方向にみた状態を表す。対比例につき、前述した実施形態と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について以下に説明する。
【0066】
図7の対比例では、上述したスリット58に代えて、ソケット54にフランジ54fを形成する。フランジ54fは上下方向の厚みを有する環状プレートである。フランジ54fには周方向に間隔を空けて板厚方向に貫通する孔を形成する。また下端部17dの下面には上方に延びるねじ孔17nが複数穿設される。ねじ孔17nの配置は、フランジ54fの貫通孔に対応する。そしてボルト54bがフランジ54fの貫通孔を貫通してねじ孔17nに螺合する。これによりソケット54は下端部17dに固定される。
【0067】
下端部17dの上下方向寸法はねじ孔17nの長さよりも大きい。ソケット54は下端部17dから下方へ突出する。ボルト54bのボルト頭部は、フランジ54fから下方へ突出する。
【0068】
図7の対比例では、軸線Oから本体ケーシング39の下部表面までの寸法Lrと、上下方向隙間Gの隙間幅Lgと、下端部17d上面からボール53の中心までの寸法Leと、軸線Oからボール53の中心までの距離Lfは以下の式2で表される。
【0069】
[式2]
Lr+Lg+Le=Lf
【0070】
下端部17dの上面からボール53の中心までの寸法Leは、ボルト54bの先端が下端部17dの上面から突出しない場合、下端部17dの上面から下面までの上下方向寸法と、フランジ54fの板厚寸法と、フランジ54fの下面からボール53中心までの距離の和である。あるいは寸法Leは、ボルト54bの先端が下端部17dの上面から突出する場合、ボルト54bの先端から下端部17dの下面までの上下方向寸法と、フランジ54fの板厚寸法と、フランジ54fの下面からボール53中心までの距離の和である。フランジ54fの下面からボール53中心までの距離は、ボルト54bの頭部の長さ寸法よりも大きいか、あるいは同じである。つまり寸法Leはボルト54bの全長以上である。
【0071】
式1と式2を比較すると、Lb<Lfが成立する。この理由としてLd<Leであるためである。Ldは下端部17dの上面から下面までの上下方向寸法と同じか、あるいは小さい。
【0072】
本実施形態のインホイールモータ駆動装置とサスペンション装置の連結構造は、図2に示すようにインホイールモータ駆動装置10に設けられる懸架ブラケット17と、車体側メンバに変位可能に連結されるロアアーム42と、懸架ブラケット17をロアアーム42に連結するボールジョイント51を備える。ボールジョイント51は、図4に示すように上下方向に延びるスタッド52、スタッド52の端部に設けられるボール53、ボール53を包み込む球状凹部54qでボール53と連結するソケット54を有する。懸架ブラケット17の下端部17dは、上方開口56b、下方開口56c、上方開口56bと下方開口56cを接続する空間であってソケット54の外側面を保持する内部空間、この内部空間と接続するスリット58(図6)、およびスリット58を縮めてソケット54を懸架ブラケット17に固定するボルト59およびナット60を有する。下方開口56cからスタッド52が突出し、上方開口56bはインホイールモータ駆動装置10の本体ケーシング39の表面と対面する。ソケット54は上方開口56bから突出していない。このため上下方向隙間Gは寸法Lgのクリアランスを確保できる。
【0073】
これにより図2を参照して、下端部17d上面からボール53中心まで寸法Ldを小さくして、本連結構造の省スペース化を図ることができる。また従来の固定手段のように下端部17dにタップ加工を施してねじ山を設ける必要がなく、懸架ブラケット17をアルミニウム鋳造物にして低コスト化および軽量化を図ることができる。また出力軸歯車37を大径化し、車輪のトルクを増大させることができる。あるいは軸線Oからボール53中心までの距離Lbを小さくしてサスペンション特性を向上させることができる。
【0074】
また本実施形態のソケット54を下端部17dに固定する固定手段は、スリット58と交差して延びる通孔17h、軸部が通孔17hに通されて頭部が一方のブラケット部分17gに係止されるボルト59、および他方のブラケット部分17jに隣接配置されてボルト59の軸部と螺合するナット60を有する。これによりボルト59の頭部およびナット60を下端部17dの上面に配置する必要が無く、上下方向隙間Gを確保することができる。
【0075】
また本実施形態の通孔17hは内部空間56とスリット58の接続箇所を貫通して延び、ソケット54の外側面には周溝54gが形成され、ボルト59の軸部は周溝54gと係合する。これによりソケット54は内部空間56から抜け出さないよう抜け止めされる。
【0076】
以上、図面を参照して本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、本発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。例えば上述した1の実施形態から一部の構成を抜き出し、上述した他の実施形態から他の一部の構成を抜き出し、これら抜き出された構成を組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、電気自動車およびハイブリッド車両において有利に利用される。
【符号の説明】
【0078】
10 インホイールモータ駆動装置、 11 車輪ハブ軸受部、
17 懸架ブラケット、 17b 上端部、 17c 上下方向中央部、
17d 下端部、 17f 外側面、 17g,17j ブラケット部分、
17h 通孔(固定手段)、 21 モータ部、 24 ステータ、
29 モータケーシング、 39 本体ケーシング、
41 ストラット、 42 ロアアーム、 51 ボールジョイント、
52 スタッド、 53 ボール、 54 ソケット、
56 内部空間、 58 スリット、 59 ボルト(固定手段)、
60 ナット(固定手段)、 K 転舵軸線、 O 軸線(車軸)、
W 車輪ホイール(車輪)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9