(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-25
(45)【発行日】2022-12-05
(54)【発明の名称】空気調和機の洗浄装置
(51)【国際特許分類】
F24F 1/0059 20190101AFI20221128BHJP
F28G 9/00 20060101ALI20221128BHJP
【FI】
F24F1/0059
F28G9/00 Z
F28G9/00 M
(21)【出願番号】P 2018128086
(22)【出願日】2018-07-05
【審査請求日】2021-01-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(74)【代理人】
【識別番号】100194939
【氏名又は名称】別所 公博
(74)【代理人】
【識別番号】100206782
【氏名又は名称】佐藤 彰洋
(72)【発明者】
【氏名】三瓶 康太
【審査官】安島 智也
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-205791(JP,A)
【文献】特開平11-051595(JP,A)
【文献】特開2003-042690(JP,A)
【文献】特開2008-076030(JP,A)
【文献】特開2009-270726(JP,A)
【文献】特開2012-242005(JP,A)
【文献】米国特許第05946932(US,A)
【文献】韓国登録特許第10-1237310(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/0059
F28G 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換器から落ちるドレン水を受けるドレンパンと、前記ドレンパンに溜められる前記ドレン水を吸い上げるドレンポンプとを備えた空気調和機における前記熱交換器を洗浄する空気調和機の洗浄装置であって、
前記熱交換器に洗浄液を当てる散水装置を備え、
前記散水装置から前記熱交換器に当てられた前記洗浄液は、前記ドレンパンに溜められ
、
前記散水装置は、前記熱交換器に向かう風を発生させるファンから構成されており、
前記ファンには、外部から前記洗浄液が供給される洗浄液流路と、前記洗浄液流路を通った前記洗浄液が排出される噴出孔とが形成され、
前記ファンは、前記噴出孔から排出された前記洗浄液を前記熱交換器に当てる空気調和機の洗浄装置。
【請求項2】
前記熱交換器の幅方向について前記散水装置との間に前記熱交換器が配置され、前記ドレンパンよりも上方に配置される飛散防止壁をさらに備え、
前記散水装置は、前記熱交換器に向かって前記洗浄液を噴出し、
前記飛散防止壁に当たった前記洗浄液は、前記ドレンパンに溜められる請求項1に記載の空気調和機の洗浄装置。
【請求項3】
前記飛散防止壁は、前記散水装置と前記飛散防止壁との間に前記熱交換器が配置される洗浄位置と、前記散水装置と前記飛散防止壁との間に前記熱交換器が配置されない収納位置との間で変位可能となっている請求項2に記載の空気調和機の洗浄装置。
【請求項4】
前記飛散防止壁は、高さ方向に伸縮することによって、前記洗浄位置と前記収納位置との間で変位する請求項3に記載の空気調和機の洗浄装置。
【請求項5】
前記ファンは、前記ファンが回転しながら、前記噴出孔から排出された前記洗浄液を前記熱交換器に当てる請求項
1から請求項4までの何れか一項に記載の空気調和機の洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、空気調和機の熱交換器を洗浄する空気調和機の洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、熱交換器に向かって洗浄液を噴出する洗浄ノズルと、空気調和機よりも下方に設けられ、熱交換器から落ちる洗浄液を受ける防水カバーとを備えた空気調和機の洗浄装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、熱交換器を洗浄する場合に、空気調和機を分解して、空気調和機からパネル、ドレンパン、ファンを取り外し、その後、防水カバーを空気調和機よりも下方に設置しなければならず、熱交換器の洗浄の作業効率が悪いという問題点があった。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、熱交換器の洗浄の作業効率を向上させることができる空気調和機の洗浄装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る空気調和機の洗浄装置は、熱交換器から落ちるドレン水を受けるドレンパンと、ドレンパンに溜められるドレン水を吸い上げるドレンポンプとを備えた空気調和機における熱交換器を洗浄する空気調和機の洗浄装置であって、熱交換器に洗浄液を当てる散水装置を備え、散水装置から熱交換器に当てられた洗浄液は、ドレンパンに溜められ、散水装置は、熱交換器に向かう風を発生させるファンから構成されており、ファンには、外部から洗浄液が供給される洗浄液流路と、洗浄液流路を通った洗浄液が排出される噴出孔とが形成され、ファンは、噴出孔から排出された洗浄液を熱交換器に当てる。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係る空気調和機の洗浄装置によれば、熱交換器に洗浄液を当てる散水装置を備え、散水装置から熱交換器に当てられた洗浄液は、ドレンパンに溜められる。これにより、空気調和機を分解することなく、熱交換器を洗浄することができる。その結果、熱交換器の洗浄の作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】この発明の実施の形態1に係る空気調和機の要部を示す側面図である。
【
図4】この発明の実施の形態2に係る空気調和機の洗浄装置の要部を示す構成図である。
【
図5】
図4の飛散防止壁が変形した状態を示す図である。
【
図7】この発明の実施の形態3に係る空気調和機の洗浄装置の要部を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る空気調和機の要部を示す側面図、
図2は、
図1の空気調和機を示す平面図、
図3は、
図1の空気調和機を示すブロック図である。この発明の実施の形態1に係る空気調和機は、天井埋込型の空気調和機となっている。また、この空気調和機は、4方向型の空気調和機となっている。したがって、この空気調和機は、4方向に向かう風を送り出す。
【0010】
空気調和機は、回転することによって風を発生させるファン1と、ファン1によって発生した風が向かう熱交換器2と、熱交換器2に発生するドレン水を受けるドレンパン3と、ドレンパン3に溜められたドレン水を吸い上げるドレンポンプ4とを備えている。
【0011】
ファン1によって発生した風は、ファン1から径方向外側に向かって流れて、熱交換器2に当たる。空気調和機の運転が冷房運転である場合に、熱交換器2に風が当たることによって、熱交換器2の表面にドレン水が発生する。
【0012】
ドレンパン3は、熱交換器2よりも下方に配置されている。熱交換器2の表面に発生したドレン水は、熱交換器2から落下して、ドレンパン3に受けられる。ドレンパン3に受けられたドレン水は、ドレンパン3に溜められる。
【0013】
熱交換器2は、上方から視た場合にロ字形状となるように形成されている。ドレンパン3は、熱交換器2の形状に対応して、上方から視た場合にロ字形状となるように形成されている。
【0014】
この例では、空気調和機は、1個のドレンポンプ4を備えている。ドレンパン3は、ドレンパンの底面が水平面に対して傾斜するように配置されている。ドレンポンプ4は、ドレンパン3の底面における最も低い位置に溜められたドレン水を吸い上げるように、配置されている。
【0015】
また、空気調和機は、熱交換器2よりも上方に設けられる散水装置5をさらに備えている。散水装置5は、熱交換器2に洗浄液を当てる。散水装置5から落下した洗浄液が熱交換器2に当たる。この例では、洗浄液として水が用いられる。洗浄液として用いられる水としては、空気調和機が加湿装置として利用される場合に外部から供給される水が利用されてもよい。なお、洗浄液は、水に限らず、その他の洗浄液であってもよい。また、空気調和機は、洗浄液が溜められるタンクをさらに備えてもよい。
【0016】
また、空気調和機は、散水装置5の駆動を制御する散水制御装置6と、ドレンポンプ4の駆動を制御するポンプ制御装置7と、空気調和機の運転を制御する制御装置本体8とを備えている。空気調和機の洗浄装置は、ドレンパン3、散水装置5、散水制御装置6、ドレンポンプ4、ポンプ制御装置7および制御装置本体8から構成されている。
【0017】
空気調和機の冷房運転が停止される場合に、散水制御装置6は、散水装置5を駆動させて、熱交換器2の洗浄を行う。なお、空気調和機の冷房運転が停止された場合に限らず、例えば、夜間における予め設定された時間であって、空気調和機の運転が停止されている場合に、散水制御装置6は、散水装置5を駆動させて、熱交換器2の洗浄を行ってもよい。
【0018】
ポンプ制御装置7は、空気調和機の運転が冷房運転の場合と、散水制御装置6が散水装置5を駆動させて熱交換器2の洗浄を行う場合とにおいて、ドレンポンプ4を駆動させる。ドレンポンプ4によって吸い上げられたドレン水または洗浄液は、図示しない外部配管を通って、外部に排出される。
【0019】
次に、空気調和機の洗浄運転について説明する。空気調和機が洗浄運転を開始すると、散水装置5から熱交換器2に洗浄液が当てられる。熱交換器2に当てられた洗浄液は、熱交換器2に付着した異物とともに、ドレンパン3に落下する。ドレンパン3に落下した洗浄液および異物は、ドレンパン3に溜められる。ドレンパン3に溜められた洗浄液および異物は、ドレンポンプ4によって吸い上げられる。これにより、熱交換器2が洗浄される。
【0020】
散水装置5から熱交換器2への洗浄液の供給が予め設定された時間だけ行われ、その後、散水装置5から熱交換器2への洗浄液の供給が停止される。その後、予め設定された時間が経過した後に、ドレンポンプ4の駆動が停止される。以上により、空気調和機の洗浄運転が終了する。
【0021】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係る空気調和機の洗浄装置によれば、熱交換器2に洗浄液を当てる散水装置5を備えている。散水装置5から熱交換器2に当てられた洗浄液は、ドレンパン3に溜められる。これにより、空気調和機を分解することなく、熱交換器2を洗浄することができる。その結果、熱交換器2の洗浄の作業効率を向上させることができる。また、ドレンパン3を流用して、熱交換器2の洗浄に用いられた洗浄液が溜められる。これにより、空気調和機の構成を簡単にすることができる。
【0022】
なお、上記実施の形態1では、散水装置5から熱交換器2に洗浄液が当てられる構成について説明した。これに加えて、散水装置5における洗浄液の水圧を上げるポンプ装置をさらに備えた構成であってもよい。この場合、散水装置5から洗浄液が噴出され、噴出された洗浄液が熱交換器2に当たられる。これにより、熱交換器2の洗浄効率を向上させることができる。また、散水装置5における洗浄液の温度を上げる加熱装置をさらに備えた構成であってもよい。これにより、加熱された洗浄液が熱交換器2に当たられる。その結果、熱交換器2の洗浄効率を向上させることができる。
【0023】
実施の形態2.
図4は、この発明の実施の形態2に係る空気調和機の洗浄装置の要部を示す構成図である。空気調和機は、飛散防止壁9をさらに備えている。飛散防止壁9は、熱交換器2の幅方向について散水装置5と飛散防止壁9の間に熱交換器2が配置されように設けられる。また、飛散防止壁9は、ドレンパン3よりも上方に配置される。
【0024】
散水装置5は、熱交換器2よりもファン1の近くに配置される。飛散防止壁9は、熱交換器2よりもファン1から離れて配置される。なお、散水装置5は、熱交換器2よりもファン1から離れて配置されてもよい。この場合、飛散防止壁9は、熱交換器2よりもファン1の近くに配置される。
【0025】
散水装置5は、熱交換器2に向かって洗浄液を噴出する。熱交換器2に当たった洗浄液は、熱交換器2から落下して、ドレンパン3に溜められる。熱交換器2を通過した洗浄液は、飛散防止壁9に当たる。飛散防止壁9に当たった洗浄液は、飛散防止壁9から落下して、ドレンパン3に溜められる。
【0026】
図5は、
図4の飛散防止壁9が変形した状態を示す図である。また、飛散防止壁9は、高さ方向Aに収縮可能となっている。飛散防止壁9の構造としては、蛇腹構造、ブラインド構造などが挙げられる。
【0027】
飛散防止壁9は、散水装置5と飛散防止壁9との間に熱交換器2が配置される洗浄位置と、散水装置5と飛散防止壁9との間に熱交換器2が配置されない収納位置との間で変位可能となっている。飛散防止壁9は、高さ方向に伸縮することによって、洗浄位置と収納位置との間で変位する。
【0028】
散水装置5は、熱交換器2の奥行方向について移動可能となっている。散水装置5が熱交換器2の奥行方向について移動することによって、散水装置5は、熱交換器2の全領域に渡って洗浄液を当てることができる。また、散水装置5からの洗浄液の噴出が停止される場合、つまり、空気調和機が洗浄運転を行わない場合には、散水装置5は、ロ字形状に形成された熱交換器2における角部に隣り合うように配置される。これにより、空気調和機が例えば冷房運転を行う場合に、ファン1から熱交換器2に向かう風を散水装置5が遮ることを低減させることができる。
【0029】
図6は、
図4の空気調和機を示すブロック図である。空気調和機は、飛散防止壁9を洗浄位置と収納位置との間で変位させる壁変位装置10と、壁変位装置10の駆動を制御する壁変位制御装置11と、散水装置5を変位させる散水変位装置12と、散水変位装置12の駆動を制御する散水変位制御装置13とをさらに備えている。壁変位制御装置11は、散水制御装置6が散水装置5を駆動させて熱交換器2の洗浄を行う場合において、壁変位装置10を駆動させて飛散防止壁9を収納位置から洗浄位置に変位させる。散水変位制御装置13は、散水装置5から熱交換器2に向かって洗浄液が噴出される場合において、散水変位装置12を駆動させて散水装置5を変位させる。
【0030】
空気調和機の洗浄装置は、ドレンパン3、散水装置5、散水制御装置6、ドレンポンプ4、ポンプ制御装置7、制御装置本体8、飛散防止壁9、壁変位装置10、壁変位制御装置11、散水変位装置12および散水変位制御装置13から構成されている。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0031】
次に、空気調和機の洗浄運転について説明する。空気調和機が洗浄運転を開始すると、飛散防止壁9が収納位置から洗浄位置に変位する。その後、散水装置5が熱交換器2の奥行方向に移動しながら、散水装置5から熱交換器2に向かって洗浄液が噴出される。熱交換器2に向かって噴出された洗浄液の一部は、熱交換器2に当たる。熱交換器2に当たった洗浄液は、熱交換器2に付着した異物とともに、ドレンパン3に落下する。
【0032】
熱交換器2に向かって噴出された洗浄液の一部は、熱交換器2に当たらずに飛散防止壁9に当たる。飛散防止壁9に当たった洗浄液は、ドレンパン3に落下する。
【0033】
ドレンパン3に落下した洗浄液および異物は、ドレンパン3に溜められる。ドレンパン3に溜められた洗浄液および異物は、ドレンポンプ4によって吸い上げられる。これにより、熱交換器2が洗浄される。
【0034】
散水装置5から熱交換器2への洗浄液の供給が予め設定された時間だけ行われた後、散水装置5から熱交換器2への洗浄液の供給が停止される。その後、飛散防止壁9が洗浄位置から収納位置に変位し、散水装置5が熱交換器2の角部に隣り合う位置に配置される。その後、洗浄液の供給が停止された時から予め設定された時間が経過した後に、ドレンポンプ4の駆動が停止される。以上により、空気調和機の洗浄運転が終了する。
【0035】
以上説明したように、この発明の実施の形態2に係る空気調和機の洗浄装置によれば、熱交換器2の幅方向について散水装置5との間に熱交換器2が配置され、ドレンパン3よりも上方に配置される飛散防止壁9を備えている。散水装置5は、飛散防止壁9に向かって洗浄液を噴出する。飛散防止壁9に当たった洗浄液は、ドレンパン3に溜められる。これにより、散水装置5から噴出された洗浄液をより確実に外部に排出することができる。
【0036】
また、飛散防止壁9は、散水装置5と飛散防止壁9との間に熱交換器2が配置される洗浄位置と、散水装置5と飛散防止壁9との間に熱交換器2が配置されない収納位置との間で変位可能となっている。これにより、熱交換器2の洗浄を行わない場合に、ファン1によって発生する風が、飛散防止壁9に当たることを防止することができる。
【0037】
また、飛散防止壁9は、高さ方向に伸縮することによって、洗浄位置と収納位置との間で変位する。これにより、簡単な構成で、飛散防止壁9を洗浄位置と収納位置との間で変位させることができる。
【0038】
なお、上記実施の形態2では、飛散防止壁9が高さ方向に伸縮することによって洗浄位置と収納位置との間で変位する構成について説明した。しかしながら、これに限らず、例えば、飛散防止壁9が空気調和機の筐体に対して着脱可能な構成であってもよい。この場合、空気調和機の洗浄運転が行われる場合に、作業者が飛散防止壁9を空気調和機に設置する。
【0039】
また、上記実施の形態2では、散水装置5が散水変位装置12によって変位する構成について説明した。しかしながら、これに限らず、例えば、作業者が散水装置5を変位させる構成であってもよい。
【0040】
実施の形態3.
図7は、この発明の実施の形態3に係る空気調和機の洗浄装置の要部を示す構成図である。散水装置は、熱交換器2に向かう風を発生させるファン1から構成されている。ファン1には、外部から洗浄液が供給される図示しない洗浄液流路と、洗浄液流路を通った洗浄液が排出される図示しない噴出孔とが形成されている。
【0041】
ファン1の噴出孔から排出された洗浄液は、熱交換器2に当たる。洗浄液流路への洗浄液の供給は、作業者が行う場合と、洗浄液が溜められたタンクから行われる場合とがある。洗浄液が溜められたタンクから洗浄液流路に洗浄液が供給される場合には、空気調和機は、洗浄液が溜められるタンクと、タンクに溜められた洗浄液がファン1に向かって流れる洗浄液管とをさらに備える。
【0042】
ファン1が回転しながら、ファン1の噴出孔から洗浄液が排出される。空気調和機の洗浄装置は、ファン1、ドレンパン3、ドレンポンプ4、ポンプ制御装置7、制御装置本体8、飛散防止壁9、壁変位装置10および壁変位制御装置11から構成されている。その他の構成は、実施の形態2と同様である。
【0043】
次に、空気調和機の洗浄運転について説明する。空気調和機が洗浄運転を開始すると、飛散防止壁9が収納位置から洗浄位置に変位する。その後、ファン1に洗浄液が供給される。
【0044】
ファン1に洗浄液が供給されると、ファン1は回転する。これにより、ファン1の噴出孔から洗浄液が排出される。ファン1の噴出孔から排出された洗浄液は、熱交換器2に向かう。熱交換器2に向かう洗浄液の一部は、熱交換器2に当たる。熱交換器2に当たった洗浄液は、熱交換器2に付着した異物とともに、ドレンパン3に落下する。
【0045】
熱交換器2に向かう洗浄液の一部は、熱交換器2に当たらずに飛散防止壁9に当たる。飛散防止壁9に当たった洗浄液は、ドレンパン3に落下する。
【0046】
ドレンパン3に落下した洗浄液および異物は、ドレンパン3に溜められる。ドレンパン3に溜められた洗浄液および異物は、ドレンポンプ4によって吸い上げられる。これにより、熱交換器2が洗浄される。
【0047】
ファン1から熱交換器2への洗浄液の供給が予め設定された時間だけ行われた後、ファン1への洗浄液の供給が停止される。その後、飛散防止壁9が洗浄位置から収納位置に変位する。その後、ファン1への洗浄液の供給が停止された時から予め設定された時間が経過した後に、ドレンポンプ4の駆動が停止される。以上により、空気調和機の洗浄運転が終了する。
【0048】
以上説明したように、この発明の実施の形態3に係る空気調和機の洗浄装置によれば、散水装置は、熱交換器2に向かう風を発生させるファン1から構成されている。ファン1には、外部から洗浄液が供給される洗浄液流路と、洗浄液流路を通った洗浄液が排出される噴出孔とが形成されている。ファン1は、噴出孔から排出された洗浄液を熱交換器2に当てる。これにより、ファン1と散水装置とを共用することができる。その結果、空気調和機の構成を簡単にすることができる。
【0049】
また、ファン1は、ファン1が回転しながら、噴出孔から排出された洗浄液を熱交換器2に当てる。これにより、容易に熱交換器2の全体に洗浄液を当てることができる。
【符号の説明】
【0050】
1 ファン、2 熱交換器、3 ドレンパン、4 ドレンポンプ、5 散水装置、6 散水制御装置、7 ポンプ制御装置、8 制御装置本体、9 飛散防止壁、10 壁変位装置、11 壁変位制御装置、12 散水変位装置、13 散水変位制御装置。