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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-25
(45)【発行日】2022-12-05
(54)【発明の名称】撮像装置、制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G03B 15/05 20210101AFI20221128BHJP
   G03B 5/08 20210101ALI20221128BHJP
   G03B 15/02 20210101ALI20221128BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20221128BHJP
   H04N 5/235 20060101ALI20221128BHJP
【FI】
G03B15/05
G03B5/08
G03B15/02 H
H04N5/225 100
H04N5/225 600
H04N5/235 400
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2018142871
(22)【出願日】2018-07-30
(65)【公開番号】P2020020894
(43)【公開日】2020-02-06
【審査請求日】2021-07-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110412
【弁理士】
【氏名又は名称】藤元 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100104628
【弁理士】
【氏名又は名称】水本 敦也
(74)【代理人】
【識別番号】100121614
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 倫也
(72)【発明者】
【氏名】沼田 愛彦
【審査官】辻本 寛司
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-043944(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0012613(KR,A)
【文献】特開2012-252078(JP,A)
【文献】特開2017-227819(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0134860(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第103391394(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 15/05
G03B 5/08
G03B 15/02
H04N 5/225
H04N 5/235
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像光学系と、
撮像素子と、
前記撮像光学系の主面と前記撮像素子の撮像面とがなす角度を変更する角度制御部と、
照明部と、
前記角度に基づいて前記照明部の光軸方向を変更する照明制御部と、を有し、
前記照明制御部は、前記撮像光学系の前記主面と前記撮像素子の前記撮像面とがなす第一の角度が増加するにつれて前記撮像光学系の光軸と前記照明部の光軸とがなす第二の角度が増加するように、前記照明部の前記光軸方向を変更し、
前記第一の角度は、1度以上であることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記照明制御部は、前記照明部の前記光軸方向を前記撮像光学系の光軸方向と異なるように変更することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記照明制御部は、前記照明部の前記光軸方向を前記撮像素子の前記撮像面の法線方向に近づくように変更することを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記照明制御部は、前記角度に基づいて決定されるピント面のうち前記照明部からの距離が第一の距離である第一の領域よりも、前記照明部からの前記距離が前記第一の距離よりも長い第二の距離である第二の領域に対する照明強度を上げるように、前記照明部の前記光軸方向を変更することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記角度制御部は、前記撮像素子の前記撮像面を前記撮像光学系の前記主面に対して回転させることにより、前記角度を変更することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記第二の角度は、前記撮像装置の画角の半分以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記第二の角度は、前記撮像装置の画角以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記照明制御部は、
前記第一の角度が第一の値である場合、前記第二の角度を第三の値に設定し、
前記第一の角度が前記第一の値よりも大きい第二の値である場合、前記第二の角度を前記第三の値よりも大きい第四の値に設定することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記照明部の照明範囲を変更する照明範囲制御部を更に有し、
前記照明範囲制御部は、
前記第一の角度が第一の値である場合、前記照明範囲を第一の照明範囲に設定し、
前記第一の角度が前記第一の値よりも大きい第二の値である場合、前記照明範囲を前記第一の照明範囲よりも狭い第二の照明範囲に設定することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記照明部は、照射範囲の異なる第一の照明素子および第二の照明素子を含み、
前記照明制御部は、前記第一の照明素子と前記第二の照明素子に流れる電流の比に基づいて前記照明部の照明範囲を制御することを特徴とする請求項9に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記第一の照明素子の光軸と前記撮像光学系の光軸とのなす角度は、前記第二の照明素子の光軸と前記撮像光学系の前記光軸とのなす角度よりも大きく、
前記第一の照明素子の照明範囲は、前記第二の照明素子の照明範囲よりも狭いことを特徴とする請求項10に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記照明制御部は、前記照明部の向きを制御することにより、前記照明部の前記光軸方向を変更することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記照明部は、第一の照明素子および第二の照明素子を含み、
前記第一の照明素子の光軸と前記撮像光学系の光軸とのなす角度は、前記第二の照明素子の光軸と前記撮像光学系の前記光軸とのなす角度と異なり、
前記照明制御部は、前記第一の照明素子と前記第二の照明素子に流れる電流の比を制御することにより、前記照明部の前記光軸方向を変更することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項14】
撮像光学系の主面と撮像素子の撮像面とがなす角度を変更する角度制御ステップと、
前記角度に基づいて照明部の光軸方向を変更する照明制御ステップと、を有し、
前記照明制御ステップは、前記撮像光学系の前記主面と前記撮像素子の前記撮像面とがなす第一の角度が増加するにつれて前記撮像光学系の光軸と前記照明部の光軸とがなす第二の角度が増加するように、前記照明部の前記光軸方向を変更し、
前記第一の角度は、1度以上であることを特徴とする制御方法。
【請求項15】
請求項14に記載の制御方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項16】
撮像光学系と、
撮像素子と、
前記撮像光学系の主面と前記撮像素子の撮像面とがなす角度を変更する角度制御部と、
異なる照明範囲を有する第1の照明素子と第2の照明素子とを含む照明部と、
前記角度に基づいて前記照明部の照明範囲を変更する照明制御部と、を有し、
前記照明制御部は、前記第1の照明素子に流れる電流及び前記第2の照明素子に流れる電流を制御することにより、前記第1の照明素子の照明範囲及び前記第2の照明素子の照明範囲を制御することを特徴とする撮像装置。
【請求項17】
前記照明制御部は、前記第1の照明素子に流れる電流と前記第2の照明素子に流れる電流との比に基づいて、前記第1の照明素子の照明範囲と前記第2の照明素子の照明範囲とを制御することを特徴とする請求項16に記載の撮像装置。
【請求項18】
前記第1の照明素子の光軸と前記撮像光学系の光軸とのなす角度は、前記第2の照明素子の光軸と前記撮像光学系の光軸とのなす角度よりも大きく、前記第1の照明素子の照明範囲は、前記第2の照明素子の照明範囲よりも狭いことを特徴とする請求項16または17に記載の撮像装置。
【請求項19】
前記第1の照明素子は、前記第1の照明素子からの距離が第1の距離であり、前記角度に基づいて決定されるピント面上にある第1の領域を照明し、前記第2の照明素子は、前記第2の照明素子からの距離が前記第1の距離よりも長い第2の距離であり、前記ピント面上にある第2の領域を照明し、
前記照明制御部は、前記第2の照明素子を流れる電流が前記第1の照明素子を流れる電流よりも大きくなるように制御することを特徴とする請求項16乃至18のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項20】
撮像光学系の主面と撮像素子の撮像面とがなす角度を変更する角度制御ステップと、
前記角度に基づいて、異なる照明範囲を有する第1の照明素子と第2の照明素子とを含む照明部の照明範囲を変更する照明制御ステップと、を有し、
前記照明制御ステップは、前記第1の照明素子に流れる電流及び前記第2の照明素子に流れる電流を制御することにより、前記第1の照明素子の照明範囲及び前記第2の照明素子の照明範囲を制御することを特徴とする制御方法。
【請求項21】
請求項20に記載の制御方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明部を備えた撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、被写体面がカメラレンズの主面に対して傾いている場合、望遠かつ明るいF値のレンズを使用した場合でも被写界深度を深く保つため、レンズの光軸を撮像素子に対して傾ける、所謂アオリ撮影が可能な撮像装置が開示されている。また、例えば特許文献2には、夜間等の低照度時にも鮮明な被写体像を取得するため、赤外LED等の照明部を備えたネットワークカメラが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-281879号公報
【文献】特開2013-41282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されているようなアオリ撮影を行う撮像装置に対して、低照度時の視認性を向上させるため、特許文献2に開示されているような照明部を適用した場合、以下のような課題が発生する。一般に、アオリ撮影を行う場合、被写体面がカメラレンズの主面に対して傾いている。換言すると、撮像装置から被写体までの距離は、撮像素子の画角内で異なる。従って、特許文献2に開示されているネットワークカメラのように、レンズの光軸と照明部の光軸とが互いに一致している場合、画角内の被写体の輝度分布にムラが生じ、撮影画像の品質が低下する。特に、輝度分布のムラが大きい場合、撮影画像に白トビや黒ツブレが生じやすくなる。
【0005】
そこで本発明は、照明部を用いてアオリ撮影を行う場合に、被写体の輝度分布のムラを低減して撮影画像の品質を向上させることが可能な撮像装置、制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面としての撮像装置は、撮像光学系と、撮像素子と、前記撮像光学系の主面と前記撮像素子の撮像面とがなす角度を変更する角度制御部と、照明部と、前記角度に基づいて前記照明部の光軸方向を変更する照明制御部とを有し、前記照明制御部は、前記撮像光学系の前記主面と前記撮像素子の前記撮像面とがなす第一の角度が増加するにつれて前記撮像光学系の光軸と前記照明部の光軸とがなす第二の角度が増加するように、前記照明部の前記光軸方向を変更し、記第一の角度は、1度以上である
本発明の他の側面としての制御方法は、撮像光学系の主面と撮像素子の撮像面とがなす角度を変更する角度制御ステップと、前記角度に基づいて照明部の光軸方向を変更する照明制御ステップと、を有し、前記照明制御ステップは、前記撮像光学系の前記主面と前記撮像素子の前記撮像面とがなす第一の角度が増加するにつれて前記撮像光学系の光軸と前記照明部の光軸とがなす第二の角度が増加するように、前記照明部の前記光軸方向を変更し、前記第一の角度は、1度以上である
本発明の他の側面としてのプログラムは、前記制御方法をコンピュータに実行させる。
【0007】
また、本発明の他の側面としての撮像装置は、撮像光学系と、撮像素子と、前記撮像光学系の主面と前記撮像素子の撮像面とがなす角度を変更する角度制御部と、異なる照明範囲を有する第1の照明素子と第2の照明素子とを含む照明部と、前記角度に基づいて前記照明部の照明範囲を変更する照明制御部と、を有し、前記照明制御部は、前記第1の照明素子に流れる電流及び前記第2の照明素子に流れる電流を制御することにより、前記第1の照明素子の照明範囲及び前記第2の照明素子の照明範囲を制御する。
本発明の他の側面としての制御方法は、撮像光学系の主面と撮像素子の撮像面とがなす角度を変更する角度制御ステップと、前記角度に基づいて、異なる照明範囲を有する第1の照明素子と第2の照明素子とを含む照明部の照明範囲を変更する照明制御ステップと、を有し、前記照明制御ステップは、前記第1の照明素子に流れる電流及び前記第2の照明素子に流れる電流を制御することにより、前記第1の照明素子の照明範囲及び前記第2の照明素子の照明範囲を制御する。
本発明の他の側面としてのプログラムは、前記制御方法をコンピュータに実行させる。



【0008】
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施形態において説明される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、照明部を用いてアオリ撮影を行う場合に、被写体の輝度分布のムラを低減して撮影画像の品質を向上させることが可能な撮像装置、制御方法およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第一の実施形態における撮像装置のブロック図である。
図2】第一の実施形態におけるアオリ撮影でのピント面の説明図である。
図3】被写体面の照度分布図である。
図4】第一の実施形態におけるアオリ撮影での撮像素子と照明素子との関係図である。
図5】第一の実施形態における被写体面の照度分布図である。
図6】第一の実施形態における第二の角度を変化させたときの被写体面の照度分布図である。
図7】第一の実施形態における被写体面の説明図である。
図8】第二の実施形態における撮像装置のブロック図である。
図9】第二の実施形態における被写体面の照度分布図である。
図10】第3の実施形態における撮像装置のブロック図およびアオリ撮影での撮像素子と照明素子との関係図である。
図11】第3の実施形態における複数の照明素子に流す電流の比ごとの光強度分布および照度分布図である。
図12】第3の実施形態における撮像装置の変形例である。
図13】第4の実施形態における監視システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0012】
(第一の実施形態)
まず、図1を参照して、本発明の第一の実施形態における撮像装置について説明する。図1は、本実施形態における撮像装置100のブロック図である。撮像装置100は、結像光学系(撮像光学系)101、照明素子(照明部)102、照明方向制御機構(照明制御部)103、撮像素子(固体撮像素子)104、アオリ機構(角度制御部)105、および、制御部106を有する。制御部106は、撮像装置100の各部を制御する。
【0013】
撮像素子104は、CMOSセンサやCCDセンサであり、結像光学系101を介して形成された被写体像(光学像)を光電変換する。照明素子102は、撮像素子104が感度を有する波長の光を発する。例えば、撮像素子104がシリコン(Si)で構成されている場合、照明素子102はAlGaAsやInGaN等の化合物半導体で構成されるLEDを用いればよい。制御部106は、照明素子102のON/OFFおよび照明素子102からの射出光の強度を制御する。照明方向制御機構103は、照明素子102を回転することにより、照明素子102の向きを制御する。照明方向制御機構103は、モータとギアとを備えて構成されている。制御部106は、照明方向制御機構103のモータに流れる電流を制御することにより、照明素子102をXZ平面内で回転させることができる。アオリ機構105は、撮像素子104の向きをXZ平面内で回転させることができる。
【0014】
次に、図2を参照して、アオリ撮影におけるピント面(焦点面)107について説明する。図2は、アオリ撮影におけるピント面107の説明図である。シャインプルーフの原理に従い、撮像素子104の光入射面(撮像面)、結像光学系101の主面108(光軸109に直交する面)、および、ピント面107は、Y軸方向に延びる一本の直線Lで交わっている。従って、ピント面107は、XZ平面内において結像光学系101の主面108に対して傾いている。なお図2において、109は結像光学系101の光軸である。
【0015】
次に、ピント面107が結像光学系101の主面108に対して傾いている撮像装置100において、特許文献2に開示されている従来技術のように、照明素子102の光軸110を結像光学系101の光軸109と一致させた場合について考える。図3(a)は、アオリ撮影の際に、照明素子102の光軸110を結像光学系101の光軸109と一致させた場合におけるピント面107(被写体面)の照度分布図である。図3(a)において、横軸は像高、縦軸は照度(照度相対値)をそれぞれ示している。図3(a)に示されるように、像高に応じて照度は大きく異なり、画角内で大きな照度ムラが発生している。これは、アオリ撮影の際に、照明素子102とピント面107との間の距離が、撮像装置100の画角内で大きく異なっているためである。このため、照明素子102とピント面107との間の距離が近い位置(図2中の領域107A)では照度が高く、照明素子102とピント面107との間の距離が遠い位置(図2中の領域107B)では照度が低くなるため、照度ムラが発生する。その結果、画像の輝度ムラが発生し、視認性が低下する。
【0016】
図3(b)は、比較例として、アオリ撮影を行わない場合の照度分布図である。図3(b)に示されるように、アオリ撮影を行わない場合にも同様の照度ムラが発生する。しかしながら、アオリ撮影を行わない場合、被写体面のうちピントの合う範囲Rは狭い。このため、ピントの合う範囲内において、照度ムラは小さい。換言すると、アオリ撮影を行わない場合には、ピントが合っていないために被写体像がボケている領域においてのみ、照度ムラによる視認性の低下が発生する。
【0017】
一般に、観賞用の撮像装置の場合、被写体像がボケている領域についても、そのボケ味がきれいか否かという点は大きな課題である。このため、照度ムラによる視認性の低下は課題となる。しかしながら、監視等の認識用の撮像装置の場合、被写体像がボケている領域については、照度ムラが発生していてもいなくても、被写体がボケていて認識できないという結果は同じである。従って、被写体像がボケている領域については、照度ムラによる視認性の低下が問題となる場合はそれほど多くない。このように、照度ムラによる被写体像の視認性の低下は、認識用の撮像装置であって、かつアオリ撮影を行わない場合、照度ムラによる視認性の低下が問題となる場合はそれほど多くはない。本発明は、認識用の撮像装置において、アオリ撮影を行う場合に問題となる照度ムラによる被写体像の視認性の低下を抑制する。以下、本実施形態について具体的に説明する。
【0018】
次に、図4を参照して、撮像装置100を用いたアオリ撮影における撮像素子104と照明素子102との関係について説明する。図4は、アオリ撮影での撮像素子104と照明素子102との関係図であり、撮像素子104の光入射面(撮像面)、結像光学系101の主面108、ピント面107、および、照明素子102の光軸110の関係を示している。なお、照明素子102の光軸110の方向は、照明素子102から放射される光の強度分布の重心方向である。
【0019】
図4に示されるように、撮像素子104の光入射面は、Y軸を回転中心とし、かつ結像光学系101の主面108を基準として、反時計回りに回転している。本実施形態の撮像装置100は、撮像素子104の光入射面の回転に応じて、照明素子102の光軸110を、Y軸を回転中心とし、かつ結像光学系101の光軸109を基準として、同じく反時計回りに回転させる。ここで、結像光学系101の主面108と撮像素子104の光入射面とがなす角度(アオリ角度)θ1を第一の角度111とする。また、結像光学系101の光軸109に対する照明素子102の光軸110の角度θ2を第二の角度112とする。このとき、第一の角度111の符号(結像光学系101の主面108を基準とした撮像素子104の光入射面の回転方向)と第二の角度112の符号(結像光学系101の光軸109を基準とした照明素子102の光軸110の回転方向)とは互いに一致している。すなわち、第一の角度111の回転方向(図4では反時計回り方向)と第二の角度112の回転方向(反時計回り方向)とは互いに一致している。このように、撮像素子104のアオリ方向に応じて、照明素子102の光軸110の向きを変更する(回転させる)ことにより、照度ムラを低減することができる。
【0020】
次に、図5を参照して、結像光学系101の光軸109に対して照明素子102の光軸110を回転した場合と回転しない場合のそれぞれのピント面107(被写体面)の照度分布について説明する。図5は、結像光学系101の光軸109に対して照明素子102の光軸110を回転した場合と回転しない場合のそれぞれのピント面107(被写体面)の照度分布図である。図5において、横軸は像高、縦軸は照度(対数)をそれぞれ示している。また図5において、実線は本実施形態のように照明素子102の光軸110を回転した場合の照度分布、破線は比較例としての照明素子102の光軸110を回転しない場合の照度分布を示している。図5に示されるように、実線は破線よりもなだらかに変化している。このように、結像光学系101の光軸109に対して照明素子102の光軸110を回転させることで、照度ムラを低減することができる。以下、この理由について説明する。
【0021】
前述のように、アオリ撮影における照度ムラの原因は、照明素子102とピント面107との間の距離が、撮像装置100の画角内で大きく異なっているためである。従って、照明素子102とピント面107との間の距離が近い位置(図4中の領域107A)よりも、照明素子102とピント面107との間の距離が遠い位置(図4中の領域107B)に強い光を照射すれば、照度ムラを低減することができる。一般に、照明素子102は、LEDの構造を反映して、LEDの表面に垂直な方向(光軸方向)に強い指向性を有する配向分布を有する。このため、照明素子102の光軸110を、照明素子102とピント面107との間の距離が遠い方向に傾けることで、照度ムラを低減させることができる。その結果、撮影画像の品質を向上させることができ、被写体の認識精度を向上させることが可能である。
【0022】
結像光学系101の光軸109と照明素子102の光軸110とがなす第二の角度112は、結像光学系101の主面108と撮像素子104の光入射面(撮像面)とがなす第一の角度111に応じて、照度ムラが十分に低減するように決定すればよい。好ましくは、第二の角度112は、第一の角度111に応じて、照度ムラが最も低減するように決定される。
【0023】
次に、図6を参照して、第二の角度112を変化させたときのピント面107の照度分布について説明する。図6は、第二の角度112を変化させたときのピント面107の照度分布図である。図6において、横軸は像高、縦軸は照度(対数)をそれぞれ示す。また図6において、破線は第二の角度112の絶対値が小さい場合、点線は第二の角度112の絶対値が大きい場合、および、実線はそれらの中間の場合をそれぞれ示す。図6に示されるように、第二の角度112の絶対値を大きくするほど、照度ムラが低減する。特に、第二の角度112の絶対値を撮像装置100の画角の半分以上にすると、照度ムラを十分に低減することができるため、好ましい。
【0024】
一方、図6の点線で示されるように、第二の角度112の絶対値を大きくし過ぎると、照度ムラは低減するが、撮像装置100の画角内の平均照度が低下する。これは、第二の角度112の絶対値を大きくし過ぎると、照明素子102から放射された光束のうち、撮像装置100の画角外に放出される光束の量が増加するためである。特に、第二の角度112の絶対値を撮像装置100の画角以下にすると、撮像装置100の画角外に放出される光束の量が減少するため、好ましい。
【0025】
アオリ撮影を行う際には、被写体面(ピント面107)と結像光学系101の主面108とのなす角度に応じて、第一の角度111を制御する必要がある。図7は、被写体面(ピント面107)の説明図である。図7(a)は、第一の角度111の絶対値が小さい場合、図7(b)は第一の角度111の絶対値が大きい場合の、ピント面107、主面108、および、撮像素子104の光入射面(結像面)の関係を示している。
【0026】
図7(a)、(b)に示されるように、第一の角度111の絶対値が大きいほど、照明素子102とピント面107との間の距離が撮像装置100の画角内で大きく異なる。このため、第一の角度111の絶対値が小さい場合には、画角内の照度ムラは大きな問題にならない。従って、第一の角度111の絶対値が小さい場合(第一の角度111が所定の角度よりも小さい場合)、図7(a)に示されるように照明素子102の光軸110を傾けなくてもよい。例えば、第一の角度111の絶対値が1度未満である場合、第二の角度112の絶対値をゼロに設定してもよい。換言すると、第一の角度111が1度以上の場合、本実施形態のように照明素子102の光軸110を結像光学系101の光軸109と異なるように、照明素子102の向きを変更することが好ましい。
【0027】
また本実施形態において、第一の角度111に応じて、第二の角度112を連続的に変化させることが好ましい。具体的には、第一の角度111の絶対値が大きいほど、第二の角度112の絶対値を大きくする。これにより、照度ムラが効果的に低減するため、好ましい。
【0028】
(第二の実施形態)
次に、図8を参照して、本発明の第二の実施形態における撮像装置について説明する。図8は、本実施形態における撮像装置200のブロック図である。本実施形態の撮像装置200は、照明素子102の照明範囲(照射角度範囲)を変更する照明範囲制御機構213を有する点で、図1を参照して説明した第一の実施形態の撮像装置100とは異なる。照明範囲制御機構213は、第一の角度111に応じて、照明素子102の照明範囲を変更する。このような構成により、ピント面107(被写体面)の照度ムラをより効果的に低減することができる。
【0029】
次に、図9を参照して、照明素子102の照明範囲を変更した場合と照明範囲を変更しない場合におけるピント面107(被写体面)の照度分布について説明する。図9は、照明素子102の照明範囲を変更した場合と照明範囲を変更していない場合におけるピント面107の照度分布図である。図9(a)、(b)において、横軸は像高、縦軸は照度(対数)をそれぞれ示す。図9(a)は、被写体面と結像光学系101の主面108とのなす角度が小さいため、第一の角度111の絶対値を小さくした場合を示している。一方、図9(b)は、被写体面と結像光学系101の主面108とのなす角度が大きいため、第一の角度111の絶対値を大きくした場合を示している。
【0030】
図9(a)、(b)において、実線は、第一の角度111に応じて照明素子102の照明範囲を変更する場合を示す。また図9(a)、(b)において、破線および点線は、第一の実施形態の撮像装置100のように、第一の角度111によらず一定の照明範囲で照明を行う照明素子102を用いた場合を示す。また、破線は照明素子102の照明範囲を第一の照明範囲とした場合を示し、点線は照明素子102の照明範囲を第二の照明範囲とした場合を示している。なお、図9(a)では実線と破線とが互いに重なっており、図9(b)では実線と点線とが互いに重なっている。
【0031】
図9(a)、(b)に示されるように、第一の角度111に応じて照明範囲を変更しない(一定にする)場合、第一の角度111の絶対値が小さい場合の照度ムラを低減しようとすると、第一の角度111の絶対値が大きい場合の照度ムラが増大する(破線)。一方、第一の角度111の絶対値が大きい場合の照度ムラを低減しようとすると、第一の角度111の絶対値が小さい場合の照度ムラが増大する(点線)。
【0032】
一方、第一の角度111に応じて照明範囲を変更する場合、第一の角度111の絶対値の大小によらず、照度ムラを低減することができる(実線)。具体的には、第一の角度111の絶対値が大きいほど、照明素子102の照明範囲を狭くすればよい。なお本実施形態において、照明範囲とは、照明素子102から放射される光の強度分布の半値全幅を意味する。
【0033】
照明素子102の照明範囲を制御するには、照明素子102の光射出側に照明光学系を設け、照明光学系の一部のレンズを照明光学系の光軸方向に駆動すればよい。これにより照明光学系の焦点距離が変化し、照明範囲を制御することができる。レンズを駆動するには、モータおよびギアを用い、モータに流れる電流を制御すればよい。
【0034】
(第3の実施形態)
次に、図10を参照して、本発明の第3の実施形態における撮像装置について説明する。図10(a)は本実施形態における撮像装置300のブロック図、図10(b)はアオリ撮影での撮像素子104と照明素子102との関係図である。
【0035】
前述の各実施形態の撮像装置100、200は、一つの照明素子102を有し、照明素子102そのものを回転して照明方向を制御し、または、照明光学系の一部のレンズを駆動して照明範囲を制御する。一方、本実施形態の撮像装置300は、照明方向および照明範囲が異なる複数の照明素子321、322(第一の照明素子および第二の照明素子)を有する。このような構成において、撮像装置300は、複数の照明素子321、322のそれぞれに流す電流を制御することにより、複数の照明素子の全体としての実効的な照明方向および照明範囲を制御する。このような構成により、照明素子102の回転機構や照明光学系のレンズ駆動機構が不要となる。
【0036】
図10(a)、(b)に示されるように、撮像装置300は、照明方向の異なる複数の照明素子321、照明素子322を有する。制御部106は、複数の照明素子321、322のそれぞれに流す電流を制御することができる。照明素子321の光軸331の方向は、結像光学系101の光軸109の方向と一致している。一方、照明素子322の光軸332は、結像光学系101の光軸109に対して反時計回りに傾いている。
【0037】
次に、図11を参照して、撮像装置300の照明素子321、322のそれぞれに流す電流の比と、照明素子321、322のそれぞれから照射される光の強度の合計の分布との関係について説明する。図11(a)は、撮像装置300の複数の照明素子321、322に流す電流の比ごとの、照明素子321、322から照射される光の強度の合計の分布図(光強度分布図)である。図11(a)において、横軸は像高、縦軸は光強度分布(対数)をそれぞれ示す。図11(b)は、図11(a)に示される電流の比ごとの、ピント面107(被写体面)の照度分布図である。図11(b)において、横軸は像高、縦軸は照度分布(対数)をそれぞれ示す。
【0038】
図11(a)、(b)中の点線、破線、一点鎖線、実線はそれぞれ、照明素子321、322に流す電流の比が0:1(322/321=0)、5:1(322/321=0.2)、2:1(322/321=0.5)、1:1(322/321=1)である。すなわち、点線、破線、一点鎖線、実線の順に、照明素子321に流す電流に対する照明素子322に流す電流の比が大きくなっている。
【0039】
図11(b)に示されるように、照明素子321に流す電流に対する照明素子322に流す電流の比を大きくすると、ピント面107での照度ムラが低減する。このように、向きの異なる複数の照明素子321、322に流す電流を制御することで、ピント面107での照度ムラを低減することができる。その結果、撮影画像の品質を向上させることができるため、好ましい。
【0040】
図11(a)に示されるように、照明素子321に流す電流に対する照明素子322に流す電流の比が大きくすると、照明素子321、322の光強度分布の重心(照明部の向き)が反時計回りに傾く。従って、図9に示される撮像装置300の構成においても、第一の角度111の符号(撮像素子104の光入射面の回転方向)と第二の角度112の符号(照明素子102の光軸110の回転方向)とが互いに一致する。
【0041】
次に、図12を参照して、本実施形態における変形例について説明する。図12は、向きの異なる複数の照明素子321、322に加えて、照明範囲の異なる複数の照明素子323、324を有する撮像装置の説明図である。照明素子323と照明素子321の向き、照明素子324と照明素子322の向きはそれぞれ一致している。また、照明素子323および照明素子324の照明範囲は、照明素子321および照明素子322の照明範囲よりも狭い。
【0042】
図12に示される構成により、照明素子の実効的な向きに加えて照明素子の実効的な照射範囲を制御することができる。具体的には、アオリ撮影を行っていない場合には照明素子321に流す電流を増加することで、第二の角度112の絶対値を小さくしつつ照明範囲を広くする。一方、第一の角度111の絶対値が大きい場合には照明素子324に流す電流を増加することで、第二の角度112の絶対値を大きくしつつ照明範囲を狭くする。このような構成により、第一の角度111によらず、ピント面107の照度ムラを低減することができるため、より好ましい。
【0043】
以上のように、本実施形態において、第二の角度112の絶対値が大きいほど、照明素子の照明範囲を狭くすることが好ましい。従って、照明素子の光軸と結像光学系101の光軸109とのなす角度が大きいほど照明素子の照明範囲が狭い複数の照明素子を配置することにより、必要な照明素子の数が減少する。具体的には、図12において、照明素子322、323を取り除いて、照明素子321、324のみを残せばよい。
【0044】
(第4の実施形態)
次に、図13を参照して、本発明の第4の実施形態における監視システムについて説明する。図13は、本実施形態における監視システム400のブロック図である。監視システム400は、クライアント装置401と撮像装置403とを備えて構成される。撮像装置403は、前述の第一の実施形態~第3の実施形態の撮像装置100~300のいずれかに相当する。
【0045】
クライアント装置401と撮像装置403は、ネットワーク402を介して相互に通信可能な状態に接続されている。クライアント装置401は、撮像装置403を制御するための各種コマンドを撮像装置403へ送信する。撮像装置403は、クライアント装置401からコマンドを受信し、そのコマンドに応じたレスポンスや撮像した画像データをクライアント装置401に送信する。ユーザは、クライアント装置401を介して、撮像装置403を被写界深度優先モード等の所望のモードで駆動するか否かを選択することができる。クライアント装置401は例えばPCなどの外部機器である。ネットワーク402は、有線LANまたは無線LAN等により構成されている。また本実施形態において、ネットワーク402を介して撮像装置403に電源を供給するように構成してもよい。
【0046】
このように各実施形態において、撮像装置は、角度制御部(アオリ機構105)および照明制御部(照明方向制御機構103)を有する。角度制御部は、撮像光学系(結像光学系101)の主面108と撮像素子104の撮像面(光入射面)とがなす角度(アオリ角度)を変更する。照明制御部は、角度制御部により変更された角度に基づいて照明部の光軸方向(光軸110の方向)を変更する。
【0047】
好ましくは、照明制御部は、照明部の光軸方向(光軸110の方向)を撮像光学系の光軸方向(光軸109の方向)と異なるように変更する。また好ましくは、照明制御部は、照明部の光軸方向を撮像素子の撮像面の法線方向に近づくように変更する。また好ましくは、照明制御部は、角度制御部により変更された角度に基づいて決定されるピント面107のうち第一の領域(領域107A)よりも、第二の領域(領域107B)に対する照明強度を上げるように、照明部の光軸方向を変更する。ここで、第一の領域は照明部からの距離が第一の距離の領域であり、第二の領域は照明部からの距離が第一の距離よりも長い第二の距離の領域である。また好ましくは、角度制御部は、撮像素子の撮像面を撮像光学系の主面に対して回転させることにより、角度を変更する。
【0048】
好ましくは、照明制御部は、撮像光学系の主面と撮像素子の撮像面とがなす第一の角度111の符号と、撮像光学系の光軸と照明部の光軸とがなす第二の角度112の符号とが互いに一致するように、照明部の光軸方向を変更する。より好ましくは、第二の角度の絶対値は、撮像装置の画角の半分以上である。また好ましくは、第二の角度の絶対値は、撮像装置の画角以下である。また好ましくは、第一の角度の絶対値は、1度以上である。
【0049】
好ましくは、照明制御部は、第一の角度の絶対値が第一の値である場合、第二の角度の絶対値を第三の値に設定し、第一の角度の絶対値が第一の値よりも大きい第二の値である場合、第二の角度の絶対値を第三の値よりも大きい第四の値に設定する。すなわち照明制御部は、第一の角度の絶対値が大きいほど前記第二の角度の絶対値を大きくする。
【0050】
好ましくは、撮像装置は、照明部の照明範囲を変更する照明範囲制御部(照明範囲制御機構213)を有する。照明範囲制御部は、第一の角度の絶対値が第一の値である場合、照明範囲を第一の照明範囲に設定し、第一の角度の絶対値が第一の値よりも大きい第二の値である場合、照明範囲を第一の照明範囲よりも狭い第二の照明範囲に設定する。すなわち照明範囲制御部は、第一の角度の絶対値が大きいほど照明範囲を狭くする。より好ましくは、照明部は、照射範囲の異なる第一の照明素子(照明素子321)および第二の照明素子(照明素子322)を含む。そして照明制御部は、第一の照明素子と第二の照明素子に流れる電流の比に基づいて、照明部の照明範囲(実効的な照明範囲)を制御する。より好ましくは、第一の照明素子の光軸と撮像光学系の光軸とのなす角度は、第二の照明素子の光軸と撮像光学系の光軸とのなす角度よりも大きく、第一の照明素子の照明範囲は、第二の照明素子の照明範囲よりも狭い。すなわち、照明素子の光軸と撮像光学系の光軸とが大きいほど照明素子の照明範囲を狭くする。
【0051】
好ましくは、照明制御部は、照明部の向きを制御することにより、照明部の光軸方向を変更する。また好ましくは、第一の照明素子の光軸と撮像光学系の光軸とのなす角度は、第二の照明素子の光軸と撮像光学系の光軸とのなす角度と異なる。そして照明制御部は、第一の照明素子と第二の照明素子に流れる電流の比を制御することにより、照明部の光軸方向(実効的な光軸方向)を変更する。
【0052】
各実施形態によれば、照明部を用いてアオリ撮影を行う場合に、被写体の輝度分布のムラを低減して撮影画像の品質を向上させることが可能な撮像装置、制御方法およびプログラムを提供することができる。
【0053】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0054】
100、200、300、403 撮像装置
101 結像光学系
102 照明素子(照明部)
103 照明方向制御機構(照明制御部)
104 撮像素子
105 アオリ機構(角度制御部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13