(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-25
(45)【発行日】2022-12-05
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20221128BHJP
F21V 29/10 20150101ALI20221128BHJP
F21V 29/503 20150101ALI20221128BHJP
F21V 29/83 20150101ALI20221128BHJP
F21V 21/30 20060101ALI20221128BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20221128BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20221128BHJP
【FI】
F21S2/00 373
F21V29/10
F21V29/503 100
F21V29/83
F21V21/30 100
F21V23/00 120
F21S2/00 365
F21Y115:10 300
(21)【出願番号】P 2018145673
(22)【出願日】2018-08-02
【審査請求日】2021-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】檜木 亮
(72)【発明者】
【氏名】澤田 拓郎
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-199596(JP,A)
【文献】特開2011-070816(JP,A)
【文献】特開2017-208206(JP,A)
【文献】特開2017-162788(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 29/10
F21V 29/503
F21V 29/83
F21V 21/30
F21V 23/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源モジュールと、
前記光源モジュールに電源を供給する電源ユニットと、
前記光源モジュール及び前記電源ユニットを内部に収容する筐体と、
前記筐体に回動自在に取り付けられるアームとを備え、
前記筐体は、部品取付面と、
前記部品取付面との一体成形部分であって、前記部品取付面の正面及び背面のそれぞれから延伸した側面とを有し、前記部品取付面の正面に前記光源モジュールが固定され、前記部品取付面の背面から離して前記電源ユニットが配置されている照明器具。
【請求項2】
前記電源ユニットは、前記部品取付面の前記背面から延伸した前記側面との間に隙間を介して配置される請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記電源ユニットは、前記部品取付面と対向する側が開放されている請求項1又は請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記電源ユニットに接続される電線が、前記電源ユニットの開放部分から前記電源ユニットの内部に引き込まれる請求項3に記載の照明器具。
【請求項5】
前記アームは、前記筐体の前記部品取付面に固定されたアーム軸受け部に回動自在に取り付けられるアーム軸と、前記電線を通す孔が形成された電線支持部とを備えている請求項4に記載の照明器具。
【請求項6】
前記部品取付面の前記背面から延伸した前記側面は、背面側から正面側に向かうに連れて厚みが厚く形成されている請求項1~請求項5の何れか一項に記載の照明器具。
【請求項7】
前記部品取付面は、前記光源モジュールを正面側から保持するソケット前面部と同じ厚みに形成されている請求項1~請求項6の何れか一項に記載の照明器具。
【請求項8】
前記筐体の前記側面は、前記アームの回動を許容する切り欠きが形成された筒状である請求項1~請求項7の何れか一項に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源ユニットを備えた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ダクトレールに取り付けられるプラグ及びプラグに水平方向に並んで配置される電源ユニットを有する電源ブロックと、電源ブロックの下面側に固定されたアームと、アームの下端部に回動可能に保持され、光源モジュールが配置された本体部と、を備えた照明器具が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、電源ユニットがプラグと水平方向に並んで配置される構成としているが、電源ユニットの配置位置を変えて意匠の異なる照明器具を構成する場合、光源モジュールが発生する熱の放熱性を考慮する必要がある。具体的には、電源ユニットを本体部の筐体内に配置する構成とする場合、特許文献1に比べて電源ユニットが光源モジュールに近づく。このため、光源モジュールの発生する熱を筐体から放熱しつつ、電源ユニットへの伝熱を抑制する構成とする必要がある。
【0005】
本発明は、このような点を鑑みなされたもので、光源モジュールから発せられる熱が筐体の内部に収容される電源ユニットへ伝わるのを抑制することが可能な照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る照明器具は、光源モジュールと、光源モジュールに電源を供給する電源ユニットと、光源モジュール及び電源ユニットを内部に収容する筐体と、筐体に回動自在に取り付けられるアームとを備え、筐体は、部品取付面と、部品取付面との一体成形部分であって、部品取付面の正面及び背面のそれぞれから延伸した側面とを有し、部品取付面の正面に光源モジュールが固定され、部品取付面の背面から離して電源ユニットが配置されているものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、部品取付面の前面に光源モジュールが固定され、部品取付面の背面から離して電源ユニットが配置されているので、光源モジュールから発せられて部品取付面に伝わった熱が電源ユニットへ伝わることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態1における照明器具100の斜視図である。
【
図2】本発明の実施の形態1における照明器具100の分解斜視図である。
【
図3】本発明の実施の形態1における照明器具100の概略縦断面図である。
【
図5】本発明の実施の形態1に係る照明器具100の部品取付正面11-1aの正面図である。
【
図6】本発明の実施の形態1に係る照明器具100における集光レンズ15の保持構造を説明する要部概略断面図である。
【
図7】本発明の実施の形態1に係る照明器具100の筐体11を背面側から見た図である。
【
図8】本発明の実施の形態1に係る照明器具100から電源ユニット17を取り外した状態を背面側から見た図である。
【
図9】本発明の実施の形態1に係る照明器具100を背面側から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における照明器具100の斜視図である。
図2は、本発明の実施の形態1における照明器具100の分解斜視図である。
図3は、本発明の実施の形態1における照明器具100の概略縦断面図である。
図4は、
図3の点線で囲った部分の拡大図である。なお、本実施の形態1において、光が出射する側を正面側、その反対側を背面側とする。また、本実施の形態1において、「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、「後」は、
図1の照明器具100の設置姿勢を基準としたものとする。
【0010】
照明器具100は、本体部10と、一方の端部が本体部10に回動可能に取り付けられるアーム20と、アーム20の他方の端部に回動可能に取り付けられるプラグ30とを備える。照明器具100は、被取付部であるダクトレール(図示せず)にプラグ30が取り付けられて使用される。照明器具100は、狭角の照明光を出射するいわゆるスポットライトであるが、スポットライトに限定されるものではない。
【0011】
図1~
図4に示すように、本体部10は、筐体11と、筐体11内の正面側に収納される光源モジュール12と、絶縁シート14と、光源モジュール12から出射される光を集光又は拡散する集光レンズ15と、集光レンズ15を保持するレンズホルダ16とを備える。本体部10は更に、筐体11内の背面側に収納され、光源モジュール12に電力を供給する電源ユニット17を備える。
【0012】
筐体11は、円板状の部品取付面11-1と、部品取付面11-1の外周面を囲むように形成された筒状であって、正面側から背面側に向かって直径が縮小するテーパ状の側面11-2とを備えている。側面11-2は、部品取付面11-1の正面側の面(以下、部品取付正面という)11-1a及び部品取付面11-1の背面側の面(以下、部品取付背面という)11-1bのそれぞれから正面側及び背面側に延伸して形成されている。側面11-2はアルミ合金の射出成形により形成される。側面11-2の軸方向は照明器具100の光軸C方向に一致している。
【0013】
このように側面11-2は部品取付正面11-1a及び部品取付背面11-1bのそれぞれから延伸した形状であるため、筐体11の放熱面積が増大して高い放熱性を有している。そして、側面11-2において部品取付面11-1よりも背面側には、光軸C方向に延伸する切り欠き11-2aが形成されている。切り欠き11-2aは、側面11-2の背面側の端部から光軸C方向の中央部まで延伸している。切り欠き11-2aは、アーム20の回動を許容するものである。また、切り欠き11-2aは、光源モジュール12から発生する熱によって加熱された筐体11内の空気の排出経路としても機能する。
【0014】
光源モジュール12は、絶縁シート14を介して部品取付正面11-1aに固定される。光源モジュール12は、発光モジュール12-2と、発光モジュール12-2を正面側から保持するソケット前面部12-1と、発光モジュール12-2を背面側から保持するソケット背面部12-3とを有する。発光モジュール12-2は、発光素子であるCOB(Chip on Board)-LEDを備える。発光モジュール12-2は、COB-LEDに代えて複数のLEDを備えていてもよい。
【0015】
光源モジュール12の前方には、集光レンズ15が左右一対のレンズホルダ16によって挟持された状態で筐体11内に配置されている。以下、
図5及び
図6を用いて集光レンズ15の保持構造について説明する。
【0016】
図5は、本発明の実施の形態1に係る照明器具100の部品取付正面11-1aの正面図である。
図6は、本発明の実施の形態1に係る照明器具100における集光レンズ15の保持構造を説明する要部概略断面図である。
集光レンズ15を保持するレンズホルダ16は、
図6に示すように背面に凸部16-1が形成されている。レンズホルダ16の背面に対向する部品取付正面11-1aには、ボス11-3aが形成されており、ボス11-3aに凸部16-1が嵌合することで、レンズホルダ16が部品取付正面11-1aに保持されている。また、部品取付正面11-1aには、
図5に示すようにリブ11-4aが正面側に突出して形成されており、リブ11-4aの先端面がレンズホルダ16の背面に接触してレンズホルダ16を支持している。また、ボス11-3a及びリブ11-4aは、レンズホルダ16と部品取付正面11-1aとの間に、光源モジュール12を配置する空間を確保するスペーサとしても機能する。このようにレンズホルダ16は、ボス11-3a及びリブ11-4aで部品取付正面11-1aと接触する構成であり、部品取付面11-1との接触面積の増大が抑制されている。
【0017】
以上の構成において、光源モジュール12が発する熱は、絶縁シート14を介して筐体11に伝わる。すなわち、光源モジュール12が発する熱は、まず絶縁シート14を介して部品取付面11-1に伝わり、更に部品取付面11-1から側面11-2に伝わる。そして、側面11-2から空気中に放熱される。このように側面11-2は放熱面として機能するため、側面11-2を例えば半円筒状とする構成に比べて本実施の形態1では筒状としたことで、高い放熱性が得られ、効率よく放熱することが可能となっている。
【0018】
ここで、
図1~
図4の説明に戻る。
筐体11内において部品取付面11-1の背面側の空間には、上述したように電源ユニット17が収納されている。電源ユニット17は、ユニット筐体17a内に電源基板(図示せず)を備えた構成を有する。電源ユニット17は、
図3及び
図4に示すように板金のケース18で覆われた状態で筐体11内に収容されている。電源ユニット17をケース18で覆うことにより、電源ユニット17の充電部をエンクローズし、トラッキング等の発生を抑制することができる。また、ケース18を介して電源ユニット17の放熱性を向上させることができる。なお、ケース18は、板金以外の材料、例えば樹脂で形成されていてもよい。
【0019】
電源ユニット17のユニット筐体17a及びケース18のそれぞれは、
図2及び
図4に示すように部品取付背面11-1bに対向する側が開放されている。つまり、ユニット筐体17a及び部品取付背面11-1bに覆われるため、ユニット筐体17a及びケース18の部品取付背面11-1bに対向する側に開口17b及び開口18aが形成されている。これにより、ユニット筐体17a及びケース18の部材費及び加工費を低減させることができる。
【0020】
ここで、本実施の形態1は、電源ユニット17を筐体11の内部に収容した構成において、光源モジュール12から発生する熱が電源ユニット17へ伝わることを抑制する構造を特徴としている。以下、具体的な構造について
図4を参照して説明する。
【0021】
図4に示すように、電源ユニット17は、筐体11内において部品取付背面11-1bから、照明器具100の光軸Cの方向に隙間距離G1だけ離れた位置に配置されている。隙間距離G1は、以下に説明する本体部10の重量バランス等を考慮して適宜設定すればよい。このように電源ユニット17を部品取付背面11-1bから離して配置することにより、光源モジュール12から発せられて部品取付面11-1に伝わった熱が電源ユニット17に伝わることを抑制できる。
【0022】
また、電源ユニット17と筐体11の側面11-2との間に、隙間G2を設けている。また電源ユニット17の背面とケース18との間に、隙間G3を設けている。このように、電源ユニット17が筐体11の側面11-2及びケース18との間に隙間G2及び隙間G3を介して配置されることで、この隙間が断熱空間となり、光源モジュール12から筐体11に伝わった熱が電源ユニット17に伝わることを抑制できる。また、この隙間G2及び隙間G3による空間は、電源ユニット17の本体部から発する熱の放熱空間としても機能し、電源ユニット17の熱の放熱の促進に寄与する。また、筐体11の側面11-2の背面側は閉じられずに開放されているので、電源ユニット17の本体部から発せられた熱は、筐体11の背面側から空気中へ効率良く放熱される。
【0023】
また、隙間G2及び隙間G3を設けることにより、光源モジュール12から電源ユニット17への配線の取り回し及び配線の接続位置の自由度を広げることができる。
【0024】
電源ユニット17への伝熱を抑制する構造として、部品取付面11-1の厚みが、ソケット前面部12-1の厚みと同程度に構成されている。これにより、部品取付面11-1の厚みをソケット前面部12-1よりも薄くする場合に比べて部品取付面11-1の熱抵抗を小さくできる。よって、光源モジュール12から部品取付面11-1への熱伝達を促進でき、結果として光源モジュール12の熱を効率良く筐体11に拡散させて放熱させることができる。
【0025】
そして、
図4に示すように側面11-2の部品取付面11-1より背面側の厚みは、光軸C方向で背面側から部品取付背面11-1bに近づく程、厚くなっている。これにより、側面11-2の部品取付面11-1より背面側は、部品取付面11-1に近づく程、熱抵抗が小さくなる。よって、部品取付面11-1から側面11-2への熱伝達を促進できる。また、見方を変えれば、筐体11の側面11-2の部品取付面11-1より背面側の厚みは、光軸C方向で部品取付面11-1から離れる程、薄くなっている。このような形状により側面11-2の空気との接触面積が増え、側面11-2からの放熱性を向上できる。
【0026】
次に、アーム20と筐体11との固定構造について説明する。
図7は、本発明の実施の形態1に係る照明器具100の筐体11を背面側から見た図である。
図8は、本発明の実施の形態1に係る照明器具100から電源ユニット17を取り外した状態を背面側から見た図である。
【0027】
アーム20は、本体部10をアーム軸21により回動自在に支持する部材である。アーム20は、プラグ30と接続される側とは反対側の端部に、アーム軸21を通す孔を有する。この孔にアーム軸21が通されて、
図2に示すようにアーム軸21の両端部がアーム軸受け部22に支持される。
【0028】
アーム軸受け部22は、アーム軸21を介してアーム20を保持するものであり、部品取付背面11-1bに強固に取り付けられる。本実施の形態1では、アーム軸受け部22は以下詳述するように4箇所のねじ止めによって部品取付背面11-1bに強固に取り付けられる。アーム軸受け部22は、アーム軸21を通す軸孔が形成された軸受面22aと軸受面22aから垂直に延びる取付面22bとを有する左右一対のL字状部材で構成されており、取付面22bには、ねじ止めに用いられる貫通孔が上下2箇所に形成されている。
【0029】
全4箇所のねじ止め箇所のうち、
図8に示すように光軸Cを含む平面Pから遠い2箇所で、取付面22bが部品取付背面11-1bにねじ止めされる。具体的には、取付面22bの貫通孔にねじ40が通され、部品取付背面11-1bに形成されたねじ穴11-6(
図7参照)に締結される。このようにアーム20がアーム軸21及びアーム軸受け部22を介して部品取付背面11-1bに固定されることで、本体部10がアーム軸21により回動自在となっている。具体的には、本体部10は、光軸Cが水平方向となる水平姿勢から光軸Cが垂直方向となる垂直姿勢となるまで回動でき、光の照射方向を上下方向に変更することが可能となっている。なお、全4箇所のねじ止め箇所のうち、光軸Cを含む平面Pから近い2箇所は、後述するがアーム軸受け部22と電源ユニット17との共締めに用いられる。
【0030】
次に、電源ユニット17とプラグ30との接続について
図3及び
図4を参照して説明する。
電源ユニット17は、ハーネス31によってプラグ30と電気的に接続されている。ハーネス31は、
図3に示すようにプラグ30からアーム20に沿って引き延ばされ、アーム20に形成された電線支持部23(
図2参照)の孔23-1(
図8参照)に、正面側から背面側へ通される。そして、ハーネス31は、ケース18の開口18a及び電源ユニット17の開口17bから電源ユニット17内に引き込まれ、電源基板(図示せず)に電気的に接続される。
【0031】
このようにハーネス31はアーム20の電線支持部23に支持されており、アーム20の位置が変わると、その位置移動に伴ってハーネス31も移動する。ハーネス31は、電源ユニット17と部品取付背面11-1bとの間の隙間距離G1による空間を移動空間として移動する。ハーネス31を支持する電線支持部23と電源ユニット17の開口17bとは、共に光軸C方向の同一領域、具体的には側面11-2内において光軸C方向の中心部に配置されている。このため、ハーネス31を電線支持部23から電源ユニット17まで最短距離で配置し、ハーネス31の長さを短くすることが可能となっている。
【0032】
次に、電源ユニット17の筐体11の内部への固定構造について
図7~
図9を参照して説明する。
【0033】
図9は、本発明の実施の形態1に係る照明器具100を背面側から見た図である。
電源ユニット17が固定される部品取付背面11-1bには、背面側に突出した中空状のボス11-3bが形成されている。ボス11-3b内に電源ユニット17の正面側に形成された凸部(図示せず)が嵌合することで、電源ユニット17が部品取付背面11-1bに固定されている。また、部品取付背面11-1bには、背面側に突出したリブ11-4bが形成されており、リブ11-4aの先端面が電源ユニット17の正面に接触して電源ユニット17を支持している。
【0034】
また、部品取付背面11-1bには、背面側に突出した仕切り板11-5が左右方向に延びて形成されている。仕切り板11-5は、部品取付背面11-1bよりも背面側の空間をアーム20を収納する上部空間と電源ユニット17を収納する下部空間とに仕切るものである。仕切り板11-5の背面側には、
図4に示すように電源ユニット17及びケース18のそれぞれの正面側の開口17b及び開口18aとの間にハーネス31が通る空間が確保されている。
【0035】
電源ユニット17を収容するケース18の前面には、
図9に示すように背面視においてアーム20側に突出する電源ユニット取付部17-1が左右一対、形成されている。電源ユニット取付部17-1は、アーム軸受け部22の取付面22bに背面側から当接している。電源ユニット取付部17-1には前後方向に貫通する貫通孔が形成されている。この貫通孔と、アーム軸受け部22の取付面22bに形成された4つの貫通孔のうち光軸Cを含む平面Pから近い2箇所の貫通孔とにねじ41が通され、部品取付背面11-1bに締結されることで、ケース18がアーム軸受け部22と共に部品取付背面11-1bに固定されている。このように、ケース18部分で電源ユニット17とアーム軸受け部22とが部品取付背面11-1bに共締めされることで、締結に用いるねじの本数を減らすことができる。
【0036】
ここで、電源ユニット取付部17-1は、隙間距離G1だけ正面側に電源ユニット17の開口17bから突出している。このように、電源ユニット取付部17-1が隙間距離G1だけ正面側に突出することで、上述したように電源ユニット17が部品取付背面11-1bから隙間距離G1だけ離して取り付けられる。
【0037】
次に、本体部10の重量バランスについて説明する。
アーム軸21には本体部10の重量がかかるため、アーム軸21を基準として光軸C方向に本体部10の重量バランスが取れていないと、照明器具100の設置後に本体部10がアーム軸21を中心として回動する可能性がある。つまり、本体部10の姿勢が意図せず変わってしまい、光の照射領域が本来の照射位置から移動する可能性がある。よって、このような意図しない本体部10の姿勢変化を抑制するため、本体部10の重心をアーム軸21に一致させるか又は近づけることが好ましい。
【0038】
ここで、アーム軸21は、
図3に示すように、側面視で筐体11の光軸C方向の略中央に配置される。アーム軸21を光軸C方向の略中央に位置させるため、部品取付面11-1は光軸C方向で筐体11の中央よりも光源モジュール12側に寄せて配置されている。
【0039】
このように、アーム軸受け部22が筐体11の光軸C方向の略中央に配置されていることで、本体部10をアーム軸21を中心として回動させて光の照射領域を変更する際に、回動量に対する照射領域の移動量を小さくできる。アーム軸受け部22が例えば筐体11の背面側の端部に配置されている場合、筐体11内の正面側に配置される光源モジュール12とアーム軸21との光軸C方向の位置が離れるため、本体部10の回動量に対する照射領域の移動量が大きくなる。つまり、照射領域を変更しようとしてユーザが本体部10を把持して回動させた際に、本体部10の回動量に対して照射領域がユーザが想定するよりも大きく移動してしまう。これに対し、本実施の形態1ではアーム軸受け部22が光軸C方向の略中央に配置されていることで、本体部10の回動量と本体部10の回動に伴う照射領域の移動量とを感覚的に近づけることができる。
【0040】
本体部10の重心をアーム軸21に近づけるには、本体部10内に配置される部品のうち、重量物の一つである電源ユニット17の配置位置を考慮すればよい。具体的には、設計段階において、電源ユニット17の重量を踏まえて電源ユニット17の光軸C方向の配置位置を調整し、本体部10の重量バランスを調整すればよい。本実施の形態1の場合、本体部10の重心を側面視でアーム軸21よりもやや背面側に位置した構成としている。具体的には、アーム軸21を中心として側面視で光源モジュール12側と電源ユニット17側との重量バランスの比率(
図3のa:bの重量バランスの比率)が、約4.5:5.5となるように調整している。
【0041】
また、電源ユニット17を上下方向でアーム軸21に近づける配置とすることで、本体部10の重心をアーム軸21に近づけ、アーム20の可動による照明器具100の重量バランスの悪化を抑制している。以下、この構成について
図7を参照して説明する。
部品取付背面11-1bには、上述したように仕切り板11-5が形成されており、部品取付背面11-1bよりも背面側の筐体11内の空間のうち、仕切り板11-5の高さ位置よりも下方の空間が電源ユニット17の配置空間となる。仕切り板11-5が仮に光軸Cの高さ位置に形成されている場合、電源ユニット17の配置位置は光軸Cよりも下方となる。しかし、本実施の形態1では、仕切り板11-5が光軸Cよりも上方側、つまりアーム軸21に寄せた位置に形成されていることで、電源ユニット17を、光軸Cの高さ位置よりもアーム軸21側に近づけて配置できる。
【0042】
このように電源ユニット17をアーム軸21に近づける構成により、本体部10の重心をアーム軸21に近づけ、アーム20の可動による照明器具100の重量バランスの悪化を抑制できる。
【0043】
以上説明したように、本実施の形態1によれば、筐体11内において電源ユニット17を部品取付背面11-1bから離して配置したので、光源から発せられて部品取付面11-1に伝わった熱が電源ユニット17へ伝わることを抑制できる。
【0044】
また、電源ユニット17は、筐体11の側面11-2との間に隙間を介して配置されているので、光源モジュール12から発せられて筐体11の側面11-2に伝わった熱が電源ユニット17に伝わることを抑制できる。
【0045】
また、電源ユニット17は、部品取付面11-1と対向する側が開放されているので、電源ユニット17の部材費及び加工費を低減させることができる。
【0046】
また、電源ユニット17に接続されるハーネス31は、電源ユニット17の開放部分である開口17bから電源ユニット17内に引き込まれており、電源ユニット17の開放部分を利用してハーネス31をユニット筐体17a内に引き込むことができる。
【0047】
アーム20は、筐体11の部品取付面11-1に固定されたアーム軸受け部22に回動自在に取り付けられるアーム軸21と、ハーネス31を通す孔23-1が形成された電線支持部23とを備えているので、ハーネス31を電線支持部23で支持することができる。
【0048】
また、筐体11の側面11-2のうち、部品取付面11-1よりも背面側の部分が、背面側から正面側に向かうに連れて厚みが厚く形成されている。これにより、側面11-2の部品取付面11-1より背面側は部品取付面11-1に近づく程、熱抵抗が小さくなる。よって、部品取付面11-1から側面11-2への熱伝達を促進でき、結果として光源モジュール12の熱を効率良く筐体11に拡散させて放熱させることができる。
【0049】
また、部品取付面11-1は、光源モジュール12を正面側から保持するソケット前面部12-1と同じ厚みに形成されている。これにより、部品取付面11-1の厚みをソケット前面部12-1よりも薄くする場合に比べて部品取付面11-1の熱抵抗を小さくできる。よって、光源モジュール12から部品取付面11-1への熱伝達を促進でき、結果として光源モジュール12の熱を効率良く筐体11に拡散させて放熱させることができる。
【0050】
また、筐体11の側面11-2は、アーム20の回動を許容する切り欠き11-2aが形成された筒状である。このように筐体11の側面11-2を、必要箇所のみ切り欠かれた筒状としたので、特許文献1のように半円筒状とした構成に比べて光源モジュール12の熱を放熱するための表面積を広く確保でき、放熱効果を高めることができる。また、切り欠き11-2aは、本体部10を水平姿勢とした際に上方側に位置するため、側面11-2の内部の熱を、自然対流によって切り欠き11-2aを通じて筐体11の内部から外部へと放熱することができる。
【符号の説明】
【0051】
10 本体部、11 筐体、11-1 部品取付面、11-1a 部品取付正面、11-1b 部品取付背面、11-2 側面、11-2a 切り欠き、11-3a ボス、11-3b ボス、11-4a リブ、11-4b リブ、11-5 仕切り板、11-6 ねじ穴、12 光源モジュール、12-1 ソケット前面部、12-2 発光モジュール、12-3 ソケット背面部、14 絶縁シート、15 集光レンズ、16 レンズホルダ、16-1 凸部、17 電源ユニット、17-1 電源ユニット取付部、17a ユニット筐体、17b 開口、18 ケース、18a 開口、20 アーム、21 アーム軸、22 アーム軸受け部、22a 軸受面、22b 取付面、23 電線支持部、23-1 孔、30 プラグ、31 ハーネス、40 ねじ、41 ねじ、100 照明器具、C 光軸、G1 隙間距離、G2 隙間、G3 隙間、P 平面。