(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-25
(45)【発行日】2022-12-05
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理装置の制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/42 20060101AFI20221128BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20221128BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20221128BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20221128BHJP
【FI】
B41J29/42 F
B41J29/38 202
B41J29/38 801
H04N1/00 350
G06F3/12 373
G06F3/12 357
G06F3/12 355
G06F3/12 358
G06F3/12 304
G06F3/12 305
G06F3/12 385
(21)【出願番号】P 2018163035
(22)【出願日】2018-08-31
【審査請求日】2021-08-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(72)【発明者】
【氏名】千葉 慎一
【審査官】井出 元晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-125687(JP,A)
【文献】特開2017-044753(JP,A)
【文献】特開2012-230574(JP,A)
【文献】特開2016-019051(JP,A)
【文献】特開2018-034475(JP,A)
【文献】特開2012-203600(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0363140(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/42
B41J 29/38
H04N 1/00
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理装置、または画像処理装置以外の外部装置に保存されている文書データを、前記文書データ
の属性に予め
関連付けられた第一の設定値に基づいて出力処理を実行する機能を少なくとも有する画像処理装置であって、
前記第一の設定値
が第二の設定値に変更
されたうえで、当該第二の設定値に基づいて前記文書データの
出力処理が実行された場合に、少なくとも前記文書データに関する情報、および前記第二の設定値に関する情報
を含む第一のジョブ履歴
を、ジョブ履歴の1つとして管理する管理手段と、
前記文書データの出力処理のために、前記管理手段によって管理された前記第一のジョブ履歴
の選択の指示
を受け付ける指示受付手段と、
前記指示受付手段によって前記
指示を受け付けたことに応じて、
ユーザに対して、前記第二の設定値を用いて前記出力処理が
実行されること
についての通知
を行う通知手段と、
前記通知の後に、前記出力処理のための設定画面であって、前記第一のジョブ履歴に基づき前記第二の設定値を含む複数の設定値が反映された設定画面を表示する表示手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記画像処理装置は、
前記画像処理装置が有する複数の機能それぞれに対して実行指示をするための第一のソフトキーを含むメニュー領域を表示する表示制御手段をさらに有し、
前記表示制御手段は、
前記メニュー領域とともに、
前記第一のジョブ履歴の選択の指示を受け付け可能なように、前記管理手段によって管理された
前記ジョブ履歴に基づいた
1以上の第二のソフトキー
を配置したタイムライン領域を表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
所定の操作によって、前記タイムライン領域に表示されている
第二のソフトキー
のいずれかに対応するソフトキーを前記メニュー領域に表示する
ことを特徴とする請求項2
に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記管理手段は、
少なくとも前記文書データに関する情報、および前記第一の設定値に関する情報を含む第二のジョブ履歴をさらに管理し、
前記指示受付手段が前記文書データの出力処理のために前記管理手段によって管理された前記第二のジョブ履歴の選択の指示を受け付けた場合には、前記通知手段による前記第一の設定値を用いて出力処理が実行されることについての通知が行われない
ことを特徴とする
請求項1乃至
3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記文書データ
の前記属性は
、PDF
を示す
ことを特徴とする請求項1乃至
4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
画像処理装置、または画像処理装置以外の外部装置に保存されている文書データを、前記文書データ
の属性に予め
関連付けられた第一の設定値に基づいて出力処理を実行する機能を少なくとも有する画像処理装置の制御方法であって、
前記第一の設定値
が第二の設定値に変更
されたうえで、当該第二の設定値に基づいて前記文書データの
出力処理が実行された場合に、少なくとも前記文書データに関する情報、および前記第二の設定値に関する情報
を含む第一のジョブ履歴
を、ジョブ履歴の1つとして管理する管理ステップと、
前記文書データの出力処理のために、前記管理ステップによって管理された前記第一のジョブ履歴
の選択の指示
を受け付ける指示受付ステップと、
前記指示受付ステップによって
指示を受け付けたことに応じて、
ユーザに対して、前記第二の設定値を用いて前記出力処理が
実行されること
についての通知
を行う通知ステップと、
前記通知の後に、前記出力処理のための設定画面であって、前記第一のジョブ履歴に基づき前記第二の設定値を含む複数の設定値が反映された設定画面を表示する表示ステップと、
を有することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項7】
コンピュータを、
画像処理装置、または画像処理装置以外の外部装置に保存されている文書データを、前記文書データ
の属性に予め
関連付けられた第一の設定値に基づいて出力処理を実行する機能を少なくとも有する画像処理装置として機能させるためのプログラムであって、
前記第一の設定値
が第二の設定値に変更
されたうえで、当該第二の設定値に基づいて前記文書データの
出力処理が実行された場合に、少なくとも前記文書データに関する情報、および前記第二の設定値に関する情報
を含む第一のジョブ履歴
を、ジョブ履歴の1つとして管理する管理手段と、
前記文書データの出力処理のために、前記管理手段によって管理された前記第一のジョブ履歴
の選択の指示
を受け付ける指示受付手段と、
前記指示受付手段によって前記
指示を受け付けたことに応じて、
ユーザに対して、前記第二の設定値を用いて前記出力処理が
実行されること
についての通知
を行う通知手段と、
前記通知の後に、前記出力処理のための設定画面であって、前記第一のジョブ履歴に基づき前記第二の設定値を含む複数の設定値が反映された設定画面を表示する表示手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理装置の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像処理装置において、コピーやスキャンなど、実行されたジョブに対して行われた設定を設定履歴として複数記憶する機能(以降、タイムラインと呼ぶ)を備えるものがある(特許文献1及び特許文献2参照)。
また、ある文書データに対して、固定的に設定を行う方法(以下、文書属性と呼ぶ)により、設定を簡便化する方法もある。文書データの選択画面から特定の文書が選択されると、あらかじめ決定された設定が表示され、ユーザは実行を指示するだけでジョブを実行することができる。これらの機能により、ユーザはジョブ実行の際、細かな設定を行うことなく所望の設定を呼び出すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-201931号公報
【文献】特開2015-146503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
タイムラインや文書属性などの一括設定手段によって、ユーザに対してジョブの実行手順を簡便にすることができた。しかしその一方で、様々な一括設定方法が混在するために、反映される設定内容がわかりにくい。例えば、PDF(Portable Document Format)ファイルのジョブを実行したいとき、タイムライン領域のボタンを押下する。その一方で、PDFには文書属性によりPDFに適した設定が関連付けられているため、タイムラインからPDF文書を含む設定履歴が選択されたときに、文書属性の設定が反映されるかどうかがわからない。このように、ジョブを実行する際に、どの設定手段で、どの一括設定が行われるのかが、事前にわかりにくい。
【0005】
本発明は、上記課題を鑑みて、文書を印刷する際、どの一括設定が実行されるのかが事前に分かる画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の画像処理装置は、画像処理装置、または画像処理装置以外の外部装置に保存されている文書データを、前記文書データの属性に予め関連付けられた第一の設定値に基づいて出力処理を実行する機能を少なくとも有する画像処理装置であって、前記第一の設定値が第二の設定値に変更されたうえで、当該第二の設定値に基づいて前記文書データの出力処理が実行された場合に、少なくとも前記文書データに関する情報、および前記第二の設定値に関する情報を含む第一のジョブ履歴を、ジョブ履歴の1つとして管理する管理手段と、前記文書データの出力処理のために、前記管理手段によって管理された前記第一のジョブ履歴の選択の指示を受け付ける指示受付手段と、前記指示受付手段によって前記指示を受け付けたことに応じて、ユーザに対して、前記第二の設定値を用いて前記出力処理が実行されることについての通知を行う通知手段と、前記通知の後に、前記出力処理のための設定画面であって、前記第一のジョブ履歴に基づき前記第二の設定値を含む複数の設定値が反映された設定画面を表示する表示手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、どの設定内容が表示されるかが事前にわかりやすくなり、ユーザの利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】第1実施形態に係る一括設定表示時の制御方法を説明するフローチャートである。
【
図3】第2実施形態に係る一括設定表示時の制御方法を説明するフローチャートである。
【
図4】第3実施形態に係る一括設定表示時の制御方法を説明するフローチャートである。
【
図6】タイムラインが保持するレコード情報を説明する図である。
【
図7】第2実施形態に係る設定競合時の通知画面を説明する図である。
【
図8】第3実施形態に係る設定競合時の選択画面を説明する図である。
【
図9】設定競合時の優先する設定手段を決定する設定画面を説明する図である。
【
図10】タイムライン使用時の設定確認画面を説明する図である。
【
図12】文書属性が保持するレコード情報を説明する図である。
【
図13】保存ファイルの利用ジョブ時の設定確認画面を説明する図である。
【
図14】よく使う設定の登録画面を説明する図である。
【
図15】よく使う設定の登録後の画面を説明する図である。
【
図16】よく使う設定が保持するレコード情報を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
記憶された設定履歴は、タイムライン領域と呼ばれる領域にソフトキーとして表示される。それぞれの履歴は、ユーザによりタッチされるソフトキーとして表現されており、ソフトキーが押下されることで該当のソフトキーに対応する履歴が読み込まれる。その後、設定内容を自動的に一括設定した対象のサービスが提供する設定画面が表示される。タイムライン領域は、サービスを選択するためのアイコンが表示されるサービス領域に隣接した位置に配置される。タイムライン領域とサービス選択領域を操作部に同時に表示する理由としては、どちらもサービスを起動するトリガーとなり得るソフトキーであり、いずれからも起動できる方がユーザにとって利便性が高いからである。以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
【0010】
(第1実施形態)
<画像処理装置>
図1は、本実施形態に係る画像処理装置の構成を示す図である。画像処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102を有する。また、画像処理装置100は、RAM103(Random Access Memory)と、プリンタ104と、操作表示部105、スキャナ110を有している。さらに、画像処理装置100は、外部との通信インターフェースとして、USB(Universal Serial Bus)I/F106と、ネットワーク I/F107とを有する。
【0011】
CPU101は、システム制御部であり、画像処理装置100の全体を制御する。ROM102は、CPU101の制御プログラムを格納している。なお、上記制御プログラムは、以下に説明する上記実施例を実行する制御プログラムである。また、ROM102は、書き換え可能なフラッシュROMなどの種類があり、画像処理装置100のユーザが登録した設定値、管理データ等を格納する。
【0012】
RAM103は、実行プログラム、プログラム制御変数、各種ワーク用バッファ等や、画像処理装置100のユーザが登録した一部の設定値、管理データ等を格納する。プリンタ104は、紙などのシートに画像を形成するためのハードウェア機構である。プリンタ104は、シートの給紙やドラムの帯電、レーザーの照射、静電潜像、シートへの画像の転写、定着などを行うことでシート上に画像を形成する。
【0013】
スキャナ110は、原稿を読み取り、ROM102やRAM103に読み取った画像情報を取り込むハードウェア機構である。取り込んだ画像情報はプログラム等によって加工され、LAN109を通じて外部へ送信されるなどの利用方法がある。操作表示部105は、キーボード、タッチパネル、LCD、LED等で構成され、ユーザによる各種操作を受け付けたり、操作画面を表示したり、ユーザへの通知を行う。
【0014】
USB I/F106は、USBデバイス108との接続、通信及び電力供給などを行う。ネットワーク I/F107は、LAN109を介して画像処理装置100の各部とのデータ送受信を行う。特に端末108からの印刷ジョブ受信や、装置100の制御情報の受信を行う。なおLAN109には、有線で通信を行うもの(有線LAN)と、無線で通信を行うもの(無線LAN)を含む。
【0015】
図5は、操作表示部105に表示される画面を示す図であり、ホーム画面(操作画面)と呼ばれる。ホーム画面は、画像処理装置100の制御プログラムをCPU101が実行することで表示される。ホーム画面300は、各アプリケーションの画面を呼び出すための画面である。ユーザは、ホーム画面300を操作入力することで所定のサービスを選択する。ホーム画面300には、メニュー301と、スライドバー302と、ユーザ名表示領域303と、タイムライン(第1領域)304を備えている。
【0016】
メニュー301は、ソフトキーであるアプリボタン群309を表示するボタン領域を有する。アプリボタン群(第2領域)309は、対応するアプリケーションの画面に遷移するためのボタン群であり、いずれかのボタンが押下されると、押下されたボタンに対応するアプリケーションのプログラムが提供する画面が表示される。また、本実施形態では、メニュー301は、1ページ以上の画面から構成される。1ページに表示されるボタン数は、ROM102やRAM103に保存されたボタンレイアウト設定(図示しない)によって定められている。なお、本実施形態では、ソフトキーを用いているがこれに限定することなく、例えば、アプリケーション画面に遷移することができれば他の方法であってもよい。
【0017】
スライドバー302は、メニュー301のページを切り替えるためのボタンである。なお、タッチパネルであればフリック動作、またはハードキー押下によって、メニュー301のページを切り替えてもよい。ユーザ名表示領域303は、現在ログイン中のユーザ名を表示する表示領域である。タイムライン304は、ジョブに関する設定の履歴(レコード)を表示する領域である。レコード305~308は、レコードを表す。ここで、レコード305を例に詳細を説明する。レコード305は、カラーモード「白黒」、用紙サイズ「A4」、倍率「125%」、部数「5部」のコピージョブを「2017/10/24 08:51:22」に実施したことを示している。その際のコピージョブの設定を履歴として再利用することが可能である。
【0018】
次に、レコード305を押下した場合について説明する。レコード305は、
図6に示すレコード情報(履歴情報)400(後述する)と関連づけてROM102またはRAM103にログインユーザ毎に記憶されている。
図6は、ROM102またはRAM103に記憶されているレコード情報を説明する説明図である。本実施形態では、ログインユーザIDが「User0001」であるユーザがログインした際に、ROM102またはRAM103から呼び出されるレコード情報を例に説明する。レコード情報400は、オーナーユーザID401、レコードID402、レコード名称403、アプリケーション種別404、更新日時405、アプリケーションデータ406、呼び出し回数407、レコードポイント408で構成されている。これらは、レコード情報400の一例であり、その他の項目を保持していてもよい。また、アプリケーションによって保持する項目が異なっていてもよい。
【0019】
オーナーユーザID401は、実行したユーザを特定するためのユーザIDを示す。この情報により、ログインユーザIDと合致したオーナーユーザIDのレコード情報が呼び出される。レコードID402は、レコードを一意に識別するためのIDを示す。レコード名称403は、レコードの表示名を示す。アプリケーション種別404は、アプリケーションの識別子を示す。更新日時405は、レコードを登録した日時を示す。アプリケーションデータ406は、任意の設定データを示す。
【0020】
図6に示すレコード情報400の例では、「KEY/VALUE」のハッシュマップ形式で記載している。レコードID402が「1」を例に説明すると、カラーモード「白黒」、用紙サイズ「A4」、ページ集約「1in1」、倍率「125%」、部数「5部」、面設定「両面から両面」という設定データとなる。呼び出し回数407は、レコードが再利用された回数を表す。レコードID402が「1」の場合は4回、レコードID402が「3」の場合は20回再利用されていることを表す。レコードポイント408は、更新日時405、および呼び出し回数407より算出された各レコードのポイントである。新規ジョブが実行されたときに、前記新規ジョブのアプリケーション種別及びアプリケーションデータと、レコード情報400に保存されているすべてのレコードに関連付けられているアプリケーション種別及びアプリケーションデータを比較する。アプリケーション種別及びアプリケーションデータが一致する場合、一致したレコードの更新日時を現在時刻で上書きする。また新規ジョブの実行によって新規レコードが追加される場合に、プログラムで定められたレコードの最大保存数を超える場合がある。その場合は、更新日時が最も古いレコードをROM102またはRAM103から削除し、当該新規ジョブによる新規レコードを追加する。
【0021】
図10は、レコードID402が「2」のレコードに関連付けられたレコード308が押下されたときに表示される設定確認画面(第1印刷設定)700である。ホームボタン701は、押下されるとホーム画面に戻るボタンである。設定値表示領域702は、カラーモード、倍率、用紙サイズ、部数の各設定値を表示する領域である。詳細設定確認ボタン703は、現在の設定をプレビューで表したボタンであり、押下されると詳細設定確認画面(図示しない)を表示する。設定選択ボタン704~707はそれぞれ、カラーモード、倍率、用紙サイズ、部数の設定を行うためのボタンである。設定表示/選択ボタン708~710は上部にそれぞれ、ページ集約、面、濃度の設定値を表示し、下部ではそれらの設定を行うためのボタンである。その他の機能ボタン711は、その他の設定(例えば、ホチキスの設定)を行う画面(図示しない)を表示するためのボタンである。実行ボタン712は、押下されるとジョブの実行を開始するボタンである。キャンセルボタン713は、押下されると設定確認画面700を閉じるボタンである。
【0022】
図11は、アプリボタン群309にある「保存ファイルの利用」ボタンが押下された場合に表示する、文書選択画面800である。レコード807は、選択801、種類802、名称803、用紙サイズ804、ページ805、日付時刻806によって構成されることを表している。レコード807が選択されると、レコード807の選択領域(選択801)に選択されたことを示すマーク(
図11中、レコード807の左端のチェックマーク)が表示される。送信ボタン808は、選択されたファイルを、送信アプリケーションを用いて送信処理する場合に押下される。印刷ボタン809は、選択されたファイルを、プリントアプリケーションを用いて印刷処理する場合に押下される。
【0023】
図12は、本実施形態に係る文書属性のレコード情報900を示す図である。レコードID901は、レコードを一意に識別するためのIDを示す。ファイル形式902は、選択されたファイルの形式を示す。登録日時903は、この文書属性設定が登録された日時を示す。アプリケーションデータ904は、任意の設定データを示す。
【0024】
図13は、ファイル選択領域807が選択された状態で、印刷ボタン809が押下された時に表示される、設定確認画面(第2印刷設定)1000を示す図である。選択されたファイル形式(文書属性)が「PDF」であるため、ファイル形式902に関連付けられたアプリケーションデータ904に基づき、各設定が表示される。
【0025】
次に、
図2は、本実施形態に係る設定表示方法に関する制御方法を示すフローチャートである。
図2に示した処理は、例えば、CPU101がROM102等から読み出した表示制御プログラム(以降単に、プログラムとする。)を実行することによって実現される。以降のフローは、プログラムが主体となって各ステップを実行するものとして説明する。なお、本実施形態に係る画像形成装置100では、タイムライン及び文書属性を、一括設定実行方法として持つ。
【0026】
まず、ユーザによりレコード308が選択されると(ステップS200)、レコード308に関連付けられた設定406を操作表示部105のLCDに表示する(ステップS201、設定確認画面700)。一方、ユーザによりレコード807が選択されると(ステップS202)、レコード807に関連付けられた設定904を操作表示部105のLCDに表示する(ステップS203、設定確認画面1000)。
【0027】
以上、本実施形態によれば、文書を印刷する際、どの一括設定が実行されるのかが事前に分かる画像処理装置を提供することができる。これにより、ユーザは、一括設定実行方法の呼び出し手順で設定が決まるため、少ない手順、かつ一括設定される内容を認識しやすくなる。
【0028】
(第2実施形態)
第1実施形態では、ユーザの設定の呼び出し手順によって設定内容を定めていたが、設定が競合する場合には、競合した項目及びその設定値を通知する方法を用いてもよい。なお、本実施形態における競合とは、同一の設定項目に対して、異なる設定値が設定されている場合を意味する。例えば、「面選択」という設定項目には、「片面」と「両面」という設定値が存在する。例えば、レコード308は「PDF文書」、「両面」の設定情報を持つが、一方、文書属性では「PDF文書」、「片面」(
図12参照)が関連づけられているため、設定の矛盾、つまり競合が起きる。そこで、本実施形態の説明に於いては、上記の例に基づいて説明する。
【0029】
図3は、本実施形態に係る設定表示方法に関する制御方法を示すフローチャートである。
図3に示した処理は、例えば、プログラムを実行することによって実現される。まず、ユーザによりレコード308が選択されると(ステップS210)、レコード308に関連付けられた設定406に文書の指定があるか否かを判定する(ステップS211)。文書の指定がある場合(ステップS211の“Yes”の分岐)、指定された文書が文書属性によって関連付けられている設定(
図12)から、特定の設定で競合する項目があるか否かを判定する(ステップS212)。競合する項目が存在する場合(ステップS212の“Yes”の分岐)、競合する項目及びその項目で設定される設定値を設定通知画面500のように表示する(ステップS213、設定通知画面500)。次に、レコード308に関連付けられた設定406を操作表示部105のLCDに表示する(ステップS214、設定確認画面700)。ユーザは、
図7に示す設定通知画面500の通知内容が意図と異なれば、設定確認画面700を操作することで、設定を変更することが可能である。一方、文書の指定がない場合(ステップS211の“No”の分岐)、および競合する設定がない場合(ステップS212の“No”の分岐)、ステップS214に進む。そして、レコード308に関連付けられた設定406を操作表示部105のLCDに表示する(ステップS214、設定確認画面700)。
【0030】
以上、本実施形態によれば、設定通知画面500が表示されることにより、ユーザは、タイムラインを使用した設定が、文書属性を使用した設定と競合していることを認識することができ、かつ意図しないジョブ実行を抑制することができる。
【0031】
(第3実施形態)
第2実施形態では、競合した項目及びその設定値を通知する方法を用いたが、どの設定値を採用するかをユーザ判断に委ねる方法を用いてもよい。なお、本実施形態では、ユーザが面選択項目で「両面」を設定する場合について説明するがこれに限定することなく、他の項目及び設定値を採用してもよい。
【0032】
図4は、本実施形態に係る設定表示方法に関する制御方法を示すフローチャートである。
図4に示した処理は、例えば、プログラムを実行することによって実現される。まず、ユーザによりレコード領域が選択されると(ステップS220)、レコード308が選択されたか否かを判定する(ステップS221)。レコード308が選択された場合(ステップS221の“Yes”の分岐)、レコード308に関連付けられた設定406に文書の指定があるか否かを判定する(ステップS222)。一方、レコード308が選択されなかった(レコード807が選択された)場合(ステップS221の“No”の分岐)、レコード807に関連付けられた設定904を実行する(ステップS227)。そして、操作表示部105のLCDに表示する(ステップS228、設定確認画面1000)。
【0033】
次に、文書の指定がある場合(ステップS222の“Yes”の分岐)、指定された文書が文書属性によって関連付けられている設定(
図12)から、特定の設定で競合する項目があるか否かを判定する(ステップS223)。競合する項目が存在する場合(ステップS223の“Yes”の分岐)、競合する項目及びその項目で設定される設定値のすべての候補値を表示する(ステップS224、設定選択画面510)。
図8に示す設定選択画面510でユーザの画面操作による「両面」領域の選択を受け付け(ステップS225)、レコード308に関連付けられた設定406を実行しする(ステップS226)。そして、操作表示部105のLCDに表示する(ステップS228、設定確認画面700)。一方、文書の指定がない場合(ステップS212の“No”の分岐)、および競合する設定がない場合(ステップS223の“No”の分岐)、レコード308に関連付けられた設定406を実行する(ステップS226)。そして、操作表示部105のLCDに表示する(ステップS228、設定確認画面700)。
【0034】
以上、本実施形態によれば、第2実施形態と比較して、設定選択画面510が表示されることにより、設定確認画面700に遷移する前に競合する項目の設定が行えるため、より簡単な手順で設定を行うことができる。
【0035】
(第4実施形態)
第1実施形態~第3実施形態まで、タイムラインと文書属性による一括設定時の制御方法について述べてきたが、それ以外の一括設定方法を使用することも考えられる。例えば、ユーザが手動で設定した内容を、一括設定として登録し呼び出す機能(以降、よく使う設定と呼ぶ)がある。よく使う設定の登録方法としては、手動で1項目ずつ行う方法と、より簡便に登録する方法として、タイムラインの設定をそのままよく使う設定として登録(流用)する方法がある。
【0036】
図14及び
図15は、タイムライン領域にあるレコード308を、よく使う設定に流用する登録方法を説明する図である。例えば、レコード308が長押しされたことを感知すると、ホーム登録画面1100を表示する。次に、ホーム登録画面1100内の「はい」が選択された場合、よく使う設定アイコン1200を作成する。
【0037】
図16は、本実施形態に係るよく使う設定のレコード情報1300である。各レコードは、レコードID1301、レコード名称1302、作成方法1303、ジョブタイプ1304、アプリケーションデータ1305の属性を持つ。よく使うアイコン1200は、レコード名称1302が「よく使う設定1」であるレコードと関連づけられている。よく使う設定アイコン1200が選択された場合、作成方法1303の情報を参照し、レコード308が選択されたとき同様、第1実施形態乃至第3実施形態の処理を実行する。
【0038】
以上、本実施形態によれば、タイムライン以外の一括設定方法使用時(よく使う設定を利用した場合)にも、ユーザは、一括設定実行方法の呼び出し手順で設定が決まるため、少ない手順、かつ一括設定される内容を認識しやすくなる。
【0039】
(第5実施形態)
本実施形態では、あらかじめユーザの意思によって、どのような設定方法を優先するかを決定する設定値を設ける場合について説明する。
図9は、各設定方法の優先度を決定する設定画面である。ユーザは、あらかじめこの画面で競合時に優先される設定方法を登録しておく。一括設定時の競合する項目について、この設定に基づいて動作を決定する。設定画面600内の選択肢601が設定されている場合は、タイムラインの設定が優先される。選択肢602が設定されている場合は、文書属性の設定が優先される。選択肢603が設定されている場合は、
図7に示す通知画面500または
図8に示す確認画面510を表示する。
【0040】
以上、本実施形態によれば、予め優先する項目を設定することにより、ジョブ毎に通知画面や確認画面が表示されないことも選択することができ、ユーザは、より簡単にジョブ実行することができる。
【0041】
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピューターにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0042】
また、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。