(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-25
(45)【発行日】2022-12-05
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20221128BHJP
【FI】
A63F7/02 333Z
A63F7/02 334
(21)【出願番号】P 2018168004
(22)【出願日】2018-09-07
【審査請求日】2021-04-27
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100126620
【氏名又は名称】石井 豪
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 暢紘
(72)【発明者】
【氏名】松浦 浩平
(72)【発明者】
【氏名】大高 剛
(72)【発明者】
【氏名】後藤 充慶
【審査官】河本 明彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-107228(JP,A)
【文献】特開2017-093711(JP,A)
【文献】特開2016-179212(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
遊技者にとって有利な特別遊技を実行するか否かの抽選に関する設定値を設定可能な設定手段と、
前記設定手段により設定された設定値を記憶可能な記憶領域を有し、かつ前記遊技制御手段から送信される遊技の進行に係る情報に基づいて演出の実行を制御する演出制御手段と、
前記演出制御手段の記憶領域への設定値の記憶、前記演出制御手段の記憶領域に記憶されている設定値、及び、前記演出制御手段の記憶領域に記憶されている設定値に基づく処理の少なくともいずれか一に関して特定の事象が発生した場合に、所定の処理を実行する実行手段と、を備え、
電断からの復帰に基づき、前記設定値を設定可能な状態である設定変更状態を設定可能であり、
前記遊技制御手段は、
前記設定変更状態の設定、及び当該設定変更状態の終了に基づき、前記
遊技制御手段から送信される遊技の進行に係る情報とともに、
当該設定の際、及び当該終了の際においてそれぞれ設定されている前記設定値を前記演出制御手段に送信するように設定されて
おり、
電断が発生した際に前記記憶領域に記憶されている前記設定値と、前記電断からの復帰に基づき設定された前記設定変更状態の終了の際に前記記憶領域に記憶されている前記設定値とが異なる場合があるとともに、当該場合において、前記設定変更状態の設定、及び前記設定変更状態の終了に基づいて送信される前記情報はいずれも同一であることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機として、遊技領域に設けられた始動領域(始動入賞口)への遊技球の進入を契機として、遊技者に有利な特別遊技の実行可否を決定する大当たりの抽選や、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出の態様の決定を行い、決定された態様で変動演出を実行するものが知られている。
このような遊技機としては、遊技者にとっての有利度を異ならせるために、上述の大当たりの抽選確率等が異なるように定められた複数段階の設定値からいずれかを設定可能なものが知られている。このような遊技機においては、遊技者に抽選確率が高い設定値が設定されているとの期待を抱かせるために、設定値を示唆する演出を実行するようなことが行われている(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上述のような遊技機においては、遊技の進行を制御する遊技制御手段(主制御基板)と、遊技制御手段から一方向に通信可能となるように接続された演出制御手段(副制御基板)と、を備え、遊技制御手段は、演出制御手段に遊技の進行に係るデータに関するコマンドを送信し、演出制御手段は、受信した当該コマンドに基づいて遊技の進行に応じた演出の実行を制御するようになっている。また、設定値の設定は遊技制御手段において行われ、上述のような設定値を示唆する演出を実行するために、遊技制御手段において設定された設定値は演出制御手段に送信され、当該演出制御手段が有する記憶領域に記憶されるようになっている。
しかし、上述のような遊技機においては、ノイズ等の発生により演出制御手段のみにシステムリセットが生じるような場合があり、このシステムリセットが生じると演出制御手段の記憶領域に記憶されていた設定値がクリアされるような事態が生じ得る。また、ノイズ等の発生により演出制御手段に誤作動が生じ、上述の記憶領域に記憶されていた設定値が設定可能範囲を超える異常値に書き換えられるような事態も生じ得る。さらに、遊技制御基板から送信される設定値の情報(コマンド)を演出制御手段が正確に受信できなかったり、当該情報に欠落が生じていたりすることにより、上述の記憶領域に設定値が記憶されないような事態も生じ得る。また、上述の記憶領域に正常な設定値が記憶されているものの、設定値を示唆する演出の実行にあたり、演出内容等が記憶された演出テーブルを選択することができなかった等の異常も生じ得る。
そして、このような特定の事象が生じた場合には、上述のような設定値を示唆する演出等の設定値に関する処理を適切に行うことができなくなるとのおそれが生じていた。
【0005】
そこで、本発明は、上述した事情によりなされたものであり、設定値に関連する特定の事象が生じた場合に、設定値に関する処理が適切に行われないような事態を防止することが可能な遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するために、本発明は次のように構成されている。
以下、本発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて説明する。なお、下記の符号及び記載は、本発明の構成に相当する発明の実施の形態における構成の符号及び名称を示したものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0007】
(1)本発明は、遊技の進行を制御する遊技制御手段と、遊技者にとって有利な特別遊技を実行するか否かの抽選に関する設定値を設定可能な設定手段と、前記設定手段により設定された設定値を記憶可能な記憶領域を有し、かつ前記遊技制御手段から送信される遊技の進行に係る情報に基づいて演出の実行を制御する演出制御手段と、前記演出制御手段の記憶領域への設定値の記憶、前記演出制御手段の記憶領域に記憶されている設定値、及び、前記演出制御手段の記憶領域に記憶されている設定値に基づく処理の少なくともいずれか一に関して特定の事象が発生した場合に、所定の処理を実行する実行手段と、を備え、電断からの復帰に基づき、前記設定値を設定可能な状態である設定変更状態を設定可能であり、前記遊技制御手段は、前記設定変更状態の設定、及び当該設定変更状態の終了に基づき、前記遊技制御手段から送信される遊技の進行に係る情報とともに、当該設定の際、及び当該終了の際においてそれぞれ設定されている前記設定値を前記演出制御手段に送信するように設定されており、電断が発生した際に前記記憶領域に記憶されている前記設定値と、前記電断からの復帰に基づき設定された前記設定変更状態の終了の際に前記記憶領域に記憶されている前記設定値とが異なる場合があるとともに、当該場合において、前記設定変更状態の設定、及び前記設定変更状態の終了に基づいて送信される前記情報はいずれも同一であることを特徴とする遊技機である。
【0008】
本発明に係る遊技機においては、演出制御手段の記憶領域への設定値の記憶、演出制御手段の記憶領域に記憶されている設定値、及び、演出制御手段の記憶領域に記憶されている設定値に基づく処理の少なくともいずれか一に関して特定の事象(たとえば、設定値のクリア、異常値への書き換え、送信される設定値の情報の受信不良、送信される設定値の情報の欠落、設定値示唆演出の実行における異常等)が発生すると、たとえば、設定されている設定値を示唆する演出を実行しないようにする等の所定の処理が実行される。
したがって、設定値に関連する特定の事象が生じた場合に、設定値に関する処理が適切に行われないような事態を防止することが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、設定値に関連する特定の事象が生じた場合に、設定値に関する処理が適切に行われないような事態を防止することが可能な遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】パチンコ機の前扉を開けた状態の外観斜視図である。
【
図5】パチンコ機の主制御基板の外観斜視図である。
【
図6】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図7】パチンコ機の大当たり決定乱数判定テーブルの説明図である。
【
図8】パチンコ機の当たり図柄乱数判定テーブルの説明図である。
【
図9】パチンコ機のリーチグループ決定乱数判定テーブルの説明図である。
【
図10】パチンコ機のリーチモード決定乱数判定テーブルの説明図である。
【
図11】パチンコ機のリーチモード決定乱数判定テーブルの説明図である。
【
図12】パチンコ機の変動パターン抽選テーブルの説明図である。
【
図13】パチンコ機の変動時間決定テーブルの説明図である。
【
図14】パチンコ機の特別電動役物作動テーブルの説明図である。
【
図15】パチンコ機の遊技状態設定テーブルの説明図である。
【
図16】パチンコ機の当たり決定乱数判定テーブルの説明図である。
【
図17】パチンコ機の普通図柄変動パターン決定テーブルの説明図である。
【
図18】パチンコ機の第2始動入賞口開放制御テーブルの説明図である。
【
図19】パチンコ機の電断復帰時に設定される制御状態に関する説明図である。
【
図20】パチンコ機の電断復帰時に設定される制御状態に関する説明図である。のモード設定に関する説明図である。
【
図21】パチンコ機の主制御基板における電断退避処理の概略を示すフローチャートである。
【
図22】パチンコ機の主制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。
【
図23】パチンコ機の主制御基板における電断復帰時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図24】パチンコ機の主制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。
【
図25】パチンコ機の主制御基板におけるセンサ検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図26】パチンコ機の主制御基板におけるゲート検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図27】パチンコ機の主制御基板における第1始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図28】パチンコ機の主制御基板における第2始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図29】パチンコ機の主制御基板における大入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図30】パチンコ機の主制御基板における一般入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図31】パチンコ機の主制御基板におけるアウト口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図32】パチンコ機の主制御基板における特図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図33】パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。
【
図34】パチンコ機の主制御基板における変動演出パターン決定処理の概略を示すフローチャートである。
【
図35】パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。
【
図36】パチンコ機の主制御基板における停止後処理の概略を示すフローチャートである。
【
図37】パチンコ機の主制御基板における特別遊技制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図38】パチンコ機の主制御基板における特別遊技終了処理の概略を示すフローチャートである。
【
図39】パチンコ機の主制御基板における普図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図40】パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。
【
図41】パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。
【
図42】パチンコ機の主制御基板における普通図柄停止後処理の概略を示すフローチャートである。
【
図43】パチンコ機の主制御基板における可動片制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図44】パチンコ機の主制御基板における特定状態制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図45】パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。
【
図46】パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。
【
図47】パチンコ機の設定示唆演出の態様の一例を示す図である。
【
図48】パチンコ機の変動演出決定テーブルの説明図である。
【
図49】パチンコ機の副制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。
【
図50】パチンコ機の副制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。
【
図51】パチンコ機の副制御基板における電断復帰時サブコマンド群受信処理の概略を示すフローチャートである。
【
図52】パチンコ機の副制御基板における変動用コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
(パチンコ機Pの外部構成)
本形態に係る遊技機は、遊技媒体として遊技球を使用するパチンコ機Pである。特に図示していないが、パチンコ機Pが設置される遊技場においては、島と呼ばれる遊技機の設置領域に、複数台のパチンコ機Pが並べて配設されるとともに、遊技球を貸し出すための遊技球貸出装置が各パチンコ機Pに隣接して設置される。また、各パチンコ機Pは対応する遊技球貸出装置Rに接続されている。
遊技球貸出装置Rは、紙幣の投入や遊技球の貸し出しに必要な価値情報が記憶される記憶媒体(カード)の挿入が可能となっている。そして、遊技球貸出装置Rに紙幣を投入(又は、カードを挿入)した上で、パチンコ機Pに対して所定の操作を行うことにより、遊技球貸出装置Rから遊技球の貸し出しを受けることができるようになっている。
【0013】
本形態に係るパチンコ機Pは、
図1又は
図2に示すように、島に固定される四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する機枠1と、この機枠1にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられる四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する本体枠2と、この本体枠2にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられ、正面に開口部(特に図示しておらず)が形成された前扉3と、を備えている。
【0014】
機枠1の左下部には、
図2に示すように、音声出力装置10としてのスピーカが設けられている。また、本体枠2の中空部には、遊技領域12を形成するための遊技盤11が収容されている。また、前扉3には、開口部を覆う透明板4と、透明板4の下方に位置し遊技球を受容可能な上皿6及び受皿7と、受皿7の右方に取り付けられ遊技球の発射操作を行うための操作ハンドル5と、透明板4の左右上方にそれぞれ1個ずつ取り付けられた音声出力装置10としてのスピーカと、が設けられている。
また、
図1に示すように、前扉3の外周には、種々の色や発光パターンで発光することにより演出を行う前扉演出ランプDLが設けられており、前扉3の外周における左上部には、種々の色で発光することで、所定の発生条件の成立により生じる種々の状態を報知する状態報知ランプELが設けられている。前扉演出ランプDL及び状態報知ランプELはいずれも、複数色の発光が可能なLEDにより構成されている。
【0015】
このパチンコ機Pでは、機枠1に対して本体枠2を閉じ、さらに、前扉3を閉じると、遊技盤11の前方に間隙を挟んで透明板4が位置することとなる。これにより、透明板4を介して、後方に位置する遊技盤11を視認することができるようになっている。
【0016】
また、上皿6には、遊技球貸出装置Rにより貸し出される遊技球や、パチンコ機Pから払い出される賞球が導かれるようになっている。上皿6は、所定量の遊技球を受容可能となっているが、この上皿6が遊技球で一杯になると、その後に貸し出されたり、払い出されたりする遊技球は受皿7に導かれるようになっている。また、受皿7の底面には、特に図示していないが、貯留されている遊技球を排出するための排出孔と、排出孔を開閉可能な開閉板と、が設けられている。常態において、排出孔は開閉板により閉じられているものの、開閉板と一体に取り付けられた開閉レバー8(
図1参照)を横方向に移動させることで、開閉板も同方向に移動し、排出孔が開放される。これにより、遊技球を排出孔から落下させて、受皿7の外に排出することができるようになっている。
【0017】
また、操作ハンドル5は、遊技者が所定方向へ向けて回転操作できるように形成されている。そして、遊技者が操作ハンドル5を回転操作すると、上皿6に受容されている遊技球が発射装置(特に図示しておらず)に送られ、操作ハンドル5の回転角度に応じた強度で、発射装置によって遊技球が遊技領域12へ向けて発射される。このように発射された遊技球は、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bに案内されて上昇し、遊技領域12に到達する。
【0018】
ここで、遊技領域12は、機枠1に対し本体枠2及び前扉3を閉じた状態で遊技盤11と透明板4との間に形成される空間のうち、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bにより略円形状に仕切られた部分であって、遊技球が流下可能な領域である。
この遊技領域12は、
図3に示すように、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て左側の領域である第1遊技領域12aと、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て右側の領域である第2遊技領域12bとから構成されている。これら2つの遊技領域12は、発射装置の発射強度により、遊技球の進入可能性が異なるようになっている。具体的には、発射装置の発射強度が所定の強度未満(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達しない程度の強度)の場合には、遊技球は第1遊技領域12aに進入する。これに対して、発射装置の発射強度が所定の強度以上(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達可能な強度)の場合には、遊技球は第2遊技領域12bに進入する。
【0019】
また、この遊技領域12内には、
図3に示すように、遊技球の流下方向を不規則にするための風車及び多数の釘と、遊技球が入球可能な一般入賞口14と、始動領域としての第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16と、遊技球が通過可能なゲート20と、所定条件を満たすことで作動するアタッカー装置17と、遊技球を遊技領域12外へ導くアウト口19と、遊技の進行等に伴って演出を行う演出装置としての演出表示装置21及び役物演出装置YSと、が設けられている。
【0020】
一般入賞口14は、
図3に示すように、遊技領域12の左側下部に設けられている。一般入賞口14へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では5個)の賞球が払い出される。なお、一般入賞口14の設置個数や設置位置は特に限定されるものではない。
【0021】
第1始動入賞口15は、
図3に示すように、遊技領域12の中央からやや下寄りの位置に設けられている。第1始動入賞口15へは、第1遊技領域12aを流下する遊技球が入球可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球はほぼ入球できないようになっている。これに対して、第2始動入賞口16は、
図3に示すように、遊技領域12の中央から右寄りの位置(すなわち、第2遊技領域12b内)に設けられている。第2始動入賞口16へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球が入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球はほぼ入球できないようになっている。
【0022】
また、第2始動入賞口16には、
図3に示すように、左右に開閉可能な可動片16b(普通電動役物)が設けられている。そして、可動片16bが閉じているときには第2始動入賞口16が閉状態となっており、第2始動入賞口16への遊技球の入球は不可能又は困難である。これに対して、可動片16bが開くと、第2始動入賞口16が開状態となるとともに、この可動片16bが遊技球を第2始動入賞口16へ向けて案内するガイド部材として機能することにより、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
また、この可動片16bの構成は特に限定されるものではなく、たとえば、遊技盤11に直交する軸を中心に左右方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する一対の羽根部材や、水平な軸を中心に前後方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する蓋部材により構成してもよいし、また、上下方向にスライドして第2始動入賞口16を開閉するシャッター部材により構成してもよい。
なお、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16の設置位置は特に限定されるものではなく、たとえば、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16は、いずれの遊技領域12(第1遊技領域12a、第2遊技領域12b)を流下する遊技球も入球しやすいような位置に配置してもよい。
【0023】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、所定個数の賞球が払い出されるとともに、大当たりの抽選が行われ、予め定められた複数の特別図柄の中からいずれか1の特別図柄が決定される。各特別図柄には、遊技者にとって有利な特別遊技の実行の可否、特別遊技の終了後に設定される遊技状態等が対応付けられており、決定された特別図柄の種類に応じて、特別遊技の実行等の遊技利益を受けられるようになっている。
なお、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球は、1個以上であれば特に限定されるものではなく、いかなる個数にしてもよい。また、可動片16bが設けられている始動入賞口(第2始動入賞口16)と可動片16bが設けられていない始動入賞口(第1始動入賞口15)とでは、賞球の数を同一にしてもよいし、異ならせてもよい。本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球の数は3個、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球の数は1個となっている。
【0024】
ゲート20は、
図3に示すように、第2始動入賞口16の上方に設けられている。このゲート20を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われる。そして、当該抽選の結果が当たりであった場合、上述の第2始動入賞口16に設けられた可動片16bが所定時間開かれるようになっている。
【0025】
アタッカー装置17は、
図3に示すように、第2始動入賞口16の下方に設けられている。このアタッカー装置17は、遊技球が入球可能な大入賞口18と、この大入賞口18を開閉する開閉扉18bと、を備えている。この開閉扉18bは、大入賞口18を開放する開位置と、大入賞口18を閉鎖する閉位置との間を変位可能となっている。
そして、常態においては、開閉扉18bが閉位置に位置し(すなわち、開閉扉18bが閉じられ)大入賞口18は閉鎖されているため、当該大入賞口18への遊技球の入球は不可能となっているものの、上述の特別遊技が実行されると、開閉扉18bが開位置に位置し(すなわち、開閉扉18bが開き)大入賞口18が開放されるとともに、開閉扉18bが遊技球を大入賞口18へ導く受皿部材として機能することにより、大入賞口18への遊技球の入球が可能となる。
また、当該大入賞口18へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では15個)の賞球が払い出される。
なお、特に図示していないが、大入賞口18内には、入球した遊技球を大入賞口18の外部(遊技盤11の背面側)へ排出するための大入賞口排出口も設けられている。
【0026】
アウト口19は、
図3に示すように、遊技領域12の最下部に設けられており、一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16及び大入賞口18のいずれにも入球しなかった遊技球を受け入れるものである。そして、アウト口19に受け入れられた遊技球は、遊技盤11の背面側に導かれ回収される。
【0027】
演出表示装置21は、
図3に示すように、遊技領域12の略中央に設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、この演出表示装置21として液晶表示装置が用いられている。また、この演出表示装置21には、動画や静止画等の画像を表示するための表示部21aが設けられており、この表示部21aには、背景画像が表示されるほか、演出図柄(特に図示しておらず)が変動表示され、各演出図柄の停止表示態様により後述する大当たりの抽選の結果を遊技者に報知する変動演出が行われるようになっている。
なお、演出表示装置21は、液晶表示装置に限定されるものではなく、たとえば、外周に図柄が付された複数のドラムを用いて各種表示を行うドラム式の表示装置等を用いてもよい。
【0028】
役物演出装置YSは、所定の態様で可動することにより演出を行う演出装置である。この役物演出装置YSは、駆動モータMにより、遊技領域12の中央上部に対応する初期位置から、遊技領域12のほぼ中央に対応する可動位置までの範囲内で上下に移動可能となっている。役物演出装置YSは、常態においては初期位置に停留しており、種々のタイミング(たとえば、所定の演出の実行時点等)で、可動位置まで移動する。
【0029】
また、上皿6の前方位置には、遊技者が操作することにより遊技中や待機中等に実行される演出の進行や切り替えが可能な演出操作装置9が設けられている。この演出操作装置9は、回転操作が可能な操作ダイヤル9aと押下操作が可能な操作ボタン9bとから構成されている。
【0030】
また、
図3に示すように、遊技盤11の右下部であって、かつ、遊技領域12の外側には、遊技についての種々の状況を表示するための装置として、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39、普通図柄表示装置32及び普通図柄保留表示装置33が設けられている。
【0031】
また、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pには、遊技球貸出装置Rが電気的に接続されているが、遊技球の貸し出しやカードの排出等の遊技球貸出装置Rに対する操作を、パチンコ機Pで受け付けられるようにしている。そのため、パチンコ機Pには、
図1に示すように、カードに記憶されている価値情報(残高情報)を表示する価値情報表示装置35と、押下操作が可能な球貸ボタン36と、押下操作が可能なカード返却ボタン37と、が設けられている。
【0032】
また、遊技盤11の裏面側には、
図4に示すように、後述する設定値やパチンコ機Pの
制御状態等を記憶するとともに、パチンコ機Pの遊技の基本動作を制御する主制御基板100が透明箱型の主制御基板ケース150に収納された状態で取り付けられており、遊技球の発射及び賞球の払い出しを制御する発射払出制御基板200が透明箱型の発射払出制御基板ケース250に収納された状態で取り付けられており、各種演出を制御する副制御基板300が透明箱型の副制御基板ケース350に収納された状態で取り付けられており、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400が透明箱型の遊技球貸出制御基板ケース450に収納された状態で取り付けられている。
【0033】
また、この遊技盤11の裏面側には、各基板に電源を供給するための電源基板600が設けられており、この電源基板600には電源スイッチ650が設けられている。
電源スイッチ650はオン又はオフに切り替えることが可能となっており、電源スイッチ650がオンになると電源基板600から各基板に電源が供給され、電源スイッチ650がオフになると電源基板600から各基板への電源の供給が停止する。
なお、本明細書においては、電源スイッチ650がオンになり電源が供給されることを「電源がオン」になるともいい、電源スイッチ650がオフになり電源の供給が停止することを「電源がオフ」になるともいうものとする。
【0034】
(主制御基板100の概要)
以下、主制御基板100について詳述する。
主制御基板100は、上述の如く、設定値やパチンコ機Pの制御状態等を記憶するとともに、パチンコ機Pの基本動作を制御するものである。
【0035】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、出玉に関する設定として、設定値1から設定値6までの複数段階が定められており、設定値の違いにより、後述する大当たりの当選確率が異なるようになっている。たとえば、設定値1よりも設定値6の方が、大当たりの当選確率が大きくなるように設定されており、大当たりの当選確率が高ければ、賞球を獲得できる可能性も高くなるので、設定値を変更することにより、そのパチンコ機Pにおいて想定される賞球の払い出し量が変化する。また、後述する大当たりの当選確率を定めた大当たり決定乱数判定テーブル110は、設定値1~6のそれぞれに対応して設けられており、設定値が変更されたときには、設定値ごとに設けられた大当たり決定乱数判定テーブル110がまるごと変更されることとなる。
【0036】
また、本形態に係るパチンコ機Pは、電源がオンとなっているときには、遊技を実行可能な遊技可能状態、設定されている設定値を確認可能な設定確認状態、設定されている設定値を変更可能な設定変更状態、並びに、遊技の実行、設定値の確認及び変更が不可能な遊技停止状態の4つの制御状態のうちのいずれかに滞在するようになっている。そして、パチンコ機Pの制御状態が設定変更状態であるときに、所定の操作を行うことで、設定されている設定値を変更できる(切り替えることができる)ようになっている。
設定値の記憶や変更、電源がオンとなったときに設定される制御状態等については、後程詳述する。
【0037】
(主制御基板100の構成)
本形態における主制御基板100は、
図5に示すように、長方形板状の基板であって、配線パターンが片面にのみ設けられた片面基板(1層基板)となっている。なお、主制御基板100は、配線パターンが両面に設けられた両面基板(2層基板)を採用してもよい。
【0038】
また、主制御基板100の表面には、
図5に示すように、メインCPU101、メインROM102及びメインRAM103を一体に構成したワンチップ型のメインIC104その他複数のICと、メイン情報表示装置105、コネクタ106、設定スイッチ108、RAMクリアスイッチ109等が設けられている。
【0039】
(メインCPU101、メインROM102、メインRAM103)
メインCPU101は、各種演算処理を行う装置である。また、メインROM102は、パチンコ機Pのスペック(大当たりの当選確率の高低の種類、特別遊技終了後の遊技状態の決定の方法等)を示すスペックコード、遊技に必要な制御プログラム、テーブル等(後述する大当たり決定乱数判定テーブル110、当たり図柄乱数判定テーブル111等)を格納する記憶領域を備えた装置(Read Only Memory)である。また、メインRAM103は、上述の設定値、パチンコ機Pの制御状態、遊技の進行に係る各種データ等を記憶可能であるとともに、メインCPU101による演算処理時の一時的なデータの記憶等に用いられる読み書き可能な記憶領域を備えた装置(Read Write Memory)である。
メインCPU101は、後述する各種センサやタイマからの信号に基づき、メインROM102に格納されている制御プログラムやテーブルを読み出して演算処理を行うとともに、メインCPU101に接続されている各種装置の制御や、演算処理の結果に基づく他の基板(副制御基板300等)へのコマンド送信等の処理を行う。
【0040】
また、特に図示していないが、本形態におけるメインRAM103の記憶領域は、大別して、所定の先頭アドレス(たとえば、F00H(最後尾に「H」が付された英数字は16進数表記。以下、同様))から所定の最終アドレス(たとえば、F200H)までの間の領域である使用領域と、当該使用領域の最終アドレスよりも所定距離(たとえば、16バイト)以上離れた特定の先頭アドレス(たとえば、F300H)から特定の最終アドレス(たとえば、F400H)までの間の領域である使用外領域とから構成されている。
【0041】
また、特に図示していないが、使用領域には、所定の先頭アドレスから所定の最終アドレスに至るまで、第1領域、第2領域、第3領域及び第4領域という4つの領域が順に配置されている。
第1領域には、設定値、及び滞在中の制御状態(遊技可能状態、設定可能状態、設定変更状態、遊技停止状態)を示す遊技機状態フラグが記憶される。また、第2領域には、電源がオフとなる時点で算定されるメインRAM103のチェックサム、及び電源がオフとなる時点で行われるメインRAM103のバックアップ処理に異常があったかどうかを判定するためのバックアップフラグが記憶される。また、第3領域には、パチンコ機Pに発生したエラーの情報等が記憶される。
また、第4領域には、遊技の進行に係る各種データ(後述する変動中の特別図柄の情報、遊技球の発射位置(遊技球を打ち出す遊技領域12)、第1特図保留数、第2特図保留数、確変回数、時短回数、特図遊技の進行状況を示す実行フェーズデータ、普図保留数、普図遊技の進行状況を示す普図実行フェーズデータ、特別図柄の非変動中である旨の情報等)が記憶されるようになっている。なお、第4領域に記憶されるデータはこれらに限定されるものではなく、たとえば、特別遊技が終了してからの変動回数が特定回数に至ると特殊な変動パターンが決定されるように設定されたパチンコ機Pにおいては、上述の特定回数の情報等が記憶されるようにしてもよい。
【0042】
また、使用外領域には、工場出荷後等の初期状態において遊技が開始されてからの発射球数や払い出された賞球数等のデータが記憶される。具体的には、一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16、大入賞口18への遊技球の入球に基づく賞球数の総数(以下、総賞球数という)、大入賞口18への遊技球の入球に基づく賞球数の総数(以下、特別電動役物総賞球数という)、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16及び大入賞口18への遊技球の入球に基づく賞球数の総数(以下、役物総賞球数という)等が記憶される。
そして、この使用外領域においては、上述の発射球数や賞球数等のデータに基づいて、出玉率、特別電動役物比率、役物比率等の遊技に関する情報が算出されるようになっている。
ここで、出玉率は、発射球数に対する総賞球数の割合であり、総賞球数/発射球数により算出される値である。また、特別電動役物比率は、総賞球数に対する特別電動役物総賞球の割合であり、特別電動役物総賞球数/総賞球数により算出される値である。また、役物比率は、総賞球数に対する役物総賞球数の割合であり、役物総賞球数/総賞球数により算出される値である。
【0043】
なお、使用外領域に記憶されるデータはこれらに限定されるものではなく、たとえば、一般入賞口14への遊技球の入球に基づく賞球数の総数等が記憶されるようにしてもよい。
また、本明細書においては、上述の使用外領域に記憶される発射球数や払い出された賞球数等のデータを「遊技性能データ」ともいい、また、上述の出玉率等の遊技に関する情報を「遊技性能表示情報」ともいう。
【0044】
(メイン情報表示装置105)
メイン情報表示装置105は、各種情報の表示を行う装置であり、横並びに配設された4つのデシマルポイント付き7セグメント表示器により構成されている。本形態におけるメイン情報表示装置105は、受信したデータについて独自に演算処理を行うCPU等の処理装置を内蔵しておらず、メインIC104から受信したデータに基づく表示のみを行うものとなっている。
具体的には、設定確認状態中や設定変更状態中においては、メインRAM103の使用領域(第1領域)に記憶されている設定値が表示される。また、遊技可能状態中においては、メインRAM103の使用外領域に記憶されている遊技性能表示情報が表示される。また、遊技停止状態中やパチンコ機Pにエラーが発生した場合には、その旨を示すコードが表示される。
なお、メイン情報表示装置105は、7セグメント表示器により構成するのではなく、液晶表示器やドットマトリクス表示器等により構成してもよい。また、メイン情報表示装置105は、メインIC104から受信したデータを独自に処理する装置が内蔵されていなければ他の装置を内蔵してもよく、たとえば、メイン情報表示装置105の作動をコントロールするためのドライバ回路等を内蔵してもよい。
【0045】
(コネクタ106、設定スイッチ108、RAMクリアスイッチ109)
コネクタ106は、各種ハーネスやケーブル等を接続するためのものであり、主制御基板100の表面上に複数設けられている。
また、設定スイッチ108は、電源がオンとなった時点で、制御状態(遊技可能状態、設定確認状態、設定変更状態、遊技停止状態)を設定するために参照されるものである。この設定スイッチ108には、鍵穴を備えた操作部(特に図示しておらず)が設けられており、この鍵穴に所定の鍵を差し込んだ状態で回転操作が可能に形成されている。常態においては、設定スイッチ108はオフになっているが、回転操作が行われると、設定スイッチ108がオンになる。
また、RAMクリアスイッチ109は、メインRAM103に記憶されている各種データのクリア及び設定値の変更に用いられるものである。このRAMクリアスイッチ109には、押下操作が可能な押下ボタン109a(
図5参照)が設けられており、この押下ボタン109aが押下操作されていないときは、RAMクリアスイッチ109はオフになっているが、押下ボタン109aが押下操作されると、RAMクリアスイッチ109がオンになる。
【0046】
本形態に係るパチンコ機Pでは、電源がオフからオンになると(電断から復帰すると)、電源がオフとなる前(電断発生直前)に滞在していた制御状態、電源がオンとなった時点(電断復帰時)における設定スイッチ108のオン又はオフ、RAMクリアスイッチ109のオン又はオフ、後述する本体枠開放検出センサ2aのオン又はオフ(すなわち、本体枠2の開放又は閉鎖)、電源がオフとなる時点で行われるメインRAM103のバックアップ処理の異常の発生の有無、メインRAM103における異常の発生の有無に応じて、いずれかの制御状態が設定される。
そして、設定変更状態中に押下ボタン109aを操作する(RAMクリアスイッチ109がオンになる)ことで、設定値を変更する(切り替える)ことができるようになっている。上述の如く、設定値はメインRAM103の使用領域に記憶されるようになっており、設定値が変更される場合には、このメインRAM103の使用領域に記憶されている設定値が変更されることとなる。
【0047】
なお、主制御基板100の表面に設けられる装置や電子部品は、上述のものに限定されるものではなく、たとえば、メイン情報表示装置105への各種情報の表示の実行や表示内容の切り換えを行うためのスイッチ等を設けてもよい。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、メインRAM103に記憶されているデータのクリア及び設定値の変更はいずれも、RAMクリアスイッチ109を操作することで行われるようになっているが、これに限定されるものではない。たとえば、RAMクリアスイッチ109とは別個独立の設定変更スイッチを設け、RAMクリアスイッチ109はメインRAM103に記憶されているデータのクリアに用いるように設定し、設定変更スイッチは設定値の変更に用いるように設定してもよい。
【0048】
(パチンコ機Pの制御手段の構成)
次に、パチンコ機Pの作動を制御する制御手段について説明する。
上述の制御手段は、
図6に示すように、主制御基板100、発射払出制御基板200、副制御基板300、遊技球貸出制御基板400及び電源基板600により構成されている。
また、
図6に示すように、主制御基板100には、発射払出制御基板200、副制御基板300及び電源基板600が接続され、また、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400が接続されている。さらに、主制御基板100及び発射払出制御基板200には、遊技進行上の種々の情報をパチンコ機Pの外部(たとえば、遊技場のホールコンピュータ等)に出力するための外部情報端子基板500が接続されている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、発射払出制御基板200が遊技球の発射及び賞球の払い出しの双方を制御しているが、遊技球の発射を制御する基板(発射制御基板)と、賞球の払い出しを制御する基板(払出制御基板)とを別個に設けてもよい。
【0049】
主制御基板100は、上述の如く、主にパチンコ機Pにおいて行われる遊技を制御するものであり、具体的には、遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ入球することを契機に開始される特図遊技、及び、遊技球がゲート20を通過することを契機に開始される普図遊技を制御する。
図6に示すように、主制御基板100は、上述の如く、メインCPU101と、メインROM102と、メインRAM103と、を備えている。そして、メインCPU101は、上述の如く、後述する各検出センサやタイマからの信号に基づき、メインROM102に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、メインCPU101に接続されている各種装置の制御や、演算処理の結果に基づく他の基板へのコマンド送信等を行う。
【0050】
また、
図6に示すように、主制御基板100には、一般入賞口14へ遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出センサaと、第1始動入賞口15へ遊技球が入球したことを検出する第1始動入賞口検出センサ15aと、第2始動入賞口16へ遊技球が入球したことを検出する第2始動入賞口検出センサ16aと、大入賞口18へ遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出センサ18aと、アウト口19へ遊技球が受け入れられたことを検出するアウト口検出センサ19aと、ゲート20を遊技球が通過したことを検出するゲート検出センサ20aと、設定スイッチ108と、RAMクリアスイッチ109と、遊技盤11に向けられる磁気を検出する磁気検出センサ70aと、遊技盤11に照射される電波を検出する電波検出センサ71aと、パチンコ機Pを揺らす等の不正行為により生じる振動を検出する振動検出センサ72と、が接続されている。
そして、これらの各検出センサから出力される検出信号や各スイッチのオン又はオフを示す信号が、主制御基板100に入力されるようになっている。
【0051】
さらに、主制御基板100には、制御の対象となる機器として、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉駆動する始動入賞口ソレノイド16cと、大入賞口18の開閉扉18bを開閉駆動する大入賞口ソレノイド18cと、第1特別図柄表示装置30と、第2特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置32と、第1特図保留表示装置38と、第2特図保留表示装置39と、普通図柄保留表示装置33と、メイン情報表示装置105と、が接続されている。
そして、主制御基板100によって、各ソレノイドが駆動されることで第2始動入賞口16、大入賞口18の開閉制御が行われ、また、各表示装置の表示制御が行われるようになっている。
【0052】
発射払出制御基板200は、特に図示していないが、主制御基板100と同様に、CPU、ROM及びRAMを備えており、主制御基板100と双方向に通信可能となるように接続されている。
【0053】
図6に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球の発射を制御するための機器として、操作ハンドル5に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ5aと、操作ハンドル5の操作角度(回転角度)を検出する操作ボリューム5bと、遊技球の発射を停止する発射停止スイッチ5cと、上皿6に受容されている遊技球を発射装置(図示しておらず)に送る球送りソレノイド60と、遊技球を発射する発射モータ61と、が接続されている。また、タッチセンサ5a、操作ボリューム5b及び発射停止スイッチ5cから出力される制御信号が、発射払出制御基板200に入力されるようになっている。
【0054】
そして、タッチセンサ5a及び操作ボリューム5bからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61を通電して遊技球を発射させる制御が行われる。これに対して、発射停止スイッチ5cからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61の通電を止めて遊技球の発射を停止させる制御が行われる。
【0055】
また、発射払出制御基板200には、
図6に示すように、遊技球の払い出しを制御するための機器として、遊技球貯留部(特に図示しておらず)に貯留されている遊技球を賞球として払い出す払出モータ62と、払い出された遊技球を検出して計数する払出計数スイッチ63と、発射モータ61により遊技球が発射されたことを検出する発射球検出センサ64とが接続されている。そして、主制御基板100から送信される払出数コマンドを発射払出制御基板200が受信すると、当該発射払出制御基板200は、この払出数コマンドに基づいて所定個数の遊技球(賞球)を払い出すように払出モータ62を制御する。このとき、払い出された遊技球の個数が払出計数スイッチ63によって計数され、所定個数の遊技球(賞球)が払い出されたか否かの判定が可能となっている。
【0056】
さらに、発射払出制御基板200には、
図6に示すように、本体枠2の開放状態を検出する本体枠開放検出センサ2aと、前扉3の開放状態を検出する前扉開放検出センサ3aと、受皿7の満タン状態を検出する受皿満タン検出センサ7aと、が接続されている。
【0057】
本体枠開放検出センサ2aは、本体枠2が開放されていることを検出するとオンとなり本体枠開放検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、本体枠2の開放中は、本体枠開放検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、本体枠開放検出信号が入力されると、本体枠開放コマンドを主制御基板100に送信する。
これに対して、本体枠開放検出センサ2aは、本体枠2が開放されていることを検出しなくなるとオフとなり本体枠開放検出信号の出力を停止する。そして、発射払出制御基板200は、本体枠開放検出信号の入力が止まると、本体枠2が閉じられたと判断し、主制御基板100への本体枠開放コマンドの送信を停止する。
【0058】
前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出するとオンとなり扉開放検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、前扉3の開放中は、扉開放検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、扉開放検出信号が入力されると、扉開放コマンドを主制御基板100に送信する。
これに対して、前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出しなくなるとオフとなり扉開放検出信号の出力を停止する。そして、発射払出制御基板200は、扉開放検出信号の入力が止まると、前扉3が閉じられたと判断し、主制御基板100への扉開放コマンドの送信を停止する。
【0059】
受皿満タン検出センサ7aは、受皿7の所定位置に設けられている。受皿7に賞球として払い出される遊技球が所定量以上貯留されて満タン状態になると、貯留された遊技球が上述の所定位置に達することとなる。
受皿満タン検出センサ7aは、遊技球が上述の所定位置に達したことを検出するとオンとなり受皿検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、貯留された遊技球が上述の所定位置に達している間は、受皿検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、受皿検出信号が入力されると、受皿満タンコマンドを主制御基板100に送信する。
これに対して、受皿満タン検出センサ7aは、遊技球が上述の所定位置に達したことを検出しなくなるとオフとなり受皿検出信号の出力を停止する。そして、発射払出制御基板200は、受皿検出信号の入力が止まると、受皿7の満タン状態が解除されたと判断し、主制御基板100への受皿満タンコマンドの送信を停止する。
【0060】
また、上述の如く、発射払出制御基板200には、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400が接続されている。
図6に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400を介して、価値情報表示装置35と、球貸ボタン36の押下操作を検出する球貸スイッチ36aと、カード返却ボタン37の押下操作を検出するカード返却スイッチ37aと、が接続されている。
【0061】
球貸ボタン36が押下操作されると、球貸スイッチ36aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、遊技球の貸し出しを要求する貸出要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが貸出要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rにより、記憶されている価値情報から所定の価値情報を減算する処理がなされるとともに、減算された価値情報に対応する個数の遊技球を払い出す制御がなされる。
また、カード返却ボタン37が押下操作されると、カード返却スイッチ37aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、カードの返却を要求する返却要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが返却要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rによりカードを排出する制御がなされる。
【0062】
副制御基板300は、遊技中や待機中等に実行される演出を制御するものである。
この副制御基板300は、
図6に示すように、各種演算処理を行うサブCPU301と、演出を実行するための制御プログラム、演出の実行に必要なデータやテーブル等を格納するサブROM302と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるサブRAM303と、を備えており、主制御基板100から副制御基板300への一方向に通信可能となるように接続されている。
【0063】
また、サブCPU301は、主制御基板100から送信されるコマンドやタイマからの信号に基づき、サブROM302に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、画像表示を制御するための画像制御基板(特に図示しておらず)、音声出力を制御するための音声制御基板(特に図示しておらず)、各種ランプの点灯等を制御するための電飾制御基板(特に図示しておらず)、役物演出装置YSの可動を制御するための作動制御基板(特に図示しておらず)に、演出実行用のコマンドを送信する。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、音声制御基板と電飾制御基板とを別個に設けているが、これらの基板の機能を集約した1枚の基板(音声電飾制御基板)を設け、当該基板により、音声出力及び照明の点灯のいずれをも制御するようにしてもよい。
【0064】
また、副制御基板300には、画像制御基板を介して演出表示装置21が接続され、音声制御基板を介して音声出力装置10が接続されている。また、副制御基板300には、電飾制御基板を介して、前扉演出ランプDLと、状態報知ランプELと、操作ダイヤル9aの回転操作を検出する回転操作検出センサ9cと、操作ボタン9bの押下操作を検出する押下操作検出センサ9dとが接続されている。さらに、副制御基板300には、作動制御基板を介して、駆動モータMが接続されている。
【0065】
画像制御基板は、特に図示していないが、画像CPU、画像ROM及び画像RAM等を備えている。この画像制御基板の画像ROMには、演出表示装置21に表示される図柄、背景等の画像データが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、画像CPUが、画像ROMから読み出した画像データを画像RAMに記憶することによって、演出表示装置21による画像表示を制御する。
【0066】
音声制御基板は、特に図示していないが、サウンドチップ(CPU)、サウンドROM及びサウンドRAM等を備えている。サウンドROMには、音声出力装置10から出力される音声、BGM等のサウンドデータが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、サウンドROMから読み出したサウンドデータをサウンドRAMに記憶することによって、音声出力装置10からの音声出力を制御する。
【0067】
電飾制御基板は、副制御基板300からのコマンドに基づき、前扉演出ランプDL、状態報知ランプELの点灯、消灯を制御する。また、電飾制御基板は、操作ダイヤル9aの回転操作に基づき回転操作検出センサ9cから出力される回転操作検出信号、又は、操作ボタン9bの押下操作に基づき押下操作検出センサ9dから出力される押下操作検出信号が入力されると、所定のコマンドを副制御基板300に送信する。
【0068】
作動制御基板は、副制御基板300からのコマンドに基づき、駆動モータMの駆動を制御する。そして、駆動モータMが駆動することにより、演出役物装置YSが上下方向に可動する。
【0069】
電源基板600は、主制御基板100を介して各基板に電力を供給するものである。この電源基板600にはバックアップ電源(特に図示しておらず)が設けられている。
また、主制御基板100には、供給される電力の電圧値を検知するための電断検知回路が設けられている。この電断検知回路は、供給される電力の電圧値が所定値以下となった場合(たとえば、電源スイッチ650がオフとなった場合や不測の電源断が発生した場合)に電断が発生したと判断して、主制御基板100へ電断発生信号を出力するとともに、電圧値が所定値よりも大きくなった場合(たとえば、電源スイッチ650がオンとなった場合や不測の電源断から復帰した場合)には電断から復帰したと判断して、主制御基板100への電断発生信号の出力を停止する。
【0070】
そして、メインCPU101は、電断発生信号を検出した(電断が発生した)場合には、メインRAM103へのアクセスを禁止し、メインRAM103(使用領域及び使用外領域)のチェックサムの算定及びバックアップフラグの設定を行うとともに、メインRAM103の記憶領域に記憶されている各種データ(設定値、制御状態を示す遊技機状態フラグ、チェックサム、バックアップフラグ、エラーの情報、遊技の進行に係る各種データ、遊技性能データ)を保持するバックアップ処理を行う。電断発生信号を検出しなくなった(電断から復帰した)場合には、電断の発生時に算定されたチェックサムと電断からの復帰時に算定されるチェックサムとの比較、電断の発生時に設定されたバックアップフラグのチェックを行うことにより、電断の発生時におけるメインRAM103の記憶データと電断からの復帰時におけるメインRAM103の記憶データとに不整合が生じているか否か(すなわち、上述のバックアップ処理に異常が発生しているか否か)が判断され、その後、電断復帰時の各種処理が実行されるようになっている。
電断復帰時の各種処理については、後程詳述する。
【0071】
(パチンコ機Pの遊技の概要)
次に、本形態のパチンコ機Pにおける遊技について、メインROM102に格納されている各種テーブルに基づいて説明する。
上述の如く、本形態のパチンコ機Pにおいては、特図遊技と普図遊技の遊技が並行して進行する。これら両遊技を進行する際の遊技状態としては、低確率遊技状態(いわゆる非確変状態)又は高確率遊技状態(いわゆる確変状態)のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、が組み合わされたいずれかの遊技状態が設定されるようになっている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、通常遊技状態という)、又は、高確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、高確時短遊技状態という)のいずれかの遊技状態が設定される。
【0072】
ここで、低確率遊技状態は、後述する大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率が所定の値に設定された遊技状態である。また、高確率遊技状態は、大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率が低確率遊技状態よりも高い値に設定された遊技状態である。すなわち、低確率遊技状態中よりも高確率遊技状態中のほうが、大当たりの抽選によって大当たりに当選しやすくなっている。
また、非時短遊技状態は、可動片16bが開きにくく(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりにくく)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しにくい遊技状態である。また、時短遊技状態は、非時短遊技状態よりも可動片16bが開きやすく(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりやすく)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しやすい遊技状態である。
なお、工場出荷直後やリセット後の初期状態においては、通常遊技状態が設定されるようになっている。
【0073】
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に入球すると、大当たりの抽選が行われる。そして、この大当たりの抽選によって大当たりに当選すると、大入賞口18が開放され当該大入賞口18へ遊技球を入球させることが可能となる特別遊技が実行され、さらに、当該特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定されるようになっている。
【0074】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1遊技領域12aを流下する遊技球は、第1始動入賞口15への入球が可能となっている。また、第2遊技領域12bを流下する遊技球は、大入賞口18への入球、ゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球、が可能となっている。そして、通常遊技状態中は、遊技球が第1始動入賞口15へ入球するように、遊技者に第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)を行わせ、高確率時短遊技状態中及び特別遊技中は、大入賞口18へ遊技球が入球し、或いは遊技球がゲート20を通過及び第2始動入賞口16へ入球するように、遊技者に第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)を行わせる。
具体的には、高確率時短遊技状態中及び特別遊技中は、演出表示装置21において第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出す旨を指示する表示が行われ、通常遊技状態が設定されると、演出表示装置21において第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出す旨を指示する表示が行われる。
【0075】
また、大当たりの抽選は、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球することを契機に取得される種々の乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための各種テーブルに基づいて、行われる。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選に用いられる乱数として、大当たりの判定に用いられる大当たり決定乱数、特別図柄の種別の決定に用いられる当たり図柄乱数、並びに、上述の変動演出のパターン(以下、変動演出パターンという)を決定するための変動モード番号、変動パターン番号の決定に用いられるリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数を有している。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の大当たり決定乱数は、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この大当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、変動演出パターンの決定に用いられる乱数は上述の3種類に限定されるものではなく、たとえば、これらの乱数に加えて他の乱数を用いてもよいし、これらの乱数のうちいずれか1又は複数の乱数を用いてもよい。
【0076】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、上述の乱数についてそれぞれ乱数値が取得されるとともに、各乱数値がメインRAM103の保留記憶領域に記憶されるようになっている。
この保留記憶領域は、第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第1特図乱数という)を記憶するための第1保留記憶領域、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第2特図乱数という)を記憶するための第2保留記憶領域から構成されている。そして、これらの保留記憶領域は、それぞれ第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、第1特図乱数を計4組、第2特図乱数を計4組記憶可能となっている。
【0077】
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1始動入賞口15へ遊技球が入球すると、第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。たとえば、第1保留記憶領域のいずれの記憶部にも第1特図乱数が記憶されていない状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第2記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部及び第2記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第3記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部~第3記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第4記憶部に記憶される。そして、第1保留記憶領域の第1記憶部~第4記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、この入球に係る第1特図乱数は記憶されない。
【0078】
同様に、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、第2特図乱数が、第2保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。具体的な記憶の処理については、上述の第1特図乱数の記憶と同様であるため、説明を省略する。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1保留記憶領域に記憶されている第1特図乱数の組数(以下、第1特図保留数という)は、第1特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶され、第2保留記憶領域に記憶されている第2特図乱数の組数(以下、第2特図保留数という)は、第2特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、上述のように、第1特図乱数や第2特図乱数が保留記憶領域に記憶されることを「保留」や「保留記憶」ともいい、また、第1特図保留数や第2特図保留数を単に「保留数」ともいう。
【0079】
また、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選に係るテーブルとして、大当たり決定乱数判定テーブル110、当たり図柄乱数判定テーブル111、リーチグループ決定乱数判定テーブル112、リーチモード決定乱数判定テーブル113、及び、変動パターン抽選テーブル114を有している。
なお、大当たりの抽選に係るテーブルはこれらに限定されるものではなく、他に、乱数に基づく判定や決定を行う必要がある場合には、適宜、テーブルを設けてもよい。
【0080】
大当たり決定乱数判定テーブル110は、大当たりか否かの判定を行うためのものであって、大別して、低確率遊技状態において参照される低確率判定テーブルと、高確率遊技状態において参照される高確率判定テーブルと、を備えている。
また、
図7(a)~(l)に示すように、低確率判定テーブル及び高確率判定テーブルにはそれぞれ、設定中の設定値に応じた6種類ずつが設けられている。
具体的には、低確率判定テーブルには、設定値が「1」である場合に参照される第1低確率判定テーブル110a、設定値が「2」である場合に参照される第2低確率判定テーブル110b、設定値が「3」である場合に参照される第3低確率判定テーブル110c、設定値が「4」である場合に参照される第4低確率判定テーブル110d、設定値が「5」である場合に参照される第5低確率判定テーブル110e、及び、設定値が「6」である場合に参照される第6低確率判定テーブル110fが設けられている。
高確率判定テーブルには、設定値が「1」である場合に参照される第1高確率判定テーブル110g、設定値が「2」である場合に参照される第2高確率判定テーブル110h、設定値が「3」である場合に参照される第3高確率判定テーブル110i、設定値が「4」である場合に参照される第4高確率判定テーブル110j、設定値が「5」である場合に参照される第5高確率判定テーブル110k、及び、設定値が「6」である場合に参照される第6高確率判定テーブル110lが設けられている。
【0081】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~65535の数値範囲内で1個の大当たり決定乱数が取得される。そして、パチンコ機Pに設定されている設定値、及び、大当たりの抽選を行う時点の遊技状態に応じて、上述のいずれかの大当たり決定乱数判定テーブル110が選択され、取得された大当たり決定乱数と選択された大当たり決定乱数判定テーブル110とに基づいて大当たりの抽選が行われる。
【0082】
図7(a)に示すように、第1低確率判定テーブル110aによれば、大当たり決定乱数が10001~10205であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、10206~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第1低確率判定テーブル110aにおける大当たりの当選確率はおよそ1/319.7となる。
【0083】
図7(b)に示すように、第2低確率判定テーブル110bによれば、大当たり決定乱数が10001~10208であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、10209~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第2低確率判定テーブル110bにおける大当たりの当選確率はおよそ1/315.1となる。
【0084】
図7(c)に示すように、第3低確率判定テーブル110cによれば、大当たり決定乱数が10001~10212であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、10213~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第3低確率判定テーブル110cにおける大当たりの当選確率はおよそ1/309.1となる。
【0085】
図7(d)に示すように、第4低確率判定テーブル110dによれば、大当たり決定乱数が10001~10215であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、10216~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第4低確率判定テーブル110dにおける大当たりの当選確率はおよそ1/304.8となる。
【0086】
図7(e)に示すように、第5低確率判定テーブル110eによれば、大当たり決定乱数が10001~10219であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、10220~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第5低確率判定テーブル110eにおける大当たりの当選確率はおよそ1/299.2となる。
【0087】
図7(f)に示すように、第6低確率判定テーブル110fによれば、大当たり決定乱数が10001~10223であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、10224~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第6低確率判定テーブル110aにおける大当たりの当選確率はおよそ1/293.9となる。
【0088】
図7(g)に示すように、第1高確率判定テーブル110gによれば、大当たり決定乱数が10001~11024であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、11025~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第1高確率判定テーブル110gにおける大当たりの当選確率は1/64.0となる。
【0089】
図7(h)に示すように、第2高確率判定テーブル110hによれば、大当たり決定乱数が10001~11040であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、11041~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第2高確率判定テーブル110hにおける大当たりの当選確率はおよそ1/63.0となる。
【0090】
図7(i)に示すように、第3高確率判定テーブル110iによれば、大当たり決定乱数が10001~11057であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、11058~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第3高確率判定テーブル110iにおける大当たりの当選確率はおよそ1/62.0となる。
【0091】
図7(j)に示すように、第4高確率判定テーブル110jによれば、大当たり決定乱数が10001~11074であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、11075~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第4高確率判定テーブル110jにおける大当たりの当選確率はおよそ1/61.0となる。
【0092】
図7(k)に示すように、第5高確率判定テーブル110kによれば、大当たり決定乱数が10001~11092であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、11093~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第5高確率判定テーブル110kにおける大当たりの当選確率はおよそ1/60.0となる。
【0093】
図7(l)に示すように、第6高確率判定テーブル110lによれば、大当たり決定乱数が10001~11110であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、11111~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第6高確率判定テーブル110lにおける大当たりの当選確率はおよそ1/59.0となる。
【0094】
以上のように、対応付けられた設定値が同一の高確率判定テーブル及び低確率判定テーブルを比較すると、高確率判定テーブルは、低確率判定テーブルに比べて、大当たりの当選確率がおよそ5倍となるように設定されている。
【0095】
また、低確率判定テーブルにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数は、当該低確率判定テーブルと同一の設定値が対応付けられた高確率判定テーブルにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数に含まれるように設定されている。すなわち、低確率判定テーブルにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数は、同一の設定値が対応付けられた高確率判定テーブルにおいても大当たりと判定されることとなる。
【0096】
当たり図柄乱数判定テーブル111は、特別図柄の種別を決定するためのものであって、
図8(a)及び(b)に示すように、第1特図乱数によって大当たりに当選した場合に参照される第1始動入賞口判定テーブル111aと、第2特図乱数によって大当たりに当選した場合に参照される第2始動入賞口判定テーブル111bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~199の数値範囲内で1個の当たり図柄乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によって大当たりに当選した場合に、遊技球が入球した始動入賞口に応じて、第1始動入賞口判定テーブル111a又は第2始動入賞口判定テーブル111bのいずれかの当たり図柄乱数判定テーブル111が選択され、取得された当たり図柄乱数と選択された当たり図柄乱数判定テーブル111とに基づいて、特別図柄の種別が決定される。
【0097】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりに当選した場合に決定される特別図柄(以下、大当たり図柄という)として2種類の特別図柄(X1、X2)が設けられており、また、ハズレの場合に決定される特別図柄(以下、ハズレ図柄という)として2種類の特別図柄(Y1、Y2)が設けられている。
【0098】
図8(a)に示すように、第1始動入賞口判定テーブル111aによれば、当たり図柄乱数が0~99であった場合に特別図柄X1が決定され、当たり図柄乱数が100~199であった場合に特別図柄X2が決定される。すなわち、この第1始動入賞口判定テーブル111aにおいては、特別図柄X1が決定される確率及び特別図柄X2が決定される確率はいずれも、50%となっている。
【0099】
また、
図8(b)に示すように、第2始動入賞口判定テーブル111bによれば、当たり図柄乱数が0~159であった場合に特別図柄X1が決定され、当たり図柄乱数が160~199であった場合に特別図柄X2が決定される。すなわち、この第2始動入賞口判定テーブル111bにおいては、特別図柄X1が決定される確率は80%、特別図柄X2が決定される確率は20%となっている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、いずれの当たり図柄乱数判定テーブル111であっても、同一の大当たり図柄が決定されるようになっているが、これに限定されるものではなく、各テーブルにおいて異なる大当たり図柄が決定されるようにしてもよい。
【0100】
また、第1特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合には、当たり図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄として特別図柄Y1が決定される。また、第2特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合には、当たり図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄として特別図柄Y2が決定される。
すなわち、当たり図柄乱数判定テーブル111は、大当たりに当選した場合にのみ参照され、ハズレの場合には参照されないようになっている。
【0101】
リーチグループ決定乱数判定テーブル112、リーチモード決定乱数判定テーブル113及び変動パターン抽選テーブル114は、変動演出パターンを決定するための変動モード番号及び変動パターン番号の決定に用いられるテーブルである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のように大当たりの抽選によって特別図柄が決定されると、当該決定の結果に基づいて変動演出パターンを決定するための変動モード番号及び変動パターン番号が決定されるとともに、決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンド、及び、決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが生成される。そして、生成された変動モードコマンド及び変動パターンコマンドは、主制御基板100から副制御基板300に送信され、副制御基板300は、受信した変動モードコマンド及び変動パターンコマンドに基づいて、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出の具体的な態様(たとえば、演出表示装置21の表示部21aに表示する画像等)を決定する。変動モードコマンド及び変動パターンコマンドは、変動演出の変動時間及び態様の決定に用いられるコマンドである。
【0102】
そして、リーチグループ決定乱数判定テーブル112は、変動モード番号及び変動パターン番号を決定するために用いられるリーチモード決定乱数判定テーブル113が属するグループを決定するためのものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に、変動モード番号及び変動パターン番号を決定するにあたり、その前段階として、リーチグループ決定乱数とリーチグループ決定乱数判定テーブル112により、グループの種別が決定される。
このリーチグループ決定乱数判定テーブル112は、遊技状態、始動入賞口の種別、及び、保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)ごとに複数設けられている。ここでは、
図9(a)~(c)に示すように、遊技状態が非時短遊技状態であってかつ第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に選択されるリーチグループ決定乱数判定テーブル112についてのみ詳述し、他のリーチグループ決定乱数判定テーブル112の説明は省略する。
【0103】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~10006の数値範囲内で1個のリーチグループ決定乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によってハズレとなった場合に、当該大当たりの抽選を行う時点の遊技状態、始動入賞口の種別、及び、保留数に応じて、リーチグループ決定乱数判定テーブル112が選択され、取得されたリーチグループ決定乱数と選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブル112とに基づいて、グループの種別が決定される。
【0104】
具体的には、遊技状態が非時短遊技状態であり、かつ、第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得された第1特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときにおいて、当該抽選時の第1特図保留数が0又は1であった場合には、第1判定テーブル112aが選択され、当該抽選時の第1特図保留数が2以上であった場合には、第2判定テーブル112bが選択される(
図9(a)及び(b)参照)。
また、遊技状態が非時短遊技状態であり、かつ、第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得された第2特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときは、当該抽選時の第2特図保留数が0~3であった場合に(すなわち、第2特図保留数がいかなる個数であっても)、第3判定テーブル112cが選択される(
図9(c)参照)。
【0105】
そして、
図9(a)に示すように、第1判定テーブル112aによれば、リーチグループ決定乱数が0~3999であった場合に「第1グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が4000~8999であった場合に「第2グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000~9899であった場合に「第3グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9900~10006であった場合に「第4グループ」が決定される。
また、
図9(b)に示すように、第2判定テーブル112bによれば、リーチグループ決定乱数が0~5999であった場合に「第1グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が6000~8999であった場合に「第2グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000~9899であった場合に「第3グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9900~10006であった場合に「第4グループ」が決定される。
さらに、
図9(c)に示すように、第3判定テーブル112cによれば、リーチグループ決定乱数が0~7999であった場合に「第1グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が8000~10006であった場合に「第2グループ」が決定される。
【0106】
また、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合には、グループの種別を決定することなく、リーチモード決定乱数判定テーブル113が決定されるようになっている。すなわち、リーチグループ決定乱数判定テーブル112は、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合にのみ参照され、大当たりであった場合には参照されない。
【0107】
リーチモード決定乱数判定テーブル113は、変動演出パターン(変動演出の態様、変動時間)の決定に用いられる変動モード番号を決定するとともに、後述する変動パターン番号の決定に用いられる変動パターン抽選テーブル114を決定するためのものである。
このリーチモード決定乱数判定テーブル113は、大別して、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に参照されるハズレ用判定テーブルと、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合に参照される大当たり用判定テーブルと、を備えている。
【0108】
また、ハズレ用判定テーブルは、上述のように決定されたグループの種別ごとに複数設けられている。ここでは、
図10(a)~(d)に示すように、「第1グループ」が決定された場合に参照される第1グループ用判定テーブル113a、「第2グループ」が決定された場合に参照される第2グループ用判定テーブル113b、「第3グループ」が決定された場合に参照される第3グループ用判定テーブル113c、「第4グループ」が決定された場合に参照される第4グループ用判定テーブル113dについて説明し、他のハズレ用判定テーブルの説明は省略する。
【0109】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~2038の数値範囲内で1個のリーチモード決定乱数が取得される。そして、上述したグループの種別の抽選によりグループが決定された場合に、この決定されたグループの種別に対応するハズレ用判定テーブルが選択され、取得されたリーチモード決定乱数と選択されたハズレ用判定テーブルとに基づいて、変動モード番号、及び、変動パターン抽選テーブル114が決定される。
【0110】
具体的には、たとえば、上述したグループの種別の抽選により「第1グループ」が決定された場合に第1グループ用判定テーブル113aが選択され、「第2グループ」が決定された場合に第2グループ用判定テーブル113bが選択され、「第3グループ」が決定された場合に第3グループ用判定テーブル113cが選択され、「第4グループ」が決定された場合に第4グループ用判定テーブル113dが選択される(
図10(a)~(d)参照)。
【0111】
そして、
図10(a)に示すように、第1グループ用判定テーブル113aによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に(すなわち、リーチモード決定乱数がいかなる値であっても)、「00H」(最後尾に「H」が付された英数字は16進数表記。以下、同様)という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第1変動テーブル114aが選択される。
また、
図10(b)に示すように、第2グループ用判定テーブル113bによれば、リーチモード決定乱数が0~1999であった場合に、「00H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第2変動テーブル114bが選択される。また、リーチモード決定乱数が2000~2038であった場合に、「01H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第2変動テーブル114bが選択される。
また、
図10(c)に示すように、第3グループ用判定テーブル113cによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に(すなわち、リーチモード決定乱数がいかなる値であっても)、「02H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第3変動テーブル114cが選択される。
さらに、
図10(d)に示すように、第4グループ用判定テーブル113dによれば、リーチモード決定乱数が0~1899であった場合に、「03H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第3変動テーブル114cが選択される。また、リーチモード決定乱数が1900~2038であった場合に、「04H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第4変動テーブル114dが選択される。
【0112】
また、大当たり用判定テーブルは、大当たりの抽選時(すなわち、大当たりの当選時)の遊技状態、及び、大当たりとなった場合に決定された大当たり図柄の種別ごとに複数設けられている。
ここでは、
図11(a)及び(b)に示すように、非時短遊技状態において特別図柄X1が決定された場合に参照される第1大当たり用判定テーブル113e、及び、非時短遊技状態において特別図柄X2が決定された場合に参照される第2大当たり用判定テーブル113fについて説明し、他の大当たり用判定テーブルの説明は省略する。
【0113】
本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりに当選し特別図柄の種別が決定された場合に、決定された特別図柄の種別、及び、大当たりの抽選時の遊技状態に対応する大当たり用判定テーブルが選択される。そして、上述したハズレ用判定テーブルに基づく決定の場合と同様に、取得されたリーチモード決定乱数と選択された大当たり用判定テーブルとに基づいて、変動モード番号及び変動パターン抽選テーブル114が決定される。
【0114】
具体的には、非時短遊技状態において大当たりに当選し特別図柄X1が決定された場合に、第1大当たり用判定テーブル113eが選択され、非時短遊技状態において大当たりに当選し特別図柄X2が決定された場合に、第2大当たり用判定テーブル113fが選択される(
図11(a)及び(b)参照)。
【0115】
そして、
図11(a)に示すように、第1大当たり用判定テーブル113eによれば、リーチモード決定乱数が0~199であった場合に、「32H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第30変動テーブル114eが選択される。また、リーチモード決定乱数が200~1299であった場合に、「33H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第31変動テーブル114fが選択される。また、リーチモード決定乱数が1300~2038であった場合に、「34H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第31変動テーブル114fが選択される。
また、
図11(b)に示すように、第2大当たり用判定テーブル113fによれば、リーチモード決定乱数が0~1399であった場合に、「33H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第32変動テーブル114gが選択される。また、リーチモード決定乱数が1400~2038であった場合に、「34H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第32変動テーブル114gが選択される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、大当たりの抽選時の遊技状態、及び、大当たり図柄の種別ごとに大当たり用判定テーブルが設けられているが、始動入賞口の種別を考慮して、大当たりの抽選時の遊技状態、始動入賞口の種別、及び、大当たり図柄の種別ごとに大当たり用判定テーブルを設けるようにしてもよい。
【0116】
変動パターン抽選テーブル114は、変動演出パターン(変動演出の態様、変動時間)の決定に用いられる変動パターン番号を決定するためのものであり、多数設けられている。
ここでは、
図12(a)~(g)に示すように、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に決定される第1変動テーブル114a、第2変動テーブル114b、第3変動テーブル114c及び第4変動テーブル114d、並びに、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合に決定される第30変動テーブル114e、第31変動テーブル114f及び第32テーブル114gについて説明し、他の変動パターン抽選テーブル114の説明は省略する。
【0117】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~249の数値範囲内で1個の変動パターン乱数が取得される。そして、取得された変動パターン乱数と、上述の変動モード番号とともに決定された変動パターン抽選テーブル114とに基づいて、変動パターン番号が決定される。
たとえば、
図12(a)に示すように、第1変動テーブル114aによれば、変動パターン乱数が0~124であった場合に「00H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が125~249であった場合に「01H」という変動パターン番号が決定される。また、
図12(d)に示すように、第4変動テーブル114dによれば、変動パターン乱数が0~119であった場合に「03H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が120~249であった場合に「04H」という変動パターン番号が決定される。
【0118】
また、
図12(e)に示すように、第30変動テーブル114eによれば、変動パターン乱数が0~124であった場合に「30H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が125~249であった場合に「31H」という変動パターン番号が決定される。また、
図12(g)に示すように、第32変動テーブル114gによれば、変動パターン乱数が0~199であった場合に「33H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が200~249であった場合に「34H」という変動パターン番号が決定される。
なお、同様に、他の変動パターンテーブル114によっても、所定の変動パターン乱数に対応して、所定の変動パターン番号が決定されるようになっている(
図12参照)。
【0119】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動開始時(すなわち、後述する特別図柄の変動表示の開始時(変動演出の開始時))に、上述のような大当たりの抽選が行われるとともに、大当たりの抽選が行われると、大当たりの抽選の結果、大当たりの抽選時の遊技状態及び保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)等に応じて、変動モード番号及び変動パターン番号が決定される。上述の如く、変動モード番号及び変動パターン番号は、変動演出パターンを決定するためのものであり、変動モード番号及び変動パターン番号により、変動演出の態様及び変動時間が定められるようになっている。ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出が前半部分と後半部分に分けられている。そして、変動演出の前半部分の態様及び変動時間は、変動モード番号により決定され、変動演出の後半部分の態様及び変動時間は、変動パターン番号により決定されるようになっている。
【0120】
次に、特図遊技における変動演出の変動時間の決定処理や、特別遊技の制御について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pは、上述の決定処理や特別遊技の制御を行うためのテーブルとして、変動時間決定テーブル115、特別電動役物作動テーブル116、及び、遊技状態設定テーブル117等を備えている。
【0121】
変動時間決定テーブル115は、変動時間を決定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pは、この変動時間決定テーブル115として、各変動モード番号に対応する変動演出の前半部分の変動時間(以下、前半変動時間という)が定められた第1変動時間決定テーブル115a、及び、各変動パターン番号に対応する変動演出の後半部分の変動時間(以下、後半変動時間という)が定められた第2変動時間決定テーブル115bを備えている(
図13(a)及び(b)参照)。
そして、変動モード番号が決定されると、この決定された変動モード番号及び第1変動時間決定テーブル115aに基づき、対応する前半変動時間が決定される。また、変動パターン番号が決定されると、この決定された変動パターン番号及び第2変動時間決定テーブル115bに基づき、対応する後半変動時間が決定される。そして、このように決定された前半変動時間と後半変動時間の合計値が、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出の全体の変動時間に相当する。
たとえば、決定された変動モード番号が「03H」及び変動パターン番号が「04H」であった場合には、変動モード番号「03H」に対応して「13秒」の前半変動時間が決定され、変動パターン番号「04H」に対応して「60秒」の後半変動時間が決定される。そして、これらの合計値「73秒(=13秒+60秒)」が、変動演出の全体の変動時間となる。
【0122】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、変動モード番号及び変動パターン番号が決定されると、この決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンド、及び、この決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが生成され、副制御基板300に送信される。そして、副制御基板300においては、受信した変動モードコマンド及び変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の態様が決定されるようになっている。具体的には、変動モードコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様が決定され、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様が決定されるようになっている。
なお、変動演出の態様については、変動モードコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するのではなく、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、変動モードコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するようにしてもよい。
また、変動演出は、前半部分と後半部分とに分けるのではなく、より多くの部分に分けて、変動モードコマンドや変動パターンコマンドに基づいて、それぞれの部分の態様を決定するようにしてもよい。
また、変動演出の態様は、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドのみならず、他のコマンドに基づいて決定してもよい。また、変動モードコマンド又は変動パターンコマンドのいずれかのみに基づいて決定してもよい。
【0123】
また、上述のように決定された変動時間に基づいて、演出表示装置21では変動演出が行われるとともに、特別図柄表示装置(第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31)では特別図柄の変動表示が行われる。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15の場合には、決定された変動時間の間、第1特別図柄表示装置30が点滅表示され、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16の場合には、決定された変動時間の間、第2特別図柄表示装置31が点滅表示される。そして、変動時間の経過後、決定された特別図柄が停止表示される。
【0124】
特別電動役物作動テーブル116は、大当たりに当選した場合に実行される特別遊技を制御するためのものであり、特別遊技の実行中に大入賞口ソレノイド18cを作動させるために参照されるものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、
図14(a)及び(b)に示すように、特別電動役物作動テーブル116として、特別図柄X1が決定された場合に参照される第1作動テーブル116aと、特別図柄X2が決定された場合に参照される第2作動テーブル116bと、が設けられている。
【0125】
具体的には、特別図柄X1が決定されると、
図14(a)に示すように、第1作動テーブル116aを参照して特別遊技が実行される。この第1作動テーブル116aによれば、大入賞口18が29.0秒開放するか又は大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するラウンド遊技が10回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中、大入賞口18は1回のみ開放され、各ラウンド遊技間に大入賞口18が閉鎖する時間(すなわち、インターバル時間)は2.0秒に設定されている。
この特別遊技においては、遊技者は、所定個数の期待値の賞球を獲得可能となる。
【0126】
また、特別図柄X2が決定されると、
図14(b)に示すように、第2作動テーブル116bを参照して特別遊技が実行される。この第2作動テーブル116bによれば、第1作動テーブル116aと同態様のラウンド遊技が4回実行され。また、各ラウンド遊技の実行中における大入賞口18の開閉回数及びインターバル時間は第1作動テーブル116aと同様の内容に設定されている。
この特別遊技においては、遊技者は、特別図柄X1が決定された場合の特別遊技よりも少ない期待値の賞球を獲得可能となる。
【0127】
遊技状態設定テーブル117は、特別遊技が実行された場合に、当該特別遊技の終了後の遊技状態を設定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、
図15に示すように、特別図柄X1又は特別図柄X2のいずれが決定された場合であっても、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定される。また、高確率遊技状態の継続回数(以下、高確回数という)及び時短遊技状態の継続回数(以下、時短回数という)はいずれも、100回に設定される。すなわち、特別遊技の終了後、大当たりの抽選の結果が100回導出されるまで、高確率時短遊技状態が継続する。また、この遊技状態の継続中に大当たりに当選した場合には、再度、高確回数及び時短回数が設定されるようになっている。したがって、特別遊技の終了後に高確率時短遊技状態が設定され、この遊技状態の継続中に大当たりに当選することなく、100回の抽選の結果がすべてハズレとなると、遊技状態が通常遊技状態に変更されることとなる。
【0128】
なお、特別遊技の終了後の遊技状態は、大当たりの抽選によって決定された特別図柄の種別に基づいて決定してもよい。たとえば、特別図柄X1又はX2のいずれか一方が決定された場合に、特別遊技の終了後の遊技状態を高確率時短遊技状態に設定し、いずれか他方が決定された場合に、通常遊技状態や、低確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態に設定してもよい。
【0129】
次に、普図遊技に関する処理について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球がゲート20を通過すると、第2始動入賞口16の可動片16bを作動させて当該可動片16bを開くか否かを決定する普通図柄の抽選が行われる。そして、この普通図柄の抽選によって当たりとなると、可動片16bが開き、第2始動入賞口16が開状態となるため、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
この普通図柄の抽選は、遊技球がゲート20を通過することを契機に取得される当たり決定乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための当たり決定乱数判定テーブル118に基づいて、行われる。
【0130】
そして、遊技球がゲート20を通過すると、上述の当たり決定乱数が取得されるとともに、当該乱数値がメインRAM103の普図保留記憶領域に4個を上限として記憶されるようになっている。具体的には、この普図保留記憶領域は、第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、ゲート20の通過順に、第1記憶部から記憶されるようになっている。また、既にいくつかの記憶部に当たり決定乱数が記憶されている場合には、空きの記憶部のうち最も番号の小さい記憶部に当たり決定乱数が記憶されるようになっている。そして、普図保留記憶領域に既に4個の当たり決定乱数が記憶されている場合に、遊技球がゲート20を通過しても、この通過に係る当たり決定乱数は普図保留記憶領域に記憶されない。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、当たり決定乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、普図保留記憶領域に記憶されている当たり決定乱数の数(以下、普図保留数という)は、普図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、上述のように、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されることを「普図保留」ともいう。
【0131】
また、当たり決定乱数判定テーブル118は、普通図柄の抽選により当たりか否かの判定を行うためのものであって、
図16(a)及び(b)に示すように、非時短遊技状態において参照される非時短判定テーブル118aと、時短遊技状態において参照される時短判定テーブル118bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技球がゲート20を通過すると、0~65535の数値範囲内で1個の当たり決定乱数が取得される。そして、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が非時短遊技状態であれば、非時短判定テーブル118aが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された非時短判定テーブル118aとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。また、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が時短遊技状態であれば、時短判定テーブル118bが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された時短判定テーブル118bとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。
【0132】
この非時短判定テーブル118aによれば、当たり決定乱数が1であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、2~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この非時短判定テーブル118aにおいて当たりとなる確率は1/65536となる。
また、時短判定テーブル118bによれば、当たり決定乱数が1~65000であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、65001~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この時短判定テーブル118bにおいて当たりとなる確率は65000/65536、すなわち、およそ99/100となる。
なお、普通図柄の抽選によって当たりとなった場合には当たり図柄が決定され、ハズレとなった場合にはハズレ図柄が決定される。
【0133】
また、本形態に係るパチンコ機Pは、普通図柄の変動や可動片16bの開閉の制御に係るテーブルとして、普通図柄変動パターン決定テーブル119、及び、第2始動入賞口開放制御テーブル120等を備えている。
【0134】
普通図柄変動パターン決定テーブル119は、普通図柄の変動パターンを決定するためのものである。普通図柄の変動パターンには、それぞれ普通図柄の変動時間が対応付けられている。そして、上述のように、ゲート20を遊技球が通過することにより普通図柄の抽選が行われると、この普通図柄変動パターン決定テーブル119に基づいて普通図柄の変動パターン(すなわち、普通図柄の変動時間)が決定される。
本形態に係るパチンコ機Pでは、
図17に示すように、遊技状態が非時短遊技状態の場合には普通図柄の変動時間が3秒に決定され、遊技状態が時短遊技状態の場合には普通図柄の変動時間が0.6秒に決定される。そして、普通図柄の変動時間が決定されると、この決定された普通図柄の変動時間の間、普通図柄表示装置32(
図3参照)が点滅表示される。そして、普通図柄の抽選により当たりとなって当たり図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が点灯し、ハズレとなってハズレ図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が消灯する。
【0135】
また、第2始動入賞口開放制御テーブル120は、第2始動入賞口16に設けられた可動片16bの作動を制御するために参照されるものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、普通図柄表示装置32が点灯すると、第2始動入賞口16の可動片16bが、第2始動入賞口開放制御テーブル120に定められた態様で開閉するようになっている。具体的には、遊技状態が非時短遊技状態の場合には、
図18に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが0.2秒(=0.2秒×1回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが0.2秒開放される。また、遊技状態が時短遊技状態の場合には、
図18に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが2.4秒(=1.2秒×2回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが合計2.4秒開放される。
【0136】
以上のように、非時短遊技状態と時短遊技状態とには、それぞれ、第2始動入賞口16を開閉するための条件が定められており、この条件の内容により、時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも第2始動入賞口16に遊技球が入球しやすくなっている。すなわち、時短遊技状態においては、遊技球がゲート20を通過する限りにおいて、次々と普通図柄の抽選が行われ、第2始動入賞口16が頻繁に開放されるため、遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えながら、大当たりの抽選の機会を獲得できることとなる。
【0137】
(電断復帰時における各種処理の概要)
上述したように、パチンコ機Pの電源がオフからオンになると(電断から復帰すると)、電源がオフとなる前(電断発生直前)に滞在していた制御状態、電源がオンとなった時点(電断復帰時)における設定スイッチ108のオン又はオフ、RAMクリアスイッチ109のオン又はオフ、本体枠開放検出センサ2aのオン又はオフ(本体枠2の開放又は閉鎖)、電源がオフとなった時点で行われるメインRAM103のバックアップ処理の異常(以下、バックアップ異常という)の発生の有無、メインRAM103における異常(以下、RAM異常という)の発生の有無に応じて、いずれかの制御状態が設定される。
【0138】
(バックアップ異常、RAM異常の発生及び解除)
ここで、バックアップ異常、RAM異常の発生及び解除について説明する。
電断復帰時において、電断発生時のメインRAM103の記憶データと電断復帰時のメインRAM103の記憶データとに不整合が生じていた場合に、バックアップ異常が発生したと判断され、上述の不整合が生じていなかった場合に、バックアップ異常が発生していないと判断される。
このバックアップ異常は、一過性の原因(たとえば、一時的にいずれかの装置に異常が生じたことによりデータの読み込みや保持に失敗した場合等)により発生する可能性が高い。また、新規にメインROM102やメインRAM103等を取り付けてパチンコ機Pの電源をオンにした場合には、これよりも前にバックアップ処理が実行されていないため、必ずバックアップ異常が発生することとなる。
上述の事情によりバックアップ異常が発生した場合には、電源を入れ直して再度バックアップ処理を実行するか、又は、RAMクリアスイッチ109がオンの状態(押下ボタン109aを押下操作したままの状態)で電源をオンにすることにより、発生したバックアップ異常を解除可能となる。
【0139】
また、メインRAM103の使用領域内においてデータの読み書きが不可能となっていた場合に、RAM異常が発生したと判断される。
本形態に係るパチンコ機Pでは、RAM異常の発生の判断対象となるのは当該使用領域内のみであり、使用外領域においてデータの読み書きが不可能となっていた場合には、RAM異常が発生したとは判断されない。なお、使用領域内のみならず、使用領域内及び使用外領域の両方をRAM異常の発生の判断対象としてもよい。そして、このように設定したときには、使用領域内及び使用外領域の少なくともいずれか一方においてデータの読み書きが不可能となっていた場合に、RAM異常が発生したと判断して、後述する処理(異常時初期化処理、遊技停止状態の設定)を行ってもよい。
このRAM異常は、チップの破損等、ハードウェア自体に異常が生じているために発生する可能性が高い。そのため、電源の入れ直しやRAMクリアスイッチ109がオンの状態での電源をオンにする等の処置を行っても、発生したRAM異常を解除できる可能性は低く、メインRAM103の交換や修理によりRAM異常が解除されることとなる。
【0140】
そして、電断復帰時にバックアップ異常が発生した場合には、異常時初期化処理が実行され、バックアップ異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。また、電断復帰時にRAM異常が発生した場合には、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。なお、バックアップ異常とRAM異常が重複して発生した場合には、異常時初期化処理が実行され、バックアップ異常に優先してRAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
また、電断復帰時や遊技可能状態の滞在中において、メインRAM103の使用領域に記憶されている設定値が異常値(たとえば、「1」よりも小さい値や「6」よりも大きい値等)であった場合には、異常時初期化処理が実行され、設定値の異常(以下、設定値異常という)の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
なお、後述するが、遊技停止状態が設定される場合に実行される異常時初期化処理では、メインRAM103に記憶されている全データ(すなわち、使用領域及び使用外領域に記憶されている全データ、具体的には、設定値、遊技状態フラグ、チェックサム、バックアップフラグ、エラーの情報、遊技の進行に係る各種データ、遊技性能データ)がクリアされる。
【0141】
そして、バックアップ異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された場合には、電断復帰時において、制御状態を設定変更状態に設定するための設定変更条件(具体的には、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオンであること)を満たすことにより設定変更状態が設定され、その後、設定スイッチ108がオフになることで遊技可能状態が設定される。一方、設定変更条件を満たしていないときには、遊技停止状態に滞在したままとなる。
また、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態又は設定値異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された場合には、電断復帰時にRAM異常又は設定値異常が解除された状態(RAM異常又は設定値異常が無い状態)で設定変更条件を満たすことにより設定変更状態が設定され、その後、設定スイッチ108がオフになることで遊技可能状態が設定される。一方、電断復帰時にRAM異常又は設定値異常が解除されていないとき、設定変更条件を満たしていないときには、遊技停止状態に滞在したままとなる。
なお、設定値異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された場合には、その後、設定変更状態が設定されたことにより、デフォルトの設定値として「1」がメインRAM103の使用領域に記憶されるようにしてもよい。
【0142】
(電断復帰時における制御状態の設定)
以下、電断復帰時に設定される制御状態について、
図19~
図20を参照して、具体的に説明する。
(1)電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生無しであった場合
この場合には、
図19に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、電断発生直前の制御状態が設定される。すなわち、電断復帰時の制御状態は、電断発生直前に滞在していた制御状態のままとなる。
また、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態であって、かつ特別遊技中であったときには、電断復帰時には特別遊技が再開される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、原則として、設定スイッチ108がオンとなっている間のみ、設定変更状態又は設定確認状態に滞在するようになっている。上述の場合には、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であったときには電断復帰時に設定変更状態が設定され、電断発生直前の制御状態が設定確認状態であったときには電断復帰時に設定確認状態が設定されるが、設定スイッチ108はオフであるため、設定変更状態又は設定確認状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定(遊技可能状態に変更)されることとなる。
【0143】
(2)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生無しであった場合
この場合にも、
図19に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、電断発生直前の制御状態が設定される。
また、電断発生直前の滞在モードが遊技可能モードであって、かつ特別遊技中であったときには、電断復帰時には特別遊技が再開される。
また、この場合に、電断復帰時に設定変更状態又は設定確認状態が設定されたときには、その後すぐに遊技可能状態が設定されることはない。
【0144】
(3)電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生無しであった場合
この場合には、
図19に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態又は設定確認状態であったときには、電断復帰時に、RAMクリアスイッチ109がオンであることに基づいて実行される通常初期化処理が行われ、遊技可能状態が設定される。また、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であったときには、電断復帰時に、初期化処理が行われ、設定変更状態が設定される。また、電断発生直前の制御状態が遊技停止状態であったときには、電断復帰時に遊技停止状態が設定される。
また、後述するが、RAMクリアスイッチ109がオンであることに基づいて実行される通常初期化処理では、メインRAM103の使用領域における第2領域~第4領域に記憶されているデータ(すなわち、チェックサム、バックアップフラグ、エラーの情報、遊技の進行に係る各種データ)がクリアされる。そのため、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態であった場合に、保留が記憶されていたときや特別図柄や普通図柄の変動表示中であったときには、記憶されていた保留はクリアされ、特別図柄や普通図柄の変動表示はリセットされる。特別遊技中であったときには、この特別遊技もリセットされる。
また、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であって、かつ設定値の変更中であったとき、上述の通常初期化処理では設定値はクリアされないため、電断復帰後に設定された設定変更状態においても、電断発生直前に変更中の設定値(メインRAM103に記憶されている設定値)がそのまま維持される。そして、設定変更状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定される。これにより、設定変更状態が終了するため、後述するように変更中の設定値が確定することとなる。
【0145】
(4)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生無しであった場合
この場合にも、
図19に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定確認状態であったときには、電断復帰時に、通常初期化処理が行われ、遊技可能状態が設定される。また、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であったときには、電断復帰時に、通常初期化処理が行われ、設定変更状態が設定される。また、電断発生直前の制御状態が遊技停止状態であったときには、電断復帰時に遊技停止状態が設定される。
また、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態であった場合に、保留が記憶されていたときや特別図柄や普通図柄の変動表示中であったときには、記憶されていた保留はクリアされ、特別図柄や普通図柄の変動表示はリセットされる。特別遊技中であったときには、この特別遊技もリセットされる。
また、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であって、かつ設定値の変更中であったときには、電断復帰後に設定された設定変更状態においても、電断発生直前に変更中の設定値がそのまま維持される。そして、設定変更状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定されることはなく設定変更状態は終了しないため、この時点では変更中の設定値は確定しない。
【0146】
(5)電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生無しであった場合
この場合には、
図19に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に電断発生直前の制御状態が設定される。
また、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態であって、かつ特別遊技中であったときには、電断復帰時には特別遊技が再開される。
また、設定変更状態又は設定確認状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定される。
【0147】
(6)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生無しであった場合
この場合には、
図19に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定確認状態であったときには、電断復帰時に設定確認状態が設定される。また、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であったときには、電断復帰時に設定変更状態が設定される。また、電断発生直前の制御状態が遊技停止状態であったときには、電断復帰時に遊技停止状態が設定される。
また、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態であって、かつ特別遊技中であったときには、電断復帰時に設定確認状態が設定され、その後、設定スイッチ108がオフになると特別遊技が再開される。
また、設定変更状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定されることはない。
【0148】
(7)電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生無しであった場合
この場合には、
図19に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定確認状態であったときには、電断復帰時に、通常初期化処理が行われ、遊技可能状態が設定される。また、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であったときには、電断復帰時に、通常初期化処理が行われ、設定変更状態が設定される。また、電断発生直前の制御状態が遊技停止状態であったときには、電断復帰時に遊技停止状態が設定される。
また、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態であった場合に、保留が記憶されていたときや特別図柄や普通図柄の変動表示中であったときには、記憶されていた保留はクリアされ、特別図柄や普通図柄の変動表示はリセットされる。特別遊技中であったときには、この特別遊技もリセットされる。
また、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であって、かつ設定値の変更中であったときには、電断復帰後に設定された設定変更状態においても、電断発生直前に変更中の設定値がそのまま維持される。そして、設定変更状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定される。これにより、設定変更状態が終了するため、変更中の設定値が確定することとなる。
【0149】
(8)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生無しであった場合
この場合には、
図19に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであっても、電断復帰時に、通常初期化処理が実行され、設定変更状態が設定される。
また、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態であった場合に、保留が記憶されていたときや特別図柄や普通図柄の変動表示中であったときには、記憶されていた保留はクリアされ、特別図柄や普通図柄の変動表示はリセットされる。特別遊技中であったときには、この特別遊技もリセットされる。
また、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であって、かつ設定値の変更中であったときには、電断復帰後に設定された設定変更状態においても、電断発生直前に変更中の設定値がそのまま維持される。そして、設定変更状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定されることはなく設定変更状態は終了しないため、この時点では変更中の設定値は確定しない。
【0150】
(9)電断復帰時に、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合(設定スイッチ108、RAMクリアスイッチ109、本体枠開放検出センサ2aがいずれもオンであった場合を除く)
すなわち、電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合にはいずれも、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであっても、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、バックアップ異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される(
図19参照)。
【0151】
(10)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合
この場合には、
図19に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであっても、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、設定変更状態が設定される。
また、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態であった場合に、保留が記憶されていたときや特別図柄や普通図柄の変動表示中であったときには、記憶されていた保留はクリアされ、特別図柄や普通図柄の変動表示はリセットされる。特別遊技中であったときには、この特別遊技もリセットされる。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、この場合(電断復帰時にバックアップ異常が発生していた場合)には、電断復帰時に実行される異常時初期化処理において、設定値のクリアも行われるようになっている。そのため、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であって、かつ設定値の変更中であったときには、電断復帰後に設定された設定変更状態において、電断発生直前に変更中の設定値(メインRAM103に記憶されている設定値)は維持されず、メインRAM103に記憶されている設定値が、初期値として予め定められた設定値(本形態では「1」)に変更される。なお、設定変更状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定されることはなく設定変更状態は終了しないため、この時点では設定値は確定しない。
【0152】
(11)電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生有りであった場合
この場合には、
図20に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、電断復帰時にバックアップ異常が発生した場合及び電断復帰時に通常初期化処理が実行された場合に、RAM異常の発生の有無が判断されるようになっている。そのため、電断復帰時に通常初期化処理が実行されず、かつバックアップ異常が発生していなかったときには、RAM異常が発生しているにもかかわらず、その旨を発見(検出)できない場合がある。この場合には、RAM異常が発生していたとしても、RAM異常が発生していなかったものとして、上述の(1)の場合と同様の電断復帰時の制御状態の設定が行われる。
【0153】
(12)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生有りであった場合
この場合にも、
図20に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
また、RAM異常が発生しているにもかかわらず、その旨を発見できなかった場合には、RAM異常が発生していたとしても、RAM異常が発生していなかったものとして、上述の(2)の場合と同様の電断復帰時の制御状態の設定が行われる。
【0154】
(13)電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生有りであった場合
この場合にも、
図20に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、RAM異常の発生の判断対象となるのは使用領域内のみであり、使用外領域においてデータの読み書きが不可能となっていた場合には、RAM異常が発生したとは判断されない。このようにRAM異常が発生したと判断されなかった場合には、RAM異常が発生していなかったものとして、上述の(3)の場合と同様の電断復帰時の制御状態の設定が行われる。
【0155】
(14)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生有りであった場合
この場合にも、
図20に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
また、上述のようにRAM異常が発生したと判断されなかった場合には、RAM異常が発生していなかったものとして、上述の(4)の場合と同様の電断復帰時の制御状態の設定が行われる。
【0156】
(15)電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生有りであった場合
この場合にも、
図20に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
また、RAM異常が発生しているにもかかわらず、その旨を発見できなかった場合には、RAM異常が発生していたとしても、RAM異常が発生していなかったものとして、上述の(5)の場合と同様の電断復帰時の制御状態の設定が行われる。
【0157】
(16)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生有りであった場合
この場合にも、
図20に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
また、RAM異常が発生しているにもかかわらず、その旨を発見できなかった場合には、RAM異常が発生していたとしても、RAM異常が発生していなかったものとして、上述の(6)の場合と同様の電断復帰時の制御状態の設定が行われる。
【0158】
(17)電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生有りであった場合
この場合にも、
図20に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
また、上述のようにRAM異常が発生したと判断されなかった場合には、RAM異常が発生していなかったものとして、上述の(7)の場合と同様の電断復帰時の制御状態の設定が行われる。
【0159】
(18)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生有りであった場合
この場合にも、
図20に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
また、上述のようにRAM異常が発生したと判断されなかった場合には、RAM異常が発生していなかったものとして、上述の(8)の場合と同様の電断復帰時の制御状態の設定が行われる。
このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、RAM異常が発生した場合には、設定変更条件を満たしたときであっても、設定変更状態に優先して遊技停止状態が設定されることとなる。
【0160】
(19)電断復帰時に、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生有りであった場合
すなわち、電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合にはいずれも、電断発生直前の滞在モードが遊技可能モード、設定確認モード、遊技停止モードのいずれであっても、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、バックアップ異常の発生に基づく遊技停止状態に優先してRAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される(
図20参照)。
【0161】
そして、上述の(1)~(19)の処理が実行されることにより、設定確認状態又は設定変更状態が設定された場合には、メイン情報表示装置105において、メインRAM103に記憶されている設定値が表示される。また、遊技可能状態が設定された場合には、メイン情報表示装置105において、メインRAM103に記憶されている遊技性能データに基づく遊技性能表示情報が表示される。また、遊技停止状態が設定された場合には、メイン情報表示装置105において、遊技停止状態が設定された旨を示すコードが表示される。
なお、設定確認状態又は設定変更状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定された場合には、メイン情報表示装置105に一瞬、設定値が表示された後、遊技可能状態の設定に伴って遊技性能表示情報が表示されることとなる。
【0162】
また、設定スイッチ108がオンであることに基づき設定確認状態又は設定変更状態が設定された場合には、その後、設定スイッチ108がオフになると、設定中の設定確認状態又は設定変更状態を遊技可能状態に切り替える処理が実行され、遊技可能状態が設定されることとなる。そして、遊技可能状態が設定されることにより、メイン情報表示装置105の表示も対応する内容に切り替わることとなる。
【0163】
また、設定変更状態の設定中においては、本体枠開放検出センサ2aが本体枠2の開放を検出していることを条件として、押下ボタン109aが押下操作されRAMクリアスイッチ109がオンになるごとに、メインRAM103に記憶されている設定値が1段階ずつ変更されるようになっている。具体的には、メインRAM103に記憶されている設定値が1インクリメントした値に変更される。
たとえば、メインRAM103に記憶されている設定値が「2」であった場合において、本体枠2が開放されている状態で押下ボタン109aが押下操作されると、メインRAM103に記憶される設定値が「3」に変更されることとなる。そして、本体枠2が開放されている状態で押下ボタン109aが押下操作されるごとに、メインRAM103に記憶される設定値が「4」→「5」→「6」と変更され、「6」の次には「1」に変更される。なお、メインRAM103に記憶される設定値が変更されるごとに、メイン情報表示装置105における設定値の表示も変更されるようになっている。
そして、設定スイッチ108がオフになると、これ以降はメインRAM103に記憶されている設定値の変更が不可となる。すなわち、この時点でメインRAM103に記憶されている設定値が、新たな設定値として確定することとなる。
【0164】
(通常初期化処理、異常時初期化処理、クリア処理)
本形態に係るパチンコ機Pでは、電断復帰時に、バックアップ異常、RAM異常、設定値異常の発生に基づいて遊技停止状態が設定される場合には、異常時初期化処理が実行される。この異常時初期化処理では、上述の如く、メインRAM103に記憶されている全データ(使用領域及び使用外領域に記憶されている全データ、具体的には、設定値、遊技状態フラグ、チェックサム、バックアップフラグ、エラーの情報、遊技の進行に係る各種データ、遊技性能データ)がクリアされる。
また、電断復帰時に、RAMクリアスイッチ109がオンであって、かつ遊技停止状態以外の制御状態(遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態)が設定される場合には、通常初期化処理が実行される。この通常初期化処理では、上述の如く、メインRAM103の使用領域における第2領域~第4領域に記憶されているデータ(チェックサム、バックアップフラグ、エラーの情報、遊技の進行に係る各種データ)がクリアされる。
また、電断復帰時に、RAMクリアスイッチ109がオフであった場合には、メインRAM103の一部をクリアするクリア処理が実行される。このクリア処理では、メインRAM103の使用領域における第2領域及び第3領域に記憶されているデータ(すなわち、チェックサム、バックアップフラグ、エラーの情報)がクリアされる。
【0165】
(電断復帰時における副制御基板300へのコマンド送信)
上述の如く、電断復帰時には、通常初期化処理、異常時初期化処理又はクリア処理のいずれかの処理が実行されるとともに、遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態又は遊技停止状態(バックアップ異常の発生に基づく遊技停止状態、設定値異常の発生に基づく遊技停止状態、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態)のいずれかが設定されるようになっている。
そして、電断復帰時には、演出表示装置21や音声出力装置10により、パチンコ機Pの起動処理や初期設定処理の実行中である旨を示す表示や音声出力が実行される。その後、これらの処理が完了すると、設定された制御状態に応じた各種表示や音声出力が開始される。
【0166】
具体的には、たとえば、電断発生直前に遊技可能状態に滞在しており、電断復帰時に通常初期化処理や異常時初期化処理が実行されることなく電断発生直前と同様の遊技可能状態が設定された場合には、電断発生直前における保留数、変動演出の実行状態(変動演出の実行中、非実行中等)、特別遊技の実行状態(特別遊技の非実行中、特別遊技の実行中)、高確回数、時短回数等に基づいて遊技が再開されるため、演出表示装置21においてはこれらの情報も表示されることとなる。
また、たとえば、電断発生直前に遊技可能状態に滞在していたものの、電断復帰時に通常初期化処理が実行され、設定変更状態が設定された場合には、演出表示装置21において設定変更状態が設定されている旨の表示を行うとともに、音声出力装置10によりその旨を示唆する音声を出力する。また、設定変更状態が終了し遊技可能状態が設定された場合には、演出表示装置21において遊技可能状態が設定された際の初期画面の表示を行うとともに、音声出力装置10により所定の初期音声を出力する。
また、たとえば、電断復帰時にバックアップ異常が発生し、異常時初期化処理が実行され遊技停止状態が設定された場合には、演出表示装置21においてバックアップ異常が発生した旨の表示を行うとともに、音声出力装置10により所定の警告音を出力する。
【0167】
ここで、電断発生時の処理が複雑になるのを防止すべく、本形態における副制御基板300には電断検知回路が設けられておらず、当該副制御基板300においては主制御基板100において行われているバックアップ処理は実行されない。そのため、副制御基板300のサブRAM303には、電断復帰時に、演出表示装置21や音声出力装置10において上述のような演出を実行するために必要なデータが記憶されていないこととなる。
そこで、本形態における主制御基板100のメインCPU101は、電断復帰時に設定された制御状態に応じて、上述のような演出を実行するために必要なデータを含む各種コマンドを副制御基板300へ送信するようになっている。
【0168】
以下、電断復帰時における副制御基板300へのコマンド送信について、より詳しく説明する。
(1)電断復帰時に遊技可能状態が設定される場合
この場合において、電断復帰時にRAMクリアスイッチ109がオンであったときには、メインCPU101は、遊技可能状態が設定され、かつ通常初期化処理が実行された旨を示すRAMクリアコマンドを副制御基板300へ送信する。これに対して、電断復帰時にRAMクリアスイッチ109がオフであったときには、メインCPU101は、遊技可能状態が設定され、かつクリア処理が実行された旨を示す電断復帰コマンドを副制御基板300へ送信する。
さらに、メインCPU101は、RAMクリアコマンド又は電断復帰コマンドに続き、メインROM102に記憶されているスペックコードの内容を示すスペックコードコマンド、メインRAM103(使用領域の第4領域)に記憶されている遊技球の発射位置(遊技球を打ち出す遊技領域12)を示す発射位置コマンド、第1特図乱数に基づく特別図柄の変動中であった場合にはメインRAM103(使用領域の第4領域)に記憶されている当該特別図柄の情報を示す第1特図図柄コマンド、第2特図乱数に基づく特別図柄の変動中であった場合にはメインRAM103(使用領域の第4領域)に記憶されている当該特別図柄の情報を示す第2特図図柄コマンド、メインRAM103(使用領域の第4領域)に記憶されている設定値を示す設定値コマンド、メインRAM103(使用領域の第4領域)に記憶されている第1特図保留数を示す第1特図保留数コマンド、メインRAM103(使用領域の第4領域)に記憶されている第2特図保留数を示す第2特図保留数コマンド、メインRAM103(使用領域の第4領域)に記憶されている時短回数を示す時短回数コマンド、メインRAM103(使用領域の第4領域)に記憶されている高確回数を示す高確回数コマンド、メインRAM103(使用領域の第4領域)に記憶されている特図遊技の実行フェーズデータを示す実行フェーズデータコマンド、特別図柄の変動が行われていない場合にはその旨を示す客待ちコマンド(以下、これらのコマンドを総称して電断復帰時サブコマンド群という)を副制御基板300へ送信する。
【0169】
なお、電断復帰時にRAMクリアスイッチ109がオンであって通常初期化処理が実行された場合には、上述の如く、メインRAM103の使用領域における第2領域~第4領域に記憶されているデータがクリアされる。したがって、上述の電断復帰時サブコマンド群の各コマンドは、通常初期化処理によるクリア後の第4領域のデータ内容を示すものとなる。
これに対して、電断復帰時にRAMクリアスイッチ109がオフであってクリア処理が実行された場合には、上述の如く、メインRAM103の使用領域における第2領域及び第3領域に記憶されているデータがクリアされ、第4領域に記憶されているデータはクリアされない。したがって、上述の電断復帰時サブコマンド群の各コマンドは、電断発生直前に記憶されていた第4領域のデータ内容を示すものとなる。
【0170】
そして、遊技可能状態が設定されて遊技が開始されるとともに上述のコマンドが送信されると、副制御基板300により、受信したRAMクリアコマンド又は電断復帰コマンド、及び電断復帰時サブコマンド群に基づいて、演出表示装置21における各種表示や音声出力装置10による音声出力の実行の制御が行われることとなる。
具体的には、RAMクリアコマンドを受信した場合には、電断発生直前の遊技の進行に係るデータはクリアされ電断発生直前の遊技状況はリセットされるため、パチンコ機Pの起動処理や初期設定処理の実行に関する表示や音声出力が実行された後、遊技可能状態が設定された際の初期画面の表示や所定の初期音声の出力が開始される。
また、電断復帰コマンドを受信した場合には、電断発生直前の遊技の進行に係るデータはクリアされず電断発生直前の遊技状況は維持されるため、電断発生直前の状況のまま遊技が再開される。そして、電断復帰時サブコマンド群の各コマンドに基づいて、電断発生直前に行われていた表示や音声出力も再開される。
【0171】
(2)電断復帰時に設定変更状態が設定される場合
この場合において、電断復帰時にRAMクリアスイッチ109がオンであったときには、メインCPU101は、設定変更状態が設定され、かつ通常初期化処理が実行された旨を示す設定変更開始コマンドを副制御基板300へ送信する。これに対して、電断復帰時にRAMクリアスイッチ109がオフであったときには、メインCPU101は、設定変更状態が設定され、かつクリア処理が実行された旨を示す設定変更復帰コマンドを副制御基板300へ送信する。
なお、電断復帰時にRAMクリアスイッチ109がオンであって設定変更状態が設定される場合とは、電断復帰直前に設定変更状態以外の制御状態に滞在しており、電断復帰時に設定変更状態に切り替わる場合である。また、電断復帰時にRAMクリアスイッチ109がオフであって設定変更状態が設定される場合とは、電断復帰直前に設定変更状態に滞在しており、電断復帰時に設定変更状態へ復帰する場合である。
さらに、メインCPU101は、設定変更開始コマンド又は設定変更復帰コマンドに続き、(1)と同様の電断復帰時サブコマンド群を副制御基板300へ送信する。
そして、設定変更状態が設定されるとともに上述のコマンドが送信されると、副制御基板300により、受信した設定変更開始コマンド又は設定変更復帰コマンド、及び電断復帰時サブコマンド群に基づいて、パチンコ機Pの起動処理や初期設定処理の実行に関する表示や音声出力が実行された後、設定変更状態が設定された旨の表示や音声出力が実行される。
【0172】
その後、設定スイッチ108がオフになると、メインCPU101は、設定変更状態が終了し遊技可能状態が設定される旨を示す設定変更状態終了コマンドを副制御基板300へ送信する。さらに、メインCPU101は、設定変更状態終了コマンドに続き、この時点において記憶されているデータに基づく電断復帰時サブコマンド群を送信する。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、電断復帰時に設定変更状態が設定された場合には、電断復帰時(設定変更状態の設定時)及び設定変更状態の終了時の計2回、それぞれの時点において記憶されているデータに基づく電断復帰時サブコマンド群を送信するようになっている。
なお、設定変更状態の終了時において、設定変更状態の設定時における設定値と同一の設定値が設定された場合(すなわち、設定値が変更されなかった場合)には、電断復帰時における電断復帰時サブコマンド群の各コマンド、及び、設定変更状態の終了時における電断復帰時サブコマンド群の各コマンドの内容はすべて同一となる。これに対して、設定変更状態の終了時において、設定変更状態の設定時における設定値と異なる設定値が設定された場合(すなわち、設定値が変更された場合)には、電断復帰時における電断復帰時サブコマンド群及び設定変更状態の終了時における電断復帰時サブコマンド群は、設定値コマンドが異なる内容となり、他のコマンドの内容はすべて同一となる。
そして、設定変更状態が終了し遊技可能状態が設定されるとともに上述のコマンドが送信されると、副制御基板300により、受信した設定変更状態終了コマンド及び電断復帰時サブコマンド群に基づいて、遊技可能状態が設定された際の初期画面の表示や所定の初期音声の出力が開始される。
【0173】
(3)電断復帰時に設定確認状態が設定される場合
この場合には、メインCPU101は、設定確認状態が設定される旨を示す設定確認開始コマンドを副制御基板300へ送信する。さらに、メインCPU101は、設定確認開始コマンドに続き、(1)及び(2)と同様の電断復帰時サブコマンド群を副制御基板300へ送信する。
そして、設定確認状態が設定されるとともに上述のコマンドが送信されると、副制御基板300により、受信した設定確認開始コマンド及び電断復帰時サブコマンド群に基づいて、パチンコ機Pの起動処理や初期設定処理の実行に関する表示や音声出力が実行された後、設定確認状態が設定された旨の表示や音声出力が実行される。
【0174】
その後、設定スイッチ108がオフになると、メインCPU101は、設定確認状態が終了し遊技可能状態が設定される旨を示す設定確認状態終了コマンドを副制御基板300へ送信する。さらに、メインCPU101は、設定確認状態終了コマンドに続き、この時点において記憶されているデータに基づく電断復帰時サブコマンド群を送信する。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、電断復帰時に設定確認状態が設定された場合にも、電断復帰時(設定確認状態の設定時)及び設定確認状態の終了時の計2回、それぞれの時点において記憶されているデータに基づく電断復帰時サブコマンド群を送信するようになっている。なお、電断復帰時における電断復帰時サブコマンド群の各コマンド、及び、設定確認状態の終了時における電断復帰時サブコマンド群の各コマンドの内容はすべて同一となる。
そして、設定確認状態が終了し遊技可能状態が設定されるとともに上述のコマンドが送信されると、副制御基板300により、受信した設定確認状態終了コマンド及び電断復帰時サブコマンド群に基づいて、遊技可能状態が設定された際の初期画面の表示や所定の初期音声の出力が開始される。
【0175】
(4)電断復帰時に遊技停止状態が設定される場合
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、バックアップ異常が発生した場合、RAM異常が発生した場合、設定値異常が発生した場合に遊技停止状態が設定される。
そして、電断復帰時にRAMクリアスイッチ109がオンであるとともに、バックアップ異常の発生に基づく遊技停止状態が設定されたときには、メインCPU101はその旨を示す第1バックアップ異常コマンドを副制御基板300へ送信する。これに対して、電断復帰時にRAMクリアスイッチ109がオフであるとともに、バックアップ異常の発生に基づく遊技停止状態が設定されたときには、メインCPU101はその旨を示す第2バックアップ異常コマンドを副制御基板300へ送信する。
また、電断復帰時にRAMクリアスイッチ109がオンであるとともに、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定されたときには、メインCPU101はその旨を示す第1RAM異常コマンドを副制御基板300へ送信する。これに対して、電断復帰時にRAMクリアスイッチ109がオフであるとともに、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定されたときには、メインCPU101はその旨を示す第2RAM異常コマンドを副制御基板300へ送信する。
また、電断復帰時にRAMクリアスイッチ109がオンであるとともに、設定値異常の発生に基づく遊技停止状態が設定されたときには、メインCPU101はその旨を示す第1設定値異常コマンドを副制御基板300へ送信する。これに対して、電断復帰時にRAMクリアスイッチ109がオフであるとともに、設定値異常の発生に基づく遊技停止状態が設定されたときには、メインCPU101はその旨を示す第2設定値異常コマンドを副制御基板300へ送信する。
【0176】
さらに、メインCPU101は、第1バックアップ異常コマンド、第2バックアップ異常コマンド、第1RAM異常コマンド、第2RAM異常コマンド、第1設定値異常コマンド又は第2設定値異常コマンドに続き、(2)と同様の電断復帰時サブコマンド群を副制御基板300へ送信する。
そして、遊技停止状態が設定されるとともに上述のコマンドが送信されると、副制御基板300により、受信した第1バックアップ異常コマンド、第2バックアップ異常コマンド、第1RAM異常コマンド、第2RAM異常コマンド、第1設定値異常コマンド又は第2設定値異常コマンド、及び電断復帰時サブコマンド群に基づいて、パチンコ機Pの起動処理や初期設定処理の実行に関する表示や音声出力が実行された後、遊技停止状態が設定された旨の表示や音声出力が実行される。
【0177】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、電断復帰時に設定変更状態が設定された場合には、設定変更状態が設定される電断復帰時及び設定変更状態の終了時の両方の時点において(すなわち、設定値に関する処理が実行される前後において)それぞれ、各時点で記憶されていた遊技の進行に係るデータの内容を示すコマンド、設定値の内容を示すコマンドが副制御基板300へ送信されるようになっている。
これにより、副制御基板300は変更前と変更後の設定値の情報(設定値がいくつからいくつへ変更されたかの情報)を受信することができるとともに、副制御基板300において、上述の各時点で記憶されている遊技の進行に係るデータや設定値の内容に応じた適切な演出を実行することができるのである。
【0178】
また、電断復帰時に設定変更状態が設定された場合には、設定値が変更されたか否かによらず、必ず上述の両方の時点においてそれぞれ、上述のコマンドを副制御基板300へ送信するようになっている。
そのため、本形態に係るパチンコ機Pでは、設定変更状態が終了した時点において、この設定変更状態の滞在中に設定値が変更されたか否かを判断する処理が不要であり、当該処理を実行するための制御プログラムを設けておく必要が無いため、メインROM102が記憶容量不足となるような事態を防止することができるのである。
なお、上述の電断復帰時サブコマンド群を送信する際には、当該コマンド群に含まれる各コマンドをそれぞれ別の送信単位とした上でそれぞれ個別に送信するようにしてもよいし、当該コマンド群に含まれる全コマンドをまとめて一の送信単位とした上で一括して送信するようにしてもよい。
【0179】
(パチンコ機Pにおける処理の概要)
次に、上述の特図遊技、普図遊技及び特別遊技の進行に伴って主制御基板100で実行される処理の概要について、フローチャートを用いて説明する。
まず、主制御基板100の電断退避処理を説明する。
本形態に係るパチンコ機Pにおいては、供給される電源の電圧が所定値以下となると、後述する主制御基板100のメイン処理に割り込んで、
図21のフローチャートに示す電断退避処理が実行される。
【0180】
ステップ100において、メインCPU101は、電断発生信号を検出しているか否かを判定する。そして、電断発生信号を検出していないと判定した場合、電断退避処理を終了する。一方、電断発生信号を検出していると判定した場合、ステップ101に進む。
ステップ101において、メインCPU101は、メインRAM103における使用領域及び使用外領域のチェックサムを算定する処理を実行し、算定されたチェックサムを第2領域に記憶する。そして、次のステップ102に進む。
【0181】
ステップ102において、メインCPU101は、メインRAM103の記憶領域に記憶されている各種データ(設定値、制御状態を示す遊技機状態フラグ、チェックサム、バックアップフラグ、エラーの情報、遊技の進行に係る各種データ、遊技性能データ)を保持するバックアップ処理を実行し、このバックアップ処理の結果を示すバックアップフラグを第2領域に記憶する。そして、次のステップ103に進む。
ステップ103において、メインCPU101は、メインRAM103へのアクセスを禁止する。この処理が行われることにより、これ以降、メインRAM103への各種データの記憶やメインRAM103からの各種データの読み出し(ロード)が不可能となる。そして、次のステップ104に進む。
【0182】
ステップ104において、メインCPU101は、電断監視時間を、電断監視時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ105に進む。
ステップ105において、メインCPU101は、電断発生信号を検出しているか否かを判定する。そして、電断発生信号を検出していると判定した場合、ステップ104に戻る。一方、電断発生信号を検出していないと判定した場合、次のステップ106に進む。
【0183】
ステップ106において、メインCPU101は、上述のステップ104で設定された電断監視時間が経過したか否かを判定する。そして、経過していないと判定した場合、ステップ105に戻る。一方、経過したと判定した場合、電断退避処理を終了し、後述の電断復帰時処理を実行する。なお、電断監視時間タイマカウンタには減算タイマを採用しており、上述の電断発生信号の検出の判定が実行されるごとにタイマカウンタが1ずつ減算され、0となった場合に電断監視時間が経過したと判定されるようになっている。電断が発生した場合には、上述のステップ104からステップ106までをループしている間、パチンコ機Pの作動が停止することとなる。
【0184】
次に、主制御基板100のメイン処理を説明する。
電源基板600により電力が供給されると(電断から復帰すると)、メインCPU101にシステムリセットが発生し、メインCPU101は、
図22のフローチャートに示すメイン処理を実行する。
【0185】
ステップ110において、メインCPU101は、電断復帰時処理を実行する。そして、次のステップ111に進む。
ステップ111において、メインCPU101は、他の処理の割り込みを禁止する。そして、次のステップ112に進む。
【0186】
ステップ112において、メインCPU101は、当たり図柄乱数を更新する際に参照される当たり図柄乱数用初期値更新乱数の更新を行う。この当たり図柄乱数用初期値更新乱数は、当たり図柄乱数の初期値を決定するためのものである。すなわち、当たり図柄乱数は、更新を開始する時点の当たり図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として更新が行われる。そして、この乱数範囲を1周すると、その時点における当たり図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として、当たり図柄乱数の更新が継続されるようになっている。そして、次のステップ113に進む。
ステップ113において、メインCPU101は、特図遊技や普図遊技を実行するために用いられる各種コマンドを解析する。そして、次のステップ114に進む。
【0187】
ステップ114において、メインCPU101は、演出用伝送データ格納領域に記憶されたコマンドを副制御基板300に送信する。そして、次のステップ115に進む。
ステップ115において、メインCPU101は、他の処理の割り込みを許可する。そして、次のステップ116に進む。
【0188】
ステップ116において、メインCPU101は、変動演出パターンを決定するための乱数(以下、変動演出用乱数という)である、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数を更新する。そして、ステップ116の処理が終了すると、以降は、後述するタイマ割込み処理が行われるまで、ステップ111~ステップ116の処理を繰り返し実行する。
【0189】
次に、上述したステップ110の電断復帰時処理について、
図23のフローチャートを参照して説明する。
ステップ130において、メインCPU101は、メインROM102から起動プログラムを読み込む等、電断復帰時(電源スイッチ650がオンとなった場合、不測の電源断から復帰した場合)における各種処理を実行するために必要な初期設定処理を実行する。そして、次のステップ131に進む。
ステップ131において、メインCPU101は、この時点におけるメインRAM103のチェックサムを算定するとともに、算定されたチェックサム及びメインRAM103の第2領域に記憶されているチェックサム(ステップ101で電断発生直前に算定されたチェックサム)、並びに、第2領域に記憶されているバックアップフラグに基づいて、バックアップ異常の発生の有無を判定する。そして、バックアップ異常が発生していると判定した場合、ステップ136に進む。一方、バックアップ異常が発生していないと判定した場合、次のステップ132に進む。
【0190】
ステップ132において、メインCPU101は、RAMクリアスイッチ109がオンであるか否かを判定する。そして、RAMクリアスイッチ109がオンであると判定した場合、ステップ136に進む。一方、RAMクリアスイッチ109がオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、次のステップ133に進む。
ステップ133において、メインCPU101は、滞在中の制御状態が遊技可能状態、設定スイッチ108がオン、かつ本体枠開放検出センサ2aがオンであるか否か、すなわち、遊技可能状態が終了し設定確認状態が設定されるための条件を満たしているか否かを判定する。そして、当該条件を満たしていないと判定した場合(すなわち、滞在中の制御状態が設定確認状態、設定変更状態又は遊技停止状態、設定スイッチ108がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオフのいずれかを満たす場合)、ステップ135に進む。一方、当該条件を満たしていると判定した場合、次のステップ134に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、メインRAM103の使用領域における第1領域に、滞在中の制御状態を示す遊技機状態フラグが記憶されるようになっており、この遊技機状態フラグを参照することで、滞在中の制御状態を判断することができる。
【0191】
ステップ134において、メインCPU101は、設定確認状態を設定するとともに、その旨を示す遊技機状態フラグを第1領域に記憶する。そして、次のステップ135に進む。
ステップ135において、メインCPU101は、遊技停止状態が設定されていた場合には異常時初期化処理を実行し、設定変更状態が設定されていた場合又は上述のステップ134で設定確認状態が設定された場合にはクリア処理を実行する。そして、ステップ144に進む。
【0192】
また、上述のステップ131でバックアップ異常が発生していると判定した場合、上述のステップ132でRAMクリアスイッチ109がオンであると判定した場合に進むステップ136において、メインCPU101は、RAM異常及び設定値異常が発生していないか否かを判定する。そして、RAM異常及び設定値異常のいずれも発生していないと判定した場合、ステップ138に進む。一方、RAM異常又は設定値異常のいずれかが発生していると判定した場合、次のステップ137に進む。
ステップ137において、メインCPU101は、RAM異常が発生していた場合にはRAM異常の発生に基づく遊技停止状態を設定し、設定値異常が発生していた場合には設定値異常の発生に基づく遊技停止状態を設定し、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された旨又は設定値異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された旨を示す遊技機状態フラグを第1領域に記憶する。そして、ステップ143に進む。
【0193】
また、上述のステップ136でRAM異常及び設定値異常のいずれも発生していないと判定した場合に進むステップ138において、メインCPU101は、設定変更条件(すなわち、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン)が成立しているか否かを判定する。そして、設定変更条件が成立していないと判定した場合、ステップ140に進む。一方、設定変更条件が成立していると判定した場合、次のステップ139に進む。
ステップ139において、メインCPU101は、設定変更状態を設定するとともに、その旨を示す遊技機状態フラグを第1領域に記憶する。そして、ステップ143に進む。
【0194】
また、上述のステップ138で設定変更条件が成立していないと判定した場合に進むステップ140において、メインCPU101は、バックアップ異常の発生の有無を判定する。そして、バックアップ異常が発生していると判定した場合、ステップ142に進む。一方、バックアップ異常が発生していないと判定した場合、次のステップ141に進む。
ステップ141において、メインCPU101は、遊技可能状態を設定するとともに、その旨を示す遊技機状態フラグを第1領域に記憶する。そして、ステップ143に進む。
【0195】
また、上述のステップ140でバックアップ異常が発生していると判定した場合に進むステップ142において、メインCPU101は、バックアップ異常の発生に基づく遊技停止状態を設定するとともに、その旨を示す遊技機状態フラグを第1領域に記憶する。そして、ステップ143に進む。
ステップ143において、メインCPU101は、遊技停止状態が設定された場合には異常時初期化処理を実行し、遊技可能状態又は設定変更状態が設定された場合には通常初期化処理を実行する。そして、ステップ144に進む。
【0196】
ステップ144において、メインCPU101は、電源復帰時に副制御基板300へ送信するコマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。具体的には、設定された制御状態、及び、RAMクリアスイッチ109のオン又はオフに基づいて、RAMクリアコマンド、電断復帰コマンド、設定変更開始コマンド、設定変更復帰コマンド、設定確認開始コマンド、第1バックアップ異常コマンド、第2バックアップ異常コマンド、第1RAM異常コマンド、第2RAM異常コマンド、第1設定値異常コマンド又は第2設定値異常コマンドのいずれかをセットするとともに、これに続き、電断復帰時サブコマンド群をセットする。ここでセットされたコマンドは、上述のステップ114で副制御基板300へ送信される。そして、電断復帰時処理を終了する。
【0197】
次に、主制御基板100のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板100に設けられたリセット用クロックパルス発生回路により、所定の周期(本形態に係るパチンコ機Pでは、4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、
図24のフローチャートに示すタイマ割込処理が実行される。
【0198】
ステップ200において、メインCPU101は、滞在中の制御状態が遊技可能状態であるか否かを判定する。そして、遊技可能状態でないと判定した場合、ステップ212に進む。一方、遊技可能状態であると判定した場合、次のステップ201に進む。
ステップ201において、メインCPU101は、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を実行する。そして、次のステップ202に進む。なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、主制御基板100のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
【0199】
ステップ202において、メインCPU101は、当たり図柄乱数の更新を行う。具体的には、乱数カウンタを「1」加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを「0」に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時点の当たり図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。そして、次のステップ203に進む。
ステップ203において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、大入賞口検出センサ18a、一般入賞口検出センサ14a、アウト口検出センサ19aに入力があったか否かを判定し、これに基づいて所定の処理を行うセンサ検出時処理を実行する。そして、次のステップ204に進む。
【0200】
ステップ204において、メインCPU101は、特図遊技及び特別遊技に関する制御を行うための特図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ205に進む。
ステップ205において、メインCPU101は、普図遊技に関する制御を行うための普図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ206に進む。
【0201】
ステップ206において、メインCPU101は、所定の発生条件の成立による各種エラーの発生を制御するための状態制御処理を実行する。メインCPU101は、所定の発生条件が成立すると、当該発生条件に応じたエラーが発生した旨を示すエラーコマンドを副制御基板300や外部情報端子基板500へ送信する。これにより、状態報知ランプEL、前扉演出ランプDL、液晶表示装置21等によって上述のエラーが発生した旨の報知が行われ、ホールコンピュータに対して上述のエラーが発生した旨が通知されることとなる。そして、次のステップ207に進む。
ステップ207において、一般入賞口検出センサ14a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、大入賞口検出センサ18aからの検出信号がメインCPU101に入力された場合に、当該メインCPU101は、それぞれの検出信号に対応して設けられている賞球カウンタを更新するとともに、それぞれの検出信号に対応する払出個数指定コマンドを発射払出制御基板200に送信する。なお、発射払出制御基板200により賞球の払い出しが行われると、当該払い出しごとに主制御基板100に払い出しコマンドが送信され、メインCPU101は、当該払い出しコマンドを受信すると、賞球カウンタを減算する。そして、次のステップ208に進む。
【0202】
ステップ208において、メインCPU101は、遊技状態(通常遊技状態、高確率時短遊技状態)に応じて遊技球を打ち出す遊技領域(第1遊技領域12a、第2遊技領域12b)を決定するための発射位置制御処理を実行する。そして、次のステップ209に進む。
ステップ209において、メインCPU101は、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉するための始動入賞口ソレノイドデータ、大入賞口18の開閉を制御するための大入賞口ソレノイドデータ、各種表示装置(第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置32、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39及び普通図柄保留表示装置33)の表示データ等の作成を実行する。そして、次のステップ210に進む。
【0203】
ステップ210において、メインCPU101は、上述のステップ209で作成した各データの信号を出力するポート出力を行う出力制御処理を実行する。そして、次のステップ211に進む。
ステップ211において、メインCPU101は、メイン情報表示装置105に遊技性能表示情報を表示する性能表示制御処理を実行する。そして、主制御基板100のタイマ割込処理を終了する。
【0204】
また、上述のステップ200で滞在中の制御状態が遊技可能状態でないと判定した場合に進むステップ212において、メインCPU101は、滞在中の制御状態が遊技停止状態であるか否かを判定する。そして、遊技停止状態であると判定した場合、ステップ209に進む。一方、遊技停止状態でないと判定した場合、次のステップ213に進む。
ステップ213において、メインCPU101は、設定関連処理を実行する。そして、ステップ209に進む。
【0205】
次に、上述したステップ203のセンサ検出時処理について、
図25のフローチャートを参照して説明する。
ステップ300において、メインCPU101は、遊技球がゲート20を通過したことに基づいて普通図柄の抽選を行うためのゲート検出時処理を実行する。そして、次のステップ301に進む。
ステップ301において、メインCPU101は、遊技球が第1始動入賞口15へ入球したことに基づいて大当たりの抽選を行うための第1始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ302に進む。
【0206】
ステップ302において、メインCPU101は、遊技球が第2始動入賞口16へ入球したことに基づいて大当たりの抽選を行うための第2始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ303に進む。
ステップ303において、メインCPU101は、遊技球が大入賞口18へ入球したことに基づいて所定の処理を行うための大入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ304に進む。
【0207】
ステップ304において、メインCPU101は、遊技球が一般入賞口14へ入球したことに基づいて所定の処理を行うための一般入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ305に進む。
ステップ305において、メインCPU101は、遊技球がアウト口19へ受け入れられたことに基づいて所定の処理を行うためのアウト口検出時処理を実行する。そして、センサ検出時処理を終了する。
【0208】
次に、上述したステップ300のゲート検出時処理について、
図26のフローチャートを参照して説明する。
ステップ400において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ401に進む。
ステップ401において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における普図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、当該値が4未満であると判定した場合、次のステップ402に進む。
【0209】
ステップ402において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ403に進む。
ステップ403において、メインCPU101は、当たり決定乱数を取得して普図保留記憶領域に記憶し、ゲート検出時処理を終了する。
【0210】
次に、上述したステップ301の第1始動入賞口検出時処理について、
図27のフローチャートを参照して説明する。
ステップ500において、メインCPU101は、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ501に進む。
ステップ501において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第1特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ502に進む。
【0211】
ステップ502において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ503に進む。
ステップ503において、メインCPU101は、現時点の大当たり決定乱数を取得して第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ504に進む。
【0212】
ステップ504において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された当たり図柄乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ505に進む。
ステップ505において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチグループ決定乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ506に進む。
【0213】
ステップ506において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチモード決定乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ507に進む。
ステップ507において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数はすべて同じ第1保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ508に進む。
【0214】
ステップ508において、メインCPU101は、第1始動入賞口15へ入球した遊技球の数をカウントするための第1始動入賞口入球カウンタの値を1インクリメントする。そして、次のステップ509に進む。
ステップ509において、メインCPU101は、第1特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、第1始動入賞口検出時処理を終了する。
【0215】
次に、上述したステップ302の第2始動入賞口検出時処理について、
図28のフローチャートを参照して説明する。
ステップ600において、メインCPU101は、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ601に進む。
ステップ601において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第2特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ602に進む。
【0216】
ステップ602において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ603に進む。
ステップ603において、メインCPU101は、現時点の大当たり決定乱数を取得して第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ604に進む。
【0217】
ステップ604において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された当たり図柄乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ605に進む。
ステップ605において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチグループ決定乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ606に進む。
【0218】
ステップ606において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチモード決定乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ607に進む。
ステップ607において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数はすべて同じ第2保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ608に進む。
【0219】
ステップ608において、メインCPU101は、第2始動入賞口16へ入球した遊技球の数をカウントするための第2始動入賞口入球カウンタの値を1インクリメントする。そして、次のステップ609に進む。
ステップ609において、メインCPU101は、第2特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶し、第2始動入賞口検出時処理を終了する。
【0220】
次に、上述したステップ303の大入賞口検出時処理について、
図29のフローチャートを参照して説明する。
ステップ610において、メインCPU101は、大入賞口検出センサ18aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、大入賞口検出センサ18aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、大入賞口検出時処理を終了する。一方、大入賞口検出センサ18aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ611に進む。
ステップ611において、メインCPU101は、大入賞口18へ入球した遊技球の数をカウントするための大入賞口入球カウンタの値を1インクリメントする。そして、大入賞口検出時処理を終了する。
【0221】
次に、上述したステップ304の一般入賞口検出時処理について、
図30のフローチャートを参照して説明する。
ステップ650において、メインCPU101は、一般入賞口検出センサ14aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、一般入賞口検出センサ14aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、一般入賞口検出時処理を終了する。一方、一般入賞口検出センサ14aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ651に進む。
ステップ651において、メインCPU101は、一般入賞口14へ入球した遊技球の数をカウントするための一般入賞口入球カウンタの値を1インクリメントする。そして、そして、一般入賞口検出時処理を終了する。
【0222】
次に、上述したステップ305のアウト口検出時処理について、
図31のフローチャートを参照して説明する。
ステップ660において、メインCPU101は、アウト口検出センサ19aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、アウト口検出センサ19aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、アウト口検出時処理を終了する。一方、アウト口検出センサ19aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ661に進む。
ステップ661において、メインCPU101は、アウト口19へ受け入れられた遊技球の数をカウントするためのアウト口入球カウンタの値を1インクリメントする。そして、アウト口検出時処理を終了する。
【0223】
次に、上述したステップ204の特図関連制御処理について、
図32のフローチャートを参照して説明する。
ステップ700において、メインCPU101は、実行フェーズデータの値をロードする。この実行フェーズデータは、当該特図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この実行フェーズデータは、後述する特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」と、後述する特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」と、後述する停止後処理の実行を示すデータ「02」と、後述する特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」と、後述する特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ700でロードした実行フェーズデータの値に基づき、特別図柄変動開始処理(ステップ701)、特別図柄変動停止処理(ステップ702)、停止後処理(ステップ703)、特別遊技制御処理(ステップ704)又は特別遊技終了処理(ステップ705)のいずれかを実行する。そして、特図関連制御処理を終了する。
【0224】
次に、上述したステップ701の特別図柄変動開始処理について、
図33のフローチャートを参照して説明する。
ステップ800において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「00」でないと判定した場合、特別図柄変動開始処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「00」であると判定した場合、次のステップ801に進む。
ステップ801において、メインCPU101は、第2保留記憶領域の記憶部に第2特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第2特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第2特図乱数が記憶されていると判定した場合、ステップ804に進む。一方、第2特図乱数が記憶されていないと判定した場合、次のステップ802に進む。
【0225】
ステップ802において、メインCPU101は、第1保留記憶領域の記憶部に第1特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第1特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合、ステップ811に進む。一方、第1特図乱数が記憶されていると判定した場合、次のステップ803に進む。
ステップ803において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第1保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第1保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第1保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
【0226】
また、上述のステップ801で第2特図乱数が記憶されていると判定した場合に進むステップ804において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第2保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第2保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第2保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
ステップ805において、メインCPU101は、大当たり決定乱数判定テーブル110のうち、メインRAM103に記憶されている設定値及び現時点の遊技状態に対応するいずれかを選択し、選択したテーブルと上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された大当たり決定乱数とに基づいて、大当たりの抽選の結果を導出する大当たり判定処理を実行する。そして、次のステップ806に進む。
【0227】
ステップ806において、メインCPU101は、特別図柄の種別を決定する特別図柄決定処理を実行する。具体的には、上述のステップ805における抽選の結果が大当たりであった場合には、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数がいずれの始動入賞口への遊技球の入球によるものか(すなわち、第1始動入賞口15か、又は、第2始動入賞口16か)を確認した上で、これに応じた当たり図柄乱数判定テーブル111を選択し、選択したテーブルと上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された当たり図柄乱数とに基づいて、特別図柄の種別を決定する。一方、上述のステップ805における抽選の結果がハズレであった場合には、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数が第1始動入賞口15への遊技球の入球によるものであれば特別図柄Y1を決定し、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数が第2始動入賞口16への遊技球の入球によるものであれば特別図柄Y2を決定する。そして、決定した特別図柄に対応するデータを、メインRAM103の所定の一時記憶領域に記憶する。また、この特別図柄決定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、特別図柄を決定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。そして、次のステップ807に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pの特別図柄変動開始処理では、第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されている場合には、第1特図乱数に優先して第2特図乱数が処理されるようになっているが、これに限定されるものではなく、保留記憶領域に記憶された順に処理してもよい。
【0228】
ステップ807において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄の種別を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、決定された特別図柄の種別に係る情報が、変動開始時に副制御基板300に送信されることとなる。そして、次のステップ808に進む。
ステップ808において、メインCPU101は、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶されたリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数に基づいて、変動演出パターンの決定に係る変動演出パターン決定処理を実行する。そして、次のステップ809に進む。
【0229】
ステップ809において、メインCPU101は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31で特別図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、第1特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第1特別図柄表示装置30が点滅表示を開始し、また、第2特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第2特別図柄表示装置31が点滅表示を開始する。ここで、点滅表示とは、各表示装置において「-」が所定の間隔で点滅することをいうものである。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特図乱数が第1保留記憶領域に記憶されている場合には、第1特図保留数を認識できる態様で第1特図保留表示装置38が表示され、第2特図乱数が第2保留記憶領域に記憶されている場合には、第2特図保留数を認識できる態様で第2特図保留表示装置39が表示されるようになっている。そして、第1特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第1特図保留数が1つ減ることを示すように、第1特図保留表示装置38が表示制御され、第2特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第2特図保留数が1つ減ることを示すように、第2特図保留表示装置39が表示制御される。
そして、次のステップ810に進む。
【0230】
ステップ810において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動停止処理が実行されるように、実行フェーズデータに「01」をセットし、特別図柄変動開始処理を終了する。
また、上述のステップ802で第1保留記憶領域に第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合に進むステップ811において、メインCPU101は、変動表示が行われていないことに基づき、演出表示装置21においてデモ表示を行うためのデモ判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は特別図柄の変動表示が行われていない時間を計時するとともに、特別図柄の変動表示が行われることなく所定のデモ開始時間(たとえば、30秒)が経過した場合に、演出表示装置21にデモ画面を表示するためのデモコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別変動開始処理を終了する。
【0231】
次に、上述したステップ808の変動演出パターン決定処理について、
図34のフローチャートを参照して説明する。
ステップ900において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、大当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ903に進む。一方、大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ901に進む。
ステップ901において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された大当たり図柄、及び、現時点の遊技状態を確認する。そして、次のステップ902に進む。
【0232】
ステップ902において、メインCPU101は、上述のステップ901で確認した大当たり図柄、及び、遊技状態に基づいて、対応するリーチモード決定乱数判定テーブル113(大当たり用判定テーブル)を選択する。そして、ステップ907に進む。
また、上述のステップ900で大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ903において、メインCPU101は、当該抽選の判定に係る始動入賞口の種別(すなわち、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数がいずれの始動入賞口への入球により取得されたものであるか)を確認するとともに、現時点の遊技状態、及び、現時点の保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)を確認する。そして、次のステップ904に進む。
【0233】
ステップ904において、メインCPU101は、上述のステップ903で確認した始動入賞口の種別、遊技状態及び保留数に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブル112を選択する。そして、次のステップ905に進む。
ステップ905において、メインCPU101は、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶されたリーチグループ決定乱数と上述のステップ904で選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブル112とに基づいて、グループの種別を決定し、当該グループの種別を所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ906に進む。
【0234】
ステップ906において、メインCPU101は、上述のステップ905で決定されたグループの種別に基づいて、リーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)を選択する。そして、次のステップ907に進む。
ステップ907において、メインCPU101は、上述のステップ902で選択されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(大当たり用判定テーブル)、又は、上述のステップ906で選択されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)と、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶されたリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号及び変動パターン抽選テーブル114を決定し、この決定された変動モード番号を所定の一時記憶領域に記憶する。そして、次のステップ908に進む。
【0235】
ステップ908において、メインCPU101は、上述のステップ907で決定された変動パターン抽選テーブル114を選択(取得)する。そして、次のステップ909に進む。
ステップ909において、メインCPU101は、上述のステップ908で選択された変動パターン抽選テーブル114と、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を決定し、この決定された変動パターン番号を所定の一時記憶領域に記憶する。そして、次のステップ910に進む。
【0236】
ステップ910において、メインCPU101は、変動時間決定テーブル115と、所定の一時記憶領域に記憶された変動モード番号及び変動パターン番号とに基づいて、変動時間の変動時間を決定する。また、メインCPU101は、この決定された変動時間を変動時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ911に進む。
ステップ911において、メインCPU101は、所定の一時記憶領域に記憶された変動モード番号に基づいて変動モードコマンドを生成し、所定の一時記憶領域に記憶された変動パターン番号に基づいて変動パターンコマンドを生成する。さらに、メインCPU101は、生成された変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、変動演出パターン決定処理を終了する。
【0237】
次に、上述したステップ702の特別図柄変動停止処理について、
図35のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1000において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「01」でないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「01」であると判定した場合、次のステップ1001に進む。
【0238】
ステップ1001において、メインCPU101は、ステップ910で変動時間タイマカウンタにセットされた変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1002に進む。
ステップ1002において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄を、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に停止表示するための停止表示データをセットし、特別図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1003に進む。
【0239】
ステップ1003において、メインCPU101は、特別図柄が確定したことを示す図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1004に進む。
ステップ1004において、メインCPU101は、特別図柄を停止表示する停止表示時間を停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1005に進む。
【0240】
ステップ1005において、メインCPU101は、特図関連制御処理において停止後処理が実行されるように、実行フェーズデータに「02」をセットする。そして、特別図柄変動停止処理を終了する。
【0241】
次に、上述したステップ703の停止後処理について、
図36のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1100において、メインCPU101は、実行フェーズデータが停止後処理の実行を示すデータ「02」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「02」でないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「02」であると判定した場合、次のステップ1101に進む。
ステップ1101において、メインCPU101は、上述のステップ1004で停止表示時間タイマカウンタにセットされた停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、停止表示時間が経過していないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1102に進む。
【0242】
ステップ1102において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1103に進む。
ステップ1103において、メインCPU101は、時短回数更新処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が時短遊技状態であることを示す時短遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、時短遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた時短回数記憶領域を更新する。この時短回数記憶領域には、時短遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、時短遊技フラグをオフにする処理も実行する。また、時短遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1104に進む。
【0243】
ステップ1104において、メインCPU101は、高確回数更新処理を行う。ここでは、メインCPU101は、現時点の遊技状態が高確率遊技状態であることを示す高確遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、高確遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた高確回数記憶領域を更新する。この高確回数記憶領域には、高確率遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、高確遊技フラグをオフにする処理も実行される。また、高確遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1105に進む。
ステップ1105において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1111に進む。一方、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1106に進む。
【0244】
ステップ1106において、メインCPU101は、大当たり当選時の遊技状態を副制御基板300に伝達するための大当たり当選時遊技状態コマンドをセットする。そして、次のステップ1107に進む。
ステップ1107において、メインCPU101は、現時点の遊技状態をリセットする。そして、次のステップ1108に進む。
【0245】
ステップ1108において、メインCPU101は、特別遊技の開始時に設定される待機時間である時間をオープニング時間タイマカウンタにセットするとともに、オープニング処理が開始されることを示すオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1109に進む。
ステップ1109において、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄の種別に基づいて、メインRAM103にラウンド数をセットする。具体的には、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄が特別図柄X1であれば、ラウンド数として「10」をセットし、停止表示されている大当たり図柄が特別図柄X2であれば、ラウンド数として「4」をセットする。そして、次のステップ1110に進む。
【0246】
ステップ1110において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「03」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
また、上述のステップ1105で停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1111において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を確認し、当該遊技状態を示す遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1112に進む。
【0247】
ステップ1112において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
【0248】
次に、上述したステップ704の特別遊技制御処理について、
図37のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1200において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「03」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「03」であると判定した場合、次のステップ1201に進む。
ステップ1201において、メインCPU101は、上述のステップ1108でオープニング時間タイマカウンタにセットされたオープニング時間が経過しているか否かを判定する。そして、オープニング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、オープニング時間が経過していると判定した場合、次のステップ1202に進む。
【0249】
ステップ1202において、メインCPU101は、この特別遊技制御処理において全ラウンド遊技が終了した後に行われる待機処理であるエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、エンディング処理中であると判定した場合、ステップ1210に進む。一方、エンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1203に進む。
ステップ1203において、メインCPU101は、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた特別電動役物作動テーブル116に基づいて、大入賞口18の開閉を行う大入賞口開閉制御処理を実行する。そして、次のステップ1204に進む。
【0250】
ステップ1204において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が開始された時点であるか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が開始された時点ではないと判定した場合、ステップ1206に進む。一方、ラウンド遊技が開始された時点であると判定した場合、次のステップ1205に進む。
ステップ1205において、メインCPU101は、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1206に進む。
なお、ラウンド遊技開始コマンドは、ラウンド遊技の回数ごとに設けられており、これにより、何回目のラウンド遊技が開始されたかを副制御基板300に伝達できるようになっている。
【0251】
ステップ1206において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が終了したか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が終了していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、ラウンド遊技が終了したと判定した場合、次のステップ1207に進む。
ステップ1207において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されているラウンド数を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1208に進む。
【0252】
ステップ1208において、メインCPU101は、上述のステップ1207でデクリメントしたラウンド数が「0」であるか否かを判定する。そして、当該ラウンド数が「0」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該ラウンド数が「0」であると判定した場合、次のステップ1209に進む。
ステップ1209において、メインCPU101は、特別遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をエンディング時間タイマカウンタにセットし、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0253】
また、上述のステップ1202でエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1210において、メインCPU101は、上述のステップ1209でエンディング時間タイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該エンディング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該エンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1211に進む。
ステップ1211において、メインCPU101は、特別遊技が終了したことを示す特別遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1212に進む。
【0254】
ステップ1212において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技終了処理が実行されるように、実行フェーズデータに「04」をセットする。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0255】
次に、上述したステップ705の特別遊技終了処理について、
図38のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1300において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「04」でないと判定した場合、特別遊技終了処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「04」であると判定した場合、次のステップ1301に進む。
ステップ1301において、メインCPU101は、終了した特別遊技の実行契機となった大当たり図柄(メインRAM103の記憶領域に記憶)を確認するとともに、上述の大当たり図柄に応じた遊技状態設定テーブル117に基づいて、特別遊技の終了後の遊技状態を設定する。具体的には、メインCPU101は、高確遊技フラグ、時短遊技フラグ、高確回数、時短回数を設定する。本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の大当たり図柄が特別図柄X1及びX2のいずれの場合であっても、高確遊技フラグ及び時短遊技フラグをいずれもオンとするとともに、高確回数及び時短回数のいずれにも「100」をセットする。そして、次のステップ1302に進む。
【0256】
ステップ1302において、メインCPU101は、上述のステップ1301で設定された遊技状態に応じて、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。この遊技状態指定コマンドには、上述のステップ1301で設定された高確遊技フラグがオンである旨の情報、時短遊技フラグがオンである旨の情報、高確回数の情報、時短回数の情報が含まれている。そして、次のステップ1303に進む。
ステップ1303において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、特別遊技終了処理を終了する。
【0257】
次に、上述したステップ205の普図関連制御処理について、
図39のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1400において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータの値をロードする。この普図実行フェーズデータは、当該普図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この普図実行フェーズデータは、後述する普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」と、後述する普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」と、後述する普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」と、後述する可動片制御処理の実行を示すデータ「13」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ1400でロードした普図実行フェーズデータの値に基づき、普通図柄変動開始処理(ステップ1401)、普通図柄変動停止処理(ステップ1402)、普通図柄停止後処理(ステップ1403)又は可動片制御処理(ステップ1404)のいずれかを実行する。そして、普図関連制御処理を終了する。
【0258】
次に、上述したステップ1401の普通図柄変動開始処理について、
図40のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1500において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動開始処理の実行を示す「10」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「10」でないと判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「10」と判定した場合、次のステップ1501に進む。
ステップ1501において、メインCPU101は、普図保留記憶領域に当たり決定乱数が記憶されているか否か、すなわち、普図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、普図保留数カウンタが「1」以上でない(すなわち、「0」)と判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図保留数カウンタが「1」以上であると判定した場合、次のステップ1502に進む。
【0259】
ステップ1502において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1503に進む。
ステップ1503において、メインCPU101は、普図保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2記憶部~第4記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の当選判定処理に用いられるようになっている。そして、次のステップ1504に進む。
【0260】
ステップ1504において、メインCPU101は、現時点の遊技状態に対応する当たり決定乱数判定テーブル118(非時短判定テーブル118a又は時短判定テーブル118bのいずれか)を選択し、当該選択したテーブルと、上述のステップ1503で所定の処理領域に記憶された当たり決定乱数とに基づいて、普通図柄の抽選の結果を導出する当選判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現在の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、非時短判定テーブル118aを参照して、所定の処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。これに対して、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、時短判定テーブル118bを参照して、所定の処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。そして、次のステップ1505に進む。
ステップ1505において、メインCPU101は、上述のステップ1504における当選判定処理の結果が当たりであるか否かを判定する。そして、当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合、ステップ1507に進む。一方、当たりであると判定した場合、次のステップ1506に進む。
【0261】
ステップ1506において、メインCPU101は、当たり図柄データをメインRAM103の所定の普図記憶領域に記憶する。そして、ステップ1508に進む。
また、上述のステップ1505で当選判定処理の結果が当たりでないと判定した場合に進むステップ1507において、メインCPU101は、ハズレ図柄データをメインRAM103の所定の普図記憶領域に記憶する。そして、次のステップ1508に進む。
【0262】
ステップ1508において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれに設定されているかを確認するとともに、普通図柄変動パターン決定テーブル119を参照して、現時点の遊技状態に応じた普通図柄の変動時間を普図変動時間タイマカウンタにセットする。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、普図変動時間カウンタに「3秒」をセットし、時短遊技状態である場合には、普図変動時間カウンタに「0.6秒」をセットする。そして、次のステップ1509に進む。
ステップ1509において、メインCPU101は、普通図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、普通図柄表示装置32が点滅表示を開始する。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されている場合には、普図保留数を認識できる態様で普通図柄保留表示装置33が表示されるようになっている。そして、普通図柄の変動表示が行われる場合には、当該変動表示の開始と同時に、普図保留数が1つ減ることを示すように、普通図柄保留表示装置33が表示制御される。そして、次のステップ1510に進む。
【0263】
ステップ1510において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を変動開始時の遊技状態として遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1511に進む。
ステップ1511において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動停止処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「11」をセットする。そして、普通図柄変動開始処理を終了する。
【0264】
次に、上述したステップ1402の普通図柄変動停止処理について、
図41のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1600において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「11」でないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「11」であると判定した場合、次のステップ1601に進む。
ステップ1601において、メインCPU101は、上述のステップ1508で普図変動時間タイマカウンタにセットされた普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1602に進む。
【0265】
ステップ1602において、メインCPU101は、普通図柄を普通図柄表示装置32に停止表示するための停止表示データをセットし、普通図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1603に進む。
ステップ1603において、メインCPU101は、普通図柄を停止表示する普図停止表示時間を普図停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1604に進む。
【0266】
ステップ1604において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄停止後処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「12」をセットする。そして、普通図柄変動停止処理を終了する。
【0267】
次に、上述したステップ1403の普通図柄停止後処理について、
図42のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1700において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「12」でないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「12」であると判定した場合、次のステップ1701に進む。
ステップ1701において、メインCPU101は、上述のステップ1603で普図停止表示時間タイマカウンタにセットされた普図停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、当該普図停止表示時間が経過していないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、当該普図停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1702に進む。
【0268】
ステップ1702において、メインCPU101は、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1704に進む。一方、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1703に進む。
ステップ1703において、メインCPU101は、普図関連制御処理において可動片制御処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「13」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0269】
また、上述のステップ1702で停止表示されている普通図柄が当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1704において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0270】
次に、上述したステップ1404の可動片制御処理について、
図43のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1800において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが可動片制御処理の実行を示すデータ「13」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「13」でないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「13」であると判定した場合、次のステップ1801に進む。
ステップ1801において、メインCPU101は、可動片16bが作動制御中であるか否か、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cが通電されているか否かを判定する。そして、可動片16bが作動制御中であると判定した場合、ステップ1804に進む。一方、可動片16bが作動制御中でないと判定した場合、次のステップ1802に進む。
【0271】
ステップ1802において、メインCPU101は、普通図柄の変動開始時の遊技状態が、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれであったかを確認する。そして、次のステップ1803に進む。
ステップ1803において、メインCPU101は、第2始動入賞口開放制御テーブル120を参照し、上述のステップ1802で確認した遊技状態に応じて、始動入賞口ソレノイド16cの通電制御データ(開放データ)として、通電回数(開放回数)及び通電時間(開放時間)をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0272】
また、上述のステップ1801で可動片16bが作動制御中であると判定した場合に進むステップ1804において、メインCPU101は、上述のステップ1803でセットされた通電時間(開放時間)を経過したか否かを判定する。そして、通電時間(開放時間)を経過していないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、通電時間(開放時間)を経過したと判定した場合、次のステップ1805に進む。
ステップ1805において、メインCPU101は、可動片16bの作動の停止、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cの通電の停止を実行する。そして、次のステップ1806に進む。
【0273】
ステップ1806において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0274】
次に、上述したステップ213の設定関連処理について、
図44のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1850において、メインCPU101は、滞在中の制御状態が設定変更状態であるか否かを判定する。そして、設定変更状態でないと判定した場合、ステップ1858に進む。一方、設定変更状態であると判定した場合、次のステップ1851に進む。
ステップ1851において、メインCPU101は、設定スイッチ108がオフであるか否かを判定する。そして、設定スイッチ108がオフであると判定した場合、ステップ1855に進む。一方、設定スイッチ108がオフでない(すなわち、オンである)と判定した場合、次のステップ1852に進む。
【0275】
ステップ1852において、メインCPU101は、RAMクリアスイッチ109がオンであるか否かを判定する。そして、そして、RAMクリアスイッチ109がオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、ステップ1851に戻る。一方、RAMクリアスイッチ109がオンであると判定した場合、次のステップ1853に進む。
ステップ1853において、メインCPU101は、本体枠開放検出センサ2aがオンであるか否か(すなわち、本体枠2が開放している否か)を判定する。そして、本体枠開放検出センサ2aがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、ステップ1851に戻る。一方、本体枠開放検出センサ2aがオンであると判定した場合、次のステップ1854に進む。
【0276】
ステップ1854において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている設定値を変更する。具体的には、現時点において記憶されている設定値を1インクリメントした設定値に変更する。そして、ステップ1851に戻る。
また、上述のステップ1851で設定スイッチ108がオフであると判定した場合に進むステップ1855において、メインCPU101は、設定変更状態が終了し遊技可能状態が設定される旨を示す設定変更状態終了コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。ここでセットされたコマンドは、上述のステップ114で副制御基板300へ送信される。そして、次のステップ1856に進む。
【0277】
ステップ1856において、メインCPU101は、電源復帰時に副制御基板300へ送信する電断復帰時サブコマンド群をセットする。ここでセットされたコマンドは、上述のステップ114で副制御基板300へ送信される。そして、次のステップ1857に進む。
ステップ1857において、メインCPU101は、遊技可能状態を設定するとともに、その旨を示す遊技機状態フラグを第1領域に記憶する。そして、設定関連処理を終了する。
【0278】
また、上述のステップ1850で滞在中の制御状態が設定変更状態でないと判定した場合に進むステップ1858において、メインCPU101は、設定スイッチ108がオフであるか否かを判定する。そして、設定スイッチ108がオフでないと判定した場合、ステップ1858に戻る。一方、設定スイッチ108がオフであると判定した場合、次のステップ1859に進む。
ステップ1859において、メインCPU101は、設定確認状態が終了し遊技可能状態が設定される旨を示す設定確認状態終了コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。ここでセットされたコマンドは、上述のステップ114で副制御基板300へ送信される。そして、ステップ1856に進む。
【0279】
(パチンコ機Pにおける演出の概要)
上述の如く、主制御基板100において各種処理が実行されることにより、特図遊技及び普図遊技、並びに、特別遊技が進行することとなる。そして、これら遊技の進行中には、主制御基板100から種々のコマンドを副制御基板300に送信し、このコマンドを副制御基板300が受信することにより、当該副制御基板300において、遊技の進行に伴う演出の制御が行われる。
以下では、特別図柄の変動表示中に実行され、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出について説明する。
【0280】
(変動演出の概要)
本形態に係るパチンコ機Pで実行される変動演出は、演出図柄50によるリーチ表示(先に停止表示される2つの演出図柄50が同一の図柄(態様)となる表示)がなされないリーチなし変動パターンと、演出図柄50によるリーチ表示がなされるリーチ変動パターンとに大別される。
この変動演出では、演出表示装置21に表示される背景画像に重ねて、演出図柄50(ダミー図柄)の変動表示が行われる。そして、変動表示した後に停止表示された演出図柄50の組み合わせ(停止表示態様)により、大当たりの抽選の結果が遊技者に報知されるようになっている。
【0281】
具体的には、
図45(a)~(b)に示すように、特別図柄の変動表示の開始とともに、すべての演出図柄50が停止表示された状態から、すべての演出図柄50の変動表示が開始される。なお、図中の下向き矢印は、演出図柄50が上方から下方へ向けてスクロールする表示がなされていることを示す。
その後、左側に位置する演出図柄50(以下、第1停止図柄という)、右側に位置する演出図柄50(以下、第2停止図柄という)、中央に位置する演出図柄50(以下、第3停止図柄)という順番で停止表示されるが(
図45(c)~(e)参照)、リーチなし変動パターンでは、第1停止図柄と第2停止図柄とが異なる図柄で停止表示され(特に表示しておらず)、リーチ変動パターンでは、第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示される(
図45(d)参照)。
【0282】
そして、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合には、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示される(
図45(e)参照)。すなわち、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果が大当たりであることが報知される。
これに対して、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合には、特に図示していないが、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることはない。すなわち、少なくとも一の演出図柄50が他の演出図柄50とは異なる図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果がハズレであることが報知される。
【0283】
また、第3停止図柄は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示するのとほぼ同時に停止表示されるようになっている。これにより、演出図柄50の停止表示に先んじて、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示され、特別図柄の種別で大当たりの抽選の結果が把握されてしまうことを防止している。
【0284】
また、リーチ表示がなされた場合には、その後、演出表示装置21に所定の発展演出画像(たとえば、演出図柄50が次々と破壊されていくような動画等)が表示されるリーチ発展演出が実行されることもある(
図46参照)。このようなリーチ発展演出は、大当たりに当選した場合に実行される可能性が高く設定されているため、遊技者の期待感を高めることとなる。
【0285】
さらに、本形態の変動演出では、演出図柄50の変動表示に伴って、設定されている設定値に関する所定の示唆を行う設定示唆演出が実行されることがある。
本形態の設定示唆演出では、演出表示装置21に所定の示唆画像が表示されるようになっており、この示唆画像の表示により、設定されている設定値が偶数又は奇数のいずれであるのかが示唆されるようになっている。
具体的には、本形態では、変動演出が開始されてから第1停止図柄が停止表示されるまでの間において設定示唆演出が実行される(
図47(a)~(d)参照)。そして、奇数の設定値(すなわち、「1」、「3」、「5」)が設定されている場合に実行される設定示唆演出では、変動表示中の演出図柄50の上方において、演出表示装置21の左端から右端へ向けて流れ星が流れていくという示唆画像が表示される(
図47(c)参照)。これに対して、偶数の設定値(すなわち、「2」、「4」、「6」)が設定されている場合に実行される設定示唆演出では、変動表示中の演出図柄50の上方において、演出表示装置21の右端から左端へ向けて流れ星が流れていくという示唆画像が表示される(
図47(d)参照)。
これにより、流れ星が演出表示装置21の左端から右端へ向けて流れていくという示唆画像が表示された場合には、設定されている設定値が奇数である旨を遊技者に認識させることができ、また、流れ星が演出表示装置21の右端から左端へ向けて流れていくという示唆画像が表示された場合には、設定されている設定値が偶数である旨を遊技者に認識させることができるため、遊技者の興趣を高めることができる。
【0286】
なお、変動演出においては、演出図柄50の変動表示の他、演出図柄50とは異なるカットイン画像を表示することで、大当たりの当選に対する期待感を高めるカットイン演出や、操作ボタン9bが押下操作されることにより所定の示唆や報知を行うことで、大当たりの当選に対する期待感を高めるボタン操作演出、役物演出装置YSが所定態様で作動することで、大当たりの当選に対する期待感を高める役物作動演出等を実行可能としてもよい。
【0287】
また、上述の各演出においては、画像の表示のみならず、画像の表示に併せて、音声出力装置10(スピーカ)から所定のBGMや音声等を出力してもよいし、演出照明装置23(ランプ)を所定の点灯パターンや色で発光させてもよい。
【0288】
(変動演出の態様の決定)
次に、上述の変動演出の態様の決定について説明する。
副制御基板300のサブROM302には、
図48に示すように、変動演出の態様を決定するための変動演出決定テーブル121が記憶されている。
本形態に係るパチンコ機Pには、変動演出決定テーブル121として、第1テーブル121a、第2テーブル121b、第3テーブル121c、第4テーブル121d、第5テーブル121e、第6テーブル121f及び第7テーブル121gの7種類が設けられている。
【0289】
第1テーブル121aは、設定値が「1」である場合に参照される変動演出決定テーブル121である。第2テーブル121bは、設定値が「2」である場合に参照される変動演出決定テーブル121である。第3テーブル121cは、設定値が「3」である場合に参照される変動演出決定テーブル121である。第4テーブル121dは、設定値が「4」である場合に参照される変動演出決定テーブル121である。第5テーブル121eは、設定値が「5」である場合に参照される変動演出決定テーブル121である。第6テーブル121fは、設定値が「6」である場合に参照される変動演出決定テーブル121である。第7テーブル121gは、後述する設定値が「0」である場合に参照される変動演出決定テーブル121である。
【0290】
そして、副制御基板300のサブCPU301は、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを受信すると、設定値に応じた変動演出決定テーブル121を選択するとともに、0~249の範囲から1の変動演出乱数を取得し、選択された変動演出決定テーブル121と、取得した変動演出乱数と、受信した変動モードコマンドに対応する変動モード番号及び変動パターンコマンドに対応する変動パターン番号とに基づいて、変動演出の態様を決定する。
なお、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pでは、電断復帰時において、設定されている設定値(メインRAM103の使用領域における第1領域に記憶されている設定値)を示す設定値コマンドが副制御基板300へ送信される。そして、設定値コマンドを受信すると、副制御基板300のサブCPU301は、受信した設定値コマンドに対応する設定値の情報をサブRAM103の所定の記憶領域に記憶する。これにより、サブCPU301は、サブRAM103の所定の記憶領域に記憶されている設定値の情報に基づいて、設定されている設定値を把握することができるようになっている。
【0291】
そして、
図48(a)~(f)に示すように、第1テーブル121a、第2テーブル121b、第3テーブル121c、第4テーブル121d、第5テーブル121e及び第6テーブル121fによれば、変動モード番号が「00H」又は「01H」及び変動パターン番号が「00H」又は「01H」であった場合には、リーチなし変動パターンであって、かつ設定示唆演出が実行される態様、又は、リーチなし変動パターンであって、かつ設定示唆演出が実行されない態様のいずれかが決定される。
また、変動モード番号が「02H」又は「03H」及び変動パターン番号が「02H」であった場合には、リーチ発展演出が実行されないリーチ変動パターンであって、かつ設定示唆演出が実行される態様、又は、リーチ発展演出が実行されないリーチ変動パターンであって、かつ設定示唆演出が実行されない態様のいずれかが決定される。
また、変動モード番号が「04H」及び変動パターン番号が「03H」又は「04H」であった場合、変動モード番号が「32H」及び変動パターン番号が「30H」又は「31H」であった場合、変動モード番号が「33H」又は「34H」及び変動パターン番号が「32H」、「33H」又は「34H」であった場合には、リーチ発展演出が実行されるリーチ変動パターンであって、かつ設定示唆演出が実行される態様、又は、リーチ発展演出が実行されるリーチ変動パターンであって、かつ設定示唆演出が実行されない態様のいずれかが決定される。
【0292】
このように、第1テーブル121a、第2テーブル121b、第3テーブル121c、第4テーブル121d、第5テーブル121e及び第6テーブル121fにおいてはいずれも、設定示唆演出が実行される変動演出の態様が決定可能となっている。すなわち、サブRAM303に記憶されている設定値(設定されている設定値)が「1」~「6」のいずれであった場合にも、変動演出において設定示唆演出が実行され得ることとなる。
【0293】
(設定値に関連する特定の事象が発生した場合)
ここで、ノイズ等の発生により副制御基板300のみにシステムリセットが生じるような場合があり、このシステムリセットが生じるとサブRAM303に記憶されていた設定値のデータはクリアされる。また、ノイズ等の発生により副制御基板300に誤作動が生じ、サブRAM303に記憶されている設定値が設定可能範囲を超える異常値(たとえば、「7」等)に書き換えられてしまうような場合もある。
このように、サブRAM303に記憶されている設定値がクリアされたり、異常値に書き換えられたりする等の特定の事象が発生した場合には、電源の入れ直し(電断復帰)が行われて設定されている設定値が新たにサブRAM303に記憶されるまで、この状況が継続することとなる。
このような状況下では、サブRAM303に記憶されている設定値に応じた変動演出決定テーブル121を選択することができず、変動演出の態様を決定することができない。そして、上述のような状況が発生した場合には、暫定的に設定値が「1」~「6」のいずれかに設定されているものとして、この暫定的な設定値に応じた変動演出決定テーブル121に基づいて変動演出の態様を決定することが考えられる。しかし、この変動演出では暫定的な設定値に基づく設定示唆演出が実行され得るため、実際に設定されている設定値が示唆されない可能性があり、遊技者に設定値について誤解を与えてしまうおそれがある。
【0294】
そこで、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のような特定の事象が発生した場合には、この場合専用の設定値「0」をサブRAM303に記憶するとともに、設定値「0」である場合の変動演出決定テーブル121である第7テーブル121gに基づいて、変動演出の態様を決定するようになっている。
【0295】
ここで、
図48(g)に示すように、第7テーブル121gによれば、変動モード番号が「00H」又は「01H」及び変動パターン番号が「00H」又は「01H」であった場合には、リーチなし変動パターンであって、かつ設定示唆演出が実行されない態様が決定される。
また、変動モード番号が「02H」又は「03H」及び変動パターン番号が「02H」であった場合には、リーチ発展演出が実行されないリーチ変動パターンであって、かつ設定示唆演出が実行されない態様が決定される。
また、変動モード番号が「04H」及び変動パターン番号が「03H」又は「04H」であった場合、変動モード番号が「32H」及び変動パターン番号が「30H」又は「31H」であった場合、変動モード番号が「33H」又は「34H」及び変動パターン番号が「32H」、「33H」又は「34H」であった場合には、リーチ発展演出が実行されるリーチ変動パターンであって、かつ設定示唆演出が実行されない態様が決定される。
【0296】
このように、第7テーブル121gにおいては、設定示唆演出が実行される変動演出の態様は決定されず、必ず、設定示唆演出が実行されない変動演出の態様が決定されるようになっている。すなわち、特定の事象が発生した場合専用の設定値「0」であった場合には、変動演出において設定示唆演出が実行されることはない。
【0297】
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のような制御が行われることで、上述のような特定の事象が発生した場合であっても、特定の事象が発生していない場合と変わることなく変動演出の態様を決定できるとともに、この場合には設定示唆演出が実行されないため、遊技者に設定値について誤解を与えてしまうことを適切に防止できるのである。
【0298】
次に、上述のような各種処理を実行するための副制御基板300における制御処理について説明する。
まず、副制御基板300のメイン処理について、
図49に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップ2000において、電源投入に応じて、サブROM302からメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM303に記憶されるフラグなどの初期化、設定処理を実行する。そして、次のステップ2001に進む。
ステップ2001において、サブCPU301は、各演出乱数(変動演出乱数)を更新する処理を行うとともに、以後は、割込処理が行われるまでステップ2001の処理を繰り返し実行する。ここでは、それぞれの演出乱数が非同期的に更新されている。
【0299】
次に、副制御基板300のタイマ割込処理について、
図50に示すフローチャートを参照して説明する。
副制御基板300には、所定の周期(4ミリ秒)でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(特に図示しておらず)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU301はタイマ割込処理プログラムを読み込んで、
図50に示すタイマ割込処理を開始する。
【0300】
ステップ2100において、サブCPU301は、副制御基板300で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を実行する。そして、次のステップ2101に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、副制御基板300のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ2101において、サブCPU301は、サブRAM303の受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を実行する。具体的には、副制御基板300においては、主制御基板100からコマンドが送信されると、コマンド受信割込処理が行われ、主制御基板100から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。そして、サブCPU301は、コマンド受信割込処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析する。そして、次のステップ2102に進む。
【0301】
ステップ2102において、サブCPU301は、実行中の変動演出等の進行状況に応じて、演出操作装置9の操作の受け付け可否を判定するとともに、回転操作検出センサ9c及び押下操作検出センサ9dからの操作信号が入力されたか否かを判定する。そして、回転操作検出センサ9c又は押下操作検出センサ9dから操作信号が入力されたときに、演出操作装置9の操作受け付け中であった場合には、演出操作装装置9が操作されたことを画像制御基板、音声制御基板、電飾制御基板、作動制御基板等の各種制御基板に送信すべく、送信バッファにコマンドを格納する。そして、次のステップ2103に進む。
ステップ2103において、サブCPU301は、サブRAM303の送信バッファにセットされている各種コマンドを、画像制御基板、音声制御基板、電飾制御基板、作動制御基板等の各種制御基板へ送信する。そして、副制御基板300のタイマ割込処理を終了する。
【0302】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、電断復帰時サブコマンド群受信処理について、
図51のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、電断復帰時サブコマンド群は、主制御基板100において、電断復帰時処理のステップ144又は設定関連処理のステップ1856で記憶された後、ステップ114において副制御基板300に送信される。
ステップ2200において、サブCPU301は、受信した電断復帰時サブコマンド群に含まれる各コマンドに対応するデータを、サブRAM303の所定の記憶領域に記憶する。これにより、たとえば、設定値コマンドに対応する設定値の情報がサブRAM303の所定の記憶領域に記憶される。そして、電断復帰時サブコマンド群受信処理を終了する。
【0303】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを受信した場合に実行される変動用コマンド受信処理について、
図52のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドは、主制御基板100において、変動演出パターン決定処理のステップ911で記憶された後、ステップ114において副制御基板300に送信される。
ステップ2300において、サブCPU301は、サブRAM303の所定の記憶領域に設定値「0」が記憶されているか否かを判定する。そして、設定値「0」が記憶されていると判定した場合、ステップ2303に進む。一方、設定値「0」が記憶されていないと判定した場合、次のステップ2301に進む。
ステップ2301において、サブCPU301は、サブRAM303の所定の記憶領域に記憶されている設定値について特定の事象が発生したか否か(すなわち、当該設定値がクリアされているか、異常値に書き換えられているか等)を判定する。そして、特定の事象が発生しないと判定した場合、ステップ2304に進む。一方、特定の事象が発生したと判定した場合、次のステップ2302に進む。
【0304】
ステップ2302において、サブCPU301は、サブRAM303の所定の記憶領域に設定値「0」を記憶する。そして、次のステップ2303に進む。
ステップ2303において、サブCPU301は、記憶されている設定値「0」に対応する変動演出決定テーブル121である第7テーブル121gを選択する。そして、ステップ2305に進む。
また、上述のステップ2301で特定の事象が発生していないと判定した場合に進むステップ2304において、サブCPU301は、サブRAM303の所定の記憶領域に記憶されている設定値(すなわち、「1」~「6」のいずれか)に応じた変動演出決定テーブル121を選択する。具体的には、設定値が「1」であった場合には第1テーブル121aを選択し、設定値が「2」であった場合には第2テーブル121bを選択し、設定値が「3」であった場合には第3テーブル121cを選択し、設定値が「4」であった場合には第4テーブル121dを選択し、設定値が「5」であった場合には第5テーブル121eを選択し、設定値が「6」であった場合には第6テーブル121fを選択する。そして、次のステップ2305に進む。
【0305】
ステップ2305において、サブCU301は、上述のステップ2001で更新された変動演出乱数を取得する。そして、次のステップ2306に進む。
ステップ2306において、サブCPU301は、上述のステップ2305で取得した変動演出乱数、上述のステップ2303又はステップ2304で選択した変動演出テーブル121、受信した変動モードコマンドに対応する変動モード番号、及び、受信した変動パターンコマンドに対応する変動パターン番号に基づいて、変動演出の態様を決定する。そして、次のステップ2307に進む。
ステップ2307において、サブCPU301は、上述のステップ2306で決定した変動演出の態様に対応する変動演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた変動演出実行コマンドは、上述のステップ2103において、各種制御基板へ送信されるとともに、これらの制御基板により、受信した変動演出実行コマンドに基づいて変動演出を実行する制御が行われることとなる。そして、変動用コマンド受信処理を終了する。
【0306】
次に、上述の実施の形態の変形例について説明する。
上述の実施の形態における設定示唆演出では、設定されている設定値が偶数又は奇数のいずれであるかを示唆できるようになっていたが、設定値に関する示唆の内容としてはこれに限定されるものではない。たとえば、設定されている設定値が4~6であったときにのみ、設定示唆演出において特定の示唆画像が表示されるように設定することで、この特定の示唆画像が表示された場合に、設定されている設定値が4以上である旨を示唆することができるようにしてもよい。また、設定されている設定値が2~6であったときにのみ、設定示唆演出において特定の示唆画像が表示されるように設定することで、この特定の示唆画像が表示された場合に、設定されている設定値が2以上である旨(すなわち、設定されている設定値が1ではない旨)を示唆することができるようにしてもよい。
このように設定した場合にも、上述の実施の形態と同様の効果を奏するとともに、設定示唆演出に対する遊技者の興趣を高めることができる。
【0307】
また、上述の実施の形態における設定示唆演出は変動演出中に実行されるようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、記憶された保留に基づく変動演出の開始前から実行可能な演出である先読み演出中に設定示唆演出を実行できるようにしてもよい。すなわち、先読み演出中の所定のタイミングで、所定の示唆画像が表示されるようにしてもよい。また、特別遊技の開始時に実行されるオープニング演出や特別遊技の終了時に実行されるエンディング演出中に設定示唆演出を実行できるようにしてもよい。すなわち、オープニング演出やエンディング演出中の所定のタイミングで、所定の示唆画像が表示されるようにしてもよい。
このように設定成した場合にも、上述の実施の形態と同様の効果を奏するとともに、設定示唆演出に対する遊技者の興趣を高めることができる。
【0308】
また、上述の実施の形態では、サブRAM303の所定の記憶領域に記憶されている設定値に特定の事象が発生した場合、設定示唆演出が実行されない変動演出決定テーブル121に基づいて変動演出の態様を決定することで変動演出において設定示唆演出が実行されないようにしていたが、上述の場合に設定示唆演出が実行されないようにするための制御としてはこれに限定されるものではない。
たとえば、特定の事象が発生した場合には、暫定的に「1」~「6」のいずれかの設定値を設定し、この暫定的な設定値に応じた変動演出決定テーブル121に基づいて変動演出の態様を決定するように設定するとともに、設定示唆演出が実行される変動演出の態様が決定された場合には、設定示唆演出が実行されない態様に決定し直すようにしてもよい。
なお、変動演出の開始時に変動演出の態様を決定するのではなく、保留が記憶された時点で当該保留に基づく変動演出の態様を決定するように設定した上で、上述のような制御を行ってもよい。このように形成した場合には、変動演出の態様が決定されてから当該態様に基づく変動演出が実行されるまでの間に、設定示唆演出が実行されない態様に決定し直す処理を行えばよい。
このように設定した場合にも、上述の実施の形態と同様の効果を奏するとともに、設定示唆演出が実行されない変動演出のみが決定される変動演出決定テーブル121を別途設ける必要が無いため、サブROM302に記憶されるデータの容量を削減することができ、ハードウェア資源に対する負荷を軽減することができる。
【0309】
また、上述の実施の形態では、メインRAM103の使用領域における第1領域に記憶されている設定値の内容は、電断復帰時においてのみ副制御基板303に送信されるようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、制御状態が遊技可能状態である場合には、定期的に(たとえば、所定回数(5回、10回)の変動演出が実行されるごとに)第1領域に記憶されている設定値の内容を示す設定値コマンドを副制御基板300へ送信することで、定期的に副制御基板300へ設定値の内容を送信するようにしてもよい。そして、このように設定した場合において特定の事象が発生したときには、特定の事象が発生してから副制御基板300へ設定値の内容が送信されるまでの間に、上述のような設定示唆演出が実行されない変動演出の態様を決定する制御(第7テーブル121gに基づいて変動演出の態様を決定する制御や、設定示唆演出が実行される変動演出の態様が決定された場合に設定示唆演出が実行されない態様に決定し直す制御等)を行うようにしてもよい。
このように設定した場合にも、上述の実施の形態と同様の効果を奏するとともに、特定の事象が発生した場合には、電断復帰を行うことなく、設定されている設定値についての示唆を再開することができる。
【0310】
また、上述の実施の形態では、システムリセットによる設定値のクリアやノイズの発生等による異常値への書き換えが行われた場合に、特定の事象が発生した(サブRAM303に記憶されている設定値に関して特定の事象が発生した)ものとして、設定示唆演出が実行されないようにするための制御が行われるようになっていたが、特定の事象はこれに限定されるものではない。
たとえば、主制御基板100から送信される設定値コマンドを副制御基板300が正確に受信できなかったり、当該コマンドに欠落が生じていたりすることにより、サブRAM303の所定の記憶領域に設定値が記憶されなかった場合にも、特定の事象が発生した(演出制御手段の記憶領域への設定値の記憶に関して特定の事象が発生した)ものとしてもよい。そして、この場合にも、設定値「0」を設定し、設定示唆演出が実行されない第7テーブル121gに基づいて変動演出の態様を決定することで、設定示唆演出が実行されないようにしてもよい。また、暫定的に「1」~「6」のいずれかの設定値を設定し、この暫定的な設定値に応じた変動演出決定テーブル121に基づいて変動演出の態様を決定するように設定するとともに、設定示唆演出が実行される変動演出の態様が決定された場合には、設定示唆演出が実行されない態様に決定し直すようにすることで、設定示唆演出が実行されないようにしてもよい。また、上述の特定の事象が発生した場合には、サブRAM303の所定の記憶領域にデフォルトの設定値として「1」が記憶されるようにするとともに、この後に主制御基板100から設定値コマンドを受信するまで、デフォルトの設定値である「1」が記憶されたままの状態を維持するようにしてもよい。
さらに、サブRAM303の所定の記憶領域に正常な設定値が記憶されているものの、設定示唆演出の実行にあたり、変動演出決定テーブル121を選択できなかった等の異常が発生した場合にも、特定の事象が発生した(演出制御手段の記憶領域に記憶されている設定値に基づく処理に関して特定の事象が発生した)ものとしてもよい。そして、この場合には、上述と同様に、設定示唆演出が実行されないようにするための制御を行うとともに、異常が発生した旨の報知のみを行うようにしてもよい。
【0311】
また、システムリセットによる設定値のクリアやノイズの発生等による異常値への書き換えが行われた場合(サブRAM303に記憶されている設定値に関して特定の事象が発生した場合)や、主制御基板100から送信される設定値コマンドを副制御基板300が正確に受信できない等の事情によりサブRAM303の所定の記憶領域に設定値が記憶されなかった場合(演出制御手段の記憶領域への設定値の記憶に関して特定の事象が発生した場合)には、その旨の報知(設定値が記憶されていない旨の報知、設定値「0」が記憶された旨の報知、サブRAM303に記憶されている設定値に異常が発生した旨の報知等)を、所定時間以上行ってもよい。
また、上述の場合には、その後に主制御基板100から設定値コマンドを受信するまでの間、設定値示唆演出以外の演出(たとえば、所定のリーチ演出、所定の予告画像(所定のキャラクターが所定のセリフを話すような画像等)が表示される予告演出、所定のカットイン画像が表示されるカットイン演出、背景画像が変化する背景変化演出、表示中の保留画像が他の保留画像に変化する保留変化演出、記憶された保留に基づく変動演出が実行されるよりも前に開始され複数の変動演出に跨って実行される先読み演出等)が実行されないようにする制御を行ってもよい。
【0312】
また、上述の実施の形態における第7テーブル121gでは、設定示唆演出が実行される変動演出の態様は決定されないようになっていたが、これに限定されるものではなく、設定示唆演出が実行される変動演出の態様のうち一部の態様については決定されるようにしてもよい。
たとえば、変動演出の態様として、いずれの設定値が設定されている場合であっても実行されるものの、設定値に応じて実行割合が異なるように設定され、実行された頻度により設定されている設定値を示唆するような設定示唆演出が実行される態様を設け、この態様については、第7テーブル121gでも決定されるようにしてもよい。
また、変動演出の態様として、所定の設定値(たとえば、「4」以上、「1」以外等)が設定されている場合にのみ実行され、実行されると所定の設定値が設定されていることが確定するような第1設定示唆演出が実行される態様、及び、所定の設定値が設定されている場合の実行割合は高く、所定の設定値以外の設定値が設定されている場合の実行割合は低く設定され、実行されると所定の設定値が設定されている可能性が高い旨を示唆するような第2設定示唆演出が実行される態様を設け、第7テーブル121gでは、第1設定示唆演出が実行される態様は決定されないものの、第2設定示唆演出が実行される態様は決定されるようにしてもよい。
【0313】
また、上述の実施の形態では、電断発生直前に滞在していた制御状態、電断復帰時における設定スイッチ108のオン又はオフ、RAMクリアスイッチ109のオン又はオフ、本体枠開放検出センサ2aのオン又はオフ、バックアップ異常の発生の有無、RAM異常の発生の有無に応じて、電断復帰時における制御状態の設定が行われるようになっていたが、制御状態の設定を行う際の判断条件はこれらに限定されるものではない。たとえば、前扉開放検出センサ3a等の他のセンサのオン又はオフを判断条件として追加してもよい。また、上述の判断条件のうちいずれかの判断条件(たとえば、本体枠開放検出センサ2aのオン又はオフ)については除外してもよい。
【0314】
また、上述の実施の形態では、電断復帰時のみ設定確認状態や設定変更状態が設定されるようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、パチンコ機Pの電源がオンとなっているときに、所定の操作を行うことで設定確認状態や設定変更状態が設定されるようにしてもよい。
また、上述の変形例は、可能な範囲で互いに組み合わせて構成することもできる。
【0315】
なお、上述の実施の形態における主制御基板100は、本発明の遊技制御手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ1854の処理を実行するメインCPU101は、本発明の設定手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるサブRAM303は、本発明の記憶領域に相当する。また、上述の実施の形態における副制御基板300は、本発明の演出制御手段に相当する。また、上述の実施の形態における設定値のクリアや異常値への書き換え等は、本発明の特定の事象に相当する。また、上述の実施の形態における設定示唆演出を実行しない変動演出の態様を決定する処理は、本発明の所定の処理に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ2303、ステップ2306の処理を実行するサブCPU301は、本発明の実行手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるパチンコ機Pは、本発明の遊技機に相当する。また、上述の実施の形態における設定値「0」は、本発明の特定の設定値に相当する。また、上述の実施の形態における設定示唆演出は、本発明の示唆演出に相当する。
【符号の説明】
【0316】
P パチンコ機
21 演出表示装置
100 主制御基板
101 メインCPU
102 メインROM
103 メインRAM
300 副制御基板
301 サブCPU
302 サブROM
303 サブRAM