(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-25
(45)【発行日】2022-12-05
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1343 20060101AFI20221128BHJP
G02F 1/1368 20060101ALI20221128BHJP
G02F 1/1334 20060101ALI20221128BHJP
G02F 1/133 20060101ALI20221128BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20221128BHJP
【FI】
G02F1/1343
G02F1/1368
G02F1/1334
G02F1/133 550
G02F1/13357
(21)【出願番号】P 2018231556
(22)【出願日】2018-12-11
【審査請求日】2021-11-22
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 宏宜
【審査官】近藤 幸浩
(56)【参考文献】
【文献】特開昭58-021784(JP,A)
【文献】特開2011-081245(JP,A)
【文献】特開2003-110019(JP,A)
【文献】特表2004-519719(JP,A)
【文献】特開平06-194690(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1343
G02F 1/1368
G02F 1/1334
G02F 1/133
G02F 1/13357
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延在した第1走査線と、第2方向に延在し前記第1走査線と交差した第1信号線と、絶縁層と、前記第1走査線及び前記第1信号線に電気的に接続された第1スイッチング素子と、前記第1スイッチング素子に電気的に接続された第1画素電極と、を有する第1基板と、
共通電極を有し、前記第1基板に対向配置された第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に保持され、前記第1画素電極と前記共通電極との間に印加される電圧がかかることにより入射される光を透過する透明状態及び入射される光を散乱する散乱状態に部分的に切替えられる表示機能層と、を備え、
前記第1信号線は、前記第2方向に延在した第1連結部と、前記第2方向に延在し前記第1連結部に電気的に接続された第1線部と、を有し、
前記第1走査線は、前記第1連結部と交差し、前記第1線部と同層に設けられ、
前記絶縁層は、前記第1連結部と前記第1走査線との間に介在
し、
前記第1走査線及び前記第1線部のそれぞれの電気抵抗値は、前記第1連結部の電気抵抗値より低い、
表示装置。
【請求項2】
前記第1走査線及び前記第1線部は、同一の材料で形成され、前記絶縁層の第1面に接し、
前記絶縁層の前記第1面と反対側の第2面は、前記第1連結部に接し、
前記第1走査線及び前記第1線部は前記第1連結部を形成する材料と異なる材料で形成
されている、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第2方向において、前記第1線部の長さは、前記第1連結部の長さより大きい、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第2方向において、前記第1線部と前記第1走査線との間の間隔は、0.5乃至10μm範囲内である、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1線部は、
前記第2方向に延在した本線部と、
前記本線部から連続的に設けられ前記第1連結部に重ねられ前記第1連結部に電気的に接続された接続部と、
を含み、
前記第1方向において、前記第1連結部の幅は、前記本線部の幅より大きい、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1基板は、
前記第1方向に延在し前記第1信号線と交差し前記第2方向に前記第1走査線に間隔を置いて位置した第2走査線と、
前記第2方向に延在し前記第1走査線及び前記第2走査線と交差し前記第1方向に前記第1信号線に間隔を置いて位置した第2信号線と、
前記第2走査線及び前記第2信号線に電気的に接続された第2スイッチング素子と、
前記第2スイッチング素子に電気的に接続された第2画素電極と、をさらに有し、
前記表示機能層は、さらに、前記第2画素電極と前記共通電極との間に印加される電圧がかかることにより入射される光を透過する透明状態及び入射される光を散乱する散乱状態に部分的に切替えられ、
前記第1画素電極及び前記第2画素電極は、前記第1信号線と前記第2信号線との間に位置し、
前記第1走査線は、前記第1画素電極と前記第2画素電極との間に位置し、
前記第1信号線は、前記第2方向に延在した第2連結部と、前記第2方向に延在し前記第1走査線と前記第2走査線との間に位置し前記第1連結部及び前記第2連結部に電気的に接続された第2線部と、をさらに有し、
前記第2信号線は、前記第1連結部、前記第1線部、前記第2連結部、及び前記第2線部を有し、前記第1信号線と同様に構成され、
前記第1走査線は、前記第2信号線の前記第1連結部と交差し、前記第2信号線の前記第1線部と同層に設けられ、
前記第2走査線は、前記第1信号線の前記第2連結部及び前記第2信号線の前記第2連結部と交差し、前記第1信号線及び前記第2信号線の各々の前記第1線部及び前記第2線部と同層に設けられ、
前記絶縁層は、
前記第1信号線の前記第2連結部と前記第2走査線との間、
前記第2信号線の前記第1連結部と前記第1走査線との間、及び
前記第2信号線の前記第2連結部と前記第2走査線との間、にさらに介在している、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記表示機能層は、高分子分散液晶を利用した液晶層である、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
第1方向に延在した第1走査線と、第2方向に延在し前記第1走査線と交差した第1信号線と、絶縁層と、前記第1走査線及び前記第1信号線に電気的に接続された第1スイッチング素子と、前記第1スイッチング素子に電気的に接続された第1画素電極と、を有する第1基板と、
共通電極を有し、前記第1基板に対向配置された第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に保持され、前記第1画素電極と前記共通電極との間に印加される電圧がかかることにより入射される光を透過する透明状態及び入射される光を散乱する散乱状態に部分的に切替えられる表示機能層と、を備え、
前記第1信号線は、前記第2方向に延在した第1連結部と、前記第2方向に延在し前記第1連結部に電気的に接続された第1線部と、を有し、
前記第1走査線は、前記第1連結部と交差し、前記第1線部と同層に設けられ、
前記絶縁層は、前記第1連結部と前記第1走査線との間に介在し、
前記第1スイッチング素子は、
前記第1線部に電気的に接続された半導体層と、
前記半導体層に対向し前記第1走査線に電気的に接続され前記第1連結部と同層に設けられたゲート電極と、を有している
、
表示装置。
【請求項9】
前記ゲート電極は、前記第2方向に延在している、
請求
項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記ゲート電極及び前記第1連結部は、同一の材料で形成されている、
請求
項8に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第2方向において、前記第1連結部は、前記半導体層より前記第1走査線側の領域に位置している、
請求
項8に記載の表示装置。
【請求項12】
第1方向に延在した第1走査線と、第2方向に延在し前記第1走査線と交差した第1信号線と、絶縁層と、前記第1走査線及び前記第1信号線に電気的に接続された第1スイッチング素子と、前記第1スイッチング素子に電気的に接続された第1画素電極と、を有する第1基板と、
共通電極を有し、前記第1基板に対向配置された第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に保持され、前記第1画素電極と前記共通電極との間に印加される電圧がかかることにより入射される光を透過する透明状態及び入射される光を散乱する散乱状態に部分的に切替えられる表示機能層と、を備え、
前記第1走査線は、前記第1方向に延在した第1連結部と、前記第1方向に延在し前記第1信号線と同層に設けられ前記第1連結部に電気的に接続された第1線部と、を有し、
前記第1信号線は、前記第1連結部と交差し、
前記絶縁層は、前記第1連結部と前記第1信号線との間に介在し、
前記第1スイッチング素子は、
前記第1信号線に電気的に接続された半導体層と、
前記半導体層に対向し前記第1走査線に電気的に接続され前記第1連結部と同層に設けられたゲート電極と、を有し、
前記ゲート電極は、前記第1連結部と一体的に形成され、
前記第1基板は、
前記第1方向に延在し前記第1信号線と交差し前記第2方向に前記第1走査線に間隔を置いて位置した第2走査線と、
前記第2方向に延在し前記第1走査線及び前記第2走査線と交差し前記第1方向に前記第1信号線に間隔を置いて位置した第2信号線と、
前記第2走査線及び前記第2信号線に電気的に接続された第2スイッチング素子と、
前記第2スイッチング素子に電気的に接続された第2画素電極と、をさらに有し、
前記表示機能層は、さらに、前記第2画素電極と前記共通電極との間に印加される電圧がかかることにより入射される光を透過する透明状態及び入射される光を散乱する散乱状態に部分的に切替えられ、
前記第1画素電極及び前記第2画素電極は、前記第1信号線と前記第2信号線との間に位置し、
前記第1走査線は、前記第1画素電極と前記第2画素電極との間に位置し、
前記第1スイッチング素子は、前記第1信号線近傍に位置し、
前記第2スイッチング素子は、前記第2信号線近傍に位置する
、
表示装置。
【請求項13】
前記第1基板は、
前記第1信号線に隣合う第3信号線と、
前記第1信号線及び前記第3信号線に重畳し前記第2方向に延在する金属配線と、を有し、
前記第3信号線及び前記金属配線は、前記第1連結部に交差する、
請求
項12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記金属配線は前記第1信号線に重畳する第1端部と、前記第3信号線に重畳する第2端部と、を有し、
前記金属配線は、前記第1信号線と前記第3信号線との間隔を覆っている、
請求
項13に記載の表示装置。
【請求項15】
前記第1画素電極は、前記第1信号線及び前記金属配線の前記第1端部に重なる、
請求
項14に記載の表示装置。
【請求項16】
前記第1基板は、平面視において格子形状の有機絶縁膜を有し、
前記第1方向において、前記有機絶縁膜は、前記第1信号線及び前記第2信号線に接し、
前記第2方向において、前記有機絶縁膜は、前記第1走査線及び前記第2走査線に接し、
前記第1信号線、前記第2信号線、前記第1走査線及び前記第2走査線に囲われる領域において、前記有機絶縁膜は前記第1スイッチング素子と重ならない領域に有機絶縁膜除去部を有する、
請求
項15に記載の表示装置。
【請求項17】
前記有機絶縁膜は、前記第1信号線及び前記第2信号線に接する第1面と、前記第1面と反対側の第2面と、を有し、
前記金属配線は、前記第2面に形成される、
請求
項16に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、入射した光を拡散する拡散状態と入射した光を透過させる透明状態とを切り替え可能な高分子分散液晶(Polymer Dispersed Liquid Crystal:以下、『PDLC』と称する場合がある)を用いた液晶表示パネルを含む表示装置が提案されている。液晶表示パネルを拡散状態に切り替えることで、表示装置は画像を表示することが可能である。一方、液晶表示パネルを透明状態に切り替えることで、ユーザは、液晶表示パネルを透かして背景を視認することが可能である。
【0003】
このような表示装置においては、一フレーム期間が複数のサブフレーム期間を有し、サブフレーム期間毎に表示色を切り替えながら画像を表示することで多色表示が実現される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本実施形態は、透明状態及び散乱状態の切り替えを良好に行うことが可能な表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る表示装置は、
第1方向に延在した第1走査線と、第2方向に延在し前記第1走査線と交差した第1信号線と、絶縁層と、前記第1走査線及び前記第1信号線に電気的に接続された第1スイッチング素子と、前記第1スイッチング素子に電気的に接続された第1画素電極と、を有する第1基板と、共通電極を有し、前記第1基板に対向配置された第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に保持され、前記第1画素電極と前記共通電極との間に印加される電圧がかかることにより入射される光を透過する透明状態及び入射される光を散乱する散乱状態に部分的に切替えられる表示機能層と、を備え、前記第1信号線は、前記第2方向に延在した第1連結部と、前記第2方向に延在し前記第1連結部に電気的に接続された第1線部と、を有し、前記第1走査線は、前記第1連結部と交差し、前記第1線部と同層に設けられ、前記絶縁層は、前記第1連結部と前記第1走査線との間に介在し、前記第1走査線及び前記第1線部のそれぞれの電気抵抗値は、前記第1連結部の電気抵抗値より低い。
【0007】
また、一実施形態に係る表示装置は、
第1方向に延在した第1走査線と、第2方向に延在し前記第1走査線と交差した第1信号線と、絶縁層と、前記第1走査線及び前記第1信号線に電気的に接続された第1スイッチング素子と、前記第1スイッチング素子に電気的に接続された第1画素電極と、を有する第1基板と、共通電極を有し、前記第1基板に対向配置された第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に保持され、前記第1画素電極と前記共通電極との間に印加される電圧がかかることにより入射される光を透過する透明状態及び入射される光を散乱する散乱状態に部分的に切替えられる表示機能層と、を備え、前記第1走査線は、前記第1方向に延在した第1連結部と、前記第1方向に延在し前記第1信号線と同層に設けられ前記第1連結部に電気的に接続された第1線部と、を有し、前記第1信号線は、前記第1連結部と交差し、前記絶縁層は、前記第1連結部と前記第1信号線との間に介在し、前記第1スイッチング素子は、前記第1信号線に電気的に接続された半導体層と、前記半導体層に対向し前記第1走査線に電気的に接続され前記第1連結部と同層に設けられたゲート電極と、を有し、前記ゲート電極は、前記第1連結部と一体的に形成され、前記第1基板は、前記第1方向に延在し前記第1信号線と交差し前記第2方向に前記第1走査線に間隔を置いて位置した第2走査線と、前記第2方向に延在し前記第1走査線及び前記第2走査線と交差し前記第1方向に前記第1信号線に間隔を置いて位置した第2信号線と、前記第2走査線及び前記第2信号線に電気的に接続された第2スイッチング素子と、前記第2スイッチング素子に電気的に接続された第2画素電極と、をさらに有し、前記表示機能層は、さらに、前記第2画素電極と前記共通電極との間に印加される電圧がかかることにより入射される光を透過する透明状態及び入射される光を散乱する散乱状態に部分的に切替えられ、前記第1画素電極及び前記第2画素電極は、前記第1信号線と前記第2信号線との間に位置し、前記第1走査線は、前記第1画素電極と前記第2画素電極との間に位置し、前記第1スイッチング素子は、前記第1信号線近傍に位置し、前記第2スイッチング素子は、前記第2信号線近傍に位置する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る表示装置の構成例を示す平面図である。
【
図3】
図3は、
図1の表示装置の主要な構成要素を示す図である。
【
図4】
図4は、
図3に示した複数の画素のうち2個の画素を示す等価回路図である。
【
図5】
図5は、上記表示装置の表示パネルの一部を示す平面図であり、上記2個の画素を示す図である。
【
図6】
図6は、
図5の表示パネルを線VI-VIに沿って示す断面図である。
【
図7】
図7は、
図5の表示パネルを線VII-VIIに沿って示す断面図である。
【
図8A】
図8Aは、透明状態の液晶層を模式的に示す図である。
【
図8B】
図8Bは、散乱状態の液晶層を模式的に示す図である。
【
図9A】
図9Aは、液晶層が透明状態である場合の表示パネルを示す断面図である。
【
図9B】
図9Bは、液晶層が散乱状態である場合の表示パネルを示す断面図である。
【
図12】
図12は、表示駆動におけるコモン電圧と信号線電圧の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、透明駆動におけるコモン電圧と信号線電圧の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、透明駆動におけるコモン電圧と信号線電圧の他の例を示す図である。
【
図15】
図15は、
図3に示したタイミングコントローラの一構成例を示す図である。
【
図16】
図16は、上記表示装置の使用例を示す図であり、単個の書換え領域内に画像を表示している状態を示す表示パネルの平面図である。
【
図18】
図18は、
図17に示した複数の画素を示す等価回路であり、走査線、信号線、スイッチング素子、及び画素電極の接続関係を示す図である。
【
図19】
図19は、表示動作の一例を示すタイミングチャートである。
【
図20】
図20は、第2の実施形態に係る表示装置の表示パネルの一部を示す平面図であり、1個の画素を示す図である。
【
図21】
図21は、変形例に係る表示装置の表示パネルの一部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0010】
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態について説明する。本実施形態においては、表示装置の一例として、高分子分散型液晶を適用した液晶表示装置について説明する。表示装置は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話端末等の種々の装置に用いることができる。
【0011】
図1は、第1の実施形態における表示装置DSPの構成例を示す平面図である。
図1に示すように、第1方向X及び第2方向Yは互いに交差する方向であり、第3方向Zは第1方向X及び第2方向Yと交差する方向である。第1方向Xは、行方向に相当し、第2方向Yは、列方向に相当している。一例では、第1方向X、第2方向Y、及び第3方向Zは、互いに直交しているが、互いに90度以外の角度で交差していてもよい。本明細書において、第3方向Zを示す矢印の先端に向かう方向を上方(あるいは、単に上)と称し、矢印の先端から逆に向かう方向を下方(あるいは、単に下)と称する。
【0012】
表示装置DSPは、表示パネルPNL、配線基板F1,F2などを備えている。表示パネルPNLは、画像を表示する表示領域DA、及び表示領域DA以外の非表示領域NDAを備えている。本実施形態において、非表示領域NDAは、表示領域DAを囲み、額縁状の形状を有している。
【0013】
表示パネルPNLは、n本の走査線Gn(G1~Gn)、2m本の信号線S(S1~S2m)などを備えている。なお、n及びmはいずれも正の整数であり、nが2mと等しくてもよいし、nが2mとは異なっていてもよい。複数の走査線Gは、表示領域DAにて、それぞれ第1方向Xに延在し、第2方向Yに間隔をおいて並んでいる。言い換えると、複数の走査線Gは、行方向に延在している。複数の信号線Sは、表示領域DAにて、それぞれ第2方向Yに延在し、第1方向Xに間隔をおいて並んでいる。
【0014】
表示パネルPNLは、複数の第1接続配線CW1及び複数の第2接続配線CW2を備えている。複数の第1接続配線CW1は、非表示領域NDAに設けられ、走査線G及び信号線Sの何れか一に電気的に接続されている。複数の第2接続配線CW2は、非表示領域NDAに設けられ、複数の第1接続配線CW1に一対一で接続されている。
図5及び
図20に後述するように、複数の第1接続配線CW1は連結部LCを含まない走査線G及び信号線Sと同じ第2金属層により形成される遮光性の金属配線であり、複数の第2接続配線CW2は連結部LCやゲート電極GEと同じ第1金属層により形成される遮光性の金属配線であり、第1金属層と第2金属層とは互いに抵抗値の異なる配線である。
【0015】
表示パネルPNLは、第1方向Xに延在する端辺En1,En2と、第2方向Yに延在する端辺En3,En4と、を有している。本実施形態において、端辺En1,En2はそれぞれ長辺であり、端辺En3,En4はそれぞれ短辺である。
【0016】
走査線駆動回路GD1,GD2、及び信号線駆動回路SD1,SD2,SD3は、表示パネルPNLの非表示領域NDAに実装されている。本実施形態において、走査線駆動回路GD1、信号線駆動回路SD1、信号線駆動回路SD2、信号線駆動回路SD3、及び走査線駆動回路GD2は、表示領域DAと端辺En2との間に位置し、第1方向Xに順に並んでいる。走査線駆動回路GD1,GD2、及び信号線駆動回路SD1,SD2,SD3は、それぞれ複数の第2接続配線CW2と電気的に接続されている。
つまり、走査線駆動回路GD及び信号線駆動回路SDからは複数の第2接続配線CW2が引き出され、引き出された複数の第2接続配線CW2は非表示領域NDAにおいて複数の第1接続配線CW1に打ち替えられ、複数の第1接続配線CW1は表示領域DAに引き出されることとなる。
【0017】
配線基板F1は、表示パネルPNL及び配線基板F2に接続されている。配線基板F1は、走査線駆動回路GD1,GD2、及び信号線駆動回路SD1,SD2,SD3と電気的に接続されている。配線基板F2は、タイミングコントローラTCや電源回路PCなどを備えている。配線基板F1は、配線基板F2のコネクタCTに接続されている。なお、配線基板F1,F2は、単一の配線基板に置換されてもよい。上述した走査線駆動回路GD1,GD2、信号線駆動回路SD1,SD2,SD3、及びタイミングコントローラTCは、本実施形態の駆動部DRを構成している。駆動部DRは、走査線G、信号線S、後述する補助電極、及び後述する共通電極のそれぞれの駆動を制御するように構成されている。一例では配線基板F1は例えば可撓性のフレキシブル配線基板(FPC)であり、配線基板F2は硬質のフレキシブル配線基板(PCB)である。
【0018】
また、走査線駆動回路GD1,GD2、及び信号線駆動回路SD1,SD2,SD3は例えばドライバICであり、ドライバICの走査線駆動回路GD1,GD2,及び信号線駆動回路SD1,SD2,SD3は表示パネルPNLに実装される例に限らず、配線基板F1もしくは配線基板F2に実装される構造であってもよい。
【0019】
図示した例では、端辺En1の側から奇数番目の走査線G1,…G(n-1)が走査線駆動回路GD1に接続され、偶数番目の走査線G2,…Gnが走査線駆動回路GD2に接続されている。但し、走査線Gと、走査線駆動回路GD1,GD2との接続関係は図示した例に限定されるものではない。例えば、走査線駆動回路GD1,GD2を単一の走査線駆動回路に置換し、全ての走査線Gを単一の走査線駆動回路に接続してもよい。信号線Sと、信号線駆動回路SD1,SD2,SD3との接続関係も図示した例に限定されるものではない。信号線駆動回路SD1,SD2,SD3を単一の信号線駆動回路に置換し、全ての信号線Sを単一の信号線駆動回路に接続してもよい。
【0020】
図2は、
図1の表示装置DSPを示す断面図である。ここでは、第2方向Y及び第3方向Zによって規定されるY-Z平面における表示装置DSPの断面において、主要部のみを説明する。
【0021】
図2に示すように、表示パネルPNLは、第1基板SUB1、第2基板SUB2、表示機能層としての液晶層30などを備えている。第1基板SUB1は、透明基板10、画素電極PE、配向膜AF1などを備えている。第2基板SUB2は、透明基板20、共通電極CE、配向膜AF2などを備えている。画素電極PE及び共通電極CEは、例えばインジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)などの透明な導電材料によって形成されている。
【0022】
液晶層30は、少なくとも表示領域DAに位置している。液晶層30は、高分子分散液晶を含み、配向膜AF1と配向膜AF2との間に位置している。本実施形態の液晶層30は、リバース型高分子分散液晶(R-PDLC:reverse mode polymer dispersed liquid crystal)を利用している。上記の液晶層30は、印加される電圧が低い場合に入射される光の平行度を維持し、印加される電圧が高い場合に入射される光を散乱させる。第1基板SUB1及び第2基板SUB2は、シール材40によって接合されている。第1基板SUB1は、透明基板20の端部20Eよりも第2方向Yに延出した延出部EXを有している。
【0023】
配線基板F1は、第1基板SUB1の延出部EXに実装され、延出部EXに物理的に固定されている。また、配線基板F1は、延出部EXの図示しないパッドに電気的に接続されている。なお、上記パッドは、上述した走査線駆動回路GD1,GD2、及び信号線駆動回路SD1,SD2,SD3と電気的に接続されている。
光源ユニットLUは、表示領域DAの外側の非表示領域NDAに位置している。光源ユニットLUは、発光素子LS、配線基板F3などを備えている。発光素子LSは、配線基板F3に接続され、延出部EXの上に位置している。発光素子LSは、端部20Eと対向する発光部(発光面)EMを有している。発光部EMから出射された照明光は、後述するように、端部20Eに入射し、表示パネルPNLを伝播する。
【0024】
図3は、
図1の表示装置DSPの主要な構成要素を示す図である。
図3に示すように、表示装置DSPは、図中に破線で示すコントローラCNTを備えている。コントローラCNTは、タイミングコントローラTC、走査線駆動回路GD1,GD2、信号線駆動回路SD1,SD2,SD3、Vcom回路VC、光源ドライバLSDなどを含んでいる。
【0025】
タイミングコントローラTCは、外部から入力された画像データや同期信号などに基づいて各種信号を生成する。一例では、タイミングコントローラTCは、画像データに基づき、所定の信号処理を行って生成した画像信号(例えば、映像信号)を信号線駆動回路SD1,SD2,SD3に出力する。また、タイミングコントローラTCは、同期信号に基づいて生成した制御信号を、走査線駆動回路GD1,GD2、信号線駆動回路SD1,SD2,SD3、Vcom回路VC、光源ドライバLSDにそれぞれ出力する。タイミングコントローラTCの詳細については後述する。
【0026】
図中に二点鎖線で示す表示領域DAは、複数の画素PXを備えている。複数の画素PXは、第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に設けられている。複数の画素PXの個数はn×m個である。各画素PXは、走査線G及び信号線Sと電気的に接続されている。奇数行目の画素PXは、奇数番目の信号線S1,S3,・・・と電気的に接続され、偶数行目の画素PXは、偶数番目の信号線S2,S4,・・・と電気的に接続されている。
【0027】
共通電極CEは表示領域DAに位置している。共通電極CEは、複数の画素PXで共用されている。共通電極CEは、画素PXの一部を構成している。走査線Gの各々には、走査線駆動回路GD1又はGD2から制御信号が与えられる。信号線Sの各々には、信号線駆動回路SD1、SD2又はSD3から画像信号(映像信号)が与えられる。共通電極CEには、Vcom回路VCからコモン電圧Vcomが与えられる。
【0028】
本実施形態において、複数の信号線Sは、セレクタ回路を介すること無しに信号線駆動回路SDと接続されている。そのため、信号線駆動回路SDは、全ての信号線Sに画像信号を同時に与えることができる。但し、本実施形態と異なり、複数の信号線Sは、セレクタ回路を介して信号線駆動回路SDと接続されていてもよい。この場合、複数の信号線Sは時分割的に駆動され、複数の信号線Sには、時分割的に画像信号が与えられる。
【0029】
また、走査線駆動回路GD1,GD2はドライバICの例に限らず、第1基板SUB1上に形成されたゲート内蔵回路であってもよく、信号線駆動回路SDに接続されるセレクタ回路も第1基板SUB1上に形成された内蔵回路であってもよい。
【0030】
光源ユニットLUは、液晶層30に光を照射するように構成されている。本実施形態において、光源ユニットLUは、液晶層30に無彩色以外の色の光を照射するように構成されている。光源ユニットLUは、複数色の発光素子LSを備えている。例えば、光源ユニットLUは、液晶層30に第1色の光を照射する発光素子(第1発光素子)LSRと、液晶層30に第2色の光を照射する発光素子(第2発光素子)LSGと、液晶層30に第3色の光を照射する発光素子(第3発光素子)LSBと、を備えている。上記の第1色、第2色、及び第3色が、互いに異なる色であることは言うまでもない。
【0031】
本実施形態において、第1色は赤色、第2色は緑色、第3色は青色である。光源ドライバLSDは、これらの発光素子LSR、LSG、LSBの点灯期間を制御する。後に詳述するが、一フレーム期間が複数のサブフレーム期間を有する駆動方式においては、各サブフレームにおいて3つの発光素子LSR、LSG、LSBのうちの少なくとも1つが点灯し、サブフレーム毎に照明光の色が切り替えられる。
【0032】
また、光源ユニットLUは、上述のように第1色、第2色、及び第3色の発光素子LSを備えたカラー表示用に限らず、白色の発光素子のみを備え、モノクロ表示に用いるものであってもよい。
【0033】
次に、上記複数の画素PXを代表し、第2方向Yに隣り合う2個の画素PXについて説明する。
図4は、
図3に示した複数の画素PXのうちの任意の2個の画素PXを示す等価回路図である。ここでは、第2方向Yに隣り合う第1画素PX1及び第2画素PX2について説明する。
【0034】
図4に示すように、第1画素PX1は、第1スイッチング素子SW1、第1スイッチング素子SW1に電気的に接続された第1画素電極PE1、補助電極AE、及び共通電極CEを有している。第2画素PX2は、第2スイッチング素子SW2、第2スイッチング素子SW2に電気的に接続された第2画素電極PE2、補助電極AE、及び共通電極CEを有している。以下、第1画素PX1に電気的に接続された走査線G及び信号線Sをそれぞれ第1走査線Gi及び第1信号線Sjと称する。また、第2画素PX2に電気的に接続された走査線G及び信号線Sをそれぞれ第2走査線Gi+1及び第2信号線Sj+1と称する。
【0035】
第1スイッチング素子SW1は、第1走査線Gi及び第1信号線Sjに電気的に接続されている。第2スイッチング素子SW2は、第2走査線Gi+1及び第2信号線Sj+1に電気的に接続されている。本実施形態において、第1スイッチング素子SW1及び第2スイッチング素子SW2は、薄膜トランジスタ(TFT)で構成されている。また、第1スイッチング素子SW1及び第2スイッチング素子SW2は、それぞれNチャネル型かつダブルゲート型のTFTである。
【0036】
第1スイッチング素子SW1は、ゲート電極GE1、第1電極Ea1、及び第2電極Ea2を有している。ゲート電極GE1は、第1走査線Giに電気的に接続されている。第1電極Ea1は、信号線Sjに接続されている。第2電極Ea2は、第1画素電極PE1に電気的に接続されている。
【0037】
第1スイッチング素子SW1のオンオフは、第1走査線Giを介して上述した走査線駆動回路GDより与えられる制御信号Caに基づいて切り替えられる。第1スイッチング素子SW1がオンした状態、すなわち第1スイッチング素子SW1を構成するTFTが導通状態に切り替わった状態にて、上述した信号線駆動回路SDが第1信号線Sjに画像信号Vsigを出力すると、画像信号Vsigは、信号線Sj及び第1スイッチング素子SW1を介して第1画素電極PE1に与えられる。
【0038】
第2スイッチング素子SW2は、ゲート電極GE2、第1電極Eb1、及び第2電極Eb2を有している。ゲート電極GE2は、第2走査線Gi+1に電気的に接続されている。第1電極Eb1は、信号線Sj+1に接続されている。第2電極Eb2は、第2画素電極PE2に電気的に接続されている。
【0039】
第2スイッチング素子SW2のオンオフは、第2走査線Gi+1を介して上記走査線駆動回路GDより与えられる制御信号Caに基づいて切り替えられる。第2スイッチング素子SW2がオンした状態、すなわち第2スイッチング素子SW2を構成するTFTが導通状態に切り替わった状態にて、上記信号線駆動回路SDが第2信号線Sj+1に画像信号Vsigを出力すると、画像信号Vsigは、信号線Sj+1及び第2スイッチング素子SW2を介して第2画素電極PE2に与えられる。
【0040】
なお、図示しないが、第1画素PX1及び第2画素PX2を含む一列の複数の画素PXにおいて、奇数行目の画素PXのスイッチング素子SWは第1信号線Sjに接続され、偶数行目の画素PXのスイッチング素子SWは第2信号線Sj+1に接続されている。
【0041】
共通電極CEは、第1画素PX1及び第2画素PX2を含む複数の画素PXで共用されている。共通電極CEには、駆動部DRからコモン電圧Vcomが与えられる。液晶層30には、第1画素電極PE1と共通電極CEとの間に印加される電圧や、第2画素電極PE2と共通電極CEとの間に印加される電圧がかかる。
【0042】
補助電極AEは、第1画素PX1及び第2画素PX2を含む複数の画素PXで共用されている。補助電極AEには、駆動部DRから補助信号ASが与えられる。本実施形態において、補助信号ASの電圧値は、コモン電圧Vcomの値と同一である。補助電極AEは、各々の画素電極PEと静電容量結合している。例えば、補助電極AE及び各々の画素電極PEは、コンデンサCOを形成している。
【0043】
第1画素PX1に接続されている第1信号線Sjと、第2画素PX2に接続されている第2信号線Sj+1とは、異なっている。そのため、第1走査線Gi及び第2走査線Gi+1に与える制御信号Caのレベルを同時にオンレベルに切り替えることにより、第1スイッチング素子SW1及び第2スイッチング素子SW2を含む2行の複数の画素PXの複数のスイッチング素子SWをオンすることができ、2行の複数の画素PXの複数の画素電極PEに画像信号Vsigを、同時に、独立して与えることができる。
【0044】
図5は、表示装置DSPの表示パネルPNLの一部を示す平面図であり、
図4に示した2個の第1画素PX1及び第2画素PX2を示す図である。なお、
図5において、後述する遮光層BMの図示は省略している。
図5に示すように、第1走査線Giは、第1方向Xに延在している。第1信号線Sjは、第2方向Yに延在し、第1走査線Giと交差している。第2走査線Gi+1は、第1方向Xに延在し、第1信号線Sjと交差し、第2方向Yに第1走査線Giに間隔を置いて位置している。第2信号線Sj+1は、第2方向Yに延在し、第1走査線Gi及び第2走査線Gi+1と交差し、第1方向Xに第1信号線Sjに間隔を置いて位置している。
【0045】
第1信号線Sjは、複数の連結部LC及び複数の線部LIを有している。各々の線部LIは、走査線Gの間に位置している。例えば、第1信号線Sjは、第1連結部LC1、第1線部LI1、第2連結部LC2、及び第2線部LI2を有している。第1連結部LC1は、第2方向Yに延在している。第1線部LI1は、第2方向Yに延在し、第1連結部LC1に電気的に接続されている。第2連結部LC2は、第2方向Yに延在している。第2線部LI2は、第2方向Yに延在し、第1走査線Giと第2走査線Gi+1との間に位置し、第1連結部LC1及び第2連結部LC2に電気的に接続されている。
【0046】
第1線部LI1及び第2線部LI2は、それぞれ、単個の本線部LM及び2個の接続部LNを含んでいる。本線部LMは、第2方向Yに延在している。接続部LNは、本線部LMから連続的に設けられ、連結部LCに重ねられ、連結部LCに電気的に接続されている。
【0047】
第2信号線Sj+1は、第1信号線Sjと同様に構成され、複数の連結部LC及び複数の線部LIを有している。例えば、第2信号線Sj+1は、第1連結部LC1、第1線部LI1、第2連結部LC2、及び第2線部LI2を有している。なお、残りの信号線Sも、第1信号線Sj及び第2信号線Sj+1と同様に構成されている。
【0048】
複数の走査線G及び複数の線部LIは、同一の材料で形成され、かつ、複数の連結部LCを形成する材料と異なる材料で形成されている。複数の走査線G及び複数の線部LIのそれぞれの電気抵抗値は、複数の連結部LCのそれぞれの電気抵抗値より低い。走査線G、線部LI、及び連結部LCは、Al(アルミニウム)、Ti(チタン)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、銅(Cu)、クロム(Cr)などの金属材料や、これらの金属材料を組み合わせた合金などによって形成され、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。また、同一の材料で同じ絶縁膜上に形成される複数の走査線G及び複数の線部L1を含む金属部分を第2導電層という事も出来る。
【0049】
本実施形態において、連結部LCは、MoW(モリブデン・タングステン)で形成されている。但し、上述したように、連結部LCは、Moなどの他の金属で形成されていてもよい。
ここで連結部LCと同一の材料で同じ絶縁膜上に形成される金属部分を第1導電層という事も出来る。
また、本実施形態において、走査線G及び線部LIは、それぞれTATで形成されていてもよい。上記TATとは、三層積層構造(Ti系/Al系/Ti系)を有し、Ti、Tiを含む合金などTiを主成分とする金属材料からなる下層と、Al、Alを含む合金などAlを主成分とする金属材料からなる中間層と、Ti、Tiを含む合金などTiを主成分とする金属材料からなる上層と、を有している。但し、上述したように、走査線G及び線部LIは、MAMなどのTAT以外の金属で形成されていてもよい。上記MAMとは、三層積層構造(Mo系/Al系/Mo系)を有し、Mo、Moを含む合金などMoを主成分とする金属材料からなる下層と、Al、Alを含む合金などAlを主成分とする金属材料からなる中間層と、Mo、Moを含む合金などMoを主成分とする金属材料からなる上層と、を有している。
【0050】
そこで、第2方向Yにおいて、線部LIの長さL1を、連結部LCの長さL2より大きくしている。ここで、第2方向Yにおいて、第1線部LI1(線部LI)と第1走査線Gi(走査線G)との間の間隔をDIとする。線部LIの長さL1は大きい方が望ましいため、間隔DIは、0.5乃至10μm範囲内である、より好ましくは1.0乃至2.0μmである方が望ましい。そのため、信号線Sの電気抵抗値(配線抵抗)の低減に寄与することができる。なお、間隔DIの数値は、一例であり、間隔DIは10μmを超える値であってもよい。
【0051】
また、第1方向Xにおいて、連結部LCの幅W1を、本線部LMの幅W2より大きくしている。これにより、信号線Sの電気抵抗値(配線抵抗)の低減にさらに寄与することができる。
【0052】
本実施形態において、
図1に示した第1接続配線CW1は、走査線G及び線部LIと同一の材料で形成されている。本実施形態において、第2接続配線CW2は、連結部LCと同一の材料で形成されている。また、これに限らず複数の第1接続配線CW1は、連結部LCと同一の材料で形成されてもよい。
【0053】
第1走査線Giは、第1信号線Sj及び第2信号線Sj+1などの複数の信号線Sの第1連結部LC1と交差している。第2走査線Gi+1は、第1信号線Sj及び第2信号線Sj+1などの複数の信号線Sの第2連結部LC2と交差している。
【0054】
第1スイッチング素子SW1は、ゲート電極GE1、第1電極Ea1、及び第2電極Ea2の他、半導体層SCを有している。第1スイッチング素子SW1において、半導体層SCは、第1信号線Sjの第1線部LI1に電気的に接続されている。ゲート電極GE1は、半導体層SCに対向し、第1走査線Giに電気的に接続されている。第1電極Ea1は、半導体層SCと対向し、半導体層SCに接続されている。本実施形態において、第1電極Ea1は、第1信号線Sjの第1線部LI1と一体に形成されている。第2電極Ea2は、半導体層SCと対向し、半導体層SCに接続されている。第1方向Xにおいて、ゲート電極GE1は、実質的に第1電極Ea1と第2電極Ea2との間に位置している。
【0055】
第2スイッチング素子SW2は、ゲート電極GE2、第1電極Eb1、及び第2電極Eb2の他、半導体層SCを有している。第2スイッチング素子SW2において、半導体層SCは、第2信号線Sj+1の第2線部LI2に電気的に接続されている。ゲート電極GE2は、半導体層SCに対向し、第2走査線Gi+1に電気的に接続されている。第1電極Eb1は、半導体層SCと対向し、半導体層SCに接続されている。本実施形態において、第1電極Eb1は、第2信号線Sj+1の第2線部LI1と一体に形成されている。第2電極Eb2は、半導体層SCと対向し、半導体層SCに接続されている。第1方向Xにおいて、ゲート電極GE2は、実質的に第1電極Eb1と第2電極Eb2との間に位置している。
【0056】
各々のスイッチング素子SWにおいて、ゲート電極GEは、第2方向Yに延在している。ゲート電極GE及び連結部LCは、同一の材料で形成されている。本実施形態において、ゲート電極GEは、MoWで形成されている。第2方向Yにおいて、第1信号線Sjの第1連結部LC1は、第1スイッチング素子SW1の半導体層SCより第1走査線Gi側の領域に位置している。第2方向Yにおいて、第2信号線Sj+1の第2連結部LC2は、第2スイッチング素子SW2の半導体層SCより第2走査線Gi+1側の領域に位置している。
各々のスイッチング素子SWにおいて、第2電極(Ea2,Eb2)は、走査線G及び複数の線部LIと同一の材料で形成されている。
【0057】
補助電極AEは、少なくとも表示領域DAの全域に設けられ、複数の画素PXで共用されている。補助電極AEは、複数のスイッチング素子SW、複数の走査線G、及び複数の信号線Sと対向している。補助電極AEは、複数の第1開口OP1及び複数の第2開口OP2を有している。第1開口OP1は、スイッチング素子SWの第2電極(Ea2,Eb2)と対向している。
【0058】
第1開口OP1は、スイッチング素子SWと画素電極PEとの接続に利用される。第2開口OP2は、隣り合う2本の走査線G及び隣り合う2本の信号線Sで囲まれた領域に設けられている。第2開口OP2は、補助電極AEと画素電極PEとの間に形成される容量の値を調整するために設けられている。第2開口OP2無しに補助電極AEを形成したり、第2開口OP2のサイズを小さくしたりして、上記容量を増やしてもよい。又は、第2開口OP2のサイズを大きくし、上記容量を減らしてもよい。但し、第2開口OP2のサイズを大きくする場合であっても、補助電極AEは、複数のスイッチング素子SW、複数の走査線G、及び複数の信号線Sと対向している方が望ましい。これにより、走査線G及び信号線Sの電位が画素電極PEに影響を与えないよう補助電極AEでシールドすることができる。
【0059】
第1画素電極PE1及び第2画素電極PE2は、第1信号線Sjと第2信号線Sj+1との間に位置している。第1走査線Giは、第1画素電極PE1と第2画素電極PE2との間に位置している。本実施形態において、画素電極PEは、四角形の形状を有し、実質的に、隣り合う2本の走査線G及び隣り合う2本の信号線Sで囲まれた領域に設けられている。各々の画素電極PEは、単個の第1開口OP1及び単個の第2開口OP2と対向している。
【0060】
次に、表示パネルPNLの断面構造について説明する。
図6は、
図5の表示パネルPNLを線VI-VIに沿って示す断面図である。
図6に示すように、第1基板SUB1は、透明基板10、絶縁層11,12,13,14,15、第1スイッチング素子SW1、信号線S、補助電極AE、金属層ME1、画素電極PE、及び配向膜AF1を備えている。透明基板10は、絶縁性を有する透明基板としてガラス基板を利用することができる。但し、透明基板10にガラス基板以外の基板を利用してもよい。例えば、透明基板10は樹脂基板であってもよい。
【0061】
透明基板10の上に、絶縁層11、12、13、14、及び15が順に配置されている。絶縁層11、12、13、及び15は、シリコン酸化物やシリコン窒化物などの無機絶縁層、又はそれらの積層体で形成されている。絶縁層14は、有機絶縁層で形成されている。
【0062】
半導体層SCは、絶縁層11の上に位置し、絶縁層12で覆われている。ゲート電極GE1は、絶縁層12の上に位置し、半導体層SCと対向し、絶縁層13で覆われている。信号線S及び第2電極Ea2は、絶縁層13の上に位置し、絶縁層14で覆われている。第1電極Ea1(第1信号線Sj)は、絶縁層12及び絶縁層13に形成されたコンタクトホールを通り半導体層SCにコンタクトしている。第2電極Ea2は、絶縁層12及び絶縁層13に形成された他のコンタクトホールを通り半導体層SCの他の領域にコンタクトしている。
【0063】
絶縁層14は、信号線S及びスイッチング素子SWが配置される領域を覆い、信号線S及びスイッチング素子SWが配置されていない領域を覆っていない。言い換えると、絶縁層14は、画素PXのうち、光を透過しない領域に配置され、光を透過する領域に配置されていない。そのため、絶縁層14による光の吸収を防止することができる。また、絶縁膜14は平面視おいて走査線G及び信号線Sに重なった部分に形成され、走査線G及び信号線Sで囲われた領域の大部分において形成されていないため、平面視において格子形状で形成されている、という事も出来る。
【0064】
補助電極AEは、絶縁層13及び絶縁層14の上に位置している。補助電極AEの第1開口OP1は、第2電極Ea2と対向している。補助電極AEは、ITOなどの透明な導電材料によって形成されている。金属層ME1は、補助電極AEの上に位置し、補助電極AEに接している。金属層ME1は、第1方向Xに隣り合う画素電極PEの間に位置している。また、金属層ME1は、第1方向Xに隣り合う2本の信号線Sと対向し、これらの信号線Sに沿って延在している。例えば、金属層ME1は、ストライプ状の形状を有し、第2方向Yに延在している。金属層ME1は、補助電極AE及び金属層ME1の接合体の低抵抗化に寄与している。
【0065】
補助電極AE及び金属層ME1は、絶縁層15で覆われている。画素電極PEは、絶縁層15の上に位置し、配向膜AF1で覆われている。第1画素電極PE1は、第1開口OP1の内側に位置し絶縁層14及び絶縁層15に形成されたコンタクトホールを通り、第2電極Ea2にコンタクトしている。補助電極AE、絶縁層15、及び画素電極PEは、コンデンサCOを形成している。
【0066】
図5及び
図6に示すように、第1走査線Giは、絶縁層13に形成されたコンタクトホールCH1を通りゲート電極GE1にコンタクトしている。第2走査線Gi+1は、絶縁層13に形成されたコンタクトホールCH2を通りゲート電極GE2にコンタクトしている。
また、第2開口OP2の内側において、絶縁層15は絶縁層14に接している。
【0067】
補助電極AE及び画素電極PEは、ITOなどの光透過性の導電材料によって形成されている。
【0068】
第2基板SUB2は、透明基板20、遮光層BM、オーバーコート層OC、共通電極CE、及び配向膜AF2を備えている。透明基板20は、絶縁性を有する透明基板としてガラス基板を利用することができる。但し、透明基板20にガラス基板以外の基板を利用してもよい。例えば、透明基板20は樹脂基板であってもよい。
【0069】
遮光層BM及びオーバーコート層OCは、透明基板20の第1基板SUB1と対向する側に位置している。遮光層BMは、透明基板20とオーバーコート層OCとの間に位置している。遮光層BMは、第1遮光部BM1と、第3遮光部BM3と、を有している。第1遮光部BM1は、上記隣り合う2本の信号線S及び金属層ME1と対向し、これらの信号線S及び金属層ME1に沿って延在している。第3遮光部BM3は、スイッチング素子SWと対向し、第1遮光部BM1と一体に形成されている。オーバーコート層OCは、透明な樹脂によって形成されている。共通電極CE及び配向膜AF2は、オーバーコート層OCの第1基板SUB1と対向する側に順に配置されている。
【0070】
遮光層BMを設けることで表示装置の透明度は若干低下する可能性がある。しかしながら、遮光層BMを設けることで表示のコントラストが向上する。ただし、遮光層BMについては、表示装置の透明度を向上させるために第2基板SUB2に遮光層BMを形成しない構造であってもよい。
【0071】
上述した第1基板SUB1及び第2基板SUB2は、第1配向膜AF1及び第2配向膜AF2が対向するように配置されている。図示しないが、スペーサは、第1基板SUB1及び第2基板SUB2の間に配置されている。これにより、第1配向膜AF1と第2配向膜AF2との間に所定のセルギャップが形成される。但し、スペーサとして、セルギャップを形成するメインスペーサの他に、表示パネルPNLに対して外部応力が加わっていない定常状態で一方の基板に接触していないサブスペーサが含まれていてもよい。セルギャップは、例えば2乃至5μmである。
【0072】
液晶層30は、第1基板SUB1及び第2基板SUB2の間に位置し、第1配向膜AF1と第2配向膜AF2との間に保持されている。液晶層30は、第1基板SUB1及び第2基板SUB2とともに複数の画素PXを構成している。
【0073】
液晶層30は、第1画素電極PE1と共通電極CEとの間に印加される電圧がかかることにより入射される光を透過する透明状態及び入射される光を散乱する散乱状態に部分的に切替えられるように構成されている。また、液晶層30は、さらに、
図5に示した第2画素電極PE2と共通電極CEとの間に印加される電圧がかかることにより入射される光を透過する透明状態及び入射される光を散乱する散乱状態に部分的に切替えられるように構成されている。
【0074】
図7は、
図5の表示パネルPNLを線VII-VIIに沿って示す断面図である。
図7に示すように、第1走査線Giは、第1信号線Sjの第1線部LI1及び第2線部LI2と同層に設けられている。なお、図示しないが、第1走査線Giは、第2信号線Sj+1などの各々の信号線Sの第1線部LI1及び第2線部LI2と同層に設けられている。また、上記第2走査線Gi+1などの各々の走査線Gも、第1信号線Sj、第2信号線Sj+1などの各々の信号線Sの第1線部LI1及び第2線部LI2と同層に設けられている。
【0075】
上記第1連結部LC1、第2連結部LC2などの連結部LCは、ゲート電極GEと同層に設けられている。絶縁層13は、第1連結部LC1と第1走査線Giとの間に介在している。なお、絶縁層13は、複数個所にて、連結部LCと走査線Gとの間に介在している。例えば、絶縁層13は、第1信号線Sjの第2連結部LC2と第2走査線Gi+1との間、第2信号線Sj+1の第1連結部LC1と第1走査線Giとの間、及び第2信号線Sj+1の第2連結部LC2と第2走査線Gi+1との間、にさらに介在している(
図5及び
図7)。
【0076】
第1電極Ea1(第1信号線Sj)は、絶縁層12及び絶縁層13に形成されたコンタクトホールを通り半導体層SCにコンタクトしている。線部LIの接続部LNは、絶縁層13に形成されたコンタクトホールを通り連結部LCにコンタクトしている。例えば、第1信号線Sjの第1線部LI1の接続部LNは、絶縁層13に形成されたコンタクトホールを通り第1連結部LC1にコンタクトしている。第1信号線Sjの第2線部LI2の接続部LNは、絶縁層13に形成されたコンタクトホールを通り第1連結部LC1にコンタクトしている。
第1走査線Gi、第1線部LI1及び第2線部LI2は、絶縁層13の第1面13aに接している。絶縁層13の第1面13aと反対側の第2面13bは、第1連結部LC1に接している。
【0077】
図5及び
図7に示すように、絶縁層14は、信号線S及びスイッチング素子SWが配置される領域だけではなく走査線Gが配置される領域をさらに覆っている。絶縁層14のうち、隣り合う2本の信号線Sに重畳し走査線Gに重畳していない領域における第1方向Xの幅は、走査線Gに重畳し信号線Sに重畳していない領域における第2方向Yの幅より大きい。
【0078】
金属層ME2は、補助電極AEの上に位置し、補助電極AEに接している。金属層ME2は、第2方向Yに隣り合う画素電極PEの間に位置している。また、金属層ME2は、走査線Gと対向し、走査線Gに沿って延在している。例えば、金属層ME2は、ストライプ状の形状を有し、第1方向Xに延在している。本実施形態において、金属層ME2の第2方向Yの幅は、金属層ME1の第1方向Xの幅より狭い。金属層ME2は、補助電極AE、金属層ME1、及び金属層MEの接合体の低抵抗化に寄与している。金属層ME2は、絶縁層15で覆われている。信号線Sに平行に第2方向Yに延出する金属層(金属配線)ME1と、走査線Gに平行に第1方向Xに延出する金属層(金属配線)ME2は互いに接続されており平面視において、絶縁層14同様の格子形状を形成するという事も出来る。さらには絶縁層14がスイッチング素子SWを覆う部分に形成されるように、金属層ME1若しくは金属層ME2はその線幅を変更させスイッチング素子SWを覆う絶縁層14上に形成されるものであっても良い。また金属層ME1及び金属層ME2は絶縁層14の上面(第2面14b)に形成されるに限らず、絶縁層14の側面部に形成される構造であっても良い。
【0079】
遮光層BMは、第2遮光部BM2をさらに有している。第2遮光部BM2は、走査線G及び金属層ME2と対向し、これらの走査線G及び金属層ME2に沿って延在している。第2遮光部BM2は、上記第1遮光部BM1及び第3遮光部BM3と一体に形成されている(
図6及び
図7)。
【0080】
以下に、高分子分散液晶層である液晶層30を備えた表示装置の一構成例について説明する。
図8Aは、透明状態の液晶層30を模式的に示す図である。
図8Aに示すように、液晶層30は、液晶性ポリマー31及び液晶性分子32を含んでいる。液晶性ポリマー31は、例えば、液晶性モノマーが配向膜AF1及びAF2の配向規制力によって所定の方向に配向した状態で高分子化されることによって得られる。液晶性分子32は、液晶性モノマー内に分散されており、液晶性モノマーが高分子化された際に、液晶性モノマーの配向方向に依存して所定の方向に配向される。なお、配向膜AF1及びAF2は、第1方向X及び第2方向Yによって規定されるX-Y平面に沿って液晶性モノマー及び液晶性分子32を配向させる水平配向膜であってもよいし、第3方向Zに沿って液晶性モノマー及び液晶性分子32を配向させる垂直配向膜であってもよい。
【0081】
液晶性分子32は、正の誘電率異方性を有するポジ型であってもよいし、負の誘電率異方性を有するネガ型であってもよい。液晶性ポリマー31及び液晶性分子32は、それぞれ同等の光学異方性を有している。あるいは、液晶性ポリマー31及び液晶性分子32は、それぞれ略同等の屈折率異方性を有している。つまり、液晶性ポリマー31及び液晶性分子32の各々は、常光屈折率及び異常光屈折率が互いに略同等である。なお、常光屈折率及び異常光屈折率のいずれについても、液晶性ポリマー31及び液晶性分子32のそれぞれの値が完全に一致していなくてもよく、製造誤差などに起因したずれは許容される。また、液晶性ポリマー31及び液晶性分子32の各々の電界に対する応答性は異なる。すなわち、液晶性ポリマー31の電界に対する応答性は、液晶性分子32の電界に対する応答性より低い。
【0082】
図8Aに示した例は、例えば、液晶層30に電圧が印加されていない状態(画素電極PEと共通電極CEとの間の電位差がゼロである状態)、あるいは、液晶層30に後述する第2透明電圧が印加された状態に相当する。
【0083】
図8Aに示すように、液晶性ポリマー31の光軸Ax1及び液晶性分子32の光軸Ax2は、互いに平行となる。図示した例では、光軸Ax1及び光軸Ax2は、いずれも第3方向Zに平行である。ここでの光軸とは、偏光方向によらず屈折率が1つの値になるような光線の進行方向と平行な線に相当する。
【0084】
上記の通り、液晶性ポリマー31及び液晶性分子32は略同等の屈折率異方性を有しており、しかも、光軸Ax1及びAx2は互いに平行であるため、第1方向X、第2方向Y、及び第3方向Zを含むあらゆる方向において、液晶性ポリマー31と液晶性分子32との間にほとんど屈折率差がない。このため、第3方向Zにて液晶層30に入射した光L1は、液晶層30内で実質的に散乱されることなく透過する。液晶層30は、光L1の平行度を維持することができる。同様に、第3方向Zに対して傾斜した斜め方向に入射した光L2及びL3についても、液晶層30内でほとんど散乱されることはない。このため、高い透明性が得られる。
図8Aに示した状態を『透明状態』と称する。
【0085】
図8Bは、散乱状態の液晶層30を模式的に示す図である。
図8Bに示すように、上記の通り、液晶性ポリマー31の電界に対する応答性は、液晶性分子32の電界に対する応答性より低い。このため、液晶層30に上記の第2透明電圧及び後述する第1透明電圧の各々より高い電圧(後述の散乱電圧)が印加された状態では、液晶性ポリマー31の配向方向がほとんど変化しないのに対して、液晶性分子32の配向方向は電界に応じて変化する。つまり、図示したように、光軸Ax1は第3方向Zとほとんど平行であるのに対して、光軸Ax2は第3方向Zに対して傾斜している。このため、光軸Ax1及びAx2は、互いに交差する。したがって、第1方向X、第2方向Y、及び第3方向Zを含むあらゆる方向において、液晶性ポリマー31と液晶性分子32との間に大きな屈折率差が生ずる。これにより、液晶層30に入射した光L1乃至L3は、液晶層30内で散乱される。
図8Bに示した状態を『散乱状態』と称する。
上記駆動部DRは、液晶層30を透明状態及び散乱状態の少なくとも一方に切替える。
【0086】
図9Aは、液晶層30が透明状態である場合の表示パネルPNLを示す断面図である。
図9Aに示すように、発光素子LSから出射された照明光L11は、端部20Eから表示パネルPNLに入射し、透明基板20、液晶層30、透明基板10などを伝播する。液晶層30が透明状態である場合、照明光L11は、液晶層30でほとんど散乱されないため、透明基板10の下面10B及び透明基板20の上面20Tからほとんど漏れ出すことはない。
【0087】
表示パネルPNLに入射する外部光L12は、液晶層30でほとんど散乱されることなく透過する。つまり、下面10Bから表示パネルPNLに入射した外部光は上面20Tに透過され、上面20Tから入射した外部光は下面10Bに透過される。このため、表示パネルPNLを上面20T側から観察した場合には、ユーザは、表示パネルPNLを透かして下面10B側の背景を視認することができる。同様に、表示パネルPNLを下面10B側から観察した場合には、表示パネルPNLを透かして上面20T側の背景を視認することができる。
【0088】
図9Bは、液晶層30が散乱状態である場合の表示パネルPNLを示す断面図である。
図9Bに示すように、発光素子LSから出射された照明光L21は、端部20Eから表示パネルPNLに入射し、透明基板20、液晶層30、透明基板10などを伝播する。図示した例では、画素電極PEαと共通電極CEとの間の液晶層30(画素電極PEαと共通電極CEとの間に印加される電圧が印加される液晶層)は透明状態であるため、照明光L21は、液晶層30のうち画素電極PEαと対向する領域でほとんど散乱されない。一方、画素電極PEβと共通電極CEとの間の液晶層30(画素電極PEβと共通電極CEとの間に印加される電圧が印加される液晶層)は散乱状態であるため、照明光L21は、液晶層30のうち画素電極PEβと対向する領域で散乱される。照明光L21のうち、一部の散乱光L211は上面20Tから外部に放出され、また、一部の散乱光L212は下面10Bから外部に放出される。
【0089】
画素電極PEαと重なる位置では、表示パネルPNLに入射する外部光L22は、
図9Aに示した外部光L12と同様に、液晶層30でほとんど散乱されることなく透過する。画素電極PEβと重なる位置では、下面10Bから入射した外部光L23は、その一部の光L231が液晶層30で散乱された後に上面20Tから透過される。また、上面20Tから入射した外部光L24は、その一部の光L241が液晶層30で散乱された後に下面10Bから透過される。
【0090】
このため、表示パネルPNLを上面20T側から観察した場合には、画素電極PEβと重なる位置で照明光L21の色を視認することができる。加えて、一部の外部光L231が表示パネルPNLを透過するため、表示パネルPNLを透かして下面10B側の背景を視認することもできる。同様に、表示パネルPNLを下面10B側から観察した場合には、画素電極PEβと重なる位置で照明光L21の色を視認することができる。加えて、一部の外部光L241が表示パネルPNLを透過するため、表示パネルPNLを透かして上面20T側の背景を視認することもできる。なお、画素電極PEαと重なる位置では、液晶層30が透明状態であるため、照明光L21の色はほとんど視認されず、表示パネルPNLを透かして背景を視認することができる。
【0091】
図10は、液晶層30の散乱特性を示すグラフであり、液晶層30に印加される電圧VLCと輝度との関係を表している。ここでの輝度は、例えば
図9Bに示したように、発光素子LSから出射された照明光L21が液晶層30にて散乱した際に得られる散乱光L211の輝度に相当する。他の観点から言えば、この輝度は、液晶層30の散乱度を表している。
【0092】
図10に示すように、電圧VLCを0Vから上昇させていくと、輝度は8V程度から急峻に上昇し、20V程度で飽和する。なお、電圧VLCが0Vから8Vの間においても、輝度は僅かに上昇する。本実施形態では、2点鎖線で囲った領域、すなわち8Vから16Vの範囲の電圧を各画素PXの階調表現(例えば256階調)に用いる。以下、8V<VLC≦16Vの電圧を『散乱電圧』と呼ぶ。また、本実施形態では、一点鎖線で囲った領域、すなわち0V≦VLC≦8Vの電圧を『透明電圧』と呼ぶ。透明電圧VAは、上述した第1透明電圧VA1及び第2透明電圧VA2を含んでいる。
【0093】
なお、本明細書に記載した電圧値などの数値は例示である。よって、電圧値が本明細書に記載した範囲外となることを否定するものではない。例えば、散乱電圧VB及び透明電圧VAの下限値及び上限値はこの例に限られず、液晶層30の散乱特性に応じて適宜に定め得る。本実施形態と異なるが、例えば、0V≦VLC≦10Vの電圧を『透明電圧』と呼び、10V<VLC≦20Vの電圧を『散乱電圧』と呼ぶ場合もあり得る。
【0094】
ここで、液晶層30に散乱電圧VBを印加した際に液晶層30に入射される光の散乱度が最も高くなる場合の散乱度を100%とする。ここでは、16Vの散乱電圧VBを液晶層30に印加した際の散乱度を100%としている。例えば、透明電圧VAは、散乱度(輝度)が10%未満となる電圧VLCの範囲と定義することができる。あるいは、透明電圧VAは、最低階調に対応する電圧(
図10の例では8V)以下の電圧VLCと定義することもできる。
また、透明電圧VA(第1透明電圧VA1及び第2透明電圧VA2)は、
図10に示した例と異なっていてもよい。例えば、上記第1透明電圧VA1は、散乱度が10%以上50%以下の範囲となる電圧であってもよい。また、上記第2透明電圧VA2は、散乱度が10%未満の範囲となる電圧であってもよい。
【0095】
なお、
図10に示したグラフは、液晶層30に印加する電圧の極性が正極性(+)の場合と、負極性(-)の場合とに適用可能である。後者の場合、電圧VLCは、負極性の電圧の絶対値である。
【0096】
表示装置DSPには、液晶層30に印加する電圧の極性を反転する極性反転駆動を適用することができる。
図11は、極性反転駆動の概要を示す図である。ここでは、一フレーム期間が複数のサブフレーム期間(複数のフィールド期間)を有する駆動方式を表示装置DSPに適用する。このような駆動方式は、例えばフィールドシーケンシャル方式と呼ばれる。
【0097】
図11に示すように、サブフレーム反転駆動方法においては、例えば、一サブフレーム期間ごとに、コモン電圧の極性と、映像信号の極性とが正極性(+)と負極性(-)とで反転される。同じサブフレーム期間において、コモン電圧の極性と映像信号の極性は、例えば逆である。
【0098】
図4及び
図11に示すように、このような駆動方法においては、例えば、走査線駆動回路GD1,GD2が、走査線Gに制御信号Caを与える一サブフレーム期間ごとに、共通電極CEに供給されるコモン電圧Vcomの極性と、信号線駆動回路SD1,SD2,SD3から信号線Sに供給される画像信号Vsigの極性とが反転される。同じ一サブフレーム期間において、コモン電圧Vcomの極性と画像信号Vsigの極性は、例えば逆である。
【0099】
なお、駆動部DRは、サブフレーム反転駆動に限らず、他の極性反転駆動を行ってもよい。例えば、駆動部DRは、フレーム反転駆動を行ってもよい。フレーム反転駆動は、1つの画像データに応じた画像を表示するフレーム期間ごとに液晶層30に印加する電圧を正極性(+)と負極性(-)とで反転する駆動である。又は、駆動部DRは、例えば、2ライン(2行)ごとに液晶層30に印加する電圧を正極性と負極性とで反転する2ライン反転駆動を行ってもよい。
【0100】
次に、画像信号Vsigと、コモン電圧Vcomとの関係について説明する。
図12は、
図11に示したサブフレーム反転駆動を適用した表示駆動において、共通電極CEに供給されるコモン電圧Vcomと、信号線S(あるいは画素電極PE)に供給される画像信号Vsigとの一例を示す図である。
【0101】
図12に示すように、画像信号Vsigに関しては、階調の最大値(max)に相当する波形と、階調の最小値(min)に相当する波形とを示している。ここでは、画像信号Vsig(min)の波形を実線で示し、コモン電圧Vcomの波形を二点鎖線で示し、画像信号Vsig(max)の波形を破線で示している。この図の例において、コモン電圧Vcom及び画像信号Vsig(最大値の波形を参照)は、一サブフレーム期間Psfごとに極性反転している。基準電圧Vsig-cは、例えば8Vである。コモン電圧Vcom及び画像信号Vsigの各々において、下限値は0Vであり、上限値は16Vである。
但し、フレーム反転駆動の場合、コモン電圧Vcomの極性と、画像信号Vsigの極性とは、一フレーム期間毎に反転される。
【0102】
図12に示す例に限らず、後述する
図13の例を含めた極性反転駆動に注目すると、液晶層30に印加する駆動電圧(画素PXに書き込む電圧)が正極性である場合、画像信号Vsigとコモン電圧Vcomとの差(Vsig-Vcom)は0V又は正の電圧値となる。一方、液晶層30に印加する駆動電圧(画素PXに書き込む電圧)が負極性である場合、画像信号Vsigとコモン電圧Vcomとの差(Vsig-Vcom)は0V又は負の電圧値となる。
【0103】
図12に示す極性反転駆動に注目すると、画素PXに正極性の電圧を書き込む期間において、コモン電圧Vcomは0Vとなり、画像信号Vsigは8V以上かつ16V以下の範囲で画像データが示す階調に応じた電圧値となる。一方、画素PXに負極性の電圧を書き込む期間において、コモン電圧Vcomは16Vとなり、画像信号Vsigは0V以上かつ8V以下の範囲で画像データが示す階調に応じた電圧値となる。すなわち、いずれの場合でも、共通電極CEと画素電極PEとの間には、8V以上かつ16V以下の電圧が印加される。
【0104】
図10に示したように、液晶層30に印加される電圧VLCが8Vであっても、言い換えると液晶層30に第1透明電圧VA1が印加されても、液晶層30は0~10%程度の散乱度を有している。したがって、画像信号Vsigを階調の最小値とした場合であっても、表示パネルPNLに入射する外部光は僅かに散乱され、表示パネルPNLの背景の視認性が低下し得る場合がある。
このため、後述するが、画素電極PEと共通電極CEとの間の電圧を例えば階調の下限値よりも小さくする透明駆動(後述するリセット期間における駆動)を画像表示のシーケンスに取り入れることで、表示パネルPNLの背景の視認性を向上させることができる。
【0105】
ここで、信号線駆動回路SD1、SD2,SD3の出力と、コモン電圧Vcomとの関係について説明する。
信号線駆動回路SD1、SD2,SD3の耐電圧が低い場合、液晶印加電圧を高くするためにコモン電圧Vcomを反転駆動させる。この時信号線駆動回路SD1、SD2,SD3は、同時に、正極性の画像信号Vsig(例えば基準電圧Vsig-c~16V)、及び負極性の画像信号Vsig(例えば0V~基準電圧Vsig-c)の何れか一方しか、出力することができない。また、コモン電圧Vcomの極性は、信号線駆動回路SDの出力と反対の極性である。
【0106】
但し、高耐電圧の信号線駆動回路SD1、SD2,SD3を使用する場合、画像信号Vsigとコモン電圧Vcomとの関係は、上述した関係であってもよいが、次の関係であってもよい。すなわち、コモン電圧Vcomは0Vに固定され、信号線駆動回路SD1、SD2,SD3が出力する画像信号Vsigは、正極性時に0~+16Vとなり、負極性時に-16~0Vとなる。
【0107】
図13は、透明駆動におけるコモン電圧Vcomと画像信号Vsigの一例を示す図である。ここでは、画像信号Vsigの波形を実線で示し、コモン電圧Vcomの波形を二点鎖線で示している。
図13に示すように、
図12の例と同じく、コモン電圧Vcomは、一サブフレーム期間Psfごとに0Vと16Vとに交互に切替っている。透明駆動においては、サブフレーム期間Psfごとに、画像信号Vsigの電圧値は、コモン電圧Vcomと一致している(Vsig=Vcom=0V又はVsig=Vcom=16V)。なお、
図13においては、画像信号Vsigとコモン電圧Vcomの図示の関係上、両者を僅かにずらして表している。このため、液晶層30には0Vが印加される。言い換えると、液晶層30には第2透明電圧VA2が印加される。
【0108】
但し、透明駆動における画像信号Vsigは、
図13に示した例に限定されるものではない。例えば、コモン電圧Vcomが0Vとなる期間、画像信号Vsigは0Vを超え8V未満となってもよい(0V<Vsig<8V)。コモン電圧Vcomが16Vとなる期間、画像信号Vsigは8Vを超え16V未満となってもよい(8V<Vsig<16V)。何れにおいても、透明駆動によれば、画像信号Vsigとコモン電圧Vcomとの差の絶対値が8V未満となり、液晶層30を透過する光の平行度が増す。言い換えると、第2透明電圧VA2は0Vに限らず、第2透明電圧VA2の絶対値は8V未満であってもよい。
【0109】
なお、透明駆動では、液晶層30に印加される電圧が階調の下限値(例えば8V)未満となればよく、画像信号Vsigはコモン電圧Vcomと完全に一致しなくてもよい。上記のように、液晶層30に散乱電圧VBを印加した際に液晶層30に入射される光の散乱度が最も高くなる場合の散乱度を100%とする。例えば、第2透明電圧VA2は、散乱度が10%未満となる電圧である方が望ましい。
【0110】
図14は、透明駆動におけるコモン電圧Vcomと画像信号Vsigの他の例を示す図である。ここでは、画像信号Vsigの波形を実線で示し、コモン電圧Vcomの波形を二点鎖線で示している。
図14に示すように、この例では、透明駆動において、コモン電圧Vcom及び画像信号Vsigの極性反転が停止されている。さらに、コモン電圧Vcom及び画像信号Vsigが8V(上述の基準電圧Vsig-c)で一致している。なお、コモン電圧Vcom及び画像信号Vsigは、0Vなど、基準電圧Vsig-c以外の電圧で一致してもよい。また、
図13に示した場合と同様に、第2透明電圧VA2は、散乱度が10%未満となる電圧である方が望ましい。
以上、サブフレーム反転駆動を例に透明駆動を説明したが、他の極性反転駆動にも同様の透明駆動を適用できる。
【0111】
続いて、透明走査を取り入れた表示装置DSPの制御例につき、
図15乃至
図19を参照して説明する。なお、ここでは、駆動方式としてフィールドシーケンシャル方式を表示装置DSPに適用する。各サブフレーム期間においては、赤色、緑色、及び青色の画像がそれぞれ表示される。このように時分割で表示された各色の画像が合わさって、多色表示の画像としてユーザに視認される。
【0112】
図15は、
図3に示したタイミングコントローラTCの一構成例を示す図である。
図15に示すように、タイミングコントローラTCは、タイミング生成部50、フレームメモリ51、ラインメモリ52R、52G、52B、データ変換部53、光源制御部54、アドレス検出部である検出部55などを備えている。
【0113】
フレームメモリ51は、外部から入力される一フレーム分の画像データを記憶する。ラインメモリ52R、52G、52Bは、それぞれ赤色、緑色、及び青色のサブフレームデータを記憶する。各サブフレームデータは、各画素PXに時分割で表示させる赤色、緑色、青色の画像(例えば各画素PXの階調値)を表す。ラインメモリ52R、52G、52Bが記憶する各色のサブフレームデータは、フレームメモリ51が記憶する画像データの1つ先のフレームに相当する。データ変換部53は、ラインメモリ52R、52G、52Bが記憶する各色のサブフレームデータに対してガンマ補正などの各種のデータ変換処理を施して画像信号を生成し、上述の信号線駆動回路SDに出力する。なお、フレームメモリ51にてRGBのデータに振り分けてデータ変換部53にRGBのデータを送るようにタイミングコントローラTCが構成されていてもよい。この場合、ラインメモリ52R、52G、52B無しに、タイミングコントローラTCを構成することも可能である。
【0114】
光源制御部54は、光源制御信号を上述の光源ドライバLSDに出力する。光源ドライバLSDは、光源制御信号に基づいて、発光素子LSR、LSG、LSBを駆動する。発光素子LSR、LSG、LSBは、例えばPWM(Pulse Width Modulation)制御により駆動することができる。すなわち、光源ドライバLSDは、発光素子LSR、LSG、LSBに出力する信号のデューティ比によって、発光素子LSR、LSG、LSBの各々の輝度を調整することができる。
【0115】
タイミング生成部50は、外部から入力される垂直同期信号Vsync及び水平同期信号Hsyncに同期して、フレームメモリ51、ラインメモリ52R、52G、52B、データ変換部53、及び光源制御部54の動作タイミングを制御する。また、タイミング生成部50は、SD制御信号を出力するにより信号線駆動回路SDを制御し、GD制御信号を出力することにより走査線駆動回路GDを制御し、Vcom制御信号を出力することによりVcom回路VCを制御する。
【0116】
検出部55は、外部から入力される一フレーム分の画像データに画像のデータが含まれている場合、画像のデータのアドレスを検出するように構成されている。上記画像としては、表示領域DAの一部に表示されるキャラクタである。上記キャラクタとしては、文字を含む記号、図、アイコンなどが挙げられる。また、画像データにキャラクタのデータが含まれている場合とは、ディジタルデータの全てのビットの少なくとも1個所に0以外のデータを含んでいる場合である。画像のデータのアドレス情報は、データ変換部53に与えられる。
【0117】
このため、タイミングコントローラTCは、外部から入力される画像データに画像のデータが含まれている場合、画像を表示する領域以外の領域の散乱度(透明度)を調整するため、加工した画像信号を生成し、信号線駆動回路SDに出力することができる。加工した画像信号を生成する際は、データ変換部53による演算にて行ったり、タイミングコントローラTCのテーブル56に格納されたデータを利用して行ったり、することができる。
【0118】
ここで、画像(キャラクタ)を表示する領域以外の領域の散乱度(透明度)を調整する例について説明する。
図16に示すように、ユーザは、背景のうちF山を表示装置DSP越しにみているものとする。この場合、表示領域DAに「Mount F」の文字列の画像CRを単に表示した場合、画像CRが背景のF山に重なり、ユーザは画像CRを視認(識別)し難くなる恐れがある。そこで、本実施形態では、画像CRが背景のF山に重なる場合においても、ユーザが画像CRを視認し易くなる技術を提供するものである。又は、背景の影響をユーザが受け難くなる技術を提供するものである。
【0119】
ここで、表示領域DAのうち、画像CRを表示する領域を対象領域OAとする。本実施形態において、画像CRは間隔を置いて並んだ6文字であるため、対象領域OAは不連続な領域である。表示領域DAのうち、少なくとも対象領域OAが位置する行の全域を含む領域を書換え領域RAとする。本実施形態において、書換え領域RAは、対象領域OAの位置する行の全域だけではなく、対象領域OAより端辺En1側のいくつかの行の全域と、対象領域OAより端辺En2側のいくつかの行の全域と、を含んでいる。また、書換え領域RAは、この例では表示領域DAの第2方向Yの中央の領域である。書換え領域RAのうち対象領域OA以外の領域を非対象領域NOAとする。
【0120】
対象領域OAは、階調電圧の所定の電圧以上である散乱電圧VBが与えられている画素に対応する領域である。非対象領域NOAは、第1透明電圧VA1が与えられている画素に対応する領域である。なお、上記第1透明電圧VA1は、階調電圧の階調表現が可能になる付近の所定の範囲の電圧である。表示領域DAのうち書換え領域RA以外の領域を非書換え領域NRAとする。
【0121】
この例では、表示領域DAは、書換え領域RAより端辺En1側の非書換え領域NRA1と、書換え領域RAより端辺En2側の非書換え領域NRA2と、を有している。上記のように、書換え領域RAの画素には散乱電圧VB又は第1透明電圧VA1が与えられ、非書換え領域NRA1,NRA2の画素には第2透明電圧VA2が与えられる。
【0122】
図17には、表示パネルPNLのうち説明に必要な部分のみを示している。また、
図17には、光路を示し、光が液晶層30で拡散される様子や、光の平行度が液晶層30で維持される様子も示している。
図18には、
図17に示した複数の画素の等価回路を示しており、走査線Ga,Gb、信号線S、スイッチング素子SWA,SWB,SWC、及び画素電極PEA,PEB,PECの接続関係を示している。なお、
図18において、液晶層30及び共通電極CEの図示を省略している。
【0123】
図17及び
図18に示すように、複数の画素電極PEは、上記対象領域OAに位置する画素電極PEAと、上記非対象領域NOAに位置する画素電極PEBと、上記非書換え領域NRA2(NRA)に位置する画素電極PECと、を含んでいる。ここで、書換え領域RAに位置する画素PXのための走査線Gを走査線Gaとする。また、非書換え領域NRAに位置する画素PXのための走査線Gを走査線Gbとする。
【0124】
画素電極PEA及び画素電極PEBの各々は、複数の走査線Gaのうち対応する1本の走査線Gaに電気的に接続されている。例えば、画素電極PEAと画素電極PEBとは、同一の1本の走査線Gaに電気的に接続されている。画素電極PECは、複数の走査線Gbのうち対応する1本の走査線Gbに電気的に接続されている。各々のスイッチング素子SWにおいて、ゲート電極は対応する1本の走査線Gに接続され、ソース電極及びドレイン電極の一方は対応する1本の信号線Sに接続され、それらの他方は対応する画素電極PEに接続されている。
【0125】
液晶層30(表示機能層)は、画素電極PEAと共通電極CEとの間に印加される電圧がかかる液晶層30Aと、画素電極PEBと共通電極CEとの間に印加される電圧がかかる液晶層30Bと、画素電極PECと共通電極CEとの間に印加される電圧がかかる液晶層30Cと、を含んでいる。本実施形態において、液晶層30Aは画素電極PEAと共通電極CEとに挟まれ、液晶層30Bは画素電極PEBと共通電極CEとに挟まれ、液晶層30Cは画素電極PECと共通電極CEとに挟まれている。
【0126】
複数の画素PXは、画素PXA、画素PXB、及び画素PXCを含んでいる。画素PXAは、スイッチング素子SWA、スイッチング素子SWAに接続された画素電極PEA、液晶層30Aなどを含んでいる。画素PXBは、スイッチング素子SWB、スイッチング素子SWBに接続された画素電極PEB、液晶層30Bなどを含んでいる。画素PXCは、スイッチング素子SWC、スイッチング素子SWCに接続された画素電極PEC、液晶層30Cなどを含んでいる。
【0127】
液晶層30(液晶層30A、液晶層30B、及び液晶層30C)は、上記散乱電圧VBが印加された場合に入射される光を散乱させ、第1透明電圧VA1が印加された場合に入射される光の平行度を維持し、第2透明電圧VA2が印加された場合に入射される光の平行度を維持する。
【0128】
上記第2透明電圧VA2が印加された場合に液晶層30を透過する光の平行度は、上記第1透明電圧VA1が印加された場合に液晶層30を透過する光の平行度より高い。上記第1透明電圧VA1が印加された場合に液晶層30を透過する光の平行度は、上記散乱電圧VBが印加された場合に液晶層30を透過する光の平行度より高い。
また、上記散乱電圧VBが印加された場合に液晶層30を透過する光の散乱度は、上記第1透明電圧VA1が印加された場合に液晶層30を透過する光の散乱度より高い。上記第1透明電圧VA1が印加された場合に液晶層30を透過する光の散乱度は、上記第2透明電圧VA2が印加された場合に液晶層30を透過する光の散乱度より高い。
【0129】
図16乃至
図18に示すように、表示領域DAの対象領域OAに画像CRを表示する際、本実施形態の上記駆動部DRは、対象領域OAに画像CRを表示し、非対象領域NOAを透明にし、非書換え領域NRAを透明にする。非書換え領域NRAの透明度は、非対象領域NOAの透明度より高い。本実施形態において、液晶層30はリバース型高分子分散液晶を利用しているため、第1透明電圧VA1は第2透明電圧VA2より高くなり、散乱電圧VBは第1透明電圧VA1より高くなる。但し、本実施形態と異なり、液晶層30がノーマル型高分子分散液晶を利用している場合、第1透明電圧VA1は散乱電圧VBより高くなり、第2透明電圧VA2は第1透明電圧VA1より高くなる。
【0130】
このため、上記制御部は、液晶層30Aに散乱電圧VBを印加し、液晶層30Bに第1透明電圧VA1を印加し、液晶層30Cに第2透明電圧VA2を印加する。対象領域OAに画像CRを表示する期間のうちの一フレーム期間に注目すると、上記駆動部DRは、光源ユニットLUを駆動して液晶層30に光を照射させ、液晶層30に光が照射される期間に、液晶層30Aに散乱電圧VBを印加し、液晶層30Bに第1透明電圧VA1を印加し、液晶層30Cに第2透明電圧VA2を印加する。
【0131】
画像CRの色(対象領域OAに表示する色)は、光源ユニットLUが発する色に基づくこととなる。このため、上記駆動部DRは、画像CRの色を、光源ユニットLUが発する単色としたり、光源ユニットLUが発する複数色の混色としたり、することができる。また、画像CRを全て単色で表示したり、画像CRを部分毎に色を異ならせて表示したり、することも可能である。
【0132】
液晶層30Aの光の散乱度は、液晶層30B及び液晶層30Cのそれぞれの光の散乱度より高い。液晶層30Aは散乱状態となる。このため、表示パネルPNL越しに背景をみた場合、対象領域OAにおいて、背景の視認性を最も低下させることができる。
一方、液晶層30Cを通る光の平行度は、液晶層30A及び液晶層30Bのそれぞれを通る光の平行度より高い。液晶層30Cは第2透明状態となる。このため、表示パネルPNL越しに背景をみた場合、非書換え領域NRAにおける背景の視認性が最も良好となる。
【0133】
また、液晶層30Bも第1透明状態となる。但し、液晶層30Bを透過する光の散乱度は、液晶層30Cを透過する光の散乱度より高い。表示パネルPNL越しに背景をみた場合、非対象領域NOAにおいては背景をぼかすことができ、非対象領域NOAにおける背景の視認性を低下させることができるため、ユーザは画像CRを視認し易くなる。
【0134】
図19は、本実施形態の表示装置DSPの表示動作の一例を示すタイミングチャートである。
図19に示すように、一フレームの開始時に、垂直同期信号Vsyncが立ち下がる。すなわち、この例では、垂直同期信号Vsyncが立ち下がってから、再び立ち下がるまでの時間がフレーム期間(一フレーム期間)Pfに相当する。例えば60Hzで表示装置DSPを駆動する場合、フレーム期間Pfは約16.7msである。
【0135】
フレーム期間Pfは、上述の透明駆動を実行するリセット期間Prと、第1サブフレーム期間PsfRと、第2サブフレーム期間PsfGと、第3サブフレーム期間PsfBと、を含んでいる。各サブフレーム期間Psfは、上述の表示駆動を実行する期間に相当する。この例では、リセット期間Prがフレーム期間Pfの先頭の期間である。リセット期間Pr、第1サブフレーム期間PsfR、第2サブフレーム期間PsfG、及び第3サブフレーム期間PsfBは、この順に続いている。但し、この例とは異なり、リセット期間Prがフレーム期間Pfの先頭の期間ではなく、フレーム期間Pfの最後尾の期間であってもよい。
【0136】
リセット期間Prにおいては、タイミングコントローラTCの制御の下で透明駆動が実行される。すなわち、走査線駆動回路GDは、全ての走査線GにHレベルの制御信号Caを同時に与える。または、走査線駆動回路GDは、Hレベルの制御信号Caを走査線G1から走査線Gnまで順に与えてもよい。
【0137】
さらに、リセット期間Prにおいて、信号線駆動回路SDは、全ての信号線Sに、例えばコモン電圧Vcomと同じ値の画像信号Vsigを与える。このような動作により、全ての画素PXの画素電極PEと共通電極CEとの間に第2透明電圧VA2が書き込まれる。その後、各画素PXの画素電極PEは、次に画像信号Vsigが与えられるまで電気的にフローティング状態となる。したがって、第2透明電圧VA2が書き込まれた画素PXにおいては、次の画像信号Vsigが供給されるまで、第2透明電圧VA2が保持される。
【0138】
第2透明電圧VA2が書き込まれた画素PXにおいては、液晶層30が良好な第2透明状態にあるので、表示パネルPNLの背景の視認性が高まる。本実施形態において、リセット期間Prにおいては、発光素子LSR,LSG,LSBはいずれも消灯している。なお、発光素子LSR,LSG,LSBは、リセット期間Prに消灯している方が望ましいが、リセット期間Prに点灯していてもよい。
リセット期間Prにおいて各信号線S1~S2mに与える画像信号Vsigは、各画素PXに書き込まれる電圧が第2透明電圧VA2となる値であれば、コモン電圧Vcomと同じである必要はない。透明駆動におけるコモン電圧Vcomと画像信号Vsigについては、
図13及び
図14を用いて説明した種々の態様を適用し得る。
【0139】
リセット期間Prにおいて全ての走査線GにHレベルの制御信号Caを一括して与える期間は、駆動期間Pdである。例えば、駆動期間Pdの長さは、5乃至10水平走査期間である。上記のように駆動期間Pdを一定期間確保することにより、画素電極PEの電位及び共通電極CEの電位をそれぞれ所望の値に遷移させることができる。また、図示した例では、駆動期間Pdの直後に第1サブフレーム期間PsfRが到来するため、時間期間に関して、Pr=Pdである。リセット期間Prは、駆動期間Pdの後に、第2透明電圧VA2をさらに保持するための保持期間を含んでもよい。
【0140】
第1サブフレーム期間PsfR、第2サブフレーム期間PsfG、及び第3サブフレーム期間PsfBはこの順に続いているが、この例と異なり、これらのサブフレーム期間Psfの順番は異なっていてもよい。各サブフレーム期間Psfにおいては、タイミング生成部50がフレームメモリ51、ラインメモリ52R、52G、52B、データ変換部53をデータ同期信号により制御したり、検出部55及びテーブル56を利用したりして、各色の表示駆動を実行させる。
【0141】
第1サブフレーム期間PsfRは、駆動期間PdRと、保持期間PhRとを含んでいる。駆動期間PdRにおいては、走査線駆動回路GDが、Hレベルの制御信号Caを走査線G1~Gnに2本単位で順に与える。
【0142】
さらに、駆動期間PdRに、信号線駆動回路SDがラインメモリ52Rに記憶された赤色のサブフレームデータ(R_DATA)に応じた画像信号Vsigを各信号線S1~S2mに与える。より具体的には、Hレベルの制御信号Caが供給された2行の各画素PXに対応する階調の画像信号Vsigを一斉に各信号線S1~S2mに与える動作が繰り返される。
【0143】
画像信号Vsigは、選択された画素PXの画素電極PEにスイッチング素子SWを介して与えられ、その後スイッチング素子SWがオフすることで、画素電極PEの電位が保持される。その後、次の2行の複数の画素PXが選択され、同様の駆動が順次行われる。
このような動作により、各画素PXの画素電極PEと共通電極CEとの間に、赤色のサブフレームデータに応じた電圧が書き込まれる。
【0144】
保持期間PhRは、全ての画素PXへの書き込みが完了してから、第2サブフレーム期間PsfGが到来するまでの期間である。この保持期間PhRにおいて、発光素子LSRが赤色の光を照射する。発光素子LSRを点灯させる際、書換え領域RAの全ての画素PXへの書き込みが完了してからマージン期間Pmをはさんで点灯させている。発光素子LSRを点灯させる際、上記マージン期間Pmをはさまなくともよいが、上記マージン期間Pmをはさんだ方が望ましい。なぜなら、液晶の応答期間を確保したりすることができるためである。これにより、赤色の画像が表示領域DAに表示される。
【0145】
第2サブフレーム期間PsfG及び第3サブフレーム期間PsfBにおける動作は、第1サブフレーム期間PsfRと同様である。複数の画素PXは、2行単位で駆動される。
第2サブフレーム期間PsfGは駆動期間PdGと保持期間PhGを含み、駆動期間PdGにおいて書換え領域RAの画素PXにラインメモリ52Gが記憶する緑色のサブフレームデータ(G_DATA)に応じた電圧が書き込まれる。その際、非書換え領域NRAの画素PXに第2透明電圧VA2が印加されている状態に保持し、対象領域OAの画素PXに散乱電圧VBを印加し、非対象領域NOAの画素に第1透明電圧VA1を印加する。保持期間PhGにおいて発光素子LSGが緑色の光を照射する。これにより、緑色の画像が表示領域DAに表示される。
【0146】
また、第3サブフレーム期間PsfBは駆動期間PdBと保持期間PhBを含み、駆動期間PdBにおいて書換え領域RAの画素PXにラインメモリ52Bが記憶する青色のサブフレームデータ(B_DATA)に応じた電圧が書き込まれ、保持期間PhBにおいて発光素子LSBが青色の光を照射する。これにより、青色の画像が表示領域DAに表示される。
【0147】
あるフレーム期間Pfにおいて、次のフレーム期間Pfで表示する画像データがフレームメモリ51に書き込まれる。さらに、画素PXへの書き込みが完了したラインメモリ52R、52G、52Bのサブフレームデータが、フレームメモリ51に書き込まれた画像データに対応するサブフレームデータにそれぞれ書き換えられる。
【0148】
第1サブフレーム期間PsfR、第2サブフレーム期間PsfG、及び第3サブフレーム期間PsfBにおいて時分割で表示された赤色、緑色、及び青色の画像が混合されることで、多色表示の画像CRとしてユーザに視認される。また、リセット期間Prにおいては、各画素PXの画素電極PEと共通電極CEとの間に、第2透明電圧VA2が印加される。このようなリセット期間Prを一フレーム期間Pf毎に1回設けることで、表示領域DAの透明性が高まり、表示領域DAの背景の視認性が向上する。なお、リセット期間Prを、上述したように、複数のフレーム期間Pf毎に1回設けてもよい。又は、リセット期間Prと一サブフレーム期間Psfとを交互に設けてもよい。又は、リセット期間Prと複数のサブフレーム期間Psfとを交互に設けてもよい。画像の焼き付きなどの表示不良を抑制する観点からは、リセットの頻度は高い方がよい。
【0149】
リセット期間Prを調整する際、上述したように画素電極PEの電位及び共通電極CEの電位が所望の値に遷移するまでの期間だけではなく、表示領域DAの透明性を考慮してもよい。
【0150】
フレーム期間Pfにおいてリセット期間Prが占める割合が大きいほど表示領域DAの透明性が高まるが、画像の視認性が低下し得る。これらを考慮し、リセット期間Prの長さは、例えば一フレーム期間Pfの長さの1/2以下とすることが好ましい。但し、透明性を重視する場合などには、フレーム期間Pfに占めるリセット期間Prの割合をより大きくしてもよい。第1サブフレーム期間PsfR、第2サブフレーム期間PsfG、及び第3サブフレーム期間PsfBは、例えば同じ長さとすることができる。第1サブフレーム期間PsfR、第2サブフレーム期間PsfG、及び第3サブフレーム期間PsfBの比率を異ならせることで、表示画像の色度を調整してもよい。
【0151】
次に、
図19の表示動作を利用して
図16のように画像CRを表示する際の一フレーム期間の表示動作について説明する。
図16乃至
図19に示すように、上記駆動部DRは、リセット期間Prに、第1液晶層30A、第2液晶層30B、及び第3液晶層30Cにそれぞれ第2透明電圧VA2を印加し、光源ユニットLUを液晶層30に光を照射しない消灯状態に切替える。上記駆動部DRは、第1サブフレーム期間PsfR、第2サブフレーム期間PsfG、及び第3サブフレーム期間PsfBの全ての期間に、第2液晶層30Bに第1透明電圧VA1を印加し、第3液晶層30Cに第2透明電圧VA2が印加されている状態に保持する。上記駆動部DRは、第1サブフレーム期間PsfR、第2サブフレーム期間PsfG、及び第3サブフレーム期間PsfBの一以上のサブフレーム期間に、液晶層30Aに散乱電圧VBを印加する。
【0152】
ここで、上記表示動作に極性反転駆動を適用した場合について説明する。
図16乃至
図19に示すように、散乱電圧VBは、正極性の散乱電圧と、負極性の散乱電圧と、を有している(
図12)。正極性の散乱電圧とは、例えば8~16Vであり、負極性の散乱電圧とは例えば-16~-8Vである。対象領域OAに画像CRを表示する際、上記駆動部DRは、一サブフレーム期間Psf毎に、正極性の散乱電圧VBと負極性の散乱電圧VBとを液晶層30Aに交互に印加する。この際、上記駆動部DRは、一サブフレーム期間Psf毎に、正極性の第1透明電圧VA1と負極性の第1透明電圧VA1とを液晶層30Bに交互に印加する。
【0153】
正極性の第1透明電圧VA1及び負極性の第1透明電圧VA1の絶対値は、それぞれ、正極性の散乱電圧VBの最大値の半分であり、負極性の散乱電圧VBの絶対値の最大値の半分である。例えば
図12に示す例では、正極性の第1透明電圧VA1及び負極性の第1透明電圧VA1の絶対値はそれぞれ8Vであり、正極性の散乱電圧VBの最大値及び負極性の散乱電圧VBの絶対値の最大値は、それぞれ16Vである。例えば、第1透明電圧VA1及び散乱電圧VBが何れの極性であっても、第1透明電圧VA1の絶対値は、散乱電圧VBの絶対値の最大値の半分である。但し、上記の例に限定されるものではなく、正極性及び負極性の第1透明電圧VA1は、散乱度が50%以下の範囲となる電圧であればよい。
【0154】
上記のように構成された第1の実施形態に係る表示装置DSPによれば、表示装置DSPの駆動方式は、フィールドシーケンシャル方式である。上記駆動方式において、一フレーム期間Pfあたり赤色、緑色、及び青色の3色の画像信号Vsigなどを画素PXに高速で書き込む必要がある。
【0155】
そこで、本実施形態において、走査線Gは、連結部LCと同層に設けられていない。走査線Gは、信号線Sの線部LIと同層に設けられ、線部LIと同一の材料で低抵抗に形成されている。信号線Sは、低抵抗な線部LIを基本とし、走査線Gと交差する個所のみ連結部LCを使用している。これにより、信号線Sの抵抗の低減を図っている。
【0156】
走査線Gを連結部LCと同一の材料で形成する場合と比較して、走査線Gの負荷を低減することができる。線部LIを信号線Sの基本とすることで、信号線Sの負荷が大きくなる事態を回避することができる。これにより、高速で画素PXに書き込みを行うことができる。画素電極PEへの画像信号Vsigの書き込み不足を抑制することができるため、表示ムラの発生、コントラストの低下、フリッカの発生などの表示品位の低下を抑制することができる。
【0157】
スイッチング素子SWのゲート電極GEは、連結部LCと同層に設けられ、連結部LCと同一の材料で形成されている。走査線G及び信号線Sを上記のように構成しても、スイッチング素子SWの構成を変更しなくともよい。例えば、半導体層SC及びゲート電極GEの材料を変更しなくともよい。そのため、スイッチング素子SWの電気的特性が変わる事態を回避することができる。また、従前と同様の製造工程にて、スイッチング素子SW、走査線G、及び信号線Sを形成することができる。例えば、走査線G及び信号線Sの形成に第3の配線を新たに使用する必要はない。このため、製造コストの高騰を抑制することができる。
上記のことから、透明状態及び散乱状態の切り替えを良好に行うことが可能な表示装置を得ることができる。
【0158】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
図20は、本実施形態に係る表示装置DSPの表示パネルPNLの一部を示す平面図であり、1個の画素PXを示す図である。
図20に示すように、本実施形態において、信号線Sの替わりに、走査線Gが複数の連結部LC及び複数の線部LIを有している点で上記第1の実施形態と相違している。また、本実施形態において、補助電極AEは、第1開口OP1を有しているが、第2開口OP2を有していない。ただし、
図5に示すように補助電極AEは第2開口部OP2を有するものであっても良い。
【0159】
第1走査線Giなどの走査線Gは、複数の連結部LC及び複数の線部LIを有している。各々の線部LIは、信号線Sの間に位置している。以下、複数の走査線Gを代表して第1走査線Giについて説明する。なお、残りの走査線Gも、第1走査線Giと同様に構成されている。
【0160】
例えば、第1走査線Giは、第1連結部LC1、第1線部LI1、第2連結部LC2、第2線部LI2などを有している。第1連結部LC1は、第1方向Xに延在している。第1線部LI1は、第1方向Xに延在し、第1連結部LC1に電気的に接続されている。第2連結部LC2は、第1方向Xに延在している。第2線部LI2は、第1方向Xに延在し、第1信号線Sjと第2信号線Sj+1との間に位置し、第1連結部LC1及び第2連結部LC2に電気的に接続されている。
線部LIは、それぞれ、単個の本線部LM及び2個の接続部LNを含んでいる。本線部LMは、第1方向Xに延在している。接続部LNは、本線部LMから連続的に設けられ、連結部LCに重ねられ、連結部LCに電気的に接続されている。信号線Sは、連結部LCと交差している。例えば、第1信号線Sjは、第1走査線Giの第1連結部LC1と交差している。連結部LCに注目すると、連結部LCは2本の信号線Sと交差している。
【0161】
複数の信号線S及び複数の線部LIは、同一の材料で形成され、かつ、複数の連結部LCを形成する材料と異なる材料で形成されている。複数の信号線S及び複数の線部LIのそれぞれの電気抵抗値は、複数の連結部LCのそれぞれの電気抵抗値より低い。
本実施形態において、連結部LCは、MoW(モリブデン・タングステン)で形成されている。但し、上述したように、連結部LCは、Moなどの他の金属で形成されていてもよい。また、本実施形態において、信号線S及び線部LIは、それぞれTATで形成されている。但し、信号線S及び線部LIは、MAMなどのTAT以外の金属で形成されていてもよい。
【0162】
第1方向Xにおいて、線部LIの長さL1は、連結部LCの長さL2より大きい。ここで、第1方向Xにおいて、第1線部LI1(線部LI)と第1信号線Sj(信号線S)との間の間隔をDIとする。線部LIの長さL1は大きい方が望ましいため、間隔DIは、0.5乃至10μm範囲内、より好ましくは1.0μm乃至2.0μmである方が望ましい。そのため、走査線Gの電気抵抗値(配線抵抗)の低減に寄与することができる。また、第2方向Yにおいて、連結部LCの幅W1は、本線部LMの幅W2より大きい。
【0163】
ゲート電極GE及び連結部LCは、同一の材料で形成され、同層に設けられている。本実施形態において、ゲート電極GE及び連結部LCは、絶縁層12の上に設けられ、絶縁層13で覆われている(
図6)。また、単個のゲート電極GEと、単個の連結部LCとは、一体に形成されている。例えば、第1スイッチング素子SW1のゲート電極GE1と第1走査線Giの第1連結部LC1とは、一体に形成されている。
また、信号線S及び線部LIは、同層に設けられている。本実施形態において、信号線S及び線部LIは、絶縁層13の上に設けられ、絶縁層14で覆われている(
図6)。絶縁層13は、連結部LCと信号線Sとの間に介在している。
【0164】
図示しないが、本実施形態においても、上記第1の実施形態(
図5)と同様、第1基板SUB1は、第2走査線Gi+1及び第2信号線Sj+1に電気的に接続された第2スイッチング素子SW2、第2スイッチング素子SW2に電気的に接続された第2画素電極PE2などを有している。
また、
図20及び
図6に示すように、第1方向Xにおいて、絶縁層(有機絶縁膜)14は、第1信号線Sj、第2信号線Sj+1などの複数の信号線Sに接している。
図20及び
図7に示すように、第2方向Yにおいて、絶縁層14は、第1走査線Gi(線部LI)、第2走査線Gi+1(線部LI)などの複数の走査線G(線部LI)に接している。第1信号線Sj、第2信号線Sj+1、第1走査線Gi及び第2走査線Gi+1に囲われる領域において、絶縁層14は、第1スイッチング素子SW1と重ならない領域に絶縁層(有機絶縁膜)除去部を有している。
さらに、上記第1の実施形態(
図6)と同様、絶縁層(有機絶縁膜)14は、第1信号線Sj、第2信号線などの複数の信号線Sに接する第1面14aと、第1面14aと反対側の第2面14bと、を有している。金属層(金属配線)ME1は、第2面14bに形成されていてもよい。
【0165】
上記のように構成された第2の実施形態に係る表示装置DSPによれば、走査線Gの線部LIは、信号線Sと同層に設けられ、信号線Sと同一の材料で低抵抗に形成されている。本実施形態において、走査線Gの負荷を低減することができる。信号線Sの負荷が大きくなることはない。そのため、本実施形態においても、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
上記のことから、透明状態及び散乱状態の切り替えを良好に行うことが可能な表示装置を得ることができる。
【0166】
(変形例)
次に、上記第1及び第2の実施形態の変形例について説明する。
図21は、本変形例に係る表示装置DSPの表示パネルPNLの一部を示す断面図である。
図21に示すように、スイッチング素子SWがトップゲート型のTFTではなくボトムゲート型のTFTで構成されている点で、上述した実施形態と異なっている。ゲート電極GEは、絶縁層11の上に設けられ、絶縁層12で覆われている。半導体層SCは、絶縁層12の上に設けられ、絶縁層13で覆われている。半導体層SCは、ゲート電極GEと画素電極PEとの間の層に位置している。
【0167】
この場合、
図5に示す信号線Sの線部LIと連結部LCとの接続は、絶縁膜12及び絶縁膜13に形成されたコンタクトホールを介して接続される。同様に
図20に示すゲート配線Gの線部LIと連結部LCとの接続は絶縁膜12及び絶縁膜13に形成されたコンタクトホールを介して接続されることとなる。
金属層(金属配線)ME1は、第1信号線Sjに重畳する第1端部ME1aと、信号線Sj-1に重畳する第2端部ME1bと、を有している。金属層ME1は、第1信号線Sjと信号線Sj-1との間隔を覆っている。第1画素電極PE1は、第1信号線Sj及び第1端部ME1aに重なっている。
本変形例においても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0168】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。必要に応じて、複数の実施形態を組合せることも可能である。
【0169】
例えば、上述した実施形態では、液晶層30がPDLCを利用している液晶表示装置を及びその駆動方法を例に開示した。しかし、上述した実施形態は、液晶層30がPDLCを利用していない各種の液晶表示装置を及びその駆動方法に適用することも可能である。また、表示装置DSP及びその駆動方法としては、液晶表示装置及びその駆動方法に限定されるものではなく、あらゆる表示装置及びその駆動方法に適用可能である。液晶表示装置以外の表示装置としては、例えば電気泳動装置を挙げることができる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]第1方向に延在した第1走査線と、第2方向に延在し前記第1走査線と交差した第1信号線と、絶縁層と、前記第1走査線及び前記第1信号線に電気的に接続された第1スイッチング素子と、前記第1スイッチング素子に電気的に接続された第1画素電極と、を有する第1基板と、
共通電極を有し、前記第1基板に対向配置された第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に保持され、前記第1画素電極と前記共通電極との間に印加される電圧がかかることにより入射される光を透過する透明状態及び入射される光を散乱する散乱状態に部分的に切替えられる表示機能層と、を備え、
前記第1信号線は、前記第2方向に延在した第1連結部と、前記第2方向に延在し前記第1連結部に電気的に接続された第1線部と、を有し、
前記第1走査線は、前記第1連結部と交差し、前記第1線部と同層に設けられ、
前記絶縁層は、前記第1連結部と前記第1走査線との間に介在している、
表示装置。
[2]前記第1走査線及び前記第1線部は、同一の材料で形成され、前記絶縁層の第1面に接し、
前記絶縁層の前記第1面と反対側の第2面は、前記第1連結部に接し、
前記第1走査線及び前記第1線部は前記第1連結部を形成する材料と異なる材料で形成されている、
[1]に記載の表示装置。
[3]前記第1走査線及び前記第1線部のそれぞれの電気抵抗値は、前記第1連結部の電気抵抗値より低い、
[1]に記載の表示装置。
[4]前記第2方向において、前記第1線部の長さは、前記第1連結部の長さより大きい、
[1]に記載の表示装置。
[5]前記第2方向において、前記第1線部と前記第1走査線との間の間隔は、0.5乃至10μm範囲内である、
[1]に記載の表示装置。
[6]前記第1線部は、
前記第2方向に延在した本線部と、
前記本線部から連続的に設けられ前記第1連結部に重ねられ前記第1連結部に電気的に接続された接続部と、
を含み、
前記第1方向において、前記第1連結部の幅は、前記本線部の幅より大きい、
[1]に記載の表示装置。
[7]前記第1スイッチング素子は、
前記第1線部に電気的に接続された半導体層と、
前記半導体層に対向し前記第1走査線に電気的に接続され前記第1連結部と同層に設けられたゲート電極と、を有している、
[1]に記載の表示装置。
[8]前記ゲート電極は、前記第2方向に延在している、
[7]に記載の表示装置。
[9]前記ゲート電極及び前記第1連結部は、同一の材料で形成されている、
[7]に記載の表示装置。
[10]前記第2方向において、前記第1連結部は、前記半導体層より前記第1走査線側の領域に位置している、
[7]に記載の表示装置。
[11]前記第1基板は、
前記第1方向に延在し前記第1信号線と交差し前記第2方向に前記第1走査線に間隔を置いて位置した第2走査線と、
前記第2方向に延在し前記第1走査線及び前記第2走査線と交差し前記第1方向に前記第1信号線に間隔を置いて位置した第2信号線と、
前記第2走査線及び前記第2信号線に電気的に接続された第2スイッチング素子と、
前記第2スイッチング素子に電気的に接続された第2画素電極と、をさらに有し、
前記表示機能層は、さらに、前記第2画素電極と前記共通電極との間に印加される電圧がかかることにより入射される光を透過する透明状態及び入射される光を散乱する散乱状態に部分的に切替えられ、
前記第1画素電極及び前記第2画素電極は、前記第1信号線と前記第2信号線との間に位置し、
前記第1走査線は、前記第1画素電極と前記第2画素電極との間に位置し、
前記第1信号線は、前記第2方向に延在した第2連結部と、前記第2方向に延在し前記第1走査線と前記第2走査線との間に位置し前記第1連結部及び前記第2連結部に電気的に接続された第2線部と、をさらに有し、
前記第2信号線は、前記第1連結部、前記第1線部、前記第2連結部、及び前記第2線部を有し、前記第1信号線と同様に構成され、
前記第1走査線は、前記第2信号線の前記第1連結部と交差し、前記第2信号線の前記第1線部と同層に設けられ、
前記第2走査線は、前記第1信号線の前記第2連結部及び前記第2信号線の前記第2連結部と交差し、前記第1信号線及び前記第2信号線の各々の前記第1線部及び前記第2線部と同層に設けられ、
前記絶縁層は、
前記第1信号線の前記第2連結部と前記第2走査線との間、
前記第2信号線の前記第1連結部と前記第1走査線との間、及び
前記第2信号線の前記第2連結部と前記第2走査線との間、にさらに介在している、
[1]に記載の表示装置。
[12]前記表示機能層は、高分子分散液晶を利用した液晶層である、
[1]に記載の表示装置。
[13]第1方向に延在した第1走査線と、第2方向に延在し前記第1走査線と交差した第1信号線と、絶縁層と、前記第1走査線及び前記第1信号線に電気的に接続された第1スイッチング素子と、前記第1スイッチング素子に電気的に接続された第1画素電極と、を有する第1基板と、
共通電極を有し、前記第1基板に対向配置された第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に保持され、前記第1画素電極と前記共通電極との間に印加される電圧がかかることにより入射される光を透過する透明状態及び入射される光を散乱する散乱状態に部分的に切替えられる表示機能層と、を備え、
前記第1走査線は、前記第1方向に延在した第1連結部と、前記第1方向に延在し前記第1信号線と同層に設けられ前記第1連結部に電気的に接続された第1線部と、を有し、
前記第1信号線は、前記第1連結部と交差し、
前記絶縁層は、前記第1連結部と前記第1信号線との間に介在している、
表示装置。
[14]前記第1スイッチング素子は、
前記第1信号線に電気的に接続された半導体層と、
前記半導体層に対向し前記第1走査線に電気的に接続され前記第1連結部と同層に設けられたゲート電極と、を有し、
前記ゲート電極は、前記第1連結部と一体的に形成されている、
[13]に記載の表示装置。
[15]前記第1基板は、
前記第1方向に延在し前記第1信号線と交差し前記第2方向に前記第1走査線に間隔を置いて位置した第2走査線と、
前記第2方向に延在し前記第1走査線及び前記第2走査線と交差し前記第1方向に前記第1信号線に間隔を置いて位置した第2信号線と、
前記第2走査線及び前記第2信号線に電気的に接続された第2スイッチング素子と、
前記第2スイッチング素子に電気的に接続された第2画素電極と、をさらに有し、
前記表示機能層は、さらに、前記第2画素電極と前記共通電極との間に印加される電圧がかかることにより入射される光を透過する透明状態及び入射される光を散乱する散乱状態に部分的に切替えられ、
前記第1画素電極及び前記第2画素電極は、前記第1信号線と前記第2信号線との間に位置し、
前記第1走査線は、前記第1画素電極と前記第2画素電極との間に位置し、
前記第1スイッチング素子は、前記第1信号線近傍に位置し、
前記第2スイッチング素子は、前記第2信号線近傍に位置する、
[14]に記載の表示装置。
[16]前記第1基板は、
前記第1信号線に隣合う第3信号線と、
前記第1信号線及び前記第3信号線に重畳し前記第2方向に延在する金属配線と、を有し、
前記第3信号線及び前記金属配線は、前記第1連結部に交差する、
[15]に記載の表示装置。
[17]前記金属配線は前記第1信号線に重畳する第1端部と、前記第3信号線に重畳する第2端部と、を有し、
前記金属配線は、前記第1信号線と前記第3信号線との間隔を覆っている、
[16]に記載の表示装置。
[18]前記第1画素電極は、前記第1信号線及び前記金属配線の前記第1端部に重なる、
[17]に記載の表示装置。
[19]前記第1基板は、平面視において格子形状の有機絶縁膜を有し、
前記第1方向において、前記有機絶縁膜は、前記第1信号線及び前記第2信号線に接し、
前記第2方向において、前記有機絶縁膜は、前記第1走査線及び前記第2走査線に接し、
前記第1信号線、前記第2信号線、前記第1走査線及び前記第2走査線に囲われる領域において、前記有機絶縁膜は前記第1スイッチング素子と重ならない領域に有機絶縁膜除去部を有する、
[18]に記載の表示装置。
[20]前記有機絶縁膜は、前記第1信号線及び前記第2信号線に接する第1面と、前記第1面と反対側の第2面と、を有し、
前記金属配線は、前記第2面に形成される、
[19]に記載の表示装置。
【符号の説明】
【0170】
DSP…表示装置、PNL…表示パネル、SUB1…第1基板、10…透明基板、
11,12,13,14,15…絶縁層、PX…画素、SW…スイッチング素子、
SC…半導体層、GE…ゲート電極、G…走査線、S…信号線、LC…連結部、
LI…線部、LM…本線部、LN…接続部、AE…補助電極、OP1,OP2…開口、
PE…画素電極、AF1…配向膜、SUB2…第2基板、20…透明基板、
BM…遮光層、CE…共通電極、AF2…配向膜、30…液晶層、
SD…信号線駆動回路、GD…走査線駆動回路、LU…光源ユニット、LS…発光素子、
DR…駆動部、DI…間隔、L1,L2…長さ、W1,W2…幅、
Vcom…コモン電圧、VA…透明電圧、VB…散乱電圧、X…第1方向、
Y…第2方向、DA…表示領域、NDA…非表示領域。