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特許7183028カメラ及び表示装置を組み込んだ電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-25
(45)【発行日】2022-12-05
(54)【発明の名称】カメラ及び表示装置を組み込んだ電子機器
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1333 20060101AFI20221128BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20221128BHJP
   G02F 1/1343 20060101ALI20221128BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20221128BHJP
【FI】
G02F1/1333
G02F1/13 505
G02F1/1343
G02F1/1335 500
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018239923
(22)【出願日】2018-12-21
(65)【公開番号】P2020101686
(43)【公開日】2020-07-02
【審査請求日】2021-10-14
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】綱島 貴徳
【審査官】横井 亜矢子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/022887(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/126662(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0027335(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13
G02F 1/1343
G02F 1/1335,1/13363
G02F 1/133,1/1333,1/1334
G02F 1/1339-1341,1/1347
Japio-GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラと、
前記カメラに重畳する表示部を有する液晶パネルと、を備え、
前記液晶パネルは
第1基板と、
第2基板と、
前記第1基板又は前記第2基板に設けられた着色層と、
前記第1基板に形成され、前記カメラに重畳し、前記着色層と対向していない第1透明電極と
前記第1基板に形成され、前記着色層と対向している第2透明電極と、
前記第2基板に形成され、前記第1透明電極に重畳する円形の開口部を有する遮光層と
第1信号線と、
前記第1信号線に重畳する金属配線と、を備え、
前記金属配線は、前記第1透明電極に接続され、
前記第1透明電極は、印加される電圧に応じて遮光状態又は透明状態に制御し、
前記第2透明電極は、前記着色層に応じた色の表示を制御する、電子機器。
【請求項2】
前記液晶パネルは、さらに、前記第1信号線と前記第1透明電極との間に位置する第2信号線を備え、
平面視において、前記金属配線は前記第2信号線と交差する請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記液晶パネルは、さらに、
前記第1信号線にそれぞれ交差する第1走査線及び第2走査線と、
前記第1信号線に隣接する第2信号線と、を備え、
前記第2透明電極は、前記第1走査線と前記第2走査線との間に位置し、
前記第1透明電極及び前記開口部は、前記第1信号線と前記第2信号線との間、及び、前記第1走査線と前記第2透明電極との間に位置している請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記液晶パネルは、さらに、
前記第1信号線及び前記第2走査線に電気的に接続されたスイッチング素子と、
前記第1信号線及び前記第2信号線を含む複数の信号線と、
前記第1走査線及び前記第2走査線を含む複数の走査線と、を備え、
前記第2透明電極は、前記スイッチング素子に電気的に接続され、
前記第1透明電極は、前記複数の信号線及び前記複数の走査線に電気的に接続されていない、請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記カメラは、光学系を備え、
平面視において、前記光学系と前記開口部とは同心円である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、カメラ及び表示装置を組み込んだ電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示部及びカメラを同一面側に備えたスマートフォン等の電子機器が広く実用化されている。このような電子機器では、カメラが表示部の外側に設けられており、カメラを設置するためのスペースを確保する一方で、表示部の外側の額縁幅を縮小する要望が高まっている。
また、鮮明な写真を撮影可能とすることが要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-40908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態の目的は、鮮明な画像を撮影することが可能な電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態によれば、
カメラと、前記カメラに重畳する表示部を有する液晶パネルと、を備え、前記液晶パネルは、第1基板と、第2基板と、前記第1基板又は前記第2基板に設けられた着色層と、前記第1基板に形成され、前記カメラに重畳し、前記着色層と対向していない第1透明電極と、前記第1基板に形成され、前記着色層と対向している第2透明電極と、前記第2基板に形成され、前記第1透明電極に重畳する円形の開口部を有する遮光層と、第1信号線と、前記第1信号線に重畳する金属配線と、を備え、前記金属配線は、前記第1透明電極に接続され、前記第1透明電極は、印加される電圧に応じて遮光状態又は透明状態に制御し、前記第2透明電極は、前記着色層に応じた色の表示を制御する、電子機器が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本実施形態の電子機器100の一構成例を示す分解斜視図である。
図2図2は、図1に示した電子機器100のカメラ1周辺の断面図である。
図3図3は、図2に示した液晶パネルPNLの一構成例を示す平面図である。
図4図4は、図3に示した液晶パネルPNLの拡大平面図である。
図5図5は、図4に示した2個の画素の拡大平面図である。
図6図6は、図5に示したA-B線に沿った液晶素子LCDの断面図である。
図7図7は、図5に示した画素PXを含む液晶素子LCDの断面図である。
図8図8は、本実施形態における画素レイアウトの他の構成例を示す平面図である。
図9図9は、図8に示した画素PPXと画素PXの3つの副画素とを示す平面図である。
図10図10は、本実施形態における画素レイアウトの他の構成例を示す平面図である。
図11図11は、図10に示した画素PPX及び副画素SP1を示す平面図である。
図12図12は、本実施形態における液晶素子LCDの他の構成例を示す平面図である。
図13図13は、本実施形態における液晶素子LCDの他の構成例を示す平面図である。
図14図14は、本実施形態における液晶素子LCDの他の構成例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0008】
図1は、本実施形態の電子機器100の一構成例を示す分解斜視図である。
図1に示すように、第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zは、互いに直交しているが、90度以外の角度で交差していてもよい。
電子機器100は、液晶パネルPNLと、照明装置ILと、カメラ1と、を備えている。
【0009】
照明装置ILは、導光板LG1と、光源EM1と、ケースCSと、を備えている。このような照明装置ILは、例えば、図1において破線で簡略化して示す液晶パネルPNLを照明するものである。
【0010】
導光板LG1は、第1方向X及び第2方向Yによって規定されるX-Y平面と平行な平板状に形成されている。導光板LG1は液晶パネルPNLに対向している。導光板LG1は、側面SAと、側面SAの反対側の側面SBと、開口部OP1と、を有している。側面SA及びSBはそれぞれ第1方向Xに沿って延出している。例えば、側面SA及びSBは、第1方向X及び第3方向Zによって規定されるX-Z平面と平行な面である。開口部OP1は、導光板LG1を第3方向Zに沿って貫通した貫通孔である。開口部OP1は、第2方向Yにおいて、側面SA及びSBとの間に位置し、側面SAよりも側面SBに近接している。なお、開口部OP1は、側面SBから側面SAに向かって窪んだ凹部あるいはノッチであってもよい。
複数の光源EM1は、第1方向Xに沿って間隔をおいて並んでいる。光源EM1の各々は、配線基板F1に実装され、配線基板F1と電気的に接続されている。光源EM1は、例えば、発光ダイオード(LED)であり、白色の照明光を出射する。光源EM1から出射される照明光は、側面SAから導光板LG1へ入射し、側面SAから側面SBに向かって進行する。
【0011】
ケースCSは、導光板LG1及び光源EM1を収容している。ケースCSは、側壁W1乃至W4と、底板BPと、開口部OP2と、突部PPと、を有している。側壁W1及びW2は、第1方向Xに沿って延出し、互いに対向している。側壁W3及びW4は、第2方向Yに沿って延出し、互いに対向している。開口部OP2は、第3方向Zにおいて、開口部OP1に重畳している。突部PPは、第3方向Zに沿って底板BPから液晶パネルPNLに向かって突出し、開口部OP2を囲むように設けられている。
【0012】
カメラ1は、第3方向Zにおいて、開口部OP2に重畳するように設けられている。カメラ1は、配線基板F2に実装され、配線基板F2と電気的に接続されている。
【0013】
液晶パネルPNLは、導光板LG1に重畳するとともに、開口部OP1において、カメラ1に重畳している。
【0014】
図2は、図1に示した電子機器100のカメラ1周辺の断面図である。
図2に示すように、照明装置ILは、さらに、反射シートRS、拡散シートSS、並びにプリズムシートPS1及びPS2を備えている。
【0015】
反射シートRS、導光板LG1、拡散シートSS、プリズムシートPS1、及び、プリズムシートPS2は、第3方向Zに沿ってこの順に配置され、ケースCSに収容されている。ケースCSは、金属製のケースCS1と、樹脂製の台座CS2とを備えている。台座CS2は、ケースCS1とともに突部PPを形成している。拡散シートSS、プリズムシートPS1、及びプリズムシートPS2の各々は、開口部OP1に重畳する貫通孔を有している。反射シートRSは、開口部OP1に重畳する貫通孔を有している。突部PPは、開口部OP1の内側に位置している。
偏光板PL1、液晶パネルPNL、偏光板PL2、及び、カバーガラスCGは、第3方向Zに沿ってこの順に配置され、第3方向Zに沿って進行する光に対して、光学的なスイッチ機能を備えた液晶素子LCDを構成している。粘着テープTP1は、照明装置ILと液晶素子LCDとを接着している。本実施形態において、粘着テープTP1は、偏光板PL1と突部PP、及び、偏光板PL1とプリズムシートPS2とを接着している。
【0016】
液晶パネルPNLは、基板主面に沿った横電界を利用する表示モード、基板主面の法線に沿った縦電界を利用する表示モード、基板主面に対して斜め方向に傾斜した傾斜電界を利用する表示モード、さらには、上記の横電界、縦電界、及び、傾斜電界を適宜組み合わせて利用する表示モードに対応したいずれの構成を備えていてもよい。ここでの基板主面とは、X-Y平面に平行な面である。
【0017】
液晶パネルPNLは、画素を表示する表示部DAと、表示部DAを囲む非表示部NDAと、を備えている。液晶パネルPNLは、第1基板SUB1と、第2基板SUB2と、液晶層LCと、シールSEと、を備えている。シールSEは、非表示部NDAに位置し、第1基板SUB1と第2基板SUB2とを接着するとともに、液晶層LCを封止している。
【0018】
以下、第1基板SUB1及び第2基板SUB2の主要部について説明する。第1基板SUB1は、絶縁基板10と、配向膜AL1と、を備えている。第2基板SUB2は、絶縁基板20と、カラーフィルタCFと、遮光層BMAと、透明層OCと、配向膜AL2と、を備えている。
絶縁基板10及び絶縁基板20は、ガラス基板や可撓性の樹脂基板などの透明基板である。配向膜AL1及びAL2は、液晶層LCに接している。
カラーフィルタCF、遮光層BMA、及び、透明層OCは、絶縁基板20と液晶層LCとの間に位置している。なお、図示した例では、カラーフィルタCFは、第2基板SUB2に設けられたが、第1基板SUB1に設けられてもよい。
遮光層BMAは、非表示部NDAに位置している。表示部DAと非表示部NDAとの境界Lは、例えば、遮光層BMAの内端(表示部DA側の端部)によって規定される。シールSEは、遮光層BMAと重畳する位置に設けられている。
透明層OCは、表示部DAにおいてはカラーフィルタCFに接し、非表示部NDAにおいては遮光層BMAに接している。配向膜AL1及びAL2は、表示部DA及び非表示部NDAにわたって設けられている。
カラーフィルタCFの詳細については、ここでは省略するが、カラーフィルタCFは、例えば、赤画素に配置される赤カラーフィルタ、緑画素に配置される緑カラーフィルタ、及び、青画素に配置される青カラーフィルタを備えている。また、カラーフィルタCFは、白画素に配置される透明樹脂層を備えている場合もある。透明層OCは、カラーフィルタCF及び遮光層BMAを覆っている。透明層OCは、例えば、透明な有機絶縁層である。
カメラ1は、ケースCSの開口部OP2に重畳するように設けられ、突部PPに囲まれた内側に位置している。カメラ1は、第3方向Zにおいて、カバーガラスCG、偏光板PL2、液晶パネルPNL、及び、偏光板PL1に重畳している。なお、カメラ1のうち、一部、或いは、すべては、第3方向Zにおいて、液晶パネルPNLの表示部DAと重畳している。つまり、液晶パネルPNLとカメラ1とを有する電子機器100において、電子機器100の使用者からみて、カメラ1が液晶パネルPNLの奥側に設けられていればよい。
【0019】
カメラ1は、例えば、少なくとも一つのレンズを含む光学系2と、イメージセンサ(撮像素子)3と、ケース4と、を備えている。ケース4は、光学系2及びイメージセンサ3を収容している。光学系2は、液晶パネルPNLとイメージセンサ3との間に位置している。イメージセンサ3は、カバーガラスCG、偏光板PL2、液晶パネルPNL、及び、偏光板PL1を介して受光する。例えば、カメラ1は、カバーガラスCG、偏光板PL2、表示部DA、偏光板PL1、及び、導光板LG2を介して透過した可視光(例えば、400nm~700nmの範囲の光)を受光する。偏光板PL1の吸収軸及び偏光板PL2の吸収軸が互いに直交している場合、液晶素子LCDの液晶層LCを透過する光の波長をλとした時、液晶層LCのリタデーションがほぼゼロまたはλに相当する場合、液晶素子LCDの透過率が最小となる。このため、カメラ1で撮影する際には、液晶層LCのリタデーションは、ゼロより大きくλより小さく設定される。リタデーションが約λ/2の場合には、液晶素子LCDの透過率は最大となる。
【0020】
偏光板PL1は、絶縁基板10に接着されている。偏光板PL2は、絶縁基板20に接着されている。偏光板PL2は、透明接着層ADによって、カバーガラスCGに接着されている。偏光板PL1及びPL2は、必要に応じて位相差板、散乱層、反射防止層などを備えていてもよい。
また、液晶層LCが外部からの電界等の影響を受けないようにするため、偏光板PL2と絶縁基板20との間に透明導電膜を設ける場合がある。透明導電膜は、インジウム・ティン・オキサイド(ITO)やインジウム・ジンク・オキサイド(IZO)等の透明な酸化物導電体からなる。赤外線の透過率が問題とならない可視光用のカメラ1と重畳する箇所では、透明導電膜を形成してもよい。
【0021】
また、偏光板PL1または偏光板PL2に、超複屈折フィルムを備えることも可能である。超複屈折フィルムは、直線偏光が入射したときに透過光を非偏光化(自然光化)することが知られており、被写体に偏光を発するものが含まれていても違和感なく撮影が可能となる。例えば、カメラ1の被写体に電子機器100等が映り込んだ場合に、電子機器100からは直線偏光が出射されているので、偏光板PL1及び偏光板PL2と、被写体となっている電子機器100の偏光板との角度との関係で、カメラ1に入射する被写体の電子機器100の明るさが変化し、撮影時に違和感を生ずるおそれがある。しかしながら、偏光板PL1及び偏光板PL2に超複屈折フィルムを備えることで、違和感を生じさせる明るさの変化を抑えることが可能である。
超複屈折性を示すフィルムとしては、例えば東洋紡(株)のコスモシャイン(登録商標)などが好適に用いられる。ここで超複屈折性とは、可視域、例えば500nmの光に対する面内方向のリタデーションが800nm以上のものを言う。
【0022】
図3は、図2に示した液晶パネルPNLの一構成例を示す平面図である。図3において、液晶層LC及びシールSEは、異なる斜線で示している。カメラ1の光学系2の外形を破線で示している。
【0023】
図3に示すように、表示部DAは、ノッチを含まない略四角形の領域であるが、4つの角が丸みを有していてもよく、四角形以外の多角形や円形であってもよい。表示部DAは、シールSEで囲まれた内側に位置している。
【0024】
液晶パネルPNLは、第1方向Xに沿って延出した一対の短辺E11及びE12と、第2方向Yに沿って延出した一対の長辺E13及びE14と、を有している。液晶パネルPNLは、表示部DAにおいて、第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に配列された複数の画素PXを備えている。表示部DAにおける各画素PXは、同一の回路構成を有している。図3において拡大して示すように、各画素PXは、スイッチング素子SW、画素電極PE、共通電極CE、液晶層LC等を備えている。スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタ(TFT)によって構成され、走査線G及び信号線Sと電気的に接続されている。走査線Gには、スイッチング素子SWを制御するための制御信号が供給される。信号線Sには、制御信号とは異なる信号として、映像信号が供給される。画素電極PEは、スイッチング素子SWと電気的に接続されている。液晶層LCは、画素電極PEと共通電極CEとの間に生じる電界によって駆動されている。容量CPは、例えば、共通電極CEと同電位の電極、及び、画素電極PEと同電位の電極の間に形成される。
【0025】
配線基板5は、第1基板SUB1の延出部Exに実装され、電気的に接続されている。ICチップ6は、配線基板5に実装され、配線基板5に電気的に接続されている。なお、ICチップ6は、延出部Exに実装され、延出部Exに電気的に接続されていてもよい。ICチップ6は、例えば、画像表示に必要な信号を出力するディスプレイドライバなどを内蔵している。配線基板5は、折り曲げ可能なフレキシブルプリント回路基板である。
【0026】
第1基板SUB1において、金属配線Mは、ICチップ6に電気的に接続されている。金属配線Mは、表示部DAと短辺E11との間、表示部DAと長辺E14との間、及び、表示部DAと短辺E12との間に延出し、光学系2に重畳している。図示した例では、シールSEは金属配線Mに重畳している。
【0027】
図4は、図3に示した液晶パネルPNLの拡大平面図である。
図4に示すように、表示部DAは、光学系2に重畳する領域A1を有している。図示した例では、領域A1における画素PXの個数は、5×5個である。
【0028】
画素PXは、副画素SP1乃至SP3を備えている。いずれの画素PXにおいても、副画素SP1、副画素SP2、及び、副画素SP3は、同様に配列されている。第1方向Xにおいて、副画素SP1、副画素SP2、及び、副画素SP3は、この順に繰り返し並んでいる。
上記カラーフィルタCFは、着色層CFR,CFG,CFBを備えている。副画素SP1は、第1色の着色層CFRを備えている。副画素SP2は、第2色の着色層CFGを備えている。副画素SP3は、第3色の着色層CFBを備えている。第1色の着色層CFR、第2色の着色層CFG、第3色の着色層CFBは互いに異なる色である。本実施形態においては、第1色は赤色(R)であり、第2色は緑色(G)であり、第3色は青色(B)でる。但し、第1色、第2色、及び、第3色に関しては、例示的に示したものであり、種々変形可能である。第1色、第2色、第3色のうちの何れかの色が赤色であり、別の色が緑色であり、残りの色が青色であればよい。また、一部の第3色が、例えば、白色(W)であってもよい。
【0029】
画素PPXは、光学系2の中心OXに重畳している。画素PPXは、着色層無しに構成されている。なお、カラーフィルタCFが透明樹脂層を有している場合、画素PPXは、着色層の替わりに透明樹脂層を備えていてもよい。遮光層BMは、画素PPXに重畳している。図4において、画素PPX以外の画素PXと重畳する遮光層BMの図示を省略している。遮光層BMは、図2に示した非表示部NDAの遮光層BMAと一体的に形成されている。遮光層BMは、開口部POPを有している。図示した例では、開口部POPの中心は光学系2の中心OXに重畳している。平面視において、開口部POPと光学系2とは、同心円である。開口部POPは円形に形成されている。開口部POPは真円に形成されることが望ましい。
なお、画素PPXは、表示に用いられないこともあり得るため、厳密には画素という呼称は正しくないが、本明細書では表示に寄与する画素と並んで、おなじ透明導電膜を有する電極や、透明導電膜を有してなくても画素と同じ遮光層BMに形成された開口を含めて画素と呼ぶ。
【0030】
ここで、光学系2と画素PPXの開口部POPとの大小関係に注目する。
図示した例では、光学系2の直径は、画素PXの幅の略5倍である。本実施形態において、幅は第1方向Xにおける長さとする。画素PPXの幅は画素PXの幅と略同等である。開口部POPの直径と画素PPXの幅とは略同等である。つまり、光学系2の直径は、開口部POPの直径の略5倍に相当する。一例として、光学系2の直径は約3000μm、開口部POPの直径は約600μmである。
【0031】
図5は、図4に示した画素PPX及び画素PPXに隣接する画素PXの拡大平面図である。
図5に示すように、第2方向Yに対して時計回りに鋭角に交差する方向を方向D1と定義し、第2方向Yに対して反時計回りに鋭角に交差する方向を方向D2と定義する。なお、第2方向Yと方向D1とのなす角度θ1は、第2方向Yと方向D2とのなす角度θ2と実質的に同一である。
【0032】
走査線G1乃至G3は、それぞれ第1方向Xに延出し、第2方向Yに間隔を置いて並んでいる。信号線S1乃至S4は、それぞれ第2方向Yに延出し、第1方向Xに間隔を置いて並んでいる。走査線G及び信号線Sは、それぞれ、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、銅(Cu)、クロム(Cr)などの金属材料や、これらの金属材料を組み合わせた合金などによって形成されている。走査線G及び信号線Sは、それぞれ、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい、なお、走査線G及び信号線Sは、必ずしも直線的に延出していなくてもよく、それらの一部が屈曲していてもよい。例えば、信号線Sは、その一部が屈曲していたとしても、第2方向Yに延出しているものとする。
【0033】
画素PXは、走査線G2と走査線G3との間、及び、信号線S1と信号線S4との間に位置している。各副画素SPにおいて、半導体層SCは走査線Gと2回交差し、スイッチング素子SWはダブルゲート構造のTFT(薄膜トランジスタ)で構成されている。なお、スイッチング素子SWは、半導体層SCが走査線Gと1回交差しているシングルゲート構造のTFTで構成されていてもよい。半導体層SCは、接続位置P1で信号線Sに接続され、接続位置P2で画素電極PEに接続されている。接続位置P2においては、中継電極が画素電極PEと半導体層SCとの間に介在するが、図5においては中継電極の図示を省略している。画素電極PEは、複数の線状電極BRと、隣り合う線状電極BRの間のスリットSLとを有している。図示した例では、線状電極BRは、方向D1に沿って延出している。画素電極PEは2本の線状電極BRと1つのスリットSLとを有しているが、線状電極BR及びスリットSLの数はこの例に限らない。各副画素SPは、半導体層SCが接続された信号線S及び走査線Gによって制御される。例えば、副画素SP1は走査線G3及び信号線S3によって制御され、副画素SP2は走査線G3及び信号線S2によって制御され、副画素SP3は走査線G3及び信号線S1によって制御されている。
【0034】
画素PPXは、走査線G1と走査線G2との間、信号線S1と信号線S4との間に位置している。画素PPXは、画素電極PPEを備えている。画素電極PPEは、複数の線状電極PBRと、スリットPSLとを有している。図示した例では、線状電極PBRは、方向D2に沿って延出している。画素電極PPEは6本の線状電極PBRと5つのスリットPSLとを有しているが、線状電極PBR及びスリットPSLの数はこの例に限らない。信号線S2は、平面視において、画素電極PPEと走査線G1との間、画素電極PPEと信号線S1との間、及び、画素電極PPEと走査線G2との間に延出している。信号線S3は、平面視において、画素電極PPEと走査線G1との間、画素電極PPEと信号線S4との間、及び、画素電極PPEと走査線G2との間に延出している。信号線S2及びS3は、開口部POPを迂回して延出している。本実施形態において、信号線S2及びS3は、平面視において、画素電極PPEから離間している。金属配線Mは、信号線S1に重畳し、信号線S1に沿って延出している。金属配線Mは、平面視において信号線S2と交差し、コンタクトホールPCHを介して画素電極PPEと接続している。画素電極PPEは、走査線G及び信号線Sと接続していない。画素PPXは、金属配線Mによって制御されている。
【0035】
遮光層BMは、走査線G1乃至G3、信号線S1乃至S4、及び、各副画素SPの半導体層SCに重畳している。遮光層BMは、開口部OPR、開口部OPG、及び、開口部OPBを有している。開口部OPRは副画素SP1に位置し、開口部OPGは副画素SP2に位置し、開口部OPBは副画素SP3に位置している。なお、開口部OPRに図4に示した第1色の着色層CFRが重畳し、開口部OPGに第2色の着色層CFGが重畳し、開口部OPBは、第3色の着色層CFBが重畳している。遮光層BMの開口部POPは、画素電極PPEに重畳している。
【0036】
図6は、図5に示したA-B線に沿った液晶素子LCDの断面図である。ここでは、偏光板PL1と偏光板PL2との間に、横電界を利用する表示モードに対応した液晶パネルPNLを備えた液晶素子LCDについて説明する。
図6に示すように、第1基板SUB1は、絶縁基板10と配向膜AL1との間に、絶縁層11乃至15、信号線S1及びS2、共通電極CE、金属配線M、及び、画素電極PPEを備えている。絶縁層11は、絶縁基板10の上に位置している。絶縁層12は、絶縁層11の上に位置している。なお、図5に示した走査線G、半導体層SCは、例えば、絶縁基板10と絶縁層11との間、または、絶縁層11と絶縁層12との間に位置している。信号線S1及びS2は、絶縁層12の上に位置し、絶縁層13によって覆われている。
金属配線Mは、絶縁層13の上に位置し、絶縁層14によって覆われている。共通電極CEは、絶縁層14の上に位置し、絶縁層15によって覆われている。画素電極PPEは絶縁層15の上に位置し、配向膜AL1によって覆われている。コンタクトホールPCHは、絶縁層14及び15を貫通している。画素電極PPEは、絶縁層15を介して、共通電極CEと対向している。共通電極CE及び画素電極PPEは、ITOやIZOなどの透明な導電材料によって形成された透明電極である。
【0037】
第2基板SUB2において、遮光層BMは、金属配線Mの直上、及び、画素電極PPEの直上に位置している。カラーフィルタCFは、信号線S1の直上に位置している。画素PPXにおいて遮光層BMは透明層OCに接し、画素PXにおいて遮光層BMはカラーフィルタCFに接している。絶縁基板20は、開口部POPにおいて、透明層20と接している。
【0038】
駆動部DR1は、金属配線Mに対して電圧をかけて、液晶素子LCDの画素PPXにおける透過率を制御する。液晶素子LCDの透過率は、液晶層LCに印加される電圧の大きさに応じて制御される。
例えば、画素PPXにおいて、金属配線Mを介して液晶層LCに電圧が印加されていないオフ状態では、液晶層LCに含まれる液晶分子LMは、配向膜AL1及びAL2の間で所定の方向に初期配向している。すなわち、画素PPXは最小透過率となり、黒を表示する。つまり、液晶素子LCDは、画素PPXにおいて、遮光機能を発揮する。
一方、液晶層LCに金属配線Mを介して電圧が印加されたオン状態では、液晶分子LMは、画素電極PPEと共通電極CEとの間に形成された電界により初期配向方向とは異なる方向に配向し、その配向方向は電界によって制御される。液晶素子LCDは、オン状態の画素PPXにおいて、最大透過率の場合に、白を表示する、あるいは、透明状態となる。つまり、液晶素子LCDは、画素PPXにおいて、透光機能を発揮する。
【0039】
図7は、図5に示した画素PXを含む液晶素子LCDの断面図である。ここでは、絶縁層12乃至14、及び、信号線Sの図示を省略している。
【0040】
図7に示すように、第1基板SUB1において、画素電極PEは絶縁層15の上に位置し、配向膜AL1によって覆われている。画素電極PEは、ITOやIZOなどの透明な導電材料によって形成された透明電極である。第2基板SUB2において、第2色の着色層CFGは、画素電極PEに対向している。第1色の着色層CFR及び第3色の着色層CFBも、それぞれ図示しない他の画素電極PEと対向している。
【0041】
液晶素子LCDを駆動する駆動部DR2は、例えば、図3に示した走査線Gと電気的に接続された走査線駆動回路、及び、信号線Sと電気的に接続された信号線駆動回路を含んでいる。駆動部DR2は、表示部DAの各画素PXに対して、画素表示に必要な信号を出力し、液晶素子LCDの透過率を制御する。液晶層LCに電圧が印加されていないオフ状態では、図1に示した光源EM1から画素PXに導光された光は、偏光板PL1及び偏光板PL2によって吸収される。このため、液晶素子LCDは、オフ状態の画素PXにおいて、黒を表示する。
【0042】
一方、液晶層LCに電圧が印加されたオン状態では、画素PXに導光された光の一部は、偏光板PL1及びPL2を透過する。このため、液晶素子LCDは、オン状態の画素PXにおいて、カラーフィルタCFに応じた色を表示する。
上記の例は、オフ状態で黒を表示する所謂ノーマリーブラックモードに相当するが、オン状態で黒を表示する(オフ状態で白を表示する)ノーマリーホワイトモードが適用されてもよい。
【0043】
このような液晶素子LCDは、画素PPXにおいて透光し、光学系2に重畳するその他の画素PXにおいて遮光することにより、カメラ1に入射する光量を調整するピンホールとして機能することができる。開口部POPの直径に応じて、光学系2における収差の影響を低減することができ、鮮鋭度を向上することができ、さらには、焦点深度を大きくすることができる。カメラ1と被写体の距離が数cmの場合にカメラ1の解像力が向上し、被写体と至近距離における鮮明な写真を撮影することができる。被写体とカメラ1が近接した撮影の一例として、指紋認証のために指紋を撮影することができる。さらに、赤外線カメラも併設して、静脈の撮影を行うようにしてもよい。
【0044】
また、開口部POPの直径が光学系の直径の1/5であるため、開口部POPの直径が光学系の直径の1/5未満である場合と比較して、回折によるぼやけの発生を抑制することができる。また、開口部POPの直径が光学系の直径の1/5であるため、開口部POPの直径が光学系の直径の1/5以上である場合と比較して、カメラ1の鮮鋭度の低下を抑制することができる。
【0045】
また、領域A1における画素PPX及び複数の画素PX(例えば、全ての画素PX)を透過状態に切り替えることにより、カメラ1は光量を多くして画像を撮影することができる。
【0046】
上記した構成例において、画素電極PPEは第1透明電極に相当し、信号線S1は第1信号線に相当し、信号線S2は第2信号線に相当する。
【0047】
次に本実施形態の他の構成例について説明する。
図8は、本実施形態における画素レイアウトの他の構成例を示す平面図である。図8に示した構成例は、図4に示した構成例と比較して、画素PXがさらに副画素SP4を備えている点で相違している。副画素SP4は、副画素SP1と副画素SP2との間、及び、副画素SP3と副画素SP3との間、に位置している。第2方向Yにおいて、副画素SP4の長さは、副画素SP1の長さの略半分である。副画素SP4は、透明樹脂層CFWを備えている。
画素PPXが位置する画素PXにおいて、画素PXは、副画素SP1、副画素SP2、及び副画素SP3を有し、副画素SP4無しに形成されている。画素PPXは、画素PXのうち、本来、副画素SP4が配置される領域を専有している。
【0048】
図9は、図8に示した画素PPXと画素PXの3つの副画素SPとを示す平面図である。
図9に示すように、信号線S1乃至S4は、それぞれ走査線G1及びG2と交差している。副画素SP1は画素電極PE1を備え、副画素SP2は画素電極PE2を備え、副画素SP3は画素電極PE3を備えている。画素電極PE3の線状電極BRは、方向D1において、画素電極PE1の線状電極BR及び画素電極PE2の線状電極BRより短い。画素電極PE1乃至PE3、画素電極PPEは、それぞれ走査線G1と走査線G2との間に位置している。副画素SP3のスイッチング素子SWは信号線S1と走査線G2と電気的に接続され、画素電極PE3はスイッチング素子SWと電気的に接続されている。画素電極PPEは、信号線S1と信号線S2との間、及び、走査線G1と画素電極PE3との間に位置している。画素電極PE3は、スイッチング素子SWと電気的に接続されている。画素電極PPEは、コンタクトホールPCHを介して、金属配線Mに接続されている。画素電極PPEは、走査線G1及びG2、並びに信号線S1乃至S4のそれぞれに電気的に接続されていない。
このような構成例においても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
上記した構成例において、走査線G1は第1走査線に相当し、走査線G2は第2走査線に相当し、信号線S1は第1信号線に相当し、信号線S2は第2信号線に相当し、画素電極PE3は第2透明電極に相当する。
【0049】
図10は、本実施形態における画素レイアウトの他の構成例を示す平面図である。
図10に示すように、第1方向Xにおいて、副画素SP1及びSP4が繰り返し並べられ、他方で副画素SP2及び副画素SP3が繰り返し並べられている。第2方向Yにおいて、副画素SP1及びSP2が繰り返し並べられ、他方で副画素SP3及びSP4が繰り返し並べられている。そして、同一種類の副画素が第1方向X及び第2方向Yに連続して並ぶことがないように、副画素SP1乃至SP4は、配列されている。図10に示す構成例においても、画素PPXが位置する画素PXにおいて、画素PXは、副画素SP4無しに形成されている。画素PPXは、画素PXのうち、本来、副画素SP4が配置される領域を専有している。
【0050】
図11は、図10に示した画素PPX及び副画素SP1を示す平面図である。
図11に示すように、画素電極PE1は信号線S2と信号線S3との間に位置している。画素電極PPEは信号線S1と信号線S2との間、及び、走査線G1と走査線G2との間に位置している。図示した例では、画素電極PE1は4本の線状電極BRと3つのスリットSLを有し、画素電極PPEは4本の線状電極PBRと3つのスリットPSLを有している。
このような構成例においても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
【0051】
図12は、本実施形態における液晶素子LCDの他の構成例を示す平面図である。
図12(a)に示した例では、領域A1における画素PXの個数は11×11個である。光学系2の直径は、開口部POPの直径の略10倍に相当する。一例として、開口部POPの直径は約300μmである。
図12(b)に示した例では、領域A1における画素PXの個数は17×17個である。光学系2の直径は、開口部POPの直径の略17倍に相当する。一例として、開口部POPの直径は約180μmである。この場合、回折によるぼやけが生じる恐れがあるので、開口部POPから光学系2までの第3方向Zにおける距離を短くして、回折による暗線が光学系2に入射しないようにした方が望ましい。また、回折光の強度分布を準備して、撮像素子3において回折による影響を補正してもよい。
【0052】
図13は、本実施形態における液晶素子LCDの他の構成例を示す平面図である。
図13(a)に示した例では、領域A1における画素PXの個数は18×18個である。画素PPXの幅は画素PXの幅の略2倍に相当し、光学系2の直径は画素PXの幅の略17倍に相当する。一例として、開口部POPの直径は360μmである。
図13(b)に示した例では、領域A1における画素PXの個数は17×17個である。画素PPXの幅は画素PXの幅の略3倍に相当している。一例として、開口部POPの直径は540μmである。
このような構成例においても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
【0053】
図14は、本実施形態における液晶素子LCDの他の構成例を示す平面図である。図14に示した構成例は他の構成例と比較して、画素PPXを備えていない点で相違している。
図14に示すように、表示部DAのすべての画素が画素PXによって形成されている。本構成例において、領域A1における画素PXの数は約400個である。この約400個の画素PXの駆動順番を説明する。駆動される画素PXは左上がりの斜線で示し、駆動されない画素PXは右上がりの斜線で示している。
【0054】
領域A1の画素PXを駆動する際、例えば、図の左上に位置する画素PXから駆動して、左から右に一列ごとに駆動していき、図の右下の画素PXまで駆動する。
または、中央の画素PXから螺旋状に外へ向かうように領域A1の画素PXを駆動していく。図14(a)は、液晶素子LCDにおいて、中央の1つの画素PXを透過状態にした際の図である。
または、領域A1の画素PXをランダムに駆動する。その際、領域A1の複数の画素PXを同時に透過状態に切り替えてもよい。複数の画素PXを透過にすると回折による干渉が発生する恐れがあるので、回折による干渉を起こしにくいパターンや、回折による干渉に起因したノイズを補正しやすいパターンを選択した方が望ましい。
また、図14(b)に示すように、領域A1の約400個の画素PXのうち、平面視において、光学系2の内側に位置する画素PXだけ順番に駆動する方法も可能である。この場合、約400個の画素PX全てを駆動する場合と比較して、1つの画素PXの駆動時間を延ばすことができる。
このような構成例においても、上記画素PPXを用いた構成例と同様の効果が得られる。
【0055】
以上説明したように、本実施形態によれば、鮮明な画像を撮影することが可能な電子機器を提供することができる。
【0056】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0057】
例えば、液晶パネルPNLの表示モードにもよるが、画素PPXの画素電極PPEをスリットPSL無しに形成してもよい。これにより、カメラ1は、液晶パネルPNL越しに画像を、一層、鮮明に撮影することができる
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]カメラと、
前記カメラに重畳する表示部を有する液晶パネルと、を備え、
前記液晶パネルは、
前記カメラに重畳する第1透明電極と、
前記第1透明電極に重畳する円形の開口部を有する遮光層と、を備えている電子機器。
[2]前記液晶パネルは、さらに、第1信号線と、
前記第1信号線に重畳する金属配線と、を備え、
前記金属配線は前記第1透明電極に接続されている[1]に記載の電子機器。
[3]前記液晶パネルは、さらに、前記第1信号線と前記第1透明電極との間に位置する第2信号線を備え、
平面視において、前記金属配線は前記第2信号線と交差する[2]に記載の電子機器。
[4]前記液晶パネルは、さらに、
前記第1信号線にそれぞれ交差する第1走査線及び第2走査線と、
前記第1信号線に隣接する第2信号線と、
前記第1走査線と前記第2走査線との間に位置する第2透明電極と、を備え、
前記第1透明電極及び前記開口部は、前記第1信号線と前記第2信号線との間、及び、前記第1走査線と前記第2透明電極との間に位置している[2]に記載の電子機器。
[5]前記液晶パネルは、さらに、
前記第1信号線及び前記第2走査線に電気的に接続されたスイッチング素子と、
前記第1信号線及び前記第2信号線を含む複数の信号線と、
前記第1走査線及び前記第2走査線を含む複数の走査線と、を備え、
前記第2透明電極は、前記スイッチング素子に電気的に接続され、
前記第1透明電極は、前記複数の信号線及び前記複数の走査線に電気的に接続されていない、[4]に記載の電子機器。
[6]前記カメラは、光学系を備え、
平面視において、前記光学系と前記開口部とは同心円である[1]乃至[5]のいずれか1に記載の電子機器。
【符号の説明】
【0058】
100…電子機器 PNL…液晶パネル IL…照明装置 PE…画素電極 M…金属配線 BM…遮光層 POP…開口部 G…走査線 S…信号線 1…カメラ 2…光学系
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図14