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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-25
(45)【発行日】2022-12-05
(54)【発明の名称】衣類乾燥機監視システム
(51)【国際特許分類】
   D06F 33/30 20200101AFI20221128BHJP
   D06F 34/04 20200101ALI20221128BHJP
   D06F 95/00 20060101ALI20221128BHJP
【FI】
D06F33/30
D06F34/04
D06F95/00
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019055796
(22)【出願日】2019-03-25
(65)【公開番号】P2020156527
(43)【公開日】2020-10-01
【審査請求日】2021-11-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001117
【氏名又は名称】弁理士法人ぱてな
(72)【発明者】
【氏名】溝内 勇人
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-202580(JP,A)
【文献】特開2015-070945(JP,A)
【文献】特開2017-012508(JP,A)
【文献】特開2000-229193(JP,A)
【文献】特開2003-225491(JP,A)
【文献】特開2018-157958(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 33/30 - 33/76
D06F 95/00 - 34/34
D06F 95/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類を収容する乾燥室が形成された筐体と、
前記筐体に設けられ、加熱された空気を前記乾燥室内で流通させて前記乾燥室の外部に排出する送風手段と、
前記筐体に設けられ、前記送風手段を制御して、前記乾燥室に収容された前記衣類を乾燥させる乾燥運転を実行する制御部と、
を有する衣類乾燥機と、
前記衣類乾燥機の前記制御部と通信可能であるとともに、ネットワークを経由して外部情報端末と通信可能な情報管理装置と、
を備えた衣類乾燥機監視システムであって、
前記制御部は、前記衣類乾燥機の使用可否に関する使用情報を前記情報管理装置に伝達し、
前記情報管理装置は、前記制御部から伝達された前記使用情報を記憶する記憶部を有し、前記記憶部に記憶された前記使用情報を前記外部情報端末に伝達可能に構成され、
前記衣類乾燥機は、前記乾燥室内の前記衣類の有無を検知するための衣類検知手段を有し、
前記制御部は、前記乾燥運転を実行していないときに前記衣類検知手段を作動させて前記乾燥室内の前記衣類の有無についての判断を行い、前記判断に基づく前記使用情報を前記情報管理装置に伝達し、
前記衣類乾燥機は、
前記乾燥室を閉鎖する閉鎖位置と、前記乾燥室を開放する開放位置との間で変位可能に前記筐体に支持された扉と、
前記扉が前記閉鎖位置にあるか否かを検知する扉検知手段と、
を有し、
前記制御部は、前記乾燥運転を終了した後にタイマ計測を開始し、所定の第1時間経過する前において、前記扉検知手段が前記扉の前記開放位置への変位を検知した後に前記扉の前記閉鎖位置への変位を検知した場合、前記衣類検知手段を作動させて前記判断を行い、前記使用情報を前記情報管理装置に伝達し、
前記制御部は、前記第1時間経過しても、前記扉検知手段が前記扉の前記開放位置への変位を検知しない場合、前記乾燥室内の乾燥した前記衣類の取り出しが未実施であることを前記情報管理装置に伝達し、
前記衣類乾燥機は、前記閉鎖位置にある前記扉をロック可能なロック機構を有し、
前記情報管理装置は、前記外部情報端末から前記衣類乾燥機の予約及び前記予約の実行を受け付け、
前記制御部は、前記扉が前記閉鎖位置にあり、かつ前記乾燥室内に前記衣類が無い状態で、前記情報管理装置に対して前記予約の有無を確認し、前記予約が有れば前記ロック機構を制御して前記閉鎖位置にある前記扉をロックした後にタイマ計測を開始し、所定の第2時間経過する前において、前記情報管理装置から前記予約の実行の指示があれば、前記ロック機構を制御して前記扉のロックを解除し、
前記制御部は、前記第2時間経過しても、前記情報管理装置から前記予約の実行の指示がない場合、前記ロック機構を制御して前記扉のロックを解除し、前記情報管理装置に対して空き状態になったことを連絡することを特徴とする衣類乾燥機監視システム。
【請求項2】
前記衣類検知手段は、前記乾燥室内を撮影する撮像装置を含み、
前記衣類乾燥機は、前記筐体に回転可能に収容され、前記乾燥室が形成された回転ドラムを有し、
前記撮像装置は、前記筐体に回転不能に支持され、
前記制御部は、前記衣類検知手段を作動させるときに、前記回転ドラムを回転させる請求項1記載の衣類乾燥機監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は衣類乾燥機監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来の衣類乾燥機監視システムの例であるランドリー機器の運転状態集中表示装置が開示されている。この運転状態集中表示装置は、衣類乾燥機等であるランドリー機器が運転中か否かを信号線を経由して受信し、その受信結果をテレビ画面に集中表示する。これにより、この運転状態集中表示装置では、ユーザがランドリー機器の設置場所に出向いて確認しなくても運転中ではないランドリー機器を見つけることができるようにして、ユーザの利便性の向上と、ランドリー機器の効率的な運用とを図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平3-251300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のランドリー機器の運転状態集中表示装置では、ランドリー機器によって処理した衣類の取り忘れがあると、テレビ画面の集中表示を見て運転中ではないことを確認したユーザがランドリー機器の設置場所に出向いたときにそのランドリー機器を使用できず、ユーザの利便性の向上が難しくなるとともに、衣類乾燥機の効率的な運用が難しくなるという問題がある。
【0005】
本発明は、従来の実情に鑑みてなされたものであって、衣類乾燥機を利用するユーザの利便性をより向上させることができるとともに、衣類乾燥機をより効率的に運用できる衣類乾燥機監視システムを提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の衣類乾燥機監視システムは、衣類を収容する乾燥室が形成された筐体と、
前記筐体に設けられ、加熱された空気を前記乾燥室内で流通させて前記乾燥室の外部に排出する送風手段と、
前記筐体に設けられ、前記送風手段を制御して、前記乾燥室に収容された前記衣類を乾燥させる乾燥運転を実行する制御部と、
を有する衣類乾燥機と、
前記衣類乾燥機の前記制御部と通信可能であるとともに、ネットワークを経由して外部情報端末と通信可能な情報管理装置と、
を備えた衣類乾燥機監視システムであって、
前記制御部は、前記衣類乾燥機の使用可否に関する使用情報を前記情報管理装置に伝達し、
前記情報管理装置は、前記制御部から伝達された前記使用情報を記憶する記憶部を有し、前記記憶部に記憶された前記使用情報を前記外部情報端末に伝達可能に構成され、
前記衣類乾燥機は、前記乾燥室内の前記衣類の有無を検知するための衣類検知手段を有し、
前記制御部は、前記乾燥運転を実行していないときに前記衣類検知手段を作動させて前記乾燥室内の前記衣類の有無についての判断を行い、前記判断に基づく前記使用情報を前記情報管理装置に伝達し、
前記衣類乾燥機は、
前記乾燥室を閉鎖する閉鎖位置と、前記乾燥室を開放する開放位置との間で変位可能に前記筐体に支持された扉と、
前記扉が前記閉鎖位置にあるか否かを検知する扉検知手段と、
を有し、
前記制御部は、前記乾燥運転を終了した後にタイマ計測を開始し、所定の第1時間経過する前において、前記扉検知手段が前記扉の前記開放位置への変位を検知した後に前記扉の前記閉鎖位置への変位を検知した場合、前記衣類検知手段を作動させて前記判断を行い、前記使用情報を前記情報管理装置に伝達し、
前記制御部は、前記第1時間経過しても、前記扉検知手段が前記扉の前記開放位置への変位を検知しない場合、前記乾燥室内の乾燥した前記衣類の取り出しが未実施であることを前記情報管理装置に伝達し、
前記衣類乾燥機は、前記閉鎖位置にある前記扉をロック可能なロック機構を有し、
前記情報管理装置は、前記外部情報端末から前記衣類乾燥機の予約及び前記予約の実行を受け付け、
前記制御部は、前記扉が前記閉鎖位置にあり、かつ前記乾燥室内に前記衣類が無い状態で、前記情報管理装置に対して前記予約の有無を確認し、前記予約が有れば前記ロック機構を制御して前記閉鎖位置にある前記扉をロックした後にタイマ計測を開始し、所定の第2時間経過する前において、前記情報管理装置から前記予約の実行の指示があれば、前記ロック機構を制御して前記扉のロックを解除し、
前記制御部は、前記第2時間経過しても、前記情報管理装置から前記予約の実行の指示がない場合、前記ロック機構を制御して前記扉のロックを解除し、前記情報管理装置に対して空き状態になったことを連絡することを特徴とする。
【0007】
本発明の衣類乾燥機監視システムでは、制御部は、乾燥運転を実行していないときに衣類検知手段を作動させて乾燥室内の衣類の有無についての判断を行い、その判断に基づいて衣類乾燥機の使用可否に関する使用情報を情報管理装置に伝達する。
【0008】
これにより、衣類乾燥機を利用するユーザがスマートフォンやタブレット端末等の外部情報端末を用いて衣類乾燥機が使用可能か否かを確認しようとするときに、情報管理装置は、乾燥室内に衣類が有るという衣類乾燥機の制御部の判断に基づいて、外部情報端末に対して衣類乾燥機が使用可能でないという情報を伝達できる。その結果、ユーザは、その衣類乾燥機は利用しないで他の衣類乾燥機を探すことができる。また、情報管理装置は、乾燥室内に衣類が無いという衣類乾燥機の制御部の判断に基づいて、外部情報端末に対して衣類乾燥機が使用可能であるという情報を伝達できる。その結果、ユーザは、その衣類乾燥機の設置場所に出向いて、その衣類乾燥機を速やかに使用し、乾燥運転を実行できる。
【0009】
したがって、本発明の衣類乾燥機監視システムでは、衣類乾燥機を利用するユーザの利便性をより向上させることができるとともに、衣類乾燥機をより効率的に運用できる。
【0010】
衣類検知手段は、乾燥室内を撮影する撮像装置を含んでいることが望ましい。
【0011】
この場合、制御部が撮像装置の撮影画像を画像認識技術等を用いて解析できるので、乾燥室内の衣類の有無を精度良く判断できる。
【0012】
衣類乾燥機は、筐体に回転可能に収容され、乾燥室が形成された回転ドラムを有していることが望ましい。撮像装置は、筐体に回転不能に支持されていることが望ましい。そして、制御部は、衣類検知手段を作動させるときに、回転ドラムを回転させることが望ましい。
【0013】
この場合、衣類の量が極めて少なくても、回転ドラムの回転によって動く衣類を撮像装置が確実に撮影できる。その結果、制御部は、撮像装置の撮影画像を画像認識技術等を用いて解析することにより、乾燥室内の衣類の有無を一層精度良く判断できる。
【0014】
衣類乾燥機は、乾燥室を閉鎖する閉鎖位置と、乾燥室を開放する開放位置との間で変位可能に筐体に支持された扉と、扉が閉鎖位置にあるか否かを検知する扉検知手段と、を有している。そして、制御部は、乾燥運転を終了した後にタイマ計測を開始し、所定の第1時間経過する前において、扉検知手段が扉の開放位置への変位を検知した後に扉の閉鎖位置への変位を検知した場合、衣類検知手段を作動させて前記判断を行い、使用情報を情報管理装置に伝達する。
【0015】
扉が開放位置から閉鎖位置に変位するタイミングは、例えば、ユーザが乾燥させようとする衣類を乾燥室に投入した後や、ユーザが乾燥した衣類を乾燥室から取り出した後である。制御部は、このようなタイミングで乾燥室内の衣類の有無についての判断を行うことにより、使用情報を情報管理装置に迅速に伝達できる。そして、情報管理装置も、その使用情報を外部情報端末に迅速に伝達できる。その結果、衣類乾燥機を利用するユーザの利便性をより一層向上させることができるとともに、衣類乾燥機をより一層効率的に運用できる。
【0016】
制御部は、第1時間経過しても、扉検知手段が扉の開放位置への変位を検知しない場合、乾燥室内の乾燥した衣類の取り出しが未実施であることを情報管理装置に伝達する。
【0017】
この構成により、ユーザや管理者に対して、衣類の取り出し等の対応を催促することができる。
【0018】
衣類乾燥機は、閉鎖位置にある扉をロック可能なロック機構を有している。情報管理装置は、外部情報端末から衣類乾燥機の予約及び予約の実行を受け付ける。そして、制御部は、扉が閉鎖位置にあり、かつ乾燥室内に衣類が無い状態で、情報管理装置に対して予約の有無を確認し、予約が有ればロック機構を制御して閉鎖位置にある扉をロックした後にタイマ計測を開始し、所定の第2時間経過する前において、情報管理装置から予約の実行の指示があれば、ロック機構を制御して扉のロックを解除する。
【0019】
この構成により、あるユーザが外部情報端末から情報管理装置に対して衣類乾燥機の予約をしたにもかかわらず、別のユーザがその衣類乾燥機の乾燥室内に衣類を投入してしまう不具合を抑制できる。その結果、衣類乾燥機を利用するユーザの利便性をより一層向上させることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の衣類乾燥機監視システムによれば、衣類乾燥機を利用するユーザの利便性をより向上させることができるとともに、衣類乾燥機をより効率的に運用できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、実施例の衣類乾燥機監視システムの模式図である。
図2図2は、実施例の衣類乾燥機監視システムに係り、衣類乾燥機の模式断面図である。
図3図3は、実施例の衣類乾燥機監視システムに係り、衣類乾燥機の制御部が実行するプログラムのフローチャートである。
図4図4は、実施例の衣類乾燥機監視システムに係り、衣類乾燥機の制御部が実行するプログラムのフローチャートである。
図5図5は、図3及び図4に示すプログラムの一部を変更した変形例を示すフローチャートである。
図6図6は、図3及び図4に示すプログラムの一部を変更した変形例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した実施例を図面を参照しつつ説明する。
【0023】
(実施例)
図1に示す実施例の衣類乾燥機監視システム100は、本発明の衣類乾燥機監視システムの具体的態様の一例であり、集合住宅の共同ランドリー施設L1に適用されている。衣類乾燥機監視システム100は、衣類乾燥機1及びサーバ20を備えている。サーバ20は、本発明の「情報管理装置」の一例である。
【0024】
衣類乾燥機1(1A、1B、1C、…)は、共同ランドリー施設L1内に複数台設置されている。各衣類乾燥機1は、共同ランドリー施設L1内に設置されたネットワークインターフェースL1Nを経由して、インターネット等のネットワークNW1に接続されている。
【0025】
サーバ20は、集合住宅の管理人室等、共同ランドリー施設L1から離れた場所に設置されており、共同ランドリー施設L1の施設管理者等によって使用される。サーバ20は、ネットワークNW1を経由して、共同ランドリー施設L1内の各衣類乾燥機1と通信可能である。また、サーバ20は、ネットワークNW1を経由して、共同ランドリー施設L1を利用するユーザが所有する外部情報端末90と通信可能である。
【0026】
そして、衣類乾燥機監視システム100は、サーバ20によって各衣類乾燥機1を監視し、各衣類乾燥機1についての情報を外部情報端末90に提供可能となっている。以下、衣類乾燥機1、サーバ20及び外部情報端末90の構成について説明した後、各衣類乾燥機1の監視の内容について詳しく説明する。
【0027】
<衣類乾燥機の構成>
図1に示す各衣類乾燥機1(1A、1B、1C、…)は同一構成である。図2に示すように、衣類乾燥機1は、ガスの燃焼によって加熱した空気で衣類を乾燥させるガス衣類乾燥機である。衣類乾燥機1は、筐体8、回転ドラム80及び扉89を有している。
【0028】
本実施例では、略箱状体である筐体8における扉89が配置された側面側を筐体8の前面側と規定し、筐体8における扉89が配置された側面とは反対の側面側を筐体8の後面側と規定する。
【0029】
筐体8の前面には、衣類投入口88が設けられている。衣類投入口88における筐体8の内部に位置する端縁には、略円環状のリング板87の内周縁が接合されている。リング板87の下部分には、連通孔87Aが形成されている。
【0030】
筐体8の後面側の壁には、回転軸心X80を中心とするドラム支持軸80Sが固定されている。回転軸心X80は、筐体8の前後方向に水平に延びている。ドラム支持軸80Sは、筐体8の前面側に突出している。
【0031】
回転ドラム80は、筐体8内に設けられている。回転ドラム80は、円筒部84及び奥壁部82を有している。円筒部84は、回転軸心X80を中心とする円筒形状である。奥壁部82は、円筒部84における筐体8の後面側に位置する端縁に接続する略円盤形状である。
【0032】
回転ドラム80は、円筒部84及び奥壁部82によって、衣類C1を収容する乾燥室81を形成している。奥壁部82には、通気部83が設けられている。通気部83は、複数の孔と、各孔を覆うフィルタとによって構成されている。
【0033】
回転ドラム80は、奥壁部82がドラム支持軸80Sによって回転可能に支持され、かつ円筒部84における筐体8の前面側に位置する端縁がリング板87の外周縁によって回転可能に支持されることにより、回転軸心X80周りに回転可能となっている。
【0034】
扉89は、閉鎖位置と開放位置との間で揺動可能に筐体8の前面側に支持されている。扉89は、閉鎖位置にある状態で、衣類投入口88を覆って乾燥室81を閉鎖する。その一方、扉89は、開放位置にある状態で、衣類投入口88から離間して乾燥室81を開放する。
【0035】
筐体8における衣類投入口88を囲む周縁部の最下部には、扉検知手段89Sが設けられている。扉検知手段89Sは、近接スイッチやマイクロスイッチ等であり、扉89が閉鎖位置にあるか否かを検知する。本実施例では、扉検知手段89Sは、扉89が閉鎖位置にあるときにON信号を出力する一方、扉89が開放位置にあるときにOFF信号を出力する。
【0036】
筐体8における衣類投入口88の周縁部の最上部には、ロック機構85が設けられている。ロック機構85は、図示しないソレノイドへの通電によってロックピン85Pを下向きに突出させることにより、閉鎖位置にある扉89をロック可能である。
【0037】
筐体8におけるリング板87の最下部には、カメラDC1が設けられている。カメラDC1は、本発明の「撮像装置」の一例である。筐体8におけるリング板87の最上部には、照明器具DL1が設けられている。カメラDC1及び照明器具DL1は、本発明の「衣類検知手段」の一例である。
【0038】
カメラDC1はデジタルカメラであり、静止画や動画を撮影してその画像データを出力可能な周知の構成を備えている。カメラDC1は、乾燥室81内の広範囲の領域を撮影可能に設置されており、特に、衣類C1が存在する可能性が高い乾燥室81内の下方の領域を好適に撮影可能となっている。
【0039】
照明器具DL1は、通電によって発光するLEDランプや蛍光ランプ等であり、乾燥室81内の広範囲の領域を照らすように設定されている。照明器具DL1は、ユーザが衣類C1を乾燥室81内に投入したり、乾燥室81内から衣類C1を取り出したりする際に点灯し、乾燥室81内を照らす。
【0040】
後で説明するように、カメラDC1及び照明器具DL1は、乾燥室81内の衣類C1の有無を検知するために利用され、照明器具DL1が点灯して乾燥室81内を照らす状態で、カメラDC1が乾燥室81内を撮影するようになっている。
【0041】
筐体8内における回転ドラム80よりも下方には、モータ60が設けられている。モータ60は、回転軸心X80と平行な駆動軸心X60を中心とする第1駆動軸61及び第2駆動軸62を有している。第1駆動軸61は、筐体8の前面側に突出している。第2駆動軸62は、筐体8の後面側に突出している。
【0042】
第1駆動軸61には、第1プーリ61Pが一体回転可能に固定されている。そして、第1伝達ベルト61Bが第1プーリ61Pと、回転ドラム80の円筒部84とに巻き掛けられている。
【0043】
モータ60が作動して駆動力を発生すると、第1駆動軸61、第1プーリ61P及び第1伝達ベルト61Bを経由して円筒部84に駆動力が伝達され、回転ドラム80が回転軸心X80周りに回転する。回転ドラム80の回転は、乾燥室81に収容されている衣類C1を定位置に止めることなく常に動かすために行われる。
【0044】
また、衣類乾燥機1は、送風手段7及び加熱源5を有している。
【0045】
送風手段7は、給気口71、給気ダクト72、排気口75、排気ダクト76及び排気ファン78を含んでいる。
【0046】
給気口71は、筐体8の底壁に貫設された複数の穴である。給気ダクト72は、筐体8内における前面側、かつ底壁側に設けられている。給気ダクト72には、導入口72Aが形成されている。導入口72Aは、筐体8内において給気口71から上方に離間する位置で下向きに大きく開口している。給気ダクト72は、導入口72Aから上向きに延びて、その上端がリング板87の連通孔87Aに接続している。
【0047】
給気口71、給気ダクト72及び連通孔87Aによって、乾燥室81に空気を供給する給気経路が構成されている。
【0048】
排気口75は、回転ドラム80よりも筐体8の後面側において、筐体8の上壁に貫設された穴である。排気ダクト76は、回転ドラム80の奥壁部82と筐体8の後面側の壁との間に設けられている。排気ダクト76には、導出口76Aが形成されている。導出口76Aは、筐体8内において奥壁部82の通気部83に対向する位置で前向きに大きく開口している。排気ダクト76は、導出口76Aから上向きに延びて、その上端が排気口75に接続している。
【0049】
通気部83、排気ダクト76及び排気口75によって、乾燥室81から空気を排出する排気経路が構成されている。
【0050】
排気ファン78は、排気ダクト76内に設けられている。排気ファン78は、奥壁部82の通気部83に対向する状態で、ドラム支持軸80Sに外挿された円筒状のファン支持体78Sに一体回転可能に固定されている。これにより、排気ファン78は、回転軸心X80周りに回転可能となっている。
【0051】
モータ60の第2駆動軸62には、第2プーリ62Pが一体回転可能に固定されている。そして、第2伝達ベルト62Bが第2プーリ62Pと、ファン支持体78Sとに巻き掛けられている。
【0052】
モータ60が作動して駆動力を発生すると、第2駆動軸62、第2プーリ62P及び第2伝達ベルト62Bを経由してファン支持体78Sに駆動力が伝達され、排気ファン78が回転軸心X80周りに回転する。排気ファン78の回転により、筐体8の外部の空気が給気口71、給気ダクト72及び連通孔87Aを経由して乾燥室81内に供給され、乾燥室81内で流通した後、通気部83、排気ダクト76及び排気口75を経由して筐体8の外部に排出される。
【0053】
加熱源5は、ガスバーナ50、ガス供給弁装置53及びガス噴射ノズル51を有している。
【0054】
ガスバーナ50は、給気ダクト72の導入口72Aの真下に配置されている。ガス供給弁装置53は、図示しないガス供給源からガス噴射ノズル51に燃料ガスを供給する。ガス噴射ノズル51は、燃料ガスをガスバーナ50のガス入口50Aに向けて噴射する。これにより、燃料ガスがガス入口50A周辺の空気と共にガスバーナ50に導かれて燃焼する。その結果、排気ファン78の回転によって給気口71から筐体8内に取り込まれた空気は、ガスバーナ50で生成される燃料排ガスによって加熱され、給気ダクト72の導入口72A等を経由して乾燥室81内に温風として供給される。そして、その温風は、乾燥室81内で流通して衣類C1の湿気を吸収した後、通気部83及び排気ダクト76を経由して排気口75から筐体8の外部に排出される。
【0055】
図1及び図2に示すように、衣類乾燥機1は、制御部3を有している。制御部3は、筐体8の前面における扉89よりも下方の位置に収容されている。
【0056】
制御部3は、図示しないCPU、ROM、RAM及びインターフェース回路等により構成された電子回路ユニットである。ROMには、例えば図3及び図4に示すプログラムのように、衣類乾燥機1の各種動作を実行するためのプログラム等が格納されている。RAMは、CPUが上記プログラムを実行する際に用いるデータや信号を一時的に記録する記憶領域、又はデータ処理の作業領域として使用される。
【0057】
制御部3は、図3及び図4に示すプログラムを実行することにより、送風手段7及び加熱源5を構成するモータ60及びガス供給弁装置53等を制御して、乾燥室81に収容された衣類C1を乾燥させる乾燥運転を実行するようになっている。
【0058】
また、制御部3は、図3及び図4に示すプログラムの実行中において、扉検知手段89Sの検知結果を取得するとともに、カメラDC1及び照明器具DL1を制御するようになっている。
【0059】
さらに、制御部3は、図示しない通信用インターフェース回路により、共同ランドリー施設L1内のネットワークインターフェースL1N及びネットワークNW1を経由して、サーバ20と通信可能である。
【0060】
図1及び図2に示すように、衣類乾燥機1は、入力部3E及び表示部3Dを有している。入力部3E及び表示部3Dは、筐体8の前面における扉89よりも下方の位置に露出するように設けられている。
【0061】
入力部3Eは、電源ボタン、乾燥運転等の開始を指示するためのスタートボタン、数値入力や各種のモードの選択を行うボタン等の複数のボタンを含んでいる。ユーザが入力部3Eに対して行う各種の操作は、制御部3に伝達されて乾燥運転等の制御に反映される。
【0062】
表示部3Dは、複数並んで配置される7セグメントLED、液晶ディスプレイ、間又はLEDランプ等である。表示部3Dは、制御部3に制御されて、衣類乾燥機1の運転状況に関する各種の情報やエラーメッセージ等を表示するようになっている。
【0063】
<サーバの構成>
図1に示すように、サーバ20は、サーバ制御部20C、サーバ記憶部20M、サーバ入力部20E及びサーバ表示部20Dを有している。サーバ記憶部20Mは、本発明の「記憶部」の一例である。
【0064】
サーバ制御部20Cは、図示しないCPU、ROM、RAM及びインターフェース回路等により構成された電子回路ユニットであって、高速で大量の情報処理を実施可能である。
【0065】
サーバ記憶部20Mは、ハードディスクドライブやメモリカードのようなサーバ制御部20Cとは別体の外部記憶装置であってもよいし、サーバ制御部20Cに内蔵された不揮発性メモリ等であってもよい。サーバ記憶部20Mは、サーバ制御部20Cからの書き込み指令によって、各種情報を長期的に記憶するとともに、サーバ制御部20Cからの読み出し指令によって、それらの情報をサーバ制御部20Cに伝達する長期記憶領域として使用される。
【0066】
さらに、サーバ制御部20Cは、図示しない通信用インターフェース回路により、ネットワークNW1及び共同ランドリー施設L1内のネットワークインターフェースL1Nを経由して、各衣類乾燥機1の制御部3と通信可能である。
【0067】
各衣類乾燥機1のうちの少なくとも1つの制御部3が図3及び図4に示すプログラムを実行することにより、その少なくとも1つの制御部3とサーバ制御部20Cとの間で通信が行われるようになっている。そして、サーバ制御部20Cは、制御部3から伝達される情報を適宜サーバ記憶部20Mに記憶させる。制御部3からサーバ制御部20Cに伝達される情報には、後述する使用情報が含まれる。
【0068】
図1に示すように、サーバ入力部20Eは、複数のスイッチが配列されたキーボードにより構成されており、サーバ20等の操作に関する入力を受ける。
【0069】
サーバ表示部20Dは、サーバ制御部20Cに制御されて、文字や画像等の各種の情報を表示する液晶ディスプレイ等である。サーバ表示部20Dは、各衣類乾燥機1の制御部3との通信内容に基づいて、各衣類乾燥機1に関する各種の情報やエラーメッセージ等を表示するようになっている。
【0070】
<外部情報端末の構成>
図1に示すように、本実施例では、外部情報端末90は、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末である。なお、外部情報端末90は、パソコン等の据え置き型端末であってもよい。外部情報端末90は、端末制御部90C及びタッチパネル90Tを有している。
【0071】
端末制御部90Cは、図示しないCPU、ROM、RAM及びインターフェース回路等により構成された電子回路ユニットであって、外部情報端末90の動作に関する制御処理を実行する。端末制御部90Cは、図示しない通信用インターフェース回路により、携帯電話の周波数帯を用いて通話を実行したり、ネットワークNW1を経由して、サーバ20のサーバ制御部20Cと通信したりすることが可能である。
【0072】
タッチパネル90Tは、文字や画像等の各種情報を表示するとともに、ユーザがタッチパネル90Tに触れて行う操作により、各種の入力を受ける。
【0073】
外部情報端末90を使用するユーザが衣類乾燥機1を利用するための専用アプリケーションプログラムを実行することにより、タッチパネル90Tは、サーバ20のサーバ制御部20Cとの通信内容に基づいて、各衣類乾燥機1に関する各種の情報を表示するようになっている。
【0074】
<衣類乾燥機の監視及び外部情報端末への情報提供の内容>
上記構成である衣類乾燥機監視システム100では、サーバ20によって各衣類乾燥機1を監視し、各衣類乾燥機1についての情報を外部情報端末90に提供するために、共同ランドリー施設L1の始業時、各衣類乾燥機1(1A、1B、1C、…)において、制御部3が図3及び図4に示すプログラムを実行する。
【0075】
制御部3は、図3に示すステップS101において、待機状態となる。なお、共同ランドリー施設L1の始業時には、各衣類乾燥機1について清掃作業や始業前の点検作業が行われるので、ステップS101では、乾燥室81内に衣類C1が無いことが確認済である。また、後述するように、図4に示すステップS126から図3に示すステップS101に移行する場合にも、乾燥室81内に衣類C1が無いことが確認済である。
【0076】
次に、制御部3は、ステップS102に移行して、衣類乾燥機1が待機状態であり、かつ乾燥室81内に衣類C1が無い状態、すなわち空き状態になったことをサーバ20のサーバ制御部20Cに連絡する。ステップS102においてサーバ制御部20Cに伝達される情報は、本発明の「衣類乾燥機の使用可否に関する使用情報」の一例である。すると、サーバ制御部20Cは、制御部3から伝達された情報をサーバ記憶部20Mに記憶させる。これにより、衣類乾燥機1を利用するユーザが外部情報端末90を用いて衣類乾燥機1が使用可能か否かを確認しようとするときに、サーバ20は、外部情報端末90に対して衣類乾燥機1が使用可能であるという情報を伝達できる。
【0077】
次に、制御部3は、ステップS103に移行して、扉89が開放位置にあるか否かを判断する。扉89が閉鎖位置にあって扉検知手段89SがON信号を出力している場合、ステップS103において「No」となり、ステップS103を繰り返す。そして、衣類C1を乾燥室81内に投入しようとするユーザの開操作により、扉89が開放位置に変位して扉検知手段89SがOFF信号を出力すると、ステップS103において「Yes」となり、ステップS104に移行する。
【0078】
制御部3は、ステップS104に移行すると、扉89が開放位置に変位して衣類C1を乾燥室81内に投入可能な使用中状態になったことをサーバ20のサーバ制御部20Cに連絡する。ステップS104においてサーバ制御部20Cに伝達される情報も、本発明の「衣類乾燥機の使用可否に関する使用情報」の一例である。すると、サーバ制御部20Cは、制御部3から伝達された情報をサーバ記憶部20Mに記憶させる。これにより、衣類乾燥機1を利用するユーザが外部情報端末90を用いて衣類乾燥機1が使用可能か否かを確認しようとするときに、サーバ20は、外部情報端末90に対して衣類乾燥機1が使用可能でないという情報を伝達できる。
【0079】
次に、制御部3は、ステップS105に移行して、扉89が閉鎖位置にあるか否かを判断する。ステップS105において「No」の場合、ステップS105を繰り返す。そして、衣類C1の乾燥室81内への投入を完了したユーザの閉操作により、扉89が閉鎖位置に変位してステップS105において「Yes」になると、ステップS106に移行する。
【0080】
制御部3は、ステップS106に移行すると、カメラDC1及び照明器具DL1を作動させるとともに、回転ドラム80を回転させて、乾燥室81内の衣類C1の有無を検知するための衣類検知動作を実行する。
【0081】
具体的には、制御部3は、照明器具DL1を点灯させて、乾燥室81内の広範囲の領域が明るく照らされた状態とする。また、制御部3は、回転ドラム80を一定速度で、又は、回転と停止とを繰り返しながら、一周以上回転させる。それと同時に、カメラDC1によって、乾燥室81内を1秒間に数回~数十回の頻度で撮影する。
【0082】
次に、制御部3は、ステップS107に移行して、カメラDC1が撮影した画像データの動画解析を行うことで、乾燥室81内の衣類C1の有無について判断する。乾燥室81内に衣類C1が有れば、その衣類C1が乾燥室81内で持ち上げられて落下するので、制御部3は動画解析によって乾燥室81内の衣類C1の有無を精度良く判断できる。ステップS107において「No」の場合、乾燥室81内に衣類C1が無く、乾燥運転を実行できないので、ステップS101~S107を繰り返す。その一方、ステップS107において「Yes」の場合、ステップS111に移行する。
【0083】
制御部3は、ステップS111に移行すると、乾燥室81内に投入された衣類C1を乾燥させるために、乾燥運転を開始する。具体的には、制御部3は、モータ60を作動させ、回転ドラム80及び排気ファン78を回転させる。また、制御部3は、加熱源5を作動させ、ガス供給弁装置53によってガス噴射ノズル51に燃料ガスを供給し、ガスバーナ50に点火する。これにより、ガスバーナ50で生成される燃料排ガスによって加熱された空気が乾燥室81内に温風として供給され、乾燥室81内で流通した後、筐体8の外部に排出される。
【0084】
次に、制御部3は、ステップS112に移行して、衣類乾燥機1が乾燥運転状態になったことをサーバ20のサーバ制御部20Cに連絡するとともに、乾燥運転を終了する予想時刻をサーバ制御部20Cに連絡する。ステップS112においてサーバ制御部20Cに伝達される情報も、本発明の「衣類乾燥機の使用可否に関する使用情報」の一例である。すると、サーバ制御部20Cは、制御部3から伝達された情報をサーバ記憶部20Mに記憶させる。これにより、衣類乾燥機1を利用するユーザが外部情報端末90を用いて衣類乾燥機1が使用可能か否かを確認しようとするときに、サーバ20は、外部情報端末90に対して衣類乾燥機1が使用可能でないという情報を伝達できる。この際、サーバ20は、外部情報端末90に対して、衣類乾燥機1が乾燥運転を終了する予想時刻も伝達できる。
【0085】
制御部3は、乾燥室81内の温度や乾燥室81内の衣類C1の湿り具合等を図示しないセンサによって検知して衣類C1の乾燥が完了したと判断したり、指定された乾燥運転時間を満了したと判断したりすると、ステップS113に移行して、乾燥運転を終了する。具体的には、制御部3は、加熱源5を停止させ、加熱されていない空気を乾燥室81内に供給して乾燥室81内の温度を低下させた後、モータ60を停止させる。
【0086】
次に、制御部3は、ステップS114に移行して、衣類乾燥機1の乾燥運転が終了したことをサーバ20のサーバ制御部20Cに連絡する。ステップS114においてサーバ制御部20Cに伝達される情報も、本発明の「衣類乾燥機の使用可否に関する使用情報」の一例である。すると、サーバ制御部20Cは、制御部3から伝達された情報をサーバ記憶部20Mに記憶させる。これにより、衣類乾燥機1を利用するユーザが外部情報端末90を用いて衣類乾燥機1が使用可能か否かを確認しようとするときに、サーバ20は、外部情報端末90に対して衣類乾燥機1が使用可能でないがしばらくしたら使用可能になるという情報を伝達できる。
【0087】
次に、制御部3は、図4に示すステップS121に移行して、タイマ計測を開始する。
【0088】
次に、制御部3は、ステップS122に移行して、タイマの経過時間が第1時間TG1未満であるか否かを判断する。第1時間TG1は、本発明の「所定時間」の一例であり、衣類C1の取り出しが未実施であることをサーバ20に報知するか否かを判断する閾値である。ステップS122において「No」の場合、ステップS129に移行する。その一方、ステップS122において「Yes」の場合、ステップS123に移行する。
【0089】
制御部3は、ステップS123に移行すると、扉89が開放位置にあるか否かを判断する。ステップS123において「No」の場合、ステップS122、S123を繰り返す。そして、乾燥が完了した衣類C1を乾燥室81内から取り出そうとするユーザの開操作により、扉89が開放位置に変位してステップS123において「Yes」になると、ステップS124に移行する。
【0090】
制御部3は、ステップS124に移行すると、扉89が閉鎖位置にあるか否かを判断する。ステップS124において「No」の場合、ステップS124を繰り返す。そして、乾燥室81内からの衣類C1の取り出しを行ったユーザの閉操作により、扉89が閉鎖位置に変位してステップS124において「Yes」になると、ステップS125に移行する。
【0091】
制御部3は、ステップS125に移行すると、カメラDC1及び照明器具DL1を作動させるとともに、回転ドラム80を回転させて、乾燥室81内の衣類C1の有無を検知するための衣類検知動作を実行する。衣類検知動作の具体的内容は、ステップS106において説明した通りである。
【0092】
次に、制御部3は、ステップS126に移行して、カメラDC1の撮影画像を画像認識技術等によって解析することにより、乾燥室81内の衣類C1の有無について判断する。ステップS126において「No」の場合、乾燥室81内に衣類C1の取り忘れが無いので、図3に示すステップS101に移行して待機状態となり、ステップS102に移行する。そして、制御部3は、衣類乾燥機1が待機状態であり、かつ乾燥室81内に衣類C1が無い状態、すなわち空き状態になったことをサーバ20のサーバ制御部20Cに連絡する。その一方、図4に示すステップS126において「Yes」の場合、乾燥室81内に衣類C1の取り忘れが有るので、ステップS127に移行する。
【0093】
制御部3は、ステップS127に移行すると、乾燥室81内に衣類C1の取り忘れが有ることを報知するメッセージ等を表示部3Dに表示する。なお、制御部3は、図示しないスピーカにより、同様のメッセージや警告音を音声で報知することもできる。これにより、乾燥室81内からの衣類C1の取り出しを行ったユーザは、衣類C1の取り忘れが有ることを容易に認識できる。
【0094】
次に、制御部3は、ステップS128に移行して、乾燥運転の指示があるか否かを判断する。乾燥室81内から衣類C1を取り出そうとしたユーザが衣類C1の乾燥程度が足りないと判断してさらに乾燥運転を指示する場合、ステップS128において「Yes」となるので、図3に示すステップS111に移行して、乾燥運転を開始する。その一方、乾燥運転の指示がない場合、図4に示すステップS128において「No」となるので、ステップS129に移行する。
【0095】
制御部3は、ステップS122又はステップS128からステップS129に移行すると、衣類C1の取り出しが未実施であり、その未取り出し時間が長いことをサーバ20に報知し、サーバ20を使用する共同ランドリー施設L1の施設管理者に報知する。ステップS129においてサーバ制御部20Cに伝達される情報も、本発明の「衣類乾燥機の使用可否に関する使用情報」の一例である。すると、サーバ20は、制御部3から伝達された情報をサーバ記憶部20Mに記憶させる。これにより、衣類乾燥機1を利用するユーザが外部情報端末90を用いて衣類乾燥機1が使用可能か否かを確認しようとするときに、サーバ20は、外部情報端末90に対して衣類乾燥機1が使用可能でないという情報を伝達できる。
【0096】
次に、制御部3は、ステップS130に移行して、タイマをリセットした後、ステップS121に戻る。そして、衣類C1の未取り出しが解消されるまで、ステップS121~S130を繰り返す。
【0097】
<作用効果>
実施例の衣類乾燥機監視システム100では、制御部3は、図3に示すステップS106、S107、及び図4に示すステップS125、S126において、乾燥運転を実行していないときにカメラDC1及び照明器具DL1を作動させて乾燥室81内の衣類C1の有無についての判断を行う。そして、制御部3は、図3に示すステップS102、S112、及び図4に示すステップS127において、その判断に基づいて衣類乾燥機1の使用可否に関する使用情報をサーバ20に伝達する。
【0098】
これにより、衣類乾燥機1を利用するユーザが外部情報端末90を用いて衣類乾燥機1が使用可能か否かを確認しようとするときに、サーバ20は、乾燥室81内に衣類C1が有るという衣類乾燥機1の制御部3の判断に基づいて、外部情報端末90に対して衣類乾燥機1が使用可能でないという情報を伝達できる。その結果、ユーザは、その衣類乾燥機1は利用しないで他の衣類乾燥機1を探すことができる。また、サーバ20は、乾燥室81内に衣類C1が無いという衣類乾燥機1の制御部3の判断に基づいて、外部情報端末90に対して衣類乾燥機1が使用可能であるという情報を伝達できる。その結果、ユーザは、その衣類乾燥機1の設置場所に出向いて、その衣類乾燥機1を速やかに使用し、乾燥運転を実行できる。
【0099】
したがって、実施例の衣類乾燥機監視システム100では、衣類乾燥機1を利用するユーザの利便性をより向上させることができるとともに、衣類乾燥機1をより効率的に運用できる。
【0100】
さらに、この衣類乾燥機監視システム100では、衣類検知手段としてのカメラDC1が乾燥室81内を撮影する構成により、制御部3がカメラDC1の撮影画像を画像認識技術等を用いて解析できるので、乾燥室81内の衣類C1の有無を精度良く判断できる。
【0101】
また、この衣類乾燥機監視システム100では、制御部3は、図3に示すステップS106、及び図4に示すステップS125において、衣類検知手段としてのカメラDC1及び照明器具DL1を作動させるときに、回転ドラム80を回転させる。この構成により、衣類C1の量が極めて少なくても、回転ドラム80の回転によって動く衣類C1をカメラDC1が確実に撮影できる。その結果、制御部3は、カメラDC1の撮影画像を画像認識技術等を用いて解析することにより、乾燥室81内の衣類C1の有無を一層精度良く判断できる。
【0102】
さらに、この衣類乾燥機監視システム100では、制御部3は、図3に示すステップS105、及び図4に示すステップS124において、扉検知手段89Sが扉89の閉鎖位置への変位を検知した場合、カメラDC1及び照明器具DL1を作動させて乾燥室81内の衣類C1の有無についての判断を行い、その判断に基づく使用情報をサーバ20に伝達する。ここで、扉89が開放位置から閉鎖位置に変位するタイミングは、例えば、ユーザが乾燥させようとする衣類C1を乾燥室81に投入した後や、ユーザが乾燥した衣類C1を乾燥室81から取り出した後である。制御部3は、このようなタイミングで乾燥室81内の衣類C1の有無についての判断を行うことにより、使用情報をサーバ20に迅速に伝達できる。そして、サーバ20も、その使用情報を外部情報端末90に迅速に伝達できる。その結果、衣類乾燥機1を利用するユーザの利便性をより一層向上させることができるとともに、衣類乾燥機1をより一層効率的に運用できる。
【0103】
また、この衣類乾燥機監視システム100では、制御部3は、図4に示すステップS121において、乾燥運転を終了した後にタイマ計測を開始する。そして、第1時間TG1経過しても、扉検知手段89Sが扉89の開放位置への変位を検知しない場合にはステップS122からステップS129に移行して、乾燥室81内の乾燥した衣類C1の取り出しが未実施であることをサーバ20に伝達する。この構成により、衣類C1の取り忘れをしたユーザや、共同ランドリー施設L1の施設管理者に対して、衣類C1の取り出し等の対応を催促することができる。
【0104】
(変形例)
実施例の衣類乾燥機監視システム100において、サーバ20は、外部情報端末90から衣類乾燥機1(1A、1B、1C、…)のうちの任意の衣類乾燥機1について、予約及び予約の実行を受け付けるようになっていてもよい。この場合、図3及び図4に示すプログラムの一部を図5及び図6に示すように変更することで、共同ランドリー施設L1の各衣類乾燥機1について、予約があるときに閉鎖位置にある扉89をロックし、予約の実行の指示があったときに、扉89のロックを解除することができる。
【0105】
すなわち、図5及び図6に示す変形例では、図3に示すステップS102を図5に示すステップS201~S209に置き換えただけであって、ステップS101、S103~S130の変更はない。
【0106】
図5に示すように、制御部3は、ステップS101からステップS201に移行すると、衣類乾燥機1が待機状態であり、かつ乾燥室81内に衣類C1が無い状態、すなわち空き状態になったことをサーバ20のサーバ制御部20Cに連絡する。ステップS201においてサーバ制御部20Cに伝達される情報も、本発明の「衣類乾燥機の使用可否に関する使用情報」の一例である。すると、サーバ制御部20Cは、制御部3から伝達された情報をサーバ記憶部20Mに記憶させる。これにより、衣類乾燥機1を利用するユーザが外部情報端末90を用いて衣類乾燥機1が使用可能か否かを確認しようとするときに、サーバ20は、外部情報端末90に対して衣類乾燥機1が使用可能であるという情報を伝達できる。
【0107】
次に、制御部3は、ステップS202に移行して、サーバ20から予約があるか否かを判断する。ステップS202において「No」の場合、ステップS103に移行する。ステップS103以降の処理は、ステップS103において「No」の場合にステップS202に戻る点が相違するだけで、その他は上述した通りである。その一方、ステップS202において「Yes」の場合、ステップS203に移行する。
【0108】
制御部3は、ステップS203に移行すると、ロック機構85を制御して、閉鎖位置にある扉89をロックする。これにより、外部情報端末90によって任意の衣類乾燥機1を予約したユーザとは別のユーザがその衣類乾燥機1を使用できない状態となる。
【0109】
次に、制御部3は、ステップS204に移行して、衣類乾燥機1が予約待機状態になったことをサーバ20のサーバ制御部20Cに連絡する。ステップS204においてサーバ制御部20Cに伝達される情報も、本発明の「衣類乾燥機の使用可否に関する使用情報」の一例である。すると、サーバ制御部20Cは、制御部3から伝達された情報をサーバ記憶部20Mに記憶させる。これにより、衣類乾燥機1を利用するユーザが外部情報端末90を用いて衣類乾燥機1が使用可能か否かを確認しようとするときに、サーバ20は、外部情報端末90に対して衣類乾燥機1が使用可能でないという情報を伝達できる。
【0110】
次に、制御部3は、ステップS205に移行して、タイマ計測を開始する。
【0111】
次に、制御部3は、ステップS206に移行して、タイマの経過時間が第2時間TG2未満であるか否かを判断する。第2時間TG2は、予約が長時間実行されないときにロックを解除するか否かを判断する閾値である。ステップS206において「No」の場合、ステップ209に移行する。その一方、ステップS206において「Yes」の場合、ステップS207に移行する。
【0112】
制御部3は、ステップS207に移行すると、サーバ20から予約の実行指示があるか否かを判断する。予約をしたユーザが共同ランドリー施設L1に到着し、外部情報端末90を操作して予約の実行をサーバ20に連絡したときに、サーバ20は、予約の実行を指示する。ステップS207において「No」の場合、ステップS206、S207を繰り返す。そして、サーバ20から予約の実行指示があると、ステップS207において「Yes」となり、ステップS208に移行する。
【0113】
制御部3は、ステップS208に移行すると、ロック機構85を制御して、扉89のロックを解除するとともに、タイマをリセットした後、ステップS103に移行する。これにより、ユーザが予約した衣類乾燥機1を利用できる。
【0114】
制御部3は、ステップS206からステップS209に移行すると、予約が長時間放置されていると判断する。そして、制御部3は、ロック機構85を制御して、扉89のロックを解除するとともに、タイマをリセットした後、ステップS201に戻って、空き状態になったことをサーバ20に連絡する。これにより、サーバ20は予約をキャンセルする。
【0115】
この変形例では、あるユーザが外部情報端末90からサーバ20に対して任意の衣類乾燥機1の予約をしたにもかかわらず、別のユーザがその衣類乾燥機1の乾燥室81内に衣類C1を投入してしまう不具合を抑制できる。その結果、衣類乾燥機1を利用するユーザの利便性をより一層向上させることができる。
【0116】
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0117】
実施例では、衣類検知手段がカメラDC1及び照明器具DL1であるがこの構成には限定されず、例えば、照明器具DL1が無くてもよいし、カメラDC1の撮影時に回転ドラム81を回転させなくてもよい。また、衣類検知手段は、モーションセンサ、近接センサ、発光部から受光部に至る光路の開放又は遮断を検知して物体の有無を検知するセンサ等、様々な検知手段を採用できる。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明は例えば、衣類乾燥機が設置されたコインランドリーや集合住宅等に利用可能である。
【符号の説明】
【0119】
100…衣類乾燥機監視システム
C1…衣類
81…乾燥室
8…筐体
7…送風手段
3…制御部
1…衣類乾燥機
NW1…ネットワーク
90…外部情報端末
20…情報管理装置(サーバ)
DC1、DL1…衣類検知手段(DC1…撮像装置(カメラ)、DL1…照明器具)
20M…記憶部(サーバ記憶部)
80…回転ドラム
89…扉
89S…扉検知手段
TG1…所定時間(第1時間)
85…ロック機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6