(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-25
(45)【発行日】2022-12-05
(54)【発明の名称】媒体中の粒子によって放出される蛍光を収集するための装置
(51)【国際特許分類】
G01N 21/64 20060101AFI20221128BHJP
G01N 21/03 20060101ALI20221128BHJP
G01N 33/483 20060101ALI20221128BHJP
G02B 6/125 20060101ALI20221128BHJP
G02B 6/12 20060101ALI20221128BHJP
G01N 21/05 20060101ALN20221128BHJP
【FI】
G01N21/64 G
G01N21/03 Z
G01N33/483 C
G02B6/125 301
G02B6/12 331
G01N21/05
(21)【出願番号】P 2019531882
(86)(22)【出願日】2017-12-12
(86)【国際出願番号】 EP2017082391
(87)【国際公開番号】W WO2018114475
(87)【国際公開日】2018-06-28
【審査請求日】2020-12-10
(32)【優先日】2016-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519155413
【氏名又は名称】ミダイアグノスティクス・エヌブイ
【氏名又は名称原語表記】miDiagnostics NV
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ヤンセン、ローロフ
【審査官】▲高▼場 正光
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-525595(JP,A)
【文献】米国特許第05569911(US,A)
【文献】米国特許第06075611(US,A)
【文献】特表2014-520258(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0268113(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00 - G01N 21/83
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体中の粒子によって放出される蛍光を収集するための装置であって、
蛍光を放出することができる粒子を含む媒体を保持するための室を有する基板と、
前記基板に配置され、前記室中へと延びる第1の導波路と、
ここで、前記第1の導波路は光源から励起光を受け取り、前記第1の導波路の第1の方向に沿って前記室を通して前記励起光を導き、前記励起光による前記粒子の励起に続いて前記粒子によって放出される蛍光を収集するように構成されるものであり、
前記第1の導波路に配置された結合器と、
を備え、
ここで、前記結合器は方向性結合器であり、収集された蛍光をその端部のうちの1つにおいて出力するように構成される第2の導波路を含み、
ここで、前記第2の導波路は、前記第1の方向と反対の方向に進む収集された蛍光が前記第1の導波路から直接前記第2の導波路へと結合されるように、前記第1の導波路に対して配置されているとともに、第1の端部において収集された蛍光を出力し、第2の端部において、前記第1の導波路から前記第2の導波路へと結合された励起光を出力するように配置されている、装置。
【請求項2】
前記結合器が、前記第1の方向に対して前記室の上流の前記第1の導波路に配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第2の導波路が前記第1の導波路に隣接して配置され、それによって、前記第1の方向と反対の方向に進む収集された蛍光が前記第1の導波路から直接前記第2の導波路に結合されていることを可能にする、請求項1又は請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の導波路が、前記媒体中で蛍光を放出することができる粒子の濃度とは無関係に選択される長さを有する、請求項1~請求項3のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記基板、前記第1の導波路、及び前記結合器が、使い捨てチップ上に配置されている、請求項1~4のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
媒体中の粒子によって放出される蛍光を検出するためのシステムであって、
請求項1~請求項5のうちのいずれか一項に記載の、媒体中の粒子によって放出される蛍光を収集するための装置と、
前記装置の前記第1の導波路に励起光を入力するための、前記第1の導波路に結合された光源と、
前記装置の前記第2の導波路の前記端部のうちの1つから出力される前記収集された蛍光を検出するための、前記第2の導波路に結合された検出器と、
を備える、システム。
【請求項7】
前記システムが使い捨て部分と使い捨てでない部分とを備え、前記使い捨て部分は前記使い捨てでない部分に接続されるように配置され、
前記光源及び前記検出器が、前記使い捨てでない部分に配置され、前記装置が前記使い捨て部分に配置されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
請求項1~5のうちのいずれか一項に記載の装置を備えるか、又は請求項6
若しくは7に記載のシステムを備える、診断装置。
【請求項9】
媒体中の粒子によって放出される蛍光を検出するための方法であって、
第1の導波路によって励起光を受け取り、前記第1の導波路の第1の方向に沿って前記励起光を導くことと、ここで、前記第1の導波路の一部が、蛍光を放出することができる前記粒子を含む媒体を通って延びており、
前記第1の導波路を使用して、前記励起光による励起に続いて前記粒子によって放出された蛍光を収集することと、
前記第1の導波路に配置された方向性結合器を使用して、前記第1の導波路から直接前記方向性結合器の第2の導波路へと、前記第1の方向と反対の方向に進む蛍光を結合することと、
検出器を使用して、前記第2の導波路の第1の端部において、前記収集された蛍光を検出することと、
前記第2の導波路の第2の端部において光を検出することと、
前記第1の導波路によって受け取られた前記励起光のパワーに対する前記検出された光のパワーに基づいて前記方向性結合器の損失を決定することと、
を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
例示的な実施形態は、媒体中の粒子によって放出される蛍光を収集するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
患者自身が血液又は尿中の分子のような体液中の様々なタイプの粒子の濃度を測定する小型診断装置に対する需要が増大している。一般に、体液は、異なるタイプの分子等の粒子を含む流体媒体と見なすことができる。粒子の濃度は蛍光を使用して測定され得、すなわち、粒子は粒子を励起するように働く光にさらされ得、それによって粒子は蛍光を放出し、次いでその蛍光は、媒体中の粒子の濃度を検出するために収集される。体液中の粒子には、蛍光を放出する自然な能力を有し得るものもある。しかし、これに該当しない場合、蛍光染料、すなわち、粒子に結合して蛍光を放出することができる染料によって粒子を染色することも可能である。
【0003】
光導波路のエバネッセント場は、蛍光染料を含む様々なタイプの発光粒子の励起に使用されてきた。例えば、励起光を運ぶ光導波路は、発光粒子を含む媒体を通過し得る。次いで、同じ導波路を使用して、放出された光を収集し、それを検出器に導くことができる。
【0004】
図1a及び
図1bはこの原理を示す。粒子104を含む媒体102は、基板108の室106によって保持される。導波路110は室106を通って延びるように、基板108に配置される。励起光120は、本明細書ではポート1と呼ばれる第1の端部112で導波路110に入力される。励起光120は、導波路110の周りにエバネッセント場を生じさせ、粒子104の励起を引き起こす。その結果、粒子104は、導波路112によって収集される蛍光122を放出する。収集された蛍光124と、導波路を通過した後に残る励起光120とは、次いで、検出のために、ここではポート2と呼ばれる導波路の第2の端部114において出力される。
【0005】
したがって導波路110は、励起光120及び収集された蛍光124の両方を導く。励起光120のパワーは典型的には収集された蛍光124のパワーよりも数桁大きいので、収集された放出された光が検出されることを可能にするために、励起光は、例えば強い阻止フィルタを用いてフィルタ除去される必要がある。このようなフィルタは、そのサイズのせいで、小型システムが望まれる場合など多くの場合に実用的ではない。したがって、改善の余地がある。
【発明の概要】
【0006】
媒体中の粒子によって放出される蛍光を収集するための装置が提供される。収集された蛍光を励起光と共に導波路の出力ポートにおいて出力する代わりに、導波路内で励起光と反対の方向に進む収集された蛍光は、検出のために更なる導波路に直接結合される。このようにすることで、阻止フィルタが不要となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
上記及び追加の目的、特徴、及び利点は、添付の図面を参照して、本明細書に記載される実施形態の以下の例示的且つ非限定的な詳細な説明を通してよりよく理解されることとなり、ここで、同様の要素について同じ参照番号が使用されることとなる。
【
図1a】
図1aは、従来技術による、媒体中の粒子によって放出される蛍光を収集するための装置の側面図を概略的に示す。
【
図2】
図2は、
図1a及び
図1bの従来技術の装置が使用される場合の、2つの異なる濃度についての導波路長の関数としての収集された信号パワーを示す。
【
図3】
図3は、実施形態の第1のグループによる、媒体中の粒子によって放出される蛍光を収集するための装置の上面図を概略的に示す。
【
図4】
図4a及び
図4bは、方向性結合器の機能を概略的に示す。
【
図5】
図5は、第2のグループの実施形態による、媒体中の粒子によって放出される蛍光を収集するための装置の上面図を概略的に示す。
【
図7】
図7は、第3のグループの実施形態による、媒体中の粒子によって放出される蛍光を収集するための装置の上面図を概略的に示す。
【
図8】
図8a及び
図8bは、マルチモード干渉(MMI)結合器の機能を概略的に示す。
【
図9】
図9a及び
図9bは、波長選択型のMMI結合器の機能を概略的に示す。
【
図10】
図10は、異なる波長の光が出力されるいくつかの出力ポートを有する波長選択型のMMI結合器の機能を概略的に示す。
【
図11】
図11は、
図1a及び
図1bの従来技術の装置が使用される場合と比較して、例示的な実施形態による装置が使用される場合の、2つの異なる濃度についての導波路長の関数としての収集された信号パワーを示す。
【
図12】
図12は、例示的な実施形態による、媒体中の粒子によって放出される蛍光を検出するためのシステムを示す。
【
図13】
図13は、実施形態による方法のフローチャートである。
【詳細な説明】
【0008】
I.概要
本発明の目的は、上述の問題を少なくとも部分的に解決することであり、特に、小型システム内での統合を可能にする、媒体中の粒子によって放出される蛍光を収集するための装置、システム、及び方法を提供することである。
【0009】
第1の態様によれば、蛍光を放出することができる粒子を含む媒体を保持するための室を有する基板と、基板に配置され、室中に延びる第1の導波路と、ここにおいて、第1の導波路は、光源から励起光を受け取り、第1の導波路の第1の方向に沿って室を通して励起光を導き、励起光による粒子の励起に続いて粒子によって放出される蛍光を収集するように構成され、第1の導波路に配置された結合器とを備え、ここにおいて、結合器は、収集された蛍光をそれの端部のうちの1つにおいて出力するように構成された第2の導波路を含み、第2の導波路は、第1の方向と反対の方向に進む収集された蛍光が第1の導波路から直接第2の導波路に結合されるように、第1の導波路に対して配置される、媒体中の粒子によって放出される蛍光を収集するための装置が提供される。
【0010】
この構成では、励起光と反対の方向に進む収集された蛍光が、第1の導波路から、収集された蛍光を出力する第2の導波路に直接結合される。このようにして、収集された蛍光は、阻止フィルタ等のいかなる大きな部品も必要としないような便利な方法で励起光から分離される。
【0011】
収集された蛍光は、第1の導波路から第2の導波路に直接結合される。これは、光が更なる導波路を通過することなく、第1の導波路から第2の導波路に直接的に進むことを意味する。いくつかの実施形態では、直接結合は、第1及び第2の導波路のエバネッセント場を重ね合わせることによって達成される。他の実施形態では、第1の導波路から光を直接第2の導波路に結合するために、結合器は、結合器によってサポートされる複数のモードの干渉パターンに依存する。
【0012】
励起光とは、媒体中の粒子の励起に適した波長を有する光を意味し、それによって粒子に蛍光を放出させる。
【0013】
粒子は、蛍光を放出する自然な能力を有する可能性がある。しかし、粒子が蛍光染料、すなわち、粒子に結合して蛍光を放出することができる染料によって染色されることも可能である。
【0014】
結合器は、第1の方向に関して室の上流の第1の導波路に配置されてもよい。したがって、結合器は室の前に、すなわち、励起光が受け取られる第1の導波路の端部と室との間に配置される。
【0015】
第1の導波路内のパワーは第1の導波路が室に入る場所でその最高レベルにあり、ここが大部分の光が放出され導波路長により収集される場所であることを意味する。励起光及び収集された蛍光はその後、導波路損失及び媒体中の粒子による吸収に起因して、第1の導波路に沿って伝播するにつれて減衰される。したがって、結合器を室の上流に配置することによって、結合器は、大部分の蛍光が導波路長により収集される第1の導波路の室への入口の近くに配置され、したがって可能な限り強い信号を生じさせる。さらに、収集された蛍光は結合器に戻るための短い経路を有することになり、これは、収集された蛍光が結合器に到達するときに基本的に減衰されないことを意味する。したがって、室に対する結合器のこの位置は、第1の導波路から外へと結合される収集された蛍光のパワーを最適化するのに役立つ。
【0016】
図1a及び
図1bに示されるもののような従来技術のシステムでは、第1の導波路の出力である収集された全蛍光を最大にするために導波路の最適な長さを見つける必要があり、それによって第1の導波路に沿って収集される光のパワーを、減衰又は吸収によって失われる収集された光に対してバランス良く調整する。簡単に言えば、各導波路減衰量について、第1の導波路の単一の最適な長さが存在し、これは、出力において収集された蛍光のパワーを最大にする。さらに、吸収の一部が粒子による収集された光の再吸収によるものである場合、最適な長さは、粒子の異なる濃度ごとに異なることになる。
【0017】
これは、導波路110の長さの関数として、
図1a及び
図1bの第2の端部114、つまりポート2において収集された蛍光の収集された信号パワーを示す
図2にさらに示されている。実線の曲線は粒子の第1の濃度に対応し、一方、破線の曲線は、粒子の第2のより低い濃度に対応する。特に、より高い濃度に対応する実線の曲線についての収集された信号パワーは、より低い濃度に対応する破線の曲線よりも低い導波路長でピークに達する。したがって、最適な導波路長は、より低い濃度についての最適な導波路長に比べて、より高い濃度についてより短く、したがって、蛍光がポート2において収集されるときに異なる濃度ごとに異なる最適な導波路長が存在することを示す。
【0018】
結合器に到達する収集された蛍光のパワーは、導波路が十分に長いときに飽和に達するので、結合器を室の上流に配置することによって、うまく設計された最適な長さを有するという要件が取り除かれる。
【0019】
第2の導波路は、第1の導波路に隣接して配置されてもよく、それによって、第1の方向と反対の方向に進む収集された蛍光が第1の導波路から直接第2の導波路に結合されることを可能にする。結合は、第1及び第2の導波路の重なり合うエバネッセントモードによって達成される。これは、第1の導波路から第2の導波路への直接結合を提供する容易な方法である。
【0020】
実施形態によれば、結合器は方向性結合器である。方向性結合器は、製造のばらつきに比較的影響されないという点で有益である。さらに、方向性結合器による反射はわずかな量しか生じない。言い換えれば、第1の導波路によって第1の方向に導かれた励起光の多くは、第1の導波路から第2の導波路に後方散乱されない。
【0021】
方向性結合器の場合、励起光の一部を第2の導波路に結合することもできる。特に、第2の導波路は第1の端部において、収集された蛍光を出力し、第2の端部において、第1の導波路から第2の導波路へと結合された励起光を出力するように構成されてもよい。第2の導波路の第2の端部において励起光を測定し、それを第1の導波路によって受け取られる励起光のパワーに関して位置付けることによって、結合器内の損失を決定することができる。
【0022】
実施形態によれば、結合器は波長スプリッタであってもよい。方向性結合器と比較して波長スプリッタは、結合損失がないか又は少なくとも非常に少ないという点で、有益である。方向性結合器は50%の結合効率を有し得、一方、波長スプリッタは100%の理論結合効率を有する。この波長スプリッタは、励起光と収集された蛍光との間の波長差をうまく利用して、各波長を正しい出力ポートに最適に結合(100%まで)する。波長スプリッタは、収集された蛍光から後方散乱励起光を分離する働きもする。このようにすることで、第2の導波路の出力で測定された収集された蛍光は、後方散乱励起光によって汚染されない。
【0023】
或いは、結合器がマルチモード干渉(MMI)結合器であってもよい。MMI結合器は、製造公差に影響されないという点で有益である。別の利点はそれが広帯域であることであり、これは、励起光及び蛍光の波長について、同じ又は同様の、結合効率等の特性を有することを意味する。
【0024】
例えば、結合器は波長選択MMIであってもよい。波長選択MMI結合器は、励起パワーが1つの出力ポートに進み、収集された蛍光パワーが別の出力ポートに進むように、励起光と収集された蛍光との間の波長差をうまく利用するように設計されたMMI結合器である。このようにして、標準的なMMI結合器と比較して結合効率が改善される。伝送の理論結合効率は100%である。しかし、実際にはポート当たり2dBのオーダーのいくらかのパワー損失がある。さらに、波長選択特性により、後方散乱された励起光と収集された蛍光とが分離され、これは、第2の導波路の出力において測定された収集された蛍光が後方散乱された励起光によって汚染されないことを意味する。さらに別の利点は、標準的なMMI結合器とは異なり、しかし方向性結合器と同様に、波長選択MMI結合器が励起光の反射をほとんど又は全く引き起こさないことであり、これは第1の導波路によって第1の方向に導かれた励起光の多くが、第1の導波路から第2の導波路に後方散乱されないことを意味する。
【0025】
第1の導波路の長さは、媒体中で蛍光を放出することができる粒子の濃度とは無関係に選択することができる。さらに上述したように、これは、結合器を室の上流に配置することで励起光の方向と反対の方向に進む収集された蛍光を外に結合することによって可能である。
【0026】
基板、第1の導波路、及び結合器は、使い捨てチップ上に配置することができる。これは、関連する部品の小型性及び低コストの観点から可能にされる。
【0027】
第2の態様によれば、上記の目的は、以下を備える、媒体中の粒子によって放出される蛍光を検出するためのシステムによって達成される:
第1の態様による媒体中の粒子によって放出される蛍光を収集するための装置、
装置の第1の導波路に励起光を入力するための、第1の導波路に結合された光源、及び
装置の第2の導波路の端部のうちの1つから出力される収集された蛍光を検出するための、第2の導波路に結合された検出器。
【0028】
システムは、使い捨て部分と使い捨てでない部分とを含むことができ、使い捨て部分は使い捨てでない部分に接続されるように配置され、光源及び検出器は使い捨てでない部分に配置され、装置は使い捨て部分に配置される。
【0029】
使い捨てでない部分上に結合器を有することと比較して、これは、使い捨て部分と使い捨てでない部分とをフォトニックに接続するために統合工程が必要とされないという点で有益である。また、使い捨て部分上に結合器を有することは、いかなる追加の製造コストも生じさせない。
【0030】
結合器は方向性結合器であってもよく、第2の導波路は、第1の端部において、収集された蛍光を出力し、第2の端部において、第1の導波路から第2の導波路へと結合された励起光を出力するように構成されてもよい。検出器は前記第2の端部において出力される光を検出し、第1の導波路に入力される励起光のパワーに対する第2の導波路の第2の端部において検出される光のパワーに基づいて方向性結合器の損失を決定するために、第2の導波路の第2の端部にさらに結合されてもよい。
【0031】
第3の態様によれば、第1の態様による装置又は第2の態様のシステムを備える診断装置が提供される。
【0032】
第4の態様によれば、以下を備える、媒体中の粒子によって放出される蛍光を検出するための方法が提供される:
第1の導波路によって励起光を受け取り、第1の導波路の第1の方向に沿って励起光を導くことと、ここにおいて、第1の導波路の一部は、蛍光を放出することができる粒子を含む媒体を通って延び、
第1の導波路を使用して、励起光による励起に続いて粒子によって放出された蛍光を収集することと、
第1の導波路に配置された結合器を使用して、第1の方向とは反対方向に進む蛍光を第1の導波路から結合器の第2の導波路に直接結合することと、
検出器を使用して、第2の導波路の端部のうちの1つにおいて、収集された蛍光を検出すること。
【0033】
結合器は方向性結合器であってもよく、方法は、以下をさらに備え得る:
第2の導波路の第2の端部において光を検出することと、
第1の導波路によって受け取られる励起光のパワーに対する検出された光のパワーに基づいて方向性結合器の損失を決定すること。
【0034】
第2、第3、及び第4の態様は一般に、第1の態様と同じ特徴及び利点を有することができる。さらに、本発明の概念は、そうでないと特に明記しない限り、特徴のすべての可能な組合せに関することに留意されたい。
【0035】
II.例示的な実施形態
これより、添付の図面を参照して例示的な実施形態をより十分に説明する。しかし、本発明の概念は多くの異なる形態で具現化することができ、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、徹底性及び完全性のために提供されており、本発明の概念の範囲を当業者に完全に伝える。
【0036】
図3は、蛍光を収集するための装置300を示す。装置300は、室306、第1の導波路310、結合器316、及び第2の導波路317を有する基板308を備える。
【0037】
一般に、装置300は、フォトニック集積回路であってもよい。基板308は、フォトニック集積回路のためのプラットフォームとして機能する。基板308は例えば、上に処理された集積フォトニクスを有する酸化物で覆われている、シリコンチップ又は石英チップであり得る。基板308には、室306が形成されている。使用時、室306は、粒子304を含む体液等の媒体を保持する。したがって、室306は、媒体を保持するための容器として機能する。実施形態によれば、室306は、媒体が流れることができるマイクロ流体チャンネル等のチャンネルの形態であってもよい。粒子304は、それ自身の動きで、又は粒子に結合する蛍光染料によって、蛍光を放出することができる。
【0038】
第1の導波路310は、基板308に配置される。例えば、第1の導波路310は基板308に、すなわちフォトニック集積回路のプラットフォーム上に集積することができる。第1の導波路310は、室306内に延びる。図示された実施形態では、第1の導波路310が基板308の第1の側から室306内へと、且つ室306を通って、そして基板308の第2の側に延びる。しかし、他の実施形態では、導波路310が基板の第2の側へと延びるのでなく、室306内で終わる前に室306を通る蛇行経路を進む。
【0039】
第1の導波路310は、本明細書では励起光と呼ばれる光320を第1の端部312で受け取るように構成される。第1の端部312は、ポート1とも呼ばれ得る。励起光320は1つ又は複数のレーザ等の光源から受け取ることができ、粒子304の励起を引き起こすのに適した単一又は複数の別個の波長を含むことができる。第1の導波路310はまた、本明細書ではポート2と呼ばれる第2の端部314を有する。
【0040】
励起光320が受光されると、第1の導波路310は、励起光320を第1の導波路310の第1の方向313、ここでは左から右に導く。第1の導波路310は室306内へと、且つ室306を通って延びるので、第1の導波路310は、室306を通すように励起光を導く。
【0041】
第1の導波路310の表面は2つの誘電体間の界面であり、これは、第1の導波路310によって導かれる電磁波の場、すなわち励起光320が、エバネッセント波又はエバネッセント場の形態で第1の導波路310の外側に貫通することを意味する。エバネッセント場の存在により、第1の導波路310の近傍にある粒子304は励起光320の光子を吸収し、次いで蛍光322を放出することができる。蛍光322は、典型的には励起光320よりも低いエネルギーに対応する波長のスペクトルを有する。次いで、蛍光322の一部は、第1の導波路310によって収集され、第1の導波路310の両方向に導かれる。収集される蛍光322のその部分は、導波路モードと蛍光双極子モードとの間のモード重複によって決定される。
【0042】
結合器316は、第1の導波路310に配置される。好ましくは、結合器316は、第1の方向313に関して室306の上流に、すなわち、導波路310の、第1の端部312と室306との間に延在する部分に、配置される。
【0043】
結合器316は、第2の導波路317を含む。第2の導波路317は、第1の方向313と反対の方向に進む収集された蛍光324が第1の導波路310から直接第2の導波路317に結合されるように、第1の導波路310に対して配置される。これは、第2の導波路317を第1の導波路310に隣接して配置することによって達成することができる。このようにして、第1の導波路310内の第1の方向313と反対の方向に伝播する収集された蛍光324によって生じるエバネッセント場は、第2の導波路317において波を励起し、それによって、第1の導波路310から第2の導波路317に光を結合する。したがって、結合器316は、第1の導波路310と第2の導波路317との間のエバネッセント波結合を使用して、収集された蛍光324を第1の導波路310から第2の導波路317に直接結合する。したがって、結合器316は、エバネッセント結合器と呼ぶことができる。
【0044】
第2の導波路317は、第2の導波路317に結合された蛍光326を、それの端部のうちの1つにおいて出力するように構成される。特に、第2の導波路317は、収集された蛍光326が出力される、ここではポート3とも呼ばれる第1の端部318を有する。言い換えれば、収集された蛍光326は、第2の導波路317の第1の端部318、つまりポート3において直接測定されてもよい。第2の導波路317は、ここではポート4と呼ばれる第2の端部319も有する。
【0045】
一実施形態によれば、結合器316は方向性結合器である。方向性結合器は、結合損失に関連する。より詳細には、ポート1に入る励起光320は2つの部分に分割されることとなり、ここにおいて、一方の部分は第1の導波路310を介してポート2に伝送され、もう一方の部分は第2の導波路317に結合されてポート4において出力される。これは、
図4aにさらに示されている。同様に、ポート2の方向から第1の導波路310内を伝搬する収集された蛍光324は、2つの部分に分割され、一方の部分が第1の導波路310を介してポート1に伝送され、もう一方の部分326が第2の導波路317へと結合されてポート3において出力される。これは、
図4bにさらに示されている。
図4a及び
図4bにおいて、及び本出願全体を通して、実線の矢印は励起光を指し、破線の矢印は蛍光を指す。
【0046】
ポート1において入力されるパワーに対するポート4における信号のパワーを測定することにより、方向性結合器の結合効率を決定することができる。
【0047】
図5は、別の実施形態による、蛍光を収集するための装置500を示す。
図5の実施形態は、結合器516が方向性結合器の代わりに波長スプリッタである点で、
図3の実施形態と異なる。異なる波長の2つの信号が波長スプリッタの共通ポートに入力される場合、波長スプリッタは100%の効率で波長のうちの一方を第1のポートに伝送し、100%の効率でもう一方の波長を別のポートに結合することになる。これは、
図6aにさらに示されている。
【0048】
したがって、装置500で使用される場合、波長スプリッタ516は、ポート1において入力された励起光320を、第1の導波路310を介してポート2に伝送する。これは、
図6bにさらに示されている。同様に、ポート2の方向から第1の導波路310内を伝播する収集された蛍光324は、100%の効率で第2の導波路317へと結合され、ポート3において出力される。これは、
図6cにさらに示されている。
図6cでは、励起光320の一部が後方散乱されて、少量の励起光が第1の導波路310内を結合器516に向かって後方に伝播することも(実線の矢印によって)示されている(これは
図4bでは省略された)。波長スプリッタ516の波長分割特性により、後方散乱励起光は、ポート3へと結合される代わりにポート1に伝送される。したがって、ポート3で検出される信号のパワーは、収集された蛍光からのみ生じ、後方散乱励起光によって汚染されない。したがって、波長スプリッタは方向性結合器よりも改善された効率を有し、また、後方散乱された励起光を収集された蛍光から分離する。
【0049】
図7は、さらに別の実施形態による、蛍光を収集するための装置700を示す。装置700は、結合器716がマルチモード干渉結合器(MMI)である点で、
図3及び
図5の装置300及び500とは異なる。MMIは、収集された蛍光324を第1の導波路310から第2の導波路317に直接結合する方法の別の例である。MMIは、第1の導波路310から光を第2の導波路317に直接結合するために、MMIでサポートされる複数のモードの干渉パターンに依存する結合器の一例である。
【0050】
MMI結合器は基本的に、複数のモードをサポートする幅広のスラブガイド状構造からなる。これらのモードの干渉パターンが利用される。スラブガイドの寸法を選択することによって、入口導波路における像は、出口導波路(1つ又は複数)において映される。
【0051】
装置700で使用される場合、MMI結合器716は、ポート1において入力された励起光320を、第1の導波路310を介してポート2に伝送する。これは、
図8aにさらに示されている。伝送には損失があり、励起光320のポーザの約50%がポート1からポート2に伝送される。ポート2の方向から第1の導波路310内を伝播する収集された蛍光324は、2つの等しいサイズの部分に分割され、一方の部分は第1の導波路310を介してポート1に伝送され、もう一方の部分は第2の導波路317に結合されて、ポート3において出力される。これは、
図8bにさらに示されている。MMI結合器716は別の物理的原理に従って動作するが、その機能はしたがって、
図3、
図4a、及び
図4bに関連して説明した方向性結合器と同様である。
【0052】
MMI結合器716はまた、波長選択型であってもよい。波長選択型のMMI結合器は、方向性結合器ではなく、波長スプリッタとより機能が類似している。特に、励起光320は1つのポートに出力され、収集された蛍光は別のポートに出力されるように設計される。
【0053】
装置700で使用される場合、波長選択型のMMI結合器は、ポート1において入力された励起光320を、第1の導波路310を介してポート2に伝送することになる。これは、
図9aにさらに示されている。同様に、ポート2の方向から第1の導波路310内を伝播する収集された蛍光324は、100%までの効率で第2の導波路317に結合され、ポート3において出力される。これは、
図9bにさらに示されている。
図9bでは、励起光320の一部が後方散乱され、少量の励起光が第1の導波路310内を結合器716に向かって後方に伝播することも(実線の矢印によって)示されている。波長選択MMIの波長分割特性により、後方散乱励起光は、ポート3へと結合される代わりにポート1に伝送される。したがって、ポート3で検出される信号のパワーは、収集された蛍光からのみ生じ、後方散乱励起光によって汚染されない。したがって、波長選択MMIは、
図8a及び
図9bの基準MMIよりも改善された効率を有し、また、後方散乱励起光を収集された蛍光から分離する。波長選択MMI結合器は、更なる出力ポートを備えてもよく、ここにおいて、MMI結合器は、異なる波長を異なるポートに出力するように構成される。例えば、波長選択MMI結合器は、収集された蛍光が直接結合される第3の導波路を備えてもよく、第1の波長の蛍光が第2の導波路に結合され、第2の波長の蛍光が第3の導波路に結合される。これは、
図10にさらに示されており、ここでは、第1の波長の蛍光(破線の矢印)がポート3とラベル付けされた第2の導波路に結合され、第2の波長の蛍光(点線の矢印)がポート5とラベル付けされた第3の導波路に結合されている。これは、媒体中に異なるタイプの蛍光粒子、例えば、異なる波長の蛍光を放出する2つの異なる蛍光染料によって染色された粒子が存在する場合に有用である。次に、第1のタイプの蛍光粒子から生じる蛍光は第2の導波路、つまりポート3へと結合され、一方、第2のタイプの蛍光粒子からの蛍光は第3の導波路、つまりポート5へと結合される。
【0054】
図11は、2つの異なる粒子濃度についての導波路長の関数として、ポート3における収集された信号パワーを示す。参考のために、
図1a及び
図1bの従来技術の装置を使用してポート2において測定された、同じ2つの濃度についての収集された信号パワーも示されている。
図2を参照して説明したように、ポート2の収集では、各濃度に対して最適な導波路長が存在する。しかし、これは、
図3~
図10を参照して上述したことに従って蛍光が代わりにポート3において収集される場合には、当てはまらない。
図11に見られるように、収集された光のパワーは、第1の導波路の長さがあるレベルに達すると飽和する。さらに、その特定のレベルは、粒子濃度とは無関係である。したがって、ポート3の収集により、粒子濃度とは無関係に第1の導波路の長さを選択することが可能である。単一の「十分に長い」導波路を使用して、すべての濃度を捕らえることができる。
【0055】
図3~10を参照して説明した装置はさらに、媒体中の粒子によって放出される蛍光を検出するためのシステムの一部であってもよい。
図12は、そのようなシステム900を示す。このシステムは、装置300、500、700(装置300が図示されているが、装置500、700を使用することもできることを理解されたい)、光源902、好ましくはレーザ、及び検出器904を含む。検出器904は例えば、撮影装置とすることができる。
【0056】
光源902は、励起光を第1の導波路に入力するために装置300、500、700の第1の導波路に結合され得る。検出器904は装置のポート3から出力される収集された蛍光を検出するために、装置300、500、700の第2の導波路に結合され得る。例えば、前述の方向性結合器の場合の結合効率を決定するために、検出器を装置のポート2及びポート4(存在する場合)に結合して、これらの出力ポートにおいても信号パワーを検出することも可能である。
【0057】
システム900は、典型的には1回より多く使用されることが意図された使い捨てでない部分906と、一回使用のみが意図された使い捨て部分908とを含む。使い捨て部分908は、使い捨てでない部分に解除可能なように接続されてもよい。より高価で大きな部品、ここでは光源902及び検出器904は、使い捨てでない部分906上に配置される。しかしながら、装置300、500、700は、使い捨て部分908上に配置される。
【0058】
装置300、500、700、及びシステム900は、診断装置の一部を形成することができる。例えば、装置は、体液中の粒子の濃度を測定する診断装置の一部を形成することができる。
【0059】
これより装置300、500、700、及びシステム900の動作が、
図3、
図5、
図7、
図12、及び
図13のフローチャートを参照して説明される。
【0060】
第1の工程S02において、第1の導波路310は励起光320を受け取り、第1の導波路310の第1の方向313に沿って励起光320を導く。励起光320は、
図9の光源902等の光源から受け取られる。先に説明したように、第1の導波路310の周囲にはエバネッセント場が存在することになり、これは、第1の導波路が媒体302を通って延びているので、粒子304が励起光320の光子を吸収することを可能にする。吸収に続いて、粒子304は次いで蛍光322を放出する。
【0061】
次の工程S04では、粒子によって放出された蛍光322が第1の導波路310によって収集される。工程S04は、放出された蛍光322と第1の導波路310との間の相互作用によって生じるものである。
【0062】
工程S06において、第1の導波路中を第1の方向と反対の方向に進む蛍光324は、前述されたように、結合器316、516、716によって、第1の導波路310から直接第2の導波路317に結合される。
【0063】
工程S08において、収集された蛍光は、検出器904によって、第2の導波路317のポート3で検出される。
【0064】
結合器が方向性結合器316である場合、この方法はまた、第2の導波路の第2の端部において光を検出することと、第1の導波路によって受け取られた励起光のパワーに対する検出された光のパワーに基づいて方向性結合器の損失を決定することとを備え得る。
【0065】
本明細書における実施形態は、上で説明された例に限定されない。様々な代替、修正、及び均等物を使用することができる。波長スプリッタ、MMI及び方向性結合器は、基本的な分光計の例として見られ得る。原則として、エシェル回折格子型又はアレイ導波路回折格子型の分光計等の他のタイプの分光計を使用することも可能であろう。したがって、本開示は、本明細書に記載される特定の形態に限定されるべきではない。本開示は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定され、上記以外の他の実施形態も、特許請求の範囲内で同様に可能である。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 媒体中の粒子によって放出される蛍光を収集するための装置であって、
蛍光を放出することができる粒子を含む媒体を保持するための室を有する基板と、
前記基板に配置され、前記室中へと延びる第1の導波路と、
ここで、前記第1の導波路は光源から励起光を受け取り、前記第1の導波路の第1の方向に沿って前記室を通して前記励起光を導き、前記励起光による前記粒子の励起に続いて前記粒子によって放出される蛍光を収集するように構成されるものであり、
前記第1の導波路に配置された結合器と、
を備え、
ここで、前記結合器は収集された蛍光をその端部のうちの1つにおいて出力するように構成される第2の導波路を含み、
ここで、前記第2の導波路は、前記第1の方向と反対の方向に進む収集された蛍光が前記第1の導波路から直接前記第2の導波路へと結合されるように、前記第1の導波路に対して配置されている、
装置。
[2] 前記結合器が、前記第1の方向に関して前記室の上流の前記第1の導波路に配置されている、[1]に記載の装置。
[3] 前記第2の導波路が前記第1の導波路に隣接して配置され、それによって、前記第1の方向と反対の方向に進む収集された蛍光が前記第1の導波路から直接前記第2の導波路に結合されていることを可能にする、[1]又は[2]に記載の装置。
[4] 前記結合器が方向性結合器である、[1]~[3]のうちのいずれか一項に記載の装置。
[5] 前記第2の導波路が、第1の端部において、収集された蛍光を出力し、第2の端部において、前記第1の導波路から前記第2の導波路へと結合された励起光を出力するように構成されている、[4]に記載の装置。
[6] 前記結合器が波長スプリッタである、[1]~[3]のうちのいずれか一項に記載の装置。
[7] 前記結合器がマルチモード干渉結合器である、[1]又は[2]に記載の装置。
[8] 前記第1の導波路が、前記媒体中で蛍光を放出することができる粒子の濃度とは無関係に選択される長さを有する、[1]~[7]のうちのいずれか一項に記載の装置。
[9] 前記基板、前記第1の導波路、及び前記結合器が、使い捨てチップ上に配置されている、[1]~[8]のうちのいずれか一項に記載の装置。
[10] 媒体中の粒子によって放出される蛍光を検出するためのシステムであって、
[1]~[9]のうちのいずれか一項に記載の、媒体中の粒子によって放出される蛍光を収集するための装置と、
前記装置の前記第1の導波路に励起光を入力するための、前記第1の導波路に結合された光源と、
前記装置の前記第2の導波路の前記端部のうちの1つから出力される前記収集された蛍光を検出するための、前記第2の導波路に結合された検出器と、
を備える、システム。
[11] 前記システムが使い捨て部分と使い捨てでない部分とを備え、前記使い捨て部分は前記使い捨てでない部分に接続されるように配置され、
前記光源及び前記検出器が、前記使い捨てでない部分に配置され、前記装置が前記使い捨て部分に配置されている、
[10]に記載のシステム。
[12] 前記結合器が方向性結合器であり、前記第2の導波路が、第1の端部において、収集された蛍光を出力し、第2の端部において、前記第1の導波路から前記第2の導波路へと結合された励起光を出力するように構成され、
前記検出器がさらに、前記第2の端部において出力される光を検出し、前記第1の導波路に入力される前記励起光のパワーに対する前記第2の導波路の前記第2の端部において検出された前記光のパワーに基づいて前記方向性結合器の損失を決定するために、前記第2の導波路の前記第2の端部に結合されている、
[10]~[11]のうちのいずれか一項に記載のシステム。
[13] [1]~[9]のうちのいずれか一項に記載の装置を備えるか、又は[10]~[12]のうちのいずれか一項に記載のシステムを備える、診断装置。
[14] 媒体中の粒子によって放出される蛍光を検出するための方法であって、
第1の導波路によって励起光を受け取り、前記第1の導波路の第1の方向に沿って前記励起光を導くことと、ここで、前記第1の導波路の一部が、蛍光を放出することができる前記粒子を含む媒体を通って延びており、
前記第1の導波路を使用して、前記励起光による励起に続いて前記粒子によって放出された蛍光を収集することと、
前記第1の導波路に配置された結合器を使用して、前記第1の導波路から直接前記結合器の第2の導波路へと、前記第1の方向と反対の方向に進む蛍光を結合することと、
検出器を使用して、前記第2の導波路の端部のうちの1つにおいて、前記収集された蛍光を検出することと、
を備える、方法。
[15] 前記結合器が方向性結合器であり、前記方法がさらに、
前記第2の導波路の第2の端部において光を検出することと、
前記第1の導波路によって受け取られた前記励起光のパワーに対する前記検出された光のパワーに基づいて前記方向性結合器の損失を決定することと、
を備える、[14]に記載の方法。