(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-25
(45)【発行日】2022-12-05
(54)【発明の名称】液圧ホース修理クランプ
(51)【国際特許分類】
F16L 55/172 20060101AFI20221128BHJP
F16L 33/32 20060101ALI20221128BHJP
F16L 33/04 20060101ALI20221128BHJP
F16L 55/18 20060101ALI20221128BHJP
【FI】
F16L55/172
F16L33/32
F16L33/04
F16L55/18 B
(21)【出願番号】P 2019563652
(86)(22)【出願日】2018-02-07
(86)【国際出願番号】 AU2018050092
(87)【国際公開番号】W WO2018145155
(87)【国際公開日】2018-08-16
【審査請求日】2021-02-04
(32)【優先日】2017-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】519285226
【氏名又は名称】ホースパッチ プロプライエタリー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ターナー、クリス
(72)【発明者】
【氏名】ターナー、リッキー
【審査官】伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04768813(US,A)
【文献】米国特許第00654040(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0274061(US,A1)
【文献】特開昭59-083890(JP,A)
【文献】米国特許第5358283(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0216901(US,A1)
【文献】国際公開第2015/050428(WO,A1)
【文献】中国実用新案第204829114(CN,U)
【文献】中国実用新案第202955413(CN,U)
【文献】英国特許出願公告第00992116(GB,A)
【文献】中国実用新案第206478378(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のクランプ締め部材及び第2のクランプ締め部材と、
前記第1のクランプ締め部材及び前記第2のクランプ締め部材同士をクランプ締めするための少なくとも1つの締め具と
を有するホース修理システムであって、
前記第1及び第2のクランプ締め部材の各々が、
第1の端部、及び前記第1の端部の反対側の第2の端部と、
前記第1の端部から前記第2の端部までの長さと、
前記長さを横断する幅と、
前記第1の端部から前記第2の端部までの外面と、
前記第1の端部から前記第2の端部までの内面と
を含み、
前記内面が、前記幅に沿った凹湾曲を含み、前記第1のクランプ締め部材及び前記第2のクランプ締め部材の前記凹湾曲は、前記クランプ締め部材同士がクランプ締めされたときに前記第1のクランプ締め部材及び前記第2のクランプ締め部材の前記長さに沿ってチャネルを形成し、前記チャネルは、前記第1のクランプ締め部材及び前記第2のクランプ締め部材の
接合部分に形成される一対の長手方向溝部を含み、各長手方向溝部は各クランプ締め部材の
前記第1の端部から
前記第2の端部まで延び、各長手方向溝部は、
前記凹湾曲から前記チャネル内へ延びる対向した壁部分
の間に形成されている、ホース修理システム。
【請求項2】
各長手方向溝部の前記壁部分は各クランプ締め部材の全長に沿って連続している、請求項1に記載のホース修理システム。
【請求項3】
各クランプ締め部材の前記内面は複数の畝状部を含み、各畝状部は、各クランプ締め部材の前記長さを横断して配向されている、請求項1又は2に記載のホース修理システム。
【請求項4】
前記壁部分及び前記畝状部は各々高さを有し、前記壁部分の前記高さは前記畝状部の前記高さより高い、請求項3に記載のホース修理システム。
【請求項5】
前記第1のクランプ締め部材の前記畝状部は前記第2のクランプ締め部材の前記畝状部と同一平面上にあり、前記同一平面上にある畝状部は、各クランプ締め部材の前記長さを横断する平面図において、各長手方向溝部により遮断されている、請求項3又は4に記載のホース修理システム。
【請求項6】
各クランプ締め部材は前記凹
湾曲の両側に接合面を含み、前記第1のクランプ締め部材及び前記第2のクランプ締め部材の前記接合面は、前記第1のクランプ締め面及び前記第2のクランプ締め面同士がクランプ締めされたときに互いに接合するように構成されている、請求項1から5までのいずれか一項に記載のホース修理システム。
【請求項7】
前記長手方向溝部は、前記クランプ締め部材の前記長さを横断する平面において互いに正反対にある、請求項1から6までのいずれか一項に記載のホース修理システム。
【請求項8】
前記長手方向溝部を形成している前記壁部分は
、前記畝状部と鋭い縁部を形成している、請求項
3から
5までのいずれか一項に記載のホース修理システム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの締め具が複数のボルトを含む、請求項1から8までのいずれか一項に記載のホース修理システム。
【請求項10】
前記少なくとも1つの締め具が弾性クランプを含み、前記弾性クランプは、前記第1のクランプ締め部材及び前記第2のクランプ締め部材の前記外面上を滑動して、前記第1のクランプ締め部材と前記第2のクランプ締め部材とを互いに向かって付勢するように構成されている、請求項1から7までのいずれか一項に記載のホース修理システム。
【請求項11】
前記第1のクランプ締め部材及び前記第2のクランプ締め部材が金属製である、請求項1から
10までのいずれか一項に記載のホース修理システム。
【請求項12】
前記システムが金属からなる、請求項1から
10までのいずれか一項に記載のホース修理システム。
【請求項13】
前
記チャネルは、前記第1のクランプ締め部材及び前記第2のクランプ締め部材同士がクランプ締めされたときに前記第1のクランプ締め部材及び前記第2のクランプ締め部材の前記長さに沿って延びる唯一のチャネルである、請求項1から
12までのいずれか一項に記載のホース修理システム。
【請求項14】
前記内面の少なくとも一方から突出しているバーブをさらに有し、前記バーブは、前記第1のクランプ締め
部材及び前記第2のクランプ締め
部材によりクランプ締めされるホースの表面を部分的に貫通するように構成されている、請求項1から
13までのいずれか一項に記載のホース修理システム。
【請求項15】
ホース修理システムを組み立てる方法であって、第1のクランプ締め部材がホースを凹チャネル内に受け入れ、第2のクランプ締め部材を、前記第1のクランプ締め部材の反対側の前記ホースの上に配置し、少なくとも1つの締め具が前記第1のクランプ締め部材と前記第2のクランプ締め部材とを互いに向かって付勢する、組立方法において、
前記第1のクランプ締め部材と前記第2のクランプ締め部材とを付勢することにより、前記第1のクランプ締め部材と前記第2のクランプ締め部材との
接合部分に一対の長手方向溝部が形成され、各長手方向溝部は各クランプ締め部材の
一方の長手方向端部から
他方の長手方向端部まで延び、各長手方向溝部は、前記
凹チャネル内へ延びる対向した壁部分
の間に形成されている、組立方法。
【請求項16】
前記1つの締め具は、複数のボルトによって前記クランプ締め部材を付勢する、請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
前記複数のボルトは前記クランプ締め部材を付勢するために回転可能である、請求項
16に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの締め具は、前記第1のクランプ締め部材及び前記第2のクランプ締め部材の外面上で滑動する弾性クランプであって、それにより前記第1のクランプ締め部材と前記第2のクランプ締め部材とを互いに向かって付勢する弾性クランプを有する、請求項
15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、漏れのような液圧ホース故障(破損)を修理するように設計されているデバイスの改良に関する。詳細には、排他的にではないが、修理クランプは漏れている液圧ホースを修繕するのに適している。ホース修理システム及びホースを修理する方法の様々な実施例が本明細書に記載されている。
【背景技術】
【0002】
液圧ホースが故障した場合、それは交換されなければならないか又は修理されなければならないかのどちらかである。ホースの修理及び交換はどちらも、システムのダウンタイムを引き起こす可能性がある。このダウンタイムは、サービス(点検修理)の利用可能性又は交換品の在庫次第で、数時間から数日までの範囲内である可能性がある。ある特定の状況では、長いダウンタイムが問題になる可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
全般的に、本文献は、第1の態様において、第1のクランプ締め部材と第2のクランプ締め部材とを含むホース修理システムを記載しており、第1のクランプ締め部材及び第2のクランプ締め部材の各々は、第1の端部と該第1の端部の反対側の第2の端部とを含む。各クランプ締め部材は第1の端部から第2の端部までの長さと、該長さを横断する幅と、第1の端部から第2の端部までの外面と、第1の端部から第2の端部までの内面とを有する。該内面は幅に沿った凹曲面(concave curve)を含み、第1のクランプ締め部材及び第2のクランプ締め部材の該凹曲面は、クランプ締め部材同士がクランプ締めされると、第1のクランプ締め部材及び第2のクランプ締め部材の長さに沿ってチャネルを形成する。該チャネルは、第1のクランプ締め部材と第2のクランプ締め部材との共通部分に形成されている一対の長手方向溝部を含む。各長手方向溝部は各クランプ締め部材の端から端まで延在している。各長手方向溝部は、チャネル内へ延在している対向した壁部分と、第1のクランプ締め部材及び第2のクランプ締め部材同士をクランプ締めする少なくとも1つの締め具とを有する。
【0004】
第2の態様では、ホース修理システムは、各クランプ締め部材の全長に沿って連続している、各長手方向溝部の壁部分を含んでいてもよい。第3の態様では、第1の態様又は第2の態様に基づき、各クランプ締め部材の内面は複数の畝状部(リブ)を含み、各畝状部は各クランプ締め部材の長さを横断して配向されている。
【0005】
第4の態様では、壁部分及び前記畝状部は各々高さを有し、壁部分の高さは畝状部の高さより高い。
【0006】
第5の態様では、態様3又は態様4に基づき、第1のクランプ締め部材の畝状部は第2のクランプ締め部材の畝状部と同一平面上にあり、該同一平面上にある畝状部は、各クランプ締め部材の長さを横断する平面図において、各長手方向溝部により遮断されている。
【0007】
第6の態様では、各クランプ締め部材は凹面の両側に接合面を含む。第1のクランプ締め部材及び第2のクランプ締め部材のこの接合面は、第1のクランプ締め面及び第2のクランプ締め面同士がクランプ締めされると、互いに接合するように構成されている。
【0008】
第7の態様では、長手方向溝部は、クランプ締め部材の長さを横断する平面において、互いに正反対にある。
【0009】
第8の態様では、長手方向溝部を形成している壁部分は内壁部分内へ延在しており、畝状部と共に鋭い縁部(シャープエッジ)を形成している。
【0010】
第9の態様では、少なくとも1つの締め具は複数のボルトを含む。
【0011】
第10の態様では、少なくとも1つの締め具は、第1のクランプ締め部材及び第2のクランプ締め部材の外面上で滑動して、第1のクランプ締め部材と第2のクランプ締め部材とを互いに向かって付勢するように構成されている弾性クランプを含む。
【0012】
第11の態様では、少なくとも1つの締め具は、外面上に、複数のボルトにアクセスできるようにする、凸面に沿った複数の凹部(recess)を含む。
【0013】
第12の態様では、第1のクランプ締め部材及び第2のクランプ締め部材は金属製である。
【0014】
第13の態様では、システムは金属で構成されている。
【0015】
第14の態様では、長手方向チャネルは、第1のクランプ締め部材及び第2のクランプ締め部材同士がクランプ締めされると、第1のクランプ締め部材及び第2のクランプ締め部材の長さに沿って延在する唯一のチャネルである。
【0016】
第15の態様では、ホース修理システムは、内面の少なくとも一方から突出しているバーブをさらに有する。該バーブは、第1のクランプ締め面及び第2のクランプ締め面によりクランプ締めされているホースの表面を部分的に突き抜くように構成されている。
【0017】
第16の態様では、ホース修理システムを組み立てる方法に従って、第1のクランプ締め部材はホースを凹チャネル内に受容し、第2のクランプ締め部材を、第1のクランプ締め部材の反対側のホースの上方に配置し、少なくとも1つの締め具が第1のクランプ締め部材及び第2のクランプ締め部材を互いに向かって付勢し、第1のクランプ締め部材と第2のクランプ締め部材との共通部分に一対の長手方向溝部を形成し、第1のクランプ締め部材及び第2のクランプ締め部材を付勢するステップは、第1のクランプ締め部材と第2のクランプ締め部材との共通部分に一対の長手方向溝部を形成し、各長手方向溝部は各クランプ締め部材の端から端まで延在しており、各長手方向溝部は、チャネル内へ延在している対向した壁部分を有する。
【0018】
第17の態様では、本方法に従って、1つの締め具は複数のボルトを用いて前記クランプ締め部材を付勢する。
【0019】
第18の態様では、複数のボルトはクランプ締め部材を付勢するために螺入される。
【0020】
第19の態様では、本方法はボルトを螺入する様々な方法を含む。
【0021】
第20の態様では、少なくとも1つの締め具は、第1のクランプ締め部材及び第2のクランプ締め部材の外面上で滑動して、第1のクランプ締め部材と第2のクランプ締め部材とを互いに向かって付勢する弾性クランプを有する。
【0022】
ここで記載されているシステム及び技術は、以下の利点のうちの1つ又は複数をもたらす可能性がある。第1に、交換ホースがすぐに利用可能でない場合、損傷した又は漏れているホースに起因するダウンタイムが大幅に短縮される可能性がある。システムは、短時間(ホース修理システムを取り付けるのに必要な時間)で動作可能になる可能性がある。
【0023】
液圧ホースが様々な電化製品及び分野において使用されている。例として、空調装置、加熱ユニット、又は様々な産業車両が液圧ホースを使用する可能性がある。液圧ホースは、流体を導きながら内圧力に晒されている。材料的な制約、損傷、又は経年劣化がホース故障の発端である可能性がある。故障が発生し、ホースが修繕されるか又は交換されなければならない場合、それは、通常、システムのダウンタイムに関連する。これは、環境及び液圧ホースの使用次第で、非常に大きな影響を及ぼす可能性がある。ある場合には、ホースの交換に数日かかる可能性がある。これは、部品を地方に送らなければならない場合の事例である可能性があると考えられる。さらに、産業使用ユニット(industrial used unit)が関与している場合、ダウンタイムの影響は厳しい可能性があり、影響が大きい可能性がある。ホースが修理されるか又は交換されるまで、生産チェーンが中断されなければならない可能性がある。このような状況では、ホース故障に関連しているダウンタイムを最低限の時間に短縮する中間解決策が有利である。それが特別な種類のホースであり、地元の供給業者に在庫がない場合、このことは特に当てはまる。このような場合、ダウンタイムは長い期間続く可能性がある。従って、小売り部品が到着するか又はサービス提供会社が利用可能になるまで、システム動作を維持させる解決策が有利である。
【0024】
別の有利な態様が、第2のホースを用いて現在のホースを延長するか又は所定のホースの長さを短縮することにより、現在のホースの長さを変更する可能性である。所望されるホースの特定の長さが入手可能でない可能性がある。この解決策では、ホース修理システムは、個々の要件に基づいて、ホースの長さを延長するか又は短縮する解決策をもたらす可能性がある。
【0025】
1つ又は複数の実施の詳細は添付図面及び以下の説明に記載されている。他の特徴及び利点が明細書及び図面から、且つ特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本開示の一態様による、クランプ締めされた配向にある、上部クランプ締め部材と下部クランプ締め部材とを有するホース修理システムの斜視図である。
【
図2】解除された配向にある、
図1の上部クランプ締め部材及び下部クランプ締め部材の斜視図である。
【
図4】
図1のホース修理システムの底部クランプ締め部材の上面図である。
【
図5】
図1の底部クランプ締め部材の上面図である。
【
図6】
図5に示されている底部クランプ締め部材の線A-Aに沿って取った部分長手方向横断面図である。
【
図7】
図1に示されている上部クランプ締め部材の底面図である。
【
図9】
図1の上部クランプ締め部材の端面図である。
【
図10】
図1の上部クランプ締め部材の側面図である。
【
図11】
図10の線B-Bに沿って取った、上部クランプ締め部材の端面断面図である。
【
図12】貫通するホースを伴う、
図1のホース修理システムの上部クランプ締め部材の底面図である。
【
図13】
図1に示されているクランプ締め部材により形成されているチャネル内へ挿入可能なバーブの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1から
図7までは、第1の上部クランプ締め部材102と、第2の下部クランプ締め部材104と、少なくとも1つの締結部材110とを有するホース修理システム100の例示的実施例を示す。使用中、クランプ締め部材の両方がホース10を取り巻いて配置され、嵌合され、締め具110などの締結手段により共に付勢されて、ホースをクランプ締めし、封止するか、又は2つのホース部分若しくはホース部片を結合する。
【0028】
図1は、全般的に、共に付勢される第1のクランプ締め部材102と第2のクランプ締め部材104とを含むホース修理システム100を示す。この例では、第1のクランプ締め部材102は上部クランプ締め部材として示されており、第2のクランプ締め部材104は、第1のクランプ締め部材の反対側の下部クランプ締め部材として示されている。横突出部111がクランプ締め部材102及び104の両側に延在している。横突出部111は、貫通する各締め具の通過を容易にするような大きさに構成された複数の開口部又は穴部112を含む。クランプ締め部材は、締め具110により締結されると、共に付勢され、
図8及び
図9に示されているように中心チャネル114を形成することが好ましい。
【0029】
図1及び
図5を参照すると、上部クランプ締め部材102及び下部クランプ締め部材104が、係合配向にある場合、長手方向溝部108を形成する対向した内壁部分を含む。この長手方向溝部108は、ホースを、長手方向にハード・シールとして封止する。存在する場合、長手方向溝部は1つ又は複数の利点をもたらす。第1の例示的利点として、このハード・シールは、ソフト・シールと比較して、交換可能な部分でないことがある。ハード・シールはさらなる製造ステップ又はさらなる封止材料を必要とせず、それはその封止能を失わない可能性がある。緩いソフト・シールは、使用後に交換を必要とする可能性があると考えられる。さらに、一種の変形可能なゴム布で作製されることが多いホースの外側被覆層は、2つのクランプ締め部材により形成されている溝部内へ丸め込まれるか又は嵌め込まれる可能性がある。これにより、漏れを防ぐためのさらなるシールが形成されることが有利である。
【0030】
図5及び
図6に示されている通り、ホース修理システムは、標準的なホース・サイズを収容するように構成されていることが好ましい。当然のことながら、ホース修理システムは、修理、結合、又は延長を必要としている所望のホースの直径を収容する様々な直径で製造され得る。さらに当然のことながら、ホース修理システムは、所望される必要性又は状態に合う様々な異なる材料から製造されてもよい。
【0031】
図8から
図11までに示されている通り、クランプ締め部材により形成されているチャネル114の直径は正確にバランスされていることが好ましい。この直径がホースの標準的な直径サイズと比較して大き過ぎるように選択された場合、漏れが修繕されない可能性がある。他方では、チャネルの直径サイズがホース直径と比較して小さ過ぎる場合、液体圧は、クランプ締め部材の取付け以前に、大幅に増大する可能性がある。これは、加圧液体を供給するホース又はシステムの損傷につながる可能性があると考えられる。
【0032】
図2及び
図8から
図11までを参照すると、クランプ締め部材は各々、内面と外面とを有する。各クランプ締め部材の内面は複数の同心畝状部(concentric rib)106を含む。本例示的実施例では、畝状部106は各クランプ締め部材の内面内へ均等に隔たって湾曲している。畝状部106はホースを長手方向において封止し、安定化させる。この構造はホースに対して外骨格と同様に機能し、物理的損傷を防止し、ホースの材料の完全性を維持するのを助けるように安定化させる。畝状部106は、ホース修理システムがホースの長さに沿って移動せずに、定位置に固定されたままであることを確実にすることを助ける。通常、漏水、及び最終的には重力が、ホース修理システムに関する滑動環境を作り出す傾向がある。畝状部106は、存在する場合、ホース長に沿ったシステムの移動を防ぐ。滑動移動を防止する他の手段、単に例として円形釘状物又はホースの外側材料内へ固着している他の突出部などが代替的に使用されてもよい。
【0033】
ここで
図9及び
図11を参照すると、畝状部106の深さ及び各畝状部を形成している円弧が示されている。前述されている通り、チャネルの内径はホース修理システムが共に使用されるホースの外径に適合されていることが好ましい。又、畝状部の形状及び深さが考慮される。従って、様々な形状、例えば三角形構造又は四角形構造、及び様々な深さが、記載されている例示的実施例の代替的形態をもたらす。
【0034】
図1及び
図8に示されている通り、システム100が、複数の締め具110の形の締結手段、例えば複数のボルト、を含むことが好ましい。ボルト110は、両クランプ締め部材にあるボア112(
図2に示されている)を通って延出するための大きさに作製され、構成されている。当然のことながら、他のタイプの締結手段又は締め具が、本開示の範囲から逸脱することなく使用され得る。
【0035】
図1及び
図8を再度参照すると、ホース修理システム100が、水平面の各側から延在している横突出部109を備えた円筒形状を有する本体部分を有する。締結部材110が、各横突出部109の長さに沿ったボア112内へ挿入可能である。
図4及び
図7に示されている通り、ホース修理システムは、上方又は下方から見て、矩形形状を有することが好ましい。当業者には当然のことながら、他の形態及び形状が可能である。
【0036】
ここで
図12を参照すると、ホース修理システム100がホース10上に取り付けられて示されており、該ホースは、両クランプ締め部材同士がクランプ締めされると形成される中心チャネル内に配置されている。ホース修理システムのこの上面図は上部クランプ締め部材102を示し、例示的ボルト110が、各横突出部109に沿った各ボア内に挿入されて示されている。
【0037】
図3、
図5及び
図7を参照すると、各クランプ締め部材の外側面が示されている。図に示されている通り、中心円筒形コアが、各ボアの周囲で中心コアから切り取られた半円形凹部116を有する。ボアの周囲に自由空間を設けることは、ボアの内壁に設けられているねじ山内にボルトを螺入するために複数の螺入道具が使用され得るという点において有利である。当然のことながら、様々な異なるボルトが、クランプ締め部材同士を締結し、締め付け、クランプ締めするのに使用され得る。必要に応じて、クランプ締め部材同士を締結するために、締め具道具に大きな力がかけられ得る。強い付勢力又は強いクランプ締め力がホースを溝部108及び畝状部106内へ嵌め込む。
【0038】
特に、本明細書におけるコンセプトを従来のホースと関連して検討してきた。しかし、それらはそれほど制限されていない。例えば、同システムは、高圧液体導管を使用して、他のホース・タイプ及び他の装置に適用されるか又は適合されることが可能であると考えられる。
【0039】
代替的実施例が、特定の状態のための必要に応じて、様々な形状又は形態及び締結手段を有し得る。例として、クランプ締め部材が、小スペースに有利であり且つパンク漏れに適合された球形の全体形状を有し得る。状況によっては、締結手段は、単に例としてばねクリップ又はホースの可変圧縮を容易にする、各ボルトの頭部の下方に配向されている非平面ワッシャによってなど、クランプ締め部材同士を弾性的に付勢するように構成されていてもよい。
【0040】
図13から
図17までを参照すると、ホース修理システムはバーブ200を含み得る。該バーブは、長さ及び反対側にある再生端部(rejuvenating end)204及び206を備えた中空管形態を有する。この例では、バーブ200は、該バーブの中央領域、長さに沿ったおおよそ中間に、周方向隆起部分202を有する。バーブのサイズ(長さ及び直径)は、標準的なホース・サイズの内径に合わせられている。バーブ200は、ホースの2つの端部が結合された時に通る液体の流動を可能にするように構成された貫通チャネルを含む。
【0041】
バーブ200はホース内へ導入されてもよく、深さ制限止め具として機能する隆起部分202にホースが到達した時に停止させられてもよい。バーブの他方の側から、隆起部分202に遭遇するまで、別のホースがバーブの上を覆って引っ張られることが可能である。この構造を使用して、2つの異なるホース端部は結合され得る。
図15に示されている通り、バーブ200は、ホースのより良好な把持を確実にする複数の畝状部を有することが好ましい。或いは、より良好な把持又はクサビ嵌合を実現する粗面、釘状物、又は任意の他の手段が必要に応じて使用されてもよい。
【0042】
クランプ締め部材102、104が、バーブ200により結合されているホースの周囲に配置され、クランプ締めされる。このようにして、ホースの損傷部分を切り取ることが可能であり、ホースの弛緩部分は再度結合されるか、又は2つの独立したホース同士が結合されることが可能である。クランプ締め部材はある程度の安定をもたらし、例えば、ホースはそれに係合されるとバーブから抜け出さない可能性がある。
【0043】
1つ若しくは複数の前述の例では、ホース修理システムはホースを修理するか又は結合するための解決策を提供している。該ホース修理システムの1つ若しくは複数の構成要素が、全体的に又は部分的にどちらかで、金属材料から作製され得る。所望の用途、ホース・タイプ、及び/又は液体圧に応じて、単に例としてプラスチック、炭素繊維、及び/又はゴム入り材料など、他の材料も可能である。例として、腐食液体漏れが、漏れている液体に反応しない材料から作製されているホース修理システムを用いて、より良好に封止される可能性がある。別の例が、ホース修理キットが曲げられるか又は若干変形可能である必要がある場合であると考えられる。そのような場合、硬質ゴム材料がより適切である可能性がある。
【0044】
ホース修理システムは、ホースを修理するか又は結合する様々な方法において使用され得る。一例では、両クランプ締め部材はホースの漏れ部分の周囲に配置され、1つ又は複数の締結部材により、該漏れ部分の周囲で共に付勢される。
【0045】
代替的方法が、ホースの損傷部を切り取り、バーブの周囲にクランプ締め部材を配置する前に、ホース端部を前述のバーブと結合することである。バーブは、ホースを短縮するか又は2つのホースを結合する方法を提供し、ホースの全長を延長する可能性がある。当然のことながら、必要に応じて、2つのホース部分はバーブを用いずに結合されてもよい。或いは、バーブが、中心環状隆起畝状部又は深さ止め具を有さず、均一な直径の複数の外側畝状部を有して使用されてもよい。場合によっては、バーブは、例えば低圧ホース環境において、クランプ締め部材なしで使用されてもよい。或いは、バーブは、環状深さ止め具の両側にあるクランプ締めリングと共に使用されてもよい。さらなる代替案として、クランプ締め部材は各々、それを通るバーブの環状深さ止め具の部分を受容するように構成されている部分環状凹部を有する。環状深さ止め具は、その表面に沿ってラチェッティングを含んでおり、凹部の側面に係合して、バーブと各クランプ締め部材との間の各ホース部分の一方向プログレッシブ圧縮を容易にしてもよい。
【0046】
本明細書は多くの詳細を含有しているが、これらは、特許請求されているものの範囲に対する制限と見なされるべきではなく、むしろ、特定の例に特有の特徴の説明と見なされるべきである。別々の実施の状況において明細書に記載されているある特徴が組み合わされることも可能である。逆に、また、単一の実施の状況で記載されている様々な特徴が、複数の実施例において別々に又は任意の適切な下位の組合せで実施され得る。
【0047】
いくつかの例を記載した。それにも関わらず、当然のことながら、様々な修正が施され得る。従って、他の実施は以下の特許請求の範囲の範囲内にある。