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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-25
(45)【発行日】2022-12-05
(54)【発明の名称】低摩擦係数積層体
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/00 20060101AFI20221128BHJP
   C09J 7/29 20180101ALI20221128BHJP
   C09J 175/08 20060101ALI20221128BHJP
   C09J 175/06 20060101ALI20221128BHJP
   B65D 65/40 20060101ALI20221128BHJP
【FI】
B32B27/00 101
C09J7/29
C09J175/08
C09J175/06
B65D65/40 D
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019566885
(86)(22)【出願日】2018-06-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-06
(86)【国際出願番号】 US2018035871
(87)【国際公開番号】W WO2018226591
(87)【国際公開日】2018-12-13
【審査請求日】2021-05-25
(31)【優先権主張番号】17382354.3
(32)【優先日】2017-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100187964
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】ロープ、コスム
(72)【発明者】
【氏名】オンガイ、オウンディ
(72)【発明者】
【氏名】アミーチ、マルコ
(72)【発明者】
【氏名】プレール、パトリック
(72)【発明者】
【氏名】シュバリエ、セリーヌ
【審査官】千葉 直紀
(56)【参考文献】
【文献】特表2006-518292(JP,A)
【文献】特表2002-534549(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B1/00-43/00
B65D65/00-65/46
C09J1/00-5/10;9/00-201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のフィルムであって、
シーラント層であって、
(A)エチレン系ポリマー、および
(B)スリップ剤ブレンドであって、
(i)30,000g/mol~50,000g/molの数平均分子量(Mn)を有する第1のポリジメチルシロキサン(PDMS)
(ii)ジメチルビニルシリル末端ポリジメチルシロキサンである第2のポリジメチルシロキサン(PDMS)であって、(i)300,000g/mol~400,000g/molの数平均分子量(Mn)および(ii)1.8~1.9の分子量分布(Mw/Mn)を有する前記第2のPDMSと、を含む前記スリップ剤ブレンド
を含む前記シーラント層を備えた前記第1のフィルムと、
第2フィルムであって、前記第1のフィルムが前記第2のフィルムに積層されている、前記第2のフィルムと
を有する積層体。
【請求項2】
前記スリップ剤ブレンドが、前記スリップ剤ブレンドの総重量に基づいて、
(i)1重量%~50重量%未満の前記第1のPDMS、および
(ii)50重量%超~99重量%の前記第2のPDMS
を含む、請求項に記載の積層体。
【請求項3】
前記エチレン系ポリマーが、エチレン/α-オレフィンコポリマーである、請求項1または2に記載の積層体。
【請求項4】
前記シーラント層が、前記シーラント層の総重量に基づいて、0.1重量%~5.0重量%の前記スリップ剤ブレンドを含む、請求項1~のいずれかに記載の積層体。
【請求項5】
前記シーラント層が、前記シーラント層の総重量に基づいて、
(i)0.01重量%~2.5重量%未満の前記第1のPDMS、および
(ii)0.05重量%超~4.95重量%の前記第2のPDMS
を含む、請求項1~のいずれかに記載の積層体。
【請求項6】
前記エチレン系ポリマーが、エチレンプラストマー/エラストマー、および低密度ポリエチレン(LDPE)を含む、請求項1~のいずれかに記載の積層体。
【請求項7】
前記第2のフィルムが、単層フィルムである、請求項1~のいずれかに記載の積層体。
【請求項8】
前記第2のフィルムが、ポリエチレンテレフタレート(PET)、エチレンビニルアルコール(EVOH)コポリマー、ポリアミド、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される成分を含む層を含む、請求項1~のいずれかに記載の積層体。
【請求項9】
前記第1のフィルムおよび前記第2のフィルムと接触している接着層をさらに含む、請求項1~のいずれかに記載の積層体。
【請求項10】
前記接着層が、ポリエーテル接着剤、ポリウレタン接着剤、またはそれらの組み合わ
せからなる群から選択される接着剤を含む、請求項に記載の積層体。
【請求項11】
前記接着層が、ポリエーテル系ポリウレタン接着剤を含み、前記積層体が、12m/分で0.20~0.55のCOFを有する、請求項または10に記載の積層体。
【請求項12】
前記接着層が、ポリエステル系ポリウレタン接着剤を含み、前記積層体が、12m/分で0.20~0.50のCOFを有する、請求項または10に記載の積層体。
【請求項13】
前記第1のフィルムが、前記シーラント層と接触するコア層、および前記コア層と接触する剥離層を含む、多層フィルムである、請求項1~12のいずれかに記載の積層体。
【請求項14】
前記第1のフィルムであって、
前記シーラント層であって、
(A)エチレン系ポリマー、および
(B)前記スリップ剤ブレンドであって、
(i)1重量%~50重量%未満の前記第1のPDMS
(ii)50重量%超~99重量%の前記第2のPDMS、を含む前記スリップ剤ブレンド、を含む前記シーラント層、
前記シーラント層と接触しているコア層であって、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、第2のエチレン系ポリマーを含む前記コア層、
前記コア層と接触している剥離層であって、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、第3のエチレン系ポリマーを含む前記剥離層
備えた前記第1のフィルムと、
ポリエチレンテレフタレート(PET)を含む層を含む前記第2のフィルムと
有し
前記シーラント層の最も外側の表面が、前記積層体の最も外側の表面であり、前記積層体が、12m/分で0.55未満の摩擦係数を有する、請求項13に記載の積層体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エチレン系ポリマーおよびスリップ剤を含有するシーラント層を有するフィルムを備えた積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
エチレン系ポリマーから形成されたフィルム層は、例えば食品包装および特殊包装を含む、多様な用途の積層体のフィルムに使用されている。エチレン系ポリマーの外側積層体層は、製造ラインまたは包装ラインなどで積層体を効率的に加工するために、低摩擦係数(COF)(例えば0.35未満)を必要とする。低COFを達成するために、典型的には、エチレン系ポリマー外層にスリップ剤が添加される。従来のスリップ剤は、エルカミドおよびオレアミドなどの不飽和脂肪酸アミドを含み、これらは積層体の表面に移動することによって積層体のCOFを低下させることが知られている。しかしながら、時間、高温、高圧、およびさまざまな変換プロセスなどの異なる環境条件下で、従来の移動性スリップ剤を使用して一貫した低COFを維持することは困難である。
【0003】
当技術分野は、高速包装ラインで使用することができるエチレン系ポリマー組成物を含むフィルムを備えた積層体の必要性を認識している。当技術分野はまた、移動性スリップ剤なしで低COF(例えば0.35未満)を呈するエチレン系ポリマー組成物を含むフィルムを備えた積層体の必要性も認識している。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、積層体を提供する。積層体は、第1のフィルムと第2のフィルムとを含み、第1のフィルムは第2のフィルムに積層されている。第1のフィルムは、(A)エチレン系ポリマー、ならびに(B)(i)30,000g/モル~300,000g/モル未満の数平均分子量(Mn)を有する第1のポリジメチルシロキサン、および(ii)300,000g/モル~2,000,000g/モルの数平均分子量(Mn)を有する第2のポリジメチルシロキサンを含有するスリップ剤ブレンド、を含有するシーラント層を含む。
【0005】
定義
元素周期表へのいずれの参照も、CRC Press,Inc.,1990-1991によって出版されたものへの参照である。この周期表の元素の族への参照は、族の番号付与の新しい表記法による。
【0006】
米国特許慣行の目的のため、いかなる参照される特許、特許出願、または刊行物の内容も、特に定義の開示(本開示に具体的に提供されるいかなる定義とも矛盾しない程度において)および当該技術分野の一般知識に関して、それらの全体が参照により組み込まれる(またはその米国版に相当するものが、参照により同様に組み込まれる)。
【0007】
本明細書に開示されている数値範囲は、下限値および上限値を含む、下限値から上限値の全ての値を含む。明確な数値(例えば、1もしくは2、または3~5、または6、または7)を含む範囲については、任意の2つの明確な数値間の任意の部分範囲が含まれる(例えば、1~2、2~6、5~7、3~7、5~6など)。
【0008】
相反する記載がない限り、文脈から黙示的でない限り、または当該技術分野で慣習的でない限り、全ての部およびパーセントは重量に基づき、全ての試験方法は本開示の出願日時点で最新のものである。
【0009】
用語「アルケニル」(または「アルケニル基」)は、アルケン基から1個の水素原子を除去することによって、脂肪族炭化水素から誘導される有機ラジカルを指す。アルケニル基の非限定的な例は、ビニル基である。「ビニル基」は、-CH=CH基である。
【0010】
「アルコキシ」(または「アルコキシ基」)は、-OZラジカルを指し、代表的なZとしては、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、シリル基、およびそれらの組み合わせが挙げられる。好適なアルコキシラジカルの非限定的な例としては、メトキシ、エトキシ、ベンジルオキシ、およびt-ブトキシが挙げられる。
【0011】
用語「アルキル」(または「アルキル基」)は、脂肪族炭化水素から1個の水素原子を除去することによって誘導される、有機ラジカルを指す。アルキル基は、直鎖状、分枝鎖状、環状、またはそれらの組み合わせであり得る。用語「置換アルキル」は、少なくとも1つの水素原子が、少なくとも1つのヘテロ原子を含む置換基で置換されているアルキルを指す。ヘテロ原子としては、O、N、P、およびSが挙げられるが、それらに限定されない。置換基としては、ハライド、OR’、NR’、PR’、P(=O)R’、SiR’が挙げられるが、それらに限定されず、各R’は独立してC-C20ヒドロカルビル基である。
【0012】
用語「アルキニル」(または「アルキニル基」)は、アルキン基から1個の水素原子を除去することによって、脂肪族炭化水素から誘導される有機ラジカルを指す。
【0013】
用語「アリール」(または「アリール基」)は、芳香族炭化水素から1個の水素原子を除去することによって誘導される、有機ラジカルを指す。アリール基は、単環式および/または縮合環系であってもよく、その各環が好適には5~7個、好ましくは5または6個の原子を含有する。2つ以上のアリール基が単結合(複数可)を介して結合している構造も含まれる。具体的な例には、限定されないが、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェニル、アントリル、インデニル、フルオレニル、ベンゾフルオレニル、フェナントリル、トリフェニレニル、ピレニル、ペリレニル、クリセニル、ナフタセニル、フルオランテニル等が含まれる。用語「置換アリール」は、少なくとも1つの水素原子が、少なくとも1つのヘテロ原子を含む置換基で置換されているアリールを指す。ヘテロ原子としては、O、N、P、およびSが挙げられるが、それらに限定されない。置換基としては、ハライド、OR’、NR’、PR’、P(=O)R’、SiR’が挙げられるが、それらに限定されず、各R’は独立してC-C20ヒドロカルビル基である。
【0014】
本明細書で使用される「ブレンド」または「ポリマーブレンド」という用語は、2種以上のポリマーのブレンドである。このようなブレンドは、相溶性であっても、そうでなくてもよい(分子レベルで相分離していない)。このようなブレンドは、相分離していても、していなくてもよい。このようなブレンドは、透過電子分光法、光散乱、X線散乱、および当該技術分野において既知の他の方法から決定される、1つ以上のドメイン構成を含有していても、していなくてもよい。
【0015】
「組成物」という用語は、組成物を構成する材料の混合物、ならびに組成物の材料から形成された反応生成物および分解生成物を指す。
【0016】
「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」という用語、およびそれらの派生語は、それが具体的に開示されているかどうかにかかわらず、任意の追加の成分、工程、または手順の存在を除外することを意図しない。いかなる疑義も回避するために、「含む(comprising)」という用語の使用を通して請求される全ての構成要素は、特段の記述がない限り、ポリマーであるか、ポリマーでないかに関わらず、任意の追加の添加剤、補助剤、または化合物を含んでもよい。その一方、「から本質的になる(consisting essentially of)」という用語は、操作性に必須ではないものを除き、いかなる後続の列挙の範囲から他の任意の構成要素、ステップ、または手順を考慮しない。「からなる(consisting of)」という用語は、具体的に描写または列挙されていない任意の構成要素、ステップ、または手順を考慮しない。「または(or)」という用語は、特段の記述がない限り、列挙されたメンバーを個別におよび任意の組み合わせを指す。単数形の使用には、複数形の使用が含まれ、逆の場合も同じである。
【0017】
「シクロアルキル」は、単環または複数の縮合環を有する飽和環状非芳香族炭化水素ラジカルである。好適なシクロアルキルラジカルの非限定的な例としては、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、ビシクロオクチルなどが挙げられる。特定の実施形態では、シクロアルキルは、3~200個の炭素原子、3~50個の炭素原子、または3~20個の炭素原子を有する。
【0018】
「エチレン系ポリマー」は、(重合性モノマーの総量に基づいて)50重量パーセント超の重合エチレンモノマーを含み、任意選択により、少なくとも1つのコモノマーを含み得るポリマーである。エチレン系ポリマーは、エチレンホモポリマー、およびエチレンコポリマー(エチレンおよび1つ以上のコモノマーに由来する単位を意味する)を含む。「エチレン系ポリマー」および「ポリエチレン」という用語は、同義に使用され得る。エチレン系ポリマー(ポリエチレン)の非限定的な例としては、低密度ポリエチレン(LDPE)および直鎖状ポリエチレンが挙げられる。直鎖状ポリエチレンの非限定的な例としては、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(ULDPE)、極低密度ポリエチレン(VLDPE)、多成分エチレン系コポリマー(EPE)、エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマー(オレフィンブロックコポリマー(OBC)としても知られる)、シングルサイト触媒直鎖状低密度ポリエチレン(m-LLDPE)、実質的に直鎖状または直鎖状のプラストマー/エラストマー、および高密度ポリエチレン(HDPE)が挙げられる。一般に、ポリエチレンは、チーグラーナッタ触媒等の不均一触媒系、4族遷移金属およびメタロセン、非メタロセン金属中心、ヘテロアリール、ヘテロ原子アリールオキシエーテル、ホスフィンイミン等の配位子構造を含む均一触媒系を使用して、気相流動床反応器、液相スラリープロセス反応器、または液相溶液プロセス反応器で生成され得る。不均一触媒および/または均一触媒の組み合わせもまた、単一反応器または二重反応器構成のいずれにおいても使用され得る。
【0019】
「エチレンプラストマー類/エラストマー類」は、エチレンから誘導された単位および少なくとも1つのC~C10α-オレフィンコモノマー、または少なくとも1つのC~Cα-オレフィンコモノマー、または少なくとも1つのC~Cα-オレフィンコモノマーから誘導される単位を含む均一短鎖分岐分布を含有する実質的に直鎖、または直鎖エチレン/α-オレフィンコポリマー類である。エチレンプラストマー/エラストマーは、0.870g/cc、または0.880g/cc、または0.890g/cc~0.900g/cc、または0.902g/cc、または0.904g/cc、または0.909g/cc、または0.910g/cc、または0.917g/ccの密度を有する。エチレンプラストマー/エラストマーの非限定的な例としては、AFFINITY(商標)プラストマーおよびエラストマー(The Dow Chemical Companyから入手可能)、EXACT(商標)プラストマー(ExxonMobil Chemicalから入手可能)、Tafmer(商標)(Mitsuiから入手可能)、Nexlene(商標)(SK Chemicals Co.から入手可能)、およびLucene(商標)(LG Chem Ltd.から入手可能)が挙げられる。
【0020】
「ヘテロ原子」は、炭素または水素以外の原子である。好適なヘテロ原子の非限定的な例には、F、Cl、Br、N、O、P、B、S、Si、Sb、Al、Sn、As、Se、およびGeが含まれる。
【0021】
「高密度ポリエチレン」(または「HDPE」)は、少なくとも1つのC~C10α-オレフィンコモノマー、またはC~Cα-オレフィンコモノマー、および0.94g/cc超、または0.945g/cc、または0.95g/cc、または0.955g/cc~0.96g/cc、または0.97g/cc、または0.98g/ccの密度を有するエチレンホモポリマーまたはエチレン/α-オレフィンコポリマーである。HDPEは、単峰性コポリマーまたは多峰性コポリマーであり得る。「単峰性エチレンコポリマー」は、分子量分布を示すゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)において1つの明確なピークを有するエチレン/C~C10α-オレフィンコポリマーである。「多峰性エチレンコポリマー」は、分子量分布を示すGPC中に少なくとも2つの異なるピークを有するエチレン/C~C10α-オレフィンコポリマーである。多峰性は、2つのピークを有するコポリマー(二峰性)ならびに3つ以上のピークを有するコポリマーを含む。HDPEの非限定的な例は、DOW(商標)高密度ポリエチレン(HDPE)樹脂(Dow Chemical Companyから市販されている)、ELITE(商標)強化ポリエチレン樹脂(Dow Chemical Companyから市販されている)、CONTINUUM(商標)二峰性ポリエチレン樹脂(Dow Chemical Companyから市販されている)、LUPOLEN(商標)(Lyondell Basellから市販されている)、並びにBorealis、Ineos、およびExxonMobilからのHDPE製品を含む。
【0022】
「炭化水素」は、水素および炭素原子のみを含有する化合物である。炭化水素は、(i)分枝鎖状または非分枝鎖状、(ii)飽和または不飽和、(iii)環式または非環式、および(iv)(i)~(iii)の任意の組み合わせであり得る。炭化水素の非限定的な例としては、アルカン、アルケン、およびアルキンが挙げられる。
【0023】
「独立して」または「各々が独立して選択される」等の用語は、標的グループ内の各々の個々のメンバーに対する要素の別個の選択を指す。例えば、用語「化合物1~化合物5の各々について、独立してR~Rが、各々独立してメチル、エチル、およびプロピルから選択される」とは、(i)各化合物1~5に対する所与の置換基R~Rの特性が、別個かつ個々のものである(すなわち、化合物1のR(メチル)は、化合物2、3、4、または5のR(メチル、エチル、またはプロピル)と同じかまたは異なる要素であり得る)、(ii)置換基R~Rの選択は、各個々の置換基で別個である(すなわち、R(エチル)は、R、R、R、およびR(メチル、エチル、またはプロピル)に対して同じかまたは異なる要素であり得る)、ことを示す。
【0024】
「インターポリマー」は、少なくとも2つの異なるモノマーの重合によって調製されるポリマーである。この総称は、2つの異なるモノマーから調製されるポリマーを指すために通常用いられるコポリマー、および3つ以上の異なる種類のモノマーから調製されるポリマー、例えばターポリマー、テトラポリマー等を含む。
【0025】
「低密度ポリエチレン」(または「LDPE」)は、エチレンホモポリマー、または0.915g/cc~0.940g/ccの密度を有し、かつ広いMWDを有する長鎖分岐を含有する少なくとも1つのC~C10α-オレフィン、好ましくはC~Cを含むエチレン/α-オレフィンコポリマーからなる。LDPEは、通常、高圧フリーラジカル重合(フリーラジカル開始剤を有する管状反応器またはオートクレーブ)によって生産される。LDPEの非限定的な例としては、MarFlex(商標)(Chevron Phillips)、LUPOLEN(商標)(LyondellBasell)、ならびにBorealis、Ineos、ExxonMobilなどからのLDPE製品が挙げられる。
【0026】
「直鎖低密度ポリエチレン」(または「LLDPE」)は、エチレンから誘導された単位および少なくとも1つのC~C10α-オレフィンコモノマーまたは少なくとも1つのC~Cα-オレフィンコモノマー、または少なくとも1つのC~Cα-オレフィンコモノマーから誘導される単位を含む不均一短鎖分岐分布を含有する直鎖エチレン/α-オレフィンコポリマーである。LLDPEは、従来のLDPEとは対照的に、たとえあったとしても少しの長鎖分岐を特徴とする。LLDPEは、0.910g/cc、または0.915g/cc、または0.920g/cc、または0.925g/cc~0.930g/cc、または0.935g/cc、または0.940g/ccの密度を有する。LLDPEの非限定的な例としては、TUFLIN(商標)直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(The Dow Chemical Companyから入手可能)、DOWLEX(商標)ポリエチレン樹脂(The Dow Chemical Companyから入手可能)、およびMARLEX(商標)ポリエチレン(Chevron Phillipsから入手可能)が挙げられる。
【0027】
「多成分エチレン系コポリマー」(または「EPE」)は、エチレンから誘導される単位と、特許参考文献USP6,111,023、USP5,677,383およびUSP6,984,695に記載されているような少なくとも1つのC~C10α-オレフィンコモノマー、または少なくとも1つのC~Cα-オレフィンコモノマー、または少なくとも1つのC~Cα-オレフィンコモノマーから誘導される単位を含む。EPE樹脂は、0.905g/cc、または0.908g/cc、または0.912g/cc、または0.920g/cc、0.926g/cc、または0.929g/cc、または0.940g/cc、または0.962g/ccの密度を有する。EPE樹脂の非限定的な例は、ELITE(商標)強化ポリエチレン(Dow Chemical Companyから市販されている)、ELITEAT(商標)先端技術樹脂(Dow Chemical Companyから市販されている)、SURPASS(商標)ポリエチレン(PE)樹脂(Nova Chemicalsから市販されている)、およびSMART(商標)(SK Chemicals Co.から市販されている)を含む。
【0028】
「オレフィン系ポリマー」または「ポリオレフィン」は、(重合性モノマーの総量に基づいて)50重量パーセント超の重合オレフィンモノマーを含むポリマーであり、任意選択により、少なくとも1つのコモノマーを含んでもよい。オレフィン系ポリマーの非限定的な例は、エチレン系ポリマーである。
【0029】
「ポリマー」は、同一の種類または異なる種類であるかに関わらず、重合形態でポリマーを構成する複数のおよび/または繰り返しの「単位」または「mer単位」を提供するモノマーを重合することによって製造される化合物である。したがって、ポリマーという一般的な用語は、通常、1種類のみのモノマーから調製されるポリマーを指すために用いられる、ホモポリマーという用語、および、通常、少なくとも2種類のモノマーから調製されるポリマーを指すために用いられる、コポリマーという用語を包含する。また、例えば、ランダム、ブロック等の全ての形態のコポリマーも包含する。「エチレン/α-オレフィンポリマー」および「プロピレン/α-オレフィンポリマー」という用語は、それぞれ重合エチレンまたはプロピレンと、1つ以上の追加の重合性α-オレフィンモノマーとから調製される、上に説明するコポリマーを示す。ポリマーはしばしば、1つ以上の特定のモノマー「から作製される」、特定のモノマーもしくはモノマーの種類「に基づく」、または特定のモノマー含有量「を含有する」等として言及されるが、この文脈において、「モノマー」という用語は、非重合種ではなく、特定のモノマーの重合レムナントを指していることが理解されることに留意されたい。一般的に、本明細書においてポリマーは、対応するモノマーの重合形態である「単位」に基づくものとして言及される。
【0030】
「シングルサイト触媒された直鎖低密度ポリエチレン」(または「m-LLDPE」)は、エチレンから誘導された単位および少なくとも1つのC~C10α-オレフィンコモノマー、または少なくとも1つのC~Cα-オレフィンコモノマー、または少なくとも1つのC~Cα-オレフィンコモノマーから誘導される単位を含む不均一短鎖分岐分布を含有する直鎖エチレン/α-オレフィンコポリマー類である。m-LLDPEは、0.913g/cc、または0.918g/cc、または0.920g/cc、0.925g/cc、または0.940g/ccまでの密度を有する。m-LLDPEの非限定的な例としては、EXCEED(商標)メタロセンPE(ExxonMobil Chemicalから入手可能)、LUFLEXEN(商標)m-LLDPE(Lyondell Basellから入手可能)、およびELTEX(商標)PF m-LLDPE(Ineos Olefins&Polymersから入手可能)が挙げられる。
【0031】
「極低密度ポリエチレン」(または「ULDPE」)および「超低密度ポリエチレン」(または「VLDPE」)は、エチレンから誘導された単位および少なくとも1つのC~C10α-オレフィンコモノマー、または少なくとも1つのC~Cα-オレフィンコモノマー、または少なくとも1つのC~Cα-オレフィンコモノマーから誘導される単位を含む不均一短鎖分岐分布を含有する直鎖エチレン/α-オレフィンコポリマーである。ULDPEおよびVLDPEは各々、0.885g/ccまたは0.90g/cc~0.915g/ccの密度を有する。ULDPEおよびVLDPEの非限定的な例としては、ATTANE(商標)超低密度ポリエチレン樹脂(The Dow Chemical Companyから入手可能)およびFLEXOMER(商標)超低密度ポリエチレン樹脂(The Dow Chemical Companyから入手可能)が挙げられる。
【0032】
試験方法
1分当たり100ミリメートル(mm/分)での摩擦係数(COF)は、ISO8295(動的COF)に従って測定される。用いられる基板は、304ステンレス鋼である。
【0033】
1分当たり12メートル(m/分)での摩擦係数(COF)は、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第WO2011/019787号に記載されている「接線」COF試験装置を使用して測定される。試験中、試料フィルムロールまたは積層体ロールをスリッター巻き取り機に取り付け、接線COF試験装置に通し、スリッター巻き取り機駆動ローラーに戻す。試料の動きは、スリッター巻き取り機制御システムを使用して制御される。304ステンレス鋼の静的ローラー表面のラップ角度(β)は、0.52ラジアンである。試料フィルムまたは積層体のシーラント層は、試験中に静的ローラー表面と接触している。動的COFは、試料の線速度12m/分で試験される。COFは、次の等式(A):T=Tμβを使用する試料張力の測定を介して、Amontonの法則を使用して決定され、式中、Tが、静的ローラーの周りに巻き付ける前の試料の張力であり、Tが、静的ローラーの周りに巻き付けた後の試料の張力であり、μがCOFであり、βが静的ローラー表面全体にわたるラップ角度ラップ角度である。
【0034】
密度は、ASTM D792、方法Bに従って測定される。結果は、1立方センチメートル当たりのグラム(g/cc)で記録される。
【0035】
g/10分でのメルトインデックス(MI)(I2)は、ASTM D-1238-04(190℃/2.16kg)を使用して測定される。
【0036】
示差走査熱量測定(DSC)
示差走査熱量測定(DSC)を使用して、広範囲の温度にわたるポリマーの溶融、結晶化、およびガラス転移挙動を測定することができる。例えば、RCS(冷蔵冷却システム)およびオートサンプラを備えたTA Instruments Q1000 DSCを使用し、この分析を行う。試験中、50ml/分の窒素パージガス流を使用する。各試料を約190℃で薄フィルムに溶融圧縮し、次いで、溶融試料を室温(約25℃)まで空冷する。3~10mg、直径6mmの試験片を、冷却したポリマーから抽出し、秤量し、軽量アルミニウムパン(約50mg)内に置き、圧着して閉じる。次いで、その熱的特性を決定するために分析を行った。
【0037】
試料の熱挙動は、試料温度に上下の勾配を付けて熱流量対温度プロファイルを作成することによって決定される。熱履歴を除去するために、まず、試料を180℃まで急速に加熱し、3分間等温保持した。次に、試料を10℃/分の冷却速度で-80℃まで冷却し、-80℃で3分間等温保持する。次いで、試料を10℃/分の加熱速度で180℃まで加熱した(これは「第2の加熱」勾配である)。冷却曲線および第2の加熱曲線を記録する。決定した値は、外挿された融解の開始Tmであり、外挿された結晶化の開始Tcである。融解熱(Hf)(グラム当たりのジュールで)、以下の等式:結晶化度%=((Hf)/292J/g)×100を使用してポリエチレン試料の結晶化度%を計算し、以下の等式:結晶化度%=((Hf)/292J/g)×100を使用してポリプロピレン試料の結晶化度%を計算した。融解熱(Hf)およびピーク融解温度は、第2の熱曲線から報告する。ピーク結晶化温度は、冷却曲線から決定する。
【0038】
まず、融解転移の開始と終了との間にベースラインを引くことによって、DSC加熱曲線から融点Tmを決定する。次いで、融解ピークの低温側のデータに接線を引く。この線がベースラインと交差する場所が、外挿された融解開始(Tm)である。これは、Thermal Characterization of Polymeric Materials 92,277-278(Edith A.Turi ed.,2d ed.1997)中のBernhard Wunderlich,The Basis of Thermal Analysisに記載されているとおりである。
【0039】
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)
自動送達支援(RAD)システムを備えた高温ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)システムを、試料調製および試料注入に使用した。濃度検出器は、Polymer Char Inc.(Valencia,Spain)からの赤外線検出器(IR-5)である。データ収集は、Polymer Char DM100データ取得ボックスを使用して実施する。担体溶媒は、1,2,4-トリクロロベンゼン(TCB)である。このシステムは、Agilent製のオンライン溶媒脱ガスデバイスを備えている。カラム区画は、150℃で作動する。カラムは、4つのMixed A LS30cm、20ミクロンカラムである。溶媒は、およそ200ppmの2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール(「BHT」)を含有する窒素パージした1,2,4-トリクロロベンゼン(TCB)である。流量は、1.0mL/分であり、注入体積は、200μlである。穏やかに撹拌しながら、Nパージし、予熱したTCB(200ppmのBHTを含有する)中に試料を160℃で2.5時間溶解することによって、「2mg/mL」の試料濃度を調製する。
【0040】
GPCカラムセットは、20の狭い分子量分布のポリスチレン標準物を流すことによって較正する。標準物の分子量(「MW」)は、580g/モル~8,400,000g/モルの範囲であり、標準物は、6つの「カクテル」混合物に含有されている。各標準混合物は、個々の分子量間で少なくとも10の分離を有している。各PS標準物の換算ポリプロピレン分子量は、ポリプロピレンについてはMark-Houwink係数(Th.G. Scholte,N.L.J.Meijerink,H.M.Schoffeleers,&A.M.G.Brands,J.Appl.Polym.Sci.,29,3763-3782(1984))、ポリスチレンについては(E.P.Otocka,R.J.Roe,N.Y.Hellman,&P.M.Muglia,Macromolecules,4,507(1971))、で報告された次の等式:
【数1】

を使用することによって計算し、式中、Mppが、PP換算MWであり、MPSが、PS換算MWであり、log KならびにPPおよびPSのMark-Houwink係数の値が、以下に列挙される。
【表1】
【0041】
4次多項式当て嵌めを溶出体積の関数として使用して、対数分子量較正を生成する。数平均および重量平均分子量は、以下の等式:
【数2】

に従って計算され、式中、WfおよびMが、それぞれ溶出成分iの重量分率および分子量である。
【0042】
GPC-トリプル検出器(PDMS MwおよびMn測定)
ポリジメチルシロキサンの重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、トリプル検出機能を使用してGPC(Viscotek(商標)GPC Max)によって測定される。Viscotek(商標)TDA305ユニットは、示差屈折計、オンライン差圧粘度計、および低角度光散乱(LALS:検出角度7°および90°)が装備されている。移動相は、トルエンHPLCグレードである。カラムは、1mL/分の流量および37分の実行時間で5fractomの注入量のVarianからの2つのPL Gel Mixed C(7.5*300mm、5μm粒子径)、およびVarianからの1つのPLGel guardカラム(7.5*300mm)である。カラムおよび検出器の温度は、40°Cである。使用されるソフトウェアはOmnisec4.6.1(Viscotek(商標))である。
【0043】
検出器は、既知の濃度の狭いポリスチレン標準物(Mw68,100g/mol)の注入によって較正される。正しい実行パラメーターは、狭い分子量分布のポリスチレン標準物(PS71K)を使用してチェックされる。検出器の較正を検証するには、分子量平均が統計的プロセス管理(SPC)チャート内なければならない。典型的なGPCの精度および正確性(屈折率の増分に依存する)は、およそ2~3%である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本開示は、積層体を提供する。積層体は、第1のフィルムと第2のフィルムとを含み、第1のフィルムは第2のフィルムに積層されている。第1のフィルムは、(A)エチレン系ポリマー、ならびに(B)(i)30,000g/モル~300,000g/モル未満の数平均分子量(Mn)を有する第1のポリジメチルシロキサン、および(ii)300,000g/モル~2,000,000g/モルの数平均分子量(Mn)を有する第2のポリジメチルシロキサンを含有するスリップ剤ブレンド、を含有するシーラント層を含む。
【0045】
第1のフィルム
積層体は、第1のフィルムを含む。第1のフィルムは、シーラント層を含む。
【0046】
第1のフィルムは、単層フィルムであっても多層フィルムであってもよい。第1の多層フィルムは、2つの層、または3つ以上の層を含有する。例えば、第1の多層フィルムは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、またはそれ以上の層を有し得る。一実施形態では、第1の多層フィルムは、2層のみ、または3層のみを含有する。一実施形態では、第1のフィルムは、シーラント層、コア層、および剥離層を備えた多層フィルムであり、コア層がシーラント層と接触し、剥離層がコア層と接触している。
【0047】
1.シーラント層
第1のフィルムは、シーラント層を含む。シーラント層は、(A)エチレン系ポリマー、ならびに(B)(i)30,000g/モル~300,000g/モル未満の数平均分子量(Mn)を有する第1のポリジメチルシロキサン、および(ii)300,000g/モル~2,000,000g/モルの数平均分子量(Mn)を有する第2のポリジメチルシロキサンを含有するスリップ剤ブレンド、ならびに任意選択的に(C)添加剤を含有する。
【0048】
シーラント層は、2つの対向する表面を有する。一実施形態では、シーラント層は、2つの対向する表面を備えた連続層である。
【0049】
A.エチレン系ポリマー
シーラント層は、エチレン系ポリマーを含有する。好適なエチレン系ポリマーの非限定的な例としては、LDPEおよび線状ポリエチレンが挙げられる。線状ポリエチレンの非限定的な例としては、LLDPE、ULDPE、VLDPE、EPE、エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマー(オレフィンブロックコポリマー(OBC)としても知られている)、m-LLDPE、実質的に線状または線状のプラストマー/エラストマー、HDPE、およびそれらの組み合わせが挙げられる。好適なエチレン系ポリマーの非限定的な例としては、エチレン/α-オレフィンインターポリマーおよびエチレン/α-オレフィンコポリマーも挙げられる。好適なα-オレフィンの非限定的な例としては、C~C20α-オレフィン、またはC~C20α-オレフィン、またはC~C10α-オレフィン、またはC~C10α-オレフィン、またはC~Cα-オレフィンが挙げられる。代表的なα-オレフィンとしては、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、および1-オクテンが挙げられる。一実施形態では、エチレン系ポリマーは、その中に重合している芳香族コモノマーを含有しない。一実施形態では、エチレン系ポリマーは、エチレン/オクテンインターポリマーである。
【0050】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、エチレン系ポリマーの重量に基づいて、50重量%超のエチレンから誘導された単位、または51重量%、もしくは55重量%、もしくは60重量%~70重量%、もしくは80重量%、もしくは90重量%、もしくは95重量%、もしくは99重量%、もしくは100重量%のエチレンから誘導された単位を含有する。一実施形態では、エチレン系ポリマーは、エチレン系ポリマーの重量に基づいて、対応する量のα-オレフィンコモノマーから誘導された単位、すなわち50重量%未満、または49重量%、または45重量%、または40重量%~30重量%、または20重量%、または10重量%、または5重量%、または1重量%、または0重量%のα-オレフィンコモノマーから誘導された単位を含有する。
【0051】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、エチレンプラストマー/エラストマーである。エチレンプラストマー/エラストマーは、エチレンと、C~C10α-オレフィンコモノマー、またはC~Cα-オレフィンコモノマー、またはC~Cα-オレフィンコモノマーと、任意選択的な添加剤とから誘導された単位からなるエチレン/αオレフィンコポリマーである。一実施形態では、エチレンプラストマー/エラストマーは、以下の特性のうちの1つ、いくつか、または全てを有するエチレン/C~Cα-オレフィンコポリマーである。
(a)0.870g/cc、もしくは0.880g/cc、もしくは0.890g/cc~0.900g/cc、もしくは0.902g/cc、もしくは0.904g/cc、もしくは0.909g/cc、もしくは0.910g/cc、もしくは0.917g/ccの密度、および/または
(b)0.1g/10分、もしくは1g/10分~1.5g/10分、もしくは2.0g/10分、もしくは3.0g/10分、もしくは5.0g/10分、もしくは6.0g/10分、もしくは8.0g/10分、もしくは10g/10分、もしくは15g/10分、もしくは20g/10分、もしくは30g/10分、もしくは40g/10分、もしくは50g/10分、もしくは100g/10分、もしくは150g/10分、もしくは200g/10分、もしくは250g/10分、もしくは300g/10分のメルトインデックスからのメルトインデックス、および/または
(c)40°C、もしくは45℃、もしくは50℃、もしくは55℃、もしくは60℃、もしくは65℃、もしくは70℃、もしくは75℃~80℃、もしくは85℃、もしくは90℃、もしくは95℃、もしくは100℃、もしくは105℃、もしくは110℃、もしくは115℃、もしくは120℃の融点(Tm)。
【0052】
一実施形態では、エチレンプラストマー/エラストマーは、0.902g/ccの密度、1.0g/10分のメルトインデックス、および99℃の融点を有するエチレン/1-オクテンコポリマー(例えば、The Dow Chemical Companyより入手可能なAFFINITY(商標)PL1880G)である。
【0053】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、低密度ポリエチレン(LDPE)である。LDPEは、エチレンホモポリマーまたはエチレンと、C~C10α-オレフィンコモノマー、またはC~Cα-オレフィンコモノマー、またはC~Cα-オレフィンコモノマーとから誘導された単位からなるエチレン/αオレフィンコポリマーである。LDPEは、次の特性;(a)0.915g/cc、もしくは0.920g/cc、もしくは0.925g/cc~0.930g/cc、もしくは0.935g/cc、もしくは0.940g/ccの密度、および/または(b)0.1g/10分、もしくは1g/10分、もしくは1.5g/10分、もしくは2.0g/10分~3.0g/10分、もしくは5.0g/10分、もしくは6.0g/10分、もしくは8.0g/10分、もしくは10g/10分、もしくは15g/10分、もしくは20g/10分、もしくは30g/10分、もしくは40g/10分、もしくは50g/10分、もしくは100g/10分のメルトインデックスからのメルトインデックス、のうちの1つまたは両方を有する。
【0054】
シーラント層は、2つ以上のエチレン系ポリマーを含有し得る。一実施形態では、シーラント層は、少なくとも2つのエチレン系ポリマーを含み、各エチレン系ポリマーが、組成、構造、および/または物理的に互いに異なる。一実施形態では、シーラント層は、エチレンプラストマー/エラストマー、およびLDPEを含有する。別の実施形態では、シーラント層は、エチレンプラストマー/エラストマー、およびLLDPEを含有する。
【0055】
一実施形態では、シーラント層は、シーラント層の総重量に基づいて、70重量%、または75重量%、または80重量%、または85重量%、または90重量%~93重量%、または94重量%、または95重量%、または96重量%、または97重量%、または98重量%、または99重量%、または99.9重量%のエチレン系ポリマーを含有する。
【0056】
エチレン系ポリマーは、本明細書に記載の2つ以上の実施形態を含み得る。
【0057】
B.スリップ剤ブレンド
シーラント層は、スリップ剤ブレンドを含有する。スリップ剤ブレンドは、スリップ剤ブレンドの総重量に基づいて、(i)30,000g/モル~300,000g/モル未満の数平均分子量(Mn)を有する第1のポリジメチルシロキサン、および(ii)300,000g/モル~2,000,000g/モルの数平均分子量(Mn)を有する第2のポリジメチルシロキサンを含有する。
【0058】
「ポリジメチルシロキサン」(「PDMS」)は、次の一般構造(I)を有する高分子有機ケイ素化合物であり、
【化1】

式中、nが、繰り返しモノマー[SiO(CH]単位の数であり、nが2以上、または2~20,000である。PDMSは、非置換でも置換されていてもよい。「置換PDMS」は、構造(I)の少なくとも1つのメチル基が置換基で置換されているPDMSである。置換基の非限定的な例としては、ハロゲン原子(塩素、フッ素、臭素、およびヨウ素など);ハロゲン原子含有基(クロロメチル基、ペルフルオロブチル基、トリフルオロエチル基、およびノナフルオロヘキシル基など);酸素原子含有基(ヒドロキシ基、アルコキシ基(メトキシ基およびエトキシ基など)、(メタ)アクリルエポキシ基、およびカルボキシル基など);窒素原子含有基(アミノ官能基、アミド官能基、およびシアノ官能基など);硫黄原子含有基(メルカプト基など);水素;C~C10アルキル基(エチル基など);C~C10アルキニル基;アルケニル基(ビニル基およびヘキセニル基など);アリール基(フェニル基および置換フェニル基など);シクロアルキル基(シクロヘキサン基など);およびそれらの組み合わせが挙げられる。置換メチル基は、末端メチル基でも非末端メチル基でもよい。好適な置換PDMSの非限定的な例としては、少なくとも1つのアルキルがC~C10アルキルであるトリアルキルシリル末端PDMS;ジアルキルヒドロキシシリル末端PDMS;ジアルキル水素シリル末端PDMS;ジアルキルアルケニルシリル末端PDMS;およびジアルキルビニルシリル末端PDMSが挙げられる。一実施形態では、置換PDMSは、ジメチルヒドロキシシリル末端PDMSである。別の実施形態では、置換PDMSは、ジメチルビニルシリル末端PDMSである。
【0059】
一実施形態では、置換PDMSは、窒素原子含有基を含まない。別の実施形態では、置換PDMSは、エポキシ置換基を含まない。
【0060】
一実施形態では、PDMSは、非置換である。「非置換PDMS」は、構造(I)のメチル基が置換基で置換されていない構造(I)のPDMSである。一実施形態では、非置換PDMSは、トリメチルシリル末端PDMSである。
【0061】
(i)第1のポリジメチルシロキサン
スリップ剤ブレンドは、30,000g/モル~300,000g/モル未満の数平均分子量(Mn)を有する第1のポリジメチルシロキサン(「低Mn」PDMS)を含有する。
【0062】
一実施形態では、第1のPDMS(すなわち、低Mn PDMS)は、30,000g/モル、または40,000g/モル、または45,000g/モル、または48,000g/モル~49,000g/モル、または50,000g/モル、または55,000g/モル、または60,000g/モル、または65,000g/モル、または70,000g/モル、または75,000g/モル、または80,000g/モル、または90,000g/モル、または100,000g/モル、または150,000g/モル、または200,000g/モル、または250,000g/モル、または290,000g/モル、または300,000g/モル未満の数平均分子量(Mn)を有する。一実施形態では、低Mn PDMSは、30,000g/モル、または35,000g/モル、または40,000g/モル、または45,000g/モル、または48,000g/モル~49,000g/モル、または50,000g/モル未満の数平均分子量(Mn)を有する。
【0063】
一実施形態では、低Mn PDMSは、30,000g/モル、または40,000g/モル、または45,000g/モル、または50,000g/モル、または55,000g/モル、または60,000g/モル、または65,000g/モル、または70,000g/モル、または75,000g/モル、または80,000g/モル、または90,000g/モル、または100,000g/モル、または120,000g/モル~130,000g/モル、または140,000g/モル、または150,000g/モル、または200,000g/モル、または250,000g/モル、または290,000g/モル、または300,000g/モル未満の重量平均分子量(Mw)を有する。
【0064】
一実施形態では、低Mn PDMSは、1.0、または1.5、または2.0、または2.1、または2.2、または2.3、または2.4~2.5、または2.6、または2.7、または2.8、または2.9、または3.0、または3.5の分子量分布(Mw/Mn)を有する。
【0065】
一実施形態では、低Mn PDMSは構造(I)を有し、nは2、または5、または10、または50、または100、または150、または200、または250、または300、または350、または400、または450、または500、または550、または600、または650~700、または750、または800、または850、または900、または950、または1000、または1100、または1200、または1300、または1400、または1500、または1600、または1700、または1800、または1900、または2000、または2500、または3000、または3500、または4000、または4054である。
【0066】
一実施形態では、低Mn PDMSは、ジメチルヒドロキシシリル末端PDMSである。
【0067】
一実施形態では、低Mn PDMS(ジメチルヒドロキシシリル末端PDMSなど)は、30,000g/モル、または35,000g/モル、または40,000g/モル、または45,000g/モル、または48,000g/モル~49,000g/モル、または50,000g/モルの数平均分子量(Mn)を有し、低Mn PDMSは、次の特性のうちの1つ、いくつか、または全てを有する。
(a)50,000g/モル、もしくは55,000g/モル、もしくは60,000g/モル、もしくは65,000g/モル、もしくは70,000g/モル、もしくは75,000g/モル、もしくは80,000g/モル、もしくは90,000g/モル、もしくは100,000g/モル、もしくは120,000g/モル~130,000g/モル、もしくは150,000g/モルの重量平均分子量(Mw)、および/または
(b)2.2、もしくは2.3、もしくは2.4~2.5、もしくは2.6の分子量分布(Mw/Mn)、および/または
(c)低Mn PDMSは構造(I)を有し、nは2、または5、または10、または50、または100、または150、または200、または250、または300、または350、または400、または450、または500、または550、または600、または650~700、または750、または800、または850、または900、または950、または1000、または1100、または1200、または1300、または1400、または1500、または1600、または1700、または1800、または1900、または2000、または2500、または3000、または3500、または4000、または4054である。
【0068】
スリップ剤ブレンドは、2つ以上の低Mn PDMSを含有し得る。
【0069】
第1のPDMS(すなわち、低Mn PDMS)は、本明細書で論じられる2つ以上の実施形態を含み得る。
【0070】
(ii)第2のポリジメチルシロキサン
スリップ剤ブレンドは、300,000g/モル~2,000,000g/モルの数平均分子量(Mn)を有する第2のポリジメチルシロキサン(「高Mn」PDMS)を含有する。
【0071】
一実施形態では、第2のPDMS(すなわち、高Mn PDMS)は、300,000g/モル、または310,000g/モル、または320,000g/モル、または330,000g/モル、または340,000g/モル、または350,000g/モル~360,000g/モル、または370,000g/モル、または380,000g/モル、または390,000g/モル、または400,000g/モル、または450,000g/モル、または500,000g/モル、または550,000g/モル、または600,000g/モル、または750,000g/モル、または1,000,000g/モル、または1,500,000g/モル、または2,000,000g/モルの数平均分子量(Mn)を有する。一実施形態では、高Mn PDMSは、300,000g/モル、または310,000g/モル、または320,000g/モル、または330,000g/モル、または340,000g/モル、または350,000g/モル~360,000g/モル、または370,000g/モル、または380,000g/モル、または390,000g/モル、または400,000g/モル~450,000g/モル、または500,000g/モル、または550,000g/モルの数平均分子量(Mn)を有する。
【0072】
一実施形態では、高Mn PDMSは、350,000g/モル、または360,000g/モル、または370,000g/モル、または380,000g/モル、または390,000g/モル、または400,000g/モル、または450,000g/モル、または500,000g/モル、または600,000g/モル、または640,000g/モル~650,000g/モル、または700,000g/モル、または750,000g/モル、または800,000g/モル、または900,000g/モル、または1,000,000g/モル、または1,500,000g/モル、または2,000,000g/モルの重量平均分子量(Mw)を有する。
【0073】
一実施形態では、高Mn PDMSは、1.0、または1.5、または1.8~1.9、または2.0、または2.1、または2.2、または2.3、または2.4、または2.5、または2.6、または2.7、または2.8、または2.9、または3.0の分子量分布(Mw/Mn)を有する。
【0074】
一実施形態では、高Mn PDMSは、構造(I)を有し、nは、4054超、または4054、もしくは4500~5000、もしくは5500、もしくは6000、もしくは6500、もしくは7000、もしくは7500、もしくは8000、もしくは8500、もしくは9000、もしくは9500、もしくは10000、もしくは11000、もしくは12000、もしくは13000、もしくは14000、もしくは15000、もしくは16000、もしくは17000、もしくは18000、もしくは19000、もしくは20000、もしくは21000、もしくは22000、もしくは23000、もしくは24000、もしくは25000、もしくは26000、もしくは27000、もしくは27027である。
【0075】
一実施形態では、高Mn PDMSは、ジメチルビニルシリル末端PDMSである。
【0076】
一実施形態では、高Mn PDMS(ジメチルビニルシリル末端PDMSなど)は、300,000g/モル、または310,000g/モル、または320,000g/モル、または330,000g/モル、または340,000g/モル、または350,000g/モル~360,000g/モル、または370,000g/モル、または380,000g/モル、または390,000g/モル、または400,000g/モル、または450,000g/モル、または500,000g/モル、または550,000g/モルの数平均分子量(Mn)を有し、高Mn PDMSは、次の特性のうちの1つ、いくつか、または全てを有する。
(a)400,000g/モル、もしくは450,000g/モル、もしくは500,000g/モル、もしくは600,000g/モル、もしくは640,000g/モル~650,000g/モル、もしくは700,000g/モル、もしくは750,000g/モル、もしくは800,000g/モル、もしくは900,000g/モル、もしくは1,000,000g/モルの重量平均分子量(Mw)、および/または
(b)1.5、もしくは1.8~、もしくは1.9、もしくは2.0、もしくは2.1の分子量分布(Mw/Mn)、および/または
(c)高Mn PDMSは、構造(I)を有し、nは、4054超、または、4054、もしくは4500~5000、もしくは5500、もしくは6000、もしくは6500、もしくは7000、もしくは7500、もしくは8000、もしくは8500、もしくは9000、もしくは9500、もしくは10000、もしくは11000、もしくは12000、もしくは13000、もしくは14000、もしくは15000、もしくは16000、もしくは17000、もしくは18000、もしくは19000、もしくは20000、もしくは21000、もしくは22000、もしくは23000、もしくは24000、もしくは25000、もしくは26000、もしくは27000、もしくは27027である。
【0077】
スリップ剤ブレンドは、2つ以上の高Mn PDMSを含有し得る。
【0078】
第2のPDMS(すなわち、高Mn PDMS)は、本明細書で論じられる2つ以上の実施形態を含み得る。
【0079】
一実施形態では、シーラント層は、シーラント層の総重量に基づいて、0.1重量%、または0.2重量%、または0.3重量%、または0.4重量%、または0.5重量%、または1.0重量%、または1.5重量%、または1.8重量%~2.0重量%、または2.3重量%、または2.5重量%、または2.8重量%、または3.0重量%、または3.5重量%、または4.0重量%、または4.5重量%、または5.0重量%のスリップ剤ブレンドを含有する。別の実施形態では、シーラント層は、シーラント層の総重量に基づいて、0.5重量%、または1.0重量%~1.5重量%、または2.0重量%、または2.5重量%のスリップ剤ブレンドを含有する。別の実施形態では、シーラント層は、シーラント層の総重量に基づいて、0.5重量%、または0.8重量%~1.0重量%、または1.5重量%、または2.0重量%、または2.5重量%のスリップ剤ブレンドを含有する。第1のPDMS(すなわち、低Mn PDMS)および第2のPDMS(すなわち、高Mn PDMS)は、PDMS成分のうちの一方または両方がポリマーマトリックス(LDPEマトリックスなど)中に分散しているマスターバッチの一部としてシーラント層に含まれてもよい。しかしながら、シーラント層に含まれるスリップ剤ブレンドの量は、シーラント層に含まれる第1のPDMS(すなわち、低Mn PDMS)および第2のPDMS(すなわち、高Mn PDMS)の量のみを指し、任意のPDMSマスターバッチのポリマーマトリックスの重量は除外する。言い換えれば、スリップ剤ブレンドの量は、シーラント層に含まれる第1のPDMSと第2のPDMSとの合計量を指す。
【0080】
一実施形態では、スリップ剤ブレンドは、スリップ剤ブレンドの総重量に基づいて(すなわち、第1のPDMSと第2のPDMSとの合計量に基づいて)、1重量%~99重量%の第1のPDMS(すなわち低Mn PDMS)、および対応する量、すなわち1重量%~99重量%の第2のPDMS(すなわち高Mn PDMS)を含有する。別の実施形態では、スリップ剤ブレンドは、スリップ剤ブレンドの総重量に基づいて、1重量%~50重量%未満の第1のPDMSと、50重量%超~99重量%の第2のPDMSとを含有する。一実施形態では、スリップ剤ブレンドは、スリップ剤ブレンドの総重量に基づいて、1重量%、または2重量%、または5重量%、または10重量%、または15重量%、または20重量%~25重量%、または30重量%、または35重量%、または40重量%、または45重量%、または49重量%、または50重量%未満の第1のPDMS、および対応する量の第2のPDMS、すなわち50重量%超、または51重量%、または55重量%、または60重量%、または65重量%、または70重量%、または75重量%~80重量%、または85重量%、または90重量%、または95重量%、または98重量%、または99重量%の第2のPDMSを含有する。第1のPDMSと第2のPDMSとの合計量は、100重量%のスリップ剤ブレンドをもたらす。
【0081】
一実施形態では、シーラント層は、シーラント層の総重量に基づいて、0.01重量%、または0.05重量%、または0.10重量%、または0.20重量%、または0.30重量%、または0.40重量%、または0.50重量%~0.60重量%、または0.70重量%、または0.80重量%、または0.90重量%、または1.00重量%、または1.50重量%、または2.00重量%、または2.30重量%、または2.40重量%、または2.50重量%未満の第1のPDMS(すなわち低Mn PDMS)を含有する。
【0082】
一実施形態では、シーラント層は、シーラント層の総重量に基づいて、0.05重量%超、または0.08重量%、または0.10重量%、または0.20重量%、または0.30重量%、または0.40重量%、または0.50重量%、または0.80重量%、または1.00重量%、または1.10重量%、または1.20重量%、または1.30重量%、または1.40重量%、または1.50重量%~1.60重量%、または1.70重量%、または1.80重量%、または1.90重量%、または2.00重量%、または2.50重量%、または3.00重量%、または3.50重量%、または4.00重量%、または4.50重量%、または4.95重量%の第2のPDMS(すなわち高Mn PDMS)を含有する。
【0083】
一実施形態では、第2のPDMS(すなわち、高Mn PDMS)対第1のPDMS(すなわち、低Mn PDMS)の重量比は、1.1:1、または1.5:1、または2.0:1、または3.0:1~4.0:1、または5.0:1、または10:1、または15:1、または20:1、または25:1、または30:1、または40:1、または50:1、または60:1、または70:1、または80:1、または90:1、または99:1である。一実施形態では、第2のPDMS対第1のPDMSの重量比は3:1である。
【0084】
スリップ剤ブレンドは、本明細書で論じられる2つ以上の実施形態を含み得る。
【0085】
C.任意選択的な添加剤(複数可)
一実施形態では、シーラント層は、1つ以上の任意選択的な添加剤を含む。好適な添加剤の非限定的な例としては、粘着防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、安定化剤、核形成剤、着色剤、顔料、紫外線(UV)吸収剤または安定剤、難燃剤、相溶化剤、可塑剤、充填剤、加工助剤、防曇剤、架橋剤(例えば、過酸化物)、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0086】
一実施形態では、シーラント層は、粘着防止剤を含む。「粘着防止剤」は、フィルム層の表面を微視的に粗化することで、隣接する層間の空いている接触面積を減少させることにより、フィルムの2つの隣接する層間の粘着(すなわち、接着)を最小限に抑える化合物である。粘着防止剤は、有機でも無機でもよい。好適な粘着防止剤の非限定的な例には、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、およびそれらの組み合わせが挙げられる。一実施形態では、粘着防止剤はシリカ(SiO)である。シリカは、有機シリカであっても、合成シリカであってもよい。別の実施形態では、粘着防止剤は、タルクである。
【0087】
一実施形態では、シーラント層は、シーラント層の総重量に基づいて、0重量%、または0.01重量%、または0.05重量%、または0.1重量%、または0.2重量%~0.3重量%、または0.4重量%、または0.5重量%、または1.0重量%、または2.0重量%、または3.0重量%、または4.0重量%、または5.0重量%の添加剤を含有する。
【0088】
一実施形態では、シーラント層は、
(A)シーラント層の総重量に基づいて、70重量%、または75重量%、または80重量%、または85重量%、または90重量%~93重量%、または94重量%、または95重量%、または96重量%、または97重量%、または98重量%、または99重量%、または99.9重量%のエチレン系ポリマー(エチレンプラストマー/エラストマー、LDPE、LLDPE、またはそれらの組み合わせなど)、
(B)シーラント層の総重量に基づいて、0.1重量%、または0.2重量%、または0.3重量%、または0.4重量%、または0.5重量%、または1.0重量%、または1.5重量%、または1.8重量%~2.0重量%、または2.3重量%、または2.5重量%、または2.8重量%、または3.0重量%、または3.5重量%、または4.0重量%、または4.5重量%、または5.0重量%のスリップ剤ブレンド、および
(C)任意選択的に、シーラント層の総重量に基づいて、0重量%、または0.01重量%、または0.05重量%、または0.1重量%、または0.2重量%~0.3重量%、または0.4重量%、または0.5重量%、または1.0重量%、または2.0重量%、または3.0重量%、または4.0重量%、または5.0重量%の添加剤、を含有するか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなり、
スリップ剤ブレンドは、
(i)30,000g/モル、または40,000g/モル、または45,000g/モル、または48,000g/モル~49,000g/モル、または50,000g/モル、または55,000g/モル、または60,000g/モル、または65,000g/モル、または70,000g/モル、または75,000g/モル、または80,000g/モル、または90,000g/モル、または100,000g/モル、または150,000g/モル、または200,000g/モル、または250,000g/モルのMnを有する、スリップ剤ブレンドの総重量に基づいて、1重量%、5重量%、または10重量%、または15重量%、または20重量%~25重量%、または30重量%、または35重量%、または40重量%、または45重量%、または49重量%、または50重量%未満の第1のPDMS(ジメチルヒドロキシシリル末端PDMSなど)、および
(ii)300,000g/モル、または310,000g/モル、または320,
000g/モル、または330,000g/モル、または340,000g/モル、または350,000g/モル~360,000g/モル、または370,000g/モル、または380,000g/モル、または390,000g/モル、または400,000g/モル、または450,000g/モル、または500,000g/モル、または550,000g/モル、または600,000g/モル、または750,000g/モル、または1,000,000g/モルのMnを有する、スリップ剤ブレンドの総重量に基づいて、50重量%超、または51重量%、または55重量%、または60重量%、または65重量%、または70重量%、または75重量%~80重量%、または85重量%、または90重量%、または95重量%、または99重量%の第2のPDMS(ジメチルビニルシリル末端PDMSなど)を含有する。
【0089】
一実施形態では、シーラント層は、
(1)シーラント層の総重量に基づいて、70重量%、または75重量%、または80重量%、または85重量%、または90重量%~93重量%、または94重量%、または95重量%、または96重量%、または97重量%、または98重量%、または99重量%、または99.9重量%のエチレン系ポリマー(エチレンプラストマー/エラストマー、LDPE、LLDPE、またはそれらの組み合わせなど)、
(2)30,000g/モル、または40,000g/モル、または45,000g/モル、または48,000g/モル~49,000g/モル、または50,000g/モル、または55,000g/モル、または60,000g/モル、または65,000g/モル、または70,000g/モル、または75,000g/モル、または80,000g/モル、または90,000g/モル、または100,000g/モル、または150,000g/モル、または200,000g/モル、または250,000g/モルのMnを有する、シーラント層の総重量に基づいて、0.01重量%、または0.05重量%、または0.10重量%、または0.20重量%、または0.30重量%、または0.40重量%、または0.50重量%~0.60重量%、または0.70重量%、または0.80重量%、または0.90重量%、または1.00重量%、または1.50重量%、または2.00重量%、または2.30重量%、または2.40重量%、または2.50重量%未満の第1のPDMS(ジメチルヒドロキシシリル末端PDMSなど)、
(3)300,000g/モル、または310,000g/モル、または320,000g/モル、または330,000g/モル、または340,000g/モル~350,000g/モル、または360,000g/モル、または370,000g/モル、または380,000g/モル、または390,000g/モル、または400,000g/モル、または450,000g/モル、または500,000g/モル、または550,000g/モル、または600,000g/モル、または750,000g/モル、または1,000,000g/モルのMnを有する、シーラント層の総重量に基づいて、0.05重量%超、または0.08重量%、または0.10重量%、または0.20重量%、または0.30重量%、または0.40重量%、または0.50重量%、または0.80重量%、または1.00重量%、または1.10重量%、または1.20重量%、または1.30重量%、または1.40重量%、または1.50重量%~1.60重量%、または1.70重量%、または1.80重量%、または1.90重量%、または2.00重量%、または2.50重量%、または3.00重量%、または3.50重量%、または4.00重量%、または4.50重量%、または4.95重量%の第2のPDMS(ジメチルビニルシリル末端PDMSなど)、および
(4)任意選択的に、シーラント層の総重量に基づいて、0重量%、または0.01重量%、または0.05重量%、または0.1重量%、または0.2重量%~0.3重量%、または0.4重量%、または0.5重量%、または1.0重量%、または2.0重量%、または3.0重量%、または4.0重量%、または5.0重量%の添加剤、を含有するか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなり、
第1のPDMS対第2のPDMSの重量比は、1.5:1、2.0:1、または3.0:1~4.0:1、または5.0:1、または10:1、または15:1、または20:1、または25:1、または30:1、または40:1、または50:1、または60:1、または70:1、または80:1、または90:1、または99:1である。
【0090】
一実施形態では、シーラント層は、不飽和脂肪酸アミド(例えば、エルカ酸アミドおよびオレアミド)などの移動性スリップ剤を含まない。
【0091】
一実施形態では、シーラント層は、100mm/分で0.01、または0.05、または0.10、または0.20、または0.25~0.27、または0.28、または0.29、または0.30、または0.35、または0.39、または0.40のCOFを有する。
【0092】
一実施形態では、シーラント層は、12m/分で0.01、または0.05、または0.10、または0.20、または0.25~0.27、または0.28、または0.29、または0.30、または0.35、または0.39、または0.40のCOFを有する。
【0093】
一実施形態では、シーラント層は、5μm、または7μm、または10μm~15μm、または20μm、または25μm、または30μm、または35μm、または40μm、または45μm、または50μmの厚さを有する。
【0094】
一実施形態では、シーラント層は、第1のフィルムの総体積に基づいて、第1のフィルムの10体積%、または15体積%、または20体積%~25体積%、または30体積%、または40体積%、または50体積%、または60体積%、または70体積%、または80体積%、または90体積%、または95体積%である。
【0095】
一実施形態では、シーラント層は、スキン層である。「スキン層」は、フィルム構造の最外層である。言い換えれば、スキン層の少なくとも1つの表面は、フィルムの最も外側の表面である。
【0096】
シーラント層は、本明細書で論じられる2つ以上の実施形態を含み得る。
【0097】
2.任意選択的なコア層
一実施形態では、第1のフィルムはコア層を含む。コア層は、第2のエチレン系ポリマーを含有する。「コア層」は、内側の層であるフィルム構造体の層である。言い換えれば、コア層のどちらの表面も、第1のフィルムの外側の表面ではない。
【0098】
コア層には、2つの対向する表面がある。一実施形態では、コア層は、2つの対向する表面を備えた連続層である。
【0099】
コア層は、シーラント層と接触している。コア層は、シーラント層と直接接触していても間接的に接触していてもよい。一実施形態では、コア層は、シーラント層と直接接触している。本明細書で使用される用語「直接接触している」とは、シーラント層がコア層と直接隣接して位置し、シーラント層とコア層との間に介在する層または介在する構造体が存在しない層構成である。別の実施形態では、コア層は、シーラント層と間接的に接触している。本明細書で使用される用語「間接的に接触している」とは、シーラント層とコア層との間に介在する層または介在する構造体が存在する層構成である。
【0100】
第2のエチレン系ポリマーは、本明細書に開示される任意のエチレン系ポリマーであり得る。第2のエチレン系ポリマーは、シーラント層のエチレン系ポリマーと同じでも異なっていてもよい。一実施形態では、第2のエチレン系ポリマーは、シーラント層のエチレン系ポリマーと同じである。別の実施形態では、第2のエチレン系ポリマーは、シーラント層のエチレン系ポリマーとは異なる。
【0101】
一実施形態では、第2のエチレン系ポリマーは、LLDPE、LDPE、またはそれらの組み合わせである。さらなる実施形態では、LLDPEは、エチレン/1-オクテンコポリマーである。
【0102】
一実施形態では、第2の層は、コア層の総重量に基づいて、1重量%、または5重量%、または10重量%、または20重量%、または30重量%、または40重量%、または50重量%~60重量%、または70重量%、または80重量%、または90重量%、または95重量%、または99重量%のLLDPE、および対応する量のLDPE、すなわち1重量%、または5重量%、または10重量%、または20重量%、または30重量%、または40重量%、または50重量%~60重量%、または70重量%、または80重量%、または90重量%、または95重量%、または99重量%のLDPEを含有する。
【0103】
一実施形態では、コア層は、任意選択的な添加剤を含有する。添加剤は、本明細書で示される任意の添加剤であってもよい。一実施形態では、コア層は、コア層の総重量に基づいて、0重量%、または0.01重量%、または0.05重量%、または0.1重量%、または0.2重量%~0.3重量%、または0.4重量%、または0.5重量%、または1.0重量%、または2.0重量%、または3.0重量%、または4.0重量%、または5.0重量%の添加剤(例えば、スリップ剤、粘着防止剤、またはそれらの組み合わせ)を含有する。
【0104】
一実施形態では、コア層は、5μm、または8μm、または10μm、または15μm、または20μm、または25μm、または30μm~35μm、または40μm、または45μm、または50μm、または55μm、または60μm、または65μm、または70μm、または75μm、または80μmの厚さを有する。
【0105】
一実施形態では、コア層は、第1のフィルムの総体積に基づいて、第1のフィルムの10体積%、または15体積%、または20体積%、または25体積%、または30体積%、または40体積%、または50体積%、または60体積%~65体積%、または70体積%、または80体積%、または90体積%である。
【0106】
コア層は、本明細書で論じられる2つ以上の実施形態を含み得る。
【0107】
3.任意選択的な剥離層
一実施形態では、第1のフィルムは、剥離層を含む。剥離層は、第3のエチレン系ポリマーを含有する。
【0108】
剥離層は、2つの対向する表面を有する。一実施形態では、剥離層は、2つの対向する表面を備えた連続層である。剥離層は、コア層と接触している。剥離層は、コア層と直接接触していても間接的に接触していてもよい。一実施形態では、剥離層は、コア層と直接接触している。別の実施形態では、剥離層は、コア層と間接的に接触している。
【0109】
第3のエチレン系ポリマーは、本明細書に開示される任意のエチレン系ポリマーであり得る。第3のエチレン系ポリマーは、シーラント層のエチレン系ポリマーと同じでも異なっていてもよく、第3のエチレン系ポリマーは、コア層の第2のエチレン系ポリマーと同じでも異なっていてもよい。一実施形態では、第3のエチレン系ポリマーは、コア層の
第2のエチレン系ポリマーと同じである。別の実施形態では、第3のエチレン系ポリマーは、コア層の第2のエチレン系ポリマーとは異なる。
【0110】
一実施形態では、第3のエチレン系ポリマーは、LLDPE、LDPE、またはそれらの組み合わせである。さらなる実施形態では、LLDPEは、エチレン/1-オクテンコポリマーである。一実施形態では、剥離層は、剥離層の総重量に基づいて、5重量%、または10重量%、または20重量%、または30重量%、または40重量%、または50重量%~60重量%、または70重量%、または80重量%、または90重量%、または95重量%、または99重量%のLLDPE、および対応する量のLDPE、すなわち1重量%、または5重量%、または10重量%、または20重量%、または30重量%、または40重量%、または50重量%~60重量%、または70重量%、または80重量%、または90重量%、または95重量%のLDPEを含有する。
【0111】
一実施形態では、剥離層は、任意選択的な添加剤を含有する。添加剤は、本明細書で示される任意の添加剤であってもよい。一実施形態では、剥離層は、剥離層の総重量に基づいて、0重量%、または0.01重量%、または0.05重量%、または0.1重量%、または0.2重量%~0.3重量%、または0.4重量%、または0.5重量%、または1.0重量%、または2.0重量%、または3.0重量%、または4.0重量%、または5.0重量%の添加剤を含有する。
【0112】
一実施形態では、剥離層は、5μm、または7μm、または10μm~15μm、または20μm、または25μm、または30μm、または35μm、または40μm、または45μm、または50μmの厚さを有する。
【0113】
一実施形態では、剥離層は、第1のフィルムの総体積に基づいて、フィルムの10体積%、または15体積%、または20体積%~25体積%、または30体積%、または40体積%、または50体積%、または60体積%、または70体積%、または80体積%、または90体積%、または95体積%である。
【0114】
一実施形態では、剥離層は、スキン層である。
【0115】
一実施形態では、剥離層は、コロナ処理されている。
【0116】
剥離層は、本明細書で論じられる2つ以上の実施形態を含み得る。
【0117】
一実施形態では、第1のフィルムは、次の構造(II):
シーラント層/コア層/剥離層 構造(II)を有する多層フィルムである。
【0118】
一実施形態では、第1のフィルムは、シーラント層、コア層、および剥離層から本質的になる、またはそれらからなる多層フィルムである。
【0119】
一実施形態では、第1のフィルムは、15μm、または20μm、または25μm、または30μm、または35μm、または40μm、または45μm、または50μm~55μm、または60μm、または65μm、または70μm、または75μm、または80μm、または85μm、または90μm、または95μm、または100μmの厚さを有する。
【0120】
一実施形態では、第1のフィルムは、不飽和脂肪酸アミド(例えば、エルカ酸アミドおよびオレアミド)などの移動性スリップ剤を含まない。
【0121】
一実施形態では、第1のフィルムは、共押出多層構造体である。例えば、フィルムを構築するために使用されるいくつかの方法は、キャスト共押出法または共押出ブロー法によるものである。また、これらの方法の組み合わせも可能である。
【0122】
一実施形態では、第1のフィルムは配向フィルムではない。さらなる実施形態では、第1のフィルムは、二軸配向されていない。言い換えれば、いくつかの実施形態では、第1のフィルムは、押し出し後延伸されない。
【0123】
第2のフィルム
積層体は、第2のフィルムを含む。第1のフィルムは、第2のフィルムに積層されている。
【0124】
第2のフィルムは、単層フィルムであっても多層フィルムであってもよい。第2の多層フィルムは、2つの層、または3つ以上の層を含有する。例えば、第2の多層フィルムは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、またはそれ以上の層を有し得る。一実施形態では、第2の多層フィルムは、2層のみ、または3層のみを含有する。
【0125】
一実施形態では、第2のフィルムは、1層のみを備えた単層フィルムである。
【0126】
第2のフィルムは、第1のフィルムと接触している。第2のフィルムは、第1のフィルムと直接接触していても間接的に接触していてもよい。一実施形態では、第2のフィルムは、第1のフィルムと直接接触している。別の実施形態では、第2のフィルムは、第1のフィルムと間接的に接触している。
【0127】
第2のフィルムは、2つの対向する表面を有する。
【0128】
一実施形態では、第2のフィルムは、第4のエチレン系ポリマー、プロピレン系ポリマー、ポリアミド(ナイロンなど)、ポリエステル、エチレンビニルアルコール(EVOH)コポリマー、ポリエチレンテレフタレート(PET)、エチレンビニルアクリレートコポリマー、エチレンメチルアクリレートコポリマー、エチレンエチルアクリレートコポリマー、エチレンブチルアクリレートコポリマー、エチレンアクリル酸コポリマー、エチレンメタクリル酸コポリマー、エチレンアクリル酸のイオノマー、メタクリル酸のイオノマー、無水マレイン酸グラフト化エチレン系ポリマー、ポリスチレン、金属箔、およびそれらの組み合わせから選択される成分を含有する層を含む。一実施形態では、第2のフィルムは、PET、EVOHコポリマー、ポリアミド、およびそれらの組み合わせから選択される成分を含有する層を含む。一実施形態では、第2のフィルムは、PETを含有する層を含む。
【0129】
一実施形態では、第2のフィルムは、5μm、または8μm、または10μm、または12μm、または15μm~20μm、または25μm、または30μm、または35μm、または40μm、または45μm、または50μm、または55μm、または60μm、または65μm、または70μm、または75μm、または80μm、または85μm、または90μm、または100μm、または150μmの厚さを有する。
【0130】
一実施形態では、第2のフィルムの最も外側の表面は、積層体の最も外側の表面である。
【0131】
第2のフィルムは、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0132】
任意選択的な接着層
一実施形態では、積層体は、任意選択的な接着層を含む。接着層は、第1のフィルムおよび第2のフィルムと接触している。
【0133】
接着層は、2つの対向する表面を有する。一実施形態では、接着層は、2つの対向する表面を備えた連続層である。接着層は、第1のフィルムと接触している。接着層は、第1のフィルムと直接接触していても間接的に接触していてもよい。一実施形態では、接着層は、第1のフィルムと直接接触している。別の実施形態では、接着層は、第1のフィルムと間接的に接触している。
【0134】
接着層は、接着剤を含有する。好適な接着剤の非限定的な例としては、ポリウレタン接着剤、ポリアクリレート接着剤、およびそれらの組み合わせが挙げられる。好適なポリウレタン接着剤の非限定的な例としては、各々Rohm and Haasから入手可能なMOR-FREE(商標)706A/C-79(無溶剤ポリウレタン接着剤)、MOR-FREE(商標)715A/CR-84(無溶剤ポリエステル系ポリウレタン接着剤)、およびMOR-FREE(商標)698A/C-79(無溶剤ポリエーテル系ポリウレタン接着剤)が挙げられる。好適なポリアクリレート接着剤の非限定的な例は、The Dow Chemical Companyから入手可能な水性ポリアクリレート接着剤であるROBOND(商標)L-168/CR3Aである。
【0135】
一実施形態では、接着層は、平方メートル当たり0.5グラム(g/m)、または1.0g/m、または1.5g/m、または1.8g/m、または1.9g/m2.0g/m、または2.5g/m、または3.0g/mのコーティング重量を有する。
【0136】
接着層は、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0137】
一実施形態では、積層体は、12m/分で0.55未満、または0.01、または0.05、または0.10、または0.20、または0.25~0.27、または0.28、または0.29、または0.30、または0.35、または0.40、または0.45、または0.49、または0.50、または0.54、または0.55のCOFを有する。
【0138】
一実施形態では、接着層は、ポリエーテル系ポリウレタン接着剤を含有し、積層体は、12m/分で0.10、または0.20、または0.30、または0.40、または0.45~0.54、または0.55のCOFを有する。
【0139】
一実施形態では、接着層は、ポリエステル系ポリウレタン接着剤を含有し、積層体は、12m/分で0.10、または0.20、または0.30、または0.40、または0.45~0.49、または0.50のCOFを有する。
【0140】
一実施形態では、積層体は、
第1のフィルムであって、
(1)シーラント層であって、
(A)シーラント層の総重量に基づいて、70重量%、または75重量%、または80重量%、または85重量%、または90重量%~93重量%、または94重量%、または95重量%、または96重量%、または97重量%、または98重量%、または99重量%、または99.9重量%のエチレン系ポリマー(エチレンプラストマー/エラストマー、LDPE、LLDPE、またはそれらの組み合わせなど)、
(B)シーラント層の総重量に基づいて、0.1重量%、または0.2重量%、または0.3重量%、または0.4重量%、または0.5重量%、または1.0重量%、または1.5重量%、または1.8重量%~2.0重量%、または2.3重量%、または2.5重量%、または2.8重量%、または3.0重量%、または3.5重量%、または4.0重量%、または4.5重量%、または5.0重量%のスリップ剤ブレンド、および
(C)任意選択的に、シーラント層の総重量に基づいて、0重量%、または0.01重量%、または0.05重量%、または0.1重量%、または0.2重量%~0.3重量%、または0.4重量%、または0.5重量%、または1.0重量%、または2.0重量%、または3.0重量%、または4.0重量%、または5.0重量%の添加剤、を含有するか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなり、
スリップ剤ブレンドは、
(i)30,000g/モル、または40,000g/モル、または45,000g/モル、または48,000g/モル~49,000g/モル、または50,000g/モル、または55,000g/モル、または60,000g/モル、または65,000g/モル、または70,000g/モル、または75,000g/モル、または80,000g/モル、または90,000g/モル、または100,000g/モル、または150,000g/モル、または200,000g/モル、または250,000g/モルのMnを有する、スリップ剤ブレンドの総重量に基づいて、1重量%、または5重量%、または10重量%、または15重量%、または20重量%~25重量%、または30重量%、または35重量%、または40重量%、または45重量%、または49重量%、または50重量%未満の第1のPDMS(ジメチルヒドロキシシリル末端PDMSなど)、および
(ii)300,000g/モル、または320,000g/モル、または330,000g/モル、または340,000g/モル、または350,000g/モル~360,000g/モル、または370,000g/モル、または380,000g/モル、または390,000g/モル、または400,000g/モル、または450,000g/モル、または500,000g/モル、または550,000g/モル、または600,000g/モル、または750,000g/モル、または1,000,000g/モルのMnを有する、スリップ剤ブレンドの総重量に基づいて、50重量%超、または51重量%、または55重量%、または60重量%、または65重量%、または70重量%、または75重量%~80重量%、または85重量%、または90重量%、または95重量%、または99重量%の第2のPDMS(ジメチルビニルシリル末端PDMSなど)を含有する、シーラント層、
(2)任意選択的に、シーラント層と接触するコア層であって、第2のエチレン系ポリマー(LLDPE、LDPE、またはそれらの組み合わせ)、および任意選択的に添加剤を含有する、コア層、
(3)任意選択的に、コア層と接触する剥離層であって、第3のエチレン系ポリマー(LLDPE、LDPE、またはそれらの組み合わせ)、および任意選択的に添加剤を含有する、剥離層、を含むか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなる、第1のフィルムと、
第2のフィルムであって、PET、EVOHコポリマー、ポリアミド、またはそれらの組み合わせから選択される成分を含有する層、および
任意選択的に、第1のフィルムおよび第2のフィルムと接触している接着剤(ポリウレタン接着剤など)を含有する接着層を含む、第2のフィルムと、を含み、
積層体は、次の特性:
(i)シーラント層は、5μm、または7μm、または10μm~15μm、または20μm、または25μm、または30μm、または35μm、または40μm、または45μm、または50μmの厚さを有する、かつ/あるいは、
(ii)シーラント層は、第1のフィルムの総体積に基づいて、第1のフィルムの10体積%、または15体積%、または20体積%~25体積%、または30体積%、または40体積%、または50体積%、または60体積%、または70体積%、または80体積%、または90体積%、または95体積%である、かつ/あるいは、
(iii)コア層は、5μm、または8μm、または10μm、または15μm、または20μm、または25μm、または30μm~35μm、または40μm、または45μm、または50μm、または55μm、または60μm、または70μm、または80μmの厚さを有する、かつ/あるいは、
(iv)コア層は、第1のフィルムの総体積に基づいて、第1のフィルムの10体積%、または15体積%、または20体積%、または25体積%、または30体積%、または40体積%、または50体積%、または60体積%~65体積%、または70体積%、または80体積%、または90体積%である、かつ/あるいは、
(v)剥離層は、5μm、または8μm、または10μm~15μm、または20μm、または25μm、または30μm、または35μm、または40μm、または45μm、または50μmの厚さを有する、かつ/あるいは、
(vi)剥離層は、第1のフィルムの総体積に基づいて、第1のフィルムの10体積%、または15体積%、または20体積%~25体積%、または30体積%、または40体積%、または50体積%、または60体積%、または70体積%、または80体積%、または90体積%、または95体積%である、かつ/あるいは、
(vii)第1のフィルムは、15μm、または20μm、または30μm、または40μm、または50μm~60μm、または65μm、または70μm、または75μm、または80μm、または85μm、または90μm、または95μm、または100μmの厚さを有する、かつ/あるいは、
(viii)第2のフィルムは、5μm、または8μm、または10μm、または12μm、または15μm~20μm、または25μm、または30μm、または35μm、または40μm、または45μm、または50μmの厚さを有する、かつ/あるいは、
(ix)シーラント層の最も外側の表面は、積層体の最も外側のである、かつ/あるいは、
(x)積層体は、12m/分でまたは0.01、または0.05、または0.10、または0.20、または0.25~0.27、または0.28、または0.29、または0.30、または0.35、または0.40、または0.45、または0.49、または0.50、または0.54、または0.55のCOFを有する、特性のうちの1つ、いくつか、または全てを有する。
【0141】
前述の層を含む、本明細書に開示される各層中の成分の合計は、それぞれの層の総重量に基づいて100重量パーセント(重量%)をもたらすことが理解される。また、前述の層を含む、本明細書に開示される層の各々の体積の合計は、それぞれのフィルムの総体積に基づいて、100体積パーセント(体積%)をもたらすことが理解される。
【0142】
一実施形態では、積層体は、次の構造(III):
第1のフィルム/接着層/第2 構造(III)を有する。
【0143】
一実施形態では、第1のフィルムは、シーラント層、コア層、および剥離層を備えた多層フィルムであり、第2のフィルムは、PETを含有する単層フィルムであり、積層体は、次の構造(IV):
シーラント層/コア層/剥離層/接着層/第2のフィルム構造(IV)を有する。
【0144】
一実施形態では、積層体は、接着層および第2のフィルムの1~10の繰り返し層を含み、各接着層が、他の接着層(複数可)と同じでも異なっていてもよく、各第2のフィルムが、他の第2のフィルム(複数可)と同じでも異なっていてもよい。さらなる実施形態では、積層体は、次の構造(V):
第1のフィルム/接着層/第2のフィルム/接着層/第2のフィルム 構造(V)
を有する。
【0145】
積層体は、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0146】
本開示はまた、パッケージとして積層体を含有する物品を提供する。好適なパッケージの非限定的な例としては、食品パッケージ、および特殊パッケージ(例えば、自立型パウチ、ピローパウチ、およびフィルムに包まれたトレイ)が挙げられる。
【0147】
一実施形態では、物品は、ピローパウチである。一実施形態では、ピローパウチは、折り畳まれた積層体の単一シートを含む。内容物が折り重ねられた層の間に置かれた後、次いで、3つの接続されていない縁部がヒートシールされる。ヒートシールとしては、上部シール、底部シール、および中央折り畳みシールが挙げられる。貯蔵スペースは、折り畳まれたシートとヒートシール内との間の領域によって画定される。貯蔵スペースは、周囲環境から封止され、例えば食品用のパウチの内容物を収容する。一実施形態では、ピローパウチは、密閉パウチである。包装は、単一のシートを有するものとして説明されているが、2つ以上のシートが使用され得ることは当業者には容易に明らかであるはずである。一実施形態では、ピローパウチは、垂直型充填シール(VFFS)ラインで形成される。一実施形態では、ピローパウチは、1分当たり90密封パウチ(p-p-m)超、または100p-p-m、または120p-p-m、または130p-p-m、または140p-p-m、または150p-p-m、または160p-p-m~170p-p-m、または180p-p-m、または190p-p-m、または200p-p-mを形成するVFFSラインで形成される。
【0148】
充填剤は、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含むことができる。
【0149】
一例として、これに限定されないが、本開示のいくつかの実施形態について以下の実施例において以下に詳細に説明される。
【実施例
【0150】
実施例で使用される材料を、以下の表1に提供する。
【表2-1】

【表2-2】
【0151】
多層フィルム試料は、次の条件:平均フィルム厚=50μm、ブローアップ率(B.U.R.)=2.5、ダイ直径=200mm、ダイギャップ=2.5mm、温度プロファイル-押出機A=150-170-225-225-220-220°C、温度プロファイル-押出機B=200-235-240-240-240-235°C、温度プロファイル-押出機C=200-235-245-240-240-240°C、温度、ダイ=220°C、コロナ処理=40ダイン、出力速度=120kg/時、および層分布比=15:70:15(A:B:C)、でAlpineの共押出ラインで製造される。フィルムバブルを開き、幅40cmのフィルムロールにカットする。
【0152】
層構成を以下の表2に提供する。各多層フィルム構造体は、(A)多層フィルムの15体積%の体積を有するシーラント層、(B)多層フィルムの70体積%の体積を有するコア層、および(C)多層フィルムの15体積%の体積を有する剥離層で形成される。多層フィルムは、次の構造:シーラント層(A)/コア層(B)/剥離層(C)を有する。シーラント層は、コア層と直接接触しており、コア層は、剥離層と直接接触している。表
2では、「CS」は比較試料を指す。
【0153】
各PDMSは、PDMSがLDPEマトリックスまたはLLDPEマトリックス中に分散しているマスターバッチ(MB25-502、MB25-635、MB25-035、またはMB50-613)の一部としてシーラント層に含まれている。表2は、シーラント層に含まれる各PDMSおよびLDPE/LLDPEマトリックスの個々の量を提供する。例えば、フィルム実施例1のシーラント層は、シーラント層の総重量に基づいて、MB25-502(表1に提供されるように、48,400g/モルのMnを有する)からの0.5重量%のPDMS A、およびMB25-502からの1.5重量%のLDPE Aを含む。したがって、フィルム実施例1のシーラント層は、シーラント層の総重量に基づいて、総量2.0重量%のMB25-502を含有する。フィルム実施例1のシーラント層はまた、シーラント層の総重量に基づいて、MB25-635(表1に提供されるように、356,700g/モルのMnを有する)からの1.5重量%のPDMS B、およびMB25-635からの4.5重量%のLDPE Bを含む。したがって、フィルム実施例1のシーラント層は、シーラント層の総重量に基づいて、総量6.0重量%のMB25-635を含有する。
【0154】
多層フィルム試料を、COFについて試験する。結果を以下の表2に示す。
【表3】
【0155】
表2の多層フィルム試料は、Nordmeccanica GroupのLabo Combi(商標)L400ラミネーター(パイロットコーター)を介して、接着剤でPETフィルム(厚さ12μm)に積層されている。積層中、表2の多層フィルム試料を、1.7kgの張力を有する第1の巻き出し機に配置されている第1のテープリールに配置し、PETフィルムを、2kgの張力を有する第2の巻き出し機に配置されている第2のテープリールに配置する。ラミネーターは、45°Cに加熱された3つのクロムめっきスチールローラーが装備されている。PETフィルムを第1の巻き出し機から巻き出す際にバッチローラーの間に接着剤を注ぐことによって、PETフィルムを接着剤でコーティングする。接着剤を、1.9g/mのコーティング重量でPETフィルムに塗布する。次いで、接着剤でコーティングされたPETフィルムを、積層カレンダーおよび圧縮ローラーを介して第2の巻き出し機から巻き出す際に、多層フィルム試料に押し付ける。ラミネーターの速度は100m/分であり、ニップ温度は50°Cであり、圧力は3バール(300キロパスカル(kPa))である。次いで、積層構造体を、4kgの張力を有する巻き取り機シャフトに巻き付ける。積層構造体を、室温(23°C)で6日間硬化させる。得られた積層体は、次の構造(A):多層フィルム試料/接着層/PETフィルムを有する。言い換えれば、得られた積層体は、以下の構造(A):シーラント層/コア層/剥離層/接着層/PETフィルムを有する。積層構造体の構成を以下の表3に提供する。
【0156】
積層構造体のCOFについて試験する。結果を以下の表3に示す。
【表4】
【0157】
驚くべきことに、PETフィルムと、接着層と、(A)エチレン系ポリマー(AFFINITY(商標)PL1880GおよびLDPEまたはLLDPE)、および(B)スリップ剤ブレンドであって、(i)30,000g/モル~300,000g/モル未満のMnを有する第1のPDMS(PDMS A)、および(ii)300,000g/モル~2,000,000g/モルのMnを有する第2のPDMS(PDMS B、PDMS C、PDMS D)を含有するスリップ剤ブレンドを含有するシーラント層とを備えた積層体(実施例12~実施例19)は、同じPETフィルムと接着層とを含むが、(A)エチレン系ポリマー(AFFINITY(商標)PL1880GおよびLDPE)、および(B)スリップ剤ブレンドではなく単一のスリップ剤(フィルムCS2)を含有するシーラント層とを備えた比較積層体(CS10、CS15、CS17)と比較して、12m/分でより低い積層体COFを有利に呈する(MOR-FREE(商標)698A/MOR-FREE(商標)C-79を含有する接着層を備えた積層体では<0.56)(MOR-FREE(商標)715A/CR-84を含有する接着層を備えた積層体では<0.52)ことを、出願人は見出した。
【0158】
次いで、Bosch(商標)垂直型充填シール(VFFS)ライン(モデルSVE2520WR)で、積層構造体をピローパウチに形成する。VFFSラインは、連続運動の垂直袋詰め機である。CS15では、VFFSラインは、積層体のシーラント層とVFFSラインの金属製中央供給ブロックとの間の摩擦を低減するために、供給ユニットの中央ブロックの周りにNito DenkoからのNitoflon(商標)接着テープを装備する。折り畳まれた単一片の積層体からピローパウチを形成し、ヒートシールして上部シール、底部シール、および中央折り畳みシールを形成する。ピローパウチは、長さ230mm、幅150mmを有する。シールバーの温度180°C、シール時間50ミリ秒、圧力2.5kNewtonに設定する。VFFSラインの速度は、1分当たりに形成される密閉パウチの数(p-p-m)として測定する。試験中に充填物は使用しない。結果を上の表3に提供する。
【0159】
真空を0.6バール(60kPa)で適用した密閉タンクで、10個のピローパウチを水中に置くことによって、ピローパウチの密閉性を試験する。30秒後、ピローパウチを視覚的に検査する。ピローパウチから気泡が出ない場合、ピローパウチは密閉性とみなす。ピローパウチから気泡が出る場合、ピローパウチは非密閉性とみなす。密封性の割合は、密閉性であると判明したピローパウチの割合である。結果を表3に記録する。
【0160】
表3に示されるように、(A)エチレン系ポリマー(AFFINITY(商標)PL1880GおよびLDPE)、およびスリップ剤ブレンドではなく(B)単一のスリップ剤を含有するシーラント層(フィルムCS2)を含む比較積層体から作製されたピローパウチは、(i)形成することができない(CS10およびCS17)か、または(ii)低速(すなわち<100ppm)で形成されている(CS15)。
【0161】
驚くべきことに、(A)エチレン系ポリマー(AFFINITY(商標)PL1880GおよびLDPEまたはLLDPE)、ならびに(B)スリップ剤ブレンドであって、(i)30,000g/モル~300,000g/モル未満のMnを有する第1のPDMS(PDMS A)、および(ii)300,000g/モル~2,000,000g/モルのMnを有する第2のPDMS(PDMS B、PDMS C、またはPDMS D)を含有するスリップ剤ブレンドを含有するシーラント層を含む積層体から形成されたピローパウチは、VFFSラインの最大速度(170p-p-m)で形成することができる有利な密封ピローパウチであることを、出願人は見出した。
【0162】
本開示は、本明細書に含まれる実施形態および例示に限定されず、実施形態の一部、および異なる実施形態の要素の組み合わせを含むこれらの実施形態の変更された形態を、以下の特許請求の範囲の範疇内に含むことが明確に意図される。