IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社Z会の特許一覧

特許7183216合格者クラスタ集合生成装置、習熟度目標決定装置、合格者クラスタ集合生成方法、習熟度目標決定方法、プログラム
<>
  • 特許-合格者クラスタ集合生成装置、習熟度目標決定装置、合格者クラスタ集合生成方法、習熟度目標決定方法、プログラム 図1
  • 特許-合格者クラスタ集合生成装置、習熟度目標決定装置、合格者クラスタ集合生成方法、習熟度目標決定方法、プログラム 図2
  • 特許-合格者クラスタ集合生成装置、習熟度目標決定装置、合格者クラスタ集合生成方法、習熟度目標決定方法、プログラム 図3
  • 特許-合格者クラスタ集合生成装置、習熟度目標決定装置、合格者クラスタ集合生成方法、習熟度目標決定方法、プログラム 図4
  • 特許-合格者クラスタ集合生成装置、習熟度目標決定装置、合格者クラスタ集合生成方法、習熟度目標決定方法、プログラム 図5
  • 特許-合格者クラスタ集合生成装置、習熟度目標決定装置、合格者クラスタ集合生成方法、習熟度目標決定方法、プログラム 図6
  • 特許-合格者クラスタ集合生成装置、習熟度目標決定装置、合格者クラスタ集合生成方法、習熟度目標決定方法、プログラム 図7
  • 特許-合格者クラスタ集合生成装置、習熟度目標決定装置、合格者クラスタ集合生成方法、習熟度目標決定方法、プログラム 図8
  • 特許-合格者クラスタ集合生成装置、習熟度目標決定装置、合格者クラスタ集合生成方法、習熟度目標決定方法、プログラム 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-25
(45)【発行日】2022-12-05
(54)【発明の名称】合格者クラスタ集合生成装置、習熟度目標決定装置、合格者クラスタ集合生成方法、習熟度目標決定方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/20 20120101AFI20221128BHJP
【FI】
G06Q50/20
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020112948
(22)【出願日】2020-06-30
(65)【公開番号】P2022011660
(43)【公開日】2022-01-17
【審査請求日】2021-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】506142716
【氏名又は名称】株式会社Z会
(74)【代理人】
【識別番号】100121706
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128705
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147773
【弁理士】
【氏名又は名称】義村 宗洋
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 淳
(72)【発明者】
【氏名】上田 倫也
【審査官】岸 健司
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-113865(JP,A)
【文献】特開2016-148719(JP,A)
【文献】特開2019-192303(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の学校の合格者が受験生であった頃の複数の時期における各受験教科の各単元の習熟度を示すデータである合格者習熟度データに基づいて、前記時期ごとに前記単元と前記習熟度を対応させた行列である合格者習熟度行列を生成する合格者習熟度行列生成部と、
合格者習熟度行列間の類似度に基づいて、前記合格者習熟度行列の集合を複数の合格者クラスタに分類することにより、合格者クラスタ集合を生成する合格者クラスタ集合生成部を含む
合格者クラスタ集合生成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の合格者クラスタ集合生成装置であって、
前記合格者クラスタ集合生成部は、
所定の時期における前記合格者クラスタからその直近の時期における前記合格者クラスタへの遷移確率が高いほど大きな値を割り当てたパスで対応する前記合格者クラスタ同士を接続して、前記合格者クラスタ集合を生成する
合格者クラスタ集合生成装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の合格者クラスタ集合生成装置であって、
前記合格者クラスタ集合生成部は、
前記合格者クラスタのそれぞれに対して、前記合格者クラスタのそれぞれを代表し、前記合格者クラスタのそれぞれの特徴を表す合格者習熟度行列である合格者中心習熟度行列を設定する
合格者クラスタ集合生成装置。
【請求項4】
受験生の各受験教科の各単元の現在の習熟度を示すデータである受験生習熟度データに基づいて、前記単元と前記習熟度を対応させた行列である受験生習熟度行列を生成する受験生習熟度行列生成部と、
所定の学校の合格者が受験生であった頃の複数の時期における各受験教科の各単元の習熟度を示すデータである合格者習熟度データに基づいて前記時期ごとに前記単元と前記習熟度を対応させた行列である合格者習熟度行列を、その類似度に基づいて複数の合格者クラスタに分類することにより生成した合格者クラスタ集合のうちの何れかの合格者クラスタに、前記受験生習熟度行列を分類する受験生習熟度行列分類部と、
前記受験生習熟度行列が分類された合格者クラスタとその直近の時期における合格者クラスタとを接続するパスであって、その遷移確率が高いほど大きな値を割り当てたパスのうち、割り当てられた値が所定値以上となるパスを目標パスとして決定する目標パス決定部を含む
習熟度目標決定装置。
【請求項5】
請求項4に記載の習熟度目標決定装置であって、
前記目標パス決定部は、
前記受験生習熟度行列が分類された合格者クラスタと前記目標パスで接続された直近の時期における合格者クラスタを目標クラスタとして決定する
習熟度目標決定装置。
【請求項6】
請求項5に記載の習熟度目標決定装置であって、
前記目標パス決定部は、
前記目標クラスタを代表し、前記目標クラスタの特徴を表す合格者習熟度行列である合格者中心習熟度行列を出力する
習熟度目標決定装置。
【請求項7】
合格者クラスタ集合生成装置が各ステップを実行する合格者クラスタ集合生成方法であって、
所定の学校の合格者が受験生であった頃の複数の時期における各受験教科の各単元の習熟度を示すデータである合格者習熟度データに基づいて、前記時期ごとに前記単元と前記習熟度を対応させた行列である合格者習熟度行列を生成する合格者習熟度行列生成ステップと、
合格者習熟度行列間の類似度に基づいて、前記合格者習熟度行列の集合を複数の合格者クラスタに分類することにより、合格者クラスタ集合を生成する合格者クラスタ集合生成ステップを含む
合格者クラスタ集合生成方法。
【請求項8】
習熟度目標決定装置が各ステップを実行する習熟度目標決定方法であって、
受験生の各受験教科の各単元の現在の習熟度を示すデータである受験生習熟度データに基づいて、前記単元と前記習熟度を対応させた行列である受験生習熟度行列を生成する受験生習熟度行列生成ステップと、
所定の学校の合格者が受験生であった頃の複数の時期における各受験教科の各単元の習熟度を示すデータである合格者習熟度データに基づいて前記時期ごとに前記単元と前記習熟度を対応させた行列である合格者習熟度行列を、その類似度に基づいて複数の合格者クラスタに分類することにより生成した合格者クラスタ集合のうちの何れかの合格者クラスタに、前記受験生習熟度行列を分類する受験生習熟度行列分類ステップと、
前記受験生習熟度行列が分類された合格者クラスタとその直近の時期における合格者クラスタとを接続するパスであって、その遷移確率が高いほど大きな値を割り当てたパスのうち、割り当てられた値が所定値以上となるパスを目標パスとして決定する目標パス決定ステップを含む
習熟度目標決定方法。
【請求項9】
コンピュータを請求項1から3の何れかに記載の合格者クラスタ集合生成装置として機能させるプログラム。
【請求項10】
コンピュータを請求項4から6の何れかに記載の習熟度目標決定装置として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合格者が受験生であった頃の習熟度の傾向を分類し、受験生の習熟度目標を決定する技術に関し、合格者クラスタ集合生成装置、習熟度目標決定装置、合格者クラスタ集合生成方法、習熟度目標決定方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
受験生の習熟度を分析する従来技術として例えば非特許文献1が開示されている。非特許文献1には、受験生が解答にいたるまでにどのような操作を行ったかを解析し、数万の問題の中から個人にとって最適な問題を出題するAI技術が開示されている。
【0003】
また同文献には、診断問題の正解・不正解の状況から生徒の弱点を分析し、膨大な講義と演習問題から、最短で学習範囲を身につけるためのカリキュラムを作り上げるAI技術が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】そねあす、“AIを使って受験対策!頼りになる有能学習サービスをご紹介”、[online]、平成30年10月28日、AIZINE(エーアイジン)、[令和2年1月15日検索]、インターネット<URL:https://aizine.ai/ai-study-1028/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら従来は、合格者が受験生であった頃の習熟度の傾向を分類する技術が存在せず、その知見は知られていなかった。
【0006】
そこで本発明では、合格者が受験生であった頃の習熟度の傾向を分類することができる合格者クラスタ集合生成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の合格者クラスタ集合生成装置は、合格者習熟度行列生成部と、合格者クラスタ集合生成部を含む。
【0008】
合格者習熟度行列生成部は、所定の学校の合格者が受験生であった頃の複数の時期における各受験教科の各単元の習熟度を示すデータである合格者習熟度データに基づいて、時期ごとに単元と習熟度を対応させた行列である合格者習熟度行列を生成する。合格者クラスタ集合生成部は、合格者習熟度行列間の類似度に基づいて、合格者習熟度行列の集合を複数の合格者クラスタに分類することにより、合格者クラスタ集合を生成する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の合格者クラスタ集合生成装置によれば、合格者が受験生であった頃の習熟度の傾向を分類することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1の合格者クラスタ集合生成装置の構成を示すブロック図。
図2】実施例1の合格者クラスタ集合生成装置の動作を示すフローチャート。
図3】合格者習熟度行列および受験生習熟度行列の例1を示す図。
図4】合格者習熟度行列および受験生習熟度行列の例2を示す図。
図5】合格者クラスタ集合の例を示す図。
図6】実施例1の習熟度目標決定装置の構成を示すブロック図。
図7】実施例1の習熟度目標決定装置の動作を示すフローチャート。
図8】受験生習熟度行列を分類し目標パスを決定する動作の例を示す図。
図9】コンピュータの機能構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
【実施例1】
【0012】
[合格者クラスタ集合生成装置11]
以下、図1を参照して、実施例1の合格者クラスタ集合生成装置11の構成を説明する。同図に示すように、本実施例の合格者クラスタ集合生成装置11は、合格者習熟度行列生成部111と、合格者クラスタ集合生成部112と、合格者クラスタ集合記憶部113を含む。以下、図2を参照して各構成要件の動作を説明する。
【0013】
<合格者習熟度行列生成部111>
合格者習熟度行列生成部111は、所定の学校の合格者が受験生であった頃の複数の時期における各受験教科の各単元の習熟度を示すデータである合格者習熟度データに基づいて、時期ごとに単元と習熟度を対応させた行列である合格者習熟度行列を生成する(S111)。ここで対象とする「受験」として、大学受験を対象としてもよいし、高校、中学入試を対象としてもよい。以下、大学受験を対象とし、所定の学校=T大学であるものとして説明を進める。
【0014】
合格者習熟度データは、例えばT大学の合格者が受験生であった頃に解いた問題の正誤とその単元の組からなる情報に基づいて生成することが出来る。問題としては、教科書の練習問題、学校で実施した定期考査の問題、予備校が実施した模擬試験の問題などを使用することができる。
【0015】
合格者習熟度行列は、どんな形式であってもよいが、例えば図3に示すように、各教科の単元を行とし、各教科を列とした形式であってもよい。同図では、行列の値をヒートマップ形式で表現している。合格者習熟度行列は、例えば図4に示すように、すべての受験教科の各単元の習熟度を一列に並べた形式であってもよい。同図では、行列の値を棒グラフ形式で表現している。なお、すべての受験教科の各単元の習熟度を一列に並べた場合、これを合格者習熟度行列(N×1行列、ただしNは単元の総数)と呼称してもよいし、合格者習熟度ベクトルと呼称してもよい。以下、合格者習熟度行列に呼称を統一し、説明を進める。
【0016】
<合格者クラスタ集合生成部112>
合格者クラスタ集合生成部112は、合格者習熟度行列間の類似度に基づいて、合格者習熟度行列の集合を複数の合格者クラスタに分類することにより、合格者クラスタ集合を生成する(S112)。クラスタの分類は、行列の類似度を判定する従来技術により実現できる。
【0017】
合格者クラスタ集合生成部112は、例えば図5に示すように合格者クラスタ集合を生成する。同図に示す合格者クラスタ1-1、合格者クラスタ1-2、合格者クラスタ1-3、…は、T大学合格者の高校2年生時点の合格者習熟度行列をクラスタリングした結果である。合格者クラスタ2-1、合格者クラスタ2-2、合格者クラスタ2-3、…は、T大学合格者の高校3年生(夏)時点、合格者クラスタ3-1、合格者クラスタ3-2、合格者クラスタ3-3、…は、T大学合格者の高校3年生(冬)時点の合格者習熟度行列をクラスタリングした結果である。合格者クラスタとして、例えば「数学特化」型のクラスタ、「英語特化」型のクラスタ、「理系科目特化」型のクラスタ、「オールマイティ」型のクラスタ、…などが考えられる。なお、合格者クラスタは統計的アルゴリズムにより自動で生成されるため「数学特化」などのように、わかりやすいラベル付けができない可能性もある。
【0018】
さらに、合格者クラスタ集合生成部112は、所定の時期における合格者クラスタからその直近の時期における合格者クラスタへの遷移確率が高いほど大きな値を割り当てたパスで対応する合格者クラスタ同士を接続して、合格者クラスタ集合を生成する。同図では、大きな値を割り当てたパスを線幅の太い矢印で示している。線幅が細い矢印で示すパスは、これと比較して、小さな値が割り当てられていることを示しており、破線矢印で示すパスは、さらに小さな値が割り当てられていることを示す。例えば同図では、合格者クラスタ1-1から合格者クラスタ2-1への遷移確率が大きいため、対応するパスに大きな値を割り当てている。このように、各時期のクラスタと次の時期のクラスタとを遷移確率に応じたパスで接続することにより、ある合格者クラスタに属する集団がどのような傾向を持ち、どのように習熟度を深めていったかを知ることができる。
【0019】
さらに、合格者クラスタ集合生成部112は、合格者クラスタのそれぞれに対して、合格者クラスタのそれぞれを代表し、合格者クラスタのそれぞれの特徴を表す合格者習熟度行列である合格者中心習熟度行列を設定する。同図の合格者クラスタ1-1に設定される合格者中心習熟度行列の例をヒートマップで示した。
【0020】
<合格者クラスタ集合記憶部113>
合格者クラスタ集合記憶部113は、合格者クラスタ集合生成部112が生成した合格者クラスタ集合を記憶する。この合格者クラスタ集合は、後述する習熟度目標決定装置12で使用される。
【0021】
[習熟度目標決定装置12]
以下、図6を参照して、実施例1の習熟度目標決定装置12の構成を説明する。同図に示すように、本実施例の習熟度目標決定装置12は、受験生習熟度行列生成部121と、受験生習熟度行列分類部122と、目標パス決定部123と、結果記憶部124を含む。以下、図7を参照して各構成要件の動作を説明する。
【0022】
<受験生習熟度行列生成部121>
受験生習熟度行列生成部121は、受験生の各受験教科の各単元の現在の習熟度を示すデータである受験生習熟度データに基づいて、単元と習熟度を対応させた行列である受験生習熟度行列を生成する(S121)。受験生習熟度行列は、受験生習熟度データを用いるという点以外は、合格者習熟度行列と同様である(図3図4参照)。
【0023】
<受験生習熟度行列分類部122>
受験生習熟度行列分類部122は、前述の合格者クラスタ集合のうちの何れかの合格者クラスタに、受験生習熟度行列を分類する(S122)。分類は行列の類似度を判定する従来技術を用いればよい。
【0024】
<目標パス決定部123>
目標パス決定部123は、受験生習熟度行列が分類された合格者クラスタとその直近の時期における合格者クラスタとを接続するパスのうち、割り当てられた値が所定値以上となるパスを目標パスとして決定する(S123)。例えば図8の例では、受験生習熟度行列は、合格者クラスタ1-1に分類され、合格者クラスタ1-1から伸びるパスのうち、割り当てられた値が所定値以上となるパスである、合格者クラスタ2-1に接続されるパスが目標パスとして決定される。なお、目標パスは2本以上決定されてもよい。
【0025】
さらに、目標パス決定部123は、受験生習熟度行列が分類された合格者クラスタと目標パスで接続された直近の時期における合格者クラスタを目標クラスタとして決定する。同図の例では、目標パスに接続された合格者クラスタ2-1が目標クラスタとして決定される。目標パスと同様に目標クラスタが2個以上決定されてもよい。
【0026】
さらに、目標パス決定部123は、目標クラスタの合格者中心習熟度行列を出力する。同図の例では、目標クラスタ(合格者クラスタ2-1)に設定された合格者中心習熟度行列の例をヒートマップで示した。この合格者中心習熟度行列は、受験生の指針となるデータである。同図の例では、合格者クラスタ1-1に分類された高校2年生の受験生(T大学志望)が、高校3年生の夏までに、自分がどの単元を重点的に学習すれば過去の合格者と同様の軌跡をたどることが出来るかが明確になる。
【0027】
なお、学習者が重点的に学習している学習科目、単元が好ましくない方向に偏っており、過去の合格者と異なった軌跡をたどっている場合には、合格者クラスタ集合生成装置11は、アラートを生成して出力してもよい。
【0028】
また、合格者クラスタ集合生成装置11は、例えば高校3年生の夏と高校3年生の冬とでクラスタ分析をして掛け算をし、直積集合を生成することでクラスタが移動しているか否かを判定してもよい。
【0029】
本実施例の合格者クラスタ集合生成装置11によれば、残された時間をもとに、定期的に学習者が位置するクラスタを確認し、半年先、1年先のパスの選択肢を提示し、現実的なパスへ導くことができる。
【0030】
本実施例の合格者クラスタ集合生成装置11を用いて複数の学校の合格者クラスタ集合を生成し、学習者がどの合格者クラスタと最も当てはまりが良いかを検討することにより、併願学部を検討することが出来る。
【0031】
<補記>
本発明の装置は、例えば単一のハードウェアエンティティとして、キーボードなどが接続可能な入力部、液晶ディスプレイなどが接続可能な出力部、ハードウェアエンティティの外部に通信可能な通信装置(例えば通信ケーブル)が接続可能な通信部、CPU(Central Processing Unit、キャッシュメモリやレジスタなどを備えていてもよい)、メモリであるRAMやROM、ハードディスクである外部記憶装置並びにこれらの入力部、出力部、通信部、CPU、RAM、ROM、外部記憶装置の間のデータのやり取りが可能なように接続するバスを有している。また必要に応じて、ハードウェアエンティティに、CD-ROMなどの記録媒体を読み書きできる装置(ドライブ)などを設けることとしてもよい。このようなハードウェア資源を備えた物理的実体としては、汎用コンピュータなどがある。
【0032】
ハードウェアエンティティの外部記憶装置には、上述の機能を実現するために必要となるプログラムおよびこのプログラムの処理において必要となるデータなどが記憶されている(外部記憶装置に限らず、例えばプログラムを読み出し専用記憶装置であるROMに記憶させておくこととしてもよい)。また、これらのプログラムの処理によって得られるデータなどは、RAMや外部記憶装置などに適宜に記憶される。
【0033】
ハードウェアエンティティでは、外部記憶装置(あるいはROMなど)に記憶された各プログラムとこの各プログラムの処理に必要なデータが必要に応じてメモリに読み込まれて、適宜にCPUで解釈実行・処理される。その結果、CPUが所定の機能(上記、…部、…手段などと表した各構成要件)を実現する。
【0034】
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。また、上記実施形態において説明した処理は、記載の順に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されるとしてもよい。
【0035】
既述のように、上記実施形態において説明したハードウェアエンティティ(本発明の装置)における処理機能をコンピュータによって実現する場合、ハードウェアエンティティが有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記ハードウェアエンティティにおける処理機能がコンピュータ上で実現される。
【0036】
上述の各種の処理は、図9に示すコンピュータの記録部10020に、上記方法の各ステップを実行させるプログラムを読み込ませ、制御部10010、入力部10030、出力部10040などに動作させることで実施できる。
【0037】
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。具体的には、例えば、磁気記録装置として、ハードディスク装置、フレキシブルディスク、磁気テープ等を、光ディスクとして、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD-RAM(Random Access Memory)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD-R(Recordable)/RW(ReWritable)等を、光磁気記録媒体として、MO(Magneto-Optical disc)等を、半導体メモリとしてEEP-ROM(Electrically Erasable and Programmable-Read Only Memory)等を用いることができる。
【0038】
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD-ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
【0039】
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記録媒体に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
【0040】
また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、ハードウェアエンティティを構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9