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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-25
(45)【発行日】2022-12-05
(54)【発明の名称】液体収容容器及び記録装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/175 20060101AFI20221128BHJP
【FI】
B41J2/175 141
B41J2/175 115
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020139534
(22)【出願日】2020-08-20
(62)【分割の表示】P 2015213665の分割
【原出願日】2015-10-30
(65)【公開番号】P2020189496
(43)【公開日】2020-11-26
【審査請求日】2020-09-18
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久保川 潤一
(72)【発明者】
【氏名】島田 皓樹
(72)【発明者】
【氏名】田中 佑典
(72)【発明者】
【氏名】松村 英明
(72)【発明者】
【氏名】木内 貴洋
(72)【発明者】
【氏名】新町 昌也
(72)【発明者】
【氏名】木村 征道
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 恭平
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 督
(72)【発明者】
【氏名】松井 聞多
【審査官】長田 守夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-240705(JP,A)
【文献】特開2015-131434(JP,A)
【文献】登録実用新案第3155835(JP,U)
【文献】特開2017-071095(JP,A)
【文献】特開2017-030158(JP,A)
【文献】特開2014-166710(JP,A)
【文献】特開2010-208264(JP,A)
【文献】特開2005-342992(JP,A)
【文献】中国実用新案第201002392(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を収容する液体収容室と、前記液体収容室へ液体を注入するための注入部と、前記液体収容室に収容される液体を記録ヘッドへ供給するための液体供給口と、前記液体収容室を仕分ける仕切り板と、を有し、
前記液体収容室の第1の側壁および前記第1の側壁と対向する第2の側壁と交差する第1方向において前記注入部と前記液体供給口は離れて配置され、
前記仕切り板は、前記第1の側壁と前記第2の側壁をつなぐ前記液体収容室の第3の側壁および前記第3の側壁と対向し、前記第1の側壁と前記第2の側壁をつなぐ前記液体収容室の第4の側壁と接触するように配置され、
複数の前記仕切り板が各々前記第1方向に延在するように設けられ、かつ前記複数の仕切り板各々の前記第1方向における一方の端部が別の前記仕切り板と接触せず、かつ、前記第1の側壁と接触しないように配置され
前記複数の仕切り板のうち、少なくとも1つに切り欠きが形成されていることを特徴とする液体収容容器。
【請求項2】
前記複数の仕切り板は、前記液体収容室から前記記録ヘッドへ液体を供給するときに、重力方向の位置が異なるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の液体収容容器。
【請求項3】
液体を収容する液体収容室と、前記液体収容室へ液体を注入するための注入部と、前記液体収容室に収容される液体を記録ヘッドへ供給するための液体供給口と、前記液体収容室を仕分ける仕切り板と、を有し、
前記液体収容室の第1の側壁および前記第1の側壁と対向する第2の側壁と交差する第1方向において前記注入部と前記液体供給口は離れて配置され、
前記仕切り板は、前記第1の側壁と前記第2の側壁をつなぐ前記液体収容室の第3の側壁および前記第3の側壁と対向し、前記第1の側壁と前記第2の側壁をつなぐ前記液体収容室の第4の側壁と接触するように配置され、
複数の前記仕切り板が各々前記第1方向に延在するように設けられ、かつ前記複数の仕切り板は、前記液体収容室から前記記録ヘッドへ液体を供給するときの重力方向の位置が異なるように配置され
前記複数の仕切り板のうち、少なくとも1つに切り欠きが形成されていることを特徴とする液体収容容器。
【請求項4】
前記切り欠きは前記第1方向において、前記液体供給口よりも前記注入部側に設けられることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の液体収容容器。
【請求項5】
前記仕切り板は、前記液体収容室から前記記録ヘッドへ液体を供給するときの姿勢において、水平方向に配置されていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の液体収容容器。
【請求項6】
液体を吐出する記録ヘッドと、請求項1から5のいずれか1項に記載の液体収容容器と、を備えることを特徴とする記録装置。
【請求項7】
前記液体供給口と前記記録ヘッドとを接続する供給路を備えることを特徴とする請求項に記載の記録装置。
【請求項8】
前記注入部をキャッピングするキャップを備えることを特徴とする請求項またはに記載の記録装置。
【請求項9】
前記記録ヘッドを搭載して移動するキャリッジを備えることを特徴とする請求項からのいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項10】
液体を媒体に吐出するための記録ヘッドと、
液体を収容する液体収容室と、前記液体収容室へ液体を注入するための注入部と、前記液体収容室に収容される液体を前記記録ヘッドへ供給するための液体供給口と、前記液体収容室を仕分ける仕切り板と、を有する液体収容容器と、を有する記録装置であって、
前記液体収容室の第1の側壁および前記第1の側壁と対向する第2の側壁と交差する第1方向において前記注入部と前記液体供給口は離れて配置され、
前記仕切り板は、前記第1の側壁と前記第2の側壁をつなぐ前記液体収容室の第3の側壁および前記第3の側壁と対向し、前記第1の側壁と前記第2の側壁をつなぐ前記液体収容室の第4の側壁と接触するように配置され、
複数の前記仕切り板が各々前記第1方向に延在するように設けられ、かつ前記液体収容室から前記記録ヘッドへ液体を供給するときにおいて、前記複数の仕切り板の重力方向の位置が異なるように設けられ
前記複数の仕切り板のうち、少なくとも1つに切り欠きが形成されていることを特徴とする記録装置。
【請求項11】
前記複数の仕切り板各々の前記第1方向における一方の端部は、別の前記仕切り板と接触せず、かつ、前記第1の側壁と接触しないように配置されていることを特徴とする請求項10に記載の記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体収容容器及び記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インクを吐出する記録ヘッドで消費されるインクを収容可能な液体収容容器(本明細書ではインクタンクとも言う)が知られている。インクタンクは一般に、インクを収容するためのインク収容室と、該収容室内から記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給口とを備える。このような構成を有するインクタンクとして、例えば、特許文献1に記載のものが存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-58084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
記録装置で使用されるインクには、例えば顔料インクのように凝集などによって色材が沈降し易いものが存在する。このようなインクを、特許文献1に記載のインクタンクに収容して用いる場合、インク収容室内において高濃度成分が沈降することで濃度に偏りが生じ、それによって、記録する画像に濃度むらが発生する恐れがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態は、液体を収容する液体収容室と、前記液体収容室へ液体を注入するための注入部と、前記液体収容室に収容される液体を記録ヘッドへ供給するための液体供給口と、前記液体収容室を仕分ける仕切り板と、を有し、前記液体収容室の第1の側壁および前記第1の側壁と対向する第2の側壁と交差する第1方向において前記注入部と前記液体供給口は離れて配置され、前記仕切り板は、前記第1の側壁と前記第2の側壁をつなぐ前記液体収容室の第3の側壁および前記第3の側壁と対向し、前記第1の側壁と前記第2の側壁をつなぐ前記液体収容室の第4の側壁と接触するように配置され、複数の前記仕切り板が各々前記第1方向に延在するように設けられ、かつ前記複数の仕切り板各々の前記第1方向における一方の端部が別の前記仕切り板と接触せず、かつ、前記第1の側壁と接触しないように配置され、前記複数の仕切り板のうち、少なくとも1つに切り欠きが形成されていることを特徴とする液体収容容器である。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、供給する記録用液体(インク)の濃度をより均一にすることが可能となり、良好な画質の画像を印刷できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施例1における記録装置の要部の内部構成を示す斜視図
図2】実施例1におけるインクタンクの内部構造を示す斜視図
図3】実施例1におけるインクタンクの正面図
図4】実施例1におけるインクタンクの内部構造を説明する図
図5】実施例1におけるインク供給口の配置位置と、空気供給口の配置位置とを説明する図
図6】実施例2におけるインクタンクの内部構造を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0008】
[実施例1]
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、各図面を通して、同一の要素には同一の符号を付与する。
【0009】
<記録装置の構成>
本実施例では、記録装置(プリンタ)として、シリアル型のインクジェット記録装置(以下「記録装置」と略記する)を例に挙げて説明する。
【0010】
図1は、実施例1における記録装置の要部の内部構成を示す斜視図である。なお、説明のために、図1に示すように、主走査方向がx軸方向、副走査方向がy軸方向、x軸およびy軸に直行する方向がz軸方向となるように座標軸を設定する。
【0011】
図1に示すように、記録装置11は、記録部であるキャリッジ12に保持された記録ヘッド13と、インクタンク15から記録ヘッド13へ記録用液体(即ちインク)を供給するインク供給経路14とを備える。また、記録装置11は、シート(記録媒体)を給紙・搬送する構成要素として、給紙ローラと、搬送ローラ16と、排紙ローラと、メインシャーシと、タイミングベルトと、キャリッジモータ204とを備える。
【0012】
キャリッジ12はメインシャーシに支持されながら、タイミングベルトを介してキャリッジモータ204から駆動力を受け、記録媒体の搬送方向と直交する主走査方向に沿って移動する。これにより、記録ヘッド13がキャリッジ12と共に主走査方向に沿って往復移動することができる。
【0013】
キャリッジ12の位置を検出するためのコードストリップがタイミングベルトと平行に張設されている。コードストリップには、例えば1インチ当たり150~280本のピッチでマーキングが形成されている。一方、キャリッジ12には、コードストリップを読み取るためのエンコードセンサが搭載されている。
【0014】
記録ヘッド13は、画像データに基づいて記録媒体へインクを吐出して画像を記録する。なお、記録媒体としては、インク滴を着弾させて画像を形成できるものであれば任意のものを使用してよい。例えば、紙、布、光ディスクラベル面、プラスチックシート、OHPシート、封筒など、種々の材質および形態のものを記録媒体として使用することができる。
【0015】
また、記録装置11は、キャリッジ12の主走査方向における移動範囲内に設けられるメンテナンス部を備える。メンテナンス部は、記録ヘッド13に対して回復処理を行う回復ユニットを備え、記録ヘッド吐出部と対面可能なように配置されている。
【0016】
回復ユニットは、記録ヘッド吐出部をキャッピングするキャップ部と、記録ヘッド吐出部をキャッピングした状態で強制的にインクを吸引して記録ヘッド吐出部内の残留気泡や増粘したインクを除去する吸引機構とを備える。回復ユニットによる回復処理が行われると、記録ヘッド13の機能が回復する。これにより、記録ヘッド13の吐出特性が維持される。
【0017】
<液体収容容器の構成>
図2は、実施例1における液体収容容器(即ち図1のインクタンク15)の内部構造を示す斜視図である。なお、図2に示すように、図1と同様に座標軸を設定する。
【0018】
図2に示すように、インクタンク15の上部にインク注入口21が設けられ、インク注入口21には、取り外し可能なタンクキャップ22が取り付けられている。また、インク注入口21の下部には、インクを収容可能な液体収容室(即ちインク収容室)33が設けられ、さらにインク収容室33の下部には、通常は空気を収容するための空間であるバッファ室34が設けられている。
【0019】
インク収容室33の底壁がバッファ室34の天井壁の一部となるように、バッファ室34は、インクタンク15内部を区画して形成されている。
【0020】
インク収容室33の底壁面の端部には液体供給口(即ちインク供給口)24が設けられており、インク収容室33は、インク供給口24およびインク流通路26を通じて不図示のチューブに接続され、インク供給経路14と連結している。
【0021】
インク供給口24とは離れた位置の底壁面の端部にはインクタンク15の外部と連通させるための空気供給口23が設けられており、空気供給口23はバッファ室34と連通し、インク収容室33はバッファ室34を介してインクタンク15の外部と連通している。かかる構成により、インクで満たされたインク収容室33にタンクキャップ22を取り付けることで実現される密閉された状態において、インク収容室33内のインクが消費された場合、外部の空気をインク収容室33内に導入することができる。また、かかる構成により、インク収容室33のインク液面上部の空間の空気が気圧変動や温度変化が原因で膨張した場合に、バッファ室34に押し出されたインクを貯留することができるので、インクタンク15の外部にインクが漏れ出ることを防ぐことができる。
【0022】
図3は、実施例1における液体収容容器(インクタンク15)の正面図である。なお、図3に示すように、図1と同様に座標軸を設定する。
【0023】
図3に示すように、インクタンク15の前面部となる正面にはインク収容室33内に残存するインク量を指し示す指標31が形成されている。インクの液面は外から見えるので、ユーザは、インクの液面および指標31を見て、インク収容室33内に収容されているインク残量を確認することができる。
【0024】
図4(a)は、実施例1における液体収容容器(インクタンク15)を側面から見たときの内部構造を示す断面図である。なお、図4(a)に示すように、図1と同様に座標軸を設定する。
【0025】
図4(a)に示すように、インクタンク15は、インク収容室33を構成する第1側壁27および第2側壁28を備える。第1側壁27は、zx平面に平行に形成され、第2側壁28は、第1側壁27と対向するように形成される。つまり、第1側壁27および第2側壁28は、平行に形成される。従ってこのとき、第1側壁27と第2側壁28とのy軸方向における位置は異なる。
【0026】
また、インクタンク15は、第1側壁27からxy平面に沿って第2側壁28の方に向かって延在する仕切り板(リブ)25を備える。仕切り板25により、インク収容室33は上部と下部とに区分けされており、また、区分けされたインク収容室間で連通路が形成されている。
【0027】
ここで、インク供給口24は、y軸方向において第1側壁27近傍の位置に形成される。また、空気供給口23は、y軸方向において第2側壁28近傍の位置に形成される。
【0028】
本実施例では記録装置11で使用されるインクは顔料インクであると仮定して説明する。顔料インクは、時間とともに重力方向に顔料成分が沈降する性質を持っている。この性質により、本実施例におけるインク収容室33内で沈降した顔料成分は仕切り板25上面に沈降し、その後、空気供給口23付近に沈降するので、インク収容室33の底壁面上において空気供給口23付近の顔料濃度が最も高くなることとなる。従って、インク供給口24付近の顔料濃度が高くなることを防止できる。
【0029】
また、インク収容室33のインク液面上部の空間の空気が気圧変動や温度変化が原因で膨張、或いは、収縮することや、印刷によりインクが消費されること等により、バッファ室34にインクが流出し、或いは、バッファ室34からインクが流入する。このようなインクの流出入により、空気供給口23付近の濃度が高いインクが撹拌されることとなる。
【0030】
さらに、バッファ室34内にインクが無い場合は、印刷等でインクを消費するとバッファ室34から、空気が空気供給口23を介して、気泡としてインク収容室33に流入する(図4(b)参照)。これにより、インク収容室33内のインクが流動し、空気供給口23付近に沈降した濃度の高いインクが攪拌されることとなる。
【0031】
なお、本実施例は顔料インクを使用するものに限定されない。つまり、時間の経過に伴ってインクタンク内のインクの濃度に偏りが生じる任意のインクを使用するものに対して、本実施例を適用することができる。
【0032】
<空気供給口、および、インク供給口の位置関係>
図5を用いて空気供給口23およびインク供給口24を設ける位置について説明する。なお、図5(a)および図5(b)では、図1と同様に座標軸を設定する。
【0033】
図5(a)に、インク供給口24の一配置例を示す。図5(a)はインク収容室33を上面から見たときの内部構成を示す模式図であり、理解を容易にするために仕切り板25を省略してその先端251のみ表示し、インク供給口24の形成位置を模式的に図示している。実際には、インク供給口24は、仕切り板25で区分けされるインク収容室33の下部に設けられるため、インク収容室33を上から見たときには視認できない。
【0034】
図5(a)に示すように、仕切り板25の先端251は、y軸方向において第1側壁27と第2側壁28との間に位置している。このとき、インク供給口24は、y軸方向に関して仕切り板25の先端251よりも第1側壁27側の任意の位置(即ち、図中にシングルハッチングで示す範囲内の任意の位置)に形成可能である。
【0035】
また図5(b)に、インク供給口24および空気供給口23の一配置例を示す。図5(b)はインク収容室33を上面から見たときの内部構成を示す模式図であり、理解を容易にするために、仕切り板25を省略してインク供給口24と空気供給口23との位置関係を模式的に図示している。
【0036】
図5(b)に示すように、空気供給口23は、y軸方向においてインク供給口24よりも第2側壁側に位置している。このように、空気供給口23は、y軸方向に関してインク供給口24よりも第2側壁28側の任意の位置(クロスハッチングで示す範囲内の任意の位置)に形成可能である。
【0037】
以上説明したように、本実施例により、インク収容室33内に収容されたインクの濃度の偏りを容易に解消でき、印刷時により均一な濃度のインクを供給することができる。
【0038】
[実施例2]
実施例1では、液体収容容器(インクタンク)が1つの仕切り板(リブ)を備える場合について説明した。本実施例では、液体収容容器が複数の仕切り板を備える場合について説明する。ただし以下の説明において、実施例1と共通する内容については、説明を簡略化または割愛する。
【0039】
<液体収容容器の内部構成>
図6(a)は、実施例2における液体収容容器(インクタンク)の内部構造を示す斜視図である。なお、図6(a)に示すように、図1と同様に座標軸を設定する。
【0040】
図6(a)に示すように、本実施例におけるインクタンク15は、第1仕切り板(第1リブ)61と、第2仕切り板(第2リブ)62と、第3仕切り板(第3リブ)63とを備える。
【0041】
第1仕切り板61は、第1側壁27からxy平面に沿って第2側壁28の方に向かって延在する。第2仕切り板62は、第1仕切り板61の上方に形成され、第2側壁28からxy平面に沿って第1側壁27の方に向かって延在する。第3仕切り板63は、第2仕切り板62の上方に形成され、第1側壁27からxy平面に沿って第2側壁28の方に向かって延在する。
【0042】
上記の通り本実施例では、インク収容室内で、第1仕切り板61、第2仕切り板62、第3仕切り板63が鉛直方向(z軸方向)に重なるように配置される。このように複数の仕切り板を重なるように配置することで、仕切り板が1つのときよりも、インク収容室内におけるインク流路は長くなる。インク流路を長くすることで、高濃度のインクがインク収容室の底壁面に沈降することを抑制し、インク収容室の底壁面に高濃度のインクが集中することを防ぐことが可能となる。
【0043】
また、複数の仕切り板を鉛直方向(z軸方向)に重なるように配置することで、インク注入口21と、最上位に存在する仕切り板(図6(a)の例では第3仕切り板63)との間の距離が短くなる。これにより、インク注入時におけるインクの落下距離が短くなり、インク注入時における気泡の発生を抑制することが可能となる。
【0044】
図6(b)に示すように、第1仕切り板61、第2仕切り板62、第3仕切り板63は夫々、切り欠きを備えていてもよい。第1仕切り板61の切り欠き64および第3仕切り板63の切り欠き66は、第1側壁27近傍に形成され、第2仕切り板62の切り欠き65は、第2側壁28近傍に形成される。このとき図6(b)に示すように、それぞれのxy座標における位置が異なるように、切り欠き64、切り欠き65、切り欠き66を形成することで、高濃度のインクがインク供給口24付近に沈降することを防いでいる。
【0045】
切り欠き64によって第1側壁27近傍に発生する気泡を第1仕切り板61下面に滞留させずに上方に逃がすことができ、切り欠き65によって第2側壁28近傍に発生する気泡を第2仕切り板62下面に滞留させずに上方に逃がすことができる。このように、インク注入時やインク消費時などに生じる気泡を仕切り板下面に滞留させずに上部に逃がすことができる。従って、ユーザは、インクの液面および指標31を見て、正確なインク残量を確認することができる。
【0046】
なお上述の例では、仕切り板が3つの場合について説明しているが、本実施例におけるインクタンク15は、複数の仕切り板を有していればよい。即ち、インク収容室の底壁面から上方(z軸正方向)に向かって、第1側壁27から第2側壁28の方に向かって延在する仕切り板と、第2側壁28から第1側壁27の方に向かって延在する仕切り板とが交互に出現するように形成されたインクタンクであればよい。
【符号の説明】
【0047】
15 インクタンク
24 インク供給口
25 仕切り板(リブ)
251 仕切り板(リブ)先端
27 第1側壁
28 第2側壁
33 インク収容室
図1
図2
図3
図4
図5
図6