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特許7183227勤怠管理装置、勤怠管理方法および勤怠管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-25
(45)【発行日】2022-12-05
(54)【発明の名称】勤怠管理装置、勤怠管理方法および勤怠管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20120101AFI20221128BHJP
   G06Q 10/10 20120101ALI20221128BHJP
   G07C 1/00 20060101ALI20221128BHJP
【FI】
G06Q10/06
G06Q10/10 342
G07C1/00 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020153855
(22)【出願日】2020-09-14
(65)【公開番号】P2022047846
(43)【公開日】2022-03-25
【審査請求日】2021-08-18
(73)【特許権者】
【識別番号】598057291
【氏名又は名称】株式会社富士通エフサス
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松野 雅文
【審査官】速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-323533(JP,A)
【文献】特開2020-004138(JP,A)
【文献】特開2019-061476(JP,A)
【文献】特開2016-126466(JP,A)
【文献】特開2012-073789(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07C 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置が、業務サーバにログインするたびに、ログインした時点のログイン時刻を検出し、前記端末装置が、前記業務サーバからログオフするたびに、ログオフした時点のログオフ時刻を検出し、検出した前記ログイン時刻および前記ログオフ時刻を勤怠管理テーブルに登録する登録部と、
所定期間において、前記勤怠管理テーブルに、第1ログイン時刻および第1ログオフ時刻の組が登録され、前記第1ログオフ時刻の後に、第2ログイン時刻および第2ログオフ時刻の組が登録されている場合に、前記第2ログイン時刻から前記第2ログオフ時刻までの期間において、前記端末装置がアクセスしたデータが、業務に関連するデータであるか否かを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果を基にして、前記端末装置が前記業務サーバにログインすることを許容する開始時刻を算出する算出部と
を有することを特徴とする勤怠管理装置。
【請求項2】
前記算出部は、前記端末装置がアクセスしたデータが、業務に関連するデータである場合、前記第2ログオフ時刻に所定のインターバル期間を加算した時刻を、前記開始時刻として算出することを特徴とする請求項1に記載の勤怠管理装置。
【請求項3】
前記算出部は、前記端末装置がアクセスしたデータが、業務に関連するデータでない場合、前記第1ログオフ時刻に所定のインターバル期間を加算した時刻を、前記開始時刻として算出することを特徴とする請求項1または2に記載の勤怠管理装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記第2ログイン時刻から前記第2ログオフ時刻までの期間が所定期間未満である場合に、前記端末装置がアクセスしたデータが、業務に関連するデータでないと判定することを特徴とする請求項1、2または3に記載の勤怠管理装置。
【請求項5】
前記判定部は、業務に関連するデータを定義する業務定義テーブルと、前記端末装置がアクセスしたデータとを基にして、前記端末装置がアクセスしたデータが、業務に関連するデータであるか否かを判定することを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の勤怠管理装置。
【請求項6】
前記業務定義テーブルは、ユーザの所属毎に、業務に関連するデータを定義し、前記判定部は、前記業務定義テーブルと、前記端末装置を操作するユーザの所属とを基にして、前記端末装置がアクセスしたデータが、業務に関連するデータであるか否かを判定することを特徴とする請求項5に記載の勤怠管理装置。
【請求項7】
コンピュータが実行する勤怠管理方法であって、
端末装置が、業務サーバにログインするたびに、ログインした時点のログイン時刻を検出し、前記端末装置が、前記業務サーバからログオフするたびに、ログオフした時点のログオフ時刻を検出し、検出した前記ログイン時刻および前記ログオフ時刻を勤怠管理テーブルに登録し、
所定期間において、前記勤怠管理テーブルに、第1ログイン時刻および第1ログオフ時刻の組が登録され、前記第1ログオフ時刻の後に、第2ログイン時刻および第2ログオフ時刻の組が登録されている場合に、前記第2ログイン時刻から前記第2ログオフ時刻までの期間において、前記端末装置がアクセスしたデータが、業務に関連するデータであるか否かを判定し、
判定した結果を基にして、前記端末装置が前記業務サーバにログインすることを許容する開始時刻を算出する
処理を実行することを特徴とする勤怠管理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
端末装置が、業務サーバにログインするたびに、ログインした時点のログイン時刻を検出し、前記端末装置が、前記業務サーバからログオフするたびに、ログオフした時点のログオフ時刻を検出し、検出した前記ログイン時刻および前記ログオフ時刻を勤怠管理テーブルに登録し、
所定期間において、前記勤怠管理テーブルに、第1ログイン時刻および第1ログオフ時刻の組が登録され、前記第1ログオフ時刻の後に、第2ログイン時刻および第2ログオフ時刻の組が登録されている場合に、前記第2ログイン時刻から前記第2ログオフ時刻までの期間において、前記端末装置がアクセスしたデータが、業務に関連するデータであるか否かを判定し、
判定した結果を基にして、前記端末装置が前記業務サーバにログインすることを許容する開始時刻を算出する
処理を実行させることを特徴とする勤怠管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、勤怠管理装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
働き方改革の一環として、連続した長時間での勤務を抑止するために、インターバル制度と呼ばれる法制度が施行されている。インターバル制度は、労働者の終業時刻から、次の始業時刻の間に一定時間の間隔(たとえば、11時間のインターバル)を設ける制度である。
【0003】
たとえば、インターバル制度を導入する企業では、社員がログオフしたログオフ時刻によって、社員の終業時刻を特定し、終業時刻から一定時間を経過した後に、社員によるログインを許容するシステムを利用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-249778号公報
【文献】特開平11-338655号公報
【文献】特開2004-280288号公報
【文献】特開2013-105479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術では、業務の開始時刻を適切に設定することができないという問題がある。
【0006】
近年、テレワークを導入する企業が増えており、社員は自宅の端末装置を用いて、会社のサーバにリモートアクセスすることで、必ずしも会社に出社しないで業務を行うことが可能となっている。また、社員は、業務を終えて一旦ログオフした場合でも、好きな時間に、会社のサーバに再度ログインして、翌日のスケジュールの確認等を行うこともできる。
【0007】
ここで、社員によるスケジュールの確認はあくまで確認のためであって、かかる確認作業はわずかな時間で終了することが多い。しかし、従来技術では、かかる作業の後に、社員がログオフすると、最新のログオフの時刻が、終業時刻と見なされ、社員が翌日にログイン可能となる時刻が遅くなってしまう場合があり得た。
【0008】
たとえば、社員が17時に業務を終えた後に、23時にスケジュールの確認作業を行い、23時5分にログオフすると、翌日に許容される業務の開始時刻は、10時5分以降になり、社員にとって不都合になる場合がある。
【0009】
また、自己啓発などの私的利用をしている場合には、業務とは異なるためログを記録せず、私的利用直前の時刻を終業時刻として扱いたい場合がある。
【0010】
1つの側面では、本発明は、業務の開始時刻を適切に設定することができる勤怠管理装置、勤怠管理方法および勤怠管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の案では、勤怠管理装置は、登録部と、判定部と、算出部とを有する。登録部は、端末装置が、業務サーバにログインするたびに、ログインした時点のログイン時刻を検出し、端末装置が、業務サーバからログオフするたびに、ログオフした時点のログオフ時刻を検出し、検出したログイン時刻およびログオフ時刻を勤怠管理テーブルに登録する。判定部は、所定期間において、勤怠管理テーブルに、第1ログイン時刻および第1ログオフ時刻の組が登録され、第1ログオフ時刻の後に、第2ログイン時刻および第2ログオフ時刻の組が登録されている場合に、第2ログイン時刻から第2ログオフ時刻までの期間において、端末装置がアクセスしたデータが、業務に関連するデータであるか否かを判定する。算出部は、判定部の判定結果を基にして、端末装置が業務サーバにログインすることを許容する開始時刻を算出する。
【発明の効果】
【0012】
業務の開始時刻を適切に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本実施例に係る勤怠管理装置の処理を説明するための図である。
図2図2は、本実施例にかかる勤怠管理システムの構成を示す図である。
図3図3は、本実施例に係る勤怠管理装置の構成を示す機能ブロック図である。
図4図4は、勤怠管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図5図5は、勤怠情報のデータ構造の一例を示す図である。
図6図6は、利用者管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図7図7は、業務判定テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図8図8は、本実施例に係る勤怠管理装置の処理手順を示すフローチャート(1)である。
図9図9は、本実施例に係る勤怠管理装置の処理手順を示すフローチャート(2)である。
図10図10は、実施例の勤怠管理装置と同様の機能を実現するコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本願の開示する勤怠管理装置、勤怠管理方法および勤怠管理プログラムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例
【0015】
図1は、本実施例に係る勤怠管理装置の処理を説明するための図である。本実施例では一例として、利用者は、端末装置を操作して、業務サーバにアクセスし、ログイン後に、作業を行うものとする。利用者が業務を終了する場合には、端末装置を操作して、業務サーバからログオフする。
【0016】
勤怠管理装置は、業務サーバとデータ通信を実行し、利用者の端末装置が、業務サーバにログインするたびに、ログインした時点のログイン時刻を検出し、端末装置が業務サーバからログオフするたびに、ログオフした時点のログオフ時刻を検出して、勤怠管理テーブル141に登録する。
【0017】
図1の勤怠管理テーブル141に示す例では、端末装置は、9時にログインし、8時間の通常勤務の後に、17時にログオフしている。また、端末装置は、同日の23時にログインし、23時10分にログオフしている。たとえば、利用者は、1日に8時間の業務を行い、11時から16時をコアタイムとする。
【0018】
ここで、同日において、先にログインした時刻、先にログオフした時刻は、第1ログイン時刻、第1ログオフ時刻に対応する。後にログインした時刻、ログオフした時刻は、第2ログイン時刻、第2ログオフ時刻に対応する。図1に示す例では、第1ログイン時刻は「9時」、第1ログオフ時刻は「17時」、第2ログイン時刻は「23時」、第2ログオフ時刻は「23時10分」となる。
【0019】
勤怠管理装置は、勤怠管理テーブル141を参照し、第2ログイン時刻から第2ログオフ時刻までの間に、端末装置がアクセスしたデータが、業務に関連するデータであるか否かを判定する。以下の説明では、第2ログイン時刻から第2ログオフ時刻までの間に、端末装置がアクセスしたデータを「確認対象データ」と表記する。なお、端末装置がアクセスするデータは、所定の処理を実行する処理プログラムであってもよい。
【0020】
勤怠管理装置は、確認対象データが、業務に関連するデータである場合には、第2ログオフ時刻に、インターバル期間を加算した時刻を、業務開始時刻として算出する。端末装置を操作する利用者は、翌日の業務開始時刻以降において、業務サーバにログインして業務を行うことが許容される。
【0021】
一方、勤怠管理装置は、確認対象データが、業務に関連するデータでない場合には、第1ログオフ時刻に、インターバル期間を加算した時刻を、業務開始時刻として算出する。
【0022】
上記のように、本実施例に係る勤怠管理装置は、利用者が通常の業務終了後にアクセスした確認対象データが業務に関連するデータでない場合に、通常の業務終了時刻(第1ログオフ時刻)にインターバル期間を加算した時刻を、業務開始時刻として算出する。これによって、利用者が通常の業務を終了した後に、業務に関連のないデータアクセスを行った場合でも、最新のログオフ時刻に応じて、業務開始時刻が遅くなることを抑止でき、業務開始時刻を適切に設定することができる。
【0023】
次に、本実施例に係る勤怠管理システムの構成について説明する。図2は、本実施例にかかる勤怠管理システムの構成を示す図である。図2に示すように、この勤怠管理システムは、端末装置10a,10b,10cと、業務サーバ20と、勤怠管理装置100とを有する。
【0024】
端末装置10a~10cと、業務サーバ20とは、ネットワーク5を介して相互に接続される。業務サーバ20と、勤怠管理装置100とは、相互に接続される。
【0025】
端末装置10a~10cは、利用者の端末装置であり、タブレット端末、スマートフォン、ノートPC(Personal Computer)等に対応する。図2では、端末装置10a~10cを示すが、更に他の端末装置を更に含んでいてもよい。以下の説明では、端末装置10a~10cをまとめて、適宜、端末装置10と表記する。
【0026】
利用者は、端末装置10を操作して、業務サーバ20にアクセスし、各種の業務を実行する。利用者は、業務を開始する場合には、業務サーバ20に対してログインした後に、業務を開始するものとする。利用者は、業務を終了する場合には、業務サーバ20に対してログオフを行う。
【0027】
また、利用者は、スケジュールの確認や、自己啓発を目的とした学習を行うために、業務以外の目的で、端末装置10を操作して、業務サーバ20にアクセスする場合もある。利用者が、業務サーバ20のデータを参照するためには、業務を行う場合と同様にして、ログインを行う。また、利用者は、データ確認等の目的を達した後に、業務サーバ20に対してログオフを行う。
【0028】
端末装置10は、業務サーバ20にログインする場合には、ログイン要求情報を、業務サーバ20に送信する。端末装置10は、業務サーバ20からログオフする場合には、ログオフ要求情報を、業務サーバ20に送信する。ログイン要求情報およびログオフ要求情報には、端末識別情報、利用者識別情報等が含まれる。端末識別情報は、端末装置10を一意に識別する情報である。利用者識別情報は、利用者を一意に識別する情報である。
【0029】
業務サーバ20は、業務に関連する業務データや、業務以外の資料データ等を保持し、業務データや、資料データ等に対する端末装置10からのアクセスを受け付ける装置である。なお、利用者は、業務サーバ20を利用する場合には、端末装置10を操作して、業務サーバ20にログインし、業務サーバ20の利用を終了する場合には、業務サーバ20からログオフする。
【0030】
業務サーバ20は、端末装置10からログイン要求情報を受け付けた場合に、ログイン受付情報を、勤怠管理装置100に出力する。ログイン受付情報には、利用者識別情報、日付、ログイン時刻等が含まれる。
【0031】
ここで、業務サーバ20は、勤怠管理装置100から、利用者識別情報毎の業務開始時刻の情報を受け付ける。業務サーバ20は、ログイン要求情報を端末装置10から受信した場合に、ログイン要求情報に含まれる利用者識別情報の業務開始時刻が、現在の時刻よりも後の時刻であるか否かを判定する。業務サーバ20は、ログイン要求情報に含まれる利用者識別情報の業務開始時刻が、現在の時刻よりも後の時刻である場合には、端末装置10に警告画面を表示させる。業務サーバ20は、端末装置10に警告画面を表示させ、端末装置10をシャットダウンさせる制御を行ってもよい。
【0032】
業務サーバ20は、端末装置10からログオフ要求情報を受け付けた場合に、ログオフ受付情報を、勤怠管理装置100に出力する。ログオフ受付情報には、利用者識別情報、日付、ログオフ時刻が含まれる。
【0033】
業務サーバ20は、端末装置10から、ログイン要求情報、ログオフ要求情報を受け付けた場合には、各種の認証処理を実行してもよい。
【0034】
業務サーバ20は、ログイン中の端末装置10のアクセス先を監視し、端末装置10がアクセスしたアクセス先の情報を、勤怠管理装置100に出力する。アクセス先の情報には、端末装置10がアクセスしたファイル名、サイトのURL(Uniform Resource Locator)、DB(Data Base)、処理プログラムの情報等が含まれる。サイトのURLの代わりに、サイトの名称であってもよい。DBの情報は、端末装置10がアクセスしたデータの格納位置であってもよい。
【0035】
以下の説明では、ログイン中に端末装置10がアクセスしたアクセス先の情報を「アクセス先情報」と表記する。第2ログイン時刻から第2ログオフ時刻までのアクセス先情報が、上述した確認対象データとなる。勤怠管理装置100に出力されるアクセス先情報には、アクセスした利用者の利用者識別情報と、アクセスされた日時の情報が付与されるものとする。
【0036】
勤怠管理装置100は、ログイン受付情報、ログオフ受付情報、アクセス先情報を基にして、各利用者識別情報の業務開始時刻を算出する装置である。勤怠管理装置100は、利用者が通常の業務終了後にアクセスした確認対象データが業務に関連するデータでない場合に、通常の業務終了時刻(第1ログオフ時刻)にインターバル期間を加算した時刻を、業務開始時刻として算出する。
【0037】
一方、勤怠管理装置100は、利用者が通常の業務終了後にアクセスした確認対象データが業務に関連するデータである場合に、最新の業務終了時刻(第2ログオフ時刻)にインターバル期間を加算した時刻を、業務開始時刻として算出する。
【0038】
勤怠管理装置100は、利用者識別情報毎の業務開始時刻の情報を、業務サーバ20に出力する。
【0039】
図3は、本実施例に係る勤怠管理装置の構成を示す機能ブロック図である。図3に示すように、この勤怠管理装置100は、通信部110と、記憶部140と、制御部150とを有する。
【0040】
通信部110は、有線または無線通信によって、業務サーバ20との間で情報の送受信を行う。たとえば、通信部110は、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。
【0041】
記憶部140は、勤怠管理テーブル141、利用者管理テーブル142、業務判定テーブル143を有する。記憶部140は、たとえば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
【0042】
勤怠管理テーブル141は、利用者識別情報毎のログイン時刻、ログオフ時刻を保持するテーブルである。図4は、勤怠管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図4に示すように、この勤怠管理テーブルは、利用者識別情報と、日付と、勤怠情報とを対応付ける。利用者識別情報は、利用者を一意に識別する情報である。日付は、利用者が業務を行った日付に対応する。勤怠情報は、該当する利用者識別情報、日付におけるログイン時刻、ログオフ時刻の情報である。また、勤怠情報は、該当するログイン時刻からログオフ時刻までに端末装置10がアクセスしたアクセス先情報を更に含んでいてもよい。
【0043】
図5は、勤怠情報のデータ構造の一例を示す図である。図5では一例として、利用者識別情報「U101」、日付「2020年7月3日」に対応する勤怠情報について説明する。図5に示すように、この勤怠情報は、ログイン時刻、ログオフ時刻、アクセス先情報、判定フラグを対応付ける。
【0044】
ログイン時刻、ログオフ時刻、ログオフ時刻、アクセス先情報に関する説明は、上記のログイン時刻、ログオフ時刻、ログオフ時刻、アクセス先情報に関する説明と同様である。判定フラグは、確認対象データが、業務に関連するデータであるか否かを示すフラグである。確認対象データが、業務に関連するデータである場合には、判定フラグは「1」となる。確認対象データが、業務に関連するデータでない場合には、判定フラグは「0」となる。
【0045】
なお、本実施例では、一例として、端末装置10が、第1ログイン時刻から第1ログオフ時刻にアクセスしたアクセス先情報に対応する判定フラグを省略し、第2ログイン時刻から第2ログオフ時刻までにアクセスしたアクセス先情報(確認対象データ、処理プログラム等)に対して、判定フラグを設定する。
【0046】
利用者管理テーブル142は、利用者に関する各種の情報を保持するテーブルである。図6は、利用者管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図6に示すように、この利用者管理テーブル142は、利用者識別情報と、氏名と、所属とを対応付ける。利用者識別情報は、利用者を一意に識別する情報である。氏名は、利用者の氏名である。所属は、利用者の所属先となる部署を示す。
【0047】
業務判定テーブル143は、確認対象データが、業務に関連するデータであるか否かを判定する場合に用いられる情報を保持する。図7は、業務判定テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図7に示すように、この業務判定テーブルは、所属と、特定情報と、業務フラグとを対応付ける。所属は、利用者の所属先となる部署を示す。
【0048】
特定情報は、確認対象データが業務に関連するデータであるか否かを判定する場合に用いられる情報である。たとえば、特定情報は、ファイル名、サイトURL、DBの情報(データの格納位置)、処理プログラム等に対応する。
【0049】
業務フラグは、特定情報に対応する確認対象データが、業務に関連するデータか否かを示す情報である。業務フラグ「1」は、特定情報に対応する確認対象データが、業務に関連するデータであることを示す。業務フラグ「0」は、特定対象に対応する確認対象データが、業務に関連するデータでないことを示す。
【0050】
たとえば、所属「A-1」の利用者の確認対象データに、ファイル名「ABC業務ファイル」が含まれている場合には、業務に関連するデータとなる。所属「A-1」の利用者の確認対象データに、ファイル名「ADD業務ファイル」が含まれている場合には、業務に関連しないデータとなる。
【0051】
所属「A-1」の利用者の確認対象データに、サイトURL「http//:ABCDEFG」が含まれている場合には、業務に関連するデータとなる。所属「A-1」の利用者の確認対象データの格納位置(業務サーバ20の格納位置)が、「computer\local1\agc」である場合には、業務に関連するデータとなる。
【0052】
なお、所属「A-1」の利用者の確認対象データであって、所属「A-1」の特定情報に対応しない確認対象データは、業務に関連しないデータとなる。なお、所属「A-1」の利用者の確認対象データであって、所属「A-1」の特定情報に対応しない確認対象データは、外部に持つ設定値(真偽値)により、業務に関係しないデータ、あるいは業務に関係するデータとする。
【0053】
たとえば、所属「A-3」の利用者の確認対象データに、処理プログラム「設計プログラム」が含まれている場合には、業務に関連するプログラムとなる。
【0054】
図3の説明に戻る。制御部150は、登録部151、判定部152、算出部153、通知部154を有する。たとえば、制御部150は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)により実現される。また、制御部150は、たとえば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実行されてもよい。
【0055】
登録部151は、業務サーバ20から、ログイン受付情報、ログオフ受付情報、アクセス先情報を受け付け、受け付けた情報を基にして、勤怠管理テーブル141に各種の情報を登録する処理部である。
【0056】
登録部151は、ログイン受付情報を受け付けた場合に、ログイン受付情報に含まれる利用者識別情報、日付に対応する勤怠管理テーブル141の勤怠情報に、ログイン時刻を登録する。登録部151は、ログオフ受付情報を受け付けた場合に、ログオフ受付情報に含まれる利用者識別情報、日付に対応する勤怠管理テーブル141の勤怠情報にログオフ時刻を登録する。
【0057】
登録部151は、アクセス先情報を受け付けた場合には、アクセス先情報に付与された利用者識別情報と、アクセスされた日時に対応するアクセス先情報の登録先を特定し、特定した登録先に、アクセス先情報を登録する。
【0058】
たとえば、登録部151は、利用者識別情報「U101」、日時「2020年7月1日、23時1分」が付与されたアクセス先情報を、勤怠管理テーブル141に登録する場合には、次のようになる。登録部151は、図4で説明した、勤怠管理テーブル141の利用者識別情報「U101」、日時「2020年7月1日」に対応する勤怠情報(図5の勤怠情報)であって、かかる勤怠情報のログイン時刻「23時」からログオフ時刻「23時10分」に、アクセス先情報を登録する。
【0059】
判定部152は、勤怠管理テーブル141に登録された確認対象データが、業務に関連するデータであるか否かを判定する処理部である。以下において、判定部152の処理の一例について説明する。
【0060】
判定部152は、勤怠管理テーブル141を参照し、判定対象となる利用者識別情報と、最新の日付に対応する勤怠情報を取得する。ここでは一例として、判定部152は、利用者識別情報「U101」の日付「2020年7月3日」の勤怠情報を用いて説明する。判定部152は、勤怠管理テーブル141から、利用者識別情報「U101」の日付「2020年7月3日」の勤怠情報において、第2ログイン時刻から第2ログオフ時刻までにアクセスさせた確認対象データを取得する。
【0061】
一方で、判定部152は、利用者識別情報「U101」と、利用者管理テーブル142とを比較して、利用者識別情報「U101」に対応する所属を特定する。判定部152は、特定した所属と、業務判定テーブル143とを比較して、所属に対応する特定情報および業務フラグを取得する。
【0062】
判定部152は、取得した確認対象データと、特定情報および業務フラグとを比較して、確認対象データが、業務に関連するデータであるか否かを判定する。たとえば、判定部152は、業務フラグ「1」の特定情報を、確認対象データが含んでいる場合には、確認対象データが、業務に関連するデータであると判定する。この場合、判定部152は、勤怠管理テーブルの確認対象データに対応する判定フラグを「1」に設定する。
【0063】
なお、判定部152は、業務フラグ「1」の特定情報を、確認対象データが含んでいる場合であっても、第2ログイン時刻から第2ログオフ時刻までの時間が、閾値時間未満の場合には、勤怠管理テーブルの確認対象データに対応する判定フラグを「0」に設定する。
【0064】
判定部152は、業務フラグ「0」の特定情報を、確認対象データが含んでいる場合には、確認対象データが、業務に関連するデータでないと判定する。この場合、判定部152は、勤怠管理テーブルの確認対象データに対応する判定フラグを「0」に設定する。
【0065】
なお、判定部152は、業務フラグ「1」または「0」の特定情報を、確認対象データが含んでいない場合には、業務に関連するデータでないと判定する。この場合、判定部152は、勤怠管理テーブルの確認対象データに対応する判定フラグを「0」に設定する。
【0066】
判定部152は、他の利用者識別情報の最新の日付に対応する勤怠情報に対しても上記処理を繰り返し実行することで、判定フラグを設定する。なお、判定部152は、勤怠情報に、確認対象データが登録されていない場合には、上記の処理をスキップする。
【0067】
算出部153は、勤怠管理テーブル141を基にして、各利用者識別情報に対応する業務開始時刻を算出する処理部である。以下において、算出部153の処理の一例について説明する。たとえば、算出部153は、あらかじめ設定される算出期間において、下記の処理を実行する。たとえば、算出期間は「0時~3時」等とするが、適宜変更してもよい。
【0068】
算出部153は、利用者識別情報を選択し、選択した利用者識別情報の最新の日付に対応する勤怠情報を特定し、特定した勤怠情報に、第2ログオフ時刻が登録されているか否かを判定する。算出部153は、第2ログオフ時刻が登録されていない場合には、第1ログオフ時刻に、インターバル期間を加算した時刻を、業務開始時刻として算出する。たとえば、インターバル期間を11時間とするが、適宜変更してもよい。
【0069】
算出部153は、特定した勤怠情報に、第2ログオフ時刻が登録されている場合には、次の処理を実行する。算出部153は、第2ログオフ時刻に対応する判定フラグが「1」となっている場合には、第2ログオフ時刻に、インターバル期間を加算した時刻を、業務開始時刻として算出する。
【0070】
一方、算出部153は、第2ログオフ時刻に対応する判定フラグが「0」となっている場合には、第1ログオフ時刻に、インターバル期間を加算した時刻を、業務開始時刻として算出する。
【0071】
算出部153は、各利用者識別情報に対して、上記処理を繰り返し実行することで、各利用者識別情報に対応する業務開始時刻を算出する。算出部153は、各利用者識別情報に対応する業務開始時刻を、通知部154に出力する。
【0072】
通知部154は、算出部153によって算出された各利用者識別情報に対応する業務開始時刻の情報を、業務サーバ20に送信する処理部である。
【0073】
次に、本実施例に係る勤怠管理装置100の処理手順の一例について説明する。図8および図9は、本実施例に係る勤怠管理装置の処理手順を示すフローチャートである。図8に示すように、勤怠管理装置100の登録部151は、業務サーバ20から、ログイン受付情報を受信する(ステップS51)。登録部151は、ログイン受付情報の利用者識別情報、日付に対応する勤怠情報にログイン時刻を登録する(ステップS52)。
【0074】
登録部151は、業務サーバ20から、アクセス先情報を受信する(ステップS53)。登録部151は、アクセス先情報に付与された、利用者識別情報、日付に対応する勤怠情報にアクセス先情報を登録する(ステップS54)。
【0075】
登録部151は、ログオフ受付情報を受信する(ステップS55)。登録部151は、ログオフ受付情報の利用者識別情報、日付に対応する勤怠情報にログオフ時刻を登録する(ステップS56)。
【0076】
登録部151は、処理を継続する場合には(ステップS57,Yes)、ステップS51に移行する。一方、登録部151は、処理を継続しない場合には(ステップS57,No)、処理を終了する。
【0077】
図9の説明に移行する。勤怠管理装置100の判定部152は、勤怠管理テーブル141を参照する(ステップS101)。判定部152は、同日において、第2ログオフ時刻があるか否かを判定する(ステップS102)。
【0078】
判定部152は、同日において、第2ログオフ時刻がない場合には(ステップS102、No)、ステップS103に移行する。勤怠管理装置100の算出部153は、第1ログオフ時刻に、インターバル期間を加算した時刻を、業務開始時間として算出(ステップS103)、ステップS110に移行する。
【0079】
一方、判定部152は、同日において、第2ログオフ時刻がある場合には(ステップS102、Yes)、ステップS104に移行する。判定部152は、確認対象データと、業務判定テーブル143とを比較する(ステップS104)。
【0080】
判定部152は、確認対象データが、業務判定テーブル143の特定情報に該当するデータであるか否かを判定する(ステップS105)。判定部152は、確認対象データが、業務判定テーブル143の特定情報に該当するデータでない場合には(ステップS105,No)、ステップS103に移行する。
【0081】
一方、判定部152は、確認対象データが、業務判定テーブル143の特定情報に該当するデータである場合には(ステップS105,Yes)、ステップS106に移行する。判定部152は、特定情報に対応する業務フラグが「1」でない場合には(ステップS106,No)、ステップS103に移行する。判定部152は、特定情報に対応する業務フラグが「1」の場合には(ステップS106,Yes)、ステップS107に移行する。
【0082】
判定部152は、第2ログイン時刻から第2ログオフ時刻までの時間を算出する(ステップS107)。判定部152は、算出した時間が閾値時間以上である場合には(ステップS108,Yes)、ステップS103に移行する。
【0083】
一方、判定部152は、算出した時間が閾値時間以上でない場合には(ステップS108,No)、第2ログオフ時刻に、インターバル期間を加算した時刻を、業務開始時刻として算出する(ステップS109)。
【0084】
勤怠管理装置100の通知部154は、利用者識別情報に対応する業務開始時刻を、業務サーバ20に通知する(ステップS110)。
【0085】
次に、本実施例に係る勤怠管理装置100の効果について説明する。勤怠管理装置100は、利用者が通常の業務終了後にアクセスした確認対象データが業務に関連するデータでない場合に、第1ログオフ時刻にインターバル期間を加算した時刻を、業務開始時刻として算出する。これによって、利用者が通常の業務を終了した後に、業務に関連のないデータアクセスを行った場合でも、最新のログオフ時刻に応じて、業務開始時刻が遅くなることを抑止でき、業務開始時刻を適切に設定することができる。
【0086】
勤怠管理装置100は、勤怠管理装置100は、利用者が通常の業務終了後にアクセスした確認対象データが業務に関連するデータである場合に、第2ログオフ時刻にインターバル期間を加算した時刻を、業務開始時刻として算出する。これによって、業務終了後に再度ログインを行って業務を行った利用者に対して、第2ログオフ時刻からインターバル期間経過後において、業務を開始することを許容することができる。
【0087】
勤怠管理装置100は、第2ログイン時刻から第2ログオフ時刻までの時間が、閾値時間よりも短い場合には、第2ログイン時刻から第2ログオフ時刻の確認対象データを、業務に関連のないデータとして特定する。これによって、わずかな時間だけ、業務に関連するデータを参照した場合でも、第1ログオフ時刻を基準としたインターバル期間後に業務を開始することができる。
【0088】
勤怠管理装置100は、利用者の所属毎に、業務に関連するデータ(特定情報)を定義し、利用者の所属に対応する特定情報を用いて、確認対象データが、業務に関連するデータであるか否かを判定する。これによって、利用者の所属に応じて、確認対象データが、業務に関連があるか否かを判定することができる。すなわち、同一のデータにアクセスした場合でも、利用者の所属に応じて、業務に関係するか否かを区別することができる。
【0089】
ところで、上記の実施例では一例として、利用者が通常の業務終了後にアクセスした確認対象データが業務に関連するデータでない場合に、第1ログオフ時刻にインターバル期間を加算した時刻を、業務開始時刻として算出していたが、これに限定されるものではない。たとえば、勤怠管理装置100は、利用者が通常の業務終了後にアクセスした「処理プログラム」が、業務に関連する処理プログラムでない場合に、第1ログオフ時刻にインターバル期間を加算した時刻を、業務開始時刻として算出してもよい。
【0090】
一方、勤怠管理装置100は、利用者が通常の業務終了後にアクセスした「処理プログラム」が、業務に関連する処理プログラム(例えば、設計プログラム)である場合には、第2ログオフ時刻に、インターバル期間を加算した時刻を、業務開始時刻として算出する。端末装置を操作する利用者は、翌日の業務開始時刻以降において、業務サーバにログインして業務を行うことが許容される。
【0091】
次に、上記実施例に示した勤怠管理装置100と同様の機能を実現するコンピュータのハードウェア構成の一例について説明する。図10は、実施例の勤怠管理装置と同様の機能を実現するコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【0092】
図10に示すように、コンピュータ200は、各種演算処理を実行するCPU201と、ユーザからのデータの入力を受け付ける入力装置202と、ディスプレイ203とを有する。また、コンピュータ200は、有線または無線ネットワークを介して、外部装置等との間でデータの授受を行う通信装置204と、インタフェース装置205とを有する。また、コンピュータ200は、各種情報を一時記憶するRAM206と、ハードディスク装置207とを有する。そして、各装置201~207は、バス208に接続される。
【0093】
ハードディスク装置207は、登録プログラム207a、判定プログラム207b、算出プログラム207c、通知プログラム207dを有する。また、CPU201は、各プログラム207a~207dを読み出してRAM206に展開する。
【0094】
登録プログラム207aは、登録プロセス206aとして機能する。判定プログラム207bは、判定プロセス206bとして機能する。算出プログラム207cは、算出プロセス206cとして機能する。通知プログラム207dは、通知プロセス206dとして機能する。
【0095】
登録プロセス206aの処理は、登録部151の処理に対応する。判定プロセス206bの処理は、判定部152の処理に対応する。算出プロセス206cの処理は、算出部153の処理に対応する。通知プロセス206dの処理は、通知部154の処理に対応する。
【0096】
なお、各プログラム207a~207dについては、必ずしも最初からハードディスク装置207に記憶させておかなくても良い。例えば、コンピュータ200に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、DVD、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」に各プログラムを記憶させておく。そして、コンピュータ200が各プログラム207a~207dを読み出して実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0097】
5 ネットワーク
10a,10b,10c 端末装置
20 業務サーバ
100 勤怠管理装置
110 通信部
140 記憶部
141 勤怠管理テーブル
142 利用者管理テーブル
143 業務判定テーブル
150 制御部
151 登録部
152 判定部
153 算出部
154 通知部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10