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特許7183254パチョロールおよびエレモールをならびに好ましくはポゴストールも産生するテルペンシンターゼ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-25
(45)【発行日】2022-12-05
(54)【発明の名称】パチョロールおよびエレモールをならびに好ましくはポゴストールも産生するテルペンシンターゼ
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/60 20060101AFI20221128BHJP
   C12N 9/88 20060101ALI20221128BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20221128BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20221128BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20221128BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20221128BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20221128BHJP
   A01H 6/82 20180101ALI20221128BHJP
   A01H 6/14 20180101ALI20221128BHJP
   A01H 6/50 20180101ALI20221128BHJP
   A01H 11/00 20060101ALI20221128BHJP
   C12P 7/02 20060101ALI20221128BHJP
   C12N 1/14 20060101ALI20221128BHJP
【FI】
C12N15/60
C12N9/88 ZNA
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
A01H6/82
A01H6/14
A01H6/50
A01H11/00
C12P7/02
C12N1/14 F
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020512424
(86)(22)【出願日】2018-09-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-28
(86)【国際出願番号】 NL2018050565
(87)【国際公開番号】W WO2019045568
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2020-06-08
(31)【優先権主張番号】2019473
(32)【優先日】2017-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】520064986
【氏名又は名称】アイソバイオニクス ベー.フェー.
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビークワイルダー,マルティネス ユリウス
(72)【発明者】
【氏名】ファン ハウウェリンゲン,アデル マルガレータ マリア リドュイナ
(72)【発明者】
【氏名】ボッシュ,ヘンドリック ヤン
(72)【発明者】
【氏名】レンゼン,ジョルジュ フリードリヒ
(72)【発明者】
【氏名】メリロ,エレナ
【審査官】加藤 幹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/141855(WO,A1)
【文献】DEGUERRY, F. et al.,Arch. Biochem. Biophys,2006年,Vol.454,pp.123-136
【文献】HATTAN, J.,Planta,2016年,Vol.243,pp.959-972
【文献】KWON, M. et al.,FEBS Lett.,2014年,Vol.588,pp.4597-4603
【文献】CHAUHAN, R.S. et al.,J. Essent. Oil Bear. Pl.,2017年08月,Vol.20, No.4,pp.1090-1096
【文献】CHATTERJEE, A. et al.,Nat. Prod. Commun.,2007年,Vol.2, No.11,pp.1163-1173
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
PubMed
UniProt/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号4で示されるアミノ酸配列を含むパチョロールシンターゼ、またはその機能的相同体であって、前記相同体は、ファルネシル二リン酸からのパチョロールの形成で触媒活性を有し、配列番号4と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むパチョロールシンターゼであり、パチョロールシンターゼは、パチョロールの形成で触媒活性を有するポリペプチドである、パチョロールシンターゼ、またはその機能的相同体。
【請求項2】
請求項1に記載のパチョロールシンターゼ、またはその機能的相同体をコードする核酸配列、またはその相補的配列を含む、核酸。
【請求項3】
前記核酸は、配列番号3もしくは配列番号5で示される核酸配列、または配列番号3もしくは配列番号5で示される配列と少なくとも90%の配列同一性を有する核酸配列、またはそれらの配列のいずれかの相補的配列を含む、請求項2に記載の核酸。
【請求項4】
請求項2または3に記載の核酸を含む発現ベクター。
【請求項5】
それ自体が非ヒト生物宿主細胞であって、請求項2または3に記載の核酸の配列を含む発現ベクターを含む、宿主細胞。
【請求項6】
非ヒト多細胞生物の一部である宿主細胞であって、請求項2または3に記載の核酸の配列を含む発現ベクターを含む、宿主細胞。
【請求項7】
前記宿主細胞は、グラム陰性細菌の群から選択される細菌細胞である、請求項5に記載の宿主細胞。
【請求項8】
前記宿主細胞は、ロドバクター、パラコッカスおよびエシェリキアの群から選択される細菌細胞である、請求項に記載の宿主細胞。
【請求項9】
前記宿主細胞は、アスペルギルス、ブラケスレア、ペニシリウム、ファフィア(キサントフィロマイセス)、ピキア、サッカロマイセス、およびヤロウイアの群から選択される真菌細胞である、請求項5又は6に記載の宿主細胞。
【請求項10】
トランスジェニック植物細胞を含むトランスジェニック植物または培養物であって、前記植物または培養物は、請求項に記載の宿主細胞を含み、前記宿主細胞は、タバコ属、ナス属、キクニガナ属、アキノノゲシ属、ハッカ属、クソニンジン属、塊茎形成植物、油料作物、液体培養植物、タバコBY2細胞、ヒメツリガネゴケおよび樹木から選択されるトランスジェニック植物のものである、トランスジェニック植物または培養物。
【請求項11】
トランスジェニックキノコ細胞を含むトランスジェニックキノコまたは培養物であって、前記キノコまたは培養物は請求項に記載の宿主細胞を含み、前記宿主細胞は、スエヒロタケ、アガリクスおよびヒラタケから選択される、トランスジェニックキノコまたは培養物。
【請求項12】
パチョロールおよびエレモールを調製する方法であって、パチョロールシンターゼの存在下でファルネシル二リン酸をパチョロールおよびエレモールに変換することを含み、パチョロールシンターゼは、配列番号4で示されるアミノ酸配列を含むパチョロールシンターゼ、またはその機能的相同体であって、前記相同体は、ファルネシル二リン酸からのパチョロールの形成で触媒活性を有し、配列番号4と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むパチョロールシンターゼであり、パチョロールシンターゼは、パチョロールの形成で触媒活性を有するポリペプチドである、方法。
【請求項13】
ポゴストールも調製される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記パチョロールおよびエレモールは、前記パチョロールシンターゼを発現する宿主細胞において調製され、前記宿主細胞は前記パチョロールシンターゼをコードする核酸配列を含む発現ベクターを含む、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記核酸は、配列番号3もしくは配列番号5で示される核酸配列、または配列番号3もしくは配列番号5で示される配列と少なくとも90%の配列同一性を有する核酸配列、またはそれらの配列のいずれかの相補的配列を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記パチョロールおよび/またはポゴストールおよび/またはエレモールを単離することをさらに含む、請求項1215のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
ポゴストールのパチョロールに対するモル比が1:5より高い、請求項1316のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
エレモールのパチョロールに対するモル比が1:10より高い、請求項1217のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
エレモールのポゴストールに対するモル比が1:2以上である、請求項1318のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
エレモールのポゴストールに対するモル比が1:3以上である、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチョロールシンターゼ、該パチョロールシンターゼをコードする核酸、該核酸を含む発現ベクター、該発現ベクターを含む宿主細胞、パチョロールおよびエレモールを、ならびに好ましくはポゴストールも調製する方法、ならびにパチョロールシンターゼを調製する方法に関する。
【0002】
多くの生物は、多様なテルペン類およびテルペノイド類を産生する能力を有する。テルペン類は、実際にはおよび概念的には2-メチルブタン残渣から形成され、通常はイソプレンの単位と呼ばれ、分子式Cを有する。イソプレン単位を自然界の一般的な基礎単位とみなすことができる。基本的なテルペン類の分子式は、その分子式(Cの倍数であり、ここで、nは結合されたイソプレン単位の数である。これはイソプレン則と呼ばれ、その結果、テルペン類はまた、イソプレノイド類とも表される。イソプレン単位は、互いに「頭部から尾部に」結合されて、直鎖を形成し、または、環を形成するように配置されてもよい。その生合成で、テルペン類は、汎用の5つの炭素前駆体のイソペンテニル二リン酸(IPP)およびその異性体のジメチルアリルジリン酸(DMAPP)から形成される。したがって、テルペン炭素骨格は、一般に、5つの炭素原子の複数倍を含む。5、10、15、20、30および40個の炭素のテルペン類が一般的であり、それらは、それぞれヘミ-、モノ-、セスキ-、ジ-、トリ-およびテトラ-テルペン類と呼ばれている。「頭部から尾部への」結合以外に、トリ-およびテトラ-結合はまた、1つの「尾部から尾部への」結合をそれらの中央に含む。テルペン類は、例えば、アルコール類およびそれらのグリコキシド類、エーテル類、アルデヒド類、ケトン類、カルボン酸類およびエステル類などのさらなる官能基を含んでもよい。これらの官能化されたテルペン類は、本明細書において、テルペノイド類と呼ばれる。テルペン類と同じように、テルペン類は、一般に、5つの炭素原子の複数倍を有する炭素骨格を有する。テルペノイドにおける総炭素数は5の倍数である必要はなく、例えば、官能基は、任意の数の炭素原子を有するアルキル基を含むエステル基であってもよいことに留意する必要がある。
【0003】
上記の定義以外に、用語「テルペン」、「テルペノイド」および「イソプレノイド」は、自由にかつ特許文献でも互換的に頻繁に使用されていることに留意することが重要である。
【0004】
パチョロールは、パチョリ(ポゴステモンカブリン)、シソ科(Lamiacase)の草本植物などの特定の植物で作られる、自然に発生するセスキテルペンアルコールである。パチョロールはパチョリ油の主成分である。パチョリ油は、ポゴステモンの乾燥した葉の水蒸気蒸留によって得られる重要な香料成分である。パチョリ油は、高級な香水、スキンクリームのような化粧品、リップスティック、パウダー、シャンプー、シェービングクリーム、ヘアオイルおよび石鹸香料に使用される重要な香気成分である。パチョリ油は、温かい、草本、樟脳および樹木と表現されてきた特徴的な匂いのプロファイルを有する。パチョロールは、パチョリ油の主成分であるだけでなく、重要な匂い成分でもある(Naf et al.Helvetica Chimica Acta 64,no.5(July 22,1981):1387-97)。しかしながら、パチョリ油は追加の成分を含んでもよく、その内の非パチョレンおよびポゴストールはパチョリの匂いプロファイルに対する重要な寄与として表現されてきた(Leffingwell et al.Chemistry Today(2006):24:36-38)。
【0005】
ポゴステモンカブリンからの単一パチョロールシンターゼが、大多数のパチョリ油の成分を製造する役割を担っていることがわかった(Deguerry et al.Archives of Biochemistry and Biophysics(2006):454:123-36)。エナンチオピュアなパチョロールへの化学的経路が使用可能である(Naf et al.Helvetica Chimica Acta 64,no.5’July 22,1981):1387-97、およびSrikrishna et al.Tetrahedron:Asymmetry(2005):16:3992-97)が、コストパフォーマンスの高いパチョロールの製造は可能でない。したがって、パチョロールは、主に、パチョリの草木の乾燥した葉の水蒸気蒸留から得られる。パチョリ油の供給は主にインドネシアから来ている。この供給は、価格、品質および利用可能性において変動が激しい。この変動は、複数の要因に起因し、それらには天候変動、売買投機、農法、生産コストの変動、生産地域の変更、および植物の病気がある(Tekriwal S(2009)Naturals in Indonesia(www.scribd.com/document/251903018/Naturals-in-Indonesia-IFEAT-Shanghai-By-Sandeep-Tekriwal))。
【0006】
パチョロールシンターゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子の組み込みによって一般に改変される微生物を利用して、パチョロールを微生物学的に調製することが提案されてきた。パチョロールシンターゼは、FPPからのパチョロールの調製のために使用され得、その変換は、孤立反応(インビトロ)として、または砂糖からのパチョロールの製造に最終的に繋がるより長い代謝経路の一部(インビボ)として、実行され得る。
【0007】
US2009/0205060は、ポゴステモンカブリンからのパチョロールシンターゼを使用してパチョロールを製造する方法について記載している。米国特許第US8,993,284号、WO2011/141855は、パチョロールおよび7-エピ-アルファ-セリネンを同時に製造するバレリアナヤタマンシからのテルペンシンターゼについて記載している。
【0008】
Firmenichは、そのCLEARWOOD(登録商標)のパチョリ油代替物を2014年に発表し、そのパチョリ油代替物は、砂糖からの発酵的製造由来であり、「天然油脂に見出された土、皮およびゴムの香りのないパチョリの軟らかく、清潔なバージョン」として(Leffingwell et al.Leffingwell Reports(2015)7:1-11)記載されている。
【0009】
パチョロールを形成するとして知られているテルペンシンターゼのみが、ポゴステモン属およびバレリアナ属において現在までに特定されてきている。しかしながら、パチョロール型セスキテルペンの一部を産生する他の植物については、記載されている(Choudhury et al.India J.Essent.Res.(1996):8,633)が、対応するシンターゼ酵素については不明である。
【0010】
現在知られているパチョロールシンターゼは、工業的パチョロール製造プロセスに適用されるときに、特に望ましくない明白な短所を有し、パチョロールは、例えば、単離されたパチョロールシンターゼまたは(透過化された)全細胞を使用する孤立反応(インビトロ)で、または、例えば、より長い代謝経路の一部である発酵プロセスで、FPPから調製される。したがって、パチョロールの調製で使用してもよい代替のパチョロールシンターゼに対する要請が存在している。特に、少なくとも選択された宿主細胞において、改善された発現を呈する代替のパチョロールシンターゼ、パチョロールシンターゼが産生された細胞において、例えば中性もしくはアルカリ性のpHでのおよび/または細胞内での少なくとも特定の条件下で、高い酵素活性を有する代替のパチョロールシンターゼ、および/または、パチョロールシンターゼが産生された細胞において、例えば略中性もしくはアルカリ性のpHでのおよび/または細胞内での少なくとも特定の条件下で、パチョロールではなくパチョロール様テルペンへのFPPの変換を触媒することに対して、ポゴステモンカブリンからのパチョロールシンターゼと比べて改善された特異性を有することが特に高い特異的な代替のパチョロールシンターゼに対する要請が存在する。
【0011】
これまで不明であった特定のポリペプチドが、パチョロールシンターゼ活性を有することと、このポリペプチドが、既知のパチョロールシンターゼに対する代替としての役割を果たす可能性のある触媒として使用され得ることとがわかった。このパチョロールシンターゼがセスキテルペンアルコールのポゴストールおよびエレモールも産生することもわかった。エレモールも合成するパチョロール合成酵素はこれまで不明であり、パチョロールおよびエレモールの併用合成について、この新規のパチョロールシンターゼは、工業的パチョロール製造プロセスのために特に有利である。エレモールは、甘い木の香りを有するとして表現されており、エレモールが豊富な精油留分(例えば、エレミ油およびシトロネラ油からの)は、固定剤、ブレンダまたは改質剤として香料に使用される(Ansari&Curtis,J.Soc.Cosmet Chem(1974):25,203-231)。
【0012】
したがって、本発明は、配列番号4に示すアミノ酸配列を含むパチョロールシンターゼ、またはその機能的相同体に関し、該機能的相同体は、配列番号4との少なくとも75%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むパチョロールシンターゼである。該相同体は、特に、配列番号4との少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%または少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むパチョロールシンターゼである。
【0013】
本発明は、本発明にしたがったパチョロールシンターゼをコードする核酸配列を含む、または該コード配列に相補的な核酸配列を含む核酸にさらに関する。特に、核酸は、配列番号3または配列番号5に示されている核酸配列、および本発明にしたがったパチョロールシンターゼをコードする他の核酸配列を含む核酸から選択されてもよく、該他の配列は、配列番号3または配列番号5に示されている核酸配列との少なくとも75%、特に少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%または少なくとも99%の配列同一性を有する核酸配列、またはそれぞれそれらに相補的な核酸を含む。本発明にしたがったパチョロールシンターゼをコードする該他の核酸配列は、本明細書では、後に機能的アナログを意味してもよい。
【0014】
本発明にしたがったパチョロールシンターゼまたは核酸は、天然化合物、またはその自然の源(例えば、スパイクナード(Nardostachys jatamansi))から単離された化合物の断片であってもよく、化学合成または酵素合成された化合物、または化合物の断片、または組換え細胞で産生される化合物または化合物の断片であってもよく、その組換え細胞にそれは存在してもよく、またはその組換え細胞からそれは単離されたものであってもよい。
【0015】
本発明は、本発明にしたがった核酸を含む発現ベクターにさらに関する。
【0016】
本発明は、本発明にしたがった、核酸好ましくは宿主細胞に対して異種の核酸を含む発現ベクターを含む、生物または多細胞生物の一部であってもよい、宿主細胞にさらに関する。宿主細胞は、好ましくは、細菌細胞、真菌細胞(酵母を含む)および植物細胞の群から選択される。
【0017】
本発明は、本発明にしたがったパチョロールシンターゼの存在下でFPPをパチョロールおよびエレモール、ならびに好ましくはポゴストールにも変換することを含む、パチョロールおよびエレモール、ならびに好ましくはポゴストールも調製する方法にさらに関する。FPPの4つの異なる幾何異性体、すなわち、2E,6E-FPP、2Z,6E-FPP、2E,6Z-FPP、および2Z,6Z-FPPが存在し得る。良好な結果が、2E,6E-FPPを用いて得られたが、原理的には、いずれのFPPの他の異性体も、本発明にしたがった酵素に好適な基質であってもよい。
【0018】
本発明は、パチョロールシンターゼの産生に寄与する条件下で本発明にしたがった宿主細胞を培養することと、任意に、宿主細胞からパチョロールシンターゼを回収することと、を含む、本発明にしたがったパチョロールシンターゼを産生する方法にさらに関する。
【0019】
本発明にしたがったパチョロールシンターゼは、驚くべきことに、パチョロールおよびエレモールを産生することがわかった。本発明以前には、パチョロールおよびエレモールの両方を産生するのに利用可能なテルペンシンターゼは存在しなかった。さらに、本発明にしたがったパチョロールシンターゼはポゴストールを産生する。したがって、本発明にしたがったパチョロールシンターゼは、例えば、ポゴステモンカブリンからのパチョロールシンターゼに比べて、特に、パチョロールおよびエレモール、ならびに好ましくはポゴストールも、遺伝子組換え宿主細胞における細胞内で合成されて、それぞれ本発明にしたがったパチョロールシンターゼおよびポゴステモンカブリンパチョロールシンターゼを産生するインビトロアッセイでまたは方法において中性pHまたは中性pH付近で、良好なプロダクトスペクトルを有する。したがって、好ましくは、本発明にしたがったパチョロールシンターゼは、1:5~1:9、好ましくは1:6~1:8、より好ましくは約1:6.5~1:7.5、最も好ましくは約1:6.9のパチョロールに対するエレモールの比を好ましくは有するパチョロールおよびエレモールを産生する。
【0020】
好ましくは、本発明にしたがったパチョロールシンターゼはまた、1:4~1:7、好ましくは1:4.5~1:65、より好ましくは1:5~1.6、最も好ましくは約1:5.6のパチョロールに対するポゴストールの比を好ましくは有するポゴストールを産生する。より好ましくは、ポゴストールに対するエレモールの比は、1:0.7~1:2.25、好ましくは1:0.9~1:1.75、より好ましくは1:1.1~1:1.5、最も好ましくは約1:1.3である。
【0021】
本発明によると、パチョロールシンターゼに異なる生物での歩留まりよい発現をさせることが可能であることがわかった。例えば、パチョロールシンターゼは、大腸菌、ロドバクターセファロイデスおよび植物のニコチアナベンタミアーナで良好に発現されることがわかった。
【0022】
したがって、有利な実施形態では、本発明は、パチョロールシンターゼの触媒作用に対して改善される特異性および、パチョロールおよびエレモールについての改善された産生速度を有するパチョロールシンターゼ、ならびに好ましくは、パチョロールおよびエレモールを調製する方法で使用されるときのポゴストールも、ならびに好ましくは、特にポゴステモンカブリンからのパチョロールシンターゼまたは本明細書で引用されている先行技術にしたがった別のパチョロールシンターゼに対比されるポゴストールも、提供する。
【0023】
好ましい実施形態では、本発明にしたがったパチョロールおよびエレモールが、ならびに好ましくはポゴストールも提供され、パチョロールおよびエレモールが、ならびに好ましくはポゴストールも、本発明にしたがって、該パチョロールシンターゼを発現する、宿主細胞、植物もしくは植物培養物、またはキノコもしくはキノコ培養物で調製される。好ましくは、パチョロールおよびエレモールを、ならびに好ましくは本発明にしたがったパチョロールも調製する方法は、該宿主細胞、植物もしくは植物培養物、またはキノコもしくはキノコ培養物からパチョロール、ポゴストールおよび/またはエレモールを単離することをさらに含む。好ましくは、本発明にしたがったパチョロールを調製する方法は、1:4~1:7、好ましくは1:4.5~1:6.5、より好ましくは1:5~1:6、最も好ましくは約1:5.6のパチョロールに対するポゴストールの比を、1:5~1:9、好ましくは1:6~1:8、より好ましくは1:6.5~1:7.5、最も好ましくは約1:6.9のパチョロールに対するエレモールの比、および/または1:0.7~1:2.25、好ましくは1:0.9~1:1.75、より好ましくは1:1.1~1:1.5、最も好ましくは約1:1.3のポゴストールに対するエレモールの比をもたらす。
【0024】
理論に束縛されることなく、中性または弱アルカリ性pHでのパチョロール合成の触媒作用に対する高い特異性は、特に、各種宿主は7.0~8.5のpHなどの細胞内の中性または弱アクアルカリ性のpHを有すると考えられるために、パチョロールが細胞内で調製される方法について望ましいと考えられる(細菌の細胞内のpHについては、例えば、Booth,Microbiological Reviews(1985)49:359-378を参照されたい)。例えば、大腸菌細胞が5.5~8.0のpH範囲に曝されたとき、細胞内のpHは7.1~7.9になった(Olsen et al.,Appl.Environ.Microbiol.(2002)68:4145-4147)。これは、細胞内においても、本発明にしたがったパチョロールシンターゼのパチョロールの合成に対する改善された特異性を説明し得る。
【0025】
本明細書で使用される用語「または」は、特に指定がない限り、「および/または」とする。
【0026】
本明細書で使用される用語「a(不定冠詞)」または「an(不定冠詞)」は、特に指定がない限り、「少なくとも1つ」とする。
【0027】
単数形で名詞(例えば、化合物、添加剤など)を指し示すとき、複数形が含まれるように意味するものとする。
【0028】
本明細書で互換的に使用されている用語ファルネシル二リン酸およびファルネシルピロリン酸(両者ともにFPPと略される)は、化合物3,7,11-トリメチル-2,6,10-ドデカトリエン-1-イルピロリン酸塩を意味し、その化合物のすべての既知の異性体を含む。
【0029】
本明細書で使用されている組換え細胞、ベクター、核酸などに関連する用語「組換え(の)」は、その細胞、ベクター、核酸などで天然に存在しない、および/または、その同じ場所に天然に存在しない核酸を含む細胞、ベクター、核酸などを指す。一般に、該核酸は、組換えDNA技術を使用してその株(細胞)に導入されてきた。
【0030】
核酸(DNAまたはRNA)またはタンパク質に関して使用されるときの用語「異種」は、その中に存在する生物、細胞、ゲノムまたはDNAもしくはRNA配列の一部として天然に存在しない、またはそれが自然界で認められるものとは異なる細胞、ゲノムにおける場所またはDNAもしくはRNA配列で見出される核酸またはタンパク質を指す。異種核酸またはタンパク質は、それらが導入される細胞に対して内因性でないが、別の細胞から得られ、または合成的にもしくは組換え的に産生される。一般に、常にとは限らないが、そのような核酸は、DNAが発現される細胞によって正常に産生されないタンパク質をコードする。
【0031】
特定の宿主細胞に対して内生的であるが、例えば、DNAシャフリングを介してその自然の形態から改質された遺伝子も、「異種」と呼ばれている。用語「異種」はまた、自然に存在するDNA配列の自然に存在しない複数のコピーを含む。したがって、用語「異種」は、細胞に対して外来または異種である、細胞に対して相同的であるが、DNA断片が通常認められない宿主細胞核酸内の位置にあるおよび/または数であるDNA断片をいう。外因性DNA断片が発現されて、外因性ポリペプチドを生じる。「相同的」DNA断片は、それが導入される宿主細胞に自然に関連付けられるDNA断片である。
【0032】
それが発現される細胞に対して異種または外来として当業者が認識するいずれの核酸またはタンパク質も、本明細書では、用語異種核酸またはタンパク質に包含される。
【0033】
タンパク質またはポリペプチドに関して本明細書で使用されている用語「変異した」または「変異」は、野生型のまたは天然に存在するタンパク質またはポリペプチド配列における少なくとも1つのアミノ酸が、異なるアミノ酸に置換され、または除去され、またはそれらのアミノ酸をコードする核酸の突然変異誘発を介して断片に挿入されることを意味する。突然変異誘発は、当該技術分野では周知の方法であり、例えば、PCRによる、またはSambrook,J.,and Russell,D.W.Molecular Cloning:A Laboratory Manual.3d ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY,(2001)に記載されているオリゴヌクレオチド媒介突然変異誘発を介する部位特異的突然変異誘発を含む。遺伝子に関連して本明細書で使用される用語「変異する」または「変異」は、その遺伝子のヌクレオチド配列または遺伝子の調節配列における少なくとも1つのヌクレオチドが、異なるヌクレオチドに置換され、または突然変異誘発を介して配列から除去されもしくは配列に挿入されることを意味する。
【0034】
用語「オープンリーディングフレーム」および「ORF」は、コード配列の翻訳開始コドンと終止コドンとの間でコードされるアミノ酸配列を指す。用語「開始コドン」および「終止コドン」は、タンパク質合成(mRNA翻訳)のそれぞれの開始および連鎖終止を特定するコード配列における3つの隣接するヌクレオチドの単位(「コドン」)を指す。
【0035】
用語「遺伝子」は、生体機能に関連する核酸のいずれかの断片を指すのに広く使用されている。したがって、遺伝子は、コード配列および/またはそれらの発現に必要な調節配列を含む。例えば、遺伝子は、mRNAもしくは機能的RNAを発現し、または特定のタンパク質をコードし、および調節配列を含む核酸断片を指す。遺伝子はまた、例えば、他のタンパク質についての確認配列を形成する非発現DNA断片を含む。遺伝子は、対象のソースからのクローニング、または既知のまたは予測される配列情報からの合成を含む様々なソースから得られ、所望のパラメータを有するように設計された配列を含んでもよい。
【0036】
用語「キメラ遺伝子」は、1)自然界で共に認識されない調節配列およびコード配列を含むDNA配列、または2)天然では隣接されないタンパク質の一部をコードする配列、または3)天然では隣接されないプロモーターの一部を含む任意の遺伝子を指す。したがって、キメラ遺伝子は、異なるソース由来の調節配列およびコード配列を含み、同じソース由来であるが、自然界で認識されるものとは異なる様式で配列された調節配列およびコード配列を含んでもよい。
【0037】
本明細書で使用されるトランスジェニック細胞または生物についての用語「トランスジェニック」は、組換えDNA技術を使用して、その生物または細胞に天然に存在しない、および核酸がその生物または細胞に導入された(すなわち、細胞が単離された生物もしくは細胞自体に、または生物の祖先もしくは生物の先祖の生物に導入された)核酸を含む生物または細胞(その細胞は、それが単離されなかった生物または多細胞生物の細胞であってもよい)を指す。
【0038】
「導入遺伝子」は、形質転換によりゲノムに導入され、好ましくは安定して維持される遺伝子を指す。導入遺伝子は、例えば、転換される特定の植物の遺伝子に対して異種または同種である遺伝子を含んでもよい。さらに、導入遺伝子は、非天然の生物に導入される天然遺伝子またはキメラ遺伝子を含んでもよい。用語「内在性遺伝子」は、生物のゲノムの天然位置におけるネイティブ遺伝子を指す。「外来」遺伝子は、宿主生物においては通常見られないが、遺伝子導入によって導入される遺伝子を指す。
【0039】
本明細書で使用されている「形質転換」および「形質転換する」は、挿入、例えば、直接的な取り込み、伝達、接合、f-交配またはエレクトロポレーションのために使用される方法に拘わらず、異種ヌクレオチド配列の宿主細胞への導入を指す。外来性のポリヌクレオチドは、非統合ベクター、例えば、プラスミドとして維持されてもよく、または、宿主細胞ゲノムに統合されてもよい。
【0040】
「コード配列」は、特定のアミノ酸配列についてコードし、かつ非コード配列を除去するDNAまたはRNA配列を指す。それは、すなわち、cDNAなどでイントロンが欠如した「無中断コード配列」を構成してもよく、または、それは、適切なスプライス接合により結合された1つ以上のイントロンを含んでもよい。「イントロン」は、一次転写物に含まれるが、細胞内でRNAの切断および再連結を介して除去されて、タンパク質に翻訳され得る成熟mRNAを生成するRNAの配列である。
【0041】
「調節配列」は、コード配列の上流(5’非コード配列)、中流または下流(3’非コード配列)に位置し、関連コード配列の転写、RNA処理および安定性、または翻訳に影響するヌクレオチド配列を指す。調節配列は、エンハンサー、プロモーター、翻訳リーダー配列、イントロン、およびポリアデニレーションシグナル配列を含む。それらは、天然および合成配列、ならびに合成および天然配列の組み合わせであってもよい配列を含む。上記のように、用語「適切な調節配列」はプロモーターに限定されない。
【0042】
調節配列の例として、プロモーター(転写プロモーター、構成型プロモーター、誘導性プロモーター)、オペレーター、またはエンハンサー、mRNAリボゾーム結合部位、転写および翻訳開始および終止を制御する適切な配列が挙げられる。核酸配列は、調節配列が本発明のcDNA配列に機能的に関連するときに、「操作可能に結合される」。
【0043】
結合配列の各々は、異種および同種調節配列から独立して選択される。
【0044】
「プロモーター」は、RNAポリメラーゼについての認識および適切な転写に必要な他の因子を提供することにより該コード配列の発現を制御する、そのコード配列に対して通常上流(5’)のヌクレオチド配列を指す。「プロモーター」は、調節エレメントが発現の制御のために加えられる、TATAボックスおよび転写開始の部位を特定する役割を果たす他の配列からなる短DNA配列である最小プロモーターを含む。「プロモーター」はまた、コード配列または機能的RNAの発現を制御することができる最小プロモーターと調節エレメントとを含むヌクレオチド配列を指す。この型のプロモーター配列は、近位の上流エレメントおよびより遠位の上流エレメントからなり、後者のエレメントはしばしば、エンハンサーと呼ばれる。したがって、「エンハンサー」は、プロモーター活性を刺激することができ、プロモーターの先天的エレメントまたはプロモーターのレベルもしくは組織特異性を高めるために挿入される異種エレメントであってもよいDNA配列である。それは、両方の配向(通常または逆)に操作することができ、プロモーターから上流または下流に移動されるときにさえ、機能することができる。両方のエンハンサーおよび他の上流プロモーターエレメントは、それらの効果を媒介する配列特異DNA結合タンパク質と結合する。プロモーターは、ネイティブ遺伝子からそれら全体に誘導され、または、自然界に存在する異なるプロモーターから誘導される異なるエレメントからなってもよく、または合成DNA断片から構成されてもよい。プロモーターはまた、生理的または発生条件に応じて転写開始の効果を制御するタンパク質因子の結合に含まれるDNA配列を含んでもよい。
【0045】
本明細書で使用されている用語「核酸」は、一本鎖または二本鎖の形態のデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドポリマー、すなわち、ポリヌクレオチドへの言及を含み、別段の限定がない限り、天然に存在するヌクレオチド(例えば、ペプチド核酸)と同様にそれらが一本鎖核酸にハイブリダイズする点で、天然のヌクレオチドの必須の性質を有する既知の類似体を包含する。ポリヌクレオチドは、ネイティブまたは異種構造もしくは調節遺伝子の全長またはサブ配列であり得る。別段の定めがない限り、その用語は、特定の配列およびその相補的配列への言及を含む。したがって、安全性または他の理由のために改変された主鎖を有するDNAまたはRNAは、その用語が本明細書で意図されているように、「ポリヌクレオチド」である。さらに、イノシンなどの異常な塩基またはトリチル化された塩基などの修飾塩基を含むDNAまたはRNAは、まさに2つの例を命名して、その用語が本明細書で使用されているように、「ポリヌクレオチド」である。当業者に周知の多くの有用な目的に役立つ、様々な修飾がDNAおよびRNAに対してなされてきたことが理解されるであろう。本明細書で使用されている用語「ポリヌクレオチド」は、そのような化学的に、酵素的にまたは代謝的に修飾されたポリヌクレオチドの形態、ならびに、特に、簡単なおよび複雑な細胞を含むウイルスおよび細胞のDNAおよびRNA特性の化学的形態を包含する。
【0046】
遺伝子コードを参照して、ポリペプチドもコードする本明細書におけるすべての核酸配列は、核酸のすべての可能な暗黙の変化を表現している。用語「保存的に修飾された変異体」は、両方のアミノ酸および核酸配列に適用される。特定の核酸配列に関して、用語「保存的に修飾された変異体」は、遺伝子コードの縮退のためにアミノ酸配列の同一のまたは保存的に修飾された変異体をコードするそれらの核酸を指す。用語遺伝子コードの「縮退」は、数多くの機能的に同一の核酸がいずれかの所与のタンパク質をコードすることを指す。例えば、コドンGCA、GCC、GCGおよびGCUのすべてがアミノ酸アラニンをコードする。したがって、アラニンがコドンにより特定化されたすべての位置で、コドンは、コードされたポリペプチドを変異することなく、表現された対応するコドンのいずれかに変異され得る。そのような核酸変異は「暗黙の変異」であり、保存的に修飾された変異体の1つの種を示す。用語「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」は、本明細書では互換的に使用されていて、アミノ酸残渣のポリマーを指す。それらの用語は、1つ以上のアミノ酸残渣が対応する天然に存在するアミノ酸の人工的化学類縁体であるアミノ酸ポリマー、および天然に存在するアミノ酸ポリマーに適用される。そのような天然に存在するアミノ酸の類縁体の必須の性質は、タンパク質に組み込まれるときに、そのタンパク質は、同じタンパク質に対して引き出される抗体と特異的に反応するが、天然に存在するアミノ酸から全部が構成されることである。用語「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」はまた、糖化、脂質取り付け、硫酸化、グルタミン酸残渣のガンマカルボキシル化、水酸化およびADPリボシル化を含む修飾を含むが、それらに限定されるものではない。
【0047】
本明細書のコンテキスト内で、オリゴマー(オリゴヌクレオチド、オリゴペプチドなど)はポリマーの群の種とみなされる。オリゴマーは比較的少ない数の単量体単位、一般に、2~100個、特に、6~100個を有する。
【0048】
本明細書で使用されている「発現かセット」は、終止シグナルに操作可能に結合されたヌクレオチド配列に操作可能に結合されたプロモーターを含む、適切な宿主細胞における特定のヌクレオチド配列の発現を指示することができるDNA配列を意味する。それは、典型的には、ヌクレオチド配列の適切な翻訳のために必要な配列も含む。コード領域は、通常、対象のタンパク質についてコードするが、センス方向またはアンチセンス方向に対象の機能的RNA、例えば、アンチセンスRNAまたは非翻訳RNAについてもコードしてもよい。対象のヌクレオチド配列を含む発現カセットは、その成分の少なくとも1つがその他の成分の少なくとも1つに対して異種であることを意味するキメラであってもよい。発現カセットはまた、天然に存在するが、異種発現に有用である組換え形態で得られたものであってもよい。発現カセットにおけるヌクレオチド配列の発現は、構成型プロモーター、または宿主細胞が一部の特定の外部刺激に曝されたときにのみ転写を開始する誘導性プロモーターの制御下にあってもよい。多細胞生物の場合、プロモーターはまた、特定の組織もしくは器官または発生の段階に対して特異的であり得る。
【0049】
本明細書で使用されている用語「ベクター」は、標的細胞の形質転換を指示するように設計された遺伝物質からなる構造体を指す。ベクターは、位置的にかつ配列的に配向され、すなわち、核酸カセットにおける核酸が転写され、かつ、必要に応じて、形質転換細胞に翻訳され得るような他の必要なエレメントと操作可能に結合された複数の遺伝子エレメントを含む。
【0050】
特に、ベクターは、ウイルスベクター、(バクテリオ)ファージ、コスミドまたはプラスミドの群から選択されてもよい。ベクターはまた、酵母人工染色体(YAC)、バクテリア人工染色体(BAC)またはアグロバクテリウムバイナリーベクターであってもよい。ベクターは、自己伝達性もしくは可動性であってもよくまたはそうでなくてもよい、および細胞ゲノムへの統合により原核または真核宿主に形質転換し、または染色体外に存在する(例えば、複製の起点を有する自律複製プラスミド)ことができる2本鎖もしくは1本鎖直鎖状または環状形態にあってもよい。具体的には、放線菌および関連種、細菌および真核生物(例えば、高等植物、哺乳動物、酵母または真菌細胞)から選択されてもよい、2つの異なる宿主生物の複製が天然でまたは設計により可能であるDNAビヒクルを意味するシャトルベクターが含まれる。好ましくは、ベクターにおける核酸は、適切なプロモーター、または、微生物、例えば、細菌、または植物細胞などの宿主細胞における転写のための調節エレメントの制御下にあり、かつそれに操作可能に結合される。ベクターは、複数の宿主において機能する二機能性発現ベクターであってもよい。ゲノムDNAの場合、これは、それ自身のプロモーターまたは他の調節エレメントを含んでもよく、cDNAの場合、これは、適切なプロモーター、または宿主細胞における発現のための他の調節エレメントの制御下にあってもよい。
【0051】
本発明にしたがったポリ核酸を含むベクターは、それ自体が当該技術分野で周知の方法に基づいて調製され得る。例えば、転写または翻訳調節核酸などの適切な調節エレメントに操作可能に結合される本発明にしたがったポリペプチドをコードするcDNA配列がつくられ得る。
【0052】
本明細書で使用されている用語「ベクター」は、標準的なクローニングワークのベクター(「クローニングベクター」)、ならびに(常染色体)発現ベクターおよび宿主細胞の染色体への統合のために使用されるクローニングベクターのようなより特殊なタイプのベクターへの言及を含む。
【0053】
「クローニングベクター」は、典型的には、外来DNA配列がベクターの重要な生物学的機能の損失なしに判定可能な様式で挿入することができる1つまたは複数の制限エンドヌクレアーゼ認識部位と、クローニングベクターにより形質転換される細胞の識別および選択での使用に適するマーカー遺伝子とを含む。
【0054】
用語「発現ベクター」は、その転写を提供する追加的核酸断片(すなわち、操作可能に結合される)の制御下で対象のポリペプチドをコードする断片を含む直鎖状または環状のDNA分子を指す。そのような付加的断片は、プロモーターおよびターミネーター配列を含んでもよく、1つ以上の複製の起点、1つ以上の選択可能マーカー、エンハンサー、ポリアデニレーションシグナルなどを任意に含んでもよい。発現ベクターは、一般に、プラスミドまたはウイルスDNAに由来し、または両者のエレメントを含んでもよい。特に、発現ベクターは、5’から3’への方向に、かつ操作可能に結合されて、(a)宿主生物によって認識される転写および翻訳開始領域と、(b)対象のポリペプチドについてのコード配列と、(c)宿主生物によって認識される転写および翻訳終止領域と、を含む、ヌクレオチド配列を含む。「プラスミド」は、微生物のゲノムに統合されず、自然界で通常環状である染色体外DNAを自律複製することを指す。
【0055】
「統合ベクター」は、微生物のゲノムに組み込まれ得、対象のポリペプチドをコードする遺伝子の安定した遺伝を提供する直鎖状または環状のDNA配列を指す。統合ベクターは、一般に、その転写を提供する追加の核酸断片(すなわち、操作可能に結合された)の制御下で対象のポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む1つ以上の断片を含む。そのような追加の断片は、プロモーターおよびターミネーター断片と、通常、相同組換えの処理によって標的細胞のゲノムへの対象の遺伝子の組み込みを推し進める1つ以上の断片とを含んでもよい。典型的には、統合ベクトルは、標的細胞に導入することができるが、その生物では日機能的であるレプリコンを有するものである。対象の遺伝子を含む断片の統合は、適切なマーカーがその断片内に含まれている場合に、選択されてもよい。
【0056】
本明細書で使用される場合、用語「操作可能に連結される」または「作動的に連結される」は、そのように記載された成分がそれらの意図された様式でそれらを機能させる関係にある並置を指す。別の制御配列におよび/またはコード配列に「操作可能に連結される」制御配列は、コード配列の転写および/または発現が制御配列に対応した条件下で実現されるように、結紮される。一般に、連結されている核酸配列は隣接していて、2つのタンパク質コード領域を連結する必要がある場合には、隣接しかつ同じリーディングフレーム内にある。
【0057】
用語「パチョロールシンターゼ」は、本明細書では、パチョロール、特にまた、ファルネシル二リン酸からのエレモールまたはポゴストールのようなパチョロール様テルペンの形成で触媒活性を有するポリペプチド、およびそのようなポリペプチドを含む他の部位について使用されている。そのような他の部位の例としては、1つ以上の他のポリペプチドを有する該ポリペプチドの錯体、ペプチドまたはタンパク質タグ配列に融合されたパチョロールシンターゼポリペプチドを含む融合タンパク質、該ポリペプチドの他の錯体(例えば、金属タンパク質錯体)、該ポリペプチドおよび別の有機部位を含む高分子化合物、支持材料に結合された該ポリペプチドなどが挙げられる。パチョロールシンターゼは、自然環境中で、すなわち、それを産生する細胞によりそれが分泌される培地で提供され得る。それはまた、ポリペプチドを産生した源から離れて供給され得、担体への付着によって操作され、標識部位で標識化されるなどされ得る。
【0058】
本明細書で使用される場合、配列の用語「機能的相同体」、または短くは「相同体」は、1つ以上のアミノ酸が置換、欠落、付加および/または挿入され、ならびに、「機能的相同体」が酵素、すなわち、ファルネシル二リン酸からパチョロールの形成で触媒活性を有する配列番号4を有する配列の相同体について使用される場合に、ポリペプチドは基質変換について同じ酵素機能性を(質的に)有することを条件として、該特定の配列を含むポリペプチドを指す。実施例では、ポリペプチドまたはポリペプチドを含む部位がパチョロールシンターゼであるかどうかを確認するのに適切な試験(「パチョロールシンターゼ活性試験」)が記載されている。さらに、当業者は、本発明によって包含される等価のヌクレオチド配列はまた、特許請求の範囲におけるヌクレオチド配列に、低位の、中位のおよび/またはストリンジェントな条件下で、ハイブリダイズするそれらの能力により規定され得ることを認識する。
【0059】
本発明にしたがった配列番号4に対する好ましい相同体は、1:4~1:7、好ましくは1:4.5~1:65、より好ましくは1:5~1:6、最も好ましくは約1:5.6のパチョロールに対するポゴストールのモル比、1:5~1:9、好ましくは1:6~1:8、より好ましくは1:6.5~1:7.5、最も好ましくは約1:6.9のパチョロールに対するエレモールのモル比、および/または1:0.7~1:2.25、好ましくは1:0.9~1:1.75、より好ましくは1:1.1~1:1.5、最も好ましくは約1:1.3のポゴストールに対するポゴストールのモル比として発現される、パチョロール形成の触媒に対する特異性を有する。
【0060】
配列同一性または類似性は、本明細書では、それらの配列を比較することによって決定される2つ以上のポリペプチド配列または2つ以上の核酸配列間の関係として定義されている。通常、配列同一性または類似性は、配列の全長に亘って比較されるが、しかしながら、互いに位置が合っている配列の一部のみについて比較されてもよい。当該技術分野において、「同一性」または「類似性」はまた、場合によって、そのような配列間の一致度によって決定されるポリペプチド配列または核酸配列間の配列関連性の度合いを意味する。本明細書で使用されている配列同一性は、例えば、欧州バイオインフォマティクス研究所のサーバ(www.ebi.ac.uk/Tools/emboss/align/)において、EMBOSS Pairwise Alignment Algoritm”Needle”により決定される値である。アミノ酸配列のアライメントについてのデフォルトのパラメータは、Matrix=Blosum62;Open Gap Penalty=10.0;Gap Extension Penalty=0.5である。核酸配列のアライメントについてのデフォルトのパラメータは、Matrix=DNAfull;Open Gap Penalty=10.0;Gap Extension Penalty=0.5である。
【0061】
現在の配列番号4にしたがったパチョロールシンターゼまたは配列番号3もしくは配列番号5にしたがった核酸と該パチョロールシンターゼの機能的相同体との間の不一致は、特に、例えば、分子進化または合理的設計などの当業者に知られている生物学的技術によって、または、当該技術分野で知られている変異原性技術を使用することによって、パチョロールシンターゼまたはポリ核酸(例えば、改善された発現)の特性を改善するように実行される修飾の結果であってもよい。パチョロールシンターゼのアミノ酸配列またはコード核酸配列は、1つ以上の天然に存在する変異の結果として、配列番号4および配列番号3または配列番号5に比較して改変されてもよい。そのような天然の修飾/変異の例は、糖化における差(より広くは「翻訳後修飾」と定義されている)、選択的スプライシングのための差、および一核酸多型(SNP)である。核酸は、それが少なくとも1つのアミノ酸によって配列番号4のポリペプチドとは異なるポリペプチドをコードするように修飾されてもよく、ゆえに、それは、ポリペプチドが配列番号4のパチョロールシンターゼ活性と同じものを実質的に有する、配列番号4に比べて1つ以上のアミノ酸置換、欠落および/または挿入を含むポリペプチドをコードする。さらに、例えば、WO2008/000632に記載されている方法に基づく、またはDNA2.0、Geneart、およびGenScriptのような商業的DNA合成企業により提供されている、コドン最適化またはコドン対最適化が使用されてもよい。一コドン最適化配列の例は配列番号5である。
【0062】
本発明のポリペプチドには本来関連しない適切なシグナルペプチドをコードする1つ以上の配列は(発現)ベクターに組み込まれ得る。例えば、シグナルペプチドリーダーについてのDNA配列は、本発明のポリペプチドがシグナルペプチドを含む融合タンパク質として最初に翻訳されるように、本発明の核酸配列をインフレーム融合され得る。シグナルペプチドの性質に応じて、発現されるポリペプチドは別々に標的化されるであろう。意図された宿主細胞において機能的な分泌シグナルペプチドは、例えば、発現されるポリペプチドの細胞外分泌を向上させる。他のシグナルペプチドは、発現されるポリペプチドを、葉緑体、ミトコンドリアおよびペルオキシソームのような特定のオルガネラに方向付ける。シグナルペプチドは、意図されたオルガネラへの輸送時のポリペプチドから、または細胞から開裂され得る。配列番号4にしたがったポリペプチドまたはその相同体のアミノまたはカルボキシル末端で付加ペプチド配列の融合を提供することが可能である。
【0063】
上記のように、本発明はさらに、本発明にしたがったベクターを含む宿主細胞に関する。「宿主細胞」は、ベクターを含み、かつベクターの複製および/または発現を支持する細胞を意味する。
【0064】
本発明の核酸は、本発明の宿主細胞に対して異種である。宿主細胞は、原核細胞、真核細胞または古細菌のメンバーからの細胞であってもよい。宿主細胞は、任意の生物、特に、任意の非ヒト生物由来であってもよい。特に、宿主細胞は、細菌細胞、真菌細胞、古細菌、原生生物、植物細胞(藻を含む)、動物由来の細胞(特に、該動物から単離された)から選択されてもよい。宿主細胞は、ヒト以外の多細胞生物、または酵素が天然由来である生物の一部(配列番号4のパチョロールシンターゼの場合のナルドスタキス属のジャタマンシィなど)を構成してもよい。特定の実施形態では、本発明の宿主細胞は、多細胞生物由来であるが、それから単離される細胞の培養物におけるものである。
【0065】
一般に、普遍イソプレノイド構成単位であるC5プレニルジホスファターゼイソペンテニル二リン酸(IPP)およびジメチルアリル二リン酸(DMAPP)の産生を可能にするメバロン酸経路または別の代謝経路(デオキシキシルロース-5-リン酸(DXP)経路など)の反応ステップを触媒するための酵素を発現するための遺伝子を含む単離される細胞である。いままで知られているように、特定の細胞がノックアウトされていない場合、すべての既知の生物はそのような経路を含む。一般に、真核生物は、メバロン酸経路を介してIPPを自然に調製することができる。次いで、このIPPは、酵素のイソペンテニル二リン酸異性化酵素(Idi)の作用によってDMAPPに異性化される。5:1の比でIPPおよびDMAPPを付与しているDXP経路は、原核生物に共通であるが、複数の原核生物は、メバロン酸経路を介してIPPを自然に調製することができる。これらの経路について、当該技術分野で周知であり、例えば、Appl.Microbiol.Biotechnol.(2007)73:980-990にWithersおよびKeaslingにより記載されている。これらの経路の遺伝子は各々、独立して細胞に対して相同的または異種的であってもよい。
【0066】
さらに、宿主細胞は、内因的にまたは異種源から、より長いプレニル二リン酸塩を産生するC5プレニル二リン酸塩の頭-尾縮合を触媒するプレニルトランスフェラーゼ活性によって酵素を発現するための1つ以上の遺伝子を含むであろう。例えば、普遍的なセスキテルペン前駆体のファルネシルピロリン酸(FPP)は、DMAPP1モルに対するIPP2モルの連続的な頭-尾付加を介するこれらの酵素の作用により形成される。
【0067】
実施形態では、宿主細胞は細菌である。細菌はグラム陽性またはグラム陰性であってもよい。グラム陽性細菌は、バシラス属、ラクトバシラス属、およびコリネバクテリウム属から、特に、枯草菌、ラクトバチルスカゼイ、およびコリネバクテリウムグルタミクムの種から選択されてもよい。
【0068】
好ましい実施形態では、細菌は、グラム陰性細菌から、特には、ロドバクター、パラコッカスおよびエシェリキアの群から、より特には、ロドバクターカプスラータ、ロドバクタースフェロイデス、パラコッカスカロチニファシエンス、パラコッカスゼアキサンチンファシエンスおよび大腸菌の群から選択される。ロドバクタースフェロイデスは、IPPおよびDMAPPの細胞内産生を可能にするDXP経路における様々な反応ステップを触媒する酵素を発現するために必要なすべての遺伝子を天然に含む生物の例であり、特に好ましい。
【0069】
好ましい実施形態では、宿主細胞は、真菌細胞であり、特には、アスペルギルス、ブラケスレア、ペニシリウム、ファフィア(キサントフィロミセス)、ピキア、サッカロマイセスおよびヤロウイアの群から選択される真菌細胞であり、より特には、偽巣性コウジ菌、クロコウジカビ、ニホンコウジカビ、ブラケスラトリスポラ、ペニシリウムクリソゲナム、ファフィアロドジマ(キサントフィロミセスデンドロロウス)、ピキアパストリスおよびヤロウイアリポリティカの群から選択される。
【0070】
植物細胞、および昆虫細胞、またはマウス、ラットもしくはヒトからの細胞などの動物細胞などのより高等な真核生物由来の細胞において本発明の核酸を発現することも可能である。該細胞は、細胞または組織培養物において維持され、パチョロールシンターゼのインビトロ産生のために使用され得る。
【0071】
本発明にしたがった宿主細胞を含む多細胞生物は、特に、多細胞植物およびキノコの群(担子菌類)から選択されてもよい。
【0072】
したがって、特定の実施形態では、本発明は、本発明にしたがったトランスジェニック植物またはトランスジェニック植物細胞を含む植物細胞もしくは組織培養物、該植物または植物宿主細胞の培養物に関する。トランスジェニック植物細胞のトランスジェニック植物または培養物は、特に、タバコ、ナス、キクニガナ、レタス、ミント、クソニンジン、塊茎形成植物(キクイモ、キャッサバおよびビート)、油脂作物(アブラナ、アブラヤシ(油ヤシの木)、ヒマワリ、ダイズおよびラッカセイ)、液体培養植物(アオウキクサ、タバコBY2細胞およびヒメツリガネゴケ)、樹木(マツおよびポプラ)のいずれかのそれぞれの細胞培養物または組織培養物から選択されてもよい。特定の実施形態では、組織培養物は毛状根培養物である。
【0073】
さらなる特定の実施形態では、本発明は、トランスジェニックキノコ細胞を含むトランスジェニックキノコまたは培養物に関する。トランスジェニック宿主細胞を含むトランスジェニックキノコまたは培養物は、特には、スエヒロタケ、ツクリタケおよびヒラタケの群から、より特には、スエヒロタケ、一般的なキノコ(ツクリタケ)、ヒラタケのいずれかの細胞を含むそれぞれの培養物から選択されてもよい。
【0074】
本発明にしたがった宿主細胞は、例えば、Sambrook,J and Russell,D.W.”Molecular Cloning:A Laboratory Manual”3d ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY,(2001);およびF.M.Ausubel et al,eds.,「Current protocols in molecular biology」,John Wiley and Sons,Inc.,New York(1987),およびこの資料に対する後の追補資料で記載されている、一般的に当業者に知られている標準的な遺伝子および分子生物学の技術に基づいて産生されてもよい。
【0075】
担子菌類を形質転換する方法が、例えば、Alves et al.(Appl.Environ.Microbiol.(2004)70:6379-6384),Godio et al.(Curr Genet.(2004)46:287-294),Schuurs et al.(Genetics(1997)147:589-596およびWO06/096050により公知である。担子菌類において適切なパチョロールシンターゼ遺伝子の発現を実現するように、その完全なオープンリーディングフレームは、典型的には、担子菌類の形質転換に適切な発現ベクターにクローン化されている。発現ベクターは、好ましくはまた、転写開始および終止を調節する核酸配列を含む。形質転換の選択を可能にするように少なくとも1つの選択可能なマーカー遺伝子を組み込むのも好ましい。パチョロールシンターゼの発現は、担子菌プロモーター、例えば、構成的プロモーターまたは誘導性プロモーターを使用して達成され得る。強い構成的プロモーターの例はグリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(gpdA)プロモーターである。このプロモーターは、組換えDNA材料が担子菌宿主で発現されるときの構成型発現が好ましい。他の例は、担子菌のホスホグリセリン酸キナーゼ(pgk)プロモーター、ピルビン酸キナーゼ(pki)プロモーター、TPI、トリオースリン酸イソメラーゼ(tpi)プロモーター、APCシンターゼサブニットg(oliC)プロモーター、sc3プロモーターおよびアセトアミド(amdS)プロモーターである(WO96/41882)。
【0076】
必要に応じて、パチョロールシンターゼ遺伝子の一次ヌクレオチド配列は担子菌宿主のコドン使用適合させることができる。
【0077】
さらに、発現は、(一核性)菌糸体にまたは(二核性)子実体に特に方向付けられ得る。後者の場合、ヒラタケのFbh1プロモーターは特に有用である(Penas,M.M.et al.,Mycologia(2004)96:75-82)。
【0078】
植物形質転換の構築物のための方法論について当該技術分野で説明されている。選択される遺伝子の1つまたは2つ以上の付加複写の挿入によって過剰発現が達成され得る。それは、過剰発現を示すヌクレオチド配列の1つまたは2つ以上の付加複写により元々形質転換された植物またはそれらの子孫については不明である。
【0079】
適切な植物組織において十分なレベルのトランスジェニック発現を得ることは、遺伝子組換え作物の産生における重要な側面である。植物宿主における異種DNA配列の発現は、植物宿主内で機能的である操作可能に連結されているプロモーターの存在に依存する。プロモーター配列の選択は、いつおよび生物の中のどこで、異種DNA配列が発現されるかを決定するであろう。双子葉植物からの多くのプロモーターは単子葉植物で操作可能であり、その逆も操作可能であると示されてきたが、理想的には、双子葉植物プロモーターは、双子葉植物での発現のために選択され、単子葉植物プロモーターは、単子葉植物での発現のために選択される。しかしながら、選択されるプロモーターの由来には制限がなく、それらは、所望の細胞または組織でのヌクレオチド配列の発現を推し進めることにおいて操作可能であれば十分である。場合によっては、複数の組織における発現は好ましいものであり、35Sプロモーター系列などの構成型プロモーターはこの点で使用されてもよい。しかしながら、本発明の実施形態のいくつかでは、トランスジェニック植物での発現は葉特異的であり、特に、遺伝子の発現は葉の色素体で生じる。ギンドロ(PaIspS)(Sasaki et al.,FEBS Letters(2005)579:2514-2518)からのイソプレンシンターゼ遺伝子のプロモーターは色素体特異的発現を推し進める。したがって、このプロモーターは、本発明の発現ベクターでの使用のためのかなり適切なプロモーターである。
【0080】
他の適切な葉特異的プロモーターは、rbcS(ルビスコ)プロモーター((例えば、コーヒー由来、WO02/092822参照)、アブラナ属由来(US7,115,733参照)、大豆由来(Dhanker,O.,et al.,Nature Biotechnol.(2002)20:1140-1145)参照)、cy-FBPaseプロモーター(US6,229,067参照)、アブラヤシ由来の集光性クロロフィルa/b結合タンパク質のプロモーター配列(US2006/0288409参照)、シロイヌナズナ由来のSTP3プロモーター(Buttner,M.et al.,Plant cell&Environ.(2001)23:175-184参照)、豆PAL2遺伝子のプロモーター(Sablowski,R.W.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1995)92:6901-6905参照)、ジャガイモST-LS1プロモーターのエンハンサー配列(Stockhaus,J.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1985)84:7943-7947参照)、コムギCAB1プロモーター(Gotor,C.et al.,PlantJ.(1993)3:509-518参照)、ジャガイモADP-グルコース-ホスホリラーゼ遺伝子由来のストーマ特異的プロモーター(US5,538,879参照)、イネのP(D540)遺伝子由来のLPSE1エレメント(CN2007/10051443参照)、およびストーマ特異的プロモーター、シロイヌナズナ由来のpGC1(At1g22690)(Yang.Y et al.,Plant Methods(2008)4:6参照)である。
【0081】
植物種は、例えば、当該技術分野でよく知られている手順にしたがって、植物細胞プロトプラストのDNA媒介形質転換および形質転換プロトプラストからの植物のその後の再生により形質転換されてもよい。
【0082】
植物細胞を形質転換する方法のさらなる例として、マイクロインジェクション(Crossway et al.,Mol.Gen.Genet.(1986)202:179-185)、エレクトロポレーション(Riggs,C.D.and Bates,G.W.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1986),83:5602-5606)、アグロバクテリウム媒介形質転換(Hinchee et al.,Bio/Technol.(1988)6:915-922)、直接遺伝子導入(Paszkowski,J.et al.,EMBOJ.(1984)3:2717-2722)、ならびにAgracetus,Inc.,(Madison,Wisconsin)製およびBioRad(Hercules,California)製の装置を使用する弾道粒子加速(例えば、Sanford等による米国特許第US4,945,050号および欧州特許出願第EP0332581号参照)が挙げられる。
【0083】
トウモロコシに対してプロトプラスト形質転換方法を使用することも可能である(欧州特許出願第EU0292435号、米国特許第US5,350,689号)。
【0084】
アグロバクテリウム属のTiおよびRiプラスミドのバイナリタイプベクターを使用することは特に好ましい。Ti由来ベクターは、ダイズ、ワタ、アブラナ、タバコ、およびイネなどの単子葉植物および双子葉植物を含む広範な高等植物を形質転換する(Pacciotti et al.,Bio/technol.(1985)3:241、Byrne M.C.et al.,Plant Cell Tissue and Organ Culture(1987)8:3-15、Sukhapinda,K.et al.,Plant Mol.Biol.(1987)8:209-217、Hiei,Y et al.,The PlantJ.(1994)6:271-282)。植物細胞を形質転換するためのT-DNAの使用が広範な研究に受け入れられていて、詳しく記載されている(例えば、EP-A120516)。植物への導入のために、本発明のキメラ遺伝子は、例に記載されているように、バイナリベクターに挿入され得る。
【0085】
外来DNA構築物の直接取り込み(EP-A295959参照)、エレクトロポレーション技術(Fromm,M.E.et al.,Nature(1986),319:791-793)または核酸構築物がコーティングされた金属粒子による高速弾道衝撃(例えば、US4,945,050)などの他の形質転換方法を当業者は使用可能である。一旦形質転換されると、細胞は当業者により再生され得る。特に関連するものは、外来遺伝子を商業的に重要な作物、例えば、ナタネ(De Block, M. et al.,Plant Physiol.(1989)91:694-701)、ヒマワリ(Everett,N.P.et al.,Bio/Technology(1987)5:1201-1204)、ダイズ(EP-A301749)、イネ(Y et al.,The PlantJ.(1994)6:271-282)およびトウモロコシ(Fromm et al.,1990 Bio/Technology 8:833-839)に形質転換する方法である。
【0086】
当業者は、方法の選択が、植物のタイプ、すなわち、単子葉植物または双子葉植物に依存し得ることを理解するであろう。
【0087】
別の実施形態では、本明細書に記載されているベクターは色素体ゲノムに直接形質転換されてもよい。色素体形質転換技術について、例えば、US5,451,513、US5,545,817、US5,545,818およびWO95/16783に広範囲に亘って記載されている。葉緑体形質転換についての基本的技術は、例えば、遺伝子銃またはプロトプラスト形質転換(例えば、塩化物またはPEG媒介形質転換)を使用して、適切な標的組織に対象の遺伝子と共に選択マーカーに隣接するクローン化色素体DNAの領域を導入することを含む。
【0088】
本発明にしたがったベクターを含むアグロバクテリウムツメファシエンス細胞は、ベクターがTiプラスミドを含み、形質転換される植物をつくる方法に有用である。植物細胞は、上記のアグロバクテリウムツメファシエンスに感染されて、形質転換された植物細胞を産生し、次いで、植物が、形質転換された植物細胞から再生される。本発明を実行するのに有用な多くのアグロバクテリウムベクター系が知られている。これらは、典型的には、少なくとも1つのT-DNA境界配列を担持し、pBIN19(Bevan,Nucl.Acids Res.(1984)12:8711-8720)などのベクターを含む。
【0089】
直接遺伝子導入またはアグロバクテリウム媒介導入は、通常、抗生物質(例えば、カナマイシン、ハイグロマイシンまたはメトトレキサート)または除草剤(例えば、ホスフィノトリシン)への耐性を提供してもよい選択マーカーを用いて行われるが、必ずしもそうではない。植物形質転換についての選択マーカーの選択は、しかしながら、本発明にはクリティカルでない。
【0090】
植物組織を培養する一般的な方法が、例えば、Maki,K.Y.et al.,Plant Physiol.(1993)15:473-497により、およびPhillips,R.I.et al.,In:Sprague GF,Dudley JW,eds.Corn and corn improvement 3rd edn.Madison(1988)345-387により提供されている。
【0091】
形質転換後、トランスジェニック植物細胞は、続いてカルスに成長されるトランスジェニック細胞の選択のために適切な選択培地に配置される。芽がカルスから成長され、小植物が、発根培地で成長することによって芽から発生される。使用される特定のマーカーは、導入されたDNAがない細胞に比べて、形質転換細胞の選択を可能にするであろう。
【0092】
トランスジェニック細胞および植物における導入遺伝子の存在を確認するために、種々のアッセイが実行されてもよい。そのようなアッセイとして、例えば、サザンブロッティングおよびノーザンブロッティングなどの当業者によく知られている分子生物学的アッセイ、in situハイブリダイゼーションおよびPCRまたはRT-PCRなどの核酸ベースの増幅方法、ならびに、例えば、免疫学的手法(ELISAおよびウエスタンブロット)によってまたは酵素機能によってタンパク質生成物の存在を検出することなどの「生化学」アッセイが挙げられる。酵素活性パチョロールシンターゼの存在は、植物の揮発性産生物(パチョロール)の化学分析により確立されてもよい。
【0093】
本発明にしたがったパチョロールシンターゼは、パチョロールが、例えば、食物産生物におけるそれ自体フレーバーまたはアロマとして、または、例えば、家庭用産生物におけるフラグランスとして、または、他のイソプレノイド、例えば、サンタロールの生成のための中間産生物として使用されてもよい、パチョロールの工業産生のために使用されてもよい。
【0094】
本発明にしたがったパチョロールを産生する方法は、パチョロールシンターゼの存在下でパチョロールを調製することを含む。原理的に、そのような方法は、対象の化合物の存在下で酵素を使用するための任意の技術に基づき得る。
【0095】
その方法は、FPPまたはその前駆体のいずれか(例えば、ファルネソール、IPP、イソペンテニルリン酸、3-メチルブタ-3-エン-1-オールおよびメバロン酸さえも)がパチョロールシンターゼを含む細胞に対する基質として供給される方法であってもよい。代替として、その方法はまた、適切な炭素源からFPPを形成する、したがって、パチョロールへの完全な発酵経路を確立することができる酵素系を含む生きている生物が使用される方法であってもよい。適切な原料(例えば、炭水化物、アミノ酸源、脂肪酸源)由来の化合物を合成する生物の培養物が使用されるプロセスについて、本明細書では、広範な意味で、用語「発酵(的)」が使用されていることに留意する必要がある。したがって、本明細書で意味する発酵プロセスは、嫌気性条件に限定されず、嫌気性条件下でのプロセスまで拡張される。適切な原料は、(微)生物の特異的な種について一般に知られている。
【0096】
また、細胞から単離されるパチョロールシンターゼが使用されてもよく、細胞は、例えば、任意に一部のルーチン試験と組み合わせて、条件が本明細書で参照されている先行技術および本開示に基づいてもよい、適切な条件(pH、溶剤、温度)下で基質(FPP)およびパチョロールシンターゼが接触する反応系でそれが産生されたものである。パチョロールシンターゼは、FPPがまた存在する水性培地で可溶化されてもよく、または、パチョロールは、当該技術分野で知られているような支持体上に固定されて、次いで、FPPを含む液体と接触されてもよい。酵素は、FPPからパチョロールへの触媒作用に対する活性および/または選択制を有するため、本発明はまた、酸性条件下だけでなく、pHが略中性またはアルカリ性である場合にも、そのようなインビトロの方法についても有利である。適切な条件は、例えば、本明細書で参照されている文献でいう既知のパチョロールシンターゼに対する既知の方法、本明細書で開示されている情報、共通の一般的知識および任意の一部のルーティンの実験に基づいてもよい。
【0097】
本発明の特に有利な方法で、パチョロールは、すなわち、培地でパチョロールシンターゼを発現する細胞を培養することにより、発酵的に調製される。パチョロールシンターゼにより触媒される実際の反応は、細胞内で、または、パチョロールシンターゼが排出される場合には、培地における細胞外で起こってもよい。
【0098】
本発明にしたがったパチョロールを調製する方法で使用される細胞は、特に、本発明にしたがった宿主細胞であってもよい。所望により、これらの宿主細胞が操作されて、パチョロールシンターゼに多い量のFPPを供給してもよい。これは、例えば、異なる方法でそれ自身認識され得る、FPPに対する炭素のフラックスを向上させることにより行わせ得る。内因性DXP経路を有する宿主細胞(大腸菌、ロドバクタースフェロイデスのような)において、これらの経路の酵素の発現の緩和は、イソプレノイド形成に対する明確なプラスの効果を有し得る。1-デオキシ-d-キシルロース-5-リン酸シンターゼ(DXPシンターゼ)をコードするdxsの過剰発現と、DXP経路の第1の酵素と、したがって、代謝工学のための主な目的の1つとが、幾つかのイソプレノイドの増加した生合成をもたらした(例えば、Matthews and Wurtzel,Appl.Microbiol.Biotechnol.(2000)53:396-400、Huang et al.,Bioorg.Med.Chem.(2001)9:2237-2242、Harker and Bramley,FEBS Lett(1999)448:115-119、Jones et al.,Metab.Eng.(2000)2:328-338、およびYuan et al.,Metab.Eng.(2006)8:79-90)。また、DXPイソメロレダクターゼについてコードするdxrの発現(1-デオキシ-D-キシルロース-5-リン酸レダクトイソメラーゼとしても知られている)、およびDXP経路で第2のかつコミットされたステップを触媒する酵素は、増加したイソプレノイド産生に繋がり得(Albrecht et al.,Biotechnol.Lett.(1999)21:791-795)、その効果は、同時にdxsを共過剰発現することによりさらに増加され得る(Kim&Keasling,Biotechnol Bioeng(2001)72:408-415)。イソプレノイド生合成に対するプラスの効果が、イソペンテニル二リン酸異性化酵素(IPP異性化酵素、Idi)の過剰発現、ジメチルアリル二リン酸に対するIPPの相互変換を触媒する酵素、DMAPP(例えば、Kajiwara et al.,Biochem.J.(1997)324:421-426)、Misawa and Shimada,J.Biotech.(1998)59:169-181、およびYuan et al.Metab.Eng.(2006)8:79-90)および酵素、MEPサイトジイルトランスフェラーゼ(4-ジホスホシチジル-2-C-メチルーD-エリトリトールシンターゼ(IspD)としても知られている)および大腸菌における1つのオペロンispDFとして転写される、2C-メチル-D-エリトリトール2,4-シクロ二リン酸シンターゼ(IspF)(Yuan et al.Metab.Eng.(2006)8:79-90)によりさらに得られた。
【0099】
イソプレノイドの高レベルの産生のための内因性DXP経路を用いる人工的に作り出される菌株に対する代替のおよびより効果的なアプローチは、異種メバロン酸経路の導入である。合成アモルファ-4,11-ジエンシンターゼ遺伝子を用いる出芽酵母メバロン酸経路の大腸菌における共発現は、組換え大腸菌株がLB+グリセロール培地で培養されたときに、110mg/L以上の力価のセスキテルペンアモルファジエンの形成をもたらした(Martin et al.Nat.Biotechnol.(2003)21:796-802)。この大腸菌株は続いて、酵母酵素3-ヒドロキシ-3-メチル-グルタリル-共酵素A(HMG-CoA)還元酵素のC末端触媒ドメインをコードする遺伝子tHMG1の過剰複写の導入により改善された。その形成を、したがって、この酵素の活性を増加させることによって、毒性メバロン酸経路中間HMG-CoAの細胞内レベルが低減され、それにより、発育抑制を克服し、かつメバロン酸の増加した産生に繋がった(Pitera et al.Metab.Eng.(2007)9:193-207)。異種メバロン酸経路を介するフラックスのさらなる改善が、ワイルドタイプlacプロモーターの2倍強いlacUV5プロモーターとの置き換えと組み合わせたこの経路の第1の3つの遺伝子のコドン最適化により得られた(Anthony et al.Met.Eng.(2009)11:13-19)。アモルファジエンの産生は、HMG-CoAシンターゼおよびHMG-CoAレダクターゼについての酵母遺伝子をグラム陽性細菌黄色ブドウ球菌からの相当する遺伝子と置き換えることによってさらに増加され得る。最適化された発酵プロトコルと組み合わせて、この新規の人工的に作り出される大腸菌株の培養は、27.4g/Lのアモルファジエン力価をもたらした(Tsuruta et al.PloS ONE(2009)4(2):e4489.doi:10.1371/journal.pone.0004489)。同様に、アグロバクテリウムツメファシエンスデカプレニル二リン酸塩シンターゼ(ddsA)遺伝子を用いる人工的に作り出される大腸菌株は、細胞の乾燥重量2400μg/g以上のコエンザイムQ10(CoQ10)を産生する(Zahiri et al.Met.Eng.(2006)8:406-416)。増加したCoQ10の産生はまた、そのネイティブな形態(WO2005/005650)および変異形態(WO2006/018211)のパラコッカスゼアキサンチニファシエンスからのメバロン酸経路を用いるロドバクタースフェロイデス株を人工的に作り出すことによって得られた。
【0100】
また、内因性MEV経路を有する宿主細胞(出芽酵母のような)は、イソプレノイドハイパー産生株を得る複数の人工的に作り出す研究の主題となってきた。レモンのパチョロールシンターゼをコードする遺伝子と組み合わせる異種大腸菌由来DXP経路の出芽酵母への導入は、パチョロールシンターゼのみを発現する株と比較して約10倍以上のパチョロールを蓄積する株をもたらした(WO2007/093962)。産業的に重要な酵母キャンディダユティリスおよび出芽酵母における最大の改善は、同種MEV経路の人工的作り出しを中心としてきた。特に、その全長または短縮されたバージョンで、主な調製酵素であると考えられている酵素HMG-CoAレダクターゼの過剰発現は、イソプレノイドの産生を増加させるための効率的な方法であるように見える。このN末端短縮HMG-CoAレダクターゼの過剰発現の刺激的効果は、例えば、C.ユティリスにおけるリコペン産生(Shimada et al.Appl.Env.Microbiol.(1998)64:2676-2680)およびS.セレビシエにおけるエピ-セドロール産生(Jackson et al.Org.Lett.(2003)5:1629-1632)の場合に観察された。最後の場合で、このセスキテルペンの産生は、ステロール生合成に対する代謝フラックスの増加を導出するupc2-1、対立遺伝子の導入によりさらに向上され得る。MEV経路を介してそのフラックスを増加させる別の方法は、FPPおよび他のイソプレノイド前駆体によるフィードバック阻害に感受性が小さいメバロン酸キナーゼ変異体の使用である。例えば、WO2006/063752は、パラコッカスゼアキサンチニファシエンスR114、すなわち、内因性MEV経路を有する細菌が、S.セレビジエメバロン酸キナーゼ変異体N66K/I152MおよびP.ゼアキサンチニファシエンスATCC21588由来ddsA遺伝子の導入後に、ワイルドタイプS.セレビジエメバロン酸キナーゼを発現する対応するP.ゼアキサンチニファシエンス株より多いコエンザイムQ10を著しく産生することを示している。P.ゼアキサンチニファシエンスR114を用いるCoQ10産生に関する同様のプラスの結果も、P.ゼアキサンチニファシエンスメバロン酸キナーゼのフィードバック耐性変異体K93Eを用いて得られた(WO2004/111214)。
【0101】
FPPの増加量に対する第2のアプローチは、FPPに関する酵素の副作用の低減または排除に基づいている。酵母中で、遺伝子ERG9は、2つのファルネシル二リン酸部位の濃縮を触媒して、スクワレンを形成する酵素のファルネシル二リン酸ファルネシル転移酵素(スクワレンシンターゼ)をコードする。これは、ステロール生合成でのFPP後の第1のステップであり、したがって、ステロール経路へのイソプレン単位のフラックスを調節するため、ERG9は、増加するセスキテルペンおよびカロテノイドの産生のためのイースト代謝エンジニアリングにおける頻繁の目標である。酵母C.単位でのtHMG-CoAレダクターゼの過剰発現と組み合わせるERG9の破壊は、増加したリコペンの産生に繋がった(Shimada et al.Appl.Env.Microbiol.(1998)64:2676-2680)。メチオニン抑制プロモーターを使用するtHMG-CoAレダクターゼの過剰発現とERG9の下方制御の類似する組み合わせは、アモルファジエンシンターゼ遺伝子のみを発現する酵母株に比べて、約10倍の酵母においてセスキテルペンアモルファジエンの産生を増加させた(Ro et al.Nature(2006)440:940-943、Lenihan et al.Biotechnol.Prog.(2008)24:1026-1032)。エルゴステロールは酵母成長のために不可欠であり、酵母細胞は、好気性増殖中に外部から供給されるエルゴステロールを資化できないため、ERG9の下方制御/ノックアウトは、培地からのエルゴステロールの効率的な好気性取り込みを酵母株にもたせた突然変異と頻繁に組み合わされる。例としてはsue対立遺伝子(Takahishi et al.Biotechnol.Bioeng.(2007)97:170-181)およびupc2-1対立遺伝子がある(Jackson et al.Org.Lett.(2003)5:1629-1632)。Takahashi等(Biotechnol.Bioeng.(2007)97:170-181)はまた、酵母においてホスファターゼ遺伝子dpp1をノックアウトすることによって内因性ホスファターゼ活性を制限する効果について研究した。このノックアウトは、より少ないファルネソール蓄積によって反映されるFPPの脱リン酸化を明らかに制限したが、それは、適用される増殖条件下でerg9/sue突然変異の産生以上にはセスキテルペン産生を改善しなかった。
【0102】
パチョロールを発酵調製する反応条件は、使用される宿主細胞の種(例えば、ロドバクターカプスラータ、ロドバクタースフェロイデス、パラコッカスゼアキサンチニファシエンス、大腸菌、アスペルギルスニデュランス、ニホンコウジカビ、出芽酵母、ペニシリウムクリソゲナム、ファフィアロドジマおよびピキアパストリス)についての既知の条件、本明細書に記載されている情報、共通の一般的知識および任意の一部のルーティン実験に応じて選択されてもよい。
【0103】
原理的に、本発明にしたがった方法で使用される反応媒体(培地)のpHは、パチョロールシンターゼが活性であり、かつpH条件下で求められる特異性を表す限り、広い範囲内で選択されてもよい。方法が細胞の使用を含む場合、パチョロールシンターゼを発現するために、細胞がその意図された1つ以上の機能を実行できるように、pHが選択される。pHが、特に、4つのpH単位であって、中性pH以下、2つのpH単位および中性pH以上、すなわち、25℃の完全水系の場合のpH3~pH9内で選択されてもよい。良好な結果が、例えば、範囲6.8~7.5のpHを有する水系反応媒体において達成された。
【0104】
系は、水のみが溶媒であるまたは水が主たる溶媒(全液体に基づいて、>50wt%、特に、>90wt%)である場合に、水系であるとみなされ、例えば、少量のアルコールまたは別の溶剤(全液体に基づいて、<50wt%、特に、<90wt%)が、存在している微生物が活性を維持する濃度で溶解していてもよい(例えば、全発酵アプローチの場合の炭素源として)。
【0105】
特に、酵母および/または菌が使用される場合、酸性条件が好適であってもよく、特に、pHが、25℃の完全水系に基づいて、pH3~pH8の範囲内にあってもよい。所望により、pHは、酸および/または塩基を使用して調節されても、または酸および塩基の適切な組み合わせでバッファリングされてもよい。
【0106】
嫌気性条件は、なんら酸素のない、まあは酸素が培養細胞、特に、微生物により実質的に消費されない条件として、本明細書で定義され、通常は5mmol/l.h以下の酸素消費、好ましくは2.5mmol/l.h以下の酸素消費、より好ましくは1mmol/l.h以下に対応している。水系条件は、非制限的増殖のための酸素の十分なレベルが、少なくとも10mmol/l.h、より好ましくは20mmol/l.h以上、さらに好ましくは50mmol/l.h以上、および最も好ましくは100mmol/l.hの速度を支持することができる媒体に溶解されている、条件である。
【0107】
酸素制限条件は、酸素消費がガスから液体への酸素移動によって制限される条件として定義されている。酸素制限条件の下限は、嫌気性条件の上限、すなわち、通常は、少なくとも1mmol/l.h、および特に少なくとも2.5mmol/l.h、または少なくとも5mmol/l.hにより決定される。酸素制限条件の上限は、水性条件の下限、すなわち、100mmol/l.h以下、50mmol/l.h以下、20mmol/l.h以下、または10mmol/l.h以下より決定される。
【0108】
条件が水性、嫌気性または酸素制限的であるかどうかは、方法が実行される条件、特に、入ってくるガス流の量および組成、使用される装置の実際の混合/物質移動、使用される微生物の種類および微生物の密度に依存する。
【0109】
原理的には、用いる温度は、パチョロールシンターゼ(細胞内)が実質的に活性を示す限り、クリティカルでない。一般に、温度は、少なくとも0℃、特には少なくとも15℃、より特には少なくとも20℃であってもよい。好ましい最大温度は、パチョロールシンターゼを発現する細胞が使用される方法の場合には、パチョロールシンターゼおよび細胞に依存する。温度は、70℃以下、好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下、特に35℃以下である。
【0110】
発酵プロセスの場合、インキュベーション条件は、細胞が十分な活性および/または増殖を示す限り、広い制限の範囲内で選択され得る。これは、水性、酸素制限および嫌気性条件を含む。
【0111】
特に、それによりパチョロールが形成される触媒反応が、宿主細胞の外部で実行される場合、有機溶剤を含む反応媒体は、使用されるパチョロールシンターゼがそのような媒体において十分な活性及び特異性を保持する場合、高い濃度(全液体に基づいて、例えば、50重量%以上、または90重量%以上)で使用されてもよい。
【0112】
所望により、本発明にしたがった方法で産生されるパチョロール、ポゴストール、およびエレモールは、反応媒体から回収されてもよい。適切な方法は、反応媒体とは非混和性である抽出液による液液抽出である。
【0113】
特に、炭化水素液体などの液体有機溶剤による抽出が適切である(水系反応媒体からの抽出には)。最初の結果から、本方法はまた、パチョロール(またはさらなる産生物)の回収のために細胞を溶解する必要なく、その増殖のために使用される本発明にしたがった細胞を含む反応媒体から、パチョロールおよびエレモールを、ならびに好ましくはポゴストールも抽出するものであることは明らかである。特に、有機溶媒は、液体アルカン、長鎖アルコール(少なくとも12個の炭素原子を有するアルコール)、および長鎖脂肪酸の液体エステル(少なくとも12個の炭素原子を有する酸)から選択されてもよい。適切な液体アルカンは、特に、ヘキサン、オクタン、デカン、ドデカン、イソドデカンおよびヘキサデカンなどのC6-C16アルカンを含む。適切な長鎖脂肪族アルコールは、特に、オレイルアルコールおよびパルミトレイルアルコールのようなC12-C18脂肪族アルコールを含む。適切な長鎖脂肪酸のエステルは、特に、ミリスチン酸イソプロピルおよびオレイン酸エチルのようなC12-C18脂肪酸のエステルを含む。
【0114】
有利な実施形態では、パチョロールおよびエレモール、ならびに好ましくはポゴストールも、第1の液相(反応相)であって、前記第1の液相は、その細胞でパチョロール(または、さらなる産生物)が産生される本発明にしたがった細胞を含む、第1の液相と、第2の液相(接触されるときに、第1の相との完全相分離を維持する有機相)であって、形成される産生物がより高い親和性を有する抽出相である、第2の液相とを含むリアクタで産生される。本方法は、in situ産生物回収を可能にする点で有利である。また、それは、第2の相の存在によって、反応相における第2の相、パチョロールおよびエレモール、ならびに好ましくはポゴストールの濃度がプロセスを通して比較的低く維持されてもよいために、細胞に対するパチョロールおよびエレモール、ならびに好ましくはポゴストールの潜在的な毒性の影響を防止または少なくとも低減することに寄与する。最終的に、抽出相が、パチョロール、ポゴストール、およびエレモールを反応相から抽出することに寄与する強い表れがある。
【0115】
本発明の好ましい方法では、抽出相は、反応相の上部に層を形成し、または反応相と混合されて、抽出相内での反応相の分散または反応相内での抽出相の分散を形成する。したがって、抽出相は、反応相から産生物を抽出するだけでなく、パチョロールが(水系)反応相で産生され、または(水系)反応相に抽出される場合に生じてもよいオフガスを介してリアクタからの形成された産生物の損失を低減または完全に防止する。パチョロールは水に溶解し難く、したがって、水から容易に揮発する。有機相(相または分散としての)に溶解されたパチョロールは少なくとも実質的に揮発が防止されると考えられる。
【0116】
抽出相として使用するのに適切な液体は、反応相より低い密度を、良好な生体適合性(生きている細胞の生存性との無妨害性)、低い揮発性、および水系反応相との略絶対的な非混和性と結合させる。本出願のための適切な液体の例には、デカン、ドデカン、イソドデカン、テトラデカン、およびヘキサデカンのような液体アルカン、またはオレイルアルコールおよびパルミトレイルアルコールのような長鎖脂肪族アルコール、またはパルミチン酸イソプロピルおよびオレイン酸エチルのような長鎖脂肪酸のエステルがある(例えば、Asadollahi et al.(Biotechnol.Bioeng.(2008)99:666-677)、Newman et al.(Biotechnol.Bioeng.(2006)95:684-691)およびWO2009/042070参照)。
【0117】
本発明にしたがって産生されるパチョロールは、したがって、例えば、フレーバーもしくはフレグランスとして、もしくはは防虫材として使用されてもよく、または、別の化合物、特に別のフレーバーもしくはフレグランスのための開始材料として使用されてもよい。
【0118】
さらに、本開示は、パチョロール、ポゴストール、およびエレモールを調製する方法であって、酵素の存在下でポリプレニル二リン酸基材をパチョロール、ポゴストール、およびエレモールに変換することを含み、酵素は、タグペプチドを含む第1の断片および本発明のパチョロールシンターゼを含む第2の断片を含む、方法に関する。前記だい1の断片および前記第2の断片を含む酵素は、本明細書では、「タグ付け酵素」と呼ばれてもよい。
【0119】
パチョロール、ポゴストールおよびエレモール調製について、本明細書に記載されている方法、アミノ酸配列、核酸配列または宿主細胞を使用し得る。例えば、サンタロールが、それ自体知られているように、パチョロールの酸素処理/酸化により調製され得る。
【0120】
タグペプチドは、好ましくは、窒素利用タンパク質(NusA)、チオレドキシン(Trx)、マルトース結合タンパク質(MBP)、グルタチオンS-転移酵素(GST)、低分子ユビキチン様修飾因子(SUMO)またはカルシウム結合タンパク質(Fh8)およびそれらの機能的相同体の群から選択される。本明細書で使用される場合、タグペプチドの機能的相同体は、非タグ付け酵素に比べて、タグ付け酵素の溶解性に対する少なくとも略同じ効果を有するタグペプチドである。典型的には、1つ以上のアミノ酸が、それが相同体であるペプチドに挿入され、それと置換され、それから欠失される点で、相同体は異なる。相同体は、特に、別の親水性アミノ酸についての親水性アミノ酸、または別のものについての親水性アミノ酸1つ以上の置換を含んでもよい。相同体は、特に、NusA、Trx、MBP、GST、SUMOまたはFh8の配列との少なくとも40%、より特には少なくとも50%、好ましくは少なくとも55%、より好ましくは少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%または少なくとも99%の配列同一性を有する。
【0121】
大腸菌由来マルトース結合タンパク質またはその機能的相同体が特に適切である。
【0122】
本発明にしたがったタグ付け酵素の使用は、それが、増加した産生、特に、パチョロール、ポゴストール、およびエレモールなどのテルペノイドまたはテルペンの増加した細胞産生に寄与してもよい点で、特に有利である。
【0123】
タグ付けの改善される溶解性(タグのない酵素に比べて)について、酵素の第1の断片は、好ましくは、第2の断片のN末端にそのC末端において結合される。代替として、タグ付け酵素の第1の断片は、その第2の断片のC末端にN末端において結合される。
【0124】
さらに、本開示は、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸であって、ポリペプチドが、タグペプチド、特に、MBP、NusA、Trx、GST、SUMO、Fh8タグまたはそれらのいずれかの機能的相同体、およびパチョロールシンターゼを含む第2の断片を含む、核酸に関する。第2の断片は、例えば、配列番号3で示されるアミノ酸配列、またはその機能的相同体を含んでもよい。
【0125】
さらに、本開示は、前記タグ付けパチョロールシンターゼをコードする前記核酸を含む宿主細胞に関する。タグ付け酵素をコードする本発明にしたがった特異的核酸は、配列番号10、配列14、配列番号18、配列番号22、配列番号26、および配列番号30で示される。宿主細胞は、特に、それらの配列またはその機能的相同体のいずれかを含む遺伝子を含んでもよい。
【0126】
さらに、本開示は、タグペプチドを含む第1の断片と、ポリプレニル二リン酸をテルペン、特に、パチョロールシンターゼに変換する酵素活性を有するポリペプチドを含む第2の断片と、を含む、酵素であって、タグペプチドは、好ましくは、MBP、NusA、TrxまたはSETの群から選択される、酵素に関する。本発明にしたがったタグ付け酵素を含む特異的酵素は、配列番号11、配列番号15、配列番号19、配列番号23、配列番号27および配列番号31で示される。
【0127】
本発明は、ここで、以下の実施例によって示される。
【図面の簡単な説明】
【0128】
図1】NjPAT遺伝子がMBPタグに融合され、かつプロモーターSPppaにより調整されるプラスミドp-m-SPppa-MBP-NjPAT-mpmii altの特徴を示す遺伝子マップ。
図2】NjPAT遺伝子がFh8タグに融合され、かつプロモーターSPppaにより調整されるプラスミドp-m-SPppa-Fh8-NjPAT-mpmii altの特徴を示す遺伝子マップ。
図3】NjPAT遺伝子がSUMOタグに融合され、かつプロモーターSPppaにより調整されるプラスミドp-m-SPppa-SUMO-NjPAT-mpmii altの特徴を示す遺伝子マップ。
図4】NjPAT遺伝子がNusAタグに融合され、かつプロモーターSPppaにより調整されるプラスミドp-m-SPppa-NusA-NjPAT-mpmii altの特徴を示す遺伝子マップ。
図5】NjPAT遺伝子がRsTRXタグに融合され、かつプロモーターSPppaにより調整されるプラスミドp-m-SPppa-RsTRX-NjPAT-mpmii altの特徴を示す遺伝子マップ。
図6】NjPAT遺伝子がGSTタグに融合され、かつプロモーターSPppaにより調整されるプラスミドp-m-SPppa-GST-NjPAT-mpmii altの特徴を示す遺伝子マップ。
図6】NjPATテルペンアルコール抽出のGC-FIDクロマトグラム。A:エレモールに、B:ポゴストール、C:パチョロール
図8】NjPAT抽出のGC-QTOFクロマトグラム。A:グアイア-11-ジエン、B:β-パチョレン、C:ビシクロゲルマクレン、D:セイケレン、E:α-パチョレン、F:δ-パチョレン、G:δ-グアイエン、H:γ-パチョレン、I:エレモール、J:ポゴストール、K:イソロンギホロールアセテート、L:ビリジフロロール/イエドール、M:パチョロール。
【実施例
【0129】
実施例1:
ナルドスタキスジャタマンシのGC-MS分析
約20cmの高さのナルドスタキスジャタマンシ植物を、Poyntzfield Herb Nursery,Black Isle,By Dingwall IV7 8LX,Ross&Cromarty,Scotlandで購入した。その植物は、葉および根の材料が切り取られた。予め冷却されたガラス管に入れられた植物材料の重みは0.5gであり、2mLのジクロロメタンが加えられた。1分間吊り下げて回転され、超音波バス内で5分間、1500g、室温で超音波処理された。上澄みを集めて、1gの硫酸ナトリウムのカラム上にろ過された。約2マイクロリットルが、Cankar et al.(2015)により詳細に記載されているガスクロマトグラフを使用して、GC/MSにより分析された。パチョロールが、保持時間およびマススペクトルについてパチョリ油5(Sigma-Aldrich)のそれらに対する比較よって同定された。
【0130】
結果:
N.ジャタマンシの根は、パチョロール(Rt16.4min)およびアルファパチョレン(Rt13.9min)に対応する化合物を含むことが示された。したがって、この組織を、RNAの抽出のためにさらに採取した。
【0131】
実施例2:
RNA抽出および分析
N.ジャタマンシの根の材料のRNAが以下のように単離された。約15mLの20抽出バッファ(ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミドを2%、ポリビニルピロリドンK-30を2%、トリス塩酸(pH8.0)を100mM、EDTAを25mM、NaClを2.0M、スペルミジンを0.5g/Lおよびβ-メルカプトエタノールを2%)が65℃に温められ、その後、3gの地組織が加えられて混合された。混合物は、2回、等しい容積のクロロホルム:イソアミルアルコール(1:24)を用いて2回抽出され、10MのLiClの四分の一の容積が上澄みおよび混合物に加えられた。RNAは4℃で一晩中沈殿され、20分間10000gの遠心分離によって採取された。パレットが、500マイクロリットルのSSTE[1.0MのNaCl、0.5%のSDS、10mMのトリスHCl(pH8.0)、1mMのEDTA(pH 8.0)]に溶解されて、等しい容積のクロロホルム:イソアミルアルコールを用いて1回抽出された。エタノールの2つの容積が上澄みに加えられて、-20℃で少なくとも2時間培養され、13000gで遠心分離されて、上澄みが除去された。ペレットは、空気乾燥され、水中に再懸濁された。全RNA(60Vg)がVertis Biotechnology AG(フライジング郡、ドイツ)に発送された。PolyA+RNAが単離されて、ランダムにプライマー処理されたcDNAが、ランダム化されたN6アダプタープラーマーおよびM-MLV H-逆転写酵素を使用して合成された。cDNAはせん断されて、細分化され、サイズが500bpの5つの断片がさらなる分析のために使用された。cDNAキャリーは、Illuminaにより特定化されたアダプター配列AおおびBをそれらの5’および3’末端に取り付けられた。
【0132】
材料は、続いて、Illumina MiSeq Sequencing装置において分析された。11,064,059,151対の塩基対の全配列長さを用いて、全部で28,331,910個の配列がMiSeqによって読み出された。Trimmomatic-0.32が、Illumina配列アダプターからの配列をトリミングするように使用され、Seqprepが対の末端配列を重ね合わせるために使用され、bowtie2(バージョン2.2.1)はphiX汚染を除去するために使用される(phiX DNAは、通常は<1%存在しているスパイクイン制御として使用される)。対の末端読み出しおよび単一の読み出しが、Trinityアセンブリ(trinityrnaseq-2.0.2)で使用された。160871個のコンティグの全数がTrinityによりアセンブルされた。セスキテルペンシンターゼを識別するために、N.ジャタマンシコンティグが、cDNA配列のデータベースをつくるために使用された。このデータベースにおいて、TBLASTNプログラムは、ポゴステモンキャブリン由来パチョロールシンターゼ、バレリアナ由来パチョロールシンターゼを含むセスキテルペンシンターゼのタンパク質配列との同一性を示すタンパク質をコードするcDNAを識別するために展開された。N.ジャタマンシの全77個のコンティグにおいて、セスキテルペンシンターゼに対して有意な相同性を有するcNDAデータベースが識別された。これらの77個のコンティグは、UniProtに存在するテルペンシンターゼ配列に対するそれらの相同性にしたがって、UniProtデータベース(2015年8月28日にダウンロードされた)に存在するタンパク質配列に対してそれらをアライメントするBLASTXプログラムを使用してそれらを分析することにより、さらに特徴付けられ、それらの24個は、推定セスキテルペンシンターゼ配列として識別され、他の11個は、推定モノテルペンシンターゼとして識別された。コンティグは、BLASTX分析により提供されるアライメントに基づいて、全長のテルペンシンターゼタンパク質をコードするオープンリーディングフレームについてスリーニングされた。RNA配列をコードする2つの全長推定セスキテルペンシンターゼが識別され、それらの1つはコンティグ27692であった。
【0133】
実施例3:ナルドスタキスジャタマンシパチョロールシンターゼのクローニング(NjPAT)
全長オープンリーディングフレームはN.ジャタマンシのcDNAにより増幅された。表1に示すフォワードプライマーおよびリバースプライマーが、プラスミドpCDF-DUET-1(Novagen corporation)においてHis-6タグのC末端に対して読み出しフレームが溶融されたように、全オープンリーディングフレームを増幅するように、設計および使用された。5つの異なるテルペンシンターゼORFの全部がクローニングされた。プライマー27692-Fw(配列番号1)および27692-Re(配列番号2)を使用して、2つの異なる密接に関わるcDNAがクローニングされた。これら(pTS11-1)の1つは、上記のコンティグ27692によりコードされるタンパク質に対して、70個のアミノ酸を欠落しているタンパク質をコードした。他のクローン(pTS11-2)は、配列番号4のタンパク質をコードしたcDNA配列(配列番号3)を含んでいた。
【0134】
クローニングされた変異体は、TS挿入物を配列決定することにより分析された。異なる変異体が、ヒートショック形質転換によって、ケミカルコンピテント大腸菌BL21-RIL(Stratagene)に導入され、1%のグルコース、50μg/mlのスペクチノマイシンおよび50μl/mlのクロラムフェニコールを用いてLB-agar上で選択された。形質転換体が、1%のグルコース、50μg/mlのスペクチノマイシンおよび50μl/mlのクロラムフェニコールを有する5mlLB液体媒体に移され、37℃および250rpmで一晩中増増殖された。
【0135】
それらの培養物の200マイクロリットルが、100mLの三角フラスコ内の適切な抗生物質を有する20mLの5LB媒体に移されて、A600が0.4~0.6になるまで、37℃、250rpmで培養された。続いて、1mMのIPTGが加えられ、培養物は、18℃および250rpmで一晩銃培養された。次の日、細胞は、遠心分離(10分、8000xg)により採取され、媒体は除去され、細胞は、1mLの再懸濁バッファ(50mMのトリスHCl、pH=7.5、1.4mMのβ-メルカプトエタノール、4℃)中に再懸濁された。細胞は、速度6.5のファストプレップ内で0.2gのジルコニウムサンドを用いて10秒間を2回揺り動かすことにより破壊された。不溶性粒子は、続いて、遠心分離(10分、13,000xg、4℃)により除去された。可溶性タンパク質は、酵素アッセイのために即座に使用された。
【0136】
実施例4:インビトロ酵素アッセイ
酵素アッセイのために、ガラス管において混合物は、MOPSOバッファ(15mMのMOPSO(3-[N-モルホリノ]-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸)pH=7.0、12.5%のグリセロール、1mMのMgCl2、0.1%のtween20、1mMのジチオトレイトール)、100マイクロリットルの純化酵素溶液、および5μLのファルネシル二リン酸またはゲラニル二リン酸(乾式蒸発されて、50%エタノール中に溶解された10mMのSigma FPP)および20μLのオルトバナジン酸ナトリウム250mMからなる。この混合物は、30℃で2時間穏やかな攪拌により培養された。続いて、水相が2mLの酢酸エチルにより抽出された。酢酸エチル相は、収集され、1200xgで遠心分離され、硫酸ナトリウム上で乾燥され、GC-MSにより分析された。
【0137】
GC-MS分析が、7980A GCシステム、597C inert MSD検出装置(70eV)、7683自動サンプラーおよびインジェクタ、ならびにGuardianプレカラム(5m)を備えた30mの長さx0.25mmの内径および0.25μmの固定相のPhenomenex Zebron ZB-5msカラムを含むAgilent Technologiesのシステムで実行された。このシステムにおいて、試料の1マイクロリットルが注入された。注入チャンバは250℃であり、注入はスプリットレスであり、ZB5カラムは45℃に2分間維持され、その後、1分当たり10℃の勾配が開始された(300℃まで)。全イオンカウントのクロマトグラムでピークが検出された。化合物が、ライブラリ(NIST8およびインハウス)に対するマススペクトルの比較と組み合わせて、それらの保持指数によりおよびそれらのマススペクトルにより同定された。
【0138】
クローンTS11-2が、このインビトロアッセイにおいてパチョロールを産生し、したがって、パチョロールシンターゼをコードすることが認識され、NjPATと命名された。緊密に関連するTS11-1は、インビトロアッセイにおいていずれのセスキテルペンも産生しなかった。
【0139】
実施例5:溶解度タグを有するロドバクタースフェロイデスにおける発現のためのNjPATのクローニング。
プロモーターSPppaの規則に基づいて異なる溶解度タグと組み合わされたNjPAT遺伝子の発現について、構築物SPppa-MBP、SPppa-Fh8、SPppa-SUMO、SPppa-NusA、SPppa-RsTRXおよびSPppa-GST、ならびにNjPAT遺伝子は、Genscript USA Inc.,(ピスカタウェイ、ニュージャージー州、米国)により合成されたものである。両方のNjPAT遺伝子(配列番号5)および溶解度タグについてコードするすべての配列は、R.スフェロイデスにおける発現について最適化されるコドンであった。
【0140】
プラスミドp-m-SPppa-MBP-NjPAT-mpmii alt(図1)が、標準的なInfusion(登録商標)プロトコルにしたがって得られた。簡単には、構築物SPppa-MBPは、プライマーPppa-Fw(配列番号6)およびMBP_NjPAT_Rv(配列番号7)を使用して増幅された。NjPATは、プライマーMBP_NjPAT_Fw(配列番号8)、NjPAT_Rv(配列番号9)により増幅された。ベクターp-m-mpmii altは、制限酵素EcoRIおよびBamHIにより消化された。増幅産物および消化されたベクターは、次いで、Clontech製のInFusion(登録商標)酵素混合物を使用してアセンブルされた。反応混合物は大腸菌S17-1セルに移された。構築物SPppa-MBP-NjPATのヌクレオチド配列は配列番号10で与えられ、タンパク質配列は配列番号11で表される。
【0141】
プラスミドp-m-SPppa-Fh8-NjPAT-mpmii alt(図2)は、プラスミドp-m-SPppa-MBP-NjPAT-mpmii altと類似する様式で得られ、構築物SPppa-Fh8は、プライマーPppa-Fw(配列番号6)およびFh8_NjPAT_Rv(配列番号12)を使用して増幅され、およびNjPAT遺伝子はプライマーFh8_NjPAT_Fw(配列番号13)NjPAT_Rv(配列番号9)により増幅された。さらなるクローニングプロセスは、プラスミドp-m-SPppa-MBP-NjPAT-mpmii altと同じである。構築物SPppa-Fh8-NjPATのヌクレオチド配列は配列番号14で与えられ、タンパク質配列は配列番号15で表される。
【0142】
同じクローニング手順が他の構築物についても続けられた。
【0143】
構築物SPppa-SUMOは、プライマーPppa-Fw(配列番号6)およびSUMO_NjPAT_Rv(配列番号16)を使用して増幅され、NjPAT遺伝子は、プライマーSUMO_NjPAT_Fw(配列番号17)NjPAT_Rv(配列番号9)を用いて増幅された。構築物SPppa-SUMO-NjPATのヌクレオチド配列は配列番号18で与えられ、タンパク質配列は配列番号19で表される。最終のプラスミドp-m-SPppa-SUMO-NjPAT-mpmii altのマップは図3に示されている。
【0144】
構築物SPppa-NusAは、プライマーPppa-Fw(配列番号6)およびNusA_NjPAT_Rv(配列番号20)を使用して増幅され、NjPAT遺伝子は、プライマーNusA_NjPAT_Fw(配列番号21)NjPAT_Rv(配列番号9)を用いて増幅された。構築物SPppa-NusA-NjPATのヌクレオチド配列は配列番号22で与えられ、タンパク質配列は配列番号23で表される。最終のプラスミドp-m-SPppa-NusA-NjPAT-mpmii altのマップは図4に示されている。
【0145】
構築物SPppa-RsTRXは、プライマーPppa-Fw(配列番号6)およびRsTRX_NjPAT_Rv(配列番号24)を使用して増幅され、NjPAT遺伝子は、プライマーRsTRX_NjPAT_Fw(配列番号25)NjPAT_Rv(配列番号9)を用いて増幅された。構築物SPppa-RsTRX-NjPATのヌクレオチド配列は配列番号26で与えられ、タンパク質配列は配列番号27で表される。最終のプラスミドp-m-SPppa-RsTRX-NjPAT-mpmii altのマップは図5に示されている。
【0146】
構築物SPppa-GSTは、プライマーPppa-Fw(配列番号6)およびGST_NjPAT_Rv(配列番号28)を使用して増幅され、NjPAT遺伝子は、プライマーGST_NjPAT_Fw(配列番号29)NjPAT_Rv(配列番号9)を用いて増幅された。構築物SPppa-GST-NjPATのヌクレオチド配列は配列番号30で与えられ、タンパク質配列は配列番号31で表される。最終のプラスミドp-m-SPppa-GST-NjPAT-mpmii altのマップは図6に示されている。
【0147】
結合によるS17-1からR.スフェロイデスRs265-9cへの移行が、標準的な手順(米国特許第US9260709B2号)を使用して実行された。
【0148】
実施例6:増殖条件振とうフラスコ実験。
種培養が、100mg/Lのネオマイシンをおよびグリセロールストックのループを有する20mlのRS102培地を用いるバッフルのない100mlの振とうフラスコ内で実行された。フラスコは、110rpmで50mmの軌道で振とうインキュベータ内で30℃において72時間培養された。
【0149】
72時間の最後に、培養物のOD600が、大きいフラスコに移行される培養物の正確な容積を計算するように評価された。
【0150】
振とうフラスコ実験が、2つのボトムバッフルを用いて300mlの振とうフラスコ内で実行された。20mlのRS102および100mg/Lの最終的な濃度までネオマイシンが、2mlの無菌のn-ドデカンと共に加えられた。接種材の容積が調節されて、20mlの培地においてOD600の最終の値0.05を得た。
【0151】
フラスコは、110rpmで50mmの軌道で、振とうインキュベータ内で30℃に72時間維持された。
【0152】
実施例7:有機相でのイソプレノイド含有量の分析のための試料調整。
培養物が、4500xgで20分遠心分離される、予め重量測定された50mlのPP管内での接種72時間後に収集された。n-ドデカン層は、後のGC分析のためにマイクロ遠心チューブに移行された。
【0153】
ラウリン酸エチルの10マイクロリットルが、800μlの単離されたドデカン溶液が加えられ、重量測定される10mlのガラスバイアル内に加えられた。続いて、8mlのアセトンが、バイアルに加えられて、より正確なGC分析のためにドデカンの濃度を希釈した。約1.5mlのテルペン含有ドデカンを含むアセトン溶液がクロマトグラフィーバイアルに移行された。
【0154】
実施例8:ガスクロマトグラフィー炎イオン化検出装置(GC-FID)
ガスクロマトグラフィーは、Restek RTX-5Sil MSキャピラリカラム(30mx0.25mm、0.5μm)を備えたShimazu GC2010 Plusにおいて実行された。インジェクタおよびFID検出装置の温度は、それぞれ280℃および300℃に設定された。カラムを通るガス流は40mL/minに設定された。オーブンの初期温度は、160℃であり、2℃/minで180℃まで上げられ、50℃/minで300℃までさらに上げられ、3分間その温度に保持された。注入された試料の容積は1:50の分割比において1μLであり、窒素補給流量は30ml/minであった。
【0155】
実施例9:NjPATにより産生されたテルペンのガスクロマトグラフィー定量タイムオブフライト(GC-QTOF)分析
R.スフェロイデス培養物からのドデカン抽出の原液は、ヘキサン内に1mg/mlで調製され、次いで、メタノール内に20μg/mlに希釈された。
【0156】
希釈物の2μlがTenax管に移され、200ml/minのヘリウム流で2時間ドライパージされて、溶剤を除去した。Tanax管は、240℃で5分間Markes社製のサーマルデソーバを使用して、マルチベッドパッキンを備えたコールドトラップ(0℃)に脱着された。トラップされた材料は、ヘリウムの9ml/minの分流および1.2ml/minのカラム流で、40℃/secで260℃まで加熱することにより注入された。注入された材料は、Agilent 7890B GCにおいてDB5 MSカラム(Agilent、30M、0.25mm id、1μm df)上で分析された。
【0157】
温度プログラムは以下のようであった。2分で40℃に、次いで、10℃/minの傾きで280℃に上げた。化合物は、50~350amuのマスレンジでAgilent 7200 QTOF MSを使用して検出された。
【0158】
データ分析のために、Masshunter(Agilent、version B.0700)が使用された。NISTライブラリ(NISTバージョン2.2 2014)と比較してデコンボリューションされたスペクトル
【0159】
実施例10:R.スフェロイデス株によるテルペン産生の分析
プラスミドp-m-SPppa-MBP-NjPAT-mpmii altを宿すロドバクター株は、テルペン種、中でもパチョロール、ポゴストールおよび驚くべきことにレモール、最も高い生を示した(図7)。パチョロールとエレモールとの間の比は6.9:1であり、パチョロールとポゴストールとの間の比は5.6:1であり、そして最後に、ポゴストールとエレモールとの間の比は1.3:1であった。Fh8タグのNjPATへの融合は、ファルネソール(FPPの脱リン酸化からもたらされる産生物)のみを産生し得る酵素を完全に非活性化した。溶解度タグSUMOを有するNjPATを発現する株を用いて得られる力価は、MBP株を用いて得られるものの74%であり、それは、NusA-NjPAT株からもたらされる73%の力価にかなり類似するものである。より低い力価は、NjPATがGSTまたはRsTRXと組み合わされるときに得られた(MBP-NjPATに比べてそれぞれ43%および7%)。
本発明は、例えば以下の実施形態を包含する:
[実施形態1]配列番号4で示されるアミノ酸配列を含むパチョロールシンターゼ、またはその機能的相同体であって、前記相同体は、配列番号4と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むパチョロールシンターゼである、パチョロールシンターゼ、またはその機能的相同体。
[実施形態2]配列番号4との少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%の配列同一性を有する、実施形態1に記載のパチョロールシンターゼ。
[実施形態3]実施形態1または2に記載のパチョロールシンターゼをコードする核酸配列、またはその相補的配列を含む、核酸。
[実施形態4]前記核酸は、配列番号3もしくは配列番号5で示される核酸配列、または配列番号3もしくは配列番号5で示される配列と少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも98%の配列同一性を有する核酸配列、またはそれらの配列のいずれかの相補的配列を含む、実施形態3に記載の核酸。
[実施形態5]実施形態3または4に記載の核酸を含む発現ベクター。
[実施形態6]それ自体が生物または多細胞生物の一部であってもよい宿主細胞であって、実施形態3または4に記載の異種核酸配列を含む発現ベクターを含む、宿主細胞。
[実施形態7]前記宿主細胞は、グラム陰性細菌の群、特に、ロドバクター、パラコッカスおよびエシェリキアの群から選択される細菌細胞である、実施形態6に記載の宿主細胞。
[実施形態8]前記宿主細胞は、アスペルギルス、ブラケスレア、ペニシリウム、ファフィア(キサントフィロマイセス)、ピキア、サッカロマイセス、およびヤロウイアの群から選択される真菌細胞である、実施形態6に記載の宿主細胞。
[実施形態9]トランスジェニック植物細胞を含むトランスジェニック植物または培養物であって、前記植物または培養物は、実施形態6に記載の宿主細胞を含み、前記宿主細胞は、タバコ属、ナス属、キクニガナ属、アキノノゲシ属、ハッカ属、クソニンジン属、塊茎形成植物、油料作物、液体培養植物、タバコBY2細胞、ヒメツリガネゴケおよび樹木から選択されるトランスジェニック植物のものである、トランスジェニック植物または培養物。
[実施形態10]トランスジェニックキノコ細胞を含むトランスジェニックキノコまたは培養物であって、前記キノコまたは培養物は実施形態6に記載の宿主細胞を含み、前記宿主細胞は、スエヒロタケ、アガリクスおよびヒラタケから選択される、トランスジェニックキノコまたは培養物。
[実施形態11]パチョロールおよびエレモール、ならびに好ましくはポゴストールも調製する方法であって、実施形態1または2に記載のパチョロールシンターゼの存在下でファルネシル二リン酸をパチョロールおよびエレモール、ならびに好ましくはポゴストールにも変換することを含む、方法。
[実施形態12]前記パチョロールおよびエレモール、ならびに好ましくはポゴストールも、前記パチョロールシンターゼを発現する、実施形態6、7もしくは8に記載の宿主細胞、実施形態9に記載の植物もしくは植物培養物、または実施形態10に記載のキノコもしくはキノコ培養物において調製され、実施形態11に記載のパチョロールおよびエレモール、ならびに好ましくはポゴストールも調製する方法。
[実施形態13]前記パチョロールおよび/またはポゴストールおよび/またはエレモールを単離することをさらに含む、実施形態11または12に記載の方法。
[実施形態14]ポゴストールのパチョロールに対する比が1:5より高い、実施形態11~13のいずれかに記載の方法。
[実施形態15]エレモールのパチョロールに対する比が1:10より高い、実施形態11~14のいずれかに記載の方法。
[実施形態16]エレモールのポゴストールに対する比が1:3以上であり、1:2以上である、実施形態11~15のいずれかに記載の方法。
【0160】
配列
配列番号1
27692-fwヌクレオチド配列
atatgagctcaATGTCAATTATTATTGCAACAAACAGTACTGAGCATCC
配列番号2
27692-reヌクレオチド配列
atatgcggccgcTTATATGGATACGGGATCTACGAACAACGATATGATGTG
配列番号3
NjPATヌクレオチド配列
ATGTCAATTATTATTGCAACAAACAGTACTGAGCATCCAATTTTTCGTCCATTAGCAAATTTTCCACCAAGTTTATGGGGCAATCTTTTCACTTCATTCTCCATGGATAATCAGGCTAGGGAAATATATGCTAAAGAACATGAAGGTTTAAAAGAAAAAGTGAGAATGATGTTTTTAGATACAACAAATTACAAAATTTCAGAGAAAATCAATTTCATAAACACAGTGGAAAGATTAGGTGTATCATATCATTTTGAGAAAGAGATTGAAGAACTACTTCATCAAATGTTTGATGCTCATTCTAAACACCTAGATGATATTCAAGAATTTGATTTGTTCACTTTGGGAATTTACTTCAGGATTCTAAGGCAACATGGTTATAAAATCTCTTGTGATGTTTTCAATAAGTTGAAAGATAGCAATGGCGAATTCAAGGACGAACTTAAAGATGATGTGAATGGTATGCTAAGTTTCTATGAAGCAACACATGTAAGAACACATGGAGAAAATATTTTAGATGAAGCTCTCATTTATACAAAAGCTCAACTTGAATCCATGGCCGCTGCAAGTTTAAGCCCATTTCTCGCGAACCAAGTTAAGCATGCTTTGATGCAAGCTCTCCACAAAGGGATCCCAAGAATCGAAGCACGTAACTATATCTCTGTTTACGAAGAAGATCCTAACAAAAATGATTTGTTATTGAGGTTCTCAAAGATAGATTTCAATCTAGTACAAATGATTCACAAGCAAGAATTGTGCGATACCTTTAGgTGGTGGAAAGATTTGGAGTTCGAATCGAAACTATCTTTTGCAaGGAATAGAGTGGTGGAAGCCTACTTATGGACTCTTAGCGCGTACTACGAACCAAAATACTCTTCCGCTCGGATTATATTAGTCAAACTAATGGTTATAATATCTGTTACGGATGACACATATGATGCATATGGTACATTAGATGAACTTCAACTTTTTACAGATGCAATACAAAGGTTGGATATGAGTTCTATCAATCAACTTCCAGATTACATGAAGACCATCTATAAAGCTCTCCTAGATCTTTTTGACGAAATAGAAGATCGATTATCGAAGCATGAAACTGATCATTCTTACCGCGTTGCTTATGCGAAATATGTGTATAAAGAGATCGTTAGGTGCTACGATATGGAGTACAAATGGTTCAACAAAAATTACGTGCCGGCATTTGAAGAATATATGCAGAAAGCGTTAGTCACATCAGGTAACCGTTTGCTCATAACGTTTTCCTTTCTGGGAATGGACGAAGTCGCAACTATTCAAGCGTTCGAGTGGGTAAAAAGTAATGCCAAAATGATAGTCTCTTCCAATAAAGTATTACGACTTATTGATGACATAATGAGTCACGAGGAAGAGGATGAAAGGGGACATGTTGCAACAGGGATTGAATGCTTTGTAAAAGAACATGGACTAACTAGGGAAGAGGTTATCGTTGAATTTCATAAGAGGATTGATGATGCTTGGAAGGATATAAATGAGGAATTTATAACGCCAAATAATTTACCGATTGAGATACTTACGCGTGTTCTAAACCTTACAAGAATTGGAGATGTTGTTTACAAGTATGATGACGGGTATACTCATCCGGAGAAAGCGTTGAAAGATCACATCATATCGTTGTTCGTAGATCCCGTATCCATATAA
配列番号4
NjPATアミノ酸配列
MSIIIATNSTEHPIFRPLANFPPSLWGNLFTSFSMDNQAREIYAKEHEGLKEKVRMMFLDTTNYKISEKINFINTVERLGVSYHFEKEIEELLHQMFDAHSKHLDDIQEFDLFTLGIYFRILRQHGYKISCDVFNKLKDSNGEFKDELKDDVNGMLSFYEATHVRTHGENILDEALIYTKAQLESMAAASLSPFLANQVKHALMQALHKGIPRIEARNYISVYEEDPNKNDLLLRFSKIDFNLVQMIHKQELCDTFRWWKDLEFESKLSFARNRVVEAYLWTLSAYYEPKYSSARIILVKLMVIISVTDDTYDAYGTLDELQLFTDAIQRLDMSSINQLPDYMKTIYKALLDLFDEIEDRLSKHETDHSYRVAYAKYVYKEIVRCYDMEYKWFNKNYVPAFEEYMQKALVTSGNRLLITFSFLGMDEVATIQAFEWVKSNAKMIVSSNKVLRLIDDIMSHEEEDERGHVATGIECFVKEHGLTREEVIVEFHKRIDDAWKDINEEFITPNNLPIEILTRVLNLTRIGDVVYKYDDGYTHPEKALKDHIISLFVDPVSI
配列番号5
NjPATコドン最適化ヌクレオチド配列
ATGTCGATCATCATCGCCACCAACAGCACCGAGCATCCCATCTTCCGCCCGCTCGCCAACTTCCCGCCGTCGCTCTGGGGCAACCTGTTCACCTCGTTCAGCATGGACAACCAGGCGCGCGAGATCTACGCCAAGGAGCACGAGGGCCTCAAGGAGAAGGTCCGGATGATGTTCCTGGACACCACGAACTACAAGATCTCGGAGAAGATCAACTTCATCAACACCGTCGAGCGCCTGGGCGTGAGCTATCACTTCGAGAAGGAGATCGAGGAGCTGCTCCATCAGATGTTCGACGCCCACTCGAAGCATCTGGACGACATCCAGGAGTTCGACCTCTTCACGCTGGGCATCTACTTCCGCATCCTGCGGCAGCATGGCTATAAGATCTCGTGCGACGTCTTCAACAAGCTGAAGGACAGCAACGGCGAGTTCAAGGACGAGCTCAAGGACGACGTCAACGGCATGCTGTCGTTCTATGAGGCCACCCATGTGCGCACCCATGGCGAGAACATCCTCGACGAGGCGCTGATCTACACGAAGGCCCAGCTGGAGTCGATGGCGGCCGCCTCGCTCAGCCCGTTCCTGGCCAACCAGGTGAAGCACGCGCTCATGCAGGCCCTGCATAAGGGCATCCCGCGCATCGAGGCGCGGAACTACATCTCGGTCTATGAGGAAGACCCGAACAAGAACGACCTGCTCCTGCGCTTCAGCAAGATCGACTTCAACCTGGTGCAGATGATCCACAAGCAGGAGCTGTGCGACACCTTCCGGTGGTGGAAGGACCTGGAGTTCGAGTCGAAGCTGTCGTTCGCCCGCAACCGGGTGGTGGAGGCCTACCTCTGGACGCTGTCGGCGTACTATGAGCCGAAGTATTCGAGCGCCCGCATCATCCTCGTGAAGCTGATGGTCATCATCTCGGTGACCGACGACACGTACGACGCCTATGGCACCCTGGACGAGCTCCAGCTGTTCACGGACGCGATCCAGCGCCTCGACATGTCGAGCATCAACCAGCTGCCCGACTACATGAAGACCATCTATAAGGCGCTCCTGGACCTCTTCGACGAGATCGAGGACCGCCTGTCGAAGCACGAGACGGACCATAGCTACCGGGTGGCGTATGCCAAGTACGTCTATAAGGAGATCGTGCGCTGCTACGACATGGAGTATAAGTGGTTCAACAAGAACTACGTCCCCGCCTTCGAGGAGTATATGCAGAAGGCCCTGGTGACCTCGGGCAACCGGCTCCTGATCACGTTCAGCTTCCTGGGCATGGACGAGGTCGCGACCATCCAGGCCTTCGAGTGGGTGAAGTCGAACGCCAAGATGATCGTGTCGTCGAACAAGGTGCTCCGCCTGATCGACGACATCATGTCGCACGAGGAAGAGGACGAGCGCGGCCATGTGGCCACGGGCATCGAGTGCTTCGTGAAGGAGCACGGCCTGACCCGCGAGGAAGTGATCGTCGAGTTCCATAAGCGGATCGACGACGCGTGGAAGGACATCAACGAGGAGTTCATCACCCCGAACAACCTGCCGATCGAGATCCTGACCCGCGTGCTCAACCTGACCCGGATCGGCGACGTGGTCTACAAGTATGACGACGGCTACACGCACCCCGAGAAGGCCCTCAAGGACCATATCATCAGCCTGTTCGTGGACCCCGTCAGCATCTGA
配列番号6
Pppa_Fwヌクレオチド配列
actggcctcagaattcAAAtttatttgctttgtgagcggataac
配列番号7
MBP_NjPAT_Rvヌクレオチド配列
GGCGATGATGATCGACATGATCTTG
配列番号8
MBP_NjPAT_Fwヌクレオチド配列
CAAGATCATGTCGATCATCATCGC
配列番号9
NjPAT_Rvヌクレオチド配列
tttatgatttggatcCTCAGATGCTGACGGGGT
配列番号10
SPppa-MBP-NjPATヌクレオチド配列
AAATTTATTTGCTTTGTGAGCGGATAACAATTATTAGATTCACCGGCGAGCCAGCAGGAATTTCACTCTAGATGACAGGAGGGACATATGAAGATCGAGGAAGGCAAGCTCGTGATCTGGATCAACGGCGACAAGGGCTACAACGGCCTGGCCGAGGTGGGCAAGAAGTTCGAGAAGGACACCGGCATCAAGGTGACGGTGGAGCACCCGGACAAGCTCGAGGAGAAGTTCCCGCAGGTGGCGGCCACGGGCGACGGCCCGGACATCATCTTCTGGGCCCATGACCGCTTCGGCGGCTACGCCCAGTCGGGCCTGCTGGCCGAGATCACCCCGGACAAGGCGTTCCAGGACAAGCTCTATCCCTTCACGTGGGACGCCGTGCGCTACAACGGCAAGCTGATCGCGTATCCCATCGCGGTGGAGGCCCTGTCGCTCATCTATAACAAGGACCTGCTCCCGAACCCGCCCAAGACCTGGGAGGAGATCCCCGCCCTCGACAAGGAGCTGAAGGCCAAGGGCAAGTCGGCGCTCATGTTCAACCTGCAGGAGCCGTACTTCACCTGGCCCCTGATCGCGGCCGACGGCGGCTACGCGTTCAAGTATGAGAACGGCAAGTATGACATCAAGGACGTGGGCGTGGACAACGCGGGCGCCAAGGCCGGCCTGACCTTCCTCGTGGACCTGATCAAGAACAAGCACATGAACGCCGACACGGACTACTCGATCGCGGAGGCCGCGTTCAACAAGGGCGAGACCGCCATGACGATCAACGGCCCGTGGGCGTGGTCGAACATCGACACCTCGAAGGTGAACTATGGCGTGACCGTGCTCCCCACGTTCAAGGGCCAGCCCTCGAAGCCCTTCGTGGGCGTGCTGTCGGCGGGCATCAACGCCGCGTCGCCGAACAAGGAGCTCGCGAAGGAGTTCCTGGAGAACTACCTGCTCACCGACGAGGGCCTGGAGGCCGTGAACAAGGACAAGCCCCTGGGCGCCGTGGCCCTGAAGTCGTATGAGGAAGAGCTGGTGAAGGACCCGCGCATCGCGGCCACCATGGAGAACGCGCAGAAGGGCGAGATCATGCCGAACATCCCCCAGATGTCGGCCTTCTGGTATGCGGTGCGCACCGCCGTGATCAACGCGGCCTCGGGCCGCCAGACCGTGGACGAGGCCCTCAAGGACGCCCAGACCGGCGACGACGACGACAAGATCATGTCGATCATCATCGCCACCAACAGCACCGAGCATCCCATCTTCCGCCCGCTCGCCAACTTCCCGCCGTCGCTCTGGGGCAACCTGTTCACCTCGTTCAGCATGGACAACCAGGCGCGCGAGATCTACGCCAAGGAGCACGAGGGCCTCAAGGAGAAGGTCCGGATGATGTTCCTGGACACCACGAACTACAAGATCTCGGAGAAGATCAACTTCATCAACACCGTCGAGCGCCTGGGCGTGAGCTATCACTTCGAGAAGGAGATCGAGGAGCTGCTCCATCAGATGTTCGACGCCCACTCGAAGCATCTGGACGACATCCAGGAGTTCGACCTCTTCACGCTGGGCATCTACTTCCGCATCCTGCGGCAGCATGGCTATAAGATCTCGTGCGACGTCTTCAACAAGCTGAAGGACAGCAACGGCGAGTTCAAGGACGAGCTCAAGGACGACGTCAACGGCATGCTGTCGTTCTATGAGGCCACCCATGTGCGCACCCATGGCGAGAACATCCTCGACGAGGCGCTGATCTACACGAAGGCCCAGCTGGAGTCGATGGCGGCCGCCTCGCTCAGCCCGTTCCTGGCCAACCAGGTGAAGCACGCGCTCATGCAGGCCCTGCATAAGGGCATCCCGCGCATCGAGGCGCGGAACTACATCTCGGTCTATGAGGAAGACCCGAACAAGAACGACCTGCTCCTGCGCTTCAGCAAGATCGACTTCAACCTGGTGCAGATGATCCACAAGCAGGAGCTGTGCGACACCTTCCGGTGGTGGAAGGACCTGGAGTTCGAGTCGAAGCTGTCGTTCGCCCGCAACCGGGTGGTGGAGGCCTACCTCTGGACGCTGTCGGCGTACTATGAGCCGAAGTATTCGAGCGCCCGCATCATCCTCGTGAAGCTGATGGTCATCATCTCGGTGACCGACGACACGTACGACGCCTATGGCACCCTGGACGAGCTCCAGCTGTTCACGGACGCGATCCAGCGCCTCGACATGTCGAGCATCAACCAGCTGCCCGACTACATGAAGACCATCTATAAGGCGCTCCTGGACCTCTTCGACGAGATCGAGGACCGCCTGTCGAAGCACGAGACGGACCATAGCTACCGGGTGGCGTATGCCAAGTACGTCTATAAGGAGATCGTGCGCTGCTACGACATGGAGTATAAGTGGTTCAACAAGAACTACGTCCCCGCCTTCGAGGAGTATATGCAGAAGGCCCTGGTGACCTCGGGCAACCGGCTCCTGATCACGTTCAGCTTCCTGGGCATGGACGAGGTCGCGACCATCCAGGCCTTCGAGTGGGTGAAGTCGAACGCCAAGATGATCGTGTCGTCGAACAAGGTGCTCCGCCTGATCGACGACATCATGTCGCACGAGGAAGAGGACGAGCGCGGCCATGTGGCCACGGGCATCGAGTGCTTCGTGAAGGAGCACGGCCTGACCCGCGAGGAAGTGATCGTCGAGTTCCATAAGCGGATCGACGACGCGTGGAAGGACATCAACGAGGAGTTCATCACCCCGAACAACCTGCCGATCGAGATCCTGACCCGCGTGCTCAACCTGACCCGGATCGGCGACGTGGTCTACAAGTATGACGACGGCTACACGCACCCCGAGAAGGCCCTCAAGGACCATATCATCAGCCTGTTCGTGGACCCCGTCAGCATCTGA
イタリック体の配列はSPppaプロモーターであり、アンダーライン付きシーケンスはコボン最適化MBPであり、通常フォントの配列はコボン最適化NjPATである。
配列番号11
MBP-NjPATアミノ酸配列
MKIEEGKLVIWINGDKGYNGLAEVGKKFEKDTGIKVTVEHPDKLEEKFPQVAATGDGPDIIFWAHDRFGGYAQSGLLAEITPDKAFQDKLYPFTWDAVRYNGKLIAYPIAVEALSLIYNKDLLPNPPKTWEEIPALDKELKAKGKSALMFNLQEPYFTWPLIAADGGYAFKYENGKYDIKDVGVDNAGAKAGLTFLVDLIKNKHMNADTDYSIAEAAFNKGETAMTINGPWAWSNIDTSKVNYGVTVLPTFKGQPSKPFVGVLSAGINAASPNKELAKEFLENYLLTDEGLEAVNKDKPLGAVALKSYEEELVKDPRIAATMENAQKGEIMPNIPQMSAFWYAVRTAVINAASGRQTVDEALKDAQTGDDDDKIMSIIIATNSTEHPIFRPLANFPPSLWGNLFTSFSMDNQAREIYAKEHEGLKEKVRMMFLDTTNYKISEKINFINTVERLGVSYHFEKEIEELLHQMFDAHSKHLDDIQEFDLFTLGIYFRILRQHGYKISCDVFNKLKDSNGEFKDELKDDVNGMLSFYEATHVRTHGENILDEALIYTKAQLESMAAASLSPFLANQVKHALMQALHKGIPRIEARNYISVYEEDPNKNDLLLRFSKIDFNLVQMIHKQELCDTFRWWKDLEFESKLSFARNRVVEAYLWTLSAYYEPKYSSARIILVKLMVIISVTDDTYDAYGTLDELQLFTDAIQRLDMSSINQLPDYMKTIYKALLDLFDEIEDRLSKHETDHSYRVAYAKYVYKEIVRCYDMEYKWFNKNYVPAFEEYMQKALVTSGNRLLITFSFLGMDEVATIQAFEWVKSNAKMIVSSNKVLRLIDDIMSHEEEDERGHVATGIECFVKEHGLTREEVIVEFHKRIDDAWKDINEEFITPNNLPIEILTRVLNLTRIGDVVYKYDDGYTHPEKALKDHIISLFVDPVSI
アンダーライン付き配列はMBPタグである。
配列番号12
Fh8_NjPAT_Rvヌクレオチド配列
GATCGACATCGACGAGAGGATCGAG
配列番号13
Fh8_NjPAT_Fwヌクレオチド配列
CTCGTCGATGTCGATCATCATCGCC
配列番号14
SPppa-Fh8-NjPATヌクレオチド配列
AAATTTATTTGCTTTGTGAGCGGATAACAATTATTAGATTCACCGGCGAGCCAGCAGGAATTTCACTCTAGATGACAGGAGGGACATATGCCCTCGGTGCAAGAGGTGGAGAAGCTGCTGCATGTGCTGGACCGGAACGGCGACGGCAAGGTGTCGGCGGAGGAGCTGAAGGCGTTCGCCGACGACTCGAAGTGCCCGCTGGACTCGAACAAGATCAAGGCGTTCATCAAGGAGCATGACAAGAACAAGGACGGCAAGCTGGACCTCAAGGAGCTGGTCTCGATCCTCTCGTCGATGTCGATCATCATCGCCACCAACAGCACCGAGCATCCCATCTTCCGCCCGCTCGCCAACTTCCCGCCGTCGCTCTGGGGCAACCTGTTCACCTCGTTCAGCATGGACAACCAGGCGCGCGAGATCTACGCCAAGGAGCACGAGGGCCTCAAGGAGAAGGTCCGGATGATGTTCCTGGACACCACGAACTACAAGATCTCGGAGAAGATCAACTTCATCAACACCGTCGAGCGCCTGGGCGTGAGCTATCACTTCGAGAAGGAGATCGAGGAGCTGCTCCATCAGATGTTCGACGCCCACTCGAAGCATCTGGACGACATCCAGGAGTTCGACCTCTTCACGCTGGGCATCTACTTCCGCATCCTGCGGCAGCATGGCTATAAGATCTCGTGCGACGTCTTCAACAAGCTGAAGGACAGCAACGGCGAGTTCAAGGACGAGCTCAAGGACGACGTCAACGGCATGCTGTCGTTCTATGAGGCCACCCATGTGCGCACCCATGGCGAGAACATCCTCGACGAGGCGCTGATCTACACGAAGGCCCAGCTGGAGTCGATGGCGGCCGCCTCGCTCAGCCCGTTCCTGGCCAACCAGGTGAAGCACGCGCTCATGCAGGCCCTGCATAAGGGCATCCCGCGCATCGAGGCGCGGAACTACATCTCGGTCTATGAGGAAGACCCGAACAAGAACGACCTGCTCCTGCGCTTCAGCAAGATCGACTTCAACCTGGTGCAGATGATCCACAAGCAGGAGCTGTGCGACACCTTCCGGTGGTGGAAGGACCTGGAGTTCGAGTCGAAGCTGTCGTTCGCCCGCAACCGGGTGGTGGAGGCCTACCTCTGGACGCTGTCGGCGTACTATGAGCCGAAGTATTCGAGCGCCCGCATCATCCTCGTGAAGCTGATGGTCATCATCTCGGTGACCGACGACACGTACGACGCCTATGGCACCCTGGACGAGCTCCAGCTGTTCACGGACGCGATCCAGCGCCTCGACATGTCGAGCATCAACCAGCTGCCCGACTACATGAAGACCATCTATAAGGCGCTCCTGGACCTCTTCGACGAGATCGAGGACCGCCTGTCGAAGCACGAGACGGACCATAGCTACCGGGTGGCGTATGCCAAGTACGTCTATAAGGAGATCGTGCGCTGCTACGACATGGAGTATAAGTGGTTCAACAAGAACTACGTCCCCGCCTTCGAGGAGTATATGCAGAAGGCCCTGGTGACCTCGGGCAACCGGCTCCTGATCACGTTCAGCTTCCTGGGCATGGACGAGGTCGCGACCATCCAGGCCTTCGAGTGGGTGAAGTCGAACGCCAAGATGATCGTGTCGTCGAACAAGGTGCTCCGCCTGATCGACGACATCATGTCGCACGAGGAAGAGGACGAGCGCGGCCATGTGGCCACGGGCATCGAGTGCTTCGTGAAGGAGCACGGCCTGACCCGCGAGGAAGTGATCGTCGAGTTCCATAAGCGGATCGACGACGCGTGGAAGGACATCAACGAGGAGTTCATCACCCCGAACAACCTGCCGATCGAGATCCTGACCCGCGTGCTCAACCTGACCCGGATCGGCGACGTGGTCTACAAGTATGACGACGGCTACACGCACCCCGAGAAGGCCCTCAAGGACCATATCATCAGCCTGTTCGTGGACCCCGTCAGCATCTGA
イタリック体の配列はSPppaプロモーターであり、アンダーライン付きシーケンスはコボン最適化fh8であり、通常フォントの配列はコボン最適化NjPATである。
配列番号15
Fh8-NjPATアミノ酸配列
MPSVQEVEKLLHVLDRNGDGKVSAEELKAFADDSKCPLDSNKIKAFIKEHDKNKDGKLDLKELVSILSSMSIIIATNSTEHPIFRPLANFPPSLWGNLFTSFSMDNQAREIYAKEHEGLKEKVRMMFLDTTNYKISEKINFINTVERLGVSYHFEKEIEELLHQMFDAHSKHLDDIQEFDLFTLGIYFRILRQHGYKISCDVFNKLKDSNGEFKDELKDDVNGMLSFYEATHVRTHGENILDEALIYTKAQLESMAAASLSPFLANQVKHALMQALHKGIPRIEARNYISVYEEDPNKNDLLLRFSKIDFNLVQMIHKQELCDTFRWWKDLEFESKLSFARNRVVEAYLWTLSAYYEPKYSSARIILVKLMVIISVTDDTYDAYGTLDELQLFTDAIQRLDMSSINQLPDYMKTIYKALLDLFDEIEDRLSKHETDHSYRVAYAKYVYKEIVRCYDMEYKWFNKNYVPAFEEYMQKALVTSGNRLLITFSFLGMDEVATIQAFEWVKSNAKMIVSSNKVLRLIDDIMSHEEEDERGHVATGIECFVKEHGLTREEVIVEFHKRIDDAWKDINEEFITPNNLPIEILTRVLNLTRIGDVVYKYDDGYTHPEKALKDHIISLFVDPVSI
アンダーライン付き配列はFh8Aタグである。
配列番号16
SUMO_NjPAT_Rvヌクレオチド配列
GATCGACATGCCGATCTGCTCGCG
配列番号17
SUMO_NjPAT_Fwヌクレオチド配列
GATCGGCATGTCGATCATCATCGCC
配列番号18
SPppa-SUMO-NjPATヌクレオチド配列
AAATTTATTTGCTTTGTGAGCGGATAACAATTATTAGATTCACCGGCGAGCCAGCAGGAATTTCACTCTAGATGACAGGAGGGACATATGTCGGACAGCGAGGTGAACCAGGAAGCCAAGCCCGAGGTGAAGCCCGAGGTGAAGCCGGAGACCCACATCAACCTGAAGGTGTCGGACGGCTCGTCGGAGATCTTCTTCAAGATCAAGAAGACCACGCCCCTGCGCCGCCTCATGGAGGCCTTCGCCAAGCGCCAGGGCAAGGAGATGGACTCGCTGCGCTTCCTCTACGACGGCATCCGCATCCAGGCGGACCAGACGCCGGAGGACCTCGACATGGAGGACAACGACATCATCGAGGCGCATCGCGAGCAGATCGGCATGTCGATCATCATCGCCACCAACAGCACCGAGCATCCCATCTTCCGCCCGCTCGCCAACTTCCCGCCGTCGCTCTGGGGCAACCTGTTCACCTCGTTCAGCATGGACAACCAGGCGCGCGAGATCTACGCCAAGGAGCACGAGGGCCTCAAGGAGAAGGTCCGGATGATGTTCCTGGACACCACGAACTACAAGATCTCGGAGAAGATCAACTTCATCAACACCGTCGAGCGCCTGGGCGTGAGCTATCACTTCGAGAAGGAGATCGAGGAGCTGCTCCATCAGATGTTCGACGCCCACTCGAAGCATCTGGACGACATCCAGGAGTTCGACCTCTTCACGCTGGGCATCTACTTCCGCATCCTGCGGCAGCATGGCTATAAGATCTCGTGCGACGTCTTCAACAAGCTGAAGGACAGCAACGGCGAGTTCAAGGACGAGCTCAAGGACGACGTCAACGGCATGCTGTCGTTCTATGAGGCCACCCATGTGCGCACCCATGGCGAGAACATCCTCGACGAGGCGCTGATCTACACGAAGGCCCAGCTGGAGTCGATGGCGGCCGCCTCGCTCAGCCCGTTCCTGGCCAACCAGGTGAAGCACGCGCTCATGCAGGCCCTGCATAAGGGCATCCCGCGCATCGAGGCGCGGAACTACATCTCGGTCTATGAGGAAGACCCGAACAAGAACGACCTGCTCCTGCGCTTCAGCAAGATCGACTTCAACCTGGTGCAGATGATCCACAAGCAGGAGCTGTGCGACACCTTCCGGTGGTGGAAGGACCTGGAGTTCGAGTCGAAGCTGTCGTTCGCCCGCAACCGGGTGGTGGAGGCCTACCTCTGGACGCTGTCGGCGTACTATGAGCCGAAGTATTCGAGCGCCCGCATCATCCTCGTGAAGCTGATGGTCATCATCTCGGTGACCGACGACACGTACGACGCCTATGGCACCCTGGACGAGCTCCAGCTGTTCACGGACGCGATCCAGCGCCTCGACATGTCGAGCATCAACCAGCTGCCCGACTACATGAAGACCATCTATAAGGCGCTCCTGGACCTCTTCGACGAGATCGAGGACCGCCTGTCGAAGCACGAGACGGACCATAGCTACCGGGTGGCGTATGCCAAGTACGTCTATAAGGAGATCGTGCGCTGCTACGACATGGAGTATAAGTGGTTCAACAAGAACTACGTCCCCGCCTTCGAGGAGTATATGCAGAAGGCCCTGGTGACCTCGGGCAACCGGCTCCTGATCACGTTCAGCTTCCTGGGCATGGACGAGGTCGCGACCATCCAGGCCTTCGAGTGGGTGAAGTCGAACGCCAAGATGATCGTGTCGTCGAACAAGGTGCTCCGCCTGATCGACGACATCATGTCGCACGAGGAAGAGGACGAGCGCGGCCATGTGGCCACGGGCATCGAGTGCTTCGTGAAGGAGCACGGCCTGACCCGCGAGGAAGTGATCGTCGAGTTCCATAAGCGGATCGACGACGCGTGGAAGGACATCAACGAGGAGTTCATCACCCCGAACAACCTGCCGATCGAGATCCTGACCCGCGTGCTCAACCTGACCCGGATCGGCGACGTGGTCTACAAGTATGACGACGGCTACACGCACCCCGAGAAGGCCCTCAAGGACCATATCATCAGCCTGTTCGTGGACCCCGTCAGCATCTGA
イタリック体の配列はSPppaプロモーターであり、アンダーライン付きシーケンスはコボン最適化SUMOであり、通常フォントの配列はコボン最適化NjPATである。
配列番号19
SUMO-NjPATアミノ酸配列
MSDSEVNQEAKPEVKPEVKPETHINLKVSDGSSEIFFKIKKTTPLRRLMEAFAKRQGKEMDSLRFLYDGIRIQADQTPEDLDMEDNDIIEAHREQIGMSIIIATNSTEHPIFRPLANFPPSLWGNLFTSFSMDNQAREIYAKEHEGLKEKVRMMFLDTTNYKISEKINFINTVERLGVSYHFEKEIEELLHQMFDAHSKHLDDIQEFDLFTLGIYFRILRQHGYKISCDVFNKLKDSNGEFKDELKDDVNGMLSFYEATHVRTHGENILDEALIYTKAQLESMAAASLSPFLANQVKHALMQALHKGIPRIEARNYISVYEEDPNKNDLLLRFSKIDFNLVQMIHKQELCDTFRWWKDLEFESKLSFARNRVVEAYLWTLSAYYEPKYSSARIILVKLMVIISVTDDTYDAYGTLDELQLFTDAIQRLDMSSINQLPDYMKTIYKALLDLFDEIEDRLSKHETDHSYRVAYAKYVYKEIVRCYDMEYKWFNKNYVPAFEEYMQKALVTSGNRLLITFSFLGMDEVATIQAFEWVKSNAKMIVSSNKVLRLIDDIMSHEEEDERGHVATGIECFVKEHGLTREEVIVEFHKRIDDAWKDINEEFITPNNLPIEILTRVLNLTRIGDVVYKYDDGYTHPEKALKDHIISLFVDPVSI
アンダーライン付き配列はSUMOタグである。
配列番号20
NusA_NjPAT_Rvヌクレオチド配列
TGATCGACATCGCCTCGTCGCCGAAC
配列番号21
NusA_NjPAT_Fwヌクレオチド配列
CGAGGCGATGTCGATCATCATCGCC
配列番号22
SPppa-NusA-NjPATヌクレオチド配列
AAATTTATTTGCTTTGTGAGCGGATAACAATTATTAGATTCACCGGCGAGCCAGCAGGAATTTCACTCTAGATGACAGGAGGGACAT
ATGAACAAGGAGATCCTCGCGGTGGTGGAGGCGGTGTCGAACGAGAAGGCGCTGCCCCGCGAGAAGATCTTCGAGGCCCTGGAGTCGGCCCTGGCCACCGCGACCAAGAAGAAGTACGAGCAGGAGATCGACGTGCGCGTGCAGATCGACCGCAAGTCGGGCGACTTCGACACGTTCCGCCGCTGGCTCGTGGTGGACGAGGTGACCCAGCCCACGAAGGAGATCACCCTGGAGGCGGCCCGCTATGAGGACGAGTCGCTGAACCTCGGCGACTATGTGGAGGACCAGATCGAGTCGGTGACCTTCGACCGCATCACCACGCAGACGGCGAAGCAGGTGATCGTGCAGAAGGTGCGCGAGGCCGAGCGCGCCATGGTGGTGGACCAGTTCCGCGAGCACGAGGGCGAGATCATCACCGGCGTGGTGAAGAAGGTGAACCGCGACAACATCTCGCTGGACCTGGGCAACAACGCGGAGGCCGTGATCCTGCGCGAGGACATGCTCCCGCGCGAGAACTTCCGCCCGGGCGACCGCGTGCGCGGCGTGCTCTATTCGGTGCGCCCCGAGGCCCGTGGCGCCCAGCTGTTCGTGACCCGCTCGAAGCCGGAGATGCTGATCGAGCTCTTCCGCATCGAGGTGCCCGAGATCGGCGAGGAAGTGATCGAGATCAAGGCGGCCGCCCGCGACCCGGGCTCGCGCGCGAAGATCGCCGTGAAGACCAACGACAAGCGCATCGACCCCGTGGGCGCCTGCGTGGGCATGCGTGGCGCCCGCGTGCAGGCCGTGTCGACCGAGCTCGGCGGCGAGCGCATCGACATCGTGCTGTGGGACGACAACCCGGCGCAGTTCGTGATCAACGCCATGGCCCCGGCGGACGTGGCCTCGATCGTGGTGGACGAGGACAAGCATACCATGGACATCGCCGTGGAGGCGGGCAACCTGGCCCAGGCCATCGGCCGCAACGGCCAGAACGTGCGCCTGGCCTCGCAGCTCTCGGGCTGGGAGCTGAACGTGATGACGGTGGACGACCTGCAGGCCAAGCATCAGGCCGAGGCCCATGCCGCCATCGACACCTTCACGAAGTACCTCGACATCGACGAGGACTTCGCGACCGTGCTCGTGGAGGAAGGCTTCTCGACGCTGGAGGAGCTCGCCTATGTGCCGATGAAGGAGCTGCTCGAGATCGAGGGCCTGGACGAGCCGACGGTGGAGGCGCTCCGCGAGCGCGCCAAGAACGCCCTGGCCACCATCGCCCAGGCCCAGGAAGAGTCGCTGGGCGACAACAAGCCGGCCGACGACCTGCTCAACCTGGAGGGCGTGGACCGCGACCTGGCCTTCAAGCTCGCCGCCCGCGGCGTGTGCACGCTCGAGGACCTGGCCGAGCAGGGCATCGACGACCTGGCCGACATCGAGGGCCTCACCGACGAGAAGGCCGGCGCCCTGATCATGGCCGCCCGCAACATCTGCTGGTTCGGCGACGAGGCGATGTCGATCATCATCGCCACCAACAGCACCGAGCATCCCATCTTCCGCCCGCTCGCCAACTTCCCGCCGTCGCTCTGGGGCAACCTGTTCACCTCGTTCAGCATGGACAACCAGGCGCGCGAGATCTACGCCAAGGAGCACGAGGGCCTCAAGGAGAAGGTCCGGATGATGTTCCTGGACACCACGAACTACAAGATCTCGGAGAAGATCAACTTCATCAACACCGTCGAGCGCCTGGGCGTGAGCTATCACTTCGAGAAGGAGATCGAGGAGCTGCTCCATCAGATGTTCGACGCCCACTCGAAGCATCTGGACGACATCCAGGAGTTCGACCTCTTCACGCTGGGCATCTACTTCCGCATCCTGCGGCAGCATGGCTATAAGATCTCGTGCGACGTCTTCAACAAGCTGAAGGACAGCAACGGCGAGTTCAAGGACGAGCTCAAGGACGACGTCAACGGCATGCTGTCGTTCTATGAGGCCACCCATGTGCGCACCCATGGCGAGAACATCCTCGACGAGGCGCTGATCTACACGAAGGCCCAGCTGGAGTCGATGGCGGCCGCCTCGCTCAGCCCGTTCCTGGCCAACCAGGTGAAGCACGCGCTCATGCAGGCCCTGCATAAGGGCATCCCGCGCATCGAGGCGCGGAACTACATCTCGGTCTATGAGGAAGACCCGAACAAGAACGACCTGCTCCTGCGCTTCAGCAAGATCGACTTCAACCTGGTGCAGATGATCCACAAGCAGGAGCTGTGCGACACCTTCCGGTGGTGGAAGGACCTGGAGTTCGAGTCGAAGCTGTCGTTCGCCCGCAACCGGGTGGTGGAGGCCTACCTCTGGACGCTGTCGGCGTACTATGAGCCGAAGTATTCGAGCGCCCGCATCATCCTCGTGAAGCTGATGGTCATCATCTCGGTGACCGACGACACGTACGACGCCTATGGCACCCTGGACGAGCTCCAGCTGTTCACGGACGCGATCCAGCGCCTCGACATGTCGAGCATCAACCAGCTGCCCGACTACATGAAGACCATCTATAAGGCGCTCCTGGACCTCTTCGACGAGATCGAGGACCGCCTGTCGAAGCACGAGACGGACCATAGCTACCGGGTGGCGTATGCCAAGTACGTCTATAAGGAGATCGTGCGCTGCTACGACATGGAGTATAAGTGGTTCAACAAGAACTACGTCCCCGCCTTCGAGGAGTATATGCAGAAGGCCCTGGTGACCTCGGGCAACCGGCTCCTGATCACGTTCAGCTTCCTGGGCATGGACGAGGTCGCGACCATCCAGGCCTTCGAGTGGGTGAAGTCGAACGCCAAGATGATCGTGTCGTCGAACAAGGTGCTCCGCCTGATCGACGACATCATGTCGCACGAGGAAGAGGACGAGCGCGGCCATGTGGCCACGGGCATCGAGTGCTTCGTGAAGGAGCACGGCCTGACCCGCGAGGAAGTGATCGTCGAGTTCCATAAGCGGATCGACGACGCGTGGAAGGACATCAACGAGGAGTTCATCACCCCGAACAACCTGCCGATCGAGATCCTGACCCGCGTGCTCAACCTGACCCGGATCGGCGACGTGGTCTACAAGTATGACGACGGCTACACGCACCCCGAGAAGGCCCTCAAGGACCATATCATCAGCCTGTTCGTGGACCCCGTCAGCATCTGA
イタリック体の配列はSPppaプロモーターであり、アンダーライン付きシーケンスはコボン最適化NusAであり、通常フォントの配列はコボン最適化NjPATである。
配列番号23
NusA-NjPATTアミノ酸配列
MNKEILAVVEAVSNEKALPREKIFEALESALATATKKKYEQEIDVRVQIDRKSGDFDTFRRWLVVDEVTQPTKEITLEAARYEDESLNLGDYVEDQIESVTFDRITTQTAKQVIVQKVREAERAMVVDQFREHEGEIITGVVKKVNRDNISLDLGNNAEAVILREDMLPRENFRPGDRVRGVLYSVRPEARGAQLFVTRSKPEMLIELFRIEVPEIGEEVIEIKAAARDPGSRAKIAVKTNDKRIDPVGACVGMRGARVQAVSTELGGERIDIVLWDDNPAQFVINAMAPADVASIVVDEDKHTMDIAVEAGNLAQAIGRNGQNVRLASQLSGWELNVMTVDDLQAKHQAEAHAAIDTFTKYLDIDEDFATVLVEEGFSTLEELAYVPMKELLEIEGLDEPTVEALRERAKNALATIAQAQEESLGDNKPADDLLNLEGVDRDLAFKLAARGVCTLEDLAEQGIDDLADIEGLTDEKAGALIMAARNICWFGDEAMSIIIATNSTEHPIFRPLANFPPSLWGNLFTSFSMDNQAREIYAKEHEGLKEKVRMMFLDTTNYKISEKINFINTVERLGVSYHFEKEIEELLHQMFDAHSKHLDDIQEFDLFTLGIYFRILRQHGYKISCDVFNKLKDSNGEFKDELKDDVNGMLSFYEATHVRTHGENILDEALIYTKAQLESMAAASLSPFLANQVKHALMQALHKGIPRIEARNYISVYEEDPNKNDLLLRFSKIDFNLVQMIHKQELCDTFRWWKDLEFESKLSFARNRVVEAYLWTLSAYYEPKYSSARIILVKLMVIISVTDDTYDAYGTLDELQLFTDAIQRLDMSSINQLPDYMKTIYKALLDLFDEIEDRLSKHETDHSYRVAYAKYVYKEIVRCYDMEYKWFNKNYVPAFEEYMQKALVTSGNRLLITFSFLGMDEVATIQAFEWVKSNAKMIVSSNKVLRLIDDIMSHEEEDERGHVATGIECFVKEHGLTREEVIVEFHKRIDDAWKDINEEFITPNNLPIEILTRVLNLTRIGDVVYKYDDGYTHPEKALKDHIISLFVDPVSI
アンダーライン付き配列はNusAタグである。
配列番号24
RsTRX_NjPAT_Rvヌクレオチド配列
TGATCGACATGAGCGCCGAGGCGATC
配列番号25
RsTRX_NjPAT_Fwヌクレオチド配列
ggcgctcATGTCGATCATCATCGCC
配列番号26
SPppa-RsTRX-NjPATヌクレオチド配列
AAATTTATTTGCTTTGTGAGCGGATAACAATTATTAGATTCACCGGCGAGCCAGCAGGAATTTCACTCTAGATGACAGGAGGGACATATGTCCACCGTTCCCGTGACGGACGCCACCTTCGACACCGAGGTGCGCAAGTCCGACGTGCCCGTCGTCGTCGATTTCTGGGCCGAATGGTGCGGCCCCTGCCGGCAGATCGGCCCGGCGCTCGAGGAGCTCTCGAAGGAATATGCCGGCAAGGTGAAGATCGTGAAGGTCAATGTCGACGAGAACCCCGAGAGCCCGGCGATGCTGGGCGTTCGCGGCATCCCGGCGCTGTTCCTGTTCAAGAACGGTCAGGTCGTGTCGAACAAGGTCGGCGCTGCGCCGAAGGCCGCGCTGGCCACCTGGATCGCCTCGGCGCTCATGTCGATCATCATCGCCACCAACAGCACCGAGCATCCCATCTTCCGCCCGCTCGCCAACTTCCCGCCGTCGCTCTGGGGCAACCTGTTCACCTCGTTCAGCATGGACAACCAGGCGCGCGAGATCTACGCCAAGGAGCACGAGGGCCTCAAGGAGAAGGTCCGGATGATGTTCCTGGACACCACGAACTACAAGATCTCGGAGAAGATCAACTTCATCAACACCGTCGAGCGCCTGGGCGTGAGCTATCACTTCGAGAAGGAGATCGAGGAGCTGCTCCATCAGATGTTCGACGCCCACTCGAAGCATCTGGACGACATCCAGGAGTTCGACCTCTTCACGCTGGGCATCTACTTCCGCATCCTGCGGCAGCATGGCTATAAGATCTCGTGCGACGTCTTCAACAAGCTGAAGGACAGCAACGGCGAGTTCAAGGACGAGCTCAAGGACGACGTCAACGGCATGCTGTCGTTCTATGAGGCCACCCATGTGCGCACCCATGGCGAGAACATCCTCGACGAGGCGCTGATCTACACGAAGGCCCAGCTGGAGTCGATGGCGGCCGCCTCGCTCAGCCCGTTCCTGGCCAACCAGGTGAAGCACGCGCTCATGCAGGCCCTGCATAAGGGCATCCCGCGCATCGAGGCGCGGAACTACATCTCGGTCTATGAGGAAGACCCGAACAAGAACGACCTGCTCCTGCGCTTCAGCAAGATCGACTTCAACCTGGTGCAGATGATCCACAAGCAGGAGCTGTGCGACACCTTCCGGTGGTGGAAGGACCTGGAGTTCGAGTCGAAGCTGTCGTTCGCCCGCAACCGGGTGGTGGAGGCCTACCTCTGGACGCTGTCGGCGTACTATGAGCCGAAGTATTCGAGCGCCCGCATCATCCTCGTGAAGCTGATGGTCATCATCTCGGTGACCGACGACACGTACGACGCCTATGGCACCCTGGACGAGCTCCAGCTGTTCACGGACGCGATCCAGCGCCTCGACATGTCGAGCATCAACCAGCTGCCCGACTACATGAAGACCATCTATAAGGCGCTCCTGGACCTCTTCGACGAGATCGAGGACCGCCTGTCGAAGCACGAGACGGACCATAGCTACCGGGTGGCGTATGCCAAGTACGTCTATAAGGAGATCGTGCGCTGCTACGACATGGAGTATAAGTGGTTCAACAAGAACTACGTCCCCGCCTTCGAGGAGTATATGCAGAAGGCCCTGGTGACCTCGGGCAACCGGCTCCTGATCACGTTCAGCTTCCTGGGCATGGACGAGGTCGCGACCATCCAGGCCTTCGAGTGGGTGAAGTCGAACGCCAAGATGATCGTGTCGTCGAACAAGGTGCTCCGCCTGATCGACGACATCATGTCGCACGAGGAAGAGGACGAGCGCGGCCATGTGGCCACGGGCATCGAGTGCTTCGTGAAGGAGCACGGCCTGACCCGCGAGGAAGTGATCGTCGAGTTCCATAAGCGGATCGACGACGCGTGGAAGGACATCAACGAGGAGTTCATCACCCCGAACAACCTGCCGATCGAGATCCTGACCCGCGTGCTCAACCTGACCCGGATCGGCGACGTGGTCTACAAGTATGACGACGGCTACACGCACCCCGAGAAGGCCCTCAAGGACCATATCATCAGCCTGTTCGTGGACCCCGTCAGCATCTGA
イタリック体の配列はSPppaプロモーターであり、アンダーライン付きシーケンスはコボン最適化NjPATであり、通常フォントの配列はコボン最適化NjPATである。
配列番号27
RsTRX-NjPATアミノ酸配列
MSTVPVTDATFDTEVRKSDVPVVVDFWAEWCGPCRQIGPALEELSKEYAGKVKIVKVNVDENPESPAMLGVRGIPALFLFKNGQVVSNKVGAAPKAALATWIASALMSIIIATNSTEHPIFRPLANFPPSLWGNLFTSFSMDNQAREIYAKEHEGLKEKVRMMFLDTTNYKISEKINFINTVERLGVSYHFEKEIEELLHQMFDAHSKHLDDIQEFDLFTLGIYFRILRQHGYKISCDVFNKLKDSNGEFKDELKDDVNGMLSFYEATHVRTHGENILDEALIYTKAQLESMAAASLSPFLANQVKHALMQALHKGIPRIEARNYISVYEEDPNKNDLLLRFSKIDFNLVQMIHKQELCDTFRWWKDLEFESKLSFARNRVVEAYLWTLSAYYEPKYSSARIILVKLMVIISVTDDTYDAYGTLDELQLFTDAIQRLDMSSINQLPDYMKTIYKALLDLFDEIEDRLSKHETDHSYRVAYAKYVYKEIVRCYDMEYKWFNKNYVPAFEEYMQKALVTSGNRLLITFSFLGMDEVATIQAFEWVKSNAKMIVSSNKVLRLIDDIMSHEEEDERGHVATGIECFVKEHGLTREEVIVEFHKRIDDAWKDINEEFITPNNLPIEILTRVLNLTRIGDVVYKYDDGYTHPEKALKDHIISLFVDPVSI
ヌクレオチド配列はRsTRXタグである。
配列番号28
GST_NjPAT_Rvヌクレオチド配列
ATCGACATCTTGGGCGGATGG
配列番号29
GST_NjPAT_Fwヌクレオチド配列
GCCCAAGATGTCGATCATCATCGCC
配列番号30
SPppa-GST-NjPATヌクレオチド配列
AAATTTATTTGCTTTGTGAGCGGATAACAATTATTAGATTCACCGGCGAGCCAGCAGGAATTTCACTCTAGATGACAGGAGGGACATATGTCGCCGATCCTGGGCTATTGGAAGATCAAGGGCCTCGTGCAGCCCACCCGCCTGCTCCTGGAGTACCTGGAGGAGAAGTATGAGGAGCACCTCTACGAGCGCGACGAGGGCGACAAGTGGCGCAACAAGAAGTTCGAGCTCGGCCTGGAGTTCCCGAACCTGCCCTACTATATCGACGGCGACGTGAAGCTCACGCAGTCGATGGCCATCATCCGCTACATCGCGGACAAGCATAACATGCTGGGCGGCTGCCCCAAGGAGCGCGCGGAGATCTCGATGCTGGAGGGCGCGGTGCTCGACATCCGCTATGGCGTGTCGCGCATCGCCTACTCGAAGGACTTCGAGACCCTGAAGGTGGACTTCCTCTCGAAGCTGCCGGAGATGCTCAAGATGTTCGAGGACCGCCTGTGCCACAAGACCTATCTCAACGGCGACCACGTGACGCATCCCGACTTCATGCTCTATGACGCGCTGGACGTGGTGCTCTACATGGACCCGATGTGCCTGGACGCCTTCCCCAAGCTCGTGTGCTTCAAGAAGCGCATCGAGGCGATCCCGCAGATCGACAAGTATCTGAAGTCGTCGAAGTACATCGCCTGGCCCCTCCAGGGCTGGCAGGCGACGTTCGGCGGCGGCGACCATCCGCCCAAGATGTCGATCATCATCGCCACCAACAGCACCGAGCATCCCATCTTCCGCCCGCTCGCCAACTTCCCGCCGTCGCTCTGGGGCAACCTGTTCACCTCGTTCAGCATGGACAACCAGGCGCGCGAGATCTACGCCAAGGAGCACGAGGGCCTCAAGGAGAAGGTCCGGATGATGTTCCTGGACACCACGAACTACAAGATCTCGGAGAAGATCAACTTCATCAACACCGTCGAGCGCCTGGGCGTGAGCTATCACTTCGAGAAGGAGATCGAGGAGCTGCTCCATCAGATGTTCGACGCCCACTCGAAGCATCTGGACGACATCCAGGAGTTCGACCTCTTCACGCTGGGCATCTACTTCCGCATCCTGCGGCAGCATGGCTATAAGATCTCGTGCGACGTCTTCAACAAGCTGAAGGACAGCAACGGCGAGTTCAAGGACGAGCTCAAGGACGACGTCAACGGCATGCTGTCGTTCTATGAGGCCACCCATGTGCGCACCCATGGCGAGAACATCCTCGACGAGGCGCTGATCTACACGAAGGCCCAGCTGGAGTCGATGGCGGCCGCCTCGCTCAGCCCGTTCCTGGCCAACCAGGTGAAGCACGCGCTCATGCAGGCCCTGCATAAGGGCATCCCGCGCATCGAGGCGCGGAACTACATCTCGGTCTATGAGGAAGACCCGAACAAGAACGACCTGCTCCTGCGCTTCAGCAAGATCGACTTCAACCTGGTGCAGATGATCCACAAGCAGGAGCTGTGCGACACCTTCCGGTGGTGGAAGGACCTGGAGTTCGAGTCGAAGCTGTCGTTCGCCCGCAACCGGGTGGTGGAGGCCTACCTCTGGACGCTGTCGGCGTACTATGAGCCGAAGTATTCGAGCGCCCGCATCATCCTCGTGAAGCTGATGGTCATCATCTCGGTGACCGACGACACGTACGACGCCTATGGCACCCTGGACGAGCTCCAGCTGTTCACGGACGCGATCCAGCGCCTCGACATGTCGAGCATCAACCAGCTGCCCGACTACATGAAGACCATCTATAAGGCGCTCCTGGACCTCTTCGACGAGATCGAGGACCGCCTGTCGAAGCACGAGACGGACCATAGCTACCGGGTGGCGTATGCCAAGTACGTCTATAAGGAGATCGTGCGCTGCTACGACATGGAGTATAAGTGGTTCAACAAGAACTACGTCCCCGCCTTCGAGGAGTATATGCAGAAGGCCCTGGTGACCTCGGGCAACCGGCTCCTGATCACGTTCAGCTTCCTGGGCATGGACGAGGTCGCGACCATCCAGGCCTTCGAGTGGGTGAAGTCGAACGCCAAGATGATCGTGTCGTCGAACAAGGTGCTCCGCCTGATCGACGACATCATGTCGCACGAGGAAGAGGACGAGCGCGGCCATGTGGCCACGGGCATCGAGTGCTTCGTGAAGGAGCACGGCCTGACCCGCGAGGAAGTGATCGTCGAGTTCCATAAGCGGATCGACGACGCGTGGAAGGACATCAACGAGGAGTTCATCACCCCGAACAACCTGCCGATCGAGATCCTGACCCGCGTGCTCAACCTGACCCGGATCGGCGACGTGGTCTACAAGTATGACGACGGCTACACGCACCCCGAGAAGGCCCTCAAGGACCATATCATCAGCCTGTTCGTGGACCCCGTCAGCATCTGA
イタリック体の配列はSPppaプロモーターであり、アンダーライン付きシーケンスはコボン最適化GSTであり、通常フォントの配列はコボン最適化NjPATである。
配列番号31
GST-NjPATアミノ酸配列
MSPILGYWKIKGLVQPTRLLLEYLEEKYEEHLYERDEGDKWRNKKFELGLEFPNLPYYIDGDVKLTQSMAIIRYIADKHNMLGGCPKERAEISMLEGAVLDIRYGVSRIAYSKDFETLKVDFLSKLPEMLKMFEDRLCHKTYLNGDHVTHPDFMLYDALDVVLYMDPMCLDAFPKLVCFKKRIEAIPQIDKYLKSSKYIAWPLQGWQATFGGGDHPPKMSIIIATNSTEHPIFRPLANFPPSLWGNLFTSFSMDNQAREIYAKEHEGLKEKVRMMFLDTTNYKISEKINFINTVERLGVSYHFEKEIEELLHQMFDAHSKHLDDIQEFDLFTLGIYFRILRQHGYKISCDVFNKLKDSNGEFKDELKDDVNGMLSFYEATHVRTHGENILDEALIYTKAQLESMAAASLSPFLANQVKHALMQALHKGIPRIEARNYISVYEEDPNKNDLLLRFSKIDFNLVQMIHKQELCDTFRWWKDLEFESKLSFARNRVVEAYLWTLSAYYEPKYSSARIILVKLMVIISVTDDTYDAYGTLDELQLFTDAIQRLDMSSINQLPDYMKTIYKALLDLFDEIEDRLSKHETDHSYRVAYAKYVYKEIVRCYDMEYKWFNKNYVPAFEEYMQKALVTSGNRLLITFSFLGMDEVATIQAFEWVKSNAKMIVSSNKVLRLIDDIMSHEEEDERGHVATGIECFVKEHGLTREEVIVEFHKRIDDAWKDINEEFITPNNLPIEILTRVLNLTRIGDVVYKYDDGYTHPEKALKDHIISLFVDPVSI
アンダーライン付き配列はGSTタグである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【配列表】
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