IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 中興通訊股▲ふん▼有限公司の特許一覧

<>
  • 特許-セル情報取得方法および装置 図1
  • 特許-セル情報取得方法および装置 図2
  • 特許-セル情報取得方法および装置 図3
  • 特許-セル情報取得方法および装置 図4
  • 特許-セル情報取得方法および装置 図5
  • 特許-セル情報取得方法および装置 図6
  • 特許-セル情報取得方法および装置 図7
  • 特許-セル情報取得方法および装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-25
(45)【発行日】2022-12-05
(54)【発明の名称】セル情報取得方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/10 20090101AFI20221128BHJP
   H04W 56/00 20090101ALI20221128BHJP
【FI】
H04W48/10
H04W56/00 130
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020542257
(86)(22)【出願日】2018-02-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-20
(86)【国際出願番号】 CN2018076723
(87)【国際公開番号】W WO2019157661
(87)【国際公開日】2019-08-22
【審査請求日】2020-08-04
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ジン
(72)【発明者】
【氏名】ホアン,ホー
【審査官】吉村 真治▲郎▼
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-502749(JP,A)
【文献】Ericsson,ANR framework in NR[online],3GPP TSG RAN WG2 #100 R2-1713594,2017年11月17日
【文献】NTT DOCOMO, INC.,Remaining issues on NR-PBCH[online],3GPP TSG RAN WG1 adhoc_NR_AH_1801 R1-1800650,2018年01月13日
【文献】ZTE Corporation, Sanechips,Consideration on ReportCGI measurement[online],3GPP TSG RAN WG2 #101 R2-1802024,2018年02月15日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線装置において実装される無線通信のための方法であって、
前記無線装置によって、ターゲットセルに関連付けられたセル情報のなかに含まれるセルグローバル識別子(CGI)、公衆陸上移動体ネットワークID(PLNM ID)、およびトラッキングエリアコード(TAC)を取得するように要求するリクエストを受信するステップ;
前記ターゲットセルから第1同期ブロックを受信するステップ;
前記第1同期ブロックが前記ターゲットセルに関連する前記セル情報と関連付けられていないこと、および、前記第1同期ブロックが第2同期ブロックに関連する情報を含むこと、を決定するステップ;
前記セル情報のなかに含まれる前記CGI、前記PLNM ID、および前記TACを取得するように要求する前記リクエストに応答して、前記第1同期ブロックが前記ターゲットセルに関連する前記セル情報と関連付けられていないことの通知、および、前記第2同期ブロックに関連する前記情報を、サービス提供セルに対して送信するステップ;
を有する方法。
【請求項2】
前記第2同期ブロックに関連する前記情報は、前記第2同期ブロックの周波数情報を含む、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記セル情報のなかに含まれる前記CGI、前記PLNM ID、および前記TACを取得するように要求する前記リクエストは、前記無線装置が接続する前記サービス提供セルから受信される、
請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記サービス提供セルは第1New Radio(NR)セルであり、前記ターゲットセルは第2NRセルである、
請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記サービス提供セルはLong Term Evolution(LTE)セルであり、前記ターゲットセルはNew Radio(NR)セルである、
請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記第1同期ブロックと前記第2同期ブロックは、同期信号および物理ブロードキャストチャネル(PBCH)ブロックを含む、
請求項1記載の方法。
【請求項7】
無線通信方法であって、
無線装置に対するサービス提供セルによって、ターゲットセルに関連するセル情報のなかに含まれるセルグローバル識別子(CGI)、公衆陸上移動体ネットワークID(PLNM ID)、およびトラッキングエリアコード(TAC)を取得するように前記無線装置に対して指示するリクエストを送信するステップ;
前記サービス提供セルによって、前記無線装置から、前記セル情報のなかに含まれる前記CGI、前記PLNM ID、および前記TACを取得するように要求する前記リクエストに応答して、前記ターゲットセルの第2同期ブロックに関する情報、および、前記ターゲットセルの前記セル情報に関連していない前記ターゲットセルの第1同期ブロックを前記無線装置が受信したことを通知する情報を受信するステップ;
を有し、
前記第1同期ブロックは、前記第2同期ブロックに関する前記情報を含む、
方法。
【請求項8】
前記第2同期ブロックに関する前記情報は、前記第2同期ブロックの周波数情報を有する、
請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記サービス提供セルは第1New Radio(NR)セルであり、前記ターゲットセルは第2NRセルである、
請求項7記載の方法。
【請求項10】
前記サービス提供セルはLong Term Evolution(LTE)セルであり、前記ターゲットセルはNew Radio(NR)セルである、
請求項7記載の方法。
【請求項11】
前記第1同期ブロックと前記第2同期ブロックは、同期信号および物理ブロードキャストチャネル(PBCH)ブロックを含む、
請求項7記載の方法。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項記載の方法を実施するように構成されたプロセッサを備える無線通信装置。
【請求項13】
コンピュータプログラムであって、
プロセッサによって実行されるとき、前記プロセッサに請求項1から11のいずれか1項記載の方法を実行させる、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本文書は、一般的に無線通信を対象としている。
【背景技術】
【0002】
無線通信技術は、ますます接続されネットワーク化された社会に向かって世界を動かしている。無線通信の急速な成長および技術の進歩は、性能および接続性に対するより大きな需要をもたらした。エネルギー消費、デバイスコスト、スペクトル効率、および待ち時間などの他の側面も、様々な通信シナリオのニーズを満たすために重要である。既存の無線ネットワークと比較して、次世代のシステムおよび無線通信技術は、より効率的なサービス提供セルおよび隣接セル管理ならびに膨大な数の接続を提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本文書は、ロングタームエボリューション(LTE)および新規無線(NR)システムにおける効率的なセル管理およびセル情報取得と報告のための方法、システム、およびデバイスに関する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの例示的な態様では、無線通信方法が開示される。この方法は無線装置において実装可能であり、以下を有する:(a)構成情報の要求と(b)同期ブロックとを受信するステップ;前記同期ブロックが前記構成情報に関連付けられていないと判断するステップ;前記構成情報の要求に応答して障害通知を送信するステップ。
【0005】
別の例示的な態様では、無線通信方法が開示される。この方法は無線装置において実装可能であり、以下を有する:(a)構成情報の要求と、(b)第1同期ブロックとを受信するステップ;(a)前記第1同期ブロックが前記構成情報に関連付けられていないことを決定し、(b)前記構成情報に関連付けられた第2同期ブロックに関連する情報を前記第1同期ブロックが有することを決定するステップ;前記構成情報を取得するために無線周波数再調整動作を実行することができるかどうかを決定するステップ。
【0006】
さらに別の例示的な態様では、無線通信方法が開示される。この方法は無線装置において実装可能であり、以下を有する:(a)ターゲットセルに関するセル情報に関する要求、および(b)サービス提供セルとターゲットセルとの間のタイミング差情報に関する要求を受信するステップ;前記要求が前記ターゲットセルに関する識別情報を含むかどうかを判定するステップ。
【0007】
さらに別の例示的な態様では、無線通信方法が開示される。この方法は、ネットワークノードにおいて実施可能であり、以下を有する:サービス提供セルとターゲットセルとの間のタイミング差情報を受信するステップ;前記タイミング差情報に基づいてタイミング構成情報を調整するステップ;前記調整後に前記タイミング構成情報を送信するステップ。
【0008】
さらに別の例示的な態様では、上述の方法がプロセッサ実行可能コードの形態で実施され、コンピュータ可読プログラム媒体に格納される。
【0009】
さらに別の例示的な実施形態では、上述の方法を実行するように構成されまたは動作可能なデバイスが開示される。
【0010】
上記および他の態様ならびにそれらの実施は、図面、説明、および特許請求の範囲においてより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】New Radio(NR)セルにおける異なるタイプの同期信号/物理ブロードキャストチャネルブロック(SSB)の例を示す。
【0012】
図2】複数の同期信号/物理ブロードキャストチャネルブロック(SSB)で構成されたNew Radio(NR)セルの例を示す。
【0013】
図3】本開示の技術のいくつかの実施形態による、無線通信における基地局(BS)およびユーザ機器(UE)の例を示す。
【0014】
図4】セル情報取得および報告のための無線通信方法の1例を示す。
【0015】
図5】セル情報の取得および報告のための無線通信方法の別例を示す。
【0016】
図6】セル情報取得および報告のための無線通信方法のさらに別の例を示す。
【0017】
図7】セル情報取得および報告のための無線通信方法のさらに別の例を示す。
【0018】
図8】この特許文献に記載された方法または技術を実施することができる装置の一部のブロック図表現である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
セルラ移動通信システムにおいては、オペレータが近隣関係を手動で管理する負担を軽減するために、ANR(Automatic Neighbour Relation)機能が導入されている。1例では、LTE(Long Term Evolution)システムにおけるANR機能は主に、未知の隣接セルのECGI(E-UTRAN Cell Global Identifier)を取得するように構成される場合がある。このANR手順は、以下のステップを含むことができる:
【0020】
(1)セルAに接続されたUEは、セルBに関する測定報告を送信する。この報告はセルBのPCI(物理セル識別子)を含むが、ECGIは含まない;
【0021】
(2)セルBがセルAの隣接セルではないと仮定すると、セルAは測定構成(または要求)をUEに対して送信することにより、セルBのECGIを報告する。これにより、要求されたPCIおよび周波数情報を提供し、報告の測定目的をReportCGIに設定する。
【0022】
(3)UEが測定構成を受信すると、UEは通知された隣接セルのブロードキャストチャネルからECGIを読み取り、測定報告を送信することによって、対応する情報をネットワークに送信することができる。このメッセージ内で、UEは、ECGI、TAC(追跡エリアコード)、およびすべてのPLMN(公衆陸上移動体ネットワーク)IDを有することができる。
【0023】
New Radio(NR)システムにおいては、ANR機能が非スタンドアロンシナリオとスタンドアロンシナリオの両方に対して導入される。非スタンドアロンシナリオの場合、UEはLTEおよびNRシステムの両方に接続され、UEは未知のNRセルのCGI(Cell Global Identifier)を報告するように構成することができる。スタンドアロンシナリオの場合、UEは、NRシステムにのみ接続され、未知のNRセルのCGIも報告するように構成することができる。
【0024】
<概要と用語>
【0025】
NRシステムは、複数の同期信号/物理ブロードキャストチャネルブロック(SSB)をサポートすることができるように構成される。図1に示すように、SSBは少なくとも3つの部分:(1)プライマリ同期信号(PSS)、(2)セカンダリ同期信号(SSS)、(3)プライマリブロードキャストチャネル(PBCH)を含む。特定のシナリオでは、PSSおよびSSSをまとめて「同期信号」と呼ばれることがある
【0026】
1例において、PBCHは、いくつかの情報エレメント(IE)を含むマスタ情報ブロック(MIB)を有している。IEの例としては、SFN(System Frame Number)、RMSI(remaining minimum system information)のスケジューリング情報、他のSSBのスケジューリング情報などがある。
【0027】
1例において、RMSIは、セルにアクセスするために必要な情報(例えば、CGI、TAC、PLMN ID、SSBリソースタイミング構成など)を含むシステム情報のタイプ(例えば、システム情報ブロック1、またはSIB1)である。ネットワークがReportCGI測定値を送信するとき、主な目的の1つは、RMSIに関する情報を取得することである。
【0028】
図1に示すように、少なくとも3種類のSSBがある:
【0029】
(1)通常のSSB、例えばSSB1は、RMSIと関連付けられる。ここで、SSB1におけるPBCHの内容は、RMSIのスケジューリング情報を含む。SSB1がUEによって受信される場合、UEはPBCHを復号し、RMSIの少なくとも時間および周波数位置を取得し、その後、RMSIを受信し、復号して、必要な情報を取得することができる。
【0030】
(2)RMSIに関連しないSSB、例えばSSB2。ここで、SSB2のPBCHの内容は、RMSIのスケジューリング情報を含まない。SSB2を受信し、そのPBCHを復号するUEは、RMSIのために必要なスケジューリング情報を有さないことがある。
【0031】
(3)RMSIに関連付けられていないが、別のSSB(例えばSSB3)の位置を示すSSB。ここで、SSB3はRMSIに関連しないが、PBCHの内容はRMSIに関連する他のSSBのスケジューリング情報を含む。UEがSSB3を受信し、PBCHのコンテンツを復号するとき、UEはSSB1に再同調し、RMSIのスケジューリング情報を得るためにSSB1内のPBCHのコンテンツを復号し、次いで、RMSIを受信することができる。
【0032】
<既存システムの例示的な実施形態>
【0033】
LTEシステムにおいては、ECGIは固定周期で送信されるシステム情報においてブロードキャストされ、UEはセルに同期した後に関連するシステム情報を得ることができる。PSS(Primary Synchronous Signal)とSSS(Secondary Synchronous Signal)がセル中心周波数で送信されるからである。ネットワークが周波数とPCIをUEに対して通知すると、UEは関連するシステム情報を検索し、デコードしてECGIを得ることができる。
【0034】
NRシステムにおいては、LTEシステムとは対照的に、PSS、SSS、およびPBCHはSSB(同期信号/PBCHブロック、またはSS/PBCHブロック)を介して送信され、SSBはセル内の任意の周波数で送信される場合がある。特定のシナリオでは複数のSSBが送信される場合があり、広帯域セルは異なる周波数で2つ以上のSSBを送信してもよい。
【0035】
NRシステムにおいては、CGI情報はRMSI(Remain minimum system information)に含まれ、RMSIは少なくともSIB1(System information block 1)を含むことができる。1配置例においては、各SSBがRMSIに関連してもよいし、関連しなくてもよい。UEはSSBに基づいて測定を実行することができるので、UEはRMSIに関連付けられていないSSBに基づいて、未知のセルのPCIを報告することができる。ネットワークがSSBのこの周波数でPCIのCGIを報告するようにUEを設定している場合、UEはRMSIをデコードできないので、報告CGIが失敗することがある。
【0036】
現在の仕様(または標準)は、UEがネットワークに対して障害の理由を通知することを可能にしない。したがって、ネットワークの観点から、障害は劣悪なセル品質のために発生した可能性があり、その結果、ネットワークは同じセルについてCGIを報告するように他のUEを構成する可能性があり、これは、継続的に障害をもたらす可能性がある。
【0037】
さらに、NR SSBリソースの特性に基づいて、UEがNRセル上で測定するように要求される場合、ネットワークは測定された周波数のSMTC(SSB測定タイミング構成)をUEに対して通知するべきであり、これは、SSB送信ビットマップとともに、測定されたウィンドウの持続時間、期間、オフセットを含むことができる。
【0038】
現在の仕様では、ネットワークは、X2/Xnインターフェースを介して隣接セル(ターゲットセルとも呼ばれる)のSMTCを取得することができる。しかしながら、サービス提供セルがその周波数において隣接セル上で測定するようにUEを構成する場合、UEは、サービス提供セルのタイミングに基づいてSMTCウィンドウ計算を実行することができる。非同期配置の場合、所与の周波数の未知の隣接セルについて、サービス提供セルがサービス提供セルと隣接セルとの間のタイミング差を予測できない場合、サービス提供セルは、測定を構成するときに隣接セルのSMTCを調整することができない。reportCGI以外の通常の測定では、UEが誤ったSMTC構成を構成することによってセルを検出することができない。
【0039】
LTEシステムにおいては、ネットワークにおいてANR機能がイネーブルされると、ネットワークはUE測定報告から未知の隣接セルのPCIを取得することができ、ネットワークは任意のUEに対して、reportCGI測定を介してそのセルのECGIを報告するようにトリガすることができる。この測定構成を受信すると、UEは、タイマ(その持続時間は標準または仕様で指定る)を開始することができる。タイマが満了する前に、UEはターゲットセルを探索し、ターゲットセルのシステム情報を復号して、ECGIおよび他のセル情報(PLMN ID、TACなど)を取得することを試みることができる。UEが成功すると、UEはこれらの情報を含む測定レポートメッセージをネットワークに送信する。UEが失敗し、タイマが期限切れになった場合、UEは測定レポートメッセージをネットワークに送信することもできるが、セル情報は含まれず、ネットワークは測定レポートメッセージの内容に基づいて障害を認識することがある。次に、ネットワークは他のUEを選択して、この未知のPCIに対して同じ手順をトリガする可能性がある。
【0040】
LTEシステムにおいては、PSS/SSSがセルの中心周波数に位置し、ターゲットセルの周波数およびPCIを受信すると、UEはターゲットセルを探索し、ターゲットセルの関連するシステム情報を取得することができる。
【0041】
NRシステムにおいては、セル情報はRMSIに含まれる。RMSIは、NRセルでブロードキャストされるシステム情報の一種でもある。PSS、SSS、およびPBCHはSSB内で送信され、SSBはNRセルの中心周波数とは異なる周波数で送信することができる。UEが所与のNRセルのCGIを獲得することを要求される場合、UEは最初に、SSBに基づいてターゲットセルに同期し、PBCHを復号してRMSIの送信情報を獲得し、次いで、RMSIを受信し、復号して、セル情報(CGI、TAC、およびPLMN IDなど)を獲得しなければならない。
【0042】
NRシステムにおいては、SSBはRMSIに関連するように、またはRMSIに関連しないように柔軟に構成することができる。例(1)では、非スタンドアロンNRセルがセカンダリセル(SCell)としてのみ扱われてもよく、アイドル状態にあるUEはこのセルへの初期アクセスを実行することを許可されない。この場合、SSBは測定を実行するが、RMSIに関連付けられないように構成することができる。例(2)では、図2に示すように、NRセルは複数のSSBで構成することができる。複数のSSBは異なる周波数上で送信されてもよく、SSBのいくつかは、RMSI(例えば、SSB1およびSSB3)に関連付けられてもよく、いくつかのSSBはRMSI(例えば、SSB2およびSSB4)に関連付けられる必要はない。
【0043】
さらに、例(2)のコンテキストでは、RMSIに関連付けられていないSSBは、セルへの初期アクセスを実行する際にUEを支援するRMSIに関連付けられたSSBの別の周波数位置を示すことができる。
【0044】
NRシステムにおいて、測定値はSSBに基づいて構成することができ、ネットワークはネットワークからUEに対して送信される測定構成メッセージを介して、MeasObject内の測定されたSSBの周波数位置を示すことができ、異なる周波数を有するSSBは異なるMeasObjectとしてモデル化することができる。このシナリオでは、UEはそれらが同じセルに属するか否かに気付かない。
【0045】
上記例に見られるように、LTEシステムのための既存のANR測定構成および報告メカニズムは、NRシステムにおいて直接再利用することはできない。いくつかの例示的なケースとしては以下が挙げられる:(1)RMSIに関連付けられていないSSB上でreportCGIを実行し、結果として障害をもたらす可能性があるUE、(2)異なるUEが異なる周波数およびPCI上で同じCGIを報告する可能性がある複数のSSBシナリオをサポートすること、(3)セル情報が変更されたか、またはセルが複数のSSBセルであるかを区別する際のネットワークの困難性。
【0046】
サービス提供セルと隣接(またはターゲット)セルとの間のタイミング差測定のために、LTEシステムにおいて、UEはUEがLTE DC(デュアル接続)モードで動作しているときにのみこれをサポートすることができ、タイミング差は、プライマリセル(PCell)とプライマリセカンダリセル(PSCell)との間で測定される。NRシステムにおいて、UEはサービス提供セルと別のセル(PSCellではない)との間のタイミング差を測定することができるが、reportCGI測定のためにこの能力をサポートしない。
【0047】
図3は、基地局(BS)320と、1つまたは複数のユーザ機器(UE)311、312、および313とを含む無線通信システムの例を示す。いくつかの実施形態では、基地局は構成情報の要求および同期ブロック(341、342、343)をUEに対して送信することができる。これらが関連付けられていないと判定したことに応答して、UEは、障害通知(331、332、333)を送信することができる。
【0048】
<セル情報収集および報告のための例示的な実施形態の第1セット>
【0049】
サービングネットワークがターゲットセルのセル情報を取得するようにUEに対して指示し、ターゲットセルがNRセルである場合、ネットワークは、測定構成をUEに対して送信することによって、これを実施する。測定構成はターゲットセルのPCIおよび周波数を含み、その測定目的は、UEがターゲットセルのセル情報を取得しようと試みることを通知するように設定される。
【0050】
いくつかの実施形態では、このサービングネットワークは、LTEサイト(またはセル)またはNRサイトである。LTEサイトの場合、UEは非スタンドアロンモードで動作することができ、UEは、LTEノードおよびNRノードの両方にデュアル接続される。NRサイトの場合、UEは非スタンドアロンモードまたはスタンドアロンモードのいずれかで動作している可能性がある。
【0051】
測定構成を受信すると、UEは関連するタイマを開始し、通知された周波数およびPCIに基づいてターゲットセルの探索を試みる。ターゲットセルと同期した後、UEは、SSBで送信されたPBCHを復号して、RMSIのスケジューリング情報を得ることができる。PBCHの内容がこのSSBがRMSIに関連付けられていないことを示す場合、UEは、測定報告メッセージに障害通知を含めることによって、または測定報告メッセージに特定の原因値を含めることによって、障害通知をネットワークに対して報告することができる。さらに、UEはUEがPBCHコンテンツを正常に復号した直後に測定レポートを送信することができ、またはUEは、関連するタイマが満了したときに測定レポートを送信することができる。
【0052】
ケース1。1例において、UEはNRセルAに接続され、NRサービングネットワークはターゲットNRセルBのセル情報を取得するようにUEに対して命令する。ネットワークは測定構成をUEに対して送信し、測定目的はreportCGIに設定され、セルBの対応する周波数およびPCIを含む。
【0053】
UEは測定構成を受信すると、タイマを起動し、受信したセルBの周波数およびPCIに基づいてターゲットセルBのSSBを探索することを試みる。探索が成功した場合、UEはPBCHの内容を復号してRMSIのスケジューリング情報を取得する。RMSIのスケジューリング情報が存在しない場合、これはこのSSBがRMSIに関連付けられていないことを意味しており、UEは、RMSIに関連付けられていないターゲットセルBの通知されたSSBに起因してreportCGIプロシージャが失敗したという明示的な通知を含む測定レポートを、即座にネットワークに対して送信する。1例では、明示的通知は1ビット(例えば、真または偽を示す)とすることができる。
【0054】
この測定報告を受信した後、ネットワークは受信した通知に基づいてこの試みの失敗の理由を認識し、この周波数およびPCI上でreportCGI手順をもはやトリガしないことがある。
【0055】
ケース2。別例において、UEはLTEセルAおよびNRセルBの両方にデュアル接続され、LTEサービングネットワークはターゲットNRセルCのセル情報を取得するようにUEに対して命令し、LTEネットワークは、測定目的がreportCGIに設定されNRセルCの対応する周波数およびPCIを含む測定構成をUEに対して送信する。
【0056】
UEは測定構成を受信すると、タイマをスタートさせ、セルCの受信周波数およびPCIに基づいてターゲットセルCのSSBをサーチしようと試みる。サーチが成功した場合、UEはPBCHの内容を復号してRMSIのスケジューリング情報を獲得する。RMSIのスケジューリング情報がない場合、これはこのSSBがRMSIと関連しないことを意味しており、UEはタイマが満了したとき即座に、LTEネットワークに対して測定レポートを送信する。測定レポートは、RMSIに関連付けられていないターゲットセルBの通知されたSSBに起因してreportCGI手順が失敗したことをネットワークに通知する原因値を含む。
【0057】
この測定報告を受信した後、LTEネットワークは受信した原因値に基づいてこの試みの失敗の理由を認識し、この周波数およびPCI上で追加のreportCGI手順をもはやトリガしないことがある。
【0058】
図4は、無線装置において実装することができる、セル情報取得および報告のための無線通信方法の1例を示す。方法400は、ステップ410において、構成情報の要求を受信することを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、要求を受信するとタイマを開始することをさらに含むことができる。
【0059】
方法400は、ステップ420において、同期ブロックを受信することを含む。いくつかの実施形態では、同期ブロックはSSBであってもよい。
【0060】
方法400は、ステップ430において、同期ブロックが構成情報に関連付けられていないことを決定することを含む。いくつかの実施形態では、同期ブロック(例えば、SSB)と構成情報との間の関連付けの欠如を決定することは、無線デバイスが構成情報を取得することを可能にするスケジューリング情報を同期ブロック(例えば、PBCH)の一部が除外することを決定することを含む。
【0061】
方法400は、ステップ440において、構成情報の要求に応答して失敗通知を送信することを含む。いくつかの実施形態では、失敗通知は明示的な1ビット通知であってもよい。他の実施形態では、失敗通知は構成情報に関連付けられていない同期ブロックに対応する値であってもよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、失敗通知は時間が経過した後に送信される。
【0063】
いくつかの実施形態では、構成情報の要求はサービス提供セルから受信され、構成情報はターゲットセルに関連付けられる。1例では、サービス提供セルとターゲットセルの両方がNRセルである。別の例では、サービス提供セルはLTEセルであり、ターゲットセルはNRセルである。
【0064】
<セル情報収集および報告のための例示的な実施形態の第2セット>
【0065】
ターゲットセルのセル情報を取得するようにUEに対して指示することをサービングネットワークが望み、ターゲットセルがNRセルである場合、ネットワークは、測定構成をUEに対して送信する。この測定構成はターゲットセルのPCIおよび周波数を含み、その測定目的は、UEがターゲットセルのセル情報を取得することを通知するように設定される。
【0066】
いくつかの実施形態では、このサービングネットワークはLTEサイトまたはNRサイトである。LTEサイトの場合、UEは非スタンドアロンモードで動作しており、LTEノードおよびNRノードの両方にデュアル接続されている。NRサイトの場合、UEは非スタンドアロンモードまたはスタンドアロンモードのいずれかで動作している。
【0067】
測定構成を受信すると、UEは関連するタイマを開始し、通知された周波数およびPCIに基づいてターゲットセルを探索しようと試みる。ターゲットセルと同期した後、UEは、SSBで伝送されたPBCHを復号してRMSIのスケジューリング情報を取得する。PBCHの内容はこのSSBがRMSIに関連付けられていないことを示すが、さらに別のSSBの構成情報を示す。この場合、UEは、異なる周波数上に位置する可能性がある通知されたSSBに対してRF再同調を実行する。通知されたSSBのPBCHの復号に成功した後、UEはRMSIのスケジューリング情報を取得し、次いで、RMSIのコンテンツを受信および復号して、ターゲットセルのセル情報を取得する。
【0068】
この手順が成功する例示的なシナリオでは、UEは、ターゲットセルのセル情報を含めることによって、またはセル情報およびターゲットセルの他の通知されたSSBの構成を含めることによって、測定報告をネットワークに対して送信することができる。上述の他の通知されたSSBの構成は、SSBの周波数位置、またはSSBの存在の通知を含むことができる。
【0069】
この手順が失敗する例示的なシナリオでは(例えば、UEが通知されたSSBへのリチューニングを実行することができないか、または通知されたSSBに基づいてセル情報を取得することに失敗した)、UEは測定レポートをネットワークに送信することができる。1例では、測定レポートは以下の1以上を含む:(1)障害理由を示すための明示的な通知は、要求されたSSBがRMSIに関連付けられていないことである、(2)障害理由を示すための原因値は、要求されたSSBがRMSIに関連付けられていないことである、(3)他の通知されたSSBの構成、例えばSSBの周波数位置、SSBの存在通知、および/またはSSBに関連する任意のその他の情報。
【0070】
さらに、成功した場合、UEは、UEがターゲットセルのセル情報を取得成功した直後に測定レポートを送信することができる。失敗した場合、UEは失敗の直後に、または関連するタイマが満了したときに、測定レポートを送信することができる。
【0071】
ケース1。UEはNRセルAに接続され、NRサービングネットワークはターゲットNRセルBのセル情報を取得するようにUEに対して指示する。ネットワークは、測定目的がreportCGIに設定され、対応するセルBのSSB1およびPCIの周波数を含む測定構成を、UEに対して送信する。
【0072】
UEは測定構成を受信すると、タイマを起動し、受信したセルBの周波数とPCIとに基づいて、ターゲットセルBのSSB1を探索することを試みる。探索が成功した場合、UEはPBCHの内容を復号してRMSIのスケジューリング情報を取得する。1例ではRMSIのスケジュール情報はなく、これはこのSSBがRMSIに関連付けられていないことを意味しているが、PBCHの内容は別のSSB(例えば、SSB2)の構成情報を示す。次いで、UEは、SSB2のPBCHの復号に成功した後に、異なる周波数に位置する可能性がある通知されたSSB2にRF再同調する。UEはRMSIのスケジューリング情報を取得した後、RMSIの内容を受信して復号し、ターゲットセルのセル情報を取得する。
【0073】
ターゲットセルのセル情報を取得した後、UEは、ターゲットセルのセル情報を含めることによって、またはターゲットセルのセル情報およびSSB2の構成通知を含めることによって、ネットワークに対して測定報告を送信する。
【0074】
いくつかの実施形態では、セル情報は以下のうち1以上を含む:(1)ターゲットセルのセルグローバル識別子(CGI)、(2)ターゲットセルのPLMN IDまたはPLMN IDリスト、(3)ターゲットセルのトラッキングエリアコード(TAC)、および(4)ターゲットセルのSSBリソースタイミング構成。
【0075】
いくつかの実施形態では、ターゲットセルのSSBリソースタイミング構成は、時間ドメインSSB送信期間、SSB送信オフセット、SSB送信持続時間、およびSSB送信ビットマップのうちの1つまたは複数を含む。さらに、UEは、サービス提供セルのタイミング基準に基づいて、またはターゲットセルのタイミング基準に基づいて、この情報(またはこの情報の一部)を送信することができる。
【0076】
いくつかの実施形態では、SSB2の構成指示は、SSBの周波数位置、SSB2の存在通知、SSB2のSSBリソースタイミング構成、およびSSB2の任意のその他の情報のうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0077】
ケース2。UEはLTEセルAおよびNRセルBの両方にデュアル接続され、LTEサービングネットワークはターゲットNRセルCのセル情報を取得するようにUEに対して指示する。LTEネットワークは、測定目的がreportCGIに設定され、NRセルCのSSB1およびPCIの対応する周波数を含む測定構成を、UEに対して送信する。
【0078】
UEは計測構成を受信すると、タイマを起動し、受信したセルCの周波数とPCIとに基づいて、ターゲットセルCのSSB1を探索することを試みる。探索に成功した場合、UEはPBCHの内容を復号してRMSIのスケジューリング情報を取得するが、RMSIのスケジューリング情報がないと判定し、これはこのSSBがRMSIに関連付けられていないことを意味する。ただし、PBCHの内容は、他のSSB2の設定情報を示す。この場合、UEは、通知されたSSB2へのRF再同調を実行することができず、要求SSB1がRMSIに関連付けられていないことを示す明示的な通知を含む測定報告をLTEサービングネットワークに対して送信する。さらに、UEは、SSB1のPBCHから取得されたSSB2の構成情報を通知することができる。いくつかの実施形態では、SSB2の構成情報は、SSB2の周波数位置、SSB2の存在情報、およびSSB2に関連する任意のその他の情報のうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0079】
この測定報告を受信すると、ネットワークは、受信した通知およびSSB2の情報に基づいて、この試みが失敗した理由を認識する。これに基づいて、ネットワークは、SSB1およびPCIの周波数上でreportCGI手順をトリガすることはない。その代わりに、ネットワークはSSB1およびSSB2が同じセルに属することを決定したので、ネットワークはターゲットセルCのSSB2およびPCIの周波数上で、後にreportCGI手順を直接トリガすることができる。
【0080】
ケース3。UEはLTEセルAおよびNRセルBの両方にデュアル接続され、LTEサービングネットワークはターゲットNRセルCのセル情報を取得するようにUEに指示する。LTEネットワークは、測定目的がreportCGIに設定され、NRセルCのSSB1およびPCIの対応する周波数を含む測定構成を、UEに対して送信する。
【0081】
UEは計測構成を受信すると、タイマを起動し、受信したセルCの周波数とPCIとに基づいて、ターゲットセルCのSSB1を探索することを試みる。探索に成功した場合、UEはPBCHの内容を復号してRMSIのスケジューリング情報を取得するが、RMSIのスケジューリング情報がないと判定し、これはこのSSBがRMSIに関連付けられていないことを意味する。ただし、PBCHの内容は、他のSSB2の設定情報を示す。この場合、UEは、異なる周波数に位置する可能性がある、通知されたSSB2へのRF再同調を実行することができる。SSB2のPBCHの復号に成功した後、UEは、RMSIのスケジューリング情報を取得する。
【0082】
しかしながら、UEはタイマが満了する前に、ターゲットセルのセル情報を取得することができない。この場合、UEは測定報告をLTEサービングネットワークに対して送信し、要求SSB1がRMSIに関連付けられていないことを示す原因値を含める。UEはさらに、SSB1のPBCHから取得したSSB2の構成情報を通知することができる。いくつかの実施形態では、SSB2の構成情報は、SSB2の周波数位置、SSB2の存在情報、およびSSB2に関連する任意の他の情報のうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0083】
この測定報告を受信すると、ネットワークは、受信した通知およびSSB2の情報に基づいて、この試みが失敗した理由を認識する。これに基づいて、ネットワークは、SSB1およびPCIの周波数上で追加のreportCGI手順をもはやトリガしないことがある。その代わりに、ネットワークはSSB1およびSSB2が同じセルに属することを決定したので、ネットワークはターゲットセルCのSSB2およびPCIの周波数上で、後にreportCGI手順を直接トリガすることができる。
【0084】
図5は、無線装置において実装することができる、セル情報取得および報告のための無線通信方法の例を示す。方法500は、ステップ510において、構成情報の要求を受信することを含む。
【0085】
方法500は、ステップ520において、第1同期ブロックを受信することを含む。
【0086】
方法500はステップ530において、(a)第1同期ブロックが構成情報に関連付けられていないこと、(b)第1同期ブロックが、構成情報に関連付けられた第2同期ブロックに関連する情報を含むこと、を決定する。いくつかの実施形態では、第1および第2同期ブロックは異なるSSB(例えば、SSB1とSSB2)である。
【0087】
方法500は、ステップ540において、構成情報を取得するために無線周波数再同調動作を実行することができるかどうかを判定することを含む。いくつかの実施形態では、無線装置が再同調することができないことがあり、構成情報の要求に応答して、失敗通知が送信される。いくつかの実施形態では、失敗通知は明示的な1ビット通知であってもよい。他の実施形態では、失敗通知は構成情報に関連付けられていない同期ブロックに対応する値であってもよい。
【0088】
いくつかの実施形態では、無線装置はリチューニング動作を実行することができ、SSB2に関連する周波数にリチューニングすることによって構成情報を受信することができる。次に、無線装置は、設定情報および/またはSSB2に関連する情報をネットワークノードに送信することができる。
【0089】
いくつかの実施形態では、サービス提供セルおよびターゲットセルの両方がNRセルである。他の実施形態では、サービス提供セルはLTEセルであり、ターゲットセルはNRセルである。
【0090】
<セル情報収集および報告のための例示的な実施形態の第3のセット>
【0091】
開示する技術の実施形態は、例示的な実施形態の第3のセットのうちの任意の1つを、例示的な実施形態の第1セットまたは第2セットのうちの任意の1つと組み合わせることができる。
【0092】
サービングネットワークが、ターゲットセルのセル情報、ならびにサービス提供セルとターゲットセル(NRセルである)との間のタイミング差を取得するようにUEに対して命令することを望む場合、サービングネットワークは、測定構成をUEに向けて送信する。この測定構成はターゲットセルのPCIおよび周波数を含み、その測定目的は、ターゲットセルのセル情報を取得することをUEに対して通知するように設定される。さらに、ネットワークは、この測定構成において、サービス提供セルとターゲットセルとの間のタイミング差測定を可能にすることができる。
【0093】
いくつかの実施形態では、このサービングネットワークがLTEサイトまたはNRサイトである。LTEサイトの場合、UEは非スタンドアロンモードで動作しており、LTEノードおよびNRノードの両方にデュアル接続されている。NRサイトの場合、UEは非スタンドアロンモードまたはスタンドアロンモードのいずれかで動作している。
【0094】
いくつかの実施形態では、測定構成メッセージ内のターゲットセルの測定対象構成に関して、ネットワークはセルBのSSBリソースタイミング構成を通知してもしなくてもよい。1例では、SSBリソースタイミング構成は、SSB測定タイミング構成(SMTC)を含む。
【0095】
測定構成を受信すると、UEは関連するタイマを開始し、示された周波数およびPCIに基づいてターゲットセルを探索することを試みる。SSBリソースタイミング設定が受信されない場合、UEは時間ドメイン内においてターゲットセルに対してブラインド検索を実行する。ターゲットセルと同期した後、UEは、ターゲットセルのセル情報を取得しようと試みる。いくつかの実施形態では、セル情報はCGI、PLMN ID、TACなどを含む。さらに、UEは、サービス提供セルとターゲットセルとの間のタイミング差を計算することができる。いくつかの実施例では、タイミング差は、SFNオフセット、フレーム境界オフセット、サービス提供セルとターゲットセルとの間のサブフレーム境界オフセット、を含むことができる。
【0096】
UEがターゲットセルのセル情報の取得に成功し、タイミング差測定結果の計算に成功した場合、UEは、ターゲットセルのセル情報およびタイミング差測定結果の両方を含む測定レポートをネットワークに対して送信することができる。
【0097】
UEがターゲットセルのセル情報を取得することに成功したが、タイミング差測定結果の計算に失敗した場合、UEはターゲットセルのセル情報のみを含む測定レポートを送信することができる。
【0098】
UEがターゲットセルのセル情報の取得に失敗したが、タイミング差測定結果の計算に成功した場合、UEはタイミング差測定結果のみを含む測定レポートをネットワークに対して送信することができる。別の例では、UEがセル情報もタイミング差測定結果も含まない測定レポートをネットワークに対して送信することができる。
【0099】
UEがターゲットセルのセル情報の取得に失敗し、タイミング差測定結果の計算に失敗した場合、UEは、セル情報およびタイミング差測定結果を除外する測定レポートをネットワークに対して送信することができる。
【0100】
前述のシナリオのそれぞれにおいて、いくつかの実施形態では、UEは、UEがターゲットセルのセル情報を正常に取得した直後に測定レポートを送信することができる。他の実施形態では、UEは、障害が発生した直後に、または関連するタイマが満了した後に、測定レポートを送信することができる。
【0101】
この測定報告を受信した後、サービス提供セルとターゲットセルとの間の測定結果間のタイミング差が含まれる場合、ネットワークは、UEから受信されたタイミング差結果に基づいてターゲットセルの周波数のSSB測定タイミング構成を調整することができる。さらに、ネットワークは、タイミング差の結果に基づいて、ターゲットセルCの周波数のCSI-RSリソース構成を調整することもできる。次いで、ネットワークは、ターゲットセルの周波数の調整された構成をサービス提供セル内のUEに対して送信することができる。
【0102】
ケース1。UEはNRセルAに接続され、NRサービングネットワークは、ターゲットNRセルBのセル情報と、NRセルAとセルBとの間のタイミング差とを取得するように、UEに対して指示する。セルAネットワークは、測定目的がreportCGIに設定された測定構成をUEに対して送信する。さらに、タイミング差測定を可能にするために、測定構成はセルBの対応する周波数およびPCIを通知する。ただしセルBのSSBリソースタイミング構成は測定構成に含まれない。
【0103】
UEは測定構成を受信すると、タイマを開始し、受信したセルBの周波数およびPCIに基づいて、ターゲットセルBのSSBを探索しようと試みる。SSBリソースタイミング設定はUEによって受信されないので、UEは時間ドメインでセルBを検索する必要がある。ターゲットセルBと同期した後、ターゲットセルBのセル情報(例えば、CGI、PLMN IDリスト、TACなど)を取得することなく、UEはターゲットセルBのSFNおよびフレーム情報を取得し、次いで、サービス提供セルAとターゲットセルBとの間のタイミング差を計算することができる。いくつかの実施形態では、タイミング差は、サービス提供セルとターゲットセルとの間のSFNオフセット、フレーム境界オフセット、サブフレーム境界オフセットのうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0104】
UEがセル情報を取得し、タイミング差の結果を計算することに成功した後、UEは、セルBのセル情報およびセルAとセルBとの間のタイミング差の結果を含めることによって、測定報告メッセージをネットワークに対して直ちに送信することができる。
【0105】
この測定報告を受信した後、ネットワークは、ターゲットセルBのセル情報、ならびにセルAとセルBとの間のタイミング差を認識する。したがって、ネットワークはターゲットセルBのSSBリソースタイミング構成を取得し、UEから受信したタイミング差結果に基づいてターゲットセルBの周波数のSSB測定タイミング構成を調整することができる。さらに、ネットワークはターゲットセルCの周波数のCSI-RSリソース構成を調整し、セルBの周波数の調整された構成をセルA内のUEに対して送信することができる。
【0106】
ケース2。UEはLTEセルAおよびNRセルBの両方にデュアル接続され、LTEサービングネットワークは、ターゲットNRセルCのセル情報およびLTEセルAとNRセルCとの間のタイミング差を取得するようにUEに対して指示する。LTEセルAネットワークは、測定目的がreportCGIに設定された測定構成をUEに対して送信し、タイミング差測定を可能にするために、セルCの対応する周波数およびPCIを通知する。セルCのSSBリソースタイミング構成も含む。
【0107】
UEは測定構成を受信すると、タイマを開始し、受信したセルBの周波数およびPCIに基づいて、ターゲットセルCのSSBの探索を試みる。ターゲットセルCと同期した後、ターゲットセルCのセル情報(例えば、CGI、PLMN IDリスト、TACなど)を取得せずに、UEはターゲットセルCのSFNおよびフレーム情報を取得し、ターゲットセルAとターゲットセルCの間のタイミングの差を計算する。一部の実施形態では、タイミングの差異は、SFNオフセット、フレーム境界オフセット、サービス提供セルとターゲットセルとの間のサブフレーム境界オフセット、のうちの1つ以上を含む場合がある。
【0108】
しかしながら、この場合、UEはセル情報の取得に失敗したが、タイマが満了する前にタイミング差分結果を計算することに成功したことになる。したがって、タイマが満了すると、UEは測定報告メッセージをネットワークに対して送信し、測定報告メッセージは、LTEセルAとNRセルCとの間のタイミング差測定結果のみを含む。
【0109】
この測定報告を受信した後、ネットワークはターゲットセルCのセル情報に依然として気付かないことがあるが、セルAとセルCとの間のタイミング差を受信することによって、ネットワークはUEから受信されたタイミング差結果に基づいてターゲットセルCの周波数のSSB測定タイミング構成を調整することができる。さらに、ネットワークはターゲットセルCの周波数のCSI-RSリソース構成を調整し、セルCの周波数の調整された構成をセルA内のUEに対して送信することができる。
【0110】
図6は、無線装置において実装することができる、セル情報取得および報告のための無線通信方法の1例を示す。方法600は、ステップ610において、(a)ターゲットセルのセル情報、(b)サービス提供セルとターゲットセルとの間のタイミング差情報、に対する要求を受信することを含む。
【0111】
方法600は、ステップ620において、要求がターゲットセルの識別情報を含むかどうかを判定することを含む。いくつかの実施形態では、識別情報は、SSB(同期信号/物理ブロードキャストチャネルブロック)測定タイミング構成(SMTC)情報を含む。1例では、SMTCは、時間ドメイン期間、時間ドメインオフセット、時間ドメイン時間長、のうちの1つ以上を含むウィンドウ情報を含むことができる。
【0112】
図7は、ネットワークノードにおいて実装することができる、セル情報取得および報告のための無線通信方法の1例を示す。方法700は、ステップ710において、サービス提供セルとターゲットセルとの間のタイミング差情報を受信することを含む。いくつかの実施形態では、タイミング差情報は、システムフレーム番号(SFN)オフセット、フレーム境界オフセット、サービス提供セルとターゲットセルとの間のサブフレーム境界オフセット、のうちの1つまたは複数を含む。
【0113】
方法700は、ステップ720において、タイミング差情報に基づいてタイミング構成情報を調整することを含む。一部の実施形態では、タイミング構成情報は、SSB(同期信号/物理ブロードキャストチャネルブロック)計測タイミング構成(SMTC)情報に対応している。1例では、SMTC情報は、時間ドメイン期間、時間ドメインオフセット、時間ドメイン継続時間、のうち1つ以上を含むウィンドウ情報を含む。一部の実施形態において、タイミング構成情報は、ターゲットセルの周波数またはチャネル状態情報基準信号(CSI-RS)を含むことができる。
【0114】
方法700は、ステップ730において、上記調整後にタイミング構成情報を送信することを含む。
【0115】
図8は、本資料に記載された方法または技術(例えば、方法400-700)を実装できる装置のブロック図である。基地局または無線装置(またはUE)などの装置805は、本文書で示される技術のうちの1つ以上を実装するマイクロプロセッサなどのプロセッサ電子部品810を含むことができる。装置805は、アンテナ820などの1つまたは複数の通信インターフェースを介して無線信号を送信および/または受信するためのトランシーバ電子機器815を含むことができる。装置805は、データを送受信するための他の通信インターフェースを含むことができる。装置805は、データおよび/または命令などの情報を記憶するように構成された1つまたは複数のメモリ(明示的には図示せず)を含むことができる。いくつかの実装形態では、プロセッサ電子部品810がトランシーバ電子部品815の少なくとも一部を含むことができる。いくつかの実施形態では、開示する技術、モジュール、または機能のうちの少なくともいくつかは装置805を使用して実装される。
【0116】
本明細書は図面と共に、例示的な手段である例示的なものに過ぎず、特に断らない限り、理想的または好ましい実施形態を示唆するものではないことが意図されている。本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」および「the」は文脈が明確に反していることを示さない限り、複数形も同様に含むことが意図される。加えて、「or」の使用は文脈が明確に反していることを示さない限り、「and/or」を含むことが意図される。
【0117】
本明細書で説明される実施形態のいくつかは方法またはプロセスの一般的なコンテキストで説明され、方法またはプロセスは一実施形態ではネットワーク化された環境内のコンピュータによって実行される、プログラムコードなどのコンピュータ実行可能命令を含む、コンピュータ可読媒体で実施されるコンピュータプログラム製品によって実装され得る。コンピュータ読み取り可能媒体は読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、コンパクトディスク、ディジタル多用途ディスクなどを含むが、これらに限定されない、取り外し可能および非取り外し可能記憶装置を含むことができる。したがって、コンピュータ可読媒体は、一時的でない記憶媒体を含むことができる。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか、または特定の抽象データタイプを実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含み得る。コンピュータまたはプロセッサ実行可能命令、関連データ構造、およびプログラムモジュールは、本明細書に開示する方法のステップを実行するためのプログラムコードの例を表す。そのような実行可能命令または関連するデータ構造の特定のシーケンスは、そのようなステップまたはプロセスで説明される機能を実装するための対応する動作の例を表す。
【0118】
開示された実施形態のいくつかは、ハードウェア回路、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせを使用して、デバイスまたはモジュールとして実装され得る。ハードウェア回路実装は例えば、プリント回路基板の一部として集積される個別のアナログおよび/またはデジタル構成要素を含むことができる。代替的に、または追加的に、開示されたコンポーネントまたはモジュールは、特定用途向け集積回路(ASIC)および/またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)デバイスとして実装することができる。いくつかの実装形態は追加的にまたは代替的に、本出願の開示された機能に関連するデジタル信号処理の動作上の必要性のために最適化されたアーキテクチャを有する特殊化されたマイクロプロセッサであるデジタル信号プロセッサ(DSP)を含むことができる。同様に、各モジュール内の様々なコンポーネントまたはサブコンポーネントは、ソフトウェア、ハードウェア、またはファームウェアで実現することができる。モジュール内のモジュールおよび/またはコンポーネント間の接続性はインターネット、有線、または適切なプロトコルを使用する無線ネットワークを介した通信を含むが、これらに限定されない、当技術分野で公知の接続方法および媒体のいずれか1つを使用して提供することができる。
【0119】
この文書は多くの詳細を含むが、これらは特許請求される発明の範囲または特許請求され得る発明の範囲に対する限定として解釈されるべきではなく、むしろ、特定の実施形態に特有の特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実施形態の文脈で本文書に記載されている特定の特徴は、単一の実施形態においても組み合わせて実施することができる。逆に、単一の実施形態の文脈で説明される様々な特徴は複数の実施形態で別々に、または任意の適切なサブコンビネーションで実装することもできる。さらに、特徴は特定の組み合わせで動作するものとして上記で説明される場合があり、そのようなものとして最初に特許請求されてもよいが、特許請求される組み合わせからの1つまたは複数の特徴は場合によってはその組み合わせから削除されてもよく、特許請求される組み合わせは下位組み合わせまたは下位組み合わせの変形に向けられてもよい。同様に、動作は特定の順序で図面に示されているが、これは望ましい結果を達成するために、そのような動作が示された特定の順序で、または連続的な順序で実行されること、または示されたすべての動作が実行されることを必要とするものとして理解されるべきではない。
【0120】
少数の実装および例のみが説明されており、他の実装、拡張およびバリエーションは、本開示に記載され、図示されているものに基づいて行うことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8