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特許7183293媒体リソース割当方法、装置、システム、コンピュータプログラム及びコンピュータ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-25
(45)【発行日】2022-12-05
(54)【発明の名称】媒体リソース割当方法、装置、システム、コンピュータプログラム及びコンピュータ装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20221128BHJP
【FI】
G06Q30/02 380
G06Q30/02 438
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020552900
(86)(22)【出願日】2019-05-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-07-15
(86)【国際出願番号】 CN2019086943
(87)【国際公開番号】W WO2019242432
(87)【国際公開日】2019-12-26
【審査請求日】2020-09-29
(31)【優先権主張番号】201810628879.2
(32)【優先日】2018-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517392436
【氏名又は名称】▲騰▼▲訊▼科技(深▲セン▼)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100150197
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 直樹
(72)【発明者】
【氏名】▲習▼ 明昊
【審査官】鈴木 和樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/112664(WO,A1)
【文献】特表2017-525062(JP,A)
【文献】特開2015-172845(JP,A)
【文献】特許第5224224(JP,B1)
【文献】国際公開第2018/047982(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0012311(US,A1)
【文献】特開2018-055473(JP,A)
【文献】国際公開第2017/136879(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0132626(US,A1)
【文献】沈 嘉秋 他1名,分散型台帳技術を用いたモバイル決済のモデル開発,第80回(平成30年)全国大会講演論文集(4) インタフェース コンピュータと人間社会,一般社団法人 情報処理学会,2018年03月13日,pp.567-568,2ZC-06
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体リソース割当サーバが実行する、媒体リソース割当方法であって、前記媒体リソース割当サーバが、ブロックチェーンシステムにおけるいずれか1つの媒体リソース割当サーバであり、前記ブロックチェーンシステムにおける複数の媒体リソース割当サーバにターゲットブロックチェーンが配置されており、前記ターゲットブロックチェーンは、媒体リソース割当過程における取引データを記憶するためのものであり、前記方法は、
媒体リソースサーバから送信された媒体リソース情報を受信するステップと、
複数の媒体リソース要求サーバの媒体リソース需要、前記媒体リソース情報及び所定割当ルールに基づいて、前記複数の媒体リソース要求サーバに媒体リソースを割り当てるステップと、
媒体リソース割当過程で生成された取引データを前記ターゲットブロックチェーンに記憶するステップと、を含み、
媒体リソース割当過程で生成された取引データを前記ターゲットブロックチェーンに記憶する前記ステップは、
今回の媒体リソース割当過程における取引データを生成し、前記取引データを前記媒体リソース割当サーバに記憶し、前記複数の媒体リソース割当サーバに前記取引データをブロードキャストするステップと、
前記複数の媒体リソース割当サーバのうちのいずれか1つの媒体リソース割当サーバが前記取引データが有効であることを検証した場合、前記取引データを前記ターゲットブロックチェーンに記憶するステップと、を含むことを特徴とする、媒体リソース割当方法。
【請求項2】
複数の媒体リソース要求サーバの媒体リソース需要、前記媒体リソース情報及び所定割当ルールに基づいて、前記複数の媒体リソース要求サーバに媒体リソースを割り当てる前記ステップは、
前記複数の媒体リソース要求サーバに媒体リソース入札要求を送信するステップと、
前記複数の媒体リソース要求サーバから送信された入札情報を受信した時に、受信した入札情報及び前記所定割当ルールに基づいて、入札成功の媒体リソース要求サーバを決定し、前記媒体リソース情報を前記媒体リソース要求サーバに割り当てるステップと、を含むことを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記取引データを前記ターゲットブロックチェーンに記憶する前記ステップは、
前記取引データに基づいてブロックを生成し、前記複数の媒体リソース割当サーバに前記ブロックをブロードキャストし、前記複数の媒体リソース割当サーバが前記ブロックに対して合意形成した場合、前記ブロックを前記ターゲットブロックチェーンに記憶するステップを含むことを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記取引データに基づいてブロックを生成するステップは、
第1所定期間内に発生した取引データに基づいて前記ブロックを生成するステップを含むことを特徴とする
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、
前記媒体リソース割当サーバが受信した入札情報に基づいて、前記取引データを検証するステップと、
前記受信した入札情報及び前記所定割当ルールに基づいて得られた取引データが、前記取引データと合致した場合、前記取引データが有効であると検証するステップと、を更に含むことを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、
前記ターゲットブロックチェーンに2つのチェーンが含まれることを検出した場合、前記2つのチェーンの間のブロック高低差が所定閾値より大きいかどうかを検出するステップと、
前記ブロック高低差が前記所定閾値より大きい場合、前記2つのチェーンのうちの長さが短いチェーンを削除し、前記長さが短いチェーンにおけるブロックに記憶されている取引データを解放して未統合取引データとするステップと、を更に含むことを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、
取引に成功した入札取引から手数料を取得するステップを更に含むことを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記媒体リソース割当サーバは、前記ブロックチェーンシステムにおいてリーダー状態にある媒体リソース割当サーバであることを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記方法は、
前記媒体リソース割当サーバのタイムオーバー率が所定タイムオーバー率より大きいか、又は不正取引回数が所定回数より大きい場合、前記媒体リソース割当サーバをリーダーノードの投票対象から除外するステップを更に含むことを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
媒体リソース割当システムであって、前記システムは、媒体リソースサーバと、複数の媒体リソース要求サーバと、複数の媒体リソース割当サーバとを備え、前記複数の媒体リソース割当サーバにターゲットブロックチェーンが配置されており、前記ターゲットブロックチェーンは、媒体リソース割当過程における取引データを記憶するためのものであり、
前記媒体リソースサーバは、前記複数の媒体リソース割当サーバに媒体リソース情報を送信するように構成され、
前記複数の媒体リソース要求サーバは、前記複数の媒体リソース割当サーバに媒体リソースを要求するように構成され、
複数の媒体リソース割当サーバは、前記複数の媒体リソース要求サーバの媒体リソース需要、前記媒体リソース情報及び所定割当ルールに基づいて、前記複数の媒体リソース要求サーバに媒体リソースを割り当て、媒体リソース割当過程で生成された取引データを前記ターゲットブロックチェーンに記憶するように構成され、
前記複数の媒体リソース割当サーバのうちのいずれか1つの媒体リソース割当サーバは、
媒体リソース情報を受信してから、前記複数の媒体リソース要求サーバに媒体リソース入札要求を送信するステップと、
前記複数の媒体リソース要求サーバから送信された入札情報を受信した時に、受信した入札情報及び前記所定割当ルールに基づいて、入札成功の媒体リソース要求サーバを決定し、前記媒体リソース情報を前記媒体リソース要求サーバに割り当てるステップと、
今回の媒体リソース割当過程における取引データを生成し、前記取引データを前記媒体リソース割当サーバに記憶し、前記複数の媒体リソース割当サーバに前記取引データをブロードキャストするステップと、
前記複数の媒体リソース割当サーバのうちのいずれか1つの媒体リソース割当サーバが前記取引データが有効であることを検証した場合、前記取引データを前記ターゲットブロックチェーンに記憶するステップと、を実行するように構成されることを特徴とする、媒体リソース割当システム。
【請求項11】
前記複数の媒体リソース要求サーバは、前記複数の媒体リソース割当サーバにおいてリーダー状態にある媒体リソース割当サーバに、媒体リソース割当要求を送信するように構成されることを特徴とする
請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
いずれか1つの媒体リソース割当サーバのタイムオーバー率が所定タイムオーバー率より大きいか又は不正取引の割合が所定割合より大きい場合、前記媒体リソース割当サーバを投票対象から除外することを特徴とする
請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記複数の媒体リソース割当サーバのうちのいずれか1つの媒体リソース割当サーバは更に、前記媒体リソース割当サーバが受信した入札情報に基づいて、前記取引データを検証し、
前記受信した入札情報及び前記所定割当ルールに基づいて得られた取引データが、前記取引データと合致した場合、前記取引データが有効であると検証するように構成されることを特徴とする
請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記複数の媒体リソース割当サーバのうちのいずれか1つの媒体リソース割当サーバは更に、前記ターゲットブロックチェーンに2つのチェーンが含まれることを検出した場合、前記2つのチェーンの間のブロック高低差が所定閾値より大きいかどうかを検出し、前記ブロック高低差が前記所定閾値より大きい場合、前記2つのチェーンのうちの長さが短いチェーンを削除し、前記長さが短いチェーンにおけるブロックに記憶されている取引データを解放して未統合取引データとするように構成されることを特徴とする
請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
前記複数の媒体リソース割当サーバのうちのブロックを生成する媒体リソース割当サーバは更に、前記媒体リソース割当システムにおいて取引に成功した入札取引から、手数料を取得するように構成されることを特徴とする
請求項10に記載のシステム。
【請求項16】
媒体リソース割当装置であって、モジュールを含み、前記モジュールが、請求項1~9のいずれか一項に記載の媒体リソース割当方法を実行するように構成される、
媒体リソース割当装置。
【請求項17】
コンピュータプログラムであって、プロセッサに請求項1~9のいずれか一項に記載の媒体リソース割当方法を実行させる、
コンピュータプログラム。
【請求項18】
コンピュータ装置であって、前記コンピュータ装置は、プロセッサと、メモリとを備え、前記メモリに、少なくとも1つのコンピュータ可読命令が記憶されており、前記コンピュータ可読命令は、前記プロセッサに請求項1~9のいずれか一項に記載の媒体リソース割当方法を実行させる、
コンピュータ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2018年06月19日に中国特許局に提出された出願番号が201810628879.2であり、発明名称が「媒体リソース割当方法、装置、システム、記憶媒体及びコンピュータ装置」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は引用によって本出願に援用される。
【0002】
本出願は、ネットワーク技術分野に関し、特に、媒体リソース割当方法、装置、システム、記憶媒体及びコンピュータ装置に関する。
【背景技術】
【0003】
RTB(Real Time Bidding:リアルタイムビディング)は、何百万のウェブサイトにおいて、各々のユーザの表示行為に対して評価して入札を行う入札技術であり、DSP(Demand-Side Platform:デマンドサイドプラットフォーム)をコアとしており、RTBは、媒体にとって、より高い広告売上を齎し、販売の自動化を実現し、各費用支出を低減させることができる。広告主及びエージェント会社にとって、効果及び投資収益率を向上させることが、最も直接的なメリットになっている。
【0004】
入札の目的は、実際には、媒体リソースの競合であり、即ち、媒体リソースを割り当てることである。従来の媒体リソース割当方法において、ADX(Advertisement Exchange:アドエクスチェンジ)サーバによって、入札アルゴリズムを実行して媒体リソースを入札に成功したDSPに割り当てる方法は、一般的である。
【0005】
しかしながら、通常、ADXサーバが同一の機関によってサービスを提供しており、入札アルゴリズムの実行もADXサーバ内で行われ、その入札プロセスが不透明で、媒体リソース割当プロセス全体に対する信頼性が低い。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
媒体リソース割当方法であって、ブロックチェーンシステムにおけるいずれか1つの媒体リソース割当サーバにより実行され、前記ブロックチェーンシステムにおける複数の媒体リソース割当サーバにターゲットブロックチェーンが配置されており、前記ターゲットブロックチェーンは、媒体リソース割当過程における取引データを記憶するためのものであり、前記方法は、
媒体リソースサーバから送信された媒体リソース情報を受信するステップと、
複数の媒体リソース要求サーバの媒体リソース需要、前記媒体リソース情報及び所定割当ルールに基づいて、前記複数の媒体リソース要求サーバに媒体リソースを割り当てるステップと、
媒体リソース割当過程で生成された取引データを前記ターゲットブロックチェーンに記憶するステップと、を含む。
【0007】
媒体リソース割当システムであって、前記システムは、媒体リソースサーバと、複数の媒体リソース要求サーバと、複数の媒体リソース割当サーバとを備え、前記複数の媒体リソース割当サーバにターゲットブロックチェーンが配置されており、前記ターゲットブロックチェーンは、媒体リソース割当過程における取引データを記憶するためのものであり、
前記媒体リソースサーバは、前記複数の媒体リソース割当サーバに媒体リソース情報を送信するように構成され、
前記複数の媒体リソース要求サーバは、前記複数の媒体リソース割当サーバに媒体リソースを要求するように構成され、
複数の媒体リソース割当サーバは、前記複数の媒体リソース要求サーバの媒体リソース需要、前記媒体リソース情報及び所定割当ルールに基づいて、前記複数の媒体リソース要求サーバに媒体リソースを割り当て、媒体リソース割当過程で生成された取引データを前記ターゲットブロックチェーンに記憶するように構成される。
【0008】
幾つかの実施例において、前記複数の媒体リソース割当サーバにおけるいずれか1つの媒体リソース割当サーバは、
前記媒体リソース割当サーバが前記取引データに基づいてブロックを生成し、前記複数の媒体リソース割当サーバに前記ブロックをブロードキャストし、前記複数の媒体リソース割当サーバが前記ブロックに対して合意形成した場合、前記ブロックを前記ターゲットブロックチェーンに記憶することを実行するように構成される。
【0009】
幾つかの実施例において、前記媒体リソース割当サーバは、第1所定期間内に発生した取引データに基づいて前記ブロックを生成する。
【0010】
幾つかの実施例において、前記複数の媒体リソース割当サーバは、第2所定期間おきに投票を行い、媒体リソース割当サーバを選出してリーダーノードとする。
【0011】
媒体リソース割当装置であって、ブロックチェーンシステムにおけるいずれか1つの媒体リソース割当サーバに適用され、前記ブロックチェーンシステムにおける複数の媒体リソース割当サーバにターゲットブロックチェーンが配置されており、前記ターゲットブロックチェーンは、媒体リソース割当過程における取引データを記憶するためのものであり、前記装置は、
媒体リソースサーバから送信された媒体リソース情報を受信するように構成される受信モジュールと、
複数の媒体リソース要求サーバの媒体リソース需要、前記媒体リソース情報及び所定割当ルールに基づいて、前記複数の媒体リソース要求サーバに媒体リソースを割り当てるように構成される割当モジュールと、
媒体リソース割当過程で生成された取引データを前記ターゲットブロックチェーンに記憶するように構成される記憶モジュールと、を備える。
【0012】
一態様によれば、コンピュータ装置を提供する。前記コンピュータ装置は、プロセッサと、メモリとを備え、前記メモリに、少なくとも1つのコンピュータ可読命令が記憶されており、前記コンピュータ可読命令は、前記プロセッサによりロードされ、
媒体リソースサーバから送信された媒体リソース情報を受信するステップと、
複数の媒体リソース要求サーバの媒体リソース需要、前記媒体リソース情報及び所定割当ルールに基づいて、前記複数の媒体リソース要求サーバに媒体リソースを割り当てるステップと、
媒体リソース割当過程で生成された取引データを前記ターゲットブロックチェーンに記憶するステップと、を実行する。
【0013】
不揮発性コンピュータ可読記憶媒体であって、前記記憶媒体には少なくとも1つのコンピュータ可読命令が記憶されており、前記コンピュータ可読命令はプロセッサによりロードされ、
媒体リソースサーバから送信された媒体リソース情報を受信するステップと、
複数の媒体リソース要求サーバの媒体リソース需要、前記媒体リソース情報及び所定割当ルールに基づいて、前記複数の媒体リソース要求サーバに媒体リソースを割り当てるステップと、
媒体リソース割当過程で生成された取引データを前記ターゲットブロックチェーンに記憶するステップと、を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本出願の実施例による媒体リソース割当システムのシステム構造を示す図である。
図2】ブロックによるデータ記憶の例を示す図である。
図3】本出願の実施例による媒体リソース割当方法を示すフローチャートである。
図4】本出願の実施例によるデータ処理形態の例を示す図である。
図5】本出願の実施例による取引データとブロックとの関係を示す概略図である。
図6】本出願の実施例によるブロックチェーンの形態を示す概略図である。
図7】本出願の実施例による媒体リソース割当装置の構造を示す概略図である。
図8】本出願の実施例によるサーバの構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
下記、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。勿論、下記の図面は本出願の一部の実施例に過ぎず、当業者は創造的な労力を払わずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【0016】
下記、本出願の実施例における図面を参照しながら、本出願の実施例における技術的解決手段を明確かつ完全に説明する。勿論、記載される実施例は、全ての実施例ではなく、ただ本出願の一部の実施例である。本出願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労力を払わずに得られる他の実施例の全ては、本出願の保護の範囲に含まれる。
【0017】
下記具体的な説明で登場している用語を説明する。
【0018】
コンソーシアムチェーンは、コンソーシアムブロックチェーン(Consortium Block chains)とも呼ばれ、合意プロセスが候補ノードにより制御されるブロックチェーンを指す。コンソーシアムチェーンにおいて、チェーンにおけるノードメンバーにしか全て又は一部の機能を公開することがなく、コンソーシアムチェーンにおける各ブロックチェーンノードは、必要に応じて、読み書き権限、照会権限などをカスタマイズする。
【0019】
スマートコントラクトは、特定の条件に基づいて、自動的に実行されるコントラクトプロシージャであり、チェーンに記憶されているデータに対して操作を行うことができ、ユーザとブロックチェーンとのインタラクションを行い、ブロックチェーンを利用して業務ロジックを実現するための重要な手段である。例えば、各機関は、サーバに配置されたブロックチェーンにおけるスマートコントラクトによって、媒体リソース割当システムにアクセスすることができる。
【0020】
媒体リソースは、トラフィックとも呼ばれ、リソース提供側プラットフォーム、即ち媒体側により提供される露出機会を指す。いずれかの需要側が入札等の方式により該媒体リソースを取得する時に、需要側に対応する広告を該媒体リソースに配置することができ、それにより、ユーザは、該媒体リソースに配置された広告を閲覧することができる。
【0021】
DPOS(Delegated Proof of Stake:委任型の関与の証明メカニズム)は、投票により選出された信頼可能なアカウント(例えば、該信頼可能なアカウントが受託者であり、その得票数が、上位101位である)によって、ブロックを作成する。DPOSメカニズムは、株式会社と類似しており、普通の株主が取締役会に入ることができず、投票を行って代表(受託者)を選挙し意思決定を代行させる。エネルギー消費が低く、分散性が高くしかも確認スピードが速い合意メカニズムである。
【0022】
広告表示は、グラフィック化される広告技術である。
【0023】
プログラマティック広告(Programmatic Advertising)は、技術手段を利用して広告取引及び管理を行うことを指す。広告主は、媒体リソースをプログラマティックバイイングし、アルゴリズム及び技術を利用して対象視聴者の正確な絞り込みを実現させ、広告を相応しい視聴者のみに配置することができる・
ADXは、アドエクスチェンジである。媒体リソースは、アドエクスチェンジにおいてオークションの形態で入札を行うことができる。
【0024】
DSP(Demand-Side Platform:デマンドサイドプラットフォーム)とは、プログラマティック取引の広告エージェントを指す。
【0025】
SSP(Sell-Side Platform:セルサイドプラットフォーム)とは、媒体リソースを提供する媒体側を指す。
【0026】
図1は、本出願の実施例による媒体リソース割当システムのシステム構造を示す図である。該システムは、媒体リソースサーバ101と、複数の媒体リソース要求サーバ102と、複数の媒体リソース割当サーバ103とを備え、該複数の媒体リソース割当サーバにターゲットブロックチェーンが配置されており、該ターゲットブロックチェーンは、媒体リソース割当過程における取引データを記憶するためのものである。
【0027】
媒体リソースサーバ101は、媒体リソースを提供するための媒体リソースの提供側のサーバであってもよい。該媒体リソースサーバとは、SSPを指す。勿論、該媒体リソースサーバ101は、異なる媒体リソースの提供側のサーバであってもよく、本出願の実施例は、これを限定するものではない。例えば、該媒体リソースサーバ101は、会社Aのポータルサイトサーバであってもよいし、会社Bの動画共有サーバであってもよい。
【0028】
複数の媒体リソース要求サーバ102は、各媒体リソース需要側のサーバであってもよい。該媒体リソース要求サーバとは、DSPを指す。広告の配置をしようとする機関であってもよいし、エージェントなどであってもよく、本出願の実施例はこれを限定するものではない。
【0029】
複数の媒体リソース割当サーバ103は、1つ又は複数の媒体リソースの提供側により提供される、媒体リソースを割当するためのサーバであってもよい。該媒体リソース割当サーバとは、ADXを指す。該複数の媒体リソース割当サーバ103は、ブロックチェーンシステムとして構成される。各媒体リソース割当サーバ103に、いずれも該ブロックチェーンシステム内のターゲットブロックチェーンが記憶されている。該ターゲットブロックチェーンには、チェーン構造で媒体リソース割当過程における取引データが記憶されており、媒体リソース割当サーバ103は、媒体リソースサーバ101からの媒体リソース情報を受信し、複数の媒体リソース要求サーバ102の媒体リソース需要、媒体リソース情報及び所定割当ルールに基づいて、複数の媒体リソース要求サーバに媒体リソースを割り当て、媒体リソース割当過程で生成された取引データをターゲットブロックチェーンに記憶することができる。
【0030】
なお、該取引データは、チェーン構造におけるブロックの形態で記憶される。図2に示すように、1つのブロックは、ブロックヘッダとブロック体を含み、ここで、ブロックヘッダには、バージョン番号、直前のブロックのハッシュ値、タイムスタンプ、乱数、ターゲットハッシュ及びルートハッシュ値(Merkle Root)が含まれ、ブロック体に取引数及び複数の取引データのハッシュ値が含まれる。図2は、1つのブロックがデータを記憶する例を示す図に過ぎず、本出願の実施例は、その具体的な記憶形態を限定するものではない。
【0031】
なお、該複数の媒体リソース割当サーバ103に配置されるターゲットブロックチェーンは、コンソーシアムチェーンであってもよい。勿論、該複数の媒体リソース割当サーバ103に、各自のプライベートチェーンが配置されてもよいし、又は複数の媒体リソース割当サーバ103のうちの一部の媒体リソース割当サーバに共通のブロックチェーンが配置されてもよく、本出願の実施例はこれを限定するものではない。
【0032】
本出願の実施例において、該媒体リソースサーバは、該複数の媒体リソース割当サーバに媒体リソース情報を送信するように構成され、該媒体リソース情報は、現在の割当可能な媒体リソースを示すためのものであり、例えば、該媒体リソース情報は、媒体識別子であってもよく、該媒体識別子は、媒体リソースを一意に決定するためのものである。
【0033】
該複数の媒体リソース要求サーバは、該複数の媒体リソース割当サーバに媒体リソースを要求するように構成される。該媒体リソース要求過程は、媒体リソース要求サーバが媒体リソース割当サーバに媒体リソース割当要求を送信することであってもよいし、複数の媒体リソース要求サーバが媒体リソース割当サーバで媒体リソース需要を登録することであってもよい。これにより、媒体リソース割当サーバに該媒体リソース需要にマッチングする媒体リソースが存在する時に、媒体リソース要求サーバに入札要求を送信し、それによって該媒体リソース要求サーバが入札に参加できるようにする。
【0034】
該複数の媒体リソース割当サーバは、該複数の媒体リソース要求サーバの媒体リソース需要、該媒体リソース情報及び所定割当ルールに基づいて、該複数の媒体リソース要求サーバに媒体リソースを割り当て、媒体リソース割当過程で生成された取引データを該ターゲットブロックチェーンに記憶するように構成される。ここで、該所定割当ルールは、入札アルゴリズムであってもよい。該入札アルゴリズムは、最高額アルゴリズム又は2番目の高額アルゴリズムなどであってもよく、本出願の実施例はこれを限定するものではない。
【0035】
下記、各サーバのインタラクションによる媒体リソース割当過程を説明する。図3に示すように、該媒体リソース割当過程は、具体的には下記を含む。
【0036】
301において、媒体リソース割当サーバに媒体リソース情報を送信する。
【0037】
本出願の実施例において、媒体リソースサーバC1は、ブロックチェーンシステムにおける複数の媒体リソース割当サーバに媒体リソース情報を送信する。単に、媒体リソースサーバC1が利用可能な媒体リソースを提供することを例として説明する。該媒体リソース情報は、媒体リソース識別子であってもよく、媒体リソースを一意に識別するためのものである。勿論、媒体リソース要求サーバの媒体リソース需要に合致させるために、該媒体リソース情報は、該媒体リソースのタイプ、媒体リソースの変換率などの情報を含んでもよい。
【0038】
ブロックチェーンシステムにおける複数の媒体リソース割当サーバは、いずれも、該媒体リソース情報を受信することができる。勿論、ブロックチェーンシステムにおけるリーダーノードにより、該媒体リソース情報に応答し、入札プロセスを開始してもよい。
【0039】
302において、複数の媒体リソース要求サーバに媒体リソース入札要求を送信する。
【0040】
媒体リソース割当サーバB1は、媒体リソース情報を受信してから、複数の媒体リソース要求サーバに媒体リソース入札要求を送信する。ここで、本出願の実施例は、媒体リソース割当サーバB1がブロックチェーンシステムにおけるリーダーノードであることを例として説明する。つまり、ブロックチェーンシステムにおいて、リーダー状態にあるノードが、媒体リソース情報を受信した時に入札プロセスを開始する。つまり、媒体リソース割当サーバB1により、複数の媒体リソース要求サーバに媒体リソース入札要求を送信する。
【0041】
なお、媒体リソース入札要求を送信する場合、複数の媒体リソース要求サーバの全てに送信しなくてもよく、一部の媒体リソース要求サーバに送信してもよい。該一部の媒体リソース要求サーバは、媒体リソース需要が該媒体リソース情報と一致したサーバであってもよい。任意選択的に、該ステップ302は、下記プロセスにより実現してもよい。媒体リソース割当サーバB1は、媒体リソース情報を受信してから、複数の媒体リソース要求サーバの媒体リソース需要に基づいて、複数のターゲット媒体リソース要求サーバを決定する。該ターゲット媒体リソース要求サーバは、媒体リソース需要と該媒体リソース情報とが合致するサーバである。該複数のターゲット媒体リソース要求サーバに媒体リソース入札要求を送信する。
【0042】
ここで、該媒体リソース需要は、媒体リソース要求サーバから該複数の媒体リソース割当サーバに送信されてもよい。具体的には、該媒体リソース需要は、媒体リソース割当要求に含まれてもよい。
【0043】
303において、該媒体リソース割当サーバB1に入札情報を送信する。
【0044】
複数の媒体リソース要求サーバは、媒体リソース入札要求を受信した場合、該媒体リソース割当サーバB1に入札情報を送信する。ここで、媒体リソース入札要求に、該媒体リソース情報が含まれてもよい。これにより、各媒体リソース要求サーバが該媒体リソースの具体的な状況を把握し、入札するかどうかを判定するようにする。
【0045】
いずれか1つの媒体リソース要求サーバは、媒体リソース入札要求を受信した場合、自身の媒体リソース需要に基づいて、媒体リソース割当サーバに入札情報を送信するかどうかを判定することができる。入札待ちの媒体リソースが自身の媒体リソース需要と一致したと判定した場合、媒体リソース割当サーバに入札情報を送信する。該入札情報には、自身の入札金額が含まれてもよい。入札待ちの媒体リソースが自身の媒体リソース需要と一致しないと判定した場合、媒体リソース割当サーバに入札情報を送信せず、今回の入札に参加しない。
【0046】
304において、受信された入札情報及び所定割当ルールに基づいて、入札に成功する少なくとも1つの媒体リソース要求サーバを決定する。
【0047】
媒体リソース割当サーバB1は、該複数の媒体リソース要求サーバA1~Anからの入札情報を受信した時に、受信された入札情報及び所定割当ルールに基づいて、入札成功の媒体リソース要求サーバを決定する。媒体リソース割当サーバには、所定割当ルールが配置された。例えば、最高額に基づいて割り当てるか、又は2番目の高額に基づいて割り当てる。従って、媒体リソース割当サーバが複数の入札情報を受信した時に、入札情報における各媒体リソース要求サーバの入札金額に基づいて、入札に成功するサーバを決定することができる。勿論、利用する割当ルールに応じて、1つ又は複数の媒体リソース要求サーバが最終的に入札成功すると判定してもよい。
【0048】
305において、該媒体リソース情報を該少なくとも1つの媒体リソース要求サーバに割り当てる。
【0049】
媒体リソース割当サーバB1は、該媒体リソース情報を該媒体リソース要求サーバに割り当てる。該割当は、媒体リソース情報に対応する媒体リソースの使用権を媒体リソース要求サーバに送信することであってもよいし、媒体リソースのアドレス情報を媒体リソース要求サーバに送信することであってもよく、本出願の実施例は、これを限定するものではない。
【0050】
媒体リソース要求サーバが入札に成功した場合、振替をリアルタイムで行うことができ、又は勘定をつけることで、後続で一定の金額に達してから一括振替を行うようにしてもよく、本出願の実施例はこれを限定するものではない。
【0051】
306において、該媒体リソース割当サーバB1が、今回の媒体リソース割当過程における取引データを生成し、該取引データを該媒体リソース割当サーバB1に記憶し、該複数の媒体リソース割当サーバに該取引データをブロードキャストする。
【0052】
ここで、該取引データは、媒体リソース情報、入札成功の媒体リソース要求サーバ及び落札金額などの情報を含んでもよい。該取引データに対して、スタック操作命令の形態で記憶し、ブロードキャストしてもよい。
【0053】
307において、該複数の媒体リソース割当サーバが、該取引データが有効であることを検証した場合、媒体リソース割当サーバB1は、該取引データを該ターゲットブロックチェーンに記憶する。
【0054】
本出願の実施例において、該入札プロセスのスマートコントラクトはスタック関数により実行されてもよい。つまり、各媒体リソース割当サーバは、順にスタックから出力することにより、取引が有効であるかどうかを検証することができる。具体的なスタックの出力形態は、図4に示した例を参照されたい。
【0055】
幾つかの実施例において、該ステップ307は、下記プロセスにより実現することができる。該媒体リソース割当サーバが受信した入札情報に基づいて、該取引データを検証し、該受信された入札情報及び該所定割当ルールに基づいて得られた取引データが、該取引データと合致した場合、該取引データが有効であると検証する。いずれか1つの媒体リソース割当サーバが、該取引データが有効であると判定した場合、ブロックチェーンシステムにおいて有効応答をブロードキャストすることができる。ブロックチェーンシステムにおいて、複数の媒体リソース割当サーバのうちの所定割合閾値のサーバが、該取引データが有効であることを検証した場合、該ブロックチェーンシステムが、該取引データが有効であると判定し、該入札結果を配信することができる。
【0056】
幾つかの実施例において、媒体リソース割当サーバが該取引データを該ターゲットブロックチェーンに記憶するステップは具体的には、該媒体リソース割当サーバが該取引データに基づいてブロックを生成し、該複数の媒体リソース割当サーバに該ブロックをブロードキャストし、該複数の媒体リソース割当サーバが該ブロックに対して合意形成した場合、該ブロックを該ターゲットブロックチェーンに記憶するステップを含んでもよい。
【0057】
ここで、図5に示すように、該媒体リソース割当サーバは、第1所定期間内に発生した取引データに基づいて該ブロックを生成する。毎回の入札プロセスにおいて、対応する取引データを生成することができる。ブロックを生成する時に、未統合取引データに対して所定期間おきに統合を行い、該第1所定期間内に発生した取引データを記憶するためのブロックを生成することができる。
【0058】
一つの可能な実現形態において、該複数の媒体リソース割当サーバは、第2所定期間おきに投票を行い、媒体リソース割当サーバを選出してリーダーノードとする。該リーダーノードは、ブロックを生成するためのものである。
【0059】
ブロックチェーンシステムにおいて、DPOSの方式で代表を選出し、順番にブロックを生成することができる。つまり、RTB取引通貨を有する各ノード装置(即ち、媒体リソース割当サーバ)は、投票を行って一連のリーダーノードを発生させ、一定の時間間隔及び範囲内で順番にブロックチェーンにおけるブロックを生成する。
【0060】
幾つかの実施例において、いずれか1つの媒体リソース割当サーバのタイムオーバー率が所定タイムオーバー率より大きいか、又は不正取引回数が所定回数より大きい場合、該媒体リソース割当サーバを投票対象から除外する。
【0061】
ノードがタイムオーバー又は不正取引の状況に対して、信用メカニズムを確立することができる。タイムオーバー率が高く、不正取引の割合が高いノード装置は、ブロック作成及び取引処理の権利を失う。該タイムオーバー率は、媒体リソース割当サーバが取引データを受信した後の応答がタイムオーバーになる割合を指し、該媒体リソース割当サーバの処理能力及び信頼性を表す。従って、いずれか1つの媒体リソース割当サーバのタイムオーバー率が所定タイムオーバー率を超えた場合、次回の投票過程において、該媒体リソース割当サーバを除外することができる。媒体リソース割当サーバによりブロードキャストされた、有効性検証の不合格の取引データの割合が所定割合を超えた場合、次回の投票過程において、該媒体リソース割当サーバを除外し、ブロックチェーンシステム全体において処理をより確実かつ効果的にすることができる。
【0062】
幾つかの実施例において、該複数の媒体リソース割当サーバのうちのブロックを生成する媒体リソース割当サーバは、該媒体リソース割当システムにおいて取引に成功した入札取引から手数料を取得する。ブロックを生成する媒体リソース割当サーバは、ブロックチェーンにおいて成立した入札取引に基づいて、所定割合の手数料を取得し、より多くの第三者機関又は組織を入札に加入させるように促進することができる。該手数料の具体的な形態は、RTB取引通貨であってもよい。
【0063】
幾つかの実施例において、図6に示すように、ターゲットブロックチェーンに2つのチェーンが含まれる場合がある。これは、ブロックチェーンシステムの分割によるものであり得る。従って、2つのチェーンが存在する時に、長いものをマスターチェーンとし、短いものを予備チェーンとすることができる。該ターゲットブロックチェーンに2つのチェーンが含まれることを検出した場合、該2つのチェーンの間のブロック高低差が所定閾値より大きいかどうかを検出する。閾値より大きい場合、該2つのチェーンのうちの長さが短いチェーンを削除し、該長さが短いチェーンにおけるブロックに記憶されている取引データを解放して未統合取引データとし、それにより、これらの取引データに基づいてブロックを再生成し、ブロックチェーンに追加する。ここで、該所定閾値は、任意の数値であってもよい。該所定閾値は、ブロックチェーンシステムの処理能力(例えば、1日の取引回数)に基づいて設定されてもよい。例えば、該所定閾値は、6であってもよい。
【0064】
上記技術的解決手段は、複数の媒体リソース割当機構をブロックチェーンシステムに加え、一緒にRTB入札プロセスに参加させ、該ブロックチェーンシステムにおける各サーバにより、入札過程で発生した取引データを記憶し、それによって、媒体リソース割当過程全体に対する信頼性を大幅に向上させる。
【0065】
上記全ての任意選択的な技術的解決手段は、任意に組み合わせられて本出願の任意選択的な実施例を構成することができ、ここで、詳細な説明を省略する。
【0066】
図7は、本出願の実施例による媒体リソース割当装置の構造を示す概略図である。該装置は、ブロックチェーンシステムにおけるいずれか1つの媒体リソース割当サーバに適用され、該ブロックチェーンシステムにおける複数の媒体リソース割当サーバにターゲットブロックチェーンが配置されており、該ターゲットブロックチェーンは、媒体リソース割当過程における取引データを記憶するためのものであり、図7に示すように、該装置は、
媒体リソースサーバから送信された媒体リソース情報を受信するように構成される受信モジュール701と、
複数の媒体リソース要求サーバの媒体リソース需要、該媒体リソース情報及び所定割当ルールに基づいて、該複数の媒体リソース要求サーバに媒体リソースを割り当てるように構成される割当モジュール702と、
媒体リソース割当過程で生成された取引データを該ターゲットブロックチェーンに記憶するように構成される記憶モジュール703とを備える。
【0067】
幾つかの実施例において、該割当モジュール702は、
該複数の媒体リソース要求サーバに媒体リソース入札要求を送信し、
該複数の媒体リソース要求サーバから送信された入札情報を受信した時に、受信された入札情報及び該所定割当ルールに基づいて、入札成功の媒体リソース要求サーバを決定し、該媒体リソース情報を該媒体リソース要求サーバに割り当てるように構成される。
【0068】
幾つかの実施例において、該記憶モジュール703は、
今回の媒体リソース割当過程における取引データを生成し、該取引データを該媒体リソース割当サーバに記憶し、該複数の媒体リソース割当サーバに該取引データをブロードキャストするように構成される取引データ生成ユニットと、
該ブロックチェーンシステムが、該取引データが有効であることを検証した場合、該取引データを該ターゲットブロックチェーンに記憶するように構成される記憶ユニットとを備える。
【0069】
幾つかの実施例において、該記憶ユニットは、該取引データに基づいてブロックを生成し、該複数の媒体リソース割当サーバに該ブロックをブロードキャストし、該複数の媒体リソース割当サーバが該ブロックに対して合意形成した場合、該ブロックを該ターゲットブロックチェーンに記憶するように構成される。
【0070】
幾つかの実施例において、該記憶ユニットが該取引データに基づいてブロックを生成するように構成されることは、第1所定期間内に発生した取引データに基づいて該ブロックを生成するステップを含む。
【0071】
幾つかの実施例において、該装置は、
該媒体リソース割当サーバが受信した入札情報に基づいて、前記取引データを検証し、該受信された入札情報及び該所定割当ルールに基づいて得られた取引データが該取引データと合致した場合、該取引データが有効であると検証するように構成される検証モジュールを更に備える。
【0072】
幾つかの実施例において、該装置は、
該ターゲットブロックチェーンに2つのチェーンが含まれることを検出した場合、該2つのチェーンの間のブロック高低差が所定閾値より大きいかどうかを検出し、所定閾値より大きい場合、該2つのチェーンのうちの長さが短いチェーンを削除し、該長さが短いチェーンにおけるブロックに記憶されている取引データを解放して未統合取引データとするように構成される分岐処理モジュールを更に備える。
【0073】
幾つかの実施例において、該装置は、取引に成功した入札取引から手数料を取得するように構成される手数料取得モジュールを更に備える。
【0074】
幾つかの実施例において、該媒体リソース割当サーバは、ブロックチェーンシステムにおいてリーダー状態にある媒体リソース割当サーバである。
【0075】
幾つかの実施例において、該媒体リソース割当サーバのタイムオーバー率が所定タイムオーバー率より大きいか、又は不正取引回数が所定回数より大きい場合、該媒体リソース割当サーバをリーダーノードの投票対象から除外する。
【0076】
上記実施例で提供された媒体リソース割当装置が媒体リソース割当を行う場合、単に上述した各機能モジュールの区分を持って例を挙げて説明したが、実際の応用においては、必要に応じて上述の機能割当を異なる機能モジュールで完成させ、即ち、設備の内部構造を異なる機能モジュールに区分することによって、上述した全部又は一部の機能を完成させることができる。なお、上記実施例で提供された媒体リソース割当装置と媒体リソース割当方法は、同一の構想に属し、その具体的な実現過程について方法実施例を参照し、ここで、詳細な説明を省略する。
【0077】
図8は、本出願の実施例におるサーバの構造を示す概略図である。該サーバ800は、設定又は性能により、比較的大きな差異が生じてもよい。1つ又は1つ以上のプロセッサ(central processing units:CPU)801及び1つ又は1つ以上のメモリ802を備えてもよい。ここで、該メモリ802には、少なくとも1つのコンピュータ可読命令が記憶されており、該少なくとも1つのコンピュータ可読命令は、該プロセッサ801によりロードされて上記各方法の実施例で提供される媒体リソース割当方法を実現させる。勿論、該サーバは、入力出力を行うために、有線又は無線ネットワークインタフェース、キーボード及び入力出力インタフェース等の部材を備えてもよい。該サーバは、機器の機能を実現させるための他の部材を備えてもよい。ここで、詳細な説明を省略する。
【0078】
例示的な実施例において、例えば、コンピュータ可読命令を記憶したメモリのような不揮発性コンピュータ可読記憶媒体を更に提供する。上記コンピュータ可読命令は、サーバにおけるプロセッサにより実行され、上記実施例における媒体リソース割当方法を実現させる。例えば、該不揮発性コンピュータ可読記憶媒体はROM、ランダムアクセスメモリ(RAM)、CD-ROM、磁気テープ、フレキシブルディスク及び光学データ記憶装置などであってもよい。
【0079】
上記実施例の全て又は一部の工程はハードウェアにより実行されてもよいし、プログラム命令に係るハードウェアにより実行されてもよく、上記プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよく、上記言及したコンピュータ可読記憶媒体は、読み取り専用メモリ、磁気ディスク又は光ディスクなどであってもよいことは当業者であれば理解されるべきである。
【0080】
以上は、本出願の好適な実施例に過ぎず、本出願を限定するものではない。本出願の精神や原則を逸脱しないあらゆる修正、同等置換、改良などはすべて本発明の保護範囲内に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0081】
101 媒体リソースサーバ
102 媒体リソース要求サーバ
103 媒体リソース割当サーバ
701 受信モジュール
702 割当モジュール
703 記憶モジュール
800 サーバ
801 プロセッサ
802 メモリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8