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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-25
(45)【発行日】2022-12-05
(54)【発明の名称】多孔質膜センサ素子
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/03 20060101AFI20221128BHJP
   G01N 33/483 20060101ALI20221128BHJP
   G01N 21/59 20060101ALI20221128BHJP
   G01N 21/27 20060101ALI20221128BHJP
【FI】
G01N21/03 Z
G01N33/483 C
G01N21/59 Z
G01N21/27 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020555375
(86)(22)【出願日】2019-04-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-05
(86)【国際出願番号】 EP2019058754
(87)【国際公開番号】W WO2019197308
(87)【国際公開日】2019-10-17
【審査請求日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】PA201800154
(32)【優先日】2018-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(73)【特許権者】
【識別番号】500554782
【氏名又は名称】ラジオメーター・メディカル・アー・ペー・エス
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】ケーア,トマス
【審査官】伊藤 裕美
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-533012(JP,A)
【文献】特表2012-513601(JP,A)
【文献】国際公開第88/001376(WO,A1)
【文献】特表平01-500928(JP,A)
【文献】米国特許第05408312(US,A)
【文献】特表平06-505092(JP,A)
【文献】特開2012-115174(JP,A)
【文献】国際公開第2017/085180(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00- G01N 21/83
G01N 33/48- G01N 33/98
C12Q 1/00- C12Q 1/70
C12M 1/00- C12M 1/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光プローブにより流体試料中の分析物を検出するセンサ素子(101)であって、
流体試料に接触するセンサ面を画定する前面(111)および前記前面(111)に背を向けた後面(112)を備えた半透明膜(110)と、
前記半透明膜(110)の前記前面(111)にある反射層(114)と、
前記後面(112)を通じて前記半透明膜(110)へプローブ光を送る、前記半透明膜(110)の前記後面(112)に接続された光入力ポート(120)と、
前記後面(112)を通じて前記半透明膜(110)から光応答を集めるために、前記半透明膜(110)の前記後面(112)に接続された光出力ポート(130)と、
光学的狭窄要素(140)であって、前記狭窄要素(140)は、前記入力ポート(120)と前記出力ポート(130)との間に配置されたスクリーン要素(141)を備え、これによって前記出力ポート(130)を前記入力ポート(120)から光学的に隔て、前記狭窄要素(140)は、前記半透明膜(110)の前記後面(112)に配置され、前記反射層(114)から垂直の距離Dにおいて前記反射層(114)の方を向いている反射要素(142)をさらに備え、これによってプローブ領域(116)を画定し、これによって、前記入力ポート(120)から前記出力ポート(130)へ進む光が前記プローブ領域(116)を通過するように閉じ込められ、少なくとも前記プローブ領域(116)は、前記センサ面におけるそれぞれの開口部から前記半透明膜(110)の中に延びる細孔(118)を備える、光学的狭窄要素(140)と
を備える、センサ素子(101)。
【請求項2】
前記光入力ポート(120)に接続された光源(121)をさらに備え、前記光源(121)は、プローブ用放射線を発するように構成される、請求項1に記載のセンサ素子(101)。
【請求項3】
前記光出力ポート(130)に接続された検出器(131)をさらに備え、前記検出器(131)は、前記プローブ領域(116)から出現する光を検出するように構成され、前記検出器(131)は、検出された前記光を表す信号を生成するようになされている、請求項1または2に記載のセンサ素子(101)。
【請求項4】
前記反射要素(142)は、前記センサ面に平行な横断方向に幅Wrを有し、幅Wrは、前記横断方向における前記センサ面の幅Ws未満および前記センサ面の幅Wsの半分未満のいずれかである、請求項1から3のいずれか一項に記載のセンサ素子(101)。
【請求項5】
前記反射層(114)から垂直方向の前記反射要素(142)の前記距離Dは、500μm未満、200μm未満、100μm未満および約50μmのいずれかである、請求項1から4のいずれか一項に記載のセンサ素子(101)。
【請求項6】
前記センサ面に平行な横断方向における前記反射要素(142)の幅Wrは、5mm未満、2mm未満、1mm未満、0.5mm未満および約0.2mmのいずれかである、請求項1から5のいずれか一項に記載のセンサ素子(101)。
【請求項7】
前記センサ面に平行な横断方向における前記反射要素(142)の幅Wrに対する、垂直方向における前記反射層(114)からの前記反射要素(142)の前記距離Dのアスペクト比は、少なくとも1:2、少なくとも1:5、少なくとも1:10、少なくとも1:20および少なくとも1:50のいずれかである、請求項1から6のいずれか一項に記載のセンサ素子(101)。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載のセンサ素子(101)と、
流体試料を保持する試料空間(103)を備える試料チャンバ(102)であって、前記試料空間(103)が、チャンバ壁(104)によって画定される、試料チャンバ(102)と
を備え、
前記センサ素子(101)は、前記チャンバ壁(104)のうちの1つに配置され、
前記センサ面は、前記試料空間(103)の方を向いている、センサ組立体(100)。
【請求項9】
入口および出口であって、前記試料チャンバ(102)内における流体処理のために前記入口から前記出口への流れの方向を画定する、入口および出口をさらに備え、前記センサ素子(101)は、横断方向が前記流れの前記方向に対して直交するように向けられる、請求項8に記載のセンサ組立体(100)。
【請求項10】
前記反射要素(142)の幅Wrは、前記センサ素子(101)の前記横断方向における前記試料空間(103)の幅Wa未満および前記試料空間(103)の幅Waの半分未満のいずれかである、請求項9に記載のセンサ組立体(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一態様では、光プローブにより流体試料中の分析物を検出するセンサ素子に関する。さらなる態様によれば、本発明は、センサ素子と試料チャンバとを備えるセンサ組立体であって、センサ素子は、試料チャンバの試料空間内の流体試料を光学的にプローブするためのものである、センサ組立体に関する。本発明の特定の態様によれば、センサ素子およびセンサ組立体は、体液の少なくとも一部における分析物について、血液などの体液を分析するためのものである。本発明のさらなる特定の態様によれば、センサ素子およびセンサ組立体は、流体の連続相内の分析物について連続相と不連続相との両方を含む複合流体の試料を分析するためのものである。またさらなる態様によれば、光プローブにより流体試料中の分析物を検出する方法が提供される。
【背景技術】
【0002】
連続的な部分および不連続的な部分を含む複合流体中の分析物の検出は、難しいが頻繁に遭遇する測定問題である。典型的には、測定は、例えば濾過、沈殿、および/または遠心分離による分離を含む試料調製の各ステップ、ならびに問題になっている分析物に対して感度がよい化学的な指示反応および/または物理的相互作用を用いた続く検出測定ステップを含む。この文脈における難解な課題は、しばしば、特に、利用可能な試料の体積が小さい場合、および分析される流体が非常に複雑である場合、測定を損なうことなく、適切な試料の検出のための調製および提示にある。その上、そのような状況においては非常に頻繁に、複数のパラメータが同じ試料に対して決定され、これは、分析物の検出のための所与の測定と他のパラメータの測定とを統合することに関するさらなる制約を課す。
【0003】
したがって、同じ試料の複数のパラメータを決定するための他の測定技法との簡単な統合にさらに適合している複合流体中の分析物の選択的検出を可能にする非常に感度がよいが単純で高速の技法が必要とされている。さらに、所望の技法は、検出測定のための分析物の穏やかな分離、抽出、および/または隔離を、すなわち、分析される流体の残りの部分を損なうことなく、提供するために必要とされる。
【0004】
そのような検出技法は、食品産業から廃水処理にわたって製薬応用および医療装置までに及ぶ様々な産業に関連し、そこでは、知られている技法は、しばしば大きい試料体積と時間がかかる分析手順を必要とする。
【0005】
そのような測定技法の応用についての一例は、患者の血液試料(全血試料)などの体液中の分析物の検出に関連している。分析物は、光、例えば、分光測光法によって検出可能である体液分析のための研究室の試験パラメータのいずれかであり得る。血液の分析における干渉源の1つとして、溶血は、血液パラメータ分析装置において決定されるようないくつかの血液パラメータの測定に影響を及ぼし得る。したがって、血液試料中の遊離ヘモグロビンのレベルを無視することは、気づかない人を誤った方向に導く可能性があり、結果として、影響を受けた血液パラメータ値に基づいて間違った診断を与える。しかしながら今までのところ全血試料の血漿部分中に存在する遊離ヘモグロビンのレベルを確実に決定することは、血漿部分を細胞成分から分離し、続いて分離された血漿部分を分析することを必要とする複雑なプロセスを伴った。そのような手順は、時間がかかり、幼児における血液パラメータの連続しているモニタリングを用いて新生児ケアなどにおけるとても小さい試料だけが一度に利用可能である場合に法外に高いものであり得る。全血中の血漿部分に存在する成分を測定する他の手法は、マイクロ流体デバイス内の専用測定における血漿部分の分析前に、例えばマイクロ流体デバイス内で、マイクロ濾過技法により細胞成分から血漿部分の分離することを伴う。例えば、Archibongらによる、Sensing and Bio-Sensing Research 3(2015),p.1~6に刊行された最近の科学記事は、全血試料から分離された血漿部分を光学的に分析する小型測定チャンバを開示する。このタイプのデバイスでは、小型マイクロ流体チャンバが、光ファイバのインタフェースに取り付けられる。マイクロ流体チャンバの底部は、流体および化学化合物がデバイスの内側に流れると同時に、望まない粒子を濾過して除去することを可能にする多孔質膜からなる。濾過液を受け入れるマイクロ流体チャンバの内側は、直角入射反射ジオメトリの単一光ファイバによって光学的にプローブすることができる。しかしながら、詰まりの問題により、開示されたデバイスは、測定後の試料の完全な洗い落としが、難しくまたは少なくともとても時間がかかり、後の試料間の相互汚染というさらなる危険を冒す信頼できないものであり得るので、連続および反復する使用にではなく使い捨て用品として最も役立つ。さらに、この特定のタイプのデバイスでは、濾過液をプローブするための光路の変更という結果になる濾過膜の圧力により引き起こされる変形により、光プローブから定量的な結果を得るためのさらなる課題が生じ得る。
【0006】
さらなる例、すなわち、乳業などの食品産業における用途では、濾過および検出の大部分の伝統的な方法は、試料にとって有害であるとともに同じ試料に対して実行される統合された複数パラメータの測定に不適合である比較的大きい試料体積を必要とするとともに時間がかかる測定手順を伴うという上述した欠点を有する残留物の目視検査、分光測定、または細菌計数のために濾紙、漉し器などを含む。同様の課題は、廃水分析および処理などの環境技術の分野でも遭遇し、そこでは、濾過および検出の最も伝統的な方法は、残留物の分光測定および細菌計数のために濾紙、漉し器などを含む。
【0007】
濾過に基づく手法は、例えば全血試料を分析するために使用されるときに、いくつかの欠点を有する。濾過装置は、濾過器の細孔を通じて試料フィードから濾過液分析/測定チャンバへの少なくとも濾過液の流体の流れに本来的に頼る。通過流の幾何学的形状において、残余分(ここでは、赤血球細胞)は、徐々に濾過細孔を詰まらせる。交差流の幾何学的形状では、残余分は、濾過膜の表面に沿ってもたらされ、特にシステムが反復使用(10~100回を超えるサンプル)を意図する場合、これによって詰まりに関する問題を軽減するが、除去することはない。交差流の幾何学的形状は、残余分と濾過装置の表面との間に摩擦および剪断相互作用も引き起こす。
【0008】
これらの問題に対処する改善された分離および測定技法は、出願人によって同時係属の国際特許出願WO2017/085162A1およびWO2017/085180A1に開示されており、これらは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0009】
やはり、特に難しい応用分野は、ポイントオブケア構成における体液の分析である。動脈血の分析などのために体液試料中の複数のパラメータを分析する現代のポイントオブケア分析装置は、ほんの数例を挙げると、患者の安全性の厳しい要件および制約、使用者の使いやすさ、1分以下の範囲内の短い測定時間、信頼性/再現性、定量的出力の精度、ならびに品質管理システムおよび医療測定機器向けの安全性の指令の遵守の対象となる。正確で適合した結果が、上述した要件および制約と一致するとても少量の試料流体(典型的には、100μl未満、またはさらに50μl未満)について得られなければならない。したがって、最も先進のポイントオブケア分析システムは、コンパクトなセンサ組立体をそのコアに有する自動化流体処理および測定インフラのまわりで設計されている。そのようなセンサ組立体は、反復使用のためであり、典型的には、壁の少なくとも1つに直接一体化された小型化高精度センサを有する試料チャンバ壁によって画定された試料空間を有する。そのような体液用のセンサ組立体の一例は、例えば、欧州特許明細書EP2147307B1に開示されている。EP2147307B1のセンサ組立体は、血液パラメータなどの体液試料中の複数の異なるパラメータを同時に測定するのに特に適している電気化学センサ素子および光学センサ素子を備える。したがって、複合流体中の分析物に関する非常に感度がよく、単純で、選択的な検出についての上述した必要性を満たす新しい測定技法が、ミリメートル範囲の試料チャンネル幅、およびサブミリメートル範囲の試料チャンネル高さを有するそのようなセンサ組立体と統合するのに適しているべきであることが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、体液用の自動化されたポイントオブケア分析システム内での統合を容易にする小型化された手法で実施できる、高速かつ信頼できる応答を用いて流体中の分析物を検出するための、改善された装置および方法が必要とされている。より一般的には、流体分析システムにおける、特に、同じ流体試料に関する複数のパラメータを測定するための分析システムにおける、小型化および統合に対して適合された、高速かつ信頼できる応答を用いて、全血試料などの複合流体の一部における物質を検出するための、改善された装置および方法が必要とされている。
【0011】
したがって、一態様によれば、本発明の目的は、複合流体の連続的な部分中の分析物を特に検出するための、例えば、全血試料の血漿部分中の分析物を検出するための、知られている装置、センサ、システム、および/または方法の欠点のうちの少なくともいくつかを克服する、改善された検出装置および/または方法を提供することである。さらなる態様によれば、本発明の目的は、センサ組立体と統合するために小型化することができる、そのような検出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一態様によれば、本発明は、光プローブにより流体試料中の分析物を検出するセンサ素子であって、
- 流体試料に接触するセンサ面を画定する前面、および前面に背を向けた後面を備えた半透明膜と、
- 半透明膜の前面にある反射層と、
- 半透明膜の後面を通じて半透明膜へプローブ光を送るために、半透明膜の後面に接続された光入力ポートと、
- 後面を通じて半透明膜から光応答を集めるために、半透明膜の後面に接続された光出力ポートと、
- 光学的狭窄要素であって、狭窄要素は、入力ポートと出力ポートとの間に配置されたスクリーン要素を備え、これによって出力ポートを入力ポートから光学的に隔て、狭窄要素は、半透明膜の後面に配置され、反射層から垂直距離Dにおいて反射層の方を向いている反射要素をさらに備え、これによって半透明膜内にプローブ領域を画定し、これによって、入力ポートから出力ポートへ進む光がプローブ領域を通過するように閉じ込められ、少なくともプローブ領域は、センサ面におけるそれぞれの開口部から半透明膜の中に延びる細孔を備える、光学的狭窄要素と
を備える、センサ素子に関する。
【0013】
センサ素子は、連続的な部分および不連続的な部分を備える複合流体を分析するのに役立ち、特に、複合流体の連続的な部分中の分析物を選択的に検出するのに役立つ。このセンサ素子は、複数の分析物パラメータを測定する流体分析装置構成内、例えば、現代の動脈血分析装置内で小型化および/または統合化するのに特に役立つ。
【0014】
分析される流体は、分析物を含む少なくとも連続的な部分を含むことができる。分析される流体は、不連続的な部分、すなわち、粒子状の部分をさらに含むことができる。粒子状の部分は、例えば、固体粒子、破片および他の汚染物質、(赤血球細胞などの)生体細胞または微生物、液滴、気泡、ならびにそれらの組合せを含むことができる。
【0015】
分析される流体は、全血試料、全血の血漿部分、脊髄液、尿、肋膜、腹水、廃水、任意の種類の注入のために予め用意された流体、分光学などの光プローブによって検出することが可能な成分を有する流体、または空気、二酸化炭素含有ガス、一酸化炭素含有ガスなどの気体であり得る。
【0016】
分析される流体の連続相に存在し得る分子のサブセットなどの分析物は、光プローブによって検出可能な任意の物質であり得る。例えば、全血試料を分析するときに、分析物は、特定の薬物とすることができ、測定は、例えば、薬物摂取量を決定し、それに応じて薬物の投薬を調整するために、血漿相中の薬物含有量を決定するためのものであり得る。全血試料を分析する別の例では、分析物は、溶血の程度を決定するためのヘモグロビンまたはビリルビンであり得る。全血試料を分析するさらに別の例では、分析物は、二酸化炭素であり得る。
【0017】
用語「流体」は、粒子相などの連続相および不連続相を含む複合流体を含む液体および/または気体を指す。本発明の実施形態を用いて分析される関連流体の例は、体液、特に、全血試料、全血の血漿部分、脊髄液、尿、肋膜、腹水を含むが、これらに限定されない。関連流体のさらなる例は、廃水、任意の種類の注入のために予め用意された流体、分光学によって検出することが可能な成分を有する流体、または空気、二酸化炭素含有ガス、一酸化炭素含有ガスなどの気体を含む。
【0018】
用語「試料」は、本発明の多孔質膜を用いた分析に使用され、または必要とされる流体の一部を指す。
用語「全血」は、血液血漿および細胞成分で構成される血液を指す。血漿は、体積の約50%~60%を表し、細胞成分は、体積の約40%~50%を表す。細胞成分とは、赤血球(赤血球細胞)、白血球(白血球細胞)、および血小板(thrombocyte)(血小板(platelet))である。好ましくは、用語「全血」は、人間被験者の全血を指すが、動物の全血も指し得る。赤血球は、全血液細胞の総数の約90%~99%を構成する。それらは、形が崩れていない状態で直径約7μmおよび厚さ約2μmの両凹の円板として成形される。赤血球は、非常に柔軟であり、これは、それらがとても狭い毛細管を通過し、その直径を約1.5μmまで減少させることを可能にする。赤血球のコア成分の1つは、組織へ輸送するために酸素を結合し、次いで酸素を解放するとともに、老廃物として肺に送達されるように二酸化炭素を結合するヘモグロビンである。ヘモグロビンは、赤血球が赤色である原因であり、したがって全体で血液が赤色である原因である。白血球は、全血液細胞の総数の約1%未満を構成する。それらは、約6から約20μmの直径を有する。白血球は、例えば、細菌またはウイルスの侵入に対する身体の免疫システムに関与する。血小板は、約2から約4μmの長さおよび約0.9から約1.3μmの厚さを有する最小の血液細胞である。それらは、凝固にとって重要な酵素および他の物質を含む細胞片である。特に、それらは、血管の破れを封止するのを助ける一時的な血小板血栓を形成する。
【0019】
用語「血液血漿」または「血漿」は、血液およびリンパ液の液体部分を指し、これは、血液の体積の約半分(例えば、約50体積%~60体積%)を構成する。血漿は、細胞を持たない。それは、全ての凝固因子、特にフィブリノゲンを含み、体積で約90%~95%の水を含む。血漿成分は、電解質、脂質代謝物質、例えば感染または腫瘍のためのマーカ、酵素、基質、タンパク質、およびさらなる分子成分を含む。
【0020】
用語「廃水」は、洗浄について、流しについて、または製造プロセスにおいて使用された水を指し、したがって老廃物および/または粒子を含み、よって飲食の用意には適していない。
【0021】
用語「光学的」および「光」、ならびに関連した用語は、一般に、可視スペクトル範囲、赤外スペクトル範囲、および紫外スペクトル範囲内の電磁放射を指し、用語「可視の」は、典型的には、400nm~700nmの範囲の波長を有する電磁放射を指し、用語「赤外」は、700nm~1mmの範囲内の波長を有する電磁放射、「近赤外」の約700nm~3μm、「中赤外」の3μm~50μm、および「遠赤外」の50μm~1mmの典型的な部分範囲を有する電磁放射を幅広く指し、用語「紫外」または「UV」は、10nm~400nmの範囲内の波長を有する電磁放射、「近紫外」の300nm~400nm、「中紫外」の200nm~300nm、および「遠紫外」の122nm~200nmの典型的な部分範囲を有する電磁放射を幅広く指す。当業者は、所与のセンサ素子について、および特に所与の半透明膜材料について述べたスペクトル範囲の有用性が、これらの材料を通じて入出力光を伝播させるスペクトル範囲および材料の適合性次第であると理解するであろう。
【0022】
用語「半透明」は、光が通過することを可能にする材料の特性を指す。用語「透明」は、光が散乱されることなく材料を通過することを可能にする材料の特性を指す。したがって、用語「透明」は、用語「半透明」のサブセットとみなされる。
【0023】
光学的狭窄要素は、入力から出力への混信を阻止するとともに、同時にプローブ領域内に生じるようにセンサ素子内に光プローブを有効に閉じ込める。これによって、光学的狭窄要素は、細孔の閉じ込められていない光学的反射検知と比較してセンサ素子の感度を高め、センサ面の選択部分に感度を集中させる。
【0024】
光入力ポートは、後面を通じて半透明膜の中にプローブ光を送るように、より詳細には、後面から半透明膜の入力領域を介してプローブ領域の中にプローブ光を注入するように構成されている。入力領域は、半透明膜の後面を通じてプローブ光を受け取り、このプローブ光をプローブ領域の中に注入するためのものである。光出力ポートは、後面を通じて半透明膜からのプローブ光に対する光応答を集めるように、より詳細には半透明膜の後面を通じて出力領域を介してプローブ領域からの光応答を集めるように構成される。出力領域は、プローブ領域からプローブ光に対する光応答を運ぶ光を集めるとともに、半透明膜の後面における光応答を与えるためのものである。プローブ光を注入することと、半透明膜の後面からの光応答を集めることとの両方によって、非常に少量の試料流体を分析するために設計される、非常に小さい試料チャンバを備えた小型化された試料組立体内へのセンサ素子を統合することを可能にするコンパクトな設計が実現される。
【0025】
光学的狭窄要素は、入力ポートと出力ポートとの間に配置される。光学的狭窄要素は、例えばグレア効果により入力から出力への直接の混信を防ぐように、出力から入力を分離する光学的狭窄を形成する。光学的狭窄要素は、垂直方向のプローブ光をさらに閉じ込め、光学的狭窄は、光が出力側でプローブ領域を去る前に、入力側からプローブ領域に入るプローブ光に多重反射を受けさせるように構成される。ここで、用語「多重反射」は、半透明膜の前面における反射層からの少なくとも2つの反射、および反射要素からの1つの反射、あるいは反射層からの少なくとも3つの、少なくとも4つの、少なくとも5つの、またはさらにより大きい最小数の反射、ならびに反射要素からのその数から1を引いた数の反射を指す。
【0026】
光学的狭窄要素は、半透明膜の入力領域を半透明膜の出力領域に接続するプローブ領域を画定し、少なくともプローブ領域は、センサ面におけるそれぞれの開口部から半透明膜の中に延びる細孔を備える。細孔は、以下、さらに詳述されるように、センサ面に接触する流体試料と流体連通している。好ましくは、半透明膜内の細孔は、やはり以下、さらに詳述されるように、行き止まりの細孔である。
【0027】
半透明膜の入力領域に入る任意の光は、しかしプローブ領域へ進行せず、特に失われない場合、光学的狭窄要素のスクリーン要素によって阻止され、したがって出力領域に到達しないようにされる。したがって、プローブ領域内の半透明膜の細孔と相互作用したプローブ光だけが、出力ポートによって集められ、プローブ光に対する細孔内の試料流体部分の光応答を分析する検出器へ通される。したがって、光学的狭窄要素は、プローブ領域に対しての検出器の感度を限定すると言われ得る。
【0028】
プローブ領域は、横断方向の光学的狭窄要素の反射要素の広がりによって、反射層と光学的狭窄要素の反射要素との間のセンサ面に直交する垂直方向に、およびセンサ面に平行な横断方向に画定される。流体試料と連通する細孔を備えた半透明膜内に垂直に閉じ込められた光プローブ領域を画定することによって、およびプローブ光にこの領域を通過させることによって、細孔内のプローブ光と試料流体の間のかなり強化された相互作用が実現され、これによって単純反射の幾何学的形状と比較してセンサ素子の光プローブ感度を強化する。
【0029】
垂直閉じ込めにより、プローブ領域内の反射層に到達する注入されたプローブ光は後面にある反射要素の方へ反射させられ、反射要素は、光を反射して前面にある反射層に戻し、そこで光が出力領域に到達するまで光は再び反射等され、そこから光は、検出のために出力ポートによって集められ得る。したがって、プローブ領域内の垂直閉じ込めは、プローブ光と半透明膜の細孔との間の相互作用の確率を増加させる。細孔と入射プローブ光の間の相互作用は、典型的には、光の広がりを拡散させ、一方、光応答-信号の強度は、散乱イベントごとにかなり減少するが、他方で、分析物検出に関する感度は、散乱イベントごとにかなり増大する。したがって、プローブ光と細孔との間の散乱相互作用の数は、半透明膜の多孔性に加えて、閉じ込めの幾何学的形状に依存する。特に、プローブ領域内の半透明膜に係る所与の多孔性については、最小数の散乱イベントが、プローブ領域の幾何学的形状によって実質的に決定される。入力から出力への短い直接経路は、より長く場合によってはあまり直接でない経路よりも、散乱相互作用について低い確率を有することに留意することができる。したがって、より少ない散乱イベントを含む入力から出力への短い直接経路は、所与の幾何学的形状のセンサ素子について検出器によって観察されるような光応答を支配する傾向があり得る。
【0030】
光学的狭窄要素は、詳細には、例えば、入力ポートから出力ポートへの光の直接通過を阻止するように適切な形状のスクリーン要素と組み合わせて、設計パラメータとして反射要素の幅および反射層から反射要素の距離を用いた光学的狭窄要素の成形および寸法決めすることによって、プローブ領域の幾何学的形状を単純だが有効な手法で画定することを可能にする。
【0031】
反射要素は、反射層と組み合わせて、プローブ領域の幾何学的形状を画定する。センサ面に平行な横断方向から見た反射要素の幅Wrは、横断方向のプローブ領域の幅wを画定し、センサ面に直交する垂直方向から見た反射層からの反射要素の距離Dは、垂直方向におけるプローブ領域の高さhを画定する。言い換えれば、プローブ領域の幅wは、反射要素の幅Wrに対応し、プローブ領域の高さhは、反射要素と反射層との間の距離Dに対応する。
【0032】
光学的狭窄要素は、センサ素子の表面の寸法に関連して寸法決めすることができる。センサ素子は、センサ面すなわち半透明膜の前面において、センサ面に平行な横断方向から見てセンサ素子の幅Wsを有する。センサ面の一部に対する感度の集中を実現するために、反射要素の幅Wrは、センサ面の幅Ws未満である。対応する手法において、プローブ領域は、横断方向から見たセンサ面の幅Wsよりも小さいセンサ面に平行な横断方向から見て幅wを有する。
【0033】
横断方向から見て半透明膜の後面の幅Wbは、半透明膜の後面で画定することもでき、光学的狭窄要素は、センサ素子の後面の幅Wbに関連して寸法決めすることもできる。半透明膜の後面を通じてプローブ光を半透明膜の中に効率的に結合すること可能にするために、反射要素の幅Wr、および対応するプローブ領域の幅wは、典型的には、後面で横断方向から見て半透明膜の幅未満または約半分、あるいはさらに、後面で横断方向から見て半透明膜の幅未満または約3分の1であり得る。
【0034】
典型的には、半透明膜の後面は前面に平行であり、後面から半透明膜を補強する/強化する機械的支持を与えるためにさらなる透明な裏張りが後面に施されてもよく、裏張りは、半透明膜と、入力ポート、出力ポート、および/または光学的狭窄要素などのセンサ素子のさらなる光学構成要素との間の空所を埋める透明パッドであり得る。典型的には、センサ素子は、センサ素子ハウジング内など機械的取付部に一緒に保持される。光学的狭窄要素の反射要素は、半透明膜の後面に直に接触していてもよく、またはそこからわずかな距離で配置されてもよく、すなわち、典型的には、半透明膜の厚さが、反射要素と反射層との間の距離Dを決定する。半透明膜は、プローブ領域の特定の設計に望まれる距離Dに実質的に等しい厚さを有することができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、半透明膜は、プローブ領域の特定の設計に望まれる距離Dよりも少ない厚さを有してもよい。例えば、反射要素は、プローブ領域の高さの所望の設計に応じて半透明要素の後面から距離Dbに配置されてもよい。例えば、距離Dbは、半透明膜の厚さの2倍よりも小さいことが要求されてもよく、半透明膜の厚さよりも小さいことが要求されてもよく、または半透明膜の厚さの半分よりも小さいことが要求されてもよい。半透明膜の後面と反射要素との間の任意の空所は、透明パッドの構成要素ですっかり満たされてもよい。好ましくは、透明パッドは、5%以内まで、好ましく2%以内、最も好ましくは1%以内までなどの公差以内まで半透明膜と整合された屈折率である。
【0035】
センサ素子は、分析される流体に接触するセンサ面を有する。センサ面は半透明膜の前面に形成され、反射層は前面に施される。半透明膜は、前面から反射層を通じて半透明膜の中に延びる小さい細孔、好ましくは行き止まりの細孔を含む。各小さい細孔は開口部を有し、この開口部を通じて半透明膜の前面にある流体空間と連通することができる。したがって、細孔は、反射層を貫いて細孔と流体空間との間で流体連通を可能にする。細孔は、後面の方の方向に前面にあるそれぞれの開口部から半透明膜の中に延びる。好ましくは、細孔は、細孔の端部が半透明膜内にあることを意味する「行き止まり」である。行き止まりの細孔は、半透明膜を通じて後面まで、あるいは膜内部の任意の共通の槽または受容部まで、ずっとは続かない。細孔は、半透明膜の前面で流体空間と流体連通しているに過ぎない。いくつかの実施形態では、行き止まりの細孔は、縦横に延びてもよく、したがって、少なくとも一部の細孔は、互い接続されてもよく、X形、Y形、V形、または同様の相互接続された形を形成することに留意されたい。そのような構成は、細孔は前面からのみ満たされ、細孔が互いに交差する場合でも、細孔を通過するかなり大きい正味の物質移動が動作下で生じないので、行き止まりと同様にみなされる。
【0036】
半透明膜は、透明な高分子膜から作製することができ、細孔は、例えば、同時係属の国際特許出願WO2017/085162A1、およびWO2017/085180A1(これらは、参照により本明細書に組み込まれる)に開示されるようないわゆるトラックエッチング技法を用いてそこに製造される。
【0037】
細孔は、特に拡散/拡散輸送によって、流体の第1の部分から分析物を選択的に受け入れるバイアル(vial)/キュベットを形成する一方、粒子状の部分は、細孔に入るのを効果的に防がれる。これらのバイアル/キュベットは、プローブ光と分析物の効率的な相互作用のために、少なくともプローブ領域内に配置される。細孔の開口部は、特に光学的狭窄要素によって画定されるプローブ領域内でさらなる部分、例えば連続的な部分からの分析物が細孔を通じて半透明膜の中に入ることを可能にしつつ、分析される流体の粒子状の部分が細孔の外側で維持されるように寸法決めされ、そのため、入力ポートから注入されたプローブ光は、分析物と相互作用し、したがって光プローブによって分析物を検出することができる。前面で細孔の開口部を適切に寸法決めすることによって、例えば、全血試料の血漿部分中の関連成分が細孔に入ることを可能にしつつ、センサ面における全血試料の赤血球細胞が細孔に入るのを防ぐことを可能にし、関連成分は、全血試料の血漿部分中(またはより一般には流体試料の関連部分中)に存在する物質であり、これは、センサを用いて測定/検出されることになる。
【0038】
この構成によって、小さいが代表的な分析物部分が、複合流体から穏やかに抽出され、高度の重ね合わせでプローブ領域内のプローブ光に効率的に曝されることが実現される。半透明膜の中に直接貫く細孔を有するとともにセンサ面にあるそれらの各開口部から検知位置まで比較的短い距離を有する半透明膜の表面にプローブ領域が直接配置されるので、この分離は、特に単純で高速の手法で実現され、したがって、特に試料の迅速な拡散交換を容易にする。
【0039】
細孔の典型的な断面寸法は、約100nmまでのミクロンおよびサブミクロン範囲内にある。細孔の中へのおよび細孔からの分析物輸送は、拡散によって実現される。効率的な動作について、細孔は、下塗り流体で満たされ、これは、好ましくは、例えば、第1の検出測定を実行する前に下塗りステップ中に細孔の中に満たされる。下塗り流体は、分析される流体に影響を及ぼし得ない。したがって、下塗り流体は、分析される流体に適合しなければならない。有利には、下塗り流体は、緩衝水溶液などの水洗流体とすることができ、これは、分析される流体の試料を置き換えるために、満たす、空にする、および再び満たす手順の間に、試料チャンバを水洗するのに使用することもできる。水洗流体は、基準流体または較正流体とすることもできる。
【0040】
有利には、いくつかの実施形態によれば、細孔は、液体で満たされる。知られている液体で細孔を下塗りすることにより、分析される流体中の関連成分を表すサブ試料を単独で拡散により細孔の中に抽出することを可能にする。これは、細孔を介して光プローブ領域の中へおよびそこからの高速、効率的、およびよく制御された分析物の交換を可能にする。有利には、いくつかの実施形態によれば、液体は、水溶液である。これは、水溶性分析物を検出するのに特に役立つ。代替として、細孔は非水性液体で満たされることが考えられ、これは、例えば、分析される流体が非水性液体でもあるときに特に役立つ。
【0041】
動作下で、半透明膜の前面は、例えば、全血試料または流体と接触することができる。半透明膜内の小さい細孔は、前面における開口部を通じて全血試料または流体と連通する。細孔開口部は、全血試料の血漿相のサブ試料を選択的に抽出するように、または分析物を含む流体のサブ試料を抽出するように寸法決めされる。赤血球細胞は、半透明膜の前面上にある開口部を通じて細孔に入ることはできない。細孔直径よりも大きいものは、細孔に入ることができず、これは、例えば、流体中に含まれる何らかの破片を除く。述べたように、好ましくは、細孔は、半透明膜の前面と連通するだけの行き止まりであり、すなわち、サブ試料は、細孔の内側の光プローブのために抽出され、測定後、半透明膜の前面における同じ開口部を通じて再び排出される。サブ試料体積は、細孔の総内容積に対応する。任意の濾過液の濾過および正味の物質移動は、任意の共通の濾過液の受容部の中にも任意の濾過液出口にも、細孔含有層を通じて行われない。次いで、光学検出は、細孔内に含まれるサブ試料に関してのみ実行される。反射層は、半透明膜内の光プローブ領域を全血試料または流体を収容する流体空間から光学的に分離する。プローブ領域を流体空間から光学的に分離することによって、プローブされた信号に対する全血試料の無傷の赤血球細胞または流体中の破片の任意の寄与は、有効に抑制され得る。したがって、測定は、流体中の分析物の内容に特有のものである。
【0042】
関連成分の代表的な内容を有する小さいサブ試料は、任意の適切な手法で細孔へ移送することができる。小さい行き止まりの細孔は、毛管力および/または拡散により前面の開口部を通る全血試料または流体からの光プローブのためにサブ試料のとても効率的で高速の抽出を可能にする。典型的な動作モードでは、半透明膜の前面表面は、分析される全血試料または流体に前面が接触する前に、水洗流体によって接触される。これによって、血液分析装置内の水洗、較正、および/または品質管理の目的に一般に使用される水溶液などの流体が全血である場合、細孔は、全血試料または流体に適合する液体、および詳細には、血漿相と適合する液体のプリフィルで「下塗り」される。例えば、全血分析システム内の洗い落としに使用される典型的な水洗液は、そのような液体として使用することができる。水洗液は、人間の血漿に対応する濃度のK、Na、Cl、Ca2+、O、pH(すなわち、H)、CO、およびHCO3-を含む水溶液である。次いで、全血試料または流体が血漿適合液体/流体適合液体で下塗りされる前面表面に接触させられるとき、全血試料または流体の血漿相中の成分の代表的なサブ試料は、関連成分の拡散によってとても効率的で穏やかな手法で事前に満たされた細孔の中に抽出および移送される。特に、細孔内の流体と基準液体との間の分析物の内容物の任意の濃度勾配は、拡散移送を駆動し、これによって細孔内でサブ試料を流体中の分析物濃度を表す分析物濃度で製造する。別の動作モードでは、ドライセンサ素子の前面を全血試料または流体に直接接触させることも考えられ得る。さらに好ましくは、この動作モードで、細孔の内面は親水性であり、これによってサブ試料を半透明膜の前面にある全血試料または流体から毛管力によって細孔の中に抽出する。
【0043】
サブ試料体積は、細孔の総内容積に対応する。任意の濾過液の濾過および正味の物質移動は、任意の共通の濾過液受容部の中にも任意の濾過液出口にも、測定中には細孔含有層を通じて行われない。次いで、光学検出が、細孔内に含まれたサブ試料のみに基づいて実行される。半透明膜への入力光の閉じ込めは、全血試料または流体を含む流体空間から光プローブを光学的に分離する。流体空間から光プローブを光学的に分離することによって、検知信号に対する流体中の全血試料または破片の無傷の赤血球細胞の寄与は、有効に抑制することができる。したがって、測定は、流体中の分析物の内容に特有である。
【0044】
細孔の内容物は、好都合には、半透明膜の後面から、またはより一般には半透明膜の方を向いている反射層の側から、光学的にプローブすることができ、前面における反射層は、細孔を備える光プローブ領域を半透明膜の前面に接触する流体から光学的に分離する。反射層は、半透明膜の後面からの方向から反射層に到達する光を反射させるようになされ、これによってプローブ光が半透明膜の前面における流体に到達し、これと相互作用することが防がれる。したがって、光プローブは、細孔内部のサブ試料に対してのみ選択的に実行される。さらなる光学的狭窄要素は、センサ面上のプローブ領域の直立投影に実質的に対応するセンサ面の一部にのみ生じるように、センサ面に接触する流体試料の光プローブを集中させる。光学的狭窄要素によって画定される光学的狭窄の集中効果は、試料空間に面するセンサ面上で測定が実際に行われる制御に特に有利であり、役立つ。好ましくは、そのような集中は、試料空間の縁部および隅にくっつく傾向があり得る連想汚染(reminiscent contamination)が測定に影響することを防ぐように(半透明膜の中央部に光学的狭窄を配置することによって)センサ面の中央部に対する。これによって、より信頼できる再現可能な測定結果を得ることができる。
【0045】
さらにいくつかの実施形態によれば、センサ素子は、光入力ポートに接続された光源をさらに備え、光源は、プローブ用放射線を発するために構成される。さらに、いくつかの実施形態によれば、センサ素子は、光出力ポートに接続された検出器をさらに備え、検出器は、光源による入力ポートを通じたプローブ領域の照明に応答して、プローブ領域から出現する光を検出するように構成され、検出器は、検出された光を表す信号を生成するようになされている。原理上、光源は、システムが働くために、細孔内の分析物が光を吸収し、または光学的に刺激された応答を他の方法で与える領域内で光を伝達する任意の光源であってもよい。サイズ、重さ、効率などに関するその特性により、発光ダイオードは、組立体内の小型化および/または統合を意図する実施形態にとって好ましい。検出器は、検出される分析物を示す出力信号を生成するために、光出力ポートから受信した光応答を検出し、光応答を分析するのに適した任意の光学検出構成であり得る。有利には、一実施形態によれば、検出器は、分光光度計を含むことができ、光プローブ装置は、プローブ領域から出現する光を分光光度分析するように構成されている。これは、プローブ領域内のサブ試料から出現する光の1つまたは複数の関連成分の分光シグネチャを解決することを可能にする。小型化およびコンパクトさの目的のために、例えば、ポイントオブケア構成の内容において、検出器は、スペクトル全体の吸収を検出することができるフォトダイオードまたは分光計を備えることができる。代替として、アレイまたはダイオードが使用されてもよく、各ダイオードは異なる波長で光を発し、フォトダイオードは検出器として使用される。ダイオードは、異なる間隔で光を発するように多重化され得る。次いで、吸収は、特定の間隔がフォトダイオードによって検出された光と比較されることで、ダイオードから発せられた光を比較することによって見つけられる。
【0046】
以下の実施形態は、センサ素子のための光学的狭窄要素に係る有利な寸法決めのためのルールおよび範囲を与え、したがって、対応する手法において、光学的狭窄要素によって画定されるようなセンサ素子のプローブ領域を寸法決めするためのルールおよび範囲を与える。所与の寸法決めのルールおよび範囲は、ポイントオブケア構成内の体液のための医療パラメータ分析装置についてのように、小さい試料体積のためのセンサ素子の小型化および/またはセンサ素子とセンサ組立体の統合の内容において、上述した利点を実現するのに特に役立つ。
【0047】
センサ素子のいくつかの実施形態によれば、反射要素は、横断方向から見てセンサ面の幅Ws未満、または上記センサ面の幅Wsの半分未満であるセンサ面に平行な横断方向から見て幅Wrを有する。したがって、センサ面の幅Wsは、反射要素の幅Wrおよび対応するプローブ領域の幅wよりも大きくなり得る。好ましくは、典型的なセンサ面の幅Wsは、反射要素の幅Wrおよび/またはプローブ領域の対応する幅wの少なくとも2倍、少なくとも3倍、またはさらに少なくとも5倍である。これによって、プローブ領域によって決定されるようなセンサ面の感度のよい部分は、好ましくは横断方向から見てセンサ面の中央部に、集中している。
【0048】
有利には、いくつかの実施形態によれば、ポイントオブケアセンサ組立体に使用するためのセンサ素子のセンサ面の幅Wsは、10mm未満、5mm未満、3mm未満であり、および/またはそのようなセンサ素子のセンサ面の幅Wsは、少なくとも1mm、または少なくとも2mmである。
【0049】
さらに、センサ素子のいくつかの実施形態によれば、垂直方向から見た反射層からの反射要素の距離Dは、500μm未満、200μm未満、100μm未満、または約50μmである。距離D、またはそれに応じてプローブ領域の高さを調整することによって、プローブ領域の開口、およびしたがって入力領域からプローブ領域に入ることができるプローブ光の量は増加し、これによって、プローブ領域の出力側における光応答の強度を増加させる。しかしながら、所与の反射要素の幅Wrについては、距離Dの増加は、より少ない反射がプローブ領域を通じて横断方向に通る光に必要とされるという結果ももたらす。したがって、距離Dの増加は、細孔内のサブ試料中の所与の分析物の検出に対して、光学的狭窄要素によって課される垂直閉じ込めの減少をもたらし、最終的に、センサ素子の感度の低下になる。大きすぎる距離は、光学的狭窄の出力側に入力側からのプローブ光の直接の漏れをもたらしさえもし得る。
【0050】
さらに、センサ素子のいくつかの実施形態によれば、横断方向から見た反射要素の幅Wrは、5mm未満、2mm未満、1mm未満、または約0.5mmである。
さらに、センサ素子のいくつかの実施形態によれば、センサ面に平行な横断方向の反射要素の幅Wrに対する、垂直方向の反射層からの反射要素の距離Dのアスペクト比は、少なくとも1:2、または少なくとも1:5、少なくとも1:10、または少なくとも1:20、または少なくとも1:50である。
【0051】
さらなる態様によれば、センサ組立体は、本明細書中に開示された実施形態のいずれかによるセンサ素子と、チャンバ壁によって画定される流体試料を保持する試料空間を備える試料チャンバとを備え、センサ素子は、チャンバ壁の1つに配置され、センサ面は、試料空間の方を向いている。これによって、試料空間内に受け入れられる流体試料が、流体試料に対する光プローブ測定を実行する光学的狭窄によって画定されるようなセンサ面、特にセンサ面の感度のよい部分に接触することができるように、試料空間の方を向いている試料チャンバのチャンバ壁内の本明細書中に開示されるような実施形態のいずれかによるセンサ素子を統合する組立体が与えられる。この組立体は、以下、さらに開示されるように、自動化測定システムに使用するために構成することができる。
【0052】
さらに、いくつかの実施形態によれば、センサ組立体は、入口および出口であって、試料チャンバ内における流体処理のために入口から出口への流れの方向を画定する、入口および出口をさらに備え、センサ素子は、好ましくは横断方向から見て試料チャンバに対して中央の位置で、横断方向が流れの方向に対して直交するように向けられる。これによって、エッジ効果から生じる、例えば、試料チャンバの側壁における連想汚染から生じるアーチファクトが抑制され得る。
【0053】
さらに、センサ組立体のいくつかの実施形態によれば、プローブ領域の幅は、センサ素子の横断方向から見て試料空間の幅Wa未満、または上記試料空間の幅Wsの半分未満である。これによって、エッジ効果から生じる、例えば、試料チャンバの側壁における連想汚染から生じるアーチファクトが抑制され得る。
【0054】
本発明のさらなる態様によれば、流体を分析するシステムは、(a)流体を送るおよび流体を排出するための入口ポートおよび出口ポートを備えた流体チャンバと、(b)流体中の分析物のレベルを表す第1の信号を供給するようになされている第1のセンサとを備える。有利には、いくつかの実施形態によれば、流体を分析するシステムは、(c)1つまたは複数のさらなるセンサをさらに備え、各さらなる検出器は、流体の分析物を表すそれぞれのさらなる信号を供給するようになされ、第1のセンサおよびさらなるセンサは、同じ流体から第1の信号および1つまたは複数のさらなる信号を得るように動作可能であり、第1のセンサは、本明細書中に開示された実施形態のいずれかによる分析物の光学検出ためのセンサ素子として構成される。
【0055】
以下の実施形態は、特に体液を光学的にプローブする内容におけるセンサ素子に使用するために、細孔を寸法決めするための有利なルールおよび範囲を開示する。
さらに、センサ素子のいくつかの実施形態によれば、細孔の開口部の断面寸法は、約1μm以下、約800nm以下、好ましくは約500nm以下、またはさらに約400nm以下である。細孔開口部の断面寸法は、用途に応じて、好ましくは、サイズ選択性(より小さい細孔開口部の直径)とサブ試料/分析物の迅速な交換(より大きい細孔開口部の直径)とのバランスをとるようになされる。所与の値は、例えば、特に、血漿部分中の分析物を有する全血などの体液の分析に役立つ。
【0056】
さらに、センサ素子のいくつかの実施形態によれば、細孔の開口部の断面寸法は、少なくとも200nmである。細孔開口部の断面寸法は、好ましくは、用途に応じて、サイズ選択性(より小さい細孔開口部の直径)とサブ試料/分析物の迅速な交換(より大きい細孔開口部の直径)とのバランスをとるようになされる。挙げられた範囲の値は、例えば、特に、血漿部分中の分析物を有する全血などの体液の分析に役立つ。
【0057】
さらに、センサ素子のいくつかの実施形態によれば、細孔に沿った軸方向の細孔の長さは、100μm未満、50μm未満、好ましくは30μm未満である。好ましくは、細孔の長さは、用途に応じて、プローブ領域内の光プローブ場と相互作用するために増加した試料体積(より長い細孔の長さ)を与える所望のものと、試料/分析物の迅速な交換(より短い細孔の長さ)とのバランスをとるようになされている。所与の値は、全血試料の血漿部分中の分析物を有する全血などの体液の分析に特に役立つ。
【0058】
さらに、センサ素子のいくつかの実施形態によれば、細孔に沿った軸方向の細孔の長さは、少なくとも1μm、少なくとも2μm、少なくとも5μm、および好ましくは少なくとも10μmである。好ましくは、細孔の長さは、用途に応じて、プローブ領域内の光プローブ場と相互作用するために増加した試料体積(より長い細孔の長さ)を与える所望のものと、試料/分析物の迅速な交換(より短い細孔の長さ)とのバランスをとるようになされている。所与の値は、全血試料の血漿部分中の分析物を有する全血などの体液の分析に特に役立つ。
【0059】
さらに、センサ素子のいくつかの実施形態によれば、細孔は直線である。直線状の細孔は細孔の長さを通じての有効な輸送を容易にし、これによって高速のサブ試料/分析物交換を実現する。
【0060】
さらに、センサ素子のいくつかの実施形態によれば、細孔は、半透明膜を指向性イオン衝撃に曝し、その後に化学エッチングを行うことで形成されるトラックエッチングされた細孔である。トラックエッチングは、例えば、上述の寸法の直線状で狭いが深い細孔を形成するのに特によく適している。細孔は、例えば、単一指向性イオン衝撃の露出から生じる単方向配置に形成することができる。代替として、細孔は、異なる方向から複数の指向性イオン衝撃の露出を与えることによって多方向配置に形成されてもよい。したがって、細孔の配置は、例えば、エッチングステップを実行する前に1つまたは複数の指向性イオン衝撃の露出によって生成/規定することができる。
【0061】
適切な半透明膜は、例えば、細孔が一端で閉じられているという修正を伴うが、企業IT4IP(IT4IP S.A./avenue Jean-Etienne Lenoir 1/1348 Louvain-la-Neuve/Belgium)から市販されているものに類似するいわゆるトラックエッチングされた細孔を有する透明な高分子膜から製造することができる。膜内の通り抜ける細孔は、例えば、イオン衝撃のトラック、およびしたがってこれらのトラックに従ってエッチングされた細孔が、透明な高分子膜内で行き止まりの細孔を形成するように止まるように、裏張りシートを多孔質膜の後面に積層することによって、またはイオンを減速させることによって閉じることができる。典型的には、膜は、堅い透明な要素によって裏打ちされて、半透明膜に十分な機械的強度を与えるようになっている。
【0062】
好ましくは、半透明膜は、光を吸収しない材料で作製されるべきであり、同時に、例えば、材料をトラックエッチングすることによって材料中に行き止まりの細孔を製造することが可能であるべきである。これに適している材料は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PETまたはPETE)、またはPETの類似物(ポリエチレンテレフタレートポリエステル(PETPまたはPET-P))、またはポリカーボネート(PC)である。半透明膜は、細孔の中への拡散を増大させるために、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)の親水性コーティングを含むことができる。親水性コーティングは、ある動作モードのセンサ素子のためにセンサ素子を構成するように選ばれ得る。いくつかの動作モードでは、センサ素子は、それが使用中であると、決して完全に乾燥せず、したがってそれが始動時に親水性でありさえすればよい。センサ素子の他の動作モードについては、センサ素子の寿命全体にわたって親水性を永久に維持するコーティングが施される。これは、センサ面に提示された液体試料からの高速サブ試料抽出をまだ維持しつつ、センサ素子が続く使用の間に完全に乾燥することを可能にする動作モードを可能にする。したがって、センサ素子が使用の間に完全に乾燥することができるにしても、液体試料にセンサ面が接触してから光プローブ結果を得るまで高速測定のターンアラウンドが実現され得る。
【0063】
有利には、センサ素子のいくつかの実施形態によれば、少なくともプローブ領域内に細孔を備える所与の体積の半透明膜の多孔性は、50体積%から5体積%の間、30体積%から10体積%の間、または約15体積%である。多孔性は、細孔による半透明膜内に生成された空所の体積、すなわち、細孔の体積について特徴とすることができ、細孔の体積は、細孔によって貫かれる半透明膜の体積が参照される。ここで、この体積は、細孔が分布する前面エリアと、センサ面に直交する垂直方向から見て半透明膜の中への細孔の貫通の最大深さによって半透明膜の中にシフトされた同一の平行なエリアとの間の体積として画定される。
【0064】
それに加えて、多孔性は、集積された細孔の体積についてさらに特徴付けることができ、これは、光プローブに利用可能であるサブ試料体積に等しい。好都合なことに、細孔の体積は、等価な細孔の体積の深さDELTAとして表すことができ、これは、細孔開口部が分布している対応する前面エリアが参照される細孔の体積である。したがって、半透明膜の多孔性は、以下の通り、等価な細孔の体積の深さDELTAに変換することができる。所与の前面エリアA内に開口部を有する細孔は、細孔の総体積Vを有する。次いで、等価な細孔の体積の深さは、細孔の総体積を所与の前面エリアで除算すると、DELTA=V/Aとして計算される。
【0065】
有利には、いくつかの実施形態によれば、等価な細孔の体積の深さDELTAは、20μm未満、または15μm未満、または10μm未満、あるいは3μmから5μmまでの範囲内であり、等価な細孔の体積の深さDELTAは、細孔の総体積Vを細孔の開口部が分布している前面エリアAで除算したものとして画定される。これによって、関連成分の代表的な濃度を有する小さいサブ試料が得られる。小さいサブ試料体積は、高速サブ試料交換を促進するのに望ましく、これによってセンサ素子の応答時間、およびセンサ素子を用いる測定のサイクル時間を減少させる。小さいサブ試料体積は、半透明膜の前面に近い全血試料中の血漿部分の境界層の減少の影響を防ぐためにさらに望ましい。さもなければ、そのような減少の影響が、小さいまだ持続している試料に生じ得、例えば、等価な細孔の体積の深さが臨界値を超える場合、赤血球細胞は、全血試料体積から半透明膜の前面における境界層の方への関連成分の効率的な拡散交換を妨げ得る。
【0066】
好ましくは、等価な細孔の体積の深さDELTAは、少なくとも1μm、代替として少なくとも2μm、または3μmから5μmの範囲内であり、等価な細孔の体積の深さは、上述したように画定される。より大きいサブ試料体積は血漿中の関連成分に関する光学的にプローブされた情報に貢献するので、より大きいサブ試料体積は、よりよい信号対ノイズレベルを実現するために望ましい。
【0067】
さらに、いくつかの実施形態によれば、応答時間を減少させること、サイクル時間を減少させること、および/または一方で小さいまだ持続している全血試料または流体における減少の影響を防ぐこと、他方で必要なもしくは所望の信号対ノイズ比の間の有用な妥協は、1μmから20μmの範囲内、好ましくは2μmから10μm、または約4μm~5μmの範囲内で、等価な細孔の体積の深さDELTAについて見つけられる。
【0068】
さらに、センサ素子のいくつかの実施形態によれば、細孔の内壁表面は、例えば、親水性のコーティングでコートされている親水性である。これによって、乾燥した細孔を液体で効率的に毛細管駆動により満たすことが実現される。さらに、親水性のコーティングは、さもなければ、疎水性染料、ヘモグロビン、および他のタンパク質などのある種の疎水性物質が、細孔の内側に堆積し、これによりセンサに付着物が徐々にもたらされることになり、これによって水溶液で洗い落とすのが難しくなるのを防ぐ。
【0069】
有利には、いくつかの実施形態によれば、反射層は、金属で作製される。そのような金属コーティングは、比較的経済的だが、十分な反射率を有するよく制御された手法で施すことができる。
【0070】
有利には、いくつかの実施形態によれば、反射層は、白金、パラジウム、または主成分として白金もしくはパラジウムを含む合金で作製される。これらの材料は、例えば、吸光度プローブによって、ある種の物質、例えば、遊離ヘモグロビンの検出に関連する電磁スペクトル(深紫から青)のスペクトル範囲内で良好な反射率を示す。さらに、これらの材料は、生体適合性であり、例えば、人為的な溶血をもたらさない。さらに、これらの材料は、概して化学的に安定であり、特に全血試料などの生体液、または前述した体液のいずれかの化学的環境において化学的に安定である。
【0071】
代替として、いくつかの実施形態によれば、反射層は、銀またはアルミニウムで作製することができる。さらに有利には、いくつかの実施形態によれば、試料体積の方を向いている反射層の表面は、さらなるパッシベーション層によって包まれ、特に反射層の材料として銀またはアルミニウムを用いるときに、これによって装置の寿命を強化する。適切なパッシベーションは、例えば、SiOの薄層で作製することができ、好ましくは、SiOの薄層は、透明とされ、細孔の開口部を妨げないように十分に薄くなければならない。これらの材料は、関連するスペクトル範囲(赤)内で良好な反射率を与えることもでき、環境において生体適合性および化学的安定である。
【0072】
有利には、いくつかの実施形態によれば、反射層の厚さは、使用される金属に応じて10nm~100nmの間である。そのような層厚は、センサ面にある細孔の開口部を詰まらせることなく蒸着技法によって反射層を施すことを可能にする。同時に、層厚は、プローブ領域と、分析される流体、例えば、全血試料を含む試料体積との間の強化された光学的分離を確実にするために、試料体積へ伝播する光の十分な減衰を与えるのに十分でなければならない。好ましくは、伝達される光は、スペクトルの検出範囲内、すなわち、関連成分を表す信号が現れるスペクトル範囲内の5%未満、1%未満、またはさらに0.1%未満である。例えば、全血試料の血漿部分中のヘモグロビンを測定するために、適切なスペクトル範囲は、380nmから700nmまで、380nmから450nmまで、400nmから430nmまで、または約416nmである。
【0073】
本発明またさらなる態様によれば、流体中のヘモグロビンなどの分析物を光学的に検出する方法が提供される。この方法は、センサ素子、組立体、およびシステムの開示において本明細書中に説明されたような光プローブのステップを実施し、それぞれの実施形態に関して説明されたのと同じような利点を少なくとも実現する。
【0074】
いくつかの実施形態によれば、流体中の分析物を光学的に検出する方法は、上で開示したようなセンサ素子を用意するステップと、細孔を基準液体で満たすようにセンサ素子を基準液体に接触させるステップと、センサ面を流体に接触させるステップと、安定化するために流体中の分析物が細孔の中に拡散することを可能にする拡散時間だけ待機するステップと、光学的狭窄要素によって画定されたプローブ領域に入力光を注入するステップと、入力光をプローブ領域を通じて伝播させてプローブ領域内の細孔と相互作用させるステップと、入力光に応答して細孔から発せられる光を集め、これによって細孔内部の流体を光学的にプローブするステップと、光プローブの結果に基づいて、流体の分析物レベルを確立するステップとを含む。好ましくは、基準液体は、流体に適合している、および特に、水洗、較正、および/または品質管理のための液体などの細孔に入り得るその部分と適合している水溶液である。いくつかの実施形態では、流体を導入する前にセンサ面を基準液体に接触させるステップを省略することが考えられる。しかしながら、このステップと含むことは、純粋に拡散するサブ試料の抽出を可能にし、これによりとても効率的であるとともに、驚くほど高速な検出応答、および測定のための驚くほど短いサイクル時間をもたらす。有利には、分析物は、抽出されたサブ試料において代表的な量で分析物が存在することによる色変化によって細孔内で光学的に検出される。有利には、いくつかの実施形態によれば、光プローブは、プローブ用入力光に対する光応答として細孔から出現する光の分光光度分析を実行するステップを含む。有利には、いくつかの実施形態によれば、光プローブは、吸光度を測定している。これは、比較的単純だが有効な構成の利点を有する。
【0075】
本発明を、主に、血液分析の分析の文脈における使用を参照して本明細書において説明してきたが、当業者は、本発明の範囲を離れることなく、本発明が同等の手法で他の内容においても役立つことを理解するであろう。
【0076】
例えば、センサ素子は、発色/消費アッセイのための読取装置に使用されてもよい。そのような装置は、アッセイの前に血漿を製造するために、分離ステップを実行する必要がないという利点を有する。例として、以下のタイプのアッセイは、本発明の実施形態によるセンサ素子を含む装置を用いて実行することができる。受容体リガンドが膜チャンネル内側に結合することができるサンドウィッチアッセイがある。一部が細孔内に結合されるアッセイ、例えば、ブロモクレゾール・グリーン(BCG)を用い、これによってアルブミンと特異的に有色錯体を形成するブロモクレゾール・グリーン・アルブミン・アッセイがある。620nmで測定される色の強度は、流体中のアルブミン濃度に正比例し、例えば、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST:aspartate aminotransferase)活性アッセイキットのような酵素活性アッセイであり、アスパラギン酸塩からα-ケトグルタル酸へのアミノ基の転移によりグルタメートが発生し、AST酵素活性の存在に比例して比色(450nm)生成物が生成される結果となる。
【0077】
センサ素子は、ビール醸造、廃水分析、食品検査、および染料生産のモニタリング作業などの非医療用途に使用することもできる。ビール醸造では、正確な色が求められる。センサ素子は、液体を測定し、読取値を正しい色の液体と比較することによって、ビールが所望の色を有するかどうか決定するために使用することができる。廃水は、成分の有無について分析することができる。牛乳、ジュース、および他のスラリーなどの液体の食品検査では、センサ素子は、成分または分析物の有無について分析するために使用することができる。センサ素子は、例えば、染物業において、所望の色、所望の内容物、または製品の他の化学特性の生成中に測定基準を得るために、ある種の化学製品の生産にさらに役立ち得る。
【0078】
有利には、いくつかの実施形態によれば、そのようなセンサ素子を備えるセンサ素子、または血液分析システムは、流体中の分析物レベルの定量的測度を生じさせるために、検出器によって発生された信号と予め画定された較正基準を比較するために構成されたプロセッサをさらに備える。さらに有利には、いくつかの実施形態によれば、較正基準は、タートラジン染料を含む水溶液などの染色ベースの較正解決策に基づいて得られる。好ましくは、染色ベースの水溶液が、タートラジンなどの較正染料を添加した典型的な水洗液から用意される。
【0079】
本発明の実施形態を添付の図面に関してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0080】
図1】一実施形態による多重反射多孔質膜センサ素子を備えたセンサ組立体の概略断面図である。
図2図1のセンサ素子を備えたセンサ組立体の一部の概略俯瞰図である。
図3】一実施形態による液体試料分析装置の図である。
【発明を実施するための形態】
【0081】
次に、図1および図2を参照して、一実施形態によるセンサ素子を備えたセンサ組立体を説明する。図1は、図2中の線I-Iに沿ってセンサ組立体100の断面図を概略的に示す。図2は、センサ組立体100の概略俯瞰図である。
【0082】
センサ組立体100は、試料チャンバ102と一体化されているセンサ素子101を有する。試料チャンバ102は、チャンバ壁104で試料空間103を画定する。センサ面は、試料空間103に面するとともにセンサ素子の横断方向にセンサ面の幅Wsを有する窓を形成するチャンバ壁104の1つに一体化されている。試料チャンバ102は、流体試料を保持し、この流体試料を光学的にプローブするためにセンサ面に接触しているセンサ素子101に流体試料を提示するためのものである。試料チャンバは、横断方向に幅Waを有する。試料空間103は、流体試料を受け入れるための入口(図示せず)に連通するとともに、使用後に流体試料を排出するための出口(図示せず)に連通する。以下、図3を参照して、必要とされる流体処理作業を実行する流体処理システムの一例をさらに示す。
【0083】
関連する方向は、図1および図2にベクトル「X」、「Y」、および「Z」によって示されており、Xは、センサ面に平行なセンサ素子の横断方向を示し、Zは、センサ面に直交する垂直方向を示し、Yは、試料空間の軸方向に沿って試料面に平行でありかつ横断方向に直交する試料空間の軸方向を示す。図1および図2に示された構成では、横断方向Xは、光入力から光出力の方へ向いており、軸方向Yは、試料空間を形成する流体チャンネルに沿って流体の入口から出口(図面に示されていない)の方へ向いており、垂直方向Zは、試料空間から外へそしてセンサ面に背を向けている。
【0084】
センサ素子101は、流体試料に接触するセンサ面を確定する前面111と、前面112に背を向けた後面112とを備えた半透明膜110を有する。半透明膜110の前面111は、金または白金などの不活性金属材料の反射層114で被覆される。
【0085】
光入力ポート120は、半透明膜110の後面112を通じて半透明膜へプローブ光を送るために、半透明膜110の後面112に接続される。プローブ光は、光源121から来る。光入力ポート120は、プローブ光を光源121から半透明膜110の後面112へ案内および誘導する光入力ファイバを含むことができる。光入力ファイバは、任意の適切な機械的装着手段によってセンサ素子101の入力側に取り付けることができる。有利には、入力ポート取付台は、光入力ファイバを半透明膜110の後面112に取り付けるためのオプティカルグレード接着剤などの透明パッド122を含む。好ましくは、そのようなオプティカルグレード接着剤は、半透明膜の屈折率を±5%以内、または±2以内、または±1以内などの典型的な公差以内に整合するプローブ光の波長範囲についての屈折率を有する。これによって、プローブ光は、その入力領域115内で半透明膜110の中に効率的に結合される。
【0086】
光出力ポート130は、半透明膜110の後面112を通じて半透明膜110からのプローブ光に対する光応答を集めるために、半透明膜110の後面112に接続される。集められた光応答は、検出器131によって検出される。検出器131は、光出力ポート130に接続することができる。検出器131は、光源121による照明に応答して半透明膜110から出現する光を検出するためのものである。次いで、検出器131は、検出された光を表すアナログ電気および/またはデジタル信号などの信号を生成する。光出力ポート130は、光応答を半透明膜110の後面112から検出器131へ案内および誘導する光出力ファイバを含むことができる。光出力ファイバは、任意の適切な機械的装着手段によってセンサ素子101の出力側に取り付けることができる。有利には、出力ポート取付台は、光出力ファイバを半透明膜110の後面112に取り付けるためのオプティカルグレード接着剤などの透明パッド132を含む。好ましくは、そのようなオプティカルグレード接着剤は、半透明膜の屈折率を±5%以内、または±2以内、または±1以内などの典型的な公差以内に整合する光応答光の波長範囲についての屈折率を有する。これによって、光応答は、その出力領域117内で半透明膜110から効率的に集められる。
【0087】
センサ素子は、入力ポート120と出力ポート130との間に配置された光学的狭窄要素140をさらに備える。狭窄要素140は、入力ポート120と出力ポート130との間に配置されたスクリーン要素141を有し、これによって出力ポート130を入力ポート120から光学的に隔て、入力ポート120から出力ポート130への光の直接通過を阻止する。狭窄要素140は、半透明膜110の後面112にそこから垂直距離Dで配置された反射要素142をさらに備える。反射要素142は、反射層の方を向いている。反射要素142は、横断方向Xに見られるように幅Wrを有する。反射要素142は、半透明膜110内にプローブ領域116を画定し、これによって入力ポート120から出力ポート130へ進む光が、プローブ領域116を通過するように閉じ込められる。プローブ領域は、横断方向Xに見られるような幅wを有し、これは反射要素の幅Wrに実質的に対応する。プローブ領域116は、反射層114と反射要素142との間の距離Dに対応する垂直方向Zに見られるような高さhを有する。光学的狭窄要素140の反射要素141の幅wは、センサ面の幅Ws未満である。一般に、プローブ領域116の幅wおよび高さhは、入力領域115からプローブ領域116に入る光が、光学的狭窄要素140の反対側の出力領域117に向けてプローブ領域を去ることができる前に、プローブ領域116内の「ジグザグ」線によって図1に概略的に示されるように、少なくとも最小数の多重反射を受けるようにされるように選ばれる。
【0088】
少なくともプローブ領域116は、センサ面におけるそれぞれの開口部から半透明膜110の中に延びる細孔118を備える。例えば、出願人によって同時係属の国際特許出願WO2017/085162A1およびWO2017/085180A1(これらは、参照により本明細書に組み込まれる)に開示されているように、細孔は、拡散によって流体試料から代表的な分析物濃度を有する部分を分離するためのものである。次いで、プローブ領域内の細孔は、プローブ用放射線に曝され、これは、プローブ用放射線と相互作用して、適切な検出器131によって検出可能である流体試料中の特定の分析物の存在および/または濃度を示す光応答、例えば、分析物に特有の吸収を生成する。細孔は、センサ素子の全面にわたって存在することができる。しかしながら、プローブ用放射線をプローブ領域116に閉じ込め、光学的狭窄要素140によってセンサ素子101の入力側を出力側から分離することにより、プローブ領域内の細孔だけが、検出信号に寄与する。これによって、センサ素子の感度がよい領域の広がりは、例えば、試料チャンバの側壁に向かうエッジ効果により生じ得るいずれかのアーチファクトを避けるようにセンサ面における流体試料の代表的部分だけを再現可能に検知プローブするために正確に制御および設計され得る。
【0089】
図3は、シグナルプロセッサ8を有する分析部と、1つまたは複数の分析物センサ3(a~i)、4と、測定チャンバ2と、流体処理インフラ20とを備えた液体試料分析装置1を概略的に示す。測定を実行するために、使用者は、分析装置1の入力ポート12a/bに液体試料を与えることができる。液体試料は、複数の分析物センサ3、4を備える測定チャンバ2へ入口ポート6を通じて移送される。分析物センサ3、4は、液体試料、例えば全血試料中の分析物パラメータに関する実質的に同時の測定を行うように配置される。好ましくは、正確で信頼できるデータを得るために必要な試料量は、できるだけ小さい。体液中、特に全血中の複数の異なるパラメータを同時に測定するのに特に適しているセンサ組立体設計、および血液分析装置内のその使用の詳細な例は、例えば、EP2147307B1に見つけられる。事前にプログラムされた命令がシグナルプロセッサ8に読み込まれた後、および/またはユーザ入力の後、分析物センサ3、4を用いて測定が実行される。分析物センサ3、4は、それぞれの分析物についての物理的パラメータを表す信号を生成し、この信号を分析部のシグナルプロセッサ8へ供給する。シグナルプロセッサ8は、分析物センサ3、4から信号を受け取り、これを処理し、処理された信号を使用者または続く/さらなるデータ分析への出力として示すようになされている。測定後、液体試料は排出され、測定チャンバ2は次の測定のために準備される。図1に示された分析装置の実施形態は、血液パラメータの測定に特に適合しており、測定チャンバ2の下流に任意の酸素化測定装置9をさらに備える。したがって、典型的には、測定、較正作業、および品質管理の手順を実行することは、流体処理インフラ20によってなされ得る異なる液体の装填、取り出し、水洗、清浄、および再装填を伴う。流体処理は、事前にプログラムされた命令および/またはユーザ入力に従ってシグナルプロセッサ8によって自動化された手法で制御することができる。流体処理インフラ20は、水洗/洗い落とし、較正、および品質管理の作業のために処理液(RINSE/CAL1、CAL2、QC1、QC2、QC3)で事前に満たされたいくつかの槽21を含む。処理液(RINSE/CAL1、CAL2、QC1、QC2、QC3)は、知られている組成を有する。所与のバッチの正確な組成は、槽21を備えるカセットに取り付けることができるチップ25に記憶することができ、チップ25は、シグナルプロセッサ8によって読むことができる。所与の処理ステップのための処理液(RINSE/CAL1、CAL2、QC1、QC2、QC3)は、流体切換弁22によって選択され、供給ライン12cを介して入口ポート6を通じて測定チャンバ2へ移送され得る。測定チャンバ2を正しく満たすことは、例えばそれぞれ入口6(「LS入口」10a)で、出口7(「LS BG」10b)で、および酸素化測定装置9(「LS OXI」10c)の直後で、測定チャンバの上流および下流に位置する液体センサ10a、10b、10cによってシステムを通じて、液界面の伝播を観察することにより目視検査によってまたは知られている手順に従って監視および検証することができる。分析装置を通じての流体の流れは、測定チャンバ2および酸素化測定装置9の下流に配置され、そこに流体ライン13を介して接続されたポンプ23、ここでは蠕動ホースポンプによって駆動される。排出された流体は、最終的に流体ライン14を通じて廃棄物槽24へ輸送される。
【0090】
始動すると、進行中の手法で、稼働時間中に、分析装置1は、自己制御ルーチンを実行する。何らかの異常が検出される場合、分析装置1は、使用者に偏差を示し、誤差状態を克服する手法をさらに示すことができる。他方で、分析装置が正常動作を示すとき、測定は、直ちに実行され得る。有利には、いくつかの実施形態によれば、自己制御ルーチンは、アイドル時間中に、すなわち、使用者の試料に対して実際の測定を実行するために使用されていない分析装置がアイドル状態にあるときに実行することができる。自己制御ルーチンは、例えば、チップ25に記憶されているような正確に知られている組成を用いて、較正グレード処理液上で実行される連続する反復測定を含むことができる。次いで、よく知られている組成に対して異なる分析物センサ3、4ごとに得られる信号は、それぞれの分析物測定のための基準を継続的に更新するために使用することができる。
【0091】
分析物センサ3、4のうちどちらか一方は、本明細書中に開示された実施形態のいずれかによる、例えば、図1および図2に関して上述したような実施形態による、多重反射多孔質膜タイプであり得る。一実施形態によれば、光プローブによって液体試料中の分析物を検出するセンサ素子は、測定チャンバ2の上流端に、すなわち、測定チャンバ2の入口6に隣接しおよびその方を向いているセンサ面を備えて分析物センサ4として配置される。
図1
図2
図3