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特許7183300ポリプロピレンフィルム、ポリプロピレン複合フィルム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-25
(45)【発行日】2022-12-05
(54)【発明の名称】ポリプロピレンフィルム、ポリプロピレン複合フィルム
(51)【国際特許分類】
   B29C 35/08 20060101AFI20221128BHJP
   B32B 27/26 20060101ALI20221128BHJP
   B32B 27/32 20060101ALI20221128BHJP
   C08J 5/18 20060101ALI20221128BHJP
   C08K 3/26 20060101ALI20221128BHJP
   C08K 3/34 20060101ALI20221128BHJP
   C08K 3/36 20060101ALI20221128BHJP
   C08K 5/16 20060101ALI20221128BHJP
   C08L 23/06 20060101ALI20221128BHJP
   C08L 23/10 20060101ALI20221128BHJP
   C08L 23/16 20060101ALI20221128BHJP
【FI】
B29C35/08
B32B27/26
B32B27/32 E
C08J5/18 CES
C08K3/26
C08K3/34
C08K3/36
C08K5/16
C08L23/06
C08L23/10
C08L23/16
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020559486
(86)(22)【出願日】2018-12-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-28
(86)【国際出願番号】 CN2018119326
(87)【国際公開番号】W WO2020113455
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2020-10-23
(73)【特許権者】
【識別番号】517249613
【氏名又は名称】グアンドォン ティエンアン ニュー マテリアル カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100161746
【弁理士】
【氏名又は名称】地代 信幸
(72)【発明者】
【氏名】ウー チィチャオ
(72)【発明者】
【氏名】チェン ホォイシュエ
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ チュンファ
(72)【発明者】
【氏名】ホアン ジアンハオ
(72)【発明者】
【氏名】ソォン ダイイン
(72)【発明者】
【氏名】モン リジエ
(72)【発明者】
【氏名】パン ヨンタオ
【審査官】宮内 弘剛
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-161856(JP,A)
【文献】特開2008-266589(JP,A)
【文献】特開2008-088283(JP,A)
【文献】特表平10-507486(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103724818(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103058422(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103692745(CN,A)
【文献】特開平11-181175(JP,A)
【文献】特開2000-159947(JP,A)
【文献】特開2005-336359(JP,A)
【文献】特開昭62-121704(JP,A)
【文献】国際公開第2018/025343(WO,A1)
【文献】特開2010-024357(JP,A)
【文献】特開2002-019029(JP,A)
【文献】特開2007-261102(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 35/08
B32B 1/00-43/00
C08K 3/00-13/08
C08L 1/00-101/14
C08J 5/00-5/02,5/12-5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の原料を混合し、成膜し、放射線改質することによってポリプロピレンフィルムを形成する方法であって、
前記原料が
ポリプロピレン 20~50重量部、
ショアA硬度が60~90のポリオレフィン系エラストマーとショアD硬度が25~50のポリオレフィン系エラストマーから9:1~7:3の質量比として構成されたポリオレフィン系エラストマー 20~45重量部、
ポリエチレン 30~60重量部、
エチレン-酢酸ビニル共重合体 0~10重量部、
架橋剤 0.5~10重量部、
シリカ 0~1重量部、
を含み、
前記ポリオレフィン系エラストマーが、質量比(90:10)~(55:45)のポリプロピレンとエチレンプロピレンジエンゴムから製造された2相分離を示すポリマー混合物であり、
前記放射線改質に用いられる放射線量が40~100kGyである、ことを特徴とするポリプロピレンフィルムの製造方法
【請求項2】
前記原料が炭酸カルシウム1~10重量部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレンフィルムの製造方法
【請求項3】
前記原料がヒンダードアミン系光安定剤及び/又は紫外線吸収剤から選ばれる安定剤0.1~1重量部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレンフィルムの製造方法
【請求項4】
前記原料が金属石鹸類潤滑剤及び/又は脂肪酸塩類潤滑剤から選ばれる外部潤滑剤0.2~1.8重量部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレンフィルムの製造方法
【請求項5】
前記原料が高分子量シリコーン0.3~1.5重量部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレンフィルムの製造方法
【請求項6】
第1のポリプロピレンフィルム、
第1の塗布層、
印刷層、
第2の塗布層、
第2のポリプロピレンフィルム、
ポリウレタン塗布層が順に設けられた複合フィルム放射線処理によりポリプロピレン複合フィルムを製造する方法であって、
前記放射線処理に用いられる放射線量が40~100kGyであり、
前記第1のポリプロピレンフィルムが下記の原料から形成されたものでありは、
前記原料が、
ポリプロピレン 20~50重量部、
ショアA硬度が60~90のポリオレフィン系エラストマーとショアD硬度が25~50のポリオレフィン系エラストマーから9:1~7:3の質量比として構成されたポリオレフィン系エラストマー 20~45重量部、
ポリエチレン 30~60重量部、
エチレン-酢酸ビニル共重合体 0~10重量部、
架橋剤 0.5~10重量部、
シリカ 0~1重量部、
を含み、
前記ポリオレフィン系エラストマー質量比(90:10)~(55:45)のポリプロピレンとエチレンプロピレンジエンゴムから製造された2相分離を示すポリマー混合物であり、
前記第1の塗布層及び第2の塗布層は、それぞれ独立して、塩素化ポリプロピレン塗布層又は反応型ポリウレタン塗布層から選ばれることを特徴とするポリプロピレン複合フィルムの製造方法
【請求項7】
前記複合フィルムが前記第1のポリプロピレンフィルムの第1の塗布層と接触していない側に、接着層をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載のポリプロピレン複合フィルムの製造方法
【請求項8】
前記第2のポリプロピレンフィルムとポリウレタン塗布層との間に、塩素化ポリプロピレン塗布層又は反応型ポリウレタン塗布層である第3の塗布層がさらに設けられることを特徴とする請求項6に記載のポリプロピレン複合フィルムの製造方法
【請求項9】
前記第2のポリプロピレンフィルムが下記の原料から形成されたものであり
前記原料が、
ポリプロピレン 20~50重量部、
ショアA硬度が60~90のポリオレフィン系エラストマーとショアD硬度が25~50のポリオレフィン系エラストマーから9:1~7:3の質量比として構成されたポリオレフィン系エラストマー 20~45重量部、
ポリエチレン 30~60重量部、
エチレン-酢酸ビニル共重合体 0~10重量部、
架橋剤 0.5~10重量部、
シリカ 0~1重量部、
を含み、
前記ポリオレフィン系エラストマー質量比(90:10)~(55:45)のポリプロピレンとエチレンプロピレンジエンゴムから製造された2相分離を示すポリマー混合物であることを特徴とする請求項6に記載のポリプロピレン複合フィルムの製造方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装飾品技術の分野に属し、特に、ポリプロピレンフィルム、ポリプロピレン複合フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の装飾材料市場では、環境保護に対する消費者の意識が高まるにつれて、材料に対する要求がますます厳しくなっている。ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂は塩素が含まれるため、焼却時に放出する有害物質(ダイオキシン)は発がん性の高い物質であり、環境や人の健康に直接危害を与えるため、PVCは環境に優しくない因素とみなす。将来的には、PVCは材料から除外されるため、熱可塑性樹脂の範囲では、工業的にPVCの代わりに環境に優しい別の熱可塑性樹脂を使用することを期待し、ポリプロピレン(PP)に置き換えることを優先的に考慮する。
装飾材料は、主に、熱溶着、被覆、真空成形などの二次成形法によって形成され、装飾フィルムを骨格と複合成形し、ここで、骨格は、さまざまな形状の木材、プラスチック、金属などであることができる。ただし、ポリプロピレンは溶融強度が低く、高温真空成形中に破れやすく、PP装飾フィルムの使用が制限される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、解決しようとする技術問題は、低真空成形温度及び高溶融強度を有するポリプロピレンフィルム、ポリプロピレン複合フィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、
ポリプロピレン 20~50重量部、
ポリオレフィン系エラストマー 20~45重量部、
ポリエチレン 30~60重量部、
エチレン-酢酸ビニル共重合体 0~10重量部、
架橋剤 0.5~10重量部、
シリカ 0~1重量部、を含む成分が放射線改質により形成されたポリプロピレンフィルムを提供する。
好ましくは、さらに、炭酸カルシウム1~10重量部を含む。
好ましくは、さらに、ヒンダードアミン系光安定剤及び/又は紫外線吸収剤から選ばれる安定剤0.1~1重量部を含む。
好ましくは、さらに、金属石鹸類潤滑剤及び/又は脂肪酸塩類潤滑剤から選ばれる外部潤滑剤0.2~1.8重量部を含む。
好ましくは、さらに、高分子量シリコーン0.3~1.5重量部を含む。
【0005】
本発明は、さらに、
第1のポリプロピレンフィルム、
第1の塗布層、
印刷層、
第2の塗布層、
第2のポリプロピレンフィルム、
ポリウレタン塗布層が順に設けられた複合フィルムが放射線処理により形成されたポリプロピレン複合フィルムであって、
前記第1のポリプロピレンフィルムは、
ポリプロピレン 20~50重量部、
ポリオレフィン系エラストマー 20~45重量部、
ポリエチレン 30~60重量部、
エチレン-酢酸ビニル共重合体 0~10重量部、
架橋剤 0.5~10重量部、
シリカ 0~1重量部、
を含む成分からなり、
前記第1の塗布層及び第2の塗布層は、それぞれ独立して、塩素化ポリプロピレン塗布層又は反応型ポリウレタン塗布層から選ばれるポリプロピレン複合フィルムを提供する。
好ましくは、前記第1のポリプロピレンフィルムの第1の塗布層と接触していない側に、さらに、接着層を含む。
好ましくは、前記第2のポリプロピレンフィルムとポリウレタン塗布層との間に、さらに、塩素化ポリプロピレン塗布層又は反応型ポリウレタン塗布層である第3の塗布層が設けられている。
好ましくは、前記第2のポリプロピレンフィルムは、
ポリプロピレン 20~50重量部、
ポリオレフィン系エラストマー 20~45重量部、
ポリエチレン 30~60重量部、
エチレン-酢酸ビニル共重合体 0~10重量部、
架橋剤 0.5~10重量部、
シリカ 0~1重量部、
を含む成分からなる。
【0006】
本発明は、ポリプロピレン20~50重量部、ポリオレフィン系エラストマー20~45重量部、ポリエチレン30~60重量部、エチレン-酢酸ビニル共重合体0~10重量部、架橋剤0.5~10重量部、シリカ0~1重量部を含む成分が放射線架橋によって形成されたポリプロピレンフィルムを提供する。従来技術と比較して、本発明は、主素材であるポリプロピレン、ポリオレフィン系エラストマー及びポリエチレンの含有量を制御、調整することによりポリプロピレンフィルムの真空成形温度を低減させるとともに、放射線改質により、各高分子の分子鎖は架橋し互に絡み合うことで、ポリプロピレンフィルムの溶融強度を向上させるとともに、高温真空成形時に分子鎖の移動が困難になり、真空成形後の製品は割れが起こりにくく、製品の表面模様が浅くなったり、消えたりすることも起こりにくくなる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施例における技術案は、本発明の実施例と組み合わせて明確かつ完全に説明するが、説明される実施例は、本発明の実施例の一部にすぎず、すべての実施例ではないことは明らかである。本発明の実施例に基づいて、創造的な努力をすることなく当業者によって得られる他のすべての実施例は、いずれも本発明の保護範囲内にある。
【0008】
本発明は、
ポリプロピレン 20~50重量部、
ポリオレフィン系エラストマー 20~45重量部、
ポリエチレン 30~60重量部、
エチレン-酢酸ビニル共重合体 0~10重量部、
架橋剤 0.5~10重量部、
シリカ 0~1重量部、
を含む成分が放射線改質によって形成されたポリプロピレンフィルムを提供する。
本発明は、すべての原材料の供給源に特別に制限はなく、市販として入手可能である。
【0009】
前記ポリプロピレンは、当業者に周知のポリプロピレンであっていてもよく、特に制限はないが、本発明において、共重合ポリプロピレンであることが好ましく、前記ポリプロピレンのメルトフローレートは、2~5g/10minであることが好ましく、前記ポリプロピレンの含有量は、20~40重量部であることが好ましく、20~30重量部であることがより好ましく、20~25重量部であることがさらに好ましい。
ポリオレフィン系エラストマーは、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)とも呼ばれ、ゴムとポリオレフィン樹脂からなり2相分離を示すポリマー混合物であり、前記ゴムはエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ニトリルゴム(NBR)又はブチルゴム(IIR)から選ばれるいずれか1つ又は少なくとも2つの混合物である、本発明において、前記ポリオレフィン系エラストマーは、EPDMとPPからなり2相分離を示す重合物の混合物であるPP/EPDM熱可塑性エラストマーであることが好ましく、PP材料の高強度及びEPDMのゴム弾性を兼ね備える。前記PPとEPDMとの質量比は、(90:10)~(55:45)であることが好ましく、(85:15)~(65:35)であることがより好ましい。前記ポリオレフィン系エラストマーは、単独で1種であってもよく、複数種であってもよく、製品の柔らかさ及び硬度の調整を容易にするために、硬度の異なるポリオレフィンの混合物であることが好ましく、ショアA硬度が60~90のポリオレフィン系エラストマー及びショアD硬度が25~50のポリオレフィン系エラストマーを含むことがより好ましく、両方の質量比は、9:1~7:3であることが好ましい。本発明で提供されるポリプロピレンフィルムにおける前記ポリオレフィン系エラストマーの含有量は、25~45重量部であることが好ましく、30~40重量部であることがより好ましい。
【0010】
前記ポリエチレンは、当業者に周知のポリエチレンであればよく、特に制限はないが、本発明では、低密度ポリエチレンであることが好ましい。前記低密度ポリエチレンとは、主鎖に1000個の炭素原子あたり数個の分岐のみを持ち、密度が、通常、0.912~0.940g/cmであるポリエチレンを指し、前記ポリエチレンのメルトフローレート(MFR)は、0.5~20g/10minであることが好ましく、0.9~15g/10minであることがより好ましく、1~10g/10minであることがさらに好ましく、0.8~5g/10minであることが最も好ましい。前記ポリエチレンの含有量は、35~55重量部であることが好ましく、35~50重量部であることがより好ましく、40~45重量部であることがさらに好ましい。
本発明で提供されるポリプロピレンフィルムにおいて、さらに、エチレン-酢酸ビニル共重合体を含んでよい。前記エチレン-酢酸ビニル共重合体は、当業者に周知のエチレン-酢酸ビニル共重合体であればよく、特に制限はないが、エチレンと酢酸ビニルとを共重合して得られる熱可塑性樹脂であり、本発明に係るエチレン-酢酸ビニル共重合体における酢酸ビニルのモル含有量は、15~30%であることが好ましく、前記エチレン-酢酸ビニル共重合体のメルトフローレート(MFR)は、0.5~4g/10minであることが好ましく、前記エチレン-酢酸ビニル共重合体の硬度は、Shord D 25~40であることが好ましく、前記エチレン-酢酸ビニル共重合体の含有量は、1~8重量部であることが好ましく、2~6重量部であることがより好ましい。
【0011】
ポリプロピレン及びポリエチレンは、電子線を照射される時に放射線分解が優位を占めるが、架橋剤の添加により、製品が電子線照射される時に架橋剤作用により分子鎖が架橋するので、放射線分解の可能性を大きく低減させ、製品が電子線照射される時に放射線架橋が優位を占め、製品はある程度の架橋を経た後、真空成形成形中に、真空成形割れが発生しにくい。前記架橋剤は、当業者に周知の架橋剤であればよく、特に制限はないが、本発明では、二官能性又は多官能性化合物であることが好ましく、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、ジメチロールプロパンジメタクリレート(DMPDMA)、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、シアヌル酸トリアリル(TAC)及びジエチレングリコールジメタクリレート(DEGDMA)からの1つ又は複数であることがより好ましく、前記架橋剤の含有量は、1~8重量部であることが好ましく、2~6重量部であることがより好ましい。
【0012】
配合全体の成分において、わずかに析出するいくつかの小さな分子がある可能性があるため、シリカを添加する必要があり、わずかな析出を吸着でき、カレンダー加工に寄与し、前記シリカの含有量は、0.1~0.8重量部であることが好ましく、0.1~0.6重量部であることがより好ましく、0.2~0.4重量部であることがさらに好ましい。
【0013】
本発明によれば、さらに、好ましくは、炭酸カルシウムを1~10重量部、より好ましくは2~8重量部、さらに好ましくは2~6重量部含み、炭酸カルシウムの使用は少量であり、主に、少量の強化機能を発揮するが、一定量を超えると性能が低下する。
ポリプロピレンフィルムの安定性を向上させるため、さらに、好ましくは安定剤を0.1~1重量部、より好ましくは0.2~0.8重量部、さらに好ましく0.4~0.6重量部を含む。前記安定剤は、当業者に周知の安定剤であればよく、特に制限はないが、本発明では、ヒンダードアミン系光安定剤及び/又は紫外線吸収剤であることが好ましく、ポリプロピレンフィルムの光安定剤を向上させ、経年劣化を遅らせることができる。前記ヒンダードアミン系光安定剤は、当業者に周知のヒンダードアミン系光安定剤であればよく、特に制限はないが、本発明では、光安定剤622、光安定剤770及び光安定剤944からの1つ又は複数であることが好ましく、前記紫外線吸収剤は、当業者に周知の紫外線吸収剤であればよく、特に制限はないが、本発明では、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤及び/又はベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であることが好ましい。
【0014】
本発明によれば、さらに、好ましくは外部潤滑剤を0.2~1.8重量部、より好ましくは0.4~1.5重量部、さらに好ましく0.8~1重量部含み、前記外部潤滑剤は、当業者に周知の外部潤滑剤であればよく、特に制限はないが、本発明では、金属石鹸類潤滑剤及び/又は脂肪酸塩類潤滑剤であることが好ましく、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛及びステアリン酸鉛の1つ又は複数であることがより好ましい。外部潤滑剤は、重合物との相溶性が悪く、溶融物から容易に外側に移動するため、プラスチック溶融物と金属の界面に薄い潤滑層を形成して、金属ローラーへの付着を防止ことができる。
【0015】
本発明によれば、さらに、高分子量シリコーン0.3~1.5重量部を含むことが好ましく、より好ましくは0.5~1重量部である。高分子シリコーンは、外部潤滑剤を助け、過剰な外部潤滑剤による析出を抑制することができる。
【0016】
本発明が提供するポリプロピレンフィルムは、さらに、顔料0.1~10重量部を含むことが好ましく、前記顔料は、当業者に周知の顔料であればよく、特に制限はないが、本発明では、カーボンブラック、フタロシアニン系顔料、インドール類などの複素環系顔料、酸化チタンなどであってもよい。
【0017】
本発明が提供するポリプロピレンフィルムは、当業者に周知の方法で調製すればよく、特に制限はないが、本発明では、カレンダー法により調製することが好ましく、上記ポリプロピレン、ポリオレフィン系エラストマー、ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、架橋剤及びシリカなどの成分を混合し、カレンダー法により製造して得られる。例えば、ポリプロピレン、ポリオレフィン系エラストマー、ポリエチレン及びエチレン-酢酸ビニル共重合体を高速ミキサーに加えて撹拌し、さらに、架橋剤、シリカ及び任意に選択されてもよい成分を加え、均一に撹拌した後、原料を密閉式混練機に投与し、密閉式混練機で予備溶融した後、2本ロールミルへ送り精錬を行い、ろ過した後、カレンダーロールに入れて、カレンダー成形によりフィルムを形成し、最後に低エネルギー電子ビーム照射を行い、ポリプロピレンフィルムを得、前記カレンダーの温度は、160℃~190℃であることが好ましく、前記照射エネルギーは、200~500kVであることが好ましく、200~400kVであることがより好ましく、200~300kVであることがさらに好ましく、250kVであることが最も好ましく、前記照射線量は、40~100kGyであることが好ましく、照射線量を設定した後、装置の動作速度に応じて電子線密度を調整することができる。
【0018】
本発明は、主素材であるポリプロピレン、ポリオレフィン系エラストマー及びポリエチレンの含有量によりポリプロピレンフィルムの真空成形温度を低減させるとともに、放射線改質により、各重合物の分子鎖が架橋し、互に絡み合うことで、ポリプロピレンフィルムの溶融強度を向上させるとともに、高温真空成形時に、分子鎖の移動が困難になり、真空成形後の製品の表面模様が浅くなったり、消えたりすることも起こりにくくなる。
【0019】
本発明は、さらに、
第1のポリプロピレンフィルム、
第1の塗布層、
印刷層、
第2の塗布層、
第2のポリプロピレンフィルム、
ポリウレタン塗布層が順に設けられた複合フィルムが放射線架橋によって得られるポリプロピレン複合フィルムであって、
前記第1のポリプロピレンフィルムは、
ポリプロピレン 10~30重量部、
ポリオレフィン系エラストマー 20~45重量部、
ポリエチレン 30~60重量部、
エチレン-酢酸ビニル共重合体 0~10重量部、
架橋剤 0.5~10重量部、
シリカ 0~1重量部、
を含む成分からなり、
前記第1の塗布層及び第2の塗布層は、それぞれ独立して、塩素化ポリプロピレン塗布層又は反応型ポリウレタン塗布層から選ばれるポリプロピレン複合フィルムを提供する。
ここで、本発明は、すべての原材料の供給源に特別に制限はなく、市販として入手可能である。
【0020】
前記第1のポリプロピレンフィルムは、上記ポリプロピレンフィルムと同じであるため、ここでは贅言しない。前記第1のポリプロピレンフィルムの厚さは、0.05~0.5mmであることが好ましく、0.1~0.3mmであることがより好ましく、0.1~0.2mmであることがさらに好ましい。本発明によれば、前記第1のポリプロピレンフィルムは、第1の塗布層相と接触していない側にさらに接着層が設けられ、前記接着層は当業者に周知の接着層であればよく、特に制限はないが、本発明では、熱硬化性接着層又はホットメルト接着剤層であることが好ましく、接着層は、ポリプロピレン複合フィルムを装飾フィルムとして木製板材、鋼板などの部品と真空成形成形する際に、強固に貼り合わせることができ、前記接着層の湿式塗布量は、15~30g/mであることが好ましい。
前記第1のポリプロピレンフィルムには、第1の塗布層が設けられている。ポリプロピレンフィルムは非極性であり、印刷層は極性であるため、両方は非相容であり、強固に貼り合わせていないので、可溶化剤として機能する第1の塗布層を塗布する必要があり、前記第1の塗布層の湿式塗布量は、7~20g/mであることが好ましい。第1のポリプロピレンフィルムと第1の塗布層との間の接着力を向上させるために、前記第1のポリプロピレンフィルムは、表面処理を施すことが好ましく、前記表面処理の方法は、当業者に周知の方法であればよく、特に制限はないが、本発明では、コロナ処理、火炎処理及びプラズマ表面処理の1つ又は複数であることが好ましく、表面処理した後、第1のポリプロピレンフィルム表面に活性基又は遊離基を生成し、第1の塗布層材料と反応しやすく、第1の塗布層の付着力を高める。前記第1の塗布層は、塩素化ポリプロピレン塗布層又は反応型ポリウレタン塗布層であることが好ましい。前記塩素化ポリプロピレン(CPP)塗布層は、当業者に周知の塩素化ポリプロピレン塗布層であればよく、特に制限はないが、CPP構造には、塩素(-Cl-)基を持ち、極性があり、極性印刷層と緊密に結合することができ、分子構造では非極性のプロピレン基と非極性の第1のポリプロピレンフィルムが緊密に結合し、CPPは相溶化剤として機能する。前記反応型ポリウレタン塗布層は、当業者に周知の反応型ポリウレタン塗布層であればよく、特に制限はないが、水性であってもよく油性であってもよく、反応型ポリウレタン塗布層は、第1のポリプロピレンフィルムの前処理によって生成した活性基又は遊離基と化学的に反応して化学結合を形成し連結し、良好な付着力を実現する。
【0021】
前記印刷層は、当業者に周知の印刷層であればよく、特に制限はないが、主に印刷着色させる役割を果す。
印刷層は、使用中に摩耗や脱落が発生しやすいため、印刷層を保護するために第2のポリプロピレンフィルムを貼り合わせる必要がある。前記印刷層は第2のポリプロピレンフィルムと同様に上記非相溶性の問題があるため、前記印刷層には、第2の塗布層が設けられ、前記第2の塗布層の湿式塗布量は、7~20g/mであることが好ましく、前記第2の塗布層は、塩素化ポリプロピレン塗布層又は反応型ポリウレタン塗布層であることが好ましく、前記塩素化ポリプロピレンの塗布層及び反応型ポリウレタンの塗布層はいずれも上記と同じであり、ここでは贅言しない。
前記第2のポリプロピレンフィルムは、透明なポリプロピレンフィルムであることが好ましく、前記ポリプロピレンフィルムは上記と同じであり、ここでは贅言しない、前記第2のポリプロピレンフィルムの厚さは、0.04~0.2mmであることが好ましく、0.04~0.1mmであることがより好ましく、第2のポリプロピレンフィルムと第2の塗布層との間の接着力を向上させるため、前記第2のポリプロピレンフィルムは、表面処理後にさらに第2の塗布層と貼り合わせることが好ましく、前記表面処理の方法は上記と同じであり、ここでは贅言しない。
【0022】
前記第2のポリプロピレンフィルムには、複合フィルム表面の耐スクラッチ性を向上させるためにポリウレタン塗布層が設けられ、ポリウレタン塗布層の耐スクラッチ性及び第2のポリプロピレンフィルムの耐溶剤性及び真空成形性を利用して、一緒に印刷層を保護する。前記第2のポリプロピレンフィルムは、表面処理した後、さらにポリウレタン塗布層を塗布することが好ましく、前記表面処理の方法は上記と同じであり、ここでは贅言しない。前記ポリウレタン塗布層は、当業者に周知のポリウレタン塗布層であればよく、特に制限はないが、本発明では、水性ポリカーボネート系ポリウレタン塗料であることが好ましく、前記ポリウレタン塗布層の湿式塗布量は、7~20g/mであることが好ましい。
前記第2のポリプロピレンフィルムとポリウレタン塗布層との間には、第2のポリプロピレンフィルムとポリウレタン塗布層との間の結合を強化するため、さらに第3の塗布層も設けられることが好ましく、前記第2のポリプロピレンフィルムは、表面処理した後、さらに第3の塗布層が塗布することが好ましく、前記表面処理の方法は上記と同じであり、ここでは贅言しない。前記第3の塗布層は塩素化ポリプロピレン塗布層又は反応型ポリウレタン塗布層であり、前記塩素化ポリプロピレン塗布層及び反応型ポリウレタン塗布層はいずれも上記と同じであり、ここでは贅言しない。前記第3の塗布層の湿式塗布量は、7~20g/mであることが好ましい。
【0023】
上記複合フィルムを形成した後、複合フィルムに照射処理を施し、ポリプロピレン複合フィルムを得、前記照射処理の方法は、当業者に周知の方法であればよく、特に制限はないが、本発明では、低エネルギー電子ビーム照射であることが好ましく、前記照射エネルギーは、200~500kVであることが好ましく、200~400kVであることがより好ましく、200~300kVであることがさらに好ましく、250kVであることが最も好ましく、前記照射線量は、40~100kGyであることが好ましく、照射線量を設定した後、装置は装置の動作速度に応じて電子ビーム密度を調整できる。
本発明は、主素材であるポリプロピレン、ポリオレフィン系エラストマー及ポリエチレンの含有量によりポリプロピレンフィルムの真空成形温度を低減させるとともに、放射線改質した後、各重合物分子鎖が架橋し、互に絡み合うため、ポリプロピレンフィルムの溶融強度を向上させ、且つ、高温真空成形時に分子鎖の移動が困難になり、真空成形後の製品表面模様が浅くなったり消えたりすることが起こりにくくなる。また、溶融強度が高くなるため、真空成形時に引張変形が高くなり、引張変形が大きいコーナー位置でも割れにくくなる。
【0024】
なお、本発明の説明書、特許請求の範囲及び上記の図面に係る「第1」、「第2」という用語などは、類似する対象を区別するために使用され、特定の順序またはシーケンスを説明するために使用される必要はない。このように使用されるデータは、本明細書に記載される本発明の実施例が適切であるように適切な状況下で交換することができることを理解すべきである。さらに、「含む」及び「有する」という用語、並びにそれらの任意の変更は、非排他的な包含物をカバーすることを目的とし、例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品又は装置は、明確に例示されたステップ又はユニットに必ずしも限定されなく、明確に例示されていないか、又はそれらのプロセス、方法、製品又は装置に固有する他のステップ又はユニットを含むことができる。
【実施例
【0025】
以下、本発明をさらに説明するために、実施例を組み合わせて本発明が提供するポリプロピレンフィルム、ポリプロピレン複合フィルムを詳しく説明する。
以下の実施例で使用される試薬はすべて市販されるものである。
【0026】
実施例1
ポリプロピレン 20重量部(メルトフローレート2.0g/10min)、ポリオレフィン系エラストマー 20重量部(PPとEPDMとの質量比90:10、ショアA硬度60のポリオレフィン系エラストマーとショアD硬度25のポリオレフィン系エラストマーとの質量比9:1)、及び低密度ポリエチレン 60重量部(メルトフローレート0.5g/10min)を高速ミキサーで撹拌し、その後、TMPTA 0.5重量部を加え、均一に撹拌した後、原料を最初に密閉式混練機で溶融した後、2本ロールミルに入れて精錬を行い、ろ過した後、カレンダーロールに入れて、170℃のカレンダーにかけられ、成膜し、最後、フィルムに低エネルギー電子ビームをエネルギー250kV、放射線量40kGyで照射し、ポリプロピレンフィルムを得た。
実施例1で得られたポリプロピレンフィルムの性能を試験した結果は、表1に示した。
【0027】
実施例2
ポリプロピレン 20重量部(メルトフローレート2.0g/10min)、ポリオレフィン系エラストマー 30重量部(PPとEPDMとの質量比85:15、ショアA硬度60のポリオレフィン系エラストマーとショアD硬度50のポリオレフィン系エラストマーとの質量比9:1)、及び低密度ポリエチレン50重量部(メルトフローレート 0.5g/10min)を高速ミキサーで撹拌し、その後、TMPTA 1重量部を加え、均一に撹拌した後、原料を最初に密閉式混練機で溶融した後、2本ロールミルに入れて精錬を行い、ろ過した後、カレンダーロールに入れて、170℃のカレンダーにかけられて成膜し、最後、フィルムに低エネルギー電子ビームをエネルギー250kV、放射線量40kGyで照射し、ポリプロピレンフィルムを得た。
実施例2で得られたポリプロピレンフィルムの性能を試験した結果は、表1に示した。
【0028】
実施例3
ポリプロピレン 20重量部(メルトフローレート2.0g/10min)、ポリオレフィン系エラストマー 45重量部(PPとEPDMとの質量比65:35、ショアA硬度70のポリオレフィン系エラストマーとショアD硬度25のポリオレフィン系エラストマーとの質量比9:1)及び低密度ポリエチレン 35重量部(メルトフローレート 0.5g/10min)を高速ミキサーで撹拌し、その後、TMPTA 0.5重量部を加え、均一に撹拌した後、原料を最初に密閉式混練機で溶融した後、2本ロールミルに入れて精錬を行い、ろ過した後、カレンダーロールに入れて、170℃のカレンダーにかけられて成膜し、最後、フィルムに低エネルギー電子ビームをエネルギー250kV、放射線量40kGyで照射し、ポリプロピレンフィルムを得た。
実施例3で得られたポリプロピレンフィルムの性能を試験した結果は、表1に示した。
【0029】
実施例4
ポリプロピレン 25重量部(メルトフローレート2.5g/10min)、ポリオレフィン系エラストマー 45重量部(PPとEPDMとの質量比90:10、ショアA硬度80のポリオレフィン系エラストマーとショアD硬度30のポリオレフィン系エラストマーとの質量比9:1)及び低密度ポリエチレン30重量部(メルトフローレート 2g/10min)を高速ミキサーで撹拌し、その後、TMPTA 0.5重量部を加え、均一に撹拌した後、原料を最初に密閉式混練機で溶融した後、2本ロールミルに入れて精錬を行い、ろ過した後、カレンダーロールに入れて、170℃のカレンダーにかけられて成膜し、最後、フィルムに低エネルギー電子ビームをエネルギー250kV、放射線量40kGyで照射し、ポリプロピレンフィルムを得た。
実施例4で得られたポリプロピレンフィルムの性能を試験した結果は、表1に示した。
【0030】
実施例5
ポリプロピレン 35重量部(メルトフローレート2.5g/10min)、ポリオレフィン系エラストマー 20重量部(PPとEPDMとの質量比55:45、ショアA硬度90のポリオレフィン系エラストマーとショアD硬度50のポリオレフィン系エラストマーとの質量比9:1)及び低密度ポリエチレン45重量部(メルトフローレート 3g/10min)を高速ミキサーで撹拌し、その後、TMPTA 0.5重量部を加え、均一に撹拌した後、原料を最初に密閉式混練機で溶融した後、2本ロールミルに入れて精錬を行い、ろ過した後、カレンダーロールに入れて、170℃のカレンダーにかけられて成膜し、最後、フィルムに低エネルギー電子ビームをエネルギー250kV、放射線量40kGyで照射し、ポリプロピレンフィルムを得た。
実施例5で得られたポリプロピレンフィルムの性能を試験した結果は、表1に示した。
【0031】
実施例6
ポリプロピレン 35重量部(メルトフローレート2.5g/10min)、ポリオレフィン系エラストマー 35重量部(PPとEPDMとの質量比90:10、ショアA硬度90のポリオレフィン系エラストマーとショアD硬度30のポリオレフィン系エラストマーとの質量比9:1)及び低密度ポリエチレン 30重量部(メルトフローレート 3g/10min)を高速ミキサーで撹拌し、その後、TMPTA 0.5重量部を加え、均一に撹拌した後、原料を最初に密閉式混練機で溶融した後、2本ロールミルに入れて精錬を行い、ろ過した後、カレンダーロールに入れて、170℃のカレンダーにかけられて成膜し、最後、フィルムに低エネルギー電子ビームをエネルギー250kV、放射線量40kGyで照射し、ポリプロピレンフィルムを得た。
実施例6で得られたポリプロピレンフィルムの性能を試験した結果は、表1に示した。
【0032】
実施例7
ポリプロピレン 45重量部(メルトフローレート3.0g/10min)、ポリオレフィン系エラストマー 20重量部(PPとEPDMとの質量比90:10、ショアA硬度70のポリオレフィン系エラストマーとショアD硬度50のポリオレフィン系エラストマーとの質量比8:2)及び低密度ポリエチレン 35重量部(メルトフローレート 10g/10min)を高速ミキサーで撹拌し、その後、TMPTA 0.5重量部を加え、均一に撹拌した後、原料を最初に密閉式混練機で溶融した後、2本ロールミルに入れて精錬を行い、ろ過した後、カレンダーロールに入れて、170℃のカレンダーにかけられて成膜し、最後、フィルムに低エネルギー電子ビームをエネルギー250kV、放射線量40kGyで照射し、ポリプロピレンフィルムを得た。
実施例7で得られたポリプロピレンフィルムの性能を試験した結果は、表1に示した。
【0033】
実施例8
ポリプロピレン 45重量部(メルトフローレート3.0g/10min)、ポリオレフィン系エラストマー 25重量部(PPとEPDMとの質量比90:10、ショアA硬度80のポリオレフィン系エラストマーとショアD硬度50のポリオレフィン系エラストマーとの質量比8:2)及び低密度ポリエチレン 30重量部(メルトフローレート 0.5g/10min)を高速ミキサーで撹拌し、その後、TMPTA 0.5重量部を加え、均一に撹拌した後、原料を最初に密閉式混練機で溶融した後、2本ロールミルに入れて精錬を行い、ろ過した後、カレンダーロールに入れて、170℃のカレンダーにかけられて成膜し、最後、フィルムに低エネルギー電子ビームをエネルギー250kV、放射線量40kGyで照射し、ポリプロピレンフィルムを得た。
実施例8で得られたポリプロピレンフィルムの性能を試験した結果は、表1に示した。
【0034】
実施例9
ポリプロピレン 50重量部(メルトフローレート3.0g/10min)、ポリオレフィン系エラストマー 20重量部(PPとEPDMとの質量比90:10、ショアA硬度60のポリオレフィン系エラストマーとショアD硬度50のポリオレフィン系エラストマーとの質量比8:2)及び30重量部の低密度ポリエチレン(メルトフローレート 0.5g/10min)を高速ミキサーで撹拌し、その後、TMPTA 5重量部を加え、均一に撹拌した後、原料を最初に密閉式混練機で溶融した後、2本ロールミルに入れて精錬を行い、ろ過した後、カレンダーロールに入れて、170℃のカレンダーにかけられて成膜し、最後、フィルムに低エネルギー電子ビームをエネルギー250kV、放射線量40kGyで照射し、ポリプロピレンフィルムを得た。
実施例9で得られたポリプロピレンフィルムの性能を試験した結果は、表1に示した。
【0035】
実施例10
ポリプロピレン 20重量部(メルトフローレート3.0g/10min)、ポリオレフィン系エラストマー 20重量部(PPとEPDMとの質量比90:10、ショアA硬度60のポリオレフィン系エラストマーとショアD硬度25のポリオレフィン系エラストマーとの質量比8:2)、低密度ポリエチレン 60重量部(メルトフローレート 0.5g/10min)及びエチレン-酢酸ビニル共重合体 1重量部(MFR 0.5g/10min)を高速ミキサーで撹拌し、その後、TMPTA 2重量部を加え、均一に撹拌した後、原料を最初に密閉式混練機で溶融した後、2本ロールミルに入れて精錬を行い、ろ過した後、カレンダーロールに入れて、170℃のカレンダーにかけられて成膜し、最後、フィルムに低エネルギー電子ビームをエネルギー250kV、放射線量40kGyで照射し、ポリプロピレンフィルムを得た。
実施例10で得られたポリプロピレンフィルムの性能を試験した結果は、表1に示した。
【0036】
実施例11
ポリプロピレン 20重量部(メルトフローレート3.8g/10min)、ポリオレフィン系エラストマー 30重量部(PPとEPDMとの質量比90:10、ショアA硬度60のポリオレフィン系エラストマーとショアD硬度50のポリオレフィン系エラストマーとの質量比8:2)、低密度ポリエチレン 50重量部(メルトフローレート 0.5g/10min)及びエチレン-酢酸ビニル共重合体 2重量部(MFR 2g/10min)を高速ミキサーで撹拌し、その後、TMPTA 8重量部を加え、均一に撹拌した後、原料を最初に密閉式混練機で溶融した後、2本ロールミルに入れて精錬を行い、ろ過した後、カレンダーロールに入れて、170℃のカレンダーにかけられて成膜し、最後、フィルムに低エネルギー電子ビームをエネルギー250kV、放射線量40kGyで照射し、ポリプロピレンフィルムを得た。
実施例11で得られたポリプロピレンフィルムの性能を試験した結果は、表1に示した。
【0037】
実施例12
ポリプロピレン 20重量部(メルトフローレート3.8g/10min)、ポリオレフィン系エラストマー 45重量部(PPとEPDMとの質量比90:10、ショアA硬度70のポリオレフィン系エラストマーとショアD硬度25のポリオレフィン系エラストマーとの質量比8:2)、低密度ポリエチレン 35重量部(メルトフローレート 0.5g/10min)及びエチレン-酢酸ビニル共重合体 6重量部(MFR 2g/10min)を高速ミキサーで撹拌し、その後、TMPTA 0.5重量部及びシリカ 0.5重量部を加え、均一に撹拌した後、原料を最初に密閉式混練機で溶融した後、2本ロールミルに入れて精錬を行い、ろ過した後、カレンダーロールに入れて、170℃のカレンダーにかけられて成膜し、最後、フィルムに低エネルギー電子ビームをエネルギー250kV、放射線量40kGyで照射し、ポリプロピレンフィルムを得た。
実施例12で得られたポリプロピレンフィルムの性能を試験した結果は、表1に示した。
【0038】
実施例13
ポリプロピレン 25重量部(メルトフローレート3.8g/10min)、ポリオレフィン系エラストマー 45重量部(PPとEPDMとの質量比90:10、ショアA硬度80のポリオレフィン系エラストマーとショアD硬度30のポリオレフィン系エラストマーとの質量比8:2)、低密度ポリエチレン 30重量部(メルトフローレート 0.5g/10min)及びエチレン-酢酸ビニル共重合体 8重量部(MFR 2g/10min)を高速ミキサーで撹拌し、その後、TMPTA 0.5重量部及びシリカ 1重量部を加え、均一に撹拌した後、原料を最初に密閉式混練機で溶融した後、2本ロールミルに入れて精錬を行い、ろ過した後、カレンダーロールに入れて、170℃のカレンダーにかけられて成膜し、最後、フィルムに低エネルギー電子ビームをエネルギー250kV、放射線量40kGyで照射し、ポリプロピレンフィルムを得た。
実施例13で得られたポリプロピレンフィルムの性能を試験した結果は、表1に示した。
【0039】
実施例14
ポリプロピレン 35重量部(メルトフローレート3.8g/10min)、ポリオレフィン系エラストマー 20重量部(PPとEPDMとの質量比90:10、ショアA硬度90のポリオレフィン系エラストマーとショアD硬度50のポリオレフィン系エラストマーとの質量比8:2)、低密度ポリエチレン 45重量部(メルトフローレート 5g/10min)及びエチレン-酢酸ビニル共重合体 4重量部(MFR 4g/10min)を高速ミキサーで撹拌し、その後、TMPTA 0.5重量部、シリカ 0.5重量部及び炭酸カルシウム 1重量部を加え、均一に撹拌した後、原料を最初に密閉式混練機で溶融した後、2本ロールミルに入れて精錬を行い、ろ過した後、カレンダーロールに入れて、170℃のカレンダーにかけられて成膜し、最後、フィルムに低エネルギー電子ビームをエネルギー250kV、放射線量40kGyで照射し、ポリプロピレンフィルムを得た。
実施例14で得られたポリプロピレンフィルムの性能を試験した結果は、表1に示した。
【0040】
実施例15
ポリプロピレン 35重量部(メルトフローレート5.0g/10min)、ポリオレフィン系エラストマー 35重量部(PPとEPDMとの質量比90:10、ショアA硬度90のポリオレフィン系エラストマーとショアD硬度30のポリオレフィン系エラストマーとの質量比7:3)、低密度ポリエチレン 30重量部(メルトフローレート 10g/10min)与4重量部的エチレン-酢酸ビニル共重合体(MFR 4g/10min)を高速ミキサーで撹拌し、その後、TMPTA 0.5重量部、シリカ 0.5重量部及び炭酸カルシウム 6重量部を加え、均一に撹拌した後、原料を最初に密閉式混練機で溶融した後、2本ロールミルに入れて精錬を行い、ろ過した後、カレンダーロールに入れて、170℃のカレンダーにかけられて成膜し、最後、フィルムに低エネルギー電子ビームをエネルギー250kV、放射線量40kGyで照射し、ポリプロピレンフィルムを得た。
実施例15で得られたポリプロピレンフィルムの性能を試験した結果は、表1に示した。
【0041】
実施例16
ポリプロピレン 45重量部(メルトフローレート5.0g/10min)、ポリオレフィン系エラストマー 20重量部(PPとEPDMとの質量比90:10、ショアA硬度70のポリオレフィン系エラストマーとショアD硬度50のポリオレフィン系エラストマーとの質量比7:3)、低密度ポリエチレン 35重量部(メルトフローレート 5g/10min)及びエチレン-酢酸ビニル共重合体 1重量部(MFR 4g/10min)を高速ミキサーで撹拌し、その後、TMPTA 0.5重量部、シリカ 0.5重量部及び炭酸カルシウム 10重量部を加え、均一に撹拌した後、原料を最初に密閉式混練機で溶融した後、2本ロールミルに入れて精錬を行い、ろ過した後、カレンダーロールに入れて、170℃のカレンダーにかけられて成膜し、最後、フィルムに低エネルギー電子ビームをエネルギー250kV、放射線量40kGyで照射し、ポリプロピレンフィルムを得た。
実施例16で得られたポリプロピレンフィルムの性能を試験した結果は、表1に示した。
【0042】
実施例17
ポリプロピレン 45重量部(メルトフローレート5.0g/10min)、ポリオレフィン系エラストマー 25重量部(PPとEPDMとの質量比90:10、ショアA硬度80のポリオレフィン系エラストマーとショアD硬度50のポリオレフィン系エラストマーとの質量比7:3)、低密度ポリエチレン 30重量部(メルトフローレート 0.5g/10min)及びエチレン-酢酸ビニル共重合体 2重量部(MFR 2g/10min)を高速ミキサーで撹拌し、その後、TMPTA 0.5重量部、シリカ 0.5重量部、炭酸カルシウム 2重量部及び光安定剤622 0.1重量部を加え、均一に撹拌した後、原料を最初に密閉式混練機で溶融した後、2本ロールミルに入れて精錬を行い、ろ過した後、カレンダーロールに入れて、170℃のカレンダーにかけられて成膜し、最後、フィルムに低エネルギー電子ビームをエネルギー250kV、放射線量40kGyで照射し、ポリプロピレンフィルムを得た。
実施例17で得られたポリプロピレンフィルムの性能を試験した結果は、表1に示した。
【0043】
実施例18
ポリプロピレン 25重量部(メルトフローレート5.0g/10min)、ポリオレフィン系エラストマー 45重量部(PPとEPDMとの質量比90:10、ショアA硬度80のポリオレフィン系エラストマーとショアD硬度30のポリオレフィン系エラストマーとの質量比7:3)、低密度ポリエチレン 30重量部(メルトフローレート 0.5g/10min)及びエチレン-酢酸ビニル共重合体 1重量部(MFR 0.5g/10min)を高速ミキサーで撹拌し、その後、TMPTA 0.5重量部、シリカ 0.5重量部、炭酸カルシウム 2重量部及び光安定剤622 1重量部を加え、均一に撹拌した後、原料を最初に密閉式混練機で溶融した後、2本ロールミルに入れて精錬を行い、ろ過した後、カレンダーロールに入れて、170℃のカレンダーにかけられて成膜し、最後、フィルムに低エネルギー電子ビームをエネルギー250kV、放射線量40kGyで照射し、ポリプロピレンフィルムを得た。
実施例18で得られたポリプロピレンフィルムの性能を試験した結果は、表1に示した。
【0044】
実施例19
ポリプロピレン 25重量部(メルトフローレート5.0g/10min)、ポリオレフィン系エラストマー 45重量部(PPとEPDMとの質量比90:10、ショアA硬度60のポリオレフィン系エラストマーとショアD硬度50のポリオレフィン系エラストマーとの質量比7:3)、低密度ポリエチレン 30重量部(メルトフローレート 0.5g/10min)及びエチレン-酢酸ビニル共重合体 6重量部(MFR 2g/10min)を高速ミキサーで撹拌し、その後、TMPTA 0.5重量部、シリカ 0.5重量部、炭酸カルシウム 2重量部、光安定剤622 0.4重量部及びステアリン酸カルシウム 0.2重量部を加え、均一に撹拌した後、原料を最初に密閉式混練機で溶融した後、2本ロールミルに入れて精錬を行い、ろ過した後、カレンダーロールに入れて、170℃のカレンダーにかけられて成膜し、最後、フィルムに低エネルギー電子ビームをエネルギー250kV、放射線量40kGyで照射し、ポリプロピレンフィルムを得た。
実施例19で得られたポリプロピレンフィルムの性能を試験した結果は、表1に示した。
【0045】
実施例20
ポリプロピレン 25重量部(メルトフローレート5.0g/10min)、ポリオレフィン系エラストマー 45重量部(PPとEPDMとの質量比90:10、ショアA硬度70のポリオレフィン系エラストマーとショアD硬度25のポリオレフィン系エラストマーとの質量比7:3)、低密度ポリエチレン 30重量部(メルトフローレート 0.5g/10min)及びエチレン-酢酸ビニル共重合体 6重量部(MFR 2g/10min)を高速ミキサーで撹拌し、その後、TMPTA 0.5重量部、シリカ 0.5重量部、炭酸カルシウム 2重量部、光安定剤622 0.4重量部及びステアリン酸カルシウム 1.8重量部を加え、均一に撹拌した後、原料を最初に密閉式混練機で溶融した後、2本ロールミルに入れて精錬を行い、ろ過した後、カレンダーロールに入れて、170℃のカレンダーにかけられて成膜し、最後、フィルムに低エネルギー電子ビームを、エネルギー250kV、放射線量100kGyで照射し、ポリプロピレンフィルムを得た。
実施例20で得られたポリプロピレンフィルムの性能を試験した結果は、表1に示した。
【0046】
実施例21
ポリプロピレン 25重量部(メルトフローレート5.0g/10min)、ポリオレフィン系エラストマー 45重量部(PPとEPDMとの質量比90:10、ショアA硬度70のポリオレフィン系エラストマーとショアD硬度25のポリオレフィン系エラストマーとの質量比7:3)、低密度ポリエチレン 30重量部(メルトフローレート 0.5g/10min)及びエチレン-酢酸ビニル共重合体 6重量部(MFR 2g/10min)を高速ミキサーで撹拌し、その後、TMPTA 0.5重量部、シリカ 0.5重量部、炭酸カルシウム 2重量部、光安定剤622 0.4重量部、ステアリン酸カルシウム 0.4重量部及び高分子シリコーン 0.3重量部を加え、均一に撹拌した後、原料を最初に密閉式混練機で溶融した後、2本ロールミルに入れて精錬を行い、ろ過した後、カレンダーロールに入れて、170℃のカレンダーにかけられて成膜し、最後、フィルムに低エネルギー電子ビームをエネルギー250kV、放射線量40kGyで照射し、ポリプロピレンフィルムを得た。
実施例21で得られたポリプロピレンフィルムの性能を試験した結果は、表1に示した。
【0047】
実施例22
ポリプロピレン 25重量部(メルトフローレート5.0g/10min)、ポリオレフィン系エラストマー 45重量部(PPとEPDMとの質量比90:10、ショアA硬度80のポリオレフィン系エラストマーとショアD硬度30のポリオレフィン系エラストマーとの質量比7:3)、低密度ポリエチレン 30重量部(メルトフローレート 0.5g/10min)及びエチレン-酢酸ビニル共重合体 8重量部(MFR 2g/10min)を高速ミキサーで撹拌し、その後、TMPTA 0.5重量部、シリカ 0.5重量部、炭酸カルシウム 2重量部、光安定剤622 0.4重量部、ステアリン酸カルシウム 0.8重量部及び高分子シリコーン 1.5重量部を加え、均一に撹拌した後、原料を最初に密閉式混練機で溶融した後、2本ロールミルに入れて精錬を行い、ろ過した後、カレンダーロールに入れて、170℃のカレンダーにかけられて成膜し、最後、フィルムに低エネルギー電子ビームをエネルギー250kV、放射線量60kGyで照射し、ポリプロピレンフィルムを得た。
実施例22で得られたポリプロピレンフィルムの性能を試験した結果は、表1に示した。
【0048】
実施例23
ポリプロピレン 25重量部(メルトフローレート5.0g/10min)、ポリオレフィン系エラストマー 25重量部(PPとEPDMとの質量比90:10、ショアA硬度80のポリオレフィン系エラストマーとショアD硬度30のポリオレフィン系エラストマーとの質量比7:2)、低密度ポリエチレン 30重量部(メルトフローレート 0.5g/10min)及びエチレン-酢酸ビニル共重合体 6重量部(MFR 2g/10min)を高速ミキサーで撹拌し、その後、TMPTA 0.5重量部、シリカ 0.5重量部、炭酸カルシウム 2重量部、光安定剤622 0.4重量部、ステアリン酸カルシウム 1重量部及び高分子シリコーン0.5重量部を加え、均一に撹拌した後、原料を最初に密閉式混練機で溶融した後、2本ロールミルに入れて精錬を行い、ろ過した後、カレンダーロールに入れて、170℃のカレンダーにかけられて成膜し、最後、フィルムに低エネルギー電子ビームをエネルギー250kV、放射線量80kGyで照射し、ポリプロピレンフィルムを得た。
実施例23で得られたポリプロピレンフィルムの性能を試験した結果は、表1に示した。
【0049】
実施例24
ポリプロピレン 25重量部(メルトフローレート5.0g/10min)、ポリオレフィン系エラストマー 35重量部(PPとEPDMとの質量比90:10)、低密度ポリエチレン 30重量部(メルトフローレート 0.5g/10min)及びエチレン-酢酸ビニル共重合体 4重量部(MFR 4g/10min)を高速ミキサーで撹拌し、その後、TMPTA 0.5重量部、シリカ 0.5重量部、炭酸カルシウム 2重量部、光安定剤622 0.4重量部、ステアリン酸カルシウム 0.8重量部及び高分子シリコーン 1重量部を加え、均一に撹拌した後、原料を最初に密閉式混練機で溶融した後、2本ロールミルに入れて精錬を行い、ろ過した後、カレンダーロールに入れて、170℃のカレンダーにかけられて成膜し、最後、フィルムに低エネルギー電子ビームをエネルギー250kV、放射線量60kGyで照射し、ポリプロピレンフィルムを得た。
実施例24で得られたポリプロピレンフィルムの性能を試験した結果は、表1に示した。
【0050】
比較例1
ポリプロピレン 15重量部(メルトフローレート5.0g/10min)、ポリオレフィン系エラストマー 25重量部(PPとEPDMとの質量比90:10、ショアA硬度60のポリオレフィン系エラストマーとショアD硬度25のポリオレフィン系エラストマーとの質量比7:3)及び低密度ポリエチレン 61重量部(メルトフローレート 0.5g/10min)を高速ミキサーで撹拌し、その後、TMPTA 0.5重量部を加え、均一に撹拌した後、原料を最初に密閉式混練機で溶融した後、2本ロールミルに入れて精錬を行い、ろ過した後、カレンダーロールに入れて、170℃のカレンダーにかけられて成膜し、最後、フィルムに低エネルギー電子ビームをエネルギー250kV、放射線量40kGyで照射し、ポリプロピレンフィルムを得た。
比較例1で得られたポリプロピレンフィルムの性能を試験した結果は、表1に示した。
【0051】
比較例2
ポリプロピレン 60重量部(メルトフローレート5.0g/10min)、ポリオレフィン系エラストマー 20重量部(PPとEPDMとの質量比90:10、ショアA硬度60のポリオレフィン系エラストマーとショアD硬度25のポリオレフィン系エラストマーとの質量比7:3)及び低密度ポリエチレン 20重量部(メルトフローレート 0.5g/10min)を高速ミキサーで撹拌し、その後、TMPTA 0.5重量部を加え、均一に撹拌した後、原料を最初に密閉式混練機で溶融した後、2本ロールミルに入れて精錬を行い、ろ過した後、カレンダーロールに入れて、170℃のカレンダーにかけられて成膜し、最後、フィルムに低エネルギー電子ビームをエネルギー250kV、放射線量40kGyで照射し、ポリプロピレンフィルムを得た。
比較例2で得られたポリプロピレンフィルムの性能を試験した結果は、表1に示した。
【0052】
比較例3
ポリプロピレン 20重量部(メルトフローレート5.0g/10min)、ポリオレフィン系エラストマー 19重量部(PPとEPDMとの質量比90:10、ショアA硬度60のポリオレフィン系エラストマーとショアD硬度25のポリオレフィン系エラストマーとの質量比7:3)及び低密度ポリエチレン 61重量部(メルトフローレート 0.5g/10min)を高速ミキサーで撹拌し、その後、TMPTA 0.5重量部を加え、均一に撹拌した後、原料を最初に密閉式混練機で溶融した後、2本ロールミルに入れて精錬を行い、ろ過した後、カレンダーロールに入れて、170℃のカレンダーにかけられて成膜し、最後、フィルムに低エネルギー電子ビームをエネルギー250kV、放射線量40kGyで照射し、ポリプロピレンフィルムを得た。
比較例3で得られたポリプロピレンフィルムの性能を試験した結果は、表1に示した。
【0053】
比較例4
ポリプロピレン 20重量部(メルトフローレート5.0g/10min)、ポリオレフィン系エラストマー 50重量部(PPとEPDMとの質量比90:10、ショアA硬度60のポリオレフィン系エラストマーとショアD硬度25のポリオレフィン系エラストマーとの質量比7:3)及び低密度ポリエチレン 30重量部(メルトフローレート 0.5g/10min)を高速ミキサーで撹拌し、その後、TMPTA 0.5重量部を加え、均一に撹拌した後、原料を最初に密閉式混練機で溶融した後、2本ロールミルに入れて精錬を行い、ろ過した後、カレンダーロールに入れて、170℃のカレンダーにかけられて成膜し、最後、フィルムに低エネルギー電子ビームをエネルギー250kV、放射線量40kGyで照射し、ポリプロピレンフィルムを得た。
比較例4で得られたポリプロピレンフィルムの性能を試験した結果は、表1に示した。
【0054】
比較例5
ポリプロピレン 50重量部(メルトフローレート5.0g/10min)、ポリオレフィン系エラストマー 25重量部(PPとEPDMとの質量比90:10、ショアA硬度60のポリオレフィン系エラストマーとショアD硬度25のポリオレフィン系エラストマーとの質量比7:3)及び低密度ポリエチレン 25重量部(メルトフローレート 0.5g/10min)を高速ミキサーで撹拌し、その後、TMPTA 0.5重量部を加え、均一に撹拌した後、原料を最初に密閉式混練機で溶融した後、2本ロールミルに入れて精錬を行い、ろ過した後、カレンダーロールに入れて、170℃のカレンダーにかけられて成膜し、最後、フィルムに低エネルギー電子ビームをエネルギー250kV、放射線量40kGyで照射し、ポリプロピレンフィルムを得た。
比較例5で得られたポリプロピレンフィルムの性能を試験した結果は、表1に示した。
【0055】
比較例6
ポリプロピレン 20重量部(メルトフローレート5.0g/10min)、ポリオレフィン系エラストマー 20重量部(PPとEPDMとの質量比90:10、ショアA硬度60のポリオレフィン系エラストマーとショアD硬度25のポリオレフィン系エラストマーとの質量比7:3)及び低密度ポリエチレン 60重量部(メルトフローレート 0.5g/10min)を高速ミキサーで撹拌し、その後、加入0.4重量部的TMPTA、均一に撹拌した後、原料を最初に密閉式混練機で溶融した後、2本ロールミルに入れて精錬を行い、ろ過した後、カレンダーロールに入れて、170℃のカレンダーにかけられて成膜し、最後、フィルムに低エネルギー電子ビームをエネルギー250kV、放射線量40kGyで照射し、ポリプロピレンフィルムを得た。
比較例6で得られたポリプロピレンフィルムの性能を試験した結果は、表1に示した。
【0056】
比較例7
ポリプロピレン 20重量部(メルトフローレート5.0g/10min)、ポリオレフィン系エラストマー 20重量部(PPとEPDMとの質量比90:10、ショアA硬度60のポリオレフィン系エラストマーとショアD硬度25のポリオレフィン系エラストマーとの質量比7:3)及び低密度ポリエチレン 60重量部(メルトフローレート 0.5g/10min)を高速ミキサーで撹拌し、その後、TMPTA 11重量部を加え、均一に撹拌した後、原料を最初に密閉式混練機で溶融した後、2本ロールミルに入れて精錬を行い、ろ過した後、カレンダーロールに入れて、170℃のカレンダーにかけられて成膜し、最後、フィルムに低エネルギー電子ビームをエネルギー250kV、放射線量40kGyで照射し、ポリプロピレンフィルムを得た。
比較例7で得られたポリプロピレンフィルムの性能を試験した結果は、表1に示した。
【0057】
比較例8
ポリプロピレン 20重量部(メルトフローレート5.0g/10min)、ポリオレフィン系エラストマー 20重量部(PPとEPDMとの質量比90:10、ショアA硬度60のポリオレフィン系エラストマーとショアD硬度25のポリオレフィン系エラストマーとの質量比7:3)及び低密度ポリエチレン 60重量部(メルトフローレート 0.5g/10min)を高速ミキサーで撹拌し、その後、TMPTA 0.5重量部を加え、均一に撹拌した後、原料を最初に密閉式混練機で溶融した後、2本ロールミルに入れて精錬を行い、ろ過した後、カレンダーロールに入れて、170℃のカレンダーにかけられて成膜し、最後、フィルムに低エネルギー電子ビームをエネルギー250kV、放射線量39kGyで照射し、ポリプロピレンフィルムを得た。
比較例8で得られたポリプロピレンフィルムの性能を試験した結果は、表1に示した。
【0058】
比較例9
ポリプロピレン 20重量部(メルトフローレート5.0g/10min)、ポリオレフィン系エラストマー 20重量部(PPとEPDMとの質量比90:10、ショアA硬度60のポリオレフィン系エラストマーとショアD硬度25のポリオレフィン系エラストマーとの質量比7:3)及び低密度ポリエチレン 60重量部(メルトフローレート 0.5g/10min)を高速ミキサーで撹拌し、その後、TMPTA 0.5重量部を加え、均一に撹拌した後、原料を最初に密閉式混練機で溶融した後、2本ロールミルに入れて精錬を行い、ろ過した後、カレンダーロールに入れて、170℃のカレンダーにかけられて成膜し、最後、フィルムに低エネルギー電子ビームをエネルギー250kV、放射線量101kGyで照射し、ポリプロピレンフィルムを得た。
比較例9で得られたポリプロピレンフィルムの性能を試験した結果は、表1に示した。
【0059】
【表1】
【0060】
表1より示すように、本発明が提供するポリプロピレンフィルムの引張強度は、常に27MPa以上になり、比較的に適宜であり、しかも、真空成形温度が130~145℃に維持でき、この温度範囲は、製品に対する下流の顧客の要件により一致している。比較例では、配合成分の組み合わせが適合な配合範囲にない、又は放射線量が多すぎる、又は小さすぎるため、ポリプロピレンフィルムの真空成形温度が高すぎるか、又は強度が低すぎ、さらに、放射線量が多すぎると分解、強度低下の問題をもたらす。
【0061】
実施例25
実施例22の実施態様により第1のポリプロピレンフィルム(0.23mm)及び第2のポリプロピレンフィルム(0.04mm)を調製し(照射なし)、
第1のポリプロピレンフィルムの片側に熱硬化接着剤(EC-1385)を湿式塗布量15g/m-で塗布し、
第1のポリプロピレンフィルムの他の側にコロナ前処理を施した後に、第1の塗布層(LS-13-212、湿式塗布量7g/m)を塗布し、その後、45℃で乾燥させ、
第1の塗布層にインク印刷を行い、45℃で乾燥させ、印刷層を得、
印刷層に第2の塗布層(LS-13-212、湿式塗布量7g/m)を塗布し、その後、両側にコロナ処理を施した第2のポリプロピレンフィルムを第2の塗布層に貼り合わせ、45℃で乾燥させ、
コロナ処理を施した第2のポリプロピレンフィルムにポリウレタン塗布層(EVO SU-422、湿式塗布量10g/m)を塗布し、複合フィルムを得、
複合フィルムに低エネルギー電子ビームエネルギー250kV、放射線量80kGyで照射し、ポリプロピレン複合フィルムを得た。
実施例25で得られたポリプロピレン複合フィルムの性能を試験した結果は、表2に示した。
実施例25で得られたポリプロピレン複合フィルムを木製板材に貼り合わせ、真空成形を行ったフィルムは、フィルムは割れなく、模様も浅くならず、白っぽくなかった。
【0062】
実施例26
実施例20の実施態様により第1のポリプロピレンフィルム(0.23mm)及び第2のポリプロピレンフィルム(0.04mm)を調製し(照射なし)、
第1のポリプロピレンフィルムの片側に熱硬化接着剤(EC-1385)を湿式塗布量15g/mで塗布し、
第1のポリプロピレンフィルムの他の側にコロナ前処理を施した後に、第1の塗布層(LS-13-212、湿式塗布量7g/m)を塗布し、その後、45℃で乾燥させ、
第1の塗布層にインク印刷を行い、45℃で乾燥させ、印刷層を得、
印刷層に第2の塗布層(LS-13-212、湿式塗布量7g/m)を塗布し、その後、両側にいずれもコロナ処理を施した第2のポリプロピレンフィルムを第2の塗布層に貼り合わせ、45℃で乾燥させ、
コロナ処理を施した第2のポリプロピレンフィルムにポリウレタン塗布層(EVO SU-422、湿式塗布量10g/m)を塗布し、複合フィルムを得、
複合フィルムに低エネルギー電子ビームをエネルギー250kV、放射線量80kGyで照射し、ポリプロピレン複合フィルムを得た。
実施例26で得られたポリプロピレン複合フィルムの性能を試験した結果は、表2に示した。
実施例26で得られたポリプロピレン複合フィルムを木製板材に貼り合わせ、真空成形を行ったフィルムは、割れなく、模様も浅くならず、白みを持たなかった。
【0063】
実施例27
実施例18の実施態様により第1のポリプロピレンフィルム(0.23mm)及び第2のポリプロピレンフィルム(0.04mm)を調製し(照射なし)、
第1のポリプロピレンフィルムの片側に熱硬化接着剤(EC-1385)を湿式塗布量15g/mで塗布し、
第1のポリプロピレンフィルムの他の側にコロナ前処理を施した後に、第1の塗布層(LS-13-212、湿式塗布量7g/m)を塗布し、その後、45℃で乾燥させ、
第1の塗布層にインク印刷を行い、45℃で乾燥させ、印刷層を得、
印刷層に第2の塗布層(LS-13-212、湿式塗布量7g/m)を塗布し、その後、両側にいずれもコロナ処理を施した第2のポリプロピレンフィルムを在第2の塗布層に貼り合わせ、45℃で乾燥させ、
コロナ処理を施した第2のポリプロピレンフィルムにポリウレタン塗布層(EVO SU-422、湿式塗布量10g/m)を塗布し、複合フィルムを得、
複合フィルムに低エネルギー電子ビームをエネルギー250kV、放射線量80kGyで照射し、ポリプロピレン複合フィルムを得た。
実施例27で得られたポリプロピレン複合フィルムの性能を試験した結果は、表2に示した。
実施例27で得られたポリプロピレン複合フィルムを木製板材に貼り合わせ、真空成形を行ったフィルムは、割れなく、模様も浅くならず、白みを持たなかった。
【0064】
【表2】