(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-25
(45)【発行日】2022-12-05
(54)【発明の名称】提供装置、提供方法及び提供プログラム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/26 20060101AFI20221128BHJP
G08G 1/0969 20060101ALI20221128BHJP
【FI】
G01C21/26 A
G08G1/0969
(21)【出願番号】P 2021045277
(22)【出願日】2021-03-18
【審査請求日】2021-12-17
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲齋▼藤 聖隆
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 晃輔
【審査官】高島 壮基
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-193558(JP,A)
【文献】特開2008-209208(JP,A)
【文献】実開昭58-54800(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00-21/36
G08G 1/00-99/00
G09B 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
時間により変化する要素を含む主情報と、前記主情報を構成する前記各要素の時間的変化を示すグラフとを提供する提供部と、
利用者が利用する利用者端末に前記主情報及び前記グラフを表示させ、前記利用者の操作に応じて前記主情報及び前記グラフの表示を制御する表示制御部と、を備え、
前記表示制御部は、
基準となる時点に対応した前記グラフ上の位置に、時点の変更を指示するためのアイコンを表示させ、前記時間的変化の割合が大きい位置ほど時間刻み幅を小さく、前記時間的変化の割合が小さい位置ほど前記時間刻み幅を大きくして前記グラフを表示させる提供装置。
【請求項2】
請求項1に記載の提供装置において、
所定の期間に含まれる複数の時点の各々について、前記利用者が出発地から目的地まで移動するための経路を検索する検索部をさらに備え、
前記検索部は、前記複数の時点の各々における検索結果を比較して前記時間的変化の割合を算出し、前記時間的変化の割合が所定の閾値以上の期間を対象として、当該期間に含まれる複数の時点の各々について前記経路をさらに検索し、
前記表示制御部は、前記時間的変化の割合が所定の閾値以上の期間について、前記検索部が検索した前記経路を前記グラフに表示させる提供装置。
【請求項3】
請求項2に記載の提供装置において、
前記主情報は、前記経路を示す地図情報を含み、
前記グラフは、前記経路における各移動態様の時間的変化を示すグラフであり、
前記表示制御部は、前記出発地からの出発日時又は前記目的地への到着日時の入力、あるいは、前記アイコンに対する前記利用者の操作に応じて、前記地図情報が示す前記経路及び前記グラフの表示を制御する提供装置。
【請求項4】
請求項3に記載の提供装置において、
前記移動態様は、前記経路における交通情報、前記経路を利用するための料金、前記経路における移動距離、前記経路の所要時間、並びに、前記経路において発生する混雑状況のうちのいずれかであり、
前記表示制御部は、前記移動態様の前記時間的変化の割合に応じて、前記時間刻み幅を変更して前記グラフを表示させる提供装置。
【請求項5】
請求項4に記載の提供装置において、
前記混雑状況は、前記経路において発生する渋滞の距離、前記渋滞の度合い、前記経路のうち前記渋滞が発生する部分の割合、前記渋滞に前記利用者が搭乗する移動体が巻き込まれる時間、並びに、前記渋滞に当該移動体が巻き込まれる距離の少なくともいずれかである提供装置。
【請求項6】
コンピュータにより情報を提供する提供方法であって、
前記コンピュータは、提供部、及び表示制御部を備え、
前記提供部が、時間により変化する要素を含む主情報と、前記主情報を構成する前記各要素の時間的変化を示すグラフとを提供する提供ステップと、
前記表示制御部が、利用者が利用する利用者端末に前記主情報及び前記グラフを表示させ、前記利用者の操作に応じて前記主情報及び前記グラフの表示を制御する表示制御ステップと、を実施し、
前記表示制御ステップでは、前記表示制御部が、基準となる時点に対応した前記グラフ上の位置に、時点の変更を指示するためのアイコンを表示させ、前記時間的変化の割合が大きい位置ほど時間刻み幅を小さく、前記時間的変化の割合が小さい位置ほど前記時間刻み幅を大きくして前記グラフを表示させる提供方法。
【請求項7】
コンピュータにより読み取り実行可能な提供プログラムであって、
前記コンピュータを、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の提供装置として機能させる提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、提供装置、提供方法及び提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者が出発地から目的地まで移動するための経路に関する情報を提供する技術が知られている。このような技術の一例として、前記経路を探索する経路探索処理手段と、前記経路上における予測自車位置を算出する予測自車位置算出処理手段と、前記経路及び時間を表すスケールを表示部に表示する表示処理手段とを備える技術がある。この技術では、前記表示処理手段は、前記スケール上の時点が選択されると、選択された時点における前記予測自車位置を前記経路上に表示する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された技術では、前記スケール上において同じ間隔の目盛に固定して時点を表示するに過ぎない。したがって、前記スケール上に表示する期間が長ければ長いほど、目盛の間隔が狭くなる。このため、前記スケール上の所望の時点を容易に選択できない。また、スケール上において、前記予測自車位置等の情報の詳細を把握することが利用者にとって有益な時点が分かりにくく、利便性があるとはいえない。この課題は、表示部の画面サイズが小さいスマートフォン等の電子機器では特に顕著である。
【0005】
本発明は、所望の時点を容易に選択可能であって、利用者にとって有益な時点における情報を詳細に把握可能な提供装置、提供方法及び提供プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る提供装置は、時間により変化する要素を含む主情報と、前記主情報を構成する前記各要素の時間的変化を示すグラフとを提供する提供部と、利用者が利用する利用者端末に前記主情報及び前記グラフを表示させ、前記利用者の操作に応じて前記主情報及び前記グラフの表示を制御する表示制御部と、を備え、前記表示制御部は、基準となる時点に対応した前記グラフ上の位置に、時点の変更を指示するためのアイコンを表示させ、前記時間的変化の割合が大きい位置ほど時間刻み幅を小さく、前記時間的変化の割合が小さい位置ほど前記時間刻み幅を大きくして前記グラフを表示させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明では、所望の時点を容易に選択可能であって、利用者にとって有益な時点における情報を詳細に把握可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る提供処理の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る端末装置の画面のうち、グラフ部分を拡大した一例を示す図であり、(A)は現時点を示すグラフの左端上にアイコンが表示された一例、(B)は現時点を示すグラフの左端上にアイコンが表示された別の例、(C)は左端から1時間後を現時点とするグラフの現時点上にアイコンが表示された一例である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る端末装置の画面の一例を示す図(1)である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る端末装置の画面の一例を示す図(2)である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る端末装置の画面の一例を示す図(3)である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る情報提供装置の構成例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る利用者情報データベースの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る道路交通情報データベースの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る提供処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、実施形態に係る詳細な検索処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、情報提供装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に本願に係る提供装置、提供方法及び提供プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る提供装置、提供方法及び提供プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
〔1.実施形態〕
図1を用いて、本実施形態の提供装置等により実現される提供処理を説明する。
図1は、実施形態に係る提供処理の一例を示す図である。なお、
図1では、本願に係る提供装置の一例である情報提供装置10によって、実施形態に係る提供処理などが実現されるものとする。
【0011】
図1に示すように、実施形態に係る提供システム1は、情報提供装置10と、端末装置100と、外部サーバ200とを含む。情報提供装置10、端末装置100及び外部サーバ200は、ネットワークN(例えば、
図6参照)を介して有線又は無線により相互に通信可能に接続される。ネットワークNは、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。なお、
図1に示した提供システム1には、複数台の情報提供装置10、複数台の端末装置100及び複数台の外部サーバ200が含まれていてもよい。
【0012】
図1に示す情報提供装置10は、提供処理を行う情報処理装置であり、例えば、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。
図1の例において、情報提供装置10は、例えば、地図情報や、道路交通情報などの情報を管理し、これらの情報に基づくカーナビゲーションサービスを利用者に提供する情報処理装置である。
【0013】
なお、情報提供装置10は、カーナビゲーションサービスに係るウェブサイトを提供するウェブサーバとしての機能を有していてもよい。また、情報提供装置10は、端末装置100にインストールされたカーナビゲーションサービスに関するアプリケーション(以下、「カーナビゲーションアプリ」と記載する場合がある)に表示する情報を、端末装置100に配信する装置であってもよい。また、情報提供装置10は、カーナビゲーションアプリのデータそのものを配信するサーバであってもよい。また、情報提供装置10は、端末装置100に制御情報を配信する配信装置として機能してもよい。ここで、制御情報は、例えば、JavaScript(登録商標)等のスクリプト言語やCSS(Cascading Style Sheets)等のスタイルシート言語により記述される。なお、情報提供装置10から配信されるカーナビゲーションアプリそのものを制御情報とみなしてもよい。
【0014】
図1に示す端末装置100は、利用者によって利用される情報処理装置である。端末装置100は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。なお、
図1に示す例において、端末装置100は、利用者によって利用されるスマートフォンである場合を示す。
【0015】
また、端末装置100は、情報提供装置10によって提供される情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示する。なお、端末装置100は、情報の表示処理を実現する制御情報を情報提供装置10などから受け取った場合には、制御情報に従って表示処理を実現する。
【0016】
図1に示す外部サーバ200は、道路情報を含む地図情報や、渋滞情報を含む道路交通情報などの情報を配信する情報処理装置であり、例えば、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。
【0017】
以下、
図1を用いて、情報提供装置10が行う提供処理について説明する。なお、以下の説明において、端末装置100は、利用者U1によって利用されるものとする。また、以下の説明において、カーナビゲーションアプリが端末装置100にインストールされているものとする。
【0018】
まず、情報提供装置10は、道路交通情報を外部サーバ200から取得する(ステップS1)。例えば、情報提供装置10は、各道路において発生する渋滞や、事故、通行止め、規制などを示す道路交通情報を定期的に取得し、自装置の記憶部で管理する。
【0019】
続いて、情報提供装置10は、経路(ルート)の検索要求を端末装置100から受け付ける(ステップS2)。例えば、端末装置100は、利用者U1からの操作に応じてカーナビゲーションアプリを起動して画面C11を表示し、利用者U1が画面C11に入力した情報を検索要求として情報提供装置10に送信する。そして、情報提供装置10は、端末装置100から送信される情報を受け付ける。
【0020】
具体的な例を挙げると、端末装置100は、出発地及び目的地を入力するための領域AR11と、経路の探索(検索)条件(例えば、高速道路及び一般道路を含め所要時間が最も短い経路を検索する「おすすめ」、高速道路を優先して利用する経路を検索する「高速優先」、並びに、一般道路を優先して利用する経路を検索する「一般優先」)を指定するための領域AR12と、検索された経路をカーナビゲーションアプリのトップ画面(ホーム画面)に自動表示するか否かを指定するためのボタン(トグル)B11と、出発予定日時又は到着予定日時を入力するための領域AR13と、出発地からの出発前に渋滞予測の通知を行うか否かを指定するためのボタン(トグル)B12と、渋滞予測を通知するタイミングを指定するための領域AR14とを含む画面C11を表示する。より具体的な例を挙げると、領域AR11-AR14のいずれかが選択された場合、端末装置100は、選択された領域に対応する情報を入力するための画面へ遷移させて情報の入力を受け付け、入力が完了した後に再度画面C11に遷移し、入力された情報を対応する領域に表示する。
【0021】
なお、
図1の例において、情報提供装置10が、出発地を「地点A」、目的地を「地点B」、探索条件を「おすすめ」、出発日時を「6月16日9時30分」とした検索要求を受け付けたものとする。
【0022】
続いて、情報提供装置10は、受け付けた検索要求に基づいて、所定の期間に含まれる複数の時点の各々について経路を検索する(ステップS3)。例えば、情報提供装置10は、出発日時「6月16日9時30分」の時点を含む所定の期間(例えば、出発日時の12時間前の時点から、出発日時の12時間後の時点までの期間)に含まれる複数の時点の各々について、道路情報や、各時点におけるリアルタイムな道路交通情報、道路交通情報に基づいて推定される各道路の混雑状況に基づき、出発地「地点A」から目的地「地点B」までの経路であって、高速道路及び一般道路を含め各時点において所要時間が最も短くなる経路を検索する。また、情報提供装置10は、所定の期間に含まれる複数の時点の各々について、高速道路を優先して利用する場合(探索条件「高速優先」)の経路、並びに、一般道路を優先して利用する場合(探索条件「一般優先」)の経路を同様に検索する。
【0023】
続いて、情報提供装置10は、検索した経路に関する経路情報を端末装置100に提供し、利用者U1からの操作に応じて、端末装置100における経路情報の表示を制御する(ステップS4)。例えば、情報提供装置10は、検索した経路を示す地図情報と、各時点における所要時間の変化を示すグラフとを含む経路情報を提供する。そして、情報提供装置10は、提供された経路情報を示す画面C12を表示するように端末装置100を制御する。
【0024】
具体的な例を挙げると、端末装置100は、経路に対応する地図を表示する領域AR15と、地図上に表示する経路の切り替えを指示するための領域AR16と、出発日時及び到着日時を表示する領域AR17と、出発日時又は到着日時の変更を指示するためのボタンB13と、所要時間の変化を示すグラフを表示する領域AR18と、経路の所要時間や、経路において渋滞に巻き込まれる距離、経路を利用する場合に要する料金(高速料金等)、経路の距離などといった情報を表示する領域AR19と、画面C12に表示する経路情報に基づくナビゲートの開始を指示するためのボタンB14とを含む画面C12を表示する。
【0025】
より具体的な例を挙げると、端末装置100は、出発地「地点A」を示すアイコンIC11と、目的地「地点B」を示すアイコンIC12と、出発日時「6月16日9時30分」の時点において探索条件「おすすめ」に基づき検索された経路RT11と、出発日時「6月16日9時30分」の時点において探索条件「高速優先」に基づき検索された経路RT12と、出発日時「6月16日9時30分」の時点において探索条件「一般優先」に基づき検索された経路RT13とを、領域AR15が表示する地図上に表示する。なお、
図1に示すように、画面C12の初期表示において、端末装置100は、画面C11において利用者が入力した探索条件「おすすめ」に基づき検索された経路RT11を強調表示するとともに、経路RT11上で渋滞に巻き込まれる経路を示す経路RT111を表示する。
【0026】
また、端末装置100は、探索条件「おすすめ」、「高速優先」及び「一般優先」のそれぞれに対応する領域を領域AR16に表示する。画面C12の初期表示では、画面C11において利用者が入力した探索条件「おすすめ」があらかじめ選択された状態となっており、探索条件「高速優先」に対応する領域が選択された場合、端末装置100は、対応する経路RT12を経路RT11に替えて強調表示し、探索条件「一般優先」に対応する領域が選択された場合には、経路RT13を経路RT11に替えて強調表示する。
【0027】
また、端末装置100は、出発日時が「6月16日9時30分」、到着日時が、出発日時から経路RT11の所要時間「38分」が経過した後の「6月16日10時8分」であることを示す情報を領域AR17に表示する。
【0028】
また、端末装置100は、経路RT11の所要時間「38分」、経路RT111の距離「渋滞7km」、経路RT11を利用する場合の料金(高速料金等)「1,390円」、並びに、経路RT11における移動距離「20km」を示す情報を領域AR19に表示する。
【0029】
また、端末装置100は、領域AR18に、縦軸を所要時間、横軸を時間、基準となる時点を出発日時「6月16日9時30分」としたグラフを表示し、当該グラフの横軸に出発時点の変更を指示するためのアイコン(スライダー)IC13を表示する。
【0030】
ここで、
図2(A)および
図2(B)を用いて、画面C12を構成する領域AR18の表示例について説明する。
図2(A)および
図2(B)は、実施形態に係る端末装置の画面のうち、グラフ部分を拡大した一例を示す図であり、現時点を示すグラフの左端上にアイコンIC13が表示された一例である。
図2(A)および
図2(B)に示すアイコンIC13において、左向きの三角形が黒塗り、右向きの三角形が白抜きで描かれているのは、アイコンIC13がグラフ上で左側にはスライド操作できない(ノンアクティブ)であるが、右側にはスライド操作可能(アクティブ)であることを意味している。アイコンIC13の図形の意味は、
図1に示すアイコンIC13においても同様である。
【0031】
図2(A)および図(B)の例では、グラフは、左端を基準である現時点とし、右端を現時点から12時間後として複数の目盛が付けられている。ここで、グラフにおいて利用者U1が注目するのは、所要時間の変化である。所要時間は、例えば混雑状況によって変化するため、混雑状況の変化が小さい場合には所要時間は変化せず、混雑状況の変化が大きい場合には所要時間も変化する。
図2(A)および
図2(B)の例では、現時点から5時間後までは所要時間の変化が小さく、5時間後から12時間後までは所要時間の変化が大きい。このような場合、所要時間の変化が大きい5時間後から12時間後の時点の情報が利用者U1にとってより有益な情報である。そこで、端末装置100は、所要時間の時間的変化の割合に応じて、グラフにおける目盛の時間刻み幅(所定長さあたりの時間を表す目盛単位)を変更する。
目盛の時間刻み幅は、例えば、2種類の方法で変更することができる。1つ目の方法は、1目盛の間隔(長さ)は均一にし、1目盛に相当する時間を変更する方法であり、
図2(A)の例では、この方法により目盛の時間刻み幅を変更している。
図2(A)の例において、所要時間の変化が小さい現時点から5時間後までは、1目盛に相当する時間が長く、目盛の時間刻み幅は相対的に大きい。また、所要時間の変化が大きい5時間後から12時間後までは、1目盛に相当する時間が短く、目盛の時間刻み幅は相対的に小さい。つまり、所要時間の変化の割合が大きい位置ほど時間刻み幅を小さく、所要時間の変化の割合が小さい位置ほど時間刻み幅を大きくすることにより、所望の時点の選択を容易にし、利用者にとって有益な時点における情報をより詳細に把握可能とする。
【0032】
2つ目の方法は、1目盛の間隔(長さ)を変更する方法であり、
図2(B)の例では、この方法により目盛の時間刻み幅を変更している。
図2(B)の例において、所要時間の変化が小さい現時点から5時間後までは、1目盛の間隔(長さ)が短く、目盛の時間刻み幅は相対的に大きい。また、所要時間の変化が大きい5時間後から12時間後までは、1目盛の間隔(長さ)が長く、目盛の時間刻み幅は相対的に小さい。この結果、上述した1つ目の方法と同様に、所望の時点の選択を容易にし、利用者にとって有益な時点における情報をより詳細に把握可能とする。
なお、グラフの波形部分について、例えば、時間的変化の割合が大きい部分を強調表示してもよい。
また、
図2(A)および
図2(B)の例では、所要時間の変化の割合に応じて時間刻み幅を変更する例を示したが、この例に限らず、移動態様の時間的変化の割合に応じて時間刻み幅を変更してもよい。例えば、経路における交通情報に基づく変化の割合に応じて時間刻み幅を変更することにより、交通情報に即した情報をより詳細に把握可能となる。また、例えば、経路を利用するための料金の変化の割合に応じて時間刻み幅を変更することにより、高速道路の深夜割引などをふまえた情報をより詳細に把握可能となる。また、例えば、経路において発生する混雑状況の変化の割合に応じて時間刻み幅を変更することにより、混雑状況に即した情報をより詳細に把握可能となる。
【0033】
そして、端末装置100は、アイコンIC13に対する利用者U1のスライド操作に応じて、
図1に示す画面C12の表示態様を変更する。例えば、端末装置100は、出発日時を基準となる時点から所定の期間ごと(例えば、5分おき等)ずらした複数の経路検索の結果を取得する。そして、端末装置100は、取得した各結果における所要時間の変動を示すグラフを表示する。
【0034】
ここで、
図3を用いて、利用者U1が、グラフの横軸「1時間後」の位置にアイコンIC13をスライドさせた場合の画面C12の表示例について説明する。
図3は、実施形態に係る端末装置の画面の一例を示す図(1)である。
【0035】
図3に示すように、端末装置100は、出発日時を、利用者が
図1に示す画面C11において入力した「6月16日9時30分」の1時間後である「6月16日10時30分」とした場合の経路情報を示す画面C13を表示する。例えば、端末装置100は、出発日時「6月16日10時30分」の時点において探索条件「おすすめ」に基づき検索された経路RT14と、出発日時「6月16日10時30分」の時点において探索条件「高速優先」に基づき検索された経路RT15と、出発日時「6月16日10時30分」の時点において探索条件「一般優先」に基づき検索された経路RT16とを、領域AR15が表示する地図上に表示する。なお、
図3に示すように、画面C13の表示において、端末装置100は、
図1に示す画面C11において利用者が入力した探索条件「おすすめ」に基づき検索された経路RT14を強調表示するとともに、経路RT14上で渋滞に巻き込まれる経路を示す経路RT141を表示する。
【0036】
また、端末装置100は、出発日時が「6月16日10時30分」、到着日時が、出発日時から経路RT14の所要時間「40分」が経過した後の「6月16日11時10分」であることを示す情報を領域AR17に表示する。
【0037】
また、端末装置100は、経路RT14の所要時間「40分」、経路RT141の距離「渋滞7.5km」、経路RT14を利用する場合の料金「1,000円」、並びに、経路RT14における移動距離「21km」を示す情報を領域AR19に表示する。
【0038】
また、端末装置100は、領域AR18に、現時点から1時間後の位置に表示位置を変更したアイコンIC13を表示する。このとき、端末装置100は、利用者UIのスライド操作に応じて目盛の時間刻み幅を変更したグラフを表示してもよい。例えば、利用者UIのスライド操作に起因してアイコンIC13より右側の表示可能領域が狭くなった場合には、上述した1目盛に相当する時間を変更する方法や1目盛の間隔を変更する方法によって目盛の時間刻み幅を変更することにより、視認性を維持することができる。
【0039】
以上説明したように、情報提供装置10は、アイコンIC13に対する利用者U1の操作に応じて、端末装置100の画面に表示させる経路情報を制御する。
【0040】
図1に戻り説明を続ける。画面C12において、利用者U1がボタンB13を押下した場合、端末装置100は、新たに出発日時又は到着日時を指定するための画面を表示し、当該画面において指定された日時に対応する経路情報を表示する。
【0041】
ここで、
図4を用いて、利用者U1がボタンB13を押下した場合の画面の表示例について説明する。
図4は、実施形態に係る端末装置の画面の一例を示す図(2)である。
【0042】
図4に示すように、端末装置100は、出発日時又は到着日時を指定するための領域AR21を含む画面C21を表示する。
【0043】
ここで、画面C21において、利用者U1が出発日時「6月25日12時00分」を指定した場合、端末装置100は、出発地を「地点A」、目的地を「地点B」、探索条件を「おすすめ」、出発日時を「6月25日12時00分」とした検索要求を情報提供装置10に送信する。そして、端末装置100は、送信した検索要求に対応する経路情報を情報提供装置10から受信し、当該経路情報を示す画面C22を表示する。例えば、端末装置100は、経路に対応する地図を表示する領域AR22(
図1の領域AR15に対応)と、経路に関する情報を表示する領域AR23(
図1の領域AR16-AR19に対応)とを含む画面C22を表示する。
【0044】
具体的な例を挙げると、端末装置100は、出発地「地点A」を示すアイコンIC11と、目的地「地点B」を示すアイコンIC12と、出発日時「6月25日12時00分」の時点において探索条件「おすすめ」に基づき検索された経路RT21と、出発日時「6月25日12時00分」の時点において探索条件「高速優先」に基づき検索された経路RT22と、出発日時「6月25日12時00分」の時点において探索条件「一般優先」に基づき検索された経路RT23とを、領域AR22が表示する地図上に表示する。なお、
図4に示すように、画面C22の初期表示において、端末装置100は、利用者U1が入力した探索条件「おすすめ」に基づき検索された経路RT21を強調表示するとともに、経路RT21上で渋滞に巻き込まれる経路を示す経路RT211を表示する。
【0045】
また、端末装置100は、出発日時が「6月25日12時00分」、到着日時が、出発日時から経路RT21の所要時間「45分」が経過した後の「6月25日12時45分」であることを示す情報を領域AR23に表示する。
【0046】
また、端末装置100は、経路RT21の所要時間「45分」、経路RT211の距離「渋滞8km」、経路RT21を利用する場合の料金「1,280円」、並びに、経路RT21における移動距離「22km」を示す情報を領域AR23に表示する。
【0047】
また、端末装置100は、基準となる時点を出発日時「6月25日12時00分」としたグラフを領域AR23に表示し、当該グラフの横軸に出発時点の変更を指示するためのアイコンIC21を表示する。
【0048】
ここで、
図2(C)を用いて、
図4に示す画面C22を構成する領域AR23の表示例について説明する。
図2(C)は、実施形態に係る端末装置の画面のうち、グラフ部分を拡大した一例を示す図であり、左端から1時間後を基準となる時点とするグラフの現時点上にアイコンが表示された一例である。
図2(C)に示すアイコンIC21において、左向きの三角形及び右向きの三角形のいずれも白抜きで描かれているのは、アイコンIC21をグラフ上で左右どちらもスライド操作可能(アクティブ)であることを意味している。アイコンIC21の図形の意味は、
図3に示すアイコンIC13並びに
図4に示すアイコンIC21及びIC22においても同様である。
【0049】
図2(C)の例では、グラフは、左端から1時間後を基準となる時点とし、左端を基準となる時点から1時間前、右端を基準となる時点から3時間後として複数の目盛が付けられている。ただし、目盛の時間刻み幅は、所要時間の変化が小さい1時間前から「基準となる時点」、および2時間後から3時間後までは相対的に大きく、所要時間の変化が大きい「基準となる時点」から2時間後までは相対的に小さい。つまり、
図2(A)および
図2(B)の例と同様に、所要時間の変化の割合が大きい位置ほど時間刻み幅を小さく、所要時間の変化の割合が小さい位置ほど時間刻み幅を大きくすることにより、所望の時点の選択を容易にし、利用者にとって有益な時点における情報をより詳細に把握可能とする。
【0050】
図2(C)の例では、1目盛に相当する時間は均一(30分)にし、1目盛の間隔を変更する方法によって目盛の時間刻み幅を変更する例を示したが、1目盛に相当する時間を変更する方法によって目盛の時間刻み幅を変更してもよいし、2種類の方法を組み合わせて時間刻み幅を変更してもよい。また、グラフの波形部分について、例えば、時間的変化の割合が大きい部分を強調表示してもよい。
また、
図2(C)についても、
図2(A)および
図2(B)の例と同様に、所要時間の変化の割合に応じて時間刻み幅を変更する代わりに、所要時間以外の移動態様の時間的変化の割合に応じて時間刻み幅を変更してもよい。
【0051】
そして、端末装置100は、
図4に示すアイコンIC21に対する利用者U1のスライド操作に応じて、画面C22の表示態様を変更する。
【0052】
ここで、画面C21において、利用者U1が到着日時「6月25日13時00分」を指定した場合、端末装置100は、出発地を「地点A」、目的地を「地点B」、探索条件を「おすすめ」、到着日時を「6月25日13時00分」とした検索要求を情報提供装置10に送信する。そして、端末装置100は、送信した検索要求に対応する経路情報を情報提供装置10から受信し、当該経路情報を示す画面C23を表示する。例えば、端末装置100は、経路に対応する地図を表示する領域AR24(
図1の領域AR15に対応)と、経路に関する情報を表示する領域AR25(
図1の領域AR16-AR19に対応)とを含む画面C23を表示する。
【0053】
具体的な例を挙げると、端末装置100は、出発地「地点A」を示すアイコンIC11と、目的地「地点B」を示すアイコンIC12と、到着日時「6月25日13時00分」の時点において探索条件「おすすめ」に基づき検索された経路RT24と、到着日時「6月25日13時00分」の時点において探索条件「高速優先」に基づき検索された経路RT25と、到着日時「6月25日13時00分」の時点において探索条件「一般優先」に基づき検索された経路RT26とを、領域AR24が表示する地図上に表示する。なお、
図4に示すように、画面C23の初期表示において、端末装置100は、利用者U1が入力した探索条件「おすすめ」に基づき検索された経路RT24を強調表示するとともに、経路RT24上で渋滞に巻き込まれる経路を示す経路RT241を表示する。
【0054】
また、端末装置100は、到着日時が「6月25日13時00分」、出発日時が、到着日時から経路RT24の所要時間「32分」を差し引いた「6月25日12時28分」であることを示す情報を領域AR25に表示する。
【0055】
また、端末装置100は、経路RT24の所要時間「32分」、経路RT241の距離「渋滞6km」、経路RT24を利用する場合の料金「1,150円」、並びに、経路RT24における移動距離「19km」を示す情報を領域AR25に表示する。
【0056】
また、端末装置100は、基準となる時点を出発日時「6月25日12時28分」としたグラフを領域AR25に表示し、当該グラフの横軸に出発時点の変更を指示するためのアイコンIC22を表示する。そして、端末装置100は、アイコンIC22に対する利用者U1のスライド操作に応じて、画面C23の表示態様を変更する。
【0057】
図1に戻り説明を続ける。
図1の例において、利用者U1が出発日時「6月16日9時30分」において経路RT11のナビゲートを指示する所定の操作を端末装置100に対し行ったものとする。この場合、情報提供装置10は、出発日時から所定の期間より前の時点において、経路RT11に関する所定の通知を端末装置100に対し送信し、当該通知を端末装置100の画面に表示させる。
【0058】
ここで、
図5を用いて、情報提供装置10からの通知の表示例について説明する。
図5は、実施形態に係る端末装置の画面の一例を示す図(3)である。
【0059】
図5に示すように、端末装置100は、出発日時「6月16日9時30分」から1時間前の時点において情報提供装置10から送信される通知(プッシュ通知)P31を画面C31に示すように表示する。例えば、通知P31が押下された場合、端末装置100は、最新の道路交通情報に基づいて情報が更新された画面C12を表示する。
【0060】
以上のように、実施形態に係る情報提供装置10は、時間により変化する要素を含む主情報と、主情報を構成する各要素の時間的変化を示すグラフとを端末装置100に提供し、主情報及びグラフを端末装置100に表示させ、利用者の操作に応じて主情報及びグラフの表示を制御する。情報提供装置10は、グラフを表示させる際、基準となる時点に対応したグラフ上の位置に、時点の変更を指示するためのアイコンを表示させ、時間的変化の割合が大きい位置ほど時間刻み幅を小さくさせ、時間的変化の割合が小さい位置ほど時間刻み幅を大きくさせる。これにより、実施形態に係る情報提供装置10は、アイコンの操作という直感的な操作により、グラフ上の所望の時点を容易に選択可能であって、利用者にとって有益な時点における主情報を詳細に把握できる。このため、利用者の利便性を向上させることができる。
【0061】
〔2.情報提供装置の構成〕
次に、
図6を用いて、情報提供装置10の構成について説明する。
図6は、実施形態に係る情報提供装置の構成例を示す図である。
図6に示すように、情報提供装置10は、通信部20と、記憶部30と、制御部40とを有する。
【0062】
(通信部20について)
通信部20は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部20は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、端末装置100や、外部サーバ200等との間で情報の送受信を行う。
【0063】
(記憶部30について)
記憶部30は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
図6に示すように、記憶部30は、利用者情報データベース31と、道路交通情報データベース32とを有する。
【0064】
(利用者情報データベース31について)
利用者情報データベース31は、カーナビゲーションサービスを利用する利用者に関する各種の情報を記憶する。ここで、
図7を用いて、利用者情報データベース31が記憶する情報の一例を説明する。
図7は、実施形態に係る利用者情報データベースの一例を示す図である。
図7の例において、利用者情報データベース31は、「利用者ID」、「移動履歴」、「経路ID」、「出発地」、「目的地」、「経路」、「出発日時」、「所要時間」といった項目を有する。
【0065】
「利用者ID」は、利用者を識別するための識別子を示す。「移動履歴」は、カーナビゲーションサービス等を利用した利用者の移動履歴を示し、例えば、出発地や、目的地、目的地までの所要時間などといった情報が格納される。「経路ID」は、利用者がカーナビゲーションサービスにおいて検索した経路(例えば、ナビゲートの指示を行った経路)を識別するための識別子を示す。「出発地」は、経路の出発地を示す。「目的地」は、経路の目的地を示す。「経路」は、利用者が検索した経路を示す。「出発日時」は、出発地からの出発日時を示す。「所要時間」は、出発地から目的地までの所要時間を示す。
【0066】
すなわち、
図7では、利用者ID「UID#1」によって識別される利用者の移動履歴が「移動履歴#1」であり、カーナビゲーションサービスにおいて経路ID「RID#1」により識別される経路「経路#1」を検索し、当該経路の出発地が「出発地#1」、目的地が「目的地#1」、出発日時が「日時#1」、所要時間が「所要時間#1」である例を示す。
【0067】
(道路交通情報データベース32について)
道路交通情報データベース32は、外部サーバ200から取得した道路交通情報を記憶する。ここで、
図8を用いて、道路交通情報データベース32が記憶する情報の一例を説明する。
図8は、実施形態に係る道路交通情報データベースの一例を示す図である。
図8の例において、道路交通情報データベース32は、「位置ID」、「位置情報」、「混雑状況」といった項目を有する。
【0068】
「位置ID」は、道路上の位置を識別するための識別子を示す。「位置情報」は、道路上の位置を示す。「混雑状況」は、混雑(渋滞)の状況を示す。
【0069】
すなわち、
図8では、位置ID「PID#1」によって識別され、位置情報が「位置情報#1」である位置において、混雑状況が「混雑状況#1」である例を示す。
【0070】
(制御部40について)
制御部40は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報提供装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部40は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。実施形態に係る制御部40は、
図6に示すように、取得部41と、受付部42と、検索部43と、提供部44と、表示制御部45とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現又は実行する。
【0071】
(取得部41について)
取得部41は、地図情報や、道路交通情報などの情報を取得する。例えば、取得部41は、各道路において発生する渋滞や、事故、通行止め、規制などを示す道路交通情報を外部サーバ200から取得し、道路交通情報データベース32に格納する。
【0072】
(受付部42について)
受付部42は、経路の検索要求を利用者から受け付ける。例えば、
図1の例において、受付部42は、画面C11に利用者U1が入力した情報を検索要求として端末装置100から受け付ける。
【0073】
(検索部43について)
検索部43は、所定の期間に含まれる複数の時点の各々について、利用者が出発地から目的地まで移動するための経路を検索する。例えば、
図1の例において、検索部43は、利用者U1が入力した出発日時「6月16日9時30分」の時点を含む所定の期間に含まれる複数の時点(例えば、所定の期間内の5分おきの時点)の各々について、出発地「地点A」から目的地「地点B」までの経路を検索する。
【0074】
また、検索部43は、複数の時点の各々について、時点ごとに予測される経路の状態に基づいて経路を検索してもよい。例えば、
図1の例において、検索部43は、所定の期間内の各時点における道路交通情報や、道路交通情報に基づいて推定される各道路の混雑状況に基づいて経路を検索する。
【0075】
また、検索部43は、複数の時点の各々について、所要時間が最も短い経路を検索してもよい。例えば、
図1の例において、検索部43は、複数の時点の各々について、出発地「地点A」から目的地「地点B」までの経路であって、所要時間が最も短くなる経路を検索する。
【0076】
また、検索部43は、複数の時点の各々について、利用者が設定した共通の検索条件に基づいて経路を検索してもよい。例えば、
図1の例において、検索部43は、利用者U1が設定した探索条件「おすすめ」に基づき、出発地「地点A」から目的地「地点B」までの経路であって、高速道路及び一般道路を含め各時点において所要時間が最も短くなる経路を検索する。
【0077】
なお、検索部43は、複数の時点の各々について、利用者が設定した検索条件と所定の関連性を有する共通の検索条件に基づいて経路を検索してもよい。例えば、
図1の例において、検索部43は、所定の期間に含まれる複数の時点の各々について、高速道路を優先して利用する場合の経路、並びに、一般道路を優先して利用する場合の経路を検索する。
【0078】
また、検索部43は、出発地からの出発日時として設定された時点を含む所定の期間内の複数の時点の各々について経路を検索してもよい。例えば、
図1の例において、検索部43は、利用者U1が設定した出発日時「6月16日9時30分」の時点を含む所定の期間内の複数の時点の各々について経路を検索する。
【0079】
また、検索部43は、目的地への到着日時として設定された時点を含む所定の期間内の複数の時点の各々について経路を検索してもよい。例えば、
図4の例において、検索部43は、利用者U1が指定した到着日時「6月25日13時00分」の時点を含む所定の期間に含まれる複数の時点の各々について、出発地「地点A」から目的地「地点B」までの経路を検索する。
【0080】
ここで、現時点から目的地へ出発する場合のナビゲートを利用者が希望する場合が想定される。したがって、検索部43は、現時点を含む所定の期間内の複数の時点の各々について経路を検索してもよい。例えば、検索部43は、現時点から未来の所定の期間内の複数の時点の各々について、利用者が設定した出発地から目的地までの経路を検索する。
【0081】
さらに、検索部43は、現時点から未来の所定の期間内の複数の時点の各々における検索結果に基づき、より詳細な検索を行ってもよい。例えば、まず、検索部43は、上述した「現時点を含む所定の期間」を一定の時間間隔で区切り、複数の時点の各々について経路を検索する。次に、検索部43は、複数の時点の各々おける検索結果を比較し、時間的変化の割合Pcを算出する。時間的変化の割合Pcは、例えば、複数の時点のうち、隣り合う第nの時点と第(n+1)の時点とにおける各要素(経路における交通情報、経路を利用するための料金、経路における移動距離、経路の所要時間、並びに、経路において発生する混雑状況のいずれか)を比較した絶対値により表すことができる。検索部43は、この時間的変化の割合Pcが所定の閾値より大きい期間をさらに短い時間間隔で区切り、複数の時点を再設定する。そして、複数の時点の各々についてさらに詳細な経路を検索する。なお、このような詳細な検索を、繰り返し行ってもよい。この場合、複数の時点のうち、第nの時点と第(n+1)の時点とにおける各要素の時間的変化の割合Pcと所定の閾値との比較を繰り返し、すべての時間的変化の割合Pcが所定の閾値を下回るまで経路の検索を繰り返せばよい。
このような処理を実行することにより、時間的変化の割合Pcが大きい期間、すなわち、利用者U1が注目する期間について、より詳細な検索を実行することができる。
【0082】
なお、このような詳細な検索の結果は、上記実施形態の
図2を参照して説明したグラフの表示も利用することができる。上記実施形態の
図2(A)から(C)においては、時間的変化の割合Pcに応じて、グラフにおける目盛の時間刻み幅(所定長さあたりの時間を表す目盛単位)を変更する例を示した。このようなグラフの表示に際しては、上述した詳細な検索の結果を有効に利用することができる。
また、ここまで説明した詳細な検索は、上述したように、複数の時点の各々について、複数の経路のうち、所要時間が最も短くなる経路を検索してもよい。つまり、複数の時点において、同一の経路が検索されてもよいし、異なる経路が検索されてもよい。
【0083】
(提供部44について)
提供部44は、検索部43により時点ごとに検索された経路における各移動態様の変化を示す経路情報を提供する。例えば、
図1の例において、提供部44は、各経路における道路交通情報の変化を示す経路情報を端末装置100に提供する。
【0084】
また、提供部44は、経路を示す地図情報と、複数の時点における移動態様の変化を示すグラフとを含む経路情報を提供してもよい。例えば、
図1の例において、提供部44は、検索部43により検索された経路を示す地図情報と、各時点における移動態様の変化を示すグラフとを含む経路情報を提供する。
【0085】
また、提供部44は、経路を利用するための料金、経路における移動距離、経路の所要時間、並びに、経路の混雑状況のうちの少なくともいずれかの変化を示す経路情報を提供してもよい。例えば、
図1の例において、提供部44は、所定の期間に含まれる各時点について検索された経路の所要時間の変化を示すグラフを含む経路情報を提供する。なお、提供部44は、所定の期間に含まれる各時点について検索された経路の利用に要する料金、経路の移動距離、経路の所要時間の変化をそれぞれ示す複数のグラフを含む経路情報を提供してもよい。また、後述する表示制御部45は、利用者からの操作に応じて端末装置100に表示するグラフを切り替えてもよい。
【0086】
ここで、経路において発生する渋滞の状況の変化をグラフとして提供し、利用者に各経路の渋滞の状況を把握させたいといった要望が考えられる。したがって、提供部44は、経路において発生する渋滞の距離、経路において発生する渋滞の度合い、経路のうち渋滞が発生する部分の割合、経路において発生する渋滞に利用者が搭乗する移動体が巻き込まれる時間、並びに、経路において発生する渋滞に当該移動体が巻き込まれる距離の少なくともいずれかの変化を示す経路情報を提供してもよい。例えば、提供部44は、所定の期間に含まれる各時点における道路交通情報や、道路交通情報に基づいて推定される各道路の混雑状況に基づき、各経路において発生する渋滞の状況を示すグラフを含む経路情報を提供する。
【0087】
なお、提供部44は、地図情報やグラフなどに限られず、経路情報に基づく所定の通知を提供してもよい。例えば、
図1の例において、利用者U1が出発日時「6月16日9時30分」において経路RT11のナビゲートを指示した場合、提供部44は、出発日時から所定の期間より前の時点において、経路RT11に関する所定の通知P31を
図5に示すように提供する。
【0088】
また、提供部44は、経路情報に基づいて、経路の移動態様の変化に応じた所定の通知を利用者に提供してもよい。例えば、
図1を例にして説明すると、利用者U1がナビゲートを指示した経路RT11において渋滞状況(例えば、渋滞に巻き込まれる距離)が変化した場合、提供部44は、渋滞状況が変化したことを示す通知を提供する。
【0089】
また、提供部44は、出発地からの出発日時として設定された時点について検索された経路の混雑状況が所定の条件を満たす場合は、異なる時点について検索された経路のうち、混雑状況が当該所定の条件を満たさない経路の利用を提案する旨の通知を提供してもよい。例えば、
図1を例にして説明すると、道路交通情報が更新され、利用者U1がナビゲートを指示した経路RT11において渋滞に巻き込まれる距離が所定の閾値以上となった場合、提供部44は、出発日時「6月16日9時30分」以外の他の時点について検索された経路であって、渋滞に巻き込まれる距離が所定の閾値以下である経路の利用を提案する旨の通知を提供する。
【0090】
(表示制御部45について)
表示制御部45は、経路情報を利用者が利用する利用者端末に表示させ、経路情報の表示を利用者の操作に応じて制御する。例えば、
図1の例において、表示制御部45は、検索された経路に関する経路情報を端末装置100に提供し、利用者U1からの操作に応じて端末装置100における経路情報の表示を制御する。
【0091】
また、表示制御部45は、地図情報が示す経路の表示を、グラフに対する利用者の操作に応じて制御してもよい。例えば、
図1の例において、表示制御部45は、アイコンIC13に対する利用者U1の操作に応じて、
図3に示すように地図情報を表示させる。
【0092】
また、表示制御部45は、出発日時を基準としたグラフを表示させてもよい。例えば、
図1の例において、表示制御部45は、出発日時「6月16日9時30分」を基準としたグラフを画面C12に表示させる。
【0093】
また、表示制御部45は、複数の時点のうち基準となる時点に対応する時間軸と、他の時点に対応する時間軸と、各時間軸に対応する時点について検索された経路の移動態様を示す値とを示すグラフを表示させてもよい。例えば、
図1の例において、表示制御部45は、出発日時「6月16日9時30分」に対応する時間軸を基準とし、出発日時「6月16日9時30分」から30分後の時点、1時間後の時点、3時間後の時点及び12時間後の時点にそれぞれ対応する時間軸と、各時点における所要時間の値とを示すグラフを表示させる。なお、表示制御部45は、出発日時から未来の各時点に対応する時間軸に限らず、
図4に示すように、出発日時(基準となる日時)が未来の日時である場合には、出発日時から過去の各時点に対応する時間軸と、当該時間軸に対応する時点について検索された経路の移動態様を示す値とを示すグラフを表示させてもよい。
【0094】
また、表示制御部45は、複数の時点のうち利用者により選択された時点について検索された経路を示す地図情報を表示させてもよい。例えば、
図1の例において、利用者U1が、グラフの横軸「1時間後」の位置にアイコンIC13をスライドさせた場合、表示制御部45は、基準となる時点「6月16日9時30分」の1時間後である「6月16日10時30分」の時点について検索された経路RT14を示す地図情報を
図3に示すように表示させる。
【0095】
また、表示制御部45は、複数の時点のうち利用者により選択された時点を出発日時とする場合の移動態様を示す情報を表示させてもよい。例えば、
図3の例において、表示制御部45は、出発日時「6月16日10時30分」の時点について検索された経路RT14の到着日時や、所要時間、渋滞の距離、移動距離などといった情報を表示させる。
【0096】
また、表示制御部45は、地図情報が示す経路の表示態様を経路における移動態様に応じて制御してもよい。例えば、
図1の例において、表示制御部45は、経路RT11上で渋滞に巻き込まれる経路を示す経路RT111を表示させる。
【0097】
ここで、利用者が検索した経路や、経路情報に対する利用者の操作に応じた態様で経路情報を表示させたいといった要望が考えられる。したがって、表示制御部45は、現時点を基準としたグラフを表示させてもよい。例えば、現時点を含む所定の期間内の複数の時点の各々について経路が検索された場合、表示制御部45は、現時点を基準としたグラフを表示させる。
【0098】
なお、表示制御部45は、現時点を含む所定の期間内の複数の時点の各々について検索された経路のうち、所要時間が最も短い経路が検索された時点や、所要時間が所定の閾値以下である経路が検索された時点を基準としたグラフを表示させてもよい。
【0099】
また、表示制御部45は、到着日時を基準としたグラフを表示させてもよい。例えば、
図4を例にして説明すると、表示制御部45は、利用者U1が指定した到着日時「6月25日13時00分」を基準としたグラフを表示させる。
【0100】
また、表示制御部45は、複数の時点のうち利用者により選択された時点を基準としたグラフを表示させてもよい。例えば、
図1を例にして説明すると、利用者U1が、グラフの横軸「1時間後」の位置にアイコンIC13をスライドさせた場合、表示制御部45は、
図1において基準となる時点「6月16日9時30分」の1時間後である「6月16日10時30分」の時点を新たに基準としたグラフを表示させてもよい。
【0101】
〔3.提供処理のフロー〕
図9を用いて、実施形態に係る情報提供装置10の提供処理の手順について説明する。
図9は、実施形態に係る提供処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0102】
図9に示すように、情報提供装置10は、情報要求を利用者から受け付ける(ステップS101)。続いて、情報提供装置10は、情報要求に基づいて、時間により変化する要素を含む主情報と、主情報を構成する各要素の時間的変化を示すグラフとを端末装置100に提供する(ステップS102;提供ステップ)。
【0103】
図10を用いて、実施形態に係る情報提供装置10の提供処理の手順について説明する。
図10は、検索部43において説明した詳細な検索処理の手順の一例を示すフローチャートであり、
図9に示したフローチャートのステップS102に関する詳細な検索処理の手順の一例を示す。
【0104】
図10に示すように、情報提供装置10は、複数の時点の各々について経路を検索する(ステップS201)。続いて、情報提供装置10は、複数の時点のうち、隣り合う時点間で要素の時間的変化の割合Pcを算出する(ステップS202)。続いて、情報提供装置10は、割合Pcが所定の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS203)。この判定は、隣り合う時点ごとに複数回行われる。そして、割合Pcが所定の閾値以上である場合(ステップS203YES)、情報提供装置10は、割合Pcが所定の閾値以上である期間について複数の時点を再設定し(ステップS204)、ステップS201に戻る。一方、割合Pcが所定の閾値未満である場合(ステップS203NO)、情報提供装置10は、時間により変化する要素を含む主情報と、主情報を構成する各要素の時間的変化を示すグラフとを端末装置100に提供して(ステップS205)、処理を終了する。
【0105】
この後、情報提供装置10は、前記主情報及び前記グラフを端末装置100に表示させる(ステップS103;表示制御ステップ)。情報提供装置10は、グラフを表示させる際、基準となる時点に対応したグラフ上の位置に、時点の変更を指示するためのアイコンを表示させ、時間的変化の割合が大きい位置ほど時間刻み幅を小さくさせ、時間的変化の割合が小さい位置ほど時間刻み幅を大きくさせる。続いて、情報提供装置10は、利用者の操作があったか否かを判断する(ステップS103)。利用者の操作があった場合には、情報提供装置10は、利用者の操作に応じて主情報及びグラフの表示を変更し(ステップS104)、変更された主情報及びグラフを端末装置100に表示させる(ステップS103)。利用者の操作がなかった場合には、情報提供装置10は、処理を終了する。
【0106】
〔4.変形例〕
上述の実施形態は一例を示したものであり、種々の変更及び応用が可能である。
【0107】
〔4-1.情報提供装置10が提供するサービスについて〕
上述の実施形態において、情報提供装置10がカーナビゲーションサービスを提供する例を示したが、情報提供装置10が提供するサービスはこのような例に限定されず、任意の移動手段を利用した経路の情報提供に関するサービスを提供してもよい。
【0108】
例えば、情報提供装置10は、利用者が徒歩で移動する場合のナビゲーションサービスを提供してもよい。このような場合、検索部43は、所定の期間に含まれる複数の時点の各々について、利用者が出発地から目的地まで徒歩で移動するための経路を検索する。そして、提供部44は、検索された各経路において混雑度が所定の閾値以上であるエリアを利用者が徒歩で移動する距離や、当該エリアを利用者が徒歩で移動する時間の変化を示す経路情報を提供する。
【0109】
また、検索部43は、特定の疾患(例えば、感染性疾患)の診断を行う医療機関や、当該疾患のクラスターが発生したエリア、当該疾患に罹患する可能性の高いエリア(例えば、混雑度が所定の閾値以上であるエリア)などの情報に基づき、利用者が出発地から目的地まで徒歩で移動するための経路であって、当該疾患に罹患する可能性の低い経路を検索する。そして、提供部44は、検索された各経路において疾患に罹患する可能性の変化を示す経路情報を提供する。
【0110】
また、例えば、情報提供装置10は、利用者が電車やバスなどの移動体を利用して移動する場合のナビゲーションサービスを提供してもよい。このような場合、検索部43は、所定の期間に含まれる複数の時点の各々について、利用者が移動体に搭乗して移動するための経路を検索する。そして、提供部44は、検索された各経路において混雑度が所定の閾値以上である移動体に利用者が搭乗する距離や、移動体に利用者が搭乗する時間などの変化を示す経路情報を提供する。
【0111】
〔4-2.提供部44が提供する情報について〕
上述の実施形態において、提供部44が、検索部43により検索された経路を示す地図情報と、各時点における移動態様の変化を示すグラフとを含む経路情報を提供する例を示したが、提供部44の機能はこのような例に限定されない。例えば、出発日時の候補となる時点を示す情報を提供してもよい。具体的な例を挙げると、提供部44は、渋滞に巻き込まれる距離が所定の閾値以下である経路が検索された日時や時間帯(言い換えると、おすすめの日時や時間帯)を示す情報を提供する。そして、情報提供装置10は、提供部44が提供した情報が示す日時や時間帯を強調表示したグラフや、当該情報が示す日時や時間帯のうち利用者が選択した時点を基準としたグラフを表示させる。
【0112】
また、情報提供装置10が提供する情報は経路情報及びこれに関連した情報に限定されず、映画、ドラマなどの音響を含む動画像、音楽・音声情報、天気予報情報など、時間により変化する要素を含む情報を提供してもよい。このようにすれば、動画像等の情報を再生又は確認する場合、アイコンを用いて所望の再生又は確認位置を容易に選択することができるとともに、選択した再生又は確認位置前後における情報を詳細に把握できる。
【0113】
〔4-3.検索部43が検索に用いる情報について〕
上述の実施形態において、提供部44が、道路情報や、各時点におけるリアルタイムな道路交通情報、道路交通情報に基づいて推定される各道路の混雑状況に基づいて検索部43が検索した経路に関する経路情報を提供する例を示した。しかしながら、検索部43が経路の検索に用いる情報はこのような例に限定されない。例えば、検索部43は、各利用者の移動履歴の統計に基づき経路を検索してもよい。具体的な例を挙げると、検索部43は、利用者情報データベース31に格納された各利用者の移動履歴に基づいて、経路を検索する。そして、提供部44は、検索された経路に関する経路情報(例えば、各利用者の移動履歴に基づく平均的な所要時間や、移動距離、渋滞に巻きこまれる距離など)を利用者に提供する。
【0114】
〔4-4.処理態様について〕
上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、逆に、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文章中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0115】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【0116】
また、上記してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0117】
〔5.効果〕
上述してきたように、本発明に係る提供装置は、提供部と、表示制御部とを有する。提供部は、時間により変化する要素を含む主情報と、主情報を構成する各要素の時間的変化を示すグラフとを提供する。表示制御部は、利用者が利用する利用者端末に主情報及びグラフを表示させ、利用者の操作に応じて主情報及びグラフの表示を制御する。表示制御部は、グラフを表示させる際、基準となる時点に対応したグラフ上の位置に、時点の変更を指示するためのアイコンを表示させ、時間的変化の割合が大きい位置ほど時間刻み幅を小さくさせ、時間的変化の割合が小さい位置ほど時間刻み幅を大きくさせる。
【0118】
これにより、利用者は、アイコンの操作という直感的な操作により、グラフ上の所望の時点を容易に選択可能であって、利用者にとって有益な時点における主情報を詳細に把握できる。このため、利用者の利便性を向上させることができる。
【0119】
また、実施形態に係る情報提供装置10は、取得部41と、受付部42と、検索部43と、提供部44と、表示制御部45とを有する。取得部41は、地図情報や、道路交通情報などの情報を取得する。受付部42は、経路の検索要求を利用者から受け付ける。検索部43は、所定の期間に含まれる複数の時点の各々について、利用者が出発地から目的地まで移動するための経路を検索する。提供部44は、検索部43により時点ごとに検索された経路における各移動態様の変化を示す経路情報を提供する。また、提供部44は、経路を利用するための料金、経路における移動距離、経路の所要時間、並びに、経路の混雑状況のうちの少なくともいずれかの変化を示す経路情報を提供する。また、提供部44は、経路において発生する渋滞の距離、経路において発生する渋滞の度合い、経路のうち渋滞が発生する部分の割合、経路において発生する渋滞に利用者が搭乗する移動体が巻き込まれる時間、並びに、経路において発生する渋滞に当該移動体が巻き込まれる距離の少なくともいずれかの変化を示す経路情報を提供する。表示制御部45は、経路情報を利用者が利用する利用者端末に表示させ、経路情報の表示を利用者の操作に応じて制御する。
【0120】
これにより、実施形態に係る情報提供装置10は、利用者自身が設定した出発日時の前後の期間において、渋滞に巻き込まれないより最適な経路を把握することを可能とするため、複数の経路における移動態様の変化を利用者が把握できる。また、利用者は、混雑状況を詳細に把握できるため、適切な対処をとることができる。
【0121】
また、実施形態に係る情報提供装置10において、検索部43は、複数の時点の各々における検索結果を比較して時間的変化の割合を算出し、時間的変化の割合が所定の閾値以上の期間を対象として、当該期間に含まれる複数の時点の各々について経路をさらに検索し、表示制御部45は、時間的変化の割合が所定の閾値以上の期間について、検索部43が検索した経路をグラフに表示させる。
【0122】
これにより、実施形態に係る情報提供装置10は、時間的変化の割合Pcが大きい期間、すなわち、利用者U1が注目する期間について、より詳細な検索を実行することができる。また、利用者は、利用者にとって有益な時点における主情報を詳細に把握できる。
【0123】
また、実施形態に係る情報提供装置10において、例えば、検索部43は、複数の時点の各々について、時点ごとに予測される経路の状態に基づいて経路を検索する。また、検索部43は、複数の時点の各々について、所要時間が最も短い経路を検索する。また、検索部43は、複数の時点の各々について、利用者が設定した共通の検索条件に基づいて経路を検索する。
【0124】
これにより、実施形態に係る情報提供装置10は、各時点に応じた経路を検索することができるため、複数の経路における移動態様の変化を利用者が把握できる。
【0125】
また、実施形態に係る情報提供装置10において、例えば、表示制御部45は、経路情報を利用者が利用する利用者端末に表示させ、経路情報の表示を利用者の操作に応じて制御する。また、表示制御部45は、複数の時点のうち基準となる時点に対応する時間軸と、他の時点に対応する時間軸と、各時間軸に対応する時点について検索された経路の移動態様を示す値とを示すグラフを表示させる。また、表示制御部45は、複数の時点のうち利用者により選択された時点について検索された経路を示す地図情報を表示させる。また、表示制御部45は、複数の時点のうち利用者により選択された時点を出発日時とする場合の移動態様を示す情報を表示させる。また、表示制御部45は、地図情報が示す経路の表示態様を経路における移動態様に応じて制御する。また、表示制御部45は、複数の時点のうち利用者により選択された時点を基準としたグラフを表示させる。
【0126】
これにより、実施形態に係る情報提供装置10は、直感的な操作に応じて経路情報の表示を制御できるため、利用者の利便性を向上させることができる。
【0127】
また、実施形態に係る情報提供装置10において、例えば、提供部44は、経路を示す地図情報と、複数の時点における移動態様の変化を示すグラフとを含む経路情報を提供する。そして、表示制御部45は、地図情報が示す経路の表示を、グラフに対する利用者の操作に応じて制御する。また、検索部43は、現時点を含む所定の期間内の複数の時点の各々について経路を検索する。そして、表示制御部45は、現時点を基準としたグラフを表示させる。また、検索部43は、出発地からの出発日時として設定された時点を含む所定の期間内の複数の時点の各々について経路を検索する。そして、表示制御部45は、出発日時を基準としたグラフを表示させる。また、検索部43は、目的地への到着日時として設定された時点を含む所定の期間内の複数の時点の各々について経路を検索する。そして、表示制御部45は、到着日時を基準としたグラフを表示させる。
【0128】
これにより、実施形態に係る情報提供装置10は、利用者が指定した検索条件に応じた経路情報を表示させることができるため、利用者の利便性を向上させることができる。
【0129】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述してきた各実施形態に係る情報提供装置10は、例えば、
図11に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、情報提供装置10を例に挙げて説明する。
図11は、情報提供装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、ROM1200、RAM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0130】
CPU1100は、ROM1200又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1200は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0131】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス1500は、通信網500(実施形態のネットワークNに対応する)を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、また、通信網500を介してCPU1100が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0132】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0133】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1300を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1300上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、又は半導体メモリ等である。
【0134】
例えば、コンピュータ1000が情報提供装置10として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1300上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部40の機能を実現する。また、HDD1400には、情報提供装置10の記憶装置内の各データが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網500を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0135】
〔7.その他〕
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0136】
また、上述した情報提供装置10は、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0137】
また、特許請求の範囲に記載した「部」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0138】
10 情報提供装置
20 通信部
30 記憶部
31 利用者情報データベース
32 道路交通情報データベース
40 制御部
41 取得部
42 受付部
43 検索部
44 提供部
45 表示制御部
100 端末装置
200 外部サーバ
IC11~IC13,IC21,IC22 アイコン