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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-25
(45)【発行日】2022-12-05
(54)【発明の名称】蓋
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/448 20060101AFI20221128BHJP
【FI】
A61F5/448
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021174402
(22)【出願日】2021-10-26
(62)【分割の表示】P 2018564856の分割
【原出願日】2017-06-15
(65)【公開番号】P2022009489
(43)【公開日】2022-01-14
【審査請求日】2021-10-26
(31)【優先権主張番号】1610527.2
(32)【優先日】2016-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】507139753
【氏名又は名称】オストミキュア アーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】マス エリック キンダール カルデル
(72)【発明者】
【氏名】エリック エルウィング
(72)【発明者】
【氏名】イミー ギダ ショーン
【審査官】望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/039517(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 5/448
A61F 5/445
A61F 5/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用インプラント用の蓋であって、前記蓋は、第1の部分と、第2の部分と、係合手段とを備え、前記第2の部分は、前記第1の部分に対して回転可能であるか、または、前記第1の部分は、前記第2の部分に対して回転可能であり、使用時、前記第2の部分に対する前記第1の部分の回転が、前記係合手段をインプラントと係合させ、かつ、前記インプラントに前記蓋を取り付けさせるように前記第1の部分および前記第2の部分が配列されており、前記係合手段が、前記インプラント上に提供された対応する受容部分と係合するように配列された突出部、陥凹、もしくは空洞を備えるか、または、前記突出部、陥凹、もしくは空洞から成ることを特徴とする、蓋。
【請求項2】
前記第1の部分、前記第2の部分、および前記係合手段は、使用時、前記第1の部分に対する前記第2の部分の回転または前記第2の部分に対する前記第1の部分の回転が、前記第1の部分を前記係合手段に対して圧接させるように配列される、請求項1に記載の蓋。
【請求項3】
前記係合手段は、前記第2の部分内に位置し、かつ/または、
前記係合手段は、1つまたは複数のピンを備え、好ましくは、3つのピンを備える、請求項1または2に記載の蓋。
【請求項4】
前記第1の部分は、キャップであり、かつ/または、前記第2の部分は、基部であり、前記基部は、好ましくは、リング形状である、請求項1~3のいずれか一項に記載の蓋。
【請求項5】
前記第1の部分は、前記第2の部分の中にスナップ嵌合される、請求項1~4のいずれか一項に記載の蓋。
【請求項6】
前記第1の部分および第2の部分は、相補的誘導手段を備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の蓋。
【請求項7】
前記相補的誘導手段は、前記第1の部分または前記第2の部分上に提供される1つまたは複数の溝と、前記第1の部分および前記第2の部分の他方上に提供される1つまたは複数の相補的突出部分とを備え、前記1つまたは複数の突出部分は、前記1つまたは複数の溝の中に延在するように配列され、それによって、前記第1の部分および第2の部分が、相互に対して回転することを可能にする、請求項6に記載の蓋。
【請求項8】
前記第1の部分および第2の部分は、前記第2の部分が、前記第1の部分に対して回転されるか、または、前記第1の部分が、前記第2の部分に対して回転されるにつれて、前記第1の部分がまた、前記第2の部分に対して軸方向に移動させられるように配列される、請求項1~7のいずれか一項に記載の蓋。
【請求項9】
前記第1の部分は、前記第1の部分を前記第2の部分に対して回転させるための回転手段を備えるか、または、それに接続されており、
前記回転手段は、好ましくは、前記第2の部分が前記第1の部分に対して回転され得るか、または、前記第1の部分が前記第2の部分に対して回転され得る、第1の位置と、前記第2の部分が前記第1の部分に対して回転され得ないか、または、前記第1の部分が前記第2の部分に対して回転され得ない、第2の位置との間で移動可能である、請求項1~8のいずれか一項に記載の蓋。
【請求項10】
前記回転手段は、前記第1の部分内に提供される溝または陥凹内で、好ましくは、半径方向に、移動するかまたは摺動するように配列される、移動可能な部材またはスライダである、請求項9に記載の蓋。
【請求項11】
前記蓋は、シールをさらに備え、前記シールは、好ましくは、前記第1の部分の中に提供されるかまたはその一部分であり、かつ/または、前記シールは、好ましくは、シールリングである、請求項1~10のいずれか一項に記載の蓋。
【請求項12】
インプラントであって、前記インプラントは、前記インプラントに取り付けられる請求項1~11のいずれか一項に記載の蓋を伴う、インプラント。
【請求項13】
請求項1から11のいずれか一項に記載の蓋を製造する方法であって、前記方法は、
第1の部分と、第2の部分と、係合手段とを提供することと、
前記第1の部分と、前記第2の部分と、前記係合手段とを組み立て、前記第2の部分が、前記第1の部分に対して回転可能であるかまたは逆も同様であるように、かつ、使用時、前記第1の部分に対する前記第2の部分の回転または逆も同様が、前記係合手段を前記インプラントと係合させ、かつ、前記インプラントに蓋を取り付けさせるように、蓋を形成する、ことと
を含む、方法。
【請求項14】
請求項1から11のいずれか一項に記載の蓋を前記インプラントに取り付ける方法であって、前記方法は、
前記インプラントの突出端部にわたって前記蓋を設置することと、次いで、
前記係合手段が、前記インプラントと係合し、かつ、前記インプラントに前記蓋を取り付けるように、前記第2の部分を前記第1の部分に対して回転させるかまたは逆も同様であることと
を含む、方法。
【請求項15】
請求項1から11のいずれか一項に記載の蓋を前記インプラントから除去する方法であって、前記方法は、
前記係合手段が、前記蓋から係合解除するように、前記第2の部分を前記第1の部分に対して回転させるかまたは逆も同様であることと、次いで、
前記インプラントから前記蓋を除去することと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋、すなわち、閉鎖デバイスに関する。特に、これは、医療用インプラント用、より具体的には、造瘻術インプラント用の蓋、すなわち、閉鎖デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
回腸造瘻術および結腸造瘻術は、例えば、悪性疾患または慢性腸炎によって必要とされ得る一般的な処置である。外科手術は、結腸および直腸が取り除かれた場合、回腸造瘻術と呼ばれ、直腸だけが取り除かれた場合、結腸造瘻術と呼ばれる。同様に、腹部尿路変更術も、膀胱が、例えば、膀胱癌に起因して取り除かれる必要があるときに作成される。これらの処置では、瘻が、腸区画が接続される腹壁内に形成される。
【0003】
造瘻術は、瘻が作成される任意のそのような手技に対する一般的用語である。
【0004】
瘻は、殆どの場合、体内排泄物の収集のためのバッグに接続される必要がある。しかしながら、従来の回腸造瘻術の代わりに、回腸の遠位部分から、「Kockパウチ」として知られるリザーバを作製することが可能である。パウチは、カテーテルを用いて断続的に排水されることを可能にしながら、リザーバを閉鎖する役割を果たす、ニップル弁が作成されるように形成される。これは、いわゆる自制回腸造瘻術(CI)の実施例であって、以前は、従来の回腸造瘻術の魅力的代替であったが、現在は、殆ど使用されていない。手技の複雑性および合併症の高潜在性(それらの殆どは、自制ニップル弁の機能不全に関連する)が、今日では、多くの外科医がその処理を採用することを思いとどまらせている。
【0005】
回腸嚢肛門吻合術(IPAA)は、今日では、これらの患者に対して世界基準であるが、CIと同様に、この処置もリスクがあり、失敗がよくあり、殆どは、腸損失を伴い、パウチ摘出につながる。失敗したIPAAのCIへの転換は、好ましい選択であるが、再び、外科医は、この複雑で信頼のおけない技術を実行することをためらう。同様に、機能不全同所性新膀胱またはBricker尿路変更術の転換も、望ましいであろう。
【0006】
例えば、蓋またはバッグへの瘻の接続を促進するために、インプラントを提供することが、公知である。
【0007】
例えば、図1および2に図示されるように、本出願人の先願第WO 2014/140344 A1号は、主にメッシュから形成される管状内部区分2と、円形の、半径方向に延在する係留フランジ、すなわち、皮膚アンカ3とを備える、経皮的造瘻術用インプラント1を開示する。
【0008】
インプラント1は、患者の腹壁を通して埋め込まれ、かつそれを通して牽引される腸区分を受容するように設計される。腸区分からの漿膜組織は、次いで、メッシュを通してインプラント1の中に成長し、囲繞皮膚組織に付着する、またはその中に成長する。これは、しっかりし、安定し、漏れない、良好に血管新生した組織インプラント接合部を提供する。
【0009】
管状内部区分2は、外部区分4に取り付けられ、これは、インプラント1が、患者の中に埋め込まれるとき、患者の身体から突出する。外部区分4の外部円周周囲の溝6は、蓋、バッグ、または他のデバイス(図示せず)が、インプラント1に取り付けられることを可能にする。
【0010】
いったんインプラントが患者の中に埋め込まれると、ある方法でそれを閉鎖する、またはそれをある形態の排出手段(例えば、バッグまたはカテーテル)に密封状態で接続し、瘻からの排泄物の漏出を防止し、排泄物が、清潔に回収および/または処分されることを可能にする必要がある。これは、通常、ある形態の蓋が、インプラントの外部端部に取り付けられる必要があることを意味する。
【0011】
本出願人の先願第WO 2006/046210 A1号は、脱着可能な蓋が、インプラントの縦軸に垂直な方向に蓋を摺動することによって、インプラントの外部端部上に搭載され、かつそこから除去されることができるように配列される、搭載手段(例えば、溝または隆起)を伴うインプラント用の脱着可能な蓋を開示する。
【0012】
しかしながら、インプラント上に蓋を搭載する本方法の問題は、それが、組織/インプラント接合部を損傷させ得る力をインプラントに及ぼさせ得ることである。このように蓋を搭載することもまた、患者にとって困難であり得る。
【0013】
さらなる問題は、取付のこの摺動方法を用いて、蓋を適切に、すなわち、漏出防止性の方法でインプラントとシールさせることが困難であり得ることである。
【0014】
第WO 2006/046210 A1号はまた、インプラントに造瘻術バッグを接続させるためのコネクタを開示する。コネクタは、蓋を摺動させてインプラントから外し、バッグをインプラントに接続するように配列される。
【0015】
本出願人のより最近の出願第WO 2011/039517 A1号では、結合部分と、閉鎖部分(例えば、蓋またはキャップ)とを備える、医療用閉鎖デバイスが開示される。結合部分は、インプラント等の医療用デバイスに取り付けられることができ、閉鎖部分は、次いで、結合部分に取り付けられ、インプラントを閉鎖することができる。結合部分は、結合開口部を分界する円周可撓性部材であり、結合開口部が医療用デバイスにわたって通過し得ない、弛緩構成と、結合部分の結合開口部が医療用デバイスにわたって通過し得る、応力印加構成との間で構成可能である。したがって、結合部分が、圧搾される場合、それは、その弛緩構成から、それがインプラントの端部にわたって通過され得る、応力印加構成に変形するであろう。圧力が、解放される(すなわち、圧搾が停止される)とき、結合部分は、弛緩構成に戻るよう試み、したがって、インプラントの端部を把持するであろう。結合部分を除去するために、逆の手技が、実施されることができる。
【0016】
しかしながら、この取付機構の問題は、結合部分が、意図せずにまたは偶発的に、インプラントから脱着されることが可能であり得ることであり、例えば、物体にもたれることによって、圧力が、結合部分に印加される場合、それを応力印加構成に圧搾させ、それによって、それが、インプラントから脱着され得る。
【0017】
第WO 2011/039517 A1号の閉鎖デバイスはまた、比較的幅広く、インプラントに取り付けられるとき、摩滅および炎症のリスクがあるように、患者の皮膚に近接して下に延在する。
【0018】
結合部分への閉鎖部分の取付は、両手を要求し、ユーザにとって問題であり得る。また、閉鎖デバイスは、2つの別個の部分(結合部分および閉鎖部分)を備えるため、単一の部分から作製される閉鎖デバイスと比較すると、1つの部分が損失または落下する、より大きな機会が存在する。取扱もまた、より不便であり得る。
【0019】
さらに、この閉鎖デバイスを用いると、それが、インプラント上に適切に着座およびシールされないように、不正確な位置においてインプラントに取り付けられ得る(係止される)可能性がある。例えば、多くの場合、ユーザは、蓋/インプラント界面を見ることができず(例えば、邪魔になる衣服または胃に起因して)、そのため、ユーザは、閉鎖デバイスを不適切な位置においてインプラント上に取り付けまたは係止させ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【文献】国際公開第WO 2014/140344 A1号
【文献】国際公開第WO 2006/046210 A1号
【文献】国際公開第WO 2011/039517 A1号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の第1の側面によると、医療用インプラント用の蓋であって、第1の部分と、第2の部分と、係合手段とを備える、蓋が提供され、使用時、第1の部分に対する第2の部分の回転(または逆も同様)が、係合手段をインプラントと係合させ、かつ、該インプラントに蓋を取り付けさせるように、第2の部分は、第1の部分に対して回転可能である(または、第1の部分は、第2の部分に対して回転可能である)。
【0022】
したがって、本発明によると、蓋の第2の部分は、第1の部分に対して回転され(または逆も同様)、蓋をインプラントと係合させ、かつ、該インプラントに取り付けさせることができる。故に、蓋の1つの部分(例えば、第1の部分)は、蓋が、インプラントに取り付けられている間、該インプラントに対して定常状態で保たれてもよい。これは、取付の間、インプラントに印加されるいかなる力をも低減または排除させることができ、それによって、インプラント/組織接合部への潜在的な損傷を低減または排除するために役立つ。加えて、そのような取付機構を伴う蓋は、蓋をインプラントに取り付けるための、ユーザにとって比較的容易かつ簡便な方法を提供し、蓋の偶発的除去は、最小限化または防止され得る。
【0023】
蓋は、単にその部分の1つの回転によって、インプラントに取り付けられる、またはそれから脱着され得るため、蓋を片手で取り付けることが可能であり得る。これは、当然ながら、第2の手が、例えば、蓋が除去された後、必要とされ得る他のアイテムを保持するために(例えば、排出/清掃のために)使用され得るという利点を有する(代替として、当然ながら、両手が使用されてもよい)。
【0024】
さらに、蓋は、単にその部分の1つの回転によって、インプラントに取り付けられる、またはそれから脱着され得るため、例えば、関節炎、握力の弱い手、または小さい手を伴うユーザでも、この手技を実施することが可能となり得る。
【0025】
本蓋が併用され得る医療用インプラントは、例えば、造瘻術インプラントであり得、本発明は、実際に、特にこの目的に好適である。しかしながら、蓋は、造瘻術インプラントとの併用に限定されず、または実際に、いかなる他の種類の医療用インプラントとの併用にも限定されず、任意の医療用インプラントのために使用され得、または実際に、例えば、内部または上方でそのような取付機構を伴う蓋を提供することが有用な任意の他の構造をカバーするために使用され得る。本蓋が併用され得る医療用インプラントの実施例は、限定ではないが、例えば、結腸造瘻術インプラント、尿路変更術インプラント、および胃瘻造設術インプラントを含み得る。本蓋が、併用され得る、インプラントを伴う医療用システムのさらなる実施例は、経腸栄養システム(例えば、持続経皮的カテーテルを通した胃の中への直接的な栄養送達)である。
【0026】
インプラントに取り付けられるとき、蓋、特に、係合手段は、好ましくは、それが患者の内側の過剰圧力(例えば、ガスの蓄積に起因する)に耐えることができるように、十分に強くかつ十分にしっかりしている。
【0027】
上記に説明される単純機構は、蓋が、比較的薄くあってもよく、好ましくは、比較的に薄いことを意味する。例えば、蓋は、2.0cmまたはそれ未満、2.8cmまたはそれ未満、2.6cmまたはそれ未満、2.4cmまたはそれ未満、2.2cmまたはそれ未満、2.0cmまたはそれ未満、1.8cmまたはそれ未満、1.6cmまたはそれ未満、1.4cmまたはそれ未満、1.2cmまたはそれ未満、1.0cmまたはそれ未満の深度を有してもよい。そのような薄い蓋を提供することは、使用時、蓋が、テーブル、衣服、ドア枠、ベルト等の、ユーザが接触し得る、他の物体に引っかかる可能性が殆どないことを意味する。
【0028】
蓋は、それがユーザの皮膚に接触するであろう点に湾曲して下がる、平滑な丸みを帯びた上面または外部表面を有してもよい。このように、蓋は、他の物体に対して引っかかり得る、角または突出部分を有さないであろう。
【0029】
第1の部分、第2の部分、および係合手段は、好ましくは、使用時、第1の部分に対する第2の部分の回転(または逆も同様)が、第1の部分を係合手段に対して圧接させるように配列される。この配列は、それによって第2の(または第1の)部分の回転が、インプラントとの係合手段の係合を引き起こす、単純機構を提供することができる。
【0030】
係合手段は、任意の形態の係合機構または係合器である、またはそれを備え得る。
【0031】
係合手段は、好ましくは、第2の部分内に位置する。係合手段は、第2の部分の一部であり得る、または代替として、係合手段は、例えば、第2の部分内に提供される別個の構成要素であり得る。
【0032】
係合手段は、例えば、インプラントと係合するために好適である、任意の種類の係合部分であり得るかまたはそれを備え得る。例えば、係合手段は、インプラント上に提供される、対応する受容部分(例えば、溝、スロット、孔、または陥凹)と嵌合するように配列および/または定寸され得る、1つまたはそれを上回る突出係合手段または突出部(例えば、突出部、隆起、バンプ、ピン、フック)を備え得る。
【0033】
代替として、または加えて、係合手段は、例えば、第2の部分の内側に提供される、1つまたはそれを上回る陥凹または空洞(例えば、溝、スロット、孔)を備え得、陥凹または空洞は、インプラント上に提供される突出係合手段または突出部(例えば、突出部、隆起、バンプ、ピン、またはフック)を受容するかまたはそれにわたって嵌合するように、配列および/または定寸され得る。
【0034】
好ましくは、係合手段は、第2の部分と別個である(それと一体的に形成されない)、1つまたはそれを上回る構成要素を備え、好ましくは、第2の部分内に含有されるが、例えば、少なくとも、第2の部分に対してある程度移動可能である。
【0035】
代替として、または加えて、係合手段は、突出部(例えば、突出部、隆起、バンプ、ピン、またはフック)または受容部分(例えば、溝、スロット、孔、または陥凹)等の1つまたはそれを上回る、固定されるもしくは一体的な係合構成要素(例えば、第2の部分に固定される、またはそれと一体的に形成される)を備えてもよい。
【0036】
係合手段は、好ましくは、第2の部分が、前記第1の部分に対して回転されるとき(または逆も同様)、係合手段が、インプラント上に提供される係合陥凹または空洞の中に突出するように作製されるように、配列される。
【0037】
代替として、係合手段は、第2の部分が、前記第1の部分に対して回転されるとき(または逆も同様)、係合手段が、インプラント上に提供される係合突出部にわたって、その周囲に、またはそれを通して突出するように作製されるように、配列され得る。
【0038】
好ましい実施形態では、係合手段は、1つまたはそれを上回る、好ましくは、3つのピンを備える。1つを上回るピンが提供される場合、2つまたはそれを上回るピンは、好ましくは、2つまたはそれを上回るピンが、その円周周囲のインプラントと係合することができるように、第2の部分の周囲に等しい間隔で配列されてもよい。
【0039】
好ましくは、1つまたはそれを上回るピンは、インプラントと係合し得るものが1つまたはそれを上回るピンの縦側面であるように、配列される。しかしながら、代替実施形態では、1つまたはそれを上回るピンは、インプラントと係合し得るものが1つまたはそれを上回るピンのそれぞれの端部であるように、配列され得る。
【0040】
ピンまたは複数のピンは、好ましくは、第2の部分によって支持され、好ましくは、少なくとも、第2の部分に対してある程度移動可能である。
【0041】
ピンまたは複数のピンは、好ましくは、例えば、円形の断面、好ましくは、丸みを帯びた端部を伴う直線状である。
【0042】
好ましくは、第1の部分、第2の部分、および係合手段は、第2の部分が、第1の部分に対して回転されるにつれて(または逆も同様)、第1の部分もまた、さらに、第2の部分の中にまたはその上に移動するように、配列される。
【0043】
好ましくは、第1の部分、第2の部分、および係合手段はさらに、第1の部分がさらに、第2の部分の中にまたはその上に移動するにつれて、係合手段が、インプラントと係合することができるように、第1の部分が、係合手段上に力を及ぼす、それを押動する、またはそれを圧接するように、配列される。
【0044】
したがって、第2の(または第1の)部分を回転させることによって、係合手段が、インプラントと係合するように作製されることができる。
【0045】
加えて、好ましくは、第1の部分、第2の部分、および係合手段は、第1の部分がさらに、第2の部分の中にまたはその上に移動し、かつ第1の部分が、係合手段上に力を及ぼす、それを押動する、またはそれを圧接するにつれて、係合手段が、半径方向に内向きに、インプラントに向かって、および/または(次いで、)上向きに、好ましくは、両方に移動させられることによって、インプラントと係合する。係合手段を半径方向に内向きに、次いで、上向きに、インプラント(例えば、その中の溝)の中にの両方に移動させることによって、インプラントとのよりしっかりした係合が、提供されることができる。
【0046】
加えて、係合手段が、上向きにインプラントの中に押し込まれるにつれて、第1の部分、好ましくは、例えば、第1の部分上の蓋上に提供されるシールもまた、インプラント上へと下向きに牽引され、それによって、シールを圧縮してもよい。これは、インプラントと蓋との間に強く安全なシールを作成し得、例えば、腸液からの圧力に理想的に耐えることができる。
【0047】
好ましい実施形態では、第1の部分は、キャップである。例えば、第1の部分、すなわち、キャップは、略円形であってもよい。
【0048】
キャップは、円形の上面部分と、リング形状の側面部分とから形成されてもよい。
【0049】
キャップ、好ましくは、その上面部分は、1つまたはそれを上回る溝を備えてもよい。
【0050】
例えば、キャップは、好ましくは、上面部分の片側から、好ましくは、上面部分の中央を横断して、上面部分の反対側へと延設される、第1の溝を備えてもよい。溝の片側または両側に沿って、陥凹が、提供されてもよい。
【0051】
キャップは、例えば、第1の溝の基部内に提供される、第2の溝を備えてもよい。第1の溝の基部は、そうでなければ平坦であってもよい。第2の溝は、好ましくは、第1の溝より狭く、好ましくは、例えば、第1の溝が開始する、上面部分の片側から、好ましくは、上面部分の中央を横断し、好ましくは、完全にではないが、上面部分の略反対側へと延設される。第1および第2の溝の中心線は、好ましくは、共線形である。
【0052】
第2の溝の基部上に、好ましくは、その中心線に沿って離間され、1つまたはそれを上回る、好ましくは、2つの上向き突出バンプが、提供されてもよい。1つまたはそれを上回るバンプは、好ましくは、それらが、第1の溝の中に上向きに突出しないように、第2の溝の深度より僅かにも高く突出しない。
【0053】
キャップの側面部分は、好ましくは、上面部分の周辺縁から下向きに突出する。
【0054】
キャップの中、好ましくは、側面部分の外部表面上に、1つまたはそれを上回る、好ましくは、3つの、好ましくは、同じ、好ましくは、等しく円周方向に離間される、溝または陥凹が、提供されてもよい。各溝または陥凹は、上向き延在部分もしくは円周方向延在部分、好ましくは、上向き延在部分と、円周方向延在部分との両方を備えてもよい。上向き延在部分は、側面部分の底部から上向きに、そこまで遠くには及ばないが、上面部分に向かって延在してもよい。溝は、次いで、円周方向延在部分の中で、上向き延在部分の上面から、側面部分の周囲で円周方向に続く。好ましくは、各溝は、いかなる溝もない間隙が、溝の間に存在するように、側面部分の周囲で隣の溝まで遠くには延在しない。
【0055】
各溝の上向き延在部分は、円周方向延在部分より浅くてもよい。したがって、その直上で開始し得る、上向き延在部分から円周方向延在部分への「下向きの」(すなわち、キャップに対して半径方向に内向きの)小さいステップが、存在してもよい。
【0056】
加えて、または代替として、好ましくは、円周方向延在部分の前の上向き延在部分に沿ってまたはその上面端部において提供される、(比較的小さい)隆起またはバンプが、存在する。
【0057】
各溝の円周方向延在部分内に、好ましくは、円周方向延在部分の中心線の長さの全体ではないがその大部分に沿って、(比較的薄い)隆起が、存在してもよい。隆起は、好ましくは、円周方向延在部分の両端部まで遠くには延在しない。
【0058】
好ましくは、各円周方向延在部分が、側面部分の周囲に延在するにつれて、また、各円周方向延在部分が、好ましくは、側面部分の周囲で上向きに傾斜するように、僅かに上向きに延在する。
【0059】
好ましくは、上面部分の下側面上、例えば、側面部分の内側に、半径方向内部溝および/または半径方向外部溝が存在する。半径方向外部溝は、側面部分の半径方向内部表面および第1の円形壁によって境界されるかまたは形成されてもよい。半径方向内部溝は、第1の円形壁および第2の円形壁によって境界されるかまたは形成されてもよい。
【0060】
好ましくは、第2の部分は、基部であって、基部は、好ましくは、例えば、その中心に略円形の開口部を伴う、略リング形状である。
【0061】
例えば、基部は、側面部と、例えば、側面部分の下側(使用時)周辺縁から半径方向に内向きに延在し得る、半径方向内向延在部分とを備えてもよい。半径方向内向延在部分は、例えば、その中心において、基部の略円形開口部を形成し得るかまたは備え得る。
【0062】
側面部分または基部の外部表面上に、好ましくは、例えば、回転のためおよび/またはインプラントにわたってそれを設置するときのために、例えば、基部の把持を促進するための隆起を伴う、把持領域が、存在する。
【0063】
好ましくは、基部は、例えば、側面部分が、半径方向内向延在部分に継合する場合、丸みを帯びたまたは湾曲される底部を有する。代替として、または加えて、蓋(例えば、その基部)および/またはインプラントは、蓋が、インプラントに取り付けられるとき、患者の皮膚と蓋/基部の底部との間に小さい間隙が存在するように定寸される。これは、例えば、着座または屈曲するときに、患者の皮膚上に、摩滅が、殆どまたは全く生じないであろうことを意味する。
【0064】
基部は、好ましくは、第1の部分、すなわち、キャップが、その内側に、好ましくは、厳密に嵌合することができるように、定寸される。言い換えると、基部の内径は、好ましくは、第1の部分、すなわち、キャップの外径に等しい。
【0065】
基部の上側または内部表面、好ましくは、その半径方向内向延在部分上に、好ましくは、例えば、側面部分の内部表面と、例えば、内向延在部分の内部円周から、例えば、上向きに延在する円形の隆起とによって形成され得る、円周方向の溝が存在する。蓋が、組み立てられるとき、隆起は、好ましくは、第1の部分、すなわち、キャップの溝と嵌合するように(例えば、半径方向に外向きに)定寸される。
【0066】
1つまたはそれを上回る、好ましくは、3つの、好ましくは、円周方向の溝に沿って等しく円周方向に離間される位置において、例えば、円周方向の溝より僅かに深くあり得る、1つまたはそれを上回る陥凹もしくは直線状の溝が存在する。1つまたはそれを上回る陥凹もしくは直線状の溝は、好ましくは、それらが、係合手段を支持または含有することができるように配列され定寸される。
【0067】
例えば、これらの陥凹または直線状の溝のそれぞれの中心点の上方にあって、例えば、側面部分の表面から延在する、1つまたはそれを上回る、好ましくは、3つの、好ましくは、円形の、誘導突出部が、存在してもよい。1つまたはそれを上回る誘導突出部は、好ましくは、キャップ、すなわち、第1の部分内に提供される溝に嵌合し、かつ、該溝に沿って摺動するように定寸される。
【0068】
例えば、各直線状の溝のいずれか一方の端部における、好ましくは、半径方向内部側面上の各陥凹または直線状の溝と関連して、例えば、弱いばねとして作用することができる(例えば、各陥凹または直線状の溝内の係合手段に対して)、弾性凸部が、提供されてもよい。
【0069】
陥凹は、好ましくは、誘導突出部の1つの上方の側面部分内に提供される。陥凹は、好ましくは、スライダ(以下に説明される)が、それに嵌合する、またはそれを通して摺動され得るように定寸される。
【0070】
蓋は、好ましくは、蓋が、係合および/または係合解除される状態にあるときを示す、触覚フィードバックをユーザに提供するための手段を備える。例えば、側面部分内の陥凹の端部は、スライダの一部分または他の回転手段(以下参照)が、例えば、それらに対して当接するとき(例えば、スライダ/基部の回転に続いて)、そのような触覚フィードバックを提供してもよい。
【0071】
好ましくは、第1の部分は、第2の部分の中にスナップ嵌合される、またはそのようにされることができる。これは、依然として、2つの部分が、相互に対して回転することができることを確実にしながら、それらを組み立てるための簡便かつ確実な方法である。
【0072】
好ましくは、第1および第2の部分は、例えば、それらの相対的回転を促進するための、相補的誘導手段、すなわち、誘導部分を備える。
【0073】
一方の部分(例えば、第1または第2の部分)は、突出部を備え、他方の部分は、突出部を誘導するための溝を備えてもよい。
【0074】
例えば、相補的誘導手段は、第1の部分または第2の部分上に提供される、1つまたはそれを上回る溝と、第1の部分および第2の部分の他方上に提供される、1つまたはそれを上回る相補的突出部分、すなわち、突出部とを備え、それによって、1つまたはそれを上回る突出部分は、1つまたはそれを上回る溝の中に延在するように配列され、それによって、第1および第2の部分が、相互に対して回転することを可能にする。
【0075】
好ましくは、第1および第2の部分は、第2の部分が、第1の部分に対して回転されるにつれて(または逆も同様)、第1の部分がまた、第2の部分に関して軸方向に移動させられる(例えば、相補的誘導手段によって)ように配列される。したがって、第1の部分が、第2の部分に対して回転されるにつれて、第1の部分は、回転方向に応じて、第2の部分に向かって、それから離れるように、またはその中にもしくはそこから外に移動させられてもよい。
【0076】
第1の部分は、第1の部分に対する第2の部分の回転(または逆も同様)を促進するために、回転手段(すなわち、アンビル)を備える、またはそれに接続されてもよい。例えば、回転手段は、第1の部分から突出し得る、またはそこから突出することが可能であり、例えば、第1の部分を定常状態に保つことによって第2の部分の回転を促進し得る。代替として、回転手段は、第2の部分が、定常状態で保持される間、第1の部分の回転を促進させるために使用され得る。
【0077】
用語「回転手段」が、使用されるが、回転手段それ自体は、必ずしも回転する必要はなく、それは、単に、別の部分の回転を促進し得ることが、理解されるであろう。したがって、本願では、「回転手段」は、第2または第1の部分の回転を促進するための手段(すなわち、「回転促進手段」)として解釈されるべきであり、それ自体が、必ずしも回転される必要はない。実際は、使用の好ましい形態では、回転手段は、定常状態で保持され、「アンビル」、すなわち、保持手段の一種として使用される。例えば、回転手段は、第2の部分が、第1の部分に対して回転される間、第1の部分を定常状態に保つために、使用されてもよく、かつ好ましくは、そのように使用される。しかしながら、代替として、回転手段は、(定常状態の)第2の部分に対して第1の部分を回転させるために使用され得る。
【0078】
回転手段は、好ましくは、第2の部分が、第1の部分に対して回転され得る(または逆も同様)、第1の位置(蓋が、「係止解除される」)と、第2の部分が、第1の部分に対して回転され得ない(または逆も同様)、第2の位置(蓋が、「係止される」)との間で後退可能である。したがって、回転手段が、第2の(係止される)位置にあるとき、第1の部分の意図しない回転が、防止され得る。
【0079】
回転手段は、例えば、好ましくは、例えば、第1の部分内に提供される溝内に、半径方向に摺動するために配列される、スライダであってもよい。
【0080】
回転手段は、好ましくは、第1の部分の直径を横断して延在するように定寸される。
【0081】
好ましい実施形態では、回転手段は、略長方形であるが、例えば、第1の部分の円周に整合または対応するために湾曲される端部を有してもよい。
【0082】
回転手段は、好ましくは、例えば、回転手段の長さに沿って延在する、この表面の湾曲を伴う、湾曲される上側表面を有する。
【0083】
回転手段の底部表面上に、例えば、一方の端部に向かって、等しい長さの、好ましくは、回転手段の(比較的短い)長さに沿って延在する、1つまたはそれを上回る、好ましくは、2つの、好ましくは、平行な、隆起が提供されてもよい。
【0084】
加えて、または代替として、バンプが、好ましくは、回転手段の底部表面上に提供される。例えば、バンプは、2つの隆起の間の領域内に提供されてもよく、バンプは、2つの隆起の間に延在してもよい。バンプは、好ましくは、湾曲される。隆起は、好ましくは、バンプより回転手段の長さに沿って僅かにより遠くに延在する。
【0085】
蓋は、好ましくは、蓋が、係止される/係止解除される状態/位置にあるときを示すために、ユーザに触覚および/または可聴のフィードバック(好ましくは両方)(例えば、触覚および/または可聴のフィードバック部分)を提供するための手段を備える。例えば、回転手段上に提供される1つまたはそれを上回るバンプ、隆起、ならびに溝および/または第1の部分(例えば、第1の部分内の溝内の)の間の相互作用は、そのようなフィードバックを提供し得る。好ましくは、回転手段の下に提供されるバンプおよび/または1つまたはそれを上回る隆起、ならびに/もしくは第1の部分上の1つまたはそれを上回る上向突出バンプおよび/または第2の溝の端部は、それらの間の相互作用が、多数のそのようなフィードバックを提供するように配列される。
【0086】
好ましくは、湾曲される溝が、回転手段の底部表面上に、例えば、その縦方向の中間点の周囲に提供される。湾曲される溝は、好ましくは、回転手段の一方の縁から、好ましくは、そこまでは遠くには及ばないが、反対の縁に向かって延在する。湾曲される溝は、好ましくは、第1の部分の外部円周または第2の部分の上面の内部円周のものに対応するその内部縁上に、曲率半径を有する。
【0087】
好ましくは、回転手段の上側表面上に、例えば、一方の端部において、例えば、回転手段が、使用時、移動または摺動されるべき方向を示す、単端または両端矢印等のマーキングもしくは符号が、提供されてもよい。
【0088】
回転手段は、例えば、その上側表面の、例えば、(他方の)端部において、例えば、使用時、回転手段の移動または摺動を促進するための、1つまたはそれを上回る隆起もしくは他の把持手段を伴う担持面積を備えてもよい。
【0089】
回転手段の一方、好ましくは、両方の縁に沿って、例えば、その底部側面から、1つまたはそれを上回る突出部分が、提供されてもよい。1つの突出部分は、例えば、それが、回転手段の底部表面上に提供される湾曲される溝にわたって延在する、1つの点において、断絶または間隙を有し得る。突出部分は、好ましくは、第1の部分内に提供される溝の内側に存在する陥凹と嵌合するように、定寸される。
【0090】
上記の通り、回転手段は、第2の(または第1の)部分を回転させるための手段の提供に加え、蓋を係止する/係止解除するための手段(係止手段)を提供する。しかしながら、係止手段が、例えば、別個の部分として、回転手段から、かつそれに加えて、別個に提供されることもまた、可能である。
【0091】
したがって、いくつかの実施形態では、蓋は、蓋を係止する/係止解除するための係止手段を備えてもよい。好ましくは、係止手段は、第1の部分が、第2の部分に対して回転され得る、第1の位置(蓋が、「係止解除される」)と、第1の部分が、第2の部分に対して回転され得ない、第2の位置(蓋が、「係止される」)との間で移動可能である。したがって、係止手段が、第2の(係止される)位置にあるとき、第1の部分の意図しない回転は、防止され得る。
【0092】
係止手段は、第1の部分に対する第2の部分の回転(または逆も同様)を可能にする/防止することが可能である、任意の種類の係止部分であり得る。例えば、係止手段は、第1の部分に対する第2の部分の回転(または逆も同様)が防止される、第1の、例えば、挿入位置(蓋が、係止される)と、第1の部分に対する第2の部分の回転(または逆も同様)が可能である、第2の、例えば、後退位置(蓋が、係止解除される)との間で移動させられることができる、後退可能な部材(例えば、ピンまたはスライダ)を備え得る。例えば、その第1の位置において、後退可能な部材は、例えば、軸方向に、第1の部分を通して、第2の部分の孔または陥凹の中に延在し、それによって、それらの相対的回転を防止し、蓋を係止し得る。
【0093】
好ましくは、係止手段は、蓋がインプラント上に位置付けられるとき、係止手段が、蓋がインプラントと適切に係合されるときのみ、係止解除位置から係止位置に移動させられることができるように配列される。したがって、蓋が適切に係合されないとき、蓋は、係止されることを防止される。これは、漏出をもたらし得る、インプラント上への蓋の不適切な位置付けを防止することに役立ち得る。
【0094】
蓋は、好ましくは、さらに、例えば、インプラントとのシール係合を提供するための、シールを備える。シールは、第1の部分内に提供される、またはその一部であってもよい。
【0095】
例えば、シールは、例えば、好ましくは、第1の部分内の円形溝内に提供される、シールリングであってもよい。
【0096】
代替として、シール、例えば、シールリングは、第1の部分の中に射出成型されてもよい。これは、シール材料(すなわち、シールを形成するための材料)が、次いで、第1の部分の上に直接的に成型され得る(または、第1の部分が、シール材料が第1の部分上の定位置の中に成型されるとき、シールを形成するであろうように成形された、成形型内の第2のチャンバに移動させられ得る)ように、最初に、例えば、成形型内で第1の部分を成型し、次いで、型から挿入体を除去することによって行われ得る。
【0097】
シールリングは、好ましくは、円形であり、第1の部分内の半径方向内部溝に嵌合するように定寸される。シールリングは、好ましくは、平坦な側面と、湾曲される側面とを有し、好ましくは、その平坦側面を半径方向内部溝の底部に向かって面する(すなわち、使用時、上向きである)ように、第1の部分内に位置付けられる。1つまたはそれを上回る、好ましくは、2つの小さい突出部が、シールリング上に、例えば、相互に対向して提供されてもよく、例えば、リングの平坦側面から垂直に延在してもよい。
【0098】
他の形態のシールもまた、使用され得る。
【0099】
好ましくは、第2の部分が、第1の部分に対して回転される(または逆も同様)につれて、シールは、例えば、第1の部分の相対的な軸上の移動によって、インプラントの表面に向かって移動させられ、かつ、該表面に対して圧接され得る。
【0100】
したがって、蓋は、好ましくは、二重係止機構を備え、例えば、第2の部分が、第1の部分に対して回転される(または逆も同様)につれて、係合手段は、インプラントと係合し、シールは、インプラントに対して圧縮される。いったんこのように係合されかつシールされると、蓋は、好ましくは、係合手段が、インプラントから係合解除し得ない、かつ/またはシールが、減圧され得ない位置内に係止される(例えば、回転手段を係止位置に設置することによって)。蓋、例えば、第1の部分は、好ましくは、例えば、蓋がどの位置において解放/閉鎖/係止/係止解除位置にあるかを示すための、1つまたはそれを上回る視覚サインもしくはインジケータを備える。
【0101】
蓋は、塑性金属、木材、組み合わせ材料、複合材料、および/またはゴムから作製されてもよい。好ましくは、蓋は、好ましくは、ポリプロピレン等のプラスチックまたはシリコーンから作製される。
【0102】
好ましくは、蓋の第1および第2の部分は、例えば、異なる種類のプラスチック等の異なる材料から作製される。これは、いくつかの(例えば、プラスチック)材料が、ある圧力下にあるとき、相互に粘着しやすくあり得るためである。したがって、第1および第2の部分の間で発生するこの種類の摩擦の可能性を最小限化するために、これらが異なる材料から作製されることが、好ましい。
【0103】
係合手段は、例えば、ステンレス鋼等の金属、繊維、硬材、軟質金属、またはプラスチックから作製されてもよい。
【0104】
しかしながら、好ましくは、係合手段は、(例えば、チタン)インプラントのそれよりも軟質な材料から製作される。これは、例えば、係合手段が、それにわたって移動する、インプラント内の溝の縁(または係合手段に対する他の受容部分)より前に、係合手段が摩耗することを確実にすることに役立ち得る。
【0105】
例えば、係合手段は、プラスチック、ポリマー、および可能性として、繊維強化材料から作製され得る。
【0106】
好ましくは、係合手段および蓋の全ての部分は、MRI適合性のために、非磁性材料(例えば、アルミニウム、真鍮)から作製される。
【0107】
シールは、好ましくは、医療グレード軟質ポリマーから作製される。
【0108】
蓋は、例えば、水洗い、洗剤、石鹸、煮沸、漂白、およびアルコールのうちの1つまたはそれを上回るものを含む、通常の身近な方法を用いて清掃されてもよい。
【0109】
本発明はまた、それに取り付けられる上記または下記に説明されるような蓋を伴うインプラントにも関する。
【0110】
本発明はまた、例えば、上記の通り、医療用インプラント用の蓋を製造する方法であって、該方法は、第1の部分と、第2の部分と、係合手段とを提供するステップと、第1の部分と、第2の部分と、係合手段とを組み立て、第1の部分が、第2の部分に対して回転可能であるように、かつ使用時、第2の部分に対する第1の部分の回転が、係合手段をインプラントと係合させ、かつ、該インプラントに蓋を取り付けさせるように、蓋を形成する、ステップとを含む、方法に関する。第1の部分、第2の部分、および/または係合手段は、好ましくは、上記に説明される通りのものである。
蓋を製造する方法は、以下のステップの1つまたはそれを上回るものを含んでもよい。
第2の部分内に係合手段を提供する、挿入する、または位置させるステップ、
例えば、上記の通り、第1の部分内にシールを提供する、挿入する、または位置させるステップ、
例えば、上記の通り、第1の部分内に回転手段を提供する、挿入する、または位置させるステップ。
【0111】
これらのステップは、任意の順番で、および/または相互のうちの1つまたはそれを上回るものと並行して実施されてもよい。
【0112】
本方法は、代替として、または加えて、第2の部分(例えば、係合手段を伴う)内に第1の部分(提供される場合、シールおよび/または回転手段を伴う)を挿入または位置させるステップを含んでもよい(例えば、好ましくは、上記ステップの後に)。
【0113】
第1の部分は、次いで、第2の部分に対して回転されてもよい。
【0114】
回転手段は、例えば、第1の部分内の溝の中に、例えば、挿入または摺動されてもよい。
【0115】
好ましい方法では、第2の部分は、半径方向内向延在部を底部に位置するように設置される。係合手段、例えば、1つまたはそれを上回る、好ましくは、3つのピンは、次いで、例えば、(3つの)、好ましくは、直線状の溝のそれぞれの中の第2の部分内に、設置される。
【0116】
第1の部分は、好ましくは、例えば、半径方向内部溝等の溝を上向きに面するように設置される。シールは、次いで、好ましくは、例えば、平坦側面を溝の中に下向きに面するように溝の中に設置される。
【0117】
第1の部分は、好ましくは、例えば、上側表面を上向きに面するように設置される。回転手段は、例えば、第1の部分内の溝または陥凹の中に回転手段を摺動もしくは挿入することによって、第1の部分の中に挿入される、またはそれに接続され得る。
【0118】
回転手段が、第1の部分の中に摺動されるにつれて、回転手段(例えば、上記に説明されるような)が第1の部分(例えば、上記に説明されるような)上の1つまたはそれを上回るバンプと衝合する場所の下に提供される、例えば、湾曲されるバンプとして、抵抗が感知され得る。したがって、例えば、湾曲されるバンプを第1の部分上の1つまたはそれを上回るバンプにわたって通過させるために、何らかの付加的な力が、要求され得る。
【0119】
回転手段が、第1の部分の中に挿入された後、回転手段(例えば、上記に説明されるような)上の1つまたはそれを上回る隆起の端部上のバンプは、第1の部分(例えば、上記に説明されるような)内の溝の閉鎖端部に対して当接してもよく、回転手段は、第1の部分の僅かにもさらに中に、またはそれを横断して挿入されることを防止されてもよい。
【0120】
1つまたはそれを上回る隆起および溝の閉鎖端部は、好ましくは、この時点において、すなわち、1つまたはそれを上回る隆起が、溝の閉鎖端部に対して当接するとき、回転手段の下側面上の湾曲される溝(例えば、上記に説明されるような)が、第1の部分の外部円周の周囲に延在するように位置付けられるように、位置付けられる。
【0121】
回転手段は、好ましくは、以下に説明される蓋の組立のさらなるステップが実施される前に、この位置の中に、すなわち、上記の通り、移動または摺動されるべきである。
【0122】
組み立てられた第1の部分(例えば、上記に説明されるような回転手段および/またはシールを用いて)は、好ましくは、組み立てられた第2の部分(例えば、上記に説明されるような係合手段を用いて)の中に挿入される、またはその周囲に設置される。
【0123】
これを行うために、組み立てられた第1の部分は、好ましくは、その上側表面を上向きに面するように位置付けられ、組み立てられた第2の部分は、好ましくは、例えば、水平表面上に、半径方向内向延在部分(例えば、上記に説明されるような)を底部に位置する、または下向きに面するように位置付けられる。第1の部分はさらに、好ましくは、第1の部分内の1つまたはそれを上回る溝の、1つまたはそれを上回る壁もしくは境界、例えば、第1の部分内の溝の1つまたはそれを上回る上向延在部分はそれぞれ、例えば、上記の通り、第2の部分内に提供される、例えば、好ましくは円形誘導突出部等のガイドの真上に位置する。
【0124】
組み立てられた第1の部分はさらに、好ましくは、その係合手段(提供される場合)が、第2の部分(例えば、上記に説明されるような)の側面部分内の陥凹に僅かに重複するように位置付けられる。
【0125】
組み立てられた第1の部分および組み立てられた第2の部分は、例えば、上記の整合手技の後、好ましくは、例えば、第2の部分内に提供されるガイドが、例えば、各上向き延在部分の上面端部において提供される、例えば、隆起にわたって、好ましくは、次いで、円周方向延在部分の中に通過するように、例えば、第1の部分を第2の部分の中に、またはそれにわたって圧接することによって、ともに圧接またはスナップ嵌合される。
【0126】
組み立てられた第1の部分が、好ましくは、係合手段が第2の部分の側面部分内の陥凹に僅かに重複するように位置付けられるにつれて、第2の部分の上面縁の部分が、提供される場合、係合手段の下側面上の湾曲される溝の中に嵌合され得る。
【0127】
次いで、組み立てられた第1の部分は、好ましくは、例えば、回転手段を押動、引動、または別様に移動させることによって、例えば、上方から視認されるとき、第2の部分に対して時計回りに(または逆も同様)回転される。このように回転手段を移動させることによって、第1の部分は、好ましくは、例えば、第2の部分内のガイドが、(例えば、円周方向延在部分が、上向延在部分に衝合する端部と反対の)第1の部分内の溝の(例えば、円周方向延在部分の)上端に到達し、したがって、さらに移動することを防止され得るまで、可能な限り回転される。
【0128】
第1の部分が、このように回転されるにつれて、それはまた、好ましくは、例えば、第1の部分内の溝の傾斜に起因して、第2の部分の中に、またはその上へと下方に牽引される。
【0129】
第1の部分が、可能な限り回転された後、例えば、第2の部分内のガイドが、第1の部分内の溝の端部に到達するとき、回転手段は、好ましくは、第2の部分の側面内の陥凹の内側に位置する。
【0130】
次いで、回転手段は、好ましくは、例えば、回転手段が、第2の部分の側面部分に対して当接することによって、さらに移動することを防止されるまで、例えば、第1の部分内の陥凹および/または溝を通して、内向きに押動される。この時点において、回転手段は、好ましくは、例えば、第1の部分上の溝の中の蓋の(例えば、全体の)直径を横断して位置付けられる。
【0131】
回転手段は、この時点において、好ましくは、第1の部分の囲繞面積と同一平面状である。
【0132】
加えて、または代替として、回転手段の縦の長さは、好ましくは、この時点において、回転手段が、基部から外向きに突出しないように、第2の部分の外径に等しい。
【0133】
これは、蓋が、比較的に平滑かつ連続的な外部表面を提供し、これが、衣服または他の物体に引っ掛かり、例えば、それに対して力を印加し、組織/インプラント接合部を潜在的に損傷させ得ることがないであろうことを意味する。それはまた、蓋が、ユーザに対して不連続であることを意味する。
【0134】
いったん蓋が、例えば、上記の方法で、組み立てられると、それは、例えば、インプラントの上に嵌合させるために、例えば、患者または他のユーザに提供されてもよい。
【0135】
本発明はまた、医療用インプラント用の蓋であって、第1の部分と、第2の部分と、係合手段とを備える、蓋を、例えば、上記の通り、インプラントに取り付ける方法に関し、本方法は、インプラントの突出端部にわたって蓋を設置するステップと、次いで、係合手段が、インプラントと係合し、かつ、該インプラントに蓋を取り付けるように、第2の部分を第1の部分に対して回転させる(または逆も同様)ステップとを含む。第1の部分、第2の部分、および/または係合手段は、好ましくは、上記に説明される通りのものである。
【0136】
本方法は、好ましくは、回転手段が、第1の部分を回転させるために使用され得るように、最初に、回転手段(例えば、上記に説明されるような)を第1の部分から延在(例えば、摺動)させるステップを含む。例えば、第1の部分の中に、またはそれを横断して挿入される回転手段を伴う蓋から開始し、蓋が、インプラント上に嵌合される前に、回転手段は、外向きに、例えば、第1の部分内の溝に沿って、延在または摺動されてもよい。
【0137】
第1の部分は、第1の部分が、好ましくは、第2の部分から僅かに外に上に上昇するように、例えば、上方から視認されるとき、第2の部分に対して反時計回りに回転されてもよい。この時点において、回転手段は、例えば、第2の部分(例えば、上記に説明されるような)内の陥凹に僅かにのみ重複してもよい(または全く重複しない)。
【0138】
蓋は、次いで、インプラント上にいつでも嵌合されてもよい。
【0139】
ユーザは、好ましくは、回転手段の突出端部を保持し、インプラントの外部区分にわたって蓋を設置してもよい。
【0140】
第2の部分は、次いで、好ましくは、例えば、回転手段が、第2の部分(例えば、上記に説明されるような)内の陥凹内に完全に位置付けられるまで、例えば、回転手段を押動、引動、移動させることによって、例えば、上方から視認されるとき、第1の部分に対して反時計回りの方向(または逆も同様)に回転される。
【0141】
第2の部分が、第1の部分に対して回転される(または逆も同様)につれて、第1の部分は、好ましくは、例えば、第1の部分(例えば、上記に説明されるような)内の溝に沿って摺動するようになされている、第2の部分(例えば、上記に説明されるような)内の1つまたはそれを上回るガイドによって、第2の部分の中に、またはその上へと下方に牽引される。
【0142】
第1の部分が、このように、第2の部分の中に、またはその上へと下方に牽引されるにつれて、第1の部分の側面部分は、好ましくは、例えば、第2の部分の内側の溝の中に下方に移動し、係合手段をインプラントと係合するように押進する。
【0143】
第2の部分は、好ましくは、係合手段に対して圧接するために配列される、1つまたはそれを上回る弾性凸部を備える。
【0144】
好ましくは、係合手段は、例えば、第1の部分の一部によって、それが、第2の部分の中に、またはその上へと下方に、半径方向に内向きに、好ましくは、1つまたはそれを上回る弾性凸部に対して、好ましくは、僅かに上向きに、例えば、インプラントの外部区分の外部円周の周囲の溝等のインプラント内の溝または他の陥凹の中に移動するように、押進されてもよい。
【0145】
インプラントとの係合手段のこの係合は、インプラント上に蓋を固着かつ保持させることができ、例えば、ユーザ、衣服、または他の物体が、例えば、意図せずに蓋をインプラントから単に即座に移動または引動し得ることを防止する。
【0146】
加えて、第1の部分が、第2の部分の中に、またはその上へと下方に牽引されるにつれて、例えば、第1の部分の下側面上に提供されるシール(例えば、上記に説明されるような)は、インプラントに対して、例えば、インプラントの外部区分の上側表面に対して圧縮され、それによって、インプラントと蓋との間に漏出防止シールを形成してもよい。
【0147】
いったん蓋が、インプラントに取り付けられると、回転手段は、好ましくは、その非延在位置に戻るように、例えば、蓋を横断して戻るように、例えば、第1の部分上の溝を通して、かつその中に摺動または移動させられる。したがって、いったん蓋がインプラントに取り付けられると、回転手段は、それが、もはや蓋から突出しないように後退されてもよい。
【0148】
本発明はまた、医療用インプラント用の蓋であって、第1の部分と、第2の部分と、係合手段とを備える、蓋を、例えば、上記の通り、インプラントから除去する方法に関し、本方法は、係合手段が、インプラントから係合解除するように、第2の部分を第1の部分に対して回転させるステップ(または逆も同様)と、次いで、インプラントから蓋を除去するステップとを含む。第1の部分、第2の部分、および/または係合手段は、好ましくは、上記に説明される通りのものである。
【0149】
インプラントから蓋を除去するために、上記に説明されるものの逆の手技が、実施されてもよい。
【0150】
例えば、蓋は、蓋の残部に対して後退または非延在位置内の回転手段から開始してもよい。回転手段は、次いで、延在され、例えば、第1の部分内の溝を通して、例えば、外向きに引動されてもよい。延在されるとき、例えば、回転手段は、例えば、第2の部分を、例えば、第2の部分に対して時計回りの方向に(または逆も同様)回転させるために使用されてもよい。この回転は、好ましくは、例えば、第1の部分の一部(例えば、側面部分)が、インプラントと係合している係合手段をもはや押進または保持しないように、第1の部分を上向きに、かつ僅かに第2の部分から外に、そこから離れるように移動させる。1つまたはそれを上回る弾性凸部は、例えば、好ましくは、係合手段をインプラントから、例えば、インプラント内の溝から後退させる。この時点において、第1の部分が、僅かに上向きに移動するにつれて、シールは、好ましくは、もはやインプラントに対して圧縮されない。
【0151】
ユーザは、次いで、例えば、殆どまたは全く抵抗なく、インプラントから蓋を持ち上げて離し得る。
【0152】
蓋のインプラントの除去の後、それは、好ましくは、洗浄されるべきである。
【0153】
係止手段を伴う蓋の概念は、それ自体の権利において、独創的であると見なされ、したがって、さらなる側面から、医療用インプラント用の蓋であって、係合手段と、係止手段とを備える、蓋が提供され、係止手段は、係合手段がインプラントと係合/係合解除し得ない、係止位置と、係合手段がインプラントと係合/係合解除し得る、係止解除位置との間で移動可能であると見なされる。
【0154】
したがって、係止手段が、係止位置内にある(すなわち、蓋が係止される)とき、蓋は、例えば、偶発的にインプラントから係合解除され得ず、インプラントからの蓋の偶発的除去が、防止され得る。逆に、係止手段が、係止解除位置内にある(すなわち、蓋が、係止解除される)とき、蓋は、インプラントと係合/係合解除されてもよい。したがって、蓋は、その係合状態にあるインプラントの上に係止され得、蓋が、インプラントから係止解除され、次いで、係合解除されるように、意識的かつ能動的ステップが、とられなければならない。
【0155】
係止手段は、蓋を係止/係止解除し、好ましくは、また、係合手段を係合/係合解除させるために好適な係止部分である、またはそれを備え得る。
【0156】
語句「蓋を係止する」は、その係合手段が、インプラントと係合/係合解除され得ない、係止状態に蓋を置くことを意味する。逆に、語句「蓋を係止解除する」は、係合手段が、インプラントと係合/係合解除され得る、係止解除状態に蓋を置くことを意味する。
【0157】
係止手段は、例えば、上記に説明されるような回転手段であり得る。
【0158】
代替として、係止手段は、第1の部分に対する第2の部分の回転(または逆も同様)を可能にする/防止することが可能である、任意の種類の係止部分であり得る。例えば、係止手段は、第1の部分に対する第2の部分の回転(または逆も同様)が防止される、第1の、例えば、挿入位置と、第1の部分に対する第2の部分の回転(または逆も同様)が可能である、第2の、例えば、後退位置との間で移動させられることができる、後退可能な部材(例えば、ピンまたはスライダ)を備え得る。例えば、その第1の位置において、後退可能な部材は、例えば、軸方向に、第1の部分を通して、第2の部分の孔または陥凹の中に延在し、それによって、それらの相対的回転を防止し得る。
【0159】
蓋は、上記または下記に説明される他の特徴の任意のものもしくは全てを備えてもよい。
【0160】
さらなる側面から考察されると、医療用インプラント用の蓋であって、係合手段と、係止手段とを備える、蓋を係止する方法であって、係合手段がインプラントと係合/係合解除し得ない、係止位置の中に係止手段を移動させるステップを含む方法が、提供される。蓋は、上記または下記に説明される通りのものであってもよく、本方法は、上記または下記に説明されるさらなる特徴の任意のものを含んでもよい。
【0161】
さらなる側面から考察されると、医療用インプラント用の蓋であって、係合手段と、係止手段とを備える、蓋を係止解除する方法であって、係合手段がインプラントと係合/係合解除し得る、係止解除位置の中に係止手段を移動させるステップを含む方法が、提供される。蓋は、上記または下記に説明される通りのものであってもよく、本方法は、上記または下記に説明されるさらなる特徴の任意のものを含んでもよい。
【0162】
蓋をインプラントの上へと下方に牽引するために使用されることができる、圧縮手段を伴う蓋の概念はまた、それ自体の権利において、独創的であると見なされ、したがって、さらなる側面から、医療用インプラント用の蓋であって、シール手段と、圧縮手段とを備える、蓋が提供されると見なされ、圧縮手段は、蓋がインプラントにわたって設置されるとき、圧縮手段のアクティブ化または使用が、シールがインプラントに対して圧縮されるように、少なくとも、シールをインプラントに向かって下方に移動させるように配列される。
【0163】
したがって、圧縮手段は、シールが、好ましくは、インプラントとシール係合するよう圧縮されるように、シールをインプラントの上へと下方に移動させるために使用され、それによって、漏出防止シールが提供され得る。
【0164】
シール(例えば、上記に説明されるような)は、好ましくは、蓋の下側面上に提供される。
【0165】
蓋はまた、好ましくは、例えば、上記のような係合手段を含んでもよい。圧縮手段は、好ましくは、圧縮手段のアクティブ化が、係合手段をインプラントと係合させるように(かつ蓋およびそのシールを、シールがインプラントに対して圧縮されるように、インプラントに向かって下方に移動させるように)、例えば、上記の通り、配列される。したがって、圧縮手段は、好ましくは、インプラントへの蓋の、かつインプラントへの蓋のシールの取付または係合の両方を制御するために、使用されることができる。
【0166】
圧縮手段は、例えば、インプラントに対してシールを圧縮するために好適な、任意の種類の圧縮部分である、またはそれを備え得る。
【0167】
例えば、上記の通り、例えば、圧縮手段は、蓋(または蓋の一部分)をインプラントの上へと下向きに回転させるために使用され得る、回転手段である、またはそれを備え、それによって、シールをインプラントの上に圧縮させ得る。圧縮手段は、例えば、上記に説明されるような回転手段であり得る。
【0168】
代替として、または加えて、圧縮手段は、例えば、蓋の上面上に押動ボタンを、または例えば、蓋の側面上に、押動/圧搾するための、1つまたはそれを上回る、好ましくは、2つの突出部分/レバー/ボタンを備え得る。
【0169】
係合手段は、1つまたはそれを上回る固定部分と、1つまたはそれを上回る可動部分とを備え得る。
【0170】
例えば、固定部分として、係合手段は、インプラント上の対応する溝または湾入と係合するために(または逆も同様)蓋上に提供される、固定縁、隆起、または他の突出部を備え得る。縁、隆起、または他の突出部は、例えば、蓋の下側内部縁、例えば、その基部上またはその周囲に提供され得る。それは、例えば、蓋の内部円周の半分または半分未満(例えば、約3分の1またはそれ未満、約4分の1またはそれ未満)をカバーし得る。
【0171】
1つまたはそれを上回る可動部分として、係合手段は、1つまたはそれを上回るレバー、ピン、フック、もしくは他の移動可能な係合手段を備え得る。1つまたはそれを上回る可動部分は、蓋の残りの円周、すなわち、固定部分によってカバーされていないものに沿って、好ましくは、均一に分散され得る。
【0172】
1つの実施形態では、蓋は、蓋の4分の1に沿って円周内をカバーする縁または隆起と、残りの4分の3の円周にわたって、好ましくは、均一に分散される、1つまたはそれを上回る、好ましくは、2つまたは3つのレバー、ピン、もしくはフックとを備え得る。
【0173】
そのような蓋を伴って、蓋が、インプラントの上に摺動され、例えば、固定部分をインプラントと係合させ得、次いで、可動部分が、アクティブ化され(例えば、圧縮手段によって)、さらにインプラントと係合し、好ましくは、インプラントを伴う蓋上に提供されるシールを圧縮し、インプラントとの蓋の係合のシールを確実にし得る。
【0174】
蓋は、上記または下記に説明される他の特徴の任意のものもしくは全てを備えてもよい。
【0175】
インプラントを伴う、またはそれに対する医療用インプラント用の蓋であって、シール手段と、圧縮手段とを備える、蓋をシールする方法であって、インプラントにわたって蓋を設置するステップと、圧縮手段をアクティブ化または使用し、シールがインプラントに対して圧縮されるように、シールをインプラントに向かって下方に移動させるステップとを含む、方法。蓋は、上記または下記に説明される通りのものであってよく、本方法は、上記または下記に説明されるさらなる特徴の任意のものを含んでもよい。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
医療用インプラント用の蓋であって、前記蓋は、第1の部分と、第2の部分と、係合手段とを備え、使用時、前記第2の部分に対する前記第1の部分の回転が、前記係合手段を前記インプラントと係合させ、かつ、前記インプラントに前記蓋を取り付けさせるように、前記第2の部分は、前記第1の部分に対して回転可能であるか、または、前記第1の部分は、前記第2の部分に対して回転可能である、蓋。
(項目2)
前記第1の部分、前記第2の部分、および前記係合手段は、使用時、前記第1の部分に対する前記第2の部分の回転または前記第2の部分に対する前記第1の部分の回転が、前記第1の部分を前記係合手段に対して圧接させるように配列される、項目1に記載の蓋。(項目3)
前記係合手段は、前記第2の部分内に位置する、項目1または2に記載の蓋。
(項目4)
前記係合手段は、1つまたはそれを上回るピンを備え、好ましくは、3つのピンを備える、項目1、2、または3に記載の蓋。
(項目5)
前記第1の部分は、キャップである、前記項目のいずれかに記載の蓋。
(項目6)
前記第2の部分は、基部であり、前記基部は、好ましくは、リング形状である、前記項目のいずれかに記載の蓋。
(項目7)
前記第1の部分は、前記第2の部分の中にスナップ嵌合される、前記項目のいずれかに記載の蓋。
(項目8)
前記第1および第2の部分は、相補的誘導手段を備える、前記項目のいずれかに記載の蓋。
(項目9)
前記相補的誘導手段は、前記第1の部分または前記第2の部分上に提供される1つまたはそれを上回る溝と、前記第1の部分および前記第2の部分の他方上に提供される1つまたはそれを上回る相補的突出部分とを備え、前記1つまたはそれを上回る突出部分は、前記1つまたはそれを上回る溝の中に延在するように配列され、それによって、前記第1および第2の部分が、相互に対して回転することを可能にする、項目8に記載の蓋。
(項目10)
前記第1および第2の部分は、前記第2の部分が、前記第1の部分に対して回転されるか、または、前記第1の部分が、前記第2の部分に対して回転されるにつれて、前記第1の部分がまた、前記第2の部分に対して軸方向に移動させられるように配列される、前記項目のいずれかに記載の蓋。
(項目11)
前記第1の部分は、前記第1の部分を前記第2の部分に対して回転させるための回転手段を備えるか、または、それに接続されている、前記項目のいずれかに記載の蓋。
(項目12)
前記回転手段は、前記第2の部分が前記第1の部分に対して回転され得るか、または、前記第1の部分が前記第2の部分に対して回転され得る、第1の位置と、前記第2の部分が前記第1の部分に対して回転され得ないか、または、前記第1の部分が前記第2の部分に対して回転され得ない、第2の位置との間で移動可能である、項目11に記載の蓋。
(項目13)
前記回転手段は、前記第1の部分内に提供される溝または陥凹内で、好ましくは、半径方向に、移動するかまたは摺動するように配列される、移動可能な部材またはスライダである、項目11または12に記載の蓋。
(項目14)
前記蓋は、シールをさらに備える、前記項目のいずれかに記載の蓋。
(項目15)
前記シールは、前記第1の部分の中に提供されるか、または、その一部分である、項目14に記載の蓋。
(項目16)
前記シールは、シールリングである、項目14または15に記載の蓋。
(項目17)
医療用インプラント用の蓋であって、前記蓋は、係合手段と係止手段とを備え、前記係止手段は、前記係合手段がインプラントと係合/係合解除し得ない、係止位置と、前記係合手段がインプラントと係合/係合解除し得る、係止解除位置との間で移動可能である、蓋。
(項目18)
前記係止手段は、後退可能な部材を備える、項目17に記載の蓋。
(項目19)
前記係止手段は、係止解除位置にあるとき、前記係止手段が、前記係合手段を前記インプラントと係合/係合解除させるか、または、それを促進するために使用され得るように配列される、項目17または18に記載の蓋。
(項目20)
医療用インプラント用の蓋であって、前記蓋は、シールおよび圧縮手段を備え、前記蓋が、インプラントにわたって設置されるとき、前記圧縮手段のアクティブ化または使用が、前記シールが前記インプラントに対して圧縮されるよう、少なくとも、前記シールを下向きに前記インプラントに向かって移動させるように、前記圧縮手段が、配列される、蓋。
(項目21)
前記蓋は、前記蓋をインプラントと係合させるための係合手段をさらに備える、項目20に記載の蓋。
(項目22)
前記圧縮手段はさらに、前記蓋が、インプラントにわたって設置されるとき、前記圧縮手段のアクティブ化または使用がまた、前記係合手段を前記インプラントと係合させるように配列される、項目21に記載の蓋。
(項目23)
インプラントであって、前記インプラントは、前記インプラントに取り付けられる前記項目のいずれかに記載の蓋を伴う、インプラント。
(項目24)
項目1から16のいずれかに記載の蓋を製造する方法であって、前記方法は、
第1の部分と、第2の部分と、係合手段とを提供するステップと、
前記第1の部分と、前記第2の部分と、前記係合手段とを組み立て、前記第2の部分が、前記第1の部分に対して回転可能である(または逆も同様)ように、かつ、使用時、前記第1の部分に対する前記第2の部分の回転(または逆も同様)が、前記係合手段を前記インプラントと係合させ、かつ、前記インプラントに蓋を取り付けさせるように、蓋を形成する、ステップと
を含む、方法。
(項目25)
項目1から16のいずれかに記載の蓋をインプラントに取り付ける方法であって、前記方法は、
前記インプラントの突出端部にわたって前記蓋を設置するステップと、次いで、
前記係合手段が、前記インプラントと係合し、かつ、前記インプラントに前記蓋を取り付けるように、前記第2の部分を前記第1の部分に対して回転させる(または逆も同様)ステップと
を含む、方法。
(項目26)
項目1から16のいずれかに記載の蓋をインプラントから除去する方法であって、前記方法は、
前記係合手段が、前記蓋から係合解除するように、前記第2の部分を前記第1の部分に対して回転させるステップ(または逆も同様)と、次いで、
前記インプラントから前記蓋を除去するステップと
を含む、方法。
【図面の簡単な説明】
【0176】
本発明の好ましい実施形態が、ここで、実施例としてのみ、かつ添付図面を参照して示されるであろう。
【0177】
図1図1は、造瘻術インプラントの斜視図を示す。
図2図2は、図1の造瘻術インプラントの側面図を示す。
図3図3は、本発明の実施形態による、蓋の構成要素の分解斜視図を示す。
図4図4(a)-(c)は、それぞれ、図3に示される蓋の上面図と、側面図と、斜視図とを示す。
図5図5(a)-(h)は、それぞれ、図3に示される蓋のキャップの斜視図と、底部図と、側面図と、断面図と、上面図と、側面図と、断面図と、さらなる断面図とを示す。
図6図6(a)-(d)は、それぞれ、図3に示される蓋のスライダの底部図と、上面図と、側面図と、端部図とを示す。
図7図7(a)-(i)は、それぞれ、図3に示される蓋の基部の斜視図と、底部図と、断面図と、側面図と、さらなる側面図と、詳細図と、さらなる詳細図と、さらなる断面図と、さらなる断面図とを示す。
図8図8(a)および(b)は、それぞれ、図3に示される蓋のピンの、側面図と、端部図とを示す。
図9図9(a)-(c)は、それぞれ、図3に示される蓋のシールリングの上面図と、断面図と、側面図とを示す。
図10図10(a)-(c)は、図8のピンを図7の基部の中に挿入するためのステップを示す。
図11図11(a)-(e)は、図9のシールリングを図5のキャップに挿入するためのステップを示す。
図12図12(a)-(c)は、図6のスライダを図5のキャップの中に挿入するステップを示す。
図13図13は、図12の組み立てられたキャップを図10の組み立てられた基部の中に挿入する方法を示す。
図14図14は、図13のステップに続く蓋の斜視図を示す。
図15図15(a)-(d)は、図13のステップに続く蓋の組立プロセスを完成させるためのステップを示す。
図16図16は、蓋の組立のためのステップを示すフローチャートである。
図17図17(a)-(d)は、インプラントの上に図3の蓋を嵌合させるためのステップを示す。
図18図18(a)-(e)は、インプラントから図3の蓋を除去するためのステップを示す。
図19図19は、図3の蓋と嵌合されるインプラントの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0178】
図3は、本発明の実施形態による、蓋10の構成要素の分解斜視図を示す。
【0179】
蓋10の構成要素は、略リング形状の基部11と、略円形のキャップ12と、スライダ13と、シールリング14と、3つのピン15とから成る。蓋10の個別構成要素11、12、13、14、15は、下記により詳しく説明される。
【0180】
図4(a)-(c)は、それぞれ、図3の蓋10の上面図と、側面図と、斜視図とを示す。
【0181】
図5(a)-(h)はそれぞれ、図3に示される蓋10のキャップ12の斜視図、底部図と、側面図と、断面図と、上面図と、側面図と、断面図と、さらなる断面図とを示す。
【0182】
キャップ12は、円形であり、円形上面部分28と、リング形状側面部分29とから形成される。
【0183】
上面部分28において、上面部分28の一方の側面から、上面部分28の中心を横断して、上面部分28の反対側面に延設される、第1の溝20が、存在する。上面部分28の上側表面28aは、第1の溝20の2つの側面にわたって僅かに突出し、溝20の両側に沿って小さい陥凹22を形成する。
【0184】
第1の溝20内で、その基部(これは、そうでなければ平坦である)の中に、第2の溝21が、存在する。第2の溝21は、第1の溝20より狭く、第1の溝20が開始する、上面部分28の一方の側面から、上面部分28の中心を横断して、完全にではないが、上面部分28の略反対側面に、延設される。第1および第2の溝20、21の中心線は、共線形である。
【0185】
第2の溝21の、そうでなければ平坦な基部上に、かつその中心線に沿って離間される、2つの上向突出バンプ23aおよび23bが、存在する。バンプ23aおよび23bは、それらが、第1の溝20の中に上向きに突出しないように、第2の溝21の深度より僅かにも高く突出しない。これらのバンプ23aおよび23bは、スライダが押動され、その2つの端部位置のそれぞれの中に達するとき、明確な「クリック」音および感知フィードバックをユーザに与えるように、提供され位置付けられる。「クリック」音および感知フィードバックは、バンプ23aおよび23bが、スライダ13(以下参照)の底部表面上に提供される、対応するバンプ31にわたって通過するにつれて、提供される。
【0186】
上面部分28の上側表面28a上に、蓋10の係止および係止解除位置をマーキングする、2つのロゴ27aおよび27bが、存在する。
【0187】
側面部分29は、上面部分28の周辺縁から下向きに突出する。
【0188】
側面部分29の外部表面内に、3つの同じ、かつ等しく円周方向に離間される溝24が、提供される。各溝24は、上向延在部分24aと、円周方向延在部分24bとから成る。上向延在部分24aは、側面部分29の底部から上向きに、そこまで遠くには及ばないが、上面部分28に向かって延在する。溝24は、次いで、円周方向延在部分24bの中で、上向延在部分24aの上面から、側面部分29の周囲で円周方向に続く。各溝24は、いかなる溝もない間隙が溝24間に存在するように、側面部分の周囲29で、隣の溝24までは延在しない。
【0189】
各溝24の上向延在部分24aは、各溝24の円周方向延在部分24bより浅い。したがって、上向延在部分24aから円周方向延在部分24bへのその直上で開始する「下向きの」(すなわち、キャップ12に対して半径方向に内向きの)小さいステップが、存在する。加えて、円周方向延在部分24bの中への「下向きの」段差の前の上向延在部分24aの上面端部に沿って提供される、小さい隆起24dが、存在する。
【0190】
各溝24の円周方向延在部分24b内に、円周方向延在部分24bの中心線の長さの全体ではないがその大部分に沿って、薄い隆起24cが、存在する。隆起24cは、円周方向延在部分24bの両端部まで遠くには延在しない。
【0191】
蓋10が、組み立てられるとき、3つの隆起24cは、基部部分11(以下参照)の内側上に位置する、3つの対応する円形誘導突出部44と接触している。
【0192】
各円周方向延在部分24bが、側面部分29の周囲に延在するにつれて、各円周方向延在部分24bはまた、側面部分29の周囲で上向きに傾斜するように、僅かに上向きに延在する。
【0193】
上面部分28の下側面上、および側面部分29の内側に、半径方向内部溝25および/または半径方向外部溝26が存在する。半径方向外部溝26は、側面部分29の半径方向内部表面および第1の円形壁26aによって境界されるかまたは形成される。半径方向内部溝25は、第1の円形壁26aおよび第2の円形壁25aによって境界されるかまたは形成される。
【0194】
図6(a)-(d)は、それぞれ、図3に示される蓋10のスライダ13の底部図と、上面図と、側面図と、端部図とを示す。
【0195】
スライダ13は、組み立てられるとき、蓋10の直径を横断して延在するように定寸される。したがって、スライダ13は、略長方形であるが、蓋10の円周に合致するために、僅かに湾曲される端部38a、38bを有する。スライダ13は、スライダ13の長さに沿って(すなわち、組み立てられるとき、蓋10の直径を横断して)延在する湾曲される上側表面37(この表面37の曲率を伴う)を有する。
【0196】
スライダ13の底部表面上および一方の端部38bに向かって、スライダ13の短い長さに沿って延在する、等しい長さの2つの平行な隆起、30a、30bが提供される。湾曲されるバンプ31は、2つの隆起30a、30bの間に延在している。隆起30a、30bは、バンプ31よりスライダ13の長さに沿って僅かにより遠くに延在する。
【0197】
スライダ13の一方の縁39aから、そこまで遠くには及ばないが、反対の縁39bに向かって延在する、湾曲される溝32が、スライダ13の中間点の周囲およびその底部表面上に存在する。湾曲される溝32は、キャップ12の外部円周のそれに対応する曲率半径をその内部縁上に有する。
【0198】
スライダ13の上側表面37の一方の端部において、スライダ13が、使用時、摺動されるべき方向を示す、両端矢印24が、マーキングされる。上側表面37の他方の端部において、使用時にスライダ13の摺動を促進するための隆起を伴う隆起面積33が、存在する。
【0199】
スライダ13の各縁39a、39bに沿って、その底部側面から、突出部分36b、36aが、それぞれ、存在する。突出部分36bは、それが湾曲される溝32にわたって延在する1つの点において、断絶するかまたは間隙36b’を有する。突出部分36a、36bは、キャップ12の第1の溝20の内側に存在する陥凹と嵌合するように、定寸される。
【0200】
図7(a)-(i)は、それぞれ、図3に示される蓋10の基部11の斜視図と、底部図と、断面図と、側面図と、さらなる側面図と、詳細図と、さらなる詳細図と、さらなる断面図と、さらなる断面図とを示す。
【0201】
基部11は、リング形状であり、側面部分40と、側面部分40の下側(使用時)周辺縁から半径方向に内向きに延在する、半径方向内向延在部分42とを有する。
【0202】
側面部分40の外部表面上に、例えば使用時に、例えば、基部11を回転させるために、基部11の把持を促進するための隆起を伴う、把持領域41が、存在する。
【0203】
基部11は、キャップ12が、その内側に正確に嵌合することができるように、定寸される。
【0204】
半径方向内向延在部分42の上側表面または内部表面上に、側面部分40の内部表面と、内向延在部分42の内部円周から上向きに延在する円形隆起45aとによって形成される、円周方向の溝45が、存在する。蓋10が、組み立てられるとき、隆起45aは、キャップ12の半径方向外部溝26と嵌合するように定寸される。
【0205】
円周方向の溝45に沿った3つの等しく円周方向に離間される位置において、円周方向の溝45より僅かに深い、3つの直線状の溝43が、存在する。これらの直線状の溝43のそれぞれの中心点の上方にあって、側面部分40の内部表面から延在する、3つの円形誘導突出部44が、存在する。これらの円形誘導突出部44は、キャップの溝24に嵌合し、かつ、該溝に沿って摺動するように定寸される。
【0206】
これらの円形誘導突出部44は、短い可撓性アーム上に提供され、基部11またはキャップ12が回転されるにつれて、誘導突出部44は、上記の通り、溝24内に提供される隆起24cにわたって進行するように配列される。誘導突出部が、隆起24cにわたって移動するにつれて、これは、キャップ12と基部11との間に、僅かなブレーキングアクション(すなわち、それに対して及ぼされる摩擦力)を産出し、これは、非常にしっかりとした「質」感を蓋のユーザに提供する。2つの回転端部位置において、すなわち、誘導突出部44が、溝24の両端にあるとき、隆起24cは、消滅し、ブレーキングアクションもまた消滅し、それによって、隆起24cによって提供される摩擦力により、明白に異なる端部位置を作成し、すなわち、キャップ12および基部11は、相互に対して意図せず回転しない。
【0207】
長方形の孔47が、各円形誘導突出部44の真下の半径方向内向延在部分42内に存在する。これらの孔47は、蓋10の機能に関連しないが、蓋10を作製するために使用される射出成型プロセスに起因して存在する。これらの孔47は、上記に説明された、円形誘導突出部44を作成するための射出成形型内の可動アンビルのために必要とされる。
【0208】
弱いばねとして作用し得る、弾性凸部49が、各直線状の溝43の両端において、半径方向内部側面上に存在する。
【0209】
陥凹46が、円形誘導突出部44の1つの上方の側面部分40内に提供される。陥凹46は、スライダ13が、それを通して摺動され得るように定寸される。
【0210】
図8(a)および(b)は、それぞれ、図3に示される蓋10のピン15の、側面図と、端部図とを示す。ピン15は、円形横断面と、湾曲される端部とを伴う、直線状である。3つのピン14は、各蓋10に対して提供され、それらは、基部11の3つの直線状の溝43に嵌合するように定寸される。
【0211】
図9(a)-(c)は、それぞれ、図3に示される蓋10のシールリング14の上面図と、断面図と、側面図とを示す。シールリング14は、円形であり、キャップ12の半径方向内部溝25に嵌合するように定寸される。リング14は、平坦側面14bと、湾曲される側面14cとを有する。2つの小さい突出部14aが、シールリング14上に相互に対向するように提供され、リング14の平坦側面14bから垂直に延在する。小さい突出部14aは、いったん蓋10が組み立てられると、それが、キャップ12の内部溝25の中に正しい配向で挿入され得るように、リング14の平坦側面14bをより明確に識別する役割を果たす以外いかなる役割をも果たさない。
【0212】
蓋10が、その構成要素部分11、12、13、14、15から組み立てられ、次いで、パッケージ化される前に、それは、清掃され消毒される。清掃プロセスは、3~5分にわたる70%エタノールを用いる超音波清掃/消毒を含む。この後、組立およびパッケージ化の前に、パッケージ内の結露を回避するために、全ての部分11、12、13、14、15が、熱(最大70°C)によって、または保護された面積内の室内気の中で乾燥される。清掃は、組立およびシール可能なバッグ内へのパッケージ化と併せて、清潔かつ制御される環境の中で実施される。
【0213】
蓋10が、大量生産されるとき、蓋部分11、12、13、14、15は、クリーンルーム環境内で直接的に成型されるであろう。これは、組立の前(または後)に(上記に説明されたような)清掃が、必要ないであろうということを意味する。
【0214】
蓋10のための組立プロセスが、ここに説明されるであろう。
【0215】
図10(a)-(c)は、蓋10の組立のために3つのピン15を基部11の中に挿入するためのステップを示す。
【0216】
最初に、図10(a)に示されるように、基部11が、その半径方向内向延在部分42が底部に位置するように設置される。ピン15が、次いで、図10(b)に示されるように、3つの直線状の溝43のそれぞれの中に設置される。これらのステップを実施した後の基部11およびピン15の最終構成が、図10(c)に示される。
【0217】
図11(a)-(e)は、蓋10の組立のためにシールリング14をキャップ12に挿入するためのステップを示す。
【0218】
最初に、図11(b)に示されるように、(図11(a)に示されるような)キャップ12が、その半径方向内部溝25が上向きに面するように設置される。シールリング14が、次いで、図11(c)および(d)に示されるように、その平坦側面14bが溝25の中に下向きに面するように、かつその湾曲される側面14cが溝25から外に上向きに面するように、半径方向内部溝25の中に設置される。これらのステップを実施した後のキャップ12およびシールリング14の最終構成が、図11(e)に示される。
【0219】
代替実施形態では、図11(a)-(e)に示される本方法が要求されないように、キャップ12およびシールリング14は、二段階射出成型プロセス(最初にキャップ12を、次いで、キャップ12上にシールリング14を形成する)を使用してともに形成される。
【0220】
図12(a)-(c)は、蓋10の組立のためにスライダ13をキャップ12の中に挿入するためのステップを示す。
【0221】
最初に、図12(a)に示されるように、キャップ12が、その上側表面28aが上向きに面するように設置され、スライダ13が、その上側表面37が上向きに面するように設置される。スライダ13の端部38aが、次いで、軸Lに沿ったキャップ12の第1の溝20の中に摺動される。スライダ13は、第2の溝21がキャップ12のまさに周辺縁まで延在する第1の溝20の端部において、第1の溝20の中に摺動される。スライダ13が、第1の溝20の中に摺動されるにつれて、スライダ13の突出部分36a、36bは、溝20の両側に沿った陥凹22を通して摺動する。
【0222】
スライダ13が、第1の溝20に沿って摺動されるにつれて、スライダ13の下の湾曲されるバンプ31が、キャップ12の第2の溝21内のバンプ23b、次いで、23aに衝合するにつれて、抵抗が感知される。したがって、湾曲されるバンプ31を第2の溝21内のバンプ23b、次いで、23aにわたって通過させるために、何らかの付加的な力が、要求される。
【0223】
スライダ13上のバンプ31が、第2の溝21内のバンプ23aにわたって通過した後、平行隆起30a、30bの端部が、第2の溝21の閉鎖端部21aに対して当接し、スライダ13は、キャップ12を僅かにもさらに横断して摺動され得ない。隆起30a、30bおよび第2の溝21の端部21aは、この時点において、すなわち、図12(b)および(c)に示されるように、平行隆起30a、30bが第2の溝21の閉鎖端部21aに対して当接するとき、スライダ13の下側面上の湾曲される溝32が、キャップ12の外部円周の周囲に延在するように位置付けられる。スライダ13は、以下に説明される蓋10の組立のさらなるステップが実施される前に、この位置、すなわち、平行隆起30a、30bの端部が第2の溝21の閉鎖端部21aに対して当接し、かつスライダ13の下側面上の湾曲される溝32がキャップ12の外部円周の周囲に延在する場所の中に摺動されるべきである。
【0224】
図13は、組み立てられたキャップ12(すなわち、スライダ13およびシールリング14がその中に挿入された)を、組み立てられた基部11(すなわち、ピン15がその中に挿入された)の中に挿入する方法を示す。
【0225】
組み立てられたキャップ12は、その上側表面28aが上向きに面するように位置付けられ、組み立てられた基部11は、例えば、水平表面上に、その半径方向内向延在部分42が底部に位置する、または下向きに面するように位置付けられる。キャップ12は、キャップ12内の溝24の上向き延在部分24aがそれぞれ、基部11内の円形誘導突出部44の真上に位置するように位置付けられる。(スライダ13を伴う)組み立てられたキャップ12はさらに、スライダ13が、基部11の側面部分40内の陥凹46に僅かに重複するように位置付けられる。
【0226】
組み立てられたキャップ12および組み立てられた基部11は、次いで、基部11内の円形誘導突出部44が、各上向き延在部分24aの上面端部における隆起24dにわたって通過し、かつ円周方向延在部分24bの中に通過するように、キャップ12を基部11の中に圧接することによってともに圧接されるかまたはスナップ嵌合される。
【0227】
組み立てられたキャップ12(すなわち、スライダ13を含む)が、スライダ13が基部11の側面部分40内の陥凹46に僅かに重複するように位置付けられるにつれて、基部11の上面縁48の部分は、スライダ13の下側面上の湾曲される溝32の中に嵌合される。
【0228】
図14は、上記に説明された図13と関連付けられるステップに続く、基部11と、キャップ12と、スライダ13(ならびに、視認可能ではないが、ピン15と、シールリング14)とを備える、蓋10の斜視図を示す。
【0229】
図15(a)-(d)は、上記に説明された図13のステップに続く、蓋10の組立プロセスを完成させるためのステップを示す。
【0230】
最初に、キャップ12およびスライダ13が、図15(a)に示されるように、スライダ13を経路Pに沿って押動することによって、上方から視認されるとき、基部11に対して時計周りに回転される。スライダ13を押動することによって、キャップ12は、可能な限り、すなわち、円形誘導突出部44が、(円周方向延在部分24bが、上向延在部分24aに衝合する端部と反対の)溝24の円周方向延在部分24bの上端に到達するまで回転され、したがって、さらに移動することを防止される。
【0231】
キャップ12が、このように回転されるにつれて、それはまた、キャップ12内の円周方向延在部分24bの傾斜に起因して、基部11の中にさらに下方に牽引される。
【0232】
キャップ12が、可能な限り回転されたとき、すなわち、円形誘導突出部44が、溝24の円周方向延在部分24bの上端に到達するとき、スライダ13は、図15(b)に示されるように、基部11の陥凹46の内側に位置する。
【0233】
次いで、図15(c)に示されるように、スライダ13は、基部11の側面部分40に対して当接することでさらに移動することを防止されるまで、陥凹46および第1の溝20を通して矢印Aに沿って内向きに押動される。この時点において、スライダ13は、図15(d)に示されるように、第1の溝20内の蓋10の直径全体を横断して位置付けられる。スライダ13の縦方向の長さは、この時点において、スライダ13が、基部11から全く外向きに突出しないように、基部11の外径に等しい。
【0234】
図16は、構成要素部分11、12、13、14、15から蓋10を組み立てるためのステップを示すフローチャートである。
【0235】
ステップ50において、ピン15は、図10(a)-(c)に示され、かつ上記に説明されたように、基部11の中に挿入される。
【0236】
ステップ51において、シールリング14は、図11(a)-(e)に示され、かつ上記に説明されたように、キャップ12の中に挿入される。キャップ12およびシールリング14がともに形成される/された(例えば、上記で説明されたように、二段階射出成型プロセスにおいて)代替実施形態では、このステップ51は、必要とされない。
【0237】
ステップ52において、スライダ13は、図12(a)-(c)に示され、かつ上記に説明されたように、キャップ12の中に挿入される。
【0238】
図16では、ステップ51は、ステップ52の前に実施されるが、他の実施形態では、ステップ52は、ステップ51の前に実施され、さらに他の実施形態では、ステップ51および52は、並行して実施される。
【0239】
図16では、ステップ50は、ステップ51および52と並行して実施されるが、他の実施形態では、ステップ50、51、および52は、任意の順序で連続して、例えば、50、次いで、51、次いで、52、または51、次いで、52、次いで、50の順序でも実施される。これらのステップの他のシーケンスもまた、可能であろう。
【0240】
ステップ50-52が、(いかなる順序においてでも、かつ連続でまたは並行して)実施された後、図13および14に示され、かつ上記に説明されたように、(スライダ13とシールリング14とを伴う)キャップ12が(ピン15を伴う)基部11の中に挿入されるステップ53が、実施される。
【0241】
次いで、ステップ54において、キャップ12が、図15(a)および(b)に示され、かつ上記で説明されたように、基部11に対して回転される。
【0242】
最後に、ステップ55において、スライダ13が、図15(c)および(d)に示され、かつ上記に説明されるように、キャップ12内の溝20の中に摺動され、パッケージ化、使用、または保管可能な状態になる。
【0243】
いったん蓋10が、このように組み立てられると、それは、インプラント1の上に嵌合させるために患者に提供されることができる。
【0244】
図17(a)-(d)は、蓋10をインプラント1上に嵌合させるためのステップを示す。
【0245】
キャップ12の中にそれを横断して摺動されるスライダ13を伴う蓋10から開始し、蓋10がインプラント1上に嵌合され得る前に、スライダ13は、キャップ12内の溝30に沿って外向きに摺動されなければならない。キャップ12は、次いで、キャップ12が、基部11から僅かに外に上方に上昇し、かつスライダ13が、陥凹46に僅かにのみ重複するように、上方から視認されるとき、基部11に対して反時計周りに(または逆も同様)回転されなければならない。蓋10は、次いで、インプラント1上にいつでも嵌合されてもよい。
【0246】
図17(a)に示されるように、ユーザは、スライダ13の突出端部を保持し、蓋10をインプラント1の外部区分4にわたって設置する。
【0247】
スライダ13は、次いで、スライダ13が、基部11の陥凹46内に完全に位置付けられるまで、図17(b)内の矢印によって示されるように、上方から視認されるとき、基部がキャップ12に対して反時計回りの方向に回転される間、キャップ12を定常状態に保つために使用される(代替として、スライダ13は、基部11が定常状態に保たれる間、上方から視認されるとき、基部11に対して時計回りの方向にキャップ12を回転させるために使用され得る)。
【0248】
基部11が、キャップ12に対して反時計回りに回転される(または逆も同様)につれて、キャップ12は、キャップ12の周囲の溝24の上向きに傾斜する円周方向延在部分24bに沿って摺動するように作製されている円形誘導突出部44によって、基部11の中に下方に牽引される。
【0249】
キャップ12が、このように基部11の中に下方に牽引されるにつれて、キャップ12の側面部分29は、基部11の内側の円周方向の溝45の中に下方に移動し、それによって、円周方向の溝45の周囲の3つの直線状の溝43内に位置する3つのピン15を、半径方向に内向きに、弾性凸部49に対して、かつインプラント1の外部区分4の外部円周の周囲の溝6の中に僅かに上向きに押進する。ピン15のインプラント1の溝6の内部上側表面に対するこの係合は、インプラント1上に蓋10を固着かつ保持し、ユーザが、意図的にまたは意図せずに蓋10をインプラント1から単に即座に移動もしくは引動し得ることを防止する。
【0250】
加えて、キャップ12が、基部11の中に下方に牽引されるにつれて、キャップ12の下側面上のシールリング14は、インプラント1の外部区分4の上側表面に対して圧縮され、それによって、インプラント1と蓋10との間に漏出防止シールを形成する。
【0251】
いったん蓋10が、このように固着かつシールされると、スライダ13は、図17(d)に示されるように、もはや蓋10の残部から半径方向に外向きに突出しないように、図17(c)に示されるように、溝20を通して蓋10の残部を横断して戻るように摺動される。
【0252】
インプラント1から蓋10を除去するために、逆の手技が、図18(a)-(d)に示されるように実施される。
【0253】
蓋10は、図18(a)に示されるように、スライダ13が蓋10の残部に対して「中に摺動された」位置内にある状態で開始する。スライダ13は、次いで、図18(b)に示されるように、キャップ12内の溝20を通して外向きに引動される。外に完全に牽引されるとき、スライダ13は、次いで、基部11がキャップ12に対して時計周りの方向に回転される間、キャップ12を定常状態に保つために使用される(または代替として、基部11は、定常状態に保たれ、スライダ13は、基部11に対してキャップ12を反時計周りの方向に回転させるために使用される)。この回転は、側面部分29が、もはやインプラント1の周囲の溝6内のピン15を押進または保持しないように、キャップ12を上向きにかつ僅かに基部11から外に移動させ、弾性凸部49は、ピン15を溝6から後退させる。加えて、シールリング14は、もはやインプラント1の外部区分4の上側表面に対して下方に圧縮されない。
【0254】
ユーザは、次いで、殆どまたは全く抵抗なく、インプラント1から蓋10を持ち上げて離し得る。
【0255】
インプラント1からの蓋10のこのような除去の後、それは、図18(e)に示されるように洗浄されるべきである。
【0256】
図19は、蓋10と嵌合される(患者の中に埋め込まれていない)インプラント1’の斜視図を示す。
【0257】
蓋10は、再利用可能であるが、限定される寿命を伴う。それは、新しい蓋10が使用されなければならなくなるまで、最高2週間にわたって患者によって使用されることができる。
【0258】
蓋10は、蓋10の内径に対応する外径を伴うインプラントに嵌合するように定寸される。しかしながら、蓋10は、異なる軸長ならびに/もしくは異なる内部構造を伴う、インプラント1および1’に嵌合されることができる。
【0259】
スライダ13、キャップ12、および基部11は全て、射出成型によってプラスチックから作製される。
【0260】
ピン15は、ステンレス鋼から作製される。
【0261】
代替実施形態では、ピン15は、プラスチックから作製される。これは、それにわたってピン15が移動するインプラント1および1’内の溝6の縁よりかなり前にピン15が摩耗することを確実にし得る。
【0262】
シールリング14は、医療グレード軟質ポリマーから作製される。
【0263】
各蓋10は、消毒された状態で半密閉された個々のバッグの中に入った状態で(すなわち、バッグは、一方の側面に沿って穿孔され、容易に切り取り開封することができる)ユーザに提供される。しかしながら、蓋10は、殺菌されている必要はない。
【0264】
(ピン15とシールリング14とを除いた)蓋10は、肌に合った着色がなされ、目立たないことが意図される。
【0265】
蓋10は、1つの蓋サイズが、異なるインプラントサイズに嵌合することができるように設計される。例えば、インプラントは、異なる内径(すなわち、インプラントを通した開口部の直径)を伴って、例えば、回腸の異なるサイズ(厚さ/直径)に関して最適化されて提供され得る。しかしながら、インプラント(特に、その外部区分)が、同一の外径を有するため、同一の蓋10が、異なる内径を伴うインプラントに嵌合し得る。
【0266】
シールリング14は、蓋10が、比較的大きい内径(したがって、それに対してシールリング14が圧縮され得る比較的に薄い外部区部上面表面)を伴うようなインプラントにも嵌合し得るように、蓋10の外径に十分に近接して位置する。
【0267】
蓋10はまた、インプラントの外部区分の外径が、同一であることを前提として、異なる軸長を伴うインプラントに嵌合することができる。
【0268】
同一の蓋10が、異なるサイズのインプラントに嵌合し得るという事実は、異なる内径および/または軸長を伴うインプラントのために、異なるサイズの蓋を作製する必要がないため、有利である。これは製造をより簡素にし、時間およびコストを節約し、より安全である(インプラント上に不適切なサイズの蓋10を置く機会がない)。
図1
図2
図3
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図5
図6
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図8
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図10
図11
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図19