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特許7183400光ファイバサブアセンブリ及び光ファイバコネクタ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-25
(45)【発行日】2022-12-05
(54)【発明の名称】光ファイバサブアセンブリ及び光ファイバコネクタ
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/36 20060101AFI20221128BHJP
【FI】
G02B6/36
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021514088
(86)(22)【出願日】2020-07-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-04
(86)【国際出願番号】 CN2020103973
(87)【国際公開番号】W WO2021018015
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2021-03-12
(31)【優先権主張番号】201910683577.X
(32)【優先日】2019-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ション,ウエイ
(72)【発明者】
【氏名】リ,シィウポン
(72)【発明者】
【氏名】ユィ,ジエンション
(72)【発明者】
【氏名】ポン,シャンジュン
(72)【発明者】
【氏名】ホ,ボヨン
【審査官】野口 晃一
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-191420(JP,A)
【文献】特表2017-504843(JP,A)
【文献】中国実用新案第205691817(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2005/0041928(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第107656339(CN,A)
【文献】特開2017-194702(JP,A)
【文献】特開2018-040820(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0148104(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第101806940(CN,A)
【文献】中国実用新案第203178525(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/36-6/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバサブアセンブリであって、ハンドル、リアリテーナ、光ケーブル、現場取り付け可能コネクタ(FMC)アセンブリ、スピンドル、及び保護フードを有し、
前記光ケーブルの端部が前記FMCアセンブリに接続され、前記光ケーブルは前記FMCアセンブリの第1端から突出し、前記FMCアセンブリはフェルールを有し、該フェルールは前記FMCアセンブリの第2端に設けられ、
前記スピンドルが前記FMCアセンブリの前記第1端の外側にスリーブされ、前記保護フードが前記FMCアセンブリの前記第2端の外側にスリーブされ、前記保護フードが前記スピンドルに固定接続され、
前記スピンドルの前記保護フードから離れた側の端部が前記リアリテーナに接続され、前記スピンドルの前記保護フードから離れた側の前記端部は、前記光ケーブルを留めるのに使用され、
前記ハンドルが、前記保護フード及び前記スピンドルの外側にスリーブされ、
前記保護フードはフード本体を有し、前記スピンドルの端面に第1の固定構造が設けられ、前記保護フードの端面に第2の固定構造が設けられ、前記第1の固定構造と前記第2の固定構造とがスナップフィットにより接続される、
光ファイバサブアセンブリ。
【請求項2】
前記保護フードは、前記フード本体の端部を延ばすことによって形成された固定スリーブを有し、該固定スリーブが前記スピンドルに挿入され、前記FMCアセンブリが前記固定スリーブ及び前記フード本体を貫通し、前記フード本体が前記フェルールの外側にスリーブされる、請求項1に記載の光ファイバサブアセンブリ。
【請求項3】
前記スピンドルの前記保護フードから離れた側の前記端部の内壁がシャフトショルダを有し、前記FMCアセンブリの前記第1端が前記シャフトショルダに押し当たる、請求項1又は2に記載の光ファイバサブアセンブリ。
【請求項4】
前記スピンドルの前記保護フードから離れた側の前記端部が、被固定部分と、該被固定部分の端面を延ばすことによって形成された圧着構造とを有し、前記被固定部分及び前記圧着構造が前記光ケーブルの外側にスリーブされ、前記被固定部分の外壁が外ねじ山を有し、前記リアリテーナの内壁が内ねじ山を備え、前記リアリテーナは前記被固定部分及び前記圧着構造の外側にスリーブされ、前記リアリテーナ上の前記内ねじ山が前記被固定部分の前記外ねじ山にねじ込まれることで前記圧着構造が前記光ケーブルを留める、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光ファイバサブアセンブリ。
【請求項5】
前記圧着構造は、少なくとも2つのカンチレバーを有し、該少なくとも2つのカンチレバーの固定端が前記被固定部分に接続され、前記少なくとも2つのカンチレバーの可動端の内壁に突起構造が形成され、前記少なくとも2つのカンチレバーの前記可動端が、前記光ケーブルをきつく押圧するために使用される、請求項4に記載の光ファイバサブアセンブリ。
【請求項6】
前記固定スリーブの外径が前記フード本体の外径よりも小さい、請求項2乃至5のいずれか一項に記載の光ファイバサブアセンブリ。
【請求項7】
前記第1の固定構造はスナップクリップであり、且つ前記第2の固定構造はスナップスロットである、又は
前記第1の固定構造はスナップスロットであり、且つ前記第2の固定構造はスナップクリップである、
請求項1に記載の光ファイバサブアセンブリ。
【請求項8】
前記第1の固定構造は、前記保護フードに面する前記スピンドルの端面に設けられたスナップクリップであり、前記第2の固定構造は、前記固定スリーブに近い前記フード本体の前記端部に設けられたスナップスロットである、請求項7に記載の光ファイバサブアセンブリ。
【請求項9】
当該光ファイバサブアセンブリは更にピンを有し、前記第1の固定構造は第1のジャックであり、前記第2の固定構造は第2のジャックであり、前記ピンが前記第1のジャック及び前記第2のジャックに挿入されるように構成される、請求項1に記載の光ファイバサブアセンブリ。
【請求項10】
当該光ファイバサブアセンブリは更にスナップスプリングを有し、前記第1の固定構造は第1の溝であり、前記第2の固定構造は第2の溝であり、前記スナップスプリングが前記第1の溝及び前記第2の溝に挿入されるように構成される、請求項1に記載の光ファイバサブアセンブリ。
【請求項11】
前記保護フードに面する前記スピンドルの端面が、接着剤を用いることによって、前記固定スリーブに近い前記フード本体の端面に接着される、請求項2乃至6のいずれか一項に記載の光ファイバサブアセンブリ。
【請求項12】
前記保護フードに面する前記スピンドルの端面に位置決めキーが設けられ、且つ前記固定スリーブに近い前記フード本体の端面に位置決めスロットが設けられ、又は、前記保護フードに面する前記スピンドルの端面に位置決めスロットが設けられ、且つ前記固定スリーブに近い前記フード本体の端面に位置決めキーが設けられ、且つ
前記位置決めキーが前記位置決めスロットに挿入される、
請求項2乃至11のいずれか一項に記載の光ファイバサブアセンブリ。
【請求項13】
前記FMCアセンブリに対して前記固定スリーブが回転することを防止するために、前記固定スリーブの内部キャビティが前記FMCアセンブリと一致する、請求項2乃至12のいずれか一項に記載の光ファイバサブアセンブリ。
【請求項14】
前記保護フードの前記スピンドルから離れた側の端部の断面がC字形にされるよう、前記保護フードの前記スピンドルから離れた側の前記端部に開口が設けられている、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の光ファイバサブアセンブリ。
【請求項15】
前記FMCアセンブリに近い前記光ケーブルの端部の外側に光ケーブルシールリングが設けられ、前記保護フードに近い前記スピンドルの端部の外側にスピンドルシールリングが設けられている、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の光ファイバサブアセンブリ。
【請求項16】
光ファイバサブアセンブリであって、請求項1乃至15のいずれか一項に記載の光ファイバサブアセンブリと、
アダプタであり、当該アダプタの端部にキャビティと該キャビティを取り囲むスロットとが設けられたアダプタと、
を有し、
前記光ファイバサブアセンブリのFMCアセンブリの第2端が前記アダプタの前記キャビティに挿入され、前記光ファイバサブアセンブリの保護フードが前記スロットに挿入される、
光ファイバコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
の出願は、光通信技術の分野に関し、特に、光ファイバサブアセンブリ及び光ファイバコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
現代社会の発展及び情報の爆発的増加に伴い、人は、ネットワークスループット能力に対してますます高い要求を課している。光伝送は、例えば超高帯域幅及び低電磁干渉などの特有の特徴を有し、次第に、現代の通信の主流のソリューションになっている。特に、例えば、ファイバ・トゥ・ザ・ホーム(fiber to the home,FTTH)によって表されるアクセスネットワークなどの、現段階で構築されている新しいネットワークが、大規模に展開されつつある。
【0003】
ファイバ・トゥ・ザ・ホームネットワークの構築においては、光加入者線端局装置(optical line terminal,OLT)とユーザのアクセス端子箱(access terminal box,ATB)との間で、フィーダ光ケーブル、配線光ケーブル、ドロップケーブルを順に配線する必要がある。ドロップケーブルは、ファイバ分配箱をアクセス端子箱に接続するために使用される。FTTHネットワークのドロップケーブルのレイアウトにおいて、1つの方法はスプライシングである。具体的には、各世帯に対応する光ファイバ端子がファイバ分配箱内で割り当てられ、各世帯の光ファイバ端子とドロップケーブルとが、ファイバ分配箱内で光ファイバスプライサによって継ぎ合わされ、そして、ドロップケーブルが各世帯に配線される。ドロップケーブルの他端で、ドロップケーブルを各世帯のアクセス端子箱に接続するために、現場でのスプライシングも行う必要がある。この方法から生じる1つの問題は、専用の光ファイバスプライシング装置が必要とされ、それにより、作業者の技能に比較的高い要件を課すとともに、作業プロセスを複雑で都合の悪いものにしてしまうことである。
【発明の概要】
【0004】
この出願の実施形態は、光ファイバサブアセンブリが屋外でのアダプタとのプラグ・アンド・プレイに都合がよいものであり、作業が、簡単で、速くて、安全で、信頼性あるものであるような、光ファイバサブアセンブリ及び光ファイバコネクタを提供する。
【0005】
第1の態様によれば、この出願の一実施形態は、ハンドル、リアリテーナ(rear retainer)、光ケーブル、現場取り付け可能コネクタ(field mountable connector,FMC)アセンブリ、スピンドル、及び保護フード、を含む光ファイバサブアセンブリを提供する。光ケーブルの端部がFMCアセンブリに接続され、光ケーブルはFMCアセンブリの第1端から突出する。FMCアセンブリはフェルールを含み、該フェルールはFMCアセンブリの第2端に設けられる。スピンドルがFMCアセンブリの第1端の外側にスリーブされ、保護フードがFMCアセンブリの第2端の外側にスリーブされ、保護フードがスピンドルに固定接続される。保護フードから離れたスピンドルの端部がリアリテーナに接続され、保護フードから離れたスピンドルの端部は、光ケーブルを留めるのに使用される。ハンドルが、保護フード及びスピンドルの外側にスリーブされる。
【0006】
この実装において、この出願のこの実施形態における光ファイバサブアセンブリでは、FMCアセンブリを用いることによって光ケーブルが接続される。従って、顧客によって必要とされる又は組み立て現場で実際に必要とされる光ケーブル長に基づく融通性ある切断を通じて、組み立て要員により、実際に必要とされる長さの光ケーブルを得ることができる。トリミングされた光ケーブル端子が、組み立て現場で組み立てられ得る。例えば、先ずFMCアセンブリを組み立て、次いで、ハンドル、リアリテーナ、スピンドル、保護フードなどをFMCアセンブリと組み立てることで、光ファイバサブアセンブリを現場で組み立て得る。分かることには、この実施形態における光ファイバサブアセンブリの光ケーブルの長さは、工事現場で柔軟に設定されることができ、それによって光ケーブルを節約する助けとなるとともに、簡便で速い組み立てを実現する。さらに、スピンドル、保護フード、ハンドル、及びリアリテーナがFMCアセンブリの外側にスリーブされることで、光ファイバサブアセンブリが組み立てられ、その結果、IP68保護クラスを満足するようにFMCアセンブリを保護することができる。FMCアセンブリが効果的に保護され、それ故に、この光ファイバサブアセンブリは屋外でのアダプタとのプラグ・アンド・プレイに好都合であり、作業が、簡単で、速くて、安全で、信頼性あるものとなる。さらに、FMCアセンブリを用いた光ファイバサブアセンブリは現場で組み立て及び分解されることができるので、使用中にフェルール又はFMCアセンブリが損傷した場合に、光ケーブルを含む光ファイバサブアセンブリ全体を交換することなく、FMCアセンブリのみを交換すればよく、それにより、その後のメンテナンス費用が大幅に削減され、コストが低減される。
【0007】
オプションで、一部の可能な実装において、保護フードは、フード本体と、該フード本体の端部を延ばすことによって形成された固定スリーブとを含む。固定スリーブがスピンドルに挿入され、FMCアセンブリが固定スリーブ及びフード本体を貫通し、フード本体がフェルールの外側にスリーブされる。この実装では、フード本体がフェルールの外側にスリーブされてフェルールを保護する。光ファイバサブアセンブリを現場で組み立てるときに、固定スリーブがスピンドルに挿入され、その結果、保護フードを迅速に配置することができる。これは、保護フードの軸をスピンドルの軸に素早くアライメントする助けとなり、それによって迅速な組み立てを実現する。
【0008】
オプションで、一部の可能な実装において、保護フードから離れたスピンドルの端部の内壁がシャフトショルダを有し、FMCアセンブリの第1端がシャフトショルダに押し当たる。これは、FMCアセンブリが保護フードから離れる方向にスピンドルの軸方向に沿ってスライドすることを防ぐことができる。
【0009】
オプションで、一部の可能な実装において、保護フードから離れたスピンドルの端部が、被固定部分と、該被固定部分の端面を延ばすことによって形成された圧着構造とを含む。被固定部分及び圧着構造が光ケーブルの外側にスリーブされる。被固定部分の外壁が外ねじ山を有する。リアリテーナの内壁が内ねじ山を備える。リアリテーナは被固定部分及び圧着構造の外側にスリーブされ、リアリテーナ上の内ねじ山が被固定部分の外ねじ山にねじ込まれることで圧着構造が光ケーブルを留める。この実施形態では、FMCアセンブリがスピンドルの軸方向に沿ってスピンドル内で前後に動くことを更に防止することができるように、光ケーブルがFMCアセンブリに接続され、光ケーブルがスピンドル上の圧着構造によってきつく押圧される。
【0010】
オプションで、一部の可能な実装において、圧着構造は、少なくとも2つのカンチレバーを含む。上記少なくとも2つのカンチレバーの固定端が上記被固定部分に接続される。上記少なくとも2つのカンチレバーの可動端の内壁に突起構造が形成される。少なくとも2つのカンチレバーの可動端が、光ケーブルをきつく押圧するために使用される。この実装では、それによってこのソリューションの実用性を向上させる圧着構造の具体的な実装が提供される。さらに、突起構造は光ケーブルの引張性能を改善させることができる。
【0011】
オプションで、一部の可能な実装において、固定スリーブをスピンドルに簡便に挿入することができるように、固定スリーブの外径がフード本体の外径よりも小さい。さらに、固定スリーブに近いフード本体の端面上の領域に固定構造が設けられて、スピンドルに固定接続する。
【0012】
オプションで、一部の可能な実装において、保護フードがスピンドルの軸方向に沿って前後に動くことを防止するために、スピンドルに第1の固定構造が設けられ、保護フードに第2の固定構造が設けられ、そして、第1の固定構造と第2の固定構造とがバックル留めを介して固定接続される。さらに、光ファイバサブアセンブリをいっそう簡便に組み立てること及び分解することができるように、スピンドルと保護フードとがバックル留めを介して固定接続される。これは、ねじ式接続と比較して、光ファイバサブアセンブリを現場で組み立てること及び分解することの時間を大幅に短縮することができる。
【0013】
オプションで、一部の可能な実装において、第1の固定構造はスナップクリップであり、且つ第2の固定構造はスナップスロットである、又は、第1の固定構造はスナップスロットであり、且つ第2の固定構造はスナップクリップである。この実装では、それによってこのソリューションの実装性を向上させる第1の固定構造及び第2の固定構造の具体的な実装が提供される。
【0014】
オプションで、一部の可能な実装において、第1の固定構造は、保護フードに面するスピンドルの端面に設けられたスナップクリップであり、第2の固定構造は、固定スリーブに近いフード本体の端面に設けられたスナップスロットである。この実施では、スナップクリップとスナップスロットとがスナップ嵌めされるとともに、空間がよりコンパクトであるように、スナップクリップ及びスナップスロットが、それぞれ、スピンドルの端面及びフード本体の端面に設けられる。
【0015】
オプションで、一部の可能な実装において、当該光ファイバサブアセンブリは更にピンを含み、第1の固定構造は第1のジャックであり、第2の固定構造は第2のジャックであり、ピンが第1のジャック及び第2のジャックに挿入されるように構成される。この実装では、スピンドルを保護フードに固定する別の実装が提供され、それによって、このソリューションの拡張性が向上される。
【0016】
オプションで、一部の可能な実装において、当該光ファイバサブアセンブリは更にスナップスプリングを含み、第1の固定構造は第1の溝であり、第2の固定構造は第2の溝であり、スナップスプリングが第1の溝及び第2の溝に挿入されるように構成される。この実装では、スピンドルを保護フードに固定する別の実装が提供され、それによって、このソリューションの拡張性が更に向上される。
【0017】
オプションで、一部の可能な実装において、保護フードに面するスピンドルの端面が、接着剤を用いることによって、固定スリーブに近いフード本体の端面に接着される。この実装では、第1の固定構造及び第2の固定構造を配置することに加えて、接着剤を用いることによって保護フード及びスピンドルを直接固定することができ、それによって、このソリューションの融通性が向上される。
【0018】
オプションで、一部の可能な実装において、保護フードに面するスピンドルの端面に位置決めキーが設けられ、且つ固定スリーブに近いフード本体の端面に位置決めスロットが設けられ、又は、保護フードに面するスピンドルの端面に位置決めスロットが設けられ、且つ固定スリーブに近いフード本体の端面に位置決めキーが設けられる。位置決めキーが位置決めスロットに挿入される。この実装では、固定スリーブがスピンドルに挿入された後に固定スリーブがスピンドル内で回転するのを防止することができ、それによって、固定スリーブがスピンドル内にスライドすることが更に防止される。
【0019】
オプションで、一部の可能な実装において、FMCアセンブリに対して固定スリーブが回転することを防止するために、固定スリーブの内部キャビティがFMCアセンブリと一致する。
【0020】
オプションで、一部の可能な実装において、スピンドルから離れた保護フードの端部の断面がC字形にされるよう、スピンドルから離れた保護フードの端部に開口が設けられ、該開口は、ホーン形状にされることができ、すなわち、開口の端部が弧状の表面を有し、それが案内効果を果たして、アダプタへの光ファイバサブアセンブリの挿入をガイドする助けとなる。
【0021】
オプションで、一部の可能な実装において、光ケーブルとリアリテーナ又はスピンドルとの間の隙間を通って光ファイバサブアセンブリ内に外部の異物、水分、粉塵、及びこれらに類するものが入ることを防止するために、FMCアセンブリに近い光ケーブルの端部の外側に光ケーブルシールリングが設けられ、また、ハンドルとスピンドルとの間の隙間を通って光ファイバサブアセンブリ内に外部の異物、水分、粉塵、及びこれらに類するものが入ることを防止するために、保護フードに近いスピンドルの端部の外側にスピンドルシールリングが設けられ、それによって、光ファイバサブアセンブリのシール性能が向上される。
【0022】
オプションで、一部の可能な実装において、光ファイバサブアセンブリは更に防塵キャップを含み、該防塵キャップが、リアリテーナから離れたハンドルの端部に接続される。防塵キャップは、光ファイバサブアセンブリがアダプタに挿入される前に、粉塵及び水を防いでFMCアセンブリを保護する。
【0023】
オプションで、一部の可能な実装において、リアリテーナから離れたハンドルの端部の内壁に、突出した係止構造が設けられ、防塵キャップの端部の外表面に係止溝が設けられ、係止構造が係止溝にスナップ嵌めするように構成され、そして、ハンドルに近い防塵キャップの端部の外側に防塵キャップシールリングが設けられる。係止構造と係止溝とをスナップ嵌めすることで、ハンドルと防塵キャップとが固定されるようにすることができる。防塵キャップシールリングは、防塵キャップとハンドルとがスナップ嵌めされるときに良好なシール効果を果たす。
【0024】
オプションで、一部の可能な実装において、リアリテーナから離れたハンドルの端部の外表面にインジケーション識別子が設けられて、ハンドルの接続状態又は解放状態を指し示すために使用される。これは、現場組み立て中に光ファイバサブアセンブリの接続状態を視覚的に知る助けとなる。
【0025】
オプションで、一部の可能な実装において、リアリテーナに近いハンドルの端部の外表面に2つの対称的な切断面が形成され、これら切断面上に溝が形成される。ハンドルを防塵キャップに固定する作業が行われるときに、回転動作を行うことに関してこれら切断面がクランプされて、滑りを防止し得る。これらの溝は、摩擦を更に増加させて、作業を行う手の感触を改善させることができる。
【0026】
第2の態様によれば、この出願の一実施形態は、アダプタと、第1の態様のいずれかの実装に従った光ファイバサブアセンブリと、を含む光ファイバコネクタを提供する。アダプタの端部に、キャビティと該キャビティを取り囲むスロットとが設けられる。光ファイバサブアセンブリのFMCアセンブリが、アダプタのキャビティに挿入される。光ファイバサブアセンブリの保護フードが、スロットに挿入される。
【0027】
オプションで、一部の可能な実装において、アダプタの端部の外表面にシュート(chute)が設けられ、光ファイバサブアセンブリのハンドルの、リアリテーナから離れた端部の内壁に、突出した係止構造が設けられ、該係止構造がシュートにスライド可能に接続される。
【0028】
以上の技術的ソリューションから分かることには、この出願の実施形態は以下の利点を有する。
【0029】
この出願の実施形態における光ファイバサブアセンブリでは、FMCアセンブリを用いることによって光ケーブルが接続される。従って、顧客によって必要とされる又は組み立て現場で実際に必要とされる光ケーブル長に基づく融通性ある切断を通じて、組み立て要員により、実際に必要とされる長さの光ケーブルを得ることができる。トリミングされた光ケーブル端子が、組み立て現場で組み立てられ得る。例えば、先ずFMCアセンブリを組み立て、次いで、ハンドル、リアリテーナ、スピンドル、保護フードなどをFMCアセンブリと組み立てることで、光ファイバサブアセンブリを現場で組み立て得る。分かることには、この実施形態における光ファイバサブアセンブリの光ケーブルの長さは、工事現場で柔軟に設定されることができ、それによって光ケーブルを節約する助けとなるとともに、簡便で速い組み立てを実現する。さらに、スピンドル、保護フード、ハンドル、及びリアリテーナがFMCアセンブリの外側にスリーブされることで、光ファイバサブアセンブリが組み立てられ、その結果、IP68保護クラスを満足するようにFMCアセンブリを保護することができる。FMCアセンブリが効果的に保護され、それ故に、この光ファイバサブアセンブリは屋外でのアダプタとのプラグ・アンド・プレイに好都合であり、作業が、簡単で、速くて、安全で、信頼性あるものとなる。さらに、FMCアセンブリを用いた光ファイバサブアセンブリは現場で組み立て及び分解されることができるので、使用中にフェルール又はFMCアセンブリが損傷した場合に、光ケーブルを含む光ファイバサブアセンブリ全体を交換することなく、FMCアセンブリのみを交換すればよく、それにより、その後のメンテナンス費用が大幅に削減され、コストが低減される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】この出願が適用されるネットワークのアーキテクチャ図である。
図2】この出願に従った光ファイバコネクタの概略構造図である。
図3】この出願に従った光ファイバサブアセンブリの外部構造の概略図である。
図4】この出願に従った光ファイバサブアセンブリの分解図である。
図5】この出願に従った光ファイバサブアセンブリの断面図である。
図6a】この出願に従ったFMCアセンブリの分解図である。
図6b】この出願に従ったFMCアセンブリの断面図である。
図7】この出願に従ったスピンドル上の圧着構造の概略図である。
図8】この出願に従ったハンドル上の係止構造の概略図である。
図9】この出願に従った防塵キャップを備えた光ファイバサブアセンブリの概略構造図である。
図10a】この出願に従った、スナップクリップを用いることによってスピンドルが保護フードに固定される概略構造図である。
図10b】この出願に従ったスピンドル上の位置決めスロットの概略構造図である。
図10c】この出願に従った保護フード上の位置決めキーの概略構造図である。
図11】この出願に従った、ピンを用いることによってスピンドルが保護フードに固定される概略構造図である。
図12】この出願に従ったスナップスプリングを用いることによってスピンドルが保護フードに固定される概略構造図である。
図13】この出願に従ったアダプタの概略構造図である。
図14】この出願に従ったアダプタの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
この出願の実施形態は、光ファイバサブアセンブリ及び光ファイバコネクタを提供する。当該光ファイバサブアセンブリは、プラグ・アンド・プレイのために現場で組み立てられ得る。さらに、当該光ファイバサブアセンブリの光ケーブルの長さは、工事現場で柔軟に設定されることができ、それによって、光ケーブルを節約する助けとなるとともに、簡便で速い組み立てを実現する。
【0032】
以下、本発明の実施形態内の添付図面を参照して、本発明の実施形態における技術的ソリューションを明瞭且つ完全に説明する。明らかなことには、説明される実施形態は、本発明の実施形態のうちの単なる一部であって、全てではない。本発明のこれらの実施形態に基づいて創作努力なく当業者によって得られる他の実施形態は全て、本発明の保護範囲に入るものである。
【0033】
図1は、FTTx光ネットワークの一部を示している。FTTxは、FTTH(fiber to the home,ファイバ・トゥ・ザ・ホーム)、FTTC(fiber to the curb,ファイバ・トゥ・ザ・カーブ)、FTTP(fiber to the premises,ファイバ・トゥ・ザ・プレマイズ)、FTTN(fiber to the node or neighborhood,ファイバ・トゥ・ザ・ノード又はファイバ・トゥ・ザ・ネイバフード)、FTTO(fiber to the office,ファイバ・トゥ・ザ・オフィス)、又はFTTSA (fiber to the service area,ファイバ・トゥ・ザ・サービスエリア)とし得る。FTTHネットワークを一例として用いるに、センターオフィス(centre office,CO)の下流の視点から見て、FTTHは、フィーダリンク1、1:Nスプリッタ2、配線リンク3、1:mスプリッタ4、及び少なくとも1つの分岐リンク5を含む。この出願において、屋外環境に適用される光ファイバコネクタが分岐リンク5に適用可能である。この出願における一例としてFTTx構造を持つタイプのネットワークを用いるが、他のネットワーク構造も適用可能である。
【0034】
図2は、この出願における光ファイバコネクタ10を示している。図2に示すように、光ファイバコネクタ10は、光ファイバサブアセンブリ100、光ファイバサブアセンブリ300、及び光ファイバアダプタ200を含む。内部光ファイバの相互接続を実現するように、光ファイバサブアセンブリ100が、光ファイバアダプタ200を用いることによって、別の光ファイバサブアセンブリ300に接続される。
【0035】
図3は、光ファイバサブアセンブリ100の外部構造の概略図である。光ファイバサブアセンブリ100の全体的な外観の視点から、光ファイバサブアセンブリ100は、防塵キャップ110、ハンドル120、リアリテーナ(rear retainer)130、及び光ケーブル140を含む。
【0036】
図4は、光ファイバサブアセンブリ100の分解図である。内部構造から分かることには、光ファイバサブアセンブリ100は更に、現場取り付け可能コネクタ(field mountable connector,FMC)アセンブリ150、スピンドル160、及び保護フード170を含む。ハンドル120及びリアリテーナ130が、スピンドル160及び保護フード170の外側にスリーブされる。さらに、スピンドル160及び保護フード170が、FMCアセンブリ150の外側にスリーブされる。
【0037】
図5は、光ファイバサブアセンブリ100の断面図である。光ケーブル140の端部が、FMCアセンブリ150の端部に接続され、光ケーブル140は、FMCアセンブリ150の第1端150aから突出する。FMCアセンブリ150はフェルール1501を含み、フェルール1501は、FMCアセンブリ150の第2端150bに設けられる。スピンドル160が、FMCアセンブリ150の第1端150aの外側にスリーブされ、保護フード170が、FMCアセンブリ150の第2端150bの外側にスリーブされ、スピンドル160が保護フード170に固定接続される。ハンドル120が、スピンドル160及び保護フード170の外側にスリーブされる。リアリテーナ130は、保護フード170から離れたスピンドル160の端部に接続され、保護フード170から離れたスピンドル16の端部が、光ケーブル140を留めるために使用される。
【0038】
図6aのFMCアセンブリの分解図及び図6bのFMCアセンブリの断面図を参照するに、FMCアセンブリ150は、フェルール1501、フェルール固定部1502、外側フレームスリーブ1503、ベース1504、ばね1505、及びFMCリアリテーナ1506を含み得る。光ケーブル140は、ベース1504に接続され、光ファイバへと剥かれる。次いで、光ファイバは、フェルール固定部1502を通して導かれ、フェルール1501に接続される。フェルール固定部1502は、フェルール1501を固定するとともに光ファイバを保護するように構成される。外側フレームスリーブ1503が、フェルール1501及びフェルール固定部1502の外側にスリーブされる。外側フレームスリーブ1503は、フェルール1501に近いベース1504の端部に固定接続される。フェルール1501から離れたベース1504の端部が、ねじ山を介してFMCリアリテーナ1506にねじ込まれる。ばね1505が、ベース1504の内壁に固定される。フェルール1501に近いばね1505の端部がフェルール固定部1502を押し当たって、フェルール1501及びフェルール固定部1502に対する支持を提供するとともに、フェルール1501をフレキシブルにする。
【0039】
具体的には、現場で組み立てを行うときに、作業者は、先ず、切断を通じて、実際の要求に従った長さの光ケーブル140を得ることができ、次いで、光ケーブル140をベース1504、フェルール固定部1502、及びフェルール1501に順に接続し、次いで、フェルール1501及びフェルール固定部1502の外側に外側フレームスリーブ1503をスリーブし、外側フレームスリーブ1503をベース1504に固定し、次いで、ベース1504の外側にFMCリアリテーナ1506をスリーブし、ねじ山を介してFMCリアリテーナ1506をベース1504にねじ込んで、光ケーブル140をFMCアセンブリ150に接続するための組み立てを完了し、そして、FMCアセンブリ150の外側に、スピンドル160、保護フード170、ハンドル120、及びリアリテーナ130をスリーブして、光ファイバサブアセンブリ100の組み立てを完了する。なお、この出願における光ケーブル140は、例えばバタフライケーブル、ラウンドケーブル、及びフラットケーブルなどの様々なタイプのケーブルを含み得る。これは、ここで具体的に限定されることではない。
【0040】
一実施形態において、保護フード170は、フード本体171と、フード本体171の端部を延ばすことによって形成された固定スリーブ172とを含む。固定スリーブ172は、スピンドル160に挿入され、フード本体171は、フェルール1501の外側にスリーブされてフェルール1501を保護する。光ファイバサブアセンブリ100が現場で組み立てられるときに、固定スリーブ172がスピンドル160に挿入され、その結果、保護フード170を迅速に位置付けることができる。これは、保護フード170の軸をスピンドル160の軸と迅速にアライメントする助けとなり、それによって迅速な組み立てを実現する。固定スリーブ172内のキャビティが、FMCアセンブリ150の外側フレームスリーブ1503と一致し得る。例えば、固定スリーブ172内のキャビティの断面は正方形であることができ、FMCアセンブリ150の外側フレームスリーブ1503の断面も正方形であることができ、そして、これら2つの断面の大きさが一致し、それによって、固定スリーブ172がFMCアセンブリ150に対して回転することを防止し得る。
【0041】
対照的に、現場で組み立てられることができない従来技術の屋外光ファイバサブアセンブリでは、屋外光ファイバサブアセンブリの光ケーブル長は、納入前に確定されてしまい、工事現場で変更されることはできない。例えば、製造業者は、通常、様々な仕様の光ファイバサブアセンブリを製造する。例えば、製造業者は通常、例えば光ファイバサブアセンブリの光ケーブル長の仕様が50メートル、100メートル、200メートル、及びこれらに類するものであるといった、様々な仕様の光ファイバサブアセンブリを製造する。
現場で60mの長さの光ケーブルしか必要とされない場合、工事においては、なおも100mの長さの光ケーブルを持つ光ファイバサブアセンブリが顧客に提供される必要があり、それによって、不可避的に40mの光ケーブルが無駄になる。
【0042】
この出願の実施形態における光ファイバサブアセンブリ100では、FMCアセンブリ150を用いることによって光ケーブル140が接続される。従って、顧客によって必要とされる又は組み立て現場で実際に必要とされる光ケーブル長に基づく融通性ある切断を通じて、組み立て要員により、実際に必要とされる長さの光ケーブルを得ることができる。トリミングされた光ケーブル端子が、組み立て現場で組み立てられ得る。例えば、先ずFMCアセンブリ150を組み立て、次いで、ハンドル120、リアリテーナ130、スピンドル160、保護フード170などをFMCアセンブリ150と組み立てることで、光ファイバサブアセンブリ100を現場で組み立て得る。分かることには、この実施形態における光ファイバサブアセンブリ100の光ケーブルの長さは、工事現場で柔軟に設定されることができ、それによって光ケーブルを節約する助けとなるとともに、簡便で速い組み立てを実現する。さらに、スピンドル160、保護フード170、ハンドル120、及びリアリテーナ130がFMCアセンブリ150の外側にスリーブされることで、光ファイバサブアセンブリ100が組み立てられ、その結果、IP68保護クラスを満足するようにFMCアセンブリ150を保護することができる。FMCアセンブリ150が効果的に保護され、それ故に、この光ファイバサブアセンブリ100は屋外でのアダプタ200とのプラグ・アンド・プレイに好都合であり、作業が、簡単で、速くて、安全で、信頼性あるものとなる。さらに、FMCアセンブリを用いた光ファイバサブアセンブリは現場で組み立て及び分解されることができるので、使用中にフェルール又はFMCアセンブリが損傷した場合に、光ケーブルを含む光ファイバサブアセンブリ全体を交換することなく、FMCアセンブリのみを交換すればよく、それにより、その後のメンテナンス費用が大幅に削減され、コストが低減される。
【0043】
図4及び図5を参照するに、一実施形態において、光ケーブル140とリアリテーナ130又はスピンドル160との間の隙間を通って光ファイバサブアセンブリ100内に外部の異物、水分、粉塵、及びこれらに類するものが入ることを防止するために、FMCアセンブリ150に近い光ケーブル140の端部の外側に光ケーブルシールリング141が設けられ。
【0044】
一実施形態において、ハンドル120とスピンドル160との間の隙間を通って光ファイバサブアセンブリ100内に外部の異物、水分、粉塵、及びこれらに類するものが入ることを防止するために、保護フード170に近いスピンドル160の端部の外側にスピンドルシールリング164が設けられ、それによって、光ファイバサブアセンブリ100のシール性能が向上される。
【0045】
一実施形態において、保護フード170から離れたスピンドル160の端部の内壁がシャフトショルダ161を有し、シャフトショルダ161がFMCアセンブリ150の第1端150aに押し当たる。これは、FMCアセンブリ150が保護フード170から離れる方向にスピンドル160の軸方向に沿ってスライドすることを防ぎ、それによってFMCアセンブリ150を制約することができる。
【0046】
一実施形態において、保護フード170から離れたスピンドル160の端部が、被固定部分162と、該被固定部分162の端面を延ばすことによって形成された圧着構造163とを含む。被固定部分162及び圧着構造163は、光ケーブル140の外側にスリーブされる。被固定部分162の外壁が外ねじ山を有する。リアリテーナ130の内壁が内ねじ山を備える。リアリテーナ130は被固定部分162及び圧着構造163の外側にスリーブされ、リアリテーナ130上の内ねじ山が、被固定部分162の外ねじ山にねじ込まれることで、圧着構造163が光ケーブル140を留める。
【0047】
図7を参照するに、一実施形態において、圧着構造163は2つのカンチレバー1631を含み得る。2つのカンチレバー1631の固定端が被固定部分162に接続される。2つのカンチレバー1631の可動端の内壁に突起構造1632が設けられる。突起構造1632の数は、ここで具体的に限定されることではない。リアリテーナ130の内部キャビティが、自然状態の2つのカンチレバー1631によって形成される周縁よりも僅かに小さいとし得る。さらに、リアリテーナ130の内ねじ山が被固定部分162の外ねじ山にねじ込まれる過程において、2つのカンチレバー1631の可動端が光ケーブル140に向かう方向にきつく押されて絞られることで、光ケーブル140をクランプする。突起構造1632は、光ケーブル140の引張性能を改善させることができる。FMCアセンブリ150がスピンドル160の軸方向に沿ってスピンドル160内で前後に動くことを防止することができるように、光ケーブル140がFMCアセンブリ150に接続され、光ケーブル140がスピンドル160上の圧着構造163によってきつく押圧される。なお、圧着構造163は、例えば3つ又は4つのカンチレバーといった、より多くのカンチレバー1631を含んでもよい。これは、ここで具体的に限定されることではない。他の一実施形態において、圧着構造163は代わりに円筒構造であってもよく、該円筒構造は、弾性材料で作製される。リアリテーナ130の内部キャビティが該円筒構造の周縁よりも僅かに小さいとし得る。さらに、リアリテーナ130の内ねじ山が被固定部分162の外ねじ山にねじ込まれる過程において、リアリテーナ130が弾性圧着構造163に押し当たって光ケーブル140を留める。
【0048】
一実施形態において、ハンドル120は、内側に段付き表面を持つ円筒構造である。ハンドル120の内側の段付き表面が、保護フード170に近いスピンドル160の端部に押し当たることで、ハンドル120がリアリテーナ130から離れる方向にスライドすることを防止する。リアリテーナ130が被固定部分162にねじ込まれた後、リアリテーナ130がハンドル120に押し当たることで、ハンドル120がリアリテーナ130に向かう方向にスライドすることを防止する。上述の方法に加えて、ハンドル120を固定する別の代わりの方法が存在し得る。例えば、スピンドル160の外表面にシュート(chute)が設けられ、ハンドル120の内表面にフランジが設けられ、ハンドルを固定するようにフランジをシュートとスナップ嵌めするためにハンドルが回転され得る。これは、ここで具体的に限定されることではない。
【0049】
図8を参照するに、一実施形態において、リアリテーナ130から離れたハンドル120の端部の内壁に、突出した係止構造1201が設けられる。係止構造1201は、円筒形の突起とすることができ、1つ以上の係止構造1201が存在し得る。これは、ここで具体的に限定されることではない。
【0050】
図9を参照するに、一実施形態において、ロープを用しることによって、光ファイバサブアセンブリ100に防塵キャップ110が結び付けられる。防塵キャップ110は主に、光ファイバサブアセンブリ100がアダプタ200に挿入される前に、粉塵及び水を防止してFMCアセンブリ150を保護することを意図したものである。防塵キャップ110とハンドル120とがスナップ嵌めされたときに良好なシール効果を達成するために、防塵キャップ110の外側に防塵キャップシールリング111が設けられる。防塵キャップ110の端部に、光ファイバサブアセンブリ10の収容キャビティが設けられる。収容キャビティは、防塵キャップ110の軸方向に沿って延在し、光ファイバサブアセンブリ100内の保護フード170及びFMCアセンブリ150の、外部に接続される、端部を収容することができる。防塵キャップ110の外表面に、少なくとも1つの係止溝112が設けられる。係止溝112の数は、ハンドル120上の係止構造1201の数に等しい。係止構造1201が係止溝112とスナップ嵌めするように構成され、その結果、防塵キャップ110がハンドル120に固定される。
【0051】
一実施形態において、ハンドル120の接続状態又は解放状態を指し示すために、リアリテーナ130から離れたハンドル120の端部の外表面にインジケーション識別子121が設けられる。リアリテーナ130に近いハンドル120の端部において外表面に切断面122が設けられる。ハンドル120を防塵キャップ110に固定する作業が行われると、回転動作を行うことに関して切断面122がクランプされて滑りを防止し得る。摩擦を更に増加させるために、切断面122上に更に滑り止め溝を形成して、作業を行う手の感触を改善させ得る。なお、切断面122は、一対の対称切断面であってもよいし、あるいは、例えば二対又は三対といった複数対の対称切断面であってもよい。これは、個々で具体的に限定されることではない。
【0052】
図10aを参照するに、一実施形態において、スピンドル160から離れた保護フード170の端部の断面がC字形にされるように、すなわち、保護フード170が、外周面に開口1703を有するC字形フードであるように、スピンドル160から離れた保護フード170の端部に開口1703が設けられる。
【0053】
確かなことには、他の一実施形態において、保護フード170の外周面に代わりに2つ以上の開口1703が存在してもよい。例えば、2つの開口又は3つの開口が含められ得る。これは、ここで具体的に限定されることではない。開口1703は、ホーン形状にされることができ、すなわち、開口の端部が弧状の表面を有し、それが案内効果を果たして、アダプタ200への光ファイバサブアセンブリ100の挿入をガイドする助けとなる。
【0054】
一実施形態において、FMCアセンブリ150を保護することを基礎として、保護フード170がスピンドル160の軸方向に沿って動くことを防止するために、固定スリーブ172がスピンドル160に挿入され、保護フード170に近いスピンドルの端面に第1の固定構造1601が設けられ、固定スリーブ172に近いフード本体171の端面に第2の固定構造1701が設けられ、そして、第1の固定構造1601及び第2の固定構造1701がバックル留めされ、その結果、スピンドル160が保護フード170に固定接続される。スピンドルと保護フードとがバックル留めを介して固定接続されることで、光ファイバサブアセンブリをいっそう簡便に組み立てること及び分解することができるようになる。これは、ねじ込むようにしてスピンドルが保護フードに接続される光ファイバサブアセンブリと比較して、現場で光ファイバサブアセンブリを組み立てること及び分解することの時間を大幅に短縮することができる。試験が示すことには、この実施形態で提供される光ファイバサブアセンブリの組み立て及び分解の時間は、ねじ込み接続を用いる光ファイバサブアセンブリの組み立て及び分解の時間のたったの1/5である。
【0055】
理解され得ることには、固定スリーブ172をスピンドル160に挿入するため及び第2の固定構造1701を簡便に配置するために、固定スリーブ172の外径は、フード本体171の外径よりも小さい。また、第1の固定構造1601は、スピンドル160の端面上の任意の位置に設けられることができ、第2の固定構造1701は、フード本体171の端面上の任意の位置に設けられることができる。C字形フードを一例として用いるに、第2の固定構造1701は、フード本体171の端面上の、開口1703に対応する位置に設けられ得る。
【0056】
図10b及び図10cを参照するに、一実施形態において、固定スリーブ17がスピンドル160に挿入された後に固定スリーブ17がスピンドル160内で回転することを防止するため、及び固定スリーブ17がスピンドル160内にスライドすることを防止するために、保護フード170に近いスピンドル160の端面に位置決めスロット1602が設けられる。対応して、固定スリーブ172に近いフード本体171の端面に位置決めキー1702が設けられる。位置決めキー1702が位置決めスロット1602に挿入され得る。確かなことには、代わりに、保護フード170に近いスピンドル160の端面に位置決めキー1702が設けられ、固定スリーブ172に近いフード本体171の端面に位置決めスロット1602が設けられてもよい。また、1つ以上のグループの位置決めキー1702及び位置決めスロット1602が存在してもよい。これは、ここで具体的に限定されることではない。
【0057】
第1の固定構造1601及び第2の固定構造1701は、複数の手法で実装され得る。それらの手法について以下にて別々に記述する。
【0058】
図10aを参照するに、一実施形態において、第1の固定構造1601はスナップクリップとすることができ、第2の固定構造1701はスナップスロットとすることができ、これらスナップクリップ及びスナップスロットがスナップ嵌めされることで、スピンドル160が保護フード170に固定される。代わりに、第1の固定構造1601がスナップスロットであって、第2の固定構造1701がスナップクリップであってもよい。また、1つ以上のグループのスナップクリップ及び対応するスナップスロットが設けられてもよい。これは、ここで具体的に限定されることではない。
【0059】
図11を参照するに、一実施形態において、光ファイバサブアセンブリ100は更にピン180を含んでもよく、第1の固定構造1601は第1のジャックであってもよく、第2の固定構造1701は第2のジャックであってもよく、ピン180を第1のジャック及び第2のジャックに挿入することで、第1のジャックと第2のジャックとを固定してもよい。理解され得ることには、1つ以上のグループのピン180、第1のジャック、及び第2のジャックが設けられてもよい。これは、ここで具体的に限定されることではない。
【0060】
図12を参照するに、一実施形態において、光ファイバサブアセンブリは更にスナップスプリング190を含んでもよく、第1の固定構造1601は第1の溝であってもよく、第2の固定構造1701は第2の溝であってもよく、スナップスプリング190が第1の溝及び第2の溝に挿入されることで、第1の溝と第2の溝とが固定されてもよい。理解され得ることには、1つ以上のグループのスナップスプリング190、第1の溝、及び第2の溝が設けられてもよい。これは、ここで具体的に限定されることではない。
【0061】
上で挙げた幾つかの手法に加えて、保護フード170は、代わりに別の手法でスピンドル160に固定されてもよい。例えば、保護フード170に面するスピンドル160の端面が、接着剤を用いることによって、固定スリーブ172に近いフード本体171の端面に接着されてもよい。これは、ここで具体的に限定されることではない。
【0062】
以上は、この出願の実施形態における光ファイバサブアセンブリ100を説明するものであり、以下、この出願における光ファイバコネクタ10を説明する。
【0063】
図2に示すように、前述の光ファイバサブアセンブリ100に加えて、光ファイバコネクタ10は更にアダプタ200を含む。図13を参照するに、光ファイバアダプタ200の端部にソケット201が設けられる。
【0064】
ソケット201上にキャビティ2011及びスロット2012が設けられる。キャビティ2011は、ソケット201の中央に位置する。キャビティ2011及びスロット2012は、ソケット201の軸方向に沿って延在する。スロット2012は、キャビティ2011の周囲を取り囲む。光ファイバサブアセンブリ100内のFMCアセンブリ150が、キャビティ2011内に挿入され得る。光ファイバサブアセンブリ100内の保護フード170が、スロット2012に挿入され得る。保護フード170がC字形フードである場合、スロット2012の断面がC字形となるように、ソケット201の軸方向に沿って延びるストリップ形状の突起2014がスロット2012上に更に設けられ得る。ストリップ形状の突起2014の幅は、C字形フードの開口の幅と同等である。スロット2012は、C字形フードにシームレスに接続されることができ、それにより、光ファイバサブアセンブリ100の見ないでの接続を実現し、作業を容易にし、更に光ファイバコネクタ10のプラグ・アンド・プレイを実現し得る。
【0065】
一実施形態において、光ファイバソケット201の外周に第2のシュート2015が設けられる。シュート2015は螺旋状である。シュート2015は、ソケット201の端からソケット201の円周方向に沿って延在し、シュート2015の延在端が、ハンドル120上の係止構造1201にバックル留めされる。光ファイバソケット201の外表面に、矢印識別子と識別子“0”及び“1”とが設けられている。光ファイバサブアセンブリ100が光ファイバソケット201に挿入されるときに、ハンドル120上のインジケーション識別子121がソケット201の矢印識別子とアライメントされるべきである。光ファイバサブアセンブリ100が“0”の方向に回転されているとき、光ファイバサブアセンブリ100はロック状態にある。光ファイバサブアセンブリ100が“1”の方向に回転されているとき、光ファイバサブアセンブリ100は解放状態にある。この実施において、シュート2015は、防塵キャップ110上の係止溝112の形状と同じ形状を持つとし得る。
【0066】
図14のアダプタ200の分解図を参照するに、一実施形態において、光ファイバアダプタ200は、O形シールリング222、ロックナット220、O形シールリング240、ソケット本体210、セラミックスリーブ212を含む。O形シールリング240、ロックナット220、及びO形シールリング222は、ソケット本体210の外側に順にスリーブされる。セラミックスリーブ212は、ソケット本体210の他端に挿入され、O形シールリング222を用いることによって留められる。ソケット201がソケット本体210の一端に設けられ、ソケット202がソケット本体210の他端に設けられる。ソケット201と、ソケット202と、ソケット本体210の中央に配置されたセラミックスリーブ212とが、超音波を用いることによって共に溶接され得る。
【0067】
一実施形態において、光ファイバアダプタ200は、アダプタ防塵キャップ230を含む。光ファイバアダプタ200を収容するためのアダプタ収容キャビティが、アダプタ防塵キャップ230の端に設けられる。この収容キャビティは、光ファイバアダプタ200がアダプタ防塵キャップ230に挿入されるときにソケット201を収容するように構成される。
【0068】
以上の説明は、単に、本発明の実装例であり、本発明の保護範囲を限定することを意図したものではない。本発明にて開示された技術範囲内で当業者によって容易に考え付かれる如何なる変形又は置換も、本発明の保護範囲に入るものである。故に、本発明の保護範囲は、請求項の保護範囲次第のものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図7
図8
図9
図10a
図10b
図10c
図11
図12
図13
図14