(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-25
(45)【発行日】2022-12-05
(54)【発明の名称】清掃システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
G05D 1/02 20200101AFI20221128BHJP
H02S 40/10 20140101ALI20221128BHJP
A47L 11/38 20060101ALI20221128BHJP
【FI】
G05D1/02 P
H02S40/10
A47L11/38
(21)【出願番号】P 2021517829
(86)(22)【出願日】2019-11-09
(86)【国際出願番号】 CN2019116915
(87)【国際公開番号】W WO2020094146
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2021-03-30
(31)【優先権主張番号】201811334485.2
(32)【優先日】2018-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518015815
【氏名又は名称】蘇州瑞得恩光能科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SUZHOU RADIANT PHOTOVOLTAIC TECHNOLOGY CO., LTD
【住所又は居所原語表記】No. 636, Zixu Road, Xukou Township, Wuzhong Dist. Suzhou, Jiangsu 215101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】徐 建栄
(72)【発明者】
【氏名】路 建郷
(72)【発明者】
【氏名】徐 斐
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-155308(JP,A)
【文献】特開2018-147034(JP,A)
【文献】特開2012-098813(JP,A)
【文献】中国実用新案第206854321(CN,U)
【文献】特表2022-503818(JP,A)
【文献】国際公開第2018/186461(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/02
H02S 40/10
A47L 11/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
清掃ロボットを被清掃領域に搬送するように移送ロボットを制御する第1制御ステップと、
前記被清掃領域の上面で清掃作業を行うように前記清掃ロボットを制御する清掃制御ステップと、
前記清掃ロボットを載せて前記被清掃領域から離れるように
前記移送ロボットを制御する第2制御ステップと、
を含
み、
前記第1制御ステップの前に、
作業領域情報及び作業タスク情報を取得する情報取得ステップと、
スケジューリングされる必要がある清掃ロボット及び移送ロボットの数を計算するロボット数計算ステップと、を更に含み、
前記ロボット数計算ステップは、
前記清掃ロボットの走行速度及び前記移送ロボットの走行速度を取得する速度取得ステップと、
清掃される必要がある被清掃領域の寸法及び前記清掃ロボットの走行速度に基づいて、被清掃領域毎で清掃タスクを終了するのに必要な工数を計算する総工数計算ステップと、
清掃される必要がある被清掃領域の総数、被清掃領域毎で清掃タスクを終了するのに必要な工数、及び清掃作業を実行可能とする作業時間範囲に基づいて、スケジューリングされる必要がある清掃ロボットの数Mを計算する清掃ロボット数計算ステップと、
前記清掃される必要がある被清掃領域の位置に基づいて移送ロボットが走行する必要がある総距離を計算する距離計算ステップと、
前記総距離及び前記移送ロボットの走行速度に基づいて、スケジューリングされる必要がある移送ロボットの数Nを計算する移送ロボット数計算ステップと、
を含む清掃システムの制御方法。
【請求項2】
前記作業領域情報が作業領域のマップを含み、前記作業領域が全ての被清掃領域及び2つ以上の被清掃領域の間の通路領域を含み、前記通路領域内に少なくとも1つの測位点が設けられ、測位点毎には該測位点の位置及び番号を記憶する少なくとも1つの識別可能なタグが設けられ、
前記作業領域情報が前記作業領域内の被清掃領域毎の番号、寸法及び位置並びに少なくとも1つの測位点の位置及び番号を更に含み、
前記作業タスク情報が、清掃される必要がある清掃領域番号と、清掃作業を実行可能とする作業時間範囲とを更に含む請求項1に記載の清掃システムの制御方法。
【請求項3】
前記第1制御ステップ又は前記第2制御ステップにおいて、
前記被清掃領域の第1移送領域に走行するように
前記移送ロボットを制御する移送ロボット走行制御ステップを含み、
前記移送ロボット走行制御ステップは、
第1制御指令を少なくとも1つの移送ロボットに発行し、前記第1制御指令が、
該移送ロボットの番号と
該移送ロボットの推奨経路とを含み、該推奨経路に位置する少なくとも1つの測位点情報と、測位点毎に対応する予め設定された走行方向とを更に含む第1指令発行ステップと、
該移送ロボットが任意の測位点に走行すると、該測位点の測位点情報及び該移送ロボットのリアルタイム走行方向を取得する走行データ取得ステップと、
該測位点が前記推奨経路に位置するか否かを判断し、推奨経路にない場合に、第1指令発行ステップに戻り、推奨経路にある場合に、次のステップを実行する位置比較ステップと、
該移送ロボットの該測位点における実際の走行方向が該測位点に対応する予め設定された走行方向と一致するか否かを判断し、一致しない場合に、該移送ロボットの方向が間違っていると判定するとともに、次のステップを実行する方向比較ステップと、
第2制御指令を方向が間違っている移送ロボットに発行し、推奨経路に基づいてその走行方向を該測位点に対応する予め設定された走行方向に調整する第2指令発行ステップと、を含む請求項1に記載の清掃システムの制御方法。
【請求項4】
2つ以上の通路領域を設置し、通路ネットワークを構成して、少なくとも1つのロボットを走行するための通路領域設置ステップと、
前記通路ネットワークにおいて少なくとも1つの測位点を等間隔で設置する測位点設置ステップと、
前記測位点のそれぞれに少なくとも1つの識別可能なタグを設置し、前記識別可能なタグに測位点情報が記憶されて、該識別可能なタグがある測位点の位置及び番号を含むタグ設置ステップと、を更に含む請求項1に記載の清掃システムの制御方法。
【請求項5】
それぞれの移送ロボット内には、
該移送ロボットのリアルタイム走行方向を取得するための電子コンパスを設置する電子コンパス設置ステップを更に含む請求項1に記載の清掃システムの制御方法。
【請求項6】
前記第1制御ステップは、
前記清掃ロボットを載せた
前記移送ロボットを
前記被清掃領域の第1移送領域に走行するように制御し、前記第1移送領域が該被清掃領域の外部の該被清掃領域の一側辺に近接する領域である移送ロボット走行制御ステップと、
前記移送ロボットの所定位置到着信号を取得した後に、前記移送ロボットを該被清掃領域に突合せ接続するように制御する突合せ接続制御ステップと、
突合せ接続終了信号を取得した後に、前記被清掃領域に走行するように前記清掃ロボットを制御し、移動終了信号を発する清掃ロボット移動制御ステップと、を含む請求項1に記載の清掃システムの制御方法。
【請求項7】
前記第2制御ステップは、
空の移送ロボットを
前記被清掃領域の第1移送領域に走行するように制御し、前記第1移送領域が該被清掃領域の外部の該被清掃領域の一側辺に近接する領域である移送ロボット走行制御ステップと、
前記移送ロボットの所定位置到着信号を取得した後に、前記移送ロボットを該被清掃領域に突合せ接続するように制御する突合せ接続制御ステップと、
前記清掃ロボットの所定位置到着信号を取得した後に、前記被清掃領域から前記移送ロボットの移送ステージに走行するように前記清掃ロボットを制御し、移動終了信号を発する清掃ロボット移動制御ステップと、を含む請求項1に記載の清掃システムの制御方法。
【請求項8】
前記突合せ接続制御ステップの前に、
前記移送ステージの高さ及び傾斜角度を調整し、前記移送ロボットの位置を調整するように移送ロボットを制御する移送ロボット初回調整制御ステップを更に含み、
前記移送ロボット初回調整制御ステップは、
前記移送ステージの角度及び高さを調整することで、
前記移送ステージの上面と前記被清掃領域の上面とが同一平面上に位置するように前記移送ロボットを制御する移送ステージ初回調整制御ステップ、及び/又は、
前記移送ステージの出入り口の向きを調整することで、前記移送ステージの出入り口が前記被清掃領域に向けるように前記移送ロボットを制御する移送ステージ方向調整制御ステップ、及び/又は、
前記移送ステージと前記被清掃領域の額縁との距離を調整することで、移送ステージと前記被清掃領域の額縁との間隔が所定閾値よりも小さくなるように前記移送ロボットを制御
する距離調整制御ステップ、を含み、
前記移送ステージの上面と前記被清掃領域の上面とが同一平面上に位置して、前記移送ステージの出入り口が前記被清掃領域に向き、
前記移送ステージと前記被清掃領域の額縁との間隔が所定閾値よりも小さい場合に、前記移送ロボットが移送ロボットの所定位置到着信号を発す
る、請求項
7に記載の清掃システムの制御方法。
【請求項9】
前記清掃ロボット移動
制御ステップの後に、
移動終了信号を取得した後に、突合せ接続を解除することで、前記移送ステージの上面が前記被清掃領域の上面から離脱するように前記移送ロボットを制御する突合せ接続解除制御ステップと、
前記移送ステージの高さ及び角度を調整することで、前記移送ステージの高さを最低箇所に下降させて、水平状態を維持するように前記移送ロボットを制御する移送ステージ再度調整制御ステップと、
前記被清掃領域から離れるように前記移送ロボットを制御する移送ロボット離脱制御ステップと、を更に含む請求項
7に記載の清掃システムの制御方法。
【請求項10】
前記突合せ接続制御ステップにおいて、
ブリッジ板を延びて、移送ステージの上面と前記被清掃領域の上面とを接続するように前記移送ロボットを制御し、
突合せ接続が終了した後に、前記移送ロボットが突合せ接続終了信号をデータ処理システムに発し、
前記突合せ接続解除制御ステップにおいて、
ブリッジ板を後退させることで、前記移送ステージの上面が前記被清掃領域の上面から離脱するように前記移送ロボットを制御し、突合せ接続解除が終了した後に、前記移送ロボットが突合せ接続解除終了信号を前記データ処理システムに発する請求項
9に記載の清掃システムの制御方法。
【請求項11】
前記清掃制御ステップにおいて、前記移動終了信号を取得した後に、前記
被清掃領域の上面で清掃作業を行うように前記清掃ロボットを制御する請求項
6に記載の清掃システムの制御方法。
【請求項12】
前記第2制御ステップにおいて、前記突合せ接続制御ステップの前に、
前記清掃ロボットが第2移送領域に位置するか否かを判断するように前記移送ロボットを制御し、
該第2移送領域にある場合に、前記移送ロボットから清掃ロボット所定位置到着信号をデータ処理システムに発し、
該第2移送領域にいない場合に、次のステップを実行する清掃ロボット位置検出制御ステップと、
前記清掃ロボットの位置を
前記第2移送領域に調整するように制御し、前記移送ロボット又は前記清掃ロボットから清掃ロボット所定位置到着信号をデータ処理システムに発する清掃ロボット位置調整制御ステップと、を更に含む請求項
7に記載の清掃システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソーラーパネル清掃作業用の清掃システム及び清掃方法に関する。
【背景技術】
【0002】
化石燃料が日々減少しているため、再生可能エネルギーの新興である太陽エネルギーは、人類のエネルギー利用の重要な構成要素となっており、ここ十年あまりの間に、太陽エネルギー応用技術は世界各国で急速な発展を遂げている。
【0003】
ソーラーパネルは、動作環境が戸外のみであるため、その動作に最も影響を与えるのは悪天候ではなく、長年に亘って蓄積された塵や積雪等である。ソーラーパネルに塵やその他の付着物が付着すると、パネルの光透過率に影響を及ぼし、光電効率が阻害される。その結果、パネルの太陽光を直接取り込む効率に悪影響を及ぼし、パネルのエネルギー吸収及び変換効率が低下し、発電効率が低下することがある。
【0004】
したがって、すべての太陽光発電所はソーラーパネルの表面を清掃する必要があり、手動による清掃の効率が低く、リスクが高いことが明らかである。したがって、業界でソーラーパネルの清掃ロボットを開発してソーラーパネルの表面を清掃し、清掃効率を効果的に向上させるとともに、高い場所での清掃作業による人身の安全に対するリスクの発生を防ぐ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ソーラーパネル又はパネルマトリクスの並び配列は、1つのモノリシックとして設けられることではなく、所定領域内の複数の位置に設けられることで、領域内の異なる位置のソーラーパネル又はパネルマトリクスの間に大きな空間的間隔が存在するが、清掃ロボットは、これらの空間的間隔を直接横断して異なるソーラーパネル上に清掃することはできず、ソーラーパネル毎に1台の清掃ロボットを設けると、ハードウェアコストが高いだけでなく、清掃ロボット毎の使用効率が低くなり、リソースの浪費が大きくなる。
【0006】
上記問題に基づいて、清掃装置、移送装置及びデータ処理システムを含むインテリジェント化清掃システムを開発する必要があり、清掃装置は単一のソーラーパネル又はパネルマトリクス上で清掃作業を効果的に終了することができ、移送装置は清掃ロボットを1つのソーラーパネルマトリクスから他のソーラーパネルマトリクスに移動することができ、データ処理システムは清掃ロボットを遠隔でスケジューリングし制御して異なるパネルマトリクス上で清掃作業を効率的に終了することができる。
【0007】
本発明の目的は、大量のソーラーパネル及びパネルマトリクスを清掃処理する必要があるという技術的課題を解決する清掃システムの制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、清掃ロボットを被清掃領域に搬送するように移送ロボットを制御し、前記被清掃領域がソーラーパネル又はソーラーパネルアレイである第1制御ステップと、前記被清掃領域の上面で清掃作業を行うように前記清掃ロボットを制御する清掃制御ステップと、前記清掃ロボットを載せて前記被清掃領域から離れるように移送ロボットを制御する第2制御ステップと、を含む清掃システムの制御方法を提供する。
【0009】
さらに、前記第1制御ステップの前に、作業領域情報及び作業タスク情報を取得する情報取得ステップと、スケジューリングされる必要がある清掃ロボット及び移送ロボットの数を計算するロボット数計算ステップと、を更に含み、前記作業領域情報が作業領域のマップを含み、前記作業領域が全ての被清掃領域及び2つ以上の被清掃領域の間の通路領域を含み、前記通路領域内に少なくとも1つの測位点が設けられ、測位点毎には該測位点の位置及び番号を記憶する少なくとも1つの識別可能なタグが設けられ、前記作業領域情報が前記作業領域内の被清掃領域毎の番号、寸法及び位置並びに少なくとも1つの測位点の位置及び番号を更に含み、前記作業タスク情報が、清掃される必要がある清掃領域番号と、清掃作業を実行可能とする作業時間範囲とを更に含む。
【0010】
さらに、前記ロボット数計算ステップは具体的に、清掃ロボットの走行速度及び移送ロボットの走行速度を取得する速度取得ステップと、清掃される必要がある被清掃領域の寸法及び清掃ロボットの走行速度に基づいて、被清掃領域毎で清掃タスクを終了するのに必要な工数を計算する総工数計算ステップと、清掃される必要がある被清掃領域の総数、被清掃領域毎で清掃タスクを終了するのに必要な工数、及び前記作業時間範囲に基づいて、スケジューリングされる必要がある清掃ロボットの数Mを計算する清掃ロボット数計算ステップと、前記清掃される必要がある被清掃領域の位置に基づいて移送ロボットが走行する必要がある総距離を計算する距離計算ステップと、前記総距離及び前記移送ロボットの走行速度に基づいて、スケジューリングされる必要がある移送ロボットの数Nを計算する移送ロボット数計算ステップと、を含む。
【0011】
さらに、前記第1制御ステップ又は前記第2制御ステップにおいて、被清掃領域の第1移送領域に走行するように移送ロボットを制御する移送ロボット走行制御ステップを含み、前記移送ロボット走行制御ステップは、第1制御指令を少なくとも1つの移送ロボットに発行し、前記第1制御指令が、移送ロボットの番号と移送ロボットの推奨経路とを含み、該推奨経路に位置する少なくとも1つの測位点情報と、測位点毎に対応する予め設定された走行方向とを更に含む第1指令発行ステップと、移送ロボットが任意の測位点に走行すると、該測位点の測位点情報及び該移送ロボットのリアルタイム走行方向を取得する走行データ取得ステップと、該測位点が前記推奨経路に位置するか否かを判断し、推奨経路にない場合に、第1指令発行ステップに戻り、推奨経路にある場合に、次のステップを実行する位置比較ステップと、該移送ロボットの該測位点における実際の走行方向が該測位点に対応する予め設定された走行方向と一致するか否かを判断し、一致しない場合に、該移送ロボットの方向が間違っていると判定するとともに、次のステップを実行する方向比較ステップと、第2制御指令を方向が間違っている移送ロボットに発行し、推奨経路に基づいてその走行方向を該測位点に対応する予め設定された走行方向に調整する第2指令発行ステップと、を含む。
【0012】
さらに、前記清掃システムの制御方法は、2つ以上の通路領域を設置し、通路ネットワークを構成して、少なくとも1つのロボットを走行するための通路領域設置ステップと、前記通路ネットワークにおいて少なくとも1つの測位点を等間隔で設置する測位点設置ステップと、測位点のそれぞれに少なくとも1つの識別可能なタグを設置し、前記識別可能なタグに測位点情報が記憶されて該識別可能なタグがある測位点の位置及び番号を含むタグ設置ステップと、を更に含む。
【0013】
さらに、前記清掃システムの制御方法は、それぞれの移送ロボット内には、移送ロボットのリアルタイム走行方向を取得するための電子コンパスを設置する電子コンパス設置ステップを更に含む。
【0014】
さらに、前記第1制御ステップは、清掃ロボットを載せた移送ロボットを被清掃領域の第1移送領域に走行するように制御し、前記第1移送領域が該被清掃領域の外部の該被清掃領域の一側辺に近接する領域である移送ロボット走行制御ステップと、移送ロボットの所定位置到着信号を取得した後に、前記移送ロボットを該被清掃領域に突合せ接続するように制御する突合せ接続制御ステップと、突合せ接続終了信号を取得した後に、前記被清掃領域に走行するように前記清掃ロボットを制御し、移動終了信号を発する清掃ロボット移動制御ステップと、を含む。
【0015】
さらに、前記第2制御ステップは、空の移送ロボットを被清掃領域の第1移送領域に走行するように制御し、前記第1移送領域が該被清掃領域の外部の該被清掃領域の一側辺に近接する領域である移送ロボット走行制御ステップと、移送ロボットの所定位置到着信号を取得した後に、前記移送ロボットを該被清掃領域に突合せ接続するように制御する突合せ接続制御ステップと、清掃ロボットの所定位置到着信号を取得した後に、前記被清掃領域から前記移送ロボットの移送ステージに走行するように前記清掃ロボットを制御し、移動終了信号を発する清掃ロボット移動制御ステップと、を含む。
【0016】
さらに、前記清掃システムの制御方法は、前記突合せ接続制御ステップの前に、前記移送ステージの高さ及び傾斜角度を調整し、前記移送ロボットの位置を調整するように移送ロボットを制御する移送ロボット初回調整制御ステップを更に含み、前記移送ロボット初回調整制御ステップは、移送ステージの角度及び高さを調整することで、移送ステージの上面と前記被清掃領域の上面とが同一平面上に位置するように前記移送ロボットを制御する移送ステージ初回調整制御ステップ、及び/又は、移送ステージの出入り口の向けを調整することで、前記移送ステージの出入り口が前記被清掃領域に向けるように前記移送ロボットを制御する移送ステージ方向調整制御ステップ、及び/又は、移送ステージと前記被清掃領域の額縁との距離を調整することで、移送ステージと前記被清掃領域の額縁との間隔が所定閾値よりも小さくなるように前記移送ロボットを制御し、前記移送ステージの上面と前記被清掃領域の上面とが同一平面上に位置して、前記移送ステージの出入り口が前記被清掃領域に向け、移送ステージと前記被清掃領域の額縁との間隔が所定閾値よりも小さい場合に、前記移送ロボットが移送ロボットの所定位置到着信号を発する距離調整制御ステップ、を含む。
【0017】
さらに、前記清掃ロボット移動ステップの後に、移動終了信号を取得した後に、突合せ接続を解除することで、前記移送ステージの上面が前記被清掃領域の上面から離脱するように前記移送ロボットを制御する突合せ接続解除制御ステップと、前記移送ステージの高さ及び角度を調整することで、前記移送ステージの高さを最低箇所に下降させて、水平状態を維持するように前記移送ロボットを制御する移送ステージ再度調整制御ステップと、前記被清掃領域から離れるように前記移送ロボットを制御する移送ロボット離脱制御ステップと、を更に含む。
【0018】
さらに、前記突合せ接続制御ステップにおいて、ブリッジ板を延ばして、移送ステージの上面と前記被清掃領域の上面とを接続するように前記移送ロボットを制御し、突合せ接続が終了した後に、前記移送ロボットが突合せ接続終了信号をデータ処理システムに発し、前記突合せ接続解除制御ステップにおいて、ブリッジ板を後退させることで、前記移送ステージの上面が前記被清掃領域の上面から離脱するように前記移送ロボットを制御し、突合せ接続解除が終了した後に、前記移送ロボットが突合せ接続解除終了信号を前記データ処理システムに発する。
【0019】
さらに、前記清掃制御ステップにおいて、前記移動終了信号を取得した後に、前記ソーラーパネルの上面で清掃作業を行うように前記清掃ロボットを制御する。
【0020】
さらに、前記第2制御ステップにおいて、前記突合せ接続制御ステップの前に、清掃ロボットが第2移送領域に位置するか否かを判断するように前記移送ロボットを制御し、第2移送領域にある場合に、前記移送ロボットから清掃ロボット所定位置到着信号をデータ処理システムに発し、第2移送領域にいない場合に、次のステップを実行する清掃ロボット位置検出制御ステップと、前記清掃ロボットの位置を第2移送領域に調整するように制御し、前記移送ロボット又は前記清掃ロボットから清掃ロボット所定位置到着信号をデータ処理システムに発する清掃ロボット位置調整制御ステップと、を更に含む。
【発明の効果】
【0021】
本発明の利点は、従来技術に比べて、大量のソーラーパネルのインテリジェント化清掃作業を終了するための清掃システムの制御方法を提供し、清掃作業の作業量に応じて、適切な台数の清掃ロボット及び移送ロボットをスケジューリングし、清掃ロボットによりソーラーパネル又はソーラーパネルマトリクスで清掃作業を終了し、移送ロボットにより複数のソーラーパネルマトリクスの間で清掃ロボットを移動させることにより、最短時間ですべてのソーラーパネル及びパネルマトリクスの清掃タスクを終了することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
以下、本発明の実施形態における技術的手段をより明確に説明するために、実施形態の説明に使用する添付図面を簡単に紹介し、以下に説明する図面は、本発明の幾つかの実施形態に過ぎず、当業者にとっては創造的努力なしにこれらの図面から他の図面を導き出すこともできることは明らかである。
【
図1】
図1は本発明の実施形態に係る作業領域の概略図である。
【
図2】
図2は本発明の実施形態に係る清掃システムの作業状態の概略図である。
【
図3】
図3は本発明の実施形態に係る清掃システムの構造概略図である。
【
図4】
図4は本発明の実施形態に係る被清掃領域の構造概略図である。
【
図5】
図5は本発明の実施形態に係る移送ロボットの移送ステージの平置き状態における構造概略図である。
【
図6】
図6は本発明の実施形態に係る移送ロボットの移送ステージの傾斜状態における構造概略図である。
【
図7】
図7は本発明の実施形態に係る移送装置の頂部の構造概略図である。
【
図8】
図8は本発明の実施形態に係る移送装置の底部の一方向における構造概略図である。
【
図9】
図9は本発明の実施形態に係る移送装置の底部の他方向における構造概略図である。
【
図10】
図10は本発明の実施形態に係る高さ調整装置の展開状態における構造概略図である。
【
図11】
図11は本発明の実施形態に係る高さ調整装置の展開状態における分解概略図である。
【
図12】
図12は本発明の実施形態に係る高さ調整装置の折り畳み状態における構造概略図である。
【
図13】
図13は本発明の実施形態に係る清掃システムの電子部品の機能ブロック図である。
【
図14】
図14は本発明の実施形態に係る清掃システムの制御方法のフローチャートである。
【
図15】
図15は本発明の実施形態に係る準備ステップのフローチャートである。
【
図16】
図16は本発明の実施形態に係るロボット数計算ステップのフローチャートである。
【
図17】
図17は本発明の実施形態に係る第1制御ステップのフローチャートである。
【
図18】
図18は本発明の実施形態に係る移送ロボット走行制御ステップのフローチャートである。
【
図19】
図19は本発明の実施形態に係る移送ロボット初回調整ステップのフローチャートである。
【
図20】
図20は本発明の実施形態に係る第2制御ステップのフローチャートである。
【
図21】
図21は本発明の実施形態に係る清掃ロボット位置検出制御ステップのフローチャートである。
【
図22】
図22は本発明の実施形態に係る清掃ロボット位置調整制御ステップのフローチャートである。
【
図23】
図23は本発明の実施形態に係る方向決め測位ステップのフローチャートである。
【
図24】
図24は本発明の実施形態に係る方向微調整ステップのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して紹介するが、例を挙げることによって本発明の実施可能性を証明し、これらの実施形態は当業者に本発明の技術的内容を完全に紹介することができ、本発明の技術的内容をより明確で、容易に理解させる。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態の実施形態によって具現化されてもよく、本発明の保護範囲は、本明細書に言及される実施形態に限定されるものではない。
【0024】
図面において、同一の構成要素は同一の符号で表され、各同様の構成又は機能を有する構成要素は同様の符号で表される。構成要素が他の構成要素に「接続されている」と説明される場合に、両方は直接「接続されている」と理解されてもよく、又は中間構成要素を介して他の構成要素に「接続されている」と理解されてもよい。
【0025】
図1に示すように、各ソーラーパネルアレイ101が複数の接合されたソーラーパネル102(パネルと略称)を含み、複数のソーラーパネルアレイ101及び/又は複数のソーラーパネル102が行列状に配列されてもよく、任意の2つの隣り合うソーラーパネルアレイ101又はソーラーパネル102の間に通路領域103が形成され、本実施形態において、複数の互いに交差して連通する通路領域103が共に縦横に交差した通路ネットワークを構成する。
【0026】
図2~
図3に示すように、本実施形態は、清掃ロボット200、移送ロボット300及びデータ処理システム400を含み、作業領域100が、清掃ロボット200、移送ロボット300がソーラーパネルの清掃作業を終了する作業領域である清掃システムを提供する。
【0027】
太陽光発電所は、通常の稼働中に一部のソーラーパネル又はソーラーパネルアレイに塵又は汚れが付着して、清掃処理される必要があり、清掃処理される必要がある各ソーラーパネル又はソーラーパネルアレイが被清掃領域500である。清掃ロボット200はソーラーパネル又はソーラーパネルアレイで清掃作業を終了することができ、パネル又はパネルアレイ上の各領域を効果的に清掃することができる。移送ロボット300は清掃ロボット200を、清掃ロボット収納場所から被清掃領域500(清掃される必要があるパネル又はパネルアレイ)の上面に搬送するか、清掃されたパネルアレイの上面から他の被清掃領域500(清掃される必要があるパネル又はパネルアレイ)の上面に搬送するか、又は、清掃された被清掃領域500の上面から清掃ロボット収納場所に搬送することができる。
【0028】
図4に示すように、好ましくは、各被清掃領域500は矩形に構成されるパネルアレイであり、周囲のエッジをそれぞれ被清掃領域上端501、被清掃領域下端502、被清掃領域左側端503及び被清掃領域右側端504とする。
【0029】
清掃ロボット200が移送ロボット300により被清掃領域500に搬送された場合に、好ましくは、清掃ロボット200が被清掃領域左側端503又は被清掃領域右側端504から被清掃領域500に走行し、同様に、清掃ロボット200が移送ロボット300により被清掃領域500から移動される場合に、好ましくは、清掃ロボット200が被清掃領域左側端503又は被清掃領域右側端504から移送ロボット300に走行する。
【0030】
図4に示すように、各被清掃領域500に互いに対向して設けられる第1移送領域505、第2移送領域506が設けられ、第1移送領域505、第2移送領域506が該被清掃領域左側端503又は該被清掃領域右側端504の両側にそれぞれ設けられる。本実施形態において、第1移送領域505が該被清掃領域500の外部の該被清掃領域右側端504に近接する領域であり、第2移送領域506が該被清掃領域の内部の該被清掃領域右側端504に近接する領域である。好ましくは、第1移送領域505、第2移送領域506が該被清掃領域右側端504の下部に近接する。
【0031】
太陽光発電所でどのソーラーパネルが清掃される必要があるか否かを判断する方法は、通常以下の通りである。1番目は領域別予測方法であり、小型領域(領域の範囲が自由に定められてもよい)において互いに隣り合う複数のパネルアレイがある自然環境は同じであるため、該領域内のパネルが汚される程度もほぼ同じであり、ソーラーパネルをランダム選択し、その汚れ程度を検出し、該パネルが清掃される必要があるか否かを判断し、該パネルが清掃される必要がある場合に、該領域のすべてのパネルが清掃される必要がある。発電所の作業領域の敷地面積が大きい場合に、1つの大型作業領域を複数の小型作業領域に区分して、領域別にサンプリングして検出することができる。2番目は定期的清掃方法であり、作業領域がある自然環境の状況に応じて、該作業領域内のすべてのパネルアレイを定期的に清掃する。該作業領域に砂ぼこりがひどいか又は降水量が多く、ソーラーパネルの表面の付着物が多い場合には、毎日1~2回清掃する必要があり、該作業領域に砂ぼこりが少ないか降水量が少なく、ソーラーパネルの付着物が少ない場合には、10日間当たりに1回清掃してもよい。以上の方法はいずれも複数のソーラーパネルアレイを無差別に処理するものであり、相対的に精度が悪く、パネル表面の付着物は少ないが、清掃ロボットで清掃される可能性がある。3番目は個別検査方法であり、パネルアレイ毎の汚れ程度をきちんと検査し、どのパネルアレイ又はパネルを清掃する必要があるかを判断する。この方法の精度は高いが、効率が悪い。
【0032】
図3に示すように、データ処理システム400は、好ましくは、清掃ロボット200及び/又は移送ロボット300に接続される物理サーバ又はクラウドサーバであり、清掃ロボット200及び/又は移送ロボット300のデータ交換を可能にし、清掃ロボット200及び/又は移送ロボット300に制御指令を発行すると同時に、清掃ロボット200及び/又は移送ロボット300から、上記2種類のロボットのリアルタイムな位置座標や、2種類のロボットがリアルタイムで撮像した画像データ等のようなフィードバックデータを取得することで、データ処理システム400は、清掃ロボット200の清掃作業手順や、移送ロボット300の走行及び移送手順をリアルタイムで監視することができ、作業領域100の通路ネットワーク内で通常に走行するように移送ロボット300を制御し、移送ロボット300と被清掃領域のソーラーパネルアレイ101とを突合せ接続させるように制御する。
【0033】
データ処理システム400は、どのソーラーパネルアレイ101が清掃される必要があるかの情報(ソーラーパネル番号)を取得した後、太陽光発電所で清掃作業を許容する時間と組み合わせて、清掃作業に必要な移送ロボット300及び清掃ロボット200の数を推定する。データ処理システム400は、清掃ロボット200を清掃処理する必要があるパネルアレイに搬送するために移送ロボット300をスケジューリングし、清掃ロボット200は、このパネルアレイ上で全面清掃作業を行い、該パネルアレイの清掃作業が終了した後、データ処理システム400は、清掃ロボット200を清掃されたパネルアレイの上面から他の清掃される必要があるパネルアレイの上面へ搬送するか、又は清掃ロボット収納場所に搬送するように、移送ロボット300をスケジューリングする。
【0034】
清掃ロボット200は、出願人が自律的に開発したものであり、出願人が2016年~2018年に出願した一連のソーラーパネル清掃ロボット関連特許を参照されたい。清掃ロボット200は、ソーラーパネルアレイに搬送された後、パネルアレイ上を自由に走行し、該パネルアレイの各隅にわたって走行し、走行中にパネルアレイ全体の清掃作業を終了することができ、ここでは繰り返して説明はしない。
【0035】
図5に示すように、本実施形態に係る移送ロボット300は、車体310、移送装置320、角度調整装置330及び/又は高さ調整装置350を含む。
【0036】
図5~7に示すように、移送装置320は、清掃ロボット200を載置するための移送ステージ321を含み、移送ステージ321が車体310の頂部又は上半部に回転可能に接続され、移送中に、清掃ロボット200が移送ステージ321の上面からパネルの上面に走行(パネルに上がる過程)するか、又はパネルの上面から移送ステージ321の上面に走行する(パネルから下がる過程)。
【0037】
図7に示すように、移送装置320は、移送ステージ321のエッジから突出して、移送ステージ321に垂直な止め板322を含み、止め板322は、順次接続された左止め板322a、後止め板322b及び右止め板322cを含み、凹形状をなし、左止め板322aの開放端と右止め板322cの開放端との間に出入り口323が形成されている。
【0038】
移送装置320は、衝突防止部材324を更に含み、好ましくは、後止め板322bの内側壁に設けられる衝突防止バーであり、所望により、左止め板322a及び/又は右止め板322cの内側壁に衝突防止バー(図示せず)がそれぞれ設けられていてもよい。
【0039】
移送装置320は、移送ステージ321の上面に摺動可能に取り付けられるブリッジ板327と、一端が移送ステージ321の下面に接続され、他端がブリッジ板327の下面に接続される第1伸縮ロッド328とを更に含む。第1伸縮ロッド328が油圧伸縮ロッド又は電動伸縮ロッドであり、第1伸縮ロッド328が第1伸縮ロッドコントローラ329を有し、第1伸縮ロッドコントローラ329が指令電気信号を受信すると、第1伸縮ロッド328の長さを調整することができる。第1伸縮ロッド328の長さが最短まで縮むと、ブリッジ板327は移送ステージ321の上面に位置し、第1伸縮ロッド328が長く伸びると、ブリッジ板327は出入り口323方向に向けて所定距離延出する。移送ロボット300とソーラーパネルマトリクス101との距離が最も小さく、移送ステージ321の角度がソーラーパネルアレイ101と一致するように調整される場合に、第1伸縮ロッド328が所定距離伸び、ブリッジ板327がソーラーパネルアレイ101に向かって延びて、移送ステージ321がソーラーパネルアレイ101に接続されることで、清掃ロボット200が移送ステージ321からソーラーパネルアレイ101(即ち被清掃領域)にスムーズに走行するか、又はソーラーパネルアレイ101(即ち被清掃領域)から移送ステージ321に容易に走行する。清掃ロボット200の移動が終了すると、第1伸縮ロッド328の長さが最短まで縮み、ブリッジ板327が移送ステージ321の上面まで後退する。
【0040】
図6に示すように、車体310は、底部の左右両側に走行装置312(例えば車輪)がそれぞれ設けられる車体本体311を含み、好ましくは、路面への適応性及び通過性能に優れたクローラホイール群である。
【0041】
図10に示すように、車体本体311は、全体的に直方体形状を有する立体フレームである車体フレーム313を含み、車体フレーム313は、複数の水平に設けられる横方向ブラケットと、複数の垂直に設けられる縦方向ブラケットとを含み、前記縦方向ブラケットが水平面に垂直するか又は水平面に所定の角度を保持する。車体フレーム313の頂面又は側面又は底面にいずれも1つ以上の止め板が固定されており、前記止め板と車体フレーム313とが車体本体311に囲まれてなる。
【0042】
図5~6、
図10~12に示すように、車体310の頂部又は上部に高さ調整装置350が設けられ、高さ調整装置350の頂部に角度調整装置330が設けられ、移送ステージ321の傾斜角度を制御するために、移送ステージ321が角度調整装置330の頂部に回転可能に接続される。
図10~12に示すように、角度調整装置330が摺動軸331、第2伸縮ロッド332、回転軸333及び伸縮ロッド取付けブラケット334を含む。第2伸縮ロッド332が油圧伸縮ロッド又は電動伸縮ロッドであり、第2伸縮ロッド332が第2伸縮ロッドコントローラ335を有し、第2伸縮ロッドコントローラ335が指令電気信号を受信すると、第2伸縮ロッド332の長さを調整することができる。
【0043】
摺動軸331の両端が2つの第1摺動溝325c、325d内に摺動可能に取り付けられ、伸縮ロッド取付けブラケット334が高さ調整装置350に固定され、第2伸縮ロッド332の一端が摺動軸331の中間部に回転可能に接続され、他端が伸縮ロッド取付けブラケット334に回転可能に接続され、回転軸333の中間部が高さ調整装置350に固定連結され、回転軸333の両端が回転軸基部326a、326bの基部貫通孔326c、326dに回転可能に取り付けられることで、回転軸333が回転軸基部326a、326bに対して回転可能となる。第2伸縮ロッド332の長さが変化すると、移送ステージ321の傾斜角度の大小を調整することができる。
【0044】
図5~6、
図10~12に示すように、高さ調整装置350は、フレーム351、第1支持フレーム352、第2支持フレーム353及びピン軸354を含み、移送装置320がフレーム351の一端に回転可能に接続され、第1支持フレーム352の上端がフレーム351に摺動可能に接続され、下端が車体310の頂部に回転可能に接続され、第2支持フレーム353の上端がフレーム351に回転可能に接続され、下端が車体310の頂部に摺動可能に接続され、ピン軸354が第1支持フレーム352の中間部及び第2支持フレーム353の中間部を貫通し、第2支持フレーム353がピン軸354を介して第1支持フレーム352に回転可能に接続される。
【0045】
高さ調整装置350は、対向して設けられる第1ガイドレール355a、355b及び対向して設けられる第2ガイドレール356a、356bを更に含む。第1ガイドレール355a、355bがフレーム351に水平に取り付けられ、2つの第1ガイドレールの2つの対向面には、互いに対向する第2摺動溝357a、357bがそれぞれ設けられる。第2ガイドレール356a、356bが車体310頂部に水平に取り付けられ、2つの第2ガイドレールの2つの対向面には、互いに対向する第3摺動溝358a、358bがそれぞれ設けられる。
【0046】
角度調整装置330において、伸縮ロッド取付けブラケット334がフレーム351の下方に設けられて、フレーム351に接続され、回転軸333の中間部がフレーム351頂部又は上半部の一端に固定連結され、回転軸333の両端が回転軸基部326a、326bの基部貫通孔326c、326dに回転可能に取り付けられることで、回転軸333が回転軸基部326a、326bに対して回転可能である。
【0047】
高さ調整装置350において、第1支持フレーム352は平行して設けられる第1リンク3521a、3521b及び第1横ビーム3522を含み、第1横ビーム3522の両端が第1リンク3521a、3521bにそれぞれ接続される。第1リンク3521a又は3521bの上端の外側に第1プーリ3523a又は3523bが設けられ、第1プーリ3523a、3523bのそれぞれが第2摺動溝357a、357b内に摺動可能に取り付けられる。第2支持フレーム353は平行して設けられる第2リンク3531a、3531b及び第2横ビーム3532を含み、第2横ビーム3532の両端が第2リンク3531a、3531bにそれぞれ接続される。第2リンク3531a又は3531bの下端の外側に第2プーリ3533a又は3533bが設けられ、第2プーリ3533a、3533bのそれぞれが第3摺動溝358a、358b内に摺動可能に取り付けられる。
【0048】
高さ調整装置350は、一端が第1支持フレーム352又は第2支持フレーム353に回転可能に接続され、他端が車体310に回転可能に接続される第3伸縮ロッド359を更に含む。好ましくは、第1支持フレーム352には、両端がそれぞれ第1リンク3521a、3521bに垂直に接続される第3横ビーム(不図示)が設けられ、前記第3横ビームの外部にスリーブ3524が嵌設され、第3伸縮ロッド359の上端がスリーブ3524にヒンジ連結され、前記第3横ビームの周りに回転可能である。
【0049】
第3伸縮ロッド359が油圧伸縮ロッド又は電動伸縮ロッドであり、第3伸縮ロッド359が第2伸縮ロッドコントローラ335を有し、第3伸縮ロッドコントローラ360が指令電気信号を受信すると、第2伸縮ロッド332の長さを調整させることができる。
【0050】
第3伸縮ロッド359が油圧伸縮ロッド又は電動伸縮ロッドであり、プロセッサ340に接続され(
図18を参照)、プロセッサ340が電気信号を送信して、第1伸縮ロッド328、第2伸縮ロッド332及び第3伸縮ロッド359の長さを調整させることができる。
【0051】
図3に示すように、移送ロボット300が被清掃領域500(ソーラーパネル又はパネルアレイ)の近くまで走行すると、データ処理システム400は、移送ロボット300の位置及び方向を調整するように移送ロボットを制御して、被清掃領域500の右側の下端の第1移送領域505まで走行することで、移送装置320の出入り口323を被清掃領域500の方向に対向する。
【0052】
本実施形態において、移送ロボット300が通路領域103内に走行する際に、第2伸縮ロッド332、第3伸縮ロッド359の長さは最短まで縮み、高さ調整装置350の高さは最低まで下がり、移送ステージ321は車体310の頂部に水平に設けられ、移送ステージ321と車体310の上面とのなす角度は0度となる。移送ステージ321に清掃ロボット200が収納されると、搬送中に安定化を保持でき、滑り落ちることがない。
【0053】
図3に示すように、第1移送ロボット300が被清掃領域500の第1移送領域505まで走行すると、プロセッサ340が電気信号を第2伸縮ロッドコントローラ335及び/又は第3伸縮ロッドコントローラ360に送信して、第2伸縮ロッド332及び/又は第3伸縮ロッド359を伸長させる。第3伸縮ロッド359が伸長することで、高さ調整装置350の上端のフレーム351及び移送ステージ321を上昇させ、第2伸縮ロッド332が伸長することで、移送ステージ321の回転軸333から離れる一端が支持され、他端が回転軸333の周りに回転し、被清掃領域500(ソーラーパネル又はパネルアレイ)の水平面に対する傾斜角と一致するまで移送ステージ321と車体310の上面とのなす角度が逐次に増大することで、移送ステージ321の上面と被清掃領域500のパネル上面とが同一平面上に存在する。
【0054】
同様に、移送過程の終了後に、プロセッサ340が電気信号を第2伸縮ロッドコントローラ335及び/又は第3伸縮ロッドコントローラ360に送信して、第2伸縮ロッド332及び/又は第3伸縮ロッド359を短縮させる。第2伸縮ロッド332が短縮すると、移送装置320の移送ステージ321と水平面とのなす角が0度まで低減され、移送ステージ321が傾斜状態から水平状態に戻る。第3伸縮ロッド359が短縮すると、高さ調整装置350の上端のフレーム351及び移送ステージ321が最低まで下がり、移送ロボット300がその後他の位置に走行することが可能となる。
【0055】
第2伸縮ロッド332が伸長するか又は短縮する間に、回転軸333の両端が基部貫通孔326c、326d内に回転し、摺動軸331の両端が第1摺動溝325c、325d内に摺動することで、移送ステージ321が傾斜角の調整中に基部の安定化を保持でき、揺動することがない。
【0056】
第3伸縮ロッド359が伸長するか又は短縮する間に、第1支持フレーム352の下端が車体に対して回転し、上端の左右両側の第1プーリ3523a、3523bが第2摺動溝357a、357b内にそれぞれ摺動し、第2支持フレーム353の上端が移送装置320に対して回転し、下端の左右両側の第2プーリ3533a、3533bが第3摺動溝358a、358b内にそれぞれ摺動する。第1支持フレーム352、第2支持フレーム353の形状、寸法が略同じであり、第1リンク3521bと第2リンク3531bとの長さが同じであり、第1支持フレーム352の下端の回転角度と第2支持フレーム353の上端の回転角度とが同じであり、第1支持フレーム352の上端の摺動距離と第2支持フレーム353の下端の摺動距離とが同じである。高さ調整装置350の昇降中に、移送装置320が常に安定化を保持し、揺動することがなく、移送ステージ321に清掃ロボット200を載せると、清掃ロボット200が移送装置320から滑り落ちないようにすることができる。
【0057】
作業領域100内ですべてのソーラーパネルの傾斜角をいずれも同じでかつそのままに保持すると、第2伸縮ロッド332の伸長距離は予め設定された一定長さであってもよく、第2伸縮ロッド332が伸長する度に、移送ステージ321の調整後の傾斜角度はパネルの傾斜角度と同じとなる。
【0058】
作業領域100内ですべてのソーラーパネルの高さがいずれも同じである場合、第3伸縮ロッド332の伸長距離は予め設定された一定長さであってもよい。第3伸縮ロッド359の伸長距離は予め設定された一定長さであってもよく、第3伸縮ロッド359が伸長する度に、移送ステージ321が上昇する高さは同じであり、パネル下端の高さ以上となる。
【0059】
作業領域100内のすべてのソーラーパネルの傾斜角及び/又は高さが互いに異なり、データ処理システム400は被清掃領域500のパネル高さ及びパネル傾斜角度に基づいて指令を移送ロボット300のプロセッサ340に送信し、プロセッサ340が指令を第3伸縮ロッドコントローラ360に送信して、高さ調整装置350の高さ及び移送ステージ321の高さを調整し、プロセッサ340が指令を第2伸縮ロッドコントローラ335に送信して、移送ステージ321の傾斜角度を調整する。
【0060】
移送ステージ321の傾斜角度の調整が終了すると、データ処理システム400が移送ロボット300のフィードバック情報を受信し、清掃ロボット200に行動指令を送信し、第1移送領域505の移送ステージ321から第2移送ステージ506のソーラーパネルに走行するか(パネル上がりと略称)、又は、第2移送領域506のソーラーパネルから第1移送領域505の移送ステージ321に走行(パネル下がりと略称)することで、移送過程を終了するように清掃ロボット200を制御する。
【0061】
図12に示すように、本実施形態に係る移送ロボット300は、車体310内に設けられることが好ましい回路基板314を更に含む。回路基板314には、移送ロボット300の制御装置としてのプロセッサ340が設けられる。制御指令を第1伸縮ロッドコントローラ329及び/又は第2伸縮ロッドコントローラ335及び/又は第3伸縮ロッドコントローラ360に送信するために、プロセッサ340が第1伸縮ロッドコントローラ329、第2伸縮ロッドコントローラ335及び第3伸縮ロッドコントローラ360にそれぞれ接続される。
【0062】
図13に示すように、清掃ロボット200に第1無線通信ユニット201が設けられ、移送ロボット300に第2無線通信ユニット301が設けられ、データ処理システム400に第3無線通信ユニット401が設けられる。第1無線通信ユニット201、第2無線通信ユニット301それぞれが第3無線通信ユニット401と互いに無線接続され、清掃ロボット200又は移送ロボット300がデータ処理システム400と無線通信方式でデータ交換を行うことができる。
【0063】
図4に示すように、移送ロボット300が被清掃領域500(ソーラーパネル又はパネルアレイ)の近くまで走行すると、データ処理システム400は、移送ロボット300の位置及び方向を調整するように移送ロボットを制御して、被清掃領域500の右側の下端の第1移送領域505まで走行することで、移送装置320の出入り口323を被清掃領域500の方向に対向する。
【0064】
図5~6、
図10~12に示すように、本実施形態において、移送ロボット300が通路領域103内に走行する際に、第2伸縮ロッド332の長さが最短まで縮み、移送ステージ321が車体310の頂部に水平に設けられ、移送ステージ321と車体310の上面とのなす角度が0度となる。移送ステージ321に清掃ロボット200が収納されると、搬送中に安定化を保持でき、滑り落ちることがない。
【0065】
図4~6に示すように、移送ロボット300が被清掃領域500の第1移送領域505に走行すると、プロセッサ340が電気信号を第2伸縮ロッドコントローラ335に送信し、第2伸縮ロッド332を伸長させるように制御し、移送ステージ321の回転軸333から離れる一端が支持され、他端が回転軸333の周りに回転し、被清掃領域500(ソーラーパネル又はパネルアレイ)の水平面に対する傾斜角と一致するまで移送ステージ321と車体310の上面とのなす角度が逐次に増大することで、移送ステージ321の上面と被清掃領域500のパネル上面とが同一平面上になる。
図7~9に示すように、第2伸縮ロッド332が伸長する間に、回転軸333の両端が基部貫通孔326c、326d内に回転し、摺動軸331の両端が第1摺動溝325c、325d内に摺動することで、移送ステージ321が傾斜角の調整中に基部の安定化を保持でき、揺動することがない。
【0066】
作業領域100内ですべてのソーラーパネルの傾斜角をいずれも同じでかつそのままに保持すると、第2伸縮ロッド332の伸長距離は予め設定された一定長さであってもよく、第2伸縮ロッド332が伸長する度に、移送ステージ321の調整後の傾斜角度はパネルの傾斜角度と同じとなる。
【0067】
作業領域100内のすべてのソーラーパネルの傾斜角が互いに異なり、データ処理システム400は被清掃領域500のパネル傾斜角度に基づいて指令を移送ロボット300のプロセッサ340に送信し、プロセッサ340が指令を第2伸縮ロッドコントローラ335に送信して、移送ステージ321の傾斜角度を調整する。
【0068】
移送ステージ321の傾斜角度の調整が終了すると、データ処理システム400が移送ロボット300のフィードバック情報を受信し、清掃ロボット200に行動指令を送信し、清掃ロボット200を第1移送領域505の移送ステージ321から第2移送ステージ506のソーラーパネルに走行するか(パネル上がりと略称)、又は、第2移送領域506のソーラーパネルから第1移送領域505の移送ステージ321に走行(パネル下がりと略称)することで、移送過程を終了するように清掃ロボット200を制御する。
【0069】
本実施形態において、移送ステージ321が傾斜状態にある場合に、移送ステージ321の最低箇所の高さが作業領域100内のソーラーパネル又はパネルアレイの最低端(例えば被清掃領域下端502)以上であり、移送ステージ321の最高箇所の高さが作業領域100内のソーラーパネル又はパネルアレイの最高端(例えば被清掃領域上端501)以下であり、移送中に、移送ステージ321とソーラーパネル又はパネルアレイの左側又は右側とが全方位の突合せ接続(例えば被清掃領域左側端503又は右側端504)を形成できるように確保する。
【0070】
移送ステージ321が傾斜状態にあるか、それとも平置き状態にあるかにもかかわらず、移送ステージ321の最低箇所の高さはほぼ変わらず、該高さが基本的に車体310の頂部の高さに依存する。好ましくは、移送ステージ321とパネルとの移送位置がパネル又はパネルアレイの右側の下部に位置し、車体310の高さに対する要求は低い。車体310の重心が低いほど、移送ロボット300が清掃ロボットを載せて走行する過程が安定し、路面の凹凸による揺れや揺動を効果的に防止することができる。
【0071】
図13に示すように、本実施形態において、移送ロボット300には、移送ロボット300が作動中の様々な動作データを収集するための複数種のデータ収集装置が更に設けられる。前記データ収集装置は様々なセンサを含み、ビームセンサ601、距離センサ602、傾斜角センサ603、測位装置604、電子コンパス605、イメージセンサ606、照明装置607及び障害物回避センサ608などを含む。上記各センサがプロセッサ340に有線式又は無線式で接続され、移送ロボット300が作業中に収集されたオリジナル作業データがプロセッサ340に転送され、プロセッサ340により処理されて前処理データを形成し、移送ロボット300の作業中のリアルタイム監視及び移送ロボット300の走行プロセス及び/又は移送プロセスのリアルタイム制御を実現可能にするために、前記オリジナル作業データ及び/又は前記前処理データが無線通信ユニットによってデータ処理システム400に送信される。
【0072】
図5~7に示すように、ビームセンサ601は、対向して設けられる送信端子601aと受信端子601bとを含み、それぞれが移送装置320の左止め板322a、右止め板322cの内側壁に設けられ、送信端子601aと受信端子601bとが出入り口323に近く、出入り口323の両側にそれぞれ設けられる。ビームセンサ601は、一対のビーム赤外線センサが好ましく、送信端子601aから送信された赤外線が受信端子601bに受信され、赤外線が遮蔽されると、プロセッサ340は、物品が出入り口323を通過したと判断することができる。
【0073】
清掃ロボット200が外部から移送装置320の出入口まで走行すると、送信端子601aと受信端子601bとの間の赤外線が遮蔽され、ビームセンサ601は、清掃ロボット200の前端が移送装置320に走行したと検知することができ、清掃ロボット200全体が移送装置320の内部まで完全に走行すると、送信端子601aと受信端子601bとの間の赤外線が遮蔽なし状態に戻り、ビームセンサ601は、清掃ロボット200の後端が移送装置320に走行したと検知することができる。プロセッサ340は、ビームセンサ601のリアルタイム電気信号に基づいて、清掃ロボット200の前端が移送装置320まで走行したと判断してもよいし、清掃ロボット200全体が移送装置320まで完全に走行したと判断してもよい。
【0074】
距離センサ602は、移送装置320の後止め板322bの中間部の内側壁に設けられ、出入り口323と対向して設けられる。距離センサ602は、反射型赤外線センサであることが好ましく、該反射型赤外線センサが出入り口323方向に赤外線を連続して射出し、反射してきた赤外線を受信できれば、清掃ロボット200が出入り口323から移送ステージ321に進入したと判断できる。さらに、赤外線を受信する時間から清掃ロボット200の前端と移送装置320の後止め板322bとの距離を取得することができる。
【0075】
清掃ロボット200が外部から移送装置320の出入り口まで走行すると、距離センサ602(反射型赤外線センサ)は、清掃ロボット200が移送装置320まで走行したと判断でき、反射赤外線を受信する時間から清掃ロボット200の前端と後止め板322bとの距離を判断し、プロセッサ340が該距離の数値を取得すると、清掃ロボット200の移送装置320に進入する進捗をリアルタイムで監視することができ、清掃ロボット200全体が移送ステージ321まで走行したか否かを判断する。
【0076】
清掃ロボット200が出入り口を通して移送装置320から離れると、距離センサ602(反射型赤外線センサ)は、清掃ロボット200が移送装置320から離れたと判断でき、反射赤外線を受信する時間から清掃ロボット200の前端と後止め板322bとの距離を判断し、プロセッサ340が該距離の数値を取得すると、清掃ロボット200の移送装置320から離れる進捗をリアルタイムで監視することができ、清掃ロボット200全体が移送ステージ321から離れたか否かを判断する。
【0077】
傾斜角センサ603が移送ステージ321の下面(
図8を参照)に設けられることが好ましく、移送ステージ321の上面と水平面とのなす角(ステージ傾斜角と略称)をリアルタイムで測定するとともに、ステージ傾斜角の角度をプロセッサ340に送信する。作業領域100内のすべてのソーラーパネルの傾斜角が互いに異なるか又は一部のパネルの傾斜角が変化可能である場合に、第2伸縮ロッド332が伸長する度に、傾斜角センサ603はステージ傾斜角の角度をリアルタイムで監視してプロセッサ340に送信し、リアルタイムステージのステージ傾斜角の角度とパネル傾斜角の角度とが同じである場合に、プロセッサ340が停止指令を第2伸縮ロッドコントローラ335に送信することで、第2伸縮ロッド332を伸長停止させ、ステージ傾斜角とパネル傾斜角とが同じになる。
【0078】
本実施形態において、測位装置604は、車体310の内部又は外部に設けられ、車体310の底部又は移送ステージ321の前端に設けられることが好ましく、車体310が作業領域内のリアルタイム位置を取得するとともに、車体310のリアルタイム位置をプロセッサ340に送信するためのRFIDリーダ(RFID Reader)である。
【0079】
本実施形態は、通路領域103内に推奨経路を予め設定し、車体310を推奨経路に沿って走行させるように制御し、前記推奨経路に所定距離毎にRFIDタグ等の識別可能なタグを1組設置し、各識別可能なタグに作業エリア内における該タグの位置座標等のデータを記憶するタグ測位方法を採用する。移送ロボット300が測位点まで走行すると、RFIDリーダが該測位点に予め設定されたRFIDタグを読み取り、プロセッサ340が移送ロボット300のリアルタイム位置を取得し、所望により、リアルタイム位置をデータ処理システム400に送信する。他の実施形態において、測位装置604は、高精度のGPS測位ユニットや北斗測位ユニットであってもよく、同様に、移送ロボット300のリアルタイム位置を取得することができる。
【0080】
電子コンパス605は、車体310の内部又は外部に設けられることが好ましく、移送ロボット300のリアルタイム走行方向を取得すると共に、プロセッサ340に送信してデータ処理及びデータ分析を行い、移送ロボット300のリアルタイム走行方向が予め設定された方向と一致するかを判断し、移送ロボット300が予め設定された方向からずれると、プロセッサ340から制御指令を車体310に送信し、直ちに車体310の走行方向を調整する。
【0081】
好ましくは、イメージセンサ606及び/又は照明装置607が車体310の前端及び/又は後端に設けられ、イメージセンサ606が車体310の前方及び/又は後方のリアルタイム映像及び画像をリアルタイムに収集するとともに、それらをプロセッサ340に送信する。移送ロボット300が作業領域100の通路領域103で走行する際に、イメージセンサ606により収集された画像コンテンツに含まれる任意の時刻の通路領域103内の走行可能領域がプロセッサ340に送信され、プロセッサ340が車体310のリアルタイム走行速度に基づいて車体310の次の時間が通過する走行予定領域を計算し、各時刻の走行予定領域と走行可能領域とをリアルタイムで比較し、車体310が次の時刻に走行可能領域にあるか否かを判断し、走行予定領域が走行可能領域の範囲を超えると、車体310の走行経路に障害物が現れたと判断し、車体310が走行中に障害物にぶつかることを防止するために、プロセッサ340が車体310の走行方向をリアルタイムで調整する必要がある。
【0082】
他の実施形態において、イメージセンサ606により収集された画像コンテンツにソーラーパネル及び/又はパネルアレイの額縁が更に含まれてもよく、該額縁が画像中に額縁直線として表示される。他の実施形態において、特定のアルゴリズム処理を行うことにより、移送ロボット300は、該枠額縁直線の位置を参照して走行中に走行方向をリアルタイムで調整することで、移送ロボット300をできる限り直線に沿って走行させることができる。
【0083】
移送ロボット300が夜間、曇りなどの暗い環境で走行する際に、イメージセンサ606が映像及び/又は画像を正常に収集するために、照明装置607は車体310の前方及び/又は後方の通路領域を照明する。他のいくつかの実施形態において、イメージセンサ606及び/又は照明装置607が車体310の左側及び/又は右側に設けられてもよいし、車体310の左側及び/又は右側のリアルタイム映像及び/又は画像をリアルタイムで収集する。他のいくつかの実施形態において、イメージセンサ606及び/又は照明装置607が移送装置320の一側に設けられてもよく、イメージセンサ606のカメラを外側に向け、移送ステージ321の高さ及び傾斜角をソーラーパネル102と一致するように調整する場合に、該カメラはソーラーパネル102に対向する。
【0084】
障害物回避センサ608は、超音波センサであることが好ましく、車体310の前端及び/又は後端に設けられ、移送ロボット300が走行中に、プロセッサ340が前端又は後端の障害物回避センサ608から発する検知信号を取得する際に、車体の走行経路における前方又は後方に走行を影響する障害物があると判断することで、プロセッサ340に移送ロボット300の走行方向を調整させて、障害物を回避することができる。他の実施形態において、障害物回避センサ608が車体310の左側及び/又は右側に設けられてもよい。
【0085】
本発明に係るソーラーパネル清掃作業用の清掃システムは、清掃作業の作業量に応じて、適切な台数の清掃ロボット及び移送ロボットをスケジューリングし、清掃ロボットによりソーラーパネル又はソーラーパネルアレイで清掃作業を終了し、移送ロボットにより複数のソーラーパネルアレイの間で清掃ロボットを移動させることにより、最短時間ですべてのソーラーパネル及びパネルアレイの清掃タスクを終了することができる。
【0086】
図14に示すように、上記ソーラーパネル清掃システムに基づいて、本発明は、データ処理システム内のソフトウェアで実施するソーラーパネル清掃システムの制御方法を更に提供する。データ処理システム400は、ソーラーパネルマトリクスで清掃作業を終了するように清掃ロボット200を制御し、複数のソーラーパネルマトリクスの間に清掃ロボットを移動するように移送ロボット300を制御する。前記ソーラーパネル清掃システムの制御方法は、次のステップS1~S5を含む。
【0087】
S1情報取得ステップ:データ処理システムが作業領域情報及び作業タスク情報を取得する。前記作業領域情報が作業領域のマップを含み、前記作業領域が全ての被清掃領域及び2つ以上の被清掃領域の間の通路領域を含み、前記通路領域内に所定距離をおいて少なくとも1つの測位点が設けられ、測位点毎には該測位点の位置及び番号を記憶する少なくとも1つの識別可能なタグ(例えば、RFIDタグ)が設けられ、前記作業領域情報が前記作業領域内の被清掃領域毎の番号、寸法及び位置並びに少なくとも1つの測位点の位置及び番号を更に含み、前記作業タスク情報が、清掃される必要がある清掃領域番号と、清掃作業を実行可能とする作業時間範囲とを更に含む。
【0088】
図15に示すように、前記清掃システムの制御方法は準備ステップを更に含み、具体的には、2つ以上の通路領域を設置し、通路ネットワークを構成して、少なくとも1つのロボットを走行するためのS101通路領域設置ステップと、前記通路ネットワークにおいて少なくとも1つの測位点を等間隔で設置するS102測位点設置ステップと、測位点のそれぞれに少なくとも1つの識別可能なタグを設置し、前記識別可能なタグに測位点情報が記憶されて該識別可能なタグがある測位点の位置及び番号を含むS103タグ設置ステップと、それぞれの移送ロボット内には、移送ロボットのリアルタイム走行方向を取得するための電子コンパスを設置するS104電子コンパス設置ステップと、を含む。以上既に説明したので、ここでは説明しない。
【0089】
S2ロボット数計算ステップ:データ処理システムはスケジューリングされる必要がある清掃ロボット及び移送ロボットの数を計算する。
図16に示すように、前記ロボット数計算ステップは具体的に、清掃ロボットの走行速度及び移送ロボットの走行速度を取得するS21速度取得ステップと、前記作業タスク情報における清掃される必要がある被清掃領域の寸法及び清掃ロボットの走行速度に基づいて、被清掃領域毎で清掃タスクを終了するのに必要な工数を計算するS22総工数計算ステップと、清掃される必要がある被清掃領域の総数、被清掃領域毎で清掃タスクを終了するのに必要な工数、及び前記作業時間範囲に基づいて、スケジューリングされる必要がある清掃ロボットの数Mを計算するS23清掃ロボット数計算ステップと、前記清掃される必要がある被清掃領域の位置に基づいて移送ロボットが走行する必要がある総距離を計算するS24距離計算ステップと、前記総走行距離及び前記移送ロボットの走行速度に基づいて、スケジューリングされる必要がある移送ロボットの数Nを計算するS25移送ロボット数計算ステップと、を含む。
【0090】
図17に示すように、S3第1制御ステップ:データ処理システムが移送ロボットに指令を発し、清掃ロボットを被清掃領域に搬送するように移送ロボットを制御し、前記被清掃領域がソーラーパネル又はソーラーパネルアレイであり、前記第1制御ステップは、次のステップS31~S37を含む。S31移送ロボット走行制御ステップ:データ処理システムは、清掃ロボットを載せた移送ロボットを被清掃領域の第1移送領域に走行するように制御し、前記第1移送領域が該被清掃領域の外部の該被清掃領域の一側辺に近接する領域である。S32移送ロボット初回調整制御ステップ:データ処理システムは、前記移送ステージの高さ及び傾斜角度を調整し、前記移送ロボットの位置を調整するように前記移送ロボットを制御する。S33突合せ接続制御ステップ:移送ロボットの所定位置到着信号を取得した後に、データ処理システムは、該被清掃領域と突合せ接続するように前記移送ロボットを制御し、前記移送ロボットがブリッジ板を延びて、移送ステージの上面と作業領域の上面とを接続する。S34清掃ロボット移動制御ステップ:突合せ接続終了信号を取得した後に、データ処理システムは、前記被清掃領域の第2移送領域に走行するように前記清掃ロボットを制御し、前記第2移送領域が該被清掃領域の内部の該被清掃領域の一側辺に近接する領域であり、移送終了信号を発する。S35突合せ接続解除制御ステップ:データ処理システムはブリッジ板を後退させるように前記移送ロボットを制御することで、前記移送ステージの上面が前記被清掃領域の上面から離脱する。S36移送ロボット再度調整制御ステップ:データ処理システムは前記移送ステージの高さ及び角度を調整するように前記移送ロボットを制御することで、前記移送ステージの高さを最低箇所に下降させて、水平状態を維持する。S37移送ロボット離脱制御ステップ:データ処理システムは前記被清掃領域から離れるように前記移送ロボットを制御する。
【0091】
S31移送ロボット走行制御ステップにおいて、移送ロボットは終点位置及び通路領域マップをすでに了解し、前述した測位装置604(タグ測位ユニット)により自律航法を実現することができ、同様に高精度GPSユニットにより航法を実現することができる。
【0092】
図18に示すように、S31移送ロボット走行制御ステップは、次のステップS311~S315を含む。S311第1指令発行ステップ:第1制御指令を少なくとも1つの移送ロボットに発行し、前記第1制御指令が、移送ロボットの番号及び移送ロボットの推奨経路を含み、該推奨経路に位置する少なくとも1つの測位点情報及び測位点毎に対応する予め設定された走行方向を更に含む。S312走行データ取得ステップ:移送ロボットが任意の測位点に走行すると、該測位点の測位点情報及び該移送ロボットのリアルタイム走行方向を取得する。S313位置比較ステップ:該測位点が前記推奨経路に位置するか否かを判断し、推奨経路にいない場合に、第1指令発行ステップに戻り、推奨経路にある場合に、次のステップを実行する。S314方向比較ステップ:該移送ロボットの該測位点における実際の走行方向が該測位点に対応する予め設定された走行方向と一致するか否かを判断し、一致しない場合に、該移送ロボットの方向が間違っていると判定するとともに、次のステップを実行する。S315第2指令発行ステップ:第2制御指令を方向が間違っている移送ロボットに発行し、推奨経路に基づいてその走行方向を該測位点に対応する予め設定された走行方向に調整する。
【0093】
図19に示すように、S32移送ロボット初回調整制御ステップは、具体的に次のステップS321~S323を含む。S321高さ及び角度調整制御ステップ:データ処理システムは前記移送ステージの角度及び高さを調整することで、移送ステージの上面と前記被清掃領域の上面とが同一平面上に位置するように前記移送ロボットを制御する。S322方向調整制御ステップ:データ処理システムは移送ステージの出入り口の向きを調整することで、前記移送ステージの出入り口を前記被清掃領域に向けるように前記移送ロボットを制御する。S323距離調整制御ステップ:移送ステージと前記被清掃領域の額縁との距離を調整することで、移送ステージと前記被清掃領域の額縁との間隔が所定閾値よりも小さくなるように前記移送ロボットを制御し、前記移送ステージの上面と前記被清掃領域の上面とが同一平面上に位置して、前記移送ステージの出入り口を前記被清掃領域に向け、移送ステージと前記被清掃領域の額縁との間隔が所定閾値よりも小さい場合に、前記移送ロボットが移送ロボットの所定位置到着信号を発する。データ処理システムは、前記移送ロボットと前記被清掃領域の額縁との距離Sを取得するように前記移送ロボットを制御し、実際の距離Sが予め設定された距離閾値S0よりも大きいか否かを判断し、距離SがS0よりも大きい場合に、データ処理システムは、前記移送ロボットを制御して右側に所定角度A振れるとともに所定距離B前進し、その後左側に所定角度A振れるとともに、所定距離C後退し、第1移送領域に走行し、ここで、Bは(S-S0)/sinAであり、Cは(S-S0)/tgAであり、距離SがS0よりも小さい場合に、前記移送ロボットが左側に所定角度A振れるとともに所定距離B前進し、右側に所定角度A振れるとともに、所定距離C後退し、第1移送領域に走行し、ここで、Bは(S0-S)/sinAであり、Cは(S0-S)/tgAである。S32移送ロボット初回調整ステップの後に、移送ステージがパネルアレイの上面と同一平面となり、移送ロボットと被清掃領域(ソーラーパネル)との距離も最適な距離(予め設定された距離閾値S0に近づく)に調整される。
【0094】
S36移送ステージ再度調整制御ステップにおいて、移送ステージの高さを最低箇所に下降させて、水平状態を保持するように移送ロボットを制御し、重心を効果的に下げ、移送ロボットの走行中に、清掃ロボットの滑り落ち又は横転を効果的に防止する。
【0095】
S4清掃制御ステップ:前記清掃ロボットが被清掃領域に走行した後に、データ処理システムは清掃ロボットから発した移動終了信号を取得した後に、前記ソーラーパネルの上面で清掃作業を行い、予め設定された経路に沿って前記被清掃領域で上から下まで清掃作業を行うように前記清掃ロボットを制御する。そして、移送ロボットがこの被清掃領域から離れ、収納領域へ行くか又は別の被清掃領域の近くで次の清掃ロボットを載せるタスクを実行する。清掃ロボットが清掃作業を終了した後に、被清掃領域(ソーラーパネル)の下端の第2移送領域506に自動走行し、他の移送ロボットにより搬出されることを待つ。被清掃領域毎の面積の大きさを知ることができるため、清掃ロボットの走行速度も知ることができ、清掃作業中に、データ処理システムは清掃ロボットのリアルタイム作業進捗を計算することができる。ソーラーパネル上の清掃ロボットの作業進捗が80%などの予め設定された閾値になると、清掃ロボットは、該パネルの近くの全てのアイドル状態の移送ロボットを適時に検索し、該パネルの第1移送領域505に清掃ロボットを移動させるように最も近い移送ロボットに命令する、リマインダ信号をデータ処理システムに送信することができる。該技術的手段によれば、清掃ロボット、移送ロボットの待ち時間を減らし、発電所全体の清掃作業効率を向上させることができる。
【0096】
S5第2制御ステップ:前記清掃ロボットが清掃作業を終了した後に、データ処理システムは前記清掃ロボットを載せて前記被清掃領域から離れるように移送ロボットを制御する。
図20に示すように、前記第2制御ステップは次のステップS51~S59を含む。S51移送ロボット走行制御ステップ:データ処理システムは清掃ロボットを載せた移送ロボットを被清掃領域の第1移送領域に走行するように制御する。S52清掃ロボット位置検出制御ステップ:データ処理システムは清掃ロボットが第2移送領域に位置するか否かを判断し、第2移送領域にいない場合に、次のステップを実行するように移送ロボットを制御する。S53清掃ロボット位置調整制御ステップ:データ処理システムは清掃ロボットの位置を第2移送領域に調整するように制御する。S54移送ロボット初回調整制御ステップ:データ処理システムは前記移送ステージの高さ及び角度を調整するように前記移送ロボットを制御する。S55突合せ接続制御ステップ:移送ロボットの所定位置到着信号を取得した後に、データ処理システムは前記移送ロボットを該被清掃領域と突合せ接続し、前記移送ロボットがブリッジ板を延ばして、移送ステージの上面と作業領域の上面とを接続するように制御する。S56清掃ロボット移動制御ステップ:清掃ロボットの所定位置到着信号を取得した後に、データ処理システムは前記被清掃領域の第2移送領域から前記移送ロボットの移送装置に走行し、移動終了信号を発するように前記清掃ロボットを制御する。S57突合せ接続解除制御ステップ:データ処理システムはブリッジ板を後退させることで、前記移送ステージの上面が前記被清掃領域の上面から離脱するように前記移送ロボットを制御する。S58移送ステージ再度調整制御ステップ:データ処理システムは前記移送ステージの高さ及び角度を調整させることで、前記移送ステージの高さを最低箇所に下降させて、水平状態を維持するように前記移送ロボットを制御する。S59移送ロボット離脱制御ステップ:データ処理システムは前記移送ロボットを前記被清掃領域から離れるように制御する。
【0097】
S51移送ロボット走行制御ステップにおいて、移送ロボットは終点位置及び通路領域マップをすでに了解し、前述した測位装置604(タグ測位ユニット)により自律航法を実現することができ、同様に高精度GPSユニットにより航法を実現することができる。S51移送ロボット走行制御ステップとステップS31との技術的内容及び技術的効果は同じであり、
図18を参照して、詳細な説明は省略する。
【0098】
本発明において、清掃ロボットは被清掃領域から移送ロボットに走行している間に、清掃ロボットの位置が第2移送領域から外れると、移送中に高いところから落下する恐れがあり、安全上のリスクがあるため、本実施形態において、突合せ接続する前に、清掃ロボット位置検出ステップ及び位置調整ステップを追加する必要がある。
【0099】
図21に示すように、S52清掃ロボット位置検出制御ステップは、移送ロボットのソーラーパネル側に向けるカメラが、第2移送領域の画像と、清掃ロボットにおける図形標識とを含むリアルタイム画像を取得するS521画像取得ステップと、該図形標識の該リアルタイム画像における位置と予め設定された位置との差分Dを計算するS522差分計算ステップと、差分Dの絶対値が予め設定された閾値D0よりも小さい場合に、清掃ロボットが第2移送領域に到達すると判断し、差分Dの絶対値が予め設定された閾値D0以上である場合に、清掃ロボットが第2移送領域からずれると判断するS523ずれ判断ステップと、を含む。図形標識は、清掃ロボットの前端又は後端に予め貼付された標識であり、移送ロボット又はデータ処理システムに清掃ロボットの突合せ接続前の写真が予め設けられ、該写真における標識の位置が定められ、該標識の実際の写真における位置と予め設定された写真における位置とを比較すると、第2移送領域に対して前記移送ロボットがずれているか否かを判断することができる。
【0100】
図22に示すように、S53清掃ロボット位置調整制御ステップは、該図形標識の該リアルタイム画像における位置と予め設定された位置との差分Dを計算するS531差分計算ステップと、前記差分に基づいて清掃ロボットのずれ方向を判断するS532ずれ方向判断ステップと、該図形標識が清掃ロボットの前面に位置するかそれとも後面に位置するかを判断するS533図形標識判断ステップと、清掃ロボットが左側にずれて、前記図形標識が前記清掃ロボットの前面に設けられる場合に、前記清掃ロボットが右側に所定角度F振れるとともに、所定距離G後退し、その後左側に所定角度F振れ、所定距離H前進し、前記第2移送領域に走行し、清掃ロボットが左側にずれて、前記図形標識が前記清掃ロボットの後面に設けられる場合に、前記清掃ロボットが右側に所定角度F振れるとともに、所定距離G前進し、その後左側に所定角度F振れ、所定距離H後退し、前記第2移送領域に走行し、清掃ロボットが右側にずれて、前記図形標識が前記清掃ロボットの前面に設けられる場合に、前記清掃ロボットが左側に所定角度F振れるとともに、所定距離G後退し、その後右側に所定角度F振れ、所定距離H前進し、前記第2移送領域に走行し、清掃ロボットが右側にずれて、前記図形標識が前記清掃ロボットの後面に設けられる場合に、前記清掃ロボットが左側に所定角度F振れるとともに、所定距離G前進し、その後右側に所定角度F振れ、所定距離H後退し、前記第2移送領域に走行し、ここで、GはE/sinFであり、HはE/tgFであるS534走行制御ステップと、を含む。S52清掃ロボット位置検出制御ステップとS53清掃ロボット位置調整制御ステップとは、清掃ロボットと移送ロボットとの相対的な位置関係を保証するとともに、清掃ロボットの移動中の走行安全をさらに確保することができる。
【0101】
S54移送ロボット初回調整制御ステップは、上述した前記ステップS32と技術的手段及び技術的効果が同じであるため、
図19を参照して、ここで詳細な説明は省略する。
【0102】
S56移送ステージ再度調整制御ステップにおいて、データ処理システムは移送ステージの高さを最低箇所に下降させて、水平状態を保持するように移送ロボットを制御し、重心を効果的に下げ、移送ロボットの走行中に、清掃ロボットの滑り落ち又は横転を効果的に防止する。
【0103】
図23に示すように、前記移送ロボットが走行中に方向決め測位ステップを実行し、具体的に次のステップS61~S64を含む。S61指令取得ステップ:前記データ処理システムから発行された第1制御指令を取得し、前記第1制御指令は移送ロボットの搬送経路の終点位置及び推奨経路を含み、該推奨経路に位置する測位点毎の番号と、測位点毎に対応する予め設定された走行方向とを更に含む。S62走行ステップ:前記第1制御指令に基づいて、前記推奨経路に沿って前記終点まで走行する。S63測位ステップ:任意の測位点の識別可能なタグ(例えばRFIDタグ)を読み取るとともに、該測位点の位置及び番号を取得し、前記移送ロボットがフィードバック信号を前記データ処理システムに送信し、前記データ処理システムが前記フィードバック信号に基づいて前記移送ロボットのリアルタイム位置を取得する。S64方向決めステップ:実際の走行方向が該測位点に対応する予め設定された走行方向と一致するか否かを判断し、一致しなければ、実際の走行方向を予め設定された走行方向に調整する。ステップS61~S64は移送ロボットの走行航法を実現して、移送ロボットが第1移送領域に正確に走行するように確保し、予め設定された経路から外れることを防止する。
【0104】
図24に示すように、前記移送ロボットが走行中に、方向微調整ステップを更に含み、具体的に次のステップS71~S72を含む。S71画像収集ステップ:前記移送ロボットが走行中にカメラによりリアルタイム画像を収集する。S72方向調整ステップ:前記移送ロボット又は前記データ処理システムはリアルタイム画像に基づいて走行可能な経路及び/又は障害物の位置を判断するとともに、これに基づいて前記移送ロボットの走行方向を調整する。ステップS71~S72は、移送ロボットの走行中の障害物回避効果を図り、走行中にロボットが破損することを防止するためのものである。
【0105】
本発明は、大量のソーラーパネルのインテリジェント化清掃作業を終了するための清掃システムの制御方法を提供し、清掃作業の作業量に応じて、適切な台数の清掃ロボット及び移送ロボットをスケジューリングし、清掃ロボットによりソーラーパネル又はソーラーパネルマトリクスで清掃作業を終了し、移送ロボットにより複数のソーラーパネルマトリクスの間で清掃ロボットを移動させることにより、最短時間ですべてのソーラーパネル及びパネルマトリクスの清掃タスクを終了することができる。
【0106】
上記は、単に本発明の好ましい実施形態であり、当業者にとっては、本発明の趣旨から逸脱することがない限り、更なる改良及び変形を行うことができ、これらの改良及び変形も本発明の保護範囲と見なされるべきであることに留意されたい。
【符号の説明】
【0107】
100 作業領域、
200 清掃ロボット、
300 移送ロボット、
400 データ処理システム、
500 被清掃領域、
101 ソーラーパネルアレイ、
102 ソーラーパネル、
103 通路領域、
104 測位点、
105 交差点、
201 第1無線通信ユニット、
301 第2無線通信ユニット、
401 第3無線通信ユニット、
310 車体、
320 移送装置、
330 角度調整装置、
340 プロセッサ、
350 高さ調整装置、
311 車体本体、
312 走行装置、
313 車体フレーム、
314 回路基板、
321 移送ステージ、
322 止め板、
322a 左止め板、
322b 後止め板、
322c 右止め板、
323 出入り口、
324 衝突防止部材、
325a、325b 摺動軸基部、
325c、325d 第1摺動溝、
326a、326b 回転軸基部、
326c、326d 基部貫通孔、
327 ブリッジ板、
328 第1伸縮ロッド、
329 第1伸縮ロッドコントローラ、
331 摺動軸、
332 第2伸縮ロッド、
333 回転軸、
334 伸縮ロッド取付けブラケット、
335 第2伸縮ロッドコントローラ、
351 フレーム、
352 第1支持フレーム、
353 第2支持フレーム、
354 ピン軸、
355a、355b 第1ガイドレール、
356a、356b 第2ガイドレール、
357a、357b 第2摺動溝、
358a、358b 第3摺動溝、
359 第3伸縮ロッド、
360 第3伸縮ロッドコントローラ、
501 被清掃領域上端、
502 被清掃領域下端、
503 被清掃領域左側端、
504 被清掃領域右側端、
505 第1移送領域、
506 第2移送領域、
601 ビームセンサ、
601a 送信端子、
601b 受信端子、
602 距離センサ、
603 傾斜角センサ、
604 測位装置、
605 電子コンパス、
606 イメージセンサ、
607 照明装置、
608 障害物回避センサ、
3521a、3521b 第1リンク、
3522 第1横ビーム、
3523a、3523b 第1プーリ、
3524 スリーブ、
3531a、3531b 第2リンク、
3532 第2横ビーム、
3533a、3533b 第2プーリ。