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7183422回折導光板およびこれを含むディスプレイ装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-25
(45)【発行日】2022-12-05
(54)【発明の名称】回折導光板およびこれを含むディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/02 20060101AFI20221128BHJP
   G02B 5/02 20060101ALI20221128BHJP
   G02B 5/18 20060101ALI20221128BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G02B5/02 D
G02B5/18
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021532299
(86)(22)【出願日】2020-02-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-07
(86)【国際出願番号】 KR2020002591
(87)【国際公開番号】W WO2020171666
(87)【国際公開日】2020-08-27
【審査請求日】2021-06-07
(31)【優先権主張番号】10-2019-0021188
(32)【優先日】2019-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0021640
(32)【優先日】2020-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ホ・パク
(72)【発明者】
【氏名】ソン・ミン・パク
(72)【発明者】
【氏名】サン・チョル・ハン
(72)【発明者】
【氏名】ブ・ゴン・シン
【審査官】井亀 諭
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/231754(WO,A1)
【文献】特表2017-528739(JP,A)
【文献】国際公開第2018/220266(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/040535(WO,A1)
【文献】英国特許出願公開第02556094(GB,A)
【文献】中国特許出願公開第101688977(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109073889(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/01-27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を案内するための光ガイド部と、
光源から出力された光が入力され、前記光ガイド部上で案内できるように前記入力された光を回折させる入力回折光学素子と、
前記光ガイド部の予め定めた領域内に配置されている互いに異なる線状格子パターンの2つの出力回折光学素子とを含み、
前記2つの出力回折光学素子それぞれは、前記入力回折光学素子から光を受光し、受光された光が回折により他方の出力回折光学素子に向けられるように構成され、
前記2つの出力回折光学素子それぞれは、他方の出力回折光学素子から光を受光し、受光された光が回折により前記光ガイド部から出力されるように構成され、
前記予め定めた領域内で少なくとも所定の幅をもって前記入力回折光学素子と隣接した側から反対側に長く区画された中央領域では、互いに異なる線状格子パターンの2つの出力回折光学素子が少なくとも一次元的に交差配列され、
前記予め定めた領域内で、互いに異なる線状格子パターンの2つの出力回折光学素子は、前記中央領域においてのみ交差配列されている、回折導光板。
【請求項2】
前記2つの出力回折光学素子は、前記光ガイド部上で互いに重なっている領域を形成せずに当接している、請求項1に記載の回折導光板。
【請求項3】
前記2つの出力回折光学素子は、前記中央領域で二次元的に交差配列される、請求項1または2に記載の回折導光板。
【請求項4】
前記2つの出力回折光学素子が交差配列される領域における2つの出力回折光学素子のそれぞれの幅は、4mm以下である、請求項1からのいずれか一項に記載の回折導光板。
【請求項5】
前記2つの出力回折光学素子が交差配列される領域における2つの出力回折光学素子のそれぞれの長さは、4mm以下である、請求項1からのいずれか一項に記載の回折導光板。
【請求項6】
前記入力回折光学素子と前記2つの出力回折光学素子それぞれは、予め定められたピッチで繰り返し形成された線状格子を含み、前記線状格子のピッチに反比例する大きさおよび前記線状格子が延びる方向と垂直な方向で定義される格子ベクトルを有し、
前記入力回折光学素子と前記2つの出力回折光学素子それぞれの格子ベクトルの和は、0の大きさを有する、請求項1からのいずれか一項に記載の回折導光板。
【請求項7】
前記入力回折光学素子と前記2つの出力回折光学素子それぞれの格子ベクトルは、互いに同一の大きさを有する、請求項に記載の回折導光板。
【請求項8】
前記入力回折光学素子と前記2つの出力回折光学素子それぞれの格子ベクトルは、互いに60゜の角度を形成する、請求項またはに記載の回折導光板。
【請求項9】
前記2つの出力回折光学素子は、前記光ガイド部上の同一平面上に提供される、請求項1からのいずれか一項に記載の回折導光板。
【請求項10】
映像を形成する映像光を出力する光源と、
請求項1~のいずれか1項に記載の回折導光板とを含むディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回折導光板および回折導光板を含むディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、拡張現実(AR:Augmented Reality)、複合現実(MR:Mixed Reality)、または仮想現実(VR:Virtual Reality)を実現するディスプレイユニットへの関心が高まるにつれ、これを実現するディスプレイユニットに関する研究が活発化する傾向にある。拡張現実、複合現実、または仮想現実を実現するディスプレイユニットは、光の波動的性質に基づく回折現象を利用する回折導光板を備えている。
【0003】
図1は、従来技術による回折導光板を概略的に示す図である。
【0004】
このような回折導光板10は、光ガイド部11と、光ガイド部11の一面または他面側に設けられ、複数の線状格子パターンを有する複数の回折光学素子12、13、14とを備えることができる。具体的には、回折導光板10は、マイクロ光源出力素子Pを介して出力された光が入力され、光ガイド部11上に案内されるようにする入力回折光学素子12と、光ガイド部11を介して入力回折光学素子12と光学的にカップリングされ、入力回折光学素子12から受光された光を回折により第1方向(図1中のx軸方向)への一次元的な拡張が行われるようにする中間回折光学素子13と、光ガイド部11を介して中間回折光学素子13と光学的にカップリングされ、中間回折光学素子13から受光された光を回折により第2方向(図1中のy軸方向)への一次元的な拡張が行われるように、且つ光ガイド部11から出力されて使用者の瞳孔に向けられるようにする出力回折光学素子14とを備えることができる。
【0005】
マイクロ光源出力素子Pを介して出力された光の、使用者の瞳孔に到達するための主な光経路は、入力回折光学素子12-中間回折光学素子13-出力回折光学素子14-使用者の瞳孔の順であるので、出力回折光学素子14を介して光ガイド部11から出力される光イメージの大きさは、出力回折光学素子14の占める面積に左右される。
【0006】
一方、従来技術による回折導光板の場合には、単一の入力回折光学素子12、単一の中間回折光学素子13、および単一の出力回折光学素子14が光ガイド部11上で互いに分離されて配置されるため、光ガイド部11上で出力回折光学素子14の占める面積は、光ガイド部11上で入力回折光学素子12および中間回折光学素子13の占める面積を除いた面積に制限されるため、より大きな光イメージを出力することの限界と、使用者の瞳孔の位置偏差による可視領域が制限される限界が伴った。
【0007】
このような限界を解決するために、図2に示されるような構造の回折導光板が考えられる。
【0008】
図2は、光ガイド部21と、入力回折光学素子22と、互いに異なる線状格子パターンを有し、当接している2つの回折光学素子23、24とを含む回折導光板を示す。
【0009】
図3Aは、図2に示された回折導光板を介して進行する光経路の一例を概略的に示す平面図であり、図3Bは、図2に示された回折導光板を介して進行する光経路の他の例を概略的に示す平面図である。
【0010】
光ガイド部21は、内部全反射を利用して内部で光を案内する。
【0011】
入力回折光学素子22は、光源から出力された光L1、L1a、L1bが入力され、光ガイド部21上で案内できるように入力された光L1、L1a、L1bを回折させることができる。
【0012】
2つの回折光学素子23、24は、回折された光L2a、L2bを受光し、受光された光が回折により一次元的に拡張できるように構成される。入力回折光学素子22から受光された回折光L2a、L2bは、他方の回折光学素子23、24を経て、一部は回折されて光経路が変更され、残りは既存の光経路に全反射できるため、入力回折光学素子22から最初に受光された光は、このような回折が特定の方向に離隔した地点で複数回行われながら複数のビームL3a、L3bに分割されていき、結果として、一次元的な拡張が行われる。
【0013】
2つの回折光学素子23、24それぞれは、他方の回折光学素子24、23から拡張された光L3b、L3aを受光し、受光された光L3b、L3aが回折により光ガイド部21から出力されるように構成される。一方、2つの回折光学素子23、24それぞれはまた、他方の回折光学素子24、23から拡張された光L3b、L3aを受光し、受光した光を回折により一次元的に拡張することができる。この時、2つの回折光学素子23、24それぞれの受光側Cを基準として、他方の回折光学素子24、23によって拡張された光が形成する複数のビームL3b、L3aが離隔している方向と、単一ビームL3b、L3aを基準として2つの回折光学素子23、24によって拡張された複数のビームL4b、L4aが離隔している方向とは互いに交差するので、結果として、光源から入力回折光学素子22が受光する光L1a、L1b基準では二次元的な拡張が行われる。
【0014】
2つの回折光学素子23、24それぞれは、他方の回折光学素子24、23から拡張された光L3b、L3aを受光する受光側Cが他方の回折光学素子24、23の受光側Cに当接しているように構成される。光源から出力された光は、入力回折光学素子22-2つの回折光学素子23、24-他方の回折光学素子24、23を経て光ガイド部21から出力されるが、このように光ガイド部21から出力される光は、他方の回折光学素子24、23それぞれによって出力された光が集まって1つのイメージ光を形成することができる。
【0015】
すなわち、2つの回折光学素子23、24をすべて出力回折光学素子として用いるため、図1に示されるように、単一の出力回折光学素子を用いる場合より、空間を効率的に利用しながらも視野角がより大きなイメージ光を形成することができる。
【0016】
図4は、図3Aおよび/または図3Bに示された回折導光板のIII-III’線に沿った断面図である。
【0017】
2つの回折光学素子23、24それぞれを介して回折されて光ガイド部21から出力される光は、光ガイド部21の一面に対して所定の出射角θ、θ’で出力される。図4を基準として、上側に位置した回折光学素子23によって回折されて出力される光L4aは、光ガイド部21の一面に対して所定の出射角θをもって下方に傾斜して出力され、下側に位置した回折光学素子24によって回折されて出力される光L4bは、光ガイド部21の一面に対して所定の出射角θ’をもって上方に傾斜して出力される。
【0018】
光ガイド部21の一面から所定距離離隔した位置において、上側に位置した回折光学素子23によって回折されて出力される光L4aと、下側に位置した回折光学素子24によって回折されて出力される光L4bとは互いに交差する交差領域Iを形成する。光ガイド部21の一面から離隔した距離が、使用者の瞳孔が位置するアイレリーフ(Eye Relief)だけの距離であれば、使用者の瞳孔は交差領域Iに位置してこそ、使用者は全体領域中の暗く見える部分なしに正常なイメージ光を視認することができる。もし、使用者の瞳孔が交差領域Iの上側に位置した領域Aに位置すれば、下側に位置した回折光学素子24によって回折されて出力される光L4bが使用者によって視認できず、使用者によって視認されるイメージ光はIII-III’線の断面を基準として下方が暗く見えることがある。逆に、使用者の瞳孔が交差領域Iの下側に位置した領域Bに位置すれば、上側に位置した回折光学素子23によって回折されて出力される光L4aが使用者によって視認できず、使用者によって視認されるイメージ光はIII-III’線の断面を基準として上方が暗く見えることがある。
【0019】
回折導光板を備えるディスプレイユニットを用いる使用者は、個別の身体的特性によって光ガイド部の一面側の上下方向を基準として瞳孔の位置する地点が多様であり得る。したがって、正常なイメージ光を視認できる領域であるアイモーションボックス(Eye Motion Box)に関連する交差領域Iを上下に長く形成できる回折導光板の構造が要求される。
【0020】
前述した背景技術は、発明者が本発明の実施例の導出のために保有しているか、導出過程で習得した技術情報であって、必ずしも本発明の実施例の出願前に一般の公衆に公開された公知技術であるとは限らない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明は、視野角およびアイモーションボックスを大きく形成できる回折導光板およびその回折導光板を含むディスプレイ装置を提供しようとする。
【0022】
ただし、本発明が解決しようとする課題は上述した課題に制限されず、言及されていないさらに他の課題は下記の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明の一側面による実施例は、光を案内するための光ガイド部と、光源から出力された光が入力され、前記光ガイド部上で案内できるように前記入力された光を回折させる入力回折光学素子と、前記光ガイド部の予め定めた領域内に配置されている互いに異なる線状格子パターンの2つの出力回折光学素子とを含み、前記2つの出力回折光学素子それぞれは、前記入力回折光学素子から光を受光し、受光された光が回折により他方の出力回折光学素子に向けられるように構成され、前記2つの出力回折光学素子それぞれは、他方の出力回折光学素子から光を受光し、受光された光が回折により前記光ガイド部から出力されるように構成され、前記2つの出力回折光学素子は、前記光ガイド部上で互いに重なっている領域を形成せずに当接しており、前記予め定めた領域内で少なくとも所定の幅をもって前記入力回折光学素子と隣接した側から反対側に長く区画された中央領域では、互いに異なる線状格子パターンの2つの出力回折光学素子が少なくとも一次元的に交差配列される、回折導光板を提供する。
【0024】
本実施例において、前記2つの出力回折光学素子は、前記中央領域で二次元的に交差配列されることが好ましい。
【0025】
本実施例において、前記2つの出力回折光学素子は、前記予め定めた領域全体で二次元的に交差配列されることが好ましい。
【0026】
本実施例において、前記2つの出力回折光学素子が交差配列される領域における2つの出力回折光学素子のそれぞれの幅は、4mm以下であることが好ましい。
【0027】
本実施例において、前記2つの出力回折光学素子が交差配列される領域における2つの出力回折光学素子のそれぞれの長さは、4mm以下であることが好ましい。
【0028】
本実施例において、前記回折光学素子それぞれは、予め定められたピッチで繰り返し形成された線状格子を含み、前記線状格子のピッチに反比例する大きさおよび前記線状格子が延びる方向と垂直な方向で定義される格子ベクトルを有し、前記入力回折光学素子と前記2つの回折光学素子それぞれの格子ベクトルの和は、0の大きさを有することができる。
【0029】
本実施例において、前記入力回折光学素子と前記2つの回折光学素子それぞれの格子ベクトルは、互いに同一の大きさを有することができる。
【0030】
本実施例において、前記入力回折光学素子と前記2つの回折光学素子それぞれの格子ベクトルは、互いに60゜の角度を形成することができる。
【0031】
本実施例において、前記2つの回折光学素子は、前記光ガイド部上の同一平面上に提供される。
【0032】
本発明の他の側面による実施例は、映像を形成する映像光を出力する光源と、本発明の一側面の実施例による回折導光板とを含むディスプレイ装置を提供する。
【発明の効果】
【0033】
本発明の実施例によれば、2つの出力回折光学素子それぞれによって光ガイド部から拡張された映像光を出力するため、単一の回折光学素子だけで光ガイド部から映像光を出力する場合より、視野角がより大きな映像光を形成できるという利点がある。
【0034】
また、予め定めた領域内に少なくとも所定の幅をもって入力回折光学素子と隣接した側から反対側に長く区画された中央領域に、互いに異なる線状格子パターンの2つの出力回折光学素子が少なくとも一次元的に交差配列されて、光ガイド部の一面からアイレリーフ(Eye Reilif)だけ離隔した位置でアイモーションボックスを長く形成できるため、本発明の実施例による回折導光板を用いて多様な身体条件を有する使用者の瞳孔に幅広く対応可能なディスプレイ装置を提供できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】従来技術による回折導光板を概略的に示す図である。
図2】光ガイド部と、入力回折光学素子と、互いに異なる線状格子パターンを有し、当接している2つの回折光学素子とを含む回折導光板を示す。
図3A図2に示された回折導光板を介して進行する光経路の一例を概略的に示す平面図である。
図3B図2に示された回折導光板を介して進行する光経路の他の例を概略的に示す平面図である。
図4図3Aおよび/または図3Bに示された回折導光板のIII-III’線に沿った断面図である。
図5】本発明の一側面による回折導光板を概略的に示す図である。
図6A】本発明の一側面による回折導光板が備える複数の回折光学素子に含まれる格子の平面図である。
図6B】本発明の一側面による回折導光板が備える複数の回折光学素子に含まれる格子の平面図である。
図6C】本発明の一側面による回折導光板が備える複数の回折光学素子に含まれる格子の平面図である。
図7】本発明の一側面による回折導光板が備える複数の回折光学素子に含まれる各格子ベクトルの組み合わせを示す図である。
図8A】本発明の一側面による多様な実施例の回折導光板の平面図である。
図8B】本発明の一側面による多様な実施例の回折導光板の平面図である。
図8C】本発明の一側面による多様な実施例の回折導光板の平面図である。
図9図5に示された回折導光板のIX-IX’線に沿った断面図である。
図10】本発明の比較例による回折導光板から出力される光のシミュレーション結果を示す図である。
図11】本発明の比較例による回折導光板によって出力されるイメージを撮像した結果である。
図12】本発明の一実施例による回折導光板から出力される光のシミュレーション結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明は、添付した図面とともに詳細に後述する実施例を参照すれば明確になる。しかし、本発明は、以下に開示される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現され、単に本実施例は本発明の開示が完全となるようなものであり、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は請求項の範疇によってのみ定義される。一方、本明細書で使われた用語は、実施例を説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。本明細書において、単数形は、文章で特に言及しない限り、複数形も含む。明細書で使われる「含む(comprises)」および/または「含む(comprising)」は、言及された構成要素、段階、動作および/または素子は、1つ以上の他の構成要素、段階、動作および/または素子の存在または追加を排除しない。第1、第2などの用語は多様な構成要素を説明するのに使われるが、構成要素は用語によって限定されてはならない。用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使われる。
【0037】
本明細書において、用語「光ガイド部」は、内部全反射を利用して内部で光を案内する構造と定義される。内部全反射のための条件は、光ガイド部の屈折率が、光ガイド部の表面に隣接した周辺媒体の屈折率より大きくなければならない。光ガイド部は、ガラスおよび/またはプラスチック素材を含んで形成され、透明または半透明であってもよい。光ガイド部は、プレートタイプに多様なレイアウトで形成可能である。ここで、用語「プレート」は、一面およびその反対側の他面との間に所定の厚さを有する3次元構造体を意味し、その一面および他面は、実質的に平坦な平面であってもよいが、その一面および他面の少なくとも1つの面は、一次元的または二次元的に湾曲して形成されてもよい。例えば、プレートタイプの光ガイド部は一次元的に湾曲して、その一面および/または他面が円柱の側面の一部に対応する形状を有することができる。ただし、その湾曲により形成される曲率は、光ガイド部上で光を案内するために内部全反射が容易となるように十分に大きな曲率半径を有することが好ましい。
【0038】
本明細書において、用語「回折光学素子」は、光ガイド部上で光を回折させて光経路を変更するための構造と定義される。ここで、「回折光学素子」は、光ガイド部上に一方向に配向された線状格子が予め定めた方向に配列されて、パターンを有しながら所定の面積を形成する部分を意味することができる。
【0039】
本明細書において、用語「線状格子」は、光ガイド部の表面上に所定の高さを有する突起形態(すなわち、彫り上げパターン)および/または光ガイド部の表面上に所定の深さを有する溝形態(すなわち、掘り下げパターン)を意味することができる。ここで、線状格子の配向方向は、回折光学素子による回折により意図した方向に光経路が変更できるように自由に設計可能である。
【0040】
図5は、本発明の一側面による回折導光板を概略的に示す図であり、図6A図6Cは、本発明の一側面による回折導光板が備える複数の回折光学素子に含まれた格子の平面図であり、図7は、本発明の一側面による回折導光板が備える複数の回折光学素子に含まれた各格子ベクトルの組み合わせを示す図である。
【0041】
図8A図8Cは、本発明の一側面による多様な実施例の回折導光板の平面図であり、図9は、図5に示された回折導光板のIX-IX’線に沿った断面図である。
【0042】
図2図9を参照すれば、回折導光板100は、光ガイド部110と、入力回折光学素子120と、2つの出力回折光学素子130、140とを含むことができる。
【0043】
光ガイド部110は、内部全反射を利用して内部で光を案内することができる。
【0044】
入力回折光学素子120は、光源から出力された光が入力され、光ガイド部110上で案内できるように入力された光を回折させることができる。
【0045】
このような入力回折光学素子120は、光ガイド部110の一面110a(例えば、図5基準で左側)上に配置される。
【0046】
2つの出力回折光学素子130、140は、光ガイド部の一面110aまたは他面110bに予め定めた領域S内に配置される。
【0047】
2つの出力回折光学素子130、140は、互いに異なる線状格子パターンを備える。
【0048】
2つの出力回折光学素子130、140それぞれは、入力回折光学素子120から光を受光し、受光された光が回折により他方の出力回折光学素子140、130に向けられるように構成される。また、2つの出力回折光学素子130、140それぞれは、入力回折光学素子120から回折された光を受光し、受光された光が回折により一次元的に拡張できるように構成される。入力回折光学素子120から受光された回折光は、他方の回折光学素子130、140を経て、一部は回折されて光経路が変更され、残りは既存の光経路に全反射できるため、入力回折光学素子120から最初に受光された光は、このような回折が特定の方向に離隔した地点で複数回行われながら複数のビームに分割されていき、結果として、一次元的な拡張が行われる。
【0049】
2つの出力回折光学素子130、140それぞれは、他方の回折光学素子140、130から拡張された光を受光し、受光された光が回折により光ガイド部110から出力されるように構成される。一方、2つの出力回折光学素子130、140それぞれはまた、他方の出力回折光学素子140、130から拡張された光を受光し、受光した光を回折により一次元的に拡張することができる。この時、入力回折光学素子120から受光されて2つの出力回折光学素子130、140によって拡張された光が形成する複数のビームが離隔している方向と、他方の出力回折光学素子140、130から受光されて2つの出力回折光学素子130、140によって拡張された複数のビームが離隔している方向とは互いに交差するため、結果として、出力回折光学素子130、140によって拡張された複数のビームによって出力される光は、光源から入力回折光学素子120が受光する光を基準として二次元的な拡張が行われるものと取り扱うことができる。
【0050】
2つの出力回折光学素子130、140は、光ガイド部110上で製造工程の設計誤差などによって一部重なって形成されることがある。
【0051】
ただし、2つの出力回折光学素子130、140は、光ガイド部110上で互いに重なっている領域を形成しないことが好ましい。1つの出力回折光学素子上で回折により他方の出力回折光学素子側に全反射して進行する光の場合には、その回折光学素子上の離隔している線状格子パターンに接するたびに、意図したところの全反射経路通りに進行せずに少しずつその光経路がずれることがある。したがって、2つの出力回折光学素子130、140それぞれは、他方の出力回折光学素子140、130と光ガイド部110の平面図を基準として互いに区別される領域に重ならないようにして、1つの出力回折光学素子が他方の出力回折光学素子の占める領域に過度に面積を占めるのを防止し、これによって、実際に光経路が意図したところの全反射経路から過度にずれるのを防止することができる。
【0052】
2つの出力回折光学素子130、140それぞれは、他方の出力回折光学素子140、130と当接していることが好ましい。光源から出力された光は、入力回折光学素子120-2つの出力回折光学素子130、140-他方の出力回折光学素子140、130を経て光ガイド部110から出力されるが、このように光ガイド部110から出力される光は、他方の出力回折光学素子140、130それぞれによって出力された光が集まって1つのイメージ光を形成する。したがって、2つの出力回折光学素子130、140それぞれは、他方の出力回折光学素子140、130と当接させることで、出力されるイメージ光が互いに分割されないようにする必要がある。
【0053】
2つの出力回折光学素子130、140が配置される予め定めた領域S内には、少なくとも所定の幅(図5基準で上下方向の幅)をもって入力回折光学素子120と隣接した側S1から反対側S2に長く区画された中央領域Mが定義される。このような中央領域Mには、互いに異なる線状格子パターンの2つの出力回折光学素子130’、140’が少なくとも一次元的に交差配列される。ここで、一次元的に交差配列されるというのは、2つの出力回折光学素子130’、140’が中央領域Mの長手方向(図5基準で左右方向)に沿って交互に配列されることを意味する。
【0054】
例えば、図8Aに示されるように、中央領域M内の入力回折光学素子120と隣接した側S1に、予め定めた領域Sの上側に配置される出力回折光学素子130と同じ線状格子パターンを有する出力回折光学素子130’が最も先に配列され、その次に予め定めた領域Sの下側に配置される出力回折光学素子140と同じ線状格子パターンを有する出力回折光学素子140’が配列され、順次に互いに異なる出力回折光学素子130’、140’が互いに交互に配列される。
【0055】
互いに異なる線状格子パターンの2つの出力回折光学素子130’、140’は、中央領域で二次元的に交差配列される。ここで、二次元的に交差配列されるというのは、2つの出力回折光学素子130’、140’が中央領域Mの長手方向(図5基準で左右方向)だけでなく、幅方向(図5基準で上下方向)に沿っても交互に配列されることを意味する。すなわち、行列状に配列される。
【0056】
例えば、図8Bに示されるように、中央領域M内に、予め定めた領域Sの上側に配置される出力回折光学素子130と同じ線状格子パターンを有する出力回折光学素子130’と、予め定めた領域Sの下側に配置される出力回折光学素子140と同じ線状格子パターンを有する出力回折光学素子140’とがm×nの行列状に、二次元的に交差配列される。ここで、mとnは、正の整数であって、導光板のサイズに応じて多様な値から選択可能である。
【0057】
互いに異なる線状格子パターンの2つの出力回折光学素子130’、140’は、予め定めた領域S全体で二次元的に交差配列される。ここで、二次元的に交差配列されるというのは、2つの出力回折光学素子130’、140’が予め定めた領域Sの長手方向(図5基準で左右方向)だけでなく、幅方向(図5基準で上下方向)に沿っても交互に配列されることを意味する。すなわち、行列状に配列される。
【0058】
例えば、図8Cに示されるように、予め定めた領域S内に、互いに異なる線状格子パターンの2つの出力回折光学素子130’、140’が12×22の行列状に、二次元的に交差配列される。
【0059】
一方、互いに異なる線状格子パターンの2つの出力回折光学素子130’、140’は、光ガイド部110上で製造工程の設計誤差などによって一部重なって形成されることがある。ただし、前述のように、実際に光経路が意図したところの全反射経路から過度にずれるのを防止するために、2つの出力回折光学素子130’、140’は、光ガイド部110上で互いに重なっている領域を形成しないことが好ましい。同時に、前述のように、出力されるイメージ光が互いに分割されないように、2つの出力回折光学素子130’、140’それぞれは、他の出力回折光学素子140’、130’と当接していることが好ましい。
【0060】
2つの出力回折光学素子130’、140’が交差配列される領域における2つの出力回折光学素子130’、140’のそれぞれの幅および/または長さは、4mm以下であることが好ましく、2mm以下であることがさらに好ましい。
【0061】
一般的に、人の瞳孔の大きさは、昼間に平均約2mm程度の大きさを有し、夜間に平均約4mm程度の大きさを有するため、隣接交差配列される2つの互いに異なる出力回折光学素子130’、140’を介して回折され、光ガイド部110から出力されるそれぞれの光が分離されて視認されないようにするためである。
【0062】
一方、図8A~8Cには、互いに異なる出力回折光学素子130’、140’が同一の幅および/または長さを有するものとして示されているが、これに限定されず、交差配列される互いに異なる出力回折光学素子130’、140’のそれぞれの大きさは、任意に異なっていてもよい。
【0063】
図9を参照すれば、本発明の一側面による回折導光板100において、2つの出力回折光学素子130、140それぞれを介して回折されて光ガイド部110から出力される光は、光ガイド部110の一面に対して所定の出射角θ、θ’で出力される。図9を基準として、上側に位置した出力回折光学素子130によって回折されて出力される光L4a’は、光ガイド部110の一面に対して所定の出射角θをもって下方に傾斜して出力され、下側に位置した出力回折光学素子140によって回折されて出力される光L4b’は、光ガイド部110の一面に対して所定の出射角θ’をもって上方に傾斜して出力される。
【0064】
一方、光ガイド部110の中央領域Mには2つの出力回折光学素子130’、140’が少なくとも一次元的に交差配列されて混在しているため、中央領域Mでは、上側に位置した出力回折光学素子130と同じ線状格子パターンを有する出力回折光学素子130’によって回折されて出力される光L4a’、および下側に位置した出力回折光学素子140と同じ線状格子パターンを有する出力回折光学素子140’によって回折されて出力される光L4b’が混在することができる。
【0065】
これによって、上側に位置した出力回折光学素子130および中央領域に位置した同じ線状格子パターンの出力回折光学素子130’によって回折され、光ガイド部110の一面に対して所定の出射角θをもって下方に傾斜して出力される光L4a’の占める領域は、前述したところの回折導光板20における上側に位置した出力回折光学素子23によって回折され、光ガイド部21の一面に対して所定の出射角θをもって下方に傾斜して出力される光L4aの占める領域よりも大きい。
【0066】
また、下側に位置した出力回折光学素子140および中央領域に位置した同じ線状格子パターンの出力回折光学素子140’によって回折され、光ガイド部110の一面に対して所定の出射角θ’をもって上方に傾斜して出力される光L4b’の占める領域は、前述したところの回折導光板20における下側に位置した出力回折光学素子24によって回折され、光ガイド部21の一面に対して所定の出射角θ’をもって上方に傾斜して出力される光L4bの占める領域よりも大きい。
【0067】
したがって、上側に位置した出力回折光学素子130および中央領域に位置した同じ線状格子パターンの出力回折光学素子130’によって回折され、光ガイド部110の一面に対して所定の出射角θをもって下方に傾斜して出力される光L4a’と、下側に位置した出力回折光学素子140および中央領域に位置した同じ線状格子パターンの出力回折光学素子140’によって回折され、光ガイド部110の一面に対して所定の出射角θ’をもって上方に傾斜して出力される光L4b’とが互いに交差する交差領域I’は、前述したところの回折導光板20による光L4a、L4bが互いに交差する交差領域Iより上下方向により長い長さを有することができる。
【0068】
すなわち、光ガイド部110の一面からアイレリーフ(Eye Reilif)だけ離隔した位置で交差領域I’を長く形成できることから、多様な身体条件を有する使用者の瞳孔に幅広く対応可能であるという利点があり得る。
【0069】
回折光学素子120、130、140それぞれは、予め定められたピッチP1、P2、P3で繰り返し形成された線状格子を含むことができる。このような線状格子は、突出している突起形態であってもよい。
【0070】
回折光学素子120、130、140それぞれは、線状格子のピッチP1、P2、P3に反比例する「大きさ」および線状格子が延びる方向と垂直な「方向」で定義される格子ベクトルV1、V2、V3を有することができる。格子ベクトルV1、V2、V3の大きさは、下記の数式1で定義される。
【数1】

ここで、|V|は、回折光学素子の格子ベクトルの大きさを意味し、Pは、回折光学素子の線状格子のピッチを意味する。
【0071】
入力回折光学素子120と2つの出力回折光学素子130、140それぞれの格子ベクトルV1、V2、V3の和は、0の大きさを有する。
【0072】
この時、入力回折光学素子120と2つの出力回折光学素子130、140それぞれの格子ベクトルV1、V2、V3は、互いに同一の大きさを有し、入力回折光学素子120と2つの出力回折光学素子130、140それぞれの格子ベクトルV1、V2、V3は、互いに60゜の角度を形成することが好ましい。同一のピッチの格子パターンを有する1つのモールドによってそれぞれの回折光学素子120、130、140をすべて成形できるからである。
【0073】
一実施例として、入力回折光学素子120は、図6Aに示されるように、x軸と並ぶ水平線Hと90゜の角度をなす線状格子を有し、2つの出力回折光学素子130、140のうち予め定めた領域S内の上側に位置した出力回折光学素子130は、図6Bに示されるように、x軸と並ぶ水平線Hと-30゜の角度をなす線状格子を有し、予め定めた領域S内の下側に位置した出力回折光学素子140は、図6Cに示されるように、x軸と並ぶ水平線Hと+30゜の角度をなす線状格子を有することができる。それぞれの線状格子のピッチP1、P2、P3はすべて同一で、これによる回折光学素子120、130、140の格子ベクトルV1、V2、V3の大きさはすべて同一である。格子ベクトルV1、V2、V3の方向は、それぞれの線状格子が延びる方向と垂直であるため、入力回折光学素子120の格子ベクトルV1の方向はx軸方向と平行であり、予め定めた領域S内の上側に位置した出力回折光学素子130の格子ベクトルV2の方向は、x軸方向に対して-120゜の角度をなし、予め定めた領域S内の下側に位置した出力回折光学素子140の格子ベクトルV3の方向は、x軸方向に対して+120゜の角度をなすことができる。これによって、入力回折光学素子120と2つの出力回折光学素子130、140それぞれの格子ベクトルV1、V2、V3は、互いに60゜の角度を形成して、それぞれの格子ベクトルV1、V2、V3の和は、0の大きさを有する。
【0074】
2つの出力回折光学素子130、140は、光ガイド部110上の同一平面上に提供されることが好ましい。本発明の一実施例において、2つの出力回折光学素子130、140は、光ガイド部110の一面110aに提供される。2つの出力回折光学素子130、140は、光ガイド部110上の同一平面上で互いに重なる領域を形成しないように構成されるため、2つの出力回折光学素子130、140の製造に際して、1つのモールドに2つの回折光学素子130、140が有する線状格子を形成できる格子パターンをすべて具備させることで、一度に2つの出力回折光学素子130、140の線状格子を形成できるという利点がある。
【0075】
本発明の他の側面によるディスプレイ装置(図示せず)は、映像を形成する映像光を出力する光源(図示せず)と、本発明の一側面による回折導光板100とを含むことができる。光源から出力された映像光は、入力回折光学素子120に入力および回折されて2つの出力回折光学素子130、140にカップリングされ、2つの出力回折光学素子130、140は、カップリングされて受光された光を回折させて一次元的に拡張し、一次元的に拡張された光は、他方の出力回折光学素子140、130にカップリングされ、回折により光ガイド部110から出力される。2つの出力回折光学素子130、140それぞれによって光ガイド部110から拡張された映像光を出力するため、単一の回折光学素子だけで光ガイド部110から映像光を出力する場合より、視野角がより大きな映像光を形成できるという利点がある。
【0076】
同時に、本発明の一実施例によれば、予め定めた領域S内で少なくとも所定の幅をもって入力回折光学素子120と隣接した側S1から反対側S2に長く区画された中央領域では、互いに異なる線状格子パターンの2つの出力回折光学素子が少なくとも一次元的に交差配列されて、光ガイド部110の一面からアイレリーフ(Eye Reilif)だけ離隔した位置で交差領域I’を長く形成できることから、いわゆるアイモーションボックスを広く形成して、多様な身体条件を有する使用者の瞳孔に幅広く対応可能であるという利点がある。
【0077】
図10は、本発明の比較例による回折導光板から出力される光のシミュレーション結果を示す図であり、図11は、本発明の比較例による回折導光板によって出力されるイメージを撮像した結果である。
【0078】
比較例は、2つの出力回折光学素子が上下に分離配列されているが、2つの出力回折光学素子が光ガイド部の長手方向に沿っては交差配列されない回折導光板である。
【0079】
図10(a)は、入力回折光学素子側に垂直に光が入射する時、出力回折光学素子を介して出力される光経路をシミュレーションしたものであり、図10(b)は、入力回折光学素子側に垂直基準5゜傾斜して光が入射する時、出力回折光学素子を介して出力される光経路をシミュレーションしたものである。シミュレーションはVirtual Labソフトウェア(Lighttrans社)により実施した。
【0080】
入力回折光学素子側に垂直に光が入射する時は、2つの出力回折光学素子が配置される大部分の領域から光が出力されるが、入力回折光学素子側に垂直基準5゜傾斜して光が入射する時は、2つの出力回折光学素子のうち上側領域の相当部分から光が出力されないことを確認することができる。
【0081】
図11を参照すれば、比較例による回折光学素子を介して出力されるイメージを実際に撮影した結果、2つの出力回折光学素子のうち上側領域の相当部分で暗く見えることを確認することができる。
【0082】
図12は、本発明の一実施例による回折導光板から出力される光のシミュレーション結果を示す図である。
【0083】
一実施例は、予め定めた領域内に2つの出力回折光学素子が二次元的に交差配列される回折導光板に関する。
【0084】
図12(a)は、入力回折光学素子側に垂直に光が入射する時、出力回折光学素子を介して出力される光経路をシミュレーションしたものであり、図12(b)は、入力回折光学素子側に垂直基準5゜傾斜して光が入射する時、出力回折光学素子を介して出力される光経路をシミュレーションしたものである。
【0085】
入力回折光学素子側に垂直に光が入射する時および垂直基準5゜傾斜して光が入射する時いずれも、2つの出力回折光学素子が配置される大部分の領域から光が出力されることを確認することができる。
【0086】
本発明について上述した好ましい実施例が説明されたが、発明の要旨と範囲を逸脱することなく多様な修正や変形をすることが可能である。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の要旨に属する限り、このような修正や変形を含むであろう。
【符号の説明】
【0087】
10 回折導光板
11 光ガイド部
12 入力回折光学素子
13 中間回折光学素子
14 出力回折光学素子
20 回折導光板
21 光ガイド部
22 入力回折光学素子
23、24 回折光学素子
100 回折導光板
110 光ガイド部
110a 光ガイド部の一面
110b 光ガイド部の他面
120 入力回折光学素子
130、130’、140、140’ 出力回折光学素子
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5
図6a
図6b
図6c
図7
図8a
図8b
図8c
図9
図10(a)】
図10(b)】
図11
図12(a)】
図12(b)】