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特許7183426移動可能な上部カバーを備えたエアロゾル発生装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-25
(45)【発行日】2022-12-05
(54)【発明の名称】移動可能な上部カバーを備えたエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/40 20200101AFI20221128BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20221128BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/20
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021537151
(86)(22)【出願日】2020-01-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-18
(86)【国際出願番号】 EP2020050912
(87)【国際公開番号】W WO2020148334
(87)【国際公開日】2020-07-23
【審査請求日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】19151920.6
(32)【優先日】2019-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】バティスタ ルイ ヌーノ
(72)【発明者】
【氏名】キールナン エドワード
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/029089(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第108783601(CN,A)
【文献】国際公開第2016/124550(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第108158043(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/40
A24F 40/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置であって、
本体と、
上部カバーであって、前記上部カバーが、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品をくぼみ内に挿入するように構成された前記くぼみを含む、上部カバーと、
排出器と、を備え、
前記上部カバーが、前記本体に対して第一の位置と第二の位置との間で移動可能であり、前記第一の位置では、前記上部カバーが前記本体から延び、前記くぼみが前記エアロゾル発生物品の挿入のためにアクセス可能であり、前記第二の位置では、前記上部カバーが前記本体に向かって引っ込められ、前記くぼみが閉じられ、前記排出器が、前記第一の位置から前記第二の位置への前記上部カバーの移動中に前記エアロゾル発生物品を前記くぼみから排出するように構成される、エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記移動可能な上部カバーが、前記本体と摺動可能に接続される、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記くぼみがヒーターを含む、請求項1または2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記エアロゾル発生装置が、前記上部カバーを前記第一の位置に向けて付勢するための、少なくとも一つの第一の付勢要素、好ましくは第一のばねをさらに備える、請求項1、2または3に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記エアロゾル発生装置が、前記上部カバーに取り付けられ、かつ前記第一の位置と前記第二の位置との間で前記上部カバーを移動させるために、前記エアロゾル発生装置の周辺上にアクセス可能に配設された少なくとも一つの突出要素をさらに備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記エアロゾル発生装置が、前記排出器を前記くぼみに向けて付勢するための、少なくとも一つの第二の付勢要素、好ましくは第二のばねをさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記上部カバーおよび前記本体のうちの一つ以上が、前記本体に対する前記上部カバーの移動を案内するための案内要素を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記くぼみがヒーターを含み、前記排出器が開口部を含み、前記開口部が、前記第一の位置から前記第二の位置への前記上部カバーの移動中に前記ヒーターが前記開口部を通過するように配設される、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記排出器が、前記ヒーターが前記開口部を通過する時に前記ヒーターをクリーニングするために、前記開口部を少なくとも部分的に囲む第一のクリーニング要素を含む、請求項8に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記排出器が、前記第一の位置から前記第二の位置への前記上部カバーの移動中に前記くぼみ内に貫通するように構成される、請求項9に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記排出器が、前記排出器の近位端に、好ましくはこれを囲むように配設された第二のクリーニング要素を含み、前記第二のクリーニング要素が、前記第一の位置から前記第二の位置への前記上部カバーの移動中に内部くぼみ壁をクリーニングするために配設される、請求項10に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記上部カバーおよび前記本体のうちの一つ以上が、前記上部カバーが前記第一の位置にあるか、または前記第二の位置にあるかどうかを検出するように構成された検出器、好ましくは電気スイッチを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
前記第一のクリーニング要素および前記第二のクリーニング要素のうちの一つ以上もまた、前記上部カバーが前記第二の位置にある時に、前記くぼみを閉じる、好ましくはシールする、より好ましくは密封シールするように構成されるシール要素として構成される、請求項11に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項14】
前記上部カバーまたは前記排出器が、エアロゾル発生物品が前記くぼみ内に完全に挿入された時を示すように構成されたインジケータを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置と、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品とを備える、エアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生装置、エアロゾル発生システム、およびエアロゾル発生装置からエアロゾル発生物品を排出するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
吸入可能なベイパーを発生するためのエアロゾル発生装置を提供することは公知である。こうした装置は、エアロゾル形成基体を燃焼することなく、エアロゾル形成基体を加熱しうる。こうしたエアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の一部として提供されてもよい。こうした装置は、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を受容するように配設されうる。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置のくぼみ内にエアロゾル発生物品を挿入するためにロッド形状を有してもよい。ヒーターは、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置のくぼみ内に挿入された時にエアロゾル形成基体を加熱するために、くぼみ内またはその周りに配設されうる。エアロゾル発生後、エアロゾル発生物品をくぼみから取り外す必要がある。取り外し中、望ましくないエアロゾル形成基体の残留物が、ヒーターまたはくぼみの壁に付着しうる。したがって、従来のエアロゾル発生装置は、定期的にクリーニングする必要がある。
【0003】
クリーニングを必要としない、またはクリーニングの必要性が低減されたエアロゾル発生装置を有することが望ましい。
【発明の概要】
【0004】
本発明の上述の、およびさらなる目的は、本体および上部カバーを備えるエアロゾル発生装置によって達成される。上部カバーは、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品をくぼみ内に挿入するように構成されたくぼみを含む。装置は、排出器をさらに備える。上部カバーは、本体に対して第一の位置と第二の位置との間で移動可能である。第一の位置では、上部カバーは本体から延び、くぼみはエアロゾル発生物品の挿入のためにアクセス可能である。第二の位置では、上部カバーは本体に向かって引っ込められ、くぼみは閉じられる。排出器は、第一の位置から第二の位置への上部カバーの移動中に、くぼみからエアロゾル発生物品を排出するように構成される。
【0005】
移動可能な上部カバーにくぼみを設けることによって、上部カバーは、消費されたエアロゾル発生物品を自動的に排出するのに使用されうる。さらなる排出要素を必要としない場合がある。排出動作は、ユーザーによって片手を使用して促進されうる。これに関して、装置は、上部カバーが延びた状態にある、上部カバーの第一の位置で動作しうる。この位置では、エアロゾル発生物品を上部カバーのくぼみ内に挿入することができる。上部カバーのくぼみは、エアロゾル発生装置の加熱チャンバーとして構成されることが好ましい。エアロゾル発生物品をくぼみ内に挿入した後、エアロゾル発生物品を加熱して吸入可能なエアロゾルを発生しうる。エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体が消費されると、上部カバーが第一の位置から第二の位置に向かって移動するように、上部カバーが本体に向かって押し出されうる。第二の位置では、上部カバーは本体に向かって引っ込められる。この移動の間に、排出器は、消費されたエアロゾル発生物品をくぼみから排出しうる。上部カバーのくぼみは、上部カバーが第二の位置にある時にエアロゾル発生物品がくぼみ内に挿入されないように、第二の位置では閉じられる。
【0006】
結果として、上部カバーの第一の位置において動作するエアロゾル発生装置が提供される。第二の位置では閉じられるようにくぼみを構成することによって、くぼみの外部からの望ましくない汚染が防止される。排出器は、第一の位置から第二の位置への上部カバーの移動中に、ヒーターおよびくぼみの壁のうちの一つ以上を自動的にクリーニングするように構成されることが好ましい。さらなるクリーニング要素は必要とされない場合がある。
【0007】
本体および上部カバーは、別個の要素であってもよい。上部カバーは、上部カバーが本体に対して移動するが、本体から完全には取り外されないように、本体の対応する要素によって保持されうる。排出器および本体は、別個の要素であってもよい。排出器および上部カバーは、別個の要素であってもよい。排出器は、上部カバーに対して移動可能であるように構成されてもよい。排出器は、本体に対して移動可能であるように構成されてもよい。排出器は、排出器が上部カバー上の本体から完全には取り外されないように、本体および上部カバーのうちの一つ以上の対応する要素によって保持されてもよい。
【0008】
「閉じられた」という用語は、エアロゾル発生物品をくぼみ内に挿入できない状態を指しうる。以下でより詳細に説明されるように、第一の位置から第二の位置への上部カバーの移動中、排出器はくぼみ内に押し込まれ、それによって、くぼみ内のエアロゾル発生物品を排出する。上部カバーの第二の位置では、排出器は、エアロゾル発生物品をくぼみ内に挿入することができないように、くぼみの空間を実質的に占有する。
【0009】
移動可能な上部カバーは、本体と摺動可能に接続されうる。上部カバーは、エアロゾル発生装置の長軸方向軸に沿って摺動可能に配設されうる。エアロゾル発生装置の長軸方向軸は、本体の長軸方向軸と同一であることが好ましい。エアロゾル発生装置の長軸方向軸は、上部カバーの長軸方向軸と同一であることが好ましい。エアロゾル発生装置は、本体に対する上部カバーの最大の拡張が第一の位置にあるように構成されうる。言い換えれば、エアロゾル発生装置は、上部カバーが本体から第一の位置に位置付けられるまで延びることができるだけであるように構成されうる。さらに言い換えれば、エアロゾル発生装置は、上部カバーが本体から完全には係合解除されず、本体から第一の位置に向かって延びるのみであるように構成されうる。
【0010】
くぼみはヒーターを含みうる。ヒーターは電気抵抗性材料を含んでもよい。適切な電気抵抗性の材料には例えば、ドープされたセラミックなどの半導体、導電性のセラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、金属合金、セラミック材料製・金属材料製の複合材料が挙げられるが、これらに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含んでもよい。適切なドープされたセラミックの例としては、ドープ炭化ケイ素が挙げられる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル白金、金、銀が挙げられる。適切な金属合金の例としては、ステンレス鋼、ニッケル含有、コバルト含有、クロム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオブ含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、金含有、および鉄含有合金、ならびにニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、ならびに鉄-マンガン-アルミニウム系合金が挙げられる。複合材料において、電気抵抗性材料は、必要とされるエネルギー伝達の動態学および外部の物理化学的特性に応じて随意に、断熱材料中に包埋、断熱材料中に封入、もしくは断熱材料で被覆されてもよく、またはその逆も可である。
【0011】
ヒーターは、エアロゾル発生装置の一部であってもよい。エアロゾル発生装置は、内部ヒーター、または外部ヒーター、または内部ヒーターと外部ヒーターの両方を備えうるが、ここで「内部」および「外部」は、エアロゾル形成基体についてである。内部ヒーターは、任意の適切な形態を取りうる。例えば、内部ヒーターは、加熱ブレードの形態を取ってもよい。内部ヒーターはくぼみ内に配設されることが好ましく、くぼみ内に中央に配設されることがより好ましい。別の方法として、内部ヒーターは、異なる導電性部分または電気抵抗性の金属チューブを有するケーシングまたは基板の形態を取ってもよい。別の方法として、内部ヒーターは、エアロゾル形成基体の中心を通り抜ける一つ以上の加熱針またはロッドであってもよい。その他の代替としては、加熱ワイヤーまたはフィラメント、例えばNi-Cr(ニッケルクロム)、白金、タングステン、または合金ワイヤーもしくは加熱プレートが挙げられる。随意に、内部ヒーターは、剛直な担体材料の中またはこの材料上に配置されてもよい。こうした一つの実施形態において、電気抵抗ヒーターは、温度と比抵抗の間で明確な関係を有する金属を使用して形成しうる。こうした例示的な装置において、金属は、セラミック材料などの適切な断熱材料上にトラックとして形成され、その後ガラスなどの別の断熱材料中に挟まれてもよい。この様態で形成されたヒーターは、動作中のヒーターの加熱と、その温度の監視との両方に使用されうる。
【0012】
外部ヒーターは、任意の適切な形態をとってもよい。例えば、外部ヒーターは、ポリイミドなどの誘電性基体上の一つ以上の可撓性の加熱箔の形態を取ってもよい。可撓性の加熱箔は、くぼみの周囲に適合する形状にすることができる。外部ヒーターはくぼみを囲むように配設されることが好ましい。別の方法として、外部ヒーターは、金属グリッド(単一または複数)、可撓性のプリント基板、成形回路部品(MID)、セラミックヒーター、可撓性の炭素繊維ヒーターの形態を取ってもよく、または適切な形状の基体上にプラズマ蒸着などの被覆技法を使用して形成されてもよい。外部ヒーターはまた、温度と比抵抗の間に明確な関係を有する金属を使用して形成されてもよい。こうした例示的な装置において、金属は適切な断熱材料の二層の間のトラックとして形成されうる。この方法で形成された外部ヒーターは、加熱するためと、動作中の外部ヒーターの温度をモニターするためとの両方に使用されてもよい。
【0013】
ヒーターは、有利なことに、伝導によってエアロゾル形成基体を加熱する。ヒーターは基体、または基体が配置されている担体と、少なくとも部分的に接触していてもよい。別の方法として、内部ヒーターまたは外部ヒーターのいずれかからの熱は、熱伝導性要素によって基体に伝導しうる。ヒーターは誘導ヒーターとして構成されてもよい。この場合、ヒーターは、サセプタ材料と、サセプタ材料を囲むように配設された誘導コイルとを含みうる。ブレードまたはピンの形態を有するサセプタ材料は、内部ヒーターとして配設され、誘導コイルは、サセプタ材料を囲むように配設されることが好ましい。
【0014】
ヒーターは、本体の一部であってもよい。しかしながら、ヒーターは上部カバーの一部であることが好ましい。したがって、ヒーターは、上部カバーと一緒に移動することが好ましい。第一の位置では、ヒーターは本体から延びうる。
【0015】
動作中、エアロゾル形成基体を含有するエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置内に部分的に包含されてもよい。その場合、ユーザーはエアロゾル発生物品を直接吸煙してもよい。
【0016】
くぼみは、円筒形状を有することが好ましい。くぼみは、基部を有することが好ましい。基部は、ヒーターが通過しうる開口部を有することが好ましい。くぼみは、近位端を含みうる。近位端は、エアロゾル発生物品の挿入のために開いていてもよい。くぼみは、近位端の反対側に遠位端を含みうる。遠位端は、くぼみの基部を含みうる。別の方法として、くぼみは、開いた遠位端を有してもよい。この場合、くぼみは基部を含まない場合がある。この場合、くぼみは管状であってもよい。排出器の近位端は、上部カバーが第一の位置にある場合、くぼみの遠位端に隣接して配設されうる。次いで、エアロゾル発生物品が、エアロゾル発生物品がくぼみの遠位端で排出器の近位端に当接するまで、くぼみ内に挿入されうる。第一の位置から第二の位置への上部カバーの移動後、排出器の近位端は、くぼみの近位端の近くに配設されうる。したがって、第二の位置では、くぼみは排出器の近位端によって閉じられうる。排出器の近位端は、平面であってもよい。排出器の近位端は、ヒーターが通過しうる開口部を含んでもよい。ヒーターは、上部カバーが第一の位置にある時に開口部を通って延びうる。ヒーターは、上部カバーが第二の位置にある時、開口部を通して部分的または完全に引っ込められうる。したがって、ヒーターは、エアロゾル発生物品の排出中に損傷から保護されうる。
【0017】
本明細書で使用される「上流」、「下流」、「近位」、「遠位」という用語は、ユーザーがその使用中にエアロゾル発生装置またはエアロゾル発生物品を吸う方向に対する、エアロゾル発生装置の構成要素または構成要素の部分の相対的な位置を説明するために使用される。
【0018】
くぼみは、任意の所望の形状を有してもよい。くぼみは、円筒または管状形状を有してもよい。くぼみは、エアロゾル発生装置とともに使用されるエアロゾル発生物品の断面に対応する断面を有することが好ましい。例えば、くぼみは、エアロゾル発生物品が特定の方法でのみくぼみ内に挿入されうることを意味する、キー式構成を可能にする断面を有してもよい。
【0019】
排出器は、本体または上部カバー、または好ましくは本体および上部カバーに対して移動可能に構成されることが好ましい。
【0020】
エアロゾル発生装置は、上部カバーを第一の位置に向けて付勢するための、少なくとも一つの第一の付勢要素、好ましくは第一のばねをさらに備えうる。
【0021】
エアロゾル発生装置は、上部カバーを第一の位置と第二の位置との間で移動させるための、上部カバーに取り付けられ、そしてエアロゾル発生装置の周辺上にアクセス可能に配設された少なくとも一つの突出要素を備えてもよい。エアロゾル発生装置の周辺は、上部カバーの外表面または上部カバーの外輪郭でありうる。突出要素は、ボタン、クリップ、レバー、突起またはピンであってもよい。突出要素は、上部カバーに当接することが好ましい。突出要素は、エアロゾル発生装置の長軸方向軸から垂直方向に離れるように、上部カバーの外表面から延びうる。突出要素の位置は、上部カバーに対して固定されてもよい。突出要素は、耐滑性を有してもよい。突出要素の表面は、鋸歯状であってもよい。突出要素は、プラスチックまたはゴムで作製されてもよい。
【0022】
本体は、スロットを備えてもよい。スロットは、本体の外表面上に設けられることが好ましい。本体の外表面は、本体の外輪郭でありうる。スロットは、本体のへこみまたは溝であってもよい。スロットは、エアロゾル発生装置の長軸方向に平行に延びうる。突出要素は、スロットと係合しうる。突出要素は、スロット内に配設されうる。突出要素は、突出要素が、エアロゾル発生装置の長軸方向軸に平行な方向にスロット内で移動可能であるように、スロットと係合することが望ましい。
【0023】
消費者は、好ましくは、エアロゾル発生装置の長軸方向軸に平行な方向に突出要素を押し出すことによって突出要素と係合して、上部カバーを第一の位置から第二の位置へ移動させてもよい。消費者は、好ましくは、エアロゾル発生装置の長軸方向軸に平行な方向に突出要素を押し出すことによって突出要素と係合して、上部カバーを第二の位置から第一の位置へ移動させてもよい。突出要素は、エアロゾル発生装置から突出しうる。ユーザーは、突出要素をユーザーの指と係合することによって、突出要素を移動させてもよい。突出要素の提供により、ユーザーが上部カバーの位置を変更する快適さが高まる。スロットは、上部カバーが突出要素によって移動されるときに、上部カバーの移動を案内しうる。スロットは、突出要素を動作させる快適さを高めうる。エアロゾル発生装置は、上部カバーを第二の位置に保持するための任意の公知の係止手段を含みうる。ユーザーがエアロゾル発生装置を動作させることを望む場合、ユーザーは、上部カバーが第二の位置に保持されなくなるように係止手段を動作させうる。ユーザーは、任意の公知の方法、例えば、ボタンを押すことによって、または上部カバーを押し下げることによって、または突出要素を押し出すことによって、係止手段を動作させうる。その後、少なくとも一つの第一の付勢要素は、上部カバーを、エアロゾル発生物品がくぼみ内に挿入され、エアロゾル発生装置が動作されうる第一の位置に自動的に移動させうる。第一の位置における動作後、ユーザーは、例えば、突出要素を押し出すことによって、付勢要素の保持動作に対して上部カバーを第二の位置に押し戻してもよく、消費されたエアロゾル発生物品が、排出器によってくぼみから自動的に排出されうる。さらに、ユーザーは、上部カバーが第二の位置に達すると、エアロゾル発生装置が再び第二の位置で保持されるように、係止手段を起動させうる。係止手段は、上部カバーが第一の位置から第二の位置に移動した時に、自動的起動されてもよい。例えば、係止手段は、スナップまたはロックイン接続を含みうる。係止手段は、ユーザーが上部カバーを押すか、または突出要素を押し出すことによって係合または係合解除されうる。上部カバーは、最初は第二の位置に保持されることが好ましい。ユーザーの第一の押し出しでは、係止手段は、上部カバーが少なくとも一つの付勢要素によって第一の位置に向かって移動するように、係合解除されうる。エアロゾル発生装置の動作後、ユーザーは、第二の押し出しによって、上部カバーを、係止手段が係合して上部カバーを第二の位置に確実に保持する第二の位置に再び移動させうる。
【0024】
エアロゾル発生装置は、第一の位置から第二の位置への上部カバーの移動中に、排出器をくぼみに向けて付勢させるための、少なくとも一つの第二の付勢要素、好ましくは第二のばねをさらに備えうる。
【0025】
少なくとも一つの第二の付勢要素は、第一の位置から第二の位置への上部カバーの移動中に排出器がくぼみ内に押し込まれることを確実にしうる。第二の位置から第一の位置への移動中、少なくとも一つの第二の付勢要素は、排出器を本体から離れるように押し出しうる。一方、排出器は、上部カバーを本体から離れるよう第一の位置に向かって押し出しうる。したがって、少なくとも一つの第二の付勢要素は、上部カバーを第一の位置に向けて付勢しうる。
【0026】
上部カバーおよび本体のうちの一つ以上は、本体に対する上部カバーの移動を案内するための案内要素を含んでもよい。
【0027】
案内要素は、本体および上部カバーのうちの一つ以上に、スリットまたはくぼみまたは溝として提供されうる。案内要素が本体内に配設される場合、上部カバーは、案内要素と係合する対応する要素を含み、その逆も可である。案内要素は、第一の位置から第二の位置への上部カバーの確実な移動を促進し、その逆も可である。
【0028】
くぼみはヒーターを備えてもよく、排出器は開口部を備えてもよく、開口部は、ヒーターが第一の位置から第二の位置への上部カバーの移動中に開口部を通過するように配設されうる。開口部は、排出器の近位端に配設されうる。
【0029】
排出器は、中空形状を有してもよい。上部カバーは、ヒーターを含んでもよい。上部カバーは、排出器の内側を摺動するように構成されてもよい。上部カバーのヒーター取り付けセクションは、排出器の内側を摺動するように構成されうる。ヒーターは、排出器内部で摺動可能であるように構成された上部カバー上に取り付けられてもよい。第一の位置では、ヒーターは、排出器の近位端の開口部を通って延びうる。第二の位置では、ヒーターは、開口部を通して部分的または完全に引っ込められうる。
【0030】
排出器は、ヒーターが開口部を通過する時にヒーターをクリーニングするために、開口部を少なくとも部分的に囲む第一のクリーニング要素を含んでもよい。
【0031】
第一のクリーニング要素は、弾性要素(elastic element)を含みうる。第一のクリーニング要素は、弾性要素(resilient element)を含みうる。第一のクリーニング要素は、ワイパーとして、好ましくは二つの対向するワイパーとして構成されてもよい。第一のクリーニング要素は、排出器の近位端の開口部を完全に囲んでもよい。ヒーターと排出器の開口部との間にギャップが提供されてもよい。ギャップは、約0.25mm~約3mmの幅を有してもよく、より好ましくは、約0.5mm~約1.5mmの幅を有してもよい。第一のクリーニング要素は、ヒーターが開口部を通って延びない場合、開口部を閉じてもよい。開口部を閉じることにより、汚染が開口部に入ることが防止されうる。第一のクリーニング要素は、開口部をシール、好ましくは、密封シールしうる。第一のクリーニング要素は、開口部の防水を促進しうる。第一のクリーニング要素は、ヒーターが開口部を通って延びる時に、ヒーターに対して置かれうる。第一のクリーニング要素は、ヒーターが開口部を通って移動した時に、ヒーターから望ましくない残留物を掻き落としうる。第一のクリーニング要素は、膜として構成されてもよい。第一のクリーニング要素は、金属合金、好ましくはステンレス鋼合金医療グレード、グラフェン化合物、セラミドマイクロ微粒子を有するグラフェン化合物のうちの一つ以上を含んでもよく、好ましくはそれらで作製される。第一のクリーニング要素は、約0.07mm~約0.7mm、好ましくは約0.25mm~約0.55mmの厚さを有してもよい。第一のクリーニング要素は、少なくともヒーターに対して置かれる時に、下流方向に向かって延びてもよく、または曲げられてもよい。第一のクリーニング要素は、概して横方向の形状およびヒーターに接触する上向きに曲げられた端部を有してもよい。ヒーターと第一のクリーニング要素との間の迎え角は、約2°~約9°、好ましくは約3°~約7°であってもよい。迎え角は、ヒーターの長軸方向軸から測定されうる。第一のクリーニング要素の端部は、第一のクリーニング要素の横方向部分と比較して、約1.5mm~約7mm、好ましくは約2mm~約5mm曲げられてもよい。
【0032】
排出器は、第一の位置から第二の位置への上部カバーの移動中にくぼみ内に貫通するように構成されうる。排出器は、第一の位置から第二の位置への上部カバーの移動中にくぼみ内に押し込まれうる。第二の付勢要素は、排出器を押し出しうる。
【0033】
排出器は、くぼみに面する排出器の近位端に、好ましくはこれを囲むように配設された第二のクリーニング要素を含んでもよい。第二のクリーニング要素は、第一の位置から第二の位置への上部カバーの移動中に、くぼみの内壁をクリーニングするために配設されうる。
【0034】
第二のクリーニング要素は、金属合金、好ましくはステンレス鋼合金医療グレード、グラフェン化合物、セラミド微粒子を有するグラフェン化合物のうちの一つ以上を含んでもよく、好ましくはそれらで作製される。第二のクリーニング要素は、約0.1mm~約0.8mm、好ましくは約0.3mm~約0.5mmの厚さを有してもよい。第二のクリーニング要素は、第一のクリーニング要素と同じ材料を含んでもよい。第二のクリーニング要素は、弾性要素(elastic element)を含みうる。第二のクリーニング要素は、弾性要素(resilient element)を含みうる。第二のクリーニング要素は、排出器の近位端の外周を完全に囲んでもよい。第二のクリーニング要素は、リングとして構成されてもよく、またはリング形状を有してもよい。排出器の外周とくぼみの側壁との間に、ギャップが提供されてもよい。ギャップは、約0.25mm~約4mm、より好ましくは約0.75mm~約2mmの幅を有しうる。第二のクリーニング要素は、排出器の外周をわずかに超えて延びて、ギャップを架橋してもよい。第二のクリーニング要素は、排出器の近位端と共に、くぼみの遠位端を閉じうる。くぼみの遠位端を閉じることにより、汚染がくぼみの遠位端を通って入ることが防止されうる。第二のクリーニング要素は、ギャップをシール、好ましくは密封シールしうる。第二のクリーニング要素は、ギャップ、すなわち、くぼみの遠位端における排出器の外周の防水性を促進しうる。第一および第二のクリーニング要素は共に、エアロゾル発生装置の防水性を促進しうる。第二のクリーニング要素は、くぼみの側壁に対して置かれてもよい。第二のクリーニング要素は、上部カバーが第一の位置から第二の位置に移動した時に、くぼみの側壁から望ましくない残留物を掻き落としうる。第二のクリーニング要素は、膜として構成されてもよい。第二のクリーニング要素は、下流方向に向かって延びてもよく、または曲げられてもよい。第二のクリーニング要素は、概して横方向の形状およびくぼみの側壁に接触する上向きに曲げられた端部を有してもよい。くぼみの側壁と第二のクリーニング要素との間の迎え角は、約2°~約15°、好ましくは約4°~約11°でありうる。迎え角は、くぼみの側壁の長軸方向延長部から測定されうる。第二のクリーニング要素の端部は、第二のクリーニング要素の横方向部分と比較して、約0.75mm~約5mm、好ましくは約1mm~約3mm曲げられてもよい。
【0035】
上部カバーおよびくぼみ側壁のうちの一つ以上は、プラスチックまたはステンレス鋼合金などの金属を含んでもよく、好ましくはこれらから作製されてもよい。
【0036】
上部カバーおよび本体のうちの一つ以上は、上部カバーが第一の位置にあるか、または第二の位置にあるかどうかを検出するように構成された検出器、好ましくは電気スイッチを備えてもよい。
【0037】
検出器は、上部カバーと本体との間に配設されうる。検出器は、上部カバーが本体に向かって引っ込められた時を検出するように構成されてもよい。検出器は、上部カバーが第二の位置にある時に、上部カバーのくぼみに隣接する、好ましくは直接的に当接して本体に配設されうる。上部カバーが検出器の一部分を含み、本体が検出器の一部分を含んでもよい。上部カバーの検出器の一部分が本体の検出器の一部分の近くになると、検出器は、上部カバーが第二の位置にあることを検出しうる。別の方法として、または追加的に、検出器の一部分は、上部カバーの第一の位置および第二の位置に対応して、本体および上部カバーのうちの一つ以上の位置に配設されてもよい。検出器の一部分は、上部カバーが第一の位置にある時を検出するように構成されてもよい。
【0038】
検出器の出力に応じて、エアロゾル発生装置は自動的に起動または停止されてもよい。エアロゾル発生装置は、検出器が上部カバーが第一の位置にあることを検出すると自動的に起動されてもよい。この場合、吸入可能なエアロゾルを発生するために、エアロゾル発生物品がくぼみ内に挿入されうる。上部カバーが第一の位置から第二の位置に移動すると、検出器は、上部カバーが第二の位置にあることを検出し、エアロゾル発生装置を停止しうる。「起動」という用語は、ヒーターを動作させることを指しうる。「停止」という用語は、ヒーターを動作させないことを指しうる。望ましくない起動は、本発明によって防止されうる。起動または停止は、上部カバーの移動のみにより、ボタンを使用せずに促進されうる。
【0039】
第一のクリーニング要素および第二のクリーニング要素のうちの一つ以上は、上部カバーが第二の位置にある時に、くぼみを閉じる、好ましくはシールする、より好ましくは密封シールするシール要素として構成されうる。
【0040】
第二の位置では、くぼみは、実質的に、好ましくは完全に少なくとも排出器によって占有されうる。この場合、排出器の近位端は、くぼみの近位端に配設されうる。排出器の近位端は、第一のクリーニング要素および第二のクリーニング要素のうちの一つ以上によって閉じられうる。より詳細には、排出器の近位端にある潜在的な開口部が、第一のクリーニング要素によって閉じられうる。第二のクリーニング要素は、排出器の外周とくぼみの内壁との間のギャップを閉じうる。したがって、クリーニング要素は、二重の機能を有しうる。クリーニング要素の第一の機能は、ヒーターおよびくぼみの内壁のうちの一つ以上をクリーニングすることでありうる。クリーニング要素の第二の機能は、排出器の近位端を閉じることによって、くぼみの近位端を閉じることでありうる。
【0041】
排出器は、ポリマー成分またはステンレス鋼合金などの金属を含んでもよく、好ましくはこれらで作製される。
【0042】
排出器の近位端において、排出器は、一つ以上の開口部を含みうる。開口部は、気流が排出器を通ってくぼみ内に入ることを可能にする空気吸込み口として構成されうる。上部カバーおよび本体のうちの一つ以上は、気流が、装置を通って、エアロゾル発生物品がその中に配置されるくぼみに向かうことを可能にする一つ以上の空気吸込み口を含みうる。
【0043】
上部カバーは、エアロゾル発生物品がくぼみ内に完全に挿入されうる時を示すように構成されたインジケータを備えてもよい。
【0044】
インジケータは、振動などの触覚手段、LEDによるなどの視覚的手段、および音、例えば、機械的な「クリック」によるなどの音声手段のうちの一つ以上によって、エアロゾル発生物品の完全な挿入を示し、これによって電子機器を不要にしてもよい。インジケータは、マイクロ機械的スイッチまたは光学センサーまたは近接センサーを含みうる。排出器の近位端には、機械的クリッカーリッドが配設されてもよく、これは、排出器またはヒーターが加圧されて、圧力が所定の閾値を超えると起動されうる。
【0045】
エアロゾル発生装置はまた、ラッチ手段を備えうる。ラッチ手段は、エアロゾル発生装置の二つの構成要素を一緒に解放可能に係止しうる。ラッチ手段は、「メス」および「オス」コネクターを含みうる。オスコネクターは、突起部(protuberance)、突出部、または突起部(protrusion)を含みうる。メスコネクターは、ノッチ、陥凹部、またはレセプタクルを含みうる。オスコネクターは、メスコネクターと係合してもよく、例えば、突起部が陥凹部によって受けられてもよい。オスコネクターは、エアロゾル発生装置の一つの構成要素の一部であってもよく、メスコネクターは、エアロゾル発生装置の別の構成要素の一部であってもよい。こうした二つの構成要素は、オスコネクターとメスコネクターとの間の係合によって互いに解放可能に係止されうる。上部カバーがメスコネクターを備え、排出器がオスコネクターを備えてもよく、またはその逆も可である。ラッチ手段は、排出器を上部カバーに解放可能に係止しうる。ラッチ手段は、排出器を本体に解放可能に係止しうる。上部カバーは、ノッチまたは陥凹部を含みうる。上部カバーのノッチまたは陥凹部は、排出器に面する上部カバーの表面上に配置されうる。ノッチまたは陥凹部は、三角形の断面を有してもよい。排出器は、突起部を備えてもよい。突起部(protuberance)は、突出部または突起部(protrusion)であってもよい。突起部はレバーであってもよい。突起部は、上部カバーに面する排出器の表面上に配置されてもよい。突起部は、弾性材料から作製されてもよい。突起部は、排出器に対して移動可能であってもよい。ラッチ手段は、上部カバーのノッチまたは陥凹部、および排出器の突起部を含みうる。上部カバーのノッチまたは陥凹部は、排出器の突起部に対して構造的に相補的でありうる。排出器の突起部は、上部カバーのノッチまたは陥凹部と係合しうる。ノッチまたは陥凹部と係合することによって、突起部が排出器を上部カバーに一時的に係止しうる。エアロゾル発生装置は、解放手段を備えうる。ラッチ手段は、上部カバーのノッチまたは陥凹部、排出器の突起部、および解放手段を含みうる。解放手段は、オスコネクターをメスコネクターから係合解除してもよく、その逆も可である。解放手段は、突起部をノッチまたは陥凹部から係合解除しうる。解放手段は、円筒、ピン、ロッド、バー、ポール、または突起部に圧力を加えることができる任意の他の手段でありうる。解放手段は固体であってもよい。解放手段は、固体円筒であってもよい。解放手段は、保護要素を含みうる。保護要素は、ユーザーがアクセス可能でありうる。保護要素は、ドーム形状であってもよい。保護要素は、軟質材料から作製されてもよい。保護要素は、弾性材料から作製されてもよい。保護要素は、プラスチックまたはゴムから作製されてもよい。ユーザーは、保護要素と係合してもよい。保護要素は、ユーザーの快適さを増大しうる。本体または上部カバーは、開口部を備えてもよい。本体および上部カバーが、開口部を備えてもよい。解放手段は、開口部内に移動可能に挿入されてもよい。開口部は、上部カバーのノッチまたは陥凹部に隣接して配置されてもよい。開口部は、解放手段が突起部と係合するように配置されてもよい。好ましくは、解放手段は、突起部が上部カバーのノッチまたは陥凹部から離れるように押し出されるように、突起部上に圧力をかけるのに使用されうる。ノッチまたは陥凹部を突起部から係合解除した後、排出器は、上部カバーに対して移動可能でありうる。排出器は、第二の付勢要素によって上部カバーに対して移動可能でありうる。
【0046】
使用時に、ユーザーは、上部カバーおよび本体に対して排出器を移動させうる。くぼみが閉じられると、ユーザーは、例えば、エアロゾル発生物品を挿入することによって、排出器を第二の付勢要素に向かって押し出し、くぼみを開いてもよい。排出器のノッチまたは陥凹部と突起部の相対的位置が合致すると、排出器および突起部のノッチまたは陥凹部が互いに係合して、排出器を上部カバーに一時的に連結する。この構成では、消費者が発生したエアロゾルを吸入できるように、エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品を加熱することによってエアロゾルを発生しうる。消費者が終了すると、エアロゾル発生物品は、解放手段を使用して取り外されうる。解放手段と係合することによって、ユーザーは、突起部がノッチまたは陥凹部から係合解除されるように、突起部を排出器に向かって、ノッチまたは陥凹部から離れるように押し出しうる。ノッチまたは陥凹部と突起部との間の連結が係合解除されると、第二の付勢要素は、くぼみが閉じられるように、排出器をくぼみの近位端に向かって押し出しうる。
【0047】
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」は、エアロゾル形成基体と相互作用してエアロゾルを発生する装置に関する。エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の一部、例えば喫煙物品の一部であってもよい。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体と相互作用してユーザーの口を通してユーザーの肺の中に直接吸入可能なエアロゾルを発生する喫煙装置であってもよい。エアロゾル発生装置はホルダーであってもよい。装置は、電気加熱式の喫煙装置であってもよい。
【0048】
本明細書で使用される「エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有するエアロゾル形成基体を含む物品を指す。例えば、エアロゾル発生物品は、ユーザーの口を通ってユーザーの肺の中に直接吸入可能なエアロゾルを発生する喫煙物品であってもよい。エアロゾル発生物品は使い捨てであってもよい。たばこを含むエアロゾル形成基体を備える喫煙物品は、たばこスティックと呼ばれる。
【0049】
エアロゾル発生物品は実質的に円筒状であってもよい。エアロゾル発生物品は実質的に細長くてもよい。エアロゾル発生物品は、長さと、その長さに対して実質的に直角を成す円周とを有してもよい。エアロゾル形成基体は実質的に円筒状の形状であってもよい。エアロゾル形成基体は実質的に細長くてもよい。エアロゾル形成基体はまた、長さと、その長さに対して実質的に直角を成す円周とを有してもよい。
【0050】
エアロゾル発生物品は、およそ30mm~およそ100mmの全長を有してもよい。エアロゾル発生物品は、およそ5mm~およそ12mmの外径を有してもよい。エアロゾル発生物品はフィルタープラグを備えてもよい。フィルタープラグは、エアロゾル発生物品の下流端に位置してもよい。フィルタープラグは、セルロースアセテートフィルタープラグであってもよい。一実施形態において、フィルタープラグは、およそ7mmの長さであるが、およそ5mm~およそ10mmの長さを有してもよい。
【0051】
一実施形態において、エアロゾル発生物品はおよそ45mmの全長を有する。エアロゾル発生物品は、およそ7.2mmの外径を有してもよい。さらに、エアロゾル形成基体は、およそ10mmの長さを有してもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は、およそ12mmの長さを有してもよい。さらに、エアロゾル形成基体の直径は、およそ5mm~およそ12mmであってもよい。エアロゾル発生物品は外側紙ラッパーを備えてもよい。さらに、エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体とフィルタープラグの間に分離部を備えてもよい。分離部は、およそ18mmであってもよいが、およそ5mm~およそ25mmの範囲であってもよい。
【0052】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体に関する。こうした揮発性化合物は、エアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。エアロゾル形成基体は好都合なことに、エアロゾル発生物品または喫煙物品の一部であってもよい。
【0053】
エアロゾル形成基体は固体エアロゾル形成基体であってもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は固体構成要素と液体構成要素の両方を備えてもよい。エアロゾル形成基体は、加熱に伴い基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は非たばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、高密度で安定したエアロゾルの形成を容易にするエアロゾル形成体をさらに含んでもよい。適切なエアロゾル形成体の例は、グリセリンおよびプロピレングリコールである。
【0054】
エアロゾル形成基体が固体エアロゾル形成基体である場合、固体エアロゾル形成基体は、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎の断片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこ、キャストリーフたばこ、および膨化たばこのうちの一つ以上を含有する、例えば粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片、またはシートのうちの一つ以上を含んでもよい。固体エアロゾル形成基体は、ばらの形態であってもよく、または適切な容器またはカートリッジで提供されてもよい。随意に、固体エアロゾル形成基体は、基体の加熱に伴い放出される追加的なたばこまたは非たばこ揮発性風味化合物を含有してもよい。固体エアロゾル形成基体はまた、例えば追加的なたばこまたは非たばこ揮発性風味化合物を含むカプセルも含有してもよく、こうしたカプセルは固体エアロゾル形成基体の加熱中に溶けてもよい。
【0055】
本明細書で使用される「均質化したたばこ」は、粒子状たばこを凝集することによって形成された材料を指す。均質化したたばこは、シートの形態であってもよい。均質化したたばこ材料は、乾燥重量基準で約5%超のエアロゾル形成体含有量を有してもよい。別の方法として、均質化したたばこ材料は、乾燥重量基準で約5~約30重量%のエアロゾル形成体含有量を有してもよい。均質化したたばこ材料シートは、たばこ葉ラミナおよびたばこ葉茎のうちの一方または両方を粉砕することによって、またはその他の方法で組み合わせることによって得られた粒子状たばこを凝集することによって形成されてもよい。別の方法として、または追加的に、均質化したたばこ材料シートは、例えばたばこの処理、取り扱い、および発送中に形成されたたばこダスト、たばこの微粉、その他の粒子状たばこ副産物のうちの一つ以上を含んでもよい。均質化したたばこ材料シートは、粒子状たばこの凝集を助けるために、一つ以上の本来備わっている結合剤(すなわち、たばこ内在性結合剤)、一つ以上の外来的な結合剤(すなわち、たばこ外来性結合剤)、またはこれらの組み合わせを含んでもよいが、別の方法として、または追加的に、均質化したたばこ材料シートは、たばこおよび非たばこ繊維、エアロゾル形成体、湿潤剤、可塑剤、風味剤、充填材、水性および非水性の溶剤、ならびにこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されないその他の添加物を含んでもよい。
【0056】
随意に、固体エアロゾル形成基体は、熱的に安定な担体上に提供されてもよく、またはその中に包埋されてもよい。担体は、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片またはシートの形態を取ってもよい。別の方法として、担体は、その内表面上、またはその外表面上、またはその内表面と外表面の両方の上に堆積された固体基体の薄い層を有する、管状の担体であってもよい。こうした管状の担体は、例えば紙、または紙様の材料、不織布炭素繊維マット、低質量の目の粗いメッシュ金属スクリーン、もしくは穿孔された金属箔、または任意の他の熱的に安定した高分子マトリクスで形成されてもよい。
【0057】
特に好ましい一実施形態において、エアロゾル形成基体は均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合体を含む。本明細書で使用される「捲縮したシート」という用語は、複数の実質的に平行な隆起または波形を有するシートを意味する。エアロゾル発生物品が組み立てられた時、実質的に平行な隆起または波形は、エアロゾル発生物品の長軸方向軸に沿って、またはこれと平行に延びることが好ましい。これは有利なことに、均質化したたばこ材料の捲縮したシートを集合してエアロゾル形成基体を形成するのを容易にする。しかし、当然のことながら、エアロゾル発生物品に含めるための均質化したたばこ材料の捲縮したシートは別の方法として、または追加的に、エアロゾル発生物品が組み立てられた時に、エアロゾル発生物品の長軸方向軸に対して鋭角または鈍角で配置されている複数の実質的に平行な隆起または波形を有してもよい。ある特定の実施形態において、エアロゾル形成基体は、実質的にその表面全体にわたって実質的に均等にきめのある均質化したたばこ材料のシートの集合体を含んでもよい。例えば、エアロゾル形成基体は、シートの幅にわたって実質的に均等に離隔している複数の実質的に平行な隆起または波形を含む均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合体を含んでもよい。
【0058】
固体エアロゾル形成基体は、例えばシート、発泡体、ゲル、またはスラリーの形態で担体の表面上に堆積されてもよい。固体エアロゾル形成基体は担体の表面全体の上に堆積されてもよく、または別の方法として、使用中に不均一な風味送達を提供するためのパターンで堆積されてもよい。
【0059】
エアロゾル発生装置は、電気回路を備えてもよい。電気回路はマイクロプロセッサを備えてもよく、これはプログラム可能マイクロプロセッサであってもよい。マイクロプロセッサはコントローラの一部としうる。電気回路はさらなる電子構成要素を備えてもよい。電気回路はヒーターへの電力供給を調節するように構成されてもよい。電力はエアロゾル発生装置の起動後にヒーターに連続的に供給されてもよく、または毎回の吸煙ごとなど、断続的に供給されてもよい。電力は、電流パルスの形態でヒーターに供給されてもよい。電気回路は、ヒーターの電気抵抗をモニターし、かつ好ましくはヒーターの電気抵抗に応じてヒーターへの電力供給を制御するように構成されうる。電気回路は、本体内に配設されてもよい。
【0060】
エアロゾル発生装置は、本体内に電源(典型的には電池)を備えてもよい。代替として、電源は、コンデンサーなどの別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は、再充電を必要とする場合があり、また一回以上の喫煙体験のために十分なエネルギーの蓄積を可能にする容量を有してもよい。例えば、電源は約6分間、または6分の倍数の時間にわたってエアロゾルを連続的に発生するのに十分な容量を有してもよい。別の実施例では、電力供給源は、所定の吸煙回数またはヒーターの不連続的な起動を提供するために十分な容量を有してもよい。
【0061】
本発明はまた、上述のようなエアロゾル発生装置を備えるエアロゾル発生システムおよびエアロゾル形成基体を備えるエアロゾル発生物品にも関する。
【0062】
エアロゾル発生装置からエアロゾル発生物品を排出するための方法も提供されており、方法は、
【0063】
本体と、上部カバーであって、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品をくぼみ内に挿入するように構成されたくぼみを含む、上部カバーと、排出器とを備えるエアロゾル発生装置を提供する工程であって、上部カバーが、本体に対して第一の位置と第二の位置との間で移動可能であり、第一の位置では、上部カバーは本体から延び、くぼみはエアロゾル発生物品の挿入のためにアクセス可能であり、第二の位置では、上部カバーは本体に向かって引っ込められ、くぼみは閉じられ、排出器は、第一の位置から第二の位置への上部カバーの移動中にエアロゾル発生物品をくぼみから排出するように構成される、提供する工程と、
上部カバーを第一の位置に配設する工程と、
上部カバーのくぼみ内にエアロゾル発生物品を挿入する工程と、
上部カバーを第一の位置から第二の位置に移動させて、それによってエアロゾル発生物品を排出器によって上部カバーのくぼみから排出する工程と、を含む。
【0064】
方法は、エアロゾル発生装置を動作させる工程を含んでもよい。エアロゾル発生装置を動作させることは、ヒーターを起動する工程を含みうる。方法は、エアロゾル発生装置を起動する工程を含んでもよい。エアロゾル発生装置の起動は、ヒーターを起動する工程を含みうる。方法は、ヒーターによってエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体を貫通する工程を含みうる。
【0065】
例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0066】
図1図1は、本発明の実施形態によるエアロゾル発生装置の部分の断面図を示す。
図2図2は、エアロゾル発生装置の本体の部分の断面図を示す。
図3図3は、エアロゾル発生装置の排出器の断面図を示す。
図4図4は、エアロゾル発生装置の上部カバーの断面図を示す。
図5図5は、エアロゾル発生装置の上部カバーのくぼみ内に挿入されたエアロゾル発生物品の断面図を示す。
図6図6は、第二の位置にある上部カバーの断面図を示す。
図7図7は、開口部、および第一のクリーニング要素および第二のクリーニング要素を有する排出器の近位端を示す。
図8図8は、開口部、および第一のクリーニング要素および第二のクリーニング要素を有する排出器の近位端を示し、ヒーターは、開口部を通って延びている。
図9図9は、エアロゾル発生装置の断面図を示し、上部カバーの位置を検出するための検出器を示している。
図10図10は、エアロゾル発生物品の完全な挿入を示すためのインジケータを示す。
図11図11は、エアロゾル発生装置の動作、および第一の位置と第二の位置との間の上部カバーの移動を示す。
図12図12は、係合状態にあるラッチ手段を備えたエアロゾル発生装置の部品の断面図を示す。
図13図13は、係合解除プロセスにあるラッチ手段を備えたエアロゾル発生装置の部品の断面図を示す。
図14図14は、係合解除状態にあるラッチ手段を備えたエアロゾル発生装置の部品の断面図を示す。
図15図15は、突起部を含む排出器の断面図を示す。
図16図16は、解放手段の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0067】
図1は、本発明の実施形態によるエアロゾル発生装置の部分の断面図を示す。図示したエアロゾル発生装置は、本体10、上部カバー12および排出器14を備える。
【0068】
図1に示す上部カバー12は、加熱チャンバーを構成するくぼみ16を含む。くぼみ16は、エアロゾル発生装置の長軸方向軸に平行に延びる。くぼみ16は、下流方向18に向かって開いている。言い換えれば、くぼみ16は、上部カバー12の近位端20で開いている。ヒーター22は、くぼみ16内に配設される。ヒーター22は、くぼみ16の中央に配設される。ヒーター22は、加熱ブレードとして構成される。しかしながら、他の実施形態では、ヒーターは加熱ピンとして形作られうることが理解されよう。ヒーター22は、抵抗発熱体(図示せず)を含みうる。
【0069】
くぼみ16の上流端24または遠位端30であるくぼみ16の基部には、排出器14の近位端または下流端26が配設される。排出器14は、開口部28を有する平面近位端26を有する。開口部28は、ヒーター22が開口部28を通って延びることができるように提供される。ヒーター22は、上部カバー12上に取り付けられる。ヒーター22が取り付けられる上部カバー12の部分は、排出器14に達している。この理由から、排出器14は中空であり、遠位端で開いている。排出器14は、中空形状を有する。
【0070】
排出器14の内側に配設される上部カバー12の部分は、上部カバー12に対する排出器14の、またはその逆の移動が上部カバー12のカラーの排出器14の溝または陥凹部34内の移動によって制限されるように、排出器14の対応する溝または陥凹部34内に達するカラー32を含む。
【0071】
上部カバー12は、エアロゾル発生装置の長軸方向軸に平行に延びる第一の案内くぼみ36を含みうる。第一の付勢要素38、好ましくは第一のばね38は、第一の案内くぼみ36内に配設される。第一の案内くぼみ36は、管状形状を有してもよい。第一の案内くぼみ36は、下流または近位端で閉じていてもよい。第一の案内くぼみ36は、上流または遠位端で開いていてもよい。第一の案内くぼみ36は、本体10の対応する第一の突出部40の上に嵌合するように形作られうる。第一の案内くぼみ36および本体10の第一の突出部40は、第一の突出部40が第一の案内くぼみ36内で摺動しうるような寸法でありうる。この配置は、本体10に対する上部カバー12の案内された確実な移動を促進しうる。第一の付勢要素38は、第一の案内くぼみ36と第一の突出部40との間に第一の案内くぼみ36内に配設されうる。第一の付勢要素38は、第一の突出部40の近位端に取り付けられてもよい。第一の付勢要素38は、上部カバー12を、上部カバー12が本体10から離れるように延びる第一の位置に向けて付勢するように構成されうる。
【0072】
上部カバー12は、第二の案内くぼみ42を含んでもよい。第二の案内くぼみ42は、エアロゾル発生装置の長軸方向軸に平行に延びうる。第二の案内くぼみ42は、管状形状を有してもよい。対応する第二の突出部44は、本体10に配設されうる。第二の突出部44は、本体10に対する上部カバー12の確実な移動を促進するために、第二の案内くぼみ42内に突出しうる。望ましい場合、三つ以上の案内くぼみおよび三つ以上の突出部が提供されてもよい。また、望ましい場合、本体10がくぼみを含み、上部カバー12が突出部を含んでもよい。上部カバー12は、図1に示すように、例えば、排出器14の移動を案内するための、さらなる案内くぼみを含んでもよい。
【0073】
排出器14と本体10との間に、第二の付勢要素46、好ましくは第二のばねが配設されてもよい。第二の付勢要素46は、上部カバー12内に達しうる、本体10の停止部48に取り付けられてもよい。停止部48は、本体10に対する上部カバー12の移動を制限しうる。停止部48は、上部カバー12が本体10から完全に係合解除されることを防止しうる。停止部48は、上部カバー12が第一の位置よりもさらに本体10から離れて延びることを防止しうる。第二の付勢要素46は、排出器14を本体10から離れるように付勢しうる。
【0074】
動作中、エアロゾル発生装置は、図11に関して以下でより詳細に説明されるように、最初は第二の位置にありうる。第二の位置では、上部カバー12は、本体10に向かって引っ込められる。ユーザーは、好ましくは、係止手段を押す、または上部カバー12を押すことによって、係止手段を停止しうる。係止手段を停止することによって、上部カバー12と本体10との間の係止作用が停止され、第一の付勢要素38は、上部カバー12を、本体10から離れるように第一の位置に向かって押し出しうる。次に、上部カバー12のくぼみ16が、上部カバー12が本体10から離れるように移動し、排出器14から離れるように移動することによって生成される。さらに、上部カバー12上に取り付けられたヒーター22は、ヒーター22がくぼみ16内に配設されるように、排出器14の近位端26で開口部28を通過する。上部カバーが第一の位置に達すると、エアロゾル発生物品50は、ヒーター22がエアロゾル発生物品50に含有されるエアロゾル形成基体内に貫通するように、ユーザーによってくぼみ16内に挿入されてもよい。その後、ヒーター22が、吸入可能なエアロゾルを生成するために起動されうる。エアロゾル発生物品50中のエアロゾル形成基体が消費された後、ユーザーは、装置を停止し、エアロゾル発生物品50を排出することを望む場合がある。これを促進するために、ユーザーは、上部カバー12を本体10に向かって押し下げてもよい。上部カバー12を本体10に向かって押し出すことによって、排出器14、より正確には排出器14の平面近位端26がエアロゾル発生物品50に対して押し付けられ、エアロゾル発生物品50をくぼみ16から自動的に排出する。同時に、ヒーター22は、開口部28を通して、エアロゾル発生物品50のエアロゾル形成基体から引っ込められる。くぼみ16は小さくなり、移動の終了時には、排出器14によって実質的に完全に占有される。次に、上部カバー12は、再び第二の位置に位置付けられる。上部カバー12は、第二の位置においてきれいな外観を有する。上部カバー12のくぼみ16は、くぼみ16の汚染が防止されるように、第二の位置において排出器14によって占有される。さらに、くぼみ16は、図7および図8に関してより詳細に後述するように、自動的にクリーニングされる。
【0075】
図2は、上部カバー12から、および排出器14から分離された本体10を示す。図2に示す実施形態では、本体10は、上部カバー12が本体10および排出器14と一緒に組み立てられた時に上部カバー12内に突出する第一の突出部40および第二の突出部44を含む。図2では、本体10の停止部48を明確に見ることができる。停止部48と本体10の下部停止部との間に、案内レール52が、上部カバー12と本体10との間の摺動移動を促進するために配設されうる。
【0076】
図3は、排出器14を分離して示している。排出器14は、実質的に中空形状を有する。排出器14は、開口部28を有する平面近位端26を含む。開口部28は、上部カバー12上に取り付けられたヒーター22が開口部28を通過し、これを通って延びることができるように提供される。排出器14は、排出器14の実質的に管状セクションを構成する側壁を含む。管状セクション内では、ヒーター22を取り付けるための上部カバー12の突出部は、図1に示すように、摺動可能に配設されうる。管状セクションの内側側壁は、上部カバー12の突出部のカラー32が、排出器14に対する上部カバー12の摺動移動を促進するように配設されうる、溝または陥凹部34を含んでもよい。
【0077】
図4は、本体10から、および排出器14から分離された上部カバー12を示す。上部カバー12は、加熱チャンバーとして配設されるくぼみ16を含む。ヒーター22は、くぼみ16内に配設され、上部カバー12の突出部上に取り付けられる。ヒーター22が取り付けられる上部カバー12の突出部は、排出器14が上部カバー12および本体10と組み立てられる場合、排出器14内に摺動可能に配設される。図4に示すような上部カバー12は、本体10の突出部に対応する寸法である、第一および第二の案内くぼみ42を示す。
【0078】
図5は、上部カバー12が第一の位置に配設されているエアロゾル発生装置を示す。図5はさらに、上部カバー12のくぼみ16内に挿入されたエアロゾル発生物品50を示す。したがって、図5は、エアロゾル発生装置を動作させてエアロゾルを発生することができる構成を示す。
【0079】
図6は、上部カバー12が第二の位置に配設されているエアロゾル発生装置を示す。したがって、図6に示す上部カバー12は、本体10に向かって引っ込められ、係止手段によって保持される。係止手段は図6には図示されていないが、当業者に公知の任意の従来的な係止手段でありうる。第一の付勢要素38および第二の付勢要素48は、上部カバー12への付勢作用が上部カバー12を第一の位置に向けて付勢し、排出器14への付勢作用が排出器14を本体10から離れるように付勢するように圧縮される。エアロゾル発生装置の近位端は、上部カバー12の近位端20および排出器14の近位端26によって形成される。これに関して、排出器14の近位端26は、くぼみ16内に貫通し、排出器14は、上部カバー12の第二の位置においてくぼみ16を占有する。
【0080】
図7は、排出器14の近位端26のクローズ図を示す。図7に見られるように、排出器14は、ヒーター22が通過しうる開口部28を含む。第一のクリーニング要素54は、開口部28に配設される。第一のクリーニング要素54は、弾性要素であることが好ましい。第一のクリーニング要素54は、その中にしっかりと保持されうるように、排出器14の近位端26を構成する材料内に横方向に延びうる。第一のクリーニング要素54は、ヒーター22が開口部28を通って延びない時に、開口部28を閉じるために下流方向18に向かって上方に曲げられうる。第一のクリーニング要素54は、二つの機能を有しうる。第一の機能は、クリーニング機能でありうる。より詳細には、ヒーター22が、図8に示すように排出器14の近位端26の開口部28を通過する場合、望ましくない残留物が、第一のクリーニング要素54によってヒーター22の表面から掻き落とされうる。第一のクリーニング要素54の第二の機能は、シール機能でありうる。これに関して、図7に示すように、ヒーター22が排出器14の近位端26の開口部28を通って延びない場合、第一のシール要素54とも呼ばれる第一のクリーニング要素54は、望ましくない汚染が開口部28を通過することを防ぐために開口部28を閉じてもよい。そうでなければ、望ましくない汚染がエアロゾル発生装置内に入りうる。したがって、エアロゾル発生装置の内部構成要素が保護される。
【0081】
エアロゾル発生装置の内部構成要素は、コントローラなどの電気回路56および電池などの電源58を含みうる。エアロゾル発生装置の内部構成要素は、オーバーモールドされ、それ故にヒーター22から物理的に分離されているために確実に保護されうる。エアロゾル発生装置の内部構成要素をヒーター22と電気的に接続するために、本体10と上部カバー12に取り付けられたヒーター22との間に接点が提供されてもよい。この配設は、ヒーター22の保守、修理または交換を最適化しうる。上部カバー12全体が交換される可能性がある。
【0082】
図7はさらに、排出器14の近位端26の外周の周りに配設される第二のクリーニング要素60を示す。第二のクリーニング要素60は、第一のクリーニング要素54と同様に、その中にしっかりと保持されるように、排出器14の近位端26を構成する材料内に横方向に延びうる。第二のクリーニング要素60は、下流方向18に曲げられ、上部カバー12のくぼみ16の内壁に対して置かれてもよい。第一の位置から第二の位置への、およびその逆の上部カバー12の移動中、第二のクリーニング要素60は、くぼみ16の内壁から望ましくない残留物を掻き落としうる。さらに、第二のクリーニング要素60は、シール要素として作用し、望ましくない汚染が、くぼみ16の内側側壁と排出器14の外周との間のギャップ62を通過することを防止しうる。
【0083】
図8は、上部カバー12が第一の位置にある時の排出器14の近位端26を示す。言い換えれば、図8は、上部カバー12が本体10から延びており、くぼみ16がエアロゾル発生物品50が挿入される準備ができていることを示す。結果として、ヒーター22は開口部28を通過し、したがって、排出器14の近位端26で開口部28を通って延びる。対照的に、図7は、排出器14の近位端26の開口部28が第一のクリーニング要素54によって閉じられる、第二の位置にある上部カバー12を示す。
【0084】
図9は、電気回路56および電源58などのさらなる内部構成要素を備える、エアロゾル発生装置全体を示す。さらに、図9は、上部カバー12が第一の位置にあるか、または第二の位置にあるかどうかを検出するための検出器64を示す。検出器64は、好ましくは電気スイッチとして構成される。検出器64は、電気回路56に接続されうる。電気回路56は、検出器64が上部カバー12が第一の位置にあることを検出すると、ヒーター22の動作を可能にしうる。電気回路56は、検出器64が上部カバー12が第一の位置にあることを検出すると、ヒーター22を自動的に動作させうる。電気回路56は、検出器64が上部カバー12が第二の位置にあることを検出すると、ヒーター22の動作を防げうる。
【0085】
図10は、インジケータ66が上部カバー12または排出器14に設けられる実施形態を示す。インジケータ66は、くぼみ16の基部に設けられてもよい。インジケータ66は、エアロゾル発生物品50がくぼみ16内に完全に挿入されたことをユーザーに示すために、トルクレンチのクリックに類似した音を生成する機械的クリッカーリッドとして構成されてもよい。したがって、インジケータ66は、ユーザーが、特にエアロゾル発生物品50をくぼみ16内に完全に挿入した後に、不必要な力をエアロゾル発生物品50に加えることによる、ヒーター22のエアロゾル発生物品50への損傷を防止しうる。
【0086】
図11は、エアロゾル発生装置の異なる段階、特にエアロゾル発生装置の上部カバー12の異なる位置を示す。左から右へ、図11は、第二の位置にある上部カバー12と、停止されたエアロゾル発生装置を示す(第一の段階)。次に、上部カバー12が第一の位置に移動し、エアロゾル発生装置は、起動準備が整う、または起動している(第二の段階)。次に、エアロゾル発生物品50は、上部カバー12のくぼみ16内に挿入され、装置が動作される(第三の段階)。次に、エアロゾル発生物品50が消費され、動作が終了した後に、上部カバー12が第一の位置から第二の位置へ移動される(第四の段階)。図11の右部分(第五の段階)は、再び初期状態にある、すなわち上部カバー12は第二の位置にあり、エアロゾル発生装置は停止されている、エアロゾル発生装置を示す。図11はまた、上部カバー12が第二の位置にある時に、くぼみ16が排出器14の近位端26、および第一のクリーニング要素54および第二のクリーニング要素60によって閉じられることを示す。したがって、くぼみ16内またはエアロゾル発生装置の内側に望ましくない汚染が侵入することが防止される。
【0087】
図12は、係合状態にあるラッチ手段68を備えるエアロゾル発生装置の部品の断面図を示す。ラッチ手段は、排出器14の突起部70を含む。示される実施形態では、突起部70はレバーである。上部カバー12は、陥凹部72を備える。突起部70は、陥凹部72と係合する。こうした係合は、排出器14を上部カバー12に解放可能に係止する。この構成では、ユーザーは、エアロゾル発生物品をくぼみ16内に挿入しうる。ユーザーはまた、エアロゾル発生物品を使用して、排出器14を付勢要素46に向かって押し出し、突起部70を第一の場所で陥凹部72と係合させてもよい。また、エアロゾル発生装置は解放手段74を備える。示される実施形態では、解放手段74は、固体円筒である。解放手段74は、好ましくは、解放手段74を突起部70に向かって押し出して突起部70に圧力をかけることにより、ユーザーによって使用されうる。解放手段74が突起部に圧力をかけると、突起部70は、陥凹部から離れるように押し出され、陥凹部72から係合解除される。図13は、係合解除プロセスにあるラッチ手段を備えたエアロゾル発生装置の部品の断面図を示す。このような係合解除は、排出器がくぼみ16内で摺動可能となるように、排出器14を上部カバー12から解放する。排出器14が上部カバー12から解放されると、付勢要素46が排出器をくぼみ16の近位端に向かって押し出す。これは、図14に図示されている。解放手段74は、保護要素76を含む。保護要素76は、ドーム形状である。保護要素76は、弾性材料から作製される。保護要素は、排出器14を上部カバー12から解放するためにユーザーが解放要素74を押し出す時に、ユーザーが容易に係合するように配置される。
【0088】
図15は、突起部70を含む排出器の断面図を示す。示される実施形態では、突起部70はレバーである。
【0089】
図16は、解放手段74の断面図を示す。示される実施形態では、解放手段74は、固体円筒である。示される解放手段74は、ドーム形状の保護要素76を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図13
図14
図15
図16