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特許7183427ディスプレイモジュール及びディスプレイ装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-25
(45)【発行日】2022-12-05
(54)【発明の名称】ディスプレイモジュール及びディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20221128BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20221128BHJP
   G02F 1/1345 20060101ALI20221128BHJP
【FI】
G09F9/30 330
G09F9/00 366A
G02F1/1345
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021537950
(86)(22)【出願日】2018-12-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-21
(86)【国際出願番号】 CN2018125804
(87)【国際公開番号】W WO2020133490
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2021-06-28
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ウエイ,シャンシャン
(72)【発明者】
【氏名】リアン,イェンフォン
(72)【発明者】
【氏名】リィウ,ユアンジエン
(72)【発明者】
【氏名】リ,ジエンホォイ
(72)【発明者】
【氏名】ロォン,ハオホォイ
【審査官】小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108957880(CN,A)
【文献】特開2009-199107(JP,A)
【文献】特開2018-067507(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0239192(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0188579(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00-46
G02F 1/13-1/141
1/15-1/19
H01L 27/32
51/50
H05B 33/00-33/28
G06F 3/00-3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レイ基板であり、駆動回路層を有するアレイ基板と
前記アレイ基板に対向する対向基板であり、当該対向基板上にタッチ回路が配置されている対向基板と、
を有し、
前記アレイ基板のリードアウト側の外縁に少なくとも1つの第1のノッチが設けられ、各第1のノッチ内に第1の導電体が配置され、前記第1の導電体の第1端が、前記駆動回路層のリード端と接触し、前記第1の導電体の第2端が、前記第1のノッチに沿って前記アレイ基板の裏側まで延在し、前記第1の導電体の前記第2端が、前記アレイ基板の前記裏側に配置されるメイン制御ボードに電気的に接続するために使用され、
前記対向基板の、前記アレイ基板の前記リードアウト側に対応する外縁に、少なくとも1つの第2のノッチが設けられ、各第2のノッチ内に第2の導電体が配置され、前記第2の導電体の第1端が、前記タッチ回路のリード端と接触し、前記第2の導電体の第2端が、前記第2のノッチに沿って前記アレイ基板まで延在して、前記第1の導電体の前記第1端に電気的に接続され、その結果、前記第1の導電体及び前記第2の導電体を用いることによって前記タッチ回路が前記メイン制御ボードに電気的に接続される、
ディスプレイモジュール。
【請求項2】
前記第1のノッチ及び前記第2のノッチの内壁は、閉じていない弓形の壁である、請求項に記載のディスプレイモジュール。
【請求項3】
前記第1のノッチは、前記アレイ基板の前面及び後面を貫通する半円形の孔であり、前記第2のノッチは、前記対向基板の前面及び後面を貫通する半円形の孔である、請求項に記載のディスプレイモジュール。
【請求項4】
前記第1のノッチ及び前記第2のノッチは、その開口が上から下に徐々に小さくなる半円錐形の孔である、請求項に記載のディスプレイモジュール。
【請求項5】
前記第1の導電体及び前記第2の導電体は、前記第1のノッチ及び前記第2のノッチに充填された導電材料であり、又は、前記第1の導電体及び前記第2の導電体は、導電ワイヤである、請求項乃至のいずれか一項に記載のディスプレイモジュール。
【請求項6】
前記第1のノッチ内に配置された前記第1の導電体の外側の側面は、前記第1のノッチが設けられた前記アレイ基板の側面を越えて延在しておらず、
前記第2のノッチ内に配置された前記第2の導電体の外側の側面は、前記第2のノッチが設けられた前記対向基板の側面を越えて延在していない、
請求項に記載のディスプレイモジュール。
【請求項7】
当該ディスプレイモジュールは更に、第1の保護層及び第2の保護層を有し、
前記第1の保護層は、前記第1の導電体の前記第1端と前記駆動回路層の前記リード端とを覆い、
前記第2の保護層は、前記第2の導電体と、前記タッチ回路の前記リード端と、前記駆動回路層の前記リード端とを覆う、
請求項乃至のいずれか一項に記載のディスプレイモジュール。
【請求項8】
前記アレイ基板及び前記対向基板内の基板は、以下の基板:
ガラス基板、フレキシブル基板、鋼板基板、及びシリコン基板、
のうちのいずれか1つである、請求項乃至のいずれか一項に記載のディスプレイモジュール。
【請求項9】
前記第1の導電体の前記第2端は、フレキシブルプリント回路基板・オン・ガラスを用いて前記メイン制御ボードに電気的に接続される、請求項1乃至のいずれか一項に記載のディスプレイモジュール。
【請求項10】
前記対向基板はカラーフィルム基板であり、該カラーフィルム基板と前記アレイ基板との間に液晶が配置され、前記アレイ基板の前記裏側にバックライトモジュールが配置される、請求項乃至のいずれか一項に記載のディスプレイモジュール。
【請求項11】
前記対向基板はパッケージカバープレートであり、該パッケージカバープレートと前記アレイ基板との間に有機発光層が配置される、請求項乃至のいずれか一項に記載のディスプレイモジュール。
【請求項12】
当該ディスプレイモジュールは更にタッチパネルを有し、該タッチパネルは、前記対向基板上に配置され且つ前記タッチ回路と接触する、請求項乃至のいずれか一項に記載のディスプレイモジュール。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか一項に記載のディスプレイモジュールを少なくとも有するディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、ディスプレイ分野に関し、特に、狭いベゼルを実現することができるディスプレイモジュール及びディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
科学及び技術の発展に伴い、ディスプレイの製造技術及びプロセスが絶えず向上している。比較的一般的な液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、略してLCD)が、良好な画像表示品質、低いエネルギー消費、及び環境保護という利点を有して、ディスプレイ分野で重要な位置を占めており、技術の発展に伴って出現した有機発光ダイオード(Organic Light Emitting、略してOLED)ディスプレイもディスプレイ技術において広く使用されている。
【0003】
現在、LCDディスプレイ及びOLEDディスプレイはどちらも、ディスプレイパネルを含んでいる。ディスプレイパネルはアレイ基板を含む。アレイ基板上に薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、略してTFT)及び駆動回路が配置される。アレイ基板上の駆動回路は、フレキシブルプリント回路基板・オン・ガラス(Flexible printed circuits board On Glass、略してFOG)を用いてフレキシブルプリント回路(Flexible Printed Circuit、略してFPC)に電気的に接続される。FPCは、ディスプレイチップ又はディスプレイ・タッチ(display and touch)集積チップに結合される。換言すれば、チップ・オン・フィルム(Chip on film、略してCOF)が電気的に接続され、そして、ボーダ・ツー・ボーダ(Boarder to boarder、略してBTB)コネクタを用いてメインボードに接続されることで、ディスプレイ及びタッチドライブが実装される。
【0004】
しかしながら、アレイ基板上の駆動回路はFOGを用いてFPCに接続される必要があるので、アレイ基板上の駆動回路をメインボードに出力するために、COFをディスプレイパネルの一辺上に設計する必要がある。結果として、ディスプレイパネルのエッジの非表示エリアが最終的に増加し、ディスプレイの比較的大きなブラックベゼルが生じる。従って、ディスプレイの狭ベゼル要求を満たすことができない。
【発明の概要】
【0005】
この出願は、ディスプレイの狭いベゼルを実現するディスプレイモジュール及びディスプレイ装置を提供し、それにより、既存ディスプレイはディスプレイのディスプレイパネルの一辺上にCOFを設計する必要があるために狭ベゼル要求を満たすことができないという問題を解決する。
【0006】
この出願は、少なくともアレイ基板を含むディスプレイモジュールを提供し、アレイ基板は駆動回路層を有し、
アレイ基板のリードアウト側の外縁に少なくとも1つの第1のノッチが設けられ、各第1のノッチ内に第1の導電体が配置され、第1の導電体の第1端が、駆動回路層のリード端と接触し、第1の導電体の第2端が、第1のノッチに沿ってアレイ基板の裏側まで延在し、第1の導電体の第2端が、アレイ基板の裏側に配置されるメイン制御ボードに電気的に接続するために使用される。
【0007】
この出願にて提供されるディスプレイモジュールによれば、アレイ基板のリードアウト側の外縁に少なくとも1つの第1のノッチが設けられ、各第1のノッチ内に第1の導電体が配置される。第1の導電体の第1端が、駆動回路層のリード端と接触し、第1の導電体の第2端が、第1のノッチに沿ってアレイ基板の裏側まで延在する。斯くして、アレイ基板の裏側まで延在する第1の導電体を使用することによって、メイン制御ボードが駆動回路に電気的に接続される。第1の導電体は、アレイ基板のエッジに設けられた第1のノッチ内に位置する。従って、ディスプレイパネルのエッジにベゼルを追加形成してしまう問題が完全に回避される。関連技術と比較して、FOG接続の間に形成されるベゼルが回避され、その結果、ディスプレイ内のブラックベゼルの全幅が小さくなり、ディスプレイの狭いベゼルが実現され、ディスプレイのスクリーン対ボディ比が高くなる。さらに、第1の導電体を用いて駆動回路をメイン制御ボードに接続すると、使用されるFPC及びガラス基板の量が削減され、FOG接続プロセスにてFPCとガラス基板とを接続するプロセスが回避される。加えて、この出願では、アレイ基板のリードアウト側の外縁がノッチを備えるので、完全スルーホールと比較して、落下過程においてスクリーンがひび割れするリスクが大幅に低減され、耐落下信頼性が高くなる。従って、この実施形態で提供されるディスプレイモジュールは、ディスプレイの狭いベゼルを実現し、落下過程においてスクリーンがひび割れするリスクを低減し、使用されるFPC及びガラス基板の量を削減し、そして、既存ディスプレイはディスプレイのディスプレイパネルの一辺上にCOFを設計する必要があるために狭ベゼル要求を満たすことができないという問題を解決する。
【0008】
第1の態様の取り得る一実装において、ディスプレイモジュールは更に、アレイ基板に対向する対向基板を含み、該対向基板上にタッチ回路が配置されており、
対向基板の、アレイ基板のリードアウト側に対応する外縁に、少なくとも1つの第2のノッチが設けられ、各第2のノッチ内に第2の導電体が配置され、第2の導電体の第1端が、タッチ回路のリード端と接触し、第2の導電体の第2端が、第2のノッチに沿ってアレイ基板まで延在して、第1の導電体の第1端に電気的に接続され、その結果、第1の導電体及び第2の導電体を用いることによってタッチ回路がメイン制御ボードに電気的に接続される。
【0009】
対向基板の外縁に第2のノッチを設けることにより、第2の導電体の両端が、第2のノッチに沿って、タッチ回路が配置された対向基板の片側まで及び対向基板がアレイ基板に面する片側まで延在し、その結果、第2の導電体と第1の導電体とを用いてタッチ回路が最終的にメイン制御ボードに接続される。換言すれば、対向基板上のタッチ回路がアレイ基板の裏側に接続され、対向基板の外縁に新たなベゼルを形成することが回避される。
【0010】
第1の態様の取り得る一実装において、第1のノッチ及び第2のノッチの内壁は、閉じていない弓形の壁である。
【0011】
第1の態様の取り得る一実装において、第1のノッチ及び第2のノッチは、アレイ基板の前面及び後面を貫通する半円形の孔である。
【0012】
第1の態様の取り得る一実装において、第1のノッチ及び第2のノッチは、その開口が上から下に徐々に小さくなる半円錐形の孔である。
【0013】
第1の態様の取り得る一実装において、第1の導電体及び第2の導電体は、第1のノッチ及び第2のノッチに充填された導電材料であり、又は、第1の導電体及び第2の導電体は、導電ワイヤである。
【0014】
第1の態様の取り得る一実装において、第1のノッチ内に配置された第1の導電体の外側の側面は、第1のノッチが設けられたアレイ基板の側面を越えて延在しておらず、
第2のノッチ内に配置された第2の導電体の外側の側面は、第2のノッチが設けられた対向基板の側面を越えて延在していない。
【0015】
第1の態様の取り得る一実装において、ディスプレイモジュールは更に、第1の保護層及び第2の保護層を含み、
第1の保護層は、第1の導電体の第1端と駆動回路層のリード端とを覆い、
第2の保護層は、第2の導電体と、タッチ回路のリード端と、駆動回路層のリード端とを覆う。
【0016】
第1の態様の取り得る一実装において、アレイ基板及び対向基板内の基板は、以下の基板:
ガラス基板、フレキシブル基板、鋼板基板、及びシリコン基板、
のうちのいずれか1つである。
【0017】
第1の態様の取り得る一実装において、第1の導電体の第2端は、フレキシブルプリント回路基板・オン・ガラスを用いてメイン制御ボードに電気的に接続される。
【0018】
第1の態様の取り得る一実装において、対向基板はカラーフィルム基板であり、該カラーフィルム基板とアレイ基板との間に液晶が配置され、アレイ基板の裏側にバックライトモジュールが配置される。
【0019】
第1の態様の取り得る一実装において、対向基板はパッケージカバープレートであり、該パッケージカバープレートとアレイ基板との間に有機発光層が配置される。
【0020】
第1の態様の取り得る一実装において、タッチパネルが更に含まれ、該タッチパネルは、対向基板上に配置され且つタッチ回路と接触する。
【0021】
この出願は更に、以上のディスプレイモジュールのうちのいずれか1つを少なくとも含むディスプレイ装置を提供する。
【0022】
この実施形態で提供されるディスプレイ装置は、上記ディスプレイモジュールを含み、その結果、ディスプレイのブラックベゼルの全幅が小さくなり、スクリーン対ボディ比が高くなり、それにより、ディスプレイ装置の狭いベゼルが実現され、ディスプレイ装置が落下したときにスクリーンがひび割れするリスクが低減又は回避される。従って、既存のディスプレイ装置ではディスプレイパネルの一辺上にCOFを設計する必要があるためにディスプレイアセンブリのブラックベゼルの全幅が比較的大きいという問題が解決される。
【0023】
例示的な実施形態のこれら及び他の態様、実装形態、及び利点が、添付の図面を参照して以下に記載される実施形態から明らかになる。しかしながら、理解されるべきことには、明細書及び添付の図面は、単に説明目的でのものであり、この出願に対する限定となることを意図したものではない。詳細については、添付の特許請求の範囲を参照されたい。この出願の他の態様及び利点が、以下の説明に記載され、部分的にそれら説明から又はこの出願の実施から明らかになる。また、この出願の態様及び利点は、添付の特許請求の範囲にて具体的に言及される手段及び組み合わせによって実装及び取得され得る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1A】この出願の実施形態1に従ったアレイ基板のリードアウト側に第1のノッチが設けられていないディスプレイモジュールの概略上面図である。
図1B】この出願の実施形態1に従ったアレイ基板のリードアウト側のエッジに第1のノッチが設けられたディスプレイモジュールの概略上面図である。
図1C】この出願の実施形態1に従った第1のノッチ内に第1の導電体が設けられたディスプレイモジュールの概略上面図である。
図1D】この出願の実施形態1に従ったディスプレイ装置の概略断面構造図である。
図2A】この出願の実施形態2に従った対向基板のリードアウト側のエッジに第2のノッチが設けられたディスプレイモジュールの概略上面図である。
図2B】この出願の実施形態2に従った第2のノッチ内に第2の導電体が設けられたディスプレイモジュールの概略上面図である。
図2C】この出願の実施形態2に従ったディスプレイ装置の概略断面構造図である。
図2D】この出願の実施形態2に従ったディスプレイ装置の別の概略断面構造図である。
【0025】
符号の説明:
100 ディスプレイモジュール;
10 アレイ基板;
11 第1のノッチ;
111 第1の導電体;
12 駆動回路層;
121 駆動回路層のリード端;
122 駆動回路;
101 リードアウト側;
20 対向基板;
21 タッチ回路;
211 タッチ回路のリード端;
22 第2のノッチ;
221 第2の導電体;
31 第1の保護層;及び
32 第2保護層
【発明を実施するための形態】
【0026】
実施形態1
図1Aは、この出願の実施形態1に従ったアレイ基板のリードアウト側に第1のノッチが設けられていないディスプレイモジュールの概略上面図である。図1Bは、この出願の実施形態1に従ったアレイ基板のリードアウト側のエッジに第1のノッチが設けられたディスプレイモジュールの概略上面図である。図1Cは、この出願の実施形態1に従った第1のノッチ内に第1の導電体が設けられたディスプレイモジュールの概略上面図である。図1Dは、この出願の実施形態1に従ったディスプレイ装置の概略断面構造図である。
【0027】
背景にて述べたように、既存のディスプレイ装置は、スクリーンの狭いベゼルを実装することができないという問題が有する。研究により見出されたことには、この問題の原因は、アレイ基板上の駆動回路をメインボードに出力するために、既存のディスプレイ装置のディスプレイパネルの一辺上にCOFを設計する必要があることである。しかしながら、COFの幅は約0.9mmであり、ディスプレイのブラックベゼルの全幅の23%から31%を占めている。結果として、ディスプレイパネルのエッジの非表示エリアが比較的大きく、そして最終的に、ディスプレイのブラックベゼル全体が比較的大きくなる。
従って、ディスプレイの狭いベゼルを実現することができない。
【0028】
そこで、上述の問題を解決するために、この実施形態において、図1Aから図1Dに示すように、ディスプレイモジュール100は少なくともアレイ基板10を含み、アレイ基板10は駆動回路層12を有する。具体的には、アレイ基板10は、基板と、該基板上に配置された駆動回路層12とを含む。換言すれば、駆動回路層12は、上を向いた基板の片面に位置する。駆動回路層12内の駆動回路は通常、アレイ基板10の片面からリードアウト(lead-out)される必要がある。駆動回路をメイン制御ボードに電気接続するときにディスプレイパネルのリードアウト側の外縁にベゼルを追加形成することを避けるために、この実施形態では、具体的に、図1Bに示すように、アレイ基板10のリードアウト側101の外縁に、少なくとも1つの第1のノッチ11が設けられる。換言すれば、この実施形態では、アレイ基板10のエッジに、スルーホールではなくノッチが設けられ、この第1のノッチ11が、アレイ基板10の前面からアレイ基板10の後面まで貫通する。さらに、この実施形態では、各第1のノッチ11内に第1の導電体111が配置され、第1の導電体111の第1端111aが、特にアレイ基板10の前面の方に延在して、駆動回路層12のリード端121と接触し、第1の導電体111の第2端111bが、アレイ基板10の裏面まで第1のノッチ11に沿って延在する。さらに、第1の導電体111の第2端111bは、アレイ基板の裏側に配置されるメイン制御ボードに電気的に接続するために使用される。換言すれば、この実施形態では、第1の導電体111が、アレイ基板10上の駆動回路をアレイ基板10の裏側まで接続する役割を果たす。さらに、第1の導電体111の両端が、アレイ基板10のエッジに設けられた第1のノッチ11に沿って、アレイ基板10の前面及び後面まで延在する。第1のノッチ11は、アレイ基板10の外縁から内側に設けられるので、第2の導電体は、アレイ基板10の外縁にベゼルを追加形成しない。斯くして、アレイ基板10上の駆動回路をメイン制御ボードに接続するときにベゼルを追加形成してしまう問題が回避される。
【0029】
一方、関連技術においては、FOGを用いてディスプレイパネルの駆動回路がメイン制御ボードに接続され、FOGを用いてディスプレイパネルの駆動回路を接続するときにベゼルが追加形成されてしまう。従って、関連技術と比較して、この実施形態で提供されるディスプレイモジュール100では、第1のノッチ11内の第1の導電体111を用いてアレイ基板10上の駆動回路がアレイ基板10の裏側に接続されるので、メイン制御ボードが、アレイ基板10の裏側まで延在する第1の導電体111を用いて、駆動回路に電気的に接続される。しかしながら、第1の導電体111は、アレイ基板10のエッジの第1のノッチ11内に位置する。従って、ディスプレイパネルのエッジにベゼルを追加形成してしまう問題が完全に回避される。この実施形態では、アレイ基板10のエッジで、FOG接続の間に形成されるベゼルが回避される。換言すれば、ディスプレイ内のブラックベゼルが0.9mmだけ狭くなり、その結果、ブラックベゼルの全幅が小さくなる。関連技術と比較して、ディスプレイの狭いベゼルが実現され、ディスプレイのスクリーン対ボディ比が高くなる。
【0030】
なお、この実施形態において、第1のノッチ11はアレイ基板10のエッジに設けられるので、第1のノッチ11は閉じていない開口である。換言すれば、第1のノッチ11は、アレイ基板10の頂面、底面、及び側面で開いている。斯くして、第1のノッチ11内に第1の導電体111が配置されるとき、第1のノッチ11内に配置された第1の導電体111の外側の側面は、第1のノッチ11が設けられたアレイ基板10の側面を越えて延在しない。換言すれば、第1の導電体111は、リードアウト側101の外側まで延在することはできない。例えば、第1の導電体111が第1のノッチ11内に配置されるとき、第1のノッチ11内に位置する第1の導電体111の部分は、第1のノッチ11が設けられたアレイ基板10の側面と同一平面にあることができ、あるいは、第1のノッチ11内に位置する第1の導電体111の部分と第1のノッチ11が設けられたアレイ基板10の側面との間に空間が存在する。換言すれば、第1のノッチ11が第1の導電体111で充填されず、第1のノッチ11内の一部空間は空(empty)である。この実施形態において、第1のノッチ11内に位置する第1の導電体111の部分がアレイ基板10の側面を越えて延在しないとき、第1の導電体111が駆動回路をアレイ基板10の裏側に接続する際にアレイ基板10の外縁に新たなベゼルが追加形成されないことを確保することができる。
【0031】
この実施形態において、アレイ基板10のリードアウト側101の外縁に第1のノッチ11が設けられるとき、第1のノッチ11の開口サイズは、第1の導電体111の外側の側面がアレイ基板10の側面を越えずに第1の導電体111が第1のノッチ11を貫通することが確保されるもので十分である。
【0032】
アレイ基板10内の基板(すなわち、基板)は、通常、ガラス基板であるため、駆動回路層12は特にガラス基板上に配置される。内壁が閉じたスルーホール(すなわち、完全なる孔)がアレイ基板10のリードアウト側101のエッジに設けられる場合、ディスプレイモジュール100が落下した後に、スクリーンがひび割れする深刻なリスクがある。一方、この実施形態では、ノッチ(すなわち、第1のノッチ11)が、アレイ基板10のリードアウト側101の外縁に設けられる。ノッチ提供プロセスにおいて、ノッチは、アレイ基板10のエッジから内側に直接延びて、貫通溝を形成し得る。斯くして、一方では、ノッチ提供プロセスにおいてガラス基板が容易に割れることはなく、他方では、アレイ基板10の外縁に第1のノッチ11があり、第1のノッチ11はアレイ基板10の頂面、底面、及び側面に開いているので、ディスプレイモジュール100が落下したときに、アレイ基板10が受ける衝撃力を第1のノッチ11によって分散されることができ、応力集中によってスクリーンがひび割れするリスクは容易には生じない。落下シミュレーション実験を通じて見出されたことには、アレイ基板10のリードアウト側101のエッジに開口8umのスルーホールが設けられている場合、落下シミュレーション過程において、ガラスの最大歪みは5546ueである。一方、アレイ基板10のリードアウト側101のエッジにノッチ(すなわち、半スルーホール)が設けられている場合には、落下シミュレーション過程において、ガラスの最大歪みは1074ueである。換言すれば、ノッチを設けることによって、スクリーンがひび割れするリスクが80%低減される。従って、この実施形態では、アレイ基板10のリードアウト側101のエッジに第1のノッチ11を設けることにより、スクリーンがひび割れするリスクが大幅に低減され、耐落下信頼性が高い。
【0033】
また、この実施形態では、第1の導電体111を用いて駆動回路をメイン制御ボードに接続するときに、第1の導電体111を用いて駆動回路とメイン制御ボードとを直接的に電気接続し得る。斯くして、駆動回路とメイン制御ボードとの間のFOG接続に必要な曲げやホットプレスなどが回避される。従って、この実施形態では、FOG接続プロセスにおいて必要とされる例えばFPC及びガラス基板などの材料が削減され、FOG接続プロセスでFPCとガラス基板とを接続するプロセスが回避される。
【0034】
この実施形態において、図1Bは、アレイ基板10の1つのみのリードアウト側101のエッジに第1のノッチ11が設けられることを示している。留意されるべきことには、アレイ基板10の複数のリードアウト側101が存在してもよい。その場合、アレイ基板10の各リードアウト側101の外縁に第1のノッチ11が設けられ、アレイ基板10上の各リードアウト側101のリード端が、対応するノッチ内の第1の導電体111を用いることによって、アレイ基板10の裏側に接続され、その後、ケーブル配線が統一されてメイン制御ボードに電気接続される。
【0035】
この実施形態において、留意されるべきことには、アレイ基板10のリードアウト側101の外縁に設けられる第1のノッチ11の数は、特に、リードアウト側101におけるリード端の数と一対一の対応関係にある。斯くして、第1の導電体111を用いることによって、アレイ基板10上の各リードをアレイ基板10の裏側までガイドすることができる。
【0036】
この実施形態において、第1の導電体111は、第1のノッチ11に充填された導電材料であり、あるいは、第1の導電体111は導電ワイヤである。斯くして、第1の導電体111は、第1のノッチ11を貫通し、駆動回路とメイン制御ボードとに別々に電気接続される。
【0037】
従って、この実施形態で提供されるディスプレイモジュール100では、アレイ基板10のリードアウト側101の外縁に少なくとも1つの第1のノッチ11が設けられ、各第1のノッチ11内に第1の導電体111が配置される。第1の導電体111の第1端111aが、駆動回路層12のリード端と接触し、そして、第1の導電体111の第2端111bが、アレイ基板10の裏側まで第1のノッチ11に沿って延在する。斯くして、アレイ基板10の裏側まで延在する第1の導電体111を使用することによって、メイン制御ボードが駆動回路に電気的に接続される。しかしながら、第1の導電体111は、アレイ基板10のエッジに設けられた第1のノッチ11内に位置する。従って、ディスプレイパネルのエッジにベゼルを追加形成してしまう問題が完全に回避される。関連技術と比較して、FOG接続の間に形成されるベゼルが回避され、その結果、ディスプレイ内のブラックベゼルの全幅が小さくなり、ディスプレイの狭いベゼルが実現され、ディスプレイのスクリーン対ボディ比が高くなる。さらに、第1の導電体111を用いて駆動回路をメイン制御ボードに接続すると、使用されるFPC及びガラス基板の量が削減され、FOG接続プロセスにてFPCとガラス基板とを接続するプロセスが回避される。加えて、この出願では、アレイ基板10のリードアウト側101の外縁がノッチを備えるので、完全スルーホールと比較して、落下過程においてスクリーンがひび割れするリスクが大幅に低減され、耐落下信頼性が高くなる。従って、この実施形態で提供されるディスプレイモジュール100は、ディスプレイの狭いベゼルを実現し、落下過程においてスクリーンがひび割れするリスクを低減し、使用されるFPC及びガラス基板の量を削減し、そして、既存ディスプレイはディスプレイのディスプレイパネルの一辺上にCOFを設計する必要があるために狭ベゼル要求を満たすことができないという問題を解決する。
【0038】
この実施形態において、第1のノッチ11の内壁は、閉じていない弓形の壁である。換言すれば、第1のノッチ11の内壁は、アレイ基板10の側面に接続され、第1のノッチ11の内壁は、弓形の面である。具体的には、図1Bに示すように、第1のノッチ11は、アレイ基板10に対して内側に湾曲した弓形の溝である。
【0039】
さらに、この実施形態において、第1のノッチ11は、アレイ基板10の前面及び後面を貫通する半円形の孔である。具体的には、図1Bに示すように、第1のノッチ11の横断面は半円形である。この実施形態において、第1のノッチ11が半円形の孔である場合、半円形の孔の直径は5-20umとし得る。
【0040】
また、この実施形態において、第1のノッチ11は、その開口が上から下に徐々に小さくなる半円錐形の孔である。換言すれば、この実施形態において、第1のノッチ11は半円錐形の孔であり、半円錐形の孔の大きな端が、駆動回路層12が配置されたアレイ基板10の片側に面し、半円錐形の孔の小さな端が、アレイ基板10の裏側に面する。この実施形態において、第1の導電体111が導電材料である場合、該導電材料は半円錐形の孔の中に容易に充填され、また、第1のノッチ11が半円錐形の孔であるため、半円錐形の孔が充填された後に該導電材料も半円錐形である。斯くして、重力の作用下で、導電材料間にギャップが生じることは起こりにくく、それにより第1の導電体111が信頼性のある導電性を持つことが確保される。
【0041】
さらに、この実施形態において、第1の導電体111がアレイ基板10のリード端と接触して電気接続を実現するとき、第1の導電体111の第1端111a及びアレイ基板10のリード端は、通常、露出される。第1の導電体111の露出された第1端111a及びアレイ基板10の露出されたリード端を保護するために、特に、第1の保護層31が更に含められる。具体的には、第1の保護層31は絶縁接着剤である。第1の保護層31は、第1の導電体111の第1端111a及びアレイ基板10の露出されたリード端を覆う。斯くして、第1の保護層31の保護の下、第1の導電体111の露出された第1端111a及びアレイ基板10の露出されたリード端は容易に損傷されない。
【0042】
さらに、この実施形態において、第1の導電体111の第2端111bがアレイ基板10の裏側まで延在するとき、第1の導電体111の第2端111bをメイン制御ボードに電気的に接続するために、特に、この実施形態では、フレキシブルプリント回路基板・オン・ガラス(すなわち、FOG)を用いることによって、第1の導電体111の第2端111bがメイン制御ボードに電気的に接続される。具体的には、アレイ基板10の裏側の第1の導電体111の第2端111bに、異方性導電膜(Anisotropic Conductive Film、ACF)的にCOF又はFPCが結合されて、電気接続を形成する。さらに、FPC又はCOFは、新たなベゼル幅を形成することを避けるために、第1のノッチ11の逆方向にワイヤを導く。
【0043】
実施形態2
図2Aは、この出願の実施形態2に従った対向基板のリードアウト側のエッジに第2のノッチが設けられたディスプレイモジュールの概略上面図である。図2Bは、この出願の実施形態2に従った第2のノッチ内に第2の導電体が設けられたディスプレイモジュールの概略上面図である。図2Cは、この出願の実施形態2に従ったディスプレイ装置の概略断面構造図である。図2Dは、この出願の実施形態2に従ったディスプレイ装置の別の概略断面構造図である。
【0044】
この実施形態では、図2Aから図2Dに示すように、ディスプレイモジュール100は更に、アレイ基板10と対向する対向基板20を含む。対向基板20上にタッチ回路21が配置されている。換言すれば、この実施形態では、ディスプレイモジュール100がタッチ機能を実装することを可能にするために、ディスプレイモジュール100の対向基板20上にタッチ回路21が配置される。タッチ回路21は、アレイ基板10の裏側に配置されるメイン制御ボードに電気接続される必要がある。関連技術においては、通常、FOG接続が使用される。しかしながら、FOG接続の間にディスプレイパネルの外縁に新たなベゼルが形成されるので、この実施形態では、対向基板20の外縁に新たなベゼルを形成することを避けるために、特に、対向基板20の、アレイ基板10のリードアウト側101に対応する外縁に、少なくとも1つの第2のノッチ22が設けられる。各第2のノッチ22内に第2の導電体221が配置され、第2の導電体221の第1端がタッチ回路21のリード端211と接触し、第2の導電体221の第2端が、アレイ基板10の方に第2のノッチ22に沿って延在して、第1の導電体111の第1端111aに電気的に接続される。斯くして、第1の導電体111及び第2の導電体221を用いることによって、タッチ回路21がアレイ基板10の裏側に接続され、そして、メイン制御ボードが、アレイ基板10の裏側の導電体に接続することによって、タッチ回路21に電気的に接続される。
【0045】
この実施形態では、対向基板20の外縁に第2のノッチ22を設けることにより、第2の導電体221の両端が、第2のノッチ22に沿って、タッチ回路21が配置された対向基板20の片側まで及び対向基板20がアレイ基板10に面する片側まで延在する。最終的に、第2の導電体221と第1の導電体111とを用いてタッチ回路21がメイン制御ボードに接続される。換言すれば、対向基板20上のタッチ回路21がアレイ基板10の裏側に接続され、対向基板20の外縁に新たなベゼルを形成することが回避される。
【0046】
この実施形態において、図2Cに示すように、対向基板20上のタッチ回路21がアレイ基板10の裏側に接続されるとき、タッチ回路21は、第1の導電体111及び第2の導電体221を用いてアレイ基板10の裏側に直接的に接続されることができ、あるいは、図2Dに示すように、タッチ回路21は、先ず、第2の導電体221を用いてアレイ基板10上の駆動回路122に接続され、次いで、第1の導電体111を用いてアレイ基板10の裏側に接続されることができる。
【0047】
この実施形態において、第2のノッチ22の内壁は、閉じていない弓形の壁である。換言すれば、第2のノッチ22の内壁は、対向基板20の側面に接続され、第2のノッチ22の内壁は、弓形の面である。具体的には、図2Bに示すように、第2のノッチ22は、対向基板20に対して内側に湾曲した弓形の溝である。
【0048】
さらに、この実施形態において、第2のノッチ22は、対向基板20の前面及び後面を貫通する半円形の孔である。具体的には、図1Bに示すように、第2のノッチ22の横断面は半円形である。この実施形態において、第2のノッチ22が半円形の孔である場合、半円形の孔の直径は5-20umとし得る。
【0049】
また、この実施形態において、第2のノッチ22は、その開口が上から下に徐々に小さくなる半円錐形の孔である。換言すれば、この実施形態において、第2のノッチ22は半円錐形の孔であり、半円錐形の孔の大きな端が、タッチ回路21が配置された対向基板20の片側に面し、半円錐形の孔の小さな端が、対向基板20の裏側に面する。この実施形態において、第2の導電体221が導電材料である場合、該導電材料は半円錐形の孔の中に容易に充填され、また、第2のノッチ22が半円錐形の孔であるため、半円錐形の孔が充填された後に該導電材料も半円錐形である。斯くして、重力の作用下で、導電材料間にギャップが生じることは起こりにくく、それにより第1の導電体111が信頼性のある導電性を持つことが確保される。
【0050】
さらに、この実施形態において、第2の導電体221が対向基板20のリード端と接触して電気接続を実現するとき、第2の導電体221の第1端及び対向基板20のリード端211は、通常、露出される。第1の導電体111の露出された第1端111a及び対向基板20の露出されたリード端を保護するために、特に、第2の保護層32が更に含められる。具体的には、第2の保護層32は絶縁接着剤である。第2の保護層32は、第2の導電体221、タッチ回路21のリード端211及び駆動回路層12のリード端121を覆う。斯くして、第2の保護層32の保護の下、露出された第2の導電体221、対向基板20の露出されたリード端及びアレイ基板10の露出されたリード端は容易に損傷されない。
【0051】
この実施形態において、第2のノッチ22内に配置された第2の導電体221の外側の側面は、第2のノッチ22が配置された対向基板20の側面を越えて延在しない。例えば、第2のノッチ22内に位置する第2の導電体221の部分は、第2のノッチ22が配置された対向基板20の側面と同一平面にあることができ、あるいは、第2のノッチ22内に位置する第2の導電体221の部分と第2のノッチ22が配置された対向基板20の側面との間に空間が存在する。換言すれば、第2のノッチ22が第2の導電体221で充填されず、第2のノッチ22内の一部空間は空(empty)である。この実施形態において、第2のノッチ22内に位置する第2の導電体221の部分が対向基板20の側面を越えて延在しないとき、第2の導電体221が駆動回路をアレイ基板10の裏側に接続する際に対向基板20の外縁に新たなベゼルが追加形成されないことを確保することができる。
【0052】
上述の実施形態1及び実施形態2に基づき、この実施形態において、具体的に、アレイ基板10及び対向基板20内の基板は、ガラス基板、フレキシブル基板、鋼板基板、及びシリコン基板のうちのいずれか1つである。例えば、アレイ基板10及び対向基板20内の基板は、ハードスクリーンのディスプレイモジュール100が形成されるように、ガラス基板とし得る。代わりに、この実施形態において、アレイ基板10及び対向基板20内の基板は、フレキシブルスクリーンのディスプレイモジュール100が形成されるように、フレキシブル基板であってもよい。
【0053】
上述の実施形態1及び実施形態2に基づき、この実施形態において、対向基板20は具体的にカラーフィルム基板であり、該カラーフィルム基板とアレイ基板10との間に液晶が配置される。この場合、ディスプレイモジュール100はLCDディスプレイモジュールである。アレイ基板10の裏側にバックライトモジュールが配置される。なお、例えば偏光板、薄膜トランジスタ(TFT)、ガイドフィルム、及びカラーフィルタといったLCDディスプレイモジュール内の他の構造については、関連技術を参照されたい。この実施形態において、LCDディスプレイモジュール内の他の構造は再び説明することはしない。
【0054】
上述の実施形態1及び実施形態2に基づき、この実施形態において、対向基板20はパッケージカバープレートであり、該パッケージカバープレートとアレイ基板10との間に有機発光層(OLED)が配置される。有機発光層は、順に積層されたアノード、発光層、及びアノードを含む。この場合、ディスプレイモジュール100は、OLEDディスプレイモジュールである。なお、例えば偏光板及び薄膜トランジスタ(TFT)といったOLEDディスプレイモジュール内の他の構造については、関連技術を参照されたい。この実施形態において詳細を再び説明することはしない。
【0055】
上述の実施形態1及び実施形態2に基づき、この実施形態において、タッチパネルが更に含められる。タッチパネルは、対向基板20上に配置されてタッチ回路21と接触する。この場合、ディスプレイモジュール100はタッチディスプレイモジュールである。この実施形態において、タッチパネルのタッチモードは、以下に限られないが、静電容量タッチ又は表面音響波タッチを含む。
【0056】
実施形態3
この実施形態は、上述の実施形態のうちのいずれか1つにおけるディスプレイモジュール100を少なくとも含むディスプレイ装置を提供する。この実施形態で提供されるディスプレイ装置は、特に、例えばスマートフォン、タブレットコンピュータ、車載装置、又はウェアラブル装置などの、OLED/LCD又は他のディスプレイモードを使用するディスプレイ装置とし得る。この実施形態において、ディスプレイ装置は、フレキシブルディスプレイ装置であってもよいし、あるいはハードスクリーンのディスプレイ装置であってもよい。
【0057】
この実施形態で提供されるディスプレイ装置は、ディスプレイモジュール100を含む。ディスプレイモジュール100において、アレイ基板10のリードアウト側101の外縁に少なくとも1つの第1のノッチ11が設けられ、各第1のノッチ11内に第1の導電体111が配置される。第1の導電体111の第1端111aが、駆動回路層12のリード端121と接触し、第1の導電体111の第2端111bが、アレイ基板10の裏側まで第1のノッチ11に沿って延在する。斯くして、アレイ基板10の裏側まで延在する第1の導電体111を使用することによって、メイン制御ボードが駆動回路に電気的に接続される。第1の導電体111は、アレイ基板10のエッジに設けられた第1のノッチ11内に位置する。従って、ディスプレイパネルのエッジにベゼルを追加形成してしまう問題が完全に回避される。関連技術と比較して、FOG接続の間に形成されるベゼルが回避され、その結果、ディスプレイ内のブラックベゼルの全幅が小さくなり、ディスプレイの狭いベゼルが実現され、ディスプレイのスクリーン対ボディ比が高くなる。さらに、第1の導電体111を用いて駆動回路をメイン制御ボードに接続すると、使用されるFPC及びガラス基板の量が削減され、FOG接続プロセスにてFPCとガラス基板とを接続するプロセスが回避される。加えて、この出願では、アレイ基板10のリードアウト側101の外縁がノッチを備えるので、完全スルーホールと比較して、落下過程においてスクリーンがひび割れするリスクが大幅に低減され、耐落下信頼性が高くなる。従って、この実施形態で提供されるディスプレイ装置によれば、ディスプレイのブラックベゼルの全幅が小さくなり、スクリーン対ボディ比が高くなり、それにより、ディスプレイ装置の狭いベゼルが実現され、ディスプレイ装置が落下したときにスクリーンがひび割れするリスクが低減又は回避され、それにより、既存のディスプレイ装置ではディスプレイパネルの一辺上にCOFを設計する必要があるためにディスプレイアセンブリのブラックベゼルの全幅が比較的大きいという問題が解決される。
【0058】
この出願の説明において、留意されるべきことには、他のことが明示的に規定及び限定されない限り、用語“設置され”、“接続され”及び“接続”は、広く理解されるべきであり、例えば、固定された接続であってもよいし、中間媒体を使用することによる間接的な接続であってもよいし、あるいは、2つの要素内の接続又は2つの要素間の相互作用関係であってもよい。当業者は、具体的なケースに基づいて、この出願における用語の具体的な意味を理解し得る。
【0059】
この出願の説明において、理解されるべきことには、用語“上側”、“下側”、“前”、“後ろ”、“垂直”、“水平”、“頂部”、“底部”、“内側”及び“外側”によって示される向き又は位置の関係は、添付の図面に示される向き又は位置の関係であって、単に、この出願の説明を容易にし、説明を単純にするためのものであり、示された装置又は要素が特定の向きを有したり特定の向きで構成又は動作されたりする必要があることを示したり意味したりするものではない。従って、それは、この本願に対する限定として解釈されることはできない。この出願の説明において、“複数の”は、他のことが厳密且つ具体的に規定されない限り、2つ以上を意味する。
【0060】
この出願の明細書、特許請求の範囲、及び添付の図面において、用語“第1の”、“第2の”、“第3の”、“第4の”などは(存在する場合に)、同様の対象の間で区別を行うことを意図したものであり、必ずしも特定の順番又は順序を指し示すものではない。理解されるべきことには、そのようにして呼ばれるデータは適切な状況では交換可能であり、それ故に、ここに記載されるこの出願の実施形態は、ここに図示又は記載される順序以外の順序で実施されることができる。また、用語“含む”、“含有する”、及び任意の他の変形は、非排他的な包含に及ぶことを意味しており、例えば、ステップ又はユニットの列挙を含むプロセス、方法、システム、プロダクト、又はデバイスは、必ずしも、それらのユニットに限定されるものではなく、明示的に列挙されていないその他のユニット、あるいはそのようなプロセス、方法、システム、プロダクト、又はデバイスに本来備わるその他のユニットを含み得る。
【0061】
最後に、留意されるべきことには、以上の実施形態は、この出願を限定するのではなく、単にこの出願の技術的ソリューションを説明することを意図したものである。以上の実施形態を参照してこの出願を詳細に説明したが、当業者が理解するはずのことには、当業者はなおも、この出願の実施形態の技術的ソリューションの範囲から逸脱することなく、上述の実施形態にて説明された技術的ソリューションに対する変更を行ったり、あるいは、それらの一部又は全ての技術的ソリューションに対する均等な置換を行ったりすることができる。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D