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特許7183431ペットの移動制限のための両方向扉開き間隔調節具
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-25
(45)【発行日】2022-12-05
(54)【発明の名称】ペットの移動制限のための両方向扉開き間隔調節具
(51)【国際特許分類】
   A01K 15/04 20060101AFI20221128BHJP
   E05C 17/36 20060101ALI20221128BHJP
【FI】
A01K15/04 B
E05C17/36
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021539963
(86)(22)【出願日】2020-10-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-28
(86)【国際出願番号】 KR2020014372
(87)【国際公開番号】W WO2022025348
(87)【国際公開日】2022-02-03
【審査請求日】2021-07-07
(31)【優先権主張番号】10-2020-0095272
(32)【優先日】2020-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521300740
【氏名又は名称】リー,サン チュン
【氏名又は名称原語表記】LEE,Sang Choon
【住所又は居所原語表記】106/901,995,Dalgubeol-daero,Dalseo-gu Daegu 42602,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100111187
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 秀忠
(74)【代理人】
【識別番号】100217412
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 亜子
(72)【発明者】
【氏名】リー,サン チュン
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】仏国特許出願公開第2377509(FR,A1)
【文献】英国特許出願公開第2271376(GB,A)
【文献】登録実用新案第3123149(JP,U)
【文献】韓国公開実用新案第20-2010-0007869(KR,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 15/04
E05C 17/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
扉(10)と扉枠(11)との間の間隔を制御して所定の大きさ以上のペットの出入りを制限するように配備されるペットの移動制限のための両方向扉開き間隔調節具において、
一方の端が扉(10)に配設されて長さが調節されるように配備される間隔調節バンド(100)と、
前記間隔調節バンド(100)の他方の端に配設され、一方の端にバンド結束部(211)が形成される取っ手部(210)と、取っ手部(210)の上下の幅に比べて小さなサイズで突出する係止片(220)と、係止片(220)に連なって上下の方向に延びる上下のピン(230)(240)と、を有する施錠ピンモジュール(200)と、
前記扉枠(11)に配設され、上下のピン(230)(240)をそれぞれ拘束する上下のホルダ部(330)(340)が配備される施錠ホルダモジュール(300)と、
を備え、
前記施錠ホルダモジュール(300)は、
扉枠(11)に配設される固定板部(310)と、
固定板部(310)に突設されて互いに隔設され、上下のピン(230)(240)を拘束するように上下のピン孔(332)(342)が形成される上下のホルダ部(330)(340)と、
上下のホルダ部(330)(340)の間に形成されて係止片(220)を拘束する施錠溝(320)と、
上ホルダ部(330)に切り欠かれて係止片(220)の縦方向への移動を許容するように配備されるスロット溝(350)と、
を備えることを特徴とするペットの移動制限のための両方向扉開き間隔調節具。
【請求項2】
前記施錠ピンモジュール(200)の上下のピン(230)(240)が施錠ホルダモジュール(300)の上下のホルダ部(330)(340)に嵌合した状態で係止片(220)がスロット溝(350)からずれた角度で旋回すると、係止片(220)が施錠溝(320)に嵌入・拘束されるように配備されることを特徴とする請求項1に記載のペットの移動制限のための両方向扉開き間隔調節具。
【請求項3】
前記施錠ホルダモジュール(300)を右側に配置し、間隔調節バンド(100)と施錠ピンモジュール(200)を左側に配置した配設条件で下ピン(240)が下ホルダ部(340)に嵌入し、前記施錠ホルダモジュール(300)を左側に配置し、間隔調節バンド(100)と施錠ピンモジュール(200)を右側に配置した配設条件で上ピン(230)が下ホルダ部(340)に嵌入するように配備され、前記上下のピン(230)(240)を選択的に下ホルダ部(340)に嵌入させるように配設条件を変更して、単一の施錠ピンモジュール(200)が右側・左側の両方向の配設条件に汎用に適用されるように配備されることを特徴とする請求項1に記載のペットの移動制限のための両方向扉開き間隔調節具。
【請求項4】
前記下ピン孔(342)の底面に磁性体(343)を配置し、下ピン(240)または上ピン(230)の端部に前記磁性体(343)と磁力によりくっつく被磁性体(343´)が配備されることを特徴とする請求項1に記載のペットの移動制限のための両方向扉開き間隔調節具。
【請求項5】
前記下ホルダ部(340)は、係止片(220)と接する接触面の上に係止溝部(345)が形成され、前記係止溝部(345)は、係止片(220)と所定の角度で係合して位置するように配備されることを特徴とする請求項1に記載のペットの移動制限のための両方向扉開き間隔調節具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペット(コンパニオンアニマル、伴侶動物)の移動制限のための両方向扉開き間隔調節具に係り、さらに詳しくは、開かれた扉の開き間隔を調節してペットの出入り可能な大きさを制限することにより、ペットの間に個別的な生活空間が与えられるとともに、大型ペットから小型ペットに至るまであらゆるペットを安全に保護・管理することができ、特に、ワンタッチ方式の簡単な操作で扉開きの制限を設定・解除することのできるペットの移動制限のための両方向扉開き間隔調節具に関する。
【背景技術】
【0002】
核家族化の進展により家族構成員が減り、構成員間の対話や交流もまた減って一人で過ごす時間が延びることに伴い、寂しさを紛らわし、心理的な安定感と親密さが得られる犬や猫などのペットを飼う家庭が増えており、最近には、一つの家庭において種類や大きさが異なる複数匹のペットを一緒に飼う場合も次第に増えている傾向にある。
【0003】
このようなペットは、飼い主を追い掛け回して色々な部屋を自由に行き来しながら暮らす特性からみて、扉を閉じておくと、排便や食事、遊びのための移動のために出ようとして足爪や歯で扉を引っ掻いたり損傷させたりする問題を頻繁に引き起こすため、扉をペットが出入りできる程度に一部開けっ放しにしておいたままで暮らす場合がほとんどであるが、ペットが出入りする過程で扉を押しのけて必要以上に開かれてしまうという問題が頻繁に起こるため、冷暖房を必要とする季節にはこれによる冷暖房効率が著しく低下してしまうという問題がある。
【0004】
また、多数匹のペットが一緒に暮らす場合、ペット間の衝突を減らすために各自の生活空間を与えることが望ましいが、扉が常に開かれている場合、開かれた扉の隙間を介して往来が自由に行われるため、争いが生じ易く、特に、飼い主が留守の間にペット間の争いが生じる場合、小動物が避けられず、その結果、大きな傷害を被る場合もあるという問題がある。
【0005】
このような問題を解消するための従来の関連技術を調べてみると、大韓民国公開実用新案第20-2010-0007869号では、扉の下部に上げ下ろしできる引き戸式パネルを設けることにより、扉を閉じた状態で愛玩動物の出入りが円滑に行われるようにすることで、扉を常に開けっ放しにすることを余儀なくされるという不便さと愛玩動物による扉の棄損を未然に防げるようにする愛玩動物が出入り可能な室内扉を開示している。
【0006】
しかしながら、上記のような従来の技術は、扉の下端部を切り出してペットの出入りのための別途の出入り扉を設けたものであって、既存の扉を切断・変形したり新たな扉に取り替えたりする作業が必要とされるため、施工が煩雑であり、構造変更の使い勝手が悪いだけではなく、種類と年齢、成長具合に応じて千差万別であるペットの体格を考慮したとき、出入り口の大きさを特定のペットに合わせて作製することが困難であるため、特定のペットのみが出入りできる個別的な生活空間を与え難いという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これにより、本発明は、上述した諸問題を解消するために案出されたものであって、右側・左側の両方向に使用可能であることから、扉開きの方向に影響を受けずに汎用に適用され、特に、施錠ピンモジュールが所定の角度で施錠ホルダモジュールと施錠作動・解錠作動されるように施錠構造を改善して、知能の高いペットによる強制開きが防がれる安全性を確保することのできるペットの移動制限のための両方向扉開き間隔調節具を提供するところにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するために、本発明は、扉10と扉枠11との間の間隔を制御して所定の大きさ以上のペットの出入りを制限するように配備されるペットの移動制限のための両方向扉開き間隔調節具において、一方の端が扉10に配設されて長さが調節されるように配備される間隔調節バンド100と、前記間隔調節バンド100の他方の端に配設され、一対の上下のピン230、240が配備される施錠ピンモジュール200と、前記扉枠11に配設され、上下のピン230、240をそれぞれ拘束する上下のホルダ部330、340が配備される施錠ホルダモジュール300と、を備えることを特徴とする。
【0009】
このとき、前記施錠ピンモジュール200は、一方の端にバンド結束部211が形成される取っ手部210と、取っ手部210の上下の幅に比べて小さなサイズで突出する係止片220と、係止片220に連なって上下の方向に延びる上下のピン230、240と、を有することを特徴とする。
【0010】
また、前記施錠ホルダモジュール300は、扉枠11に配設される固定板部310と、固定板部310に突設されて互いに隔設され、上下のピン230、240を拘束するように上下のピン孔332、342が形成される上下のホルダ部330、340と、上下のホルダ部330、340の間に形成されて係止片220を拘束する施錠溝320と、上ホルダ部330に切り欠かれて係止片220の縦方向への移動を許容するように配備されるスロット溝350と、を備えることを特徴とする。
【0011】
さらに、前記施錠ピンモジュール200の上下のピン230、240が施錠ホルダモジュール300の上下のホルダ部330、340に嵌合した状態で係止片220がスロット溝350からずれた角度で旋回すると、係止片220が施錠溝320に嵌入・拘束されるように配備されることを特徴とする。
【0012】
さらにまた、前記施錠ホルダモジュール300を右側に配置し、間隔調節バンド100と施錠ピンモジュール200を左側に配置した配設条件で下ピン240が下ホルダ部340に嵌入し、前記施錠ホルダモジュール300を左側に配置し、間隔調節バンド100と施錠ピンモジュール200を右側に配置した配設条件で上ピン230が下ホルダ部340に嵌入するように配備され、前記上下のピン230、240を選択的に下ホルダ部340に嵌入させるように配設条件を変更して、単一の施錠ピンモジュール200が右側・左側の両方向の配設条件に汎用に適用されるように配備されることを特徴とする。
【0013】
さらにまた、前記係止片220の厚さは、上ピン230の直径に比べて小さなサイズに形成され、前記スロット溝350の幅は、上ピン230の直径に比べて小さなサイズに形成され、前記スロット溝350は、係止片220の縦方向への移動は許容し、且つ、上ピン230の横方向への移動は制限するように配備されることを特徴とする。
【0014】
さらにまた、前記下ピン孔342の底面に磁性体343を配置し、下ピン240または上ピン230の端部に前記磁性体343と磁力によりくっつく被磁性体343´が配備される。
【0015】
これらに加えて、前記下ホルダ部340は、係止片220と接する接触面の上に係止溝部345が形成され、前記係止溝部345は、係止片220と所定の角度で係合して位置するように配備される。
【発明の効果】
【0016】
以上の構成及び作用によれば、本発明は、右側・左側の両方向に使用可能であることから、扉開きの方向に影響を受けずに汎用に適用され、特に、施錠ピンモジュールが所定の角度で施錠ホルダモジュールと施錠・解錠作動されるように施錠構造を改善して、知能の高いペットによる強制開きが防がれる安全性を確保することができるという効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係るペットの移動制限のための両方向扉開き間隔調節具の使用状態を示す構成図。
図2】本発明の一実施形態に係るペットの移動制限のための両方向扉開き間隔調節具の施錠ピンモジュールと施錠ホルダモジュールとの結合構造を示す構成図。
図3】本発明の他の実施形態に係るペットの移動制限のための両方向扉開き間隔調節具の使用状態を示す構成図。
図4】本発明の他の実施形態に係るペットの移動制限のための両方向扉開き間隔調節具の施錠ホルダモジュールの位置に応じた施錠ピンモジュールの結合状態を示す構成図。
図5】本発明に係るペットの移動制限のための両方向扉開き間隔調節具の施錠ホルダモジュールに形成されたスロット溝が上ピンの直径に比べて小さなサイズに形成された他の実施形態を示す構成図。
図6】本発明のさらに他の実施形態に係るペットの移動制限のための両方向扉開き間隔調節具を示す構成図。
図7】本発明のさらに他の実施形態に係るペットの移動制限のための両方向扉開き間隔調節具を示す構成図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面に基づいて、本発明の好適な実施形態について詳しく説明する。
【0019】
本発明は、開き戸式扉の間隔調節具に係り、さらに詳しくは、既存の扉及び扉枠に構造の変更や損傷を加えることなく着脱可能であることから、施工が簡単に行われて多種多様な扉に手軽に適用することができ、扉の開閉間隔を制限してペットの間に個別的な生活空間が与えられるとともに、大型ペットから小型ペットに至るまであらゆるペットを安全に保護・管理することができ、特に、ワンタッチ方式の簡単な操作で扉開きの制限を設定・解除できるように間隔調節バンド100と、施錠ピンモジュール200と、施錠ホルダモジュール300と、を主な構成要素として備えてなる。
【0020】
本発明に係るペットの移動制限のための両方向扉開き間隔調節具は、扉10と扉枠11との間の間隔を制御して所定の大きさ以上のペットの出入りを制限するように配備されるものであって、図1に示すように、扉の開き間隔を制限する間隔調節バンド100の一方の端が扉10の一側面に配設され、このとき、間隔調節バンド100は、一般に、織物紐や合成樹脂バンドにより形成される。
【0021】
前記間隔調節バンド100は、一方の端部が扉10に取付け可能なように固定ブラケットが連結され、固定ブラケットは、接着剤、ホルト、磁石、吸着パッドをはじめとする固定手段により扉10に固定される。
【0022】
また、間隔調節バンド100の上には、バックルなどの長さ調節手段120が配備されてもよい。長さ調節手段120を用いて間隔調節バンド100の長さを調節することにより、ペットの大きさに応じて扉10の開き間隔を自由に調節することができる。
【0023】
このため、前記間隔調節バンド100により扉10の開かれた空間を通過可能なペットの大きさを選択的に制限することが可能になることから、ペットの大きさに応じて個別的な生活空間を与えることが可能になり、争いが生じたとき、小動物が避難できる空間を与えることが可能になる。
【0024】
さらに、前記施錠ピンモジュール200は、間隔調節バンド100の他方の端に配設されるものであって、一対の上下のピン230、240が配備され、前記上下のピン230、240は、扉枠11に配設される施錠ホルダモジュール300の上下のホルダ部330、340に嵌合して位置固定されるように配備される。
【0025】
さらにまた、前記施錠ホルダモジュール300は、扉枠11に配設されて施錠ピンモジュール200と連結される連結構造を提供するものであって、間隔調節バンド100と同様に、裏面に配備される接着剤、ボルト、磁石、吸着パッドをはじめとする固定手段を用いて扉枠11の上に配設される。
【0026】
これらに加えて、前記施錠ホルダモジュール300は、施錠ピンモジュール200の上下のピン230、240と対応する孔やフック状の上下のホルダ部330、340がそれぞれ形成されて施錠ピンモジュール200が結合された間隔調節バンド100を支持することにより、扉10の開き間隔が制限される。
【0027】
図1及び図2に基づいて、上述した施錠ピンモジュール200と施錠ホルダモジュール300の実施形態について述べると、前記施錠ピンモジュール200は、一方の端にバンド結束部211が形成される取っ手部210と、取っ手部210の上下の幅に比べて小さなサイズで突出する係止片220と、係止片220に連なって上下の方向に延びる上下のピン230、240と、を備えてなる。
【0028】
前記施錠ピンモジュール200は、図示のごとく、一方の端の取っ手部210に形成されるバンド結束部211に間隔調節バンド100が繋がれて扉10の一方の側に連結された状態で用いられるものであって、上下のピン230、240が施錠ホルダモジュール300に嵌合したときに一方の側に取っ手部210が露出されるので、以降の解錠操作のしやすさを提供する。
【0029】
また、施錠ピンモジュール200は、取っ手部210の上下の幅に比べて小さなサイズで突出する係止片220と、係止片220に連なって上下の方向に延びる上下のピン230、240と、により形成されるので、上下のピン230、240のうちのどちらか一方が施錠ホルダモジュール300の下ホルダ部340に係止・固定されれば、間隔調節バンド100の拘束が可能になる。
【0030】
一方、前記施錠ホルダモジュール300は、扉枠11に配設される固定板部310と、固定板部310に突設されて互いに隔設され、上下のピン230、240を拘束するように上下のピン孔332、342が形成される上下のホルダ部330、340と、上下のホルダ部330、340の間に形成されて係止片220を拘束する施錠溝320と、上ホルダ部330に切り欠かれて係止片220の縦方向への移動を許容するように配備されるスロット溝350と、を備えてなる。
【0031】
図2に基づいて、施錠ピンモジュール200と施錠ホルダモジュール300との結合構造について述べると、図2の(a)に示すように、上下のピン230、240と上下のピン孔332、342とを同軸の上に一致させた状態で、施錠ピンモジュール200を下向きに移動させると、上下のピン230、240が上下のホルダ部330、340の上下のピン孔332、342に嵌入する。
【0032】
このとき、図2の(b)に示すように、係止片220が上ホルダ部330に切り欠かれて形成されたスロット溝350を経て施錠溝320まで進入し、扉10が開かれる動作に際して施錠ピンモジュール200が上下のピン230、240を中心に旋回作動する。
【0033】
このように、前記施錠ピンモジュール200の上下のピン230、240が施錠ホルダモジュール300の上下のホルダ部330、340に嵌合した状態で係止片220がスロット溝350からずれた角度で旋回すれば、係止片220が施錠溝320に嵌入・拘束されるように配備される。
【0034】
すなわち、図2の(b)に示すように、施錠ピンモジュール200が回転すれば、係止片220と施錠ホルダモジュール300のスロット溝350との位置ずれが生じるため、別途の施錠具を備えてなくても位置ずれが防がれて係止構造の施錠状態が外部の衝撃や知能の高いペットの操作により解除されてしまうという誤作動が防がれるので、これにより、予め設定された所定の角度(スロット溝の位置)においてのみ嵌脱が行われるように支持・拘束する施錠構造の安全性が確保される。
【0035】
一方、本発明に係るペットの移動制限のための両方向扉開き間隔調節具は、上述した図1に示すように、扉10と扉枠11の同一の方向に施工してもよいが、図3の使用状態図に示すように、互いに異なる方向に間隔調節バンド100と施錠ホルダモジュール300を配置することも可能である。
【0036】
すなわち、図3の(a)や図3の(b)に示すように、間隔調節バンド100と施錠ホルダモジュール300とがそれぞれ互いに異なる方向に配置された状態で繋ぎ合わせられれば、扉10の開き幅を制限することができるだけではなく、図示の実施形態のように、扉10が風や外部の接触により押される場合であっても、間隔調節バンド100が扉10と扉枠11との間に位置して扉10が完全に閉じられることを防ぐので、ペットが扉を押したり扉の隙間を引っ掻いたりして手軽に扉を開くことが可能になって使い勝手が改善される。
【0037】
図4において、前記施錠ホルダモジュール300を右側に配置し、間隔調節バンド100と施錠ピンモジュール200を左側に配置した配設条件で下ピン240が下ホルダ部340に嵌入し、前記施錠ホルダモジュール300を左側に配置し、間隔調節バンド100と施錠ピンモジュール200を右側に配置した配設条件で上ピン230が下ホルダ部340に嵌入するように配備され、前記上下のピン230、240を選択的に下ホルダ部340に嵌入するように配設条件を変更して、単一の施錠ピンモジュール200が右側・左側の両方向の配設条件に汎用に適用されるように配備される。
【0038】
すなわち、前記上ピン230と下ピン240が上下対称状に形成されることにより、施錠ホルダモジュール300の位置を右側や左側に変更する状況下でも配設方向が変更されるだけであり、上ホルダ部330と下ホルダ部340に上下のピン230、240が選択的に嵌入して位置固定が行われるので、扉10の開閉方向が異なってきたり、上述したように、間隔調節バンド100と施錠ホルダモジュール300の取付け位置を変更したりする場合であっても、あるいは、周りの構造物との干渉を考慮して施錠ホルダモジュール300の配設位置の変更が必要とされる場合であっても、配設位置や方向とは無関係に同一の位置固定構造が提供されるので、様々な環境下で両方向に使用可能な間隔調節構造を提供する。
【0039】
一方、前記係止片220の厚さは、上ピン230の直径に比べて小さなサイズに形成され、前記スロット溝350の幅は、上ピン230の直径に比べて小さなサイズに形成され、前記スロット溝350は、係止片220の縦方向への移動は許容し、且つ、上ピン230の横方向への移動は制限するように配備される。
【0040】
図5に示すように、上ピン230の直径L1に比べてスロット溝350の幅L2が小さく形成されることにより、上下のピン孔332、342に縦方向に嵌入した上ピン230が側方向に開かれたスロット溝350を介して外部に抜脱されることが防がれるので、施錠ピンモジュール200を揺動なしに支持することが可能になる。
【0041】
一方、前記上ピン230の上端に形成され、上ピン230の直径に比べて広くなったサイズに形成されて上ホルダ部330の上部に載置・支持されるヘッド部が配備される。
【0042】
図6及び図7は、本発明に係るペットの移動制限のための両方向扉開き間隔調節具の他の実施形態を示すものであり、図6において、前記下ピン孔342の底面に磁性体343を配置し、下ピン240または上ピン230の端部に前記磁性体343と磁力によりくっつく被磁性体343´が配備される。このため、下ピン240が下ピン孔342に嵌入するとき、磁性体343と被磁性体343´とのくっつき力により施錠ピンモジュール200が抜脱され易いという現象が防がれる。
【0043】
図7において、前記下ホルダ部340は、係止片220と接する接触面の上に係止溝部345が形成され、前記係止溝部345は、係止片220と所定の角度で係合して位置するように配備される。このとき、係止溝部345は、スロット溝350からずれた角度に形成される。
【0044】
このため、前記施錠ピンモジュール200を施錠ホルダモジュール300に締結した状態で回転させると、係止溝部345の位置において係止片220が自重により下降して係合しながら係止・固定が行われるので、施錠ピンモジュール200の旋回動作を行い直すためには、一方の端の施錠ピンモジュール200を持ち上げて係止片220と係止溝部345との係止を解除する操作が行われなければならないので、施錠の保持安定性がより一層向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0045】
【文献】大韓民国公開実用新案第20-2010-0007869号
図1
図2(a)】
図2(b)】
図3(a)】
図3(b)】
図4(a)】
図4(b)】
図5
図6
図7