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特許7183454アクリレートカプセル化剤を含む布地ケア組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-25
(45)【発行日】2022-12-05
(54)【発明の名称】アクリレートカプセル化剤を含む布地ケア組成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 17/08 20060101AFI20221128BHJP
   C11D 1/62 20060101ALI20221128BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20221128BHJP
   C11D 3/30 20060101ALI20221128BHJP
   C11D 3/28 20060101ALI20221128BHJP
   C11D 17/06 20060101ALI20221128BHJP
   C11D 17/00 20060101ALI20221128BHJP
   C11D 3/50 20060101ALI20221128BHJP
   B01J 13/02 20060101ALI20221128BHJP
   D06M 23/12 20060101ALI20221128BHJP
   D06M 13/463 20060101ALI20221128BHJP
【FI】
C11D17/08
C11D1/62
C11D3/20
C11D3/30
C11D3/28
C11D17/06
C11D17/00
C11D3/50
B01J13/02
D06M23/12
D06M13/463
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021576607
(86)(22)【出願日】2020-06-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-13
(86)【国際出願番号】 US2020070182
(87)【国際公開番号】W WO2020264566
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】62/867,280
(32)【優先日】2019-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】ジョス、コニー・エマ・アリス
(72)【発明者】
【氏名】スメツ、ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】デクレルク、マルク・ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルストレット、ピエール・ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】フェン、リンシェン
(72)【発明者】
【氏名】チャカル、ファディ・セリム
(72)【発明者】
【氏名】ボブノック、ロバート・スタンリー
【審査官】堀 洋樹
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-537787(JP,A)
【文献】特表2022-507552(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 1/00-19/00
B01J 13/00-13/02
D06M 10/00-23/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
香料カプセル化剤及び第四級アンモニウムエステル化合物を含む布地ケア組成物であって、
前記香料カプセル化剤が、シェルと、前記シェルによって包囲されたコアと、を含み、
前記シェルが、(メタ)アクリレート材料を含み、
前記コアが、香料を含み、
(a)前記第四級アンモニウムエステル化合物は、トリエステル第四級アンモニウム材料(「トリエステルクアット」)を含み、及び/又は
(b)前記(メタ)アクリレート材料は、イソシアヌレートトリアクリレートモノマーを含み、前記第四級アンモニウムエステル化合物は、13個~22個の炭素原子を含有するアルキル部分を有する脂肪酸から誘導される、布地ケア組成物。
【請求項2】
前記第四級アンモニウムエステル化合物が、式(I)による化合物を含む、請求項1に記載の布地ケア組成物。
{R (4-m)-N+-[X-Y-R}A 式(I)
式中、
mは、1、2又は3である、ただし、
所与の分子において、各mの前記値は同一であり、
前記第四級アンモニウムエステル化合物が、トリエステル第四級アンモニウム材料(「トリエステルクアット」)を含む場合、式(I)による前記化合物の少なくとも一部に関して、mは3(すなわち、トリエステル)であり、
任意に13個~22個の炭素原子を含む各Rは、独立して、直鎖状ヒドロカルビル基又は分岐鎖状ヒドロカルビル基であり、好ましくは、Rは、直鎖であり、より好ましくは、Rは、部分不飽和直鎖状アルキル鎖であり、
各Rは、独立して、C~Cアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、及び/又は、Rは、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、1-メチル-2-ヒドロキシエチル、ポリ(C~Cアルコキシ)、ポリエトキシ、ベンジル、より好ましくはメチル又はヒドロキシエチルから選択され、
各Xは独立して、-(CH)n-、-CH-CH(CH)-又は-CH(CH)-CH-であり、各nは独立して1、2、3又は4であり、好ましくは、各nは2であり、
各Yは、独立して、-O-(O)C-又は-C(O)-O-であり、また、
A-は、独立して、塩化物、臭化物、硫酸メチル、硫酸エチル、硫酸、及び硝酸からなる群から選択され、好ましくは、A-は、塩化物及び硫酸メチルからなる群から選択され、より好ましくは、A-は、硫酸メチルである。
【請求項3】
式(I)による前記化合物の少なくとも一部において、少なくとも1つのRがヒドロキシエチル基であり、好ましくは少なくとも1つのRがヒドロキシエチル基であり、少なくとも1つのRがメチル基である、請求項2に記載の布地ケア組成物。
【請求項4】
式(I)による前記化合物の少なくとも一部について、
mは2であり、各Xは、-CH-CH(CH)-、-CH(CH)-CH-、又はこれらの混合物から選択され、式中、は、前記第四級アンモニウムエステル化合物の窒素に最も近い末端を示し、
好ましくは、式(I)による前記化合物の少なくとも一部について、前記化合物は、第1のX及び第2のXを含み、前記第1のXは、-CH-CH(CH)-であり、前記第2のXは、-CH(CH)-CH-である、請求項2又は3に記載の布地ケア組成物。
【請求項5】
前記第四級アンモニウムエステル化合物が
ビス-(2-ヒドロキシプロピル)-ジメチルアンモニウム硫酸メチル脂肪酸エステルと、
(2-ヒドロキシプロピル)-(1-メチル-2-ヒドロキシエチル)-ジメチルアンモニウム硫酸メチル脂肪酸エステルと、
ビス-(1-メチル-2-ヒドロキシエチル)-ジメチルアンモニウム硫酸メチル脂肪酸エステルと、の混合物を含み、
前記脂肪酸エステルがC12~C18脂肪酸混合物から生成される、請求項1~4のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
【請求項6】
前記アンモニウム第四級エステル化合物が、不飽和脂肪酸及び任意にトリエタノールアミン、好ましくは18個の炭素(「C18」)を含む不飽和脂肪酸、より好ましくは、単一の二重結合を含むC18脂肪酸(「C18:1脂肪酸」)から誘導された材料を含み、更により好ましくは、このような材料が、前記アンモニウム第四級エステル化合物の10重量%~40重量%、又は10重量%~30重量%、又は15重量%~30重量%の濃度で存在する、請求項1~5のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
【請求項7】
前記第四級アンモニウムエステル化合物が、前記第四級アンモニウムエステル化合物の40.0重量%~60.0重量%のジエステル第四級アンモニウム材料(「ジエステルクアット」)、及び前記第四級アンモニウムエステル化合物の15重量%~38.0重量%のトリエステルクアットを含み、
好ましくは、前記第四級アンモニウムエステル化合物は、モノエステル第四級アンモニウム材料(「モノエステルクアット」)を更に含み、好ましくは、モノエステルクアットの濃度は、前記第四級アンモニウムエステル化合物の15.0重量%~35.0重量%である、請求項1~6のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
【請求項8】
前記第四級アンモニウムエステル化合物が、アルカノールアミン、好ましくはモノアルカノールアミン、ジアルカノールアミン、トリアルカノールアミン、又はこれらの混合物から誘導され、より好ましくはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジ-イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、又はこれらの混合物から誘導される、請求項1~7のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
【請求項9】
前記第四級アンモニウムエステル化合物が、0~140、又は0~90、又は10~70、又は15~50、又は18~30のヨウ素価によって特徴付けられる脂肪酸から誘導される、請求項1~8のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
【請求項10】
前記(メタ)アクリレート材料が、六官能性アクリレート、トリアクリレート、又はこれらの混合物、好ましくは、六官能性芳香族アクリレート、イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物、より好ましくは、六官能性芳香族ウレタンアクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物から選択されるモノマーから誘導される、請求項1~9のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
【請求項11】
前記(メタ)アクリレート材料が、式Iによる構造を有するイソシアヌレートトリアクリレートモノマーを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
【化1】
式中、Rは、C~Cから選択され、
は、水素又はメチルであり、
nは、1~3の整数であり、
Aは、式II~式VIのいずれか一項に記載の環状構造であり、
【化2】
好ましくは、前記イソシアヌレートトリアクリレートモノマーは、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレートモノマーを含む。
【請求項12】
前記カプセル化剤の前記シェルがメラミン誘導体を実質的に含まない、請求項1~11のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
【請求項13】
前記カプセル化剤が、0.5ミクロン~100ミクロン、又は10~100ミクロン、好ましくは1ミクロン~60ミクロン、あるいはなお10ミクロン~50ミクロン、あるいはなお20ミクロン~45ミクロンの容積加重中央値カプセル化剤サイズにより特徴付けられる、請求項1~12のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
【請求項14】
前記組成物が、液体組成物、顆粒状組成物、単区画パウチ、多区画パウチ、溶解性シート、パスティル又はビーズ、繊維状物品、錠剤、バー、フレーク、乾燥シート、又はこれらの混合物、好ましくは液体、固体、又はこれらの混合物、より好ましくは液体の形態である、請求項1~13のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
【請求項15】
前記組成物が、前記組成物の10重量%~90重量%の水、好ましくは25重量%~80重量%、より好ましくは45重量%~70重量%の水を含む液体組成物である、請求項1~14のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
【請求項16】
布地を処理する方法であって、前記方法が、前記布地を請求項1~15のいずれか一項に記載の布地ケア組成物に接触させる工程を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、香料カプセル化剤及び第四級アンモニウムエステル化合物を含む布地ケア組成物に関する。香料カプセル化剤のシェルは、アクリレート又はメタクリレート材料(例えば、「(メタ)アクリレート」材料)を含む。本開示はまた、このような組成物の使用方法及び製造方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
布地増強組成物は、消費者に人気があり続けている。このような組成物は、種々の有益剤を介して、標的布地に、柔軟性、コンディショニング、及び/又は洗いたて感をもたらし得る。
【0003】
1種以上の有益剤は、例えば、コア及びシェルカプセル化剤に封入されてもよい。封入は、活性物質の安定性、組成物の安定性、又はその両方を促進し得る。追加的に又は代替的に、封入は、有効成分の送達及び/又は意図される効果の寿命を改善し得る。
【0004】
しかしながら、カプセル化剤の付着効率を向上させることは、製造業者にとって課題である。付着助剤は、組成物及び/又はカプセル化剤に添加されてもよいが、このような補助剤は、追加のコスト、製造プロセスに対する複雑性、及び/又は安定性の課題をもたらし得る。更に、付着助剤は、典型的には、標的布地にいかなる直接的な効果も提供せず、代わりに、カプセル化有益剤の性能/有効性を単に増強するように作用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
好ましくは、対象布地に直接効果を提供する有効成分の使用を介して、カプセル化有益剤を含む改善された布地ケア組成物を提供する必要性が、存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、香料カプセル化剤及び四級化アンモニウムエステル化合物を含む布地ケア組成物に関する。
【0007】
例えば、本開示は、香料カプセル化剤及び第四級アンモニウムエステル化合物を含む布地ケア組成物に関し、香料カプセル化剤は、シェルと、シェルによって包囲されたコアと、を含み、シェルは、(メタ)アクリレート材料を含み、コアは香料を含み、(a)第四級アンモニウムエステル化合物は、トリエステル第四級アンモニウム材料(「トリエステルクアット」)を含み、及び/又は(b)(メタ)アクリレート材料は、イソシアヌレートトリアクリレートモノマーを含み、第四級アンモニウムエステル化合物は、約13個~約22個の炭素原子を含有するアルキル部分を有する脂肪酸から誘導される。明確にするために、組成物は、(a)によって特徴付けられてもよい、又は組成物は、(b)によって特徴付けられてもよい、又は組成物は、(a)によって及び(b)によって特徴付けられてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、有益剤を含む特定の布地柔軟化活性物質及びカプセル化剤を含む布地ケア組成物に関する。驚くべきことに、特定の壁材料を有するカプセル化剤と特定の第四級アンモニウムエステル化合物とをカップリングすることにより、改善された性能を得ることができることが見出された。
【0009】
本明細書で使用する場合、特許請求の範囲で使用される際の冠詞「a」及び「an」は、特許請求又は記載されているもののうちの1つ以上を意味すると理解される。本明細書で使用する場合、用語「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含んでいる(including)」は、非限定的であることを意味する。本開示の組成物は、本開示の成分を含み得る、それらから本質的になり得る、又はそれらからなり得る。
【0010】
本明細書では、用語「実質的に含まない(substantially free of)」又は「実質的に含まない(substantially free from)」を使用してもよい。これは、指示される材料が最小限の量であり、組成物の一部を形成するように意図的にその組成物に添加されたものでないこと、又は好ましくは、分析的に検出可能な濃度で存在しないことを意味する。それは、指示される材料が意図的に含まれるその他の材料のうちの1つの中に不純物としてのみ存在する組成物を含むことを意味する。指示される材料は、存在したとしても、組成物の1重量%未満、又は0.1重量%未満、又は0.01重量%未満、あるいは0重量%の濃度で存在してもよい。
【0011】
本明細書で使用する場合、語句「布地ケア組成物」は、布地処理用に設計された組成物及び配合物を含む。このような組成物は、洗濯洗浄組成物及び洗剤、布地柔軟化組成物、布地増強組成物、布地消臭組成物、予洗い用洗剤(laundry prewash)、洗濯前処理剤、洗濯添加剤、スプレー製品、ドライクリーニング剤又は組成物、洗濯すすぎ添加剤、洗浄添加剤、すすぎ後布地処理剤、アイロン助剤、単位用量配合物、遅延送達配合物、多孔性基材若しくは不織布シート上又は中に含有される洗剤、及び本明細書の教示を考慮すると当業者に明白であり得るその他の好適な形態を含むが、これらに限定されない。このような組成物を、洗濯前処理剤、洗濯後処理剤として使用してもよい、又は洗濯操作のすすぎ若しくは洗浄サイクル中に添加してもよい。
【0012】
別途注記のない限り、全ての成分又は組成物の濃度は、当該成分又は組成物の活性部分に関するものであり、このような成分又は組成物の市販の供給源に存在する場合のある不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0013】
本明細書における全ての温度は、別途指示のない限り、摂氏(℃)である。別途明記のない限り、本明細書における全ての測定は、20℃及び大気圧下で実施される。
【0014】
本開示の全ての実施形態では、全てのパーセンテージは、特に記載のない限り、全組成物の重量に対するものである。特に記載のない限り、全ての比率は重量比である。
【0015】
本明細書の全体を通して与えられる全ての最大数値限定は、それよりも小さい全ての数値限定を、このようなより小さい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように含むものと理解すべきである。本明細書の全体を通して与えられる全ての最小数値限定は、それよりも高い全ての数値限定を、このようなより高い数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように含み得る。本明細書の全体を通して与えられる全ての数値範囲は、このようなより広い数値範囲内に含まれる、より狭い全ての数値範囲を、このようなより狭い数値範囲があたかも全て本明細書に明確に記載されているかのように含み得る。
【0016】
布地ケア組成物
本開示は、布地ケア組成物に関する。本開示の布地ケア組成物は、香料カプセル化剤及び第四級アンモニウムエステル化合物を含有してもよい。香料カプセル化剤は、種々のタッチポイントにおいて芳香的効果/洗いたて感の効果を提供することができ、第四級アンモニウムエステル化合物は、柔軟性、しわ防止、静電気防止、コンディショニング、広がり防止、色、及び/又は外観効果を提供し得る布地コンディショニング活性物質として作用し得る。
【0017】
更に、以下により詳細に提供されるように、特定のカプセル化技術を特定の第四級アンモニウムエステル化合物とカップリングさせることにより、例えば、洗いたて感の性能に関して相乗効果を得ることができると考えられている。
【0018】
特に、本開示は、香料カプセル化剤及び第四級アンモニウムエステル化合物を含む布地ケア組成物に関し、香料カプセル化剤は、シェルと、シェルによって包囲されたコアと、を含み、シェルは、(メタ)アクリレート材料を含み、コアは香料を含み、(a)第四級アンモニウムエステル化合物は、トリエステル第四級アンモニウム材料(「トリエステルクアット」)を含む。
【0019】
本開示はまた、香料カプセル化剤及び第四級アンモニウムエステル化合物を含む布地ケア組成物にも関し、香料カプセル化剤は、シェルと、シェルによって包囲されたコアと、を含み、シェルは(メタ)アクリレート材料を含み、コアは香料を含み、(b)(メタ)アクリレート材料は、イソシアヌレートトリアクリレートモノマーを含み、第四級アンモニウムエステル化合物は、約13個~約22個の炭素原子を含有するアルキル部分を有する脂肪酸から誘導される。
【0020】
本開示はまた、香料カプセル化剤及び第四級アンモニウムエステル化合物を含む布地ケア組成物にも関し、香料カプセル化剤は、シェルと、シェルによって包囲されたコアと、を含み、シェルは(メタ)アクリレート材料を含み、コアは香料を含み、(a)第四級アンモニウムエステル化合物は、トリエステル第四級アンモニウム材料(「トリエステルクアット」)を含み、(b)(メタ)アクリレート材料は、イソシアヌレートトリアクリレートモノマーを含み、第四級アンモニウムエステル化合物は、約13個~約22個の炭素原子を含有するアルキル部分を有する脂肪酸から誘導される。
【0021】
布地ケア組成物、カプセル化剤、及び第四級アンモニウムエステル化合物は、以下により詳細に記載される。
【0022】
布地ケア組成物は、任意の好適な形態であってもよい。例えば組成物は、液体組成物、顆粒状組成物、単区画パウチ、多区画パウチ、溶解性シート、トローチ若しくはビーズ、繊維状物品、錠剤、バー、フレーク、乾燥シート、又はこれらの混合物の形態であってもよい。本組成物は、液体、固体、又はこれらの組み合わせから選択され得る。好ましくは、組成物は液体である。液体は、水溶性フィルムに封入されて、パウチなどの単位用量物品を形成してもよい。
【0023】
組成物は、液体の形態であってもよい。組成物は水を含んでもよい。組成物は水性であってもよい。液体組成物であってもよい組成物は、少なくとも50重量%の水、好ましくは少なくとも75重量%、あるいは85重量%超の水を含んでもよい。組成物は、組成物の約10重量%~約90重量%、好ましくは約25%~約80%、より好ましくは約45%~約70%の水を含んでもよい。液体組成物は、液体布地増強剤であってもよい。液体は、注入可能なボトル内に包装されてもよい。液体は、エアゾール缶又はその他のスプレーボトル内に包装されてもよい。
【0024】
組成物は、錠剤、パウチ、シート、又は繊維状物品などの、単位化用量物品の形態であってもよい。このようなパウチは、典型的には、組成物を少なくとも部分的に封入する水溶性フィルム、例えば、ポリビニルアルコール水溶性フィルムを含む。好適なフィルムは、MonoSol,LLC(Indiana,USA)から入手可能である。組成物は、単区画パウチに封入しても、又は多区画パウチに封入してもよい。多区画パウチは、少なくとも2つ、少なくとも3つ、又は少なくとも4つの区画を有してもよい。多区画パウチは、並べて及び/又は重ねておかれた区画を含んでもよい。パウチ又はその区画内に収容される組成物は、液体、固体(粉末など)、又はこれらの組み合わせであってもよい。パウチにした組成物は、比較的少量の水、例えば、洗剤組成物の約20重量%未満、又は約15重量%未満、又は約12重量%未満、又は約10重量%未満、又は約8重量%未満の水を有してもよい。
【0025】
布地ケア組成物は、20秒-1及び21℃で、1~1500センチポアズ(1~1500mPa・s)、100~1000センチポアズ(100~1000mPa・s)、又は200~500センチポアズ(200~500mPa・s)の粘度を有してもよい。
【0026】
本開示の布地ケア組成物は、約2~約12、又は約2~約8.5、又は約2~約7、又は約2~約5のpHにより特徴付けられてもよい。本開示の組成物は、約2~約4のpH、好ましくは約2~約3.7のpH、より好ましくは約2~約3.5のpH、好ましくは水性液体の形態を有してもよい。このようなpHレベルにより、第四級アンモニウムエステル化合物の安定性が促進されると考えられている。この組成物のpHを、組成物を脱イオン水中に溶解/分散させて、約20℃で10%の濃度の溶液を形成することによって決定する。
【0027】
カプセル化剤
本開示の布地ケア組成物は、カプセル化剤を含む。典型的には2種以上のカプセル化剤が存在するので、組成物は、複数のカプセル化剤又はカプセル化剤の集団を含むものとして記載されてもよい。
【0028】
組成物は、組成物の約0.05重量%~約20重量%、又は約0.05重量%~約10重量%、又は約0.1重量%~約5重量%、又は約0.2重量%~約2重量%のカプセル化剤を含んでもよい。組成物は、組成物の約0.05重量%~約10重量%、又は約0.1重量%~約5重量%、又は約0.1重量%~約2重量%の香料を組成物に提供するのに十分な量のカプセル化剤を含んでもよい。本明細書で論じる場合、カプセル化剤の量又は重量パーセントは、シェル材料とコア材料との合計を意味する。
【0029】
カプセル化剤は、約0.5マイクロメートル~約100マイクロメートル、あるいは10~100マイクロメートル、好ましくは約1マイクロメートル~約60マイクロメートル、あるいは10マイクロメートル~50マイクロメートル、あるいは20マイクロメートル~45マイクロメートル、又はあるいは20マイクロメートル~60マイクロメートルの容積重量中央値のカプセル化剤サイズを有してもよい。
【0030】
コア
本開示のカプセル化剤は、コアを含んでもよい。コアは、シェルによって包囲されてもよい。コアは、香料を含んでもよい。香料は、単一の香料原料又は香料原料の混合物を含んでもよい。
【0031】
用語「香料原料」(又は「PRM」)は、本明細書で使用する場合、少なくとも約100g/モルの分子量を有し、かつ匂い、芳香、エッセンス、又は香りを、単独で又はその他の香料原料とともに付与するのに有用な化合物を意味する。典型的なPRMとしては特に、アルコール、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、ナイトライト、及びテルペンなどのアルケンが挙げられる。一般的なPRMのリストは、例えば、「Perfume and Flavor Chemicals」第I巻及び第II巻;Steffen Arctander Allured Pub.Co.(1994)及び「Perfumes:Art,Science and Technology」、Miller,P.M.and Lamparsky,D.,Blackie Academic and Professional (1994)に見出され得る。
【0032】
PRMは、常圧(760mmHg)で測定されたそれらの沸点(B.P.)と、以下の試験方法に従って決定されるlogPによって記載され得るオクタノール/水分配係数(P)とによって特徴付けられてもよい。下記でより詳細に記載されるように、これらの特徴に基づいて、PRMを、象限I、象限II、象限III、象限IVの香料として分類してもよい。異なる象限から種々のPRMを有する香料は、例えば、通常の使用中に異なるタッチポイントで芳香効果を提供することが望ましい場合がある。
【0033】
香料は、約250℃より低い沸点(B.P.)と約3より低いClogPとを有する香料原料、約250℃より高いB.P.と約3より高いClogPとを有する香料原料、約250℃より高いB.P.と約3より低いClogPとを有する香料原料、約250℃より低いB.P.と約3より高いClogPとを有する香料原料、及びこれらの混合物からなる群から選択される香料原料を含んでもよい。約250℃より低い沸点B.P.と約3より低いClogPとを有する香料原料は、象限I香料原料として知られる。象限I香料原料は、香料組成物の30%未満に限定されることが好ましい。約250℃より高いB.P.と約3より高いClogPとを有する香料原料は、象限IV香料原料として知られ、約250℃より高いB.P.と約3より低いClogPとを有する香料原料は、象限II香料原料として知られ、約250℃より低いB.P.と約3より高いClogPとを有する香料原料は、象限III香料原料として知られる。好適なI、II、III及びIV象限香料原料は、米国特許第6,869,923(B1)号に開示されている。
【0034】
コア内の香料は、香料原料の混合物を含有してもよい。コア内の香料は、少なくとも3種、又は少なくとも4種、又は少なくとも5種、又は少なくとも6種、又は少なくとも7種、又は少なくとも8種、又は少なくとも9種、又は少なくとも10種の香料原料を含んでもよい。香料原料の混合物は、より複雑で望ましい審美性、及び/又はより良好な香料性能若しくは寿命を、例えば、種々のタッチポイントで提供してもよい。
【0035】
コア内の香料は、約50種未満、又は約40種未満、又は約30種未満、又は約25種未満、又は約20種未満の香料原料を含んでもよい。配合の複雑性及び/又はコストを低減又は制限する方法として香料中の香料原料の数を制限することが望ましい場合がある。
【0036】
香料は、天然由来の少なくとも1種の香料原料を含んでもよい。このような成分は、持続可能性/環境上の理由から望ましい場合がある。天然由来の香料原料は、PRMの混合物を含有し得る天然抽出物又はエッセンスを含んでもよい。このような天然抽出物又はエッセンスとしては、オレンジ油、レモン油、バラ抽出物、ラベンダー、ムスク、パチョリ、バルサムエッセンス、白檀油、松根油、スギなどが挙げられてもよい。
【0037】
本開示のカプセル化剤のコアは、分配調整剤を含んでもよい。コアは、封入された有益剤に加えて、コアの総重量に基づいて、0%超~約80%、好ましくは0%超~約50%、より好ましくは0%超~約30%、最も好ましくは0%超~約20%の分配調整剤を含んでもよい。
【0038】
分配調整剤は、植物油、変性植物油、C~C24脂肪酸のモノ-、ジ-、及びトリ-エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ドデカノフェノン、ラウリン酸ラウリル、ベヘン酸メチル、ラウリン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、並びにこれらの混合物からなる群から選択される材料を含んでもよい。分配調整剤は、好ましくはミリスチン酸イソプロピルを含んでもよい、又はミリスチン酸イソプロピルからなってもよい。変性植物油は、エステル化及び/又は臭素化されたものであってもよい。変性植物油は、好ましくは、ヒマシ油及び/又はダイズ油を含んでもよい。参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第20110268802号は、本明細書に記載される香料カプセル化剤において有用であり得るその他の分配調整剤について記載している。
【0039】
シェル
カプセル化剤は、シェルを含んでもよい。シェルは、コアを部分的に又は完全に包囲してもよい。
【0040】
シェルは、ポリマー材料を含んでもよい。ポリマー材料は、(メタ)アクリレート材料を含んでもよい。上記のように、5.0mgKOH/gを超える酸価を有する香料は、アクリレート材料を含むシェルに封入された場合に驚くほど良く性能を発揮することが見出されている。シェルのポリマー材料は、少なくとも部分的にラジカル重合プロセスにより形成されてもよい。
【0041】
シェルのアクリレート材料は、ポリアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリウレタンメタクリレート、エポキシメタクリレート、及びこれらの混合物からなる群から選択される(メタ)アクリレート材料を含んでもよい。
【0042】
本明細書で使用する場合、用語「(メタ)アクリレート」又は「(メタ)アクリル」への言及は、特定のモノマー、オリゴマー、及び/又はプレポリマーのアクリレート及びメタクリレートバージョンの両方を意味するものとして理解すべきである。例えば、「アリル(メタ)アクリレート」は、アリルメタクリレート及びアリルアクリレートの両方の可能性があることを示し、同様に、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルへの言及は、アクリル酸のアルキルエステル及びメタクリル酸のアルキルエステルの両方の可能性があることを示し、同様に、ポリ(メタ)アクリレートは、ポリアクリレート及びポリメタクリレートの両方の可能性があることを示す。ポリ(メタ)アクリレート材料は、例えば、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート、ウレタン及びポリウレタンポリ(メタ)アクリレート(特に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと、ポリイソシアネート又はウレタンポリイソシアネートとの反応によって調製されるもの)、メチルシアノアクリレート、エチルシアノアクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート官能性シリコン、ジ-、トリ-、及びテトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ(ペンタメチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、エチレンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシル化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ジグリセロールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジクロロアクリレート、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、及びジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、並びに種々の多官能(メタ)アクリレートを含む、広範なポリマー材料を包含することを意図する。単官能性アクリレート、すなわち、1つのアクリレート基のみを含むものも、有利に使用されてもよい。典型的なモノアクリレートとしては、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、p-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、クロロベンジル(メタ)アクリレート、アミノアルキル(メタ)アクリレート、種々のアルキル(メタ)アクリレート、及びグリシジル(メタ)アクリレートが挙げられる。(メタ)アクリレート又はそれらの誘導体との混合物、並びに1つ以上の(メタ)アクリレートモノマー、オリゴマー、及び/若しくはプレポリマーの組み合わせ又はそれらの誘導体と、アクリロニトリル及びメタアクリロニトリルを含むその他のコポリマー化可能なモノマーとの混合物も、同様に使用されてもよい。
【0043】
主な当該シェル材料は、ポリアクリレートを含んでもよい。シェル材料は、シェル材料の約25重量%~約100重量%、又は約50重量%~約100重量%、又は約65重量%~約100重量%のポリアクリレートポリマーを含んでもよい。ポリアクリレートは、ポリアクリレート架橋ポリマーを含んでもよい。
【0044】
カプセル化剤の(メタ)アクリレート材料は、1つ以上の多官能性アクリレート部分を含む材料から誘導されるポリマーを含んでもよい。多官能性アクリレート部分は、三官能性アクリレート、四官能性アクリレート、五官能性アクリレート、六官能性アクリレート、七官能性アクリレート、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。多官能性アクリレート部分は、好ましくは、六官能性アクリレートである。アクリレート材料は、アクリレート部分、メタクリレート部分、アミンアクリレート部分、アミンメタクリレート部分、カルボン酸アクリレート部分、カルボン酸メタクリレート部分、及びこれらの組み合わせ、好ましくは、アミンメタクリレート部分又はカルボン酸アクリレート部分からなる群から選択される部分を含む、ポリアクリレートを含んでもよい。
【0045】
(メタ)アクリレート材料は、1つ以上の多官能性アクリレート及び/又は多官能性メタクリレート部分を含む材料を含んでもよい。1つ以上の多官能性アクリレート部分を含む材料の1つ以上のメタクリレート部分を含む材料に対する比は、約999:1~約6:4、好ましくは約99:1~約8:1、より好ましくは約99:1~約8.5:1であってもよい。
【0046】
多官能性アクリレートの例としては、CN975(六官能性芳香族ウレタンアクリレート)、CN9006(六官能性脂肪族ウレタンアクリレート)、CN296、CN293、CN2295(六官能性ポリエステルアクリレートオリゴマー又はアクリル化ポリエステル)、CN2282、CN294E、CN299(四官能性ポリエステルアクリレートオリゴマー又はアクリル化ポリエステル)、SR494、SR295、SR255(四官能性アクリレートオリゴマー)、SR9009、SR9011(三官能性メタクリレートオリゴマー)、SR929(ポリエステルウレタンアクリレートオリゴマー)、SR9053(酸エステル三官能性アクリレートオリゴマー)、CN989、CN9301(脂肪族ウレタンアクリレート)、SR350、SR353(三官能性アクリレートオリゴマー)、SR9012(三官能アクリレートエステル)、及び/又はSR368(トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート)などのSartomer Inc.から販売されている材料が挙げられる。
【0047】
アクリレート材料は、六官能性アクリレート、トリアクリレート、又はこれらの混合物、好ましくは、六官能性芳香族アクリレート、イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物、より好ましくは、六官能性芳香族ウレタンアクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物から選択されるモノマーから誘導されてもよく、それは、このような材料が堅牢なカプセルを製造するのに有用であることが見出されているためである。
【0048】
例えば、本明細書に記載された粒子のシェルは、少なくとも1つのモノマー又はそのオリゴマーの反応生成物を含むポリ(メタ)アクリレートポリマーを含んでもよい。モノマーは、式Iによる構造を含む。
【0049】
【化1】
式中、Rは、C~Cから選択され、Rは水素又はメチルであり、nは1~3の整数であり、Aは、式II~式VIから選択されるもののいずれかから選択される環状構造である。
【0050】
【化2】
【0051】
カプセル化剤のシェルは、メラミン誘導体を実質的に含まなくてもよい。メラミン誘導体としては、メラミン系モノマー、例えば、メラミン-ホルムアルデヒド材料から誘導されるポリマー又はその他の材料を挙げてもよい。カプセル化剤のシェルは、メラミン-ホルムアルデヒド材料を実質的に含まなくてもよい。理論に束縛されるものではないが、メラミン-ホルムアルデヒド材料は、シェルを封入するために比較的強い負電荷を提供し、第四級アンモニウムエステル化合物との不十分な相互作用及び/又は不十分な性能をもたらし、トリエステルクアットを含み、及び/又はトリエタノールアミンから誘導される特定の化合物をもたらすと考えられている。
【0052】
カプセル化剤は、カプセル化剤の総重量を基準にして、約0.5%~約40%、より好ましくは0.8%~5%の乳化剤を含んでもよい。乳化剤は、カプセル化剤の形成中に加工助剤として有用であり得る。乳化剤は、シェル内に埋め込まれてもよい、及び/又はシェル上に位置していてもよい。乳化剤は、ポリビニルアルコール、カルボキシル化又は部分加水分解ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸の塩又はエステル、レシチン、有機スルホン酸、2-アクリルアミド-2-アルキルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ポリビニルピロリドン、N-ビニルピロリドンのコポリマー、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸とメタクリル酸とのコポリマー、及び水の表面張力を低下させる水溶性界面活性剤ポリマーからなる群から選択されてもよい。
【0053】
乳化剤は、好ましくは、ポリビニルアルコールを含む。好ましくは、ポリビニルアルコールは、以下の特性のうちの少なくとも1つ又はその混合を有する:(i)70%~99%、好ましくは75%~98%、より好ましくは80%~96%、より好ましくは82%~96%、最も好ましくは86%~94%の加水分解度、及び/又は(ii)20℃の4%水溶液において、2mPa.s~150mPa.s、好ましくは3mPa.s~70mPa.s、より好ましくは4mPa.s~60mPa.s、更により好ましくは5mPa.s~55mPa.sの粘度。好適なポリビニルアルコール材料は、Selvol 540 PVA(Sekisui Specialty Chemicals,Dallas,TX)、Mowiol 18-88=Poval 18-88、Mowiol 3-83、Mowiol 4-98=Poval 4-98(クラレ)、Poval KL-506=Poval 6-77 KL(Kuraray)、Poval R-1130=Poval 25-98 R(Kuraray)、Gohsenx K-434(日本合成化学工業)から選択されてもよい。
【0054】
本開示のカプセル化剤は、コーティングを含んでもよい。シェルは、コーティングを含んでもよく、例えば、コーティングは、シェルの外面上に存在してもよい。カプセル化剤は製造されてから、続いてコーティング材料でコーティングされてもよい。コーティングは、付着助剤として有用であり得る。コーティング材料の非限定的な例としては、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレン-無水マレイン酸)、ポリアミン、ワックス、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンコポリマー、ポリビニルピロリドン-エチルアクリレート、ポリビニルピロリドン-ビニルアクリレート、ポリビニルピロリドンメタクリレート、ポリビニルピロリドン/ビニルアセテート、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリシロキサン、ポリ(プロピレン無水マレイン酸)、無水マレイン酸誘導体、無水マレイン酸誘導体のコポリマー、ポリビニルアルコール、スチレン-ブタジエンラテックス、ゼラチン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、その他の変性セルロース、アルギン酸ナトリウム、キトサン、カゼイン、ペクチン、化工デンプン、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリビニルメチルエーテル/無水マレイン酸、ポリビニルピロリドン及びそのコポリマー、ポリ(ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩化物)、ポリビニルピロリドン/ビニルアセテート、ポリビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタアクリレート、ポリビニルアミン、ポリビニルホルムアミド、ポリアリルアミン、並びにポリビニルアミン、ポリビニルホルムアミド、及びポリアリルアミンのコポリマー、並びにこれらの混合物からなる群から選択される材料が挙げられるが、これらに限定されない。コーティング材料は、カチオン性ポリマーであってもよい。コーティング材料は、キトサンを含んでもよい。
【0055】
組成物は、本明細書に記載されたカプセル化剤シェル厚さ試験法によって測定されるように、カプセル化剤の少なくとも75%が、約10nm~約350nm、約20nm~約200nm、又は25nm~約180nmのカプセル化剤シェル厚さを有する本開示によるカプセル化剤を含んでもよい。
【0056】
第四級アンモニウムエステル化合物
組成物は、布地コンディショニング活性物質(「FCA」)として作用し得る第四級アンモニウムエステル化合物を含んでもよい。第四級アンモニウムエステル化合物の種類及び量は、送達される標的有益剤及び/又は処理のために標的化された布地に関して選択されてもよい。
【0057】
第四級アンモニウムエステル化合物(「エステルクアット」と呼ばれることもある)は、組成物の約0.1重量%~約50重量%、又は約2重量%~約40重量%、又は約3重量%~約25重量%、好ましくは4重量%~18重量%、より好ましくは5重量%~15重量%の濃度で存在してもよい。第四級アンモニウムエステル化合物は、組成物の0重量%超~約30重量%、又は約1重量%~約25重量%、又は約3重量%~約20重量%、又は約4.0重量%~18重量%、より好ましくは4.5重量%~15重量%、更により好ましくは5.0重量%~12重量%の濃度で存在してもよい。第四級アンモニウムエステル化合物は、布地ケア組成物の約1重量%~約8重量%、又は約1.5重量%~約5重量%の濃度で存在してもよい。第四級アンモニウムエステル化合物の濃度は、本組成物(希釈又は濃縮組成物)中の全布地コンディショニング活性物質の所望の濃度、及びその他のFCAの有無に依存し得る。しかしながら、経時的に粘度が増加することのリスクは、典型的には、より高いFCA濃度を有する布地処理組成物の方が高い。一方、非常に高いFCA濃度では、粘度はもはや十分に制御することができないので、生成物が使用に適さなくなる。
【0058】
第四級アンモニウムエステル化合物は、脂肪酸(親脂肪酸と呼ばれることもある)から誘導されてもよい。脂肪酸は、飽和脂肪酸及び/又は不飽和脂肪酸を含んでもよい。脂肪酸は、ヨウ素価によって特徴付けられてもよい(方法を参照)。好ましくは、第四級アンモニウム布地化合物が形成される脂肪酸のヨウ素価は、0~140、又は0~約90、又は約10~約70、約15~約50、又は約18~約30であってもよい。ヨウ素価は、約25~50、好ましくは30~48、より好ましくは32~45であってもよい。理論に束縛されるものではないが、第四級アンモニウム化合物を形成する脂肪酸が少なくとも部分的に不飽和である場合、FCAの加工性がより容易な低い融点が得られる。特に、二重不飽和脂肪酸は、処理が容易なFCAを可能にすると考えられている。
【0059】
脂肪酸は、平均して重量比で、約13個~約22個の炭素原子、又は約14個~約20個の炭素原子、好ましくは約16個~約18個の炭素原子を含有するアルキル部分を含んでもよい。
【0060】
好適な脂肪酸は、以下から誘導されるものを含んでもよい:(1)動物脂肪及び/又は部分水素添加動物脂肪(牛脂、ラードなど)、(2)植物油又は部分硬化植物油、例えば、カノーラ油、ベニバナ油、ピーナッツ油、ヒマワリ油、ゴマ種子油、ナタネ油、綿実油、トウモロコシ油、ダイズ油、トール油、米糠油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、他の熱帯パーム油、アマニ油、キリ油など;(3)加工油及び/又はスタンド油、例えば、熱、圧力、アルカリ異性体化及び触媒処理によるアマニ油又はキリ油;(4)飽和(例えば、ステアリン酸)、不飽和(例えば、オレイン酸)、多不飽和(リノール酸)、分枝鎖(例えば、イソステアリン酸)又は環状(例えば、多不飽和酸の飽和又は不飽和α-二置換シクロペンチル又はシクロヘキシル誘導体)脂肪酸を生じさせるための、上記のものの混合物。
【0061】
第四級アンモニウムエステル化合物は、不飽和である脂肪酸から形成される化合物を含んでもよい。脂肪酸は、不飽和C18鎖を含んでもよく、これは、単一の二重結合(「C18:1」)を含んでもよい、又は二重不飽和(「C18:2」)であってもよい。
【0062】
第四級アンモニウムエステル化合物は、脂肪酸、及び任意にトリエタノールアミン、好ましくは18個の炭素を含む不飽和脂肪酸(「C18脂肪酸」)、より好ましくは単一の二重骨(「C18:1脂肪酸」)を含むC18脂肪酸から誘導されてもよい。第四級アンモニウムエステル化合物は、第四級アンモニウムエステル化合物の約10重量%~約40重量%、又は約10重量%~約30重量%、又は約15重量%~約30重量%の、トリエタノールアミン及びC18:1脂肪酸から誘導される化合物を含んでもよい。このような濃度の脂肪酸は、得られるエステルクアット材料の取り扱いを促進し得る。
【0063】
第四級アンモニウムコンディショニング活性物質が形成される脂肪酸は、全脂肪酸鎖の1.0重量%~20.0重量%、好ましくは1.5重量%~18.0重量%、又は3.0重量%~15.0重量%、より好ましくは4.0重量%~15.0重量%の二重不飽和C18鎖(「C18:2」)を含んでもよい。第四級アンモニウムエステル化合物を形成するために使用される全脂肪酸の約2重量%~約10%、又は約2重量%~約8重量%、又は約2重量%~約6重量%は、C18:2脂肪酸であってもよい。
【0064】
一方で、非常に高濃度の不飽和脂肪酸鎖は、経時的な布地柔軟化組成物の酸化の結果としての悪臭形成を最小限に抑えるために回避されるべきである。
【0065】
好適な第四級アンモニウムエステル化合物としては、モノエステル第四級材料(「モノエステルクアット」)、ジエステル第四級材料(「ジエステルクアット」)、トリエステル第四級材料(「トリメスタークアット」)、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料を挙げることができる。全第四級アンモニウムエステル化合物の重量に対して、モノエステルクアットの濃度は2.0%~40.0%であり、ジエステルクアットの濃度は40.0%~98.0%であり、トリエステルクアットの濃度は0.0%~30.0%であってもよい。全第四級アンモニウムエステル化合物の重量に対して、モノエステルクアットの濃度は2.0%~40.0%であってもよく、ジエステルクアットの濃度は40.0%~98.0%であってもよく、トリエステルクアットの濃度は5.0%未満、1.0%未満、あるいは0.0%であってもよい。全第四級アンモニウムエステル化合物の重量に対して、モノエステルクアットの濃度は15.0%~35.0%であってもよく、ジエステルクアットの濃度は40.0%~60.0%であってもよく、トリエステルクアットの濃度は15%~38.0%であってもよい。第四級アンモニウムエステル化合物は、トリエステル第四級アンモニウム材料(「トリエステルクアット」)を含んでもよい。
【0066】
好適な第四級アンモニウムエステル化合物は、アルカノールアミン、例えば、C1~C4アルカノールアミン、好ましくはC2アルカノールアミン(例えば、エタノールアミン)から誘導されてもよい。第四級アンモニウムエステル化合物は、モノアルカノールアミン、ジアルカノールアミン、トリアルカノールアミン、又はこれらの混合物、好ましくはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、又はこれらの混合物から誘導されてもよい。第四級アンモニウムエステル化合物は、ジエタノールアミンから誘導されてもよい。第四級アンモニウムエステル化合物は、ジ-イソプロパノールアミンから誘導されてもよい。第四級アンモニウムエステル化合物は、トリエタノールアミンから誘導されてもよい。第四級アンモニウムエステル化合物が誘導されるアルカノールアミンは、アルキル化モノ-又はジアルカノールアミン、例えば、C1~C4アルキル化アルカノールアミン、好ましくはC1アルキル化アルカノールアミン(例えば、N-メチルジエタノールアミン)であってもよい。
【0067】
第四級アンモニウムエステル化合物は、少なくとも部分的に置換された四級化窒素原子を含んでもよい。四級化窒素原子は、少なくとも部分的に、1つ以上のC1~C3アルキル基又はC1~C3ヒドロキシルアルキル基で置換されてもよい。四級化窒素原子は、少なくとも部分的に、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、1-メチル-2-ヒドロキシエチル、ポリ(C~Cアルコキシ)、ポリエトキシ、ベンジル、より好ましくはメチル又はヒドロキシエチルからなる群から選択される部分で置換されてもよい。
【0068】
第四級アンモニウムエステル化合物は、以下の式(I)による化合物を含んでもよい。
{R (4-m)-N+-[X-Y-R}A 式(I)
式中、
mは1、2又は3であるが、ただし、所与の分子において、各Mの値は同一であり、式(I)による化合物の少なくとも一部に関して、(a)第四級アンモニウムエステル化合物が、トリエステル第四級アンモニウム材料(「トリエステルクアット」)を含む場合、mが3(すなわち、トリエステル)であり、
13個~22個の炭素原子を含んでもよいRは、独立して、直鎖状ヒドロカルビル基又は分岐鎖状ヒドロカルビル基であり、好ましくは、Rは、直鎖であり、より好ましくは、Rは、部分不飽和直鎖状アルキル鎖であり、
各Rは、独立して、C~Cアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、及び/又は、Rは、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、1-メチル-2-ヒドロキシエチル、ポリ(C~Cアルコキシ)、ポリエトキシ、ベンジル、より好ましくはメチル又はヒドロキシエチルから選択され、
各Xは独立して、-(CH)n-、-CH-CH(CH)-又は-CH(CH)-CH-であり、各nは独立して1、2、3又は4であり、好ましくは、各nは2であり、
各Yは、独立して、-O-(O)C-又は-C(O)-O-であり、また、
A-は、独立して、塩化物、臭化物、硫酸メチル、硫酸エチル、硫酸、及び硝酸からなる群から選択され、好ましくは、A-は、塩化物及び硫酸メチルからなる群から選択され、より好ましくは、A-は、硫酸メチルである。
【0069】
少なくとも1つのX、好ましくは各Xは独立して、-CH-CH(CH)-又は-CH(CH)-CH2-から選択されてもよい。mが2の場合、Xは、-CH-CH(CH)-、-CH(CH)-CH-、又はこれらの混合物から選択されてもよく、式中、は、第四級アンモニウムエステル化合物の窒素に最も近い末端を示す。単一の化合物中に2個以上のX基が存在する場合、X基のうちの少なくとも2つは互いに異なっていてもよい。例えば、mが2の場合、1つのX(例えば、第1のX)は、-CH-CH(CH)-であってもよく、その他のX(例えば、第2のX)は、-CH(CH)-CH2-であってもよく、は、第四級アンモニウムエステル化合物の窒素に最も近い末端を示す。m指数及びX基のこのような選択は、第四級アンモニウムエステル化合物の加水分解安定性を改善し、したがって、組成物の安定性を更に改善し得ることが見出された。
【0070】
同様の安定性の理由から、第四級アンモニウムエステル化合物は、ビス-(2-ヒドロキシプロピル)-ジメチルアンモニウム硫酸メチル脂肪酸エステルと、(2-ヒドロキシプロピル)-(1-メチル-2-ヒドロキシエチル)-ジメチルアンモニウム硫酸メチル脂肪酸エステルと、ビス-(1-メチル-2-ヒドロキシエチル)-ジメチルアンモニウム硫酸メチル脂肪酸エステルと、の混合物を含んでもよく、脂肪酸エステルがC12~C18脂肪酸混合物から生成される。第四級アンモニウムエステル化合物は、本段落に列挙される、個々に又は混合物として、脂肪酸エステルのいずれかを含んでもよい。
【0071】
各Xは-(CH)n-であってもよく、各nは独立して、1、2、3又は4であり、好ましくは、各nは2である。
【0072】
各R基は、上記に提供された親脂肪酸のいずれかのアルキル部分(複数可)に対応してもよい、及び/又はそれから誘導されてもよい。R基は、重量平均で約13個~約22個の炭素原子、又は約14個~約20個の炭素原子、好ましくは約16個~約18個の炭素原子を含んでもよい。Yが-O-(O)C-である場合(は、X部分最も近い末端を示す)、各Rにおける炭素の合計は、13個~21個、好ましくは、13個~19個である。
【0073】
本開示の第四級アンモニウム化合物は、例えば、m=1(例えば、モノエステル)であるいくつかの化合物を有する、及びm=2(例えば、ジエステル)であるいくつかの化合物を有する、式(I)による第四級アンモニウム化合物の混合物を含んでもよい。いくつかの混合物は、m=3(例えば、トリエステル)である化合物もまた含有してもよい。第四級アンモニウム化合物は、式(I)による化合物を含んでもよく、式中、mは1又は2であるが3ではない(例えば、トリエステルを実質的に含まない)。
【0074】
本開示の第四級アンモニウム化合物は、式(I)による化合物を含んでもよく、式中、各Rはメチル基である。本開示の第四級アンモニウム化合物は、式(I)による化合物を含んでもよく、式中、少なくとも1つのR、好ましくは少なくとも1つのRがヒドロキシエチル基であり、少なくとも1つのRがメチル基である。式(I)による化合物の場合、mは1に等しく、1つのRのみがヒドロキシエチル基であってもよい。
【0075】
本開示の第四級アンモニウム化合物は、対イオンとして硫酸メチルを含んでもよい。本開示の第四級アンモニウムエステル化合物が式(I)による化合物を含む場合、A-は、好ましくは硫酸メチルであってもよい。理論に束縛されるものではないが、硫酸メチル対イオンが塩化物と比較してより緊密に結合しているため、対イオンとして硫酸メチルを有するエステルクアットは、塩化物を有するものと比較して、より低い静電反発力を有すると考えられている。したがって、静電反発力は、エステルクアットと硫酸メチルイオンとの間の相互作用により、比較的低減されると考えられている。したがって、硫酸メチル系エステルクアットは、比較的低電荷構造をもたらす場合があり、これは、中性表面との比較的強い相互作用をもたらす場合がある。次に、より中性電荷を有する粒子は、これらのより中性の材料及び/又はそれから形成されるベシクルの表面とより相互作用する場合があり、より正電荷したカプセル剤とこのような材料/ベシクルとの間の相互作用と比較して、布地などの標的表面上により効果的な付着をもたらすと考えられている。
【0076】
本開示の第四級アンモニウム化合物は、以下からなる群から選択される1つ又は複数の構成要素を含んでもよい。
(A)アシル部分が、分級され得る、及び/又は水素化され得る、ヤシ、獣脂、キャノーラ及び/若しくはその他の好適な脂肪酸などのc12~c22脂肪酸、並びに/又はこれらの混合物から誘導される、ビス-(2-ヒドロキシプロピル)-ジメチルアンモニウム硫酸メチル脂肪酸エステル及びビス-(2-ヒドロキシプロピル)-ジメチルアンモニウム硫酸メチル脂肪酸エステルの異性体並びに/又はこれらの混合物、N,N-ビス-(2-(アシル-オキシ)-プロピル)-N,N-ジメチルアンモニウム硫酸メチル及び/若しくはN-(2-(アシル-オキシ)-プロピル)N--(2-(アシル-オキシ)1-メチル-エチル)N,N-ジメチルアンモニウム硫酸メチル並びに/又はこれらの混合物。
(B)アシル部分が、分級され得る、及び/又は水素化され得る、ヤシ、獣脂、キャノーラ及び/若しくはその他の好適な脂肪酸などのc12~c22脂肪酸、並びに/又はこれらの混合物から誘導される、1,2-ジ(アシルオキシ)-3-トリメチルアンモニオプロパン塩化物。
(C)N,N-ビス(ヒドロキシエチル)-N,N-ジメチルアンモニウム塩化物脂肪酸エステル、アシル部分が、分級され得る、及び/又は水素化され得る、ヤシ、獣脂、キャノーラ及び/若しくはその他の好適な脂肪酸などのc12~c22脂肪酸、並びに/又はこれらの混合物から誘導される、N,N-ビス(タローオイル-オキシ-エチル)N,N-ジメチルアンモニウム塩化物などの、N,N-ビス(アシル-オキシ-エチル)-N,N-ジメチルアンモニウム塩化物、
(D)硫酸ジメチルで四級化された、トリエタノールアミンを有する脂肪酸のエステル化生成物、アシル部分が、分級され得る、及び/又は水素化され得る、ヤシ、獣脂、キャノーラ及び/若しくはその他の好適な脂肪酸などのc12~c22脂肪酸、並びに/又はこれらの混合物から誘導される、N,N-ビス(タローオイル-オキシ-エチル)N-(2-ヒドロキシエチル)-N-メチルアンモニウム硫酸メチルなどの、N,N-ビス(アシル-オキシ-エチル)N-(2-ヒドロキシエチル)-N-メチルアンモニウム硫酸メチル、
(E)ジキャノーラジメチルアンモニウム塩化物、ジ(ハード)タロージメチルアンモニウム塩化物、ジキャノーラジメチルアンモニウム硫酸メチル、1-メチル-1-ステアロイルアミドエチル-2-ステアロイルイミダゾリニウム硫酸メチル、1-タローウイルアミドエチル-2-タローイルイミダゾリン、ジパルミルメチルヒドロキシエチルアンモニウム硫酸メチル、並びに/あるいは
(F)これらの混合物。
【0077】
好適な第四級アンモニウムエステル化合物の例は、Evonikから商標名Rewoquat WE18、及び/又はRewoquat WE20として、またStepanから商標名Stepantex GA90、Stepantex VK90、及び/又はStepantex VL90Aとして市販されている。
【0078】
布地コンディショニング活性物質として第四級アンモニウムエステル化合物を含む組成物は、このような化合物の非四級化誘導体、並びに未反応反応物質(例えば、遊離脂肪酸)を更に含んでもよいことが理解される。
【0079】
本開示の布地ケア組成物は、例えば、第四級アンモニウムエステル化合物に加えて、その他の布地コンディショニング活性物質を含んでもよい。その他のFCAとしては、シリコン、非エステル第四級アンモニウム化合物、アミン、脂肪酸エステル、ショ糖エステル、シリコン、分散性ポリオレフィン、多糖類、脂肪酸、柔軟化油若しくはコンディショニング油、ポリマーラテックス、又はこれらの組み合わせ、好ましくはシリコンを挙げてもよい。第四級アンモニウムエステル化合物及びシリコンを組み合わせた総量は、組成物の約5重量%~約70重量%、又は約6重量%~約50重量%、又は約7重量%~約40重量%、又は約10重量%~約30重量%、又は約15重量%~約25重量%であってもよい。本組成物は、第四級アンモニウムエステル化合物とシリコンとを、約1:10~約10:1、又は約1:5~約5:1、又は約1:3~約1:3、又は約1:2~約2:1、又は約1:1.5~約1.5:1、又は約1:1の重量比で含んでもよい。
【0080】
以下のカプセル化剤シェル材料とエステルクアットとの組み合わせを含む本開示による組成物は、布地に洗いたて感の効果をもたらすのに特に有用であり得る。(a)カプセル化剤シェルの(メタ)アクリレート材料は、六官能性アクリレートモノマーから誘導されたポリアクリレート及び/若しくはイソシアヌレートトリアクリレートモノマーから得られたポリアクリレートから選択され、トリエステル第四級アンモニウム材料(「トリエステルクアット」)を含む第四級アンモニウムエステル化合物と結合し、好ましくは、トリエタノールアミンに誘導される、及び/若しくは対イオンとして硫酸メチルを含む、並びに/又は(b)(メタ)アクリレート材料が、イソシアヌレートトリアクリレートモノマー、好ましくはトリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレートモノマーを含み、約13個~約22個の炭素原子を含有するアルキル部分を有する脂肪酸、好ましくはジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、及び/若しくはトリエタノールアミンから誘導される第四級アンモニウムエステル化合物、より好ましくは、硫酸メチルを対イオンとして含むエステルクアットと結合される。
【0081】
付着助剤
本開示の組成物は、付着助剤を含んでもよい。付着助剤は、カプセル化剤、コンディショニング活性物質、香料、又はこれらの組み合わせの付着を促進し得、組成物の性能上の効果を改善する、及び/又はこのような有益剤のより効率的な配合を可能にし得る。組成物は、組成物の0.0001重量%~3重量%、好ましくは0.0005重量%~2重量%、より好ましくは0.001重量%~1重量%、又は約0.01重量%~約0.5重量%、又は約0.05重量%~約0.3重量%の付着助剤を含んでもよい。付着助剤は、カチオン性又は両性のポリマーであってもよく、好ましくはカチオン性ポリマーであってもよい。
【0082】
カチオン性ポリマー全般、及びそれらの製造方法については、各種文献において周知である。好適なカチオン性ポリマーとしては、周知の第四級アンモニウムポリマー、化粧品成分に関する国際命名法によって命名した際の「ポリクオタニウム」、例えば、ポリクオタニウム-6(ポリ(ジアリルジメチルアンモニウム塩化物)、ポリクオタニウム-7(アクリルアミドとジアリルジメチルアンモニウム塩化物とのコポリマー)、ポリクオタニウム-10(四級化ヒドロキシエチルセルロース)、ポリクオタニウム-22(アクリル酸とジアリルジメチルアンモニウム塩化物とのコポリマー)が挙げられてもよい。
【0083】
付着助剤は、ポリビニルホルムアミド、部分的にヒドロキシル化されたポリビニルホルムアミド、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン、エトキシル化ポリエチレンイミン、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。カチオン性ポリマーは、カチオン性アクリレートを含んでもよい。
【0084】
付着助剤は、カプセル化剤に付随して(例えば、封入される有益剤と同時に)、又は布地処理組成物中に直接/独立して添加され得る。ポリマーの重量平均分子量は、屈折率(Refractive Index、RI)検出を用いて、ポリエチレンオキシド標準物質に対してサイズ排除クロマトグラフィーにより測定した際に、500ダルトン~5000000ダルトン、又は1000ダルトン~2000000ダルトン、又は2500ダルトン~1500000ダルトンであってもよい。カチオン性ポリマーの重量平均分子量は、5000ダルトン~37500ダルトンであってもよい。
【0085】
レオロジー変性剤/構造化剤
本開示の組成物は、レオロジー変性剤及び/又は構造化剤を含有してもよい。レオロジー変性剤は、液体組成物を所望の粘度に、「増粘する」又は「減粘する」ために使用されてもよい。構造化剤は、相安定性を促進するために、及び/又は本明細書に記載されたカプセル化剤などの液体組成物中の粒子の凝集を懸濁させる又は抑制するために使用されてもよい。
【0086】
好適なレオロジー変性剤及び/又は構造化剤としては、非ポリマー結晶性ヒドロキシル官能性構造化剤(硬化ヒマシ油に基づくものを含む)、ポリマー構造化剤、セルロース繊維(例えば、木材を含む、細菌、真菌、若しくは植物起源から誘導され得るミクロフィブリル化セルロース)、ジアミドゲル化剤、又はこれらの組み合わせが挙げられてもよい。
【0087】
ポリマー構造化剤は、天然由来であってよい、又は合成起源のものであってもよい。天然由来のポリマー構造化剤としては、ヒドロキシエチルセルロース、疎水変性ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、多糖誘導体、及びこれらの混合物が挙げられてもよい。多糖誘導体としては、ペクチン、アルギネート、アラビノガラクタン(アラビアガム)、カラギーナン、ジェランガム、キサンタンガム、グアーガム、及びこれらの混合物が挙げられてもよい。合成ポリマー構造化剤としては、ポリカルボキシレート、ポリアクリレート、疎水変性エトキシル化ウレタン、疎水変性非イオン性ポリオール、及びこれらの混合物が挙げられてもよい。ポリカルボキシレートポリマーとしては、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、又はこれらの混合物が挙げられてもよい。ポリアクリレートとしては、不飽和モノ又はジ炭酸と、(メタ)アクリル酸のC~C30アルキルエステルとのコポリマーが挙げられてもよい。このようなコポリマーは、商標名Carbopol Aqua 30でNoveon Inc.から入手可能である。別の好適な構造化剤は、商品名Rheovis CDEで販売され、BASFから入手可能である。
【0088】
その他の添加剤
本開示の布地ケア組成物は、生成物に含めるのに好適なその他の添加剤、及び/又は最終使用量を含有してもよい。例えば、布地ケア組成物は、未希釈の香料、香料送達技術(非アクリレート壁材料を有するプロ香料及び/又はカプセル剤など)、カチオン性界面活性剤、カチオン性ポリマー、溶媒、抑泡剤、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0089】
消費者製品の製造方法
本開示は、本明細書に記載された組成物のいずれかの製造プロセスに関する。消費者製品組成物であり得る組成物の製造プロセスは、本明細書に記載されたカプセル化剤を、本明細書に記載された第四級アンモニウムエステル化合物と組み合わせる工程を含んでもよい。
【0090】
カプセル化剤は、カプセル化剤が、スラリー形態、未希釈のカプセル化剤形態、及び/又は噴霧乾燥カプセル化剤形態を含む1つ以上の形態である場合に、1種以上のFCAと組み合わせられてもよい。カプセル化剤を、混合及び/又は噴霧を含む方法によって、このようなFCAと組み合わせてもよい。
【0091】
本開示の布地ケア組成物は、任意の好適な形態へと製剤し得、配合者によって選択される任意のプロセスによって調剤され得る。カプセル化剤及び補助材料は、バッチプロセス、循環ループプロセス、及び/又はインライン混合プロセスで組み合わされてもよい。本明細書で開示されたプロセスで使用するのに好適な装置としては、連続撹拌槽型反応器、ホモジナイザー、タービン撹拌機、再循環ポンプ、パドルミキサー、プラウ剪断ミキサー、リボンブレンダー、垂直軸造粒機及びドラムミキサー(両方ともバッチ式であり、利用可能な場合は連続プロセスの構成のもの)、噴霧乾燥機、並びに押出成形機を挙げてもよい。
【0092】
布地ケア組成物は、単位用量物品を形成するために、周知の方法に従って水溶性フィルム(複数可)に封入されてもよい。
【0093】
布地ケア組成物は、周知の方法に従ってエアゾール又はその他のスプレー容器に入れられてもよい。
【0094】
布地ケア組成物の使用方法
本開示は更に、布地ケア組成物の使用方法に関する。例えば、本開示は、本開示による組成物で布地を処理する方法に関する。このような方法は、コンディショニング、及び/又はフレッシュニングに関わる効果を提供してもよい。
【0095】
本方法は、布地を本開示の布地ケア組成物と接触させる工程を含んでもよい。組成物は、未希釈の形態であってもよい、又は液体、例えば、洗浄液又はすすぎ液で希釈されてもよい。組成物は、表面又は物品との接触前、接触中、又は接触後に水で希釈されてもよい。布地を、接触工程の前及び/又は後に、任意に洗浄及び/又はすすいでもよい。組成物は、布地上に直接適用されてもよい、又は自動洗濯機の分注容器若しくはドラムに提供されてもよい。
【0096】
布地を処理する方法は、(a)任意に、布地を洗浄、すすぎ、及び/又は乾燥する工程と、(b)任意に、水の存在下において、布地を本明細書に記載された組成物と接触させる工程と、(c)任意に、布地を洗浄及び/又はすすぐ工程と、(d)任意に、受動的に及び/又は洗濯乾燥機などの能動的方法を介して乾燥させる工程と、を含んでもよい。本方法は、自動洗濯機の洗浄サイクル中、又はすすぎサイクル中、好ましくはすすぎサイクル中に生じてもよい。
【0097】
本発明の目的に関して、処理は、擦り洗い及び/又は機械的撹拌を含んでもよいが、これらに限定されない。布地は、標準的な消費者の使用条件で洗濯又は処理することが可能な、ほとんどいずれの布地を含んでもよい。
【0098】
開示される組成物を含む液体は、約3~約11.5のpHを有してもよい。希釈される場合には、このような組成物は、典型的には、溶液中約500ppm~約15,000ppmの濃度で用いられる。洗浄溶媒が水である場合、水の温度は、典型的には、約5℃~約90℃の範囲であり、水対布地の比は、典型的には、約1:1~約30:1であってもよい。
【0099】
組み合わせ
本開示の具体的に想到される組み合わせを、ここで以下のアルファベットを付した段落に記載する。これらの組み合わせは、事実上例示的なものであり、限定的であることを意図したものではない。
A.香料カプセル化剤及び第四級アンモニウムエステル化合物を含む布地ケア組成物であって、香料カプセル化剤は、シェルと、シェルによって包囲されたコアと、を含み、シェルは、(メタ)アクリレート材料を含み、コアは香料を含み、(a)第四級アンモニウムエステル化合物は、トリエステル第四級アンモニウム材料(「トリエステルクアット」)を含み、及び/又は(b)(メタ)アクリレート材料は、イソシアヌレートトリアクリレートモノマーを含み、第四級アンモニウムエステル化合物は、約13個~約22個の炭素原子を含有するアルキル部分を有する脂肪酸から誘導される、香料カプセル化剤及び第四級アンモニウムエステル化合物を含む布地ケア組成物。
B.第四級アンモニウムエステル化合物が、以下の式(I)による化合物を含む、段落Aに記載の布地ケア組成物。
{R (4-m)-N+-[X-Y-R}A 式(I)
式中、mは1、2又は3であるが、ただし、所与の分子において、各mの値は同一であり、式(I)による化合物の少なくとも一部に関して、第四級アンモニウムエステル化合物が、トリエステル第四級アンモニウム材料(「トリエステルクアット」)を含む場合、mが3(すなわち、トリエステル)であり、任意に13個~22個の炭素原子を含むRは、独立して、直鎖状ヒドロカルビル基又は分岐鎖状ヒドロカルビル基であり、好ましくは、Rは、直鎖であり、より好ましくは、Rは、部分不飽和直鎖状アルキル鎖であり、各Rは、独立して、C~Cアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、及び/又は、Rは、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、1-メチル-2-ヒドロキシエチル、ポリ(C~Cアルコキシ)、ポリエトキシ、ベンジル、より好ましくはメチル又はヒドロキシエチルから選択され、各Xは独立して、-(CH)n-、-CH-CH(CH)-又は-CH(CH)-CH-であり、各nは独立して1、2、3又は4であり、好ましくは、各nは2であり、各Yは、独立して、-O-(O)C-又は-C(O)-O-であり、A-は、独立して、塩化物、臭化物、硫酸メチル、硫酸エチル、硫酸、及び硝酸からなる群から選択され、好ましくは、A-は、塩化物及び硫酸メチルからなる群から選択され、より好ましくは、A-は、硫酸メチルである。
C.式(I)による化合物において、A-は硫酸メチルである、パラグラフBに記載の布地ケア組成物。
D.式(I)による化合物の少なくとも一部において、少なくとも1つのRがヒドロキシエチル基であり、好ましくは少なくとも1つのRがヒドロキシエチル基であり、少なくとも1つのRがメチル基である、段落B~Cのいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
E.式(I)による化合物の少なくとも一部について、mが2であり、各Xが、-CH-CH(CH)-、-CH(CH3)-CH-、又はこれらの混合物から選択され、が第四級アンモニウムエステル化合物の窒素に最も近い末端を示し、好ましくは、式(I)による化合物の少なくとも一部について、化合物が、第1のX及び第2のXを含み、第1のXが、-CH-CH(CH)-であり、第2のXが-CH(CH3)-CH-である、段落B~Dのいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
F.第四級アンモニウムエステル化合物が、ビス-(2-ヒドロキシプロピル)-ジメチルアンモニウム硫酸メチル脂肪酸エステルと、(2-ヒドロキシプロピル)-(1-メチル-2-ヒドロキシエチル)-ジメチルアンモニウム硫酸メチル脂肪酸エステルと、ビス-(1-メチル-2-ヒドロキシエチル)-ジメチルアンモニウム硫酸メチル脂肪酸エステルとの混合物を含み、脂肪酸エステルがC12~C18脂肪酸混合物から生成される、段落A~Eのいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
G.第四級アンモニウムエステル化合物が、不飽和脂肪酸、及び任意にトリエタノールアミン、好ましくは18個の炭素(「C18」)を含む不飽和脂肪酸、より好ましくは、単一の二重結合を含むC18脂肪酸(「C18:1脂肪酸」)から誘導された材料を含み、更により好ましくは、このような材料が、第四級アンモニウムエステル化合物の約10重量%~約40重量%、又は約10重量%~約30重量%、又は約15重量%~約30重量%の濃度で存在する、段落A~Fのいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
H.第四級アンモニウムエステル化合物が、第四級アンモニウムエステル化合物の約40.0重量%~約60.0重量%のジエステル第四級アンモニウム材料(「ジエステルクアット」)、及び第四級アンモニウムエステル化合物の約15重量%~約38.0重量%のトリエステルクアットを含み、好ましくは、第四級アンモニウムエステル化合物が、モノエステル第四級アンモニウム材料(「モノエステルクアット」)を更に含み、好ましくは、モノエステルクアットの濃度が、第四級アンモニウムエステル化合物の15.0重量%~35.0重量%である、段落A~Gのいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
I.第四級アンモニウムエステル化合物が、アルカノールアミン、好ましくはモノアルカノールアミン、ジアルカノールアミン、トリアルカノールアミン、又はこれらの混合物から誘導され、より好ましくはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジ-イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、又はこれらの混合物から誘導される、段落A~Hのいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
J.第四級アンモニウムエステル化合物が、0~140、又は0~約90、又は約10~約70、又は約15~約50、又は約18~約30のヨウ素価によって特徴付けられる脂肪酸から誘導される、段落A~Iのいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
K.(メタ)アクリレート材料が、六官能性アクリレート、トリアクリレート、又はこれらの混合物、好ましくは、六官能性芳香族アクリレート、イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物、より好ましくは、六官能性芳香族ウレタンアクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物から選択されるモノマーから誘導される、段落A~Jのいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
L.(メタ)アクリレート材料が、式Iによる構造を有するイソシアヌレートトリアクリレートモノマーを含む、段落A~Kのいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
【0100】
【化3】
式中、Rは、C~Cから選択され、Rは水素又はメチルであり、nは1~3の整数であり、Aは、式II~式VIのいずれか1つによる環状構造である。
【0101】
【化4】
好ましくは、イソシアヌレートトリアクリレートモノマーは、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレートモノマーを含む。
M.カプセル化剤のシェルがメラミン誘導体を実質的に含まない、段落A~Lのいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
N.カプセル化剤が、約0.5ミクロン~約100ミクロン、又は10~100ミクロン、好ましくは約1ミクロン~約60ミクロン、あるいは10ミクロン~50ミクロン、あるいは20ミクロン~45ミクロン、又はあるいは20ミクロン~60ミクロンの容積加重中央値カプセル化剤サイズにより特徴付けられる、段落A~Mのいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
O.香料カプセル化剤のコアが、分配調整剤、好ましくは、植物油、変性植物油、C~C24脂肪酸のモノ-、ジ-、及びトリ-エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ドデカノフェノン、ラウリン酸ラウリル、ベヘン酸メチル、ラウリン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、及びこれらの混合物、より好ましくはミリスチン酸イソプロピルからなる群から選択される分配調整剤を更に含む、段落A~Nのいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
P.組成物が、液体組成物、顆粒状組成物、単区画パウチ、多区画パウチ、溶解性シート、パスティル又はビーズ、繊維状物品、錠剤、バー、フレーク、乾燥シート、又はこれらの混合物、好ましくは液体、固体、又はこれらの組み合わせ、より好ましくは液体の形態である、段落A~Oのいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
Q.組成物が、組成物の約10重量%~約90重量%の水、好ましくは約25重量%~約80重量%、より好ましくは約45重量%~約70重量%の水を含む液体組成物である、段落A~Pのいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
R.布地ケア組成物が、約2~約12、又は約2~約8.5、又は約2~約7、又は約2~約5、又は約2~約4のpH、約2~約3.7、より好ましくは約2~約3.5のpHによって特徴付けられる、段落A~Qのいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
S.組成物が、シリコン、非エステル第四級アンモニウム化合物、アミン、脂肪酸エステル、ショ糖エステル、シリコン、分散性ポリオレフィン、多糖類、脂肪酸、柔軟化油若しくはコンディショニング油、ポリマーラテックス、又はこれらの組み合わせ、好ましくはシリコン、より好ましくは、第四級アンモニウムエステル化合物とシリコンとが、約1:10~約10:1、又は約1:5~約5:1、又は約1:3~約1:3、又は約1:2~約2:1、又は約1:1.5~約1.5:1、又は約1:1の重量比で存在するものから選択される布地コンディショニング材料を更に含む、段落A~Rのいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
T.布地を処理する方法であって、当該方法が、布地を段落A~Sのいずれか一項に記載の布地ケア組成物に接触させる工程を含む、方法。
【0102】
試験法
第四級アンモニウムエステル化合物のヨウ素価を測定する方法
第四級アンモニウムエステル布地化合物のヨウ素価は、布地コンディショニング活性物質を形成する親脂肪酸のヨウ素価のことであり、布地コンディショニング化活性物質を形成する親脂肪酸100グラムと反応する、ヨウ素のグラム数として定義される。
【0103】
まず、第四級アンモニウムエステル化合物は、以下のプロトコルに従って加水分解される:布地処理組成物25gを、水50mL及び水酸化ナトリウム0.3mLと混合する(50%活性)。本混合物が乾固するのを回避しながら、本混合物をホットプレート上で少なくとも1時間、沸騰させる。1時間後、この混合物を冷却し、pH試験紙又は較正済みpH電極を使用して、25%硫酸でpHを中性(6~8のpH)に調節する。
【0104】
次に、ヘキサン又は石油エーテルを用いて酸性液-液抽出を介して混合物から脂肪酸を抽出する:抽出シリンダ内においてサンプル混合物を水/エタノール(1:1)で160mLに希釈し、塩化ナトリウム5グラム、硫酸(25%活性)0.3mL、及びヘキサン50mLを加える。このシリンダに栓をして、少なくとも1分間、振盪する。次に、2層が形成されるまで、このシリンダを静置する。ヘキサン中に脂肪酸を含有する上部の層は、別の受容器に移す。次に、ホットプレートを使用して、ヘキサンを蒸発させて、抽出した脂肪酸を残留させる。
【0105】
次に、布地コンディショニング活性物質を形成する親脂肪酸のヨウ素価を、ISO3961:2013に準拠して測定する。親脂肪酸のヨウ素価を計算する方法は、指定量(0.1~3g)をクロロホルム15mLに溶解する工程を含む。次に、溶解した親脂肪酸を、25mLの、一塩化ヨウ素(0.1M)の酢酸溶液と反応させる。ここに、10%のヨウ化カリウム溶液20mL及び脱イオン水150mLを加える。ハロゲンの添加を行った後、指示薬(ブルースターチ)粉末の存在下で、チオ硫酸ナトリウム溶液(0.1M)を用いて滴定することにより、過剰な一塩化ヨウ素を測定する。同時に、同じ量の試薬を用いて、同一条件下で、ブランクを測定する。ブランクにおいて使用したチオ硫酸ナトリウムの量と、親脂肪酸との反応において使用した量との間の差により、ヨウ素価を算出することが可能になる。
【0106】
脂肪酸鎖長分布を測定する方法
第四級アンモニウムエステル布地コンディショニング活性物質の脂肪酸鎖長分布は、布地コンディショニング活性物質が形成される親脂肪酸の鎖長分布を意味する。第四級アンモニウムエステルコンディショニング活性物質において、又は本方法に記載されているような布地柔軟化組成物から抽出された脂肪酸において測定し、第四級アンモニウムエステル布地コンディショニング活性物質のヨウ素値を決定することができる。脂肪酸鎖長分布は、0.2gの第四級アンモニウムエステルコンディショニング活性物質又は抽出された脂肪酸を3mLの2-ブタノールに溶解させ、3つのガラスビーズを添加し、試料を高速で4分間ボルテックスすることにより測定される。次に、この抽出物のアリコートを2mLのガスクロマトグラフィーバイアルに移し、次に、ガスクロマトグラム(Agilent GC6890N)のガスクロマトグラム流入口(250℃)に注入し、得られた副生成物をDB-5msカラム(30m×250μm×1.0μm、2.0mL/分)で分離する。これら副生成物を、質量分析計(Agilent MSD5973N,ChemstationソフトウェアバージョンE.02.02)を使用して同定し、対応する脂肪酸鎖長のピーク領域を測定する。脂肪酸鎖長分布は、全ての脂肪酸鎖長に対応する全てのピークの合計と比較した、対象となる各脂肪酸鎖長に対応するピーク面積の相対比によって決定される。
【0107】
布地処理法及び評価
実施例1~3の布地を処理するために、以下の方法が続く。各処理のために、洗濯機(ex Miele)に約3kgの布地荷重を装填する。布地荷重は、約1100gの綿メリヤス布地及び約1100gのポリエステル-綿布地(50/50)を含む。加えて、布地荷重は、約780gを共に秤量する18個のテリータオルトレーサを含む。
【0108】
試験処理の前に、79gの芳香のないIEC A系洗剤(ex WFK,Testgewebe GmbH)で、毎回95℃の短い綿サイクルを使用して、荷重を2回前調整し、続いて、洗剤なしで2回、追加の95℃洗浄を行う。
【0109】
試験処理では、40℃の短い綿サイクル、79gのIEC A系洗剤を用いた1200rpmのスピン速度を使用して荷重を洗浄するが、これは、洗浄サイクルの開始時に適切なディスペンサ中に添加される。試験布地処理組成物の35gの用量(例えば、実施例1~3による)を、適切なディスペンサに添加する。
【0110】
各試験組成物について、布地処理法は、「湿潤」タッチポイント評価のために1回、並びに「乾燥」及び「摩擦」タッチポイントのために1回の、2回実行される。湿潤タッチポイントについて、湿潤の間、香料の強度に関して、テリータオルトレーサを評価する。乾燥タッチポイント及び摩擦タッチポイントについて、テリータオルは布地処理後にライン乾燥され、香料の強度、布地の前摩擦(乾燥)及び布地の擦り(摩擦)後については次の日を評価する。
【0111】
香料強度評価
香料強度評価は、訓練されたパネルによって行われる。パネルは、0~100の香料臭気強度スケールで等級を付けるが、これは、0=香料臭気なし、25=わずかな香料臭気、50=中程度の香料臭気、75=強い香料臭気、及び100=極めて強い香料臭気を意味する。布地は、湿潤した、乾燥した、及び/又は摩擦したタッチポイントでの香料強度について評価する。
【実施例
【0112】
以下に提供される実施例は、事実上例示を意図するものであり、限定することを意図するものではない。
【0113】
実施例1、2、及び3では、以下の表1による式を有する液体布地増強剤生成物が調製される。実験試験では、エステルクアットの種類及びカプセル化剤の種類は、以下でより詳細に記載するように変化する。
【0114】
【表1】
ここで、「活性物質の%」は香料の量を意味する。例えば、カプセル化剤は、カプセル化剤の約33重量%の香料であってもよく、したがって、1部のカプセル化剤が100部の組成物中に存在し、それによって、組成物の0.33重量%の香料を提供する。
【0115】
実施例1~3の液体布地柔軟化組成物は、以下の手順に従って調製される。水、キレート剤、塩酸、ギ酸、及び防腐剤を、磁気攪拌器を用いてガラスビーカー内で混合する。得られた水溶液を85℃のオーブン内で加熱する。エステルクアット材料を85℃のオーブン内で加熱する。まだ高温である間に、水溶液とエステルクアットとをオーバーヘッドミキサで混合する。得られた分散液を、21℃の室内に放置することにより冷却する。冷却後、カプセル化剤及び構造化剤を、2,000RPMの超音波ミキサーを使用して、分散液に30秒間添加する。各生成物のpHは約2.5である。
【0116】
実施例1、2、及び3で変化したエステルクアット(A、B、又はC)及びカプセル化剤の壁材料(W、X、Y、又はZ)の特性を表2に提供する。壁材料W及びX(例えば、ポリアクリレート材料)を含むカプセル化剤は、コアの香料材料に加えて、コア内に分配調整剤(ミリスチン酸イソプロピル)を更に含む。カプセル化剤の壁材料W及びXはポリアクリレートであり、本開示による材料である。カプセル化剤の壁材料Y及びZは、比較材料である。
【0117】
【表2】
C12~C18脂肪酸混合物(REWOQUAT CI-DEEDMAC,ex Evonik)から生産された、N,N-ビス(ヒドロキシエチル)-N,N-ジメチルアンモニウム塩化物脂肪酸エステル
ビス-(2-ヒドロキシプロピル)-ジメチルアンモニウム硫酸メチル脂肪酸エステルと、(2-ヒドロキシプロピル)-(1-メチル-2-ヒドロキシエチル)-ジメチルアンモニウム硫酸メチル脂肪酸エステルと、ビス-(1-メチル-2-ヒドロキシエチル)-ジメチルアンモニウム硫酸メチル脂肪酸エステルとの混合物であって、脂肪酸エステルはC12~C18脂肪酸混合物(REWOQUAT DIP V 20 M Conc,ex Evonik)から製造される、混合物
硫酸ジメチル(REWOQUAT WE 18,ex Evonik)で四級化された、トリエタノールアミンを伴う(C16~18及びC18不飽和)脂肪酸のエステル化生成物
CN975(ex Sartomer,Inc.)、シェルは、カプセル化プロセスからの残留PVOHを更に含む
SR368(ex Sartomer,Inc)、シェルは、カプセル化プロセスからの残留PVOHを更に含む
Encapsys,LLC (Appleton,WI)から入手したカプセル
Encapsys,LLCから入手したカプセル、付着ポリマーはポリビニルホルムアミドポリマーである。
【0118】
実施例1~3で提供される香料強度スコアについて、少なくとも1つの共通の文字(例えば、a、b、c、及び/又はd)によって連結されていない同じ群(例えば、群A)内の香料強度スコアは、統計的に有意な程度(90%信頼度)とは異なると考えられている。実験設計により、異なる群からの試験は、統計的に直接比較することができないが、パネリストが、絶対スケールでスコアを提供するように訓練される際には、特定の傾向が依然として観察される場合がある。
【0119】
実施例1.湿潤タッチポイント
表3に提供されるカプセル化剤及び柔軟化活性物質を有する液体布地増強剤を用いて、上記に提供された試験法に従って布地を処理する。処理後、処理された布地は、上記に提供された試験法に従って、湿潤タッチポイントでの香料強度について評価される。香料強度の結果を表3に提供する。
【0120】
【表3】
【0121】
表3に示す結果によると、エステルクアットCを含む布地増強剤、及び壁材料Xを含むカプセル化剤は、湿潤タッチポイントにおいて最大の香料強度を提供する。加えて、群Aのカプセル化剤は、柔軟化活性物質B及びCと結合された場合に、群Bのカプセル化剤よりも高い香料強度を提供するように見える。
【0122】
実施例2.乾燥タッチポイント
表4に提供されるカプセル化剤及びエステルクアットを有する液体布地増強剤を用いて、上記に提供された試験法に従って布地を処理する。処理後、処理された布地は、上記に提供された試験法に従って、乾燥タッチポイントでの香料強度について評価される。香料強度の結果を表4に提供する。
【0123】
【表4】
【0124】
表4に示す結果によると、エステルクアットCを含む布地増強剤、及び壁材料Wを含むカプセル化剤は、乾燥タッチポイントにおいて最大の香料強度を提供する。また、壁材料Xを含むカプセル化剤は、エステルクアットAと結合された場合と比較して、エステルクアットB又はCと結合された場合により高い香料強度を提供することも注目すべきである。追加的に、群Cのカプセル化剤は、柔軟化活性物質B及びCと結合された場合に、群Dのカプセル化剤よりも高い香料強度を提供するように見える。
【0125】
更に、壁材料Y又はZを含む比較カプセル化剤は、一般に、例えば、B又はCと結合されているものと比較して、エステルクアットAと結合された場合に最大の香料強度を提供する。
【0126】
実施例3.摩擦タッチポイント
表5に提供されるカプセル化剤及びエステルクアットを有する液体布地増強剤を用いて、上記に提供された試験法に従って布地を処理する。処理後、処理された布地は、上記に提供された試験法に従って、摩擦タッチポイントでの香料強度について評価される。香料強度の結果を表5に提供する。
【0127】
【表5】
【0128】
表5に示される結果によると、エステルクアットB又はCと結合された壁材料Xを含むカプセル化剤は、柔軟化活性物質Aと結合された類似のカプセル化剤と比較してより高い香料強度を提供する。追加的に、群Eのカプセル化剤は、エステルクアットB及びCと結合された場合に、群Fのカプセル化剤よりも高い香料強度を提供するように見える。
【0129】
更に、壁材料Y又はZを含む比較カプセル化剤は、柔軟化活性物質Aと結合したときに改善された性能を指向的に提供するように見える。
【0130】
本明細書で開示された寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0131】
相互参照される又は関連する任意の特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとは見なされず、あるいはそれを単独で又はその他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、このようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとは見なされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0132】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく種々のその他の変更及び修正を行うことができる点が、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのこのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。