(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-25
(45)【発行日】2022-12-05
(54)【発明の名称】抗菌薬としての化合物及びその使用
(51)【国際特許分類】
C07D 413/06 20060101AFI20221128BHJP
C07D 413/14 20060101ALI20221128BHJP
A61K 31/422 20060101ALI20221128BHJP
A61K 31/541 20060101ALI20221128BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20221128BHJP
A61P 31/06 20060101ALI20221128BHJP
【FI】
C07D413/06
C07D413/14 CSP
A61K31/422
A61K31/541
A61P31/04
A61P31/06
(21)【出願番号】P 2021576988
(86)(22)【出願日】2020-06-02
(86)【国際出願番号】 CN2020093887
(87)【国際公開番号】W WO2021000684
(87)【国際公開日】2021-01-07
【審査請求日】2022-02-28
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2019/094601
(32)【優先日】2019-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522242018
【氏名又は名称】メルク・シャープ・アンド・ドーム・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100172683
【氏名又は名称】綾 聡平
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【氏名又は名称】森山 正浩
(72)【発明者】
【氏名】クラウリー,ブレンダン・エム
(72)【発明者】
【氏名】ナンターメット,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】オルセン,デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 隆雄
【審査官】神谷 昌克
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-512975(JP,A)
【文献】特表2000-516245(JP,A)
【文献】特表2002-503655(JP,A)
【文献】国際公開第2017/066964(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造:
【化1】
を有する化合物又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項2】
構造:
【化2】
を有する化合物又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項3】
構造:
【化3】
を有する化合物。
【請求項4】
構造:
【化4】
を有する化合物又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項5】
構造:
【化5】
を有する化合物。
【請求項6】
治療上有効な量の請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物又は薬学的に許容されるその塩及び薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項7】
細菌感染症を治療するための、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記細菌感染症が、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)に起因する、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記化合物又はその薬学的に許容される塩が、経口投与、非経口投与又は局所投与される、請求項7又は8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記結核菌が、薬剤耐性マイコバクテリア株である、請求項8又は9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
結核菌を治療するための第2の治療薬と併用される、請求項7~10のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記第2の治療薬が、エタンブトール、ピラジナミド、イソニアジド、レボフロキサシン、モキシフロキサシン、ガチフロキサシン、オフロキサシン、カナマイシン、アミカシン、カプレオマイシン、ストレプトマイシン、エチオナミド、プロチオナミド、シクロセリン、テリジドン、パラ-アミノサリチル酸、クロファジミン、クラリスロマイシン、アモキシシリン-クラブラン酸塩、チアセタゾン、メロペネム-クラブラン酸塩及びチオリダジンからなる群から選択される、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
対象者における細菌感染症の治療用の医薬の製造における、請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物又は薬学的に許容されるその塩の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細菌感染症(特に、マイコバクテリア感染症)を治療するのに有用な新規ジヒドロイソオキサゾール化合物及び薬学的に許容されるその塩、並びに、そのような化合物を含む医薬組成物、及び、そのような化合物を製造する方法に関する。本発明は、さらに、結核菌(Mycobacteria tuberculosis)によって引き起こされる感染症のようなマイコバクテリア感染症を治療するためのジヒドロイソオキサゾール化合物の使用方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
マイコバクテリウム属(Mycobacterium)は、結核(M.tuberculosis)及びハンセン病(M.leprae)の原因となる病原体を包含する、真にグラム陽性でも真にグラム陰性でもない細菌の属である。特に、結核(TB)は、イソニアジド及びリファンピンのような抗TB薬が利用可能であるにもかかわらず、世界で最も致死的な病気の1つであると考えられている。世界保健機関によると、2012年には、新規TB患者は860万人であり、TBによる死者は130万人であった。世界保健機関が発行した「Global tuberculosis report 2013」を参照されたい。TBの流行を複雑にしているのは、多剤耐性株の増加傾向及びHIVとの致命的な関連である。HIV陽性でTBに感染している人は、HIV陰性の人よりも活動性TBを発症する可能性が30倍高く、結核は、世界中のHIV/AIDSを患っている人の3人に1人の死亡原因となっている。例えば、「Kaufmann et al., Trends Microbiol. 1:2-5(1993)」及び「Bloom et al., N. Engl. J. Med. 338:677-678(1998)」を参照されたい。
【0003】
結核菌以外のマイコバクテリウム属は、エイズ患者を苦しめる日和見感染症でますます見いだされている。M.avium-intracellulare complex(MAC)の微生物、特に、血清型4及び血清型8は、AIDS患者からのマイコバクテリア分離株の68%を占めている。膨大な数のMACが検出され(組織1グラムあたり最大1010の抗酸菌)、その結果、感染したAIDS患者の予後は不良である。
【0004】
いくつかの種類の抗生物質は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌のようなグラム陽性菌感染症の治療に関して承認されているか又は臨床試験中である。抗生物質の例としては、リネゾリド(ZyvoxTM, Pfizer Inc., New York, NY)及びテジゾリド(SivextroTM, Merck Sharp & Dohme Corp., Kenilworth, NJ)を含む。テジゾリドは、特定の感受性グラム陽性菌によって引き起こされる急性細菌性皮膚及び皮膚構造感染症を治療するために使用される。リネゾリドの適応症は、院内肺炎、複雑性皮膚及び皮膚構造感染症並びに市中肺炎などのグラム陽性微生物の感受性株によって引き起こされるいくつかの種類の感染症である。さらに、現在、それは、臨床試験において、多剤耐性(MDR)及び広範囲薬剤耐性(XDR)の結核菌(Mtb)の治療について試験されている。Leeら、N. Engl. J. Med 367:1508-18(2012)。これらの疾患の治療における臨床的有効性にもかかわらず、リネゾリドの長期使用は、骨髄抑制(これは、貧血及び白血球減少症を包含する)(Hickey et al., Therapy 3(4):521-526(2006))、ニューロパシー及びセロトニン症候群を含む有害事象と関連付けられてきた。これらの有害事象は、ミトコンドリアタンパク質合成の阻害に関連しているという仮設が立てられている。Flanagan et al., Antimicrobial Agents and Chemotherapy 59(1):178-185(2015)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】Kaufmann et al., Trends Microbiol. 1:2-5(1993)
【文献】Bloom et al., N. Engl. J. Med. 338:677-678(1998)
【文献】Lee et al., N. Engl. J. Med 367:1508-18(2012)
【文献】Hickey et al., Therapy 3(4):521-526(2006)
【文献】Flanagan et al., Antimicrobial Agents and Chemotherapy 59(1):178-185(2015)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
承認されている抗生物質よりも安全でありながら、少なくとも同じくらい効果的な新規抗生物質の開発は、Mtb患者に大きな利益をもたらすであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、抗菌活性を有する特定の新規ジヒドロイソオキサゾール化合物を対象とする。該化合物及びそれらの薬学的に許容される塩は、例えば、細菌感染症(例えば、マイコバクテリア感染症)を治療するのに有用であり得る。より詳細には、本発明は、式I
【化1】
【0008】
で表される化合物又は薬学的に許容されるその塩を包含し、ここで、R1、A及びEは、以下で詳細に記載される。
【0009】
本発明は、さらに、本発明の化合物及び薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤を含む、対象者における細菌感染症(特に、結核菌感染症)を治療するための医薬組成物にも関する。
【0010】
式(I)で表される化合物(本明細書中では、「ジヒドロイソオキサゾール化合物」とも称される)及び薬学的に許容されるその塩は、例えば、結核菌の増殖を阻害するのに、及び/又は、患者における結核を治療若しくは予防するのに有用であり得る。特定の理論に拘束されるものではないが、結核を治療するために本発明の化合物を使用することは、それらがミトコンドリアタンパク質合成の高度な阻害とは関連していないので、リネゾリドのような承認された抗菌性化合物と比較して骨髄抑制を引き起こさない可能性が高いと考えられている。
【0011】
本発明は、さらに、(1)結核の治療を必要とする対象者に有効量のジヒドロイソオキサゾール化合物を投与することを含む、結核の治療を必要とする対象者における結核を治療する方法;及び、(2)結核を治療するためのジヒドロイソオキサゾール化合物の使用も対象とする。
【0012】
本発明の実施形態、サブ実施形態及び特徴は、以下の説明、実施例及び添付されている特許請求の範囲においてさらに説明されるか、又は、それらから明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0013】
式Iで表される化合物のインビトロ試験によって、そのような化合物が結核菌の増殖を阻害するのに優れた効力を有し、高度のミトコンドリアタンパク質合成阻害とは関連していないことが明らかになった。従って、式Iで表される化合物及びその製薬上許容される塩は、結核菌(Mtb)を治療するのに有用であると期待され、グラム陽性菌感染症の治療に関して承認されているリネゾリドに関連する骨髄抑制などの副作用を引き起こすことはない。従って、そのような化合物は、Mtb治療薬としてのリネゾリド及び類似体に比べて著しい利点を有している。
【0014】
式(I)で表される化合物
本明細書中に記載されているのは、式I:
【化2】
【0015】
〔式中、
R1は、-CH2N(R2)2、-CH2NR2COR3、-CH2NR2COOR3、-CH2NR2CON(R2)2、-CH2NR2CONR2N(R2)2、-CH2NR2SO2R3、-CON(R2)2、-C=NOR3、-CH2OR4、-CH2NR2R4、-CH2R6又は-CH2OC(O)N(R2)2であり;
R2の各出現は、H、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル及びC3-C6シクロアルキルからなる群から独立して選択され、ここで、該C1-C6アルキル、該C2-C6アルケニル及び該C3-C6シクロアルキルは、最大で4までの置換基で置換されることができ、ここで、該置換基は、ハロゲン、-OCH3、-OH、-NH2、-NHCH3及び-N(CH3)2からなる群から独立して選択され;
R3は、H、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、4員若しくは5員のヘテロシクロアルキル又はC3-C6シクロアルキルであり、ここで、該C1-C6アルキル、該C2-C6アルケニル、該4員若しくは5員のヘテロシクロアルキル及び該C3-C6シクロアルキルは、最大で4までの置換基で置換されることができ、ここで、該置換基は、ハロゲン、C1-C6アルキル、ハロC1-C6アルキル、CN、-OCH3、-OH、-NH2、-NHCH3及び-N(CH3)2からなる群から独立して選択され;
R4は、H又は5員若しくは6員のヘテロ環であり、ここで、該ヘテロ環は、R5で置換されていてもよく;
R5は、H、ハロゲン、C1-C6アルキル、C3-C6アルケニル又はC3-C6シクロアルキルであり、ここで、該C1-C6アルキル、該C3-C6アルケニル及び該C3-C6シクロアルキルは、最大で4までの置換基で置換されることができ、ここで、該置換基は、ハロゲン、-OCH3、-OH、-NH2、-NHCH3及び-N(CH3)2からなる群から独立して選択され;
R6は、H、C1-C6アルキル又は5員ヘテロ環であり、ここで、該5員ヘテロ環は、最大で2までのR7で置換されていてもよく;
R7の各出現は、H、ハロゲン、オキソ、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル又はC3-C6シクロアルキルであり、ここで、該C1-C6アルキル及び該C3-C6シクロアルキルは、1~4の置換基で置換されることができ、ここで、該置換基は、ハロゲン、-OCH3、-OH、-NH2、-NHCH3及び-N(CH3)2からなる群から独立して選択され;
Eは、6員アリールであるか又はS、O及びNからなる群から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含む5員若しくは6員のヘテロアリールであり、ここで、該アリール及び該ヘテロアリールは、最大で4までの置換基で置換されることができ、ここで、該置換基は、ハロゲン、-CN、-CF3、-CHF2、-CH2NH2、-CH2NHCOCH3、-OCF3、-OCHF2、-OH、-O-(C1-C6)アルキル、C1-C6アルキル及びC3-C6シクロアルキルからなる群から独立して選択され;
Aは、最大で4までのR8で置換されていてもよいヘテロ環であるか、又は、最大で4までのR8で置換されていてもよいアリールであり;
R8の各出現は、ハロゲン、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、C1-C6アルキルヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、-Oヘテロシクロアルキル、ベンジル、-OCF3、-OCHF2、-OR3、=O、-CN、-NO2、-SR3、-SF5、-SCF3、-SOR3、-SO2R3、-S(=O)(=N)R2、-N(R2)2、-NR2COR3、-SO2N(R2)2、-NR2SO2R3、-COOH、-COR9、-COOR3、-CON(R2)2、(=N)R2及び-C(R9)2N(R2)2からなる群から独立して選択され、ここで、該C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、C1-C6アルキルヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、-Oヘテロシクロアルキル及びベンジルは、最大で4までのメチル、F、-OCH3、-OH、=O、NH2、NHCH3又はN(CH3)2で置換されていてもよく;そして、
R9の各出現は、H、C1-C6アルキル及びC3-C6シクロアルキルからなる群から独立して選択される〕
で表される化合物又は薬学的に許容されるその塩である。
【0016】
【0017】
〔式中、
R1は、-CH2N(R2)2、-CH2NR2COR3、-CH2NR2COOR3、-CH2NR2CON(R2)2、-CH2NR2CONR2N(R2)2、-CH2NR2SO2R3、-CON(R2)2、-C=NOR3、-CH2OR4、-CH2NR2R4又は-CH2R6であり;
R2の各出現は、H、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル及びC3-C6シクロアルキルからなる群から独立して選択され、ここで、該C1-C6アルキル、該C2-C6アルケニル及び該C3-C6シクロアルキルは、最大で4までの置換基で置換されることができ、ここで、該置換基は、ハロゲン、-OCH3、-OH、NH2、NHCH3及びN(CH3)2からなる群から独立して選択され;
R3は、H、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、4員ヘテロシクロアルキル及びC3-C6シクロアルキルであり、ここで、該C1-C6アルキル、該C2-C6アルケニル、4員ヘテロシクロアルキル及び該C3-C6シクロアルキルは、最大で4までの置換基で置換されることができ、ここで、該置換基は、ハロゲン、C1-C6アルキル、-OCH3、-OH、-NH2、-NHCH3及び-N(CH3)2からなる群から独立して選択され;
R4は、H又は5員若しくは6員のヘテロ環であり、ここで、該ヘテロ環は、R5で置換されていてもよく;
R5は、H、ハロゲン、C1-C6アルキル、C3-C6アルケニル及びC3-C6シクロアルキルからなる群から選択され、ここで、該C1-C6アルキル、該C3-C6アルケニル及び該C3-C6シクロアルキルは、最大で4までの置換基で置換されることができ、ここで、該置換基は、ハロゲン、-OCH3、-OH、NH2、NHCH3及びN(CH3)2からなる群から独立して選択され;
R6は、H、C1-C6アルキル又は5員ヘテロ環であり、ここで、該5員ヘテロ環は、最大で2までのR7で置換されていてもよく;
R7は、H、ハロゲン、オキソ、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル又はC3-C6シクロアルキルであり、ここで、該C1-C6アルキル及び該C3-C6シクロアルキルは、1~4の置換基で置換されることができ、ここで、該置換基は、ハロゲン、OCH3、OH、NH2、NHCH3及びN(CH3)2からなる群から独立して選択され;
Eは、6員アリールであるか又はS、O及びNからなる群から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含む5員若しくは6員のヘテロアリールであり、ここで、該アリール及び該ヘテロアリールは、最大で4までの置換基で置換されることができ、ここで、該置換基は、ハロゲン、-CN、-CF3、-CHF2、-CH2NH2、-CH2NHCOCH3、-OCF3、-OCHF2、-OH、-O-(C1-C6)アルキル、C1-C6アルキル及びC3-C6シクロアルキルからなる群から独立して選択され;
Aは、最大で4までのR8で置換されていてもよいヘテロ環であるか、又は、最大で4までのR8で置換されているアリールであり;
R8の各出現は、ハロゲン、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、C1-C6アルキルヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ベンジル、-OCF3、-OCHF2、-OR3、=O、-CN、-NO2、-SR3、-SF5、-SCF3、-SOR3、-SO2R3、-S(=O)(=N)R2、-N(R2)2、-NR2COR3、-SO2N(R2)2、-NR2SO2R3、-COOH、-COR9、-COOR3、-CON(R2)2及び-C(R9)2N(R2)2からなる群から独立して選択され、ここで、該C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、C1-C6アルキルヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル及びベンジルは、最大で4までのメチル、F、-OCH3、-OH、=O、NH2、NHCH3及びN(CH3)2で置換されていてもよく;そして、
R9の各出現は、H、C1-C6アルキル及びC3-C6シクロアルキルからなる群から独立して選択される〕
で表される化合物又は薬学的に許容されるその塩を包含する。
【0018】
【0019】
で表される化合物及び薬学的に許容されるその塩を包含し、ここで、A、E及びR1は、式(I)で表される化合物に関して上記で定義されており;ここで、該化合物は、細菌感染症(特に、マイコバクテリア感染症)を治療するために使用するのに適切であり得る。
【0020】
本発明の第1の実施形態(実施形態E1)は、式Iで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、ここで、Aは、最大で4までのR8で置換されていてもよいアリールであり;及び、ここで、他の全ての可変部分は、最初に定義されているとおりである(即ち、上記式Iにおいて定義されているとおりである)。
【0021】
実施形態E1のサブ実施形態では、Aは、6員アリールである。さらに別のサブ実施形態では、Aは、8員、10員、12員又は14員のアリールである。
【0022】
第2の実施形態(実施形態E2)は、式Iで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、ここで、Aは、ヘテロ環であり、ここで、該環原子のうちの1~4は、独立して、O、N、SO2、S又はS(N)(O)であり、そして、残りの環原子は炭素原子であり、そして、他の全ての可変部分は、上記で定義されているとおりである。実施形態E2のサブ実施形態では、Aはヘテロアリールであり、ここで、該環原子のうちの1~4は、独立して、O、N、SO2、S又はS(N)(O)であり、そして、残りの環原子は炭素原子であり、そして、他の全ての可変部分は、上記で定義されているとおりである。
【0023】
実施形態E2のサブ実施形態では、Aは、1個のヘテロ原子を含む5員ヘテロアリールである。さらなるサブ実施形態では、Aは、2個のヘテロ原子を含む5員ヘテロアリールである。別のサブ実施形態では、Aは、3個のヘテロ原子を含む5員ヘテロアリールである。さらに別のサブ実施形態では、Aは、4個のヘテロ原子を含む5員ヘテロアリールである。別のサブ実施形態では、Aは、1個のヘテロ原子を含む6員ヘテロアリールである。さらなるサブ実施形態では、Aは、2個のヘテロ原子を含む6員ヘテロアリールである。別のサブ実施形態では、Aは、3個のヘテロ原子を含む6員ヘテロアリールである。さらに別のサブ実施形態では、Aは、4個のヘテロ原子を含む6員ヘテロアリールである。さらに別のサブ実施形態では、Aは、O、N、SO2、S又はS(N)(O)からなる群から選択される1~4個のヘテロ原子を含む7員、8員、9員、10員、11員、12員、13員又は14員のヘテロアリールである。
【0024】
第3の実施形態(実施形態E3)は、式Iで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、ここで、Aは、最大で4までのR8で置換されていてもよい単環式の飽和又は部分的不飽和の環であり、ここで、該環原子のうちの1~4は、独立して、O、N、SO2、S又はS(N)(O)であり、そして、残りの環原子は炭素原子であり、そして、他の全ての可変部分は、上記で定義されているとおりである。実施形態E3のサブ実施形態では、Aは、最大で4までのR8で置換されていてもよい単環式ヘテロシクロアルキルであり、ここで、該環原子のうちの1~4は、独立して、O、N、SO2、S又はS(N)(O)であり、及び、残りの環原子は炭素原子であり、そして、他の全ての可変部分は、上記で定義されているとおりである。
【0025】
実施形態E3のサブ実施形態では、Aは、1個のヘテロ原子を含む飽和又は部分的不飽和の5員単環式環である。さらなるサブ実施形態では、Aは、2個のヘテロ原子を含む飽和又は部分的不飽和の5員単環式環である。別のサブ実施形態では、Aは、3個のヘテロ原子を含む飽和又は部分的不飽和の5員単環式環である。さらに別のサブ実施形態では、Aは、4個のヘテロ原子を含む飽和又は部分的不飽和の5員単環式環である。別のサブ実施形態では、Aは、1個のヘテロ原子を含む飽和又は部分的不飽和の6員単環式環である。さらなるサブ実施形態では、Aは、2個のヘテロ原子を含む飽和又は部分的不飽和の6員単環式環である。別のサブ実施形態では、Aは、3個のヘテロ原子を含む飽和又は部分的不飽和の6員単環式環である。さらに別のサブ実施形態では、Aは、4個のヘテロ原子を含む飽和又は部分的不飽和の6員単環式環である。
【0026】
第4の実施形態(実施形態E4)は、式Iで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、ここで、Aは、最大で4までのR8で置換されていてもよい飽和又は部分的不飽和の二環式環系であり、ここで、該環原子のうちの1~4は、独立して、O、N、SO2、S又はS(N)(O)であり、及び、残りの環原子は炭素原子であり、そして、他の全ての可変部分は、上記で定義されているとおりである。
【0027】
実施形態E4のサブ実施形態では、Aは、1個のヘテロ原子を含む飽和又は部分的不飽和の二環式環系である。さらなるサブ実施形態では、Aは、2個のヘテロ原子を含む飽和又は部分的不飽和の二環式環系である。別のサブ実施形態では、Aは、3個のヘテロ原子を含む飽和又は部分的不飽和の二環式環系である。さらに別のサブ実施形態では、Aは、4個のヘテロ原子を含む飽和又は部分的不飽和の二環式環系である。
【0028】
実施形態E1-実施形態E4及び実施形態E1-実施形態E4のサブ実施形態では、Aは、R8の最大で4までの出現で置換されていてもよい。実施形態E1-実施形態E4のサブ実施形態及びそれらの先行するサブ実施形態では、Aは、最初に定義されたR8の4の出現で置換されている。別のサブ実施形態では、Aは、R8の3の出現で置換されている。さらなるサブ実施形態では、Aは、R8の2の出現で置換されている。さらに別のサブ実施形態では、Aは、R8の単一の出現で置換されている。実施形態E1-実施形態E4の代替え的な実施形態では、Aは、置換されていない。さらなるサブ実施形態では、AはR8で置換されており、ここで、R8には、水素が包含される。
【0029】
第5の実施形態(実施形態E5)は、式Iで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、ここで、Aは、
【化5】
【0030】
〔ここで、R8は、同一であるか又は異なっていることが可能な最大で4までの任意の置換基を表し;そしてここで、R8及び他の全ての可変部分は、上記で定義されているとおりである〕
からなる群から選択される。
【0031】
【0032】
〔ここで、R8は、同一であるか又は異なっていることが可能な最大で4までの任意の置換基を表し;そしてここで、R8及び他の全ての可変部分は、上記で定義されているとおりである〕
からなる群から選択される。
【0033】
実施形態E5のサブ実施形態では、Aは、R8の4の出現で置換されている。別のサブ実施形態では、Aは、R8の3の出現で置換されている。さらなるサブ実施形態では、Aは、R8の2の出現で置換されている。さらに別のサブ実施形態では、Aは、R8の単一の出現で置換されている。実施形態E5の代替え的なサブ実施形態では、Aは、置換されていない。
【0034】
第6の実施形態(実施形態E6)は、式Iで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、ここで、Aは、
【化7】
【0035】
からなる群から選択され;
R
8の各出現は、H、ハロゲン、C
1-C
6アルキル、C
3-C
6シクロアルキル、C
1-C
6アルキルヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ベンジル、-OCF
3、-OCHF
2、-OR
3、=O、-CN、-NO
2、-SR
3、-SF
5、-SCF
3、-SOR
3、-SO
2R
3、-S(=O)(=N)R
2、-N(R
2)
2、-NR
2COR
3、-SO
2N(R
2)
2、-NR
2SO
2R
3、-COOH、-COR
9、-COOR
3、-CON(R
2)
2、(=N)R
2及び-C(R
9)
2N(R
2)
2からなる群から独立して選択され、ここで、該C
1-C
6アルキル、C
3-C
6シクロアルキル、C
1-C
6アルキルヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル及びベンジルは、最大で4までのメチル、F、-OCH
3、-OH、=O、NH
2、NHCH
3及びN(CH
3)
2で置換されていてもよく;
R
10は、H、C
1-C
6アルキル及びC
3-C
6シクロアルキルからなる群から選択され、ここで、該C
1-C
6アルキル及び該C
3-C
6シクロアルキルは、1~4の置換基で置換されていてもよく、ここで、該置換基は、F、-OCH
3、-OH、NH
2、NHCH
3及びN(CH
3)
2からなる群から独立して選択され;
R
11は、H、C
1-C
6アルキル及びC
3-C
6シクロアルキル、-COR
9、-COOR
9、-CON(R
9)
2及び-SO
2R
9からなる群から選択され;
R
12の各出現は、H、ハロゲン、C
1-C
6アルキル、C
3-C
6シクロアルキル、ベンジル、-OCF
3、-OCHF
2、-OR
3、-CN、-NO
2、-SR
3、-SF
5、-SCF
3、-SOR
3、-SO
2R
3、-S(=O)(=N)R
2、-N(R
2)
2、-NR
2COR
3、-SO
2N(R
2)
2、-NR
2SO
2R
3、-COOH、-COR
9、-COOR
3、-CON(R
2)
2、4員ヘテロ環及び-C(R
9)
2N(R
2)
2からなる群から独立して選択され、ここで、該C
1-C
6アルキル、C
3-C
6シクロアルキル、4員ヘテロ環及びベンジルは、最大で4までのメチル、F、-OCH
3、-OH、NH
2、NHCH
3及びN(CH
3)
2で置換されていてもよく;
R
13は、H、ハロゲン、C
1-C
6アルキル、C
3-C
6シクロアルキル、ベンジル、-OCF
3、-OCHF
2、-OR
3、-CN、-NO
2、-SR
3、-SF
5、-SCF
3、-SOR
3、-SO
2R
3、-S(=O)(=N)R
2、-N(R
2)
2、-NR
2COR
3、-SO
2N(R
2)
2、-NR
2SO
2R
3、-COOH、-COR
9、-COOR
3、-CON(R
2)
2及び-C(R
9)
2N(R
2)
2からなる群から選択され、ここで、該C
1-C
6アルキル、C
3-C
6シクロアルキル及びベンジルは、最大で4までのメチル、F、-OCH
3、-OH、NH
2、NHCH
3及びN(CH
3)
2で置換されていてもよく;そして、
Wは、O、S、SO、SO
2及びS(=O)(=NH)からなる群から選択され;そして、
ここで、
【化8】
【0036】
は、二重結合又は単結合を表し;
ここで、他の全ての可変部分は、上記で定義されているとおりである。
【0037】
実施形態E1-実施形態E6及び実施形態E1-実施形態E6のサブ実施形態では、R8の各出現は、ハロゲン、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、C1-C6アルキルヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ベンジル、-OCF3、-OCHF2、-OR3、=O、-CN、-NO2、-SR3、-SF5、-SCF3、-SOR3、-SO2R3、-S(=CH2)C1-C6アルキル、-S(=O)(=N)R2、-N(R2)2、-NR2COR3、-SO2N(R2)2、-NR2SO2R3、-COOH、-COR9、-COOR3、-CON(R2)2、(=N)R2及び-C(R9)2N(R2)2からなる群から独立して選択され、ここで、該C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、C3-C6ヘテロシクロアルキル及びベンジルは、最大で4までのメチル、F、-OCH3、-OH、=O、NH2、NHCH3及びN(CH3)2で置換されていてもよい。
【0038】
実施形態E1-実施形態E6及び実施形態E1-実施形態E6のサブ実施形態では、R8の各出現は、最大で4までの任意の環炭素置換基を表し、ここで、R8の各出現は、ハロゲン、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、C1-C6アルキルヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、-Oヘテロシクロアルキル、ベンジル、-OCF3、-OCHF2、-OR3、=O、-CN、-NO2、-SR3、-SF5、-SCF3、-SOR3、-SO2R3、-S(=O)(=N)R2、-N(R2)2、-NR2COR3、-SO2N(R2)2、-NR2SO2R3、-COOH、-COR9、-COOR3、-CON(R2)2及び-C(R9)2N(R2)2、(=N)R2からなる群から独立して選択され、ここで、該C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、C1-C6アルキルヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、-Oヘテロシクロアルキル及びベンジルは、最大で4までのメチル、F、-OCH3、-OH、=O、NH2、NHCH3及びN(CH3)2で置換されていてもよい。
【0039】
実施形態E1-実施形態E6の特定のサブ実施形態では、R8の1以上の出現は、-OH、-CN、-CH3,-CH2NH2、-CONH2、C(CH3)2OH、-COOC(CH3)2CH3、-SCH3、-OCH3、-Cl、-F、-CHF2、=O、-シクロプロピル、NO2、-NHSO2CH3、-SO2N(CH3)2、-S(=O)(=NH)CH3、-SO2CH3、-SOCH3及び-SO2NH2からなる群から選択される。
【0040】
実施形態E1-実施形態E6の別の特定のサブ実施形態では、R
8の1以上の出現は、フッ素、メチル、
【化9】
【0041】
からなる群から選択される。
【0042】
実施形態E1-実施形態E6の特定のサブ実施形態では、R
8の1以上の出現は、フッ素、メチル、CN、SO
2CH
3、
【化10】
【0043】
からなる群から選択される。
【0044】
第7の実施形態(実施形態E7)は、式Iで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、ここで、Aは、上記で又は実施形態E1-実施形態E6のいずれかで定義されているとおりであり、Eは、6員アリールであり、ここで、該アリールは、最大で4までの置換基で置換されていてもよく、ここで、該置換基は、ハロゲン、-CN、-CF3、-CHF2、-CH2NH2、-CH2NHCOCH3、-OCF3、-OCHF2、-OH、-O-(C1-C6)アルキル、C1-C6アルキル及びC3-C6シクロアルキルからなる群から独立して選択され、そして、他の全ての可変部分は上記で定義されているとおりである。
【0045】
第8の実施形態(実施形態E8)は、式Iで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、ここで、Aは、上記で又は実施形態E1-実施形態E6のいずれかで定義されているとおりであり、Eは、S、O及びNからなる群から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含む5員ヘテロアリールであり、ここで、該ヘテロアリールは、最大で4までの置換基で置換されていてもよく、ここで、該置換基は、ハロゲン、-CN、-CF3、-CHF2、-CH2NH2、-CH2NHCOCH3、-OCF3、-OCHF2、-OH、-O-(C1-C6)アルキル、C1-C6アルキル及びC3-C6シクロアルキルからなる群から独立して選択され、そして、他の全ての可変部分は上記で定義されているとおりである。
【0046】
第9の実施形態(実施形態E9)は、式Iで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、ここで、Aは、上記で又は実施形態E1-実施形態E6のいずれかで定義されているとおりであり、Eは、S、O及びNからなる群から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含む6員ヘテロアリールであり、ここで、該6員ヘテロアリールは、最大で4までの置換基で置換されていてもよく、ここで、該置換基は、ハロゲン、-CN、-CF3、-CHF2、-CH2NH2、-CH2NHCOCH3、-OCF3、-OCHF2、-OH、-O-(C1-C6)アルキル、C1-C6アルキル及びC3-C6シクロアルキルからなる群から独立して選択され、そして、他の全ての可変部分は上記で定義されているとおりである。
【0047】
第10の実施形態(実施形態E10)は、式Iで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、ここで、Aは、上記で又は実施形態E1-実施形態E6のいずれかで定義されているとおりであり、Eは、1又は2のフッ素で置換されているフェニルである。サブ実施形態では、Eは、
【化11】
【0048】
であり;そして、他の全ての可変部分は上記で定義されているとおりである。
【0049】
【0050】
であり;そして、他の全ての可変部分は上記で定義されているとおりである。
【0051】
第11の実施形態(実施形態E11)は、式Iで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、ここで、Aは、上記で又は実施形態E1-実施形態E6のいずれかで定義されているとおりであり、Eは、
【化13】
【0052】
であり;そして、他の全ての可変部分は上記で定義されているとおりである。
【0053】
第12の実施形態(実施形態E12)は、式Iで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、ここで、Aは、上記で又は実施形態E1-実施形態E6のいずれかで定義されているとおりであり、Eは、
【化14】
【0054】
であり;そして、他の全ての可変部分は最初に定義されているとおりである。
【0055】
第13の実施形態(実施形態E13)は、式Iで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、ここで、Aは、上記で又は実施形態E1-実施形態E6のいずれかで定義されているとおりであり、Eは、実施形態E7-実施形態E12のいずれかで定義されているとおりであり、そして、R1は、-CH2N(R2)2、-CH2NR2COR3、-CH2NR2COOR3、-CH2NR2CON(R2)2、-CH2NR2CONR2N(R2)2、-CH2NR2SO2R3、-CON(R2)2、-C=NOR3、-CH2OR4、-CH2NR2R4、-CH2R6及び-CH2OC(O)N(R2)2からなる群から選択される。サブ実施形態では、R1は、-CH2N(R2)2、-CH2NR2COR3、-CH2NR2COOR3、-CH2NR2CON(R2)2、-CH2NR2CONR2N(R2)2、-CH2NSO2R3、-CON(R2)2、-C=NOR3、-CH2OR4、-CH2NR2R4及び-CH2R6からなる群から選択される。
【0056】
第14の実施形態(実施形態E14)は、式Iで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、ここで、Aは、上記で又は実施形態E1-実施形態E6のいずれかで定義されているとおりであり、Eは、実施形態E7-実施形態E12のいずれかで定義されているとおりであり、そして、R1は、-CH2NR2COR3、-CH2NR2COOR3、-CH2OR4、-CH2OC(O)N(R2)2又は-CH2R6である。サブ実施形態では、R1は、-CH2NR2COR3、-CH2NR2COOR3、-CH2OR4又は-CH2R6である。
【0057】
実施形態E14のサブ実施形態では、R6の1の出現は、トリアゾールである。
【0058】
実施形態E14のさらなるサブ実施形態では、R2の1の出現はHであり、そして、R3の1の出現はメチルである。
【0059】
実施形態E14のさらに別のサブ実施形態では、R4の1の出現はHである。
【0060】
さらなるサブ実施形態では、
R
1は、-CH
2NR
2COR
3、-CH
2OR
4、-CH
2NR
2SO
2R
3、CH
2NR
2COOR
3、-CH
2OC(O)N(R
2)
2又は-CH
2R
6であり;そして、
R
2は、Hであり;
R
3は、メチル、エチル、ビシクロ[1.1.1]ペンタン又はシクロプロピルであり、ここで、該シクロプロピルは、メチルで置換されており;
R
4は、Hであり;そして、
R
6は、
【化15】
【0061】
である。
【0062】
第15の実施形態(実施形態E15)は、式Iで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、ここで、Aは、上記で又は実施形態E1-実施形態E6のいずれかで定義されているとおりであり、Eは、実施形態E7-実施形態E12のいずれかで定義されているとおりであり、そして、R1は、-CH2R6である。
【0063】
第16の実施形態(実施形態E16)は、式Iで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、ここで、Aは、上記で又は実施形態E1-実施形態E6のいずれかで定義されているとおりであり、Eは、実施形態E7-実施形態E12のいずれかで定義されているとおりであり、そして、R1は、-CH2OR4である。
【0064】
第17の実施形態(実施形態E17)は、式Iで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、ここで、Aは、上記で又は実施形態E1-実施形態E6のいずれかで定義されているとおりであり、Eは、実施形態E7-実施形態E12のいずれかで定義されているとおりであり、そして、R1は、-CH2NR2COR3である。
【0065】
実施形態E17のサブ実施形態では、R1は、-CH2NHCOR3である。
【0066】
さらなるサブ実施形態では、R1は、-CH2NR2CO(C1-C6アルキル)である。
【0067】
別のサブ実施形態では、R1は、-CH2NR2COCH3である。
【0068】
別のサブ実施形態では、R1は、-CH2NHCOCH3である。
【0069】
別のサブ実施形態では、R1は、-CH2NR2CO(C3-C6シクロアルキル)である。
【0070】
別のサブ実施形態では、R1は、-CH2NR2COシクロプロピルである。
【0071】
別のサブ実施形態では、R1は、-CH2NHCOシクロプロピルである。
【0072】
別のサブ実施形態では、R1は、-CH2NR2CO(ビシクロ[1.1.1]ペンタン)である。
【0073】
別のサブ実施形態では、R1は、-CH2NHCO(ビシクロ[1.1.1]ペンタン)である。
【0074】
第18の実施形態(実施形態E18)は、式Iで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、ここで、Aは、上記で又は実施形態E1-実施形態E6のいずれかで定義されているとおりであり、Eは、実施形態E7-実施形態E12のいずれかで定義されているとおりであり、そして、R1は、-CH2NR2COOR3である。
【0075】
実施形態E18のサブ実施形態では、R1は、-CH2NHCOOR3である。
【0076】
実施形態E18のサブ実施形態では、R1は、-CH2NR2COOCH3である。
【0077】
実施形態E18の別のサブ実施形態では、R1は、-CH2NHCOOCH3である。
【0078】
実施形態E18の別のサブ実施形態では、R1は、-CH2NHCOOCH2CH3である。
【0079】
実施形態E18のさらなるサブ実施形態では、R1は、-CH2NR2COO(C1-C6アルキル)である。
【0080】
実施形態E18のサブ実施形態では、R1は、-CH2NR2COO(C3-C6シクロアルキル)である。
【0081】
実施形態E18のサブ実施形態では、R1は、-CH2NR2COO(シクロプロピル)である。
【0082】
実施形態E18のサブ実施形態では、R1は、-CH2NHCOO(シクロプロピル)である。
【0083】
実施形態E18のサブ実施形態では、R1は、-CH2NHCOO(シクロプロピル)である。
【0084】
実施形態E18のサブ実施形態では、R1は、-CH2OC(O)N(R2)2である。
【0085】
実施形態E18のサブ実施形態では、R1は、-CH2OC(O)NH2である。
【0086】
第19の実施形態(実施形態E19)は、式Iで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、ここで、Aは、上記で又は実施形態E1-実施形態E6のいずれかで定義されているとおりであり、Eは、実施形態E7-実施形態E12のいずれかで定義されているとおりであり、そして、R1は、-CH2R6である。
【0087】
第20の実施形態(実施形態E20)は、式Iで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、ここで、Aは、上記で又は実施形態E1-実施形態E6のいずれかで定義されているとおりであり、Eは、実施形態E7-実施形態E12のいずれかで定義されているとおりであり、そして、R1は、-CH2NR2COOR3である。
【0088】
実施形態E20のサブ実施形態では、R2の1の出現はHであり、及び、R3の1の出現はC1-C6アルキルであり、ここで、該C1-C6アルキルは、最大で4までの置換基で置換されていてもよく、ここで、該置換基は、ハロゲン、-OCH3、-OH、-NH2、-NHCH3及び-N(CH3)2からなる群から独立して選択される。
【0089】
実施形態E20のさらなるサブ実施形態では、R2の1の出現はHであり、及び、R2の1の出現はC1-C6アルキルである。
【0090】
実施形態E20のさらに別のサブ実施形態では、R2の1の出現はHであり、及び、R2の1の出現はC3-C6シクロアルキルであり、ここで、該C3-C6シクロアルキルは、最大で4までの置換基で置換されていてもよく、ここで、該置換基は、ハロゲン、-OCH3、-OH、-NH2、-NHCH3及び-N(CH3)2からなる群から独立して選択される。
【0091】
第21の実施形態(実施形態E21)は、式Iで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、ここで、Aは、上記で又は実施形態E1-実施形態E6のいずれかで定義されているとおりであり、Eは、実施形態E7-実施形態E12のいずれかで定義されているとおりであり、そして、R1は、-C=NOR3である。
【0092】
実施形態E16、実施形態E17、実施形態E18及び実施形態E21のサブ実施形態では、R3は、Hである。
【0093】
実施形態E16、実施形態E17、実施形態E18及び実施形態E21のサブ実施形態では、R3は、C1-C6アルキルであり、ここで、該C1-C6アルキルは、最大で4までの置換基で置換されることができ、ここで、該置換基は、ハロゲン、-OCH3、-OH、-NH2、-NHCH3及び-N(CH3)2からなる群から独立して選択される。
【0094】
実施形態E16、実施形態E17、実施形態E18及び実施形態E21のサブ実施形態では、R3は、C2-C6アルケニルであり、ここで、該C2-C6アルケニルは、最大で4までの置換基で置換されることができ、ここで、該置換基は、ハロゲン、-OCH3、-OH、-NH2、-NHCH3及び-N(CH3)2からなる群から独立して選択される。
【0095】
実施形態E16、実施形態E17、実施形態E18及び実施形態E21のサブ実施形態では、R3は、C3-C6シクロアルキルであり、ここで、該C3-C6シクロアルキルは、最大で4までの置換基で置換されることができ、ここで、該置換基は、ハロゲン、-OCH3、-OH、-NH2、-NHCH3及び-N(CH3)2からなる群から独立して選択される。
【0096】
第22の実施形態(実施形態E22)は、式Iで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、ここで、Aは、上記で又は実施形態E1-実施形態E6のいずれかで定義されているとおりであり、Eは、実施形態E7-実施形態E12のいずれかで定義されているとおりであり、そして、R1は、-CH2OR4である。
【0097】
第23の実施形態(実施形態E23)は、式Iで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、ここで、Aは、上記で又は実施形態E1-実施形態E6のいずれかで定義されているとおりであり、Eは、実施形態E7-実施形態E12のいずれかで定義されているとおりであり、そして、R1は、-CH2NR2R4である。
【0098】
実施形態E22及び実施形態E23のサブ実施形態では、R4は、R5で置換されていてもよい5員ヘテロ環である。
【0099】
実施形態E22及び実施形態E23のサブ実施形態では、R4は、R5で置換されていてもよい6員ヘテロ環である。
【0100】
実施形態E22及び実施形態E23のサブ実施形態では、R4は、Hである。
【0101】
実施形態E16、実施形態E19及び実施形態E23のサブ実施形態では、R2は、Hである。
【0102】
実施形態E16、実施形態E19及び実施形態E23のさらなるサブ実施形態では、R2は、C1-C6アルキルであり、ここで、該C1-C6アルキルは、最大で4までの置換基で置換されていてもよく、ここで、該置換基は、ハロゲン、-OCH3、-OH、NH2、NHCH3及びN(CH3)2からなる群から独立して選択される。
【0103】
実施形態E16、実施形態E19及び実施形態E23の別サブ実施形態のでは、R2は、C2-C6アルケニルであり、ここで、該C2-C6アルケニルは、最大で4までの置換基で置換されていてもよく、ここで、該置換基は、ハロゲン、-OCH3、-OH、NH2、NHCH3及びN(CH3)2からなる群から独立して選択される。
【0104】
実施形態E16、実施形態E19及び実施形態E23の代替え的なサブ実施形態では、R2は、C3-C6シクロアルキルであり、ここで、該C3-C6シクロアルキルは、最大で4までの置換基で置換されていてもよく、ここで、該置換基は、ハロゲン、-OCH3、-OH、NH2、NHCH3及びN(CH3)2からなる群から独立して選択される。
【0105】
第24の実施形態(実施形態E24)は、式Iで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、ここで、Aは、上記で又は実施形態E1-実施形態E6のいずれかで定義されているとおりであり、Eは、実施形態E7-実施形態E12のいずれかで定義されているとおりであり、そして、R1は、-CH2R6である。
【0106】
実施形態E24のサブ実施形態では、R6は、Hである。
【0107】
実施形態E24のサブ実施形態では、R6は、C1-C6アルキルである。
【0108】
実施形態E24のサブ実施形態では、R6は、5員ヘテロ環であり、ここで、該5員ヘテロ環は、置換されていないか又は1若しくは2のR7で置換されている。
【0109】
第25の実施形態(実施形態E25)は、式Iで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、ここで、Aは、上記で又は実施形態E1-実施形態E6のいずれかで定義されているとおりであり、Eは、実施形態E7-実施形態E12のいずれかで定義されており、そして、R1は、-CH2OHである。
【0110】
第26の実施形態(実施形態E26)は、式Iで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、ここで、Aは、上記で又は実施形態E1-実施形態E6のいずれかで定義されているとおりであり、Eは、実施形態E7-実施形態E12のいずれかで定義されているとおりであり、そして、R1は、-CH2NHC(O)CH3である。
【0111】
第27の実施形態(実施形態E27)は、式Iで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、ここで、Aは、上記で又は実施形態E1-実施形態E6のいずれかで定義されているとおりであり、Eは、実施形態E7-実施形態E12のいずれかで定義されているとおりであり、そして、R1は、-CH2NHC(O)-シクロプロピルである。
【0112】
第28の実施形態(実施形態E28)は、式Iで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、ここで、Aは、上記で又は実施形態E1-実施形態E6のいずれかで定義されているとおりであり、Eは、実施形態E7-実施形態E12のいずれかで定義されているとおりであり、そして、R1は、-CH2NHCOOCH3である。
【0113】
第29の実施形態(実施形態E29)は、式Iで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、ここで、Aは、上記で又は実施形態E1-実施形態E6のいずれかで定義されているとおりであり、Eは、実施形態E7-実施形態E12のいずれかで定義されているとおりであり、そして、R1は、-CH2NHCOCH2NH2である。
【0114】
第30の実施形態(実施形態E30)は、式Iで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、ここで、Aは、上記で又は実施形態E1-実施形態E6のいずれかで定義されているとおりであり、Eは、実施形態E7-実施形態E12のいずれかで定義されているとおりであり、そして、R1は、CH2NHCOCHCH2CH3である。
【0115】
第31の実施形態(実施形態E31)は、式Iで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、ここで、Aは、上記で又は実施形態E1-実施形態E6のいずれかで定義されているとおりであり、Eは、実施形態E7-実施形態E12のいずれかで定義されているとおりであり、そして、R1は、CH2NHC(O)NHN(CH3)2である。
【0116】
第32の実施形態(実施形態E32)は、式Iで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、ここで、Aは、上記で又は実施形態E1-実施形態E6のいずれかで定義されているとおりであり、Eは、実施形態E7-実施形態E12のいずれかで定義されているとおりであり、そして、R
1は、
【化16】
【0117】
である。
【0118】
第33の実施形態(実施形態E33)は、式Iで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、ここで、Aは、上記で又は実施形態E1-実施形態E6のいずれかで定義されているとおりであり、Eは、実施形態E7-実施形態E13のいずれかで定義されているとおりであり、そして、R
1は、
【化17】
【0119】
である。
【0120】
第34の実施形態(実施形態E34)は、式Iで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、ここで、Aは、上記で又は実施形態E1-実施形態E6のいずれかで定義されているとおりであり、Eは、実施形態E7-実施形態E13のいずれかで定義されているとおりであり、そして、R
1は、
【化18】
【0121】
である。
【0122】
第35の実施形態(実施形態E35)は、式Iで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、ここで、Aは、上記で又は実施形態E1-実施形態E6のいずれかで定義されているとおりであり、Eは、実施形態E7-実施形態E13のいずれかで定義されているとおりであり、そして、R
1は、
【化19】
【0123】
である。
【0124】
第36の実施形態(実施形態E36)は、式Iで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、ここで、Aは、上記で又は実施形態E1-実施形態E6のいずれかで定義されているとおりであり、Eは、実施形態E7-実施形態E13のいずれかで定義されているとおりであり、そして、R
1は、
【化20】
【0125】
である。
【0126】
第37の実施形態(実施形態E37)は、式Iで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、ここで、Aは、上記で又は実施形態E1-実施形態E6のいずれかで定義されているとおりであり、Eは、実施形態E7-実施形態E13のいずれかで定義されているとおりであり、そして、R
1は、
【化21】
【0127】
である。
【0128】
第38の実施形態(実施形態E38)は、式Iで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、ここで、Aは、実施形態E1-実施形態E6のいずれかで定義されているとおりであり、Eは、実施形態E7-実施形態E12のいずれかで定義されており、R
1は、-CH
2OR
4又は-CH
2NR
2R
4であり;R
2は、Hであり;そして、R
4は、
【化22】
【0129】
からなる群から選択される。
【0130】
第39の実施形態(実施形態E39)は、式Iで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、ここで、Aは、実施形態E1-実施形態E6のいずれかで定義されているとおりであり、Eは、実施形態E7-実施形態E12のいずれかで定義されており、R
1は、CH
2R
6であり、そして、R
6は、
【化23】
【0131】
からなる群から選択される。
【0132】
第40の実施形態(実施形態E40)は、式Iで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、そして、Aは、
【化24】
【0133】
であり、ここで、R8は、同一であるか又は異なっていることが可能な最大で4までの任意の環炭素置換基を表し、Eは、実施形態E7-実施形態E12のいずれかで定義されており、そして、R1は、実施形態E13-実施形態E37のいずれかで定義されている。
【0134】
第41の実施形態(実施形態E41)は、式Iで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、ここで、Eは、実施形態E7-実施形態E12のいずれかで定義されているとおりであり、R
1は、実施形態E13-実施形態E37のいずれかで定義されており、Aは、
【化25】
【0135】
であり;
ここで、
R
8の各出現は、H、ハロゲン、C
1-C
6アルキル、C
3-C
6シクロアルキル、C
1-C
6アルキルヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ベンジル、-OCF
3、-OCHF
2、-OR
3、=O、-CN、-NO
2、-SR
3、-SF
5、-SCF
3、-SOR
3、-SO
2R
3、-S(=O)(=N)R
2、-N(R
2)
2、-NR
2COR
3、-SO
2N(R
2)
2、-NR
2SO
2R
3、-COOH、-COR
9、-COOR
3、-CON(R
2)
2、(=N)R
2及び-C(R
9)
2N(R
2)
2からなる群から独立して選択され、ここで、該C
1-C
6アルキル、C
3-C
6シクロアルキル、C
1-C
6アルキルヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル及びベンジルは、最大で4までのメチル、F、-OCH
3、-OH、=O、NH
2、NHCH
3及びN(CH
3)
2で置換されていてもよく;
R
10は、H、C
1-C
6アルキル及びC
3-C
6シクロアルキルからなる群から選択され、ここで、該C
1-C
6アルキル及び該C
3-C
6シクロアルキルは、1~4の置換基で置換されていてもよく、ここで、該置換基は、F、-OCH
3、-OH、NH
2、NHCH
3及びN(CH
3)
2からなる群から独立して選択され;
R
11は、H、C
1-C
6アルキル及びC
3-C
6シクロアルキル、-COR
9、-COOR
9、-CON(R
9)
2及び-SO
2R
9からなる群から選択され;
R
12の各出現は、H、ハロゲン、C
1-C
6アルキル、C
3-C
6シクロアルキル、ベンジル、-OCF
3、-OCHF
2、-OR
3、-CN、-NO
2、-SR
3、-SF
5、-SCF
3、-SOR
3、-SO
2R
3、-S(=O)(=N)R
2、-N(R
2)
2、-NR
2COR
3、-SO
2N(R
2)
2、-NR
2SO
2R
3、-COOH、-COR
9、-COOR
3、-CON(R
2)
2、4員ヘテロ環及び-C(R
9)
2N(R
2)
2からなる群から独立して選択され、ここで、該C
1-C
6アルキル、C
3-C
6シクロアルキル、4員ヘテロ環及びベンジルは、最大で4までのメチル、F、-OCH
3、-OH、NH
2、NHCH
3及びN(CH
3)
2で置換されていてもよく;
R
13は、H、ハロゲン、C
1-C
6アルキル、C
3-C
6シクロアルキル、ベンジル、-OCF
3、-OCHF
2、-OR
3、-CN、-NO
2、-SR
3、-SF
5、-SCF
3、-SOR
3、-SO
2R
3、-S(=O)(=N)R
2、-N(R
2)
2、-NR
2COR
3、-SO
2N(R
2)
2、-NR
2SO
2R
3、-COOH、-COR
9、-COOR
3、-CON(R
2)
2及び-C(R
9)
2N(R
2)
2からなる群から選択され、ここで、該C
1-C
6アルキル、C
3-C
6シクロアルキル及びベンジルは、最大で4までのメチル、F、-OCH
3、-OH、NH
2、NHCH
3及びN(CH
3)
2で置換されていてもよく;そして、
Wは、O、S、SO、SO
2及びS(=O)(=NH)からなる群から選択され;そして、
ここで、
【化26】
【0136】
は、二重結合又は単結合を表し、そしてここで、他の全ての可変部分は、上記で定義されているとおりである。
【0137】
第42の実施形態(実施形態E42)は、式
【化27】
【0138】
で表される式IAの化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、
ここで、
R1は、-CH2NHCOOCH3、-CH2NHC(O)CH3、-CH2NHC(O)-C3-C6シクロアルキル、CH2OH又はCH2R6であり;Aは、実施形態E1-実施形態E6のいずれかで定義されているとおりであり;そして、R6は、上記で定義されているとおりである。
【0139】
第43の実施形態(実施形態E43)は、式
【化28】
【0140】
で表される式IBの化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、
ここで、
R1は、-CH2NHCOOCH3、-CH2NHC(O)CH3、-CH2NHC(O)-C3-C6シクロアルキル、CH2OH又はCH2R6であり;Aは、実施形態E1-実施形態E6のいずれかで定義されているとおりであり;そして、R6は、上記で定義されているとおりである。
【0141】
実施形態E42及び実施形態E43のサブ実施形態では、R1は、-CH2NHCOOCH3である。
【0142】
実施形態E42及び実施形態E43のさらなるサブ実施形態では、Aは、
【化29】
【0143】
であり、
ここで、R8は、同一であるか又は異なっていることが可能な最大で4までの任意の環炭素置換基を表す。
【0144】
実施形態E42及び実施形態E43のさらなるサブ実施形態では、Aは、
【化30】
【0145】
であり、
ここで、
R8の各出現は、H、ハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C6アルキルヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、-SO2R3からなる群から独立して選択され、ここで、該C1-C6アルキル、C1-C6アルキルヘテロシクロアルキル及びベンジルは、最大で4までのメチル及びFで置換されていてもよく;そして、
R3は、4員ヘテロシクロアルキルであり、ここで、該4員ヘテロシクロアルキルは、最大で4までの置換基で置換されることができ、ここで、該置換基は、C1-C6アルキルからなる群から独立して選択される。
【0146】
【0147】
であり、ここで、
R8は、最大で4までの任意の環炭素置換基を表し、ここで、R8の各出現は、H、ハロゲン、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、C1-C6アルキルヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、-Oヘテロシクロアルキル、ベンジル、-OCF3、-OCHF2、-OR3、=O、-CN、-NO2、-SR3、-SF5、-SCF3、-SOR3、-SO2R3、-S(=O)(=N)R2、-N(R2)2、-NR2COR3、-SO2N(R2)2、-NR2SO2R3、-COOH、-COR9、-COOR3、-CON(R2)2、(=N)R2及び-C(R9)2N(R2)2からなる群から独立して選択され、ここで、該C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、C1-C6アルキルヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、-Oヘテロシクロアルキル及びベンジルは、最大で4までのメチル、F、-OCH3、-OH、=O、NH2、NHCH3及びN(CH3)2で置換されていてもよく;
R2の各出現は、H、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル及びC3-C6シクロアルキルからなる群から独立して選択され、ここで、該C1-C6アルキル、該C2-C6アルケニル及び該C3-C6シクロアルキルは、最大で4までの置換基で置換されることができ、ここで、該置換基は、ハロゲン、-OCH3、-OH、-NH2、-NHCH3及び-N(CH3)2からなる群から独立して選択され;
R3は、H、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、4員若しくは5員のヘテロシクロアルキル及びC3-C6シクロアルキルであり、ここで、該C1-C6アルキル、該C2-C6アルケニル、4員若しくは5員のヘテロシクロアルキル及び該C3-C6シクロアルキルは、最大で4までの置換基で置換されることができ、ここで、該置換基は、ハロゲン、C1-C6アルキル、ハロC1-C6アルキル、CN、-OCH3、-OH、-NH2、-NHCH3及び-N(CH3)2からなる群から独立して選択され;そして、
R9の各出現は、H、C1-C6アルキル及びC3-C6シクロアルキルからなる群から独立して選択される。
【0148】
【0149】
であり、ここで、
R8は、最大で4までの任意の環炭素置換基を表し、ここで、R8の各出現は、ハロゲン、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、C1-C6アルキルヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、-Oヘテロシクロアルキル、ベンジル、-OCF3、-OCHF2、-OR3、=O、-CN、-NO2、-SR3、-SF5、-SCF3、-SOR3、-SO2R3、-S(=O)(=N)R2、-N(R2)2、-NR2COR3、-SO2N(R2)2、-NR2SO2R3、-COOH、-COR9、-COOR3、-CON(R2)2、(=N)R2及び-C(R9)2N(R2)2からなる群から独立して選択され、ここで、該C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、C1-C6アルキルヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、-Oヘテロシクロアルキル及びベンジルは、最大で4までのメチル、F、-OCH3、-OH、=O、NH2、NHCH3及びN(CH3)2で置換されていてもよく;
R2の各出現は、H、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル及びC3-C6シクロアルキルからなる群から独立して選択され、ここで、該C1-C6アルキル、該C2-C6アルケニル及び該C3-C6シクロアルキルは、最大で4までの置換基で置換されることができ、ここで、該置換基は、ハロゲン、-OCH3、-OH、-NH2、-NHCH3及び-N(CH3)2からなる群から独立して選択され;
R3は、H、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、4員若しくは5員のヘテロシクロアルキル及びC3-C6シクロアルキルであり、ここで、該C1-C6アルキル、該C2-C6アルケニル、4員若しくは5員のヘテロシクロアルキル及び該C3-C6シクロアルキルは、最大で4までの置換基で置換されることができ、ここで、該置換基は、ハロゲン、C1-C6アルキル、ハロC1-C6アルキル、CN、-OCH3、-OH、-NH2、-NHCH3及び-N(CH3)2からなる群から独立して選択され;及び、
R9の各出現は、H、C1-C6アルキル及びC3-C6シクロアルキルからなる群から独立して選択される。
【0150】
本明細書中で開示されている特定の実施形態は、以下の構造を有する化合物又は薬学的に許容されるその塩を包含する:
【化33】
【0151】
本明細書中で開示されている特定の実施形態は、以下の構造を有する化合物又は薬学的に許容されるその塩を包含する:
【化34】
【0152】
本明細書中で開示されている特定の実施形態は、以下の構造を有する化合物又は薬学的に許容されるその塩を包含する:
【化35】
【0153】
式Iで表される化合物に関する種々の実施形態への言及は、特に、式Iの種々の実施形態、例えば、式IA及び式IB、式IA及び式IBのサブ実施形態、本明細書中に提供されている他の実施形態、並びに、本明細書中に記載されている個々の化合物を包含する。
【0154】
本発明の別の実施形態は、以下のものを包含する:
(a) 有効量の本明細書中で定義されている式I、式IA若しくは式IBで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物;
(b) さらに第2の化合物(ここで、該第2の化合物は、抗生物質である)を含む、(a)の医薬組成物;
(c) 前記第2の化合物が、エタンブトール、ピラジナミド、イソニアジド、レボフロキサシン、モキシフロキサシン、ガチフロキサシン、オフロキサシン、カナマイシン、アミカシン、カプレオマイシン、ストレプトマイシン、エチオナミド、プロチオナミド、シクロセリン、テリジドン、パラ-アミノサリチル酸、クロファジミン、クラリスロマイシン、アモキシシリン-クラブラン酸塩、チアセタゾン、メロペネム-クラブラン酸塩及びチオリダジンからなる群から選択される、(b)の医薬組成物;
(d) (i)式I、式IA若しくは式IBで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩、及び、(ii)第2の化合物(ここで、該第2の化合物は、抗生物質である)を含む医薬組成物であり、ここで、式I、式IA又は式IBで表される化合物及び該第2の化合物は、それぞれ、当該組合せを細菌感染症の治療又は予防に対して有効なものとするような量で使用される;
(e) 前記第2の化合物が、エタンブトール、ピラジナミド、イソニアジド、レボフロキサシン、モキシフロキサシン、ガチフロキサシン、オフロキサシン、カナマイシン、アミカシン、カプレオマイシン、ストレプトマイシン、エチオナミド、プロチオナミド、シクロセリン、テリジドン、パラ-アミノサリチル酸、クロファジミン、クラリスロマイシン、アモキシシリン-クラブラン酸塩、チアセタゾン、メロペネム-クラブラン酸塩及びチオリダジンからなる群から選択される、(d)の組合せ;
(f) 対象者における細菌感染症を治療する方法であって、そのような治療を必要とする対象者に有効量の式I、式IA若しくは式IBで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩を投与することを含む、前記方法;
(g) 細菌感染症を予防及び/又は治療する方法であって、そのような治療を必要とする対象者に有効量の式I、式IA若しくは式IBで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩を投与することを含む、前記方法;
(h) 細菌感染症を治療する方法であって、そのような治療を必要とする対象者に治療上有効な量の(a)、(b)、(c)、(d)又は(e)の組成物を投与することを含む、前記方法;
(i) 前記細菌感染症が結核菌に起因する、(f)、(g)又は(h)に記載の細菌感染症を治療する方法;
(j) マイコバクテリア感染症を予防及び/又は治療する方法であって、そのような治療を必要とする対象者に本明細書に記載されている化合物又は薬学的に許容されるその塩を含む有効量の組成物を投与することを含む、前記方法;
(k) 前記マイコバクテリア感染症が結核菌に起因する、(j)に記載のマイコバクテリア感染症を治療する方法;
(l) 組成物が(a)、(b)、(c)、(d)又は(e)の組成物である、(j)に記載のマイコバクテリア感染症を治療する方法。
【0155】
本発明は、さらに、細菌感染症(特に、マイコバクテリア感染症)の医薬又は治療に、(i)使用するための、(ii)医薬として使用するための、又は、(iii)医薬の調製(又は、製造)において使用するための、式I、式IA若しくは式IBで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩を包含する。これらの使用において、本発明の化合物は、場合により、エタンブトール、ピラジナミド、イソニアジド、レボフロキサシン、モキシフロキサシン、ガチフロキサシン、オフロキサシン、カナマイシン、アミカシン、カプレオマイシン、ストレプトマイシン、エチオナミド、プロチオナミド、シクロセリン、テリジドン、パラ-アミノサリチル酸、クロファジミン、クラリスロマイシン、アモキシシリン-クラブラン酸塩、チアセタゾン、メロペネム-クラブラン酸塩及びチオリダジンを包含する1種類以上の第2の治療薬と組合せて使用することができる。
【0156】
本発明のさらなる実施形態は、上記(a)~(l)に記載されている医薬組成物、組合せ及び方法並びに先の段落に記載されている使用を包含し、ここで、それらにおいて使用される本発明の化合物は、上記で記載されている実施形態、サブ実施形態、クラス又はサブクラスのうちの1つに記載されている化合物である。該化合物は、これらの実施形態においては、薬学的に許容される塩の形態で使用することもできる。
【0157】
上記で与えられている化合物及び塩の実施形態において、各実施形態は、組合せが安定な化合物又は塩を提供し且つその実施形態の記述と調和する程度まで、1以上の他の実施形態と組合せることが可能であることは理解されるべきである。さらに、上記(a)~(l)として与えられている組成物及び方法の実施形態が、当該化合物及び/又は塩の全ての実施形態(これは、実施形態の組合せから生じるもののような実施形態を包含する)を含むように理解されることも理解されるべきである。
【0158】
本発明のさらなる実施形態は、先の段落に記載されている医薬組成物、組合せ、方法及び使用のそれぞれを包含し、ここで、それらにおいて使用される本発明の化合物又はその塩は実質的に純粋である。式I、式IA若しくは式IBで表される化合物又はその塩及び薬学的に許容される担体を含み、及び、場合により1種類以上の賦形剤も含む医薬組成物に関して、用語「実質的に純粋」は、式I、式IA若しくは式IBで表される化合物又はその塩自体(即ち、組成物中の活性成分の純度)に関するものであることは理解される。
【0159】
略語の定義
本明細書中で使用されている用語は、それらの通常の意味を有し、そして、そのような用語の意味は、それらの各出現において独立している。それにもかかわらず、及び、別途示されている場合を除き、本明細書及び特許請求の範囲の全体を通して、以下の定義が適用される。化学名、一般名及び化学構造は、同一の構造について記載するために交換可能に使用することができる。ある化合物について、化学構造と化学名の両方を用いて言及されていてその化学構造と化学名の間に曖昧さが存在している場合、化学構造が優先される。これらの定義は、用語が単独で使用されているか又は別の用語と組み合わされて使用されているかにかかわらず、別途示されていない限り適用される。従って、「アルキル」の定義は、「アルキル」のみならず、「ヒドロキシアルキル」、「ハロアルキル」、「-O-アルキル」などの「アルキル」部分にも適用される。
【0160】
本明細書中で使用されている場合及び本開示全体を通して、以下の用語が、別途示されていない限り、下記意味を有することは理解される。
【0161】
「アルキル」は、炭素鎖について別途定義されていない限り、直鎖若しくは分枝鎖又はそれらの組合せであり得る飽和炭素鎖を意味する。アルコキシ及びアルカノイルのような接頭語「アルク(alk)」を有する他の基も、炭素鎖について別途定義されていない限り、直鎖若しくは分枝鎖又はそれらの組合せであり得る。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチル及びtert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルを含む。
【0162】
「アルケニル」は、別途定義されていない限り、少なくとも1の炭素-炭素二重結合を含み、直鎖若しくは分枝鎖又はそれらの組合せであり得る炭素鎖を意味する。アルケニルの例としては、ビニル、アリル、イソプロペニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、1-プロペニル、2-ブテニル、2-メチル-2-ブテニルを含む。
【0163】
「抗生物質」は、微生物の生存力を低下させる化合物若しくは組成物を意味するか、又は、微生物の成長若しくは増殖を阻害する化合物若しくは組成物を意味する。「成長又は増殖を阻害する」という表現は、世代時間(即ち、細菌細胞が分裂するのに要する時間、又は、個体群が倍増するのに要する時間)を少なくとも約2倍に増大させることを意味する。好ましい抗生物質は、世代時間を、少なくとも約10倍又はそれ以上に(例えば、少なくとも約100倍に、又は、さらに、無限に、例えば、完全な細胞死に至るまで)増大させることができる抗生物質である。本開示において使用されている場合、抗生物質は、さらに、抗菌薬、静菌薬又は殺細菌薬を包含することが意図されている。
【0164】
「約」は、物質若しくは組成物の量(例えば、kg、L、又は、当量)又は物理的特性の値又はプロセス段階を特徴付けるパラメータの値(例えば、特定のプロセス段階を実施する温度)などを修飾する場合、例えば、当該物質若しくは組成物の調製、特性決定及び/又は使用に関与する典型的な測定手順、取り扱い手順及びサンプリング手順によって;それらの手順における不注意による誤差によって;該組成物を製造若しくは使用するために又は該手順を実施するために用いられる成分の製造、入手先又は純度における差異よって;及び、同種のものなどによって生じ得る、数量におけるばらつきを示している。特定の実施形態において、「約」は、適切な単位の±0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、1.0、2.0、3.0、4.0又は5.0の変動を意味し得る。特定の実施形態では、「約」は、±1%、2%、3%、4%、5%、10%又は20%の変動を意味し得る。
【0165】
「芳香族環系」は、環のうちの少なくとも1が芳香族である、5~14個の環原子を含む単環式、二環式又は三環式の芳香族環又は芳香族環系を意味する。芳香族環系は、本明細書中で使用されている場合、アリール類及びヘテロアリール類を包含する。該用語は、アリール基に縮合した炭素環について記載するために用いることができる。例えば、5~7員のシクロアルキルは、隣接する2個の環原子を介して、N、O及びSからなる群から選択される1個、2個又は3個のヘテロ原子環原子を含む5~6員のヘテロアリールに縮合することができる。別の例では、ヘテロ単環式環は、フェニルに、又は、N、O及びSからなる群から選択される1個、2個若しくは3個のヘテロ原子を含む5~6員のヘテロアリールに、2個の環原子を介して縮合する。
【0166】
「アリール」は、環のうちの少なくとも1が芳香族である、5~14個の炭素原子を含む単環式、二環式又は三環式の炭素環式芳香族環又は芳香族環系を意味する。アリールの例としては、フェニル及びナフチルを含む。
【0167】
「シクロアルキル」は、指定された数の炭素原子を有する単環式、二環式又は架橋している飽和炭素環を意味する。シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルを含む。
【0168】
用語「ヘテロシクロアルキル」は、本明細書中で使用されている場合、3~11個の環原子を含む非芳香族の飽和の単環式又は多環式の環系を意味し、ここで、該環原子のうちの1~4個は、独立して、O、S又はNであり、該環原子のうちの残りは炭素原子である。ヘテロシクロアルキル基は、環炭素原子又は環窒素原子(存在する場合)を介して結合することができる。一実施形態では、ヘテロシクロアルキル基は単環式であり、そして、約3個~約7個の環原子を有している。別の実施形態では、ヘテロシクロアルキル基は単環式であり、約4個~約7個の環原子を有している。別の実施形態では、ヘテロシクロアルキル基は二環式であり、そして、約7個~約11個の環原子を有している。さらに別の実施形態では、ヘテロシクロアルキル基は、単環式であり、そして、5個又は6個の環原子を有している。一実施形態では、ヘテロシクロアルキル基は、単環式である。別の実施形態では、ヘテロシクロアルキル基は、二環式である。該環系の中には、隣接する酸素原子及び/又は硫黄原子は存在しない。ヘテロシクロアルキル環の中のいずれの-NH基も、例えば、-N(BOC)基、-N(Cbz)基、-N(Tos)基などとして保護された状態で存在することができ;そのような保護されたヘテロシクロアルキル基は、本発明の一部分であるとみなされる。用語「ヘテロシクロアルキル」には、アリール環(例えば、ベンゼン)又はヘテロリール環に縮合している、上記で定義されているヘテロシクロアルキル基も包含される。ヘテロシクロアルキル基は、以下で定義されている同一又は異なり得る1以上の「環系置換基」で置換されることができる。該ヘテロシクロアルキルの窒素原子又は硫黄原子(存在する場合)は、任意に、酸化して対応するN-オキシド、S-オキシド又はS,S-ジオキシドとすることができる。単環式ヘテロシクロアルキル環の非限定的な例としては、オキセタニル、ピペリジル、ピロリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、1,4-ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、δ-ラクタム、δ-ラクトン、シラシクロペンタン、シラピロリジンなど、及び、それらの全ての異性体を含む。
【0169】
本明細書中で、例えばR1の定義において使用されている場合、「-CH2NR2COR3」は「-CH2NR2C=OR3」を意味する。
【0170】
「薬剤耐性」は、マイコバクテリウム属に関連して、少なくとも1種類の以前に有効であった薬物に対してもはや感受性を示さず;少なくとも1種類の以前に有効であった薬物による抗生物質の攻撃に耐える能力を発達させた、マイコバクテリウム属を意味する。薬剤耐性株は、その子孫にその耐える能力を伝えることができる。当該耐性は、単一の薬物又は種々の薬物に対する感受性を変化させる、細菌細胞におけるランダムな遺伝子突然変異に起因し得る。
【0171】
「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を包含する。
【0172】
「ヘテロアリール」は、本明細書中で使用されている場合、約5個~約14個の環原子を含む芳香族の単環式又は多環式の環系を意味し、ここで、該環原子のうちの1~4個は、独立して、O、N、SO
2又はSであり、そして、残り環原子は炭素原子である。一実施形態では、ヘテロアリール基は5個~10個の環原子を有している。別の実施形態では、ヘテロアリール基は、単環式であり、そして、5個又は6個の環原子を有している。別の実施形態では、ヘテロアリール基は二環式である。ヘテロアリール基は、同一又は異なり得る、以下で定義されている1以上の「環系置換基」で置換されることができる。ヘテロアリール基は、環炭素原子を介して結合し、そして、ヘテロアリールのいずれの窒素原子も、任意に、酸化して対応するN-オキシドとすることができる。用語「ヘテロアリール」は、ベンゼン環に縮合している上記で定義したヘテロアリール基も包含する。ヘテロアリールの非限定的な例としては、ピリジル、ピラジニル、フラニル、チエニル、ピリミジニル、ピリドン(これは、N-置換ピリドンを包含する)、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、フラザニル、ピロリル、トリアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、キノキサリニル、フタラジニル、オキシインドリル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、イミダゾ[2,1-b]チアゾリル、ベンゾフラザニル、インドリル、アザインドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、チエノピリジル、キナゾリニル、チエノピリミジル、ピロロピリジル、イミダゾピリジル、イソキノリニル、ベンゾアザインドリル、1,2,4-トリアジニル、ベンゾチアゾリルなど、及び、それらの全ての異性体を含む。本発明の別の実施形態では、ヘテロアリールは、ピリジンである。二環式環の例としては、以下のものを含む:
【化36】
【0173】
「ヘテロ環」は、5~10個の原子を含み、そしてN、S、SO2及びOからなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む単環式又は二環式の飽和、部分的不飽和、不飽和又は芳香族の環系を意味する。選択された実施形態では、該環系は、N、S、SO2及びOからなる群から選択される1~4個のヘテロ原子を含む。ヘテロ環が2つの環を含む場合、該環は、縮合していてもよく、架橋していてもよく、又は、スピロ環式であってもよい。ヘテロ環は、ヘテロアリール及びヘテロシクロアルキルを包含する。
【0174】
「オキソ」は、二重結合によって別の原子に連結された酸素原子を意味し、そして、「=O」と表すことができる。
【0175】
「結核」は、結核菌群を包含するマイコバクテリア種によって引き起こされる感染症に一般に関連している疾患状態を包含する。用語「結核」は、結核菌以外のマイコバクテリア(MOTT)によって引き起こされるマイコバクテリア感染症にも関連している。他のマイコバクテリア種としては、M.アビウム-イントラセルラレ(M.avium-intracellulare)、M.カンサリイ(M.kansarii)、M.フォルツイツム(M.fortuitum)、M.ケロナエ(M.chelonae)、M.レプラエ(M.leprae)、M.アフリカヌム(M.africanum)、及び、M.ミクロチ(M.microti)、M.アビウム パラツベルクロシス(M.avium paratuberculosis)、M.イントラセルラレ(M.intracellulare)、M.スクロフラセウム(M.scrofulaceum)、M.キセノピ(M.xenopi)、M.マリヌム(M.marinum)、及び、M.ウルセランス(M.ulcerans)を含む。
【0176】
本発明の別の実施形態は、最初に定義されているか又は上記実施形態、サブ実施形態、態様、クラス若しくはサブクラスのいずれかにおいて定義されている式Iで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、ここで、該化合物又はその塩は、実質的に純粋な形態にある。本明細書中で使用されている場合、「実質的に純粋な」は、式I、式IA若しくは式IBで表される化合物又は式I、式IA若しくは式IBで表される塩を含む生成物(例えば、該化合物又は塩をもたらす反応混合物から単離された生成物)の、適切には少なくとも約60重量%、典型的には少なくとも約70重量%、好ましくは少なくとも約80重量%、さらに好ましくは少なくとも約90重量%(例えば、約90重量%~約99重量%)、さらに一層好ましくは少なくとも約95重量%(例えば、約95重量%~約99重量%、又は、約98重量%~100重量%)及び最も好ましくは少なくとも約99重量%(例えば、100重量%)が、当該化合物又は塩で構成されていることを意味する。化合物及び塩の純度のレベルは、薄層クロマトグラフィー、ゲル電気泳動、高性能液体クロマトグラフィー及び/又は質量分析法のような標準的な分析方法を使用して測定することができる。2種類以上の分析方法を使用して、それらの方法が測定された純度のレベルにおいて実験的に有意な差をもたらす場合、純度の最も高いレベルを与える方法を優先する。純度100%の化合物又は塩は、標準的な分析法によって測定したときに検出可能な不純物を含んでいない化合物又は塩である。1以上の不斉中心を有していて立体異性体の混合物として生じ得る本発明の化合物に関しては、実質的に純粋な化合物は、立体異性体の実質的に純粋な混合物又は実質的に純粋な個々のジアステレオマー若しくはエナンチオマーであることができる。
【0177】
本発明は、式I、式IA及び式IBで表される化合物の全ての立体異性体形態を包含する。特定の立体化学が示されていない限り、本発明は、これら化合物のそのような全ての異性体形態を包含することが意図されている。式I、式IA及び式IBで表される化合物の中に存在する不斉中心は、全て互いに独立して、(R)配置又は(S)配置を有することができる。キラル炭素への結合が本発明の構造式中で直線として描かれている場合、キラル炭素の(R)配置及び(S)配置の両方、従って、両方のエナンチオマー及びそれらの混合物がその式に包含されていることは理解される。同様に、キラル炭素についてキラルであることを明示せずに化合物名が記載されている場合、キラル炭素の(R)配置及び(S)配置の両方、従って、個々のエナンチオマー及びそれらの混合物がその名称によって包含されていることは理解される。特定の立体異性体又はその混合物の製造については、そのような立体異性体又は混合物が得られている実施例において確認することができるが、このことは、全ての立体異性体及びその混合物を包含することが本発明の範囲内にあることを決して制限するものではない。
【0178】
本発明は、可能な全てのエナンチオマー及びジアステレオマー及び全ての比率における2種類以上の立体異性体の混合物(例えば、エナンチオマー及び/又はジアステレオマーの混合物)を包含する。かくして、エナンチオマー的に純粋な形態(左旋性鏡像体及び右旋性鏡像体の両方として)にあるエナンチオマー、ラセミ化合物の形態にあるエナンチオマー、及び、全ての比率における2種類のエナンチオマーの混合物の形態にあるエナンチオマーは、本発明の対象である。シス/トランス異性の場合、本発明は、シス形態及びトランス形態の両方並びに全ての比率におけるこれら形態の混合物を包含する。個々の立体異性体の調製は、必要に応じて、慣習的な方法(例えば、クロマトグラフィー又は結晶化)で混合物を分離させることによって、又は、合成に際して立体化学的に均一な出発物質を使用することによって、又は、立体選択的な合成によって実施することができる。場合により、立体異性体の分離に先立って誘導体化を実施することができる。立体異性体の混合物の分離は、式I、式IA若しくは式IBで表される化合物の合成中に中間体の段階で実施することができるか、又は、最終的なラセミ生成物に対して実施することができる。絶対立体化学は、結晶質生成物又は結晶質中間体(これらは、必要に応じて、立体配置が知られている立体中心を含む試薬を用いて誘導体化する)をX線結晶学に付すことによって決定することができる。本発明の化合物が互変異性化可能である場合、個々の全ての互変異性体及びそれらの混合物は、本発明の範囲内に包含される。そのようなラセミ化合物、エナンチオマー、ジアステレオマー又は互変異性体の特定の異性体、塩、溶媒和物(これは水和物を包含する)又は溶媒和塩が示されていない限り、本発明は、そのような全ての異性体、並びに、そのようなラセミ化合物、エナンチオマー、ジアステレオマー及び互変異性体及びそれらの混合物の塩、溶媒和物(これは、水和物を包含する)及び溶媒和塩を包含する。
【0179】
いずれかの構成又は式Iにおいて、いずれかの可変部分(例えば、R1、Raなど)が2回以上出現する場合、各出現におけるその定義は、他の全ての出現におけるその定義から独立している。さらに、置換基及び/又は可変部分の組合せは、そのような組合せが安定な化合物を生じる場合にのみ許される。置換基可変部分における結合と交差している曲がりくねった線は、結合点を表している。
【0180】
本開示の全体を通して使用されている標準的な命名法の下で、指定された側鎖の末端部分が最後に記載され、それに先行して結合点に向かって隣接する官能基が記載されている。
【0181】
本発明の化合物の選択に際しては、さまざまな置換基(即ち、R1、R2など)が化学構造の結合可能性と安定性に関するよく知られてた原則に従って選択されるべきであることは、当業者には理解されるであろう。
【0182】
用語「置換された」は、既存の状況下で指定された原子の通常の原子価を超えず、置換によって安定した化合物が得られるという条件のもとで、指定された原子上の1個以上の水素が指定された群から選択されたもので置き換えられることを意味する。用語「置換された」は、指定された置換基による複数の置換も包含するもの見なされる。複数の置換基部分が開示又は特許請求されている場合、その置換された化合物は、独立して、当該開示又は特許請求された置換基部分の1以上によって、1以上置換されることができる。独立して置換されたとは、当該(2以上の)置換基が同一であること又は異なっていることが可能であることを意味する。
【0183】
「安定な化合物」又は「安定な構造」は、反応混合物からの有用な程度の純度までの単離に耐えるのに充分に頑強であり、そして、その構造及び特性が、本明細書中に記載されている目的(例えば、対象者への治療的投与)のための当該化合物の使用を可能にするのに充分な期間にわたって維持されるか又は本質的に変化しないまま維持され得る化合物を意味する。本発明の化合物は、式Iによって包含される安定な化合物に限定される。
【0184】
ある基(例えば、C1-C8アルキル)が置換されているものとして示されている場合、そのような置換は、そのような基が、より大きい置換基(例えば、-C1-C6アルキル-C3-C7シクロアルキル及び-C1-C8アルキル-アリール)の一部である場合にも生じ得る。
【0185】
式I、式IA及び式IBで表される化合物において、原子は、それらの天然同位体の存在度を示し得るか、又は、その原子のうちの1種類以上において同じ原子番号を有するが原子質量若しくは質量数が自然界で主に認められる原子質量若しくは質量数とは異なっている特定の同位体を人為的に富化させることができる。本発明は、式I、式IA及び式IBで表される化合物の適切な全ての同位体変異を包含することが意図されている。例えば、水素(H)の異なる同位体形態としては、プロチウム(1H)及び重水素(2H又はD)を含む。プロチウムは、自然界で見られる支配的な水素同位体である。重水素を富化させることは、治療上の特定の有利点(例えば、インビボ半減期の延長、又は、必要用量の低減)をもたらし得るか、又は、生体サンプルを特性決定するための標準物として有用な化合物を提供することができる。式I、式IA及び式IBの範囲内にある同位体的に富化された化合物は、当業者にはよく知られている慣習的な技術によって、又は、適切な同位体的に富化された試薬及び/若しくは中間体を使用して本明細書内の実施例に記載されているプロセスと類似したプロセスによって、過度の実験を行うことなく調製することができる。
【0186】
特定の文脈において反する内容が明瞭に示されていない限り、本明細書中に記載されているさまざまな環及び環系は、いずれも、安定な化合物が生じるという条件の下で、任意の環原子(即ち、任意の炭素原子又は任意のヘテロ原子)で当該化合物の残部に結合することができる。
【0187】
反する内容が明瞭に示されていない限り、本明細書中に記載されている全ての範囲は包括的である。例えば、「1~4個のヘテロ原子」を含むと記載されているヘテロ芳香族環は、当該環が1個、2個、3個又は4個のヘテロ原子を含み得ることを意味している。さらにまた、本明細書中に記載されているいずれの範囲もその範囲内の下位範囲の全てをその範囲内に包含するということも理解されるべきである。従って、例えば、「1~4個のヘテロ原子」を含むと記載されているヘテロ環式環は、その態様として、2~4個のヘテロ原子を含むヘテロ環式環、3個又は4個のヘテロ原子を含むヘテロ環式環、1~3個のヘテロ原子を含むヘテロ環式環、2個又は3個のヘテロ原子を含むヘテロ環式環、1個又は2個のヘテロ原子を含むヘテロ環式環、1個のヘテロ原子を含むヘテロ環式環、2個のヘテロ原子を含むヘテロ環式環、3個のヘテロ原子を含むヘテロ環式環及び4個のヘテロ原子を含むヘテロ環式環を包含することが意図されている。同様に、鎖(例えば、アルキル鎖)とともに用いられる場合のC1-6は、その鎖が1個、2個、3個、4個、5個又は6個の炭素原子を含み得ることを意味している。それは、さらにまた、その中に含まれている全ての範囲(例えば、C1-5、C1-4、C1-3、C1-2、C2-6、C3-6、C4-6、C5-6及び他の可能な全ての組合せ)も包含する。
【0188】
本明細書中の本文、スキーム、実施例及び表に記載されている原子価が満たされていない全ての炭素原子及びヘテロ原子は、その原子価を満たすのに充分な数の水素原子を有していると考えられることも留意すべきである。
【0189】
いずれかの成分又は式(I)において、いずれかの置換基又は可変部分(例えば、アルキル、R8、R11など)が2回以上出現する場合、各出現におけるその定義は、別途示されていない限り、他の全ての出現におけるその定義から独立している。
【0190】
用語「化合物」は、遊離化合物、及び、安定である範囲でその水和物又は溶媒和物を意味する。水和物は、水と錯体形成した化合物であり、溶媒和物は、有機溶媒と錯体形成した化合物である。
【0191】
上記で示されているように、本発明の化合物は、薬学的に許容される塩の形態で使用することができる。本発明において使用される場合、本発明の化合物が、薬学的に許容される塩も包含することができ、及び、さらに、遊離化合物若しくはそれらの薬学的に許容される塩の前駆物質として又は別の合成操作において使用される場合には、薬学的に許容されない塩も包含するということができるということは、理解されるであろう。
【0192】
用語「薬学的に許容される塩」は、その親化合物の有効性を有し、生物学的にも又は他の点でも望ましくないものがない(例えば、そのレシピエントに対して毒性を示さず、他の点でも有害でない)塩を示している。用語「薬学的に許容される塩」は、薬学的に許容される無毒性の塩基又は酸(これは、無機又は有機の塩基及び無機又は有意の酸を包含する)から調製された塩を示している。用語「薬学的に許容される塩」に包含される塩基性化合物の塩は、一般に遊離塩基を有機又は無機の適切な酸と反応させることによって調製される本発明化合物の無毒性塩である。本発明の塩基性化合物の代表的な塩としては、限定するものではないが、以下のものを含む:酢酸塩、アスコルビン酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスピレート(aspirate)、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物、酪酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジエチル酢酸(diethylacetic)、二グルコン酸塩、二塩酸塩、ドデシルスルホン酸塩(dodecylsulfanate)、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート(estolate)、エシル酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコヘプタン酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリセロリン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩(glycollylarsanilate)、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩(hexylresorcinate)、ヒドラバミン(hydrabamine)、臭化水素酸塩、塩酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イソニコチン酸(isonicotinic)、イソチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル臭化物、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、メタンスルホン酸塩、ムコ酸塩(mucate)、2-ナフタレンスルホン酸塩、ナプシル酸塩(napsylate)、ニコチン酸塩、硝酸塩、N-メチルグルカミンアンモニウム塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩(pamoate)(エンボン酸塩(embonate))、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、ペクチン酸塩(pectinate)、過硫酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ピメリン酸(pimelic)、フェニルプロピオン酸(phenylpropionic)、ポリガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、硫酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、トリエチオジド(triethiodide)、トリフルオロ酢酸塩、ウンデカン酸塩(undeconate)、吉草酸塩など。さらに、本発明の化合物が酸性部分を有している場合、その適切な薬学的に許容される塩としては、限定するものではないが、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、第二マンガン(manganic)、第一マンガン(mangamous)、カリウム、ナトリウム、亜鉛などの無機塩基から誘導される塩を含む。特に好ましいものは、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩及びナトリウム塩である。薬学的に許容される無毒性の有機塩基から誘導される塩としては、第一級アミン、第二級アミン及び第三級アミンの塩、環状アミンの塩、ジシクロヘキシルアミンの塩、並びに、塩基性イオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N-ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2-ジエチルアミノエタノール、2-ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチルアミン、エチレンジアミン、N-エチルモルホリン、N-エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどの塩を含む。さらにまた、塩基性窒素含有基は、以下のもののような作用物質で4級化することができる:低級アルキルハロゲン化物、例えば、メチル、エチル、プロピル及びブチルの塩化物、臭化物及びヨウ化物;硫酸ジアルキル、例えば、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジブチル及び硫酸ジアミル;長鎖ハロゲン化物、例えば、デシル、ラウリル、ミリスチル及びステアリルの塩化物、臭化物及びヨウ化物、アラルキルハロゲン化物、例えば、ベンジル及びフェネチルの臭化物など。
【0193】
これらの塩は、既知方法で、例えば、本発明の化合物を当量の所望の酸又は塩基などを含む溶液と混合させ、次いで、塩を濾過するか又は溶媒を留去して所望の塩を集めることによって得ることができる。本発明の化合物及びその塩は、水、エタノール又はグリセロールのような溶媒と溶媒和物を形成することができる。本発明の化合物は、その側鎖の置換基の種類によって、酸付加塩と塩基との塩を同時に形成することもできる。
【0194】
本発明の化合物は、プロドラッグの形態で用いることもできる。例えば、-COOHにおける水素を以下の基のいずれかで置き換えることができる:C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、-C1-6アルキル-C3-6シクロアルキル、C3-7シクロヘテロアルキル、-C1-6アルキル-C3-7シクロヘテロアルキル、アリール、-C1-10アルキル-アリール、ヘテロアリール、及び、-C1-10アルキル-ヘテロアリール。任意のC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル又はC3-7シクロヘテロアルキルも、置換されることができる。任意のアリール又はヘテロアリールも、示されているように置換されることができる。
【0195】
上記で記載したように、本発明は、本発明の式I、式IA又は式IBで表される化合物、場合により1種類以上の別の活性成分及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を包含する。該担体の特徴は、投与経路に依存する。「薬学的に許容される」は、医薬組成物の成分が互いに適合性を示さなければならないこと、活性成分の有効性に干渉しないこと、及び、そのレシピエントに対して有害(例えば、有毒)ではないことが、意図されている。従って、本発明による組成物は、阻害薬に加えて、希釈剤、増量剤、塩、緩衝剤、安定化剤、可溶化剤及び当技術分野においてよく知られている他の物質を含むことができる。
【0196】
同様に上記で記載したように、本発明は、細菌感染症を治療する方法も包含し、ここで、該方法は、そのような治療を必要とする対象者に治療上有効な量の式I、式IA若しくは式IBで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩を投与することを含む。用語「対象者」(又は、代替え的に、「患者」)は、本明細書中で使用されている場合、治療、観察又は実験の対象となった動物(好ましくは、哺乳動物、最も好ましくは、ヒト)を示している。式I、式IA又は式IBで表される化合物に関連して、用語「投与」及びその変形(例えば、化合物を「投与する」)は、治療を必要としている個体に、化合物又は薬学的に許容されるその塩を与えることを意味する。化合物又はその塩を1種類以上の他の活性薬剤と組合せて与える場合、「投与」及びその変形は、それぞれ、化合物若しくはその塩と該他の薬剤を同時に又は異なる時点で与えることを包含するものと理解される。ある組合せの薬剤を同時に投与する場合、それらは単一の組成物に含ませて一緒に投与することが可能であり、又は、それらは個別に投与することが可能である。活性薬剤の「組合せ」が、活性薬剤の全てを含む単一の組成物であることができるか、又は、それぞれが活性薬剤のうちの1種類以上を含む複数の組成物であることができるということは理解される。2種類の活性薬剤の場合、組合せは、両方の薬剤を含む単一の組成物であることができるか、又は、それぞれが該薬剤のうちの一方を含む2つの別々の組成物あることができ;3種類の活性薬剤の場合、組合せは、3種類全ての薬剤を含む単一の組成物であることができるか、それぞれが該薬剤のうちの1種類を含む3つの別々の組成物であることができるか、又は、一方が該薬剤のうちの2種類を含んでいて他方が第3の薬剤を含む2つの組成物であることができ、その他同様である。
【0197】
本発明の組成物及び組合せは、適切には有効な量で投与する。化合物に関連して本明細書中で使用されている用語「有効な量」は、殺菌効果又は静菌効果を引き起こすのに充分な活性化合物の量を意味する。一実施形態では、有効な量は、細菌の薬剤耐性を克服することが可能で且つ細菌の複製を阻害するのに及び/又は細菌を殺すのに充分な活性化合物の量を意味する「治療上有効な量」である。活性化合物(即ち、活性成分)をその塩として投与する場合、活性成分の量への言及は、化合物の遊離酸形態又は遊離塩基形態についてのものである。
【0198】
本発明の組成物の投与は、適切には、非経口投与、経口投与、舌下投与、経皮投与、局所投与、鼻腔内投与、気管内投与、眼内投与又は直腸内投与であり、ここで、該組成物は、適切には、例えば、「Remington-The Science and Practice of Pharmacy,21st edition,2006」の39章、41章、42章、44章及び45章に記載されている製剤を調製及び投与する方法を包含する、当技術分野においてよく知られている製剤方法を用いて、選択された経路による投与用に製剤される。一実施形態では、本発明の化合物は、病院において静脈内投与される。別の実施形態では、投与は、錠剤又はカプセル剤などの形態での経口投与である。本発明の化合物及びそれらの薬学的に許容される塩の投与量は、広い範囲内で変化することができ、そして、当然のことながら、それぞれの特定の場合において、個々の症状及び制御対象の病原体に対して調節されるべきである。一般に、細菌感染症の治療において使用する場合、その1日用量は、0.005mg/kg~100mg/kg、0.01mg/kg~10mg/kg、0.05mg/kg~5mg/kg、0.05mg/kg~1mg/kgであり得る。
【0199】
一部の実施形態では、本発明の化合物は、経口投与、静脈内投与、筋肉内投与、鼻内投与又は局所投与のための医薬製剤で提供される。従って、一部の実施形態では、該製剤は、限定するものではないが、錠剤、カプセル剤、液体(溶液又は懸濁液)剤、坐剤、軟膏剤、クリーム剤又はエアロゾル剤のような投与形態で調製することができる。一部の実施形態では、本明細書中で開示されている対象は、凍結乾燥されていて、投与(例えば、静脈内注射又は筋肉内注射による投与)のための薬学的に許容される製剤を形成させるために再構成され得るような化合物及び/又は製剤を提供する。
【0200】
本発明の化合物の静脈内投与は、化合物の粉末形態を許容される溶媒で再構成させることにより実施することができる。適切な溶媒としては、例えば、生理食塩水(例えば、0.9%塩化ナトリウム注射液)及び滅菌水(例えば、注射用滅菌水、メチルパラベン及びプロピルパラベンを含む注射用静菌水、又は、0.9%ベンジルアルコールを含む注射用静菌水)を含む。化合物の上記粉末形態は、化合物にγ線照射するか又は化合物の溶液を凍結乾燥させることによって得ることが可能であり、その後、再構成させるまでその粉末を室温又は室温以下で(例えば、密閉されたバイアルの中で)保存することができる。再構成されたIV溶液中の化合物の濃度は、例えば、約0.1mg/mL~約20mg/mLの範囲内であり得る。
【0201】
本明細書中で開示されている対象の上記方法は、それらが、症状の発症、発達又は拡散を阻害し、該症状の退行を引き起こし、該症状を治療し、又は、他の形で該症状に罹患した又は罹患するリスクのある対象者の一般的な健康を改善するという点で、これらの症状の治療に対して有用である。かくして、本明細書中で開示されている対象に従い、用語「治療する(treat)」、「治療する(treating)」及びその文法的変形形態、並びに、表現「治療する方法」は、例えば、限定するものではないが、対象者における既存の感染症を治療する方法、及び、感染を予防する(即ち、防止する)方法、例えば、本明細書中に開示されている微生物に曝露された対象者又は本明細書中に開示されている微生物に曝露されたことが予想される対象者における感染を予防する(即ち、防止する)方法を含む、所望される任意の治療的介入を包含することが意図されている。
【0202】
本発明の化合物によって治療することが可能であり得る感染症は、真菌、藻類、原生動物、細菌及びウイルスを包含するさまざまな微生物に起因し得る。一部の実施形態では、感染症は細菌感染症である。本発明の方法によって治療し得る代表的な微生物感染症としては、限定するものではないが、以下のもののうちの1種類以上に起因する感染症を含む:黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureaus)、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)、炭疽菌(Bacillus anthracis)、ストレプトコッカス属各種(例えば、ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)、及び、肺炎レンサ球菌(Streptococcus pneumoniae))、大腸菌(Escherichia coli)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、バークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)、プロテウス属各種(例えば、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、及び、プロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris))、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、アシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)、ステノトロホモナス・マルトフィリア(Strenotrophomonas maltophillia)、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、ウシ型結核菌(Mycobacterium bovis)、結核菌群の他のマイコバクテリア、及び、例えば、マイコバクテリウム・ウルセランス(Mycobacterium ulcerans)を含む非結核性マイコバクテリア。
【0203】
特定の実施形態では、感染症は、グラム陽性菌の感染症である。一部の実施形態では、感染症は、マイコバクテリア感染症、炭疽菌感染症、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)感染症及び肺炎レンサ球菌感染症から選択される。
【0204】
一部の実施形態では、式I、式IA又は式IBで表される化合物は、以下のうちの1つの発生を防止又は低減するために予防的に投与される:(a)感染のリスクのある対象者における結核菌感染症;(b)結核菌感染症の再発;及び、(c)それらの組み合わせ。一部の実施形態では、式I、式IA又は式IBで表される化合物は、既存の結核菌感染症を治療するために投与される。一部の実施形態では、式I、式IA又は式IBで表される化合物は、結核菌の多剤耐性株(即ち、イソニアジド、エタンブトール、リファンピシン、カナマイシン、カプレオマイシン、リネゾリド及びストレプトマイシンなどの2種類以上の既知抗結核薬に対して耐性のある株)の感染を治療するために投与される。一部の実施形態では、式(I)で表される化合物は、結核菌に対して、25μg/mL以下の最小阻害濃度(MIC)を有する。一部の実施形態では、式I、式IA又は式IBで表される化合物は、結核菌の多剤耐性株の感染を治療するために投与される。
【0205】
従って、本明細書中に開示されている対象の方法は、それらが、TB感染症の発症、発達又は拡散を阻害し、TB感染症の退行を引き起こし、TB感染症を治療し、又は、他の形で結核に罹患している又は罹患するリスクのある対象者の一般的な健康を改善するという点で、結核を治療するのに有用であり得る。
【0206】
結核菌又は他の結核関連感染症に罹患している対象者は、多くの技術、例えば、喀痰塗抹標本、胸部X線、ツベルクリン皮膚検査(即ち、マントー検査又はPPD検査)及び/又は他の臨床症状(例えば、胸痛、喀血、発熱、寝汗、食欲喪失、疲労など)の存在によって確認することができる。必要に応じて、細菌のRNA、DNA又はタンパク質を、TBに罹患していると考えられる対象者から単離し、当技術分野で知られている方法で分析し、細菌のRNA、DNA又はタンパク質の既知の核酸配列又はアミノ酸配列と比較することができる。
【0207】
一部の実施形態では、式I、式IA又は式IBで表される化合物は、結核菌に対して、25μg/mL以下の最小阻害濃度(MIC)を有する。MICは、当技術分野で知られている方法、例えば、「Hurdle et al., 2008, J. Antimicrob. Chemother. 62:1037-1045」に記載されている方法によって決定することができる。
【0208】
一部の実施形態では、本発明の方法は、対象者に追加の治療用化合物を投与することをさらに含む。一部の実施形態では、本発明の化合物は、対象者に、1種類以上の追加の治療用化合物の前、後、又は、同時に投与される。一部の実施形態では、追加の治療用化合物は、抗生物質である。一部の実施形態では、追加の治療用化合物は、抗結核治療薬である。一部の実施形態では、追加の治療用化合物は、イソニアジド、エタンブトール、リファンピシン、カナマイシン、カプレオマイシン、リネゾリド及びストレプトマイシンからなる群から選択される。
【0209】
従って、本発明は、さらなる態様において、式I、式IA又は式IBで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩を1種類以上の追加の治療薬と一緒に含む組み合わせを提供する。そのような1種類以上の追加の治療薬の例は、抗結核薬であり、そのような抗結核薬としては、限定するものではないが、アミカシン、アミノサリチル酸、カプレオマイシン、シクロセリン、エタンブトール、エチオナミド、イソニアジド、カナマイシン、ピラジナミド、リファマイシン類(例えば、リファンピン、リファペンチン及びリファブチン)、ストレプトマイシン、クラリスロマイシン、アジスロマイシン、オキサゾリジノン類及びフルオロキノロン類(例えば、オフロキサシン、シプロフロキサシン、モキシフロキサシン及びガチフロキサシン)である。そのような化学療法は、好ましい薬物の組み合わせを使用する治療する医師の判断によって決定される。薬剤耐性ではない結核菌感染症の治療に使用される「第1の」化学療法薬には、イソニアジド、リファンピン、エタンブトール、ストレプトマイシン、及びピラジナミドが包含される。1種類以上の「第1の」薬剤に対する薬剤耐性を示した結核菌感染症の治療に使用される「第2の」化学療法薬には、オフロキサシン、シプロフロキサシン、エチオナミド、アミノサリチル酸、シクロセリン、アミカシン、カナマイシン及びカプレオマイシンが包含される。上記に加えて、臨床研究から出現した多くの新しい抗結核治療薬が存在しており、それらも、式I、式IA又は式IBで表される化合物と組み合わせられる1種類以上追加の治療薬として使用することができ、そのような新しい抗結核治療薬としては、限定するものではないが、TMC-207、OPC-67683、PA-824、LL-3858及びSQ-109を含む。
【0210】
従って、式I、式IA又は式IBで表される化合物と組み合わせることができる他の抗生物質は、例えば、以下のものである:リファンピシン(=リファンピン);イソニアジド;ピラジナミド;アミカシン;エチオナミド;モキシフロキサシン;エタンブトール;ストレプトマイシン;パラ-アミノサリチル酸;シクロセリン;カプレオマイシン;カナマイシン;チオアセタゾン;キノロン類/フルオロキノロン類、例えば、オフロキサシン、シプロフロキサシン、スパルフロキサシン;マクロライド、例えば、クラリスロマイシン、クロファジミン、クラブラン酸を含むアモキシシリン;リファマイシン;リファブチン;リファペンチン。
【0211】
さらなる態様において、1種類以上の追加の治療薬は、例えば、以下のものである:哺乳動物における結核の治療に有用な薬剤、治療用ワクチン、抗菌薬、抗ウイルス薬;HIV/AIDSの治療のための抗生物質及び/又は薬剤。そのような治療薬の例としては、イソニアジド(INH)、エタンブトール、リファンピン、ピラジナミド、ストレプトマイシン、カプレオマイシン、シプロフロキサシン及びクロファジミンを含む。
【0212】
一態様において、1種類以上の追加の治療薬は、治療用ワクチンである。従って、式I、式IA又は式IBで表される化合物又は薬学的に許容されるその塩は、マイコバクテリア感染症に対するワクチン接種と併せて、特に、結核菌感染症に対するワクチン接種途併せて投与することができる。マイコバクテリア感染症に対する既存のワクチンとしては、Bacillus Calmette Guerin(BCG)を含む。マイコバクテリア感染症を治療、予防又は改善するための現在開発中のワクチンとしては、以下のものを含む:有効性又は安全性を改善することを目的としたさらなる抗原、サイトカイン及び他の作用因子を組換え発現する改変されたBCG株;BCGよりも結核菌に類似した抗原のポートフォリオを発現する弱毒化マイコバクテリア;及び、サブユニットワクチン。サブユニットワクチンは、1以上の個々のタンパク質抗原の形態若しくは複数のタンパク質抗原の融合物の形態で(これらは、いずれも、アジュバント化させることができる)、又は、1以上の個々のタンパク質抗原をコード化するポリヌクレオチドの形態若しくは複数のタンパク質抗原の融合物をコード化するポリヌクレオチドの形態で投与することができる(例えば、該ポリヌクレオチドが発現ベクターで投与される場合)。サブユニットワクチンの例としては、限定するものではないが、以下のものを含む:M72、抗原Mtb32aとMtb39に由来する融合タンパク質;HyVac-1、抗原85bとESAT-6に由来する融合タンパク質;HyVac-4、抗原85bとTb10.4に由来する融合タンパク質;MVA85a、抗原85aを発現する改変ワクシニアウイルスアンカラ;及び、Aeras-402、抗原85aと抗原85bとTb10.4に由来する融合タンパク質を発現するアデノウイルス35。
【0213】
本明細書中で使用されている略語としては、以下のものを含む:
ACN=アセトニトリル;CBZ-Cl=クロロギ酸ベンジル;CDCl3=重水素化クロロホルム;DCM=ジクロロメタン;DIAD=ジイソプロピルジアゾジカルボキシレート;DIEA=N,N-ジイソプロピルエチルアミン;DMF=N,N-ジメチルホルムアミド;DMSO=ジメチルスルホキシド;Et=エチル;EtOAc=酢酸エチル;EtOH=エタノール;GFP=緑色蛍光タンパク質;HATU=(1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾール[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート);HET=ヘテロ環;H2=水素ガス;HPLC=高性能液体クロマトグラフィー;LC-MS=液体クロマトグラフィー/質量分析; LiHMDS=リチウムビス(トリメチルシリル)アミド;Me=メチル;MeOH=メタノール;MIC=最小阻害濃度;MW=分子量;MS=質量分析;Mtb=結核菌;Pd-C=炭素担持パラジウム;RT=室温;TB=結核;TEA=トリエチルアミン;TFA=トリフルオロ酢酸;THF=テトラヒドロフラン;及び、TBDMS=tert-ブチルジメチルシリル。
【0214】
式(I)で表される化合物を製造する方法:
式(I)で表される化合物は、容易に入手可能な出発物質、試薬及び慣習的な合成手順を用いて、以下の反応スキーム及び実施例又はそれらの変法に従って調製することができる。これらの反応においては、それ自体当業者には知られているが本明細書中では詳細には記載されていない変形態様を使用することも可能である。代替的な合成経路及び類似した構造は、以下の反応スキーム及び実施例に鑑みて、有機合成の当業者には明らかであろう。
【0215】
式(I)で表される一部の化合物は、擬似不斉中心を有する異性体であり、そのような擬似不斉中心は、擬似不斉中心の隣に星印(*)が付けられている。
【実施例】
【0216】
【0217】
3-(4-ブロモフェニル)スルホニル-1,3-ジメチル-アゼチジン
段階A: 3-(4-ブロモフェニル)スルファニルアゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル
4-ブロモベンゼンチオール(2.8g、14.8mmol)と炭酸カリウム(6.14g、44.4mmol)のDMF(80mL)中の溶液に、3-ブロモアゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル(3.50g、14.8mmol)を添加し、その反応混合物を50℃まで昇温させ、16時間撹拌した。その反応混合物を冷却し、そして、酢酸エチル(80mL)を添加した。得られた混合物を水(3×100mL)と塩化ナトリウムの飽和水溶液(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、その濾液を減圧下で濃縮して、標題化合物が次の段階で使用するのに充分な純度で得られた。
【0218】
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ 7.58 - 7.55 (m, 2 H), 7.29 - 7.21 (m, 2 H), 4.47 (dd, J = 8.0, 9.0 Hz, 2 H), 4.12 (tt, J = 5.0, 7.5 Hz, 1 H), 4.00 (dd, J = 5.5, 9.0 Hz, 2 H), 1.58 (s, 9 H)。
【0219】
段階B: 3-(4-ブロモフェニル)スルホニルアゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル
3-(4-ブロモフェニル)スルファニルアゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル(5.8g、13.5mmol)の無水メタノール(20mL)中の溶液に、ペルオキシ一硫酸カリウム(20.7g、33.7mmol)の水(80mL)中の溶液をゆっくりと添加し、その反応混合物を16時間撹拌した。亜硫酸ナトリウムの飽和水溶液(100mL)を添加し、得られた混合物をジクロロメタン(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、その濾液を減圧下で濃縮して、標題化合物が次の段階で使用するのに充分な純度で得られた。
【0220】
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.80 - 7.69 (m, 4 H), 4.32 - 4.18 (m, 2 H), 4.06 (br t, J = 8.8 Hz, 2 H), 4.00 - 3.87 (m, 1 H), 1.42 (s, 9 H)。
【0221】
段階C: 3-(4-ブロモフェニル)スルホニル-3-メチル-アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル
テトラヒドロフラン(10mL)中の3-(4-ブロモフェニル)スルホニルアゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル(1.3g、3.5mmol)の攪拌混合物に、二窒素(dinitrogen)雰囲気下、-78℃で、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドのテトラヒドロフラン中の溶液(1M、6.91mL、6.91mmol)を添加し、その反応混合物を30分間撹拌した。ヨウ化メチル(0.432mL、6.91mmol)を添加した。その反応混合物を周囲温度まで昇温させ、その反応混合物を16時間撹拌した。塩化アンモニウムの飽和水溶液(100mL)を添加し、得られた混合物を酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層を塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、その濾液を減圧下で濃縮した。その残渣を、石油エーテル:酢酸エチル(100:0から90:10まで)の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、標題化合物が得られた。
【0222】
MS: m/z = 289.9 [M-CO2tBu+H]. 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.79 - 7.68 (m, 4 H), 4.45 (br d, J = 8.4 Hz, 2 H), 3.68 (br d, J = 8.8 Hz, 2 H), 1.59 (s, 3 H), 1.42 (s, 9 H)。
【0223】
段階D: 3-(4-ブロモフェニル)スルホニル-1,3-ジメチル-アゼチジン
3-(4-ブロモフェニル)スルホニル-3-メチル-アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル(1g、2.6mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)中の溶液に、二窒素(dinitrogen)雰囲気下、-78℃で、水素化アルミニウムジイソブチルのテトラヒドロフラン中の溶液(1M、10.25mL、10.25mmol)をゆっくりと添加し、その反応混合物を65℃まで昇温させ、10時間撹拌した。その反応混合物を-78℃まで冷却し、その反応混合物に酒石酸カリウムナトリウムの飽和水溶液(100mL)を添加した。得られた混合物を1時間撹拌し、次いで、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層を塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、その濾液を減圧下で濃縮した。その残渣を石油エーテル:酢酸エチル(100:0から90:10まで)の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、標題化合物が得られた。
【0224】
MS: m/z = 305.8 [M+H]. 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.71 (s, 4 H), 3.72 (d, J = 8.4 Hz, 2 H), 3.21 (d, J = 8.4 Hz, 2 H), 2.38 (s, 3 H), 1.59 (s, 3 H)。
【0225】
【0226】
(5R)-3-(4-ブロモ-3-フルオロ-フェニル)-5-(トリアゾール-1-イルメチル)-4,5-ジヒドロイソオキサゾール
中間体2は、実施例2に記載されている(5R)-5-(アジドメチル)-3-(4-ブロモ-3,5-ジフルオロ-フェニル)-4,5-ジヒドロイソオキサゾールと同じようにして調製した。
【0227】
MS: m/z = 324.8 [M+H]。
【0228】
【0229】
3-{ジフルオロ[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]メチル}-1,3-ジメチルアゼチジン
段階A: 3-[メトキシ(メチル)カルバモイル]アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル
テトラヒドロフラン(60mL)中の1-(tert-ブトキシカルボニル)アゼチジン-3-カルボン酸(5.0g、24.9mmol)の混合物に1,1’-カルボニルジイミダゾール(5.44g、33.5mmol)を添加し、その反応混合物を1.5時間撹拌した。アセトニトリル(90mL)とトリエチルアミン(5.06mL、36.3mmol)中のN,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(3.37g、34.5mmol)の混合物を添加し、その反応混合物を1日撹拌した。その反応混合物を減圧下で濃縮した。その残渣に水(75mL)を添加し、得られた混合物を酢酸エチル(3×70mL)で抽出した。合わせた有機層をクエン酸の水溶液(5%、2×50mL)、水(2×40mL)及び塩化ナトリウムの飽和水溶液(2×40mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、その濾液を減圧下で濃縮して、標題化合物が次の段階で使用するのに充分な純度で得られた。
【0230】
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 4.12 (br d, J = 7.2 Hz, 2 H), 4.09 - 3.99 (m, 2 H), 3.66 (s, 3 H), 3.64 - 3.57 (m, 1 H), 3.21 (s, 3 H), 1.44 (s, 9 H)。
【0231】
段階B: 3-(4-ブロモベンゾイル)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル
1,4-ジブロモベンゼン(8.69g、36.8mmol)のテトラヒドロフラン(36mL)中の溶液に、-78℃で、N-ブチルリチウム(14.7mL、36.8mmol)を添加し、その反応混合物を-25℃まで昇温させ、30分間撹拌した。その反応混合物を-78℃まで冷却し、3-[メトキシ(メチル)カルバモイル]アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル(6g、24.56mmol)のテトラヒドロフラン(36mL)中の溶液を添加し、その反応混合物を-25℃まで昇温させ、3時間撹拌した。塩化アンモニウムの飽和水溶液(70mL)を添加し、得られた混合物を酢酸エチル(3×70mL)で抽出した。合わせた有機層を塩化ナトリウムの飽和水溶液(2×40mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、その濾液を減圧下で濃縮した。その残渣を石油エーテル:酢酸エチル(94:6)で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、標題化合物が得られた。
【0232】
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.73 - 7.68 (m, 2 H), 7.67 - 7.61 (m, 2 H), 4.27 - 4.16 (m, 4 H), 4.12 (t, J = 7.2 Hz, 1 H), 1.44 (s, 9 H)。
【0233】
段階C: 3-(4-ブロモベンゾイル)-3-メチルアゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル
3-(4-ブロモベンゾイル)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル(1.0g、2.9mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)中の溶液に、二窒素(dinitrogen)雰囲気下、-78℃で、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドのテトラヒドロフラン中の溶液(1.0M、4.41mL、4.41mmol)を添加した。その反応混合物を1時間撹拌した。ヨードメタン(0.368mL、5.88mmol)を添加し、その反応混合物を周囲温度まで昇温させ,2時間撹拌した。塩化アンモニウムの飽和水溶液(20mL)を添加し、得られた混合物を酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を塩化ナトリウムの飽和水溶液(2×20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、その濾液を減圧下で濃縮して、標題化合物が次の段階で使用するのに充分な純度で得られた。
【0234】
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 1.44 (s, 9 H), 1.73 (s, 3 H), 3.87 (br d, J = 8.8 Hz, 2 H), 4.41 (d, J = 8.8 Hz, 2 H), 7.58 - 7.66 (m, 4 H)。
【0235】
段階D: 3-[(4-ブロモフェニル)(ジフルオロ)メチル]-3-メチルアゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル
3-(4-ブロモベンゾイル)-3-メチルアゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル(510mg、1.44mmol)のジクロロメタン(8mL)中の溶液に、ビス(2-メトキシエチル)アミノ硫黄トリフルオリド(2.65mL、14.4mmol)を添加した。その反応混合物を3日撹拌した。その反応混合物を重炭酸ナトリウムの冷飽和水溶液(20mL)の中に注ぎ入れ、得られた混合物をジクロロメタン(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を塩化アンモニウムの飽和水溶液(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、その濾液を減圧下で濃縮した。その残渣を石油エーテル:酢酸エチル(93:7)で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、標題化合物が得られた。
【0236】
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ 1.29 (s, 3 H), 1.46 (s, 9 H), 3.52 (br d, J = 8.5 Hz, 2 H), 4.26 (d, J = 8.5 Hz, 2 H), 7.30 (d, J = 8.5 Hz, 2 H), 7.58 (d, J = 8.5 Hz, 2 H)。
【0237】
段階E: 3-[(4-ブロモフェニル)(ジフルオロ)メチル]-1,3-ジメチルアゼチジン
テトラヒドロフラン(2mL)中の3-[(4-ブロモフェニル)(ジフルオロ)メチル]-3-メチルアゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル(320mg、0.851mmol)の混合物に、-78℃で、水素化アルミウムジイソブチルのテトラヒドロフラン中の溶液(1M、3.40mL、3.4mmol)を添加した。その反応混合物を65℃まで昇温させ、16時間撹拌した。その反応混合物を0℃まで冷却し、酒石酸カリウムナトリウムの飽和水溶液(20mL)を添加し、得られた混合物を1時間撹拌した。その混合物を酢酸エチル(3×20mL)で抽出し、合わせた有機層を塩化ナトリウムの飽和水溶液(1×20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、その濾液を減圧下で濃縮して、標題化合物が次の段階で使用するのに充分な純度で得られた。
【0238】
MS: m/z = 292.0 [M+H]. 1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ 1.19 (s, 3 H), 2.22 - 2.30 (m, 3 H), 2.99 (br d, J = 7.6 Hz, 2 H), 3.31 (d, J = 7.6 Hz, 2 H), 7.13 - 7.16 (m, 2 H), 7.43 (d, J = 8.4 Hz, 2 H)。
【0239】
段階F: 3-{ジフルオロ[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]メチル}-1,3-ジメチルアゼチジン
3-[(4-ブロモフェニル)(ジフルオロ)メチル]-1,3-ジメチルアゼチジン(200mg、0.689mmol)とビス(ピナコラト)ジボロン(210mg、0.827mmol)と酢酸カリウム(135mg、1.379mmol)の脱酸素化1,4-ジオキサン(2mL)中の溶液に、二窒素(dinitrogen)雰囲気下、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(50.4mg、0.069mmol)を添加した。その反応混合物を100℃まで昇温させ、2時間撹拌した。その反応混合物を冷却し、濾過し、その濾液を減圧下で濃縮して、標題化合物が次の段階で使用するのに充分な純度で得られた。
【0240】
MS: m/z = 338.1 [M+H]. 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 1.29 (s, 3 H), 1.36 (s, 12 H), 2.41 (s, 3 H), 3.20 (br d, J = 8.4 Hz, 2 H), 3.50 (d, J = 8.4 Hz, 2 H), 7.37 (d, J = 8.4 Hz, 2 H), 7.84 (d, J = 8.4 Hz, 2 H)。
【0241】
【0242】
[4-(1-メチルアゼチジン-3-スルホニル)フェニル]ボロン酸
段階A: 3-(4-ブロモベンゼン-1-スルホニル)アゼチジン
3-(4-ブロモフェニル)スルホニルアゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル(「中間体1」に記載されている)(2.0g、5.32mmol)のジクロロメタン(20mL)中の溶液にトリフルオロ酢酸(3.0mL、38.9mmol)を添加し、その反応混合物を16時間撹拌した。重炭酸ナトリウムの飽和水溶液をゆっくりと添加してpHを約8に調節し、得られた混合物をジクロロメタン(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、その濾液を減圧下で濃縮して、標題化合物が次の段階で使用するのに充分な純度で得られた。
【0243】
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.76 - 7.68 (m, 4 H), 4.19 - 4.06 (m, 3 H), 3.81 - 3.69 (m, 2 H)。
【0244】
段階B: 3-(4-ブロモベンゼン-1-スルホニル)-1-メチルアゼチジン
3-(4-ブロモベンゼン-1-スルホニル)アゼチジン(1.3g、4.71mmol)のジクロロエタン(20mL)中の溶液に、パラホルムアルデヒド(2.12g、23.5mmol)、酢酸(0.539mL、9.42mmol)及び硫酸マグネシウム(150mg)を添加した。その反応混合物を2時間撹拌した。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(2.99g、14.1mmol)を添加し、その反応混合物を50℃まで昇温させ、16時間撹拌した。重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(30mL)をゆっくりと添加してpHを約7に調節し、得られた混合物をジクロロメタン(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、その濾液を減圧下で濃縮した。その残渣を石油エーテル:酢酸エチル(100:0から75:25まで)の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、標題化合物が得られた。
【0245】
MS: m/z = 291.9 [M+H]. 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 76-7.67 (m, 4H), 4.01-3.87 (m, 1H), 3.56-3.46 (m, 4H), 2.35 (s, 3H)。
【0246】
段階C: [4-(1-メチルアゼチジン-3-スルホニル)フェニル]ボロン酸
1,4-ジオキサン(10mL)中の3-(4-ブロモベンゼン-1-スルホニル)-1-メチルアゼチジン(300mg、1.03mmol)とビス(ピナコラト)ジボロン(263mg、1.03mmol)と酢酸カリウム(203mg、2.07mmol)の混合物に、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(76mg、0.10mmol)を添加した。その反応混合物を二窒素(dinitrogen)を用いて脱酸素した。その反応混合物を100℃まで昇温させ、2時間撹拌した。その反応混合物を冷却し、濾過し、ジクロロメタン(30mL)で洗浄し、その濾液を減圧下で濃縮した。その残渣をジクロロメタン:メタノール(100:0から50:50まで)の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、標題化合物が得られた。
【0247】
MS: m/z = 255.9 [M+H]. 1H NMR (CD3OD, 400 MHz) δ 7.87 - 7.71 (m, 2 H), 7.65 - 7.59 (m, 2 H), 4.15 - 4.06 (m, 1 H), 3.55 - 3.45 (m, 4 H), 2.30 (s, 3 H)。
【0248】
中間体5
【化40】
1-[(5R)-3-(4-ブロモ-3-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-イル]メタンアミン
中間体5は、実施例4に記載されている1-[(5R)-3-(4-ブロモ-3,5-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-イル]メタンアミンと同じようにして調製した。
【0249】
MS: m/z = 272.8 [M+H]。
【0250】
【0251】
3-(7-ブロモ[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-3-イル)-3-メチルアゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル
段階A: 3-[2-(4-ブロモピリジン-2-イル)ヒドラジンカルボニル]-3-メチルアゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル
1-(tert-ブトキシカルボニル)-3-メチルアゼチジン-3-カルボン酸(2.63g、12.2mmol)のテトラヒドロフラン(50mL)中の溶液に、0℃で、トリエチルアミン(3.41mL、24.5mmol)及びクロロギ酸エチル(1.53mL、15.9mmol)を添加した。その反応混合物を30分間撹拌した。4-ブロモ-2-ヒドラジニルピリジン(2.3g、12.23mmol)を添加し、その反応混合物を10℃まで昇温させ、16時間撹拌した。その反応混合物を濾過し、その濾液を減圧下で濃縮した。その残渣を石油エーテル:酢酸エチル(100:0から80:20まで)の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、標題化合物が得られた。
【0252】
MS: m/z = 386.9 [M+H]. 1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ 8.47 (br s, 1 H), 7.94 (d, J = 5.5 Hz, 1 H), 7.21 (br s, 1 H), 6.95 - 6.91 (m, 1 H), 6.79 (s, 1 H), 4.26 (d, J = 8.5 Hz, 2 H), 3.71 (d, J = 8.5 Hz, 2 H), 1.61 (s, 3 H), 1.43 (s, 9 H)。
【0253】
段階B: 3-(7-ブロモ[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-3-イル)-3-メチルアゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル
3-[2-(4-ブロモピリジン-2-イル)ヒドラジンカルボニル]-3-メチルアゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル(3.7g、8.64mmol)、トリフェニルホスフィン(4.53g、17.3mmol)及びトリエチルアミン(4.82mL、34.6mmol)のテトラヒドロフラン(50mL)中の溶液に、0℃で、ヘキサクロロエタン(4.09g、17.29mmol)を添加した。その反応混合物を10℃まで昇温させ、2時間撹拌した。その反応混合物を濾過し、その濾液を減圧下で濃縮した。その残渣を石油エーテル:酢酸エチル(100:0から100:0まで)の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、標題化合物が得られた。
【0254】
MS: m/z = 368.6 [M+H]. 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 8.40 (d, J = 7.2 Hz, 1 H), 8.32 (s, 1 H), 7.32 (br d, J = 7.2 Hz, 1 H), 4.43 (br d, J = 8.8 Hz, 2 H), 4.09 (br s, 2 H), 1.68 (s, 3 H), 1.36 (s, 9 H)。
【0255】
【0256】
4-[2,6-ジフルオロ-4-[(5R)-5-(トリアゾール-1-イルメチル)-4,5-ジヒドロイソオキサゾール-3-イル]フェニル]-4-フルオロ-チアン 1,1-ジオキシド
段階A: 4-ブロモ-3,5-ジフルオロ-ベンズアルデヒドオキシム
1L容三ツ口丸底フラスコを周囲温度で窒素の不活性雰囲気でパージ及び維持し、エタノール(250mL)、水(250mL)及び4-ブロモ-3,5-ジフルオロベンズアルデヒド(52g、235mmol)を装入した。ヒドロキシルアミン塩酸塩(24.5g、353mmol)を少量ずつ添加し、その反応混合物を12時間撹拌した。その反応混合物を水(1L)で希釈し、30分間撹拌した。その固体を濾過によって集め、減圧下で乾燥させて、標題化合物が得られた。
【0257】
段階B: 4-ブロモ-3,5-ジフルオロ-N-ヒドロキシ-ベンゾイミドイルクロリド
2L容三ツ口丸底フラスコを、0℃で窒素の不活性雰囲気でパージ及び維持した。そのフラスコに、DMF(750mL)、4-ブロモ-3,5-ジフルオロ-ベンズアルデヒドオキシム(48g、203mmol)及びN-クロロスクシンイミド(40.7g、305mmol)を順次添加した。その反応混合物を周囲温度まで昇温させ、次いで、その反応混合物を4時間撹拌した。その反応混合物を水(1.5L)で希釈し、得られた混合物を酢酸エチル(2×1L)で抽出した。得られた混合物を水(2×1L)及び塩化ナトリウムの飽和水溶液(3×1L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、その濾液を減圧下で濃縮して、標題化合物が得られた。
【0258】
段階C: [(5R)-3-(4-ブロモ-3,5-ジフルオロ-フェニル)-4,5-ジヒドロイソオキサゾール-5-イル]メタノール
2L容三ツ口丸底フラスコを、0℃で窒素の不活性雰囲気でパージ及び維持した。そのフラスコに、クロロホルム(750mL)、プロパ-2-エン-1-オール(10.4g、179mmol)、及び、ジエチル亜鉛(214mL、214mmol)のクロロホルム(750mL)中の溶液を順次添加し、その反応混合物を10分間撹拌した。(+)-ジイソプロピルL-タータレート(8.3g、35mmol)を添加し、その反応混合物を1時間撹拌した。その反応混合物に4-ブロモ-3,5-ジフルオロ-N-ヒドロキシ-ベンゾイミドイルクロリド(48g、177mmol)を添加し、その反応混合物を3時間撹拌した。塩化アンモニウムの飽和水溶液(200mL)を添加し、得られた混合物を水(500mL)で希釈した。得られた混合物を酢酸エチル(2×500mL)で抽出し、その有機層を合した。その合した有機層を塩化ナトリウムの飽和水溶液(1×1L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、その濾液を減圧下で濃縮した。その残渣を石油エーテル:酢酸エチル(95:5から83:17まで)の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、標題化合物が得られた。
【0259】
MS: m/z = 291.9 [M+H]. 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 7.58 - 7.49 (m, 2 H), 5.05 (t, J = 5.6 Hz, 1 H), 4.80 (ddt, J = 12.0, 8.4, 4.4 Hz, 1 H), 3.56 (ddd, J = 10.9, 4.9, 3.5 Hz, 1 H), 3.56 - 3.42 (m, 1 H), 3.44 - 3.33 (m, 1 H), 3.21 (dd, J = 17.2, 7.9 Hz, 1 H)。
【0260】
段階D: [(5R)-3-(4-ブロモ-3,5-ジフルオロ-フェニル)-4,5-ジヒドロイソオキサゾール-5-イル]メチル メタンスルホネート
[(5R)-3-(4-ブロモ-3,5-ジフルオロ-フェニル)-4,5-ジヒドロイソオキサゾール-5-イル]メタノール(5g、17mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(7.47mL、42.8mmol)のジクロロメタン(100mL)中の溶液に、0℃で、メタンスルホニルクロリド(1.73mL、22.3mmol)を添加した。その反応混合物を周囲温度まで昇温させ、2時間撹拌した。水(50mL)を添加し、得られた混合物をジクロロメタン(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を塩化ナトリウムの飽和水溶液(200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、その濾液を減圧下で濃縮して、標題化合物が次の段階で使用するのに充分な純度で得られた。
【0261】
MS: m/z = 371.8 [M+H]. 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 7.55 (d, J = 7.6 Hz, 2 H), 5.16 - 5.00 (m, 1 H), 4.43 - 4.26 (m, 2 H), 3.56 (dd, J = 11.2, 17.5 Hz, 1 H), 3.30 - 3.17 (m, 4 H)。
【0262】
段階E: (5R)-5-(アジドメチル)-3-(4-ブロモ-3,5-ジフルオロ-フェニル)-4,5-ジヒドロイソオキサゾール
[(5R)-3-(4-ブロモ-3,5-ジフルオロ-フェニル)-4,5-ジヒドロイソオキサゾール-5-イル]メチル メタンスルホネート(6.2g、16.8mmol)のDMF(100mL)中の溶液に、周囲温度で、アジ化ナトリウム(1.63g、25.1mmol)を添加し、その反応混合物を70℃まで昇温させ、15時間撹拌した。その反応混合物を重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(100mL)の中に注ぎ入れ、得られた混合物を酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(2×50mL)及び塩化ナトリウムの飽和水溶液(2×100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、その濾液を減圧下で濃縮して、標題化合物が次の段階で使用するのに充分な純度で得られた。
【0263】
MS: m/z = 317.0 [M+H]。
【0264】
段階F: (5R)-3-(4-ブロモ-3,5-ジフルオロ-フェニル)-5-(トリアゾール-1-イルメチル)-4,5-ジヒドロイソオキサゾール
(5R)-5-(アジドメチル)-3-(4-ブロモ-3,5-ジフルオロ-フェニル)-4,5-ジヒドロイソオキサゾール(5.3g、16.7mmol)の無水1,4-ジオキサン(100mL)中の溶液に、周囲温度で、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2,5-ジエン(8.5mL、84mmol)を添加し、その反応混合物を100℃まで昇温させ、12時間撹拌した。その反応混合物を冷却し、そして、減圧下で濃縮した。その残渣を石油エーテル:酢酸エチル(100:0から40:60まで)の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、標題化合物が得られた。
【0265】
MS: m/z = 344.9 [M+H]. 1H NMR (DMSO-d6, 500 MHz) δ 8.20 - 8.12 (m, 1 H), 7.75 (d, J = 0.8 Hz, 1 H), 7.58 - 7.50 (m, 2 H), 5.31 - 5.17 (m, 1 H), 4.74 - 4.60 (m, 2 H), 3.61 (dd, J = 10.9, 17.5 Hz, 1 H), 3.34 - 3.27 (m, 1 H)。
【0266】
段階G: 4-[2,6-ジフルオロ-4-[(5R)-5-(トリアゾール-1-イルメチル)-4,5-ジヒドロイソオキサゾール-3-イル]フェニル]-1,1-ジオキソ-チアン-4-オール
(5R)-3-(4-ブロモ-3,5-ジフルオロ-フェニル)-5-(トリアゾール-1-イルメチル)-4,5-ジヒドロイソオキサゾール(16g、46.6mmol)及び1,1-ジオキソチアン-4-オン(7.60g、51.3mmol)のテトラヒドロフラン(300mL)中の溶液に、二窒素(dinitrogen)雰囲気下、-78℃で、イソプロピルマグネシウムリチウムクロリドのテトラヒドロフラン中の溶液(1.3M、53.8mL、69.9mmol)を滴下して加えた。その反応混合物を周囲温度まで昇温させ、2時間撹拌した。塩化アンモニウムの飽和水溶液(300mL)を添加し、得られた混合物を酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、その濾液を減圧下で濃縮した。その残渣を石油エーテル:酢酸エチル(100:0から0:100まで)の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、標題化合物が得られた。
【0267】
MS: m/z = 395.1 [M-H2O+H]. 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 8.13 (d, J = 0.8 Hz, 1 H), 7.73 (d, J = 1.2 Hz, 1 H), 7.34 - 7.26 (m, 2 H), 6.00 (s, 1 H), 5.25 - 5.17 (m, 1 H), 4.70 - 4.60 (m, 2 H), 3.57 (dd, J = 11.0, 17.6 Hz, 1 H), 3.43 - 3.35 (m, 2 H), 3.30 - 3.24 (m, 1 H), 3.04 (br d, J = 11.7 Hz, 2 H), 2.61 (br t, J = 13.3 Hz, 2 H), 2.34 (br d, J = 12.9 Hz, 2 H)。
【0268】
段階H: 4-[2,6-ジフルオロ-4-[(5R)-5-(トリアゾール-1-イルメチル)-4,5-ジヒドロイソオキサゾール-3-イル]フェニル]-4-フルオロ-チアン 1,1-ジオキシド
4-[2,6-ジフルオロ-4-[(5R)-5-(トリアゾール-1-イルメチル)-4,5-ジヒドロイソオキサゾール-3-イル]フェニル]-1,1-ジオキソ-チアン-4-オール(6.4g、14mmol)のジクロロメタン(850mL)中の溶液に、0℃で、ビス(2-メトキシエチル)アミノ硫黄トリフルオリド(3.86mL、21.0mmol)を添加し、その反応混合物を2時間撹拌した。重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(100mL)を添加し、得られた混合物を減圧下で濃縮してジクロロメタンを除去した。得られた混合物を濾過し、沈澱物を集めた。その沈澱物をアセトニトリル:水(10mM炭酸アンモニウム含有)(20:80から50:50まで)の勾配で溶離させる分取HPLCで精製して、標題化合物が得られた。
【0269】
MS: m/z = 415.0 [M+H]. 1H NMR (DMSO-d6, 500 MHz) δ 8.14 (s, 1 H), 7.74 (s, 1 H), 7.41 (d, J = 13.0 Hz, 2 H), 5.25 - 5.21 (m, 1 H), 4.69 - 4.65 (m, 2 H), 3.59 - 3.55 (m, 1 H), 3.44 - 3.40 (m, 2 H), 3.27 - 3.19 (m, 3 H), 2.81 - 2.66 (m, 4 H)。
【0270】
【0271】
N-[[(5R)-3-[3,5-ジフルオロ-4-(4-フルオロ-1,1-ジオキソ-チアン-4-イル)フェニル]-4,5-ジヒドロイソオキサゾール-5-イル]メチル]カルバミン酸メチル
段階A: 4-[4-[(5R)-5-(アジドメチル)-4,5-ジヒドロイソオキサゾール-3-イル]-2,6-ジフルオロ-フェニル]-1,1-ジオキソ-チアン-4-オール
テトラヒドロフラン(20mL)中の(5R)-5-(アジドメチル)-3-(4-ブロモ-3,5-ジフルオロ-フェニル)-4,5-ジヒドロイソオキサゾール(実施例1に記載されている)(1160mg、3.66mmol)及び1,1-ジオキソチアン-4-オン(542mg、3.66mmol)の混合物に、二窒素(dinitrogen)雰囲気下、-78℃で、イソプロピルマグネシウムリチウムクロリドのテトラヒドロフラン中の溶液(1.3M、4.22mL、5.49mmol)を添加し、その反応混合物を1時間撹拌した。その反応混合物を周囲温度まで昇温させ、16時間撹拌した。水(30mL)を添加し、得られた混合物を酢酸エチル(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層を塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、その濾液を減圧下で濃縮した。その残渣を酢酸エチルで溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、標題化合物が得られた。
【0272】
1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 7.37 - 7.33 (m, 2 H), 6.04 (s, 1 H), 5.00 - 4.94 (m, 1 H), 3.58 - 3.57(m, 1 H), 3.49 - 3.48 (m, 2 H), 3.46 - 3.40 (m, 2 H), 3.22 - 3.18 (m, 1 H), 3.06 - 3.03 (m, 2 H) 2.62 - 2.58 (m, 2 H), 2.36 - 2.33 (m, 2 H)。
【0273】
段階B: 4-[4-[(5R)-5-(アジドメチル)-4,5-ジヒドロイソオキサゾール-3-イル]-2,6-ジフルオロ-フェニル]-4-フルオロ-チアン 1,1-ジオキシド
4-[4-[(5R)-5-(アジドメチル)-4,5-ジヒドロイソオキサゾール-3-イル]-2,6-ジフルオロ-フェニル]-1,1-ジオキソ-チアン-4-オール(100mg、0.259mmol)のジクロロメタン(4mL)中の溶液に、0℃で、ビス(2-メトキシエチル)アミノ硫黄トリフルオリド(0.072mL、0.388mmol)を添加した。その反応物を周囲温度まで昇温させ、3時間撹拌した。重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(30mL)を添加し、得られた混合物をジクロロメタン(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層を塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、その濾液を減圧下で濃縮して、標題化合物が次の段階で使用するのに充分な純度で得られた。
【0274】
1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 7.48 - 7.45 (m, 2 H), 5.02 - 4.96 (m, 1 H), 3.50 - 3.48 (m, 1 H), 3.47 - 3.45 (m, 2 H), 3.38 - 3.35 (m, 2 H), 3.22 - 3.20 (m, 3 H), 2.68 - 2.65(m, 4 H)。
【0275】
段階C: [(5R)-3-[3,5-ジフルオロ-4-(4-フルオロ-1,1-ジオキソ-チアン-4-イル)フェニル]-4,5-ジヒドロイソオキサゾール-5-イル]メタンアミン
4-[4-[(5R)-5-(アジドメチル)-4,5-ジヒドロイソオキサゾール-3-イル]-2,6-ジフルオロ-フェニル]-4-フルオロ-チアン 1,1-ジオキシド(130mg、0.335mmol)のテトラヒドロフラン(4mL)中の溶液に、トリフェニルホスフィン(105mg、0.402mmol)を添加した。その反応混合物を70℃まで昇温させ、3時間撹拌した。その反応混合物を冷却し、そして、減圧下で濃縮した。その残渣を酢酸エチル:石油エーテル(1:1、2×5mL)の混合物で洗浄して、標題化合物が次の段階で使用するのに充分な純度で得られた。
【0276】
1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 7.48 - 7.40 (m, 2 H), 4.74 - 4.73 (m, 1 H), 3.47 - 3.37 (m, 4 H), 3.26 - 3.20 (m, 4 H), 2.82 - 2.65 (m, 4 H)。
【0277】
段階D: N-[[(5R)-3-[3,5-ジフルオロ-4-(4-フルオロ-1,1-ジオキソ-チアン-4-イル)フェニル]-4,5-ジヒドロイソオキサゾール-5-イル]メチル]カルバミン酸メチル
[(5R)-3-[3,5-ジフルオロ-4-(4-フルオロ-1,1-ジオキソ-チアン-4-イル)フェニル]-4,5-ジヒドロイソオキサゾール-5-イル]メタンアミン(110mg、0.304mmol)のジクロロメタン(4mL)中の溶液に、0℃で、N-エチル-N-イソプロピルプロパン-2-アミン(0.159mL、0.911mmol)を添加し、その反応混合物を10分間撹拌した。クロロギ酸メチル(0.026mL、0.334mmol)を添加し、その反応混合物を周囲温度まで昇温させ、2時間撹拌した。重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(3mL)を添加し、得られた混合物を減圧下で濃縮した。その残渣をアセトニトリル:水(10mM炭酸アンモニウム含有)(25:75から55:45まで)の勾配で溶離させる分取HPLCで精製して、標題化合物が得られた。
【0278】
MS: m/z = 421.1 [M+H]. 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 7.44 - 7.41 (m, 2 H), 4.81 - 4.79 (m, 1 H), 3.53 (s, 3 H), 3.46 - 3.42 (m, 3 H), 3.20 - 3.15 (m, 5 H), 2.82 - 2.78 (m, 2 H), 2.72 - 2.66 (m, 2 H)。
【0279】
【0280】
(5R)-3-[4-[4-(1,3-ジメチルアゼチジン-3-イル)スルホニルフェニル]-3-フルオロ-フェニル]-5-(トリアゾール-1-イルメチル)-4,5-ジヒドロイソオキサゾール
段階A: [2-フルオロ-4-[(5R)-5-(トリアゾール-1-イルメチル)-4,5-ジヒドロイソオキサゾール-3-イル]フェニル]ボロン酸
(5R)-3-(4-ブロモ-3-フルオロ-フェニル)-5-(トリアゾール-1-イルメチル)-4,5-ジヒドロイソオキサゾール(中間体2)(29g、89mmol)の1,4-ジオキサン(580mL)中の溶液に、酢酸カリウム(26.3g、268mmol、3.0当量)、ビス(ピナコラト)ジボロン(45.3g、178mmol)及び1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(6.52g、8.92mmol)を添加し、その反応混合物を80℃まで昇温させ、5時間撹拌した。その反応混合物を減圧下で濃縮した。その反応混合物に水(500mL)及びジクロロメタン(500mL)を添加した。得られた混合物のpHを水酸化ナトリウムの水溶液(4M)を用いてpH9~10に調節し、その混合物を3時間撹拌した。その層を分離し、その水層を塩酸の水溶液(6M)を添加することによってpH3~4に調節し、その混合物を濾過した。その沈澱物を集め、減圧下で乾燥させて、標題化合物が次の段階で使用するのに充分な純度で得られた。
【0281】
段階B: (5R)-3-[3-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-5-(トリアゾール-1-イルメチル)-4,5-ジヒドロイソオキサゾール
[2-フルオロ-4-[(5R)-5-(トリアゾール-1-イルメチル)-4,5-ジヒドロイソオキサゾール-3-イル]フェニル]ボロン酸(19g、65.5mmol)のトルエン(380mL)中の溶液に、4Åモレキュラーシーブ(19.0g)及び2,3-ジメチルブタン-2,3-ジオール(9.3g、79mmol)を添加し、その反応混合物を105℃まで昇温させ、5時間撹拌した。その反応混合物を冷却し、そして、濾過し、その濾液を減圧下で濃縮して、標題化合物が次の段階で使用するのに充分な純度で得られた。
【0282】
MS: m/z = 373 [M+H]. 1H NMR (CDCl3, 300 MHz) δ 7.81 - 7.67 (m, 3 H), 7.33 - 7.24 (m, J = 7.8 Hz, 2 H), 5.17 (s, 1 H), 4.69 (t, J = 4.8 Hz, 2 H), 3.48 (dd, J = 17.1, 10.7 Hz, 1H), 3.20 (dd, J = 17.1, 7.2 Hz, 1 H), 1.36 (s, 12 H), 1.25 (d, J = 7.5 Hz, 1 H)。
【0283】
段階C: (5R)-3-[4-[4-(1,3-ジメチルアゼチジン-3-イル)スルホニルフェニル]-3-フルオロ-フェニル]-5-(トリアゾール-1-イルメチル)-4,5-ジヒドロイソオキサゾール
テトラヒドロフラン(40mL)中の3-(4-ブロモフェニル)スルホニル-1,3-ジメチル-アゼチジン(中間体1、2.3g、7.56mmol)、(5R)-3-[3-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-5-(トリアゾール-1-イルメチル)-4,5-ジヒドロイソオキサゾール(3.38g、9.07mmol)及び三塩基性リン酸カリウム水溶液(2M、7.56mL、15.1mmol)の攪拌混合物に、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)(0.297g、0.378mmol)を添加した。その反応混合物を70℃まで昇温させ、2時間撹拌した。その反応混合物を冷却し、濾過し、その濾液を減圧下で濃縮した。その残渣をジクロロメタン:メタノール(100:0から90:10まで)の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。その生成物のフラクションを合し、減圧下で濃縮した。その残渣をアセトニトリル:水(10mM炭酸アンモニウム含有)(20:80から50:50まで)の勾配で溶離させる分取HPLCで精製して、標題化合物が得られた。
【0284】
MS: m/z = 470.1 [M+H]. 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 8.17 (d, J = 0.8 Hz, 1 H), 8.02 - 7.95 (m, 2 H), 7.90 (d, J = 7.2 Hz, 2 H), 7.78 - 7.71 (m, 2 H), 7.62 (d, J = 9.6 Hz, 2 H), 5.28 - 5.20 (m, 1 H), 4.74 - 4.65 (m, 2 H), 3.71 - 3.58 (m, 3 H), 3.39 - 3.37 (m, 1 H), 3.19 (d, J = 8.4 Hz, 2 H), 2.26 (s, 3 H), 1.53 (s, 3 H)。
【0285】
【0286】
N-[[(5R)-3-[4-(1,1-ジオキソ-1,4-チアジナン-4-イル)-3,5-ジフルオロ-フェニル]-4,5-ジヒドロイソオキサゾール-5-イル]メチル]カルバミン酸メチル
段階A: 1-[(5R)-3-(4-ブロモ-3,5-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-イル]メタンアミン
(5R)-5-(アジドメチル)-3-(4-ブロモ-3,5-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール(実施例1に記載されている)(940mg、2.96mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)と水(1mL)中の溶液に、トリフェニルホスフィン(1.01g、3.85mmol)を添加した。その反応混合物を70℃まで昇温させ、4時間撹拌した。その反応混合物を冷却し、そして、減圧下で濃縮した。その残渣を石油エーテル:酢酸エチル(100:0から0:100まで)の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、次いで、ジクロロメタン:メタノール(90:10)で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、標題化合物が得られた。
【0287】
MS: m/z = 292.9 [M+H]. 1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ 7.59 - 7.50 (m, 1 H), 7.26 (t, J = 3.5 Hz, 3 H), 4.90 - 4.81 (m, 1 H), 3.31 (dd, J = 11.0, 16.5 Hz, 1 H), 3.13 (dd, J = 8.0, 16.5 Hz, 1 H), 3.04 (dd, J = 4.0, 13.5 Hz, 1 H), 2.89 (dd, J = 6.0, 13.5 Hz, 1 H)。
【0288】
段階B: {[(5R)-3-(4-ブロモ-3,5-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-イル]メチル}カルバミン酸メチル
ジクロロメタン(15mL)中の1-[(5R)-3-(4-ブロモ-3,5-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-イル]メタンアミン(500mg、1.72mmol)の混合物に、0℃で、N-エチル-N-イソプロピルプロパン-2-アミン(0.893mL、5.15mmol)及びクロロギ酸メチル(0.160mL、2.06mmol)を添加し、その反応混合物を周囲温度まで昇温させ、2時間撹拌した。重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(10mL)を添加し、得られた混合物をジクロロメタン(2×10mL)で抽出した。合わせた有機層を塩化ナトリウムの飽和水溶液(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、その濾液を減圧下で濃縮して、標題化合物が次の段階で使用するのに充分な純度で得られた。
【0289】
MS: m/z = 350.9 [M+H]. 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.24 (s, 2 H), 4.93 (br s, 1 H), 3.67 (s, 3 H), 3.58 - 3.41 (m, 2 H), 3.34 (dd, J = 10.6, 16.4 Hz, 1 H), 3.09 (br dd, J = 7.6, 16.0 Hz, 1 H)。
【0290】
段階C: N-[[(5R)-3-[4-(1,1-ジオキソ-1,4-チアジナン-4-イル)-3,5-ジフルオロ-フェニル]-4,5-ジヒドロイソオキサゾール-5-イル]メチル]カルバミン酸メチル
tert-アミルアルコール(5mL)中の{[(5R)-3-(4-ブロモ-3,5-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-イル]メチル}カルバミン酸メチル(200mg、0.458mmol)、チオモルホリン 1,1-ジオキシド(248mg、1.83mmol)及び炭酸セシウム(448mg、1.38mmol)の混合物に、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシ-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)(33.0mg、0.046mmol)を添加した。その反応混合物を120℃まで昇温させ、1時間撹拌した。その反応混合物を冷却し、濾過し、その濾液を減圧下で濃縮した。その残渣をアセトニトリル:水(10mM炭酸アンモニウム含有)(20:80から50:50まで)の勾配で溶離させる分取HPLCで精製して、標題化合物が得られた。
【0291】
MS: m/z = 404.1 [M+H]. 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 7.35 (s, 3 H), 4.74 (br dd, J = 6.8, 11.2 Hz, 1 H), 3.56 (br s, 4 H), 3.51 (s, 3 H), 3.40 (dd, J = 10.6, 17.2 Hz, 1 H), 3.23 (br s, 4 H), 3.19 - 3.04 (m, 3 H)。
【0292】
【0293】
4-(2,6-ジフルオロ-4-{(5R)-5-[(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル]-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-3-イル}フェニル)-1λ
6
-チオモルホリン-1,1-ジオン
(5R)-3-(4-ブロモ-3,5-ジフルオロ-フェニル)-5-(トリアゾール-1-イルメチル)-4,5-ジヒドロイソオキサゾール(実施例1に記載されている)(16g、46.6mmol)及び1,1-ジオキソチアン-4-オン(80.0g、233mmol)のtert-アミルアルコール(2.40L)中の溶液に、チオモルホリン 1,1-ジオキシド(126g、933mmol)、[(4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン)-2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホネート(22.1g、23.3mmol)及び炭酸セシウム(228g、699mmol)を添加した。その反応混合物を120℃まで昇温させ、18時間撹拌した。その反応混合物を冷却し、そして、水(2.0L)の中に注ぎ入れ、得られた混合物を酢酸エチル(2×2.0L)で抽出した。合わせた有機層を塩化ナトリウムの飽和水溶液(1×1.0L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、その濾液を減圧下で濃縮した。その残渣をアセトニトリル:水(0.2%ギ酸含有)(22:78から52:48まで)の勾配で溶離させる分取HPLCで精製した。その生成物のフラクションを合し、減圧下で濃縮した。その残渣をChiralpak ADカラムを使用し、そしてCO2中の55%メタノール(0.1%水酸化アンモニウム含有)で溶離させるキラル超臨界流体クロマトグラフィーで分割して、標題化合物が得られた。
【0294】
MS: m/z = 398.0 [M+H]. 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 8.12 (s, 1 H), 7.73 (s, 1 H), 7.30 - 7.34 (d, J = 16.0 Hz, 2 H), 5.16 - 5.20 (m, 1 H), 4.63 - 4.65(m, 2 H), 3.50 - 3.59 (m, 6 H), 3.22 - 3.33 (m, 6 H)。
【0295】
【0296】
4-(2,6-ジフルオロ-4-{(5R)-5-[(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル]-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-3-イル}フェニル)-4-フルオロ-1-(メチルイミノ)-1λ
6
-チアン-1-オン
段階A: 4-(2,6-ジフルオロ-4-{(5R)-5-[(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル]-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-3-イル}フェニル)チアン-4-オール
テトラヒドロフラン(200mL)中の(5R)-3-(4-ブロモ-3,5-ジフルオロ-フェニル)-5-(トリアゾール-1-イルメチル)-4,5-ジヒドロイソオキサゾール(実施例1に記載されている)(9.5g、27.7mmol)及びジヒドロ-2H-チオピラン-4(3H)-オン(3.54g、30.5mmol)の混合物に、二窒素(dinitrogen)雰囲気下、-78℃で、イソプロピルマグネシウムリチウムクロリドのテトラヒドロフラン中の溶液(1.3M、31.9mL、41.5mmol)を添加し、その反応混合物を30分間撹拌した。その反応混合物を周囲温度まで昇温させ、16時間撹拌した。塩化アンモニウムの飽和水溶液(100mL)及び酢酸エチル(200mL)を添加し、得られた混合物を酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を塩化ナトリウムの飽和水溶液(1×100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、その濾液を減圧下で濃縮した。その残渣をジクロロメタン:酢酸エチル(100:0から95:5まで)の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、標題化合物が得られた。
【0297】
MS: m/z = 403.1 [M+Na]. 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.75 (d, J = 0.8 Hz, 1 H), 7.70 (d, J = 0.8 Hz, 1 H), 7.12 - 6.99 (m, 2 H), 5.25 - 5.13 (m, 1 H), 4.70 (dd, J = 1.6, 4.0 Hz, 2 H), 3.47 - 3.15 (m, 4 H), 2.68 (t, J = 6.4 Hz, 1 H), 2.53 - 2.34 (m, 4 H), 2.32 - 2.19 (m, 1 H), 2.27 (br d, J = 15.6 Hz, 2 H)。
【0298】
段階B: 1-({(5R)-3-[3,5-ジフルオロ-4-(4-フルオロチアン-4-イル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-イル}メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール
4-(2,6-ジフルオロ-4-{(5R)-5-[(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル]-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-3-イル}フェニル)チアン-4-オール(4.2g、11.04mmol)のジクロロメタン(150mL)中の溶液に、0℃で、ビス(2-メトキシエチル)アミノ硫黄トリフルオリド(4.07mL、22.1mmol)を添加した。その反応混合物を周囲温度まで昇温させ、1時間撹拌した。重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(50mL)を添加し、得られた混合物を減圧下で濃縮した。その残渣を濾過し、その沈澱物を水(20mL)で洗浄した。その沈澱物を、ジクロロメタン:酢酸エチル(97:3から95:5まで)の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、標題化合物が得られた。
【0299】
MS: m/z = 363.1 [M-F]. 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.82 - 7.64 (m, 2 H), 7.08 (d, J = 10.2 Hz, 2 H), 5.27 - 5.15 (m, 1 H), 4.76 - 4.61 (m, 2 H), 3.42 (dd, J = 11.2, 17.2 Hz, 1 H), 3.28 - 3.10 (m, 3 H), 2.62 - 2.25 (m, 6 H)。
【0300】
段階C: 4-(2,6-ジフルオロ-4-{(5R)-5-[(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル]-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-3-イル}フェニル)-4-フルオロ-1-イミノ-1λ
6
-チアン-1-オン
1-({(5R)-3-[3,5-ジフルオロ-4-(4-フルオロチアン-4-イル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-イル}メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール(2.6g、6.80mmol)のメタノール(15mL)中の溶液に、(ジアセトキシヨード)ベンゼン(5.47g、17.0mmol)及びカルバミン酸アンモニウム(2.12g、27.2mmol)を添加し、その反応混合物を3時間撹拌した。その反応混合物を減圧下で濃縮し、その残渣を濾過した。その沈澱物を水(50mL)で洗浄し、減圧下で乾燥させて、標題化合物が次の段階で使用するのに充分な純度で得られた。
【0301】
MS: m/z = 414.1 [M+H]. 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 8.17 - 8.08 (m, 1 H), 7.73 (s, 1 H), 7.39 (dd, J = 2.2, 11.2 Hz, 2 H), 5.35 - 5.11 (m, 1 H), 4.76 - 4.46 (m, 2 H), 4.01 (s, 1 H), 3.77 - 3.72 (m, 1 H), 3.71 - 3.35 (m, 2 H), 3.30 - 3.00 (m, 4 H), 2.89 - 2.60 (m, 2 H), 2.54 (s, 3 H)。
【0302】
段階D: 4-(2,6-ジフルオロ-4-{(5R)-5-[(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル]-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-3-イル}フェニル)-4-フルオロ-1-(メチルイミノ)-1λ
6
-チアン-1-オン
4-(2,6-ジフルオロ-4-{(5R)-5-[(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル]-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-3-イル}フェニル)-4-フルオロ-1-イミノ-1λ6-チアン-1-オン(2.0g、4.8mmol)のDMF(50mL)中の溶液に、二窒素(dinitrogen)雰囲気下、0℃で、水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液、0.580g、14.5mmol)を添加した。その反応混合物を20分間撹拌した。ヨードメタン(0.904mL、14.51mmol)を添加し、その反応混合物を周囲温度まで昇温させ、3時間撹拌した。塩化アンモニウムの飽和水溶液(50mL)を添加し、得られた混合物を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を塩化ナトリウムの飽和水溶液(1×50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、その濾液を減圧下で濃縮した。その残渣をアセトニトリル:水(10mM炭酸アンモニウム含有)(20:80から50:50まで)の勾配で溶離させる分取HPLCで精製した。その生成物のフラクションを合し、減圧下で濃縮した。その残渣を、Chiralpak ADカラムを使用し、そしてCO2中の55%エタノール(0.1%水酸化アンモニウム含有)で溶離させるキラル超臨界流体クロマトグラフィーでさらに分割して、標題化合物(2番目に溶出する異性体)及びその異性体(最初に溶出する異性体)が得られた。
【0303】
MS: m/z = 428.2 [M+H]. 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 8.16 - 8.09 (m, 1 H), 7.72 (d, J = 0.8 Hz, 1 H), 7.38 (d, J = 10.6 Hz, 2 H), 5.28 - 5.15 (m, 1 H), 4.72 - 4.58 (m, 2 H), 3.57 (dd, J = 11.2, 17.6 Hz, 1 H), 3.43 - 3.34 (m, 2 H), 3.43 - 3.33 (m, 1 H), 3.30 - 3.19 (m, 3 H), 2.79 - 2.53 (m, 6 H), 2.79 - 2.53 (m, 1 H), 2.06 (s, 1 H)。
【0304】
【0305】
4-(2,6-ジフルオロ-4-{(5R)-5-[(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル]-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-3-イル}フェニル)-4-フルオロ-1-(メチルイミノ)-1λ
6
-チアン-1-オン
実施例6の段階Dに記載されている、キラル超臨界流体クロマトグラフィーに付した後の最初に溶出する異性体。
【0306】
MS: m/z = 428.2 [M+H]. 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 8.12 (d, J = 1.2 Hz, 1 H), 7.72 (s, 1 H), 7.39 (d, J = 10.6 Hz, 2 H), 5.30 - 5.14 (m, 1 H), 4.72 - 4.57 (m, 2 H), 3.57 (dd, J = 11.2, 17.2 Hz, 1 H), 3.30 - 3.23 (m, 4 H), 3.23 - 3.07 (m, 2 H), 2.82 - 2.58 (m, 6 H)。
【0307】
【0308】
{[(5R)-3-{3,5-ジフルオロ-4-[4-フルオロ-1-(メチルイミノ)-1-オキソ-1λ
6
-チアン-4-イル]フェニル}-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-イル]メチル}カルバミン酸メチル
段階A: 4-{4-[(5R)-5-(アジドメチル)-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-3-イル]-2,6-ジフルオロフェニル}チアン-4-オール
テトラヒドロフラン(40mL)中の(5R)-5-(アジドメチル)-3-(4-ブロモ-3,5-ジフルオロ-フェニル)-4,5-ジヒドロイソオキサゾール(実施例1に記載されている)(1.8g、5.68mmol)及びジヒドロ-2H-チオピラン-4(3H)-オン(1.055g、9.08mmol)の混合物に、二窒素(dinitrogen)雰囲気下、-78℃で、イソプロピルマグネシウムリチウムクロリドのテトラヒドロフラン中の溶液(1.3M、6.55mL、8.51mmol)を添加した。その反応混合物を周囲温度まで昇温させ、12時間撹拌した。その反応混合物を0℃まで冷却し、塩化アンモニウムの飽和水溶液を添加した。得られた混合物をジクロロメタン(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層を塩化ナトリウムの飽和水溶液(1×100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、その濾液を減圧下で濃縮した。その残渣を石油エーテル:酢酸エチル(100:0から80:20まで)の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、標題化合物が得られた。
【0309】
MS: m/z = 355.0 [M+H]. 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.23 - 7.16 (m, 2 H), 4.99 - 4.93 (m, 1 H), 3.58 (dd, J = 4.3, 13.2 Hz, 1 H), 3.47 - 3.25 (m, 4 H), 3.16 (dd, J = 7.0, 16.8 Hz, 1 H), 2.72 (t, J = 6.8 Hz, 1 H), 2.52 - 2.39 (m, 4 H), 2.29 (br d, J = 12.8 Hz, 2 H)。
【0310】
段階B: (5R)-3-(4-ブロモ-3,5-ジフルオロ-フェニル)-5-(トリアゾール-1-イルメチル)-4,5-ジヒドロイソオキサゾール
ジクロロメタン(15mL)中の4-{4-[(5R)-5-(アジドメチル)-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-3-イル]-2,6-ジフルオロフェニル}チアン-4-オール(1.5g、4.23mmol)の混合物に、0℃で、ビス(2-メトキシエチル)アミノ硫黄トリフルオリド(1.56mL、8.47mmol)を添加した。その反応混合物を周囲温度まで昇温させ、4時間撹拌した。重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(10mL)を添加し、得られた混合物をジクロロメタン(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を減圧下で濃縮し、その残渣を石油エーテル:酢酸エチル(100:0から50:50まで)の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、標題化合物が得られた。
【0311】
1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 7.42 (d, J = 11.2 Hz, 2 H), 4.98 (tdd, J = 3.5, 7.1, 13.2 Hz, 1 H), 3.65 - 3.39 (m, 3 H), 3.20 (dd, J = 7.0, 17.6 Hz, 1 H), 3.00 (br t, J = 12.7 Hz, 2 H), 2.57 (br d, J = 14.4 Hz, 2 H), 2.46 - 2.38 (m, 3 H), 2.46 - 2.24 (m, 1 H)。
【0312】
段階C:4-{4-[(5R)-5-(アジドメチル)-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-3-イル]-2,6-ジフルオロフェニル}-4-フルオロ-1-イミノ-1λ
6
-チアン-1-オン
(5R)-3-(4-ブロモ-3,5-ジフルオロ-フェニル)-5-(トリアゾール-1-イルメチル)-4,5-ジヒドロイソオキサゾール(800mg、2.25mmol)のメタノール(30mL)中の溶液に、(ジアセトキシヨード)ベンゼン(1.81g、5.61mmol)及びカルバミン酸アンモニウム(701mg、8.98mmol)を添加した。その反応混合物を2時間撹拌した。その反応混合物を減圧下で濃縮し、重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(20mL)を添加した。得られた混合物をジクロロメタン(3×20mL)で抽出し、合わせた有機層を減圧下で濃縮した。その残渣を酢酸エチルで溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、標題化合物が得られた。
【0313】
1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 7.45 (dd, J = 1.5, 11.2 Hz, 2 H), 4.99 (dt, J = 6.6, 10.4 Hz, 1 H), 4.08 - 3.71 (m, 1 H), 3.68 - 3.57 (m, 1 H), 3.55 - 3.43 (m, 2 H), 3.32 - 3.16 (m, 3 H), 3.15 - 2.96 (m, 2 H), 2.87 - 2.63 (m, 2 H), 2.55 (br d, J = 5.6 Hz, 2 H)。
【0314】
段階D: 4-{4-[(5R)-5-(アジドメチル)-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-3-イル]-2,6-ジフルオロフェニル}-4-フルオロ-1-(メチルイミノ)-1λ
6
-チアン-1-オン
4-{4-[(5R)-5-(アジドメチル)-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-3-イル]-2,6-ジフルオロフェニル}-4-フルオロ-1-イミノ-1λ6-チアン-1-オン(900mg、2.32mmol)のDMF(25mL)中の溶液に、二窒素(dinitrogen)雰囲気下、0℃で、水素化ナトリウム(油中60%分散液、279mg、6.97mmol)を添加し、その反応混合物を20分間撹拌した。ヨードメタン(0.436mL、6.97mmol)を添加し、その反応混合物を周囲温度まで昇温させ、1時間撹拌した。塩化アンモニウムの飽和水溶液(10mL)を添加し、得られた混合物を酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を塩化ナトリウムの飽和水溶液(1×10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、その濾液を減圧下で濃縮して、標題化合物が次の段階で使用するのに充分な純度で得られた。
【0315】
MS: m/z = 402.0 [M+H]. 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 7.46 (br dd, J = 6.5, 11.0 Hz, 2 H), 5.08 - 4.93 (m, 1 H), 3.62 (br dd, J = 3.0, 13.5 Hz, 1 H), 3.55 - 3.46 (m, 2 H), 3.34 - 3.26 (m, 2 H), 3.22 (ddd, J = 2.7, 7.1, 17.5 Hz, 2 H), 2.79 - 2.73 (m, 1 H), 2.69 (d, J = 18.5 Hz, 3 H), 2.64 - 2.55 (m, 2 H), 0.90 - 0.59 (m, 2 H)。
【0316】
段階E: 4-{4-[(5R)-5-(アミノメチル)-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-3-イル]-2,6-ジフルオロフェニル}-4-フルオロ-1-(メチルイミノ)-1λ
6
-チアン-1-オン
4-{4-[(5R)-5-(アジドメチル)-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-3-イル]-2,6-ジフルオロフェニル}-4-フルオロ-1-(メチルイミノ)-1λ6-チアン-1-オン(940mg、2.34mmol)のテトラヒドロフラン(15mL)中の溶液に、トリフェニルホスフィン(737mg、2.81mmol)及び水(0.422mL、23.4mmol)を添加した。その反応混合物を70℃まで昇温させ、3時間撹拌した。その反応混合物を減圧下で濃縮し、その残渣を酢酸エチルと石油エーテル(1:1、4×20mL)で洗浄して、標題化合物が次の段階で使用するのに充分な純度で得られた。
【0317】
1H NMR (DMSO-d6, 500 MHz) δ 7.40 (dd, J = 6.4, 10.5 Hz, 2 H), 4.81 - 4.64 (m, 1 H), 3.38 - 3.35 (m, 2 H), 3.31 - 3.25 (m, 3 H), 3.25 - 3.18 (m, 2 H), 2.75 - 2.68 (m, 4 H), 2.66 (s, 2 H), 2.62 - 2.52 (m, 2 H)。
【0318】
段階F: {[(5R)-3-{3,5-ジフルオロ-4-[4-フルオロ-1-(メチルイミノ)-1-オキソ-1λ
6
-チアン-4-イル]フェニル}-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-イル]メチル}カルバミン酸メチル
4-{4-[(5R)-5-(アミノメチル)-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-3-イル]-2,6-ジフルオロフェニル}-4-フルオロ-1-(メチルイミノ)-1λ6-チアン-1-オン(330mg、0.879mmol)のジクロロメタン(5mL)中の溶液に、0℃で、N-エチル-N-イソプロピルプロパン-2-アミン(0.461mL、2.64mmol)を添加し、その反応混合物を10分間撹拌した。クロロギ酸メチル(0.082mL、1.06mmol)を添加し、その反応混合物を周囲温度まで昇温させ、1時間撹拌した。重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(2mL)を添加し、得られた混合物を酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、その濾液を減圧下で濃縮した。その残渣をアセトニトリル:水(10mM炭酸アンモニウム含有)(22:78から52:48まで)の勾配で溶離させる分取HPLCで精製した。その生成物のフラクションを合し、減圧下で濃縮した。その残渣をChiralpak ADカラムを使用し、そしてCO2中の30%エタノール(0.1%水酸化アンモニウム含有)で溶離させるキラル超臨界流体クロマトグラフィーでさらに分割して、標題化合物(最初に溶出する異性体)及びその異性体(2番目に溶出する異性体)が得られた。
【0319】
MS: m/z = 434.2 [M+H]. 1H NMR (CD3CN, 500 MHz) δ 7.30 (br d, J = 11.0 Hz, 2 H), 5.77 (br s, 1 H), 4.90 - 4.80 (m, 1 H), 3.58 (s, 3 H), 3.43 - 3.30 (m, 3 H), 3.29 - 3.22 (m, 2 H), 3.19 - 3.05 (m, 3 H), 2.93 - 2.77 (m, 2 H), 2.75 (s, 3 H), 2.67 - 2.57 (m, 2 H)。
【0320】
【0321】
{[(5R)-3-{3,5-ジフルオロ-4-[4-フルオロ-1-(メチルイミノ)-1-オキソ-1λ
6
-チアン-4-イル]フェニル}-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-イル]メチル}カルバミン酸メチル
実施例8の段階Fに記載されている、キラル超臨界流体クロマトグラフィーに付した後の2番目に溶出する異性体。
【0322】
MS: m/z = 434.2 [M+H]. 1H NMR (CD3CN, 500 MHz) δ 7.29 (d, J = 11.0 Hz, 2 H), 5.75 (br s, 1 H), 4.84 (tdd, J = 5.4, 7.3, 11.0 Hz, 1 H), 3.58 (s, 3 H), 3.44 - 3.35 (m, 1 H), 3.35 - 3.28 (m, 4 H), 3.27 - 3.20 (m, 2 H), 3.08 (dd, J = 7.3, 17.0 Hz, 1 H), 2.82 - 2.66 (m, 5 H), 2.59 - 2.51 (m, 2 H)。
【0323】
【0324】
1-{[(5R)-3-{4’-[(1,3-ジメチルアゼチジン-3-イル)(ジフルオロ)メチル]-2-フルオロ[1,1’-ビフェニル]-4-イル}-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-イル]メチル}-1H-1,2,3-トリアゾール
(5R)-3-(4-ブロモ-3-フルオロ-フェニル)-5-(トリアゾール-1-イルメチル)-4,5-ジヒドロイソオキサゾール(中間体2)(93mg、0.285mmol)及び3-{ジフルオロ[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]メチル}-1,3-ジメチルアゼチジン(中間体3)(160mg、0.285mmol)のテトラヒドロフラン(4mL)中の溶液に、三塩基性リン酸カリウム(181mg、0.854mmol)、水(1.0mL)及びクロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)(11.2mg、0.014mmol)を添加し、その反応混合物を二窒素(dinitrogen)を用いて脱酸素した。その反応混合物を70℃まで昇温させ、2時間撹拌した。その反応混合物を冷却し、濾過し、その濾液を減圧下で濃縮した。その残渣をアセトニトリル:水(10mM炭酸アンモニウム含有)(37:63から67:33まで)の勾配で溶離させる分取HPLCで精製して、標題化合物が得られた。
【0325】
MS: m/z = 456.1 [M+H]. 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 1.25 (s, 3 H), 2.24 (s, 3 H), 3.02 (br d, J = 7.2 Hz, 2 H), 3.29 (br s, 1 H), 3.34 (br s, 2 H), 3.63 (dd, J = 17.4, 11.2 Hz, 1 H), 4.58 - 4.73 (m, 2 H), 5.20 (td, J = 11.1, 6.4 Hz, 1 H), 7.50 - 7.58 (m, 4 H), 7.63 - 7.74 (m, 4 H), 8.15 (d, J = 0.8 Hz, 1 H)。
【0326】
【0327】
N-({(5R)-3-[2-フルオロ-4’-(1-メチルアゼチジン-3-スルホニル)[1,1’-ビフェニル]-4-イル]-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-イル}メチル)メタンスルホンアミド
段階A: N-{[(5R)-3-(4-ブロモ-3-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-イル]メチル}メタンスルホンアミド
1-[(5R)-3-(4-ブロモ-3-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-イル]メタンアミン(中間体5)(500mg、1.83mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.640mL、3.66mmol)のジクロロメタン(10mL)中の溶液に、0℃で、メタンスルホニルクロリド(0.15mL、1.92mmol)を添加し、その反応混合物を2時間撹拌した。その反応混合物を周囲温度まで昇温させ、重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(20mL)及び塩酸の水溶液(1M、30mL)で洗浄した。その有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、その濾液を減圧下で濃縮した。その残渣を石油エーテル:酢酸エチル(100:0から45:55まで)の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、標題化合物が得られた。
【0328】
MS: m/z = 350.9 [M+H]. 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.60 (dd, J = 7.2, 8.4 Hz, 1 H), 7.44 (dd, J = 1.6, 9.2 Hz, 1 H), 7.29 (d, J = 8.4 Hz, 1 H), 5.01 - 4.92 (m, 1 H), 4.76 (br t, J = 6.0 Hz, 1 H), 3.53 - 3.44 (m, 1 H), 3.44 - 3.26 (m, 3 H), 3.01 (s, 3 H)。
【0329】
段階B: N-({(5R)-3-[2-フルオロ-4’-(1-メチルアゼチジン-3-スルホニル)[1,1’-ビフェニル]-4-イル]-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-イル}メチル)メタンスルホンアミド
テトラヒドロフラン(3mL)と水(0.117mL)中の[4-(1-メチルアゼチジン-3-スルホニル)フェニル]ボロン酸(中間体4)(180mg、0.141mmol)、N-{[(5R)-3-(4-ブロモ-3-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-イル]メチル}メタンスルホンアミド(74.3mg、0.212mmol)及び三塩基性リン酸カリウム(299mg、1.41mmol)の混合物に、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(10.3mg、0.014mmol)を添加し、その反応混合物を二窒素(dinitrogen)を用いて脱酸素した。その反応混合物を70℃まで昇温させ、2時間撹拌した。その反応混合物を冷却し、濾過し、その濾液を減圧下で濃縮した。その残渣をジクロロメタン:メタノール(100:0から90:10まで)の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。その生成物のフラクションを合し、減圧下で濃縮した。その残渣を、アセトニトリル:水(0.1%トリフルオロ酢酸含有)(20:80から40:60まで)の勾配で溶離させる分取HPLCでさらに精製して、標題化合物が得られた。
【0330】
MS: m/z = 481.9 [M+H]. 1H NMR (DMSO-d6, 500 MHz) δ 8.09 (d, J = 8.5 Hz, 2 H), 7.96 (d, J = 7.5 Hz, 2 H), 7.75 (t, J = 8.0 Hz, 1 H), 7.68 (s, 1 H), 7.66 (s, 1 H), 7.36 (t, J = 6.5 Hz, 1 H), 4.92 - 4.85 (m, 1 H), 4.74 (m, 1 H), 4.40 (br s, 4 H), 3.57 (br dd, J = 10.5, 17 Hz, 1 H), 3.31 - 3.27 (m, 1 H), 3.23 - 3.18 (m, 2 H), 2.97 - 2.92 (m, 3 H), 2.89 (s, 3 H)。
【0331】
【0332】
7-(2-フルオロ-4-{(5R)-5-[(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル]-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-3-イル}フェニル)-3-(3-メチルアゼチジン-3-イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン
段階A: 3-[7-(2-フルオロ-4-{(5R)-5-[(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル]-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-3-イル}フェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-3-イル]-3-メチルアゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル
テトラヒドロフラン(3mL)中の3-(7-ブロモ[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-3-イル)-3-メチルアゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル(中間体6)(100mg、0.272mmol)、(5R)-3-(4-ブロモ-3-フルオロ-フェニル)-5-(トリアゾール-1-イルメチル)-4,5-ジヒドロイソオキサゾール(中間体2)(122mg、0.327mmol)及び三塩基性リン酸水溶液カリウム(2M、0.272mL、0.545mmol)の混合物に、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)(10.7mg、0.014mmol)を添加し、その反応混合物を二窒素(dinitrogen)を用いて脱酸素した。その反応混合物を70℃まで昇温させ、2時間撹拌した。その反応混合物を冷却し、濾過し、その濾液を減圧下で濃縮した。その残渣をジクロロメタン:メタノール(100:0から90:10まで)の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、標題化合物が得られた。
【0333】
MS: m/z = 533.2 [M+H]. 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 8.38 (d, J = 7.2 Hz, 1 H), 8.15 (s, 1 H), 8.02 (s, 1 H), 7.85 - 7.78 (m, 1 H), 7.73 (s, 1 H), 7.67 - 7.56 (m, 2 H), 7.20 (br d, J = 7.2 Hz, 1 H), 5.22 (br dd, J = 4.8, 10.4 Hz, 1 H), 4.75 - 4.61 (m, 2 H), 4.48 (br d, J = 7.2 Hz, 2 H), 4.11 (br s, 2 H), 3.64 (dd, J = 11.2, 17.2 Hz, 1 H), 3.37 (br s, 1 H), 1.71 (s, 3 H), 1.37 (s, 9 H)。
【0334】
段階B: 7-(2-フルオロ-4-{(5R)-5-[(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル]-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-3-イル}フェニル)-3-(3-メチルアゼチジン-3-イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン
3-[7-(2-フルオロ-4-{(5R)-5-[(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル]-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-3-イル}フェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-3-イル]-3-メチルアゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル(150mg、0.225mmol)を含む容器に、15℃で、メタノール中の塩酸溶液(3M、2mL)を添加し、その反応混合物を2時間撹拌した。その反応混合物を減圧下で濃縮した。その残渣をアセトニトリル:水(0.04%水酸化アンモニウム及び10mM炭酸アンモニウム含有)(10:90から40:60まで)の勾配で溶離させる分取HPLCで精製して、標題化合物が得られた。
【0335】
MS: m/z = 433.1 [M+H]. 1H NMR (DMSO-d6, 500 MHz) δ 8.61 (d, J = 7.2 Hz, 1 H), 8.13 (d, J = 1.2 Hz, 1 H), 7.98 (s, 1 H), 7.78 (t, J = 8.4 Hz, 1 H), 7.71 (d, J = 0.8 Hz, 1 H), 7.63 - 7.52 (m, 2 H), 7.17 (br d, J = 7.2 Hz, 1 H), 5.25 - 5.14 (m, 1 H), 4.72 - 4.58 (m, 2 H), 4.00 (d, J = 8.0 Hz, 2 H), 3.67 (d, J = 8.0 Hz, 2 H), 3.64 - 3.56 (m, 1 H), 3.35 - 3.33 (m, 1 H), 1.73 (s, 3 H)。
【0336】
以下の化合物は、上記実施例に記載されている方法を使用し、適切な反応体及び/又は試薬と置き換えて、製造した。
【表1】
【0337】
生物学的アッセイ
結核菌(Mycobacterium tuberculosis)(Mtb)増殖アッセイ
結核菌(Mycobacterium tuberculosis)(Mtb)の増殖の阻害について、2種類のインビボ関連炭素源(グルコース及びコレステロール)で、pH6.8で評価した。炭素源としてのグルコースの場合、当該培地は、4g/Lのグルコース、0.08g/LのNaCl、5g/LのBSAフラクションV及び0.05%チロキサポールが添加されたMiddlebrook 7H9ブロスからなった。炭素源としてのコレステロールの場合、当該培地は、97mg/Lのコレステロール、0.08g/LのNaCl、5g/LのBSAフラクションV及び0.05%のチロキサポールが添加されたMiddlebrook 7H9ブロスからなった。緑色蛍光タンパク質を発現するMtb(Mtb-GFP;H37Rv pMSP12::GFP)を、スクリーニングの前に、ウシ血清アルブミンとチロキサポールを添加したMiddlebrook 7H9ブロスベースの関連する炭素源での増殖に事前に適応させた。細菌を、ウェルあたり24μLの容積で約2×104の活発に増殖する細胞で384ウェルマイクロタイタープレートに分配した。マイクロタイタープレートには、0.2μLの化合物、ジメチルスルホキシド(陰性対照)又はリファンピシン(25μM;陽性対照)を事前に分配しておいた。細胞を、50μMから0.049μMまでの化合物の2倍連続希釈液に曝露させた。一部の実験では、化合物をより低い濃度で試験した。7日間の増殖期間後に、分光光度計を使用して蛍光を測定することによって増殖阻害を評価した。陰性対照ウェルでは、細胞は読み取り時において依然として活発に増殖していた。細菌の増殖を95%阻害するために必要な被験化合物の最低濃度をMITC95と定義した。全ての試験は、BSL3施設で実施した。
【0338】
ミトコンドリアタンパク質合成アッセイ
ミトコンドリアタンパク質合成の阻害について、酸化的リン酸化酵素複合体の2つのサブユニット、複合体IVのサブユニットI(COX-I)と複合体IIの70kDaサブユニット(SDH-A)のレベルを比較することによってHepG2細胞で評価した。COX-Iは、ミトコンドリアDNAでコード化され、SDH-Aは、核DNAでコード化される。HepG2細胞を、コラーゲンでコーティングされた96ウェルプレートにウェルあたり8,000細胞で播種し、100μMから6.25μMまでの化合物の2倍連続希釈液に曝露させた。マイクロタイタープレートを、約5反復サイクル(4日間)インキュベートした後、製造元によって記載されているキット(ab110217 MitoBiogenesis In Cell ELISA Kit、Abcam、Cambridge、MA)を使用してタンパク質レベルを評価した。ミトコンドリアタンパク質合成の阻害は、COX-1レベルとSDH-Aレベルの比率として表した。
【表2】