(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】住宅倒壊防止免震構造
(51)【国際特許分類】
E04H 9/02 20060101AFI20221129BHJP
E04B 1/58 20060101ALI20221129BHJP
E02D 27/00 20060101ALI20221129BHJP
E02D 27/34 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
E04H9/02 351
E04B1/58 511L
E02D27/00 D
E02D27/34 A
(21)【出願番号】P 2022101119
(22)【出願日】2022-06-23
【審査請求日】2022-06-23
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、実施許諾の用意がある。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517019201
【氏名又は名称】株式会社人財育成コンサルティング
(72)【発明者】
【氏名】太田 祐子
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-322298(JP,A)
【文献】実開昭52-087002(JP,U)
【文献】特開2011-220010(JP,A)
【文献】特開平08-184062(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 9/02
E04B 1/58
E04B 1/26
E02D 27/00 - 27/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート製の基礎と前記基礎に鉛直方向に固定されたアンカーボルトの上に配置した土台と前記土台の上に柱を立てて建造された木造住宅の倒壊を防止するための住宅倒壊防止免震構造であって、
前記アンカーボルトは前記基礎と前記土台を鉛直方向に固定し、前記柱は軸方向に延在するアンカーボルト挿入穴を備え、前記柱に前記アンカーボルトを挿入することによって前記柱は前記土台と鉛直方向に連結され、
前記土台の上面に形成された鉛直下向きに凹み、第1の底面を有する第1の凹みと、
前記柱の下面に形成された鉛直上向きに凹み、第2の底面を有する第2の凹みと、前記第2の凹みに嵌め合わせ可能で、一方が開口し他方に底板を有する被せキャップと、
前記被せキャップの開口部の周縁から径方向の外側に延設され、前記柱の下面に固定される被せキャップツバと、を備え、
前記被せキャップの前記底板は、前記アンカーボルトを挿通する挿通孔を備え、
前記アンカーボルト挿入穴は前記第2の底面から上方に形成され、前記被せキャップの深さは、前記第2の凹みより浅く、
前記第1の底面と前記被せキャップの内底面との間に、鉛直方向に圧縮されて在置された弾性部材と、
前記被せキャップの外底面から上方に離れた位置で、前記アンカーボルトに固定されたナットとを備えることを特徴とする住宅倒壊防止免震構造。
【請求項2】
柱の側面に、被せキャップの外底面より上方で、第2の底面より下方の位置に、開口部を設けたことを特徴とする請求項1記載の住宅倒壊防止免震構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地震発生時の木造住宅の倒壊を防止するための住宅倒壊防止免震構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の柱と土台の接合は、柱に設けたほぞを土台のほぞ穴に差し込み、接合力を強化するためホールダウン等の金具で補強しているものや、柱と土台と基礎を接合するために、アンカーボルトを基礎に装着し、土台を貫通したアンカーボルトに接続用金具を固定し、予め、金具挿入用に加工された柱をアンカーボルトに固定した接合用金具に装着し、柱の側面よりドリフトピンで緊結するように改良したものがある(例えば、特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、地震動は左右揺れ、前後揺れのみならず、上下動や捻れ揺れ等の複雑な揺れが繰り返され、一部の柱に住宅の荷重が偏重すると柱と土台を接合する金具の変形や欠損で柱や土台が損傷したり、柱のほぞ抜けで転倒して住宅が倒壊すると言う課題があった。
このような、ほぞ抜けを防止するために、住宅倒壊防止免震構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の手段は、コンクリート製の基礎と前記基礎に鉛直方向に固定されたアンカーボルトの上に配置した土台と前記土台の上に柱を立てて建造された木造住宅の倒壊を防止するための住宅倒壊防止免震構造であって、
前記アンカーボルトは前記基礎と前記土台を鉛直方向に固定し、前記柱は軸方向に延在するアンカーボルト挿入穴を備え、前記柱に前記アンカーボルトを挿入することによって前記柱は前記土台と鉛直方向に連結され、
前記土台の上面に形成された鉛直下向きに凹み、第1の底面を有する第1の凹みと、
前記柱の下面に形成された鉛直上向きに凹み、第2の底面を有する第2の凹みと、
前記第2の凹みに嵌め合わせ可能で、一方が開口し他方に底板を有する被せキャップと、
前記被せキャップの開口部の周縁から径方向の外側に延設され、前記柱の下面に固定される被せキャップツバと、を備え、
前記被せキャップの前記底板は、前記アンカーボルトを挿通する挿通孔を備え、
前記アンカーボルト挿入穴は前記第2の底面から上方に形成され、前記被せキャップの深さは、前記第2の凹みより浅く、
前記第1の底面と前記被せキャップの内底面との間に、鉛直方向に圧縮されて在置された弾性部材と、
前記被せキャップの外底面から上方に離れた位置で、前記アンカーボルトに固定されたナットとを備えることを特徴とするものである。
【0006】
第2の手段は、第1の手段において、さらに、柱の側面に、被せキャップの外底面より上方で、第2の底面より下方の位置に、開口部を設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、基礎と土台はアンカーボルトで固定され、土台と柱はアンカーボルトで鉛直方向に連結され、土台の上面に形成された鉛直下向きに凹み第1の底面を有する第1の凹みと、柱の下面に形成された鉛直上向きに凹み第2の底面を有する第2の凹みと、第2の凹みに嵌め合わされるように柱の下面より鉛直上向きに凹み外底面を備え、柱に固定された被せキャップと、第1の底面と被せキャップの内底面との間に鉛直方向に圧縮されて装着された弾性部材と、被せキャップの外底面から上方に離れた位置でアンカーボルトに固定されたナットとで構成され、地震発生時に弾性部材が伸張し、
被せキャップが上方に動きナットに接触することで、それ以上の柱の飛び上がりが抑制され、住宅の自重で土台に接触してほぞ抜けを防止する。
【0008】
室内側の柱の側面に開口した金具取付け開口部に接着剤を塗布した埋め木を装着することで、柱の強度を保持する。
【0009】
柱に住宅倒壊防止免震構造を採用することで複雑な地震動による負荷を分散し、免震機能を有する構造として住宅の倒壊を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態を示し、基礎と土台と柱をアンカーボルトで連結した状態と位置関係を説明をする側断面図である。
【
図2】(a)基礎と土台とアンカーボルトの位置関係を示す断面図であり、(b)土台の上面視AAの平面図であり、(c)土台の上面視BBの平面図である。
【
図3】(a)柱の下面から上方に鉛直方向に開口し、第2の底面を有する円筒形状の第2の凹みと柱の側面より開口した金具取付け開口部の位置と、被せキャップツバを固定するためのネジの位置を示す縦断面図であり、(b)第2の凹みの形状とネジ穴の位置を示すAAの平断面図であり、(c)柱の側面に開口された金具取付け開口部と第2の凹みの形状を示すBBの平断面図であり、(d)アンカーボルト挿入穴を示すCCの平断面図である。
【
図4】(a)ナットの斜視図であり、(b)スプリングワッシャーの斜視図であり、(c)ワッシャーの斜視図であり、(d)柱の下面より鉛直上向きに第2の凹みに嵌め合わされる円筒形の被せキャップと円形の被せキャップツバであり、柱の下面に固定するためのネジ孔を示している。
【
図5】倒壊防止免震構造の金具を柱の金具取付け開口部より装着する状態を示す縦断面図であり、ワッシャー、スプリングワッシャーを装着し、ナットをアンカーボルトに固定する状態を示す縦断面図である。
【
図6】木造住宅の柱に倒壊防止免震構造の金具を装着し、柱と土台と基礎が一体的に結合している状態を示し、また、開口部のほぞ掻きによる柱の強度を保持するため、ほぞ掻き部分に埋め木を装填した状態を示す縦断面図である。
【
図7】直下型地震による上下動の地震発生時に、アンカーボルトに固定されたナットに被せキャップが接触して抑制されている状態を示す縦断面図である。
【
図8】地震が終息して、柱に掛かる住宅の荷重で柱が土台に接触した状態を示す縦断面図である。
【
図9】土台に受けキャップを装着した状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を
図1~
図9に基づいて説明する。
図1は、住宅倒壊防止免震構造を示す側断面図である。
木造住宅の基礎1と土台2はコンクリート製の基礎1に埋め込まれたアンカーボルト4で鉛直方向に固定されている。また、基礎1と土台2の間に基礎パッキン15を装着することで、地震による衝撃を緩和し、床下の換気、雨水の浸入防止に効果がある。
さらに、土台2の上面に立てられた柱3は軸方向に延在するアンカーボルト挿入穴6を備え、柱3にアンカーボルト4を挿入することで、柱3と土台2は鉛直方向に連結される。
土台2の上面に形成され、鉛直下向きに凹み第1の底面8を有する第1の凹みは円筒形であり、柱3の下面に形成され鉛直上向きに凹み第2の底面9を有する第2の凹みは円筒形である。第2の凹みに嵌め合わされ金属性で円筒形の被せキャップ7と円形の被せキャップツバ7aは柱3の下面にネジ14で固定され、被せキャップの深さは第2の凹みより浅い。
また、第1の底面8と被せキャップの内底面10bとの間に鉛直方向に圧縮された金属性の弾性部材16を装着し、弾性部材16は家の荷重で圧縮されている。
さらに、柱3の側面から開口された金具取付け開口部11(
図3参照)は、被せキャップの外底面10aより上方で第2の底面9より下方の位置に開口され、金属性のワッシャー12aと金属性のスプリングワッシャ-12bをアンカーボルト4に挿通し、金属性のナット13は、被せキャップの外底面10aから上方の離れた位置でアンカーボルト4に固定される。地震発生時は弾性部材16が伸縮し、被せキャップ7はワッシャ12aとスプリングワッシャー12bと共にナット13に接触することで、柱3のほぞ抜けや変位を阻止する免震機能を有する。
また、金具取付け開口部11に接着剤を塗布した埋め木17を挿入し、埋め木押さえ板18で固定することで、柱3の強度を保持することができる。被せキャップツバ7aの形状は正方形でもよい。
【0012】
図2(a)は、基礎1と土台2とアンカーボルト4の縦断面図であり、アンカーボルト4は基礎1と土台2に鉛直方向に固定され、土台2の上面に鉛直下向きに円筒形状の凹みを有することを示す平断面図である。
(b)は、土台2のAAの平断面図であり、土台2を貫通したアンカ-ボルト4を示すものである。
(c)は、土台2のBBの平断面図であり、土台2の上面に鉛直下向きに形成された凹みは円筒形状であることを示し、また、その中央部にアンカーボルト4が挿通されていることを示す図である。
【0013】
図3(a)は、柱3の下面に鉛直方向上向きの凹みが形成され、第2の底面9を有し、アンカーボルト挿通穴6は第2の底面9から上方に形成され、金具取付け開口部11は柱3の側面に開口されていることを示す縦断面図である。
(b)は、柱3のAAの平断面図であり、柱3の下面に鉛直上向きに形成された凹みは円筒形状で、中央部にアンカーボルト挿通穴6が開口されていることを示し、被せキャップツバ7aを固定するためのネジ14の穴を示す図である。
(c)は、柱3のBBの平断面図であり、金具取付け開口部11は、室内側の柱3の側面から開口され、開口の位置は被せキャップ7の外底面から上方で、第2の底面9より下方の間である。金具取付け開口部11の形状は円筒形であるが、直方体でも良い。また、開口する側面は、ほぞ掻きによる柱の強度の保持と加工性から板目か柾目かを判断し、開口するのが良い。
(d)は、柱3のCCの平断面図であり、アンカーボルト挿通穴6を示している。
【0014】
図4(a)は、アンカーボルト4に固定するナット13である。
(b)は、スプリングワッシャー12bであり、ナット13とワッシャー12aとの中間に配置され、地震による上下動で弾性部材16が被せキャップ7と共にナット13に接触する際の衝撃をスプリングワッシャー12bのスプリング効果で緩和する。
(c)は、ワッシャー12aであり、被せキャップ7の上面に配置することにより、被せキャップ7に掛かる負荷を安定化する。
(d)は、被せキャップ7と、被せキャップツバ7aであり、被せキャップ7は、柱3の第2の凹みに嵌め合わされるように、柱3の下面より鉛直上向きに凹み、形状は円筒形であり、被せキャップ7の底板は、アンカーボルト4を挿通するアンカーボルト挿通孔5を備え、被せキャップツバ7aは被せキャップ7の開口部の周縁から径方向の外側に延設され、形状は円形であり柱3の下面にネジ14で固定される。また、被せキャップツバ7aの形状は、長方形でもよい。
【0015】
図5に示すとおり、土台2に柱3を連結させる前に柱3を吊り上げた状態で、土台2に鉛直方向に固定されたアンカーボルト4に、土台2の第1の凹みと被せキャップの内底面10bとの間に弾性部材16が装着され、柱3にネジ14で固定された被せキャップ7のアンカーボルト挿通孔5にアンカーボルト4を挿通し、柱3の側面に開口された金具取付け開口部11よりワッシャー12aとスプリングワッシャー12bをアンカーボルト4に挿通し、ナット13をアンカーボルト4に固定する。
【0016】
図6は、金具取付け開口部11からワッシャー12aとスプリングワッシャー12bをアンカーボルト4に挿通し、アンカーボルト4にナット13を固定した後、開口された金具取付け開口部11の強度を保持するため、金具取付け開口部11の開口部に埋め木17を装填した縦側面図である。
また、金具取付け開口部11の開口の位置は、被せキャップの外底面10aより上方で第2の底面9より下方の間である。開口部の形状は円筒形である。さらに、開口部は、柱3の側面から中央に向けて水平に第2の凹みまで到達し、第2の凹みから視た開口部側の開口の大きさと柱3の側面側の開口の大きさが同じになっている。また、開口される形状は直方体でも良い。
【0017】
図7は、直下型地震による上下動で住宅が上部に突き上げられ、柱3が上方に移動し、弾性部材16が伸張した図である。柱3が上方に上がり弾性部材16が伸張することで、被せキャップ7がアンカーボルト4に固定されたナット13に接触し、それ以上の柱3の浮き上がりが抑制される。さらに、縱方向の地震動で上方に移動した柱3は、柱3に掛かる住宅の荷重で降下するときに弾性部材16が収縮して衝撃を緩和する。
弾性部材16には、コイルスプリングやシリコンゴム等がある。
また、地震の衝撃や台風・強風・積雪等により、上下・左右・前後・捻れ等で柱3や壁面に対する応力が絶えず変化し、柱3に掛かる荷重の偏重をスプリングで吸収することで、土台2から柱3の脱離を防止し、縦揺れの直後に発生する複雑な地震動の衝撃を分散し、緩和する免震機能を有する。
【0018】
図8は、地震動で被せキャップ7や弾性部材16が柱3と共に上方に移動し、地震動の収束した後、住宅の荷重で降下し、柱3は、土台2に接触して平常時の状態に復元することを示す縦側面図である。
また、金具取付け開口部11の開口部に木工用接着剤を塗布した埋め木17を装填することで柱3の強度を保持し、さらに、埋め木押さえ板18を装着することで、埋め木17の飛び出しを防止する。
【0019】
図9は、金属性の受けキャップ19の図である。特に住宅の荷重が掛かり土台2と柱3が接触し、摩耗が激しい場合には損傷を軽減するために、受けキャップ19を装着しても良い。また、受けキャップ19の底部に、湿気による土台2と柱3の腐敗を防止するために開口していることを示す縦側面図である
【産業上の利用可能性】
【0020】
木造住宅の地震力を強化するため、二階部分の軒下まで通し柱を採用するが、通し柱には梁や桁に接合するためのほぞ掻きが多く、柱の断面欠損が柱の強度を減少させ、地震動のみならず風圧等で折損・破断することがある。
二階の梁や桁との接合や住宅倒壊防止免震構造をバランス良く配置することで、一階と二階の柱や管柱、構造部材の接合力の強化や荷重の偏重を軽減し、複雑な地震動に対して免震機能を発揮し、地震力を強化する。
【0021】
住宅新築には多額の金銭的負担と時間を要するが、リフォーム、リノベーションで住宅の耐震化・免震化が向上し、住宅と家財が被る被害を削減できる。通常、建築現場ではプレカットされた構造材等を組み立てる建て方が6~8人で一斉に組み立てるが、天候不順で延期になり、職人調達に手間が掛かり、コストアップに繋がる。
住宅の新築、増改築、リノベーション、リフォームの際は耐震診断を行い、住宅の耐震化を図り、地震力の向上に貢献する。
【0022】
震源地が浅い直下型地震は、瞬間的上下動で住宅全体が突き上げられ、直後の激しい揺れで柱のほぞ抜けや補強金物が破断し、一階部分が倒壊して住宅の倒壊の可能性は高い。
住宅の倒壊による死傷者の削減は、地域により特性が異なり、部材や家具等の下敷きによる死者や負傷者の救済は困難を極め、被災者救出、身元確認、火葬、埋葬等対応すべきことが地域や時間に関係なく同時に求められる。
災害が終息しても、非難所の確保、飲料水の確保、食べ物の提供、障害者・老人の介助、疾病者への仮設住宅建設、倒壊住宅の災害廃棄物の撤去、の被害は甚大である。
住宅の免震化をすることで、防災・減災へ取り組み、人命救助・復興資金の削減をすることが、各自で対応すべき課題であり、政府や行政が一体となって解決すべき課題である。
【0023】
台風等による大洪水や河川の堤防決壊、津波等で浸水し、住宅の浮き上がりによる流出、損壊、家具等の欠損が多発する。住宅倒壊防止免震構造は、自然災害による被害の防災・減災に寄与する。
【0024】
木材の強度、加工性、吸湿性、断熱性等が見直され多方面で活かされている。また、木造二階建て住宅の通し柱のほぞ掻きによる構造材の脆弱化や、三階建て住宅に採用される集成材の強度の活用、建築基準法を遵守した一般住宅や、大規模建築物の構造材の結合力の向上、土台・梁・桁等との結合力向上のため、倒壊防止免震構造の利用範囲は広い。
【符号の説明】
【0025】
1:基礎
2:土台
3:柱
4:アンカーボルト
5:アンカーボルト挿通孔
6:アンカーボルト挿入穴
7:被せキャップ
7a:被せキャップツバ
8:第1の底面
9:第2の底面
10a:被せキャップの外底面
10b:被せキャップの内底面
11:金具取付け開口部
12a:ワッシャー
12b:スプリングワッシャー
13:ナット
14:ネジ
15:基礎パッキン
16:弾性部材
17:埋め木
18:埋め木押さえ板
19:受けキャップ
【要約】 (修正有)
【課題】柱と土台の接合は、柱のほぞを土台のほぞ穴に差し込み連結する方法があるが、地震動で柱が土台から脱離して住宅が倒壊するという課題があった。
【解決手段】基礎1と土台2と柱3をアンカーボルト4で鉛直方向に連結し、土台2の上面に形成され鉛直下向きに凹み、第1の底面8を有する第1の凹みと、柱3の下面に形成され鉛直上向きに凹み、第2の底面9を有する第2の凹みと、第2の凹みに嵌め合わされるように凹み、外底面を有する被せキャップ7と被せキャップ7の径方向の外側に延設され、柱3の下面に固定される被せキャップツバ7aとを備え、被せキャップ7の深さは第2の凹みより浅い。第1の底面8と被せキャップの内底面10bとの間に、鉛直方向に圧縮された弾性部材16を配置し、被せキャップの外底面10aから上方に離れた位置でナット13をアンカーボルト4に固定する。
【選択図】
図1