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  • 特許-乾燥装置及び印刷装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】乾燥装置及び印刷装置
(51)【国際特許分類】
   F26B 13/08 20060101AFI20221129BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
F26B13/08 Z
B41J2/01 125
B41J2/01 305
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2017125920
(22)【出願日】2017-06-28
(65)【公開番号】P2019007714
(43)【公開日】2019-01-17
【審査請求日】2020-05-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】依田 智裕
【審査官】渡邉 聡
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06536863(US,B1)
【文献】特開2011-230494(JP,A)
【文献】特開2012-096390(JP,A)
【文献】特開2009-045861(JP,A)
【文献】特開2015-000508(JP,A)
【文献】特開2016-107469(JP,A)
【文献】特開2014-172285(JP,A)
【文献】特開2016-215428(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0313996(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F26B 13/08
B41J 2/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持面に支持された媒体を加熱するように配置された加熱機構と、
前記媒体を前記支持面に沿って搬送する搬送機構と、
外気を取り入れる吸気口及び前記支持面に向けて開口する吹出口を有する送気路と、
前記送気路内の気体を前記吹出口に向けて流動させるように配置された送風機と、
前記加熱機構を収容する筐体と、
を備え、
前記吸気口は、前記媒体が搬送される搬送方向において前記吹出口の下流に設けられ、
前記送気路は、通気を抑制可能な内側層と、前記内側層の外側に重ねて配置される断熱
層と、を有し、
前記筐体は前記送気路を構成する外壁を有し、
前記外壁は、前記内側層と、前記断熱層と、前記断熱層の外側に重ねて配置される外側
層と、を含み、
前記内側層及び前記外側層は板状部材からなり、
前記断熱層は、前記内側層と前記外側層とに挟まれた空気層からなり、
前記内側層と前記外側層の間の空間には、前記加熱機構につながる配線が収容される
ことを特徴とする乾燥装置。
【請求項2】
前記吸気口は前記支持面に向けて開口し、
前記加熱機構は、前記吹出口と前記吸気口との間に配置される
ことを特徴とする請求項1に記載の乾燥装置。
【請求項3】
媒体に印刷するように構成された印刷機構と、
前記媒体を支持可能な支持面と、
請求項1または請求項2に記載の乾燥装置と、
を備えることを特徴とする印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷物等の乾燥を促進する乾燥装置及びプリンターなどの印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紙などの媒体に印刷する印刷装置は、印刷物を加熱する乾燥装置を備えることがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-136859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
加熱により筐体内の温度が上がると、外部との温度差により、筐体内で結露することがある。本発明の課題は、結露しにくい乾燥装置及び印刷装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する乾燥装置は、支持面に支持された媒体を加熱するように配置された加熱機構と、外気を取り入れる吸気口及び前記支持面に向けて開口する吹出口を有する送気路と、前記送気路内の気体を前記吹出口に向けて流動させるように配置された送風機と、を備え、前記送気路は、通気を抑制可能な内側層と、前記内側層の外側に重ねて配置される断熱層と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】乾燥装置及び印刷装置の一実施形態の全体構成図。
図2図1における2-2線矢視断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、印刷装置の実施形態について、図を参照して説明する。印刷装置は、例えば、液体の一例であるインクを噴射することによって用紙などの媒体に印刷するインクジェット式のプリンターである。
【0008】
図1に示すように、印刷装置11は、収容体12と、媒体99を支持可能な支持面13と、媒体99を支持面13に沿って搬送する搬送機構14と、収容体12内に配置された印刷機構20と、収容体12外に配置された乾燥装置30と、を備えている。媒体99は、例えば、円筒状に巻き重ねられたロール紙である。搬送機構14は、例えば、媒体99に接した状態で回転する複数の搬送ローラー15を有する。
【0009】
印刷機構20は、インクを噴射する印刷ヘッド22を有して、媒体99に印刷するように構成される。印刷機構20は、印刷ヘッド22を保持するキャリッジ23と、キャリッジ23の移動を案内するガイド軸21と、を有してもよい。この場合、印刷ヘッド22は、キャリッジ23とともに往復移動しながらインクを噴射する。
【0010】
乾燥装置30は、加熱機構31と、加熱機構31を収容する筐体32と、送気路36と、送風機37と、を備える。加熱機構31は、支持面13に支持された媒体99を加熱するように、支持面13と対向する位置に配置される。加熱機構31は、発熱体を有する。発熱体は、例えば、支持面13に沿って配置される複数のヒーター管31aである。送風機37は、送気路36内に配置されたファン38を有する。ファン38は、媒体99の幅方向に並ぶように複数設けてもよい。
【0011】
筐体32は、加熱機構31を囲む内壁34と、内壁34の外側に配置される外壁33と、外壁33及び内壁34と交差する一対の側壁35と、を有する。外壁33、内壁34及び側壁35は、送気路36を形成する。送気路36は、外気を取り入れる吸気口36a及び支持面13に向けて開口する吹出口36bを有する。送気路36は加熱機構31を囲むように配置することが好ましい。
【0012】
送風機37は、送気路36内の気体を吹出口36bに向けて流動させるように配置される。送風機37は、送気路36内に配置すると、乾燥装置30の大型化を抑制できる。外壁33及び内壁34を屈曲させると、送気路36内を流れる気体の方向を変化させることができる。
【0013】
吹出口36bに向けて外壁33と内壁34との距離を近づけて送気路36を狭めると、吹出口36bから吹き出る風の風速を上げることができる。このとき、吹出口36bにつながる送気路36の下流部分を、支持面13に対して傾斜するように延設し、吹出口36bから出る風が、媒体99の搬送方向(図1及び図2で白抜き矢印で示す方向)に流れるようにすることが好ましい。
【0014】
吸気口36aは支持面13に向けて開口することが好ましい。また、加熱機構31は、吹出口36bと吸気口36aとの間に配置するとよい。そうすると、吹出口36bから吹き出した風が、加熱機構31が加熱する領域を通過するので、媒体99に含まれる液体の蒸発が促進される。すなわち、媒体99の表面に蒸気が滞留すると、媒体99から液体が蒸発しにくくなる。その点、加熱により生じた蒸気を送風によって媒体99の表面から速やかに除去すると、液体を連続的に蒸発させることができる。
【0015】
筐体32は、支持面13に対向するように配置された加熱口34aを有する。加熱口34aには、金網39を配置することが好ましい。そうすると、金網39越しにヒーター管31aの熱を支持面13上の媒体99に伝えることができる。また、支持面13に沿って吹出口36bから吸気口36aに向かう気流を金網39に沿って流れるように、制御することができる。
【0016】
図2に示すように、送気路36を構成する外壁33は、通気を抑制可能な内側層33aと、内側層33aの外側に重ねて配置される断熱層33bと、を有する。断熱層33bは、内部が高温になった乾燥装置30にユーザーが触れた場合の安全性の向上に役立つ。外壁33は、さらに、断熱層33bの外側に重ねて配置される外側層33cを有して、三層構造にすることが好ましい。
【0017】
内側層33a及び外側層33cは、通気を抑制するために、例えば板金など、ガスバリア性を有する板状部材で構成するとよい。通気を抑制することにより、送気路36内の蒸気は33aの内側に留まり、断熱層33bの方に移動しない。
【0018】
断熱層33bは、空気層または真空層でもよいが、内側層33aと外側層33cとに挟まれた断熱材で構成することが好ましい。断熱材としては、例えば、不織布、多孔質材または発泡プラスチックなどを採用することができる。外壁33を構成する板状部材は薄い方が軽量であるが、薄いと強度が低下する。その点、内側層33aと外側層33cの間に断熱材を挟むと、筐体32の強度が増す。
【0019】
送気路36は、幅方向に複数に区画してもよい。この場合、ファン38は、区画した領域にそれぞれ配置することが好ましい。例えば、区画した領域に、所定の間隔で2つずつファン38を配置することができる。
【0020】
筐体32に送気路36を幅方向に区画するためのリブ32aを設けると、筐体32の強度が増す。吸気口36a及び吹出口36bは、幅方向に延びる長い開口を1つずつ設けてもよいし、それぞれを幅方向に区画してもよい。
【0021】
側壁35は、外壁33と同様に、複層構造にすることができる。例えば、側壁35は、通気を抑制可能な内側層35aと、内側層35aの外側に位置する外側層35cと、内側層35aと外側層35cとの間に位置する断熱層35bと、を有する。本実施形態の内側層35a及び外側層35cは板金からなり、断熱層35bは空気層である。この場合、内側層35aと外側層35cの間に形成される空間を閉じて、断熱層35bに外気が入らないようにすることが好ましい。空気層である断熱層35bには、加熱機構31または送風機37につながる配線を収容してもよい。
【0022】
次に、乾燥装置30及び印刷装置11の作用について説明する。
印刷済みの媒体99が支持面13に沿って搬送され、乾燥装置30と支持面13との間に形成される乾燥領域に到達すると、ヒーター管31aが発する熱と、吹出口36bから吹き出す風とによって、媒体99に付着したまたは浸透した液体の蒸発が促進される。このように、乾燥装置30は、送風しながら媒体99を加熱することによって、媒体99の乾燥を促進する。
【0023】
吹出口36bから吹き出して乾燥領域を通過した気体の一部は、吸気口36aから吸い込まれ、送気路36内に入る。乾燥領域から送気路36に流入した気体は加熱されているので、吸気口36aが乾燥領域の外から吸気する場合よりも、吹出口36bから吹き出す気体の温度が高くなる。また、加熱機構31を囲むように送気路36を配置すると、加熱機構31から生じる熱により、送気路36内の温度が高くなる。これらにより、ヒーター管31aが発する熱を回収して乾燥に再利用することができるので、熱効率がよい。
【0024】
乾燥領域から流入した気体が、媒体99から蒸発した蒸気を含んでいると、送気路36内の水蒸気量が多くなる。送気路36内の温度が高くなると、そこにある気体は飽和水蒸気量が大きくなり、多くの蒸気を含むことが可能になる。
【0025】
送気路36内にある蒸気を含む高温の気体が、外壁33に触れて冷やされると、飽和水蒸気量の減少に伴い、結露することがある。例えば、駆動時の加熱機構31の温度が60~80℃であるときに、筐体32の外の気体(外気)の温度が20℃であるとする。仮に、外壁33が外側層33cのみからなり、断熱層33b及び内側層33aを有さない場合、外壁33の内側と外側とでは、40~60℃の温度差が生じる可能性がある。
【0026】
あるいは、仮に、外壁33が断熱層33bの内側に通気を抑制可能な内側層33aを有さない場合、送気路36内の蒸気が断熱層33bを構成する断熱材の中に入り込み、外気に冷やされて、結露する可能性がある。そうすると、結露した液体が吸気口36aまたは吹出口36bから垂れ落ち、支持面13または媒体99を汚すおそれがある。
【0027】
その点、断熱層33bの内側に通気を抑制可能な内側層33aがあると、送気路36内にある蒸気が断熱層33bに入りにくい。内側層33aの外側には断熱層33bがあるので、内側層33aの内側と外側との温度差は小さく、蒸気を含む高温の気体が内側層33aに接したとしても、結露しにくい。これに対して、断熱層33bの内側と外側との温度差は大きくなることがあるが、断熱層33b内に蒸気が入らなければ、結露しない。
【0028】
乾燥装置30の電源が切られたときには、加熱機構31の駆動を停止した後に、送風機37を一定時間駆動するようにすることが好ましい。このようにすると、送気路36内の気体を入れ替えながら筐体32内の温度を低下させることができる。そのため、送気路36に残った蒸気が加熱機構31の駆動停止に伴って急激に冷えることに起因する結露が生じにくい。
【0029】
上記実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)印刷済みの媒体99が支持面13上に搬送されると、送風機37の駆動により吹出口36bから吹き出す風と加熱機構31が発する熱とにより、媒体99に付いた液体の蒸発が促進される。加熱機構31が発する熱により送気路36内の温度が上がったとしても、断熱層33bの内側にある内側層33aは、その内側と外側とで温度差が生じにくい。また、内側層33aは通気を抑制するので、断熱層33bに蒸気が入りにくい。そのため、送気路36内で結露が生じにくい。
【0030】
(2)加熱機構31が発する熱によって送気路36内の温度が上がったとしても、外壁33は、外側層33cの内側に断熱層33bを有するので、内側層33aの内側と外側とで温度差が生じにくい。そのため、送気路36内で結露が生じにくい。
【0031】
(3)外壁33は2枚の板状部材とそれらに挟まれた断熱材からなる複層構造(三層構造)である。そのため、断熱層33bを空気層または真空層とする場合よりも、筐体32の強度が高い。
【0032】
(4)吹出口36bから吹き出した風が、加熱機構31が加熱する領域を通過すると、媒体99に付いた液体の蒸発が促進される。支持面13に向けて開口する吸気口36aは、支持面13に沿って流れる加熱された気体を吸い込むので、吹出口36bから出る気体の温度が上がり、熱効率がよい。媒体99から生じた蒸気が吸気口36aから入ったとしても、送気路36の内側層33aは通気を抑制するので、断熱層33bに蒸気が入りにくい。そのため、送気路36内で結露が生じにくい。
【0033】
上記実施形態は、以下に示す変更例のように変更してもよい。上記実施形態に含まれる構成は、下記変更例に含まれる構成と任意に組み合わせることができる。下記変更例に含まれる構成同士は、任意に組み合わせることができる。
【0034】
・乾燥装置30は印刷装置11に着脱可能に装着されてもよい。
・乾燥装置30は、印刷装置11の収容体12内に収容してもよい。
・送風機37は、吸気口36aまたは吹出口36bに配置してもよい。
【0035】
・加熱機構31が備える発熱体はヒーター管31aに限らず、電熱線などでもよい。
・加熱機構31は、送気路36内で気体を加熱してもよい。この場合、乾燥装置30が内壁34を備えなくてもよい。
【0036】
・外壁33,側壁35は、4層以上の多層構造にすることもできる。例えば、断熱層33b,35bを二層以上にしたり、二層の断熱層33b,35bの間に別の板状部材を入れたりしてもよい。これにより、外壁33,側壁35の強度が増す。また、外壁33,側壁35を構成する層が多くなるほど、各層の内側と外側との温度差が小さくなるので、結露が抑制される。
【0037】
・支持面13は傾斜面であってもよいし、水平面であってもよいし、凹凸のある面であってもよい。
・印刷機構20が噴射する液体はインクに限らず、例えば機能材料の粒子が液体に分散又は混合されてなる液状体などでもよい。例えば、印刷機構20が液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材または色材(画素材料)などの材料を分散または溶解のかたちで含む液状体を噴射してもよい。
【0038】
・印刷機構20は、媒体99に接触することによって液体を媒体99に付けるように構成してもよい。
・印刷装置11は、ページ単位で印刷するページプリンターであってもよい。
【0039】
・乾燥装置30は印刷物以外の物の乾燥を促進するために用いてもよい。
・媒体99は用紙に限らず、転写フィルムなどのプラスチックフィルムまたは薄い板材などでもよいし、捺染装置などに用いられる布帛でもよい。
【0040】
以下に、上述した実施形態及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
[思想1]
支持面に支持された媒体を加熱するように配置された加熱機構と、
外気を取り入れる吸気口及び前記支持面に向けて開口する吹出口を有する送気路と、
前記送気路内の気体を前記吹出口に向けて流動させるように配置された送風機と、
を備え、
前記送気路は、通気を抑制可能な内側層と、前記内側層の外側に重ねて配置される断熱層と、を有する
ことを特徴とする乾燥装置。
【0041】
この構成によれば、送風機の駆動により吹出口から吹き出す風と加熱機構が発する熱とにより、液体の蒸発が促進される。加熱機構が発する熱により送気路内の温度が上がったとしても、断熱層の内側にある内側層は、その内側と外側とで温度差が生じにくい。また、内側層は通気を抑制するので、断熱層に蒸気が入りにくい。そのため、送気路内で結露が生じにくい。
【0042】
[思想2]
前記加熱機構を収容する筐体を備え、
前記筐体は前記送気路を構成する外壁を有し、
前記外壁は、前記内側層と、前記断熱層と、前記断熱層の外側に重ねて配置される外側層と、を含む
ことを特徴とする[思想1]に記載の乾燥装置。
【0043】
この構成によれば、加熱機構が発する熱によって送気路内の温度が上がったとしても、外壁は、外側層の内側に断熱層を有するので、内側層の内側と外側とで温度差が生じにくい。そのため、送気路内で結露が生じにくい。
【0044】
[思想3]
前記内側層及び前記外側層は板状部材からなり、
前記断熱層は、前記内側層と前記外側層とに挟まれた断熱材からなる
ことを特徴とする[思想2]に記載の乾燥装置。
【0045】
この構成によれば、外壁は2枚の板状部材とそれらに挟まれた断熱材からなる複層構造(三層構造)をなす。そのため、断熱層を空気層または真空層とする場合よりも、筐体の強度が高い。
【0046】
[思想4]
前記吸気口は前記支持面に向けて開口し、
前記加熱機構は、前記吹出口と前記吸気口との間に配置される
ことを特徴とする[思想1]から[思想3]のうちいずれか1つに記載の乾燥装置。
【0047】
この構成によれば、媒体の乾燥に伴って生じた蒸気が吸気口から入ったとしても、送気路の内側層は通気を抑制するので、断熱層に蒸気が入りにくい。そのため、送気路内で結露が生じにくい。
【0048】
[思想5]
媒体に印刷するように構成された印刷機構と、
前記媒体を支持可能な支持面と、
前記媒体を前記支持面に沿って搬送する搬送機構と、
[思想1]から[思想4]のうちいずれか一項に記載の乾燥装置と、
を備えることを特徴とする印刷装置。
【0049】
この構成によれば、印刷済みの媒体が支持面上に搬送されると、乾燥装置が送風しながら媒体を加熱して、媒体の乾燥を促進する。加熱機構が発する熱により送気路内の温度が上がったとしても、断熱層の内側にある内側層は、その内側と外側とで温度差が生じにくい。また、内側層は通気を抑制するので、断熱層に蒸気が断熱層に入りにくい。そのため、送気路内で結露が生じにくい。
【符号の説明】
【0050】
11…印刷装置、12…収容体、13…支持面、14…搬送機構、15…搬送ローラー、16…吸引機構、20…印刷機構、21…ガイド軸、30…乾燥装置、31…加熱機構、31a…ヒーター管、32…筐体、32a…リブ、33…外壁、33a,35a…内側層、33b,35b…断熱層、33c,35c…外側層、34…内壁、35…側壁、36…送気路、36a…吸気口、36b…吹出口、37…送風機、38…ファン、39…金網、99…媒体。
図1
図2