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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】蓄電装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/209 20210101AFI20221129BHJP
   H01M 50/289 20210101ALI20221129BHJP
   H01M 50/291 20210101ALI20221129BHJP
   H01M 50/502 20210101ALI20221129BHJP
   H01G 2/02 20060101ALI20221129BHJP
   H01G 11/10 20130101ALI20221129BHJP
【FI】
H01M50/209
H01M50/289 101
H01M50/291
H01M50/502
H01G2/02 101E
H01G11/10
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018048849
(22)【出願日】2018-03-16
(65)【公開番号】P2019160711
(43)【公開日】2019-09-19
【審査請求日】2021-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】100153224
【弁理士】
【氏名又は名称】中原 正樹
(72)【発明者】
【氏名】深山 賢一
(72)【発明者】
【氏名】竹生 年伸
【審査官】儀同 孝信
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/203911(WO,A1)
【文献】特開2013-206734(JP,A)
【文献】特開2001-236937(JP,A)
【文献】国際公開第2014/083789(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20
H01M 50/50
H01G 2/02
H01G 11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一方向に並べられたN個(Nは以上の整数)の蓄電素子と、
前記N個の蓄電素子のうちの、連続して並ぶ2個以上かつN-個以下の数の蓄電素子からなる蓄電素子群に対して配置される規制部材とを備え、
前記規制部材は、
前記蓄電素子群の、前記第一方向の両側に配置され、前記蓄電素子群を一括して挟む一対の壁部と、
前記一対の壁部を接続する接続部とを有し、
前記第一方向における前記一対の壁部の間には、前記蓄電素子群における互いに隣合う2個の前記蓄電素子の間に配置される他の壁部を有さず
前記規制部材は、互いに異なる2つの蓄電素子群であって、前記第一方向で隣り合う2つの蓄電素子群のそれぞれに配置されており、かつ、2つの前記規制部材の一方は、前記第一方向と直交する第二方向の一方側に配置され、前記2つの前記規制部材の他方は、前記第二方向の他方側に配置されている、
蓄電装置。
【請求項2】
さらに、前記N個の蓄電素子のうちの連続して並ぶ2個の蓄電素子を電気的に接続するバスバーを備え、
前記2個の蓄電素子のそれぞれは、前記第二方向の一方の端部に、前記バスバーが接合された電極端子を有し、
前記蓄電素子群は前記2個の蓄電素子を含み、
前記規制部材は、前記2個の蓄電素子における、前記第二方向の他方の端部側に前記接続部が位置する姿勢で配置される
請求項1記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記2個の蓄電素子のそれぞれでは、前記第一方向及び前記第二方向に直交する第三方向の一方の端部に、前記電極端子が配置されており、
前記規制部材は、前記2個の蓄電素子における、前記第二方向の他方の端部側であって、かつ、前記第三方向の他方の端部側に配置される
請求項2記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記N個の蓄電素子のそれぞれは、短側面と長側面とを有する角形形状であり、かつ、前記短側面が前記第一方向に平行となる姿勢で一列に並べられており、
前記規制部材は、前記接続部が、前記蓄電素子群それぞれの前記短側面に沿う姿勢で配置されている
請求項1~3のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記一対の壁部のそれぞれは、前記蓄電素子群、及び、前記蓄電素子群に隣り合う蓄電素子の間に配置されている
請求項1~4のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の蓄電素子を備える蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の蓄電素子を備える蓄電装置が知られている。例えば、特許文献1には、複数の角型電池セルを厚み方向に積層した組電池と、組電池を収容する組電池ケースとを備える電池パックが開示されている。この電池パックでは、組電池に対し、積層方向の両端にそれぞれ位置する角型電池セルにそれぞれ突き当てられた1対の拘束プレートが設けられている。また、1対の拘束プレートの間のすべての角型電池セルが押圧されるように、それら角型電池セルの上方或いは下方に配置された連結ロッドによって上記1対の拘束プレートが相互に連結されている。特許文献1には、上記構成により、組電池を構成する各角型電池セルの膨張を防止することができる旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-236937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の蓄電素子からなる蓄電素子列における各蓄電素子の膨れの抑制は、例えば、各蓄電素子の容器の不具合、または、蓄電素子列を収容する外装体の不具合等を招き得る。そのため、蓄電素子列における各蓄電素子の膨れの抑制は、蓄電装置の信頼性の向上の観点から重要である。この課題に対して、例えば上記従来の電池パックのように、蓄電装置が備える複数の蓄電素子の全体を積層方向の両側から拘束する構成を採用する場合、蓄電素子列の両側に配置される一対のプレート及び1対のプレートを連結する連結部材が必要である。その結果、例えば、蓄電装置の重量の増加、または、蓄電装置のサイズの増加等の問題が生じ得る。また、蓄電素子列では、例えば、各蓄電素子と他の部材(バスバーまたは外装体など)との関係に起因して、膨らみやすい部分と膨らみ難い部分とが混在し得る。そのため、蓄電素子列における各蓄電素子の膨れを効果的に抑制するための構成を構築することは容易ではない。
【0005】
本発明は、本願発明者が上記課題に新たに着目することによってなされたものであり、複数の蓄電素子を備える蓄電装置であって、簡易な構成で複数の蓄電素子の膨れを抑制することができる蓄電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る蓄電装置は、第一方向に並べられたN個(Nは3以上の整数)の蓄電素子と、前記N個の蓄電素子のうちの、連続して並ぶ2個以上かつN-1個以下の数の蓄電素子からなる蓄電素子群に対して配置される規制部材とを備え、前記規制部材は、前記蓄電素子群の、前記第一方向の両側に配置され、前記蓄電素子群を一括して挟む一対の壁部と、前記一対の壁部を接続する接続部とを有する。
【0007】
本態様の蓄電装置によれば、N個の蓄電素子からなる蓄電素子列に対し、部分的に規制部材を配置することができる。つまり、蓄電素子列において、例えば他の部材(バスバー及び外装体など)との関係で比較的に膨らみやすい部分(蓄電素子間の距離が広がりやすい部分)が存在する場合、当該部分を含む2個以上の蓄電素子に対して規制部材を配置することで、蓄電素子列の全体としての膨らみが抑制される。つまり、本態様に係る蓄電装置によれば、蓄電素子列の全体ではなく、膨れの抑制が必要な、または、膨れの抑制を効果的に行える部分に規制部材を配置することができる。このように、本態様に係る蓄電装置は、簡易な構成で複数の蓄電素子の膨れを抑制することができる蓄電装置である。
【0008】
また、本発明の一態様に係る蓄電装置は、さらに、前記N個の蓄電素子のうちの連続して並ぶ2個の蓄電素子を電気的に接続するバスバーを備え、前記2個の蓄電素子のそれぞれは、前記第一方向と直交する第二方向の一方の端部に、前記バスバーが接合された電極端子を有し、前記蓄電素子群は前記2個の蓄電素子を含み、前記規制部材は、前記2個の蓄電素子における、前記第二方向の他方の端部側に前記接続部が位置する姿勢で配置される、としてもよい。
【0009】
この構成によれば、例えば、連続して並ぶ2つの蓄電素子の、平面視における、バスバーで接続されていない端部を挟むように、規制部材が配置されるため、効果的に膨れを抑制することができる。
【0010】
また、本発明の一態様に係る蓄電装置において、前記2個の蓄電素子のそれぞれでは、前記第一方向及び前記第二方向に直交する第三方向の一方の端部に、前記電極端子が配置されており、前記規制部材は、前記2個の蓄電素子における、前記第二方向の他方の端部側にであって、かつ、前記第三方向の他方の端部側に、前記接続部が位置する姿勢で配置される、としてもよい。
【0011】
この構成によれば、例えば、2個の蓄電素子それぞれの上面に電極端子が配置されており、これら電極端子が1つのバスバーに接合されている場合において、その2個の蓄電素子の下部に規制部材が配置される。これにより、効果的に複数の蓄電素子の膨れを抑制することができる。
【0012】
また、本発明の一態様に係る蓄電装置において、前記N個の蓄電素子のそれぞれは、短側面と長側面とを有する角形形状であり、かつ、前記第一方向に前記短側面が平行となる姿勢で並べられており、前記規制部材は、前記接続部が、前記蓄電素子群それぞれの前記短側面に沿う姿勢で配置されている、としてもよい。
【0013】
この構成によれば、膨れの抑制対象となる蓄電素子群における膨れやすい方向(長側面の並び方向)に、一対の壁部を接続する接続部が延在することになり、一対の壁部による蓄電素子群の拘束、つまり、膨れの抑制が効果的に行われる。
【0014】
また、本発明の一態様に係る蓄電装置において、前記一対の壁部のそれぞれは、前記蓄電素子群、及び、前記蓄電素子群に隣り合う蓄電素子の間に配置されている、としてもよい。
【0015】
この構成によれば、例えば、少なくとも1つの蓄電素子が膨れた場合、その力は、一対の壁部のそれぞれを挟む力として作用する。従って、一対の壁部を接続する接続部による拘束力が、蓄電素子群の膨れを抑制する力として効果的に作用する。つまり、蓄電素子の膨れようとする力を利用して、蓄電素子群の膨れ抑制の確実性を向上させることができる。
【0016】
なお、本発明は、N個以上の蓄電素子が並ぶことで形成される蓄電素子列に配置される規制部材として実現することもできる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、簡易な構成で複数の蓄電素子の膨れを抑制することができる蓄電装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施の形態に係る蓄電装置の外観を示す斜視図である。
図2】実施の形態に係る蓄電装置を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
図3A】実施の形態に係る蓄電素子列と規制部材との位置関係を示す第1の平面図である。
図3B】実施の形態に係る蓄電素子列と規制部材との位置関係を示す第2の平面図である。
図3C】実施の形態に係る蓄電素子列と規制部材との位置関係を示す第3の平面図である。
図4A】実施の形態に係る蓄電素子列と規制部材との位置関係を示す第1の側面図である。
図4B】実施の形態に係る蓄電素子列と規制部材との位置関係を示す第2の側面図である。
図5A】実施の形態の変形例1に係る蓄電素子列と規制部材との位置関係を示す側面図である。
図5B】実施の形態の変形例1に係る蓄電素子列と規制部材との位置関係を示す底面図である。
図6】実施の形態の変形例2に係る蓄電素子列と規制部材との位置関係を示す平面図である。
図7】実施の形態の変形例3に係る規制部材の形状を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態(その変形例を含む)に係る蓄電装置について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。
【0020】
また、以下の説明及び図面中において、蓄電素子の並び方向、蓄電素子の容器の長側面の対向方向、または、当該容器の厚さ方向をX軸方向と定義する。また、1つの蓄電素子における電極端子の並び方向、または、蓄電素子の容器の短側面の対向方向をY軸方向と定義する。また、蓄電装置の外装体における本体部と外蓋との並び方向、蓄電素子とバスバーとの並び方向、または、上下方向をZ軸方向と定義する。これらX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに交差(以下実施の形態及びその変形例では、直交)する方向である。なお、使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるが、以下では説明の便宜のため、Z軸方向を上下方向として説明する。また、以下の説明において、例えば、X軸方向プラス側とは、X軸の矢印方向側を示し、X軸方向マイナス側とは、X軸方向プラス側とは反対側を示す。Y軸方向及びZ軸方向についても同様である。
【0021】
(実施の形態)
[蓄電装置の全般的な説明]
まず、図1及び図2を用いて、実施の形態に係る蓄電装置1の全般的な説明を行う。図1は、実施の形態に係る蓄電装置1の外観を示す斜視図である。図2は、実施の形態に係る蓄電装置1を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
【0022】
蓄電装置1は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電することができる装置である。例えば、蓄電装置1は、電力貯蔵用途または電源用途などに使用される電池モジュールである。具体的には、蓄電装置1は、例えば、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)またはプラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)等の自動車、自動二輪車、ウォータークラフト、スノーモービル、農業機械、建設機械などの移動体の駆動用またはエンジン始動用のバッテリ等として用いられる。
【0023】
図1及び図2に示すように、蓄電装置1は、複数の蓄電素子20と、複数の蓄電素子20を収容する外装体10とを備える。本実施の形態では、外装体10には8個の蓄電素子20が収容されている。なお、蓄電装置1が備える蓄電素子20の数は8には限定されない。本実施の形態に係る蓄電装置1は、N個(Nは3以上の整数)の蓄電素子20を備えていればよい。
【0024】
外装体10は、複数の蓄電素子20を収容する本体部12と、複数の蓄電素子20の上方に配置されるバスバープレート17と、バスバープレート17の上方を覆うように配置される外蓋11とを有している。バスバープレート17には複数のバスバー33が保持されており、複数のバスバー33はバスバーカバー60及び70に覆われている。また、バスバープレート17と外蓋11との間には、制御回路等を含む接続ユニット80が配置されている。
【0025】
外装体10は、蓄電装置1の外装体を構成する矩形状(箱状)の容器(モジュールケース)である。つまり、外装体10は、複数の蓄電素子20及びバスバープレート17等を所定の位置に固定し、これら要素を衝撃などから保護する部材である。
【0026】
外装体10が有する外蓋11は、本体部12の開口を閉塞する矩形状の部材であり、正極側の外部端子91及び負極側の外部端子92を有している。外部端子91及び92は、接続ユニット80及びバスバー33を介して複数の蓄電素子20と電気的に接続されており、蓄電装置1は、この外部端子91及び92を介して、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電する。外部端子91及び92は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属製の導電部材で形成されている。本体部12は、開口が形成された有底矩形筒状のハウジング(筐体)であり、蓄電素子20等を収容する。
【0027】
また、外装体10の本体部12、バスバープレート17及び外蓋11は、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、または、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、またはポリ・エーテル・サルフォン(PES)等の絶縁材料により構成されている。外装体10は、これにより、蓄電素子20等が外部の金属部材などに接触することを回避する。
【0028】
蓄電素子20は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池(単電池)であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池である。蓄電素子20は、扁平な直方体形状(角形)の形状を有しており、本実施の形態では、8個の蓄電素子20がX軸方向に配列されている。本実施の形態では、このように配列された8個の蓄電素子20を、蓄電素子列25として扱う。
【0029】
なお、蓄電素子20は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよく、また、使用者が充電をしなくても蓄えられている電気を使用できる一次電池であってもよい。さらに、蓄電素子20は、固体電解質を用いた電池であってもよい。また、蓄電素子20の形状は、角形には限定されず、円柱形状、長円柱形状または直方体以外の多角柱形状等であってもよい。
【0030】
具体的には、蓄電素子20は、金属製の容器21を備え、容器21の蓋部分には、金属製の電極端子22(正極端子及び負極端子)が設けられている。容器21は角形形状であり、一対の長側面21aと一対の短側面21bとを有している。電極端子22(正極端子及び負極端子)は、容器21の蓋部分から、バスバープレート17側に向けて(上方、つまりZ軸方向プラス側に向けて)突出して配置されている。この電極端子22が、少なくとも1つのバスバー33及び接続ユニット80を介して外部端子91、92に接続されることにより、蓄電装置1が、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電することができる。なお、容器21の蓋部分には、電解液を注液する注液部等が設けられていてもよい。また、容器21の内方には、電極体(蓄電要素または発電要素ともいう)及び集電体(正極集電体及び負極集電体)等が配置され、電解液(非水電解質)などが封入されているが、詳細な説明は省略する。
【0031】
バスバー33は、バスバープレート17に保持された状態で、少なくとも2つの蓄電素子20上に配置され、当該少なくとも2つの蓄電素子20の電極端子22同士を電気的に接続する矩形状の板状部材である。バスバー33は、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属製の導電部材で形成されている。なお、本実施の形態では、5つのバスバー33を用いて、蓄電素子20を2個ずつ並列に接続して4セットの蓄電素子群を構成し、かつ、当該4セットの蓄電素子群を直列に接続している。
【0032】
また、接続ユニット80は、複数のバスバー及び制御基板等を有するユニットであり、8個の蓄電素子20からなる蓄電素子群と、外部端子91及び92とを接続する。接続ユニット80が有する制御基板は複数の電気部品を有し、これら複数の電気部品により、各蓄電素子20の状態を検出する検出回路、及び、充電及び放電を制御する制御回路等が形成されている。本実施の形態では、接続ユニット80は、バスバープレート17に固定されている。
【0033】
バスバープレート17は、バスバー33を保持する部材である。より詳細には、バスバープレート17は、複数のバスバー33、接続ユニット80、及び、その他配線類等(図示せず)を保持し、これら部材の位置規制等を行うことができる部材である。また、バスバープレート17には、複数のバスバー33のそれぞれを保持し、かつ、複数のバスバー33それぞれの一部を複数の蓄電素子20の側に露出させるバスバー用開口部17aが複数設けられている。
【0034】
バスバーカバー60及び70のそれぞれは、複数のバスバー33を上方から覆う樹脂製の部材であり、例えば、複数のバスバー33と接続ユニット80とを電気的に絶縁する役割を担っている。
【0035】
本実施の形態に係る蓄電装置1はさらに、規制部材40を備えている。規制部材40は、蓄電素子列25の一部に対して配置される部材であり、一括して挟む一対の壁部42と、一対の壁部42を接続する接続部41とを有している。規制部材40は、一対の壁部42が複数(本実施の形態では2個)の蓄電素子20を挟む状態で配置されることで、当該複数の蓄電素子20の膨れ(蓄電素子20間の距離の広がり)を抑制することができる。
【0036】
なお、規制部材40の素材としては、例えば、ポリカーボネート(PC)、PP、PE、PPS、PEEK、PFA、PTFE、PBT、またはPES等の絶縁材料、及び、絶縁材料にガラス繊維等を含有させた複合材料が例示される。また、規制部材40は、例えば、鉄またはステンレス鋼等の金属板、または、その金属板に絶縁材料による被覆を施した板状部材によって形成されてもよい。
【0037】
[規制部材の配置位置]
次に、以上のように構成された蓄電装置1における、規制部材40の配置位置の例、及び規制部材40の機能等について、図3A図4Bを用いて説明する。
【0038】
図3Aは、実施の形態に係る蓄電素子列25と規制部材40との位置関係を示す第1の平面図であり、図3Bは、実施の形態に係る蓄電素子列25と規制部材40との位置関係を示す第2の平面図である。図3Cは、実施の形態に係る実施の形態に係る蓄電素子列25と規制部材40との位置関係を示す第3の平面図である。
【0039】
図4Aは、実施の形態に係る蓄電素子列25と規制部材40との位置関係を示す第1の側面図であり、図4Bは、実施の形態に係る蓄電素子列25と規制部材40との位置関係を示す第2の側面図である。
【0040】
なお、図3A図4Bでは、蓄電素子列25と規制部材40との位置関係を明確に示すために、規制部材40は、ドットを付して且つ肉厚を大きく図示し、さらに、バスバー33は形状を簡易化して図示している。また、蓄電素子列25に含まれる8つの蓄電素子20のそれぞれを区別するために、互いに異なる符号(20a~20h)を付している。3つの規制部材40についても、同様に、互いに異なる符号(40A~40C)を付している。また、図3C図4Bにおける5つのバスバー33についても同様に、互いに異なる符号(33a~33e)を付している。これらの図3A図4Bに関する補足事項は、後述する図5A図6についても適用される。
【0041】
図3A図4Bに示すように、本実施の形態に係る蓄電素子列25には、3つの規制部材40が配置されている。3つの規制部材40のそれぞれは、蓄電素子列25において連続して並ぶ2つの蓄電素子20を挟むように配置されている。
【0042】
具体的には、図3A及び図3Bに示すように、蓄電素子20b及び20cに対して規制部材40Aが配置され、蓄電素子20d及び20eに対して規制部材40Bが配置され、蓄電素子20f及び20gに対して規制部材40Cが配置される。
【0043】
その結果、規制部材40Aは、蓄電素子20b及び20cを一対の壁部42で一括して挟む状態となり、規制部材40Bは、蓄電素子20d及び20eを一対の壁部42で一括して挟む状態となる。また、規制部材40Cは、蓄電素子20f及び20gを一対の壁部42で一括して挟む状態となる。なお、連続して並ぶ複数の蓄電素子20を一対の壁部42で一括して挟む状態とは、例えば、複数の蓄電素子20の並び方向における両側に壁部42が存在し、かつ、複数の蓄電素子20における互いに隣り合う2つの蓄電素子20の間に、当該2つの蓄電素子20の当該並び方向における移動を規制する壁部が実質的にない状態である。
【0044】
ここで、本実施の形態では、蓄電素子列25に対して図3Cに示すように5つのバスバー33が配置される。これにより、蓄電素子20a及び20b(第一群)、蓄電素子20c及び20d(第二群)、蓄電素子20e及び20f(第三群)、及び、蓄電素子20g及び20h(第四群)のそれぞれは並列に接続される。
【0045】
また、第一群と第二群とがバスバー33aによって直列に接続され、第二群と第三群とがバスバー33cによって直列に接続され、第三群と第四群とがバスバー33bによって直列に接続される。さらに、蓄電素子列25の全体としての負極である、第一群の負極側の2つの電極端子22には、バスバー33eが接合され、蓄電素子列25の全体としての正極である、第四群の正極側の2つの電極端子22には、バスバー33dが接合される。バスバー33eは、負極側の外部端子92(図2参照)と電気的に接続され、バスバー33dは、正極側の外部端子91(図2参照)と電気的に接続される。
【0046】
このように、蓄電素子列25が含む8つの蓄電素子20のそれぞれは、金属部材であるバスバー33によって、他の蓄電素子20と電気的及び機械的に接続されている。しかし、全ての蓄電素子20が一様に接続されているわけではない。例えば、蓄電素子20b及び20cそれぞれのY軸方向マイナス側の端部は、バスバー33aによって機械的に接続されている。その一方で、蓄電素子20b及び20cそれぞれのY軸方向プラス側の端部は、バスバー33による接続はなされていない。同様に、蓄電素子20d及び20eそれぞれのY軸方向マイナス側の端部、並びに、蓄電素子20f及び20gそれぞれのY軸方向プラス側の端部は、バスバー33による接続はなされていない。これらの、バスバー33による接続がなされていない端部は、当該端部を有する蓄電素子20が膨れた場合に開きやすい部分である。
【0047】
そこで、本実施の形態では、連続して並ぶ2つの蓄電素子20の間においてバスバー33による接続がなされていない部分に規制部材40を配置している。例えば、蓄電素子20b及び20cの、バスバー33によって接続されていない端部側(Y軸方向プラス側)に接続部41が位置し、かつ、蓄電素子20b及び20cのX軸方向の両側に壁部42が位置する姿勢で規制部材40が配置されている。すなわち、本実施の形態に係る蓄電装置1では、蓄電素子列25において膨らみやすい部分(蓄電素子20間の距離が広がりやすい部分)に規制部材40を配置することで、複数の蓄電素子20の膨れを効率よく抑制することができる。
【0048】
また、本実施の形態では、各蓄電素子20は、Z軸方向プラス側に2つの電極端子22を有しているため、バスバー33による拘束力は、Z軸方向マイナス側には作用し難い。そこで、本実施の形態では、規制部材40を、図4A及び図4Bに示すように、蓄電素子列25におけるZ軸方向マイナス側の部分(下部)に配置している。例えば、蓄電素子20b及び20cの、平面視における、バスバー33によって接続されていない端部側(Y軸方向プラス側)であって、かつ、側面視における、バスバー33によって接続されていない端部側(Z軸方向マイナス側)に、規制部材40Aが配置される。このように、本実施の形態では、蓄電素子20における電極端子22の並び方向(Y軸方向)、及び、上下方向(Z軸方向)における、膨らみやすい端部に規制部材40を配置する。その結果、より効果的に膨れの抑制がなされる。
【0049】
なお、本実施の形態では、規制部材40は、蓄電素子20の下部において、接続部41が、蓄電素子20の短側面21bに沿う姿勢で配置されている。つまり、規制部材40は、蓄電素子20の底面21c側には配置されない。そのため、例えば、各蓄電素子20の底面21cと、外装体10の床面(蓄電素子列25が載置される面)とを接着材等で固定する場合に有利である。
【0050】
また、本実施の形態では、3つの規制部材40A~40Cは、いずれも2つの蓄電素子20を挟むように配置される。そのため、3つの規制部材40A~40Cの形状及びサイズは共通化することができる。すなわち、同一形状及び同一サイズの規制部材40を複数作製することで、1つの蓄電素子列25に必要な数の規制部材40を得ることができる。このことは、例えば、蓄電装置1を製造する際の部品管理の簡易化、または、蓄電装置1の製造コストの抑制に寄与する。
【0051】
また、本実施の形態では、X軸方向で隣り合う2つの蓄電素子20の間に、Y軸方向のプラス側及びマイナス側に配置される規制部材40それぞれの壁部42が配置される。具体的には、例えば図3A及び図3Bに示すように、隣り合う2つの蓄電素子20c及び20dの間において、規制部材40Aの右側の壁部42と、規制部材40Bの左側の壁部42とが、互いの端面を対向させる姿勢で配置される。また、隣り合う2つの蓄電素子20e及び20fの間において、規制部材40Bの右側の壁部42と、規制部材40Cの左側の壁部42とが、互いの端面を対向させる姿勢で配置される。
【0052】
つまり、本実施の形態では、隣り合う一組の蓄電素子20の間に、Y軸方向マイナス側及びプラス側に位置する2つの規制部材40のそれぞれの壁部42が配置される。これにより、2つの蓄電素子20の間に壁部42が配置されることによる、蓄電素子列25の長さ(配列方向(X軸方向)の長さ)の増加が抑制される。すなわち、本実施の形態のように、蓄電素子列25に対して3つの規制部材40が配置される場合、6つの壁部42のそれぞれが、蓄電素子列25のうちの、選択された隣り合う2つの蓄電素子20の間に配置される。従って、3つの規制部材40を配置しない場合と比較すると、最大で6つの壁部42の合計の厚みだけ蓄電素子列25の長さが増加し得る。しかしながら、本実施の形態では、上述のように、3つの規制部材40が配置された状態の蓄電素子列25において、Y軸方向で対向する壁部42が二組存在する。従って、例えば図3Bからもわかるように、3つの規制部材40を配置することによる、蓄電素子列25の長さの増加は、3つの壁部42の合計の厚み分だけである。このことは、例えば、蓄電装置1の小型化に寄与する。
【0053】
以上、実施の形態に係る蓄電装置1について説明したが、蓄電装置1が備える規制部材40の配置位置または形状は、図2~4Bに示す配置位置または形状と異なっていてもよい。そこで、以下に、蓄電装置1が備える規制部材40に関する変形例を、上記実施の形態との差分を中心に説明する。
【0054】
(変形例1)
図5Aは、実施の形態の変形例1に係る蓄電素子列25aと規制部材40との位置関係を示す側面図であり、図5Bは、実施の形態の変形例1に係る蓄電素子列25aと規制部材40との位置関係を示す底面図(Z軸方向マイナス側から見た場合の図)である。なお、図5A及び図5Bに示す蓄電素子列25aは、上記実施の形態に係る蓄電素子列25と同じく、8個の蓄電素子20がX軸方向に並ぶことで形成されており、かつ、5つのバスバー33(33a~33e)が、例えば図3Cに示すレイアウトで配置されている。
【0055】
本変形例に係る蓄電素子列25aでは、連続して並ぶ2つの蓄電素子20の、平面視における、バスバー33によって接続されていない端部側(Y軸方向プラス側)であって、かつ、側面視における、バスバー33によって接続されていない端部側(Z軸方向マイナス側)に、規制部材40が配置されている。この点では、上記実施の形態と共通する。
【0056】
しかし、本変形例に係る規制部材40は、接続部41が、膨れの抑制対象である複数(本変形例では2個)の蓄電素子20の短側面21bではなく、底面21cに沿う姿勢で配置されている点で、上記実施の形態とは異なる。
【0057】
このように、本変形例では、規制部材40の接続部41が、蓄電素子20の底面21c側に配置される。これにより、例えば、Y軸方向における外装体10の内面と蓄電素子列25aとの間の空間に、接続部41は配置する余裕がない場合などにおいても、規制部材40を蓄電素子列25aに配置することができる。
【0058】
(変形例2)
図6は、実施の形態の変形例2に係る蓄電素子列25bと規制部材40との位置関係を示す平面図である。本変形例に係る蓄電素子列25bでは、例えば、蓄電素子20d及び20eの、平面視における、バスバー33によって接続されていない端部側(Y軸方向プラス側)に、規制部材40Bが配置されている。この点では、上記実施の形態と共通する。しかし、本変形例に係る規制部材40Bは、バスバー33によって接続されていない端部を有する蓄電素子20d及び20eを含む、連続して並ぶ4個の蓄電素子20(20c~20f)を挟んでいる点で、上記実施の形態とは異なる。具体的には、本変形例に係る規制部材40Bは、4個の蓄電素子20に対応する長さの接続部41aの両端のそれぞれに壁部42が設けられている。
【0059】
このように、規制部材40は、2個の蓄電素子20間の距離が広がりやすい部分を直接的ではなく、間接的に挟むことでも、当該2個の蓄電素子20間の広がりを抑制することができ、これにより、当該2個の蓄電素子20の膨らみが抑制される。なお、図6に示す規制部材40Bによって一括して挟まれている4個の蓄電素子(20c~20f)のうち、例えば蓄電素子20c及び20dの規制部材40B側の端部は、バスバー33aによって接続されている。そのため、蓄電素子20c及び20dそれぞれのバスバー33aに接続された端部(Y軸方向マイナス側、かつ、Z軸方向プラス側の端部)の間の広がりの抑制については、バスバー33aによる拘束力が期待できる。しかし、蓄電素子20c及び20dの規制部材40B側であって、かつ、バスバー33aによる接続のない端部(Y軸方向マイナス側、かつ、Z軸方向マイナス側の端部)については、バスバー33aによる拘束力が作用し難い。この点に関し、本変形例に係る規制部材40Bを、例えば図4Aに示すように、蓄電素子列25bにおける下部に配置することで、規制部材40Bによる膨れ防止効果を、蓄電素子20cの下端部にまで及ぼすことができる。すなわち、蓄電装置1が備える蓄電素子20の数がN個(Nは3以上の整数)である場合、規制部材40を、連続して並ぶ2個以上かつN-1個以下の数の蓄電素子20からなる蓄電素子群に対して配置することができる。これにより、規制部材40は、当該蓄電素子群に含まれる複数の蓄電素子20について膨らみを抑制することができる。
【0060】
(変形例3)
図7は、実施の形態の変形例3に係る規制部材140の形状を示す斜視図である。本変形例に係る規制部材140は、上記実施の形態に係る規制部材40と同様に、一対の壁部142と、一対の壁部142を接続する第一接続部141aとを有している。本変形例に係る規制部材140はさらに、一対の壁部を接続する第二接続部141bを有しており、この点で、上記実施の形態に係る規制部材40とは異なる。
【0061】
例えば、本変形例に係る規制部材140が、上記実施の形態に係る蓄電素子列25に対して規制部材40に代えて配置される場合、第一接続部141aが、2個の蓄電素子20の短側面21bに沿う姿勢で配置される。また、第二接続部141bは、当該2個の蓄電素子20の底面21cに沿う姿勢で配置される。このように、一対の壁部142が、互いに交差する面を形成する2つの接続部(141a及び141b)で接続されていることで、一対の壁部142が開き難くなる。従って、規制部材140による、複数(本変形例では2個)の蓄電素子20についての膨れの抑制効果が向上する。
【0062】
なお、例えば、図7における第一接続部141aの横幅を長くすることで、一対の壁部142によって3以上の蓄電素子20を挟むことができる規制部材140を作製することも可能である。
【0063】
(効果等)
以上説明したように、本実施の形態に係る蓄電装置1は、第一方向(X軸方向)に並べられたN個(Nは3以上の整数)の蓄電素子20と、N個の蓄電素子20のうちの、連続して並ぶ2個以上かつN-1個以下の数の蓄電素子20からなる蓄電素子群に対して配置される規制部材40とを備える。規制部材40は、当該蓄電素子群の、X軸方向の両側に配置され、当該蓄電素子群を一括して挟む一対の壁部42と、一対の壁部42を接続する接続部41とを有する。
【0064】
具体的には、本実施の形態に係る蓄電装置1では、N=8個の蓄電素子20からなる蓄電素子列25に対し、部分的に規制部材40を配置することができる。つまり、蓄電素子列25において、例えば他の部材(バスバー33及び外装体10など)との関係で比較的に膨らみやすい部分(蓄電素子20間の距離が広がりやすい部分)が存在する場合、当該部分を含む2個以上の蓄電素子20に対して規制部材40を配置することで、蓄電素子列25の全体としての膨らみが抑制される。つまり、本実施の形態に係る蓄電装置1によれば、蓄電素子列25の全体ではなく、膨れの抑制が必要な、または、膨れの抑制を効果的に行える部分に規制部材40を配置することができる。このことは、例えば、蓄電装置1の軽量化、小型化、または、製造コストの抑制等に有利である。このように、本実施の形態1に係る蓄電装置1は、簡易な構成で複数の蓄電素子20の膨れを抑制することができる蓄電装置1である。
【0065】
なお、上記の効果は、変形例1及び2に係る蓄電素子列25a及び25bにおいても同様に得ることができる。また、上記の効果は、蓄電装置1において、規制部材40に代えて変形例3に係る規制部材140が配置された場合であっても同様に得ることができる。このことは、以下で説明される効果についても同じである。
【0066】
また、本実施の形態に係る蓄電装置1はさらに、N個の蓄電素子20のうちの連続して並ぶ2個の蓄電素子20を電気的に接続するバスバー33を備える。当該2個の蓄電素子20のそれぞれは、X軸方向と直交する第二方向(Y軸方向)の一方の端部に、当該バスバー33が接合された電極端子22を有する。規制部材40によって一括して挟まれる蓄電素子群は当該2個の蓄電素子20を含み、規制部材40は、当該2個の蓄電素子20における、Y軸方向の他方の端部側に接続部41が位置する姿勢で配置されている。
【0067】
この構成によれば、例えば、連続して並ぶ2個の蓄電素子20の、平面視における、バスバー33で接続されていない端部を挟むように、規制部材40が配置される。つまり、当該2個の蓄電素子20それぞれにおける、バスバー33による拘束力が作用し難い端部が規制部材40によって一括して挟まれる。これにより、効果的に膨れを抑制することができる。
【0068】
また、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1において、当該2個の蓄電素子20のそれぞれでは、X軸方向及びY軸方向に直交する第三方向(Z軸方向)の一方の端部に、バスバー33に接合された電極端子22が配置されており、規制部材40は、当該2個の蓄電素子20における、Y軸方向の他方の端部側であって、かつ、Z軸方向の他方の端部側に、接続部41が位置する姿勢で配置されている。
【0069】
つまり、蓄電装置1において、2個の蓄電素子20に着目した場合、Y軸方向における、バスバー33によって接続されていない端部側であって、かつ、Z軸方向における、バスバー33によって接続されていない端部側に、規制部材40が配置される。つまり、例えば、それぞれの上面に、1つのバスバー33に接合された電極端子22が配置されている少なくとも2個の蓄電素子20の下部に規制部材40が配置される。その結果、当該少なくとも2個の蓄電素子20について、より効果的に膨れの抑制がなされる。
【0070】
また、本実施の形態に係る蓄電装置1において、N個の蓄電素子20のそれぞれは、短側面21bと長側面21aとを有する角形形状であり、かつ、X軸方向に短側面21bが平行となる姿勢で並べられている。規制部材40は、接続部41が、規制部材40によって一括して挟まれる蓄電素子群それぞれの短側面21bに沿う姿勢で配置されている。
【0071】
この構成によれば、膨れの抑制対象となる蓄電素子群における膨れやすい方向(長側面21aの並び方向、つまりX軸方向)に、一対の壁部42を接続する接続部41が延在することになる。従って、一対の壁部42による蓄電素子群の拘束、つまり、膨れの抑制が効果的に行われる。
【0072】
また、本実施の形態に係る蓄電装置1において、一対の壁部42のそれぞれは、規制部材40によって一括して挟まれる蓄電素子群、及び、当該蓄電素子群に隣り合う蓄電素子20の間に配置されている。
【0073】
例えば、図3Cにおいて、規制部材40Aの一対の壁部42のうちの一方は、蓄電素子20a及び20bの間に配置され、一対の壁部42のうちの他方は、蓄電素子20c及び20dの間に配置されている。この構成によれば、例えば、N個の蓄電素子20のうちの少なくとも1つの蓄電素子20が膨れた場合、その力は、一対の壁部42のそれぞれを挟む力として作用する。従って、一対の壁部42を接続する接続部41による拘束力が、当該蓄電素子群の膨れを抑制する力として効果的に作用する。つまり、蓄電素子20の膨れようとする力を利用して、蓄電素子群の膨れ抑制の確実性を向上させることができる。
【0074】
(他の実施の形態)
以上、本発明に係る蓄電装置について、実施の形態(変形例を含む)に基づいて説明した。しかしながら、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を上記実施の形態に施したものも、あるいは、上記説明された複数の構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【0075】
例えば、蓄電装置1が備える複数の蓄電素子20のバスバー33による電気的な接続の態様に限定はない。例えば、蓄電装置1が備える8個の蓄電素子20の全てが7個のバスバーによって直列に接続されてもよい。また、例えば、並列に接続された4個の蓄電素子20からなる蓄電素子群を2つ形成し、これら2つの蓄電素子群を、1つのバスバーで直列に接続してもよい。いずれの場合であっても、例えば、連続して並ぶ2個の蓄電素子20のY軸方向の一方の端部がバスバーによって接続され、かつ、他方の端部がバスバーによって接続されない状態が形成される。従って、当該他方の端部に、当該2個の蓄電素子20を含む複数の蓄電素子20を一括して挟む規制部材40を配置する。これにより、比較的に膨らみやすい部分(蓄電素子20間の距離が広がりやすい部分)の膨れ(広がり)を抑制することができる。
【0076】
また、規制部材40の一部が、外装体10によって形成されてもよい。例えば、外装体10の本体部12の内面から突出して形成された一対の壁部によって、N個の蓄電素子20のうちの、連続して並ぶ2個以上かつN-1個以下の数の蓄電素子20を一括して挟んでもよい。つまり、規制部材における接続部が、本体部12の一部によって実現されてもよい。この場合であっても、N個の蓄電素子20からなる蓄電素子列の一部(一対の壁部に挟まれる2個以上の蓄電素子20)について、膨れの抑制が効果的になされる。また、この場合、例えば、蓄電装置1の製造に必要な部品点数が削減され、これにより、蓄電装置1を製造する際の部品管理の簡易化が図られる。
【0077】
また、規制部材40を、蓄電素子列25に対して配置する場合、接着材等を用いて規制部材40を1以上の蓄電素子20に固定してもよい。これにより、例えば、蓄電装置1の運搬時または使用時における振動に起因して、規制部材40の位置がずれる可能性が低減される。
【0078】
また、規制部材40は、一部が、外装体10によって形成されてもよい。例えば、外装体10の本体部12の内面から突出して形成された一対の壁部によって、連続して並ぶ2個以上かつN-1個以下の数の蓄電素子20を一括して挟んでもよい。つまり、規制部材における接続部が、本体部12の一部によって実現されてもよい。この場合であっても、N個の蓄電素子20からなる蓄電素子列の一部(一対の壁部に挟まれる2個以上の蓄電素子20)について、膨れの抑制が効果的になされる。また、この場合、例えば、蓄電装置1の製造に必要な部品点数が削減され、これにより、蓄電装置1を製造する際の部品管理の簡易化が図られる。
【0079】
また、規制部材40を配置する対象となるN個の蓄電素子20において、バスバーとは異なる部材によって、連続する2個の蓄電素子20の、互いに離れ方向における移動が規制されていてもよい。例えば、外装体10の本体部12の内部において、Y軸方向の一方の端部にのみ、連続する2個の蓄電素子20の端部を挟むリブが存在する場合、Y軸方向の他方の端部に、当該2個の蓄電素子20を含む蓄電素子群を挟む規制部材40を配置する。これにより、当該2個の蓄電素子20のそれぞれにおける膨れが抑制される。
【0080】
また、規制部材40の形状及びサイズは、図2等に示される形状及びサイズには限定されない。例えば、X軸方向において、規制部材40の接続部41が、一対の壁部42の外側にまで延設されていてもよい。また、例えば、規制部材40の高さ(Z軸方向の幅)が、蓄電素子20の容器21の高さと同程度であってもよい。
【0081】
また、上記実施の形態に含まれる構成要素を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、リチウムイオン二次電池などの蓄電素子を備えた蓄電装置に適用できる。
【符号の説明】
【0083】
1 蓄電装置
20、20a~20g 蓄電素子
21 容器
21a 長側面
21b 短側面
21c 底面
22 電極端子
25、25a、25b 蓄電素子列
33、33a~33e バスバー
40、40A、40B、40C、140 規制部材
41、41a 接続部
42、142 壁部
141a 第一接続部
141b 第二接続部
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7